(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024091
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】より正の度数の1つ又は複数の領域を有した視力矯正用の眼科用光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/06 20060101AFI20250212BHJP
A61F 2/16 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
G02C7/06
A61F2/16
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024198755
(22)【出願日】2024-11-14
(62)【分割の表示】P 2023014692の分割
【原出願日】2013-12-10
(31)【優先権主張番号】2012905371
(32)【優先日】2012-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】61/889,189
(32)【優先日】2013-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514248972
【氏名又は名称】ブリエン ホールデン ビジョン インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】Brien Holden Vision Institute
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ホールデン,ブリエン アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】サンカリダーグ,パドマジャ ラジャゴパル
(72)【発明者】
【氏名】エールマン,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】コンラド,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,アーサー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装着者にとって適切な又は改善した視覚機能又は視機能をもたらし、オプティカルゾーンにおいて遠見度数と比べて比較的正の度数を追加的に有する眼科用レンズの提供。
【解決手段】オプティカルゾーンの中心部分111に1つ又は複数のステップ106を設ける及びオプティックゾーンの周囲部分110に1つ又は複数のステップ107を設けることによって機能が改善され得るレンズ、レンズの製造及び設計方法、及び/又はレンズを用いる、目の屈折異常の矯正及び/又は目の成長の制御に有用な方法。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の度数プロファイルを有する少なくとも1つの中心部分と、少なくとも第2の度数プロファイルを有する少なくとも1つの周囲部分と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズにおいて、
前記少なくとも1つの中心部分の前記第1の度数プロファイルは、少なくとも第1のステップを有し、前記第1のステップは、その両側において、第1の境界点及び第2の境界点と境界を接し、前記第1の度数プロファイルは、前記第1の境界点において度数の変化率の第1の変化と、前記第2の境界点において度数の変化率の第2の変化とを有し、
前記少なくとも1つの周囲部分の前記第2の度数プロファイルは、少なくとも第2のステップを有し、前記第2のステップは、その両側において、第3の境界点及び第4の境界点と境界を接し、前記第2の度数プロファイルは、前記第3の境界点において度数の変化率の第3の変化と、前記第4の境界点において度数の変化率の第4の変化とを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの中心部分が、1~6つ、1~5つ、2~5つ、2~6つ、2~4つのステップ、3~5つのステップ、又は3~6つのステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの中心部分が、少なくとも2、3、4、5つのステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの周囲部分が、1~6つ、1~5つ、2~5つ、2~4つのステップ、3~5つのステップ、又は3~6つのステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの周囲部分が、少なくとも2、3、4、又は5つのステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記境界点の1つ又は複数における前記度数の変化率の変化が急速であることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記境界点の1つ又は複数における前記度数の変化率の変化が緩やかであることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記ステップの1つ又は複数内の度数が、一定、実質的に一定、減少する、及び増加する、の内の1つ又は複数であることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ内の前記度数及び前記第2のステップ内の前記度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記ステップの1つ又は複数が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmの幅を有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記ステップの1つ又は複数が、少なくとも0.1mm、0.15mm、0.25mm、0.5mm、1mm、又は1.25mmの幅を有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記レンズが近視の矯正及び/又は近視の進行の制御のためのものであることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記レンズが老眼の矯正のためのものであることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの周囲部分は、少なくとも4つ又は5つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、前記少なくとも1つの中心部分は、少なくとも2つ又は3つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項15】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの周囲部分は、2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、前記少なくとも1つの中心部分は、1~2つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項16】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの周囲部分は、2~4つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、前記少なくとも1つの中心部分は、2~3つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項17】
少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、
第1の光学度数を有する第1の二次領域及び第2の光学度数を有する第2の二次領域を含む少なくとも2つの二次領域と、
を含むオプティカルゾーンを含む、眼科用レンズにおいて、
前記第1の二次領域及び前記第2の二次領域の少なくとも一方は、前記少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、前記第1及び第2の光学度数は、前記少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、
少なくとも第1のステップを有する、前記少なくとも1つの一次光学度数から前記第1の光学度数への第1の度数遷移と、少なくとも第2のステップを有する、前記少なくとも1つの一次光学度数から前記第2の光学度数への第2の度数遷移とが存在し、前記ステップは、前記少なくとも1つの一次領域及び前記第1及び第2の二次領域を含まず、前記第1のステップの少なくとも1つ及び前記第2のステップの少なくとも1つに関して、前記度数遷移の変化率の大きさが前記ステップの前の前記境界点において減少したのち前記ステップの後の前記境界点において増加することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項18】
請求項17に記載の眼科用レンズにおいて、前記ステップに関して、前記ステップの前の前記境界点における前記度数遷移の変化率の大きさは、中程度、急速及び緩やかの内の1つ又は複数で減少したのち、前記ステップの後の前記境界点において、中程度、急速及び緩やかの内の1つ又は複数で増加することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の眼科用レンズにおいて、前記度数遷移の変化率の大きさは、前記ステップの前の前記境界点において急速に減少したのち、前記ステップの後の前記境界点において急速に増加することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項20】
請求項17又は18に記載の眼科用レンズにおいて、前記度数遷移の変化率の大きさは、前記ステップの前の前記境界点において緩やかに減少したのち、前記ステップの後の前記境界点において緩やかに増加することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項21】
請求項17又は18に記載の眼科用レンズにおいて、前記度数遷移の変化率の大きさは、前記ステップの前の前記境界点において中程度に減少したのち、前記ステップの後の前記境界点において中程度に増加することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項22】
請求項17乃至21の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記少なくとも1つの一次領域は、0.2mm~2mm、0.3mm~1.75mm、又は0.4mm~1.5mmの幅を有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項23】
請求項17乃至22の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1及び第2の光学度数が、前記少なくとも1つの一次光学度数と比べて最大で5D、4D、又は3Dの量分、より正であることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項24】
請求項17乃至23の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1の二次領域及び前記第2の二次領域の少なくとも一方が、0mm~2mm、0.1mm~1.75mm、又は0.2mm~1.5mmの幅を有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項25】
請求項17乃至24の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1の度数遷移及び前記第2の度数遷移の少なくとも一方は、1~6つ、1~5つ、2~6つ、2~5つ、又は2~4つのステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項26】
請求項17乃至25の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1の度数遷移及び前記第2の度数遷移の少なくとも一方は、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項27】
請求項17乃至26の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1の度数遷移及び前記第2の度数遷移は、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項28】
請求項17乃至27の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1の度数遷移及び前記第2の度数遷移の少なくとも一方は、1つ又は複数の前記二次領域間又は各二次領域間に、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項29】
