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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023758
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20250207BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20250207BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20250207BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20250207BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250207BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21S8/02 420
F21V23/00 160
F21V15/01 310
F21V15/01 100
F21V21/04 310
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128178
(22)【出願日】2023-08-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1-1)発行日 令和5年 4月20日 (1-2)刊行物 あかり専科vol.42,2023-2024第35頁,第551頁,第619頁 第712頁 (1-3)公開者 コイズミ照明株式会社 (2-1)ウェブサイトの掲載日 令和5年 5月17日 (2-2)ウェブサイトのアドレス https://webcatalog.koizumi-lt.co.jp/kensaku/item/detail?itemid=AD1261W27等 (2-3)公開者 コイズミ照明株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚原 康晴
(72)【発明者】
【氏名】宮本 陸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014BA03
(57)【要約】
【課題】光源と電源部とを接続するための電線の長さを短縮し、組立性を向上させることができる照明器具を提供する。
【解決手段】埋込孔Hに埋め込まれるように取り付けられる照明器具100であって、光源11と、光源11に電力を供給する電源部20と、光源11と電源部20とを接続する電線24と、光源11が内部に配置される筒状の第一胴体30と、電源部20が内部に配置される筒状の第二胴体40と、を備え、第二胴体40は第一胴体30における光源11の照射面側と反対側の端部に連結され、第一胴体30は電線挿通部33を有し、電線24は電源部20から電線挿通部33を介して光源11側に延出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具であって、
光源と、
前記光源に電力を供給する電源部と、
前記光源と前記電源部とを接続する電線と、
前記光源が内部に配置される筒状の第一胴体と、
前記電源部が内部に配置される筒状の第二胴体と、
を備え、
前記第二胴体は前記第一胴体における前記光源の照射面側と反対側の端部に連結され、
前記第一胴体は電線挿通部を有し、
前記電線は前記電源部から前記電線挿通部を介して前記光源側に延出する、
照明器具。
【請求項2】
前記第一胴体は前記第一胴体の側面に凹部を備え、
前記第二胴体は前記第二胴体の側面に凸部を備え、
前記凸部は、前記第一胴体側に突出し、前記凹部に篏合可能に構成される、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記凹部は前記電線挿通部と連通し、
前記凸部は前記凹部に篏合した状態で前記電線の外側に配置される、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第二胴体は前記第一胴体と連結される側と反対側の端部に傾斜面を備える、
請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第一胴体の前記第二胴体と連結される側と反対側の端部に枠体が設けられ、
前記第一胴体と前記枠体との境界部分に表示用シールが設けられる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の被取付部に埋め込まれて取り付けられる照明器具が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示される照明器具においては、有底筒状のヒートシンクの筒部の内部に電源装置が収納され、ヒートシンクの底部であるベース部に発光基板が配置されている。
