(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002365
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】生体用吸引装置、生体用吸引装置用の集積容器
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61M1/00 131
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102486
(22)【出願日】2023-06-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】304052754
【氏名又は名称】ブルークロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100210804
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 一
(74)【代理人】
【識別番号】100198498
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 靖
(72)【発明者】
【氏名】宮村 幸春
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA26
4C077CC02
4C077CC04
4C077DD11
4C077DD12
4C077DD24
4C077EE04
4C077JJ05
4C077JJ08
4C077JJ13
4C077JJ24
4C077KK23
4C077KK27
(57)【要約】
【課題】本発明は、吸引物の集積量を別途確保しつつ、生体用吸引装置の吸引性能を高めることを目的とする。
【解決手段】
本発明の生体用吸引装置は、吸引対象の生体内に挿置される吸引チューブと連通して負圧力を作用させ、前記吸引チューブからの吸引物を受け取る吸引タンクと、前記吸引タンクと連通して空気を引いて、前記吸引タンクに負圧力を与えるエアポンプと、前記吸引タンクの負圧力によって閉塞して前記吸引物を前記吸引タンクに一次的に蓄積し、前記吸引タンクの負圧解除によって開放して前記吸引物を排出する排出部とを備え、前記排出部の排出先に配置される集積容器に前記吸引物を二次的に集積することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引対象の生体内に挿置される吸引チューブと連通して負圧力を作用させ、前記吸引チューブからの吸引物を受け取る吸引タンクと、
前記吸引タンクと連通して空気を引いて、前記吸引タンクに負圧力を与えるエアポンプと、
前記吸引タンクの負圧力によって閉塞して前記吸引物を前記吸引タンクに一次的に蓄積し、前記吸引タンクの負圧解除によって開放して前記吸引物を排出する排出部とを備え、
前記排出部の排出先に配置される集積容器に前記吸引物を二次的に集積する
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項2】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
前記吸引タンクへ外気を流入させる外気調整バルブと
前記外気調整バルブを制御して、前記吸引タンクの負圧力を強制的に下げて前記排出部を開放し、前記吸引物を前記吸引タンクから排出する外気調整部とを備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項3】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
前記吸引タンクから前記吸引チューブまでの経路上に設けられ、前記吸引タンクの正圧力によって閉塞する噴出防止弁と、
前記エアポンプを制御して前記吸引タンクに正圧力を与えることによって、前記吸引物を前記吸引タンクから前記排出部を介して強制的に排出するポンプ制御部とを備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項4】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
前記吸引タンクの蓄積量を検出する第1センサと、
検出された前記吸引タンクの蓄積量が、予め定められた一次蓄積限度に達すると、前記エアポンプの負圧力を停止させる吸引管理部とを備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項5】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
前記排出部の排出先に対して前記集積容器が正常配置されたか否かを検出する第2センサと、
前記第2センサが正常配置を検知しない場合、前記エアポンプを動作させない配置監視部とを備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項6】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