請求項17乃至28の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、1つ又は複数の前記二次領域間又は各二次領域間に、少なくとも2、3、4、5、又は6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在することを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項30】
請求項17乃至29の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップの少なくとも一方に関して、前記幅が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmであることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項31】
請求項17乃至30の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップの少なくとも一方に関して、前記度数が前記一次領域の前記度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正であることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項32】
請求項17乃至30の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップに関して、前記度数が前記一次領域の前記度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正であることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項33】
請求項17乃至32の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップの少なくとも一方に関して、前記度数が前記第1の二次領域及び前記第2の二次領域の少なくとも一方の前記度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低いことを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項34】
請求項17乃至32の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップに関して、前記度数が前記第1の二次領域及び前記第2の二次領域の少なくとも一方の前記度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低いことを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項35】
請求項17乃至32の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記第1のステップ及び前記第2のステップに関して、前記度数が前記第1の二次領域及び前記第2の二次領域の前記度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低いことを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項36】
請求項17乃至35の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記レンズが近視の矯正及び/又は近視の進行の制御のためのものであることを特徴とする眼科用レンズ。
【請求項37】
請求項17乃至35の何れか1項に記載の眼科用レンズにおいて、前記レンズが老眼の矯正のためのものであることを特徴とする眼科用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
「Optical Lens for Vision Correction Having One or More Areas of More Positive Power」というタイトルの2012年12月10日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2012905371号明細書は、記載内容全体が本明細書に援用される。「Ophthalmic Optical Lens for Vision Correction Having One or More Areas of More Positive Power」というタイトルの2013年10月10日に出願された米国仮特許出願第61/889,189号明細書もまた、記載内容全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、目の屈折異常を矯正する及び/又は目の成長を制御するように設計された、及び/又はより正の度数の1つ又は複数の領域を追加的に有する眼科用光学レンズと、そのような眼科用光学レンズ設計を用いる方法とに関する。また、本開示は、目の屈折異常を矯正するように設計され、かつより正の度数の1つ又は複数の領域を有する眼科用光学レンズに関する。特定の実施形態は、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、角膜オンレー及び角膜インレーに適用することができる又はコンタクトレンズ、眼内レンズ、角膜オンレー及び角膜インレーとして実現することができる、及び/又は近視、遠視、乱視及び老眼等の目の屈折異常を少なくとも低減するために適用又は使用することができるが、コンタクトレンズに関連して、特に近視の矯正及び/又は近視の進行の制御用に設計されたコンタクトレンズを提供することに特に関心がある。特定の実施形態は、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、角膜オンレー及び角膜インレーに適用することができる又はコンタクトレンズ、眼内レンズ、角膜オンレー及び角膜インレーとして実現することができる、及び/又は老眼の矯正のために目に適用、特に光学的に接続することができる。一部の実施形態では、本開示は二重焦点及び/又は多焦点コンタクトレンズに適用可能である又は二重焦点及び/又は多焦点コンタクトレンズとして実現される。
【背景技術】
【0003】
眼内レンズ、角膜オンレー、角膜インレー、又はコンタクトレンズ等の基本的二重焦点又は多焦点眼科用レンズは、遠見視力を提供する光学度数を有するオプティカルゾーンの中心領域と、近見視力を提供する度数を有する中心領域の周囲の環状領域とを有する(すなわち、中心遠見二重焦点又は多焦点レンズ)。別の基本的二重焦点又は多焦点眼科用レンズは、近見視力を提供する光学度数を有するオプティカルゾーンの中心領域と、遠見視力を提供する度数を有する中心領域の周囲の環状領域とを有する(すなわち、中心近見二重焦点又は多焦点レンズ)。コンタクトレンズのオプティカルゾーンは、瞳孔のサイズにほぼ等しくなり得る。瞳孔の直径は、3mm~8mmの範囲で異なり得るので、コンタクトレンズのオプティカルゾーンのサイズは、それに応じて選択され得る。近視の進行を制御するため又は老眼を矯正するために設計されたあるコンタクトレンズは、オプティカルゾーンの少なくとも1つの領域において、遠見度数と比べて比較的正の光学度数を使用することに依存し、遠見度数は、例えば、目が遠くの視対象を見ている時に目に適切な屈折補正を提供するために必要なレンズの度数として定義される。この比較的より正の度数の1つ又は複数の領域は、中心に又はオプティカルゾーンの外縁部に、あるいはその両方に配置されてもよく、外縁部は、例えば、中心ゾーンよりも光軸からより遠い距離に位置するコンタクトレンズのゾーン及び/又は遠見視力を提供する光学度数を有する領域である。
【0004】
コンタクトレンズのオプティカルゾーンにおける追加の比較的正の度数の存在は、視覚機能又は視機能を低下させる影響を生じさせていると装着者から報告されることが多い。このような影響は、複視、ゴースティング、金魚鉢越しの眺め(すなわち、歪み)、及び/又は場合によっては高及び低コントラスト視力の低下といった自覚症状を含む。低コントラスト視力の低下は、コントラストの低下としても報告される場合がある。コントラストの低下は、コントラスト感度の喪失として特定及び/又は測定され得る。
【0005】
本開示の目的は、装着者にとって、視覚機能又は視機能の1つ又は複数の側面において、適切な又は改善した視覚機能又は視機能をもたらす眼科用レンズを提供することである。また、本開示の目的は、装着者にとって適切な又は改善した視覚機能又は視機能をもたらし、オプティカルゾーンにおいて遠見度数と比べて比較的正の度数を追加的に有する眼科用レンズを提供することである。また、本開示の目的は、目の屈折異常を矯正し、オプティカルゾーンにおいて比較的正の度数の1つ又は複数の領域を有する眼科用レンズを提供することである。本開示の別の目的は、目の屈折異常を矯正し、オプティカルゾーンにおいて遠見度数と比べて比較的正の度数の1つ又は複数の領域を有し、視覚機能の1つ又は複数の側面において適切な又は改善した視機能又は視覚機能を提供する眼科用レンズを提供することである。これらの目的の1つ又は複数の組み合わせも考えられる。このようなレンズの使用方法を提供することも本開示の目的である。適切な又は改善した視覚機能又は視機能は、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数でもよい。
【0006】
先行技術のレンズ及び方法は、オプティックゾーンにより正の度数を追加することによって、視覚機能又は視機能が影響を受けるという欠点を持つ。本開示は、本明細書の記載から明白となるように、オプティックゾーンの1つ又は複数の領域におけるステップの使用により、より正の度数をオプティックゾーンに設けることによって、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服及び/又は改善することに向けられる。これにより、近視の矯正及び/又は近視の進行の制御の両方に使用され得るレンズが得られる。また、これにより、視覚機能又は視機能の1つ又は複数の側面に実質的に影響を及ぼすことなく、例えば、ゴースティングを実質的に変化させることなく、近視、遠視、乱視及び/又は老眼等の目の屈折異常の矯正に使用することができるレンズが得られる。また、これにより、適切な又は改善した視覚機能又は視機能を持たせて目の屈折異常を矯正する及び目の成長を制御するために使用することができるレンズが得られる。従って、本明細書に開示されるこれら及び他の課題を解決する設計方法、使用方法、及びレンズが望まれる。本開示は、本明細書の記載から明白となるように、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服及び/又は改善するように向けられる。
【0007】
明細書における先行技術の参照はいずれも、その先行技術がオーストラリア又は他の法域において周知の一般常識の一部を成す、又はその先行技術が当業者によって関連があると確認、理解、及び認知されることが当然予期され得るという承認又は示唆の形態ではない、又はそのようなものと見なされるものではない。
【発明の概要】
【0008】
より負の光学度数及びより正の光学度数を有するオプティカルゾーンの領域間の光学度数遷移において、1つ以上のステップ、2つ以上のステップ、又は3つ以上のステップを設けることによって、視機能又は視覚機能の側面の1つ又は複数が改善され得ることが分かった。また、ステップ関数を有する度数プロファイルの使用が気を散らす像を抑え、視機能又は視覚機能の側面の1つ又は複数を改善させる好ましい効果につながることが分かった。適切な又は改善した視覚機能又は視機能は、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数でもよい。視覚の明瞭さは、例えば、1=極めて良い明瞭さ及び10=極めて悪い視覚の明瞭さといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。複視の程度は、例えば、1=観察可能な視像の複視なし及び10=視像の複視が極めて顕著といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。ゴースティングの程度は、例えば、1=視像に関連した観察可能なゴースティングなし及び10=視像に関連したゴースティングが極めて顕著といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。歪みは、例えば、1=観察可能な視像の歪みなし及び10=視像の重度の歪みといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。コントラストは、例えば、1=視像における極めて悪いコントラスト及び10=視像における非常に良いコントラストといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。コントラスト感度は、例えば、文字ベースのコントラスト感度チャート(例えばPelli-Robsonチャート)又は正弦波格子ベースのコントラスト感度チャート(例えば、Functional Acuity Contrast Test又はFACTチャート)等のコントラスト感度検査チャートを用いて測定することができる。視力は、例えば、スネレンチャート又はBailey-Lovieチャート等の視力検査チャート(この場合、検査は、高照度又は低照度下で適用されてもよい、及び/又はチャートは、高コントラスト、中間コントラスト、又は低コントラストでもよい)を用いて測定することができる。視覚の全体的な質は、例えば、1=極めて良い視覚の全体的な質及び10=極めて悪い視覚の全体的な質といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。
