(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023891
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】コンピテンシーフレームワークに照らして訓練の実績を評価するために行動喚起イベントを利用すること
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/105 20230101AFI20250212BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
G06Q10/105
G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111357
(22)【出願日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】18/364,380
(32)【優先日】2023-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボイヤー, クリスティーナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, テス イー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】訓練対象者の訓練実績を自動評価する方法を提供する。
【解決手段】方法は、訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取り、シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブな行動喚起イベント(BEE)を決定するために、BEEデータベースに照会する。方法は、更に、コンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取り、各シミュレーション行動通知について、シミュレーション行動通知によって表されている行動が、アクティブなBEEについての喚起された行動と一致するかどうか判定する。方法はまた、アクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動に関する情報を記憶する。方法はさらに、全ての対応する喚起された行動が満たされた任意のアクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定し、各完了したBEEについて完了したBEEに関する情報を記憶する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者(104)の訓練実績を評価する方法(800)であって、前記訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われ、前記方法(800)は、
前記訓練環境のコンピューティングシステム(100、900、402)からシミュレーション状態の更新(502、504)を受け取ること(802)、
行動喚起イベント(BEE)データベース(114)内に記憶された複数のBEE(200、212)から、前記シミュレーション状態の更新(502、504)に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベース(114)に照会すること(804)であって、前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上の喚起された行動(206、308、310)と1以上の観察可能な挙動(210、312、314)を含む、前記BEEデータベース(114)に照会すること(804)、
前記訓練環境の前記コンピューティングシステム(100、900、402)から複数のシミュレーション行動通知(506、508)を受け取ること(812)、
各シミュレーション行動通知(506、508)について、前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている行動が、前記一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動(206、308、310)に一致するかどうか判定し(814)、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動(206、308、310)に関する情報を記憶すること(820)、
一組の完了したBEEを決定すること(826)であって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動(206、308、310)が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること(826)、及び
前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記訓練実績に関する情報を記憶すること(828)であって、前記情報は前記完了したBEEの前記1以上の観察可能な挙動(210、312、314)を含む、前記訓練実績に関する情報を記憶すること(828)を含む、方法(800)。
【請求項2】
前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上のトリガ(202、304、306)を更に含み、前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会することは、
前記シミュレーション状態の更新(502、504)に一致する条件を有する1以上のトリガ(202、304、306)について前記BEEデータベース(114)に照会すること(806)、
前記1以上のトリガ(202、304、306)を一組のアクティブなトリガ(202、304、306)として記憶すること(808)、及び
前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)に基づいて任意のBEE(200、212)がアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベース(114)に照会すること(811)を含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項3】
前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会することは、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の各アクティブなトリガ(202、304、306)についての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新(502、504)と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を決定し(810)、前記1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)から除去すること(810)を更に含む、請求項2に記載の方法(800)。
【請求項4】
先行する一組のアクティブなBEEを前記一組のアクティブなBEEと比較し(822)、前記先行する一組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記一組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し(822)、また前記訓練実績に関する情報を記憶すること(822)を更に含み、前記情報は、前記完了していないBEEに応答して1以上の行われなかった喚起された行動(206、308、310)を含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項5】
前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている前記行動が、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動(206、308、310)に一致するときに、前記喚起された行動(206、308、310)がタイミング条件(204、208)を有するかどうか判定し(816)、前記シミュレーション行動通知(506、508)のタイミングに関する情報を記憶すること(816)を更に含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項6】
前記シミュレーション行動通知(506、508)の前記タイミングを前記少なくとも1つのアクティブなBEEの対応するトリガ(202、304、306)のタイミングと比較し(818)、前記タイミングの前記比較に関する情報を記憶すること(818)を更に含む、請求項5に記載の方法(800)。
【請求項7】
前記シミュレーション状態の更新(502、504)は、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化を含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項8】
前記複数のシミュレーション行動通知(506、508)は、前記訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項9】
物理的環境をシミュレートする訓練環境に動作可能に結合された論理システム、並びに
コンピュータ可読ストレージシステム(112)を備える、コンピューティングシステム(100、900、402)であって、
前記コンピュータ可読ストレージシステム(112)は、複数の行動喚起イベント(BEE)(200、212)を含むBEEデータベース(114)と前記論理システムによって実行可能な命令とを含み、前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上の喚起された行動(206、308、310)と1以上の観察可能な挙動(210、312、314)とを含み、前記命令は、
前記訓練環境のコンピューティングシステム(100、900、402)からシミュレーション状態の更新(502、504)を受け取ること(802)、
前記複数のBEE(200、212)から、前記シミュレーション状態の更新(502、504)に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベース(114)に照会すること(804)、
複数のシミュレーション行動通知(506、508)を受け取ること(812)、
各シミュレーション行動通知(506、508)について、前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている行動が、前記一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動(206、308、310)に一致するかどうか判定し(814)、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動(206、308、310)に関する情報を記憶すること、
一組の完了したBEEを決定すること(826)であって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動(206、308、310)が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること(826)、及び
前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記完了したBEEに関する情報を記憶すること(828)、を行うように実行可能である、コンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項10】
前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上のトリガ(202、304、306)を更に含み、前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会すること、を行うように実行可能な前記命令は、