前記排出部の排出先に配置される前記集積容器の蓄積量を検出する第2センサと、
前記蓄積量が、予め定められた二次蓄積限度を超えると、報知する蓄積管理部とを備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項7】
請求項1記載の生体用吸引装置であって、
吸引動作の実施履歴を外部の端末装置に送信するモニタ送信部を備える
ことを特徴とする生体用吸引装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の生体用吸引装置の格納スペースに対して、挿脱自在に配置される集積容器であって、
前記排出部から排出される前記吸引物を収容する容積部と、
前記排出部の排出先への正常配置を、前記格納スペースの嵌合形状と嵌合することによってガイドする嵌合部と、
を備えたことを特徴とする生体用吸引装置用の集積容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体から不要な物体(痰や鼻汁や分泌物や異物など)を吸引する生体用吸引装置の技術に関する。特に、本発明は、生体用吸引装置、その装置に組み合わされる集積容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、気道にからむ不要な物体を吸引し、吸引物として除去する痰吸引装置の技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、『吸引カテーテルに連通され吸引した痰を収容する収容容器と、収容容器に連通されて収容容器を介して吸引カテーテルに負圧力を発生させるエアポンプとからなる痰吸引装置』旨の技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の痰吸引装置において、吸引物の集積量に余裕を持たせる場合、収容容器の容積を増大させる必要がある。
【0006】
このように収容容器の容積が増大すると、収容容器内の増大した空気をエアポンプで吸い出すまで、吸引カテーテル(吸引チューブ)に十分な負圧をかけることができない。そのため、気道内の吸引を実行開始するまでの時間(タイムラグ)が長くなるという問題が生じる。
【0007】
また、収容容器の容積が増大したことによって、収容容器内の空気(等価的な緩衝バネ)の緩衝作用が大きくなる。そのため、吸引チューブが吸引物で詰まっても、収容容器内の増大した空気によって緩衝されるため、吸引チューブの負圧力を瞬発的に高めることができず、詰まりの解消が困難になるという問題が生じる。
【0008】
これらの問題を従来構造のまま改善しようとすると、エアポンプの負圧力を高める必要があった。その場合、負圧力の上限を高めた分だけエアポンプが大型化する。そのため、装置本体が大型化したり、消費電力が増えてバッテリー駆動時間が短くなったり、などの新たな問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、吸引物の集積量を確保しつつ、生体用吸引装置の吸引性能を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の生体用吸引装置は、吸引対象の生体内に挿置される吸引チューブと連通して負圧力を作用させ、前記吸引チューブからの吸引物を受け取る吸引タンクと、前記吸引タンクと連通して空気を引いて、前記吸引タンクに負圧力を与えるエアポンプと、前記吸引タンクの負圧力によって閉塞して前記吸引物を前記吸引タンクに一次的に蓄積し、前記吸引タンクの負圧解除によって開放して前記吸引物を排出する排出部とを備え、前記排出部の排出先に配置される集積容器に前記吸引物を二次的に集積することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸引物の二次的な集積量を集積容器によって別途確保しつつ、その確保分だけ吸引タンクを小型化して生体用吸引装置の吸引性能を高めることが可能になる。
【0012】
なお、上述した以外の課題、構成および効果の詳しい内容については、後述する実施形態において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施例1の概略構成を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、エアポンプ120と吸引タンク110との間のエア系統を例示する図である。
【
図3】
図3は、吸引タンク110の装着部分を例示する図である。
【
図4】
図4は、フロート165bの構成を例示する図である。
【
図5】
図5は、大容量タイプの集積容器200を例示する図である。
【
図6】
図6は、カップタイプの集積容器200を例示する図である。
【
図7】
図7は、生体用吸引装置100の外観を例示する図である。
【
図8】
図8は、第2センサ150の構成を例示する図である。
【
図9】
図9は、実施例1の動作を例示する流れ図(前半)である。
【
図10】
図10は、実施例1の動作を例示する流れ図(後半)である。
【
図11】
