(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023889
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20250212BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H01L23/30 D
H01L23/12 501P
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108747
(22)【出願日】2024-07-05
(31)【優先権主張番号】18/363,149
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ベロッキ,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ラスクナ,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】トリッシ,ジャコモ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】材料構成100において、デバイスは、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板105-eを含む。第1の方向は、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向は、半導体基板の深さに平行である。デバイスはまた、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に形成された1つ以上の層を含む。1つ以上の層の少なくとも領域は、回路を含む。デバイスはさらに、第3の方向に関して1つ以上の層の上に形成されたパッシベーション層105-aを含む。パッシベーション層は、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の応力緩和空洞を含む。複数の応力緩和空洞及び回路は、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わなくてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板であって、前記第1の方向が、前記半導体基板の幅に平行であり、前記第2の方向が、前記半導体基板の深さに平行である、半導体基板と、
前記半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して前記半導体基板の上に形成された1つ以上の層であって、前記1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層と、
前記第3の方向に関して前記1つ以上の層の上に形成されたパッシベーション層であって、前記パッシベーション層が、前記パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を備え、前記複数の空洞及び前記回路が、前記第1の方向及び前記第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記1つ以上の層が、
前記回路と前記パッシベーション層との間に形成された絶縁層を備え、前記複数の空洞の各空洞が、前記絶縁層の表面を露出させている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の空洞の各空洞が、前記第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状に形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各楕円筒の長軸と短軸との比が、3対1である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の空洞が、前記複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記半導体基板が、炭化ケイ素材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の層が、
前記半導体基板と接触して形成された炭化ケイ素層と、
前記炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触して形成された金属層と、
前記金属層と少なくとも部分的に接触して形成された窒化ケイ素層と、を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記回路が、トランジスタ回路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、前記第1の方向が、前記半導体基板の幅に平行であり、前記第2の方向が、前記半導体基板の深さに平行である、半導体基板を形成することと、
前記半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して前記半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、前記1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層を形成することと、
前記第3の方向に関して前記1つ以上の層の上にパッシベーション層を形成することであって、前記パッシベーション層が、前記パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を備え、前記複数の空洞及び前記回路が、前記第1の方向及び前記第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層を形成することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記1つ以上の層を形成することが、
前記回路と前記パッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み、前記複数の空洞の各空洞が、前記絶縁層の表面を露出させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の空洞の各空洞を形成することが、