前記シミュレーション状態の更新(502、504)に一致する条件を有する1以上のトリガ(202、304、306)について前記BEEデータベース(114)に照会すること(806)、
前記1以上のトリガ(202、304、306)を一組のアクティブなトリガ(202、304、306)として記憶すること(808)、及び
前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)に基づいて任意のBEE(200、212)がアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベース(114)に照会すること(811)、を行うように実行可能な命令を含む、請求項9に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項11】
前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会すること、を行うように実行可能な前記命令は、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の各アクティブなトリガ(202、304、306)についての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新(502、504)と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を決定し(810)、前記1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)から除去すること(810)、を行うように実行可能な命令を更に含む、請求項10に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項12】
前記命令は、先行する一組のアクティブなBEEを前記一組のアクティブなBEEと比較し(822)、前記先行する一組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記一組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し(822)、また前記完了していないBEEに関する情報も記憶すること、を行うように更に実行可能である、請求項9に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項13】
前記命令は、前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている前記行動が、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動(206、308、310)に一致するときに、前記喚起された行動(206、308、310)がタイミング条件(204、208)を有するかどうか判定し(816)、前記シミュレーション行動通知(506、508)のタイミングに関する情報を記憶すること(816)、を行うように更に実行可能である、請求項9に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項14】
前記シミュレーション状態の更新(502、504)は、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化を含む、請求項9に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項15】
前記複数のシミュレーション行動通知(506、508)は、前記訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す、請求項9に記載のコンピューティングシステム(100、900、402)。
【請求項16】
コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者(104)の訓練実績を評価する方法(800)であって、前記訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われ、前記方法(800)は、
前記訓練環境のコンピューティングシステム(100、900、402)から第1のシミュレーション状態の更新(502、504)を受け取ること(802)、
行動喚起イベント(BEE)データベース(114)内に記憶された複数のBEE(200、212)から、前記第1のシミュレーション状態の更新(502、504)に基づいて第1の組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベース(114)に照会すること(804)であって、前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上の喚起された行動(206、308、310)と1以上の観察可能な挙動(210、312、314)を含む、前記BEEデータベース(114)に照会すること(804)、
前記訓練環境の前記コンピューティングシステム(100、900、402)から複数のシミュレーション行動通知(506、508)を受け取ること(812)、
各シミュレーション行動通知(506、508)について、前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている行動が、前記第1の組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動(206、308、310)に一致するかどうか判定し(814)、前記第1の組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動(206、308、310)及び対応する前記観察可能な挙動(210、312、314)に関する情報を記憶すること、
前記訓練環境の前記コンピューティングシステム(100、900、402)から第2のシミュレーション状態の更新(502、504)を受け取ること、
前記第2のシミュレーション状態の更新(502、504)に基づいて第2の組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベース(114)に照会すること、
前記第1の組のアクティブなBEEを前記第2の組のアクティブなBEEと比較すること(822)、並びに
前記第1の組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記第2の組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し(822)、また前記完了していないBEEに関する情報も記憶することを含む、方法(800)。
【請求項17】
前記複数のBEE(200、212)の各BEE(200、212)は、1以上のトリガ(202、304、306)を更に含み、前記第1の組のアクティブなBEE又は前記第2の組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会することは、
前記シミュレーション状態の更新(502、504)に一致する条件を有する1以上のトリガ(202、304、306)について前記BEEデータベース(114)に照会すること(806)、
前記1以上のトリガ(202、304、306)を一組のアクティブなトリガ(202、304、306)として記憶すること(808)、及び
前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)に基づいて任意のBEE(200、212)がアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベース(114)に照会すること(811)を含む、請求項16に記載の方法(800)。
【請求項18】
前記第1の組のアクティブなBEE又は前記第2の組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベース(114)に照会することは、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の各アクティブなトリガ(202、304、306)についての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新(502、504)と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)内の1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を決定し(810)、前記1以上のアクティブでないトリガ(202、304、306)を前記一組のアクティブなトリガ(202、304、306)から除去すること(810)を更に含む、請求項17に記載の方法(800)。
【請求項19】
前記シミュレーション行動通知(506、508)によって表されている前記行動が、前記組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動(206、308、310)に一致するときに、前記喚起された行動(206、308、310)がタイミング条件(204、208)を有するかどうか判定し(816)、前記シミュレーション行動通知(506、508)のタイミングに関する情報を記憶すること(816)を更に含む、請求項16に記載の方法(800)。
【請求項20】
一組の完了したBEEを決定すること(826)であって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動(206、308、310)が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること(826)、及び
前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記訓練実績に関する情報を記憶すること(828)であって、前記情報は前記完了したBEEの前記1以上の観察可能な挙動(210、312、314)を含む、前記訓練実績に関する情報を記憶すること(828)を更に含む、請求項16に記載の方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施例は、コンピテンシーフレームワークに照らした訓練対象者の自動評価に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 幾つかの業界は、職業訓練中に指定されたコンピテンシーフレームワークに照らして職業人を評価する。コンピテンシーフレームワークは、訓練環境内での訓練実行中に行われるハードスキルに加えて、訓練対象者によって示されるソフトスキルを含み得る。複数の例示的なソフトスキルには、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワーク、状況認識、情報の管理、ハードスキル業務の管理、及びハードスキル手順の知識が含まれる。例えば、民間パイロットの訓練は、国際民間航空機関(ICAO)によって規定されたコアパイロットコンピテンシーについて訓練生パイロットを評価するために、コンピテンシーベースの訓練と評価(CBTA)を使用する。ICAOは、現在、9つのパイロットコンピテンシー(すなわち、知識の応用、手順の応用と規則の遵守、コミュニケーション、自動化のための飛行機飛行経路管理、手動操縦のための飛行機飛行経路管理、リーダーシップとチームワーク、問題解決と意思決定、状況認識と情報の管理、及び作業負荷管理)に基づいて、訓練生パイロットを評価する。現在のソフトスキルの評価方法は、訓練実行中のインストラクターの観察によって行われている。このような観察による評価は、インストラクターにとって客観的な評価及び/又は訓練対象者へのフィードバックが難しい場合もある。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 開示される1つの実施例は、コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価する方法を提供する。訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われる。該方法は、訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取ること、及び、行動喚起イベント(BEE)データベース内に記憶された複数のBEEから、シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに照会することを含む。複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動を含む。該方法は、訓練環境のコンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取ることを更に含む。該方法は、各シミュレーション行動通知について、シミュレーション行動通知によって表されている行動が、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動に関する情報を記憶することを更に含む。該方法は、一組の完了したBEEを決定することを更に含む。一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む。該方法は、一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、訓練実績に関する情報を記憶する。該情報は、完了したBEEの1以上の観察可能な挙動を含む。