【0009】
特定の実施形態では、オプティカルゾーンの中心部分に1つ以上のステップを設け、オプティックゾーンの周囲部分に1つ以上のステップを設けることによって、視機能又は視覚機能の1つ又は複数の側面が良い影響を受け得る又は改善され得る。特定の実施形態では、オプティカルゾーンの中心部分に2つ以上のステップを設け、オプティックゾーンの周囲部分に2つ以上のステップを設けることによって、視機能又は視覚機能の1つ又は複数の側面が良い影響を受け得る又は改善され得る。特定の実施形態では、オプティカルゾーンの中心部分に2つ以上のステップを設け、オプティックゾーンの周囲部分に3つ以上のステップを設けることによって、視機能又は視覚機能の1つ又は複数の側面が良い影響を受け得る又は改善され得る。特定の実施形態では、オプティカルゾーンの中心部分に3つ以上のステップを設け、オプティックゾーンの周囲部分に3つ以上のステップを設けることによって、視機能又は視覚機能の1つ又は複数の側面が良い影響を受け得る又は改善され得る。一部の実施形態では、このようなレンズ設計は、目の屈折異常を矯正するため及び/又は目の成長を制御するために有用となり得る。一部の実施形態では、このようなレンズ設計は、近視の矯正及び近視の進行の制御に有用となり得る。一部の実施形態では、このようなレンズ設計は、老眼の矯正に有用となり得る。老眼は、加齢に伴う目の遠近調節能力の進行性の喪失であり、その結果、近くの物に対して視覚のぼけが生じる。少なくとも部分的に目の水晶体の硬化によって生じると言われている。
【0010】
本開示の特定の実施形態は、目の屈折異常を矯正する及び目の成長を制御するための眼科用光学レンズであって、光学度数を有する一次領域と、一次領域の周囲に少なくとも1つを含み、一次領域の光学度数と比べてより正の光学度数を有する1つ以上の二次領域とを備えたオプティカルゾーンを含み、一次領域と1つ以上の二次領域との間で、実質的に、度数の変化率の大きさ(すなわち、符号又は方向を無視する)が、視覚機能又は視機能の1つ又は複数の側面において適切な又は改善した視覚機能又は視機能を提供するために十分な量だけ及び距離にわたって減少したのち増加する一次領域と1つ以上の二次領域との間の少なくとも1つのステップ、少なくとも2つのステップ、又は少なくとも3つのステップを有して、より負の度数とより正の度数との間で光学度数が漸進的に遷移する眼科用レンズを提供する。レンズによって経験される適切な又は改善した視覚機能又は視機能は、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数でもよい。視覚の明瞭さは、例えば、1=極めて良い明瞭さ及び10=極めて悪い視覚の明瞭さといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。複視の程度は、例えば、1=観察可能な視像の複視なし及び10=視像の複視が極めて顕著といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。ゴースティングの程度は、例えば、1=視像に関連した観察可能なゴースティングなし及び10=視像に関連したゴースティングが極めて顕著といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。歪みは、例えば、1=観察可能な視像の歪みなし及び10=視像の重度の歪みといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。コントラストは、例えば、1=視像における極めて悪いコントラスト及び10=視像における非常に良いコントラストといった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。コントラスト感度は、例えば、文字ベースのコントラスト感度チャート(例えばPelli-Robsonチャート)又は正弦波格子ベースのコントラスト感度チャート(例えば、Functional Acuity Contrast Test又はFACTチャート)等のコントラスト感度検査チャートを用いて測定することができる。視力は、例えば、スネレンチャート又はBailey-Lovieチャート等の視力検査チャート(この場合、検査は、高照度又は低照度下で適用されてもよい、及び/又はチャートは、高コントラスト、中間コントラスト、又は低コントラストでもよい)を用いて測定することができる。視覚の全体的な質は、例えば、1=極めて良い視覚の全体的な質及び10=極めて悪い視覚の全体的な質といった1~10の数値評定尺度によって定量化された臨床アンケートを用いて評価することができる。
【0011】
眼科用レンズ又は眼科用システムは、以下:コンタクトレンズ、前房眼内レンズ又は後房眼内レンズでもよい眼内レンズ、角膜オンレー及び角膜インレーの内の1つ又は複数でもよい。
【0012】
特定の実施形態では、一次領域の光学度数は、近視の矯正を目的として選択され、遠見度数を有する。1つ又は複数の実施形態では、近視の進行を制御する目的で、二次領域が配置され、それらの度数が選択される。近視は、光軸に沿った目の持続的な成長によって進行し、その結果、焦点が網膜の前に位置する。
【0013】
1つ又は複数の実施形態では、一次領域の光学度数は、遠見、中間部、又は近見の矯正を目に提供するために選択され、二次領域は、一次領域と比べてより正の度数を有する。
【0014】
一部の実施形態では、光学度数の前記漸進的遷移は、少なくとも大きさに不連続点を持たないというだけでなく、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率(すなわち一次導関数)における不連続点も回避する点で連続的である。一部の実施形態では、光学度数の漸進的遷移は、連続的又は実質的に連続的である。本明細書において、適切な又は改善した視覚機能又は視機能とは、視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数を意味する。
【0015】
1つ又は複数の実施形態において、オプティカルゾーンの中心及び周囲に1つ又は複数の二次領域が存在する。特定の実施形態では、一次領域は、中心の二次領域と周囲の二次領域との間の環帯でもよい。これらの実施形態において、中心及び周囲の二次領域の各々において上述したような及び一次及び二次領域を含まない少なくとも1つのステップが存在してもよい。二次領域の1つ又は複数を例えばオプティカルゾーンの中心に配置することによって、異なる視覚不良の同時矯正を達成し得る。
【0016】
一部の実施形態では、一次領域の周囲に位置する二次領域内に少なくとも2つのステップが存在する。2つ以上のステップが存在する場合には、ステップの深さ及び/又は高さは、それぞれ同じ又は異なってもよい。ステップの深さ及び/又は高さは、例えば、レンズの表面の外皮とレンズの実表面との差として測定することができる。他の実施形態では、2つ以上のステップが存在する場合には、ステップの深さ及び/又は高さは、以下:同じ、実質的に同じ、及び異なる、の内の1つでもよい。
【0017】
1つ又は複数の実施形態では、ステップは、光学度数の変化率がゼロである、すなわちステップが平坦である点又は有限部分を含んでもよい。他の実施形態では、変化率は、ステップにおいて反転してもよい。1つ又は複数の実施形態では、ステップは、光学度数の変化率がゼロ又は実質的にゼロである、すなわちステップが平坦又は実質的に平坦である点又は有限部分を含んでもよい。他の実施形態では、変化率は、ステップにおいて反転してもよい。
【0018】
一部の実施形態では、光学度数の変化率は、ステップの前後で類似又は同じでもよい。他の実施形態では、それは、ステップの前後で異なってもよい。一部の実施形態では、1つ又は複数の二次領域と、1つ又は複数の一次領域との間の度数遷移において、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在してもよい。一部の実施形態では、二次領域間の度数遷移において、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在し得る。半径方向とは、光軸の中心に向かう又は光軸の中心から離れる方向を意味する。半径方向距離は、時に、半弦距離とも呼ばれる場合がある。一部の実施形態では、1つ又は複数の二次領域において、又は各二次領域において、少なくとも2、3、4、5、又は6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在してもよい。一部の実施形態では、オプティカル部分の中心部分において少なくとも2つ又は3つの半径方向に間隔を空けたステップと、オプティカル部分の周囲部分において少なくとも4つ又は5つの半径方向に間隔を空けたステップとが存在してもよい。一部の実施形態では、オプティカル部分の中心部分において1~2つの半径方向に間隔を空けたステップと、オプティカル部分の周囲部分において2~6つの半径方向に間隔を空けたステップとが存在してもよい。一部の実施形態では、オプティカル部分の中心部分において2~3つの半径方向に間隔を空けたステップと、オプティカル部分の周囲部分において2~4つの半径方向に間隔を空けたステップとが存在してもよい。一部の実施形態では、レンズのオプティカル部分の1ミリメートル当たりに少なくとも2つ又は3つの半径方向に間隔を空けたステップが存在してもよい。複数のステップの使用は、例えば、視覚機能又は視機能の1つ又は複数の側面における適切な又は改善した視覚機能又は視機能という利点を持つ。特定の実施形態では、第1の度数遷移及び第2の度数遷移は、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有する。特定の実施形態では、第1の度数遷移及び第2の度数遷移の少なくとも一方は、1つ又は複数の二次領域間又は各二次領域間に、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有する。これらのステップは、他の度数遷移に存在してもよい。特定の実施形態では、1つ又は複数の二次領域間又は各二次領域間に、少なくとも2、3、4、5、又は6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在する。
【0019】
一般的に、光学素子は、実質的に軸対称である。一部の実施形態では、レンズ素子は、横方向に非対称及び/又は回転非対称でもよい。これらの異なる対称性は異なる利点を持ち、例えば、非対称レンズ素子は、目の特定の非対称視覚不良又は収差を部分的に補正又は矯正し得る。
【0020】
周囲の二次領域は、0.5~3mm、1~2mm、又は1~1.5mmの範囲の半径で始まり得る。
【0021】
本明細書において、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、「含む」(“comprise”)という用語、並びにこの用語の「含んでいる」(“comprising”)、「含む」(“comprises”)、及び「含まれた」(“comprised”)等のバリエーションは、さらなる追加、構成要素、整数値、又は工程を排除することを意図したものではない。
ほんの一例として、添付の図面を参照して、本開示をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態を構成する軸対称のコンタクトレンズの半弦光学度数図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態を構成する軸対称のコンタクトレンズの半弦光学度数図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態を構成する軸対称のコンタクトレンズの半弦光学度数図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態を構成する軸対称のコンタクトレンズの半弦光学度数図である。
【
図5】
図5は、従来のコンタクトレンズの一例の半弦光学度数図である。
【
図6】
図6は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な一実施形態を示す。
【
図7】
図7は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な一実施形態を示す。
【
図8】
図8は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な一実施形態を示す。
【
図9】
図9は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な一実施形態を示す。
【
図10】
図10は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な一実施形態を示す。
【
図11】
図11は、
