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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023721
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20250207BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20250207BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20250207BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20250207BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
F24F3/00 Z
E04B1/76 200D
F24F5/00 K
F24F13/02 C
F24F13/02 D
F24F13/068 A
F24F13/068 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128104
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】714006510
【氏名又は名称】株式会社マーベックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 智啓
(72)【発明者】
【氏名】本田 祐樹
【テーマコード(参考)】
2E001
3L053
3L080
【Fターム(参考)】
2E001DD18
2E001FA07
2E001FA13
2E001FA15
2E001FA17
2E001FA24
2E001ND05
2E001ND27
3L053BB10
3L080AA02
3L080AA09
3L080AC01
3L080AC02
3L080BB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】居住空間を狭くせず、共用空間と部屋との間に温度差が生じ難い空調システムを提供する。
【解決手段】空調システムは、共用空間と、共用空間に隣接する部屋とを備える建物に設けられる。空調システムは、共用空間に空調空気を供給する空調機と、共用空間の空気を流出入させる共用通気部と、部屋の空気を流出入させる部屋通気部と、共用空間の空気を部屋通気部に送り込むか、または、部屋の空気を共用通気部に送り込む送風機と、共用空間と部屋との間で、空気を流出入させる通気口とを備える。送風機は、天井裏空間S2または床下空間S1に設けられ、共用空間の空気の部屋通気部への送り込みによって、部屋、通気口、共用空間の順に空調空気A1を循環させるか、または、部屋の空気の共用通気部への送り込みによって、共用空間、通気口、部屋の順に空調空気を循環させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用空間と、前記共用空間に隣接する部屋とを備える建物に設けられる空調システムであって、
前記空調システムは、
前記共用空間に設けられ、前記共用空間に空調空気を供給する空調機と、
前記共用空間に設けられ、前記共用空間の空気を流出入させる共用通気部と、
前記部屋に設けられ、前記部屋の空気を流出入させる部屋通気部と、
前記共用空間の空気を前記共用通気部から吸い込んで前記部屋通気部に送り込むか、または、前記部屋の空気を前記部屋通気部から吸い込んで前記共用通気部に送り込む送風機と、
前記共用空間と前記部屋との間において、空気を流出入させる通気口と
を備え、
前記送風機は、前記共用空間の天井裏空間または床下空間に設けられ、前記共用空間の空気の前記共用通気部から前記部屋通気部への送り込みによって、前記部屋、前記通気口、前記共用空間の順に前記空調空気を循環させるか、または、前記部屋の空気の前記部屋通気部から前記共用通気部への送り込みによって、前記共用空間、前記通気口、前記部屋の順に前記空調空気を循環させる、空調システム。
【請求項2】
前記送風機は、前記天井裏空間に設けられ、
前記共用通気部は、前記共用空間と前記天井裏空間とを仕切る前記共用空間の天井に設けられ、
前記部屋通気部は、前記部屋と前記天井裏空間とを仕切る前記部屋の天井に設けられる、請求項1記載の空調システム。
【請求項3】
前記送風機は、前記共用空間の空気を前記共用通気部から吸い込んで前記部屋通気部に送り込む、請求項2記載の空調システム。
【請求項4】
前記送風機は、前記部屋の空気を前記部屋通気部から吸い込んで前記共用通気部に送り込む、請求項2記載の空調システム。
【請求項5】
前記送風機は、前記部屋の空気を前記部屋通気部から吸い込んで、前記天井裏空間に送り込み、前記送風機によって送り込まれて前記天井裏空間に蓄積した空気が、前記共用通気部に送り込まれる、請求項4記載の空調システム。
【請求項6】
前記通気口は、前記共用空間と前記部屋との間のドアと、床面との間の隙間、前記ドアに設けられた開口、または、前記共用空間と前記部屋とを仕切る仕切壁のうち、前記ドアの近傍の位置に設けられた開口である、請求項1記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の内部を全体的に空調するために、いわゆる全館空調システムが採用されている(特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1には、階段の踊り場などの非居住空間に、空調機を設置した空調室を設け、空調機によって空調室を空調し、送風機によって、空調室内の空調空気を建物内の各部屋に送る空調システムが開示されている。特許文献2には、空調機によって、リビングルームなどの共用空間を空調し、部屋間の仕切壁内に設けられたファンによって、共用空間内の空調空気を建物内の各部屋に送る空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-190656号公報
【特許文献2】特開2022-74502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の空調システムでは、空調室を設けるための空間を居住空間とは別途に設ける必要があるため、建物内の居住空間が狭くなってしまう。特許文献2の空調システムでは、仕切壁内にファンを設けるため、使用されるファンは、仕切壁内に収容される程度の大きさに限定される。そのため、ファンの送風能力も限定されるので、共用空間と部屋との間に温度差が生じてしまう。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、居住空間を狭くせず、共用空間と部屋との間に温度差が生じ難い空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る空調システムは、共用空間と、前記共用空間に隣接する部屋とを備える建物に設けられる空調システムであって、前記空調システムは、前記共用空間に設けられ、前記共用空間に空調空気を供給する空調機と、前記共用空間に設けられ、前記共用空間の空気を流出入させる共用通気部と、前記部屋に設けられ、前記部屋の空気を流出入させる部屋通気部と、前記共用空間の空気を前記共用通気部から吸い込んで前記部屋通気部に送り込むか、または、前記部屋の空気を前記部屋通気部から吸い込んで前記共用通気部に送り込む送風機と、前記共用空間と前記部屋との間において、空気を流出入させる通気口とを備え、前記送風機は、前記共用空間の天井裏空間または床下空間に設けられ、前記共用空間の空気の前記共用通気部から前記部屋通気部への送り込みによって、前記部屋、前記通気口、前記共用空間の順に前記空調空気を循環させるか、または、前記部屋の空気の前記部屋通気部から前記共用通気部への送り込みによって、前記共用空間、前記通気口、前記部屋の順に前記空調空気を循環させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係る空調システムによれば、居住空間を狭くせず、共用空間と部屋との間に温度差が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の空調システムを示す、模式的な断面図である。