【0004】
[0004] 別の一実施例は、物理的環境をシミュレートする訓練環境に動作可能に結合された論理システムと、コンピュータ可読ストレージシステムとを備える、コンピューティングシステムを提供する。コンピュータ可読ストレージシステムは、複数の行動喚起イベント(BEE)を含むBEEデータベースと論理システムによって実行可能な命令とを含む。複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動とを含む。該命令は、訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取ること、複数のBEEから、シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに照会すること、及び複数のシミュレーション行動通知を受け取ること、を行うように実行可能である。該命令は、各シミュレーション行動通知について、シミュレーション行動通知によって表されている行動が、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動に関する情報を記憶すること、を行うように更に実行可能である。該命令は、一組の完了したBEEを決定するように更に実行可能である。一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む。該命令は、一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、完了したBEEに関する情報を記憶するように更に実行可能である。
【0005】
[0005] 別の一実施例は、コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価する方法を提供する。訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われる。該方法は、訓練環境のコンピューティングシステムから第1のシミュレーション状態の更新を受け取ること、及び、行動喚起イベント(BEE)データベース内に記憶された複数のBEEから、第1のシミュレーション状態の更新に基づいて第1の組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに照会することを含む。複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動を含む。該方法は、訓練環境のコンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取ることを更に含む。該方法は、各シミュレーション行動通知について、シミュレーション行動通知によって表されている行動が、第1の組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、第1の組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動及び対応する観察可能な挙動に関する情報を記憶することを更に含む。該方法は、訓練環境のコンピューティングシステムから第2のシミュレーション状態の更新を受け取ること、第2のシミュレーション状態の更新に基づいて第2の組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに照会すること、及び第1の組のアクティブなBEEを第2の組のアクティブなBEEと比較することを更に含む。該方法は、第1の組のアクティブなBEE内に含まれかつ第2の組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し、完了していないBEEに関する情報も記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006] 訓練実績を評価するためにBEEデータベースを利用するように構成された例示的なコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【
図2】[0007]
図1のコンピューティングシステムによって使用される例示的なBEEデータベースのブロック図を示す。
【
図3】[0008] 例示的なエンジン防氷BEEのブロック図を示す。
【
図4A】[0009]
図4A及び
図4Bは、試験対象者の訓練実績を評価するために
図1のBEEデータベースを使用する例示的なアルゴリズムを概略的に示す。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、試験対象者の訓練実績を評価するために
図1のBEEデータベースを使用する例示的なアルゴリズムを概略的に示す。
【
図5】[0010]
図3のエンジン防氷BEEの成功した完了に対応する例示的なシミュレーション状態の更新の表を示す。
【
図8】[0012] コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価するための例示的な方法を示すフローチャートを示す。
【
図9】[0013] 例示的なコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0014] 前述されたように、パイロットの訓練は、ICAOのコンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者(パイロット)を評価するために、コンピテンシーベースの訓練と評価(CBTA)を使用する。訓練ソリューションにおいてCBTAを使用する現在の方法は、飛行シミュレータにおける訓練中などの訓練実行中に訓練対象者を観察することによって、ICAOのコンピテンシーフレームワークで訓練対象者を評価するインストラクターを有する。更に、インストラクターはまた、ICAOのコンピテンシーフレームワークの各コンピテンシーに対応する観察可能な挙動を、訓練対象者がどのように成功又は失敗したかを示す裏付けとなる証拠も提出しなければならない。このような現在の評価方法は、幾つかの課題を提示する。先ず、ICAOのコンピテンシーフレームワークは、ほとんどがソフトスキルを含む。ソフトスキルは、インストラクターが客観的に評価し、ICAOのコンピテンシーフレームワークの修了時に訓練対象者にフィードバックすることが難しい。例えば、観察による評価では、訓練対象者によって行われた行動とICAOのコンピテンシーフレームワークとの間の追跡可能な情報を提供することが難しい場合がある。追跡可能性を欠いているために、現在の訓練実績よりも次の訓練実行において訓練実績を向上させるように、訓練対象者を支援するための推奨事項を提供することが困難になり得る。観察によるもう一つの問題は、異なるインストラクターの間で同様な訓練実績が異なる評価を受け得ることである。更に、インストラクターは、観察のために訓練実行中に立ち会う必要がある。これは、インストラクターの給与と訓練とを賄うために、パイロット訓練に費用を上乗せする可能性がある。
【0008】
[0015] したがって、コンピテンシーフレームワークに照らした訓練対象者の訓練実績の評価を自動化するために、コンピュータに実装された行動喚起イベント(BEE)を利用することに関する複数の実施例が開示される。BEEとは、コンピテンシーフレームワークで指定されたソフトスキルのコンピテンシーを示すために、訓練対象者から特定の行動を喚起するイベントのことである。訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で訓練対象者によって行われる。例示的な複数の訓練環境としては、固定訓練装置(FTD)フライトシミュレータ、フルモーションシミュレータ(FMS)フライトシミュレータ、及び仮想訓練環境が挙げられる。以下でより詳細に説明されるように、本開示の複数の実施例は、訓練実績を評価するために、複数のBEEを含むBEEデータベースを利用する。複数のBEEの各BEEは、
図2に関連してより詳細に説明されるように、1以上のトリガ、1以上の喚起された行動、及び1以上の観察可能な挙動を含む。開示される複数の実施例は、訓練環境からシミュレーション状態の更新を受け取り、BEEデータベースに照会することによって、シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定する。シミュレーション状態の更新は、訓練環境のシミュレーション状態の変化を示す。
【0009】
[0016] 続けて、開示される複数の実施例は、訓練環境から複数のシミュレーション行動通知を受け取る。シミュレーション行動通知は、訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す。シミュレーション行動通知によって表された行動が、一組のアクティブなBEE内のアクティブなBEEについての喚起された行動と一致するときに、開示される複数の実施例は、アクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動及び対応する観察可能な挙動に関する情報を記憶する。更に、アクティブなBEEの全ての対応する喚起された行動が満たされたときに、開示される複数の実施例は、アクティブなBEEが完了したBEEであると判断する。
【0010】
[0017] 開示される複数の実施例は、任意の完了したBEE及び/又は完了していないBEEに関する情報を更に記憶する。該情報は、訓練実行中にコンピテンシーフレームワークにおける様々なコンピテンシーを、訓練対象者がどのように発揮したかを裏付ける証拠として使用され得る。該情報はまた、指導目的で、ならびに個々の訓練対象者に合わせた訓練シナリオを作成するためにも使用され得る。BEEデータベースを使用することで、評価のためにシナリオに依存しない行動検出を行うことできる。これにより、各シナリオが互いに独立して作成される現在の方法よりも、訓練シナリオの作成時間を短縮することができる。
【0011】
[0018]
図1は、訓練環境と通信する例示的なコンピューティングシステム100のブロック図を示す。訓練環境は、この実施例では、航空機訓練環境102の形態を採る。ここで、航空機訓練環境102は、パイロットを訓練することにおいて使用される航空機環境をシミュレートするように構成されている。幾つかの実施例では、航空機訓練環境102が、FTD、FMS、又は仮想訓練環境として構成され得る。訓練対象者104は、訓練コンピューティングシステム108と相互作用するために、訓練インターフェース106を使用して、航空機訓練環境102内で訓練を実行する。訓練コンピューティングシステム108は、コンピュータによってシミュレートされた訓練シナリオを実行するように構成されている。幾つかの実施例では、訓練インターフェース106と航空機訓練環境102とが、航空機訓練環境102内の操縦室をシミュレートし、訓練対象者104からユーザ入力を受け取るように構成され得る。ユーザ入力の複数の例には、音声入力、訓練インターフェース106へのボタン押下又はハードウェア選択、ビデオ入力、及び訓練対象者104からの他の適切な入力が含まれる。