前記第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
各楕円筒の長軸と短軸との比が、3対1である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の空洞が、前記複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体基板を形成することが、
炭化ケイ素材料を使用して前記半導体基板を形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の層を形成することが、
炭化ケイ素層を前記半導体基板と接触させて形成することと、
金属層を前記炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、
窒化ケイ素層を前記金属層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
方法によって形成された製品であって、前記方法が、
第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、前記第1の方向が、前記半導体基板の幅に平行であり、前記第2の方向が、前記半導体基板の深さに平行である、半導体基板を形成することと、
前記半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して前記半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、前記1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層を形成することと、
前記第3の方向に関して前記1つ以上の層の上にパッシベーション層を形成することであって、前記パッシベーション層が、前記パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を備え、前記複数の空洞及び前記回路が、前記第1の方向及び前記第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層を形成することと、
を含む、製品。
【請求項17】
前記1つ以上の層を形成することが、
前記回路と前記パッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み、前記複数の空洞の各空洞が、前記絶縁層の表面を露出させる、請求項16に記載の方法によって形成された製品。
【請求項18】
前記複数の空洞の各空洞を形成することが、
前記第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含む、請求項16に記載の方法によって形成された製品。
【請求項19】
各楕円筒の長軸と短軸との比が、3対1である、請求項18に記載の方法によって形成された製品。
【請求項20】
前記複数の空洞が、前記複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている、請求項16に記載の方法によって形成された製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的な実施形態は、概して、半導体デバイス及び製作技法に関する。より具体的には、本開示は、パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの半導体デバイスは、半導体基板の上にスタック状に形成された様々な材料の層を含み得る。そのような半導体デバイスは、フォトリソグラフィ、エッチング、堆積、ドーピング、及び他の技法などの様々な技法を使用して形成され得る。そのような技法は、様々な材料を、半導体デバイスの動作を可能にするパターン及び構成に形成するために利用され得る。いくつかの場合では、半導体デバイスは、他の半導体デバイスなどの他のデバイスと結合するための様々な構造を含み得る。例えば、半導体デバイスは、半導体デバイスが別の半導体デバイスと(例えば、はんだ付けを介して、フリップチップボンディングを介して)結合され得るような方式で形成された1つ以上の層を含み得る。いくつかの場合では、半導体デバイスは、界面、角部、及び縁部を含む幾何学的不連続性を有する異種材料を含み得る。そのような半導体デバイスは、製造、試験、保管、及び稼働中に不均一な熱サイクルに曝される場合がある。各材料の熱化学特質の差及び幾何学的不連続性のために、材料間の界面は、層間剥離などの様々なタイプの破損を起こしやすい場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される様々な実施形態は、パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法、装置、及びシステムに関する。一態様では、装置は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板であって、第1の方向が、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向が、半導体基板の深さに平行である、半導体基板と、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に形成された1つ以上の層であって、1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層と、第3の方向に関して1つ以上の層の上に形成されたパッシベーション層であって、パッシベーション層が、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞(キャビティ)を含み、複数の空洞及び回路が、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層と、を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、回路とパッシベーション層との間に形成された絶縁層を含み得、複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させている。いくつかの実施形態では、複数の空洞の各空洞は、第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状に形成されている。いくつかの実施形態では、各楕円筒の長軸と短軸との比は、3対1である。いくつかの実施形態では、複数の空洞は、複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている。いくつかの場合では、矩形パターンの4辺全てが、等しい長さを有し得る(例えば、矩形パターンは、正方形であり得る)。いくつかの他の場合では、矩形パターンの辺は、異なる長さを有し得る(例えば、矩形パターンは、矩形であり得る)。
