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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002369
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】板状部材送り装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/09 20060101AFI20241226BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20241226BHJP
   B30B 15/30 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B21D43/09 C
B21D43/00 H
B21D43/09 D
B30B15/30 108
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102494
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000100861
【氏名又は名称】アイダエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】名越 誠嗣
(72)【発明者】
【氏名】阿部 賢
【テーマコード(参考)】
4E090
【Fターム(参考)】
4E090FA05
4E090FA10
(57)【要約】
【課題】 板状部材の厚さに応じてクランプ状態とレリース状態を容易に調整可能であると共に、十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができ、更には、原点位置の設定などを不要とする板状部材送り装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、下ロール101と上ロール102とにより挟み込んで板状部材Mを搬送する板状部材送り装置であって、円形カム200の外周プロフィールに従ってカムフォロア201を移動させることで、上ロール102或いは下ロール101の少なくとも一方を他方に対して接近させるクランプ状態と、前記一方を他方に対して離間させるレリース状態と、を切り替え可能に構成し、円形カム200の外周プロフィールは、稼働時における円形カムの回転角度領域とは別の領域に、隆起部200Aを有し、その頂上付近にカムフォロア201の外周の一部を収容する凹部200Bを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して回転可能に支持される下ロールと、前記下ロールと平行に配設される回転可能な上ロールと、により挟み込んで、前記下ロールと前記上ロールの少なくとも一方に回転駆動を与えて板状部材を搬送する板状部材送り装置であって、
円形カムの外周プロフィールに従ってカムフォロアを移動させることで、前記カムフォロアに連結された前記上ロール或いは前記下ロールの少なくとも一方を他方に対して接近させるクランプ状態と、前記上ロール或いは前記下ロールの少なくとも一方を他方に対して離間させるレリース状態と、を切り替え可能に構成したクランプ・レリース機構を備え、
稼働時に、前記クランプ状態にて前記板状部材を搬送し、前記レリース状態で前記板状部材を解放するものにおいて、
前記円形カムの外周プロフィールは、前記稼働時において前記クランプ状態における前記円形カムの回転角度位置から前記レリース状態における前記円形カムの回転角度位置へと至る回転角度領域とは別の領域に、リフト量が増える隆起部を有すると共に、当該隆起部の頂上付近に前記カムフォロアの外周の一部を、少なくとも2点で接して収容する凹部、或いは底面の一部と面触接して収容する凹部を有する
ことを特徴とする板状部材送り装置。
【請求項2】
前記凹部の円形カムの中心軸と直交する横断面において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、第1の入口端部と、第2の入口端部と、の2点で接する場合に、
前記円形カムの回転中心と前記カムフォロアの回転中心とを結ぶ直線に対して、前記第1の入口端部及び前記第2の入口端部が、互いに反対側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の板状部材送り装置。
【請求項3】
前記凹部の円形カムの中心軸と直交する横断面において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、当該凹部の底面の一部と面触接する場合に、
その接触面が、前記円形カムの回転中心と、前記カムフォロアの回転中心と、を結ぶ直線を挟んで両側に延在する
ことを特徴とする請求項1に記載の板状部材送り装置。
【請求項4】
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、第1の入口端部と、第2の入口端部と、の2点で接する場合に、
メンテナンス時において、これら2点に対して前記カムフォロアに連結された揺動フレームの自重を作用させることで、前記円形カムの回転を抑制することを特徴とする請求項2に記載の板状部材送り装置。
