(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023564
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】制御装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20250207BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20250207BHJP
F03D 17/00 20160101ALI20250207BHJP
【FI】
G05B23/02 T
G06Q50/06
G05B23/02 302Z
G05B23/02 301Y
G05B23/02 R
F03D17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127818
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 誠
【テーマコード(参考)】
3C223
3H178
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223AA04
3C223BA03
3C223BB02
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB02
3C223EB03
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF03
3C223FF05
3C223FF07
3C223FF08
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF15
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF33
3C223FF35
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH04
3C223HH08
3C223HH29
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178AA51
3H178BB58
3H178BB59
3H178DD52X
3H178DD54X
3H178EE01
3H178EE22
3H178EE34
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】発電装置の異常の発生を抑制する。
【解決手段】取得部522は、発電装置の異常箇所を示す異常情報を取得する。変更部526は、異常情報に基づいて、発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置の異常情報を取得するように構成されたインタフェースと、
演算装置とを備え、
前記異常情報は、前記発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報、または、前記演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報であり、
前記演算装置は、前記異常情報に基づいて、前記発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行する、制御装置。
【請求項2】
前記発電装置には、各々が該発電装置の運転に関する物理量を検出する少なくとも1つの第1センサが配置されており、
前記他の発電装置には、各々が該他の発電装置の運転に関する物理量を検出する少なくとも1つの第2センサが配置されており、
前記少なくとも1つの第1センサが検出する物理量の種別は、それぞれ、前記少なくとも1つの第2センサが検出する物理量の種別と同一であり、
前記発電装置における前記少なくとも1つの第1センサの配置箇所は、それぞれ、前記他の発電装置における前記少なくとも1つの第2センサの配置箇所と同一であり、
前記所定制御は、前記他の発電装置の監視に用いる監視パラメータを変更する変更制御を含み、
前記演算装置は、前記少なくとも1つの第2センサにより検出された物理量と、前記変更制御により変更された監視パラメータとに基づいて、前記他の発電装置の異常または異常予兆を検出する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記発電装置による第1所定期間の発電量が第1閾値より大きいときに、前記発電装置の監視を開始し、
前記他の発電装置による前記第1所定期間の発電量が第2閾値より大きいときに、前記他の発電装置の監視を開始し、
前記監視パラメータは、前記第2閾値を含み、
前記変更制御は、前記第2閾値を前記第1閾値よりも小さい値に変更する制御を含む、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
第1期間毎に前記発電装置の監視を実行し、
第2期間毎に前記他の発電装置の監視を実行し、
前記監視パラメータは、前記第2期間を含み、
前記変更制御は、前記第2期間を前記第1期間よりも短い期間に変更する制御を含む、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記少なくも1つの第1センサにより検出された物理量に基づいて生成された、前記発電装置の第1周波数スペクトルにおける第1周波数帯域毎の強度を用いて、前記発電装置の監視を実行し、
前記少なくも1つの第2センサにより検出された物理量に基づいて生成された、前記他の発電装置の第2周波数スペクトルにおける第2周波数帯域毎の強度を用いて、前記他の発電装置の監視を実行し、
前記異常情報は、前記異常箇所または前記異常予兆箇所の要因となる、前記第1周波数スペクトルにおける異常周波数帯域を含み、
前記監視パラメータは、前記第2周波数帯域を含み、
前記変更制御は、前記異常周波数帯域を含む帯域での前記第2周波数帯域を前記第1周波数帯域よりも狭い帯域に変更する制御を含む、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記少なくも1つの第1センサにより検出された物理量と第3閾値とに基づいて、前記発電装置の監視を実行し、
前記少なくも1つの第2センサにより検出された物理量と第4閾値とに基づいて、前記他の発電装置の監視を実行し、
前記第3閾値より大きい範囲および前記第3閾値よりも小さい範囲のうちいずれかが、前記発電装置の異常が検出されない未検出範囲であり、
前記監視パラメータは、第4閾値を含み、
前記変更制御は、前記異常箇所または前記異常予兆箇所に対応する第4閾値を前記未検出範囲に属するように変更する制御を含む、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項7】
前記演算装置は、前記変更制御が実行された後、前記他の発電装置の異常または異常予兆が検出されなかった場合に、前記他の発電装置の異常または異常予兆が検出されなかったことを示す情報を出力する、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項8】
前記演算装置は、前記変更制御が実行された後、所定条件が成立したときに、前記変更制御により変更された前記監視パラメータを該変更前に戻す、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項9】
前記所定制御は、前記他の発電装置の運転を停止または抑制させる制御を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記所定制御は、前記他の発電装置の異常または異常予兆が発生する可能性があることを、該他の発電装置の保有者に通知するための制御を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記発電装置および前記他の発電装置は、風力発電装置であり、かつ同一のウインドファームを構成する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御装置は、機械学習された学習済モデルを記憶するメモリをさらに備え、
前記インタフェースは、前記発電装置のメンテナンス結果を所定の端末から取得し、
前記演算装置は、前記異常情報または前記メンテナンス結果を前記学習済モデルに適用することにより、前記変更制御を実行する、請求項2または請求項3に記載の制御装置。
【請求項13】
発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報または演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である異常情報を取得することと、