【0003】
昨今では小径のダウンライトに対する要望が高まっている。従来の照明器具の構成で小径の照明器具を実現しようとすると、有底筒状のヒートシンクを小径で設ける必要がある。また、発光基板と電源装置とを接続するための電線はベース部に設けられた電線孔に挿通させている。そのため、小径で、ベース部に対して長尺に筒部が構成される場合では、電線の長さを長く設定する必要があるとともに、組立作業性が煩雑になる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-064588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、光源と電源部とを接続するための電線の長さを短縮し、組立性を向上させることができる照明器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本願に開示する照明器具は、埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具であって、
光源と、
前記光源に電力を供給する電源部と、
前記光源と前記電源部とを接続する電線と、
前記光源が内部に配置される筒状の第一胴体と、
前記電源部が内部に配置される筒状の第二胴体と、
を備え、
前記第二胴体は前記第一胴体における前記光源の照射面側と反対側の端部に連結され、
前記第一胴体は電線挿通部を有し、
前記電線は前記電源部から前記電線挿通部を介して前記光源側に延出するものである。
【0008】
本願に開示する照明器具は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
本願に開示する照明器具においては、前記第一胴体は前記第一胴体の側面に凹部を備え、
前記第二胴体は前記第二胴体の側面に凸部を備え、
前記凸部は、前記第一胴体側に突出し、前記凹部に篏合可能に構成されることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具においては、前記凹部は前記電線挿通部と連通し、
前記凸部は前記凹部に篏合した状態で前記電線の外側に配置されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具においては、前記第二胴体は前記第一胴体と連結される側と反対側の端部に傾斜面を備えることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具においては、前記第一胴体の前記第二胴体と連結される側と反対側の端部に枠体が設けられ、
前記第一胴体と前記枠体との境界部分に表示用シールが設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、光源と電源部とを接続するための電線の長さを短縮し、組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る照明器具を示す斜視図。
図2】同じく照明器具を示す正面図。
図3】同じく照明器具を埋込孔に取り付ける状態を説明する図。
図4】同じく照明器具を示す平面図。
図5】同じく照明器具を示す底面図。
図6】同じく照明器具を示す分解斜視図。
図7】同じく照明器具の正面断面図。
図8】同じく照明器具の正面断面拡大図。
図9】第一胴体を示す図であり、(a)は平面図、(b)側面図、(c)底面図である。
図10】同じく照明器具の表示用シールを貼り付けた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る照明器具の一例である照明器具100について、図1から図10を用いて説明する。照明器具100は、図3に示すように取り付け面となる天井Cに形成された、例えば、丸型の埋込孔Hに埋め込まれて設置される埋込型照明器具である。なお、本発明に係る照明器具としては、埋込型照明器具に限らず、天井面等に直付けされる直付け型の照明器具、又は、天井面等から吊り下げて設置される吊り下げ型の照明器具であってもよい。以下の説明では、照明器具100の上下方向は、照明器具100が天井Cに設置された状態における上下方向として説明する。上下方向に直交する方向を径方向として説明する。また、本実施形態の説明において、上方から照明器具100等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具100等を視た状態を側面視とする。照明器具100等の断面形状を視た状態を断面視とする。
