(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023788
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】画像品質評価システム及び画像品質評価方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20250207BHJP
G06T 7/80 20170101ALI20250207BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250207BHJP
【FI】
H04N23/60 100
G06T7/80
G06T7/00 610C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206376
(22)【出願日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】112129227
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508024599
【氏名又は名称】▲啓▼碁科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張正園
(72)【発明者】
【氏名】羅少生
(72)【発明者】
【氏名】林冠▲ウェン▼
(72)【発明者】
【氏名】呉柏慶
【テーマコード(参考)】
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5C122FH09
5C122FH11
5C122FK08
5C122FK37
5C122FK41
5C122HB01
5C122HB05
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA03
5L096CA04
5L096EA14
5L096EA43
5L096FA32
5L096FA62
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA38
(57)【要約】
【課題】以前の画像の品質評価は、多くの場合、経験豊富な専門家に依存していた。
【解決手段】画像校正装置はシーン内に位置し、校正パターンを表示するために使用される。画像キャプチャー装置はシーン及び校正パターンを撮影して、第1のコントラスト画像をキャプチャーする。処理装置は第1のコントラスト画像及び校正パターンを含む参照画像を取得し、第1のコントラスト画像と参照画像内の校正パターンを比較して、校正情報を生成するように設定される。画像キャプチャー装置の位置決め校正操作は、校正情報に基づいて実行される。画像キャプチャー装置の位置決め校正操作を完了した後、画像キャプチャー装置はシーン及び校正パターンを撮影して、第2のコントラスト画像をキャプチャーする。また、処理装置は第2のコントラスト画像及び参照画像内の校正パターンを比較して、画像品質評価結果を生成するようにさらに設定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーン内に位置し、校正パターンを表示するために用いられる、画像校正装置と、
前記シーンおよび前記校正パターンを撮影して、第1のコントラスト画像を取得する、画像キャプチャー装置と、
前記第1のコントラスト画像と前記校正パターンが含まれた参照画像とを取得し、前記第1のコントラスト画像および前記参照画像中の前記校正パターンを比較して、比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて校正情報を生成するように配置される処理装置と、
を備える画像品質評価システムであって、
前記画像キャプチャー装置の位置決め校正操作は、前記校正情報に基づいて実行され、
前記画像キャプチャー装置は、前記画像キャプチャー装置の位置決め校正操作を完了した後、前記シーンおよび前記校正パターンを撮影して、第2のコントラスト画像を取得するように構成され、前記処理装置は、前記第2のコントラスト画像および前記参照画像中の前記校正パターンを比較して、画像品質評価結果を生成するように構成される、
ことを特徴とする、画像品質評価システム。
【請求項2】
前記校正パターンは位置決めブロックを含み、
前記処理装置は、
前記第1のコントラスト画像中の前記位置決めブロックを分析して、第1の位置情報を得ることと、
前記参照画像中の前記位置決めブロックを分析して、参照位置情報を得ると、
前記第1の位置情報および前記参照位置情報を比較して、前記位置決め校正操作を実行するための前記校正情報を得ることと、
を実行するように配置される、請求項1に記載の画像品質評価システム。
【請求項3】
前記位置決め校正操作は、前記画像キャプチャー装置の方向及び位置を調整するために、前記校正情報に基づいて前記画像キャプチャー装置に接続された移動機構を制御するように、前記処理装置を配置することが含まれ、
前記校正情報は、中心点移動量、回転角度、縮尺率、及びカメラ傾斜角を含む、請求項2に記載の画像品質評価システム。
【請求項4】
前記校正パターンは分析ブロックを含み、前記処理装置は、前記第2のコントラスト画像と前記参照画像中の前記分析ブロックとを比較して、前記画像品質評価結果を生成するように配置される、請求項1に記載の画像品質評価システム。
【請求項5】
前記画像品質評価結果は、鮮明性評価結果、ホワイトバランス評価結果、コントラスト評価結果、彩度評価結果、画像明度評価結果、及びノイズレベル評価結果を含む、請求項1に記載の画像品質評価システム。
【請求項6】
5つの画像校正装置をさらに含み、前記5つの画像校正装置は互いに同一であり、前記シーンの4つの角及び中央にそれぞれ位置している、請求項1に記載の画像品質評価システム。