図11は、実施例2の概略構成を例示するブロック図である。
【
図12】
図12は、実施例2の動作を例示する流れ図(前半)である。
【
図13】
図13は、実施例2の動作を例示する流れ図(後半)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【実施例0015】
《実施例1の概略構成》
図1は、実施例1の概略構成を例示するブロック図である。
図1において、実施例1のシステムは、生体用吸引装置100、集積容器200、端末装置300、および吸引チューブAを備える。
【0016】
この内、生体用吸引装置100は、吸引タンク110、エアポンプ120、配管120a、外気調整バルブ120b、排出部130、隔離室140、第2センサ150、制御部160、吸引スイッチ160b、および第1センサ170を備える。さらに、この制御部160は、外気調整部161、ポンプ制御部162、配置監視部163、蓄積管理部164、吸引管理部165、およびモニタ送信部166を備える。
【0017】
一方、端末装置300は、モニタ受信部310、および経時記録部320を備える。なお、端末装置300については、生体用吸引装置100に専用の装置としてもよいし、既存の携帯端末やスマートフォンや、スマートウォッチなどのウェアラブル端末や、コンピュータなどの汎用の情報処理装置や、コンピュータを端末装置300として機能させるアプリ(コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されたプログラム)によって実現してもよい。
以下、各部の構成について順に説明する。
【0018】
《エア系統の構成説明》
図2は、エアポンプ120と吸引タンク110との間のエア系統を例示する図である。
【0019】
図2において、吸引タンク110は、吸引対象の生体内に挿置される吸引チューブAと連通して負圧力を作用させる気密容器である。さらに、吸引タンク110は、吸引チューブAで吸引される吸引物を受け取って、一次的に蓄積する一次容器も兼ねる。
【0020】
吸引タンク110は、フィルタ120cおよび配管120aを介して連通する。なお、吸引タンク110を生体用吸引装置100から取り外して洗浄する際には、吸引タンク110と配管120aとの接続箇所を外すことが可能である。フィルタ120cは、液体を阻止して、気体を通過させる機能を有する。
【0021】
エアポンプ120は、配管120aを介して連通する吸引タンク110の空気を引くことによって、吸引タンク110に負圧力を与える。
【0022】
配管120aの経路上には、吸引タンク110に外気を流出入させるための外気調整バルブ120bが設けられる。
【0023】
排出部130は、弁部130aおよび留め具130bを備える。弁部130aは、留め具130bで押さえた状態で、吸引タンク110の漏斗状の底面の先端にねじ止めされる。
【0024】
排出部130は、吸引タンク110の負圧力によって、弁部130aが閉塞する。その結果、吸引タンク110の負圧力が排出部130から逃げずに、吸引チューブAに負圧力が作用する。また、排出部130(弁部130a)の閉塞によって、吸引チューブAの吸引物は、排出部130を通らず、吸引タンク110に一次的に蓄積される。
【0025】
排出部130は、吸引タンク110の負圧解除によって、弁部130aを開放する。その結果、吸引タンク110に一次的に蓄積された吸引物は、吸引タンク110の漏斗状の底面を伝って、排出部130から排出される。排出先に配置される集積容器200は、排出される吸引物を二次的に集積する。
【0026】
《吸引タンク110の装着部分の構成》
図3は、吸引タンク110の装着部分を例示する図である。
図3に示すように、吸引タンク110は、生体用吸引装置100の収納部分100aに対して着脱自在に装着され、ロック部100bによって固定される。
【0027】
収納部分100aの底面は、吸引タンク110の底面に形状を合わせて漏斗状に形成され、漏斗状の先端には、排出部130を隔離室140側へ貫通させるための貫通孔100cが設けられる。
【0028】
収納部分100aには、吸引タンク110の透明箇所を介して、後述するフロート165bの上下位置を光検出するための第1センサ170が設けられる。
【0029】
《フロート165bの構成》
図4は、フロート165bの構成を例示する図である。
図4において、フロート165bは、吸引タンク110の内部の溝によって上下自在にスライドする。フロート165bは、吸引タンク110内の吸引物に浮いて上下にスライド移動する。
【0030】
第1センサ170は、吸引タンク110の透明箇所を介して、フロート165bの上下位置を光検出する位置に設けられる。ここでの第1センサ170は、上下2段に重ねたホトインタラプタを備えることによって、フロート165bの下降時(
図4中段)と最大上昇時(
図4の下段)とを区別して光検出して吸引管理部165(
図1参照)へ出力する。
【0031】
《集積容器200の構成》
図5は、大容量タイプの集積容器200を例示する図である。
図5において、集積容器200には、上面の孔部X0を通して、排出部130から排出される吸引物を二次的に集積するための容積部X1が設けられる。