【0012】
[0019] 幾つかの実施例では、訓練コンピューティングシステム108が、例えば、音声入力の内容を決定するために音声からテキストへの認識を使用する、又はビデオ入力において指定されたジェスチャーを特定するために分類器を使用するなど、様々なユーザ入力を分析するために、機械学習アルゴリズムを利用するように更に構成され得る。更に、機械学習アルゴリズムは、訓練対象者104が航空機訓練環境102内の操縦室の所望の部分に注意を払っているかどうか判定するのに役立つ生理学的測定値と共に使用され得る。このような構成は、例えば、認知的作業負荷管理コンピテンシーなどのコンピテンシーフレームワークにおける様々なコンピテンシーをモニタすることに対応する喚起された行動を検出するために使用され得る知覚モデルを生成するのに役立ち得る。訓練対象者104は、例えば、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化などの、コンピュータでシミュレートされた訓練シナリオに応じて、ユーザ入力を更に入力することができる。他の複数の実施例では、航空機訓練環境102が、別の構成を有し得る。また更なる複数の実施例では、航空機訓練環境以外の別の訓練環境が使用され得る。
【0013】
[0020] コンピューティングシステム100は、例えば、ICAOのパイロットコンピテンシーなどのコンピテンシーフレームワークに照らして、訓練対象者104の訓練実績を評価するように構成されている。コンピューティングシステム100は、航空機訓練環境102と動作可能に結合されたプロセッサ110と、ストレージシステム112とを備える。ストレージシステム112は、
図2に関連して説明されるように、複数のBEEを含むBEEデータベース114を備える。ストレージシステム112は、プロセッサ110によって実行可能なように構成されたBEEモニタ116を更に備える。ストレージシステム112は、訓練対象者104の実績の評価に関連する情報を記憶するように構成された学習記録ストア(LRS)118を更に備える。幾つかの実施例では、LRS118が、航空機訓練環境102からの情報を記憶するようにも構成され得る。他の複数の実施例では、訓練環境からの情報及び/若しくは実績評価に関する情報が、別の場所又は複数の場所にわたり記憶され得る。プロセッサ110とストレージシステム112との更なる複数の態様は、
図9に関連して説明される。他の複数の実施例では、コンピューティングシステム100が、ライブ飛行中に記録された飛行運航品質保証(FOQA)データを受け取り、ICAOのコンピテンシーフレームワークに照らしてパイロットの行動を検出するように構成され得る。このような構成は、航空会社のフリート用の訓練勧告を決定し及び/又は航空会社のフリートの訓練プログラムの有効性を決定するのに役立ち得る。航空機訓練環境102を参照しながら本明細書で説明されるが、BEEデータベースは、他の複数の実施例における任意の適切なコンピテンシーフレームワークに照らして、別の訓練実績を評価するために使用され得る。
【0014】
[0021] BEEデータベース内に記憶されている各BEEは、訓練対象者からの特定の行動を喚起するイベントを示す。
図2は、BEEデータベース114のブロック図をより詳細に示す。BEEデータベース114は、第1のBEE200を含む。第1のBEE200は、第1のBEE200がアクティブなBEEであるときの条件を規定する1以上のトリガ202を含む。より具体的には、各トリガは、対応する条件が訓練環境のシミュレーション状態を満たすときにアクティブなトリガであり得る。パイロット訓練の複数の例では、トリガが、指定されたシミュレートされた空気温度、シミュレートされた航空機の指定された飛行フェーズ、並びに、シミュレートされた航空機の指定された燃料レベル、高度、速度、及び/又は他のステータス、の条件を含み得る。更に、飛行フェーズの複数の例には、静止、巡航、離陸、着陸、タクシング、上昇、下降、及びアプローチが含まれる。トリガ202は、トリガ202に応答するための指定された時間を示す任意選択的なタイミング条件204を含み得る。タイミング条件204はまた、訓練対象者104が指定された時間前に応答することが期待されているか、又は指定された時間後まで待つことが期待されているかも示し得る。特定の一実施例として、燃料漏れBEEは、燃料流量の増加に対して行動を起こす前に所望の時間まで待つというタイミング条件を有するトリガを有する。第1のBEE200は、第1のBEE200がアクティブなBEEであるときに対する応答として、期待されるユーザ入力を規定する1以上の喚起された行動206を更に含む。トリガ202と同様に、喚起された行動206は、タイミング条件208を含み得る。幾つかの実施例では、トリガ202及び/又は喚起された行動206が、例えば、ブール論路(例えば、AND、ORなど)、シーケンス文、及び条件文など、の論理文(明瞭さのために図示せず)を含み得る。第1のBEE200は、1以上の喚起された行動206を実行することによって、訓練対象者104によって発揮されたコンピテンシーを示す1以上の観察可能な挙動210を更に含む。更に、各観察可能な挙動210は、ICAOのコンピテンシーにおける指定されたパイロットコンピテンシーなどの、コンピテンシーフレームワークにおける指定されたコンピテンシーにラインアップすることができる。BEEの特定の一実施例が、
図3で提供される。
【0015】
[0022] 同様に、BEEデータベース114は、1以上のトリガ、1以上の喚起された行動、及び1以上の観察可能な挙動を有する、第2のBEE212を含む。このようなやり方では、BEEデータベースが、任意の適切なコンピテンシーフレームワークについて、喚起された行動を観察可能な挙動と揃えるのに役立ち得る。それによって、BEEデータベースは、別のシミュレートされた訓練環境内の観察可能な挙動の証拠を検出するのに役立ち得る。
図2は、明瞭さのために2つのBEEを示しているが、BEEデータベース114は、他の複数の実施例では、単一のBEE又は3つ以上のBEEなどの、任意の適切な数のBEEを含み得る。BEEデータベース114は、例示的である。他の複数の実施例では、BEEデータベース114が、別の構成を含み得る。
【0016】
[0023]
図3は、例示的なエンジン防氷BEE300のブロック図を示す。エンジン防氷BEE300は、
図4A及び
図4Bを参照しながら説明されるように、訓練環境内のパイロットの訓練実績を評価するために使用され得る。
図3の一実施例では、エンジン防氷BEE300が、航空機訓練環境102内のシミュレートされた静止飛行フェーズ中のエンジン防氷シナリオに対応する。したがって、エンジン防氷BEE300は、エンジン防氷BEE300がシミュレートされた静止飛行フェーズ中にアクティブであり得ることを示す静止飛行フェーズの飛行フェーズインジケータ302を含む。エンジン防氷BEE300は、訓練環境のシミュレートされた空気温度が10℃未満であるときに、アクティブなトリガになるように構成された第1のトリガ304を更に含む。同様に、第2のトリガ306は、訓練環境がシミュレートされた視認可能な空気湿度を有するときに、アクティブなトリガになるように構成されている。
【0017】
[0024] エンジン防氷BEE300は、第1の喚起された行動(EA)308と第2の喚起された行動310を更に含む。ここで、第1の喚起された行動308は、パイロットが航空機訓練環境102の電子フラグバッグでエンジン防氷手順を選択したことを示す航空機訓練環境102へのユーザ入力を規定する。第2の喚起された行動310は、パイロットが副操縦士にエンジン防氷手順が選択されたことを口頭で伝えたことを示すユーザ入力を規定する。
【0018】
[0025] エンジン防氷BEE300は、第1の喚起された行動308を実行するパイロットの示された行動に関連するコンピテンシーを規定する第1の組の観察可能な挙動(OB)312を更に含む。ここで、第1の組の観察可能な挙動312は、訓練対象者が、手順を知っていること、必要な情報の入手先を知っていること、状況認識、コミュニケーション、問題解決、標準作業手順に従うこと、並びに、適切な作業の計画、優先順位付け、及びスケジューリングを実証したことを示す。同様に、エンジン防氷BEE300はまた、第2の喚起された行動310に対する応答に関連する第2の組の観察可能な挙動314も含む。第2の組の観察可能な挙動314は、訓練対象者が、メッセージを明確に、正確に、及び簡潔に伝えることを実証したことを示す。第1及び第2の組の観察可能な挙動312、314は、ICAOのコンピテンシーにおいて規定されたパイロットコンピテンシーに対応する。
図3は、例示的である。他の複数の実施例では、エンジン防氷BEE300が、別の構成を有し得る。
【0019】
[0026] 1以上のコンピューティングシステムは、例えば、航空機訓練環境102などの訓練環境内の訓練対象者の訓練実績を評価するためにBEEデータベースを使用するアルゴリズムを実行するように構成され得る。
図4A及び
図4Bは、BEEデータベース114を使用する例示的なアルゴリズム400の概要フローチャートを示す。ここで、コンピューティングシステム402とコンピューティングシステム100が、アルゴリズム400を実行する。幾つかの実施例では、コンピューティングシステム402が、訓練コンピューティングシステム108の一部であり得る。コンピューティングシステム402は、例えば、訓練環境内に参加している別の個人との相互作用などの訓練対象者からのユーザ入力に関する情報、及び訓練対象者によって実行された行動に関する情報、を記憶するように構成された学習記録ストア(LRS)404を備える。LRS404は、例えば、シミュレートされた天候などの訓練環境のシミュレートされた状態についての情報を記憶するように更に構成されている。コンピューティングシステム402は、エクスペリエンスアプリケーションプログラミングインターフェイス(xAPI)モニタ406とxAPIロガー408とを更に備える。簡潔に言うと、xAPIモニタ406は、訓練環境から受け取られた任意の新しいステートメントについてLRS404をモニタするように構成され、xAPIロガー408は、BEEモニタ116からLRS404へ記憶のために情報を送信するように構成されている。他の複数の実施例では、BEEデータベースを備える1以上のコンピューティングシステムの別の構成が、アルゴリズム400を実行し得る。
【0020】
[0027]
図4Aを参照すると、xAPIモニタ406は、410において、LRS404のセッションにシミュレーション状態の更新又はシミュレーション行動通知を含む更新ステートメントを照会する。これに応答して、LRS404は、412において、更新ステートメントをxAPIモニタ406を返す。414において、xAPIモニタ406は、更新ステートメントをBEEモニタ116に送る。代替的に、
図4Bの一実施例では、410において、更新ステートメントを照会すること、及び、412において、更新ステートメントを返すことが省略される。
【0021】
[0028] BEEモニタ116が更新ステートメントを受け取った後で、更新ステートメントがシミュレーション行動通知を含むときに、416において示されるように、アルゴリズム400は、
図7を参照しながら説明されるように、対応するサブプロセスに移動する。代替的に、更新ステートメントがシミュレーション行動通知を含むときに、418において示されるように、アルゴリズム400は、
図6を参照しながら説明される対応するサブプロセスに移動する。
図4A又は
図4Bの実施例は、訓練環境の構成に基づいて選択され得る。例えば、
図4Aの一実施例は、FTD又はFMSと共に使用されるために選択され得る。