図2】本発明の第1実施形態の1階に設置された空調システムを示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態の2階に設置された空調システムを示す平面図である。
図4】本発明の第2実施形態の空調システムを示す、模式的な断面図である。
図5】本発明の第2実施形態の1階に設置された空調システムを示す平面図である。
図6】本発明の第2実施形態の2階に設置された空調システムを示す平面図である。
図7】本発明の第3実施形態の空調システムを示す、模式的な断面図である。
図8】本発明の第3実施形態の1階に設置された空調システムを示す平面図である。
図9】本発明の第3実施形態の2階に設置された空調システムを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る空調システムを説明する。なお、以下に示す実施形態は、あくまで一例であり、本発明の空調システムは、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「水平方向」は、重力が作用する方向に垂直な方向を指す。また、本明細書において、「鉛直方向」は、重力が作用する方向と平行な方向を指し、「下」、「下方」またはこれに類する表現は、鉛直方向のうち、重力が作用する側を向く方位を指し、「上」、「上方」またはこれに類する表現は、重力が作用する側と反対側を向く方位を指す。なお、本明細書において、「Aに垂直」およびこれに類する表現は、Aに対して完全に垂直な方向のみを指すのではなく、Aに対して略垂直であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「Bに平行」およびこれに類する表現は、Bに対して完全に平行な方向のみを指すのではなく、Bに対して略平行であることを含んで指すものとする。
【0010】
(第1実施形態に係る空調システム)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調システム11、12を模式的に示している。本実施形態に係る空調システム11、12は、建物S内の空気を調整する(以下、調整された空気を「空調空気A1、A2」と呼ぶ。)。本明細書において、「建物」は、典型的には、人が居住するための住居用建物であり、1つの階層のみを有する建物(いわゆる、平屋の建物)であるか、複数の階層を有する建物(2階建て建物や3階建て建物など)かを問わない。なお、本明細書において、「階層(階)」は、鉛直下方で同じ床、鉛直上方で同じ天井によって仕切られる、水平方向に広がる空間を指す。典型的には、「階層(階)」は、水平方向では、外壁(建物の内部と外部とを仕切る壁)によって仕切られる。また、本明細書において、特定の階層から見て、床より鉛直下方の非居住空間を「床下空間」と呼び、天井より鉛直上方の非居住空間を「天井裏空間」と呼ぶ。
【0011】
図1の例では、建物Sは、2階建ての住居用建物である。図示される例では、建物Sの1階は、鉛直下方D11において、床WF1に仕切られ、鉛直上方D12において天井WC1に仕切られており、水平方向D2において、建物Sの外壁WA、WAに仕切られた空間である。1階の床WF1は、基礎空間S1である床下空間と1階の空間を仕切っており、1階の天井WC1は、階間空間S2である天井裏空間と1階の空間を仕切っている。また、図示される例では、建物Sの2階は、鉛直下方D11において、床WF2に仕切られ、鉛直上方D12において、天井WC2に仕切られており、水平方向D2において、建物Sの外壁WA、WAに仕切られた空間である。2階の床WF2は、階間空間S2である床下空間と2階の空間を仕切っており、2階の天井WC2は、屋根裏空間S3である天井裏空間と2階の空間を仕切っている。
【0012】
なお、図1は、建物Sを模式的に示しており、より詳細には、建物Sの1階は、たとえば、図2に示されるように構成されており、建物Sの2階は、たとえば、図3に示されるように構成されている。
【0013】
図1に示されるように、空調システム11、12の設置対象となる建物Sは、共用空間SC1、SC2と、共用空間SC1、SC2に隣接する部屋SR1、SR21~SR23(部屋SR23は図3参照)とを備えている。なお、本明細書において、「共用空間」は、建物内のある階層において仕切壁によって仕切られた空間のうち、ドアなどによって、個別の部屋と出入可能な空間を指す。共用空間として、リビング、ダイニング、リビングダイニング、リビングキッチン、ダイニングキッチン、リビングダイニングキッチン、玄関ホールや階段ホールなどのホール、廊下などが例示される。共用空間と個別の部屋と出入可能にするドアとして、開き戸、引き戸などが例示される。本明細書において、「部屋」は、建物内のある階層において仕切壁によって仕切られた空間のうち、共用空間以外の居住空間または収容空間を指す。部屋として、洋室、和室、書斎、寝室、納戸などが例示される。
【0014】
図1および図2の例では、1階の共用空間SC1は、リビングダイニングキッチン(以下、「LDK」と略す)であり、1階の部屋SR1は、和室である。特に符号を付さないが、図示される例では、1階は、その他に、玄関、玄関ホール、手洗所、洗面所、浴室などを含んでいる(図2参照)。図1および図3の例では、2階の共用空間SC2は、階段ホールであり、2階の部屋SR21、SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)はそれぞれ、寝室、洋室、洋室である。特に符号を付さないが、図示される例では、2階は、その他に、手洗所、ウォーキングクロゼットなどを含んでいる(図3参照)。これら図1図3の例では、1階と2階とは、階段Eで接続されており、1階と2階とは、吹抜SW(図3参照)で連通している。
【0015】
なお、空調システム11、12の設置対象となる建物Sは、「共用空間」および「部屋」と見做され得る空間であれば、住居用建物に限定されることはない。たとえば、空調システム11、12の設置対象となる建物は、店舗または事務所などとして使用するためのテナント用建物や、物を保管するための倉庫用建物や、製品などの生産活動に使用される工場用建物などであってもよい。
【0016】
建物Sは、1つのみの空調システムを含んでいてもよく、複数の空調システムを含んでいてもよい。本実施形態では、建物Sは、互いに独立した複数の空調システムを含んでいる。具体的には、図1に示されるように、建物Sは、1階を空調する第1空調システム11と、2階を空調する第2空調システム12とを含んでいる。なお、以下では、空調システムが空調する建物内の階層を「対象階」と呼ぶ。
【0017】
本実施形態に係る空調システム11、12のうち、第1空調システム11は、図1および図2に示されるように、共用空間(LDK)SC1に設けられ、共用空間(LDK)SC1に空調空気A1を供給する空調機21と、共用空間(LDK)SC1に設けられ、共用空間(LDK)SC1の空気を流出入させる共用通気部31cと、部屋SR1に設けられ、部屋SR1の空気を流出入させる部屋通気部31rと、共用空間(LDK)SC1の空気を共用通気部31cから吸い込んで部屋通気部31rに送り込む送風機31と、共用空間(LDK)SC1と部屋SR1との間において、空気を流出入させる通気口41とを備えている。また、第2空調システム12は、図1および図3に示されるように、共用空間(階段ホール)SC2に設けられ、共用空間(階段ホール)SC2に空調空気A2を供給する空調機22と、共用空間(階段ホール)SC2に設けられ、共用空間(階段ホール)SC2の空気を流出入させる共用通気部32cと、部屋SR21、SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)に設けられ、部屋SR21、SR22、SR23の空気を流出入させる部屋通気部321r、322r、323r(部屋通気部323rは図3参照)と、共用空間(階段ホール)SC2の空気を共用通気部32cから吸い込んで部屋通気部321r、322r、323rに送り込む送風機321、322と、共用空間(階段ホール)SC2と部屋SR21、SR22、SR23との間において、空気を流出入させる通気口421、422、423(部屋通気口423は図3参照)とを備えている。