【請求項7】
画像キャプチャー装置が、シーンと前記シーン内に位置する画像校正装置が表示する校正パターンとを撮影して、第1のコントラスト画像を取得し、
処理装置が、前記第1のコントラスト画像と前記校正パターンを含む参照画像とを取得し、前記第1のコントラスト画像と前記参照画像中の前記校正パターンとを比較して、比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、校正情報を生成し、
前記画像キャプチャー装置において実行される位置決め校正操作は、前記校正情報に基づいて行うものであり、
前記画像キャプチャー装置は、前記位置決め校正操作を完了した後、前記シーン及び前記校正パターンを撮影して、第2のコントラスト画像を取得し、
前記処理装置が、前記第二コントラスト画像と前記参照画像中の前記校正パターンとを比較して、画像品質評価結果を生成する、
ことを特徴とする画像品質評価方法。
【請求項8】
前記校正パターンは、分析ブロックを含み、前記処理装置は、前記第2のコントラスト画像および前記参照画像の前記分析ブロックを比較して、前記画像品質評価結果を生成するように設定されている、請求項7に記載の画像品質評価方法。
【請求項9】
前記校正パターンは、分析ブロックおよび背景ブロックを含み、
前記処理装置が、コントラスト変調伝達関数、コントラスト色空間値、コントラストグレースケール、コントラスト平均グレースケール、またはコントラストピーク信号ノイズ比を得るように、前記第2のコントラスト画像、前記第2のコントラスト画像の分析ブロックまたは前記第2のコントラスト画像の背景ブロックを分析し、
前記処理装置が、参照変調伝達関数、参照色空間値、参照グレースケール、参照平均グレースケール、または参照ピーク信号ノイズ比を得えるように、前記参照画像、前記参照画像の分析ブロックまたは前記参照画像の背景ブロックを分析し、
前記処理装置が、前記コントラスト変調伝達関数が前記参照変調伝達関数に対する偏差パーセンテージ、前記コントラスト色空間値が参照色空間値に対する偏差パーセンテージ、前記コントラストグレースケールが前記参照グレースケールに対する偏差パーセンテージ、前記コントラスト平均グレースケールが前記参照平均グレースケールに対する偏差パーセンテージ、または前記コントラストピーク信号ノイズ比が前記参照ピーク信号ノイズに対する偏差パーセンテージに基づいて、前記画像品質評価結果の鮮明性評価結果、ホワイトバランス評価結果、コントラスト評価結果、彩度評価結果、画像明度評価結果、またはノイズレベル評価結果を生成する、請求項7に記載の画像品質評価方法。
【請求項10】
背景ブロック、分析ブロックおよび位置決めブロックから構成される校正パターンと、
前記分析ブロックおよび前記背景ブロックが画質情報を提供し、
前記位置決めブロックは位置情報を提供し、前記位置決めブロックが前記分析ブロックとは異なる、
ことを特徴とする、画像校正装置。
【請求項11】
前記位置決めブロックは少なくとも一種の色を含み、前記背景ブロックの色は位置決めブロックの色と異なる、請求項10に記載の画像校正装置。
【請求項12】
前記分析ブロックは少なくとも3つのサブ分析ブロックを含み、前記3つのサブ分析ブロックは色または図形において互いに異なる、請求項10に記載の画像校正装置。
【請求項13】
前記位置決めブロックは複数のサブ位置決めブロックを含み、それらのサブ位置決めブロックは前記校正パターンの複数の角にそれぞれ位置する、請求項10に記載の画像校正装置。
【請求項14】
各サブ位置決めブロックは異なる色の複数のカラーブロックを含み、それらのサブ位置決めブロックの中のカラーブロックの配置は重複しない、請求項13に記載の画像校正装置。
【請求項15】
前記分析ブロックは第1のサブ分析ブロック、第2のサブ分析ブロックおよび第3のサブ分析ブロックを含み、第1のサブ分析ブロックは互いに補色である一対の第1カラーブロックおよび一対の第2カラーブロックを含み、第2のサブ分析ブロックは異なるグレースケールを持つ複数の第3のカラーブロックおよび互いに補色である第4のカラーブロックおよび第5のカラーブロックを含み、且つ、第3のサブ分析ブロックは少なくとも六種類の色を持つ複数の第6のカラーブロックを含む、請求項10に記載の画像校正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の処理システム、方法及び装置に関し、特に画像品質評価システム、画像品質評価方法及び画像校正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像キャプチャー装置が取得した画像の品質を正確に評価するために、通常は複雑な環境背景が設置される。例えば、環境背景には、様々な色彩豊かな人形、肖像、及び物体が配置される。環境背景の設置が完了した後、画像キャプチャー装置を設置し、その環境背景を撮影する。
【0003】