【0005】
いくつかの実施形態では、半導体基板は、炭化ケイ素材料を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、半導体基板と接触して形成された炭化ケイ素層と、炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触して形成された金属層と、金属層と少なくとも部分的に接触して形成された窒化ケイ素層と、を含む。いくつかの実施形態では、回路は、トランジスタ回路を含み得る。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。
【0006】
一態様では、方法は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、第1の方向が、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向が、半導体基板の深さに平行である、形成することと、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、形成することと、第3の方向に関して1つ以上の層の上にパッシベーション層を形成することであって、パッシベーション層が、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み、複数の空洞及び回路が、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わない、形成することと、を含み得る。
【0007】
本方法はまた、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を含む1つ以上の層を形成することを含み得、複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させる。いくつかの実施形態では、複数の空洞の各空洞を形成することは、第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、各楕円筒の長軸と短軸との比は、3対1である。いくつかの実施形態では、複数の空洞は、複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている。方法はまた、炭化ケイ素材料を使用して半導体基板を形成することを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層を形成することは、炭化ケイ素層を半導体基板と接触させて形成することと、金属層を炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、窒化ケイ素層を金属層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、を含み得る。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。
【0009】
一態様では、製品を形成するための方法は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、第1の方向が、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向が、半導体基板の深さに平行である、半導体基板を形成することと、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層を形成することと、第3の方向に関して1つ以上の層の上に形成されるパッシベーション層を形成することであって、パッシベーション層が、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み、複数の空洞及び回路が、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層を形成することと、を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層を形成することは、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み得、複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させる。いくつかの実施形態では、複数の空洞の各空洞を形成することは、第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、各楕円筒の長軸と短軸との比は、3対1である。いくつかの実施形態では、複数の空洞は、複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置されている。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、命令を含み得、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、第1の方向が、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向が、半導体基板の深さに平行である、半導体基板を形成することと、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層を形成することと、第3の方向に関して1つ以上の層の上に形成されるパッシベーション層を形成することであって、パッシベーション層が、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み、複数の空洞及び回路が、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層を形成することと、を行わせる。
【0012】