前記異常情報に基づいて、前記発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行することとを備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許第4995134号公報(特許文献1)には、風力発電装置に設置されている風車の状態を監視する監視装置が開示されている。この監視装置は、風車の状態の評価を適切な基準に従い定量的に行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
風力発電装置などの発電装置において、異常の発生が抑制されることが望まれている。本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、発電装置の異常の発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の制御装置は、発電装置の異常情報を取得するように構成されたインタフェースと、演算装置とを備える。異常情報は、発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報または演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である。演算装置は、異常情報に基づいて、発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行する。
【0006】
本開示の制御方法は、発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報または演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である異常情報を取得することを備える。また、制御方法は、異常情報に基づいて、発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行することを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、発電装置の異常の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の管理システム10の構成例を示す図である。
【
図2】制御装置51および制御装置52の機能ブロック図である。
【
図3】監視パラメータ530の変更制御を説明するための図である。
【
図4】制御装置51および制御装置52の主な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】ユーザテーブルの一例を説明するための図である。
【
図10】ユーザ端末70に表示された可能性情報72の一例を説明するための図である。
【
図11】表示装置104に表示された未検出情報114の一例を説明するための図である。
【
図12】別の実施の形態の管理システム10Aの構成例を説明するための図である。
【
図14】作業者端末60に表示される画面の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。また、各実施形態における構成の少なくとも一部を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本開示の管理システム10の構成例を示す図である。本開示の管理システム10は、M(Mは2以上の整数)個の発電ユニットと、管理装置100と、少なくとも1つのユーザ端末70と、ネットワークNWとを備える。M個の発電ユニットは、第1発電ユニット61と、第2発電ユニット62とを含む。
図1においては、主に、第1発電ユニット61と、第2発電ユニット62とが示されている。また、管理装置100と、後述の制御装置51と、後述の制御装置52と、ユーザ端末70とはネットワークNWを通じて、互いに通信可能である。
【0011】
管理装置100は、M個の発電ユニットを管理する装置である。管理装置100は、たとえば、管理システム10の管理者Bが操作する端末装置である。管理装置100には、入力装置102と、表示装置104とが接続されている。表示装置104は、様々な情報を表示する。入力装置102には、管理者Bにより様々な命令が入力される。
【0012】
第1発電ユニット61は、第1風力発電装置21と、N個のセンサからなる第1センサ群S1n(n=1,...,N)と、収集装置31と、制御装置51とを備える。第1センサ群S1nは、本開示の「少なくとも1つの第1センサ」に対応する。
【0013】
第2発電ユニット62は、第2風力発電装置22と、N個のセンサからなる第2センサ群S2nと、収集装置32と、制御装置52とを備える。第2センサ群S2nは、本開示の「少なくとも1つの第2センサ」に対応する。本実施の形態においては、第1センサ群S1nを構成するセンサ数と、第2センサ群S2nを構成するセンサ数とは同一である。しかしながら、第1センサ群S1nを構成するセンサ数と、第2センサ群S2nを構成するセンサ数とは異なっていてもよい。以下では、主に、第1発電ユニット61および第2発電ユニット62について説明する。
【0014】
M個の発電ユニットは互いに関連している。より詳細には、M個の風力発電ユニットの各々の風力発電装置は互いに関連している。ここで、「関連」とは、M個の風力発電装置が同一構成であり、かつM個の風力発電装置が同一のウインドファームWFを構成することをいう。したがって、M個の発電ユニットの各々の外部の環境(温度、湿度、風量など)が同様となる。なお、変形例として、「関連」とは、M個の風力発電装置の運転開始時期が同一であること、およびM個の風力発電装置の同一機種であることのうち少なく一方を含む概念としてもよい。
【0015】
第1風力発電装置21および第2風力発電装置22は互いに関連している。なお、第1風力発電装置21が、本開示の「発電装置」に対応し、第2風力発電装置22が、本開示の「他の発電装置」に対応する。本実施の形態においては、説明を簡単にするために、他の発電装置は、第2風力発電装置22である例が説明される。しかしながら、他の発電装置は、第2風力発電装置22を含む複数の風力発電装置としてもよい。
【0016】
第1風力発電装置21および第2風力発電装置22は、風力を受けて発電する装置である。第1風力発電装置21および第2風力発電装置22は、風車、軸受け、増速機、および発電機などを有する。第1センサ群S1nは、第1風力発電装置21の所定箇所(たとえば、軸受け、増速機、および発電機)に配置される。第1センサ群S1nの各々が検出した物理量は、収集装置31に出力される。第2センサ群S2nは、第2風力発電装置22の所定箇所(たとえば、軸受け、増速機、および発電機)に配置される。第2センサ群S2nの各々が検出した物理量は、収集装置32に出力される。
【0017】
ここで、第1センサ群S1nは、それぞれ、第2センサ群S2nと対応している。つまり、第1センサ群S1nは、それぞれ、第2センサ群S2nとはセンサの種別が同一であり、第1センサ群S1nが検出する物理量の種別は、それぞれ、第2センサ群S2nが検出する物理量の種別と同一である。さらに、第1風力発電装置21における第1センサ群S1nの配置箇所は、それぞれ、第2風力発電装置22における第2センサ群S2nの配置箇所と同一である。
【0018】
第1センサ群S1nおよび第2センサ群S2nには、それぞれ、ID(Identification)が付与されている。つまり、第1センサ群S1nを構成するN個のセンサ、および第2センサ群S2nを構成するN個のセンサの各々に対して、センサIDが付与されている。また、ユーザ端末70にもIDが付与されている。M個の発電ユニットの各々の風力発電装置(第1風力発電装置21および第2風力発電装置22など)にもIDが付与されている。
【0019】
典型的には、第1センサ群S1nおよび第2センサ群S2nは共に、振動センサである。なお、センサは、他のセンサとしてもよい。他のセンサは、たとえば、温度センサ、音センサなどである。
【0020】
以下では、第1センサ群S1nが検出した物理量は、「N個の第1物理量」と称され、第2センサ群S2nが検出した物理量は、「N個の第2物理量」と称される場合がある。また、第1風力発電装置21、および第2風力発電装置22は、まとめて、「風力発電装置」と称される場合がある。第1センサ群S1n、および第2センサ群S2nは、まとめて、「N個のセンサ」と称される場合がある。収集装置31、および収集装置32は、まとめて、「収集装置」と称される場合がある。制御装置51、および制御装置52は、まとめて、「制御装置」と称される場合がある。
【0021】
N個のセンサから出力されたN個の物理量は、収集装置に出力される。収集装置は、N個の物理量を収集して、制御装置に出力する。制御装置は、N個の物理量を用いて、該制御装置に対応する風力発電装置を監視する。監視処理は、たとえば、所定の期間(たとえば、
図5の監視期間S)に亘って、N個の物理量を収集して、該収集された物理量に基づいて異常の有無を検出する処理である。異常とは、たとえば、風力発電装置の損傷などである。
【0022】