一般に、画像キャプチャー装置によってキャプチャーされた画像の品質評価項目は、通常、鮮明性、コントラスト、彩度、明度、ノイズレベル及びホワイトバランスを含む。以前の画像の品質評価は、多くの場合、経験豊富な専門家に依存していた。しかし、専門家の育成には時間がかかり、また個人の好みにより、画像の品質に対して主観的な評価をする可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的な課題は、既存の技術の不足に対処し、画像品質評価システム、画像品質評価方法及び画像校正装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明による一つの技術的解決策は、画像品質評価システムを提供することであり、画像品質評価システムは画像校正装置、画像キャプチャー装置及び処理装置を含む。画像校正装置はシーン内に位置し、校正パターンを表示するために使用される。画像キャプチャー装置はシーン及び校正パターンを撮影して、第1のコントラスト画像をキャプチャーする。処理装置は第1のコントラスト画像及び校正パターンを含む参照画像を取得し、第1のコントラスト画像と参照画像内の校正パターンを比較して、比較結果を生成し、この比較結果に基づいて校正情報を生成する。画像キャプチャー装置の位置決め校正操作は、校正情報に基づいて実行される。画像キャプチャー装置の位置決め校正操作を完了した後、画像キャプチャー装置はシーン及び校正パターンを撮影して、第2のコントラスト画像をキャプチャーする。また、処理装置は第2のコントラスト画像及び参照画像内の校正パターンを比較して、画像品質評価結果を生成するようにさらに設定される。
【0006】
上記の技術的課題を解決するため、本発明による別の技術的解決策は、画像品質評価方法を提供することであり、画像品質評価方法は、画像キャプチャー装置により、シーン及び該シーン内に位置する画像校正装置が表示する校正パターンを撮影して、第1のコントラスト画像をキャプチャーすることと、処理装置により、第1のコントラスト画像及び校正パターンを含む参照画像を取得し、第1のコントラスト画像と該参照画像内の校正パターンを比較して、比較結果を生成し、この比較結果に基づいて校正情報を生成し、校正情報に基づいて画像キャプチャー装置の位置決め校正操作を実行することと、画像キャプチャー装置の位置決め校正操作を完了した後、画像キャプチャー装置により、シーン及び校正パターンを撮影して、第2のコントラスト画像をキャプチャーすることと、処理装置により、第2のコントラスト画像及び参照画像内の校正パターンを比較して、画像品質評価結果を生成することと、を含む。
【0007】
上記の技術的課題を解決するため、本発明による更に別の技術的解決策は、画像校正装置を提供することであり、画像校正装置は校正パターンを含む。校正パターンは、背景ブロック、分析ブロック及び位置決めブロックから構成される。分析ブロック及び背景ブロックは画質情報を提供し、位置決めブロックは位置情報を提供し、分析ブロックとは異なる。
【0008】
本発明の一つの有益な効果は、本発明によって提供される画像品質評価システム、画像品質評価方法及び画像校正装置が、複雑なシーンにおいて、画像キャプチャー装置によって取得された画像に対して、精密な位置決め校正操作及び画像品質に対する量的な評価スコアを生成できることにある。これにより、画像品質の評価がより客観的になり、カメラの開発サイクルが長すぎる問題を解決する。
【0009】
本発明の特徴及び技術内容をさらに理解するため、以下の本発明に関する詳細な説明と図示を参照してください。しかしながら、提供される図示は参考及び説明のためだけに用いられ、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明によって提供される画像品質評価システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図2】
図1の画像校正装置、参照画像キャプチャー装置、及び処理装置の位置配置を示す模式図である。
【
図3】
図1の画像校正装置、評価対象画像キャプチャー装置、及び処理装置の位置配置を示す模式図である。
【
図4】本発明の画像校正装置の一実施形態の模式図である。
【
図5】
図4に適用される画像校正装置の画像品質評価方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図6】処理装置が生成する中心点変位量に関する校正情報の模式図である。
【
図7】処理装置が生成する回転角度に関する校正情報の模式図である。
【
図8】処理装置が生成する縮尺率に関する校正情報の模式図である。
【
図9】処理装置が生成するカメラ傾斜角に関する校正情報の模式図である。
【
図10】処理装置が実行する鮮明性の量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図11】処理装置が実行するホワイトバランスの量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図12】処理装置が実行するコントラストの量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図13】処理装置が実行する彩度の量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図14】処理装置が実行する画像の明度の量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図15】処理装置が実行するノイズレベルの量的評価の一実施形態の方法フローチャートである。
【
図16】異なる2台のカメラの画質の量的評価を示すレーダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「画像品質評価システム及び画像品質評価方法」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0012】
なお、本明細書において「第1」、「第2」、「第3」等の用語で各種の部品又は信号を説明する場合があるが、これらの部品又は信号はこれらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は、主として一つの部品と別の部品、又は一つの信号と別の信号を区分するためのものであることが理解されたい。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0013】
