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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024053
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】距離測定装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20250212BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
A63B71/06 M
G01C3/06 120Q
A63B71/06 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024196443
(22)【出願日】2024-11-11
(62)【分割の表示】P 2024552290の分割
【原出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2023107994
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】397003747
【氏名又は名称】朝日ゴルフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内本 浩史
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 千尋
(57)【要約】
【課題】ターゲットが見えない位置に距離測定装置があってもボールからターゲットまでの距離を測定できるようにする。
【解決手段】距離測定装置は、ゴルフ場のホールにおける基準位置を記憶する記憶部と、距離測定装置の現在位置を特定する現在位置特定部と、測定光を照射することにより、現在位置から測定光が照射された測定対象物までの距離と、現在位置から測定対象物の位置までの向きと、を測定して測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、基準位置と対象物位置との距離である第1距離を表示部に表示させる出力部と、を有する。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場で使用される距離測定装置であって、
前記ゴルフ場のホールにおける基準位置を記憶する記憶部と、
前記距離測定装置の現在位置を特定する現在位置特定部と、
測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、
前記基準位置と前記対象物位置との距離である第1距離を表示部に表示させる出力部と、
を有する距離測定装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記第1距離を前記表示部に表示させる間に、前記対象物位置を示す対象物画像を前記ホールのレイアウト図に重ねて前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記ホールのグリーンの範囲を示すグリーン情報をさらに記憶し、
前記出力部は、前記対象物位置が前記グリーン上にない場合に前記第1距離を前記表示部に表示させ、前記対象物位置が前記グリーン上にある場合に、前記現在位置と前記対象物位置との距離である第2距離を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記第1距離を前記表示部に表示させる間に、前記第1距離を表示していることを示す所定画像を前記表示部に表示させ、前記第2距離を前記表示部に表示させる間に前記所定画像を前記表示部に表示させない、
請求項3に記載の距離測定装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記対象物位置が前記グリーンから所定距離以上手前である場合に、前記第1距離を前記表示部に表示する第1モードで動作し、前記第1モードで動作してから所定時間が経過した後に、前記現在位置と前記基準位置との間の距離を前記表示部に表示する第3モードで動作する、
請求項3又は4に記載の距離測定装置。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の前記ホールに関連付けて複数の前記基準位置を記憶し、
前記出力部は、前記現在位置に対応する前記ホールの前記基準位置と前記対象物位置との距離である前記第1距離を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項7】
通信端末との間でデータを送受信する無線通信部と、
前記対象物位置を測定するための測定操作を受け付ける操作受付部と、
をさらに有し、
前記測定部は、前記操作受付部が前記測定操作を受け付けるたびに複数の前記第1距離を測定し、
前記記憶部は、前記測定部が測定した複数の前記第1距離を記憶し、
前記無線通信部は、複数の前記第1距離を複数の前記通信端末のうち少なくともいずれかの前記通信端末に送信させる、
請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項8】
ゴルフ場で使用される距離測定装置であって、
前記ゴルフ場における複数の位置それぞれの高度を記憶する記憶部と、