典型的には、制御装置は、振動センサにより検出された物理量に対して、高速フーリエ変換などを実行することにより、周波数スペクトルを生成する。そして、制御装置は、生成した周波数スペクトルと、異常箇所に対応する固有周波数とに基づいて、異常の有無、および異常箇所または異常予兆箇所を特定する。
【0023】
つまり、物理量の種別は、振動レベル(加速度、速度、変位など)である。第1センサ群S1nおよび第2センサ群S2nは、低周波集帯域の振動の大きさを検出する振動センサ、および高周波集帯域の振動の大きさを検出する振動センサを含む。
【0024】
制御装置51は、監視の結果、第1風力発電装置21の異常を検出した場合には、該異常を検出したことを示す異常情報を、管理装置100に送信する。ここで、異常情報は、発電装置(第1風力発電装置21)の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報である。本実施の形態においては、後述の
図2で示すように、制御装置51自身が、異常箇所または異常予兆箇所を検出する、なお、以下では、制御装置51が、異常箇所を検出する構成が主に説明されるが、制御装置51が、異常予兆箇所を検出する構成が採用されてもよい。異常予兆箇所は、現時点では、異常が発生していないが、将来的に異常が発生すると想定される箇所である。
【0025】
制御装置52は、収集装置32から出力されたN個の物理量を用いて、第2風力発電装置22を監視する。制御装置52は、監視の結果、第2風力発電装置22の異常を検出した場合などには、該異常箇所を示す異常情報を、管理装置100に送信する。
【0026】
管理装置100は、制御装置51からの異常情報および制御装置52からの異常情報に基づいて、第1風力発電装置21の異常および第2風力発電装置22の異常を認識できる。
【0027】
制御装置51は、演算装置201と、メモリ202と、インタフェース203とを有する。
図1の例では、インタフェースについては、「I/F」と記載されている。演算装置201は、様々な処理および演算を実行する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0028】
演算装置201は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、およびGPU(Graphics Processing Unit)などで構成される。なお、演算装置201は、CPU、FPGA、およびGPUの少なくとも1つで構成されてもよい。また、演算装置201は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。演算装置201は、「少なくとも1つのプロセッサ」または「演算回路」とも称される。
【0029】
メモリ202は、演算装置201が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する揮発性の記憶領域(たとえば、ワーキングエリア)を含む。たとえば、メモリ202は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を含む。
【0030】
ROMは、演算装置201にて実行されるプログラムを格納する。RAMは、演算装置201におけるプログラムの実行により生成されるデータなどを一時的に格納する。RAMは、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能できる。
【0031】
インタフェース203は、制御装置51の外部装置(収集装置、管理装置100など)と通信するように構成されている。
【0032】
なお、特に図示されていないが、制御装置52および他の発電ユニットの演算装置も、演算装置、メモリ、およびインタフェースを有する。
【0033】
ユーザ端末70は、ユーザAが保有する端末装置である。「ユーザ」とは、典型的には、風力発電装置(第1風力発電装置、および第2風力発電装置22など)を保有している者を示す。また、ユーザ端末70は、典型的には、ユーザAが携帯可能な携帯端末である。また、ユーザ端末70は、専用のコンピュータ端末でもよい。
【0034】
[制御装置51および制御装置52の機能ブロック図]
図2は、制御装置51および制御装置52の機能ブロック図である。
図2において、制御装置51のブロック図と、制御装置52のブロック図とは、説明を明確にするために、異なるように記載されているが、実際は同一である。
【0035】
図2の例では、制御装置51は、取得部512と、検出部514とを有する。制御装置52は、取得部522と、検出部524と、変更部526と、記憶部528とを有する。取得部512および取得部522は、上述のインタフェース203に対応する。検出部514と、検出部524と、変更部526とは、上述の演算装置201に対応する。記憶部528は、メモリ202に対応し、メモリ202の少なくとも一部の記憶領域が適用される。
【0036】
記憶部528は、監視パラメータ530を記憶する。監視パラメータ530は、第2風力発電装置22の監視に用いる。監視パラメータ530は、物理量の種別に応じたパラメータである。監視パラメータ530は、監視条件とも称される。本実施の形態においては、上述のように、物理量の種別は、振動レベルであることから、監視パラメータ530は、周波数帯域、該周波数帯域に対応する閾値、および上述の固有周波数となる。また、監視パラメータは、制御装置51など、M個の制御装置に格納されている。後述するように、監視パラメータは、変更部526により変更されるが、変更前の監視パラメータの種別および値は、M個の制御装置において全て同一である。
【0037】
本実施の形態においては、制御装置51が、第1風力発電装置21の異常を検出し、該異常に応じて、制御装置52の変更部526が監視パラメータ530(
図2参照)を更新する例が説明される。
【0038】
次に、
図2を参照して、制御装置51および制御装置52などの制御の流れを説明する。取得部512は、第1センサ群S1nからN個の第1物理量を取得する。該N個の第1物理量は、検出部514に送信される。
【0039】
検出部514は、N個の第1物理量および図示されていない監視パラメータに基づいて、第1風力発電装置21の異常を検出する。検出部514が異常を検出した場合には、検出部514は、上述の異常情報を生成する。
【0040】
異常情報は、第1風力発電装置21の異常箇所を示す情報と、第1風力発電装置21の異常に対応する強度の周波数帯域(つまり、固有周波数に対応する周波数帯域であり、以下、「異常周波数帯域」とも称される。)などを含む。異常箇所を示す情報は、たとえば、第1センサS1nのセンサIDである。該センサIDの第1センサが配置されている箇所が、異常箇所である。
【0041】
検出部514は、生成した異常情報を管理装置100および制御装置52に送信する。管理装置100は、該異常情報を管理者Bに通知する。たとえば、管理装置100は、異常情報を示す画像を表示装置104に表示する。これにより、管理装置100は、該異常情報を管理者Bに認識させることができる。
【0042】
また、制御装置52の取得部522は、該異常情報を取得する。該異常情報は、変更部526に出力される。変更部526は、該異常情報に基づいて、監視パラメータ530を変更する変更制御を実行する。変更制御は、第2風力発電装置22の異常または異常予兆の検出精度を向上させるための制御である。変更部526は、該異常情報に含まれている、第1風力発電装置21の異常箇所、第1風力発電装置21の異常周波数帯域などを取得する。
【0043】
ここで、上述のように、第1風力発電装置21と、第2風力発電装置22とは関連している。したがって、第1風力発電装置の任意の箇所で異常が発生した場合には、第2風力発電装置22においても該任意の箇所と同一の箇所で、該異常と同一種類の異常が発生する傾向がある。そこで、本実施形態の制御装置52は、このような傾向を鑑みて、第1風力発電装置で発生した異常と同一の異常を早期に検出すべく、変更部526は、制御装置52の監視パラメータ530を変更する。監視パラメータ530の変更については後述する。
【0044】
取得部522は、第2センサ群S2nからのN個の第2物理量を取得する。第2センサ群S2nからのN個の第2物理量は、検出部524に出力される。検出部524は、N個の第2物理量および監視パラメータ530に基づいて、第2風力発電装置22の異常を検出する。
【0045】
ここで、変更制御により監視パラメータ530が変更された場合には、検出部524は、N個の物理量および該変更された監視パラメータ530に基づいて、第2風力発電装置22の異常を検出する。また、監視パラメータ530が変更されていない場合には、検出部524は、N個の物理量およびデフォルトの監視パラメータ530に基づいて、第2風力発電装置22の異常を検出する。
【0046】
検出部524が異常を検出した場合には、検出部524は、該異常を示す異常情報を生成する。そして、検出部524は、該異常情報を管理装置100に送信する。
【0047】
[監視パラメータの変更]
図3は、監視パラメータ530の変更を説明するための図である。