図10の例示的な実施形態のオプティックゾーンの度数プロファイルの変化率の大きさを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1つ又は複数の実施形態を参照して、本開示をさらに詳細に説明し、その幾つかの実施例を、添付の図面に図示する。実施例及び実施形態は、説明を目的として提供されるものであり、本開示の範囲の限定として捉えられるものではない。さらに、1つの実施形態の一部として例示又は説明された特徴は、それらだけを用いて他の実施形態を提供することができ、1つの実施形態の一部として例示又は説明された特徴は、1つ又は複数の他の実施形態と共に用いることにより、さらなる実施形態を提供することができる。本開示は、これらの変形形態及び実施形態、並びに他の変形形態及び/又は変更形態を含む。
【0024】
詳細な説明に使用されるテーマの見出しは、読者が参照しやすいように含まれるものであって、本開示又はクレーム全体を通して見られる主題を限定するために使用されるものではない。テーマの見出しは、クレームの範囲又はクレームの限定の理解に用いられるものではない。
【0025】
本明細書においては、ステップは、例えば、その領域上で度数が単調に変化しているレンズ上の領域として、その領域上で度数の変化率の大きさ(すなわち、符号又は方向を無視する)が減少したのち増加する領域内の場所として定義することができる。この場所内(すなわちステップ内)の度数の変化率は、ゼロ(すなわち、度数がステップに沿って一定)又はゼロ以外(すなわち、度数がステップに沿って変化し続けるが、より小さい変化率で変化する)でもよい。あるいは、ステップは、例えば、レンズの幅方向の距離に対する度数の一次導関数の絶対値が減少したのち増加するレンズ上の場所として定義することができる。
【0026】
図1~4は、開示された実施形態の幾つかによるコンタクトレンズのオプティカルゾーン(半径4mm)の半径方向に光学度数を描いた半弦図である。
図1及び2の実施形態では、コンタクトレンズの一次領域12は、中心に位置し、このコンタクトレンズが対象とする個人の処方に従って、-3Dの近視矯正度数を有する。従って、一次領域は、約2.1~2.2mmの直径を有する。
【0027】
この中心領域の周囲は、中心領域の度数と比べてより正の度数へと光学度数が遷移することにより、
図1の実施形態の場合-1.5D、
図2の実施形態の場合-0.8Dの絶対度数となる二次領域14である。度数は、連続的に(すなわち、大きさ又は変化率に不連続点がない)遷移し、度数の変化率の大きさが減少したのち増加する幾つかのステップを有する。
【0028】
一次領域は、関連する一次光学度数を有してもよく、二次領域は、関連する二次光学度数を有してもよい。度数遷移は、2つの隣接する領域間に存在してもよい。例えば、度数遷移は、一次領域と、隣接した二次領域との間でもよい。度数遷移は、ある領域の光学度数から隣接する領域の光学度数へと変化する光学度数の変化である。例えば、-3Dの一次光学度数を有する一次領域と、+1Dの二次光学度数を有する二次領域との間の度数遷移は、一次領域付近の-3Dから連続して二次領域付近の+1Dへと変化し得る。
【0029】
図1の実施形態では、2つの中間ステップが存在する:第1のステップは、そのステップの前後は非常に急激かつ急勾配で、このステップ自体は、約0.6mmの幅又は深さにわたって、実質的に平坦である、すなわち度数が変化しない。従って、急激な変化は、例えば、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率の大きさの変化の大きさ(1平方ミリメートル当たりのジオプター、すなわちD/mm
2で表される)が20D/mm
2以上でもよく、最大100D/mm
2となり得ることを意味する。ステップの前後の度数の変化は、1平方ミリメートル当たりのジオプターで表されたレンズの光軸からの距離に対する度数の一次導関数の絶対値の導関数の絶対値としても示すことができる。急激な変化は急速な変化とも呼ばれる場合がある。ステップの前後の度数の変化は、緩やかでもよい。緩やかな変化は、例えば、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率の大きさの変化の大きさが10D/mm
2以下となり得ることを意味する。ステップの前後の度数の変化は、中程度でもよい。中程度の変化は、例えば、緩やかな変化と、急激又は急速な変化との間に位置する。中程度の変化は、例えば、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率の大きさの変化の大きさが10D/mm
2~20D/mm
2となり得ることを意味する。
【0030】
図1の実施形態では、第2のステップも平坦であるが、約0.25mmのより短い幅又は深さにわたり、より急激度の低い光学度数の増加が続いた後、約2.5mmの半径において、-1.5Dのより正の度数で水平状態に達する。
【0031】
図2の実施形態では、第1のステップは、より小さな幅又は深さを有し、度数の変化率は、2つのステップの前後で実質的に類似し、二次領域の光学度数が約3.3mmの半径において-0.3Dで水平状態に達する前に、-1.5Dで第3のステップが存在する。
【0032】
図3の実施形態は、少なくとも2つの点において、
図1及び2の実施形態とは異なる。第1に、オプティカルゾーンの中心に円形の二次領域14Aが存在するので、一次光学度数が-3Dである一次領域が、1mmの半径を中心とした幅約0.5mmの環帯に減少する。この中心に位置する二次領域14Aは、-3Dの一次光学度数から-2Dの中心のより正の二次光学度数への途中で度数遷移における1つの中間ステップを有する。2つ目の相違点は、この場合、ステップ間の間隔が、ステップ間の幅又は半弦距離に関して及び一次領域から周囲の二次領域14への度数遷移におけるステップ間の光学度数の差に関して、他の実施形態に見られ得るように実質的に同一ではないことである。
【0033】
図4は、
図1及び3の実施形態のプロファイルの要素を組み合わせた実施形態を示す。ここでは、一次領域は、約-1Dの遠見度数を有するが、これは、約1.4mmの半径の狭い環状領域である。
【0034】
一次領域において類似の遠見度数を有するが、0.5Dの周囲度数へとなだらかに、連続して、ステップを有さずに、単調に増加する従来のコンタクトレンズと比較して、
図4によるコンタクトレンズを用いて最初のテストを行った。これらの参照用コンタクトレンズの半弦度数プロファイルを
図5に示す。0.75DCを超えない最小限の円柱矯正を示した(すなわち、最小限の乱視矯正を必要とする)4人の被験者が選ばれ、レンズの装着後に1~4時間、視覚機能又は視機能の様々な要素又は側面を評価するために質問を受けた。被験者は、各設計を左右対称に装着し、これらは、同じ順番でテストされた。レンズを評価する際に被験者によって行われた課題は、主に屋内での事務作業に関係するものであった。評価は、視覚の明瞭さ、ゴースティングの程度、及び全体的な満足度を含む視覚に関する質問を含むものであった。
【0035】
レンズの度数プロファイルは、レンズの設計を基にしてもよい、あるいは製造されたレンズから測定されてもよい。製造されたレンズの測定のために、幾つかの測定システムを使用することができる。測定システムの幾つかの例は、SHSOphthalmic(Optocraft Gmbh、ドイツ)、Nimo(Lambda-X、ベルギー)、及びPhase Focus Lens Profiler(Phase Focus Ltd、イギリス)等の度数プロファイリング機器を含むが、これらに限定されない。適切に設定されれば、これらの測定システムを用いて、度数プロファイル及びレンズの度数プロファイルに存在するステップの数を決定することができる。
【0036】
視覚の評価は、1=極めて不明瞭/ぼやけた及び10=極めて明瞭/はっきりしたといった1~10の数値評定尺度によるものであった。遠見視及び近見視において、従来の参照用レンズは、平均で約6と評定されたのに対して、用いられた例示的な実施形態は、約8と評定された。総合的な視覚では、それぞれ5対7.5であった。ゴースティングの程度についての報告に関しては、尺度は、1=ゴースティングなし及び10=重度のゴースティングであった。参照用設計における遠見及び近見でのゴースティングは、約4.5の評定を得たのに対して、実施形態の評定は、2.5であった(すなわち、ゴースティングが少ない)。
【0037】
全体的な満足度では、スコアは、5対7.5であり、例示された実施形態の方がより高い性能スコアを有した。
【0038】
図4のレンズ構成は、
図5のものと比較して、視覚機能又は視機能の観察可能な主観的改善をもたらした。
【0039】
特定の実施形態は、少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、少なくとも1つの第1の光学度数を含む少なくとも1つの二次領域とを含むオプティカルゾーンを含む眼科用レンズであって、二次領域の少なくとも1つは、少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、少なくとも1つの第1の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、少なくとも第1のステップ及び第2のステップを有する少なくとも1つの一次光学度数から少なくとも1つの第1の光学度数への第1の度数遷移が存在し、これらのステップは、少なくとも1つの一次領域及び少なくとも1つの二次領域を含まず、第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数遷移の変化率の大きさがステップの前の境界点で減少した後、ステップの後の境界点で増加する、眼科用レンズに関する。
【実施例0040】
実施例1
図6は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な実施形態を示す。オプティックゾーン全域の度数は、オプティックゾーンの中心からの半弦距離に対して示される。
図6の例は、
一次光学度数を有する一次領域101と、
中心部分111と、
第1の二次光学度数を有する中心部分111内の第1の二次領域102と、
一次領域101から第1の二次領域102への第1の度数遷移を有する第1の度数遷移領域104と、
周囲部分110と、
第2の二次光学度数を有する周囲部分110内の第2の二次領域103と、
一次領域101から第2の二次領域103への第2の度数遷移を有する第2の度数遷移領域105と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
一次光学度数は、屈折補正の処方に従って選択され、第1の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、第2の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、
第1の度数遷移は、少なくとも、第1の二次領域102における第1の二次光学度数から一次領域101における一次光学度数への度数の変化率が、第1の度数遷移104内の第1の遷移領域112と第1のステップ106との間の第1の境界点113において急速に変化し(これは、例えば、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率の大きさの変化の大きさが20D/mm
2以上となり得ることを意味する)、その後、第1の度数遷移104内の第2の遷移領域115と第1のステップ106との間の第2の境界点114において、度数の変化率の急速な変化が続く、第1の度数遷移領域104内の第1のステップ106と、少なくとも、第2の二次領域103における第2の二次光学度数から一次領域101における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移105の第3の遷移領域119と第2のステップ107との間の第3の境界点118において急速に変化し、その後、第2の度数遷移105内の第4の遷移領域116と第2のステップ107との間の第4の境界点117において、度数の変化率の急速な変化が続く、第2の度数遷移領域105内の第2のステップ107とを
含む、眼科用レンズに関する。特定の実施形態では、レンズの幅方向の距離に対する度数の変化率の大きさは、少なくとも0.5D/mm、1D/mm、2D/mm、4D/mm、又は8D/mmでもよい。
【0041】
図6の例示的な実施形態では、オプティックゾーンは、8mmの直径(4mmの半弦)を有する。他の実施形態では、オプティックゾーンの直径は、少なくとも3mm、5mm、6mm、7mm、又は8mmでもよい。
図6の例示的な実施形態では、一次領域101の一次光学度数は、度が入っていない(すなわち、0D)。
【0042】
特定の実施形態では、一次光学度数は、装着者の処方に従って選択されてもよい。特定の実施形態では、一次光学度数は、球面度数成分を含み得る。球面度数成分は、近視、遠視、老眼、又はそれらの組み合わせの矯正に使用することができる。一次領域における球面度数は、-20D~+30D、-20D~+20D、-15D~+15D、又は-10D~+10Dの範囲から選択されてもよい。特定の実施形態では、一次光学度数は、円柱度数成分をさらに含み得る。円柱度数成分は、乱視の矯正に使用することができる。特定の実施形態では、一次領域における円柱度数は、-10D~+10D又は-5D~+5Dの範囲から選択されてもよい。
【0043】