【0015】
図1から図3図6に示すように、照明器具100は光源部10と、光源部10の光源11(本実施形態では、COB型LED11)に電力を供給する電源部20と、光源11と電源部20とを接続する電線24と、光源部10が内部に配置される筒状の第一胴体30と、電源部20が内部に配置される筒状の第二胴体40と、を主に備える。
【0016】
図6及び図7に示すように、光源11は、照明器具100の照射面側に向けて光を出射する部分である。図6及び図7に示すように、本実施形態の光源11は、モジュール反射板14の上部に配置される、COB型LED11を有する。モジュール反射板14は、樹脂製の素材であり円筒状に形成されている。また、モジュール反射板14は、上面に、第一胴体30の取付板部32に取り付けるための突起部16(本実施形態では、2つ)と、四角板状のCOB型LED11を搭載するための基板ガイド部15と、を備えている。2つの突起部16は、モジュール反射板14の上面から上方に突出している。2つの突起部16の一方は取付板部32の貫通孔36に挿入され、他方は電線挿通部33に配置されて取付板部32に嵌合することで、第一筒体30内にモジュール反射板14を取り付けることができる。
【0017】
基板ガイド部15は、COB型LED11の外形の少なくとも一部と沿うようにCOB型LED11の外周縁部を囲み、COB型LED11の側面方向の位置を規制する。モジュール反射板14の下方には、レンズ17が設けられている。また、モジュール反射板14の基板ガイド部15内にCOB型LED11および絶縁シート81が配置された状態で、第一胴体30の内部に配置される。
【0018】
本実施形態のCOB型LED11は、基板13にLED(Light emitting diode)素子12を形成したCOB(Chip on board)型発光モジュールである。基板13のLED素子12が形成される表面には、電源供給用の電線24と電気的に接続される電極(図示せず)が設けられている。本実施形態では、COB型LED11の電極は、例えば半田を用いて電線24と電気的に接続されている。
【0019】
電源部20は、光源部10が有するCOB型LED11に給電を行って、LED素子12を点灯させるための電源装置である。電源部20は、絶縁性の箱状の電源ケース22内に直方形状に加工されたプリント配線基板上に複数の電子部品が実装された電源回路基板21が収容されたものである。
【0020】
電源部20は、外部商用電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流をCOB型LED11のLED素子12に供給するためのものである。電源部20は、電線23を介して端子台70に電気的に接続される。端子台70は、第二胴体40の上面に固定され側方へ突出した端子台取付板71に配置される。
【0021】
照明器具100を天井Cに取り付ける際、端子台70と天井裏側の外部商用電源電線(図示せず)とを接続することで、電源部20は外部商用電源と電気的に接続される。電源部20とCOB型LED11は電線24によって電気的に接続される。
【0022】
第一胴体30は、照明器具100の下部を構成する筒状体であり、本実施形態においては、図9に示すように円筒状の側面の一部を切り欠いた形状に構成される。第一胴体30は、アルミニウム等の金属を用いてダイキャスト成型等で形成される。第一胴体30は、中心部に電源部20の電源ケース22下部を収める四角形状の電源ガイド部31を設けている。電源ケース22の外周面は、電源ガイド部31の内周面よりやや小さいサイズで形成される。電源部20はその下部を電源ガイド部31に挿入されることにより、第一胴体30内に電源部20を格納することが可能となる。また、第一胴体30は、第一胴体30の側面に凹部34を備える。凹部34は、第一胴体30の側面に上端から下端側へ上下方向に延びるように形成されている。本実施形態においては、凹部34は、上端から下端まで延びて形成された切欠き部として構成されている。凹部34は、第一胴体30の内部の視認性を高める効果も有している。本実施形態の凹部34は、電源部20、COB型LED11、及び電線24を視認可能に形成されている。
【0023】
また、第一胴体30の内部には、モジュール反射板14の上面を取り付ける取付板部32が設けられている。取付板部32は、電源ガイド部31の下端側に設けられている。取付板部32は、電源ケース22の下端と、モジュール反射板14およびモジュール反射板14の基板ガイド部15に格納されたCOB型LED11との間を離隔する板状の部分である。なお、本実施形態においては、COB型LED11と取付板部32との間に絶縁シート26を配置した。絶縁シート81は必須の構成ではなく、必要に応じて適宜配置することができる。絶縁シート81ではなく放熱グリス等の放熱性を高める部材を配置することもできる。