図3(A)は、監視パラメータ530の変更前を示す図である。
図3(B)は、監視パラメータ530の変更後を示す図である。
【0048】
本実施の形態においては、制御装置51は、第1風力発電装置21の所定期間(第1所定期間)での発電量が第1閾値Th1を超えた場合に、第1風力発電装置21の監視を開始する。また、制御装置52は、第2風力発電装置22の上述の第1所定期間での発電量が第2閾値Th2を超えた場合に、第2風力発電装置22の監視を開始する。監視パラメータ530は、第2閾値Th2である。
図3(A)に示されるように、変更制御前の第2閾値Th2は、第1閾値Th1と同一値である。
【0049】
次に、発電量が閾値(第1閾値Th1、第2閾値Th2)を超えた場合に、風力発電装置の監視を開始する理由を説明する。たとえば、発電量が少ない場合であっても風力発電装置の状態を監視する構成が考えられる。しかしながら、このような構成であれば、風力発電装置の構成部(軸受けなど)に異常があったとしても該構成部に対応するセンサによる検出値が正確でない場合がある。このような場合には、制御装置は、該異常を検出できない場合がある。
【0050】
そこで、本実施の形態においては、制御装置は、発電量が少ない場合には、風力発電装置の状態を監視せずに、発電量が閾値を超えた場合に風力発電装置の状態の監視を開始する。したがって、制御装置は、風力発電装置の異常を適切に検出できる。
【0051】
そして、変更部526は、
図3(B)に示すように、第2閾値Th2を第1閾値Th1よりも小さい値に変更する。このように、本実施の形態においては、変更対象の監視パラメータは、制御装置52が用いる第2閾値Th2である。変更部526が第2閾値Th2の変更を行うことにより、第2閾値Th2の変更を行う前と比較して、早いタイミングで、第2風力発電装置22の監視を開始できる。したがって、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常を早期に検出できる。
【0052】
[制御装置51および制御装置52の処理の流れ]
図4は、第1風力発電装置21の制御装置51および第2風力発電装置22の制御装置52の主な処理の流れを示すフローチャートである。制御装置51および制御装置52は特定期間(たとえば、1秒)毎に、
図4の処理を実行する。
【0053】
まず、ステップS2において、制御装置51は、第1風力発電装置21の監視により第1風力発電装置21の異常が発生したか否かを判断する。第1風力発電装置21の異常が発生していない場合には(ステップS2でNO)、処理は終了する。一方、第1風力発電装置21の異常が発生している場合には(ステップS2でYES)、ステップS4において制御装置51が、該異常に関する異常情報を生成し、該制御装置52に送信する。
【0054】
ステップS12において、制御装置52は、異常情報を取得したか否かを判断する。制御装置52が異常情報を取得した場合には(ステップS12でYES)、ステップS14において、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常を抑制するための所定制御を実行する。
【0055】
上述のように、第1風力発電装置21と、第2風力発電装置22とは関連している。したがって、第1風力発電装置で発生した異常と同一の異常が、第2風力発電装置22でも発生する傾向がある。そこで、このような傾向を鑑みて、本実施の形態の制御装置52は、第1風力発電装置21の異常に関する異常情報に基づいて、第2風力発電装置22の異常を抑制するための所定制御を実行する。したがって、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常の発生を抑制することができる。
【0056】
また、上記の所定制御は、変更制御を含む。変更制御は、第2風力発電装置22の監視に用いる監視パラメータ530(
図2参照)を、第2風力発電装置22の異常の発生を抑制することができるように変更する制御である。このように、制御装置51は、第1風力発電装置21の異常情報に基づいて、第2風力発電装置22の監視に用いる監視パラメータ530(
図2参照)を変更する。したがって、制御装置51は、適切に、第2風力発電装置22の異常の発生を抑制することができる。
【0057】
また、本実施の形態の変更制御は、
図3に示すように、制御装置52が用いる第2閾値Th2を第1閾値Th1よりも小さい値に変更する制御である。したがって、制御装置52は、第2風力発電装置22の監視タイミングを早めることができる。よって、制御装置52は、第2風力発電装置22の監視の開始タイミングを早めることができることから、第2風力発電装置22の異常を早期に検出できる。
【0058】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態の変更制御は、監視パラメータ530としての第2閾値Th2を第1閾値Th1よりも小さくする制御である構成が説明された。第2実施形態においては、他の監視パラメータ530が変更される変更制御(第1変更制御~第3変更制御)を説明する。
【0059】
[第1変更制御]
図5は、第1変更制御を説明するための図である。この第1変更制御が採用される実施形態においては、制御装置51は、所定の監視期間Sに亘って第1風力発電装置21の監視処理を実行する。さらに、制御装置51は、この監視処理を、第1期間T1毎に実行する。監視期間Sは、たとえば、40秒であり、第1期間T1は、第1風力発電装置21の監視処理間隔であり、たとえば、2時間である。
【0060】
また、制御装置52は、所定の監視期間Sに亘って第2風力発電装置22の監視処理を実行する。さらに、制御装置52は、この監視処理を、第2期間T2毎に実行する。監視期間Sは、たとえば、40秒である。第2期間T2は、第2風力発電装置22の監視処理間隔である。
図5(A)に示されるように、変更制御前の第2期間T2は、第1期間T1と同一値であり2時間である。
【0061】
そして、変更部526は、変更制御として、
図5(B)に示すように、第2期間T2を第1期間T1よりも短い値に変更する。このように、第1変更制御が採用された実施の形態においては、変更対象の監視パラメータ530は、制御装置52が用いる第2期間T2である。
【0062】
変更部526が第2期間T2の変更を行うことにより、第2期間T2の変更を行う前と比較して、第2風力発電装置22の監視処理の実行頻度を増加させることができる。したがって、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常の検出精度を向上させることができることから、第2風力発電装置22の異常を早期に検出できる。
【0063】
[第2変更制御]
図6は、第2変更制御を説明するための図である。この第2変更制御が採用される実施形態においては、異常情報は、風力発電装置の異常箇所の要因となる異常物理量を含む。ここでは、第1風力発電装置21の所定の温度検出箇所に、該温度検出箇所の温度を検出する温度センサが、センサS1nとして設置されている。また、第2風力発電装置22の上記の温度検出箇所と同一の温度検出箇所に、該温度検出箇所の温度を検出する温度センサが、センサS2nとして設置されている。
【0064】
制御装置51は、センサS1nからの物理量と、該物理量に対応する第3閾値Th3との比較を行うことにより、第1風力発電装置21の監視処理を実行する。第3閾値Th3より大きい範囲(本実施の形態においては、第3閾値Th3以上の範囲)および第3閾値Th3よりも小さい範囲のうち一方が、第1風力発電装置21の異常が検出されない未検出範囲であり、他方が第1風力発電装置21の異常が検出される検出範囲となる。本実施の形態においては、第3閾値Th3より大きい範囲が、検出範囲となり、第3閾値Th3より小さい範囲が、未検出範囲となる。
図6の例では、第3閾値Th3が、第1風力発電装置21の温度閾値であり、第4閾値Th4が、第2風力発電装置22の温度閾値である。
【0065】
つまり、制御装置51は、温度が第3閾値Th3以上である場合には、該温度を検出した温度センサに対応する箇所が異常であると判断する。一方、制御装置51は、温度が第3閾値Th3より小さい場合には、該温度を検出した温度センサに対応する箇所が正常であると判断する。
【0066】
また、制御装置52は、センサS2nからの物理量と、該物理量に対応する第4閾値Th4との比較を行うことにより、第2風力発電装置22の監視処理を実行する。第4閾値Th4より大きい範囲(本実施の形態においては、第4閾値Th4以上の範囲)および第4閾値Th4よりも小さい範囲のうち一方が、第2風力発電装置22の異常が検出されない未検出範囲であり、他方が第2風力発電装置22の異常が検出される検出範囲となる。本実施の形態においては、第4閾値Th4より大きい範囲が、検出範囲となり、第4閾値Th4より小さい範囲が、未検出範囲となる。つまり、制御装置52は、温度が第4閾値Th4以上である場合には、該温度を検出した温度センサに対応する箇所が異常であると判断する。一方、制御装置52は、温度が第4閾値Th4より小さい場合には、該温度を検出した温度センサに対応する箇所が正常であると判断する。