【0018】
空調機21、22はそれぞれ、共用空間SC1、SC2の空気を所望の設定条件に調整するために設けられる。本実施形態では、図1および図2に示されるように、第1空調システム11の空調機21は、共用空間(LDK)SC1の空気(空調空気A1)を所望の設定条件に調整するために設けられ、図1および図3に示されるように、第2空調システム12の空調機22は、共用空間(階段ホール)SC2の空気(空調空気A2)を所望の設定条件に調整するために設けられる。空調機21、22それぞれによる空調空気A1、A2の設定条件は、特に限定されることはないが、空調空気A1、A2の設定条件として、たとえば、空調空気A1、A2それぞれの温度、風量、湿度などが挙げられる。空調機21、22はそれぞれ、設定条件に近づくように、共用空間SC1、SC2の空気を調整することで、冷房、暖房、除湿などの所望の運転を行う。空調機21、22への空調空気A1、A2の設定条件の入力はそれぞれ、たとえば、空調機21、22と通信可能なリモートコントローラや、空調機21、22に設けられるタッチパネルなどの、公知の空調機21、22の入力部(図示せず)によって行うことができる。
【0019】
たとえば、第1空調システム11の空調機21は、図1に示されるように、共用空間(LDK)SC1と天井裏空間(階間空間)S2とを仕切る共用空間(LDK)SC1の天井WC1(以下、単に「共用空間(LDK)SC1の天井WC1」と呼ぶ)の近傍に配置される。たとえば、第2空調システム12の空調機22は、共用空間(階段ホール)SC2と天井裏空間(屋根裏空間)S3とを仕切る共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2(以下、単に「共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2」と呼ぶ)の近傍に配置される。具体的には、空調機21、22はそれぞれ、建物Sの屋内に配置される室内機と、建物Sの屋外に配置される室外機を備え、室内機と室外機との間をダクトで流体接続する、市販の壁掛け型のエアコンディショナーである(図1図3では、説明の便宜のため、室内機のみを空調機21、22として示し、室外機は図示していない)。
【0020】
たとえば、第1空調システム11の空調機21は、図1に示されるように、共用空間(LDK)SC1の天井WC1の近傍において、共用空間(LDK)SC1を仕切る壁(図示される例では、共用空間(LDK)SC1と建物Sの外部とを仕切る外壁WAであり、より具体的には、外壁WAのうちの内装壁)に取り付けられる。たとえば、第2空調システム12の空調機22は、図1に示されるように、共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2の近傍において、共用空間(階段ホール)SC2を仕切る壁(図示される例では、共用空間(階段ホール)SC2と吹抜SW(図3参照)を仕切る仕切壁WD2(図3も参照))に取り付けられる。ここで、本明細書において、「天井の近傍」はそれぞれ、天井WC1、WC2から鉛直下方D11に50cm以内の領域、より好ましくは、40cm以内の領域、最も好ましくは、30cm以内の領域を指す。また、本明細書において、「天井の近傍」はそれぞれ、その階層の高さ(1階については、鉛直方向D1での天井WC1から床WF1までの距離であり、2階については、鉛直方向D1での天井WC2から床WF2までの距離である)に対する相対値で言えば、天井WC1、WC2から鉛直下方D11に25%以内の範囲に含まれる領域、より好ましくは、20%以内の範囲に含まれる領域、最も好ましくは、15%以内の範囲に含まれる領域を指す。
【0021】
なお、空調機21は、壁掛け型のエアコンディショナーに限定されることはなく、天井WC1から吊り下げられる、市販の天吊り式のエアコンディショナーであってもよい。空調機22についても、天井WC2から吊り下げられる、市販の天吊り式のエアコンディショナーであってもよい。また、空調機21は、共用空間SC1の天井WC1の近傍に配置されるものに限定されることはなく、床WF1の上に設置される、市販の床置き型のエアコンディショナーなどの、その他の公知のエアコンディショナーであってもよい。空調機22についても、床WF2の上に設置される、市販の床置き型のエアコンディショナーなどの、その他の公知のエアコンディショナーであってもよい。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の共用通気部31cは、空調機21から供給される空調空気A1を共用空間(LDK)SC1から流出させる。また、本実施形態では、第2空調システム12の共用通気部32cは、空調機22から供給される空調空気A2を共用空間(階段ホール)SC2から流出させる。すなわち、本実施形態では、共用通気部31c、32cはそれぞれ、空気の流出部としての役割を果たしている。図1の例では、共用通気部31c、32cはそれぞれ、共用空間SC1、SC2の天井WC1、WC2に設けられている。共用通気部31c、32cを共用空間SC1、SC2の天井WC1、WC2に設けることで、共用空間SC1、SC2の天井WC1、WC2の近傍に取り付けられた空調機21、22からの空調空気A1、A2を共用通気部31c、32cに効率的に流入させることができる。共用通気部31c、32cはそれぞれ、好ましくは、空調機21、22から1m以内の領域に、より好ましくは、空調機21、22から75cm以内の領域に、最も好ましくは、空調機21、22から50cm以内の領域に設けられる。そうすることで、空調空気A1、A2を共用通気部31c、32cにより効率的に流入させることができる。
【0023】
第1空調システム11の共用通気部31cは、具体的には、共用空間(LDK)SC1の天井WC1を貫通する貫通孔であり、第2空調システム12の共用通気部32cは、具体的には、共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2を貫通する貫通孔である。共用通気部31c、32cはそれぞれ、共用通気部31c、32cの開口の寸法に応じたガラリ(グリル)が取り付けられるように構成されていてもよく、エアフィルタで覆われていてもよい。
【0024】
図1に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の部屋通気部31rは、送風機31から送られる空気を部屋SR1に流入させる。また、本実施形態では、第2空調システム12の部屋通気部321rは、送風機321から送られる空気を部屋SR21に流入させ、部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図3参照)はそれぞれ、送風機322から送られる空気を部屋SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)に流入させる。すなわち、本実施形態では、部屋通気部31r、321r~323rはそれぞれ、空気の流出部としての役割を果たしている。
【0025】
