IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスティーマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ブイ.の特許一覧

特開2025-23902異なる電子部品を集積する半導体電子デバイスの製造プロセス、及び半導体電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023902
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】異なる電子部品を集積する半導体電子デバイスの製造プロセス、及び半導体電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/47 20250101AFI20250212BHJP
   H10D 30/83 20250101ALI20250212BHJP
   H10D 30/87 20250101ALI20250212BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/80 C
H01L29/80 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024119285
(22)【出願日】2024-07-25
(31)【優先権主張番号】102023000015885
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】18/776,146
(32)【優先日】2024-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】デペトロ,リッカルド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる電子部品を集積する半導体電子デバイスの製造プロセス及び半導体電子デバイスを提供する。
【解決手段】半導体電子デバイス1において、単一半導体材料のエピタキシャル領域23は、基板層14の第1の部分20上に成長する。ヘテロ構造50を有するエピタキシャル多層膜49は、基板層の第2の部分21上に成長する。単一半導体材料に基づく第1の電子部品5は、エピタキシャル領域から形成し、ヘテロ構造に基づく第2の電子部品7は、ヘテロ構造から形成する。第1の電子部品を形成することは、エピタキシャル多層膜を成長させる工程の後に、エピタキシャル領域内に複数のドープ領域25A、25B、27、29A、29B、31を形成することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体電子デバイスを製造するためのプロセスであって、
第1の部分と第2の部分とを有する基板層の前記第1の部分上に、単一半導体材料のエピタキシャル領域を形成することであって、前記エピタキシャル領域は、前記基板層の反対側の第1の表面を有する、単一半導体材料のエピタキシャル領域を形成することと、
前記基板層の前記第2の部分上に、ヘテロ構造を含むエピタキシャル多層膜を形成することと、
前記エピタキシャル領域と前記エピタキシャル多層膜との間に、前記第1の表面と同一平面上の第2の表面を有する分離部分を形成することと、
前記エピタキシャル領域上に第1の電子部品を形成することと、
前記ヘテロ構造上に第2の電子部品を形成することと、を含み、
前記第1の電子部品を前記形成することは、前記エピタキシャル多層膜を前記形成した後に、前記エピタキシャル領域内に複数のドープ領域を形成することを含む、製造プロセス。
【請求項2】
前記第1の電子部品は、MOSトランジスタであり、前記複数のドープ領域を形成することは、前記エピタキシャル領域内に、前記MOSトランジスタのソース領域、ドレイン領域、及びボディコンタクト領域を形成することを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項3】
前記第1の電子部品は、ゲート絶縁領域を有するMOSトランジスタであり、前記第1の電子部品を形成することは、
前記エピタキシャル多層膜を形成する前に、前記エピタキシャル領域上にゲート絶縁層を形成することと、
前記エピタキシャル多層膜を形成した後に、前記ゲート絶縁層を画定し、これにより、前記ゲート絶縁領域を形成することと、を更に含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項4】
前記ドープ領域は、1・1016原子/cm~4・1021原子/cmの範囲内のドーピングレベルを有する、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項5】
前記エピタキシャル多層膜を成長させることは、
前記基板層上に成長マスクを形成することと、
前記成長マスク内に開口部を形成し、前記基板層の前記第2の部分を露出させることと、を含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項6】
前記成長マスクは、前記エピタキシャル領域を形成する前に形成され、前記成長マスクは、前記基板層の前記第1の部分を露出させる、請求項5に記載の製造プロセス。
【請求項7】
前記エピタキシャル領域を前記形成することは、前記基板層の前記第1の部分上に延在する第1の部分と、前記成長マスク上に延在する第2の部分とを有する前記単一半導体材料の表面層を成長させることを含み、前記成長マスク内に前記開口部を形成することは、前記表面層の前記第2の部分内に、前記成長マスクまで延在する凹部を形成することを含む、請求項5に記載の製造プロセス。
【請求項8】
前記表面層の前記第1の部分の上方に延在し、かつ前記表面層の前記第2の部分の上方に開口部を有するエッチングマスクを形成することを更に含み、
前記エピタキシャル多層膜を形成することは、
前記基板層の前記第2の部分上に延在する第1の部分と、前記エッチングマスク上に延在する第2の部分と、を有するワーク多層膜を成長させることと、
前記ワーク多層膜の前記第2の部分を除去することと、を含み、
前記エッチングマスクは、第1の方向に沿って前記基板層から第1の距離だけ離され、前記第1の距離は、前記ワーク多層膜の前記第1の部分と前記基板層との間の前記第1の方向に沿った第2の距離よりも大きい、請求項7に記載の製造プロセス。
【請求項9】
前記成長マスクは、酸化物層を含む、請求項5に記載の製造プロセス。
【請求項10】
前記成長マスクは、7nm~300nmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の製造プロセス。
【請求項11】
前記第2の電子部品は、HEMTトランジスタであり、前記ヘテロ構造は、周期表のIII族及びV族の材料に基づく、請求項3に記載の製造プロセス。
【請求項12】
前記HEMTトランジスタは、上面を有する半導体材料のチャネル変調領域を含み、前記第2の電子部品を前記形成することは、前記チャネル変調領域の前記上面が、前記ゲート絶縁層の上面と前記基板層との間の第1の方向に沿った第2の距離よりも小さい、前記第1の方向に沿った前記基板層からの第1の距離に配置されるように、前記ヘテロ構造上に前記チャネル変調領域を成長させることを含む、請求項11に記載の製造プロセス。
【請求項13】
前記基板層に結合され、かつ第1の導電型を有する基板を更に備え、前記基板層は、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有し、かつ前記基板の上方に延在する、請求項12に記載の製造プロセス。
【請求項14】
前記単一半導体材料は、シリコンである、請求項13に記載の製造プロセス。
【請求項15】
電子デバイスであって、
ダイと、
第1の電子部品と、
前記第1の電子部品に結合された第2の電子部品と、を備え、
前記ダイは、
半導体材料の基板領域と、
前記基板領域上に延在する単一半導体材料の単結晶領域を含む第1の表面部分と、
前記第1の表面部分とは異なり、かつ前記基板領域上に延在するエピタキシャル多層膜を含む第2の表面部分であって、前記エピタキシャル多層膜は、ヘテロ構造を含む、第2の表面部分と、を備え、
前記第1の電子部品は、前記ダイの前記第1の表面部分内に集積されており、前記第2の電子部品は、前記ダイの前記第2の表面部分内に集積されている、電子デバイス。
【請求項16】
前記第2の電子部品は、
ゲートコンタクト領域と、