前記距離測定装置の現在位置を特定する現在位置特定部と、
測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、
前記記憶部に記憶された基準位置に対応する高度と前記対象物位置に対応する高度との高低差を表示部に表示させる出力部と、
を有する距離測定装置。
【請求項9】
コンピュータを、
前記コンピュータの現在位置を特定する現在位置特定部と、
測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、
ゴルフ場のホールにおける基準位置と前記対象物位置との距離である第1距離を表示部に表示させる出力部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ場で使用される距離測定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光を照射することによりゴルフ場のグリーン上のピンの位置までの距離を測定するための装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、カートに位置からボールまでの距離を測定した後に、カートからターゲットまでの距離を測定することで、ボールからターゲットまでの距離を測定する装置も知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開2017/0354858号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“3次元測定モードを搭載した距離測定器”,[online],COLFZON Japan株式会社,[令和5年6月23日検索],インターネット,<URL:http://caddytalk.jp/caddytalk-cube-jp>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載された距離測定装置では、ボールからターゲットまでの距離を測定するために、距離測定装置からターゲットまでの距離を測定する必要があった。したがって、ターゲットが見えない位置に距離測定装置がある場合、ボールからターゲットまでの距離を測定することができなかった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ターゲットが見えない位置に距離測定装置があってもボールからターゲットまでの距離を測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の距離測定装置は、ゴルフ場で使用される距離測定装置であって、前記ゴルフ場のホールにおける基準位置を記憶する記憶部と、前記距離測定装置の現在位置を特定する現在位置特定部と、測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、前記基準位置と前記対象物位置との距離である第1距離を表示部に表示させる出力部と、を有する。
【0008】
前記出力部は、前記第1距離を前記表示部に表示させる間に、前記対象物位置を示す対象物画像を前記ホールのレイアウト図に重ねて前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記ホールのグリーンの範囲を示すグリーン情報をさらに記憶し、前記出力部は、前記対象物位置が前記グリーン上にない場合に前記第1距離を前記表示部に表示させ、前記対象物位置が前記グリーン上にある場合に、前記現在位置と前記対象物位置との距離である第2距離を前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
前記出力部は、前記第1距離を前記表示部に表示させる間に、前記第1距離を表示していることを示す所定画像を前記表示部に表示させ、前記第2距離を前記表示部に表示させる間に前記所定画像を前記表示部に表示させないでもよい。
【0011】
前記出力部は、前記対象物位置が前記グリーンから所定距離以上手前である場合に、前記第1距離を前記表示部に表示する第1モードで動作し、前記第1モードで動作してから所定時間が経過した後に、前記現在位置と前記基準位置との間の距離を前記表示部に表示する第3モードで動作してもよい。
【0012】
前記記憶部は、複数の前記ホールに関連付けて複数の前記基準位置を記憶し、前記出力部は、前記現在位置に対応する前記ホールの前記基準位置と前記対象物位置との距離である前記第1距離を前記表示部に表示させてもよい。
【0013】
前記距離測定装置は、通信端末との間でデータを送受信する無線通信部と、前記対象物位置を測定するための測定操作を受け付ける操作受付部と、をさらに有し、前記測定部は、前記操作受付部が前記測定操作を受け付けるたびに複数の前記第1距離を測定し、前記記憶部は、前記測定部が測定した複数の前記第1距離を記憶し、前記無線通信部は、複数の前記第1距離を複数の前記通信端末のうち少なくともいずれかの前記通信端末に送信させてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の距離測定装置は、ゴルフ場で使用される距離測定装置であって、前記ゴルフ場における複数の位置それぞれの高度を記憶する記憶部と、前記距離測定装置の現在位置を特定する現在位置特定部と、測