図4Bの一実施例は、仮想訓練環境と共に使用されるために選択され得る。
図4A及び
図4Bは、例示的である。他の複数の実施例では、アルゴリズム400が、別の概要フローチャートを使用し得る。
【0022】
[0029] 例示のために、アルゴリズム400のサブプロセスは、エンジン防氷BEE300を参照しながら説明される。したがって、
図5は、エンジン防氷BEE300に応答した訓練対象者104の成功した実績に対応する例示的な更新ステートメント500の表を示す。ここで、第1のシミュレーション状態の更新502は、シミュレートされた空気温度が0℃であることを反映したシミュレートされた天候の変化を含む。更に、第2のシミュレーション状態の更新504は、シミュレートされた視認可能な空気湿度が存在することを反映したシミュレートされた天候の変化を含む。次に、第1のシミュレーション行動通知506は、航空機訓練環境102の電子飛行バッグにおいてエンジン防氷手順を選択するという対応するユーザ入力を示す。更に、第2のシミュレーション行動通知508は、エンジン防氷手順が選択されたことを伝えるという対応するユーザ入力を示す。このようなユーザ入力は、例えば、音声入力を含み得る。他の複数の実施例では、アルゴリズム400が、別のBEE及び/又は他の更新ステートメントを使用し得る。
【0023】
[0030] 前述されたように、アルゴリズム400は、シミュレートされた静止飛行フェーズ中のエンジン防氷BEE300の一実施例を使用して説明される。現在の一実施例では、アルゴリズム400が、様々なサブプロセスを通じて2つ以上のループを実行することになる。各ループ中に、アルゴリズム400は、種々のサブプロセスを実行し及び/又は種々のサブプロセスをスキップする。414において、xAPIモニタ406が第1のシミュレーション状態の更新502をBEEモニタ116に送るときに、第1のループは開始し、アルゴリズム400は、上述されたように、
図6に移動する。
図6を参照すると、BEEモニタ116は、600において、第1のシミュレーション状態の更新502(シミュレートされた空気温度が0℃)に関連する任意のトリガについて、BEEデータベース114に照会する。これに応答して、BEEデータベース114は、602において、エンジン防氷BEE300の第1のトリガ304(空気温度が10℃未満)を返す。ここで、第1のトリガ304は、アクティブなトリガである。したがって、BEEモニタ116は、604において、一組のアクティブなトリガの第1のトリガ304を記憶する。この実施例では、第1のシミュレーション状態の更新502に基づいて、アクティブでないトリガになるアクティブなトリガは存在しないので、BEEモニタ116は、606をスキップする。他の複数の実施例では、BEEモニタ116が、606において、一組のアクティブなトリガから任意のアクティブでないトリガを除去し得る。アクティブでないトリガは、訓練環境の現在の状態によって満たされない条件を有するトリガである。特定の一実施例として、シミュレートされた飛行フェーズの変化は、1以上のトリガがアクティブでなくなることをもたらし得る。このようなやり方では、一組のアクティブなトリガが、任意のアクティブなBEEについて迅速に照会することを可能にするのに役立ち得る。
【0024】
[0031] 続けて、BEEモニタ116は、608において、一組のアクティブなトリガに基づいて、任意のアクティブなBEEについてBEEデータベース114に照会する。前述されたように、アクティブなBEEは、全ての対応するトリガをアクティブなトリガとして有する。ここで、エンジン防氷BEE300は、1つのアクティブなトリガ(第1のトリガ304)と1つのアクティブでないトリガ(第2のトリガ306)を有する。結果として、BEEデータベース114は、610において、照会に応答して、アクティブなBEEをBEEモニタ116に送らない。更に、先行する一組のアクティブなBEE内に入っているBEEが存在せず、第1のトリガ304が一組のアクティブなトリガ内に入っている結果として、一組のアクティブなBEE内に入っているBEEが存在しないので、モニタ116は612をスキップして、420に戻る。
【0025】
[0032] 他の複数の実施例では、BEEが、先行する一組のアクティブなBEE内に入っており、一組のアクティブなBEEに入っていないときに、BEEモニタ116は、612において、先行する一組のアクティブなBEE内に入っており、一組のアクティブなBEEに入っていない1以上のBEEを含む、一組の完了していないBEEを決定する。一組の完了していないBEE内の各完了していないBEEについて、アルゴリズム400は、完了していないBEEに関する情報を記憶し得る。具体的には、BEEモニタ116が、614において任意選択的なタイミング条件を有する各対応するトリガについて及び/又は、616において各対応する喚起された行動について、完了していないBEEの観察可能な挙動についてBEEデータベース114に照会する。これに応答して、BEEデータベース114は、618及び620において、それぞれ、完了していないBEEの対応する観察可能な挙動を返す。次に、BEEモニタ116は、622において、完了していないBEEの対応する観察可能な挙動に基づいて、各完了していないBEEについての観察可能な挙動の評価をxAPIロガー408に送る。観察可能な挙動の評価は、対応する観察可能な挙動のサブセットが、完了していないBEEに応答して示された及び/又は部分的に示されたことを示し得る。具体的な一実施例として、評価は、2つの喚起された行動が完了したが、5つの喚起された行動が完了するための機会が存在したことを示し得る。続いて、624において、xAPIロガー408は、次いで、示された、部分的に示された、及び/又は示すことができなかった観察可能な挙動に関する情報を、記憶のためにLRS404に送る。このようなやり方では、LRS404が、完了した喚起された行動に関する情報、また完了していないBEEに応答して行われなかった喚起された行動に関する情報も記憶し得る。
【0026】
[0033] エンジン防氷BEE300の一実施例に戻ると、アルゴリズム400は、414において、xAPIモニタ406が第2のシミュレーション状態の更新504(空気内の視認可能な湿度)を送るときに、第2のループに継続する。BEEモニタ116は、416をスキップし、418において、シミュレーション状態の更新に関連するサブプロセスへ移動する。
図6では、BEEモニタ116が、再び、600において、第2のシミュレーション状態の更新504に関連する任意のトリガについて、BEEデータベース114に照会する。ここで、BEEモニタ116は、602において、第2のトリガ306(シミュレートされた視認可能な空気湿度)を受け取り、604において、第2のトリガ306を一組のアクティブなトリガ内に記憶する。BEEモニタ116は、608において、一組のアクティブなトリガに基づいて、任意のアクティブなBEEについて、BEEデータベース114に更に照会する。ここで、エンジン防氷BEE300の第1のトリガ304(天候が10℃未満)及び第2のトリガ306(視認可能な空気湿度)がアクティブである。したがって、BEEデータベース114は、エンジン防氷BEE300を一組のアクティブなBEE内に記憶する。第1のループと同様に、第2のシミュレーション状態の更新504の結果として、完了していないBEEになるBEEは存在せず、したがって、アルゴリズム400は420へ戻る。
【0027】
[0034] 次の第3のアルゴリズム400では、xAPIモニタ406が、414において、第1のシミュレーション行動通知506(エンジン防氷手順を選択するユーザ入力)を送る。ここで、第1のシミュレーション行動通知506によって表されている行動が、エンジン防氷BEE300の第1の喚起された行動308に一致し、したがって、アルゴリズム400は、416において、7へ移動する。次に
図7を参照すると、第1の観察可能な挙動308は、対応するタイミング条件を有さない。同様に、任意選択的なタイミング条件を有するエンジン防氷BEE300はない。したがって、アルゴリズム400は、700及び702をスキップする。
【0028】
[0035] 他の複数の実施例では、観察可能な挙動が、704において示されているように、及び/又は、対応するトリガが、706で示されているように、任意選択的なタイミング条件を有し得る。このような複数の実施例では、BEEモニタ116が、700において、シミュレーション行動通知が、喚起された行動のタイミング条件内にあるかどうかチェックする。具体的な一実施例として、燃料漏れBEEが、タイミング条件に伴う燃料流量増加指示という燃料流量トリガを有する。更に、タイミング条件は、燃料流量トリガに応答して、対応する喚起された行動を行う前に指定された継続時間が経過することを示す。BEEモニタ116は、702において、トリガのタイミングが喚起された行動に対応するかどうか更にチェックする。シミュレーション行動通知のタイミング及び/又はトリガのタイミングに関する情報が、記憶されるBEE評価メッセージ内に含まれ得る。
【0029】
[0036] エンジン防氷BEE300の一実施例に戻ると、BEEモニタ116は、708において、第1の喚起された行動308に対応する1以上の観察可能な挙動(OB)について、BEEデータベース114に照会する。BEEモニタ116は、710において、第1の組の観察可能な挙動312を受け取る。更に、BEEモニタ116は、712において、BEE評価をxAPIロガー408に送ることによって、エンジン防氷BEE300に対する応答として、第1の喚起された行動308に関する情報を記憶し、それに応答して、xAPIロガー408は、714において、応答メッセージを記憶のためにLRS404に送る。該情報は、第1の組の観察可能な挙動312を、例えば、訓練対象者が第1の喚起された行動308を実行することによって示された行動として含み得る。他の複数の実施例では、アクティブなBEEに対する応答として喚起された行動に関する他の情報が、別の適切なやり方で記憶され得る。
【0030】
[0037] 現在の一実施例を続けると、エンジン防氷BEE300は、第1の喚起された行動308が満たされ、第2の喚起された行動310が満たされない。したがって、エンジン防氷BEE300の少なくとも1つの対応する喚起された行動が満たされず、したがって、エンジン防氷BEE300は依然としてアクティブなBEEである。したがって、アルゴリズム400は、716をスキップし、600において、
図6のアクティブなトリガについて照会することに移る。この実施例では、第1のシミュレーション行動通知506(エンジン防氷手順を選択するユーザ入力)が、別のトリガについての条件に一致せず、したがって、BEEデータベース114は、任意の新しいアクティブなトリガを返さない。更に、アクティブなBEEになる新しいBEEは存在せず、したがって、アルゴリズム400は420に戻る。
【0031】
[0038] 同様に、アルゴリズム400は、BEEモニタ116が、414において、第2のシミュレーション行動通知508を受け取ったときに、第4のループを開始し、416へ移動する。
図7では、BEEモニタ116が、708において、第2の喚起された行動310に対応する観察可能な挙動(OB)について照会し、710において、第2の組の観察可能な挙動314を受け取る。更に、BEEモニタ116は、第1の喚起された行動308を参照しながら上述されたように、xAPIロガー408を使用して、第2の喚起された行動310に関する情報を、エンジン防氷BEE300に対する応答として記憶する。
【0032】