前記ヘテロ構造と前記ゲートコンタクト領域との間のチャネル変調領域と、を含む、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記基板領域と前記エピタキシャル多層膜との間にバッファ層を更に備える、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項18】
方法であって、
ウエハ上に画定層を形成することであって、前記画定層は、前記ウエハの第1の部分上の第1の部分と、前記ウエハの第2の部分上の第2の部分と、を有する、ウエハ上に画定層を形成することと、
前記画定層の前記第1の部分を除去することによって、前記ウエハの前記第1の部分を露出させることと、
前記ウエハの前記第1の部分上の第1の部分と、前記画定層上の第2の部分とを有する表面層を形成することと、
前記表面層の前記第1の部分上にマスクを形成することと、
前記表面層の前記第2の部分を除去することによって、前記画定層を露出させることと、
前記マスクの上方の第1の部分と、前記ウエハの前記第2の部分の上方の第2の部分とを有するワーク多層膜を形成することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記表面層を形成した後に、前記表面層の前記第1の部分内に、ドープ領域及び複数の絶縁部分を形成することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ワーク多層膜は、
バッファ層と、
前記バッファ層上のチャネル層と、
前記チャネル層上のバリア層と、を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異なる電子部品を集積する半導体電子デバイスの製造プロセス、及び半導体電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
同じシリコンダイ内に集積され、例えば、BCD(バイポーラ-CMOS-DMOS)技術を使用して作製される、シリコンに基づく能動及び/又は受動電子部品、例えば、CMOS、DMOS、BJTトランジスタ、ダイオード、抵抗器などを含む半導体電子デバイスが知られている。
【0003】
実際には、これらの電子部品の機能性は、単一半導体材料(シリコン)の電子特性に基づく。
【0004】
これらのデバイスは、互いに非常に異なる電圧で、例えば、論理機能の実装に使用されるCMOSトランジスタの場合の数ボルトから、電力用途に使用されるDMOSトランジスタの場合の数百ボルトまでで動作するデジタル回路、アナログ回路、及び電力回路を、同じダイ内にモノリシックに集積する。
【0005】
シリコンに基づく電子部品は、<100>シリコンウエハ上に成長させた単結晶シリコン領域に集積される。
【0006】
ヘテロ構造に基づく電子部品、例えば、HEMTトランジスタを含む半導体電子デバイスもまた知られている。
【0007】
実際には、これらの電子部品の動作は、2つの異なる半導体材料間のヘテロ接合の電子特性に基づく。
【0008】
詳細には、HEMTトランジスタおいて、導電性チャネルは、ヘテロ接合において、すなわち、異なるバンドギャップを有する半導体材料間の界面において形成される高移動度を有する二次元電子ガス(two-dimensional electron gas、2DEG)の層の形成に基づく。例えば、窒化アルミニウムガリウム(aluminum gallium nitride、AlGaN)層と窒化ガリウム(gallium nitride、GaN)層との間のヘテロ接合に基づくHEMTデバイスが知られている。
【0009】
特に、AlGaN/GaNヘテロ構造又はヘテロ接合に基づくHEMTデバイスは、これらを異なる用途に特に適し、かつ広く使用されるようにする様々な利点を提供する。例えば、HEMTデバイスの高い降伏閾値は、高性能電力スイッチに利用され、導電性チャネルにおける電子の高い移動度により、高周波数増幅器を形成することができ、更に、2DEG中の電子の高い濃度により、低いオン状態抵抗(RON)を得ることができる。
【0010】
更に、無線周波数(radio frequency、RF)用途のためのHEMTデバイスは、通常、同様のシリコンLDMOSデバイスよりも良好なRF性能を有する。
【0011】
ヘテロ構造に基づく電子部品は、<111>シリコンウエハ上、又はサファイア(Al)若しくは炭化シリコン(silicon carbide、SiC)基板上にエピタキシャル成長させたヘテロ構造内に集積される。
【0012】
簡単かつ低コストの製造プロセスを使用するために、ヘテロ構造ベースの電子部品及びシリコンベースの電子部品は、2つの異なるシリコンウエハから開始して、互いに異なるダイ内に集積される。このようにして、シリコンベースの部品の製造プロセス、及びヘテロ構造ベースの部品の製造プロセスは、互いに影響を及ぼさない。
【0013】
例えば、ヘテロ構造は、シリコンに基づく部品に損傷を与えることなく、高いサーマルバジェットを使用して成長させることができる。
【0014】
しかしながら、これは、シリコンに基づく部品及びヘテロ構造に基づく部品の両方を組み込む電子装置が、例えば、ダイ間の電気的接続によって導入される寄生容量、抵抗、又はインダクタンスに起因して、高い面積占有率、ひいては、高い製造コスト、高い電力消費、及び低い電気的性能を有する原因となる。
【0015】
1つの手法によれば、シリコンベースの部品が中に形成されたダイと、ヘテロ構造ベースの部品が中に形成されたダイとは、ダイ転写技術によって互いに接合される。
【0016】
しかしながら、この手法であっても、使用時のコスト、並びに製造及び電気的性能の信頼性の点で不利な点を有する。
【発明の概要】
【0017】
したがって、本開示によれば、半導体電子デバイスの製造プロセス、及び半導体電子デバイスが提供され、第1の部分と第2の部分とを有する基板層の第1の部分上に、単一半導体材料のエピタキシャル領域を形成することを含み、エピタキシャル領域は、基板層の反対側の第1の表面を有する。本プロセスは、基板層の第2の部分上に、ヘテロ構造を含むエピタキシャル多層膜を形成することと、エピタキシャル領域とエピタキシャル多層膜との間に、第1の表面と同一平面上の第2の表面を有する分離部分を形成することと、エピタキシャル領域上に第1の電子部品を形成することと、を含む。本プロセスは、ヘテロ構造上に第2の電子部品を形成することを含み、第1の電子部品を形成することは、エピタキシャル多層膜を形成した後に、エピタキシャル領域内に複数のドープ領域を形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示のより良好な理解のために、その実施形態が、単に非限定的な例として、添付の図面を参照してここで説明される。
図1】一実施形態による半導体電子デバイスの断面図を示す。
図2図1のデバイスの上面図を示す。
図3A】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3B】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3C】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3D】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3E】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3F】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3G】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3H】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3I】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3J】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3K】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3L】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3M】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