図1の例では、第1空調システム11の部屋通気部31rは、部屋SR1と天井裏空間(階間空間)S2とを仕切る部屋SR1の天井WC1(以下、単に「部屋SR1の天井WC1」と呼ぶ)に設けられている。また、第2空調システム12の部屋通気部321rは、部屋SR21と天井裏空間(屋根裏空間)S3とを仕切る部屋SR21の天井WC2(以下、単に「部屋SR21の天井WC2」と呼ぶ)に設けられている。また、第2空調システム12の部屋通気部322rは、部屋SR22と天井裏空間(屋根裏空間)S3とを仕切る部屋SR22の天井WC2(以下、単に「部屋SR22の天井WC2」と呼ぶ)に設けられている。また、第2空調システム12の部屋通気部323rは、部屋SR23と天井裏空間(屋根裏空間)S3とを仕切る部屋SR23の天井WC2(以下、単に「部屋SR23の天井WC2」と呼ぶ)に設けられている。部屋通気部31r、321r~323rを天井WC1、WC2に設けることで、天井WC1、WC2に設けられた共用通気部31c、32cと流体接続し易くなる。
【0026】
第1空調システム11の部屋通気部31rは、具体的には、部屋SR1の天井WC1を貫通する貫通孔である。第2空調システム12の部屋通気部321rは、具体的には、部屋SR21の天井WC2を貫通する貫通孔であり、部屋通気部322rは、具体的には、部屋SR22の天井WC2を貫通する貫通孔であり、部屋通気部323rは、具体的には、部屋SR23の天井WC2を貫通する貫通孔である。部屋通気部31r、321r~323rはそれぞれ、部屋通気部31r、321r~323rの開口の寸法に応じたガラリ(グリル)が取り付けられるように構成されていてもよく、エアフィルタで覆われていてもよい。
【0027】
図2に示されるように、部屋通気部31rは、平面視で、共用空間(LDK)SC1と部屋SR1との間のドアF1(以下、単に「部屋SR1のドアF1」と呼ぶ)に対して、対角の位置に設けられることが好ましい。そうすることで、部屋通気部31rから流出する空調空気A1を部屋SR1の全体に循環させることが容易になる。なお、「平面視」は、建物Sのある階層を鉛直方向D1に沿う視線で見ることを意味している。また、「対角の位置」は、ドアF1に対する対角の隅から50cm以内の領域、より好ましくは、40cm以内の領域、最も好ましくは、30cm以内の領域を指す。図3では異なる位置で示されているが、部屋通気部321r、322r、323rもそれぞれ、平面視で、共用空間(階段ホール)SC2と部屋SR21、SR22、SR23との間のドアF21、F22、F23(以下、単に「部屋SR21、SR22、SR23のドアF21、F22、F23」とそれぞれ呼ぶ)に対して、対角の位置に設置されることが好ましい。
【0028】
図1に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の送風機31は、たとえば天井裏空間(階間空間)S2に設けられたダクトP1によって、共用通気部31cと部屋通気部31rとに流体接続されている。そして、送風機31は、共用空間(LDK)SC1の空気の共用通気部31cから部屋通気部31rへの送り込みによって、部屋SR1、通気口41、共用空間(LDK)SC1の順に空調空気A1を循環させる。この送風機31による空調空気A1の循環によって、建物Sの1階の空間に空調空気A1を行き渡らせることができる。
【0029】
図1に示されるように、本実施形態では、第2空調システム12の送風機321は、たとえば天井裏空間(屋根裏空間)S3に設けられたダクトP21によって、共用通気部32cと部屋通気部321rとに流体接続されている。そして、送風機321は、共用空間(階段ホール)SC2の空気の共用通気部32cから部屋通気部321rへの送り込みによって、部屋SR21、通気口421、共用空間(階段ホール)SC2の順に空調空気A2を循環させる。また、本実施形態では、第2空調システム12の送風機322は、たとえば天井裏空間(屋根裏空間)S3に設けられたダクトP22によって、共用通気部32cと部屋通気部322r、323rとに流体接続されている。そして、送風機322は、共用空間(階段ホール)SC2の空気の共用通気部32cから部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図3参照)への送り込みによって、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)、通気口422、423、共用空間(階段ホール)SC2の順に空調空気A2を循環させる。この送風機321、322による空調空気A2の循環によって、建物Sの2階の空間に空調空気A2を行き渡らせることができる。
【0030】
図3に示されるように、送風機322は、ダクトP22の下流部を分岐させることで、共用通気部32cと部屋通気部322r、323rとに流体接続されている。そうすることで、1つの送風機322によって、複数の部屋SR22、SR23に空調空気A2を送ることが可能となるので、空調システム12の設置費用を低減することができる。なお、「下流部」は、送風機から送られる空気が通るダクトの部分を指し、「上流部」は、送風機に吸い込まれる空気が通るダクトの部分を指す。
【0031】
本実施形態において、送風機31は、送風機31の風量が空調機21の風量と略同じなるように調整可能に構成されている。そうすることで、建物Sが密閉されている場合に、空調機21から共用空間(LDK)SC1に供給された空調空気A1が、送風機31によって、部屋SR1、通気口41、共用空間(LDK)SC1の順に循環して空調機21に戻ることが促進される。同様に、本実施形態において、送風機321、322は、送風機321、322の合計風量が空調機22の風量と略同じなるように調整可能に構成されている。そうすることで、建物Sが密閉されている場合に、空調機22から共用空間(階段ホール)SC2に供給された空調空気A2が、送風機321によって、部屋SR21、通気口421、共用空間(階段ホール)SC2の順に、送風機322によって、部屋SR22、SR23、通気口422、423、共用空間(階段ホール)SC2の順に循環して空調機22に戻ることが促進される。送風機31、321、322の風量は、建物S内の温度に応じて適宜変更され得るが、たとえば、200m3/h~600m3/hである。送風機31は、空調機21の風量の変化と連動して、送風機31の風量が空調機21の風量と略同じなるように自動的に調整されるように構成されていてもよい。送風機321、322は、空調機22の風量の変化と連動して、送風機321、322の合計風量が空調機22の風量と略同じなるように自動的に調整されるように構成されていてもよい。
【0032】
図1に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の送風機31は、天井裏空間(階間空間)S2に設けられている。送風機31が天井裏空間(階間空間)S2に設けられることで、送風機31の設置空間を居住空間に確保する必要がないので、送風機31の設置によって、居住空間を狭くすることがない。本実施形態では、第2空調システム12の送風機321、322もまた、天井裏空間(屋根裏空間)S3にそれぞれ設けられている。そうすることで、送風機321、322の設置によって、居住空間を狭くすることがない。
【0033】
送風機31、321~322はそれぞれ、天井裏空間S2、S3に収容可能な寸法および適切な送風能力を有すれば、特に限定されることはない。送風機31、321~322として、プロペラファンなどの軸流ファン、シロッコファンなどの遠心ファンなどが例示される。プロペラファンを採用する場合には、送風機31、321~322が安価となり、シロッコファンを採用する場合には、送風機31、321~322の運転時の騒音が抑制される。
【0034】