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、前記記憶部に記憶された基準位置に対応する高度と前記対象物位置に対応する高度との高低差を表示部に表示させる出力部と、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータを、前記コンピュータの現在位置を特定する現在位置特定部と、測定光を照射することにより、前記現在位置から前記測定光が照射された測定対象物までの距離と、前記現在位置から前記測定対象物の位置までの向きと、を測定して前記測定対象物の位置である対象物位置を測定する測定部と、ゴルフ場のホールにおける基準位置と前記対象物位置との距離である第1距離を表示部に表示させる出力部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ターゲットが見えない位置に距離測定装置があってもボールからターゲットまでの距離を測定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】距離測定装置1の概要を説明するための図である。
図1B】距離測定装置1の概要を説明するための図である。
図2】第1モードでボールBから基準位置までの距離を測定する処理について説明するための図である。
図3】第1モードでユーザUが測定した際に距離測定装置1のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図4】第2モードでユーザUがピンPまでの距離を測定した際に距離測定装置1のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図5】距離測定装置1の構成を示す図である。
図6】各ホールのグリーンGのセンター位置を示す基準位置情報を示す図である。
図7A】グリーン情報の概念を示す図である。
図7B】基準エッジ距離情報の一例を示す図である。
図8】測定部172がボールBとピンPとの距離を算出する方法を説明するための図である。
図9】距離測定装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図10】ユーザUと他のプレイヤーV1及びプレイヤーV2が一緒にプレイをしている状態を模式的に示す図である。
図11】距離測定装置1が通信端末2に第1距離を送信する場合の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[距離測定装置1の概要]
図1は、距離測定装置1の概要を説明するための図である。距離測定装置1は、ゴルフ場で距離を測定するための装置である。距離測定装置1は、例えばゴルフをプレイする距離測定装置1を使用するプレイヤー又はキャディ(以下、「ユーザU」という場合がある)が、距離測定装置1から基準位置までの距離を測定するための装置である。基準位置は、ピンPの位置、グリーンGのセンター位置、グリーンGのエッジ位置又はハザードの位置である。距離測定装置1は、距離を測定するための専用機であってもよく、プログラムを実行することにより距離を測定することができる情報端末(例えばスマートフォン)であってもよい。
【0019】
図1は、ユーザUが距離測定装置1を用いて距離を測定している様子を示している。距離測定装置1は、第1モード、第2モード及び第3モードのいずれかで距離を測定することができる。
【0020】
第1モードは、距離測定装置1が測定光として使用されるレーザ光Lを照射した測定対象物の位置から基準位置までの距離である第1距離を出力するモードである。図1Aに示すように、第1モードにおいて、例えばユーザUは、レーザ光LをボールBに照射することにより、ボールBからピンPの位置までの距離、ボールBからグリーンGのエッジ位置、又はボールBからハザードの位置等を測定することができる。第1モードは、ユーザUがカートに乗っている場合のように、ボールBから離れた状態でボールBからピンPまでの距離を把握したいという場合に好適である。
【0021】
第2モードは、距離測定装置1の現在位置からレーザ光Lを照射した測定対象物の位置までの距離である第2距離を出力するモードである。図1Bに示すように、第2モードにおいて、例えばユーザUは、レーザ光LをピンPに照射することにより、ユーザUの位置からピンPまでの距離を測定することができる。第2モードは、ユーザUがグリーンGに近づいてきて、ピンPまでの距離を正確に測定したいという場合に好適である。
【0022】
第3モードは、距離測定装置1が内蔵しているGPS(Global Positioning System)受信機により特定した距離測定装置1の位置と、予め記憶している基準位置の位置との関係に基づいて算出した第3距離を出力するモードである。距離測定装置1は、ユーザUの操作を受けることなく第3距離を表示することができるので、第3モードは、ユーザUが現在位置から基準位置までの概略の位置を把握したいという場合に好適である。
【0023】
第1モードと第2モードとを切り替える方法は任意であるが、例えば、距離測定装置1は、レーザ光Lが照射された測定対象物の位置がグリーンGの手前にある場合に第1モードで動作し、レーザ光Lが照射された測定対象物の位置がグリーンG上又はグリーンGの奥にある場合に第2モードで動作する。距離測定装置1は、レーザ光LがグリーンGから所定の距離以上手前の位置に照射した場合に第1モードで動作し、第1モードで動作してから所定の時間が経過した後に第3モードで動作してもよい。