図1は、本発明によって提供される画像品質評価システムの実施形態の機能ブロック図である。
図1を参照すると、画像品質評価システムは、画像校正装置1、参照画像キャプチャー装置2、評価対象画像キャプチャー装置3及び処理装置4を含む。参照画像キャプチャー装置2及び評価対象画像キャプチャー装置3は、画像校正装置1を撮影するように設定され、処理装置4は異なる時間点で参照画像キャプチャー装置2及び評価対象画像キャプチャー装置3と電気的に接続される。
【0014】
画像校正装置1は、例えば多角形の板体であり、画像キャプチャー装置2、3は、例えば単眼カメラ、双眼カメラ、または深度カメラであり、処理装置4は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバー、またはモバイル端末であるが、本発明はこれに限らない。
【0015】
図2は、
図1の画像校正装置、参照画像キャプチャー装置、及び処理装置の位置配置を示す模式図である。
図2を参照すると、画像校正装置1はおおよそシーンAの中央位置に配置され、画像校正装置1は四角形の板体であり、その表面には校正パターンBが表示されている。校正パターンBは、背景ブロック11、分析ブロック12及び位置決めブロック13から構成される。背景ブロック11及び分析ブロック12は画質情報を提供し、この画質情報には例えば、鮮明性(clarity)、ホワイトバランス(white balance)、コントラスト(contrast)、彩度(saturation)、明度(bright)、ノイズレベル(noise level)が含まれる。位置決めブロック13の色、形状、及びパターンの少なくとも1つは分析ブロック12と異なり、位置決めブロック13は位置情報を提供する。位置情報には例えば、中心点の座標及び面積が含まれる。
【0016】
参照画像キャプチャー装置2はシーンA及び画像校正装置1と一定の距離を保ち、そのレンズはシーンAに向けられている。参照画像キャプチャー装置2はシーンA及び校正パターンBを撮影して、参照画像をキャプチャーするように設定されており、参照画像にはシーンA、画像校正装置1及び画像校正装置1に表示される校正パターンBが含まれる。処理装置4は参照画像を取得するように設定されている。なお、参照画像キャプチャー装置2は校正されており、取得された参照画像の画質は特定の画質評価項目(例えば鮮明性、コントラスト、彩度、明度、ノイズレベル、ホワイトバランス)に適合し、画質評価の基準として使用可能であることを説明しておく。
【0017】
図3は、
図1の画像校正装置、評価対象画像キャプチャー装置、及び処理装置の位置配置を示す模式図である。
図3を参照すると、画像校正装置1は四角形の板体で、おおよそシーンAの中間位置に配置されている。評価対象画像キャプチャー装置3の位置、絞り設定、及びシャッター設定は、参照画像キャプチャー装置2と同じであるが、評価対象画像キャプチャー装置3によって撮影された画像の画質が、参照画像キャプチャー装置2によって撮影された画像の画質と異なる可能性があるため、画質評価を行い、必要に応じて評価対象画像キャプチャー装置3を校正する必要がある。
【0018】
評価対象画像キャプチャー装置3のレンズはシーンAに向けられており、評価対象画像キャプチャー装置3はシーンA及び校正パターンBを撮影して、第1のコントラスト画像をキャプチャーするように設定されている。第1のコントラスト画像にはシーンA、画像校正装置1、及び画像校正装置1に表示される校正パターンBが含まれる。処理装置4は第1のコントラスト画像を取得するように設定されている。
【0019】
校正パターンBは、背景ブロック11、分析ブロック12、及び位置決めブロック13から構成され、分析ブロック12の位置は校正パターンBの略中央であり、少なくとも3種類の異なるパターンが含まれる。位置決めブロック13の位置は校正パターンBの周囲にあり、位置決めブロック13に表示されるいずれの色も背景ブロック11に表示される色とは異なる。このような校正パターンBの設計により、処理装置4が参照画像及び第1のコントラスト画像を取得した後、処理装置4は第1のコントラスト画像内の校正パターンBの位置決めブロック13と参照画像内の校正パターンBの位置決めブロック13を比較して、比較結果を生成し、この比較結果に基づいて校正情報を生成する。校正情報には、中心点変位量(center translation)、回転角度(rotation)、縮尺率(scaling)、カメラ傾斜角(camera tilt)が含まれることがある。次に、処理装置4が提供する校正情報に基づいて、ユーザーは評価対象画像キャプチャー装置3の位置決め校正操作を手動で実行する。
【0020】
評価対象画像キャプチャー装置3の位置決め校正操作を実行した後、評価対象画像キャプチャー装置3は再びシーンA及び校正パターンBを撮影して、第2のコントラスト画像をキャプチャーする。処理装置4は第2のコントラスト画像を取得する。
【0021】
処理装置4が第2のコントラスト画像を取得した後、処理装置4は第2のコントラスト画像内の校正パターンBと参照画像内の校正パターンBを比較して、第2のコントラスト画像の画像品質評価結果を生成する。
【0022】
必要に応じて、画像品質評価システムには移動機構5も含まれることがある。移動機構5には、移動部品、回転部品、あるいはそれらの任意の組み合わせが含まれることがある。そして、移動機構5は評価対象画像キャプチャー装置3に接続される。処理装置4が生成した校正情報に基づいて、処理装置4は移動機構5を制御して評価対象画像キャプチャー装置3の方向と位置を変更し、移動機構5によって評価対象画像キャプチャー装置3の位置決め校正操作を実行する。これにより、位置決め校正操作を自動化し、人間の操作よりも高い精度を実現する。
【0023】