図6の例示的な実施形態では、中心に位置する第1の二次領域の直径は、約0.7mm(すなわち、約0.35の半弦距離)であり、第2の二次領域の幅(半弦距離)は、約1.1mmである。特定の実施形態では、二次領域の幅は、0mm~2mm、0.1mm~1.75mm、又は0.2mm~1.5mmでもよい。
【0044】
図6の例示的な実施形態では、一次領域101の幅(半弦距離)は、約0.6mmである。
【0045】
特定の実施形態では、一次領域の幅は、0.2mm~2mm、0.3mm~1.75mm、又は0.4mm~1.5mmでもよい。
【0046】
図6の例示的な実施形態では、第1の二次領域の度数は、一次光学度数よりも1D分より正であり、第2の二次光学度数は、一次領域の光学度数よりも2.75D分大きい。
【0047】
特定の実施形態では、二次領域の度数は、一次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正でもよい。特定の実施形態では、2つ以上の二次領域の度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なってもよい。
【0048】
図6の例示的な実施形態では、第1のステップ106の幅は、約0.2mmであり、第2のステップ107の幅は、約0.4mmである。
【0049】
特定の実施形態では、ステップの幅は、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmでもよい。
【0050】
図6の例示的な実施形態では、第1のステップ106の度数は、一次領域101の光学度数よりも約0.5D分より正であり、第2のステップ107の度数は、一次領域101の光学度数よりも約1.75D分大きい。
図6の例示的な実施形態では、第1のステップ106の度数は、第1の二次領域102の光学度数よりも約0.5D分、正の度合いが低く、第2のステップ107の度数は、第2の二次領域103の光学度数よりも約1D分小さい。
【0051】
特定の実施形態では、ステップの度数は、一次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正でもよい。特定の実施形態では、ステップの度数は、二次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低い又はより負でもよい。特定の実施形態では、2つ以上のステップの度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なってもよい。
【0052】
図6の例示的な実施形態では、第1のステップ106を形成する境界点113及び114における光学度数の変化率の変化と、第2のステップ107を形成する境界点117及び118における光学度数の変化率の変化とは、急速である。
【0053】
特定の実施形態では、光学度数の変化率の変化は、変化率の変化が0.3mm、0.25mm、0.2mm、又は0.15mm未満の境界点幅上で生じる場合に「急速」であると見なされてもよい。光学度数の変化率の変化がどの程度急速に生じ得るかは、レンズの製造プロセスによって制約され得る。
【0054】
実施例2
図10は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な実施形態を示す。オプティックゾーン全域の度数は、オプティックゾーンの中心からの半弦距離に対して示される。
図10の例は、
一次光学度数を有する一次領域501と、
中心部分511と、
第1の二次光学度数を有する中心部分511内の第1の二次領域502と、
一次領域501から第1の二次領域502への第1の度数遷移を有する第1の度数遷移領域504と、
周囲部分510と、
第2の二次光学度数を有する周囲部分510内の第2の二次領域503と、
一次領域501から第2の二次領域503への第2の度数遷移を有する第2の度数遷移領域505と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
一次光学度数は、屈折補正の処方に従って選択され、第1の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、第2の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、
第1の度数遷移は、少なくとも、第1の二次領域502における第1の二次光学度数から一次領域501における一次光学度数への度数の変化率が、第1の度数遷移504内の第1の遷移領域512と第1のステップ506との間の第1の境界点513において急速に変化し、その後、第1の度数遷移504内の第2の遷移領域515と第1のステップ506との間の第2の境界点514において、度数の変化率の急速な変化が続く、第1の度数遷移領域504内の第1のステップ506と、
少なくとも、第2の二次領域503における第2の二次光学度数から一次領域501における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移505の第3の遷移領域519と第2のステップ507との間の第3の境界点518において急速に変化し、その後、第2の度数遷移505内の第4の遷移領域516と第2のステップ507との間の第4の境界点517において、度数の変化率の急速な変化が続く、第2の度数遷移領域505内の第2のステップ507とを含む、眼科用レンズに関する。
【0055】
図11は、
図10に示した例示的な実施形態のオプティカルゾーン全域の度数の変化率の大きさの図表である。例示的な実施形態の一次領域501、内側及び外側部分511及び510、二次領域502及び503、度数遷移504及び505、及び第1及び第2のステップ506及び507も
図11に示される。度数の変化率の大きさは、度数の変化率の絶対値、すなわち、オプティックゾーンに沿った度数の傾きの絶対値である。これは、方程式1によって表すことができる。
式中、
Xは、半弦距離であり、
Pは、半弦距離Xにおける度数であり、
Rは、半弦距離Xにおける度数Pの変化率の大きさであり、
度数の変化率の大きさの単位は、D/mm(1ミリメートル当たりのジオプター)である。
度数の変化率の大きさの変化の大きさ(すなわち、Xに対するRの導関数の絶対値)の単位は、D/mm
2(1平方ミリメートル当たりのジオプター)である。
図10では、第1のステップ506は、第1の遷移領域512と第1のステップ506との間の第1の境界点513において、度数の変化率において緩やかな変化を有し、第2の遷移領域515と第1のステップ506との間の第2の境界点514においても度数の変化率において緩やかな変化を有する。
図11では、第1の二次領域502から第1のステップ506に近づいたのち、一次領域501に向けて第1のステップを離れる度数の変化率の大きさは、第1の遷移領域512及び第1の境界点513において度数の変化率の大きさの減少として見られ、その後、第2の境界点514及び第2の遷移領域515において度数の変化率の大きさの増加が続く。この例示的な実施形態では、境界点513及び514における度数の変化率の大きさの変化は緩やかで、第1の境界点513の場合、約7D/mm
2であり、第2の境界点514の場合、9D/mm
2である。
図10では、第2のステップ507は、第4の遷移領域516と第2のステップ507との間の第4の境界点517において、度数の変化率の大きさにおいて急速な変化を有し、第3の遷移領域519と第2のステップ507との間の第3の境界点518において、度数の変化率の大きさにおいてより急速な変化を有する。
図11では、第2の二次領域503から第2のステップ507に近づいたのち、一次領域501に向けて第1のステップを離れる度数の変化率の大きさは、第3の遷移領域519及び第3の境界点518において度数の変化率の大きさの減少として見られ、その後、第4の境界点517及び第4の遷移領域516において度数の変化率の大きさの増加が続く。この例示的な実施形態では、境界点517及び518における度数の変化率の大きさの変化の大きさは、急速から非常に急速の範囲で、第4の境界点517の場合、約20D/mm
2であり、第3の境界点518の場合、35D/mm
2である。
【0056】
特定の実施形態では、境界点における度数の変化率の大きさの変化は、非常に急速でもよく、最大で100D/mm2でもよい。
【0057】
従って、この例示的な実施形態では、第1のステップ及び第2のステップの両方に関して、度数の変化率の大きさは減少したのち増加する。すなわち、度数の変化率の大きさにおける極小が存在する点又は幅が存在する。
図11では、第1のステップ506に対応する最小値は点606に存在し、第2のステップ507に対応する最小値は、幅607に沿う。
【0058】
特定の実施形態では、二次領域と一次領域との間の度数遷移は、度数遷移に沿った度数の変化率の大きさが減少したのち増加する場合にステップを有する。特定の実施形態では、度数遷移に沿った度数の変化率の大きさの減少に続く増加は、1回又は複数回(すなわち、度数遷移は、1つ又は複数のステップを有する)生じ得る。特定の実施形態では、度数遷移に沿った度数の変化率の大きさの最小値は、点、実質的な点、及び幅の内の1つである。特定の実施形態では、度数遷移に沿った度数の変化率の大きさの最小値は、0~1mm、0~0.75mm、又は0~0.5mmの幅を有する。
【0059】
特定の実施形態では、ステップの度数の変化率の大きさの最小値における度数の変化率の大きさは、0D/mm~0.75D/mm、0D/mm~0.6D/mm、又は0D/mm~0.5D/mm、又は0D/mm~1D/mmでもよい。
【0060】
特定の実施形態では、遷移領域とステップとの間の境界点における度数の変化率の大きさの変化率は、1D/mm2~100D/mm2又は5D/mm2~50D/mm2でもよい。
【0061】
実施例3
図7は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な実施形態を示す。オプティックゾーン全域の度数は、オプティックゾーンの中心からの半弦距離に対して示される。
図7の例は、
一次光学度数を有する一次領域201と、
中心部分211と、
第1の二次光学度数を有する中心部分211内の第1の二次領域202と、
一次領域201から第1の二次領域202への第1の度数遷移を有する第1の度数遷移領域204と、
周囲部分210と、
第2の二次光学度数を有する周囲部分210内の第2の二次領域203と、
一次領域201から第2の二次領域203への第2の度数遷移を有する第2の度数遷移領域205と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
一次光学度数は、屈折補正の処方に従って選択され、第1の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、第2の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、
第1の度数遷移は、少なくとも、第1の二次領域202における第1の二次光学度数から一次領域201における一次光学度数への度数の変化率が、第1の度数遷移204内の第1の遷移領域212と第1のステップ206との間の第1の境界点213において急速に変化し、その後、第1の度数遷移204内の第2の遷移領域215と第1のステップ206との間の第2の境界点214において、度数の変化率の急速な変化が続く、第1の度数遷移領域204内の第1のステップ206と、
少なくとも第2のステップ207及び第3のステップ208と、を含み、
第2のステップ207は、第2の二次領域203における第2の二次光学度数から一次領域201における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移205内の第3の遷移領域219と第2のステップ207との間の第3の境界点218において急速に変化し、その後、第2の度数遷移205内の第4の遷移領域216と第2のステップ207との間の第4の境界点217において、度数の変化率の急速な変化が続く、第2の度数遷移領域205内に位置し、第3のステップ208は、第2の二次領域203における第2の二次光学度数から一次領域201における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移205内の第5の遷移領域221と第3のステップ208との間の第5の境界点221において急速に変化し、その後、第2の度数遷移205内の第3の遷移領域219と第3のステップ208との間の第6の境界点220において、度数の変化率の急速な変化が続く第2の度数遷移領域205内に位置する、眼科用レンズに関する。
【0062】
図7の例示的な実施形態では、一次領域201の一次光学度数は、1.25Dである。
【0063】
特定の実施形態では、一次光学度数は、装着者の処方に従って選択されてもよい。このような処方は、近視、遠視、乱視及び老眼の内の1つ又は複数の矯正のために提供され得る。
【0064】
図7の例示的な実施形態では、第1の二次領域の直径は、約0.7mm(すなわち、約0.35mmの半弦距離)であり、第2の二次領域の幅(半弦距離)は、約0.8mmである。
【0065】
特定の実施形態では、二次領域の幅は、0mm~2mm、0.1mm~1.75mm、又は0.2mm~1.5mmでもよい。
【0066】
図7の例示的な実施形態では、第1の二次領域202の度数は、一次光学度数よりも1D分より正であり、第2の二次光学度数は、一次領域201の光学度数よりも3.25D分を上回って大きい。