【0067】
なお、
図6に示されるように、検出範囲は、異常範囲とも称され、未検出範囲は、正常範囲とも称される。
【0068】
図6(A)に示されるように、変更制御前の第4閾値Th4は、第3閾値Th3と同一値である。制御装置51は、温度センサからの温度が第3閾値Th3以上であると判断した場合には、該温度センサのセンサIDを異常情報として、制御装置52に出力する。制御装置52は、このセンサIDにより、第1風力発電装置21の温度異常箇所を特定できる。
【0069】
図6(B)に示すように、制御装置52の変更部526は、該センサIDが検出する物理量(温度)に対応する第4閾値Th4を、第3閾値Th3の未検出範囲に属するように変更する。このように、第2変更制御が採用された実施の形態においては、変更対象の監視パラメータ530は、制御装置52が用いる第4閾値Th4である。
【0070】
変更部526が、第4閾値Th4の変更を行うことにより、第4閾値Th4の変更を行う前と比較して、第2風力発電装置22の異常を前もって検出できる。換言すれば、変更部526が、第4閾値Th4の変更を行うことにより、第2風力発電装置22の異常予兆を検出できる。したがって、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常を早期に検出できる。
【0071】
[第3変更制御]
図7は、第3変更制御を説明するための図である。この第3変更制御が採用される実施形態においては、異常情報は、第1風力発電装置21の異常箇所の要因となる異常周波数帯域を含む。異常周波数帯域は、第1周波数スペクトルにおいて、強度が異常である(強度が閾値を超えている)周波数帯域である。以下では、制御装置51が生成する周波数スペクトルは、「第1周波数スペクトル」とも称され、制御装置52が生成する周波数スペクトルは、「第2周波数スペクトル」とも称される。
【0072】
ここでは、第1風力発電装置21の少なくとも1つの振動検出箇所に、該振動検出箇所の振動周波数を検出するs(ただし、1≦s≦N)個の振動センサが、センサS1nとして設置されている。また、第2風力発電装置22の上記の少なくとも1つの振動検出箇所と同一の箇所に、s個の振動センサが、センサS2nとして設置されている。なお、s個の振動センサは、たとえば、同一の振動検出箇所において、異なる周波数帯域で振動を検出する。
【0073】
制御装置51は、第1センサS1nのうちのs個の振動センサからの振動値(物理量)に基づいて、第1風力発電装置21の部品ごとの第1周波数スペクトルを生成する。この第1周波数スペクトルは、第1周波数帯域F1毎の強度が示されたものである。制御装置51は、該第1周波数スペクトルを用いて第1風力発電装置21の監視処理を実行する。
【0074】
制御装置51は、当該第1周波数スペクトルの各周波数帯域において、強度が閾値以上となった(ピークとなった)場合には、該強度と対応する周波数帯域(異常周波数帯域)と、上述の固有周波数帯域に対応する部品が異常であることを特定する。
【0075】
また、制御装置52は、第2センサ群S2nのうちのs個の振動センサからの振動値(物理量)に基づいて、第2風力発電装置22の部品ごとの第2周波数スペクトルを生成する。この第2周波数スペクトルは、第2周波数帯域F2毎の強度が示されたものである。制御装置52は、該第2周波数スペクトルを用いて第2風力発電装置22の監視処理を実行する。
【0076】
制御装置52は、当該第2周波数スペクトルの各周波数帯域において、強度が閾値以上となった(ピークとなった)場合には、該強度と対応する周波数帯域(異常周波数帯域)と、上述の固有周波数帯域に対応する部品が異常であることを特定する。
【0077】
図7(A)に示されるように、変更制御前の第2周波数帯域F2は、第1周波数帯域F1と同一値である。制御装置51は、第1風力発電装置21の第1周波数スペクトルにおいて異常周波数帯域が存在すると判断した場合には、異常周波数帯域と、該異常周波数帯域に対応する振動センサのセンサIDとを異常情報として、制御装置52に出力する。
図7(A)の例では、ピークPaとなる周波数帯域が、異常周波数帯域Faとなる。
【0078】
図7(B)に示すように、制御装置52の変更部526は、制御装置51から送信された異常周波数帯域を含む帯域Fxでの第2周波数帯域F2を第1周波数帯域F1よりも狭い帯域に変更する。このように、第3変更制御が採用された実施の形態においては、変更対象の監視パラメータは、制御装置52が用いる、帯域Fxに含まれる第2周波数帯域F2である。一方で、変更部526は、帯域Fx以外の帯域での第2周波数帯域F2については変更しない。
図7(B)の例では、ピークPbとなる周波数帯域が、異常周波数帯域Fbとなる。
【0079】
このように、制御装置52は、第2周波数帯域F2を第1周波数帯域F1よりも狭い帯域に変更することにより、周波数スペクトルにおける分解能を向上させることができる。
【0080】
また、
図7(A)に示すように、第2周波数帯域F2の変更前においては、異常周波数帯域は、Faである。しかしながら、
図7(B)に示すように、第2周波数帯域F2の変更後においては、
図7(A)の異常周波数帯域よりも正確な異常周波数帯域として、Fb(≠Fa)が検出される。したがって、制御装置52は、第2周波数帯域F2を変更することにより、より正確な異常周波数帯域を検出することができる。よって、制御装置52は、第2風力発電装置22の異常を早期に検出できる。また、制御装置52は、第2周波数帯域F2を狭めることにより、演算量は増加するものの、帯域Fx以外の帯域での第2周波数帯域F2については変更しない。したがって、制御装置52は、演算量が過度に増加することを抑制できる。
【0081】
なお、
図7の例では、「周波数帯域(異常周波数帯域」に基づいて第1風力発電装置21および第2風力発電装置22の異常が検出される構成が説明された。しかしながら、ピンポイント値である「周波数(異常周波数」に基づいて第1風力発電装置21および第2風力発電装置22の異常が検出される構成が採用されてもよい。
【0082】
<第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態については、主に、制御装置52が、監視パラメータ530を変更する構成が説明された。第3実施形態の制御装置52は、所定条件が成立したときに、第1実施形態および第2実施形態の変更制御により変更された監視パラメータ530を変更前に戻す。
【0083】
このように、制御装置52は、変更された監視パラメータ530を戻すことから、変更前の監視パラメータ530(つまり、デフォルトの監視パラメータ530)を用いて第2風力発電装置22を監視できる。つまり、制御装置52は、たとえば、第1風力発電装置21と同一の監視パラメータを用いて、第2風力発電装置22を監視できる。
【0084】
図8は、所定条件を説明するための図である。
図8の例では、所定条件として、第1条件~第4条件が示されている。
【0085】
第1条件は、監視パラメータ530の変更後に、第2風力発電装置22に対する制御装置52による所定期間に亘る監視の結果、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が検出されないという条件である。当該所定期間は、本開示の「第2所定期間」に対応し、たとえば、6か月である。
【0086】
このような構成によれば、第2風力発電装置22の監視パラメータ530が変更されたときから所定期間が経過するときまでにおいて、該第2風力発電装置22の異常または異常予兆が検出されない場合には、変更された監視パラメータ530を戻したとしても、特段問題はないと想定される。したがって、制御装置52は、適切に、監視パラメータ530を適切に戻すことができる。
【0087】
第2条件は、監視パラメータが変更された後において、制御装置52が、第2風力発電装置22のメンテナンスが完了したことを示す終了信号を受信したという条件である。ここで、たとえば、第2風力発電装置22へのメンテナンスを行う作業者はメンテナンス端末(図示せず)を保有している。作業者は、メンテナンスが終了すると、メンテナンス端末に対して、メンテナンスが終了したことを示す終了操作を行う。
【0088】
メンテナンス端末は、該終了操作が入力されると、終了信号を、他の装置を介してまたは直接的に制御装置52に送信する。制御装置52は、該終了信号を受信すると、上記の第2条件が成立する。
【0089】
このような構成によれば、他の発電装置のメンテナンスが完了した場合には、変更された監視パラメータ530を戻したとしても、特段問題ないと想定される。したがって、制御装置52は、適切に、監視パラメータを適切に戻すことができる。
【0090】