いくつかの場合では、1つ以上の層を形成することは、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み得、複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させる。いくつかの場合では、複数の空洞の各空洞を形成することは、第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含む。いくつかの場合では、複数の空洞は、複数の空洞の各空洞間に均一な空間を含む矩形パターンで配置されている。いくつかの場合では、半導体基板を形成することは、炭化ケイ素材料を使用して半導体基板を形成することを含む。
【0013】
いくつかの場合では、1つ以上の層を形成することは、炭化ケイ素層を半導体基板と接触させて形成することと、金属層を炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、窒化ケイ素層を金属層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、を含む。いくつかの場合では、各楕円筒の長軸と短軸との比は、3対1である。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、装置はプロセッサを含む。装置はまた、命令を記憶するメモリを含み、命令は、プロセッサによって実行されると、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することであって、第1の方向が、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向が、半導体基板の深さに平行である、半導体基板を形成することと、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することであって、1つ以上の層の少なくとも領域が、回路を含む、1つ以上の層を形成することと、第3の方向に関して1つ以上の層の上に形成されるパッシベーション層を形成することであって、パッシベーション層が、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み、複数の空洞及び回路が、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わない、パッシベーション層を形成することと、を行うように装置を構成する。
【0015】
装置はまた、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含む1つ以上の層を形成するように構成され得、複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させている。装置はまた、第3の方向に平行な高さ軸を含む楕円筒の形状の空洞を形成することを含む、複数の空洞の各空洞を形成するように構成され得る。装置はまた、複数の空洞を複数の空洞の各空洞間に均一な間隔を含む矩形パターンで配置するように構成され得る。いくつかの場合では、半導体基板を形成することは、炭化ケイ素材料を使用して半導体基板を形成することを含む。
【0016】
いくつかの場合では、1つ以上の層を形成することは、炭化ケイ素層を半導体基板と接触させて形成することと、金属層を炭化ケイ素層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、窒化ケイ素層を金属層と少なくとも部分的に接触させて形成することと、を含む。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。いくつかの場合では、各楕円筒の長軸と短軸との比は、3対1である。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになり得る。
【0017】
前述の例示的概要、並びに本開示の他の例示的目的及び/又は利点、並びにそれらが達成される様式は、以下の詳細な説明及びその添付の図面において更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
例示的な実施形態の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。例示を簡単かつ明確にするために、図面に例示される要素は、別段の記載がない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、別段の記載がない限り、他の要素に対して誇張されている場合がある。本開示の教示を組み込む実施形態が、本明細書に提示される図に関して示され、説明される。
【
図1】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成の例を例示する。
【
図2】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成の例を例示する。
【
図3】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成の例を例示する。
【
図4】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートするフロー図の例を例示する。
【
図5】パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートするフロー図の例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の全てではないがいくつかの実施形態が示されている添付の図面を参照して以下でより十分に説明される。しかしながら、これらの開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「前部」、「後部」、「上部」などの用語は、特定の構成要素又は構成要素の部分の相対的な位置を説明するために以下に提供される例において説明目的で使用される。更に、本開示に照らして当業者に明らかであるように、「実質的に」及び「およそ」という用語は、参照される要素又は関連する説明が、適用可能な工学公差内で正確であることを示す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「備える/含む(comprising)」という用語は、含む(including)が限定されないことを意味し、特許の文脈において典型的に使用される様式で解釈されるべきである。備える/含む(comprises)、含む(includes)、及び有するなどのより広い用語の使用は、からなる、から本質的になる、実質的に構成されるなどのより狭い用語に対するサポートを提供すると理解されるべきである。