【請求項5】
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、当該凹部の底面の一部と面触接する場合に、
メンテナンス時において、面接触する部分に対して前記カムフォロアに連結された揺動フレームの自重を作用させることで、前記円形カムの回転を抑制することを特徴とする請求項3に記載の板状部材送り装置。
【請求項6】
前記円形カムの凹部が、前記カムフォロアの外周の一部を、少なくとも2点で接して収容している状態、或いは底面の一部と面触接して収容している状態における前記カムフォロアのリフト量が、前記レリース状態における前記カムフォロアのリフト量より大きいことを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一つに記載の板状部材送り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状部材(板状材料)を下流(次工程)へ送る板状部材送り装置の改良技術に関し、例えばプレスマシンに供給される板状部材を搬送する板状部材の送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状部材(シート状のブランク材)をプレスマシンに供給する技術として、例えば、上ロールと下ロールの間に板状部材を挟み、その状態で上ロールと下ロールの少なくとも一方を回転駆動することで、板状部材を搬送する材料送り装置がある。
ここで、この種の材料送り装置は、上ロールと下ロールの間に板状部材を所定押圧力で挟み込んで板状部材に搬送力を付与するクランプ状態と、プレスマシンがプレス加工をする際に板状材料を上ロールと下ロールから解放するレリース状態と、を切り替え可能にした機構が備えられている。
【0003】
特許文献1の装置では、上ロールをリンク機構を介して下ロール及び板状材料に対して弾性付勢させるクランプ状態と、前記リンク機構に当接された円形カムをモータで回転させることで当該円形カムの外周形状に追従させて上ロールを下ロールから所定に離間させるレリース状態と、を切り替え可能に構成されている(特許文献1の図2参照)。
【0004】
特許文献2の装置では、モータの回転運動をスライドコマの直線運動に変換し、このスライドコマと係合している傾斜カムを用いて、上ロールを下ロールに対して接近或いは離間(進退)可能に構成することで、上ロールの下ロール及び板状部材に対するクランプ状態と、レリース状態と、を切り換え可能に構成している。
【0005】
特許文献3の装置では、エアシリンダにより直進カムを往復運動的に直動させ、この直進カムのプロフィールに沿って上下動されるカムフォロアを介して下ロールを上下動させて、クランプ状態と、レリース状態と、を切り換え可能に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-225427号公報
【特許文献2】国際公開WO2018/096903号公報
【特許文献3】特開2009-106990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、板状部材がつまったり、板状部材が斜行したり蛇行した時の回復や調整作業、及びロール清掃等のメンテナンス作業の際は、ロールをレリース状態とし、かつ、安全のために材料送り装置の電源を遮断する必要がある。
【0008】
このため、特許文献1の装置では、レリース状態の位置でロール位置を保持するには、モータブレーキ等の追加の手段を備える必要がある。
また、特許文献2の装置においても、作業中の振動や衝撃によってロールが落下する可能性があり、ロールの位置を保持するために、特許文献1と同様、追加のブレーキ手段等を備える必要がある。
特許文献3の装置においては、電源を遮断しても下ロールをレリースした位置で保持する構造となっているが、板材の厚みに応じて上ロールの位置を調整するための機構が別途必要となり、複雑な構造となっている。
【0009】
また、前記調整作業やメンテナンス作業の際は、作業性を良くするために、通常のレリース状態における上ロールと下ロールの間の離間量(開口量)より大きく開口できるようにすることも望まれる。
特に、特許文献1のような円形カムを用いたリリーシング装置は、円形カムによりカムフォロア側を移動させて、クランプ状態と、レリース状態と、を作る構造であり、クランプ力は円形カムによる押し付け力により発生する。したがって、板状部材の安定搬送を行うためには、板厚を精密に測定し、その板厚に応じた円形カムの回転角度位置を再現する必要がある。しかし、当該装置のメンテナンス作業の際、円形カムの制御原点を喪失した場合には、円形カムの制御原点の再設定を行わなければならない。この再設定を行う作業者には熟練度が要求され、その作業自体、煩雑で時間を要する。
【0010】
本発明は、かかる各種の実情に鑑みなされたもので、比較的簡単かつ低コストな構成を維持しつつ、板状部材の厚さに応じてクランプ状態とレリース状態を容易に調整可能であると共に、円滑にかつ十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができ、更には、メンテナンス作業後等における円形カムとカムフォロア側との位置関係の設定などを不要とする使い勝手の良い板状部材送り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明に係る板状部材送り装置は、