[0039] ここで、現在の一実施例では、エンジン防氷BEE300は、全ての対応する喚起された行動(例えば、第1と第2の両方の喚起された行動308、310)が満たされる。したがって、BEEモニタ116は、716において、エンジン防氷BEE300が完了したBEEであると判定する。前述されたように、エンジン防氷BEE300は、タイミング条件を有するトリガがないため、BEEモニタ116は718をスキップする。次に、BEEモニタ116は、720において、完了したBEEの各対応する喚起された行動を単に実行することによって示された観察可能な挙動について照会する。エンジン防氷BEE300の現在の一実施例では、BEEデータベース114が、722において、第1の喚起された行動308についての一組の観察可能な挙動312と第2の喚起された行動310についての第2の組の観察可能な挙動314とを返す。これに応答して、BEEモニタ116は、724において、第1と第2の組の観察可能な挙動312、314内の各観察可能な挙動について、観察可能な挙動の評価メッセージをxAPIロガー408に送る。726において、xAPIロガー408は、観察可能な挙動の示されたメッセージを記憶のためにLRS404に送る。このようなやり方では、エンジン防氷BEE300の文脈におけるパイロットによって示された観察可能な挙動が記憶される。他の複数の実施例では、718において示されるように、BEEがタイミング条件を有するトリガを有し得る。このような複数の実施例では、BEEモニタ116が、728において、BEEのトリガのタイミングに対する対応する喚起された行動のタイミングのために示された観察可能な挙動について照会する。730において、BEEモニタ116は、観察可能な挙動を受け取り、タイミングに関する情報を724において送られた観察可能な挙動の評価に更に含める。
【0033】
[0040] 第3のループと同様に、アルゴリズム400は、次に、
図6の600においてトリガを照会することへ移動する。訓練対象者が第2の喚起された行動310を実行したこと又はエンジン防氷BEE300の完了の結果として、新しいトリガがアクティブにならなかったので、アルゴリズム400は、420へスキップして戻り、新しいシミュレーション状態の更新を待つ。このようなやり方では、BEEデータベース114を利用するアルゴリズム400が、ICAOのコンピテンシーに照らしてパイロットの訓練実績を評価し得る。
図6及び
図7は、例示的である。アルゴリズム400及び対応するサブプロセスがエンジン防氷BEE300に照らしてパイロットを評価することを参照しながら説明されるが、アルゴリズム400は、他の複数の実施例における別のコンピテンシーフレームワークに照らして別の訓練対象者の訓練実績を評価するために使用され得る。同様に、更なる複数の実施例では、BEEデータベース114を利用する別のアルゴリズムが、物理的環境をシミュレートする任意の適切な訓練環境内で実行される任意の適切なコンピテンシーフレームワークに照らして任意の訓練対象者を評価するために使用される。
【0034】
[0041]
図8は、コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価するための例示的な方法800を示すフローチャートを示す。訓練実績は、例えば、航空機訓練環境102などの物理的環境をシミュレートする訓練環境内で実行される。このような一実施例では、コンピテンシーフレームワークが、例えば、ICAOのコンピテンシーフレームワークを含み得る。他の複数の実施例では、別の訓練環境及び/又は別のコンピテンシーフレームワークが使用され得る。方法800は、例えば、コンピューティングシステム100などのBEEデータベースを含む任意の適切なコンピューティングシステムによって実行され得る。
【0035】
[0042] 方法800は、802において、例えば、訓練コンピューティングシステム108などの訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取ることを含む。航空機環境をシミュレートする複数の実施例では、シミュレーション状態の更新が、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化を含み得る。他の複数の実施例では、シミュレーション状態の更新が、物理的環境のシミュレートされた状態(例えば、シミュレートされた天候、シミュレートされた場所、シミュレートされたアラームなど)の別の変化を含み得る。
【0036】
[0043] 戻ると、方法800は、804において、BEEデータベース内に記憶された複数のBEEから、シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに照会する。例えば、BEEデータベース114が使用され得る。上述されたように、複数のBEEの各BEEは、1以上のトリガ、1以上の喚起された行動、及び1以上の観察可能な挙動を含む。一組のアクティブなBEEを決定するためにBEEデータベースに照会することは、806において、シミュレーション状態の更新に一致する条件を有する1以上のトリガについて、BEEデータベースに照会することを含む。一組のアクティブなBEEを決定することはまた、808において、1以上のトリガを一組のアクティブなトリガとして記憶することも含む。更に、810において、一組のアクティブなBEEを決定することは、一組のアクティブなトリガ内の各アクティブなトリガについての対応する条件をシミュレーション状態の更新と比較することによって、一組のアクティブなトリガ内の1以上のアクティブでないトリガを決定し、1以上のアクティブでないトリガを一組のアクティブなトリガから除去することを含む。一組のアクティブなBEEを決定することは、811において、一組のアクティブなトリガに基づいて任意のBEEがアクティブなBEEであるかどうか判定するために、BEEデータベースに照会することを更に含む。他の複数の実施例では、一組のアクティブなBEEが、別の適切なやり方で決定され得る。
【0037】
[0044] 方法800は、812において、訓練環境のコンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取ることを更に含む。複数のシミュレーション行動通知は、訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す。ユーザ入力の複数の例には、検出された音声、訓練環境のユーザインターフェース上で選択された入力、検出された目の動き、及び/又は検出されたジェスチャーが含まれる。他の複数の実施例では、方法800が、804を参照しながら説明されたように、一組のアクティブなBEEを決定するために、BEEデータベースに再び照会し得る。方法800は、814において、各シミュレーション行動通知について、シミュレーション行動通知によって表されている行動が、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定することを更に含む。方法800は、シミュレーション行動通知によって表されている行動が喚起された行動に一致するときに、816において、喚起された行動がタイミング条件を有するかどうか判定すること、及びシミュレーション行動通知のタイミングに関する情報を記憶することを含む。タイミング条件は、シミュレーション行動通知の所望のタイミングが、所望の持続時間の後、又は所望の持続時間においてであることを示し得る。代替的に、タイミング条件は、シミュレーション行動通知の所望のタイミングが、所望の持続時間内にあることを示し得る。方法800は、更に、818において、シミュレーション行動通知のタイミングを、少なくとも1つのアクティブなBEEの対応するトリガのタイミングと比較すること、及びタイミングの比較に関する情報を記憶することを更に含む。他の複数の実施例では、方法800が816及び/又は818を省略し得る。
【0038】
[0045] 方法800は、820において、一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、喚起された行動及び対応する観察可能な挙動に関する情報を記憶することを含む。方法800は、822において、先行する一組のアクティブなBEEを一組のアクティブなBEEと比較すること、及び、先行する一組のアクティブなBEE内に含まれかつ一組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶する。方法800は、824において、訓練実績に関する情報を記憶する。この情報は、完了していないBEEに応答して1以上の行われなかった喚起された行動を含む。他の複数の実施例では、822及び824が省略されることがある。
【0039】
[0046] 方法800は、826において、一組の完了したBEEを決定することを含む。一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む。828において、方法800は、一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、訓練実績に関する情報を記憶する。該情報は、完了したBEEの1以上の観察可能な挙動を含む。幾つかの実施例では、該情報が、例えば、タイミング情報などの完了したBEEに関する任意の適切な情報を更に含み得る。
【0040】
[0047] 本明細書で説明されるように訓練実績の評価についてBEEデータベースを使用することによって、様々な利点が提供され得る。評価は、インストラクターが、客観的にソフトスキルコンピテンシーを評価し、インストラクターの観察による評価よりも評価者間の信頼性の一貫性を高めるのに役立つような、訓練実績についてのデータを提供し得る。評価はまた、訓練を実行する訓練対象者の熟練度を主張するときに使用される詳細な証拠を提供するのにも役立ち得る。更に、評価は、喚起された行動とコンピテンシーフレームワーク内の指定されたコンピテンシーとの間の追跡可能性を提供するのに役立ち得る。このような追跡可能性は、現在の訓練実行よりも次の訓練実行中にコンピテンシーのレベルを高めるための推奨事項に関するフィードバックを訓練対象者に提供するのに役立つ。更に、評価は、現在の訓練実績及び/又は先行する訓練実績に基づいて、訓練対象者のための追加の訓練シナリオを調整することを可能にするのに役立ち得る。
【0041】
[0048] 更に又は代替的に、複数の訓練実績にわたる評価についてBEEを使用することによって、訓練環境において使用される訓練シナリオを更新するための推奨事項を決定するために、複数の訓練対象者にわたる分析を可能にするデータを提供することができる。更に、このデータは、訓練環境、特に仮想訓練環境の有効性を評価するのにも役立ち得る。同様に、このような評価は、訓練シナリオの有効性を決定するため、及び/又は、複数の訓練対象者にわたり推奨される訓練シナリオを決定するために、運用データを分析するのに役立ち得る。
【0042】
[0049] 幾つか実施例では、本明細書で説明される方法及びプロセスが、1以上のコンピューティングデバイスのコンピューティングシステムに結び付けられ得る。特に、そのような方法及びプロセスは、コンピュータアプリケーションプログラム若しくはサービス、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ライブラリー、及び/又は他のコンピュータプログラム製品として、上述されたようなハードウェア内に実装され得る。
【0043】
[0050]
図9は、本明細書で説明されるコンピュート機能のいずれかから全てを提供するように構成された、例示的なコンピューティングシステム900の簡略化された表現を概略的に示す。コンピューティングシステム900は、複数の実施例として、1以上のパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、及び航空機に統合されたコンピュータの形態を採り得る。コンピューティングシステム100、訓練コンピューティングシステム108、及びコンピューティングシステム402は、コンピューティングシステム900の複数の実施例である。
【0044】
[0051] コンピューティングシステム900は、ロジックサブシステム902及びストレージサブシステム904を含む。コンピューティングシステム900は、任意選択的に、ディスプレイサブシステム906、入力サブシステム908、通信サブシステム910、及び/又は
図9で示されていない他のサブシステムを含み得る。
【0045】
[0052] ロジックサブシステム902は、命令を実行するように構成された1以上の物理デバイスを含む。例えば、ロジックサブシステムは、命令を実行するように構成され得る。該命令は、1以上のアプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリー、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、又は他のロジック構成の一部である。このような命令は、作業を実行し、データタイプを実装し、1以上の構成要素の状態を変換し、技術的効果を実現し、又は他の方法で所望の結果に到達するように実装されてよい。