【0022】
「一実施形態では」、「一実施形態によれば」などの語句は、一般に、その語句に続く特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ること、及び本開示の2つ以上の実施形態に含まれ得ることを意味する(重要なことに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない)。
【0023】
本明細書では、「例示」又は「例示的」という単語は、本明細書において、「例、実例、又は例示として機能すること」を意味するために使用される。本明細書において「例示的な」として説明される実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましいか、又は有利であると解釈されるべきではない。
【0024】
本明細書が、構成要素又は特徴を、「含んでもよい」、「含むことできる」、「含み得る」、「含むべきである」、「含むであろう」、「好ましくは含む」、「場合により含む」、「典型的には含む」、「任意選択的に含む」、「例えば含む」、「多くの場合含む」、若しくは「含むかもしれない」(又は他のそのような言語)、あるいはある特性を有すると述べる場合、その特定の構成要素又は特徴は、含まれることを必要としないか又はその特性を有することを必要としない。そのような構成要素又は特徴は、いくつかの実施形態において任意選択的に含まれ得るか、又は除外され得る。
【0025】
図1は、パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成100の例を例示する。いくつかの場合では、材料構成100は、半導体デバイス又は任意の他の電子デバイスの1つ以上の部分を例示し得る。例えば、材料構成100は、ダイオード又はトランジスタなどの炭化ケイ素パワーデバイスの複数の部分を例示し得る。材料構成100は、パワーエレクトロニクス用途などの様々な用途において用いられるデバイス又はデバイスの1つ以上の部分の例であり得る。材料構成100は、半導体デバイスの1つ以上のセクションを例示し得、半導体デバイスのいくつかの部分が切り取られている場合があるか、又は示されていない場合がある。例えば、材料構成100は、半導体デバイスの6つの部分を例示し得、これらの部分は、介在材料110又は層105が部分間に含まれ得ることを例示するために別々に示され得る。しかしながら、いくつかの場合では、6つの部分は、介在材料110又は層105を含まなくてもよく、代わりに互いと接触して形成され得る。本明細書に記載するように、材料構成100の各層105は、それぞれの材料110に対応し得る。追加的に、層105-dは、特定の注入方法又はドーピング方法に従って注入又はドーピングされた層105-dの部分であり得る注入領域115を含み得る。特定の材料110又は材料化合物のいくつかの例が本明細書に記載されているが、材料構成100は、材料110の任意の組み合わせを含み得る。
【0026】
材料構成100は、層105-aを含み得る。層105-aは、材料構成100の1つ以上の層105(例えば、y方向に関して層105-aの下に位置付けられた層105)を絶縁し得るか又は別様に保護し得るパッシベーション層の例であり得る。いくつかの場合では、層105-aは、材料構成100の1つ以上の層を電気的に絶縁し得るか、又は別様に、層105-aを通る電波(例えば、電磁場)又は電気信号の伝送を防止し得る。層105-aは、風化又は機械的応力に起因する損傷を被ることから材料構成100を保護する役割も果たし得る。層105-aは、材料110-a(例えば、パッシベーション材料、絶縁材料)を使用して形成され得る。いくつかの場合では、材料110-aは、ポリイミド、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又は任意の他の絶縁材料の例であり得る。層105-aは、層105-bと接触して形成され得る。
【0027】
材料構成100は、層105-bを含み得る。層105-bは、層105-aの接着性を向上させるために(例えば、層105-aに加えて)材料構成100に含まれ得る絶縁層(例えば、第2の絶縁層)の例であり得る。例えば、層105-aは、層105-cよりも層105-bに容易に接着し得る。層105-bは、材料構成100の1つ以上の層105(例えば、y方向に関して層105-bの下に位置付けられた1つ以上の層105)を絶縁するか又は別様に保護し得る。いくつかの場合では、層105-bは、材料構成100の1つ以上の層105を電気的に絶縁し得るか、又は別様に、層105-bを通る電波(例えば、電磁場)又は電気信号の伝送を防止し得る。層105-bは、ポリイミド、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又は任意の他の絶縁材料などの絶縁材料の例であり得る材料110-bを使用して形成され得る。例示的な一例では、材料110-aは、ポリイミドであり得、材料110-bは、窒化ケイ素であり得る。しかしながら、いくつかの他の例では、層105-a及び層105-bは、同じ材料(例えば、ポリイミド)を使用して形成され得る。本明細書に記載するように、層105-bは、層105-c、層105-a、層105-g、及び層105-dと接触して形成され得る。
【0028】
材料構成100は、層105-cを含み得る。層105-cは、電気信号をルーティングするために利用され得る金属層の例であり得る。層105-cは、再分配層又は任意の他のタイプの導電層若しくは導電トレースの例であり得る。層105-cは、材料110-cを使用して形成され得る。材料110-cは、銅、タングステン、アルミニウム、チタン、銀、又は任意の他の導電性材料の例であり得る。本明細書に記載するように、層105-cは、層105-b、層105-d、及び層105-gの任意の組み合わせと接触して形成され得る。
【0029】