図3N】後続の製造工程における図1のデバイスの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、添付の図に示される配置を参照する。したがって、「上方」、「下方」、「下部」、「上部」、「右」、「左」、「高い」、「低い」などの表現は、添付の図に関するものであり、限定的に解釈されるべきではない。
【0020】
図1及び図2は、第1の軸X、第2の軸Y、及び第3の軸Zを有する直交座標系XYZにおける半導体電子デバイス(以下、単にデバイスと称する)1を示している。
【0021】
デバイス1は、ダイ3内に形成され、PMOSトランジスタ5A及びNMOSトランジスタ5Bが図1に示されている1つ以上のシリコンベースの電子部品5と、HEMTトランジスタ7が図1に示されている1つ以上のヘテロ構造ベースの電子部品とを備え、全てダイ3に集積されている。
【0022】
ダイ3は、基板領域10と、基板領域10上に延在し、特に基板領域と直接接触する表面領域12とを備える。
【0023】
基板領域10は、基板14と、基板14上に配置された1つ以上のエピタキシャル層とを備える。
【0024】
基板14は、半導体材料、特に単結晶材料の基板であり、上面14Aを有する。
【0025】
詳細には、この実施形態では、基板14は、<111>結晶方向に従って配向されている単結晶シリコンのものであり、特に上面14Aは、その結晶方向に配向されている。
【0026】
この実施形態では、基板領域10は、基板14の上面14Aの上に重なる第1のエピタキシャル層又は第1のディープ層15と、第1のディープ層15の上に重なる第2のエピタキシャル層又は第1の中間層16と、第1の中間層16の上に重なる第3のエピタキシャル層又は第2のディープ層17と、第2の中間層17の上に重なる第4のエピタキシャル層又は第2の中間層18と、を備える。
【0027】
エピタキシャル層15~18は、半導体材料、特に基板14の材料(ここでは、シリコン)と等しい材料のものであり、明確にするために、図1において破線によって識別されている。
【0028】
基板14及びエピタキシャル層15~18の、第3の軸Zに沿った厚さ、導電型(例えば、P又はN)、及びドーピングプロファイルは、デバイス1の特定の用途に応じて、設計段階において選択することができる。
【0029】
例えば、エピタキシャル層15~18は、各々、0.1μm~7μmに含まれる厚さを有することができる。
【0030】
例えば、この実施形態では、基板14は、例えば、0.1Ω・cm~20Ω・cmに含まれる抵抗率を有するP型のものであり、エピタキシャル層15~18は、N型のものである。このようにして、第1のディープ層15は、基板14とのPN接合を形成することができ、このPN接合は、使用時に、ダイ3内に集積されたデバイス5、7を基板14から絶縁するために使用することができる。
【0031】
第1のディープ層15及び第2のディープ層17は、第1の中間層16及び第2の中間層18と等しいか又は異なる、特にそれよりも高いドーピングレベルを有することができる。例えば、第1のディープ層15及び第2のディープ層17のドーピングレベルは、0.1Ω・cm~20Ω・cmに含まれ得、第1の中間層16及び第2の中間層18のドーピングレベルは、0.1Ω・cm~20Ω・cmに含まれ得る。
【0032】
第1のディープ層15の高いドーピングレベルにより、使用時に、第1のディープ層15と基板14との間の空乏領域が主に基板14内に延在し、それに伴って、基板14からの部品5、7の電気的絶縁を改善される。
【0033】
更に、第1のディープ層15の高ドーピングレベルは、例えば、シリコンベースの部品5がBJTトランジスタを含む場合、使用時に、第1のディープ層15が、ダイ3内に集積された電子部品の電流伝導領域として使用されることを可能にし得る。
【0034】
電子部品5、7が基板14に対して高い電圧で動作するように設計されている場合、例えば、特定の用途及び使用されるドーピングの型に応じて、基板14に対して約20Vからの正電圧、例えば60V、100V、又は650Vと記述されるそれぞれの端部に印加される5Vの電圧で正しく動作するように設計されている場合、第1のディープ層15及び第2のディープ層17の両方の存在は、デバイス1の製造を簡略化し、使用時にデバイス1の優れた電気的性能を得るのに有用であり得る。
【0035】
表面領域12は、第2の中間層18上に延在し、特にその中間層と直接接触しており、PMOSトランジスタ5A及びNMOSトランジスタ5Bが集積されている第1のデバイス部分20と、HEMTトランジスタ7が集積されている第2のデバイス部分21とを備える。
【0036】
第1のデバイス部分20は、上面20Aを有し、半導体材料、特に第2の中間層18と同じ材料、ここでは、単結晶シリコンのエピタキシャル領域23を備える。
【0037】
エピタキシャル領域23は、第2の中間層18から、特にここでは、その中間層と直接接触して、上面20Aまで延在する。
【0038】
第3の軸Zに沿った厚さ、導電型(例えば、P又はN)、及びエピタキシャル領域23のドーピングプロファイルは、デバイス1の特定の用途に応じて、設計段階において選択することができる。
【0039】
例えば、この実施形態では、エピタキシャル領域23は、N型のものである。
【0040】
第1のデバイス部分20は、エピタキシャル領域23内に延在し、かつシリコンベースの電子部品5の機能領域を形成する複数のドープ領域を備える。
【0041】
詳細には、図1の実施形態において、P++型のドープ領域25A、25Bは、上面20Aからエピタキシャル領域23内に延在する。ドープ領域25A、25Bは、それぞれ、PMOSトランジスタ5Aのソース領域及びドレイン領域を形成し、PMOSトランジスタ5Aのチャネル領域26を画定する。
【0042】
更に、N++型のドープ領域27は、上面20Aからエピタキシャル領域23内に延在し、PMOSトランジスタ5Aのボディコンタクト領域を形成する。
【0043】
更に図1の実施形態を参照すると、P型のドープ領域28は、上面20Aからエピタキシャル領域23内に延在し、NMOSトランジスタ5Bのボディ領域を形成する。
【0044】
N++型のドープ領域29A、29Bは、ドープ領域28内に延在し、NMOSトランジスタ5Bのソース領域及びドレイン領域をそれぞれ形成し、NMOSトランジスタ5Bのチャネル領域30を画定する。
【0045】
更に、P++型のドープ領域31が、ドープ領域28内に延在し、NMOSトランジスタ5Bのボディコンタクト領域を形成する。
【0046】
実際には、ドープ領域25A、25B、27、29A、29B、及び31、すなわち、ソース及びドレインドープ領域、並びにボディコンタクト領域は、例えば、ピーク濃度として5・1019原子/cm-3~5・1020原子/cm-3に含まれるドーピングレベルを有する高ドープ領域である。逆に、ドープ領域28、すなわち、ボディ領域は、ピーク濃度として、例えば、1・1016原子/cm-3~2・1018原子/cm-3に含まれるドーピングレベルを有する低ドーピング領域である。
【0047】
ドープ領域の数、配置、形状、サイズ、及びドーピングプロファイルは、設計段階において、ダイ3に集積される特定のシリコンベースの電子部品5、及びデバイス1の特定の用途に応じて選択することができる。
【0048】
絶縁材料、例えば酸化物の絶縁部分33は、特定の用途に応じて、上面20Aからエピタキシャル領域23内に延在することができる。
【0049】
特に、図1において、絶縁部分33は、ドープ領域27と25Aとの間に、25Bと31との間に、31と29Aとの間に、第1の軸Xに対して平行に延在する。
【0050】
例えば、酸化物又は窒化物の第1の絶縁層35は、第1のデバイス部分20の上面20A上に延在する。
【0051】
例えば、酸化物の第2の絶縁層36は、第1の絶縁層35上に延在する。
【0052】
シリコンベースの部品5の表面構造38は、第1のデバイス領域20の上面20A上に延在し、その上面と直接接触する。表面構造38は、シリコンベースのデバイス5の更なる機能領域を形成し、ダイ3内に集積された特定のシリコンベースの電子部品5に応じて、様々な導電性及び/又は絶縁性領域を含むことができる。
【0053】
この実施形態では、表面構造38は、PMOSトランジスタ5Aのチャネル領域26の上方、及びNMOSトランジスタ5Bのチャネル領域30の上方に、それぞれ延在するゲート絶縁領域40、41を備える。簡単にするために、ゲート絶縁領域40、41のうち、ここではポリシリコンであり、再度40、41で示され、各々がそれぞれの上面40A、41Aを有する、それぞれの導電領域のみが、図1に示されている。