装置本体に対して回転可能に支持される下ロールと、前記下ロールと平行に配設される回転可能な上ロールと、により挟み込んで、前記下ロールと前記上ロールの少なくとも一方に回転駆動を与えて板状部材を搬送する板状部材送り装置であって、
円形カムの外周プロフィールに従ってカムフォロアを移動させることで、前記カムフォロアに連結された前記上ロール或いは前記下ロールの少なくとも一方を他方に対して接近させるクランプ状態と、前記上ロール或いは前記下ロールの少なくとも一方を他方に対して離間させるレリース状態と、を切り替え可能に構成したクランプ・レリース機構を備え、
稼働時に、前記クランプ状態にて前記板状部材を搬送し、前記レリース状態で前記板状部材を解放するものにおいて、
前記円形カムの外周プロフィールは、前記稼働時において前記クランプ状態における前記円形カムの回転角度位置から前記レリース状態における前記円形カムの回転角度位置へと至る回転角度領域とは別の領域に、リフト量が増える隆起部を有すると共に、当該隆起部の頂上付近に前記カムフォロアの外周の一部を、少なくとも2点で接して収容する凹部、或いは底面の一部と面触接して収容する凹部を有する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明において、
前記凹部の円形カムの中心軸と直交する横断面において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、第1の入口端部と、第2の入口端部と、の2点で接する場合に、
前記円形カムの回転中心と前記カムフォロアの回転中心とを結ぶ直線に対して、前記第1の入口端部及び前記第2の入口端部が、互いに反対側に位置する
ことを特徴とすることができる。
【0013】
本発明において、
前記凹部の円形カムの中心軸と直交する横断面において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、当該凹部の底面の一部と面触接する場合に、
その接触面が、前記円形カムの回転中心と、前記カムフォロアの回転中心と、を結ぶ直線を挟んで両側に延在する
ことを特徴とすることができる。
【0014】
本発明において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、第1の入口端部と、第2の入口端部と、の2点で接する場合に、
メンテナンス時において、これら2点に対して前記カムフォロアに連結された揺動フレームの自重を作用させることで、前記円形カムの回転を抑制することを特徴とすることができる。
【0015】
本発明において、
前記円形カムの凹部と前記カムフォロアの外周の一部とが、当該凹部の底面の一部と面触接する場合に、
メンテナンス時において、面接触する部分に対して前記カムフォロアに連結された揺動フレームの自重を作用させることで、前記円形カムの回転を抑制することを特徴とすることができる。
【0016】
本発明において、
前記円形カムの凹部が、前記カムフォロアの外周の一部を、少なくとも2点で接して収容している状態、或いは底面の一部と面触接して収容している状態における前記カムフォロアのリフト量が、前記レリース状態における前記カムフォロアのリフト量より大きいことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成を維持しつつ、板状部材の厚さに応じてクランプ状態とレリース状態を容易に調整可能であると共に、円滑にかつ十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができ、更には、メンテナンス作業後等における円形カムとカムフォロア側との位置関係の設定などを不要とする使い勝手の良い板状部材送り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(A)は本発明の一実施の形態に係る板状部材送り装置の一構成例を示す正面図であり、(B)は(A)のA-A矢視図である。
図2】(A)はクランプ状態における同上板状部材送り装置の右側面図であり、(B)はレリース状態における同上板状部材送り装置の右側面図であり、(C)はメンテナンス時状態における同上板状部材送り装置の右側面図であり、(D)はクランプ状態における円形カムとカムフォロアを拡大して示した図であり、(E)はレリース状態における円形カムとカムフォロアを拡大して示した図であり、(F)はメンテナンス時状態における円形カムとカムフォロアを拡大して示した図である。
図3】同上実施の形態に係る円形カムの外周プロフィール(横断面形状)を横軸を回転角度位置とし、縦軸をリフト量として表した図である。
図4】(A)は同上円形カムの凹部にカムフォロアの外周の一部が収容された状態の一例(2つの接触点で支持している状態)を拡大して示す横断面図であり、(B)は同上円形カムの凹部にカムフォロアの外周の一部が収容された状態の他の一例(面で支持している状態)を拡大して示す横断面図である。