第3条件は、制御装置52が、ユーザにより所定操作が実行されたことを示す信号を受信したという条件である。ここで、所定操作は、どの装置に行われてもよく、該装置は、たとえば、管理装置100、制御装置51、制御装置52、およびユーザ端末70などの少なくとも1つを含む。所定操作が行われた装置は、該所定操作が行われたこと示す操作信号を、他の装置を介してまたは直接的に制御装置52に送信する。制御装置52は、該操作信号を受信すると、上記の第3条件が成立する。
【0091】
このような構成によれば、制御装置52は、ユーザにより所定操作が実行された場合に変更された監視パラメータ530を戻すことから、ユーザの所望のタイミングで、監視パラメータを戻すことができる。
【0092】
第4条件は、第2風力発電装置22による所定期間(たとえば、上述の第2所定期間)の発電量が、変更制御が実行される前の所定期間の発電量よりも低下したという条件である。一般的に、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が想定される場合であっても、第2風力発電装置22による所定期間の発電量が変更制御が実行される前よりも低下した場合には、第2風力発電装置22の異常が発生し難い傾向にある。そこで、第2風力発電装置22の監視パラメータの変更後の該第2風力発電装置22による所定期間の発電量が、変更制御が実行される前よりも低下した場合には、上記の第4条件が成立する。
【0093】
このような構成によれば、制御装置52は、第2風力発電装置22による所定期間の発電量が、変更制御が実行される前よりも低下した場合に、変更された監視パラメータ530を戻したとしても特段問題はないと想定される。したがって、制御装置52は、適切に、監視パラメータ530を適切に戻すことができる。
【0094】
<第4実施形態>
上述の第1~第3実施形態においては、所定制御は、変更制御である構成が説明された。第4実施形態においては、所定制御が他の制御である構成が説明される。
【0095】
所定制御は、たとえば、第2風力発電装置22の運転を停止させる制御を含むようにしてもよい。
図2に示すように、制御装置51の検出部514が異常を検出した場合には、停止信号(
図2の括弧書き)を、制御装置52に出力する。停止信号は、第2風力発電装置22の運転を停止させるための信号である。
【0096】
制御装置52は、該停止信号を受信すると、第2風力発電装置22の運転を停止する。このような構成によれば、制御装置52は、異常の発生の可能性が高い第2風力発電装置22の運転を停止させることができる。したがって、異常の発生の可能性が高い第2風力発電装置22の致命的な異常を抑制できる。
【0097】
また、停止信号は、抑制信号に代替されてもよい。抑制信号は、第2風力発電装置22の運転を抑制させるための信号である。第2風力発電装置22の運転の抑制は、たとえば、第2風力発電装置22の風車の向きを変えるような制御である。このような構成によれば、制御装置52は、異常の発生の可能性が高い第2風力発電装置22の運転を抑制させることができる。したがって、制御装置52は、異常の発生の可能性が高い第2風力発電装置22の延命を図ることができる。
【0098】
また、所定制御は、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が発生する可能性があることを示す可能性情報を、該第2風力発電装置22の保有者(ユーザ)に通知するための制御を含む。制御装置51の検出部514が、第1風力発電装置21の異常を検出した場合には、異常情報を制御装置52に出力する。制御装置52は、該異常情報により示される、第1風力発電装置21の異常箇所を特定する。第1風力発電装置21の異常箇所と同一の、第2風力発電装置22の箇所に異常が発生する可能性が高い旨を示す可能性情報を生成する。また、制御装置52は、該異常箇所を修復可能なメンテナンス手法も生成する。
【0099】
また、制御装置52、および他の制御装置(制御装置51)は、ユーザテーブルを保持している。ユーザテーブルは、風力発電装置IDと、ユーザ端末IDとが対応付けられたテーブルである。
図9は、ユーザテーブルの一例である。
図9の例では、風力発電装置の参照符号(21、22など)が、風力発電装置IDとして規定されている。
図9の例では、第1風力発電装置21が、ユーザ端末70Aと対応付けられており、第2風力発電装置22が、ユーザ端末70Bと対応付けられている。
【0100】
制御装置52は、可能性情報を生成すると、該第2風力発電装置22に対応するユーザ端末70Bに可能性情報を送信する。そして、制御装置52は、可能性情報を第2風力発電装置22のユーザのユーザ端末70に表示させる。
【0101】
図10は、ユーザ端末70に可能性情報72が表示された画面の一例である。
図10の例の可能性情報72は、「第2風力発電装置の軸受けの異常の発生が予想されます。「AA」というメンテナンスを行ってください」という文字画像である。
【0102】
このような構成によれば、制御装置52が、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が発生する可能性があることを、該第2風力発電装置22のユーザに認識させることができる。したがって、第2風力発電装置22のユーザは、簡易なメンテナンスを第2風力発電装置22に対して行うことにより、第2風力発電装置22の異常が発生することを抑制できる。
【0103】
<第5実施形態>
第5実施形態においては、制御装置52が、第2風力発電装置22の監視パラメータ530を変更した場合であっても、一定期間、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が検出されなかった場合に、第2風力発電装置22の異常または異常予兆が検出されなかったことを示す未検出情報を出力するようにしてもよい。
【0104】
たとえば、管理装置100の表示装置104が、未検出情報を表示する。
図11は、表示装置104に表示された未検出情報114の一例を示す図である。
図11の例では、未検出情報114は、「第2風力発電装置の監視パラメータを変更しましたが、第2風力発電装置の異常を検出しませんでした」という文字画像である。
【0105】
このような構成によれば、制御装置52は、変更制御が実行された後に第2風力発電装置22の異常または異常予兆が検出されなかったことを、管理装置100の管理者Bまたは第2風力発電装置22のユーザなどに認識させることができる。
【0106】
<第6実施形態>
図1の例では、各発電ユニットが制御装置(制御装置51、および制御装置52など)を備える構成が説明された。しかしながら、管理装置100が、制御装置を備える構成であってもよい。
【0107】
図12は、このような構成が採用された管理システム10Aの構成例を示す図である。
図12の例では、管理装置100が制御装置50を備える。ここで、本実施の形態においては、異常情報は、管理装置100の制御装置50が第1風力発電装置21の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である。つまり、第1風力発電装置21などのM個の風力発電装置は、該風力発電装置に設置されているセンサ(第1センサ群S1nなど)が検出した物理量を異常情報として、管理装置100の制御装置50に送信する。つまり、「管理装置100が第1風力発電装置21の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報」は、センサが検出した物理量である。
【0108】
制御装置50は、各収集装置から取得した物理量(異常情報)に基づいて、各風力発電装置を監視する。そして、制御装置50は、たとえば、第1風力発電装置21の異常を検出した場合には、上述の所定制御を実行する。制御装置50は、たとえば、他の風力発電装置(たとえば、第2風力発電装置22)の監視パラメータを変更する変更制御を所定制御として実行する。具体的には、制御装置50は、他の風力発電装置に対して、変更制御を実行させるための指令信号を送信する。他の風力発電装置は、該指令信号を取得すると、該他の風力発電装置自身の監視パラメータを変更する。
【0109】
なお、第6実施形態の変形例として、各風力発電装置の監視は、各風力発電装置の各々に設置されている制御装置が実行するようにしてもよい。そして、制御装置が風力発電装置の異常を検出した場合には、該異常の異常箇所または異常予兆箇所を示す異常情報を制御装置50に送信する。制御装置50は、該異常情報に基づいて所定制御を実行する。
【0110】
<第7実施形態>
第7実施形態においては、AI(Artificial Intelligence)を用いて、監視パラメータの変更制御が実行される例が説明される。
図13は、本実施の形態に係る制御装置52の機能ブロック図である。
図13に示すように、制御装置52は、取得部522および変更部526の他に、推定部1102を有する。また、記憶部528には、監視パラメータ530の他に、学習済モデル121を記憶する。学習済モデル121は、ニューラルネットワーク1211およびパラメータ1212を含む。パラメータ1212は、重み付け係数および判定値により構成される。なお、学習済モデル121は、教師有り学習または教師無し学習等により学習される。