【0054】
図1には示されていないが、ゲート絶縁領域40、41はまた、各々、それぞれのポリシリコン領域と上面20Aとの間に配置されたそれぞれの絶縁領域と、それぞれの表面40A、41Aと接触してそれぞれのゲート端子Gを形成する導電性材料、例えば、金属のそれぞれの接触領域とを含むこともできる。
【0055】
図1の実施形態では、表面構造38はまた、導電性材料のソースコンタクト領域42、43及びドレインコンタクト領域44、45も備え、これらは、第1の絶縁層35及び第2の絶縁層36を通って延在し、上面20Aと直接接触し、それぞれのソースS端子及びドレインD端子を形成する。
【0056】
詳細には、ソースコンタクト領域42、43は、PMOSトランジスタ5Aのソース領域25A、及びNMOSトランジスタ5Bのソース領域29Aとそれぞれ直接接触して延在する。
【0057】
更に、図示の実施形態では、ソースコンタクト領域42、43は、各々、それぞれのボディコンタクト領域27、31とも直接接触して延在する。
【0058】
ドレインコンタクト領域44、45は、それぞれ、PMOSトランジスタ5Aのドレイン領域25B、及びNMOSトランジスタ5Bのドレイン領域29Bと直接接触して延在する。
【0059】
表面領域12の第2のデバイス部分21は、上面21Aを有し、第2の中間層18上に延在し、かつそこから成長したエピタキシャル多層膜49を備える。
【0060】
エピタキシャル多層膜49は、HEMTトランジスタ7が集積されるヘテロ構造50を備える。
【0061】
図1の実施形態では、エピタキシャル多層膜49はまた、第2の中間層18とヘテロ構造50との間に配置されている、互いに重ね合わされた第1のバッファ層52及び第2のバッファ層53によってここに形成された遷移領域も備える。この遷移領域は、デバイス1の製造中に、第2の中間層18上のヘテロ構造50のエピタキシャル成長に有利に働くために有用であり得る。
【0062】
詳細には、例えば、窒化アルミニウム(aluminum nitride、AlN)の第1のバッファ層52は、第2の中間層18上に延在し、かつその中間層と直接接触し、例えば、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)の第2のバッファ層53は、第1のバッファ層52上に延在し、かつそのバッファ層と直接接触する。
【0063】
ヘテロ構造50は、周期表のIII族及びV族の元素を含む化合物半導体材料を備え、第2のデバイス部分21の上面21Aを形成する。
【0064】
第2のデバイス部分21の上面21Aは、デバイス1を製造するために使用される特定の製造工程に応じて、第1のデバイス部分20の上面20Aの座標と等しいか又はそれとは異なる、第3の軸Zに沿った座標において延在することができる。
【0065】
特に、この実施形態では、第2のデバイス部分21の上面21Aは、第1のデバイス部分20の上面20Aに対して、第3の軸Zに沿って測定された、より低い高さに配置される。これにより、デバイス1の製造が改善されることを可能にし得る。
【0066】
ヘテロ構造50は、互いに重なるチャネル層55及びバリア層56を備える。
【0067】
チャネル層55は、第1の半導体材料、例えば、窒化ガリウム(GaN)、又はInGaNなどの窒化ガリウムを含む合金のもの、ここでは、窒化ガリウム(GaN)のものであり、遷移領域上、特に第2のバッファ層53上に延在し、上面55Aを有する。
【0068】
バリア層56は、第2の半導体材料、例えば、AlGa1-xN、AlInGaN、InGa1-xN、AlIn1-xAl、AlScNなどの窒化ガリウムの三元又は四元合金に基づく化合物のもの、ここでは、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)のものであり、チャネル層55の上面55Aと、第2のデバイス部分21の上面21Aとの間に延在する。
【0069】
チャネル層55及びバリア層56は、特定の用途に応じて、真性、P型、又はN型であってもよい。特に、チャネル層55及びバリア層56の両方は、N型であってもよい。
【0070】
例えば、バリア層56がAlGaNのものである場合、アルミニウム原子の存在は、バリア層56をN型のものとすることができる。
【0071】
ヘテロ構造50は、チャネル層55とバリア層56との間の界面に、すなわち、チャネル層55の上面55Aに配置されている(可動)電荷キャリア、特にここでは、電子の二次元ガス(2DEG)を収容するように構成されている。
【0072】
例えば、酸化シリコンなどの、例えば、酸化物の上面58Aを有する絶縁層58は、上面21A上に延在する。
【0073】
絶縁層36はまた、第2のデバイス部分21上、特に絶縁層58上にも延在する。絶縁層58は、例えば、20nm~1μmを備えた厚さを有することができる。
【0074】
ヘテロ構造ベースの部品7の表面構造60は、第2のデバイス部分21の上面21A上に延在する。
【0075】
表面構造60は、ダイ3内に集積された特定のヘテロ構造ベースの電子部品7に応じて、ヘテロ構造ベースの部品7の機能領域を形成する様々な導電性及び/又は絶縁性領域とすることができる。
【0076】
ヘテロ構造ベースの電子部品7がHEMTトランジスタであるこの実施形態では、表面構造60は、第1の軸Xに沿って互いにある距離をおいて延在する、導電性材料のソース領域61及びドレイン領域62を備える。
【0077】
ソース領域61及びドレイン領域62は、ヘテロ構造50と、特にチャネル層55とバリア層56との間の界面に形成される二次元ガスと電気的に接触し、特にオーミック接触しており、それぞれ、HEMTトランジスタ7のソース端子S及びドレイン端子Dを形成する。
【0078】
図1の実施形態では、ソース領域61及びドレイン領域62は、第3の軸Zに対して平行に、絶縁層36、58を通って上面21Aまで延在する。
【0079】
ただし、ソース領域61及びドレイン領域62は、特定の用途に応じて、第3の軸Zに対して平行に、また、ヘテロ構造50を部分的に通って、例えば、バリア層56の一部に対して、又はバリア層56の厚さ全体にわたって表面55Aまで延在することができる。
【0080】
表面構造60はまた、ここではチャネル変調領域64及びゲートコンタクト領域65によって形成されたゲート構造も備え、それらの領域は、ソース領域61とドレイン領域62との間のヘテロ構造50内の二次元ガスの形成を電気的に制御するようにバイアスすることができる。ゲート構造は、HEMTトランジスタ7のゲート端子Gを形成する。
【0081】
この実施形態では、HEMTトランジスタ7は、ノーマリオフ型、すなわち、エンハンスメント型のトランジスタである。
【0082】
詳細には、この実施形態では、チャネル変調領域64は、半導体材料のものであり、バリア層56に対して異なる導電型、例えば、P型を有する。特に、チャネル変調領域64は、P型窒化ガリウム(p-GaN)であってもよい。
【0083】
ただし、チャネル変調領域64は、適切な仕事関数を有する制御電極として使用される誘電体層、金属層、及び/又は半導体層を含む異なる材料のセットによって形成されてもよい。
【0084】
チャネル変調領域64は、第1の軸Xに沿ってソース領域61とドレイン領域62との間の上面21A上に延在し、上面64Aを有する。
【0085】
チャネル変調領域64の上面64Aは、デバイス1を製造するために使用される特定の製造工程に応じて、ゲート絶縁領域40、41の上面40A、41Aの座標と等しいか、又はそれらの座標とは異なる、第3の軸Zに沿った座標において延在してもよい。
【0086】
特に、この実施形態では、チャネル変調領域64の上面64Aは、第3の軸Zに沿って測定された、第2の中間層18からのゲート絶縁領域40、41の上面40A、41Aの距離に対してより小さい、第3の軸Zに沿って測定された、第2の中間層18からの距離に配置されている。これにより、デバイス1の製造の信頼性を高めることができる。
【0087】
導電性材料のゲートコンタクト領域65は、チャネル変調領域64と電気的に接触して、特にここでは、上面64Aと接触して延在する。
【0088】
ダイ3の表面領域12はまた、第1のデバイス部分20と第2のデバイス部分21との間の第2の中間層18上に、その中間層と直接接触して延在する残留分離部分70も備える。
【0089】
図2の概略上面図に見られるように、残留分離部分70は、第2のデバイス部分21を取り巻く。
【0090】