必要に応じて、画像校正装置1の数は複数であることがある。例えば、画像校正装置1の数が5つであり、シーンAの四隅と中央位置にそれぞれ配置される。このようにすることで、位置決め校正操作と画像品質評価の精度を向上させることができる。
【0024】
図4は、本発明の画像校正装置の一実施形態の模式図である。
図4を参照すると、分析ブロック12の位置は校正パターンBの中央近くにあり、分析ブロック12に表示されるいずれの色も背景ブロック11に表示される色とは異なる。分析ブロック12には少なくとも3種類の異なるパターンが含まれ、異なるパターンとは、色と形状の少なくとも一方が異なることを意味する。
【0025】
分析ブロック12には、第1のサブ分析ブロック121、第2のサブ分析ブロック122、及び第3のサブ分析ブロック123が含まれており、第1のサブ分析ブロック121、第2のサブ分析ブロック122、及び第3のサブ分析ブロック123は、色と形状の少なくとも一方で異なる。
【0026】
第1のサブ分析ブロック121には斜角があり、相補色の第1のカラーブロック1211及び第2のカラーブロック1212のペアが含まれている。第1のカラーブロック1211及び第2のカラーブロック1212は四辺形である。第1のサブ分析ブロック121の斜辺には、異なる程度の鮮明性が生じされる。第1のカラーブロック1211及び第2のカラーブロック1212の交互の部分はジャギーの頻度を生み出し、これにより第1のサブ分析ブロック121の鮮明性を計算することができる。第2のサブ分析ブロック122には異なるグレースケール値の第3のカラーブロック1221A、1221B、1221C、1221D及び相補色の第4のカラーブロック1222及び第5のカラーブロック1223が含まれている。第3のサブ分析ブロック123には少なくとも6色の第6のカラーブロック1231A、1231B、1231C、1231D、1231E、1231Fが含まれている。
【0027】
第1のサブ分析ブロック121にある第1のカラーブロックと第2のカラーブロックは四角形で、それぞれの色は黒色と白色である。第2のサブ分析ブロック122にある第3のカラーブロック、第4のカラーブロック、及び第5のカラーブロックも四角形で、複数の第3のカラーブロックは異なる濃淡のグレーで、第4のカラーブロック及び第5のカラーブロックはそれぞれ黒色と白色である。第3のサブ分析ブロック123にある第6のカラーブロックも四角形で、複数の第6のカラーブロックの色はそれぞれピンク、青、紫、緑、黄色、オレンジである。
【0028】
オプションとして、第1のカラーブロックと第2のカラーブロックは円形、三角形、または他の多角形であり、第1のカラーブロックと第2のカラーブロックはそれぞれの色は赤色と緑色、または黄色と紫色であることができる。第4のカラーブロックと第5のカラーブロックも円形、三角形、または他の多角形で、第4のカラーブロックと第5のカラーブロックそれぞれの色は赤色と緑色、または黄色と紫色であることができる。第6のカラーブロックの数は6個以上であり、色は6色以上であることができる。
【0029】
図4の分析ブロック12の設計を通じて、複雑なシーンの画像比較を実現することができる。
【0030】
位置決めブロック13の位置は校正パターンBの周囲にあり、位置決めブロック13に表示されるいずれの色も背景ブロック11に表示される色とは異なる。位置決めブロック13には第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134が含まれており、第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134はそれぞれ校正パターンBの左上角、右上角、右下角、及び左下角に位置し、分析ブロック12を取り囲んでいる。本実施例では、校正パターンB、第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134は矩形領域であるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134のそれぞれには、異なる色の複数のカラーブロックが含まれており、第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134のいずれかのカラーブロックの色は背景ブロック11の色と異なり、第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134のいずれかのカラーブロックそれぞれのカラーブロックの配置パターンは重複しない。
【0032】
具体的に、第1のサブ位置決めブロック131は校正パターンBの左上角に位置し、第1のサブ位置決めブロック131の上半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第1の色と第2の色を持っている。また、第1のサブ位置決めブロック131の下半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第3の色と第4の色を持っている。
【0033】
第2のサブ位置決めブロック132は校正パターンBの右上角に位置し、第2のサブ位置決めブロック132の上半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第2の色と第1の色を持っている。また、第2のサブ位置決めブロック132の下半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第4の色と第3の色を持っている。
【0034】