図5】同上円形カムの凹部にカムフォロアの外周の一部が2つの接触点P1,P2にて当接して支持されている状態における円形カムの回転のし難さを説明する図である。
図6】(A)は同上円形カムとカムフォロアの接触部付近のクランプ状態における様子を示す図であり、(B)は同上円形カムとカムフォロアの接触部付近のレリース状態における様子を示す図であり、(C)は同上円形カムとカムフォロアの接触部付近のメンテナンス時状態における様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る板状部材送り装置(搬送装置)について、添付の図面に従って説明する。以下で説明する実施例により、本発明が限定されるものではない。なお、板状部材は、シート状部材、ワーク、板状材料などと称することもできる。
【0020】
本実施の形態に係る板状部材送り装置100は、プレスマシン等に対して板状部材を送るための装置であり、プレスマシンの上流側或いは下流側の少なくとも一方に配置されることができる。
ここにおいて、板状部材は、板状の部材であればよく、ロール状に巻回された長尺の板状部材、或いは一枚毎のシート状の板状部材であって良いものである。
【0021】
図1(A)、図1(B)に示すように、本実施の形態に係る板状部材送り装置100は、下ロール101と、これと平行に所定間隙を持って配設される上ロール102と、を備えている。下ロール101と上ロール102の間の所定間隙には板状部材Mが供給される。
【0022】
下ロール101の下ロール回転軸101Aは、一端側が下摩擦締結具101B等により下ロール用駆動モータ110の出力軸110Aに回転連結されている。この連結は、スプライン結合等により実現することも可能である。
【0023】
出力軸110Aには、下外周ギア(下ギア)111が略一体的に取り付けられている。そして、下外周ギア111には、その上側において中間外周ギア(中間ギア)112が噛合している。
【0024】
中間外周ギア112の回転軸112Aは、オルダム継手112Bを介して中間要素102Cに回転連結されている。そして、この中間要素102Cは、上摩擦締結具102B等を介して上ロール102の上ロール回転軸102Aに回転連結されている。この連結も、スプライン結合等により実現することも可能である。
【0025】
下摩擦締結具101B、下摩擦締結具102Bは、ボルト等を締め込むことで、くさび作用を利用したくさび方式によって2つの回転軸を同軸的に締結する機械要素、或いはパスカルの原理を利用したハイドロ方式(油圧方式)により2つの回転軸を同軸的に締結する機械要素である。
【0026】
下ロール101、下ロール回転軸101A、出力軸110A、下外周ギア111は、軸受120A、120B、120Cを介して、装置本体フレーム100A(筐体など)に対して回転自在に支持されている。下ロール用駆動モータ110は、装置本体フレーム100Aに略一体的に取り付けられている。
【0027】
上ロール102、上ロール回転軸102A、中間回転要素102Cは、軸受120D、120Eを介して、搖動フレーム100Bに対して回転自在に支持されている。これに対して、中間外周ギア112の回転軸112Aは、軸受120Fを介して、装置本体フレーム100Aに回転自在に支持されている。
【0028】
下外周ギア111、中間外周ギア112は、同じモジュールで同じ歯数のギアである。搖動フレーム100Bは、装置本体フレーム100Aに対して、揺動軸144廻りに搖動自在に支持されると共に、クランプ・レリース機構140を介して、図1(B)においてクランプ方向C、レリース方向Rに搖動可能に構成されている。
【0029】
そして、本実施の形態では、中間外周ギア112は上外周ギア(上ギア)113に噛合され、上外周ギア113の回転軸113Aは、上ロール用駆動モータ130の出力軸130Aと一体的に構成されている。上外周ギア113の回転軸113Aは、軸受120G、120Hを介して、装置本体フレーム100Aに対して回転自在に支持されている。上ロール用駆動モータ130は、装置本体フレーム100Aに対して略一体的に、かつ、下ロール101及び上ロール102に対して下ロール用駆動モータ110と同一側に取り付けられている。
【0030】
クランプ・レリース機構140は、装置本体フレーム100Aに略一体的に支持されているクランプ・レリース用モータ141を備える。クランプ・レリース用モータ141の回転出力軸141Aには、同軸上に、回転・揺動運動変換機構142の構成要素の一つである円形カム200が取り付けられている。従って、円形カム200は、回転出力軸141Aの回転中心X廻りに回転される。
【0031】
円形カム200の外周には、回転・揺動運動変換機構142の構成要素の一つであるカムフォロア201が配設され、カムフォロア201は揺動フレーム100Bの支持軸100C廻りに回転自在に支持されている。従って、円形カム200は、支持軸100Cの中心である回転中心Y廻りに回転される。
すなわち、カムフォロア201は、揺動フレーム100B及び上ロール102に連結され、これらは一体的に揺動軸144廻りに揺動可能な構成となっている。
【0032】