材料構成100は、層105-dを含み得る。層105-dは、回路を形成するために利用され得る半導体層の例であり得る。層105-dは、注入領域115(例えば、注入領域115-a、注入領域115-b、注入領域115-c)を含み得る。注入領域115は、層105-dのドープ領域及び層105-dの空乏領域の例であり得る。例えば、注入領域115-aは、特定のプロセス(例えば、n型ドーピング)に従ってドープされる層105-dの領域であり得るリング注入領域の例であり得る。注入領域115-bは、注入領域115-aとは異なるドーピング(例えば、p型ドーピングを使用する)がなされ得るアノード注入領域の例であり得る。注入領域115-bは、材料構成100のための(例えば、ダイオードのための)アノード又は正端子の例であり得る。層105-dは、空乏ゾーンの例であり得る注入領域115-cを含み得る。層105-dは、材料110-e(例えば、半導体材料)を使用して形成され得る。材料110-eは、シリコン、炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、リン化インジウム、ゲルマニウム、又は任意の他の半導体材料の例であり得る。本明細書に記載するように、層105-dは、層105-e、層105-c、層105-g、及び層105-bと接触して形成され得る。
【0030】
材料構成100は、層105-gを含み得る。層105-gは、電気絶縁を提供し得る酸化物層の例であり得る。いくつかの場合では、層105-gは、層間誘電体(interlayer dielectric、ILD)又はゲート誘電体の例であり得る。層105-gは、材料110-dを使用して形成され得る。材料110-dは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又は任意の他の誘電体材料などの酸化物材料の例であり得る。本明細書に記載するように、層105-gは、層105-b、層105-c、及び層105-dと接触して形成され得る。
【0031】
材料構成100は、層105-eを含み得る。層105-eは、半導体基板の例であり得る。いくつかの場合では、層105-cは、材料110-fを使用して形成され得る。材料110-fは、シリコン、炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、リン化インジウム、ゲルマニウムなどの任意の半導体材料の例であり得る。いくつかの場合では、材料110-fと材料110-eとは、異なり得る。しかしながら、いくつかの他の場合では、材料110-f及び材料110-eは、炭化ケイ素などの同じ材料であり得る。本明細書に記載するように、層105-eは、層105-d、及び層105-fと接触して形成され得る。
【0032】
材料構成100は、層105-fを含み得る。層105-fは、はんだ合金層の例であり得る。層105-fは、単一の材料(例えば、材料110-g)として
図1に示されているが、層105-fは、材料110の組み合わせを使用して形成され得る。例えば、材料110-gは、チタン、ニッケル、バナジウム、及び銀を含む合金の例であり得る。層105-fは、材料構成100を半導体パッケージングと(例えば、はんだ付けを介して)相互接続又は結合するために使用され得る。本明細書に記載するように、層105-fは、層105-eと接触して形成され得る。
【0033】
いくつかの場合では、材料構成100は、リソグラフィ、エッチング、堆積、ドーピング、メタライゼーション、はんだ付け、又は任意の他のタイプの工程など、1つ以上の工程を使用して形成され得る。いくつかの場合では、層105-eは、層105-f上に堆積され得、層105-dは、層105-e上に堆積され得、層105-gは、層105-d上に堆積され得、以下同様である。いくつかの場合では、材料構成100は、層105-d、層105-dの領域、又は層105-e(例えば、再分配層)を、別の半導体デバイス(図示せず)などの1つ以上の他のデバイスの回路と結合するための1つ以上の層105を含み得る。
【0034】
本明細書に記載するように、材料構成100は、界面、角部、及び縁部を含む幾何学的不連続性を有する様々な異種材料を含み得る。材料構成100は、製造、試験、保管、及び稼働中に不均一な熱サイクルに曝される場合がある。各材料110の熱化学特質の違い及び幾何学的不連続性に起因して、材料110(例えば、層105)間の界面は破損をこうむりやすい場合がある。いくつかの場合では、材料のスタックを電気的に絶縁する層105-a(例えば、パッシベーション層)は、特に機械的破損(例えば、層間剥離)をこうむりやすい場合がある。層105-b(例えば、窒化ケイ素)などの追加の層105は、(例えば、層105-aと層105-bとの間の)接着性を向上させるために、層105-aと接触して形成され得る。しかしながら、層105-b内にクラックが形成され、層105-aの層間剥離が層105-c(例えば、金属層)まで延びている場合、以下に示すように、放電が発生する可能性がある。
【0035】
本開示は、層105-aを貫いて応力緩和空洞を形成することによって、層105-aの耐久性を向上させるための技法を提供する。空洞は、材料構成100の周囲に沿って配置され得る。例えば、空洞は、(例えば、x-z平面において)層105-c、注入領域115-a、注入領域115-b、又は注入領域115-cと重なり合わないように位置付けられ得る。例えば、空洞の位置は、x-z平面における空洞の位置が能動回路を含む材料構成100の領域と重なり合わないように選択され得る。本明細書に記載するように、材料構成100の能動回路と重なり合わない領域に空洞を位置付けることは、能動回路が層105-cによって効果的に絶縁される(例えば、電磁場が空洞を通って逃げないように)ことを確実にし得る。追加的に、各空洞は、楕円(例えば、楕円筒)の形状で形成され得、パッシベーション層を貫いて下方に(例えば、負のy方向に)延び得る。本明細書に記載される例は、概して、楕円の形状で形成された空洞を指すが、任意の空洞形状又は幾何学形状が使用され得る。同様に、空洞間の相対距離又は空洞の相対位置は、材料構成100の1つ以上の特性に基づいて修正され得る。
【0036】
図2は、パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成200の例を例示する。例えば、材料構成200-aは、空洞215を有しない層205-a(例えば、パッシベーション層)を例示し得、材料構成200-bは、層205-aの耐久性を向上させ得る。空洞215を有する層205-aを例示し得る。材料構成200-a及び材料構成200-bは、
図1を参照しながら説明した材料構成100の例、又は材料構成100の一部であり得る。材料構成200-bは、(例えば、空洞215を形成するために)1つ以上の工程が実行された後の材料構成100の一部分を例示し得る。
【0037】