【0024】
取付板部32の周端部には、電線24を上下方向に挿通可能とするための電線挿通部33が設けられている。取付板部32に設けられた電源挿通部33は、電線24を光源部10(COB型LED11)側へ通すための空間であり、本実施形態においては、図9に示すように、取付板部32を切り欠いて形成され、凹部34と連通している。このように構成することにより、第二胴体40と第一胴体30とを取り外した状態において、電線24の位置を外側から確認することが可能となる。また、電線24を適切な位置に配置しやすいため、組立性が向上する。
【0025】
第二胴体40は、照明器具100の上部を構成する筒状体であり、本実施形態においては円筒状に構成される。第二胴体40は、図2に示すようにその側面の2カ所を上端から下端側にかけて切り欠くように形成された平面部42を有し、側面視ハット状に形成されている。第二胴体40は、アルミニウム等の金属を用いてダイキャスト成型などで形成される。第二胴体40は、中心部に電源部20の電源ケース22上部を収める四角形状の電源ガイド部41を設けている。電源ケース22の外周面は、電源ガイド部41の内周面よりもやや小さいサイズで形成される。電源部20は上部を電源ガイド部41に挿入されることにより、第二胴体40内に電源部20を格納することが可能となる。本実施形態の電源部20は、第一胴体30の電源ガイド部31及び第二胴体40の電源ガイド部41に挿入されて、第一胴体30及び第二胴体40の内部に格納される。
【0026】
また、第二胴体40の下端には、胴体取付用ビス85を挿入するための取付フランジ43が設けられている。取付フランジ43は、平面部42の下端に外側に延びるように設けられており、第一胴体30の上面と接するように形成されている。本実施形態においては、第一胴体30の上端の外形と、第二胴体40の下端の外形がほぼ同一となるように形成される。第一胴体30の上面と第二胴体40の下面を重ねるように配置して固定することで、それらの側面が連続するように構成される。第一胴体30の上面には、胴体取付用ビス挿入孔35が設けられている。本実施形態の取付フランジ43は、胴体取付用ビス85を配置可能な切欠き44を有する。取付フランジ43の切欠き44は、第一胴体30の胴体取付用ビス挿入孔35に対応する位置に設けられる。胴体取付用ビス85は、第二胴体40の切欠き44及び第一胴体30の胴体取付用ビス挿入孔35を介して、第一胴体30と第二胴体40を固定する。
【0027】
また、第二胴体40の平面部42の外側には、取り付けバネ60が配置されている。取り付けバネ60は、照明器具100を天井Cの埋込孔Hに埋め込んで取り付けるための固定手段である。本実施形態の取り付けバネ60は、ステンレス素材等の板状金属部材の中途部を複数箇所屈曲及び湾曲させて、取り付け部61、当接部63及び端部64を有する形状に形成された板バネである。
【0028】
ここで、図3を用いて照明器具100の天井Cへの取り付け方について説明する。
まず、端子台70に外部商用電源電線(図示せず)を接続した後、2つの取り付けバネ60の端部64を第二胴体40に近づけるように矢印A1の方向に手で保持する。
次に、照明器具100の姿勢を傾け、端子台70側から矢印A2の方向に天井Cの埋込孔Hから天井裏へ挿入し、照明器具100の姿勢を第二胴体40が上下方向に沿う方向になるように変更する。第二胴体40の上端及び取り付けバネ60の端部64を埋込孔Hに挿入する。このとき、第二胴体40は平面部42を設けるように切り欠かれた形状に形成されているため、取り付けバネ60の端部64をより径方向内側の位置に変位することができる。これにより、取り付けバネ60の端部64を埋込孔Hに挿入しやすくすることができ、照明器具100の施工性を向上させる。
【0029】
次に、矢印A3の方向に照明器具100を引き上げる。照明器具100は、天井Cに後述する枠体50のフランジ面52が枠体パッキン83を介して当接するまで引き上げられて、天井Cに取り付けられる。このとき、取り付けバネ60は、当接部63が埋込孔H内を摺動するように撓みながら天井裏側へと移動する。取り付けバネ60は復元力により当接部63が埋込孔Hの内周面及び埋込孔Hの上部の周縁に当接して、照明器具100を天井裏側に引き上げながら天井Cに固定する。
【0030】