再び図1を参照すると、残留分離部分70は、上面を有し、その上面は、この実施形態では、第1のデバイス部分20の上面20Aと連続し、特に整列しており、その結果、同じ参照番号で示されている。
【0091】
残留分離部分70は、第1の軸Xに対して平行に、第2のデバイス部分21に対して横方向に隣接している。
【0092】
詳細には、残留分離部分70は、第1のデバイス部分20に隣接する第1の側壁71と、第1の側壁71に対向し、かつ第2のデバイス部分21に隣接する第2の側壁72とを有する。
【0093】
残留分離部分70は、第2の中間層18上に延在し、かつその中間層と直接接触する、例えば、酸化物、特に酸化シリコンを含む画定領域75と、画定領域75上に延在し、かつその画定領域と直接接触する、第1のデバイス部分20のエピタキシャル領域23と同じ材料(シリコン)の多結晶領域76とを含む。
【0094】
画定領域75は、例えば、酸化物、特に酸化シリコンの単一層によって、又は例えば、酸化物の1つ以上の層、及び/若しくは窒化物の1つ以上の層を備える多層膜によって、形成されてもよい。
【0095】
詳細には、一実施形態によれば、画定領域75は、酸化シリコンであってもよい。
【0096】
異なる実施形態によれば、画定領域75は、酸化物層、特に酸化シリコンと、窒化物層とを含むことができる。一実施形態によれば、酸化物層は、半導体層18と直接接触してもよい。
【0097】
画定領域75は、例えば、7nm~300nm、特に70Å~200Åに含まれる、第3の軸Zに沿った厚さを有してもよい。
【0098】
この実施形態では、多結晶領域76は、多結晶構造を有する。
【0099】
この実施形態では、多結晶領域76は、エピタキシャル領域23とモノリシックである。
【0100】
第1の側壁71の傾斜は、エピタキシャル領域23の結晶方位、及び画定領域75の、第3の軸Zに沿った厚さに依存し得る。例えば、エピタキシャル領域23が<111>結晶方向に従って配向されている場合、第1の側壁71は、第1の軸Xに対して平行な方向と約54°の角度を形成し得る。
【0101】
多結晶領域76は、上面20Aからある距離をおいて延在する。
【0102】
絶縁材料、例えば、酸化物の絶縁領域77は、第1のデバイス部分20と、第2のデバイス部分21との間で、上面20Aからダイ3内に延在する。
【0103】
詳細には、絶縁領域77は、第3の軸Zに対して平行に、エピタキシャル領域23内の上面20Aから第1のデバイス部分20内に延在し、残留分離部分70内で上面20Aと多結晶領域76との間に延在する。
【0104】
図1の実施形態では、エピタキシャル多層膜49は、隆起表面78を形成する残留分離部分70の第2の側壁72上に共形的に延在する部分を備える。
【0105】
隆起面78は、上面21Aに対してより大きく、かつ、ここでは絶縁層58の上面58Aよりも更に大きい、第3の軸Zに沿った座標に配置されている。
【0106】
残留分離部分70の形状及び構造は、デバイス1を製造するために使用される特定の製造工程に応じて変化し得る。
【0107】
エピタキシャル多層膜21とエピタキシャル領域23との間に多結晶領域76が存在することは、エピタキシャル多層膜を形成する材料(例えば、GaN)と、エピタキシャル領域を形成する材料(例えば、シリコン)との間の格子不整合によって生じる応力を低減するのに有用であり得る。結果として、多結晶領域の存在は、ダイ3における転位のリスク(したがって、デバイス1の起こり得る破壊)の低減に寄与し得る。
【0108】
デバイス1は、シリコンベースの部品5及びヘテロ構造ベースの部品7が、異なるダイに集積される電子デバイスに対して小さい寸法を維持しながら、シリコンベースの部品5及びヘテロ構造ベースの部品7の機能性を単一のダイ内に組み合わせることを可能にする。
【0109】
更に、シリコンベースの部品5とヘテロ構造ベースの部品7との間の電気接続は、ダイ3上に直接形成することができる。これにより、使用時に、デバイス1の高い電気的性能を確保することができる。例えば、様々な部品のスイッチング速度に関して、それらの間の電気接続に関連する最小抵抗損失、及び寄生インダクタンスの存在による最小過電圧効果である。
【0110】
以下に、図3A図3Nを参照して、半導体電子デバイス1の製造工程を説明する。
【0111】
図3Aは、上面100Aを有する単結晶半導体材料、特にシリコンのウエハ100の断面を示す。図1を参照して既に説明されたものと共通のウエハ100の要素は、同じ参照番号で示され、更に詳細には説明されない。
【0112】
ウエハ100は、基板14を備え、基板14の上に既に成長されたエピタキシャル層15、16、17、及び18を有する。
【0113】
第4のエピタキシャル層又は第2の中間層18は、ウエハ100の上面100Aを形成する。
【0114】
第2の中間層18は、第1の部分101Aであって、その上に第1のデバイス部分20が形成されることが意図されている、すなわち、そこにPMOS 5Aトランジスタ及びNMOS 5Bトランジスタが集積されることが意図されている、第1の部分101Aと、第2の部分101Bであって、その上に第2のデバイス部分21が形成されることが意図されている、すなわち、その上にエピタキシャル多層膜49が成長され、かつHEMTトランジスタ7が集積されることが意図されている、第2の部分101Bとを備える。
【0115】
続いて、図3Bでは、例えば、酸化物、特に酸化シリコンを含む画定層102が、上面100A上に形成される。
【0116】
画定層102は、図1の画定領域75について説明したように、異なる材料の1つ以上の層によって形成することができる。
【0117】
画定層102は、第3の軸Zに沿って、例えば7nm~300nm、特に70Å~200Åに含まれる薄い厚さを有することができる。
【0118】
画定層102は、画定領域75(図1)を形成することが意図されている。
【0119】
画定層102は、第2の中間層18の表面部分の酸化によって、又は上面100A上への堆積によって形成することができる。酸化の場合、第2の中間層18の厚さは、図3Aの層18に対する酸化に応答して減少し得る。しかしながら、第2の中間層18の厚さに対して画定層102の厚さがはるかに小さいことを考慮すると、簡略化のために、第2の中間層18の厚さは、第1近似として、酸化の前後で同じままであると仮定することができる。
【0120】
次に、図3Cにおいて、画定層102は、第2の中間層18の第1の部分101A(その上に第1のデバイス部分20が形成されることが意図されている)、すなわち、上にエピタキシャル領域23が形成されることが意図されている第2の中間層18の部分において、除去される。したがって、画定層102のうち、以下で成長マスク103とも呼ばれる部分が残る。
【0121】
実際には、成長マスク103は、第2の中間層18の第1の部分101Aを露出させ、第2の中間層18の第2の部分101Bを覆う。
【0122】
図3Dでは、半導体材料、特に第2の中間層18と同じ材料(ここでは、シリコン)の表面層105が、ウエハ100上に成長される。
【0123】
表面層105は、上面105Aを有する。
【0124】
表面層105は、第2の中間層18から、特にそれぞれの第1の部分101Aから第3の軸Zに対して平行に成長するエピタキシャル部分106と、成長マスク103上で第3の軸Zに対して平行に成長する犠牲部分107とを含む。
【0125】
単結晶基板から成長するエピタキシャル部分106は、第2の中間層18の単結晶構造を維持し、第1のデバイス部分20のエピタキシャル領域23を形成することが意図されている。
【0126】
犠牲部分107は、非結晶基板から成長し、多結晶構造を有する。
【0127】
図3Eでは、NMOSトランジスタ5Bのボディ領域に対応するドープ領域28、及び任意選択的に、絶縁層108が、表面層105内に形成される。
【0128】
詳細には、ボディ領域28は、エピタキシャル部分106内に形成され、そこには、シリコンベースの部品5が形成される。
【0129】
ボディ領域28は、ドーピングイオン注入によって形成されてもよい。
【0130】
例えば、酸化シリコンの絶縁層108は、絶縁部分33(図1)と、絶縁領域77(図1)を形成することが意図された部分109とを形成する。
【0131】
絶縁層108は、表面層105に絶縁トレンチ、例えば、シャロートレンチアイソレーション(Shallow Trench Isolation、STI)を形成することによって、形成されてもよい。この場合、エピタキシャル部分106の厚さ、及び犠牲部分107の厚さは、絶縁層108の形成に応答して減少し得る。
【0132】