第3のサブ位置決めブロック133は校正パターンBの右下角に位置し、第3のサブ位置決めブロック133の上半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第4の色と第3の色を持っている。また、第3のサブ位置決めブロック133の下半分は左から右にかけて2つのカラーブロックがあり、それぞれ第1の色と第2の色を持っている。
【0035】
第4のサブ位置決めブロック134は校正パターンBの左下角に位置し、第4のサブ位置決めブロック134の上半部の左から右にかけての2つのカラーブロックはそれぞれ第3の色と第4の色を持ち、第4のサブ位置決めブロック134の下半部の左から右にかけての2つのカラーブロックはそれぞれ第2の色と第1の色を持つ。
【0036】
第1の色、第2の色、第3の色、及び第4の色は例えば赤色、緑色、青色、及び黒色であるが、本発明はこれに限定されず、背景ブロック11の色とは異なる色であれば何でも良い。
【0037】
図4の位置決めブロック13の設計を通じて、複雑なシーンの画像位置決めを実現することができる。
【0038】
図5は、
図4に適用される画像校正装置1の画像品質評価方法の一実施形態のフローチャートである。
図5を参照すると、ステップS501では、処理装置4が参照画像を取得するために、参照画像キャプチャー装置2を、シーンA及び校正パターンBを撮影して参照画像をキャプチャーするように配置する。ステップ502では、処理装置4が第1のコントラスト画像を取得するために、評価対象画像キャプチャー装置3を、シーンA及び校正パターンBを撮影して第1のコントラスト画像をキャプチャーするように配置する。
【0039】
ステップS503では、処理装置4を、参照画像及び第1のコントラスト画像内の位置決めブロック13を分析し、参照位置情報と第1の位置情報をそれぞれ得るように配置する。具体的には、処理装置4は参照画像及び第1のコントラスト画像に対して二値化処理を行い、参照画像及び第1のコントラスト画像内の位置決めブロック13の輪郭を得る。
【0040】
ステップS504では、処理装置4を、第1の位置情報と参照位置情報を比較して比較結果を生成し、この比較結果に基づいて評価対象画像キャプチャー装置3の校正情報を生成するように配置する。
【0041】
ステップS505では、処理装置4を、校正情報に基づいて評価対象画像キャプチャー装置3の位置決め校正操作を実行するように配置する。具体的には、評価対象画像キャプチャー装置3の位置決め校正操作は移動機構5によって実行される。
【0042】
ステップS506では、処理装置4を、位置決め校正操作の実施が成功したかどうかを判定するように配置する。成功した場合は、ステップS507に進む。そうでない場合は、ステップS503に戻る。具体的には、位置決め校正操作の成功か失敗かは、ユーザーが定義した許容誤差範囲に基づいて判定される。校正後の第1のコントラスト画像の校正パターンの中心位置と参照画像の校正パターンの中心位置との距離差が許容誤差範囲内であれば、位置決め校正操作は成功と見なされ、そうでなければ失敗と見なされる。
【0043】
ステップS507では、処理装置4が第2のコントラスト画像を取得するために、評価対象画像キャプチャー装置3を、シーンA及び校正パターンBを撮影して第2のコントラスト画像をキャプチャーするように配置する。ステップS508では、処理装置4を、第2のコントラスト画像内の分析ブロック12と参照画像内の分析ブロック12を比較し、比較結果を得るように配置する。
【0044】
ステップS509では、処理装置4を、第2のコントラスト画像と参照画像の比較結果に基づき、第2のコントラスト画像の画像品質の量的分析を実行するように配置する。
【0045】
ステップS510では、処理装置4を、画像品質の量的分析の実施が成功したかどうかを判定するように配置する。成功した場合は、ステップS511に進む。そうでない場合は、ステップS503に戻る。具体的には、画像品質の量的分析の成功か失敗かは、ユーザーが定義した評価スコアの下限に基づいて判定される。評価スコアが評価スコアの下限以上の場合、画像品質の量的分析は成功と見なされ、そうでなければ失敗と見なされる。
【0046】
ステップS511では、処理装置4を、第2のコントラスト画像の画像品質評価結果を生成するように配置する。
【0047】
図5の画像品質評価方法を通じて、複雑なシーンであっても、評価対象の画像キャプチャー装置3に対して正確な位置決め校正操作を行い、評価対象の画像キャプチャー装置3がキャプチャーした画像の画質に対して正確な量的評価を行うことができる。
【0048】
図6は、処理装置4が中心点移動量の校正情報を生成する様子の模式図である。
図6に示されるように、第1の直線L1と第2の直線L2の交点は参照画像Kの校正パターンBの第1の中心点P1であり、第3の直線L3と第4の直線L4の交点は第1のコントラスト画像Mの校正パターンBの第2の中心点P2である。処理装置4は、第1の中心点P1及び第2の中心点P2の座標を取得し、第1の中心点P1と第2の中心点P2の間の中心点移動量を計算し、中心点移動量の校正情報を提供する。この中心点移動量の校正情報には、評価対象の画像キャプチャー装置3の移動距離提示及び移動方向提示D1が含まれる。
【0049】
具体的には、処理装置4は参照画像K及び第1のコントラスト画像Mに対して二値化処理を行い、参照画像Kと第1のコントラスト画像M内の矩形物体の輪郭を見つける。次に、処理装置4は各矩形物体が定義された4種類の色のカラーブロックを含むかどうかを判定する。含む場合、矩形物体はサブ位置決めブロックとしてマークされる。これにより、処理装置4は参照画像K及び第1のコントラスト画像M内の第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134をマークし、第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133、及び第4のサブ位置決めブロック134の各位置決め中心点を見つける。次に、第1の直線L1及び第2の直線L2は参照画像K内の4つの位置決め中心点に基づいて定義され、第3の直線L3及び第4の直線L4は第1のコントラスト画像M内の4つの位置決め中心点に基づいて定義される。