円形カム200の外周プロフィールは、例えば、図3に示すような形状に形成されている。なお、図3は、図2(D)~(F)に示す円形カム200の横断面形状を、回転角度位置を横軸とし、リフト量を縦軸として表したものである。
【0033】
また、クランプ・レリース機構140は、アクチュエータの一例であるガススプリング装置143を備え、これにより揺動軸144廻りに揺動フレーム100B延いては上ロール102が下方向(クランプ方向C)へと向かう所定押圧力を作用させている。
【0034】
従って、クランプ・レリース用モータ141の回転出力軸141Aを所定方向に回転させて、円形カム200をクランプ位置CP(図3の横軸0°付近の位置)とすると、図2(A)、図2(D)のように円形カム200のカムフォロア201との接触が解かれ、ガススプリング装置143により揺動軸144廻りに揺動フレーム100B延いては上ロール102にクランプ方向Cへと向かう所定押圧力が作用され、板状部材Mを下ロール101と上ロール102との間に所定押圧力で挟み込んだクランプ状態となる。
【0035】
このクランプ状態で、下ロール用駆動モータ110と上ロール用駆動モータ130を回転駆動すると、下ロール101と上ロール102とが回転し、所定の送り方向F(図1(B)、図2(A)等参照)に板状部材Mが送り出される。
但し、円形カム200をクランプ位置CPにて、円形カム200の外周をカムフォロア201と接触させて、下ロール101と上ロール102との間に挟み込んだ板状部材Mに押圧力を付与する状態を、クランプ状態とすることも可能である。
【0036】
そして、この送り出された板状部材Mに対して下流工程のプレスマシン等にて加工が行われる際には、板状部材Mを下ロール101と上ロール102から解放したレリース状態とする必要がある。
このため、クランプ・レリース用モータ141の回転出力軸141Aを回転させて、円形カム200のカムフォロア201との当接位置をレリース位置RP(図3の横軸270°付近の位置)とする。これにより、ガススプリング装置143による所定押圧力に抗して、揺動フレーム100B延いては上ロール102が揺動軸144廻りに上方向(レリース方向R)に搖動(回動)され、下ロール101と上ロール102とを所定に離間(開口)させ、板状部材Mを解放したレリース状態となる(図2(B)、図2(E)参照)。
【0037】
なお、図3に示したクランプ位置CPの位置やレリース位置RPの位置は、下ロール101と上ロール102との間に挟み込む板状部材Mの板厚(厚さ)や要求される離間量(開口量)に応じて、或いは板状部材Mに下ロール101と上ロール102を押し付ける押圧力に応じて、適宜変更することができる。
【0038】
また、プレス加工ラインの生産中は、図2(D)、図3に示すように、円形カム200の回転角度位置0°(クランプ位置)と270°(レリース位置)との間で円形カム200の回転を往復運動(搖動、正逆反転)させることで、クランプ状態と、レリース状態と、を切り替えて、板状部材Mの搬送と、プレス加工と、を順番に繰り返すようにクランプ・レリース用モータ141は制御される。
【0039】
このようにして、クランプ・レリース機構140によりクランプ状態とレリース状態とを切り替える(交互に作り出す)ことができる本実施の形態に係る板状部材送り装置100では、クランプ・レリース機構140によりクランプ状態として、下ロール用駆動モータ110と上ロール用駆動モータ130を回転駆動して、下ロール101と上ロール102とを回転させて、所定の送り方向Fに板状部材Mを送る(搬送する)と共に、クランプ・レリース機構140によりレリース状態として、下ロール101と上ロール102とを所定に離間(開口)させ、板状部材Mを解放して、プレス加工等の際に板状部材送り装置100からの余計な力が板状部材Mに作用させないようにすることができ、良好なプレス加工の実現に貢献することができる。
【0040】
ところで、本実施の形態では、クランプ・レリース機構140を用いて搖動フレーム100Bを装置本体フレーム100Aに対して上下方向に相対移動させることで、上ロール102の上下方向における位置を調整するが、この場合において、上ロール102を、下ロール101に対して相対移動させた際に生じる「上ロール102の上ロール回転軸102A(中間回転要素102C)」と「中間外周ギア112の回転軸112A」との間のズレ(偏心)は、オルダム継手112Bにより吸収することができる。
【0041】
ここで、本実施の形態に係る板状部材送り装置100では、プレス加工ラインの稼働中(生産中)におけるクランプ状態及びレリース状態とは別に、前記調整時やメンテナンス作業時における作業性を良くするなどのために、レリース状態における上ロール102と下ロール101の間の離間量(開口量)より大きく離間(開口)させるメンテナンス時状態を達成することができるように構成されている。
【0042】
具体的には、図3に示すように、円形カム200の外周プロフィールは、プレス加工ラインの稼働中(生産中)におけるクランプ状態とレリース状態との切り替えで使う稼働時(生産時)回転角度領域(例えば、0°~270°)とは別の領域である回転角度領域(例えば、270°~328°)に、頂上付近に凹部200Bを有し比較的大きなリフト量まで徐々に隆起する隆起部200Aが形成されている。
【0043】