更に、再び図3Eを参照すると、1つ以上の表面層110は、デバイス1のダイ3に集積することが望まれる特定のシリコンベースの電子部品5に従って、表面層105の上面105A上に形成され得る。
【0133】
図示の実施形態では、表面層110は、PMOSトランジスタ5A及びNMOSトランジスタ5Bのゲート絶縁領域40、41(図1)を形成することが意図された層である。特に、表面層110のうち、ここでは依然として110によって示されるポリシリコンの単一ゲート層のみが、ここでは示されている。ただし、ここでは図示されていない酸化物層が、上面105Aとポリシリコン層110との間に、それ自体公知の方法で形成される。
【0134】
ポリシリコン層110は、上面110Aを有する。
【0135】
上面111Aを有する、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、及び炭化シリコンのうちの1つ以上を含む、例えば単一層又は絶縁多層膜の、例えば絶縁材料のマスク犠牲層111もまた、ゲート層110の表面110A上に形成される。
【0136】
図3Fでは、開口部113が、犠牲部分107の上方に開けられている。
【0137】
この開口部113は、層110、111の一部を選択的に除去することによって形成され、それによって、下にある犠牲部分107を露出させる。
【0138】
犠牲層111の残りの部分は、エッチングマスクとして使用することができる。
【0139】
続いて、図3Gに示すように、エッチングマスク111を用いて、開口部113において絶縁層108及び犠牲部分107を除去する。
【0140】
したがって、犠牲部分107のうち、エッチングマスクの下に配置された部分が残り、これが、図1の多結晶領域76を形成することになる。
【0141】
図3Gのエッチングに続いて、犠牲部分107に形成された凹部は、開口部113と連続しており、成長マスク103の一部を露出させる。
【0142】
図3Hでは、成長マスク103の露出部分が除去される。したがって、成長マスク103のうち、ワーク多結晶領域76の下に配置された部分、すなわち、図1の画定領域75が残る。
【0143】
成長マスク103の露出部分のエッチングは、下にある第2の中間層18を第1近似までエッチングしない選択的化学薬品を使用して実行され得る。
【0144】
したがって、図3Hのエッチングに続いて、開口部113はまた、第2の中間層18の第2の部分101Bも露出させる。
【0145】
次に、図3Iにおいて、図1のエピタキシャル多層膜49を形成することが意図されているワーク多層膜114が、ウエハ100上に成長される。
【0146】
詳細には、図1のバッファ層52に対応し、したがって、同じ参照番号によって示される第1のバッファ層が、ウエハ100上に成長される。第1バッファ層52は、上面100Aの露出部分上に、第2の側壁72上に、かつエッチングマスク111上に延在する。
【0147】
図1のバッファ層53に対応し、したがって、同じ参照番号で示される第2のバッファ層は、第1のバッファ層52上に成長される。
【0148】
図1のチャネル層55に対応し、したがって、同じ参照番号で示されるチャネル層は、第2のバッファ層53上に成長される。
【0149】
図1のバリア層56に対応し、したがって、同じ参照番号で示されるバリア層は、チャネル層55上に成長される。
【0150】
ワーク多層膜114は、エッチングマスク111上に、かつ残留部分70の第2の側壁72上に延在する高架部分115と、第2の中間層18の上面100A上に直接延在する有用部分116とを含む。
【0151】
有用部分116は、実質的に平坦である、特に上面100Aに対して実質的に平行である、上面116Aを有する。
【0152】
第2の中間層18上に成長した有用部分116は、単結晶型のものであり、ヘテロ構造ベースのデバイス7を集積するために使用される。
【0153】
次に、図3Jにおいて、チャネル変調領域64は、それ自体既知の方法で、例えば、特定の層を成長させて画定することによって、有用部分116の上面116A上に形成される。
【0154】
実際には、この実施形態では、ワーク多層膜114の有用部分116はまた、チャネル変調領域64も含む。
【0155】
したがって、ここでは、変調領域64の表面64Aは、有用部分116の最も高架の表面、すなわち、表面100Aから第3の軸Zに沿って最大距離にある有用部分116の表面を形成する。
【0156】
エッチングマスク111が延在する表面110Aは、表面100Aから第3の軸Zに沿って、有用部分116の最も高架の表面に対してより大きく、かつ表面110Aに対してより低い距離に配置され得る。これは、チャネル変調領域64を保護するために、したがって、デバイス1の製造プロセスの信頼性を高めるために、後続の製造工程において有用であり得る。
【0157】
例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、及び炭化シリコンのうちの1つ以上を含む、例えば、単層又は絶縁多層の絶縁材料の保護層118が、図3Kに示すように、バリア層56上に形成される。保護層118は、第3の軸Zに沿って、チャネル変調領域64の厚さよりも大きい、例えば、10nm~500nmに含まれる厚さを有する。
【0158】
言い換えれば、保護層118は、チャネル変調領域64を完全に覆う。
【0159】
保護層118は、有用部分116において、有用部分116の上面116Aと面する上面118Aを有する。
【0160】
この実施形態では、保護層118の上面118Aは、表面100Aから第3の軸Zに沿った高さまで延在し、その高さは、表面100Aから第3の軸Zに沿った、エッチングマスク111の上面111Aの高さよりも低い。これは、チャネル変調領域64を保護するために、したがって、デバイス1の製造プロセスの信頼性を高めるために、後続の製造工程において有用であり得る。
【0161】
更に、この実施形態では、保護層118の上面118Aと、チャネル変調領域64の上面64Aとの間の、第3の軸Zに沿った距離は、第3の軸Zに沿ったエッチングマスク111の厚さよりも大きい。これは、チャネル変調領域64を保護するために、したがって、デバイス1の製造プロセスの信頼性を高めるために、後続の製造工程において有用であり得る。
【0162】
図3Lにおいて、ワーク多層膜114の高架部分115は、エッチングマスク111の上面111Aまで少なくとも部分的に除去され、それによって、エッチングマスク111を露出させる。
【0163】
この除去は、平坦化、例えば、化学機械研磨(chemical-mechanical polishing、CMP)又は他のエッチング技術によって実行されてもよい。
【0164】
図示の実施形態では、ワーク多層膜114の高架部分115の除去後、エッチングマスク111の上面111Aと同じ高さで、隆起部分78を形成する第2の側壁72上に延在する部分のみが残る。
【0165】
保護層118のうち、ワーク多層膜114の有用部分116上に延在する、依然として118によって示される部分が残る。
【0166】
次に、図3Mに示すように、ウエハ100をエッチングして、エッチングマスク111を除去し、したがって、ゲート層110を露出させる。
【0167】
この実施形態では、エッチングマスク111のエッチングはまた、保護層118もエッチングし、したがって、その厚さを減少させる。ただし、エッチングマスク111の厚さは、チャネル変調領域64の上面64と、保護層118の上面118Aとの間の距離よりも小さいため、残った保護層118は、依然としてチャネル変調領域64を完全に覆う。その結果、チャネル変調領域64は、図3Mのエッチングによって損傷を受けることはない。
【0168】
エッチングの後、保護層118は、図1を参照して説明した絶縁層58を形成する。
【0169】
エッチングマスク111及び保護層118を形成する材料、並びにエッチングマスク111を除去するために使用される特定のエッチングによれば、図3Mのエッチングは、エッチングマスク111のみを選択的に除去し、かつ保護層118を除去しない場合がある。
【0170】
続いて、図3Nにおいて、ゲート層110が画定され、それによって、ゲート絶縁領域40、41が形成される。更に、(高)ドープ領域25A、25B、27、29A、29B、31は、表面層105のエピタキシャル部分106内に形成される。例えば、それらは、マスキング及びイオン注入の後続の動作を通して画定されてもよい。
【0171】