なお、取り付けバネ60の形状、取り付け位置、及び個数等については、本実施形態のものに限定されない。図4に示すように、取り付けバネ60はその基部に取り付け部61を有する。取り付け部61には貫通孔62が設けられており、ビス86を貫通孔62及び第二胴体40のビス取付用孔47に螺合することにより、取り付けバネ60が第二胴体40の上面に固定される。なお、本実施形態の照明器具100では、端子台取付板71もビス86によって第二胴体40の上面に同時に取り付けられている。具体的には、第二胴体40と取り付けバネ60の取り付け部61との間に端子台取付板71が配置される。ビス86を取り付けバネ60の貫通孔62、端子台取付板71に設けられた貫通孔72、及び第二胴体40のビス取付用孔47に螺合することにより、第二胴体40の上面に取り付けバネ60及び端子台取付板71を取り付ける。
【0031】
また、図7および図8に示すように、第二胴体40は、第二胴体40の側面に下端から延出する凸部48を備え、凸部48は、第一胴体30側に突出し、凹部34を覆うように配置可能に構成される。本実施形態においては、凸部48は、第二胴体40の下端の一部から連続して突出するように一体的に形成されている。第一胴体30の切欠き部として形成される凹部38に凸部48を嵌合することにより、第一胴体30と第二胴体40を容易に位置合わせすることができる。
【0032】
また、図7および図8に示すように、凸部48は、凹部34に篏合した状態で電線24の外側に配置されるものである。
このように構成することにより、第二胴体40と第一胴体30とを取り外した状態において、電線24の位置を外側から確認することができる。また、第二胴体40と第一胴体30とを嵌合したときには、電線24を格納することができる。
【0033】
また、第二胴体40は、第一胴体30と連結される側と反対側の端部に傾斜面45を備えることが好ましい。傾斜面45は、第二胴体40の上面に設けられ、上面の一部を面取りするように設けられる。このように構成することにより、天井Cに形成された、例えば、丸型の埋込孔Hに挿通する際に、第二胴体40の上面と埋込孔Hの内周面とが接触するのを抑止して、照明器具100の施工性を高めることができる。
【0034】
また、図4図6図7に示すように、電源回路基板21と接続する電線23は、第二胴体40の上面に設けられた電線挿通孔46及び端子台取付板71に設けられた切欠き73を介し、端子台取付板71の上面側に引き出される。電線23は、端子台取付板71の上面から貫通孔75を介して端子台取付板の下面側に引き出され、端子台70に接続される。端子台70及び端子台取付板71の下面側に引き出された電線23は、端子台カバー74によって覆われる。電線23は、端子台取付板71の下面側にて露出しない。そのため、天井Cの埋込孔Hに端子台70及び第二胴体40を挿通する際に、電線23を埋込孔Hの内周面や上端と接触することを抑止する。これにより、電線23に接触による負荷を与えにくくするとともに照明器具100の施工性を高める。
【0035】
一方、モジュール反射板14の下方に設けられたレンズ17は、下方に行くに従って拡径される笠状に形成された部材である。なお、本実施形態のレンズ17としては、斜面状に形成したものを説明したが、これに限定されない。例えば、レンズ17の形状として、例えばフレネルレンズなどの形状に形成されるものであっても良い。また、レンズ17の代わりに反射板などの光制御方法を採用しても良い。
【0036】
レンズ17の周縁部からは位置決め爪18が側面側に突出するように複数(本実施形態では3つ)形成されている。レンズ17の下面には、レンズパッキン82を介して拡散シート19が取り付けられる。拡散シート19、レンズ17、レンズパッキン82は、第一胴体30の下方に取り付けられる枠体50によって支持される。枠体50の上面には、位置決め溝51が設けられており、レンズ17に設けられた位置決め爪18を挿入することでレンズ17の枠体50内での位置決めを行うものである。光源部10の光は、枠体50を介して照明器具100の外部に照射される。
【0037】
枠体50は、照明器具100の最下部に配置される筒状体である。枠体50は、その下端から外側に延出するようにフランジ面52を有する。枠体50は、アルミニウム等の金属を用いてダイキャスト成型等で形成される。枠体50は、側面にレンズ17の位置決め爪18に対応する複数(本実施形態では3つ)の位置決め溝51を有する。枠体50は、側面に複数(本実施形態では3つ)の貫通孔53を有する。枠体50は、複数(本実施形態では3つ)の枠体固定ネジ54を用いて第一胴体30の下方に取り付けられる。具体的には、貫通孔53が第一胴体30の下方に設けられた溝部37と重なるように枠体50を第一胴体30の下端側に配置する。枠体固定ネジ54を、第一胴体30の溝部37内まで侵入するように枠体50の貫通孔53に螺合することで、枠体50を第一胴体30に取り付けることができる。
【0038】