そして、前記調整時やメンテナンス作業時には、本実施の形態に係る板状部材送り装置100では、クランプ・レリース機構140のクランプ・レリース用モータ141の回転出力軸141Aを正方向(図3の右へ向かう方向)に回転させて、円形カム200の外周プロフィールの隆起部200Aによりカムフォロア201をリフトすることで、揺動フレーム100B延いては上ロール102を揺動軸144廻りに上方向(レリース方向R)に搖動(回動)させて、大きなリフト量延いては上ロール102と下ロール101の間の離間量(開口量)を達成しつつ、円形カム200の回転中心と直交する方向から見たときに、カムフォロア201の外周の一部が凹部200Bに収容された状態とする(図3のカムフォロア201の状態)。
この状態が、本発明に係るメンテナンス時状態である。
【0044】
かかる収容の態様の一例としては、図4(A)に示すように、円形カム200の凹部200Bの凹形状(底面200C)の曲率R1より、カムフォロア201の外周の凸形状の曲率R2の方が大きい場合が想定される。図4(A)は、円形カム200の凹部200Bの入口部と、カムフォロア201の外周と、の接触部分を、円形カム200の回転中心軸と直交する平面で切断した断面である横断面を示している。
【0045】
図5にその拡大図を示すが、円形カム200の凹部200Bの凹形状(底面200C)の曲率R1より、カムフォロア201の外周の凸形状の曲率R2の方が大きい場合には、以下のような作用効果がある。
図5に示したように、円形カム200の凹部200Bの凹形状の曲率R1より、カムフォロア201の外周の凸形状の曲率R2の方が大きい場合には、凹部200Bとカムフォロア201は、第1の接触点(第1の凹部入口部端部)P1と、第2の接触点(第2の凹部入口部端部)P2の2点で当接することになる。
【0046】
このとき、メンテナンス作業中であるため、ガススプリング装置143は停止中で揺動フレーム100Bを揺動軸144廻りにクランプ方向Cへ揺動させる力を発生させてはいないが、揺動フレーム100Bには自重で揺動軸144廻りにクランプ方向Cへ移動しようとする力が作用している。
従って、揺動フレーム100Bに回転自在に支持されているカムフォロア201にも元の位置(クランプ状態の位置)へ戻ろうとする力(付勢力)が作用しているため、第1の接触点P1、第2の接触点P2にはカムフォロア201からの所定の押圧力が作用することになる。
そして、図5に示したように、第1の接触点P1、第2の接触点P2に作用する力の成分として、双方ともに内側に向かう力の成分a、bが生じるため、円形カム200が外乱等の何らかの要因で力の成分a,bの向かう方向の何れの方向に回転しようとしても、カムフォロア201がその回転を抑制するように作用し、円形カム200の回転動作にとって障害となる領域が存在することになる。
【0047】
よって、本実施の形態によれば、調整作業やメンテナンス作業中において電源等を落としているような場合でも、また、特別なブレーキ手段等を設けなくても、円形カム200の凹部200Bからカムフォロア201が脱落して円形カム200が不用意に回転し、上ロール102が下ロール101側に不用意に落下などすることが抑制され、安全に、上ロール102と下ロール101とを大きく開口させたメンテナンス時状態を維持することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成を維持しつつ、円滑にかつ十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができる板状部材送り装置100を提供することができる。
【0048】
なお、図5に示したように、上記の作用効果を効果的に発揮させるためには、横断面において、円形カム200の凹部200Bと、カムフォロア210の外周の一部と、を、凹部200Bの第1の接触点(第1の凹部入口部端部)P1と、第2の接触点(第2の凹部入口部端部)P2の2点で接する状態において、前記円形カム200の回転中心Xと、前記カムフォロア201の回転中心Yと、を結ぶ直線Zに対して、第1の接触点(第1の凹部入口部端部)P1及び第2の接触点(第2の凹部入口部端部)P2を、互いに反対側に位置させることが好ましい。
【0049】
但し、円形カム200の凹部200Bの凹形状(横断面形状)は、図4(A)、図5等に示したような凹部200Bの底面200Cを単一な曲率によって形成した場合に限るものではない。また、底面200Cの形状は複数の曲率を組み合わせた形状とすることができるし、曲率のない溝形状である溝GV1(図4(A)参照)などとすることもできる。なお、溝GV1の横断面形状は特に限定されるものではない。
つまり、第1の接触点(第1の凹部入口部端部)P1と、第2の接触点(第2の凹部入口部端部)P2と、の間において、凹部200Bの底面200Cとカムフォロア201とが当接して、第1の接触点(第1の凹部入口部端部)P1と第2の接触点(第2の凹部入口部端部)P2の一方の接触を断つような形状(一方を離間させるような形状)でなければ、底面200Cの形状は特に限定されるものではない。
すなわち、円形カム200の凹部200Bの横断面形状(凹形状)は、カムフォロア201の外周の一部を、少なくとも2点で接して収容する形状であれば本発明の範囲とすることができる。