ウエハ100の絶縁層及び/又はパッシベーション層(例えば、図1の酸化物層35、36)を形成し、そして電子部品5、7の金属コンタクト領域(例えば、図1の領域42~45、及び61、62、65)を形成するための、ここでは示されていない製造工程が続く。
【0172】
更に、ここでは図示されていないが、例えば、金属相互接続の上部層を形成し、ウエハをダイシングするなどの最終製造工程が続き、これによりデバイス1が形成される。
【0173】
実際には、本製造プロセスにおいて、シリコンベースの部品5(ここでは、PMOS 5Aトランジスタ、NMOS 5Bトランジスタ)のドープ領域25A、25B、27、28、29A、29B、31の少なくとも一部は、エピタキシャル多層膜49を成長させた後に形成される。
【0174】
特に、シリコンベースの部品5の高ドーピングドープ領域、すなわち、ここでは、ソース領域25A、29A及びドレイン25B、29B領域、並びにトランジスタ5A、5Bのボディコンタクト領域27、31は、エピタキシャル多層膜49を成長させた後に形成される。
【0175】
これは、エピタキシャル多層膜49、114が、エピタキシャル多層膜49の良好な成長品質を得ること、及び同時に、シリコンベースの部品5の製造に悪影響を及ぼさないことを可能にする高いサーマルバジェットを使用して成長されることを可能にする。
【0176】
例えば、実際には、AlNの第1のバッファ層52の成長は、約1100℃の温度で約15~30分に含まれる時間間隔にわたって行われてもよく、第2のバッファ層53、チャネル層55、バリア層56、及びチャネル変調領域64を形成するGaN層及びAlGaN層の成長は、後続の成長工程において、各々、約1030℃~1080℃の温度で約5~15分の間隔にわたって行われてもよい。このサーマルバジェットは、トランジスタ5A、5Bの高ドーピング領域のドーピング原子の拡散、ひいては、製造プロセスの信頼性の低下を引き起こす。
【0177】
逆に、本製造プロセスは、シリコンベースの電子部品5、及びヘテロ構造ベースの電子部品7の両方が同じダイに集積されることを可能にし、また同時に、ヘテロ構造50の高い結晶学的品質、及びシリコンベースの部品5の高い製造信頼性の両方が得られることを可能にする。その結果、シリコンベースの部品5、及びヘテロ構造ベースの部品7は、使用時に高い電気的性能を有することができる。
【0178】
更に、シリコンベースの部品5がMOSトランジスタ5A、5Bを含む図示された実施形態では、ワーク多層膜114がゲート絶縁層110の形成後かつゲート絶縁層110の画定前に成長されることができるという事実により、エピタキシャル多層膜49の形成に関連する製造工程を簡略化することができる。
【0179】
実際には、例えば、ゲート絶縁層110は、エッチングマスク111の形成のための支持体として使用することができる。
【0180】
更に、図3A図3Nの製造プロセスの実施形態を依然として参照すると、成長マスク103の使用は、シリコンベースの電子部品5が形成される単結晶のエピタキシャル部分106を成長させることと、上にワーク多層膜114が成長する成長マスク103の下の上面100Aの表面品質を保護することと、の両方を同時に可能にし得る。
【0181】
成長マスク103が酸化物、特に酸化シリコンを含み得るという事実により、成長マスク103は、第2の中間層18を除去するために使用可能な化学種とは異なる化学種によってエッチング可能になる。その結果、下にある上面100Aを露出させる犠牲部分107を通る開口部又は凹部113は、少なくとも第1近似に対して、ワークエピタキシャル多層膜114(図3G図3I)を成長させる表面100Aの品質に影響を与えることなく形成することができる。
【0182】
特に、成長マスク103が、半導体層18と直接接触する酸化物を含む層、を含むという事実は、エピタキシャル多層膜49を成長させる表面100Aを損傷するリスクを更に低減することを可能にし得る。
【0183】
特に、成長マスク103が酸化シリコンのものであり、かつ層18がシリコンのものであるという事実は、層18のシリコンに対して成長マスク103の高度に選択的なエッチング速度を得ることを可能にする。更に、湿式エッチングを使用して、ワークエピタキシャル多層膜114の成長前に、表面100Aを洗浄することもできる。
【0184】
実際には、成長マスク103は、上に重なる犠牲部分107のエッチング中に停止層として使用することができ、したがって、上に重なる犠牲部分107の完全な除去を確実にする。更に、成長マスク103内の開口部の形成は、下にある表面100Aの品質、例えば、テラス形成及びピッティングに対して影響を与えない。
【0185】
エピタキシャル多層膜49、したがって、ヘテロ構造50は、高い結晶学的品質を有することができる。その結果、ヘテロ構造50における二次元ガスの形成に基づいて機能する対応する電子部品7は、使用時に高い電気的性能を有することができる。
【0186】
同時に、電子部品5もまた、高い結晶学的品質を有し得る単結晶シリコン層(エピタキシャル部分106)に集積される。その結果、電子部品5は、使用時に高い電気的性能を有することができる。
【0187】
更に、成長マスク103の厚さは、エピタキシャル多層膜49を形成するためのマスクとして使用されるのに十分厚く、同時に、表面層105の上面105Aの非平坦性を最小限に抑えるのに十分薄くすることができる。実際には、表面層105の上面105Aは、実質的に平坦であると見なすことができる。これは、シリコンベースの電子部品5、及びヘテロ構造ベースの電子部品7の両方の形成をもたらす、後続の製造工程を容易にすることができる。
【0188】
半導体電子デバイス1を形成するための出発基板として<111>シリコンの基板14を使用する可能性は、特にチャネル層55がGaNのものである場合に、ヘテロ構造50の高いエピタキシャル品質が得られることを可能にし得る。その結果、ヘテロ構造ベースの電子部品7は、優れた電気的性能を有することができる。また、本出願人は、<111>シリコンの基板14を使用することによって、シリコンベースの電子部品5の優れた電気的性能を得ることができることも確認した。
【0189】
ただし、上述の製造工程及びそれぞれの実行順序は、使用される特定のプロセス及び機械類に応じて、図3A図3Nに示されたものとは異なってもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0190】
例えば、エピタキシャル多層膜49は、表面層105の前に成長させてもよい。
【0191】
例えば、NMOS、PMOSトランジスタのボディ領域は、絶縁酸化物(33、108)を形成する前に形成されてもよいし、フィールド絶縁(STI)を形成した後に注入されてもよい。特に、それらは、PMOS、NMOSトランジスタのゲート構造を形成する酸化物を形成する前に、すなわち、例えば、ポリシリコン層110を堆積する前に、形成される。
【0192】
例えば、多層膜114は、露出部分101Bのみから選択的に成長してもよい。この場合、部分115は存在しない。その結果、図3Lの除去は、なくてもよい。
【0193】
最後に、添付の特許請求の範囲において定義されるような本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において記載及び図示される電子デバイス1及び製造プロセスに対して他の修正及び変形が行われ得ることは明らかである。
【0194】
電子デバイス1は、PMOS 5Aトランジスタ及びNMOS 5Bトランジスタに加えて、又はその代わりに、ダイ3内に集積された能動及び/又は受動の他のシリコンベースの電子部品5を備えてもよい。
【0195】
例えば、図2に示すように、シリコンベースの電子部品5はまた、バイポーラトランジスタ5Cと、ダイオード及び抵抗器などの受動部品5Dとを含むこともできる。図2において、バイポーラトランジスタ5C及び受動部品5Dは、互いに別個であり、かつ破線によって概略的に示されるそれぞれのデバイス部分120、121に集積される。
【0196】
例えば、デバイス部分120、121は、基板領域10上に成長させたそれぞれの単結晶シリコンエピタキシャル領域内に形成され、特にエピタキシャル領域23とモノリシックに形成される。
【0197】
絶縁領域、例えば、浅い又は深いトレンチは、それ自体既知の方法で、部分120、121、及び20間に配置されてもよく、その結果、それぞれの電子部品は、使用中、互いに電気的に絶縁される。
【0198】