【0111】
取得部522は、異常情報およびメンテナンス結果を取得する。異常情報は、たとえば、制御装置51から取得する。また、メンテナンス結果は、後述の作業者端末60から取得する。
【0112】
推定部1102は、取得部522から入力された入力データと、ニューラルネットワーク1211を含む学習済モデル121とに基づき、監視パラメータを推定する。該推定された監視パラメータは、上記の変更制御により変更された監視パラメータに相当する。該推定された監視パラメータは、変更部526に出力される。変更部526は、記憶部528に記憶されている監視パラメータ530を、該推定された監視パラメータに変更する。
【0113】
このように、
図13の例では、制御装置52は、制御装置51からの異常情報を取得する。そして、制御装置52は、異常情報を学習済モデル121に適用することにより監視パラメータを推定する。つまり、制御装置52は、異常情報を学習済モデル121に適用することにより上記の変更制御を実行する。
【0114】
次にメンテナンス結果を説明する。メンテナンス結果は、作業者Cが作業者端末60に入力する情報である。作業者Cは、異常が発生した風力発電装置(ここでは、第1風力発電装置21)に対してメンテナンスを実行した者である。メンテナンスは、風力発電装置の点検、および風力発電装置の修理を含む。作業者端末60は、作業者Cが保有する端末(たとえば、携帯端末)である。
【0115】
図14は、作業者端末60に表示される画面の一例である。
図14(A)は、入力画面401の一例を示し、
図14(B)は、送信済画面402の一例を示す。たとえば、作業者Cなどが作業者端末60に対して所定の操作を行うことにより、作業者端末60は、入力画面401を表示する。なお、本実施の形態においては、入力画面401の表示制御は、管理装置100の制御により実行される。しかしながら、変形例として、作業者端末60は、作業者端末60自身の制御により入力画面401の表示制御を実行するようにしてもよい。
【0116】
入力画面401においては、異常無し画像411、異常有り画像412、入力領域414、送信ボタン415が表示される。異常無し画像411、異常有り画像412、入力領域414は、作業者Cによるメンテナンス結果が入力されるための画像である。
図14の例においては、作業者Cは、ラジオボタンにより、異常無し画像411および異常有り画像412のいずれかを指定可能となっている。
【0117】
たとえば、作業者Cが、メンテナンスの第1風力発電装置21まで派遣され、該第1風力発電装置21の異常と判断された箇所を点検する。しかしながら、作業者Cが、異常と判断された箇所を点検すると、該箇所には実際には異常が発生していない場合がある。この場合には、作業者Cは、異常無し画像411を指定し、送信ボタン415を操作する。
【0118】
また、該第1風力発電装置21の異常と判断された箇所を、作業者Cが点検した結果、異常が発生していたと判断した場合には、作業者Cは、異常有り画像412を指定する。さらに、作業者Cは、入力領域414に、緊急メンテナンスの内容(軸受部の交換など)を入力する。そして、作業者Cは、送信ボタン415を操作する。
【0119】
送信ボタン415が操作されると、作業者端末60は、メンテンナンス対象の風力発電装置IDと、入力画面401に入力されたメンテナンス結果とを管理装置100に送信する。これとともに、作業者端末60は、
図14(B)の送信済画面を表示する。作業者端末60は、この送信済画面を表示することにより、メンテナンス結果が管理装置100に送信されたことを認識できる。
【0120】
また、管理装置100は、
図14の右上の記載のように、入力画面401においてメンテナンス結果が入力されるまで入力画面401の表示を作業者端末60に維持させる。換言すれば、作業者端末60は、入力画面401においてメンテナンス結果が入力された場合のみ送信済画面402を表示する。
【0121】
作業者Cが、第1風力発電装置21の異常と判断された箇所を点検して、該箇所に異常が発生していない場合がある。この場合において監視パラメータ530が変更されなかった場合には、第2風力発電装置22の異常が特定された場合であっても、該異常に対するメンテナンス(点検)の結果が実際は異常が発生していなかったという結果である可能性が高い。
【0122】
そこで、推定部1102は、メンテナンス結果が第1風力発電装置21に異常が発生していなかったという結果である場合(異常無し画像411が指定された場合)またはメンテナンス内容が小規模のメンテナンスである場合には、異常の検出の精度を低下させるような監視パラメータを推定する。そして、変更部526は、監視パラメータ530を該推定された監視パラメータ(異常の検出の精度が低下された監視パラメータ)に変更する。監視パラメータ530を該推定された監視パラメータに変更する処理とは、たとえば、
図3の第2閾値Th2を増加させる処理、
図5の第2期間T2を長くする処理、
図6の第4閾値Th4を異常範囲に属するような処理、および
図7の第2周波数帯域を広くする処理を含む。このような制御により、異常の検出の演算量を低減できる。
【0123】
また、一般的に、第1風力発電装置21の異常が特定された箇所に対するメンテナンス(点検)の結果が異常(異常)が発生しており、該異常がメンテナンス(修理)により修復されたとしても、第2風力発電装置22の同じ箇所について異常が発生する可能性が高い。そこで、推定部1102は、メンテナンス結果が第1風力発電装置21に異常が発生していたという結果である場合(異常有り画像412が指定された場合)またはメンテナンス内容が大規模のメンテナンスである場合には、異常の検出の精度を向上させるような監視パラメータを推定する。そして、変更部526は、監視パラメータ530を該推定された監視パラメータ(異常の検出の精度が向上された監視パラメータ)に変更する。監視パラメータ530を該推定された監視パラメータに変更する処理とは、たとえば、
図3の第2閾値Th2を減少させる処理、
図5の第2期間T2を短くする処理、
図6の第4閾値Th4を正常範囲に属するような処理、および
図7の第2周波数帯域を狭くする処理を含む。このような制御により、第2風力発電装置22の早期の異常検出を実現できる。
【0124】
[変形例]
(1) 上述の実施形態においては、M個の風力発電装置が同一のウインドファームを構成する例が説明された。しかしながら、M個の風力発電装置のうち少なくとも1つの風力発電装置が除かれた風力発電装置でウインドファームを形成するようにしてもよい。たとえば、第1風力発電装置21と、第2風力発電装置22とは、別のウインドファームを構成するようにしてもよい。
【0125】
(2) 上述の実施形態においては、発電装置は、風力発電装置である構成が説明された。しかしながら、発電装置は、他の発電装置としてもよい。該他の発電装置は、たとえば、水力発電装置、および太陽光発電装置などである。
【0126】
[付記]
(付記1) 演算装置と、発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報または演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である異常情報を取得するように構成されたインタフェースとを備え、演算装置は、異常情報に基づいて、発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行する、制御装置。
【0127】
このような構成によれば、発電装置の異常情報に基づいて、他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行することができる。したがって、他の発電装置の異常を抑制することができる。
【0128】
(付記2) 発電装置には、各々が該発電装置の運転に関する物理量を検出する少なくとも1つの第1センサが配置されており、他の発電装置には、各々が該他の発電装置の運転に関する物理量を検出する少なくとも1つの第2センサが配置されており、少なくとも1つの第1センサが検出する物理量の種別は、それぞれ、少なくとも1つの第2センサが検出する物理量の種別と同一であり、発電装置における少なくとも1つの第1センサの配置箇所は、それぞれ、他の発電装置における少なくとも1つの第2センサの配置箇所と同一であり、所定制御は、他の発電装置の監視に用いる監視パラメータを変更する変更制御を含み、演算装置は、少なくとも1つの第2センサにより検出された物理量と、変更制御により変更された監視パラメータとに基づいて、他の発電装置の異常または異常予兆を検出する、付記1に記載の制御装置。
【0129】
このような構成によれば、他の発電装置の異常を抑制するように、他の発電装置の監視に用いる監視パラメータを変更することから、他の発電装置の異常を早期に発見できる。
【0130】