【0046】
[0053] ロジックサブシステムは、ソフトウェア命令を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサを含み得る。更に又は代替的に、ロジックサブシステムは、ハードウェア又はファームウェア命令を実行するように構成された1以上のハードウェア又はファームウェアデバイスを含み得る。ロジックサブシステムのプロセッサは、シングルコアであっても、マルチコアであってもよく、プロセッサで実行される命令は、シーケンシャル処理、並列処理、及び/又は分散処理されるように構成され得る。ロジックサブシステムの個々の構成要素は、任意選択的に、2つ以上の別個のデバイスに分散され得る。これらのデバイスは、遠隔に配置され、及び/又は調整された処理のために構成され得る。ロジックサブシステムの複数の態様は、仮想化され、クラウドコンピューティング構成として構成されたリモートアクセス可能なネットワークコンピューティング装置によって実行され得る。
【0047】
[0054] ストレージサブシステム904は、ロジックサブシステムによって実行可能なデータ及び命令などのコンピュータ情報を一時的及び/又は恒久的に保持するように構成された1以上の物理デバイスを含む。ストレージサブシステムが、2つ以上のデバイスを含むときに、これらのデバイスは、同じ位置に配置され得るか及び/又は遠隔に配置され得る。ストレージサブシステム904は、揮発性デバイス、不揮発性デバイス、動的デバイス、静的デバイス、読み出し/書き込みデバイス、読取り専用デバイス、ランダムアクセスデバイス、シーケンシャルアクセスデバイス、ロケーションアドレス指定可能デバイス、ファイルアドレス指定可能デバイス、及び/又はコンテンツアドレス指定可能デバイスを含み得る。ストレージサブシステム904は、着脱可能及び/又は内臓デバイスを含み得る。ロジックサブシステムが命令を実行すると、ストレージサブシステム904の状態が、例えば、異なるデータを保持するように変換され得る。
【0048】
[0055] ストレージサブシステム904は、着脱可能及び/又は内臓デバイスを含み得る。ストレージサブシステム904は、他のものの中でとりわけ、光メモリ(例えば、CD、DVD、HD-DVD、Blu-Ray Discなど)、半導体メモリ(例えば、RAM、EPROM、EEPROMなど)、及び/又は磁気メモリを含み得る。ストレージサブシステム904は、揮発性デバイス、不揮発性デバイス、動的デバイス、静的デバイス、読み出し/書き込みデバイス、読取り専用デバイス、ランダムアクセスデバイス、シーケンシャルアクセスデバイス、ロケーションアドレス指定可能デバイス、ファイルアドレス指定可能デバイス、及び/又はコンテンツアドレス指定可能デバイスを含み得る。
【0049】
[0056] ロジックサブシステム902とストレージサブシステム904の複数の態様は、1以上のハードウェアロジック構成要素の中に統合され得る。そのようなハードウェアロジック構成要素は、例えば、特定プログラム及び用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、特定プログラム及び用途向け標準製品(PSSP/ASSP)、システムオンチップ(SOC)、及びコンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)を含み得る。
【0050】
[0057] ロジックサブシステムとストレージサブシステムは、1以上のロジックマシンをインスタンス化するために協働し得る。本明細書で使用されるときに、「マシン」という用語は、コンピュータ機能を提供するために協働するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、命令、及び/又は任意の他のコンポーネントの組み合わせを集合的に指す。言い換えると、「マシン」は、決して抽象的なアイデアではなく、常に具体的な形態を持つ。マシンは、単一のコンピューティングデバイスによってインスタンス化することができ、又は、ロジックマシンは、2つ以上の異なるコンピューティングデバイスによってインスタンス化された2つ以上のサブコンポーネントを含み得る。幾つかの実施態様では、マシンが、リモートコンポーネント(例えば、サーバコンピュータのネットワークによって提供されるクラウドコンピューティングサービス)と協働するローカルコンポーネント(例えば、コンピュータプロセッサによって実行されるソフトウェアアプリケーション)を含む。特定のマシンにその機能を与えるソフトウェア及び/又は他の命令は、任意選択的に、1以上の適切なストレージデバイス上の1以上の未実行モジュールとして保存され得る。
【0051】
[0058] 含まれているときに、ディスプレイサブシステム906を使用して、ストレージサブシステム904によって保持されているデータの視覚的表現を提示することができる。この視覚的表現は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の形態を採り得る。本明細書で説明される方法及びプロセスは、ストレージサブシステムによって保持されているデータを変化させ、したがって、ストレージサブシステムの状態を変換するので、ディスプレイサブシステム906の状態は、基礎をなすデータの変化を視覚的に表現するように同様に変換され得る。ディスプレイサブシステム906は、事実上あらゆる種類の技術を利用する1以上のディスプレイデバイスを含み得る。このようなディスプレイデバイスは、共有筐体内のロジックサブシステム及びストレージサブシステムと組み合わされ得る。或いは、そのようなディスプレイデバイスは、周辺ディスプレイデバイスであり得る。
【0052】
[0059] 含まれているときに、入力サブシステム908は、キーボードやタッチスクリーンなどの1以上の入力デバイスを含み、又はそれらと相互作用し得る。幾つかの実施例では、入力サブシステムが、選択された自然なユーザ入力(NUI)構成要素を含んでよく、又はそれらと相互作用し得る。このような構成要素は、統合されてよく又は周辺的なものであってよく、入力行為の伝達及び/又は処理は、オンボードでもオフボードでも取り扱われ得る。NUI構成要素の例としては、発話及び/又は音声データ認識のためのマイクロフォンと、マシンビジョン並びに/又はジェスチャー認識のための赤外線、カラー、立体、及び/若しくは深度カメラとが挙げられる。
【0053】
[0060] 含まれているときに、通信サブシステム910は、コンピューティングシステム900を、1以上の他のコンピューティングデバイスと通信可能に結合するように構成され得る。通信サブシステム910は、1以上の種々の通信プロトコルと互換性のある有線及び/又は無線通信デバイスを含み得る。非限定的な複数の実施例として、通信サブシステムは、無線電話網、又は有線若しくは無線のローカル若しくはワイドエリアネットワークを介して通信するように構成され得る。幾つかの実施例では、通信サブシステムが、コンピューティングシステム900がインターネットなどのネットワークを介して他の装置との間でメッセージを送信及び/又は受信することを可能にし得る。
【0054】
[0061] 更に、本開示は、以下の条項による複数の構成を含む。
【0055】
[0062] 条項1.
コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価する方法であって、前記訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われ、前記方法は、前記訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取ること、行動喚起イベント(BEE)データベース内に記憶された複数のBEEから、前記シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベースに照会することであって、前記複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動を含む、前記BEEデータベースに照会すること、前記訓練環境の前記コンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取ること、各シミュレーション行動通知について、前記シミュレーション行動通知によって表されている行動が、前記一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動に関する情報を記憶すること、一組の完了したBEEを決定することであって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること、及び、前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記訓練実績に関する情報を記憶することであって、前記情報は前記完了したBEEの前記1以上の観察可能な挙動を含む、前記訓練実績に関する情報を記憶することを含む、方法。
【0056】
[0063] 条項2.
前記複数のBEEの各BEEは、1以上のトリガを更に含み、前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会することは、前記シミュレーション状態の更新に一致する条件を有する1以上のトリガについて前記BEEデータベースに照会すること、前記1以上のトリガを一組のアクティブなトリガとして記憶すること、及び前記一組のアクティブなトリガに基づいて任意のBEEがアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベースに照会することを含む、条項1に記載の方法。
【0057】
[0064] 条項3.
前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会することは、前記一組のアクティブなトリガ内の各アクティブなトリガについての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ内の1以上のアクティブでないトリガを決定し、前記1以上のアクティブでないトリガを前記一組のアクティブなトリガから除去することを更に含む、条項2に記載の方法。
【0058】
[0065] 条項4.
先行する一組のアクティブなBEEを前記一組のアクティブなBEEと比較し、前記先行する一組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記一組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し、また前記訓練実績に関する情報を記憶することを更に含み、前記情報は、前記完了していないBEEに応答して1以上の行われなかった喚起された行動を含む、条項1に記載の方法。
【0059】
[0066] 条項5.
前記シミュレーション行動通知によって表されている前記行動が、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動に一致するときに、前記喚起された行動がタイミング条件を有するかどうか判定し、前記シミュレーション行動通知のタイミングに関する情報を記憶することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0060】
[0067] 条項6.
前記シミュレーション行動通知の前記タイミングを前記少なくとも1つのアクティブなBEEの対応するトリガのタイミングと比較し、前記タイミングの前記比較に関する情報を記憶することを更に含む、条項5に記載の方法。
【0061】
[0068] 条項7.
前記シミュレーション状態の更新は、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化を含む、条項1に記載の方法。
【0062】
[0069] 条項8.