【0050】
次に、前記収容の態様の他の一例としては、図4(B)に示すように、円形カム200の凹部200Bの凹形状(底面200C)の曲率R1と、カムフォロア201の外周の凸形状の曲率R2と、が同じ場合が想定される。
この場合には、凹部200Bの凹形状(底面200C)には、図5に示した力の成分a,b(集中荷重)に代わって分布荷重が作用されるが、その場合にも、力の成分としては、内側に向かう力の成分が生じるため、円形カム200が何かの要因で何れかの方向に回転しようとしても、カムフォロア201がその回転を抑制するように作用し、円形カム200の回転動作にとって障害となる領域が存在することになる。
【0051】
よって、図4(B)に示した態様においても、前記調整作業やメンテナンス作業中において電源等を落としているような場合でも、特別なブレーキ手段等を設けなくても、安全に、上ロール102と下ロール101とを大きく開口させたメンテナンス時状態を維持することができる。
すなわち、図4(B)に示した態様によっても、比較的簡単かつ低コストな構成を維持しつつ、円滑にかつ十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができる板状部材送り装置100を提供することができる。
【0052】
なお、図5に示した例と同様に、上記の作用効果を効果的に発揮させるためには、横断面において、円形カム200の凹部200Bと、カムフォロア210の外周の一部と、の接触面(接触弧)が、前記円形カム200の回転中心Xと、前記カムフォロア201の回転中心Yと、を結ぶ直線Zを挟んで両側に延在することが好ましい(図4(B))。
【0053】
但し、図4(B)に示した態様において、接触弧ARCは図4(B)の平面において端から端まで連続している必要はなく、接触弧ARCの端と端の間において筋状の溝GV2(図4(B)参照)などにより一部実体が存在しないような形状とすることも可能である。なお、筋状の溝GV2の横断面形状、数なども特に限定されるものではない。
すなわち、本実施の形態に係る円形カム200の凹部200Bの横断面形状(凹形状)は、カムフォロア201の外周の一部を、凹部200Bの底面200Cの一部と面触接して収容する形状であれば本発明の範囲とすることができる。
【0054】
まとめると、本実施の形態に係る円形カム200の凹部200Bの横断面形状(凹形状)は、カムフォロア201の外周の一部を、少なくとも2点で接して収容する形状(図4(A)の態様)、或いは凹部200Bの底面200Cの一部と面触接して収容する形状(図4(B)の態様)であれば本発明の範囲とすることができる。
【0055】
本実施の形態に係るクランプ・レリース機構140における円形カム200とカムフォロア201の当接部(接触部)付近のクランプ状態、レリース状態、メンテナンス状態での様子を、図6(A)~図6(C)に拡大して示す。
なお、円形カム200はクランプ・レリース用モータ141の回転出力軸141A(回転中心X)に同軸的に取り付けられ、カムフォロア201は支持軸100Cに軸受等を介して回転可能に支持されている。支持軸100Cは揺動フレーム100B(回転中心Y)に対して略一体的に支持されている。
【0056】
図6(A)の状態が、本実施の形態に係るクランプ状態を示している。
この状態では、円形カム200はカムフォロア201と所定隙間gを持って略平行に対面している。本実施の形態では、当該所定間隙gを持たせることで、ガススプリング装置143により揺動フレーム100B延いては上ロール102にクランプ方向Cへと向かう所定押圧力を付与して、この所定押圧力で板状部材Mを下ロール101と上ロール102との間で挟むことができるようにしている。このため、本実施の形態では、クランプ位置(図3のCP)付近で所定隙間gを設けることができるように、円形カム200の外周プロフィールは設定されている(図2(D)、図3参照)。
【0057】
図6(B)の状態は、本実施の形態に係るレリース状態を示している。
この状態では、円形カム200はカムフォロア201と当接してカムフォロア201を押圧し、ガススプリング装置143による所定押圧力に抗して、揺動フレーム100B延いては上ロール102をレリース方向Rへリフトさせて、板状部材Mを下ロール101と上ロール102とによる押圧力から解放する。このため、本実施の形態では、レリース位置(図3のRP)付近で下ロール101と上ロール102の間の離間量(開口量)が板状部材Mの板厚より大きくなるように、円形カム200の外周プロフィールは設定されている(図2(E)、図3参照)。
【0058】
なお、本実施の形態においては、クランプ位置(図3のCPの回転角度位置)やレリース位置(図3のRPの回転角度位置)は、板状部材Mの板厚などに応じて容易に変更(調整)可能で、それは円形カム200の回転角度位置を変更してカムフォロア201のリフト量を変更することによって、容易に変更(調整)可能である。
【0059】
図6(C)の状態は、本実施の形態に係るメンテナンス時状態を示している。
この状態では、円形カム200はリフト量の多い隆起部200Aでカムフォロア201を図6(B)の状態から更にリフトさせて、隆起部200Aの頂上付近に形成されている凹部200Bに、カムフォロア201の外周の一部が収容されている状態となるように、円形カム200の外周プロフィールは設定されている(図2(F)、図3図4(A)、図4(B)等参照)。