【0032】
集積容器200の底面には、排出部130の排出先への正常配置を、格納スペースである隔離室140の床面の被嵌合形状と嵌合することによってガイドするための嵌合部X2,X3が設けられる。この内、嵌合部X2は、集積容器200の底面を設置面から浮かせるために、4脚の凸形状を有する。嵌合部X3は、集積容器200を隔離室140の奥までガイドするためにIの字状の溝を有する。なお、Iの字状の溝については、より自然にガイド位置に嵌合するように入口側の溝幅を拡げたテーパを付けてもよい。
【0033】
図6は、カップタイプの集積容器200を例示する図である。
カップタイプの集積容器200の機能上の特徴は、嵌合部X2の接地面積を広げることで縦長形状のカップタイプの接地安定性を高めた点と、嵌合部X3を十字溝としたことでカップを4つの向きから隔離室140に挿置可能にした点である。
【0034】
その他の機能は、大容量タイプの集積容器200(
図5)と同じため、ここでの重複説明を省略する。
【0035】
《隔離室140の構成》
図7は、生体用吸引装置100の外観を例示する図である。
図7において、生体用吸引装置100の外観には、隔離室140の開口部140a、隔離扉140b、音声/表示部160a、吸引スイッチ160b、吸引ダイヤル160c、電池蓋100d、および電源コード100eなどが設けられる。
【0036】
この内、開口部140aにはパッキンが配置され、隔離扉140bを閉じることによって隔離室140の気密性を保ち、隔離室140からの臭気漏れを防ぐ。
【0037】
さらに、隔離室140の床面には、集積容器200の嵌合部X2,X3をガイドするための被嵌合部Y2,Y3が設けられる。
【0038】
被嵌合部Y3は、嵌合部X3の溝に嵌合して集積容器200を隔離室140の奥までガイドするためのIの字状の凸レールである。
【0039】
4箇所の被嵌合部Y2は、一体に成形されたプレート部材154(
図8参照)から構成される。これらの被嵌合部Y2は、嵌合部X2の凸部の厚みよりも凹部のくぼみを浅くすることで、4箇所の嵌合部X2を介して、集積容器200の荷重が4箇所の被嵌合部Y2に分散してかかる。
【0040】
《集積容器200の正常配置の検出》
図8は、第2センサ150の構成を例示する図である。
ここでの第2センサ150は、放射状に配置された4本の歪センサ151と、歪センサ151の中央側の端を台座152に固定する固定具153とを備えて構成される。4本の歪センサ151の周辺側の自由端は、プレート部材154の四隅に連結される。
【0041】
この状態で、集積容器200が排出部130の排出先に正常配置されると、プレート部材154は水平になり、4本の歪センサ151にかかる荷重バランスが均等になる。
【0042】
一方、集積容器200が偏って異常配置されると、プレート部材154はわずかに傾斜して、4本の歪センサ151にかかる荷重バランスが不均等になる。
【0043】
このように、第2センサ150は、4本の歪センサ151にかかる荷重バランスを検出することによって、排出部130の排出先に集積容器200が正常配置されたか否かを検出する。
【0044】
《集積容器200の蓄積量の検出》
一方、集積容器200の重量は、4本の歪センサ151に分散してかかる。そこで、第2センサ150は、4本の歪センサ151による荷重をそれぞれ検出し、検出された荷重を合計などすることによって、集積容器200の蓄積量(容器込みの総重量)を検出する。なお、大容量タイプ(
図5)と、カップタイプ(
図6)では、空の集積容器200の重量が異なるため、蓄積管理部164は、集積容器200のタイプ別に、検出された蓄積量(重量)を補正してもよい。
【0045】
《実施例1の動作説明》
つづいて、実施例1の動作説明を行う。
図9および
図10は、実施例1の動作を例示する流れ図である。
以下、
図9および
図10に示すステップ番号の順に動作を説明する。
【0046】
ステップS101: ポンプ制御部162は、吸引スイッチ160bがON状態になるまで待機する。一方、吸引スイッチ160bがON状態に変化すると、ポンプ制御部162はステップS102に動作を移行する。
【0047】
ステップS102: 配置監視部163は、第2センサ150の出力に基づいて、排出部130の排出先に集積容器200が正常配置されているか否かを判定する。ここでの正常配置とは、第2センサ150が集積容器200として最低限の荷重を検知しつつ、かつ荷重バランスが均等であることに該当する。一方、配置異常(正常配置でない)とは、第2センサ150が集積容器200としての最低限の荷重を検知しない(集積容器200が存在しない)か、荷重バランスが偏って不均等(集積容器200が正しい位置に挿置されていない)か、のどちらかである。
【0048】
ステップS103: 集積容器200が正常配置されている場合、配置監視部163は、ステップS105に動作を移行する。一方、集積容器200が正常配置されていない場合、配置監視部163は、エアポンプ120を動作させずに、ステップS104に動作を移行する。
【0049】