材料構成200-aは、1つ以上の層205を含み得る。例えば、材料構成200-aは、層205-a(例えば、パッシベーション層)及び層205-bを含み得る。層205-bは、y方向に関して層205-aの下に位置付けられる層205の例であり得る。層205-bは、材料210-bを使用して形成され得る。材料210-bは、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又は任意の他の絶縁材料などの絶縁材料であり得る。いくつかの他の場合には、材料210-bは、アルミニウムなどの導電性材料であり得る。層205-aは、(例えば、材料210-bとは異なる)絶縁材料の例であり得る材料210-aを使用して形成され得る。例えば、材料210-aは、ポリイミドの例であり得る。
【0038】
層205-aは、半導体デバイスの周囲(例えば、材料構成200の周囲)の周りに形成され得る。いくつかの場合では、層205-aは、最初に材料210-aを層205-b上に(例えば、均一に)堆積させることによって形成され得る。次いで、層205-aの中心部分が除去されて、(
図2に示すように)層205-bの(例えば、y方向に関して)頂面を露出させる空隙を形成し得る。いくつかの場合には、層205-aを貫いて形成される空隙は、ボルトパッド開口部の例であり得る。ボルトパッド開口部は、材料構成200-aが、層205-bに接続する1つ以上のボルト又は締結具を介して別のデバイスに固定されることを可能にし得る。
【0039】
図示のように、材料構成200-aの層205-aは、空洞215(例えば、周囲空洞)を含まなくてもよい。したがって、製造、試験、保管、及び稼働中の不均一な熱サイクルは、層205-a内に、又は層205-aと層205-bとの間に機械的応力をもたらし得る。例えば、温度を上昇させることは、層205-a及び層205-bを膨張させ得る。しかしながら、材料210-aは、材料210-bとは異なる熱膨張係数を有する場合があり、これにより、層205-aと層205-bとの間に応力が生じ得る。そのような応力は、層205-aと層205-bとの間の層間剥離の可能性を増加させ得、これにより、材料構成200-aの破損につながり得る。
【0040】
本開示の1つ以上の態様によれば、材料構成200-bによって示されるように、1つ以上の空洞215が層205-a内に形成され得、これは、層205-a内の応力(例えば、機械的応力)又は層205-aと層205-bとの間の応力を緩和し得る。図示のように、材料構成200-bは、複数の空洞215(例えば、空洞215-a~空洞215-jj)を含み得る。各空洞215は、層205-bの表面を露出させ得る。追加的に又は代替的に、各空洞215は、回路(例えば、能動回路)との重なり合いを回避する位置に形成され得る。例えば、回路は、領域220内(例えば、層205-bの下)に位置付けられ得る。したがって、空洞215は、領域220の外側に(例えば、材料構成200-bの周囲に沿って)形成され得る。
【0041】
図3は、パッシベーション層の耐久性を向上させるための方法をサポートする材料構成300の例を例示する。材料構成300は、
図2を参照しながら説明したように、材料構成200-bの一部分を例示し得る。例えば、材料構成200の領域325は、材料構成300-bの一部分の拡大図の例であり得る。材料構成300は、層305-a(例えば、パッシベーション層)及び層305-bを含み得、これらは、
図2を参照しながら説明したように、それぞれ、層205-a及び層205-bの例であり得る。したがって、層305-aは、材料310-aを使用して形成され得、層305-bは、材料310-bを使用して形成され得る。材料310-a及び材料310-bは、
図2を参照しながら説明したように、それぞれ、材料210-a及び材料210-bの例であり得る。追加的に、材料構成300は、
図2を参照しながら説明したように、空洞215の例であり得る複数の空洞315を含み得る。
【0042】
本開示の1つ以上の態様によれば、各空洞315は、楕円筒の形状に形成され得る。例えば、各空洞315は、寸法320-b(例えば、内径、短軸)及び寸法320-c(例えば、外径、長軸)を有し得る。1つ以上の空洞315(例えば、空洞315-a、空洞315-b)について、寸法320-bは、z方向に平行であり得、寸法320-cは、x方向に平行であり得る。しかしながら、各空洞315の寸法320の配向は、各空洞315の向きに対応し得る。例えば、空洞315-eは、空洞315-aとは異なるように配向され得る。したがって、空洞315-eの寸法320-bは、x方向に平行であり得、空洞315-eの寸法320-cは、z方向に平行であり得る。
【0043】
追加的に、各空洞315は、高さ寸法(図示せず)を有し得る。各空洞315の高さ寸法は、y方向に平行であり得る。本明細書に記載するように、各空洞315は、層305-aを貫いて(例えば、完全に)延び得る。追加的に又は代替的に、空洞315は、寸法320-a及び寸法320-dに従って離隔されるか又は位置付けられ得る。例えば、寸法320-aは、それぞれの空洞315(例えば、空洞315-a)と層305-aの範囲との間の距離の例であり得る。寸法320-aは、回路の位置に基づいて選択され得る。例えば、寸法320-aは、各空洞315が回路から十分に離れて位置付けられるように選択され得る。図示されていないが、寸法320-aは、各空洞315について同じであり得る。すなわち、各空洞315は、層305-aの範囲から同じ距離だけ離れて位置付けられ得る。寸法320-dは、それぞれの空洞315間の距離又は間隔を表し得る。いくつかの場合では、寸法320-dは、複数の空洞315について均一であり得る。すなわち、各空洞315間の間隔は同じであり得る。
【0044】
寸法320は、数学的関係、アルゴリズム、モデリング、又は試験結果に基づいて決定され得る。例えば、層305-a内に存在する応力を決定するために、モデリング工程が実行され得る。モデリング工程は、所与の寸法320について様々な応力値を出力し得る。したがって、モデリング工程は、層305内の1つ以上の応力が最小化されるように寸法320を選択し得る。いくつかの場合では、寸法320-bに対する寸法320-cの特定の比が利用され得る。例えば、寸法320-cは、寸法320-bよりもおよそ3倍大きくてもよい。寸法320-bに対する寸法320-cのそのような比は、モデリング工程によって出力される1つ以上の応力値に基づいて選択され得る。例えば、寸法320-cを寸法320-bよりもおよそ3倍大きくなるように選択することは、層305-a内の応力を実質的に低減又は排除し得る。