【0050】
図7は、処理装置4が回転角度の校正情報を生成する様子の模式図である。
図7に示されるように、参照画像Kの第5の直線L5と第6の直線L6は互いに平行であり、第1のコントラスト画像Mの第7の直線L7と第8の直線L8も互いに平行である。第5の直線L5と第7の直線L7が交差して第1の角度G1を生じ、第6の直線L6と第8の直線L8が交差して第2の角度G2を生じる。処理装置4は、第1の角度G1と第2の角度G2の平均値を計算し、第1のコントラスト画像Mの校正パターンBが参照画像Kの校正パターンBに対してどの程度回転しているかを定義する。理想的には、第1の角度G1は第2の角度G2に等しいが、実際には第1の角度G1と第2の角度G2の間には若干の差異が存在するため、第1の角度G1と第2の角度G2の平均値を回転角度として定義する。最後に、処理装置4は回転角度の校正情報を提供し、この回転角度の校正情報には、評価対象の画像キャプチャー装置3の回転角度提示及び回転方向提示D2が含まれる。
【0051】
具体的には、第5の直線L5と第6の直線L6は参照画像K内の4つの位置決め中心点に基づいて定義され、第7の直線L7及び第8の直線L8は第1のコントラスト画像M内の4つの位置決め中心点に基づいて定義される。
【0052】
図8は、処理装置4が縮尺率の校正情報を生成する様子の模式図である。
図8に示されるように、処理装置4は参照画像Kおよび第1のコントラスト画像Mにおける第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133および第4のサブ位置決めブロック134の各面積を取得し、参照画像K内の第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133および第4のサブ位置決めブロック134の面積を合計して平均値を算出し、第1の面積平均値を生成する。処理装置4は、第1のコントラスト画像M内の第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133および第4のサブ位置決めブロック134の面積を合計して平均値を算出し、第2の面積平均値を生成する。処理装置4は、第2の面積平均値と第1の面積平均値の比率を計算して縮尺率を算出し、縮尺率の校正情報を提供する。この縮尺率の校正情報には、評価対象の画像キャプチャー装置3の移動方向提示D3が含まれる。
【0053】
図9は、処理装置4がカメラ傾斜角の校正情報を生成する様子の模式図である。
図9に示されるように、処理装置4は参照画像Kおよび第1のコントラスト画像Mにおける第1のサブ位置決めブロック131、第2のサブ位置決めブロック132、第3のサブ位置決めブロック133および第4のサブ位置決めブロック134の面積比率を計算してカメラ傾斜角を算出し、カメラ傾斜角の校正情報を提供する。このカメラ傾斜角の校正情報には、評価対象の画像キャプチャー装置3の移動方向提示D4が含まれる。
【0054】
図10は、処理装置4が鮮明性の定量的評価を実施する一例の方法のフローチャートである。
図4および
図10を参照し、ステップS1001では、処理装置4が参照画像および第2のコントラスト画像における第1のサブ分析ブロックの変調伝達関数(Modulation Transfer Function、MTF)を分析し、それぞれ参照変調伝達関数およびコントラスト変調伝達関数を得る。ステップS1002では、処理装置4が、コントラスト変調伝達関数が参照変調伝達関数に対する偏差パーセンテージを計算する。ステップS1003では、処理装置4が、偏差パーセンテージに基づいて第2のコントラスト画像の鮮明性の定量的評価結果を生成する。
【0055】
例えば、コントラスト画像の伝達関数が参照変調伝達関数との偏差パーセンテージが5%未満の場合、第2のコントラスト画像の鮮明性の定量的評価スコアは7~10点となる。コントラスト変調伝達関数が参照変調伝達関数との偏差パーセンテージが5%~10%の範囲内であれば、第2のコントラスト画像の鮮明性の定量的評価スコアは4~6点となる。コントラスト変調伝達関数が参照変調伝達関数との偏差パーセンテージが10%~15%の範囲内であれば、第2のコントラスト画像の鮮明性の定量的評価スコアは1~3点となる。コントラスト変調伝達関数が参照変調伝達関数との偏差パーセンテージが15%を超える場合、第2のコントラスト画像の鮮明性の定量的評価スコアは0点となる。
【0056】
図11は、処理装置4がホワイトバランスの定量的評価の特定の実施形態の方法のフローチャートです。
図4および
図11を参照し、ステップS1101では、処理装置4が参照画像と第2のコントラスト画像の背景ブロックにおける色空間値を分析し、それぞれコントラスト色空間値と参照色空間値を得る。具体的には、色空間値はCIELAB色空間値またはCIELCH色空間値である。ステップS1102では、処理装置4が、コントラスト色空間値が参照色空間値に対する偏差パーセンテージを計算する。ステップS1103では、処理装置4が、偏差パーセンテージに基づいて第2のコントラスト画像のホワイトバランスの定量的評価結果を生成する。
【0057】
図12は、処理装置4がコントラストの定量的評価を実施する一例の方法のフローチャートです。
図4および