ステップS104: 配置監視部163は、音声/表示部160aを介して、集積容器200の『配置異常』を音声または表示などによってユーザに報知する。ユーザには、この報知によって、集積容器200を正常に配置していただく。この報知の完了後に、配置監視部163はステップS101に動作を戻す。
【0050】
ステップS105: 蓄積管理部164は、第2センサ150の出力に基づいて、集積容器200の重量を検出する。蓄積管理部164は、検出された重量(容器重量を含む)を吸引直前の蓄積量として記憶する。
【0051】
ステップS106: 蓄積管理部164は、吸引直前の蓄積量が二次蓄積限度を超えるか否かを判定する。ここでの二次蓄積限度とは、集積容器200が吸引物を最大限に集積した重量(容器重量を含む)から余裕分(吸引1回分における吸引タンク110の標準的または最大の蓄積量)を減算した「許容上限の蓄積量」に相当する。
【0052】
なお、大容量タイプ(
図5)とカップタイプ(
図6)では、容積部X1の容量が異なるため、蓄積量の二次蓄積限度が異なる。そのため、蓄積管理部164は、集積容器200のタイプ設定に合わせて二次蓄積限度を変更する。また、下式のオモリMをカップタイプの集積容器200に均等に付加することで、大容量タイプとカップタイプで二次蓄積限度を事前に一致させてもよい。
オモリM=(大容量タイプの二次蓄積限度)-(カップタイプの二次蓄積限度)
【0053】
判定の結果において集積容器200の蓄積量が二次蓄積限度を超えない場合、蓄積管理部164は、ステップS108に動作を移行する。一方、集積容器200の蓄積量が二次蓄積限度を超えた場合、吸引動作をそのまま実施した場合に集積容器200が溢れるおそれがある。そこで、蓄積管理部164は、エアポンプ120を動作させずに、ステップS107に動作を移行する。
【0054】
ステップS107: 蓄積管理部164は、音声/表示部160aを介して、集積容器200の『満杯』を音声または表示などによってユーザに報知する。ユーザには、この報知に応じて、集積容器200の交換や、集積容器200内の吸引物の廃棄をしていただく。この報知の完了後に、蓄積管理部164はステップS101に動作を戻す。
【0055】
ステップS108: ポンプ制御部162は、エアポンプ120を駆動して、吸引タンク110に負圧力を与える。
【0056】
ステップS109: 吸引タンク110の負圧力によって、排出部130の閉塞が維持される。その結果、吸引チューブAからの吸引物は、吸引タンク110に一次的に蓄積される。
【0057】
ステップS110: 吸引管理部165は、第1センサ170の出力に基づいて、フロート165bの上下位置を吸引物の量として検出し、吸引動作の実施履歴(日時情報を含む)の一つとして記憶する。
【0058】
ステップS120: 吸引管理部165は、フロート165bの上下位置が、一次蓄積限度に達するか否かを判定する。ここでの一次蓄積限度は、吸引タンク110が満杯になる限度に該当する。フロート165bの上下位置が一次蓄積限度に達しない場合、吸引管理部165は、ステップS121に動作を移行する。一方、フロート165bの上下位置が一次蓄積限度に達する場合、吸引管理部165は、音声/表示部160aを介してユーザに「吸引動作を一時停止して吸引タンク110の排出動作を一旦行う」旨を報知しつつ、ステップS122に動作を移行する。
【0059】
ステップS121: ポンプ制御部162は、吸引スイッチ160bがOFF状態に変化したか否かを判定する。吸引スイッチ160bがON状態のままの場合、ポンプ制御部162はステップS108に動作を戻して、吸引動作を継続する。一方、吸引スイッチ160bがOFF状態に変化した場合、ポンプ制御部162はステップS122に動作を移行する。
【0060】
ステップS122: ポンプ制御部162は、エアポンプ120の負圧力を停止し、負圧力を解除して排出部130を開放する。
【0061】
ステップS123: さらに、外気調整部161は、外気調整バルブ120bを開いて、吸引タンク110の負圧力を強制的に下げることで、排出部130の開放を迅速化する。
【0062】
ステップS124: 排出部130の開放によって、吸引タンク110に一次的に蓄積された吸引物は排出部130から排出される。排出部130から排出された吸引物は、集積容器200に二次的に集積される。
【0063】
ステップS125: 蓄積管理部164は、第2センサ150の出力に基づいて、集積容器200の蓄積量の増加が停止して安定したか否かを判定する。集積容器200の蓄積量の増加が停止した場合、蓄積管理部164は、吸引物の排出が完了したと判断して、ステップS126に動作を移行する。集積容器200の蓄積量が増加中の場合、蓄積管理部164は、吸引物が排出途中であると判断して、ステップS124に動作を戻す。
【0064】
ステップS126: 蓄積管理部164は、第2センサ150の出力に基づいて、吸引後の集積容器200の蓄積量(容器重量を含む)を検出する。蓄積管理部164は、この吸引後の蓄積量から、吸引直前の蓄積量(ステップS105参照)を減算して、集積容器200の増加分(排出部130から今回排出された吸引物の量)を求める。蓄積管理部164は、今回の吸引物の量を、吸引動作の実施履歴(日時情報を含む)の一つとして記憶する。