【0045】
本明細書に記載するいくつかの例は空洞315に言及するが、いくつかの他の例は、空洞315内に様々な材料310を形成する(例えば、堆積させる)ことを含み得る。例えば、各空洞315は、材料310-aとは異なる材料310で(例えば、部分的に又は完全に)充填され得る。例えば、材料310は、応力緩和用途のために構成され得、又はより一般的には、層305-aにおける応力低減を可能にする1つ以上の特質を有し得る。材料310は、材料310-aの硬度又は剛性よりも低い硬度又は剛性を有し得、これは、材料310が応力を解放又は排除することを可能にし得る。例えば、材料310は、材料310-aと比較したときに比較的可撓性であり得る。いくつかの場合では、1つ以上の寸法320は、材料構成300の1つ以上の寸法に基づいて選択され得るか、又は別様に変更され得る。例えば、寸法320は、材料構成300のサイズに合わせて選択され得る。いくつかの場合では、寸法320のうちの1つ以上は、材料構成300のために選択された材料310に基づいて、選択され得るか、又は別様に変更され得る。例えば、寸法320のうちの1つ以上は、材料310-a、材料310-b、又は両方の1つ以上の特質に基づいて選択され得る。
【0046】
図4は、パッシベーション層の耐久性の向上をサポートする方法400を例示するフロー図の例を例示する。方法400の工程は、本明細書に記載する1つ以上の工程を実行するように構成された製造システム又は機械によって実施され得る。例えば、1つ以上の堆積工程、エッチング工程、又は任意の他の材料形成若しくは材料除去工程を実行するように構成された機械又は製造システムが、方法400の工程を実行し得る。いくつかの場合では、製造システム又は機械は、説明された工程を実行するように1つ以上の機能要素を制御するための命令を実行し得る。追加的に又は代替的に、機械又は製造システムは、専用ハードウェアを使用して、説明された工程の態様を実行し得る。
【0047】
405において、方法400は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することを含み得、第1の方向は、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向は、半導体基板の深さに平行である。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0048】
410において、方法400は、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することを含み得る。いくつかの場合では、1つ以上の層の少なくとも領域は、回路(例えば、能動回路)を含む。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0049】
415において、方法400は、第3の方向に関して1つ以上の層の上にパッシベーション層を形成することを含み得る。パッシベーション層は、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み得る。複数の空洞及び回路は、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わなくてもよい。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0050】
図5は、パッシベーション層の耐久性を向上させる方法500を例示するフロー図の例を例示する。方法500の工程は、本明細書に記載する1つ以上の工程を実行するように構成された製造システム又は機械によって実施され得る。例えば、1つ以上の材料除去工程又は1つ以上の材料形成工程を実行するように構成された機械又は製造システムが、方法500の工程を実行し得る。いくつかの場合では、製造システム又は機械は、説明された工程を実行するように1つ以上の機能要素を制御するための命令を実行し得る。追加的に又は代替的に、機械又は製造システムは、専用ハードウェアを使用して、説明された工程の態様を実行し得る。
【0051】
505において、方法500は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する半導体基板を形成することを含み得、第1の方向は、半導体基板の幅に平行であり、第2の方向は、半導体基板の深さに平行である。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0052】
510において、方法500は、半導体基板の高さに平行な第3の方向に関して半導体基板の上に1つ以上の層を形成することを含み得る。いくつかの場合では、1つ以上の層の少なくとも領域は、回路(例えば、能動回路)を含む。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0053】
515において、方法500は、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み得る。複数の空洞の各空洞は、絶縁層の表面を露出させ得る。いくつかの場合では、1つ以上の層を形成することは、回路とパッシベーション層との間に絶縁層を形成することを含み得る。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0054】
520において、方法500は、第3の方向に関して1つ以上の層の上にパッシベーション層を形成することを含み得る。パッシベーション層は、パッシベーション層を貫いて各々延びている複数の空洞を含み得る。複数の空洞及び回路は、第1の方向及び第2の方向に関して重なり合わなくてもよい。工程は、本明細書に記載するような例に従って実行され得る。いくつかの例では、工程の態様は、専用機械又は製造システムを使用して実行され得る。
【0055】
この詳細な説明は、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲は、様々な修正及び改良に従って、説明された実施形態とは異なり得る本発明の他の実施形態もカバーする。添付の特許請求の範囲内では、特定の用語「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」が所与の請求項内で使用されない限り、請求項が35 U.S.C.112、パラグラフ6の下で解釈されることは意図されていない。
【外国語明細書】