図7の例示的な実施形態では、第2の二次領域203は、約4.25Dから開始され、外縁部に向けて正の度数で漸進的に増加する光学度数の進行を有する。このような外縁部の度数の漸進的増加は、目の成長を低減させ得る及び/又は近視の進行を低減させ得る。
【0067】
特定の実施形態では、二次領域の度数は、一定、実質的に一定、漸進的に増加する、漸進的に減少する、変調される(すなわち、その度数プロファイルに沿って起伏する)、収差プロファイル(例えば球面収差)を有する、又はこれらの組み合わせでもよい。
【0068】
図7の例示的な実施形態では、内側又は中心部分211は、第1の二次領域202から一次領域201への第1の度数遷移204においてステップ206を有し、外側又は周囲部分210は、第2の二次領域203から一次領域201への第2の度数遷移205において2つのステップ207及び208を有する。
【0069】
特定の実施形態では、内側若しくは中心部分、又は外側若しくは周囲部分内のステップの数は、1、2、3、4又は5つ以上でもよい。特定の実施形態では、例えば中心部分を意味する内側部分内のステップの数は、1、2、3又は4つ以上でもよい。特定の実施形態では、例えば中心又は内側部分の外側の部分を意味する外側部分内のステップの数は、1、2、3、4、5又は6つ以上でもよい。特定の実施形態では、内側若しくは中心部分、又は外側若しくは周囲部分内のステップの数は、1~6つ、1~5つ、2~6つ、2~5つ又は2~4つでもよい。特定の実施形態では、内側部分のステップの数は、外側部分のステップの数と同じでもよい。特定の実施形態では、内側部分のステップの数及び外側部分のステップの数は、同じでなくてもよい。
【0070】
図7の例示的な実施形態では、第1の二次領域202と一次領域201との第1の度数遷移204は、ステップ206を有し、第2の二次領域203から一次領域201への第2の度数遷移205は、2つのステップ207及び208を有する。特定の実施形態では、度数遷移内のステップの数は、1、2、3、4又は5つ以上でもよい。
【0071】
特定の実施形態では、二次領域に隣接する又は接する度数遷移内のステップの数は、1、2、3、4、5又は6つ以上でもよい。特定の実施形態では、中心に位置する二次領域に隣接する又は接する度数遷移内のステップの数は、1、2、3、又は4つ以上でもよい。特定の実施形態では、2つ以上の度数遷移におけるステップの数は、同じでもよい。特定の実施形態では、2つ以上の度数遷移におけるステップの数は、同じでなくてもよい。
【0072】
実施例4
図8は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な実施形態を示す。
図8の例は、
一次光学度数を有する一次領域301と、
中心部分311と、
第1の二次光学度数を有する中心部分311内の第1の二次領域302と、
一次領域301から第1の二次領域302への第1の度数遷移を有する第1の度数遷移領域304と、
周囲部分310と、
第2の二次光学度数を有する周囲部分310内の第2の二次領域303と、
一次領域301から第2の二次領域303への第2の度数遷移を有する第2の度数遷移領域305と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
一次光学度数は、屈折補正の処方に従って選択され、第1の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、第2の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、
第1の度数遷移は、少なくとも、第1の二次領域302における第1の二次光学度数から一次領域301における一次光学度数への度数の変化率が、第1の度数遷移304内の第1の遷移領域312と第1のステップ306との間の第1の境界点313において変化し、その後、第1の度数遷移304内の第2の遷移領域315と第1のステップ306との間の第2の境界点314において、度数の変化率の変化が続く、第1の度数遷移領域304内の第1のステップ306と、
少なくとも第2のステップ307及び第3のステップ308と、を含み、
第2のステップ307は、第2の二次領域303における第2の二次光学度数から一次領域301における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移305内の第3の遷移領域319と第2のステップ307との間の第3の境界点318において変化し、その後、第2の度数遷移305内の第4の遷移領域316と第2のステップ307との間の第4の境界点317において、度数の変化率の変化が続く、第2の度数遷移領域305内に位置し、第3のステップ308は、第2の二次領域303における第2の二次光学度数から一次領域301における一次光学度数への度数の変化率が、第2の度数遷移305内の第5の遷移領域321と第3のステップ308との間の第5の境界点321において変化し、その後、第2の度数遷移305内の第3の遷移領域319と第3のステップ308との間の第6の境界点320において、度数の変化率の変化が続く第2の度数遷移領域305内に位置する、眼科用レンズに関する。
【0073】
図8の例示的な実施形態では、一次領域301の度数は、約-2Dであり、外縁部に向けて正の度数で漸進的に増加する光学度数の進行を有する。このような外縁部の度数の漸進的増加は、視機能又は視覚機能の1つ又は複数の側面における効果的な又は改善した視機能又は視覚機能をもたらすことができる。例えば、球面収差は、目及び眼科用レンズを合わせた状態の収差を補正する、低減させる、又は操作するために、一次領域に含まれてもよい。このような球面収差の含有例は、視覚の明瞭さ、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質、又はこれらの組み合わせを改善し得る。
【0074】
特定の実施形態では、一次領域の度数は、一定、実質的に一定、漸進的に増加する、漸進的に減少する、変調される(すなわち、その度数プロファイルに沿って起伏する)、収差プロファイル(例えば球面収差)を有する、又はこれらの組み合わせでもよい。
【0075】
図8の例示的な実施形態では、第1のステップ306、第2のステップ307、及び第3のステップ308の度数は、ステップ内で一定ではない。
【0076】
特定の実施形態では、ステップ内の度数プロファイルは、一定、実質的に一定、又は漸進的に変化してもよい。ステップの度数が漸進的に変化する特定の実施形態では、ステップの幅にわたる度数の変化は、0~0.2D、0~0.15D、又は0~0.1Dでもよい。2つ以上のステップが漸進的に変化する度数プロファイルを有する特定の実施形態では、2つ以上のステップ間の度数プロファイルの変化率は、同じでもよい又は同じでなくてもよい。
【0077】
図8の例示的な実施形態では、第1の度数遷移304及び第2の度数遷移305に沿った度数プロファイルは、単調である。
【0078】
単調とは、度数遷移が1つの領域から別の領域へと(例えば、第1の二次領域と一次領域との間で)減少する場合には、度数プロファイルが、度数遷移内のステップを含む度数遷移に沿って、減少する、一定、実質的に減少する、又は実質的に一定であることを意味する。逆に、度数遷移が1つの領域から別の領域へと(例えば、一次領域から第2の二次領域へと)増加する場合には、単調とは、度数プロファイルが、度数遷移内のステップを含む度数遷移に沿って、増加する、一定、実質的に増加する、又は実質的に一定であることを意味する。特定の実施形態では、度数遷移は、単調な度数プロファイルを有する。
【0079】
図8の例示的な実施形態では、第1のステップ306を形成する境界点313及び314における光学度数の変化率の変化と、第2のステップ307を形成する境界点317及び318における光学度数の変化率の変化とは、急速度が低い及び/又はより緩やかである。
【0080】
特定の実施形態では、光学度数の変化率の変化は、変化率の変化が0.15~1mm、0.25~0.75mm、又は0.3~0.5mmの境界点幅上で生じる場合に「緩やか」であると見なされ得る。
【0081】
実施例5
図9は、レンズのオプティックゾーンの度数プロファイルの例示的な実施形態を示す。
図9の例は、
一次光学度数を有する一次領域401と、
中心部分411と、
第1の二次光学度数を有する中心部分411内の第1の二次領域402と、
一次領域401から第1の二次領域402への第1の度数遷移を有する第1の度数遷移領域404と、
周囲部分410と、
第2の二次光学度数を有する周囲部分410内の第2の二次領域403と、
一次領域401から第2の二次領域403への第2の度数遷移を有する第2の度数遷移領域405と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
第1の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、第2の二次光学度数は、一次光学度数と比べてより正であり、
第1の度数遷移は、少なくとも、第1の度数遷移領域404内の第1のステップ406と、
少なくとも、第2の度数遷移領域405内の第2のステップ407と、を含み、
一次領域401は、一次領域とは異なる光学度数を有する光学領域409を含む、眼科用レンズに関する。
図9の例示的な実施形態では、一次領域401の度数は、約-2.5Dであり、一次度数と比べて約0.75D分より正の光学度数を有する環状光学領域409を有する。このような光学領域は、老眼の矯正及び/又は目の成長の低減及び/又は近視の進行の低減のために、近見視力の改善を提供し得る。
【0082】
特定の実施形態では、一次領域は、一次領域とは異なる又は実質的に異なる光学度数を有する1つ又は複数の光学領域を有してもよい。特定の実施形態では、一次領域は、一次領域と比べてより正の又は実質的により正の光学度数を有する1つ又は複数の光学領域を有してもよい。一次領域が2つ以上の光学領域を有し得る特定の実施形態では、一次領域内の2つ以上の光学領域の光学度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なってもよい。
【0083】
特定の実施形態は、実行するためには専門家の医学専門知識を必要とする及び必要とされる専門家の治療及び専門知識によって実行されたとしても大きな健康上のリスクを伴う、人又は動物の体に対する実質的な物理的介入を意味する侵襲的工程を含む又は包含するような使用、例えば、レンズを人又は動物の目の中及び/又は上に導入する、光学特性を侵襲的に変化させる、及び/又は人又は動物の目の構成要素である水晶体を恒久的に変形させる又は人又は動物の目の構成要素である水晶体の少なくとも一部を交換する工程を含む使用は除いたレンズの使用に関する。
【0084】
他の非限定的で例示的な実施形態
請求項に係る発明の内容のさらなる利点は、以下の例示的な実施形態から明らかとなるであろう。
実施例A1.光学度数を有する一次領域と、1つ又は複数の二次領域とを有するオプティカルゾーンを含む眼科用レンズであって、
1つ又は複数の二次領域の少なくとも1つは、一次領域の周囲に位置し、
1つ又は複数の二次領域は、一次領域の光学度数と比べてより正の光学度数を有し、
一次領域と、少なくとも1つ又は1つ又は複数の二次領域との間で、度数の変化率の大きさが減少したのち増加する、一次領域及び1つ又は複数の二次領域の少なくとも1つを含まない少なくとも1つのステップを有して、光学度数がより負の度数とより正の度数との間で漸進的に遷移する、眼科用レンズ。
実施例A2.少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、
第1の光学度数を有する第1の二次領域と、
第2の光学度数を有する第2の二次領域と、
を含むオプティカルゾーンを含む、眼科用レンズであって、
第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方は、少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、第1及び第2の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、
隣接する一次領域と二次領域との間に、度数遷移の変化率の大きさが減少したのち増加する、一次及び二次領域における一次及び二次度数を含まない少なくとも1つのステップを有した、一次光学度数から隣接する二次領域の二次光学度数への度数遷移が存在する、眼科用レンズ。
実施例A3.少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、
第1の光学度数を有する第1の二次領域及び第2の光学度数を有する第2の二次領域を含む少なくとも2つの二次領域と、
を含むオプティカルゾーンを含む、眼科用レンズであって、
第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方は、少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、第1及び第2の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、
少なくとも1つの一次領域が第1の二次領域及び第2の二次領域の一方に隣接する場合に度数遷移の変化率の大きさが急速に減少したのち急速に増加する、少なくとも1つの一次光学度数及び第1及び二次光学を含まない少なくとも1つのステップを有した、少なくとも1つの一次光学度数から第1の光学度数及び第2の光学度数の少なくとも一方への度数遷移が存在する、眼科用レンズ。