【0065】
ステップS127: モニタ送信部166は、吸引動作の実施履歴を、端末装置300のモニタ受信部310へ情報送信する。モニタ送信部166、この情報送信を、端末装置300と通信不可な期間には行わず、通信可になった期間にまとめて行ってもよい。モニタ受信部310は、受信した情報を吸引動作の実施履歴として、経時記録部320に経時的に記録する。なお、端末装置300は、このような吸引動作の実施履歴を、ユーザが許可する範囲などでアプリなどに適宜利用する。
【0066】
ステップS128: 外気調整部161は、次回の吸引動作に備えて、外気調整バルブ120bを閉じる。必要であれば、ここで洗浄液(水など)の吸引や浸漬などによって吸引チューブAや装置内を洗浄してもよい。このような洗浄液の吸引に際しては、吸引動作の実施履歴に含めても良いし、除いてもよい。
【0067】
以上の動作を完了した後、ポンプ制御部162は、動作をステップS101に戻し、次回の吸引動作を開始するまで最小電力での待機モード(省エネモード)に入る。
【0068】
《実施例1の効果》
以下、実施例1が奏する効果について説明する。
【0069】
(1)特許文献1のような従来の痰吸引装置は収容容器が一つしかないため、吸引物の集積量に余裕を持たせる場合、収容容器の容積を増大させる必要があった。そのため、収容容器内の増大した空気をエアポンプで吸い出すまで、吸引チューブに十分な負圧をかけることができず、生体内の吸引を実行開始するまでに長いタイムラグを要するという問題が生じる。
【0070】
しかしながら、実施例1では、収容容器を、吸引タンク110と集積容器200とに機能を分割する。この吸引タンク110の容積は、1回分の吸引動作に必要な吸引物の容量があれば足りるため、吸引タンク110の容積を比較的小さくすることができる。そのため、吸引タンク110内の空気をエアポンプ120で吸い出すまでの時間を短縮し、吸引チューブAに十分な負圧をかけるまでのタイムラグを短縮することが可能になる。したがって、実施例1は、収容容器を吸引タンク110と集積容器200とに機能分割したことによって、生体内の吸引を実行開始するまでのタイムラグを短縮できるという点で優れている。
【0071】
(2)さらに、実施例1では、吸引タンク110の容積を比較的小さくしたことによって、吸引タンク110内の空気(等価的な緩衝バネ)の緩衝作用を小さくできる。そのため、吸引チューブAが吸引物で詰まった場合、吸引タンク110内の空気にさほど緩衝されずに、吸引チューブAの負圧力を瞬発的に高めることが可能になり、詰まりの解消が容易になる。したがって、実施例1は、収容容器を吸引タンク110と集積容器200とに機能分割したことによって、吸引チューブAの詰まりに対して負圧力を瞬発的に高めて詰まりを解消できるという点で優れている。
【0072】
(3)特に、実施例1では、吸引タンク110の容積を小さくした分だけ、エアポンプ120に必要とされる負圧力の上限を低くできる。したがって、実施例1は、エアポンプ120に必要な負圧力の上限が低下した分だけエアポンプ120を小型化して、生体用吸引装置100を小型化できるという点でも優れている。また、実施例1は、エアポンプ120に必要な負圧力が低下した分だけ、消費電力を減らして省エネやバッテリー駆動時間が長くなるなどの点でも優れている。さらに、実施例1は、エアポンプ120に必要な負圧力が低下した分だけ、エアポンプ120を静粛化できる点においても優れている。
【0073】
(4)特許文献1のような従来の痰吸引装置は収容容器が一つしかないため、収容容器には気密性が必要であった。そのため、ユーザが収容容器から吸引物を廃棄するたびに、気密性を有する収容容器のパーツを毎回分解(チューブや各部の取り外し)する必要があって、ユーザにとって手間がかかるという問題が生じる。
【0074】
しかしながら、実施例1では、収容容器を、吸引タンク110と集積容器200とに機能を分割し、集積容器200に吸引物を集積する。この集積容器200には、吸引タンク110ほどの気密性は不要になる。そのため、ユーザが、集積容器200から吸引物を廃棄する際に、吸引タンク110や集積容器200のパーツを分解する必要性が少ない。したがって、実施例1は、収容容器を吸引タンク110と集積容器200とに機能分割したことによって、吸引物を廃棄する際のユーザの手間が軽減可能になるという点で優れている。
【0075】
(5)実施例1では、吸引タンク110と集積容器200との間に排出部130を配置する。この排出部130は、吸引タンク110の負圧力によって閉塞して吸引物を吸引タンク110に一次的に蓄積すると共に、吸引タンク110の負圧解除によって開放して吸引物を集積容器200側に排出する。そのため、吸引開始に伴って吸引タンク110に吸引物を一次的に蓄積し、吸引停止に伴って吸引物を集積容器200に二次的に移すという連動した動作が自然に行われる。したがって、実施例1は、排出部130を配置することで、吸引動作の開始と停止に連動して、吸引タンク110から集積容器200に吸引物を移すことが可能になるという点で優れている。