第1空調システム11の通気口41は、部屋SR1と共用空間(LDK)SC1との間で、ファンの回転などの動力を用いることなく、部屋SR1と共用空間(LDK)SC1との間に生じた圧力差によって、空気が流入する。同様に、第2空調システム12の通気口421、422、423(通気口423は図3参照)はそれぞれ、部屋SR21、SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)と共用空間(階段ホール)SC2との間で、ファンの回転などの動力を用いることなく、自然に空気を流入させる。図1に示されるように、本実施形態では、通気口41は、部屋SR1のドアF1と床WF1(床面)との間の隙間(ドアF1のアンダーカット)である。また、本実施形態では、通気口421、422、423はそれぞれ、部屋SR21、SR22、SR23のドアF21、F22、F23(ドアF23は図3参照)と床WF2(床面)との間の隙間(ドアF21、F22、F23のアンダーカット)である。通気口41、421、422、423をそれぞれドアF1、F21、F22、F23のアンダーカットとすることで、通気口41、421、422、423を簡単に設けることができる。ドアF1、F21、F22、F23が引き戸である場合、ドアF1、F21、F22、F23とドア枠のうちの縦枠(鉛直方向D1に延びるドア枠)との間で鉛直方向D1に沿って生じる隙間であってもよい。
【0035】
なお、通気口41、421、422、423はそれぞれ、ドアF1、F21、F22、F23を厚さ方向で貫通する開口(貫通孔)であってもよい。この開口はスリットであってもよいし、ガラリ(グリル)に設けられた開口であってもよい。また、開口はエアフィルタで覆われていてもよい。また、通気口41、421、422、423はそれぞれ、ドアF1、F21、F22、F23とドア枠との間の公差(意図しない隙間)によって形成された開口であってもよい。さらに、通気口41は、部屋SR1と共用空間(LDK)SC1とを仕切る仕切壁W1を厚さ方向で貫通する換気口などであってもよく、通気口421、422、423はそれぞれ、部屋SR21、SR22、SR23と共用空間(階段ホール)SC2とを仕切る仕切壁(図1では、部屋SR21と共用空間SC2とを仕切る仕切壁W21および部屋SR22と共用空間SC2とを仕切る仕切壁W22のみが示されている)を厚さ方向で貫通する換気口などであってもよい。なお、仕切壁に通気口が設けられる場合、通気口はドアの近傍に設けられることが好ましい。
【0036】
以上のような構成を備える本実施形態に係る空調システム11、12が奏する効果について、図1図3を参照し、空調システム11、12による空調空気A1、A2の流れとともに、より詳細に説明する。なお、以下の説明は、あくまで一例であり、本発明の空調システムによる空調空気の流れは、以下の説明に限定されるものではない。
【0037】
図1および図2に示されるように、第1空調システム11を運転させると、空調機21および送風機31が作動し、空調機21が、所望の設定条件となるように、空調空気A1を共用空間(LDK)SC1に供給する。空調空気A1は、送風機31の送風力によって、共用空間(LDK)SC1の天井WC1の共用通気部31c、天井裏空間(階間空間)S2のダクトP1、部屋SR1の天井WC1の部屋通気部31rを順に経由して、部屋SR1に流入する。部屋SR1に流入した空調空気A1は、ドアF1と床WF1(床面)との間の通気口(ドアF1のアンダーカット)41から共用空間(LDK)SC1に流入する。共用空間(LDK)SC1に戻った空調空気A1は、空調機21に吸い込まれるか、または、共用通気部31cに吸い込まれる。空調空気A1を吸い込んだ空調機21は、所望の設定条件となるように、空調空気A1を再調整して共用空間(LDK)SC1に供給する。送風機31は、空調機21に吸い込まれなかった空調空気A1または空調機21によって再調整された空調空気A1を、再度、部屋SR1、通気口41、共用空間(LDK)SC1の順に循環させる。そうすることで、第1空調システム11は、建物Sの1階において、空調空気A1を循環させる。
【0038】
図1および図3に示されるように、第2空調システム12を運転させると、空調機22および送風機321、322が作動する。空調空気A2は、送風機321の送風力によって、共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2の共用通気部32c、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP21、部屋SR21の天井WC2の部屋通気部321rを順に経由して、部屋SR21に流入する。また、空調空気A2は、送風機322の送風力によって、共用通気部32c、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP22、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図3参照)の天井WC2の部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図3参照)を順に経由して、部屋SR22、SR23に流入する。その後、空調空気A2は、通気口(ドアF21、F22、F23(ドアF23は図3参照)のアンダーカット)421、422、423(通気口423は図3参照)から共用空間(階段ホール)SC2に流入し、空調機22に吸い込まれるか、または、共用通気部32cに吸い込まれる。空調空気A2を吸い込んだ空調機22は、空調空気A2を再調整して共用空間(階段ホール)SC2に供給する。送風機321、322は、空調機22に吸い込まれなかった空調空気A2または空調機22によって再調整された空調空気A2を、再度、部屋SR21、通気口421、共用空間(階段ホール)SC2の順に循環させるか、または、部屋SR22、SR23、通気口422、423、共用空間(階段ホール)SC2の順に循環させる。そうすることで、第2空調システム12は、建物Sの2階において、空調空気A2を循環させる。
【0039】
このように、第1実施形態に係る空調システム11、12は、居住空間である共用空間SC1、SC2を空調室として、共用空間SC1、SC2を空調機21、22によって空調し、共用空間SC1、SC2の空調空気A1、A2を非居住空間である天井裏空間S2、S3を経由して部屋SR1、SR21~SR23に送り込んでいる。そのため、居住空間を狭めることなく、空調システム11、12を設置することができる。また、比較的広い空間を有する天井裏空間S2、S3に、空調空気A1、A2を循環させる送風機31、321~322を設置するため、送風機31、321~322の大きさに対する制約がほとんどなく、適切な送風機31、321~322を選定し易くなるので、共用空間SC1、SC2と部屋SR1、SR21~SR23との間に温度差が生じ難くなる。
【0040】
なお、建物Sが1階と2階とを連通させる吹抜SW(図3参照)などを有する場合には、吹抜SWによって連通する共用空間SC1、SC2を1つの共用空間として、1つの空調機(1階の空調機21または2階の空調機22)のみを用いて、空調空気を1階および2階の空間内で循環させることもできる。
【0041】
(第2実施形態に係る空調システム)
図4図6は、本発明の第2実施形態に係る空調システム11、12を示している。本実施形態に係る空調システム11、12は、第1実施形態に係る空調システム11、12と同じ建物Sに設置されているが、空調空気A1、A2の循環経路が、第1実施形態と異なる。なお、以下の説明において、上述した実施形態と共通する事項についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態に係る空調システム11、12において、第1実施形態に係る空調システム11、12と同じ機能を有する部位には、同じ符号が付されている。本実施形態の構成と、第1実施形態で説明した内容とは適宜組み合わせて用いることができる。
【0042】