【0024】
図2は、第1モードでボールBから基準位置までの距離を測定する処理について説明するための図である。図2において、ボールBはフェアウェイFにあり、ユーザUはフェアウェイFの外のカート道にいるものとする。距離測定装置1は、GPS衛星から受信した電波に基づいて、距離測定装置1の緯度・経度(Nu,Eu)を測定する。
【0025】
また、距離測定装置1は、ユーザUの操作によりレーザ光LをボールBに照射し、距離測定装置1からボールBまでの距離Dを測定する。距離測定装置1は、方位センサを内蔵しており、レーザ光LをボールBに照射している時点における距離測定装置1の向きを測定する。距離測定装置1は、距離測定装置1の位置を起点として、距離測定装置1の向きに距離Dだけ離れた位置のボールBの緯度・経度(Nb,Eb)を算出する。
【0026】
距離測定装置1は、基準位置(例えばピンPの位置)の緯度・経度(Np,Ep)を記憶しており、基準位置の緯度・経度とボールBの位置の緯度・経度との差分に基づいて、ボールBから基準位置までの距離を算出する。距離測定装置1がこのように動作することで、ユーザUが距離測定装置1を用いて距離測定装置1から基準位置までの距離を測定することなく、ボールBから基準位置までの距離を測定することができる。距離測定装置1がこのように動作することで、ユーザUは、例えばピンPを見えないカート道の位置にいながらにしてボールBまでの距離を測定することによりボールBからピンPまでの距離を把握することが可能になる。
【0027】
図3は、第1モードでユーザUが測定した際に距離測定装置1のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。図4は、第2モードでユーザUがピンPまでの距離を測定した際に距離測定装置1のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。第3モードにおいても図4と同等の画面が表示される。
【0028】
図3においては、ユーザUの位置を示す画像(〇)とボールBの位置を示す画像(▼)とが示されている。ユーザUがレーザ光LをボールBに照射するように操作すると、距離測定装置1は、ボールBの位置から各種の基準位置までの距離を表示する。図3においては、ボールBの位置からグリーンの奥側のエッジまでの距離(B)、グリーンセンターまでの距離(C)、ピンまでの距離(P)、及びグリーンの手前側のエッジまでの距離(F)が表示されている。また、ボールBの位置からハザードHまでの距離が163ヤードであることも表示されている。
【0029】
図4においては、ユーザUの位置(すなわち距離測定装置1の位置)を示す画像(●)が示されており、ボールBの位置を示す画像は示されていない。ユーザUがレーザ光Lを測定対象物(例えばピンP)に照射するように操作すると、距離測定装置1は、距離測定装置1の位置から各種の基準位置までの距離を表示する。図4においては、図3と同様に、距離測定装置1の位置からグリーンの奥側のエッジまでの距離(B)、グリーンセンターまでの距離(C)、ピンまでの距離(P)、グリーンの手前側のエッジまでの距離(F)及びハザードHまでの距離が表示されている。図4においては、距離測定装置1の位置とピンPの位置との高低差(H)も表示されている。距離測定装置1が第2モードで動作した場合、図4に示す画面において、距離測定装置1と測定対象物との距離の実測値が表示されてもよい。
【0030】
このように、距離測定装置1は、第1モード、第2モード又は第3モードを切り替えて動作し、ボールBから基準位置までの距離、又は距離測定装置1から基準位置までの距離を表示することができる。ユーザUは、ボールBの位置から離れたカートにいる状態において第1モードで距離測定装置1を動作させることで、ボールBと基準位置との距離を把握することもできるので、どの番手のクラブを持っていけばよいかを容易に把握することができる。
【0031】
また、ユーザUは、ボールBの近くにいる状態において第2モードで距離測定装置1を動作することで、高い精度でピンPまでの距離を測定することができる。さらに、ユーザUは、第3モードで距離測定装置1が動作している間、レーザ光Lを測定対象物に照射することなく距離測定装置1と基準位置との間の概略距離を把握することができる。
以下、距離測定装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0032】
[距離測定装置1の構成]
図5は、距離測定装置1の構成を示す図である。距離測定装置1は、電波受信部10と、レーザ部11と、センサ部12と、無線通信部13と、操作受付部14と、表示部15と、記憶部16と、制御部17と、を有する。制御部17は、現在位置特定部171と、測定部172と、出力部173と、を有する。
【0033】
電波受信部10は、GPS又は準天頂衛星システム等の測位衛星から電波を受信する。電波受信部10は、受信した電波に含まれているデータを現在位置特定部171に入力する。
【0034】
レーザ部11は、測定部172の制御によりレーザ光Lを発する。また、レーザ部11は、発したレーザ光Lが物体で反射した反射レーザ光を受ける。レーザ部11は、例えば、発したレーザ光Lの位相と受けた反射レーザ光の位相との差に基づいて、レーザ光Lを発してから反射レーザ光を受けるまでの遅延時間を算出する。レーザ部11は、算出した遅延時間を測定部172に入力する。