【0076】
(6)実施例1では、外気調整バルブ120bを制御して吸引タンク110の負圧力を強制的に下げることができる。そのため、排出部130の開放までの時間を短縮できる。したがって、実施例1は、外気調整バルブ120bを制御することによって、吸引タンク110から吸引物を排出開始するタイミングが早くなるという点で優れている。
【0077】
(7)実施例1では、排出部130の排出先に集積容器200が正常配置されたことを第2センサ150で検出し、正常配置を検知しない限りエアポンプ120を動作させない。したがって、実施例1は、集積容器200の正常配置を検出してエアポンプ120を動作させることによって、集積容器200の配置異常によって吸引物が隔離室140内に漏れるといった事態を防止できるという点で優れている。
【0078】
(8)実施例1では、集積容器200の蓄積量を第2センサ150で検出し、蓄積量が二次蓄積限度を超えると、ユーザに対して集積容器200の『満杯』を報知する。したがって、実施例1は、集積容器200の満杯を第2センサ150で検知することで、集積容器200の溢れを予防できるという点で優れている。
【0079】
(9)実施例1では、吸引タンク110の蓄積量を第1センサ170で検出し、蓄積量が一次蓄積限度を超えると、エアポンプ120を強制的に停止させる。したがって、実施例1は、吸引タンク110の蓄積量を第1センサ170で検知してエアポンプ120を制御することによって、吸引タンク110の溢れを防止できるという点で優れている。
【0080】
(10)実施例1では、第2センサ150で検出した集積容器200の蓄積量に基づいて、吸引動作の実施履歴を記憶する。したがって、実施例1は、生体吸引の吸引物の量を経時データとして残すことができるという点で優れている。
【0081】
(11)さらに、実施例1では、第2センサ150で検出した集積容器200の蓄積量に基づいて、吸引動作の実施履歴を端末装置300に送信する。したがって、実施例1は、生体吸引の吸引物の量を経時データとして端末装置300側で管理できるという点で優れている。
【0082】
(12)実施例1では、第1センサ170で検出した吸引タンク110の蓄積量に基づいて、吸引動作の実施履歴を記憶する。したがって、実施例1は、生体吸引の吸引物の量を経時データとして残すことができるという点で優れている。
【0083】
(13)さらに、実施例1では、第1センサ170で検出した吸引タンク110の蓄積量に基づいて、吸引動作の実施履歴を端末装置300に送信する。したがって、実施例1は、生体吸引の吸引物の量を経時データとして端末装置300側で管理できるという点で優れている。
【0084】
(14)なお、実施例1では、作成された「吸引動作の実施履歴」を通信などによって医療機関(または介護機関やホームセキュリティ会社など)と共有することも可能である。この場合、「吸引動作の実施履歴」を電子カルテに加えたり、吸引対象(患者など)の病状や健康の管理に利用することが可能になる。
【0085】
(15)また、実施例1では、作成された「吸引動作の実施履歴」を通信などによって遠隔地の家族などと共有することも可能である。この場合、遠隔地において「吸引動作の実施履歴」から相手の状況を知ることが可能になる。
【0086】
(16)実施例1では、集積容器200は、排出部130の排出先への正常配置をガイドする嵌合部X2,X3を備える。したがって、実施例1の集積容器200を使用することで、吸引タンク110から集積容器200へ吸引物を排出する際の吸引物の漏れを防止できるという点で優れている。
ステップS201: 吸引管理部165は、第1センサ470の出力から吸引タンク110の蓄積量を検出する。吸引管理部165は、検出された吸引タンク110の蓄積量を、吸引動作の実施履歴(日時情報を含む)の一つとして記憶する。
ステップS203: 吸引管理部165は、吸引タンク110の蓄積量が一次蓄積限度に達するか否かを判定する。吸引タンク110の蓄積量が一次蓄積限度に達しない場合、吸引管理部165は、ステップS204に動作を移行する。一方、吸引タンク110の蓄積量が一次蓄積限度に達した場合、吸引管理部165は、音声/表示部160aを介してユーザに「吸引動作を一時停止して吸引タンク110の排出動作を一旦行う」旨を報知しつつ、ステップS205に動作を移行する。
ステップS204: ポンプ制御部162は、吸引スイッチ160bがOFF状態に変化したか否かを判定する。吸引スイッチ160bがON状態のままの場合、ポンプ制御部162はステップS108に動作を戻して、吸引動作を継続する。一方、吸引スイッチ160bがOFF状態に変化した場合、ポンプ制御部162はステップS205に動作を移行する。
ステップS206: 噴出防止弁410は、吸引タンク110の正圧力によって閉鎖することによって、吸引チューブAへの吸引物の逆流や噴出を防止する。一方、排出部130は、吸引タンク110の正圧力によって一気に開放される。