図4および図5に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の送風機31は、部屋SR1の空気を部屋通気部31rから吸い込んで共用通気部31cに送り込む。すなわち、本実施形態では、部屋通気部31rが、部屋SR1の空気を送風機31に流出させ、共用通気部31cが、送風機31から送られる空気を共用空間(LDK)SC1に流入させる。そして、送風機31は、部屋SR1の空気の部屋通気部31rから共用通気部31cへの送り込みによって、共用空間(LDK)SC1、通気口41、部屋SR1の順に空調空気を循環させる。
【0043】
図4および図6に示されるように、本実施形態では、第2空調システム12の送風機321は、部屋SR21の空気を部屋通気部321rから吸い込んで共用通気部32cに送り込み、第2空調システム12の送風機322は、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図6参照)の空気を部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図6参照)から吸い込んで共用通気部32cに送り込む。そして、送風機321は、部屋SR21の空気の部屋通気部321rから共用通気部31cへの送り込みによって、共用空間(階段ホール)SC2、通気口421、部屋SR21の順に空調空気A2を循環させ、送風機322は、部屋SR22、SR23の空気の部屋通気部322r、323rから共用通気部31cへの送り込みによって、共用空間(階段ホール)SC2、通気口422、423(通気口423は図6参照)、部屋SR22、SR23の順に空調空気A2を循環させる。すなわち、本実施形態では、部屋通気部321rが、部屋SR21の空気を送風機321に流出させ、部屋通気部322r、323rが、部屋SR22、SR23の空気を送風機322に流出させ、共用通気部32cが、送風機321、322から送られる空気を共用空間(階段ホール)SC2に流入させる。
【0044】
本実施形態では、第1空調システム11の送風機31は、第1実施形態において、共用通気部31cと流体接続されていたダクトP1を部屋通気部31rと流体接続させ、部屋通気部31rと流体接続されていたダクトP1を共用通気部31cと流体接続させている。そうすることで、建物Sの1階の空間において、第1実施形態に係る第1空調システム11とは逆の順に、空調空気A1を循環させている。同様に、第2空調システム12の送風機321は、第1実施形態において、共用通気部32cと流体接続されていたダクトP21を部屋通気部321rと流体接続させ、部屋通気部321rと流体接続されていたダクトP21を共用通気部32cと流体接続させている。また、第2空調システム12の送風機322は、第1実施形態において、共用通気部32cと流体接続されていたダクトP22を部屋通気部322r、323rと流体接続させ、部屋通気部322r、323rと流体接続されていたダクトP22を共用通気部32cと流体接続させている。そうすることで、建物Sの2階の空間において、第1実施形態に係る第2空調システム12とは逆の順に、空調空気A2を循環させている。
【0045】
図6に示されるように、送風機322は、ダクトP22の上流部を分岐させることで、共用通気部32cと部屋通気部322r、323rとに流体接続されている。そうすることで、1つの送風機322によって、複数の部屋SR22、SR23の空気を吸い込むことが可能となるので、空調システム12の設置費用を低減することができる。
【0046】
送風機31、321~322は、第1実施形態に係る第1空調システム11および第2空調システム12における送風機31、321~322のファンの回転方向とは逆方向にファンを回転可能であれば、ファンの逆方向に回転させてもよい。
【0047】
本実施形態では、共用通気部31c、32cは、空調機21、22の鉛直上方D12に設けられている。そうすることで、共用通気部31c、32c(共用空間SC1、SC2の天井WC1、WC2に位置)から共用空間SC1、SC2に戻ってくる空調空気A1、A2を、拡散させずに直接的に空調機21、22の吸込口(空調機21、22の鉛直上方D12側に位置)に吸い込ませることができる。なお、部屋通気部31r、321r~323r、送風機321、322の設置箇所および構造は、第1実施形態と同様である。
【0048】
本実施形態に係る第1空調システム11の空調機21および通気口41の設置箇所、機能および構造は、第1実施形態と同様であり、本実施形態に係る第2空調システム12の空調機22および通気口421~423の設置箇所、機能および構造は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
図4および図5に示されるように、第2実施形態に係る第1空調システム11を運転させると、空調機21および送風機31が作動し、空調機21が、所望の設定条件となるように、空調空気A1を共用空間(LDK)SC1に供給し、空調空気A1は、通気口(ドアF1のアンダーカット)41から部屋SR1に流入する。部屋SR1に流入した空調空気A1は、送風機31の送風力によって、部屋SR1の天井WC1の部屋通気部31r、天井裏空間(階間空間)S2のダクトP1、共用空間(LDK)SC1の天井WC1の共用通気部31cを順に経由して、共用空間(LDK)SC1に流入する。共用空間(LDK)SC1に戻った空調空気A1は、空調機21に吸い込まれるか、または、通気口(ドアF1のアンダーカット)41に流入する。空調空気A1を吸い込んだ空調機21は、所望の設定条件となるように、空調空気A1を再調整して共用空間(LDK)SC1に供給し、再調整された空調空気A1もまた、通気口(ドアF1のアンダーカット)41に流入する。送風機31は、部屋SR1に流入した空調空気A1を部屋通気部31rから吸い込んで、再度、共用通気部31cから共用空間(LDK)SC1に流入させる。そうすることで、第1空調システム11は、建物Sの1階において、空調空気A1を循環させる。
【0050】
図4および図6に示されるように、第2実施形態に係る第2空調システム12を運転させると、空調機22から供給された空調空気A2は、通気口(ドアF21、F22、F23(ドアF23は図6参照)のアンダーカット)421、422、423(通気口423は図6参照)から部屋SR21、SR22、SR23(部屋SR23は図6参照)に流入する。部屋SR21に流入した空調空気A2は、送風機321の送風力によって、部屋SR21の天井WC2の部屋通気部321r、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP21、共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2の共用通気部32cを順に経由して、共用空間(階段ホール)SC2に流入する。また、部屋SR22、SR23に流入した空調空気A2は、送風機322の送風力によって、部屋SR22、SR23の天井WC2の部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図6参照)、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP22、共用空間(階段ホール)SC2の天井WC2の共用通気部32cを順に経由して、共用空間(階段ホール)SC2に流入する。
【0051】
共用空間(階段ホール)SC2に戻った空調空気A2は、空調機22または通気口(ドアF21、F22、F23(ドアF23は図6参照)のアンダーカット)421、422、423(通気口423は図6参照)に流入する。空調空気A2を吸い込んだ空調機22は、空調空気A2を再調整して共用空間(階段ホール)SC2に供給し、再調整された空調空気A2もまた、通気口(ドアF21、F22、F23のアンダーカット)421、422、423に流入する。送風機321は、部屋SR21に流入した空調空気A2を部屋通気部321rから吸い込んで、再度、共用通気部32cから共用空間(階段ホール)SC2に流入させ、送風機322は、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図6参照)に流入した空調空気A2を部屋通気部322r、323rから吸い込んで、再度、共用通気部32cから共用空間(階段ホール)SC2に流入させる。そうすることで、第2空調システム12は、建物Sの2階において、空調空気A2を循環させる。