【0035】
センサ部12は、距離測定装置1の姿勢を検出するための方位センサを有する。センサ部12は、例えば3軸方向の加速度センサを方位センサとして有する。センサ部12は、水平面における方向を検出するための地磁気センサを方位センサとして有していてもよい。センサ部12は、方位センサが検出した方位を示す方位データを測定部172に入力する。
【0036】
無線通信部13は、ユーザUが使用する通信端末(例えばスマートフォン)、又はユーザUと一緒にプレイをしている他のプレイヤーが使用する通信端末との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。無線通信部13は、例えばBluetooth(登録商標)の電波を送受信することができる。無線通信部13は、距離測定装置1が測定した第1距離又は第2距離を、ユーザU又は他のプレイヤーが使用する通信端末に送信する。
【0037】
操作受付部14は、ユーザUの操作を受けるためのデバイスを有する。操作受付部14は、例えば、操作ボタン又はタッチパネルを有する。操作受付部14は、入力された操作の内容を示す操作データを制御部17に入力する。
【0038】
表示部15は、各種の情報を表示するディスプレイである。表示部15は、例えば図3及び図4に示したように、レーザ光Lが当たったボールBから基準位置までの第1距離、又は現在位置から基準位置までの第2距離を示す情報を表示する。
【0039】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部16は、制御部17が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部16は、制御部17がボールBから基準位置までの第1距離を算出するため、又は距離測定装置1の現在位置から基準位置までの第2距離を算出するために用いる各種の情報を記憶している。これらの情報は、例えば、距離測定装置1の製造時に記憶された情報であってもよく、無線通信部13を介して外部装置から送信された情報であってもよい。
【0040】
一例として、記憶部16は、ゴルフコースの複数のホールに関連付けて、複数の基準位置を記憶する。図6は、各ホールのグリーンGのセンター位置を示す基準位置情報を示す図である。図6に示す基準位置情報においては、ホール番号と、それぞれのホールのグリーンGのセンター位置を示す緯度・経度情報とが関連付けられている。
【0041】
また、記憶部16は、ホール番号と、それぞれのホールに存在する池、バンカー又は大木等のハザードの位置を示す緯度・経度情報とを関連付けて記憶してもよい。記憶部16は、ホール番号と、それぞれのホールにおけるピンPの位置を示す緯度・経度情報とを関連付けて記憶してもよい。記憶部16は、さらに、ホール番号に関連付けて、それぞれのホールの外縁の緯度・経度を示すホール範囲データを記憶してもよい。
【0042】
記憶部16は、各ホールのグリーンの範囲を示すグリーン情報をさらに記憶してもよい。グリーン情報においては、例えば、グリーンGのセンター位置の緯度・経度とともに、グリーンGのセンター位置からグリーンGのエッジ上の複数のエッジ位置までの複数の距離(以下、「基準距離」という場合がある)と、基準位置と複数のエッジ位置それぞれを結ぶ方向と基準向きとの角度である複数の基準角度と、が関連付けられている。
【0043】
図7Aは、グリーン情報の概念を示す図である。図7Aにおいては、基準向き(例えば北向き)に対して30度ごとに、黒い四角形で示すグリーンGの基準位置CからグリーンGのエッジまでの基準距離が示されている。図7Bは、記憶部16が記憶している基準エッジ距離情報の一例を示しており、当該グリーン情報においては基準角度と基準距離とが関連付けられている。図7Bにおいては、基準角度が30度ごとに定められているが、基準角度の間隔は細かいほど好ましく、例えば1度ごとに定められていてもよい。
【0044】
グリーン情報の態様は任意であり、グリーン情報には、グリーンG上の複数の位置の緯度・経度が含まれていてもよい。一例として、グリーンGがメッシュ状に複数の四角形に分割され、グリーン情報はそれぞれの四角形の中心位置の緯度・経度を含んでいてもよい。グリーン情報には、グリーンの外郭線上の複数のエッジ位置の緯度・経度が含まれていてもよい。
【0045】
制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む。制御部17は、記憶部16に記憶されたプログラムを実行することにより、現在位置特定部171、測定部172及び出力部173として機能する。
【0046】
現在位置特定部171は、電波受信部10から取得したデータに基づいて距離測定装置1の現在位置を特定する。現在位置特定部171は、例えば操作受付部14が距離を測定するための操作を受け付けた時点で電波受信部10から取得したデータに基づいて、距離測定装置1の現在位置の緯度・経度を特定する。現在位置特定部171は、特定した現在位置を測定部172に通知する。現在位置特定部171は、ホール範囲データが示す各ホールの外縁に対応する緯度・経度と現在位置の緯度・経度とを比較して現在位置が含まれているホールを特定することにより、ユーザUがプレイをしているホールの番号を特定してもよい。