(1)実施例2では、吸引タンク110から集積容器200へ吸引物を排出するに際して、吸引タンク110に正圧力を与える。そのため、吸引タンク110の吸引物を排出部130から強制的に排出することが可能になる。したがって、実施例2は、吸引タンク110に正圧力を与えることによって、排出部130を介して吸引物を迅速に排出できるという点で優れている。
(2)さらに、実施例2では、吸引タンク110から吸引チューブAまでの経路上に噴出防止弁410を配置する。この噴出防止弁410は、吸引タンク110の正圧力によって閉鎖する。したがって、実施例2は、噴出防止弁410の配置によって、吸引チューブAへの吸引物の逆流や噴出を防止できるという点で優れている。
(3)実施例2の第1センサ470は、吸引タンク110の蓄積量を多段階または連続的に検出する。そのため、吸引動作の実施履歴として、吸引タンク110の蓄積量をより詳細に検出することが可能になる。したがって、実施例2は、吸引タンク110の蓄積量を多段階または連続的に検出することによって、吸引動作の実施履歴がより詳細に得られるという点で優れている。
吸引タンク110の蓄積量がこの一次蓄積限度に達した時点で、吸引管理部165がエアポンプ120の負圧力を停止させる。そのため、吸引タンク110の吸引物を集積容器200に排出しても、集積容器200の最大蓄積量を超えることはなく、集積容器200は溢れない。したがって、実施例2は、吸引タンク110の一次蓄積限度を動的に予め設定することによって、集積容器200の溢れをギリギリのラインで防止できるという点で優れている。
(5)実施例2では、ポンプ制御部162が吸引タンク110の負圧力と正圧力とを反復させて繰り返す制御を行うことによって、排出部130の開閉を繰り返すこともできる。この場合、実施例2は、排出部130による「弁の開閉繰り返し」と「正負圧による空気の流出入」によって、排出部130付近に付着する吸引物を引き剥がして落せるという点で優れている。
また、上述した実施形態では、吸引チューブAを口腔または鼻腔から挿入するケースを想定して説明している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、吸引チューブAを生体内に挿置するものであればよい。また例えば、気管切開カニューレや人工呼吸器や内視鏡や腹腔鏡などと併用して吸引チューブAを生体内に挿置するものでもよい。
さらに、上述した実施形態では、集積容器200に対して『正常配置の検出』および『蓄積量の検出』を、第2センサ150で一緒に行っている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。第2センサ150のこれらの機能を個別の検出手段によって実現してもよい。
また、上述した実施形態では、集積容器200が正常配置されると、直下のプレート部材154は水平になる。第2センサ150は、この水平状態を均等な荷重バランスとして検出することで、集積容器200の正常配置を判定している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、集積容器200が正常配置された状態で、プレート部材154が若干傾くようにしてもよい。この場合は、正常配置の傾き(不均等な荷重バランス)を記憶して、第2センサ150の荷重バランスと比較判定することによって、集積容器200が正常配置されたか否かを判定すればよい。
さらに、上述した実施形態では、電動式のエアポンプを想定して説明している。しかしながら、本発明のエアポンプは、少なくとも空気を吸引する手段であればよく、電動式に限定されない。例えば、手動式や化学反応式や口吸引式などの多様なエアポンプの機構を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、弁構造の排出部130を想定して説明している。しかしながら、本発明の排出部は、少なくとも負圧力によって閉塞して負圧解除によって開放する手段であればよく、弁構造に限定されない。例えば、負圧力に連動した制御で開閉するバルブ構造などの多様な排出部を採用してもよい。
また、上述した実施例2では、エアポンプ120の駆動を負圧力から正圧力に切り替える制御について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、エアポンプ120の吸気管と排気管とのエア経路を切り替える制御によって吸引タンク110に正圧力を与えてもよい。また、正圧力用に別途備えたエアポンプを制御して吸引タンク110に正圧力を与えてもよい。
例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために全体を詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも説明した全ての構成や全てのステップを備えるものに限定されない。
また、本発明は、個々の構成(例えばセンサなどのパーツ)の種類に限定されるものではない。例えば、個々の構成を、均等な機能を有する別種類の構成に変更してもよい。
また、実施形態の個々の要素を部分的に組み合わせてもよい。さらに、実施形態に対して、他の構成や他のステップを追加・置換をすることも可能である。また、実施形態に対して、一部の構成や一部のステップを削除してもよい。