【0052】
このように、第1実施形態とは逆経路で、空調空気A1、A2を建物S内に循環させることもできる。本実施形態においても、共用空間SC1、SC2を空調室として使用し、天井裏空間S2、S3を経由して、空調空気A1、A2を循環させることで、居住空間を狭めることなく、空調システム11、12を設置することができる。また、送風機31、321~322を天井裏空間S2、S3に設置することで、適切な送風機31、321~322を選定し易くなるので、共用空間SC1、SC2と部屋SR1、SR21~SR23との間に温度差が生じ難くなる。
【0053】
(第3実施形態に係る空調システム)
図7図9は、本発明の第3実施形態に係る空調システム11、12を示している。本実施形態に係る空調システム11、12は、上述した実施形態に係る空調システム11、12と同じ建物Sに設置されているが、空調空気A1、A2が天井裏空間S2、S3にも行き渡る点において、第2実施形態と異なる。なお、以下の説明において、上述した実施形態と共通する事項についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、第3実施形態に係る空調システム11、12において、上述した実施形態に係る空調システム11、12と同じ機能を有する部位には、同じ符号が付されている。本実施形態の構成と、上述した実施形態で説明した内容とは適宜組み合わせて用いることができる。
【0054】
図7および図8に示されるように、本実施形態では、第1空調システム11の送風機31は、部屋SR1の空気を部屋通気部31rから吸い込んで、天井裏空間(階間空間)S2に送り込み、送風機31によって送り込まれて天井裏空間(階間空間)S2に蓄積した空気が、共用通気部31cに送り込まれる。具体的には、部屋通気部31rは、第2実施形態と同様に、ダクトP1を介して送風機31に流体接続されているが、共用通気部31cは、第2実施形態とは異なり、送風機31と流体接続されていない。そのため、送風機31によって部屋通気部31rから送り込まれる空気は、天井裏空間(階間空間)S2に蓄積する。
【0055】
図7および図9に示されるように、本実施形態では、第2空調システム12の送風機321は、部屋SR21の空気を部屋通気部321rから吸い込んで、天井裏空間(屋根裏空間)S3に送り込み、第2空調システム12の送風機322は、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図9参照)の空気を部屋通気部322r、323r(部屋通気部323rは図9参照)から吸い込んで、天井裏空間(屋根裏空間)S3に送り込む。そして、送風機321、322によって送り込まれて天井裏空間(屋根裏空間)S3に蓄積した空気が、共用通気部32cに送り込まれる。具体的には、部屋通気部321rは、第2実施形態と同様に、ダクトP21を介して送風機321に流体接続され、部屋通気部322r、323rもまた、第2実施形態と同様に、ダクトP22を介して送風機322に流体接続されているが、共用通気部32cは、第2実施形態とは異なり、送風機321、322と流体接続されていない。そのため、送風機321によって部屋通気部321rから送り込まれる空気、および、送風機322によって部屋通気部322r、323rから送り込まれる空気は、天井裏空間(屋根裏空間)S3に蓄積する。
【0056】
本実施形態に係る第1空調システム11の空調機21、部屋通気部31r、および通気口41の設置箇所、機能および構造は、第2実施形態と同様であり、本実施形態に係る第2空調システム12の空調機22、部屋通気部321r~323r、および通気口421~423の設置箇所、機能および構造は、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0057】
図7および図8に示されるように、第3実施形態に係る第1空調システム11を運転させると、空調機21および送風機31が作動し、空調機21が、所望の設定条件となるように、空調空気A1を共用空間(LDK)SC1に供給し、空調空気A1は、通気口(ドアF1のアンダーカット)41から部屋SR1に流入する。部屋SR1に流入した空調空気A1は、送風機31の送風力によって、部屋SR1の天井WC1の部屋通気部31r、天井裏空間(階間空間)S2のダクトP1を順に経由して、天井裏空間(階間空間)S2に流入する。天井裏空間(階間空間)S2に流入した空調空気A1は、天井裏空間(階間空間)S2に蓄積することで、圧力が高くなり、共用空間(LDK)SC1の空気の圧力よりを超えると、共用通気部31cから共用空間(LDK)SC1に流入する。共用空間(LDK)SC1に戻った空調空気A1は、空調機21に吸い込まれるか、または、通気口(ドアF1のアンダーカット)41を通じて部屋SR1に流入する。空調空気A1を吸い込んだ空調機21は、所望の設定条件となるように、空調空気A1を再調整して共用空間(LDK)SC1に供給し、再調整された空調空気A1もまた、通気口(ドアF1のアンダーカット)41を通じて部屋SR1に流入する。送風機31は、部屋SR1に流入した空調空気A1を部屋通気部31rから吸い込んで、天井裏空間(階間空間)S2に流入させる。天井裏空間(階間空間)S2に流入した空調空気A1は、圧力が高まると、共用空間(LDK)SC1に流入する。そうすることで、第1空調システム11は、建物Sの1階において、空調空気A1を循環させる。
【0058】
図7および図9に示されるように、第2空調システム12を運転させると、空調機22から供給された空調空気A2は、通気口(ドアF21、F22、F23(ドアF23は図9参照)のアンダーカット)421、422、423(通気口423は図9参照)から部屋SR21、SR22、SR23(部屋SR23は図9参照)に流入する。部屋SR21に流入した空調空気A2は、送風機321の送風力によって、部屋SR21の天井WC2の部屋通気部321r、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP21を順に経由して、天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入し、部屋SR22、SR23に流入した空調空気A2は、送風機322の送風力によって、部屋SR22、SR23の天井WC2の部屋通気部322r、323r、天井裏空間(屋根裏空間)S3のダクトP22を順に経由して、天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入する。天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入した空調空気A2は、共用空間(階段ホール)SC2の空気の圧力を超えると、共用通気部32cから共用空間(階段ホール)SC2に流入する。
【0059】
共用空間(階段ホール)SC2に戻った空調空気A2は、空調機22に吸い込まれるか、または、通気口(ドアF21、F22、F23(ドアF23は図9参照)のアンダーカット)421、422、423(通気口423は図9参照)に流入する。空調空気A2を吸い込んだ空調機22は、空調空気A2を再調整して共用空間(階段ホール)SC2に供給し、再調整された空調空気A2もまた、通気口(ドアF21、F22、F23のアンダーカット)421、422、423に流入する。送風機321は、部屋SR21に流入した空調空気A2を部屋通気部321rから吸い込んで、再度、天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入させ、送風機322は、部屋SR22、SR23(部屋SR23は図9参照)に流入した空調空気A2を部屋通気部322r、323rから吸い込んで、再度、天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入させる。天井裏空間(屋根裏空間)S3に流入した空調空気A2は、圧力が高まると、共用空間(階段ホール)SC2に流入する。そうすることで、第2空調システム12は、建物Sの2階において、空調空気A2を循環させる。