なお、本実施形態の枠体固定ネジ54は、頭部とネジ部の径が同じに構成される止めねじ(イモネジ)を用いたが、これに限らず、頭部とネジ部の径が異なるネジ部材を用いても良い。また、上記に説明した枠体50と第一胴体30の連結方法に限らず、接着や、枠体50と第一胴体30にそれぞれ雄ネジ部と雌ネジ部を設ける等の手段により枠体50と第一胴体30を連結しても良い。
図6および図8に示すように、枠体50と天井Cとの間には枠パッキン83が配置される。枠パッキン83は枠体50のフランジ面52の上面に配置され、一部が枠体50の側面を被覆する。これにより、天井Cと枠体50のフランジ面52との間の気密性を確保することができる。
【0039】
以下に、照明器具100の組み立て工程の一例について、図6を参照して説明する。なお、以下に説明する組み立て工程の各工程の順序については、入れ替わってもよい。
まず、モジュール反射板14の基板ガイド部15内にCOB型LED11および絶縁シート81を配置する。
次に、枠体50に拡散シート19、レンズパッキン82、レンズ17を配置する。このとき、レンズ17の位置決め爪18を枠体50の位置決め溝51に挿入することで容易にレンズ17を枠体50内の適正な位置に配置することができる。
次に、枠体50を第一胴体30の下方に配置し、枠体固定ネジ54を用いて取り付ける。このとき、レンズ17は、モジュール反射板14の下方側から挿入され、第一胴体30内の適切な位置に位置決めされる。
【0040】
次に、第一胴体30の電源ガイド部31に電源ケース22の下部を収納する。このとき、図7及び図8に示すように、COB型LED11と電源回路基板21とを繋ぐ電線24は、第一胴体30のCOB型LED11が配置される側から電線挿通部33を通過して電源ガイド部31側に引き出される。第一胴体30の電線挿通部33は、凹部34と連通しているため、作業者は凹部から、COB型LED11、モジュール反射板14、電線24、及び、電源ケース22の位置を視認しながら組立作業をすることができる。これにより組立作業性が向上する。また、第一胴体30及び第二胴体40に電源部20を収容するため、特許文献1に開示されている照明器具のように電源部20を1つの有底筒状の筒部に収容する場合よりも、電線24の長さを短くすることができる。また、本実施形態のように電線24を挿通させる電線挿通部33を切欠き形状に形成することで、貫通孔形状に形成する場合よりも電線24の取り回しが容易になる。
【0041】
次に、第二胴体40を、電源ケース22の上部が電源ガイド部41に収納されるように第一胴体30の上面側に配置する。このとき、第二胴体40の凸部48は、第一胴体30の凹部34を覆うように配置される。これにより、容易に第二胴体40を適切な位置に配置するとともに、第一胴体30及び凸部48によって電線24を収納することができる。
次に、胴体取付用ビス85を用いて第一胴体30及び第二胴体40を連結固定する。胴体取付用ビス85は、第二胴体40の切欠き44及び第一胴体30の胴体取付用ビス挿入孔35を介して、第一胴体30と第二胴体40を固定する。
【0042】
第二胴体40の上面に、取り付けバネ60及び端子台取付板71がビス86を用いて固定する。第二胴体40の上面に、端子台取付板71及び2つの取り付けバネ60の取り付け部61を所定の位置に配置する。ビス86を取り付けバネ60の貫通孔62、端子台取付板71の貫通孔72、及び第二胴体40のビス取付用孔47に螺合することにより、第二胴体40の上面に取り付けバネ60及び端子台取付板71を取り付ける。
【0043】
このとき、電源回路基板21と端子台70とを接続する電線23を、第二胴体40の内部から端子台取付板71の上面側に引き出す。具体的には、電線23は、第二胴体40の上面に設けられた電線挿通孔46、端子台取付板71に設けられた切欠き73を介して引き出される。電線23は、端子台取付板71の上面から貫通孔75を介して端子台取付板71の下面側に引き出され、端子台70に接続する。端子台70及び端子台取付板71の下面側に引き出された電線23は、端子台カバー74によって覆われる。
【0044】
また、取り付けバネ60は、第二胴体40の平面部42と対向するように配置される。第二胴体40は、平面部42を有するように切り欠いた形状に形成されている。これにより、天井Cの埋込孔Hに対して第二胴体40の上部を挿入しやすくなる。また、取り付けバネ60の端部64を第二胴体40の中心軸に寄せて配置することができるため、端部64を埋込孔Hに挿入しやすくすることができる。これらにより、照明器具100の施工性が向上する。
【0045】
端子台取付板71は、第二胴体40の取り付けバネ60が取り付けられていない側に延びるように配置されている。本実施形態の場合では、端子台取付板71が延びる方向に対して、2つの取り付けバネ60は略90度傾いた方向に延びるように配置されている。これにより、照明器具100を取り付ける際に、端子台取付板71が取り付けバネ60に対して接触することを抑止し、施工性を高める。