【0047】
測定部172は、操作受付部14が距離を測定するための操作を受け付けた場合に、レーザ光Lを照射することにより、現在位置からレーザ光Lが照射された測定対象物までの距離と、現在位置から測定対象物の位置までの向きと、を測定して測定対象物の位置である対象物位置を測定する。図2に示した例のようにユーザUがボールBにレーザ光Lを照射した場合、測定部172は、レーザ部11から通知された遅延時間に基づいて、現在位置からボールBまでの距離Dを算出する。また、測定部172は、センサ部12から入力された方位データに基づいて、ユーザUからボールBに向かうベクトルの向きを特定する。測定部172は、現在位置の緯度・経度(Nu,Eu)と、距離Dとベクトルの向きとに基づいて、ボールBの位置の緯度・経度(Nb,Eb)を測定する。
【0048】
測定部172は、記憶部16に記憶された基準位置の緯度・経度を読み出して、基準位置の緯度・経度と測定対象物の位置の緯度・経度とを比較することにより、基準位置と測定対象物の位置との間の第1距離を算出する。測定部172は、算出した第1距離を出力部173に通知する。
【0049】
図8は、測定部172がボールBとピンPとの距離を算出する方法を説明するための図である。測定部172は、測定したボールBの位置の緯度・経度(Nb,Eb)と、記憶部16に記憶されたピンPの位置の緯度・経度(Np,Ep)とに基づいて、ΔN=(Nb-Np)×K1、ΔE=(Eb-Ep)×K2を算出する。K1は緯度の差を距離に変換するための係数であり、K2は経度の差を距離に変換するための係数である。測定部172は、第1距離を√(ΔN+ΔE)により算出する。
【0050】
出力部173は、測定部172が測定した結果を出力する。出力部173は、例えば第1モードにおいて、基準位置と対象物位置との距離である第1距離を表示部15に表示させる。出力部173は、ホール範囲データを参照して、現在位置がどのホールに対応するかを特定し、現在位置に対応するホール(すなわちユーザUがプレイをしているホール)の基準位置と対象物位置との距離である第1距離を表示部15に表示させる。
【0051】
図3に示したように、出力部173は、第1距離を表示部15に表示させる間に、対象物位置を示す対象物画像(例えばボールBの位置を示す画像)をホールのレイアウト図に重ねて表示部15に表示させる。出力部173がこのように対象物画像を表示部15に表示させることで、ユーザUがボールBから離れた位置にいる場合であっても、表示部15に表示されている第1距離が、ボールBの位置から基準位置までの距離であることを把握しやすい。
【0052】
ところで、ユーザUがピンPにレーザ光Lを照射してユーザUの位置からピンP等の所望の測定対象物の位置までの第2距離を測定することもある。そこで、出力部173は、グリーン情報を参照して、対象物位置(例えば測定部172が測定したボールBの緯度・経度が示す位置)がグリーンG上にないと判定した場合に第1距離を表示部15に表示させる第1モードで動作する。出力部173は、対象物位置がグリーンG上にあると判定した場合に、現在位置と対象物位置との距離である第2距離を表示部15に表示させる第2モードで動作する。出力部173がこのように動作することで、ユーザUが第1モードと第2モードとを切り替える操作をすることなく、ユーザUがレーザ光Lを照射した測定対象物に適した距離が表示される。
【0053】
第1モードと第2モードのどちらで動作しているかをユーザUが把握しやすくするために、出力部173は、第1距離を表示部15に表示させる間に、第1距離を表示していることを示す所定画像を表示部15に表示させ、第2距離を表示部15に表示させる間に所定画像を表示部15に表示させないようにしてもよい。所定画像は、例えば、図3に示した▼の画像のように、ボールBの位置を示す画像である。出力部173が、第1モードと第2モードとによって、このような所定画像を表示するか否かを切り替えることで、表示されている距離がボールBから基準位置までの距離であるか、ユーザUの現在位置から基準位置までの距離であるかを判別しやすい。
【0054】
ユーザUがグリーンGの近くまで進んできた場合、ユーザUはカートに乗っておらず、ボールBの位置からピンPにレーザ光Lを照射して、ピンPまでの正確な位置を測定したいという場合が多い。このような場合に、ユーザUがピンPにレーザ光Lを照射しようとしたにもかかわらず、ピンPの後方の物体(例えば樹木)にレーザ光Lが当たってしまうことがある。このようなときに、距離測定装置1が第1モードで動作してしまい、ピンPの後方の物体からピンPまでの第1距離が表示されてしまうと、ユーザUはピンPまでの距離を勘違いしてしまいかねない。
【0055】
そこで、出力部173は、対象物位置がグリーンGから所定距離以上手前である場合に、第1距離を表示部15に表示する第1モードで動作し、対象物位置がグリーンGから所定距離の位置よりも奥である場合に、第2距離を表示部15に表示する第2モードで動作する。出力部173は、第1モード又は第2モードで動作してから所定時間が経過した後に、第3距離を表示部15に表示する第3モードで動作するようにしてもよい。すなわち、出力部173は、第1モード又は第2モードで動作してから所定時間が経過した後に、第3距離を表示部15に表示する状態に切り替わってもよい。