実施例A4.目の屈折異常を矯正する及び目の成長を制御するための眼科用レンズであって、光学度数を有する一次領域と、一次領域の周囲に少なくとも1つを含み、一次領域の光学度数と比べてより正の光学度数を有する1つ以上の二次領域とを備えたオプティカルゾーンを含み、一次領域と1つ以上の二次領域との間で、度数の変化率の大きさがレンズによって経験される視覚機能又は視機能の改善に十分な量だけ及び距離にわたって減少したのち増加する、一次領域及び1つ以上の二次領域を含まない少なくとも1つのステップを有して、より負の度数とより正の度数との間で光学度数が漸進的に遷移する、眼科用レンズ。
A5.レンズが目の屈折異常を矯正するためのものである、実施例A1~A3の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A6.レンズが目の屈折異常を矯正するため及び目の成長を制御するためのものである、実施例A1~A3の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A7.二次光学度数が、一次光学度数と比べて、0.5D~3.5D、0.75D~2.5D、又は1D~2.5D分だけより正である、実施例A1~A6の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A8.二次光学度数が、一次光学度数と比べて、少なくとも0.5D、0.75D、1D、2D、2.5D、3D、又は3.5D分だけより正である、実施例A1~Ax6の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A9.一次領域の幅が、約0.2mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、又は5mmである、実施例A1~A8の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A10.一次領域の幅が、0.2mm~5mm、0.5~1mm、0.5mm~2mm、0.5mm~3mm、1mm~4mm、又は2mm~4mmである、実施例A1~A8の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A11.中心の二次領域の幅が、0mm~3mm、0.5mm~3mm、1mm~2.5mm、又は2mm~2.5mmである、実施例A1~A10の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A12.ステップの少なくとも1つの幅が、およそ0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A13.ステップの少なくとも2つの幅が、およそ0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A14.ステップの少なくとも3つの幅が、およそ0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A15.ステップの少なくとも4つの幅が、およそ0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A16.ステップの少なくとも1つの幅が、約0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A17.ステップの少なくとも2つの幅が、約0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A18.ステップの少なくとも3つの幅が、約0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A19.ステップの少なくとも4つの幅が、約0.1mm、0.2mm、又は0.3mmである、実施例A1~A11の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A20.ステップの1つ又は複数の光学度数の漸進的遷移の変化率が単調に増加する、実施例A1~A19の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A21。ステップの1つ又は複数の光学度数の漸進的遷移の変化率が単調に減少する、実施例A1~A19の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A22.ステップの1つ又は複数の光学度数の少なくとも一部の変化率が均一又は実質的に均一である、実施例A1~A21の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A23.ステップの1つ又は複数の光学度数の少なくとも一部の変化率がゼロ又は実質的に均一である、実施例A1~A21の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A24.ステップの1つ又は複数の光学度数の少なくとも一部の変化率は、急速であり、0.3mm、0.25mm、0.2mm、又は0.15mm未満の境界点幅上で生じる、実施例A1~A23の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A25.ステップの1つ又は複数の光学度数の少なくとも一部の変化率は、緩やかであり、0.15~1mm、0.25~0.75mm、又は0.3~0.5mmの境界点幅上で生じる、実施例A1~A23の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A26.レンズが、近視の矯正及び近視の進行の制御のためのものである、実施例A1~A25の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A27.レンズが、目の以下の屈折異常:近視、遠視、乱視及び老眼の内の1つ又は複数の矯正のためのものである、実施例A1~A25の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A28.レンズがコンタクトレンズである、実施例A1~A27の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A29.レンズが眼内レンズである、実施例A1~A27の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A30.レンズが視覚機能又は視機能を改善させる、実施例A1~A29の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A31.レンズが以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数を改善させる、実施例A1~A29の1つ又は複数の眼科用レンズ。
A32.実施例A1~A29の1つ又は複数のレンズを用いた、近視を矯正する及び近視の進行を制御する方法。
A33.実施例A1~の1つ又は複数のレンズを用いた、目の以下の屈折異常:近視、遠視、乱視及び老眼の内の1つ又は複数を矯正する方法
A34.実施例A1~A29の1つ又は複数のレンズを用いた、視覚機能又は視機能を改善させる方法。
A35.実施例A1~A29の1つ又は複数のレンズを用いた、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数を改善させる方法。
実施例B1.少なくとも第1の度数プロファイルを有する少なくとも1つの内側部分と、少なくとも第2の度数プロファイルを有する少なくとも1つの外側部分と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
少なくとも1つの内側部分の第1の度数プロファイルは、少なくとも第1のステップを有し、第1のステップは、その両側において、第1の境界点及び第2の境界点と境界を接し、第1の度数プロファイルは、第1の境界点において度数の変化率の第1の変化と、第2の境界点において度数の変化率の第2の変化とを有し、
少なくとも1つの外側部分の第2の度数プロファイルは、少なくとも第2のステップを有し、第2のステップは、その両側において、第3の境界点及び第4の境界点と境界を接し、第2の度数プロファイルは、第3の境界点において度数の変化率の第3の変化と、第4の境界点において度数の変化率の第4の変化とを有する、眼科用レンズ。
B2.少なくとも第1のステップを有する少なくとも1つの内側部分は、1~6つ、1~5つ、2~5つ、又は2~4つのステップを有する、実施例B1の眼科用レンズ。
B3.少なくとも第1のステップを有する少なくとも1つの内側部分は、1~6つ、1~5つ、2~5つ、又は2~4つのステップを有する、実施例B1又はB2の眼科用レンズ。
B4.境界点における度数の変化率の変化が急速である、実施例B1~B2、又はB3の眼科用レンズ。
B5.境界点における度数の変化率の変化が緩やかである、実施例B1~B2、又はB3の眼科用レンズ。
B6.ステップ内の度数が、以下:一定、実質的に一定、減少する、及び増加する、の内の1つ又は複数である、実施例B1~B4、又はB5の眼科用レンズ。
B7.第1のステップ内の度数及び第2のステップ内の度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なる、実施例B1~B5、又はB6の眼科用レンズ。
B8.ステップの幅が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmである、実施例B1~B6、又はB7の眼科用レンズ。
B9.実施例B1~B8の1つ又は複数のレンズを用いた、近視を矯正する及び近視の進行を制御する方法。
B10.実施例B1~B8の1つ又は複数のレンズを用いた、目の以下の屈折異常:近視、遠視、乱視及び老眼の内の1つ又は複数を矯正する方法。
B11.実施例B1~B8の1つ又は複数のレンズを用いた、視覚機能又は視機能を改善させる方法。
B12.実施例B1~B8の1つ又は複数のレンズを用いた、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数を改善させる方法。
実施例C1.少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、
第1の光学度数を有する第1の二次領域及び第2の光学度数を有する第2の二次領域を含む少なくとも2つの二次領域と、
を含むオプティカルゾーンを含む、眼科用レンズであって、
第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方は、少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、第1及び第2の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、
少なくとも第1のステップを有する、少なくとも1つの一次光学度数から第1の光学度数への第1の度数遷移と、少なくとも第2のステップを有する、少なくとも1つの一次光学度数から第2の光学度数への第2の度数遷移とが存在し、これらのステップは、少なくとも1つの一次領域及び第1及び第2の二次領域を含まず、第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数遷移の変化率の大きさが減少したのち増加する、眼科用レンズ。
C2.度数遷移の変化率の大きさが急速に減少したのち急速に増加する、実施例C1の眼科用レンズ。
C3.度数遷移の変化率の大きさが緩やかに減少したのち緩やかに増加する、実施例C1の眼科用レンズ。
C4.少なくとも1つの一次領域は、0.2mm~2mm、0.3mm~1.75mm、又は0.4mm~1.5mmの幅を有する、実施例C1~C2、又はC3の眼科用レンズ。
C5.第1及び第2の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数よりも最大で5D、4D、又は3Dの量分、より正である、実施例C1~C3、又はC4の眼科用レンズ。
C6.第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方は、0mm~2mm、0.1mm~1.75mm、又は0.2mm~1.5mmの幅を有する、実施例C1~C4、又はC5の眼科用レンズ。
C7.第1の度数遷移及び第2の度数遷移の少なくとも一方は、1~6つ、1~5つ、2~6つ、2~5つ、又は2~4つのステップを有する、実施例C1~C5、又はC6の眼科用レンズ。
C8.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、幅が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmである、実施例C1~C6、又はC7の眼科用レンズ。
C9.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数が一次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正でもよい、実施例C1~C7、又はC8の眼科用レンズ。
C10.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数が第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低い、実施例C1~C8、又はC9の眼科用レンズ。