このとき、円形カム200の回転出力軸141A(回転中心X)と、カムフォロア201の支持軸100C(回転中心Y)とは、平行ではなく所定の傾斜角度θで交差するように、カムフォロア201や揺動フレーム100Bは揺動軸144廻りに所定に揺動されてその位置(下ロール101と上ロール102の間の離間量(開口量)を大きくした状態)で維持(保持)されている。
【0060】
なお、本実施の形態では、円形カム200の回転出力軸141A(回転中心X)と、カムフォロア201の支持軸100C(回転中心Y)と、が所定の傾斜角度θで交差する状態となるため、カムフォロア201の外周面201Aが支持軸100Cと平行な平面であると、円形カム200の外周面200Dとの当接状態がエッジ当たりなるなど支障を来すおそれがあるため、図6(C)に示したように、カムフォロア201の外周面201Aは球面形状(バレル形状、断面円弧形状)に形成されている。これにより、円形カム200の外周面200Dの摩耗等を抑制することができ、長期に亘って円形カムの外周プロフィールを良好に維持することができる。
【0061】
以上のように、本実施の形態に係る板状部材送り装置100によれば、円形カム200に設けた凹部200Bに、相対するカムフォロア201を収容させることで、動力源を遮断しても上ロール102の位置が機械的に保持されるため、材料つまりや蛇行時の調整作業及びロール清掃等のメンテナンス作業を安全に行なうことができる。
【0062】
また、円形カム200に設けた凹部200Bにカムフォロア201を収容させた状態を、レリース動作についての機械原点とすることができるため、設定位置が明確となり、電気的トラブルやモータの交換などで再設定が必要になっても、容易に設定を行なうことができる。
【0063】
すなわち、従来技術のような形状の円形カムを用いた場合、カム表面がカムフォロアとの関係で常時一点にて接触するような滑らかな曲線となる。そのため、電気的トラブルやモータ交換に伴って必要となるカム軸のサーボ原点設定を行う際には、目印となる刻印等の位置合わせによる円形カムの位相合わせが必要となる。この場合、精密なカムの位置合わせは困難であるが、本実施の形態によればこれを解決することができる。
【0064】
以上で説明したように、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成を維持しつつ、板状部材の厚さに応じてクランプ状態とレリース状態を容易に調整可能であると共に、円滑にかつ十分な開口量を持ったメンテナンス時状態を作り出すことができ、かつ、その状態を安全に維持することができ、更には、メンテナンス作業後等における円形カムとカムフォロア側との位置関係の設定などを不要とする使い勝手の良い板状部材送り装置を提供することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、下ロール101と、上ロール102と、を備え、下ロール101は下ロール用駆動モータ110により回転駆動し、上ロール102は上ロール用駆動モータ130により回転駆動して、板状部材Mを送り出す構成例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下ロール101と上ロール102の何れか一方のみを回転駆動する構成とすることができるものである。
【0066】
また、本実施の形態では、下ロール101と、上ロール102と、を備え、上ロール102側を円形カムとカムフォロアを介して下ロール101に対して接近或いは離間(接離)させることで、板状部材Mに対するクランプ状態と、レリース状態と、メンテナンス時状態を作り出す場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下ロール101と上ロール102の何れか一方を他方に対して接近或いは離間(接離)させる構成とすることができるものである。
【0067】
なお、本実施の形態では、上ロール102に押圧力を付与する装置として、ガススプリング装置143を例に説明したが、本発明はこれ限定されるものではなく、他の各種のアクチュエータを用いることができる。
【0068】
以上で説明した本発明に係る実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0069】
100 板状部材送り装置(板状部材搬送装置)
100A 装置本体フレーム(筐体など)
100B 搖動フレーム
100C 支持軸
101 下ロール
102 上ロール
110 下ロール用駆動モータ
130 上ロール用駆動モータ
140 クランプ・レリース機構
141 クランプ・レリース用モータ
141A 回転出力軸
143 ガススプリング装置(アクチュエータの一例に相当)
144 揺動軸
200 円形カム
200A 隆起部
200B 凹部
200C 底面
201 カムフォロア
M 板状部材(シート状部材)
X 円形カムの回転中心
Y カムフォロアの回転中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6