【0060】
このように、本実施形態では、建物Sの対象階の居住空間のみならず、天井裏空間S2、S3をも空調している。そのため、夏期の日射によって、天井裏空間(屋根裏空間)S3が高温になる場合に、天井裏空間(屋根裏空間)S3の空調によって、天井裏空間(屋根裏空間)S3からの輻射熱による温度上昇を効率的に抑制することができる。本実施形態においても、共用空間SC1、SC2を空調室として使用し、天井裏空間S2、S3を経由して、空調空気A1、A2を循環させることで、居住空間を狭めることなく、空調システム11、12を設置することができる。また、送風機31、321~322を天井裏空間S2、S3に設置することで、適切な送風機31、321~322を選定し易くなるので、共用空間SC1、SC2と部屋SR1、SR21~SR23との間に温度差が生じ難くなる。
【0061】
(その他の実施形態に係る空調システム)
上述した実施形態では、同じ建物Sの異なる階層において、空調空気A1、A2の循環経路が同様になるように、各階層の空調システム11、12を選定しているが、空調空気A1、A2の循環経路が異なるように、各階層の空調システム11、12を選定してもよい。たとえば、第1~第3実施形態のいずれかに係る第1空調システム11と、その実施形態と異なる実施形態に係る第2空調システム12が、同じ建物S内において使用されてもよい。
【0062】
送風機31は、床下空間(基礎空間)S1に設けられてもよい。この場合にも、送風機31の設置空間を居住空間に確保する必要がないので、送風機31の設置によって、居住空間を狭くすることがない。なお、送風機31が床下空間(基礎空間)S1に設けられる場合には、好ましくは、共用通気部31cおよび部屋通気部31rは、対象階の床(1階の床WF1)に設けられ、ダクトP1は、床下空間(基礎空間)S1に設けられる。また、送風機31が床下空間(基礎空間)S1に設けられる場合、空調機21は、共用通気部31cとの距離が短くなるように、好ましくは、床置き型のエアコンディショナーなどに選定される。送風機31が床下空間S1に設けられる場合、空調機21などの空調システム11の構成機器が、手の届きやすい場所に設けられるため、空調システム11の構成機器を保守および修理し易くなる。一方、送風機31が天井裏空間S2に設けられる場合、対象階において、空調機21などの空調システム11の構成機器が、対象階の天井WC1もしくは天井WC1の近傍、または天井裏空間S2に設けられるため、人の歩行の障害物となり難くなる。
【0063】
同様に、送風機321、322は、床下空間(階間空間)S2に設けられてもよく、この場合、共用通気部32cおよび部屋通気部321r~323rは、好ましくは、対象階の床(2階の床WF2)に設けられ、ダクトP21、P22は、好ましくは、床下空間(階間空間)S2に設けられる。また、送風機321、322が床下空間(階間空間)S2に設けられる場合、空調機22は、好ましくは、床置き型のエアコンディショナーなどに選定される。
【実施例0064】
以下、実施例をもとに本発明の空調システムの優れた効果を説明する。ただし、本発明の空調システムは、以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
実施例1に係る空調システムとして、図3に示される木造の2階建ての住居用建物の2階に、同図に示される空調システムを設置した。空調機として、定格能力が2.2kWであって、5段階にノッチを切替可能な市販の壁掛け型のエアコンディショナーを採用し、2階の天井近傍に設置した。送風機として、200m3/h~600m3/hで風量を調整可能な市販の中間ダクトファンを採用し、屋根裏空間に設置した。階段ホールの天井の通気口を共用通気部とし、各部屋の天井の通気口を部屋通気部とし、共用通気部および部屋通気部をそれぞれダクトによって送風機と流体接続させた。2階の各部屋と階段ホールとの間のドアのアンダーカットを通気口とした。空調機、送風機、共用通気部、部屋通気部、および通気口の水平方向の位置は、図3に示される空調機22、送風機321、322、共用通気部32c、部屋通気部321r~323r、通気口421~423の位置の通りである。
【0066】
(実施例2)
実施例2に係る空調システムとして、実施例1の空調システムを設置した住居用建物と同じ建物の2階に、図6に示される空調システムを設置した。空調機および送風機は、実施例1と同様とし、送風機は、実施例1とは逆向きに共用通気部および部屋通気部とそれぞれダクトによって流体接続させた。共用通気部は、空調機の吸気口に対して鉛直上方に位置する階段ホールの天井の通気口を共用通気部とし、部屋通気部および通気口は、実施例1と同様した。空調機、送風機、共用通気部、部屋通気部、および通気口の水平方向の位置は、図6に示される空調機22、送風機321、322、共用通気部32c、部屋通気部321r~323r、通気口421~423の位置の通りである。
【0067】
(実施例3)
実施例3に係る空調システムは、実施例2において、共用通気部から送風機と流体接続させたダクトを外したものとした。
【0068】
(温度測定)
夏期および冬期において、実施例1~実施例3の空調システムをそれぞれ運転させ、各部屋の温度および空調空気の温度を測定した。温度は、夏期の冷房時には、平均外気温が約25℃~約28℃の3日間を選定し、冬期の暖房時には、平均外気温が約7℃~約9℃の3日間を選定して測定した。夏期および冬期ともに、送風機の風量は、400m3/hに固定した。空調空気の温度は、空調機の吹出口で測定した。温度の測定には、株式会社ティアンドディ株式会社製の温湿度データロガー「TR-72wb」を用いた。実施例1~実施例3における、各部屋の温度および空調空気の温度の夏期(冷房時)および冬期(暖房時)における測定結果を、空調機の平均消費電力とともに表1および表2にそれぞれ示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
(温度測定結果)
実施例1~実施例3のいずれの空調システムにおいても、部屋(SR21)および部屋(SR23)が南側に位置し、日射の影響を受け易くなる傾向にあるが、夏期および冬期を問わず、共用空間および部屋の間の温度差が比較的小さい状態で、対象階を空調していることがわかる。また、実施例1~実施例3のいずれの空調システムにおいても、比較的小さい消費電力で対象階を空調していることがわかる。これらのことから、実施例1~実施例3のいずれの空調システムも、1つの空調機で対象階を無理なく空調可能であることがわかる。
【符号の説明】
【0072】
11 空調システム(第1空調システム)
12 空調システム(第2空調システム)
21、22 空調機
31、321、322 送風機
31c、32c 共用通気部
31r、321r~323r 部屋通気部
41、421~423 通気口
A1、A2 空調空気
D1 鉛直方向
D11 鉛直下方
D12 鉛直上方
D2 水平方向
E 階段
F1、F21、F22、F23 ドア
P1、P21、P22 ダクト
S 建物
S1 基礎空間(床下空間)
S2 階間空間(天井裏空間/床下空間)
S3 屋根裏空間(天井裏空間)
SC1、SC2 共用空間
SR1、SR21~SR23 部屋
SW 吹抜
W1、W21、W22、WD2 仕切壁
WA 外壁
WC1、WC2 天井
WF1、WF2 床
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9