C11.実施例C1~C10の1つ又は複数のレンズを用いた、近視を矯正する及び近視の進行を制御する方法。
C12.実施例C1~C10の1つ又は複数のレンズを用いた、目の以下の屈折異常:近視、遠視、乱視及び老眼の内の1つ又は複数を矯正する方法。
C13.実施例C1~C10の1つ又は複数のレンズを用いた、視覚機能又は視機能を改善させる方法。
C11.実施例C1~C10の1つ又は複数のレンズを用いた、以下:視覚の明瞭さ、複視の程度、ゴースティングの程度、歪み、コントラスト、コントラスト感度、視力、及び視覚の全体的な質の内の1つ又は複数を改善させる方法。
D1.少なくとも第1の度数プロファイルを有する少なくとも1つの中心部分と、少なくとも第2の度数プロファイルを有する少なくとも1つの周囲部分と、
を含むオプティックゾーンを含む、眼科用レンズであって、
少なくとも1つの中心部分の第1の度数プロファイルは、少なくとも第1のステップを有し、第1のステップは、その両側において、第1の境界点及び第2の境界点と境界を接し、第1の度数プロファイルは、第1の境界点において度数の変化率の第1の変化と、第2の境界点において度数の変化率の第2の変化とを有し、
少なくとも1つの周囲部分の第2の度数プロファイルは、少なくとも第2のステップを有し、第2のステップは、その両側において、第3の境界点及び第4の境界点と境界を接し、第2の度数プロファイルは、第3の境界点において度数の変化率の第3の変化と、第4の境界点において度数の変化率の第4の変化とを有する、眼科用レンズ。
D2.少なくとも1つの中心部分が、1~6つ、1~5つ、2~5つ、2~6つ、2~4つのステップ、3~5つのステップ、又は3~6つのステップを有する、実施例D1の眼科用レンズ。
D3.少なくとも1つの中心部分が、少なくとも2、3、4、5つのステップを有する、実施例D1又はD2の眼科用レンズ。
D4.少なくとも1つの周囲部分が、1~6つ、1~5つ、2~5つ、2~4つのステップ、3~5つのステップ、又は3~6つのステップを有する、前述の実施例D1~D3の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D5.少なくとも1つの周囲部分が、少なくとも2、3、4、又は5つのステップを有する、前述の実施例D1~D4の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D6.境界点の1つ又は複数における度数の変化率の変化が急速である、前述の実施例D1~5の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D7.境界点の1つ又は複数における度数の変化率の変化が緩やかである、前述の実施例D1~D6の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D8.ステップの1つ又は複数内の度数が、以下:一定、実質的に一定、減少する、及び増加する、の内の1つ又は複数である、前述の実施例D1~D7の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D9.第1のステップ内の度数及び第2のステップ内の度数は、同じ、実質的に同じ、又は異なる、前述の実施例D1~D8の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D10.ステップの1つ又は複数が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmの幅を有する、前述の実施例D1~D9の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D11.ステップの1つ又は複数が、少なくとも0.1mm、0.15mm、0.25mm、0.5mm、1mm、又は1.25mmの幅を有する、前述の実施例D1~D10の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D12.レンズが近視の矯正及び/又は近視の進行の制御のためのものである、前述の実施例D1~D11の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D13.レンズが老眼の矯正のためのものである、前述の実施例D1~D12の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D14.少なくとも1つの周囲部分は、少なくとも4つ又は5つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、少なくとも1つの中心部分は、少なくとも2つ又は3つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、前述の実施例D1~D13の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D15.少なくとも1つの周囲部分は、2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、少なくとも1つの中心部分は、1~2つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、前述の実施例D1~D13の少なくとも1つの眼科用レンズ。
D16.少なくとも1つの周囲部分は、2~4つの半径方向に間隔を空けたステップを有し、少なくとも1つの中心部分は、2~3つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、前述の実施例D1~D13の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E17.少なくとも1つの一次光学度数を有する少なくとも1つの一次領域と、
第1の光学度数を有する第1の二次領域及び第2の光学度数を有する第2の二次領域を含む少なくとも2つの二次領域と、
を含むオプティカルゾーンを含む、眼科用レンズであって、
第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方は、少なくとも1つの一次領域の周囲にあり、第1及び第2の光学度数は、少なくとも1つの一次光学度数と比べてより正であり、
少なくとも第1のステップを有する、少なくとも1つの一次光学度数から第1の光学度数への第1の度数遷移と、少なくとも第2のステップを有する、少なくとも1つの一次光学度数から第2の光学度数への第2の度数遷移とが存在し、これらのステップは、少なくとも1つの一次領域及び第1及び第2の二次領域を含まず、第1のステップの少なくとも1つ及び第2のステップの少なくとも1つに関して、度数遷移の変化率の大きさがステップの前の境界点において減少したのちステップの後の境界点において増加する、眼科用レンズ。
E18.ステップに関して、ステップの前の境界点における度数遷移の変化率の大きさは、以下の様式:中程度、急速及び緩やかの内の1つ又は複数で減少したのち、ステップの後の境界点において、以下の様式:中程度、急速及び緩やかの内の1つ又は複数で増加する、実施例E17の眼科用レンズ。
E19.度数遷移の変化率の大きさは、ステップの前の境界点において急速に減少したのち、ステップの後の境界点において急速に増加する、実施例E17~E18の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E20.度数遷移の変化率の大きさは、ステップの前の境界点において緩やかに減少したのち、ステップの後の境界点において緩やかに増加する、実施例E17~E18の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E21.度数遷移の変化率の大きさは、ステップの前の境界点において中程度に減少したのち、ステップの後の境界点において中程度に増加する、実施例E17~E18の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E22.少なくとも1つの一次領域は、0.2mm~2mm、0.3mm~1.75mm、又は0.4mm~1.5mmの幅を有する、実施例E17~E21の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E23.第1及び第2の光学度数が、少なくとも1つの一次光学度数と比べて最大で5D、4D、又は3Dの量分、より正である、実施例E17~E22の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E24.第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方が、0mm~2mm、0.1mm~1.75mm、又は0.2mm~1.5mmの幅を有する、実施例E17~E23の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E25.第1の度数遷移及び第2の度数遷移の少なくとも一方は、1~6つ、1~5つ、2~6つ、2~5つ、又は2~4つのステップを有する、実施例E17~E24の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E26.第1の度数遷移及び第2の度数遷移の少なくとも一方は、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、実施例E17~E25の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E27.第1の度数遷移及び第2の度数遷移は、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、実施例E17~E26の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E28.第1の度数遷移及び第2の度数遷移の少なくとも一方は、二次領域の1つ又は複数間又は各二次領域間に、1~5つ、2~4つ、1~3つ、2~3つ、2~5つ、又は2~6つの半径方向に間隔を空けたステップを有する、実施例E17~E27の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E29.二次領域の1つ又は複数間又は各二次領域間に、少なくとも2、3、4、5、又は6つの半径方向に間隔を空けたステップが存在する、実施例E17~E28の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E30.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、幅が、0mm~1.5mm、0.1mm~1.25mm、0.1mm~1mm、又は0.15mm~1mmである、実施例E17~E29の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E31.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数が一次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正である、実施例E17~E30の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E32.第1のステップ及び第2のステップに関して、度数が一次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分より正である、実施例E17~E30の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E33.第1のステップ及び第2のステップの少なくとも一方に関して、度数が第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低い、実施例E17~E32の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E34.第1のステップ及び第2のステップに関して、度数が第1の二次領域及び第2の二次領域の少なくとも一方の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低い、実施例E17~E32の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E35.第1のステップ及び第2のステップに関して、度数が第1の二次領域及び第2の二次領域の度数よりも最大で5D、4D、又は3D分、正の度合いが低い、実施例E17~E32の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E36.レンズが近視の矯正及び/又は近視の進行の制御のためのものである、前述の実施例E17~E35の少なくとも1つの眼科用レンズ。
E37.レンズが老眼の矯正のためのものである、前述の実施例E17~E35の少なくとも1つの眼科用レンズ。
【0085】
本明細書において開示及び定義された本発明は、記載された又は本文又は図面から明らかな個々の特徴の2つ以上のあらゆる代替的組み合わせを含むことが理解されるであろう。これらの異なる組み合わせの全てが、本発明の様々な代替的局面を構成する。