前記複数のシミュレーション行動通知は、前記訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す、条項1に記載の方法。
【0063】
[0070] 条項9.
物理的環境をシミュレートする訓練環境に動作可能に結合された論理システムと、コンピュータ可読ストレージシステムとを備える、コンピューティングシステムであって、前記コンピュータ可読ストレージシステムは、複数の行動喚起イベント(BEE)を含むBEEデータベースと前記論理システムによって実行可能な命令とを含み、前記複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動とを含み、前記命令は、前記訓練環境のコンピューティングシステムからシミュレーション状態の更新を受け取ること、前記複数のBEEから、前記シミュレーション状態の更新に基づいて一組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベースに照会すること、複数のシミュレーション行動通知を受け取ること、各シミュレーション行動通知について、前記シミュレーション行動通知によって表されている行動が、前記一組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動に関する情報を記憶すること、一組の完了したBEEを決定することであって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること、及び、前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記完了したBEEに関する情報を記憶すること、を行うように実行可能である、コンピューティングシステム。
【0064】
[0071] 条項10.
前記複数のBEEの各BEEは、1以上のトリガを更に含み、前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会すること、を行うように実行可能な前記命令は、前記シミュレーション状態の更新に一致する条件を有する1以上のトリガについて前記BEEデータベースに照会すること、前記1以上のトリガを一組のアクティブなトリガとして記憶すること、及び前記一組のアクティブなトリガに基づいて任意のBEEがアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベースに照会すること、を行うように実行可能な命令を含む、条項9に記載のコンピューティングシステム。
【0065】
[0072] 条項11.
前記一組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会すること、を行うように実行可能な前記命令は、前記一組のアクティブなトリガ内の各アクティブなトリガについての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ内の1以上のアクティブでないトリガを決定し、前記1以上のアクティブでないトリガを前記一組のアクティブなトリガから除去すること、を行うように実行可能な命令を更に含む、条項10に記載のコンピューティングシステム。
【0066】
[0073] 条項12.
前記命令は、先行する一組のアクティブなBEEを前記一組のアクティブなBEEと比較し、前記先行する一組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記一組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し、また前記完了していないBEEに関する情報も記憶すること、を行うように更に実行可能である、条項9に記載のコンピューティングシステム。
【0067】
[0074] 条項13.
前記命令は、前記シミュレーション行動通知によって表されている前記行動が、前記一組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動に一致するときに、前記喚起された行動がタイミング条件を有するかどうか判定し、前記シミュレーション行動通知のタイミングに関する情報を記憶すること、を行うように更に実行可能である、条項9に記載のコンピューティングシステム。
【0068】
[0075] 条項14.
前記シミュレーション状態の更新は、シミュレートされた飛行フェーズ、シミュレートされた天候、又はシミュレートされた航空機の状態、のうちの1以上の変化を含む、条項9に記載のコンピューティングシステム。
【0069】
[0076] 条項15.
前記複数のシミュレーション行動通知は、前記訓練環境によって受け取られた対応する複数のユーザ入力を示す、条項9に記載のコンピューティングシステム。
【0070】
[0077] 条項16.
コンピテンシーフレームワークに照らして訓練対象者の訓練実績を評価する方法であって、前記訓練は、物理的環境をシミュレートする訓練環境内で行われ、前記方法は、前記訓練環境のコンピューティングシステムから第1のシミュレーション状態の更新を受け取ること、行動喚起イベント(BEE)データベース内に記憶された複数のBEEから、前記第1のシミュレーション状態の更新に基づいて第1の組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベースに照会することであって、前記複数のBEEの各BEEは、1以上の喚起された行動と1以上の観察可能な挙動を含む、前記BEEデータベースに照会すること、前記訓練環境の前記コンピューティングシステムから複数のシミュレーション行動通知を受け取ること、各シミュレーション行動通知について、前記シミュレーション行動通知によって表されている行動が、前記第1の組のアクティブなBEE内の少なくとも1つのアクティブなBEEについての喚起された行動に一致するかどうか判定し、前記第1の組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEに対する応答として、前記喚起された行動及び対応する前記観察可能な挙動に関する情報を記憶すること、前記訓練環境の前記コンピューティングシステムから第2のシミュレーション状態の更新を受け取ること、前記第2のシミュレーション状態の更新に基づいて第2の組のアクティブなBEEを決定するために、前記BEEデータベースに照会すること、前記第1の組のアクティブなBEEを前記第2の組のアクティブなBEEと比較すること、並びに、前記第1の組のアクティブなBEE内に含まれかつ前記第2の組のアクティブなBEE内に含まれない各アクティブなBEEについて、前記アクティブなBEEを完了していないBEEとして記憶し、また前記完了していないBEEに関する情報も記憶することを含む、方法。
【0071】
[0078] 条項17.
前記複数のBEEの各BEEは、1以上のトリガを更に含み、前記第1の組のアクティブなBEE又は前記第2の組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会することは、前記シミュレーション状態の更新に一致する条件を有する1以上のトリガについて前記BEEデータベースに照会すること、前記1以上のトリガを一組のアクティブなトリガとして記憶すること、及び前記一組のアクティブなトリガに基づいて任意のBEEがアクティブなBEEであるかどうか判定するために前記BEEデータベースに照会することを含む、条項16に記載の方法。
【0072】
[0079] 条項18.
前記第1の組のアクティブなBEE又は前記第2の組のアクティブなBEEを決定するために前記BEEデータベースに照会することは、前記一組のアクティブなトリガ内の各アクティブなトリガについての対応する条件を前記シミュレーション状態の更新と比較することによって、前記一組のアクティブなトリガ内の1以上のアクティブでないトリガを決定し、前記1以上のアクティブでないトリガを前記一組のアクティブなトリガから除去することを更に含む、条項17に記載の方法。
【0073】
[0080] 条項19.
前記シミュレーション行動通知によって表されている前記行動が、前記組のアクティブなBEE内の前記少なくとも1つのアクティブなBEEについての前記喚起された行動に一致するときに、前記喚起された行動がタイミング条件を有するかどうか判定し、前記シミュレーション行動通知のタイミングに関する情報を記憶することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0074】
[0081] 条項20.
一組の完了したBEEを決定することであって、前記一組の完了したBEEは、全ての対応する喚起された行動が満たされた各アクティブなBEEを含む、一組の完了したBEEを決定すること、及び、前記一組の完了したBEEの各完了したBEEについて、前記訓練実績に関する情報を記憶することであって、前記情報は前記完了したBEEの前記1以上の観察可能な挙動を含む、前記訓練実績に関する情報を記憶することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0075】
[0082] 本明細書で説明される構成及び/又はアプローチは、事実上例示的なものであり、これらの特定の実施形態又は実施例は、限定的な意味で考えられるべきでないことが理解されよう。というのも、多数の変形が可能だからである。本明細書で説明される特定のルーチン又は方法は、任意の数の処理戦略のうちの1以上を表してよい。そのようにして、図示され及び/若しくは説明された様々な動作は、図示され及び/若しくは説明された順序で、他の順序で、同時並行で実行されてよく、又は省略されてよい。同様に、上述されたプロセスの順序は、変更されてよい。
【0076】
[0083] 本開示の主題は、本明細書で開示された様々なプロセス、システム、及び構成、並びに、他の特徴、機能、動作、及び/又は特性の、全ての新規な及び非自明な組み合わせ及びサブコンビネーション、ならびにそれらの任意の及び全ての均等物を含む。
【符号の説明】
【0077】
100、900、402:コンピューティングシステム
102:航空機訓練環境
104:訓練対象者
106:訓練インターフェース
108:訓練コンピューティングシステム
110:プロセッサ
112:ストレージシステム
114:BEEデータベース
116:BEEモニタ
118、404:LRS
200、212:BEE
202、304、306:トリガ
204、208:タイミング条件
206、308、310:喚起された行動
210、312、314:観察可能な挙動
300:エンジン防氷BEE
302:飛行フェーズインジケータ
400:アルゴリズム
406:アプリケーションプログラミングインターフェース(xAPI)モニタ
408:xAPIロガー
410、412、414:ステップ
500:更新ステートメント
502、504:シミュレーション状態の更新
506、508:シミュレーション行動通知
600、602、604、606、608、610、614、616、618、620、622、624:ステップ
700、702、708、710、712、714、720、722、724、726、728、730:ステップ
800:方法
802、804、806、808、810、811、812、814、816、818、820、822、824、826、828:ステップ
902:ロジックサブシステム
904:ストレージサブシステム
906:ディスプレイサブシステム
908:入力サブシステム
910:通信サブシステム
【外国語明細書】