(付記3) 制御装置は、発電装置による第1所定期間の発電量が第1閾値より大きいときに、発電装置の監視を開始し、他の発電装置による第1所定期間の発電量が第2閾値より大きいときに、他の発電装置の監視を開始し、監視パラメータは、第2閾値を含み、変更制御は、第2閾値を第1閾値よりも小さい値に変更する制御を含む、付記2に記載の制御装置。
【0131】
このような構成によれば、他の発電装置の監視を開始するタイミングを早めることができることから、他の発電装置の異常を早期に発見できる。したがって、他の発電装置の異常の検出精度を向上させることができる。
【0132】
(付記4) 制御装置は、第1期間毎に発電装置の監視を実行し、第2期間毎に他の発電装置の監視を実行し、監視パラメータは、第2期間を含み、変更制御は、第2期間を第1期間よりも短い期間に変更する制御を含む、付記2または付記3に記載の制御装置。
【0133】
このような構成によれば、他の発電装置の監視の頻度を向上させることから、他の発電装置の異常を早期に発見できる。したがって、他の発電装置の異常の検出精度を向上させることができる。
【0134】
(付記5) 制御装置は、少なくも1つの第1センサにより検出された物理量に基づいて生成された、発電装置の第1周波数スペクトルにおける第1周波数帯域毎の強度を用いて、発電装置の監視を実行し、少なくも1つの第2センサにより検出された物理量に基づいて生成された、他の発電装置の第2周波数スペクトルにおける第2周波数帯域毎の強度を用いて、他の発電装置の監視を実行し、異常情報は、異常箇所または異常予兆箇所の要因となる、第1周波数スペクトルにおける異常周波数帯域を含み、監視パラメータは、第2周波数帯域を含み、変更制御は、異常周波数帯域を含む帯域での第2周波数帯域を第1周波数帯域よりも狭い帯域に変更する制御を含む、付記2~付記4のいずれか1項に記載の制御装置。
【0135】
このような構成によれば、他の発電装置の監視に用いる、周波数スペクトルにおける強度の分解能を向上できることから、他の発電装置の異常を早期に発見できる。
【0136】
(付記6) 制御装置は、少なくも1つの第1センサにより検出された物理量と第3閾値とに基づいて、発電装置の監視を実行し、少なくも1つの第2センサにより検出された物理量と第4閾値とに基づいて、他の発電装置の監視を実行し、第3閾値より大きい範囲および第3閾値よりも小さい範囲のうちいずれかが、発電装置の異常が検出されない未検出範囲であり、監視パラメータは、第4閾値を含み、変更制御は、異常箇所または異常予兆箇所に対応する第4閾値を未検出範囲に属するように変更する制御を含む、付記2~付記5のいずれか1項に記載の制御装置。
【0137】
このような構成によれば、他の発電装置の監視に用いる閾値を、第3閾値の未検出範囲に変更することから、他の発電装置の異常を早期に発見できる。したがって、他の発電装置の異常の検出精度を向上させることができる。
【0138】
(付記7) 演算装置は、変更制御が実行された後、他の発電装置の異常または異常予兆が検出されなかった場合に、他の発電装置の異常または異常予兆が検出されなかったことを示す情報を出力する、付記2~付記6のいずれか1項に記載の制御装置。
【0139】
このような構成によれば、変更制御が実行された後に他の発電装置の異常または異常予兆が検出されなかったことを、発電装置の管理者または発電装置の保有者などに認識させることができる。
【0140】
(付記8) 演算装置は、変更制御が実行された後、所定条件が成立したときに、変更制御により変更された監視パラメータを該変更前に戻す、付記2~付記7のいずれか1項に記載の制御装置。
【0141】
このような構成によれば、変更された監視パラメータを戻すことから、変更前の監視パラメータを用いて他の発電装置を監視できる。
【0142】
(付記9) 所定条件は、他の発電装置の第2所定期間に亘る監視の結果、該他の発電装置の異常または異常予兆が検出されないという条件を含む、付記8に記載の制御装置。
【0143】
このような構成によれば、他の発電装置の第2所定期間に亘る監視の結果、該他の発電装置の異常または異常予兆が検出されない場合には、変更された監視パラメータを戻したとしても、特段問題ないと想定される。したがって、変更された監視パラメータを戻すことから、変更前の監視パラメータを用いて他の発電装置を監視できる。
【0144】
(付記10) 所定条件は、演算装置が、他の発電装置のメンテナンスが完了したことを示す信号を受信したという条件を含む、付記8または付記9に記載の制御装置。
【0145】
このような構成によれば、他の発電装置のメンテナンスが完了した場合には、変更された監視パラメータを戻したとしても、特段問題ないと想定される。したがって、変更された監視パラメータを戻すことから、変更前の監視パラメータを用いて他の発電装置を監視できる。
【0146】
(付記11) 所定条件は、演算装置が、ユーザにより所定操作が実行されたことを示す信号を受信したという条件を含む、付記8~付記10のいずれか1項に記載の制御装置。
【0147】
このような構成によれば、ユーザにより所定操作が実行された場合に変更された監視パラメータを戻すことから、ユーザの所望のタイミングで、変更前の監視パラメータを用いた他の発電装置の監視を開始させることができる。
【0148】
(付記12) 所定条件は、他の発電装置による発電量が、変更制御が実行される前よりも低下したという条件を含む、付記8~付記11のいずれか1項に記載の制御装置。
【0149】
一般的に、他の発電装置の異常が想定される場合であっても、該他の発電装置の発電量が低い場合には、該他の発電装置の異常は発生し難い。したがって、他の発電装置の発電量が低い場合には、変更された監視パラメータを戻すことから、変更前の監視パラメータを用いて他の発電装置を監視できる。
【0150】
(付記13) 所定制御は、他の発電装置の運転を停止または抑制させる制御を含む、付記1~付記12のいずれか1項に記載の制御装置。
【0151】
このような構成によれば、他の発電装置の運転を停止または抑制させることができることから、他の発電装置の異常を抑制できる。
【0152】
(付記14) 所定制御は、他の発電装置の異常または異常予兆が発生する可能性があることを、該他の発電装置の保有者に通知するための制御を含む、付記1~付記13のいずれか1項に記載の制御装置。
【0153】
このような構成によれば、他の発電装置の異常または異常予兆が発生する可能性があることを、該他の発電装置の保有者に認識させることができる。したがって、制御装置は、該保有者に早期のメンテナンスさせることにより、他の発電装置の異常を抑制できる。
【0154】
(付記15) 発電装置および他の発電装置は、風力発電装置である、付記1~付記14のいずれか1項に記載の制御装置。
【0155】
このような構成によれば、他の風力発電装置の異常を早期に発見できる。
【0156】
(付記16) 発電装置および他の発電装置は、同一のウインドファームを構成する、付記15に記載の制御装置。
【0157】
このような構成によれば、発電装置で発生した異常と同一の異常が他の風力発電装置で発生する可能性が高いことから、該他の発電装置の異常を早期に発見できる。
【0158】
(付記17) 前記制御装置は、機械学習された学習済モデルを記憶するメモリをさらに備え、前記インタフェースは、前記発電装置のメンテナンス結果を所定の端末から取得し、前記演算装置は、前記異常情報または前記メンテナンス結果を前記学習済モデルに適用することにより、前記変更制御を実行する、付記1~付記16に記載の制御装置。
【0159】
このような構成によれば、管理者などが監視パラメータの変更を行う必要がなく、機械学習された学習済モデルを用いて、監視パラメータの変更を行うことから、適切に、変更制御を実行できる。
【0160】
(付記18) 発電装置と、付記1~付記17のいずれか1項に記載の制御装置を備える、発電ユニット。
【0161】
(付記19) 発電装置と、他の発電装置と、付記1~付記17のいずれか1項に記載の制御装置を備える管理装置とを備える、管理システム。
【0162】
(付記20) 発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を示す情報または演算装置が該発電装置の異常箇所または異常予兆箇所を特定するために用いる情報である異常情報を取得することと、異常情報に基づいて、発電装置と関連する他の発電装置の異常を抑制するための所定制御を実行することとを備える制御方法。
【0163】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0164】
10 管理システム、21 第1風力発電装置、22 第2風力発電装置、31,32 収集装置、51,52 制御装置、61 第1発電ユニット、62 第2発電ユニット、70 ユーザ端末、72 可能性情報、100 管理装置、102 入力装置、104 表示装置、114 未検出情報、201 演算装置、202 メモリ、203 インタフェース、512,522 取得部、514,524 検出部、526 変更部、528 記憶部、530 監視パラメータ。