【0046】
図10に示すように、第一胴体30と枠体50との境界部分に表示用シール84が設けられる。表示用シール84は、施工などの表示を行うシール部材であり、第一胴体30と枠体50との境界部分側面に貼りつけられる。表示用シール84は、枠体50の位置決め溝51やレンズ17の位置決め爪18等を被覆するように貼付けられる。このように境界部分に貼りつけられることにより、光の照射漏れや、虫などの異物の照明器具100内への浸入を抑止することができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、表示用シール84は、第一胴体30と枠体50との境界部分に設けられているが、例えば、第一胴体30と第二胴体40との境界部分にさらに設けてもよい。
【0048】
以上のように、本発明に係る照明器具100は、天井Cなどの被取付部に設けられる埋込孔Hに埋め込まれるように取り付けられる照明器具100であって、光源11と、光源11に電力を供給する電源部20と、光源11と電源部20とを接続する電線24と、光源11が内部に配置される筒状の第一胴体30と、電源部20が内部に配置される筒状の第二胴体40と、を備え、第二胴体40は第一胴体30における光源11の照射面側と反対側の端部に連結され、第一胴体30は電線挿通部33を有し、電線24は電源部20から電線挿通部33を介して光源11側に延出するものである。
このように第一胴体30及び第二胴体40に電源部20を収容する構成にすることにより、電源部20を1つの有底筒状の筒部に収容する場合よりも、電線24の長さを短くすることができる。また、電線24を挿通させる電線挿通部33を切欠き形状に形成することで、貫通孔形状に形成する場合よりも電線24の取り回しが容易になるため組立作業性が向上する。
【0049】
また、第一胴体30は第一胴体30の側面に凹部34を備え、第二胴体40は第二胴体40の側面に凸部48を備え、凸部48は、第一胴体30側に突出し、凹部34に篏合可能に構成されるものであってもよい。
このように構成することにより、第一胴体30に対して第二胴体40を適切な位置に容易に配置することができる。また、凹部34を通して第一胴体30の内部を視認しながら作業を行うことができるため、組立作業性が向上する。
【0050】
また、凹部34は電線挿通部33と連通し、凸部48は凹部34に篏合した状態で電線24の外側に配置されるものである。
このように構成することにより、第二胴体40と第一胴体30とを取り外した状態において、電線24の位置を外側から確認することが可能となる。また、第二胴体40と第一胴体30とを連結すると、電線24を第二胴体40および第一胴体30内に格納することができる。
【0051】
また、第二胴体40は、第一胴体30と連結される側と反対側の端部に傾斜面45を備えるものであってもよい。
このように構成することにより、天井Cに形成された、例えば、丸型の埋込孔Hに挿通する際に、第二胴体40の上面と埋込孔Hの内周面とが接触するのを抑止して、照明器具100の施工性を高めることができる。
【0052】
また、第一胴体30の第二胴体40と連結される側と反対側の端部に枠体50が設けられ、第一胴体30と枠体50との境界部分に表示用シール84が設けられるものであってもよい。
このように構成することにより、表示用シール84が境界部分に貼りつけられることにより、光の照射漏れや、虫などの異物の照明器具100内への浸入を防止することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 光源部
11 COB型LED(光源)
12 LED素子
13 基板
14 モジュール反射板
15 基板ガイド部
16 突起部
17 レンズ
18 位置決め爪
19 拡散シート
20 電源部
21 電源回路基板
22 電源ケース
23 電線
24 電線
30 第一胴体
31 電源ガイド部
32 取付板部
33 電線挿通部
34 凹部
35 胴体取付用ビス挿入孔
36 貫通孔
40 第二胴体
41 電源ガイド部
42 平面部
43 取付フランジ
44 切欠き
45 傾斜面
46 電線挿通孔
47 ビス取付用孔
48 凸部
50 枠体
51 位置決め溝
52 フランジ面
60 取り付けバネ
61 取り付け部
62 貫通孔
63 当接部
64 端部
70 端子台
71 端子台取付板
72 貫通孔
73 切欠き
74 端子台カバー
75 貫通孔
81 絶縁シート
82 レンズパッキン
83 枠体パッキン
84 表示用シール
85 胴体取付用ビス
86 ビス
100 照明器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10