図12を参照し、ステップS1201では、処理装置4が参照画像と第2のコントラスト画像の第2のサブ分析ブロックの各カラーブロックのグレースケールを分析し、それぞれ複数のコントラストグレースケールと複数の参照グレースケールを得る。ステップS1202では、処理装置4が、複数のコントラストグレースケールと複数の参照グレースケール間の複数の偏差パーセンテージを計算する。ステップS1203では、処理装置4が複数の偏差パーセンテージの平均値を計算する。ステップS1204では、処理装置4が、複数の偏差パーセンテージの平均値に基づいて第2のコントラスト画像のコントラストの定量的評価結果を生成する。
【0058】
図13は、処理装置4が彩度の定量的評価を実施する一例の方法のフローチャートです。
図4および
図13を参照し、ステップS1301では、処理装置4が参照画像と第2のコントラスト画像の第3のサブ分析ブロックの変調伝達関数を分析し、それぞれ参照変調伝達関数とコントラスト変調伝達関数を得る。ステップS1302では、処理装置4がコントラスト画像変調伝達関数が参照画像変調伝達関数に対する偏差パーセンテージを計算する。ステップS1303では、処理装置4が、偏差パーセンテージに基づいて第2のコントラスト画像の彩度の定量的評価結果を生成する。
【0059】
図14は、処理装置4が画像明度の定量的評価を実施する一例の方法のフローチャートです。
図4および
図14を参照し、ステップS1401では、処理装置4が参照画像と第2のコントラスト画像の全てのカラーブロックの平均グレースケールを分析する。ステップS1402では、処理装置4が第2のコントラスト画像の平均グレースケールが参照画像の平均グレースケールに対する偏差パーセンテージを計算する。ステップS1403では、処理装置4が偏差パーセンテージに基づいて第2のコントラスト画像の画像明度の定量的評価結果を生成する。
【0060】
図15は、処理装置4がノイズレベルの定量的評価の実施形態の方法のフローチャートである。
図4および
図15を参照し、ステップS1501において、処理装置4が参照画像と第2のコントラスト画像の第2のサブ分析ブロックのピーク信号ノイズ比を分析し、それぞれのコントラストのピーク信号ノイズ比と参照のピークノイズ比を得る。ステップS1502において、処理装置4が、第2のコントラスト画像のコントラストのピーク信号ノイズ比が参照のピークノイズ比に対する偏差パーセンテージを計算する。ステップS1503において、処理装置4が、偏差パーセンテージに基づき、第2のコントラスト画像のノイズレベルの定量的評価結果を生成する。
【0061】
図10から
図15までの6つの画像品質項目の定量的分析方法により、処理装置4は評価対象の画像キャプチャー装置3がキャプチャーした画像の6つの品質項目の定量的スコアを得ることができる。最終的に、処理装置4はこれらの定量的スコアに基づいてレーダーチャートを作成し、鮮明性、ホワイトバランス、コントラスト、彩度、画像明度、ノイズレベルの評価結果を表示する。画像の各品質項目が定量的に評価されるため、ユーザーは異なる仕様のカメラで撮影された画像の品質が近いかどうかを容易に判定でき、画像品質の評価をより客観的にし、カメラ開発サイクルが長い問題を解決する。
【0062】
図16は、2台の異なるカメラの画像品質の定量的評価のレーダーチャートを示している。
図16に示すように、画像品質の定量的評価の項目には、鮮明性、ホワイトバランス、コントラスト、彩度、明度、およびノイズレベルが含まれている。第1のカメラT1の鮮明性のスコアは、第2のカメラT2の鮮明性のスコアよりも高い。第1のカメラT1のホワイトバランスのスコアは、第2のカメラT2のホワイトバランスのスコアよりも高い。第1のカメラT1のコントラストのスコアは、第2のカメラT2のコントラストのスコアよりも低い。第1のカメラT1の彩度のスコアは、第2のカメラT2の彩度のスコアよりも高い。第1のカメラT1の明度のスコアは、第2のカメラT2の明度のスコアよりも低い。第1のカメラT1のノイズレベルのスコアは、第2のカメラT2のノイズレベルのスコアよりも低い。
【0063】
[発明の有益な効果]
本発明の一つの有益な効果は、本発明が提供する画像品質評価システム、画像品質評価方法および画像校正装置は、複雑なシーンにおいて、画像キャプチャー装置がキャプチャーした画像に対して、精密な位置決め校正操作および画像品質に定量的評価スコアを与えることができる点にある。これにより、画像品質の評価がより客観的になり、カメラ開発サイクルが長い問題が解決される。
【0064】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0065】
1 画像補正装置
2 参照画像キャプチャー装置
3 評価対象画像キャプチャー装置
4 処理装置
5 移動機構
A シーン
B 校正パターン
11 背景ブロック
12 分析ブロック
121 第1のサブ分析ブロック
1211 第1のカラーブロック
1212 第2のカラーブロック
122 第2のサブ分析ブロック
1221A、1221B、1221C、1221D 第3のカラーブロック
1222 第4のカラーブロック
1223 第5のカラーブロック
1231A、1231B、1231C、1231D、1231E、1231F 第6のカラーブロック
123 第3のサブ分析ブロック
13 位置決めブロック
131 第1のサブ位置決めブロック
132 第2のサブ位置決めブロック
133 第3のサブ位置決めブロック
134 第4のサブ位置決めブロック
K 参照画像
M 第1のコントラスト画像
L1~L8 第1の直線~第8の直線
G1 第1の角度
G2 第2の角度
P1 第1の中心点
P2 第2の中心点
D1 移動方向の提示
D2 旋回方向の提示
D3 移動方向の提示
D4 移動方向の提示
T1 第1のカメラ
T2 第2のカメラ
S501~S511、S1001~S1003、S1101~S1103、S1201~S1204、S1301~S1303、S1401~S1403、S1501~S1503 ステップ