【0056】
所定距離は、例えばウェッジが使用される確率が高い最大距離であり、一例として100ヤードであるが、0ヤードであってもよい。所定距離は、ユーザUの位置によって異なる値であってもよい。例えば、ユーザUの位置がカート道上である場合、対象物位置がグリーンGの近くであっても対象物位置がピンPではなくボールBである蓋然性が高い。そこで、ユーザUの位置がカート道上である場合の所定距離は、ユーザUの位置がカート道上でない場合よりも小さくてもよい。
【0057】
所定時間は、ユーザUが第1距離を把握するために必要な時間であり、例えば3秒である。所定時間は、ボールBにレーザ光Lを照射する操作をユーザUが終了するまでの時間であってもよい。
【0058】
出力部173は、第1モードで動作して測定された対象物位置までの距離が、ボールBの位置を測定可能な距離に基づいて定められた所定値以上(例えば150ヤード以上)である場合、自動的に第2モードで動作して第2距離を表示部15に表示させてもよい。出力部173がこのように動作することで、ユーザUがボールBにレーザ光Lを照射しようとしておらず、遠方のハザードまでの距離を測定しようとしているときに、ハザードから基準位置までの距離が表示されてしまうことを防げる。
【0059】
[距離測定装置1における処理の流れ]
図9は、距離測定装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図9は、距離測定装置1の電源が投入された時点から開始している。
【0060】
測定部172は、操作受付部14において測定操作が行われたか否かを監視する(S1)。測定部172は、例えばユーザUが測定ボタンを押すことにより測定操作を行った場合(S1においてYES)、現在位置特定部171が特定した緯度・経度に基づいて距離測定装置1の現在位置を特定する(S2)。測定部172は、記憶部16に記憶されたホール範囲データを参照して、現在位置がホールの範囲に含まれるホール番号を検索することにより、ユーザUがプレイしている現在のホール番号を特定する(S3)。
【0061】
測定部172は、測定ボタンが押されている間、レーザ部11にレーザ光Lを照射させることにより、測定対象物の位置である対象物位置を測定する(S4)。対象物位置が所定の範囲(例えばグリーンGのピンPの位置の手前100ヤードよりも手前の範囲)に含まれている場合(S5においてYES)、測定部172は、対象物位置から、特定したホール番号に対応する基準位置までの第1距離を算出する(S6)。出力部173は、対象物を示す対象物画像とともに、算出された第1距離を表示部15に表示させる(S7)。
【0062】
対象物位置が所定の範囲に含まれていない場合(S5においてNO)、測定部172は、現在位置から対象物位置までの第2距離を算出する(S8)。出力部173は、算出された第2距離を表示部15に表示させる(S9)。
【0063】
出力部173が第1距離又は第2距離を表示部15に表示させてから所定時間が経過すると(S10においてYES)、出力部173は、電波受信部10が受信した電波に基づく現在位置と、予め記憶部16に記憶された基準位置との間の第3距離を表示部15に表示させる(S11)。制御部17は、電源がオフになるまでの間(S12においてNO)、S1からS12までの処理を繰り返す。
【0064】
[他のプレイヤーへの通知]
ユーザUが一緒にプレイしている他のプレイヤーVが距離測定装置1を持っていない場合、他のプレイヤーVがボールBから基準位置までの位置を知りたいという場合がある。そこで、距離測定装置1は、他のプレイヤーVが使用する通信端末(例えばスマートフォン)に、ユーザUが測定した他のプレイヤーVのボールBから基準位置までの第1距離を送信してもよい。
【0065】
図10は、ユーザUと他のプレイヤーV1及びプレイヤーV2が一緒にプレイをしている状態を模式的に示す図である。距離測定装置1は、無線チャネルWを介して、プレイヤーV1及びプレイヤーV2が使用する通信端末2に第1距離を送信する。無線チャネルWは、例えばBluetoothである。距離測定装置1と通信端末2とは、ユーザU、プレイヤーV1及びプレイヤーV2がプレイを始める前にペアリングされており、複数の通信端末2それぞれに第1距離を送信するために使用される送信先情報が記憶部16に記憶されているものとする。
【0066】
この場合、測定部172は、操作受付部14が測定操作を受け付けるたびに複数の第1距離を測定し、記憶部16は、測定部172が測定した複数の第1距離を記憶する。出力部173は、無線通信部13に、複数の第1距離を複数の通信端末2のうち少なくともいずれかの通信端末2に送信させる。無線通信部13は、操作受付部14が測定操作を受け付けるたびに、予め記憶部16に記憶された順番に従って複数の通信端末2に順次第1距離を送信してもよい。操作受付部14は、第1距離を送信する対象の通信端末2を指定する操作を受け付けて、無線通信部13は、指定された通信端末2に第1距離を送信してもよい。
【0067】
図11は、距離測定装置1が通信端末2に第1距離を送信する場合の処理の流れの例を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、複数のプレイヤーVのボールBの位置を測定するモードで動作するようにユーザUが操作した時点から開始している。
【0068】