デバイス1はまた、図2に示されるものに加えて、又はその代わりに、ダイ3内に集積された他のシリコンベースの電子部品5を備えてもよい。例えば、部品5は、例えば、15V~20Vの中電圧用途のためのMOSトランジスタ、例えば、20V~200Vの動作電圧での用途のためのDMOSトランジスタ及び/又はドリフトMOSトランジスタ、薄膜抵抗器、OTP又はMTPメモリ、相変化メモリ、などを含むことができる。
【0199】
互いに異なる型のシリコンベースの電子部品5の集積は、それ自体知られており、したがって、ここでは更に示されない製造工程を通して、例えば、BCD技術を通して実行され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0200】
例えば、様々な半導体領域の導電型のn又はpは、説明されたものに関して反転されてもよい。
【0201】
例えば、エピタキシャル多層膜49は、ヘテロ構造50のみを含んでもよい。言い換えれば、ヘテロ構造50は、基板領域10上に直接成長させてもよい。
【0202】
例えば、層14~18は、特定の用途に応じて、ドーピング種(P又はN)の1つ以上の拡散領域を含んでもよい。
【0203】
例えば、ヘテロ構造ベースの部品7は、HEMTトランジスタ7以外の電子部品を含んでもよい。
【0204】
例えば、HEMTトランジスタ7は、ノーマリオフ型であってもよく、ゲート構造は、前述したものと異なっていてもよい。例えば、ゲート構造は、リセス型であってもよく、かつ/又はゲート構造の製造は、ゲート構造下でフッ素プラズマの使用を含んでもよい。あるいは、HEMTトランジスタ7は、ノーマリーオン型、すなわち、デプレッション型であってもよい。
【0205】
例えば、図1を参照すると、第1のデバイス部分20と第2のデバイス部分21との間に延在する絶縁領域77は、示されているものとは異なる形状及び構造を有してもよい。例えば、それは、第3の軸Zに沿ってダイ3内のより深い深さまで延在する1つ以上のトレンチであってもよい。
【0206】
例えば、基板領域10を形成するエピタキシャル層の数は、特定の用途に応じて異なってもよい。
【0207】
例えば、エピタキシャル多層膜49及びエピタキシャル領域23の、第3の軸Zに沿った所望の厚さに応じて、第2の中間層18は、なくてもよく、エピタキシャル多層膜49は、第2のディープ層17上に直接成長させてもよい。
【0208】
中電圧又は低電圧(例えば、7V~40V)の用途の場合、基板領域10は、基板14及び第1のディープ層15(又は第1の中間層16)のみを備えてもよい。実際には、この場合、エピタキシャル多層膜49は、第1のディープ層15上に直接成長させることができ、又はもしあれば、第1の中間層16上に成長させることができる。
【0209】
例えば、電子部品5は、シリコン以外の単一半導体、例えば、Ge、SiGeなどに基づく電子部品であってもよい。
【0210】
半導体電子デバイスを製造するためのプロセスは、第1の部分(101A)と、第1の部分とは異なる第2の部分(101B)とを有する半導体材料の基板層(18)を含むウエハ(100)を提供することと、基板層の第1の部分(101A)上に単一半導体材料のエピタキシャル領域(23、106)を成長させることと、基板層の第2の部分(101B)上に、ヘテロ構造(50)を含むエピタキシャル多層膜(49、114)を成長させることと、エピタキシャル領域(23、106)から、単一半導体材料に基づいた第1の電子部品(5A、5B、5C、5D)を形成することと、ヘテロ構造から、ヘテロ構造に基づいた第2に電子部品(7)を形成することと、を含み、第1の電子部品を形成することは、エピタキシャル多層膜を成長させる工程の後に、エピタキシャル領域(23)内に複数のドープ領域(25A、25B、27、29A、29B、31)を形成することを含むものとして、要約される。
【0211】
第1の電子部品は、MOSトランジスタ(5A、5B)であり、複数のドープ領域を形成することは、エピタキシャル領域内に、MOSトランジスタのソース領域(25A、29A)、ドレイン領域(25B、29B)、及びボディコンタクト領域(27、31)のうちの1つ以上を形成することを含む。
【0212】
第1の電子部品は、ゲート絶縁領域(40、41)を有するMOSトランジスタ(5A、5B)であり、第1の電子部品を形成することは、エピタキシャル多層膜(114、49)を成長させる前に、エピタキシャル領域(106)上に、例えば、ポリシリコンのゲート絶縁層(110)を形成することと、エピタキシャル多層膜を成長させる工程の後に、ゲート絶縁層を画定し、それによって、ゲート絶縁領域を形成することと、を更に含む。
【0213】
ドープ領域は、1・1016原子/cm~4・1021原子/cmに含まれるドーピングレベルを有する。
【0214】
エピタキシャル多層膜を成長させることは、基板層(18)上に成長マスク(103)を形成することと、成長マスク(103)に開口部を形成し、それによって、基板層の第2の部分を露出させることと、を含む。
【0215】
成長マスク(103)は、エピタキシャル領域を成長させる前に形成され、成長マスクは、基板層(18)の第1の部分(101A)を露出させる。
【0216】
エピタキシャル領域を成長させることは、基板層(18)の第1の部分(101A)上に延在する第1の部分(106)と、成長マスク(103)上に延在する第2の部分(107)と、を有する単一半導体材料の表面層(105)を成長させることを含み、成長マスク(103)内に開口部を形成することは、表面層の第2の部分(107)に、成長マスクまで延在する凹部を形成することを含む。
【0217】
製造プロセスは、表面層(105)の第1の部分(106)の上方に延在し、かつ表面層(105)の第2の部分(107)の上方に開口部(113)を有するエッチングマスク(111)を形成することを更に含み、エピタキシャル多層膜を成長させることは、基板層(18)の第2の部分(101B)上に延在する第1の部分(116)と、エッチングマスク上に延在する第2の部分(115)と、を有するワーク多層膜(114)を成長させることと、ワーク多層膜の第2の部分(115)を除去することと、を含み、エッチングマスク(111)は、方向(Z)に沿った基板層(18)から、ワーク多層膜の第1の部分(116)よりも高い位置に配置されている表面(110A)からの方向(Z)に沿って延在する。
【0218】
成長マスク(103)は、酸化物層、例えば、酸化シリコンを含む。
【0219】
成長マスク(103)は、7nm~300nmに含まれる厚さを有する。
【0220】
第2の電子部品は、HEMTトランジスタ(7)であり、ヘテロ構造は、例えば、GaNを含む、周期表のIII族及びV族の材料に基づく。
【0221】
HEMTトランジスタは、上面(64A)を有する半導体材料のチャネル変調領域(64)を含み、第2の電子部品を形成することは、チャネル変調領域(64)の上面(64A)が、ゲート絶縁層(110)の上面(110A)と、基板層との間の方向(Z)に沿った距離よりも小さい、方向(Z)に沿った基板層(18)からの距離に配置されるように、ヘテロ構造(50)上にチャネル変調領域を成長させることを含む。
【0222】
ウエハは、第1の導電型(P)を有する基板(14)と、第1の導電型とは異なる第2の導電型(N)を有し、かつ基板の上方に延在する、基板層(15、16、17、18)とを含む。
【0223】
単一半導体材料は、シリコンであり、ウエハ(100)は、単結晶シリコン、特に<111>シリコンのものである。
【0224】
半導体電子デバイス(1)は、ダイ(3)と、単一半導体材料に基づく第1の電子部品(5)と、ヘテロ構造に基づく第2の電子部品(7)と、を含むものとして要約され、ダイは、半導体材料の基板領域(10)と、基板領域上に延在する単一半導体材料の単結晶領域(23)を含む第1の表面部分(20)と、第1の表面部分とは異なり、かつ基板領域上に延在するエピタキシャル多層膜(49)を含む第2の表面部分(21)を含み、エピタキシャル多層膜は、ヘテロ構造(50)を含み、第1の電子部品(5)は、ダイの第1の表面部分に集積され、第2の電子部品(7)は、ダイの第2の表面部分に集積される。
【0225】
上で説明される様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、及び刊行物の概念を採用するように変更して、更なる実施形態を提供することができる。
【0226】
これらの変更及び他の変更は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されるものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図3N
【外国語明細書】