ユーザUがプレイヤーV1のボールB1にレーザ光Lを照射するための測定操作をした場合(S11においてYES)、測定部172はレーザ部11にレーザ光Lを照射させてボールB1に対応する第1距離を測定する(S12)。測定部172は、測定した第1距離を測定順序に関連付けて記憶部16に記憶させる(S13)。測定部172は、第1距離を測定した後に、出力部173を介して、測定した第1距離を送信する通信端末2を選択するための画面を表示部15に表示させ、当該画面で選択された通信端末2に関連付けて第1距離を記憶部16に記憶させてもよい。
【0069】
測定部172は、測定を終了するかどうかを確認する画面を表示部15に表示させ、測定を終了する操作が行われない場合(S14においてNO)、S11からS13までの処理を繰り返す。これにより、ユーザUは、複数のプレイヤーのボールBの位置から基準位置までの第1距離を繰り返し測定することができる。
【0070】
測定を終了する操作が行われた場合(S14においてYES)、測定部172は、記憶部16から送信先情報を取得して(S15)、読み出した送信先情報に対応する通信端末2に対して、当該通信端末2に関連付けて記憶部16に記憶された第1距離を無線通信部13に送信させる(S16)。測定部172は、記憶部16に記憶された複数のプレイヤーVに対応する複数の第1距離を複数の通信端末2に送信する。測定部172は、各プレイヤーVに対応する第1距離だけを、各プレイヤーVに対応する通信端末2に送信してもよく、複数のプレイヤーVに対応する複数の第1距離を複数の通信端末2に送信してもよい。
【0071】
測定部172は、1つのボールBに対応する第1距離を測定するたびに、第1距離を通信端末2に送信してもよい。また、第1距離を複数の通信端末2に送信する際の順序が予め記憶部16に記憶されており、測定部172は、第1距離を測定するたびに、当該順序に従って通信端末2に第1距離を送信してもよい。このように測定部172が動作することで、ユーザUが送信先を設定する必要がないので、迅速に各プレイヤーVに対して第1距離を通知することができる。
【0072】
ユーザUは、各プレイヤーVがボールBに向けて例えばカートで移動している間に、複数のプレイヤーVそれぞれのボールBに対応する複数の第1距離を測定することができる。距離測定装置1が、各プレイヤーVがカートを降りるまでの間に第1距離を通信端末2に送信することで、各プレイヤーVは、カートから降りる時点で、どのクラブを持っていけばよいかを把握することができる。その結果、プレイ時間を短縮することが可能になる。
【0073】
[変形例]
図3に示した画面においては、ボールBの位置とピンPの位置との高低差が表示されていなかったが、出力部173は、ボールBの位置とピンPの位置との高低差を表示部15に表示させてもよい。このようにするために、記憶部16は、ゴルフ場における複数の位置それぞれの高度を記憶している。記憶部16は、例えばゴルフ場の三次元地図データを記憶する。三次元地図データにおいては、緯度・経度と高度とが関連付けられている。
【0074】
測定部172は、ボールBの位置の緯度・経度を特定すると、当該緯度・経度に関連付けられている高度を特定する。測定部172は、記憶部16に記憶されているピンPの高度と特定した高度との差に基づいて高度差を算出する。出力部173は、測定部172が算出した高度差を表示部15に表示させる。すなわち、出力部173は、記憶部16に記憶された基準位置に対応する高度と対象物位置であるボールBの位置に対応する高度との高低差を表示部15に表示させる。距離測定装置1がこのようにボールBの位置とピンPの位置との高低差を表示することで、ユーザUは、高低差を考慮して選択したクラブを持ってボールBの位置まで移動することができる。
【0075】
[距離測定装置1による効果]
以上説明したように、測定部172は、現在位置からレーザ光Lが照射されたボールBまでの距離と、現在位置からボールBの位置への向きと、を測定してボールBの位置を測定し、ボールBの位置と基準位置(例えばピンPの位置)との第1距離を算出する。そして、出力部173は第1距離を表示部15に表示させる。
【0076】
距離測定装置1がこのように構成されていることで、ユーザUは、ボールBから離れた位置にいる時点(例えばカートに乗っている時点)でボールBからピンP又はハザードまでの距離を把握することができるので、適切なクラブを選択してボールBの位置に向かうことができる。その結果、ボールBの位置に行った後にカートに戻ってクラブを選び直す時間が不要になり、プレイ時間を短縮することが可能になる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0078】
例えば、以上の説明においては距離測定装置1が第1モード、第2モード及び第3モードで動作できる場合を例示したが、距離測定装置1は、少なくとも第1モードを有していればよく、第2モード及び第3モードを有するかどうかは任意である。
【符号の説明】
【0079】
1 距離測定装置
2 通信端末
10 電波受信部
11 レーザ部
12 センサ部
13 無線通信部
14 操作受付部
15 表示部
16 記憶部
17 制御部
171 現在位置特定部
172 測定部
173 出力部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11