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▶ ベイマトブ ピーティーワイ エルティーディーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024201
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】妊娠又は分娩のモニタリング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20250212BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20250212BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20250212BHJP
   A61B 5/389 20210101ALI20250212BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B10/00 N
A61B5/01 100
A61B5/389
A61B5/00 102A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024203712
(22)【出願日】2024-11-22
(62)【分割の表示】P 2022183200の分割
【原出願日】2017-12-07
(31)【優先権主張番号】2016905046
(32)【優先日】2016-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】519324282
【氏名又は名称】ベイマトブ ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド サラ キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ブルッカー グラハム
(72)【発明者】
【氏名】ハイエット ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】フィップス ハラ
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス ハビエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】システムは、比較的面倒であったり、不快であったりし、移動時又は水浸時には記録が難しい。
【解決手段】妊娠又は分娩をモニタリングするための装置および方法が開示されている。装置は、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動をモニタするための2つ以上のEMG電極と、胎児又は母体の活動中における2つ以上のEMG電極の相対位置をモニタするための1つ以上の位置センサとを含む。一実施形態では、装置は、身体上に配置され、複数のセンサが組み込まれたモニタリングデバイスを含む。複数のセンサは、少なくとも、妊娠中又は分娩中の第1の種類の胎児又は母体の活動を示す、身体からの第1の種類の信号を検出するように構成される第1のセンサと、娠中又は分娩中の第1の種類の胎児又は母体の活動を示す、第1の種類の信号とは異なる身体からの第2の種類の信号を検出するように構成される第2のセンサとを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体上に配置されるモニタリングデバイスと、前記モニタリングデバイスに一体化された複数のセンサとを備え、
前記複数のセンサは、少なくとも、
妊娠中又は分娩中の第1の種類の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成される第1のセンサと、
妊娠中又は分娩中の第1の種類の胎児又は母体の活動を示し、前記第1の種類の信号とは異なる身体からの第2の種類の信号を検出するように構成される第2のセンサとを含み、
前記第1のセンサは、温度センサであり、
前記第2のセンサは、加速度計であり、
前記モニタリングデバイスは、電子部品を収容するハウジングを備え、
前記ハウジングは、上面及び底面を有し、
前記温度センサは、前記ハウジングの前記底面に配置され、
前記加速度計は、前記ハウジング内に配置される、
妊娠又は分娩のモニタリング装置。
【請求項2】
前記モニタリングデバイスは、超音波センサをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記底面は、前記身体に配置するように輪郭が付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記モニタリングデバイスは、中央部分と、前記中央部分から延びる1つ以上のフレキシブルアーム部とを含み、前記中央部分は、前記ハウジングを有し、
前記1つ以上のフレキシブルアーム部のそれぞれは、前記モニタリングデバイスの前記身体上への配置を容易にするために、前記中央部分に対して操作可能であるように構成され、
前記フレキシブルアーム部のそれぞれの端部は、開口部と、前記開口部の周囲に設けられた粘着シールとを有し、
前記粘着シールは、前記モニタリングデバイスを前記身体に固定し、前記開口部の周囲に防水バリアを形成する前記身体に粘着するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記モニタリングデバイスから離れた場所で前記身体上に配置されるように適合された少なくとも1つの基準センサを更に備え、
前記基準センサは、胎児又は母体の活動がない場合に前記複数のセンサへ基準値を提供するために、有線又は無線で前記モニタリングデバイスに接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記モニタリングデバイスから独立した1つ又は複数のロービングセンサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ又は複数のロービングセンサは、胎児心拍数モニタ及び/又は母体心拍数モニタを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のロービングセンサは、筋電図センサを含む、請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年12月7日に出願されたオーストラリアの仮特許出願2016905046からの優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、妊娠又は分娩のモニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
妊娠と分娩には複雑な生物学的過程が含まれているが、それらは今日までのところ未だよく理解されていない。そして、分娩を受ける女性又は後ほど分娩を行う女性の大多数は、大きな医学的介入を必要としていない。しかしながら、自然分娩が不可能であるか、又は自然分娩をしないことを選択している女性のかなりの人口で存在する。これには、帝王切開や手術による膣への送達などの介入が必要である。医学的介入は過去数十年にわたって母性と胎児の両方の転帰を改善し、死と外傷を予防する一方で、それでもなお重大なリスクと合併症に関連している。
【0004】
技術の進歩は、分娩のメカニズムをモニタするために侵襲性が低く低コストの技術の使用可能性をもたらす。分娩の仕組みの理解を深めることは、臨床医が妊娠不良や分娩進歩のリスクを早期に特定し評価することに役立つ。
【0005】
現在の分娩モニタリングシステムの大部分は、より広く電子胎児モニタリング(EFM)として知られている心電図検査(CTG)を使用している。これらのモニタリングシステムは、出産が差し迫っているかどうかを予測するため、ならびに妊娠中及び分娩中の異常又は合併症を検出するために、胎児心拍数及び収縮頻度を用いる。これらのシステムは、ドップラー超音波トランスデューサ又は胎児心電図(fECG)を用いて、胎児心拍数をモニタする傾向がある。また、これらは実際には、収縮に関連して増加した腹部の緊張を測定するひずみゲージであるトコディナノメーター(TOCO)として知られている別の装置、又は収縮の存在を決定するための筋電図検査(EMG)を用いて子宮収縮をモニタする。しかしながら、そのようなシステムは、比較的面倒であったり、不快であったりし、移動時又は水浸時(シャワー、風呂又は同様のもの)には記録が難しい。さらに、そのような装置によって提供されるデータ、すなわち胎児心拍数及び収縮頻度は、干渉度合いを高める主観的な解釈を要する。これらの要因から、患者は、そのようなシステムが利用可能であり、システムを操作し読解する訓練された臨床医が居合わせなければならない病院環境にしばしば制限される。さらになお、これらのシステム、妊娠中及び分娩中の活動の限定された評価のみを可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の各請求項の優先日より前に存在していた本開示に関連する分野において、本明細書に含まれている文書、行為、材料、装置、物品などのいかなる議論も、これらの事項の一部又は全部が先行技術の基礎の一部を形成する又は一般常識であるとみなされない。
【0007】
概要
本開示の一態様によれば、身体上に配置され、モニタリングデバイスに一体化された複数のセンサを含み、複数のセンサは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成され第1のセンサ、第1の種類の信号とは異なる妊娠又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体から第2の種類の信号を検出するように構成される第2のセンサ、を少なくとも含む妊娠又は分娩のモニタリング装置を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の種類の信号の両方は、妊娠中又は分娩中の身体の動きを示す。身体の動きは、胎児の動き及び/又は母体の動きである。
【0009】
第1のセンサは筋電図センサ(EMGセンサ)であり、第2のセンサは温度センサであってもよい。あるいは、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは加速度計であってもよい。また、第1のセンサは温度センサであり、第2のセンサは加速度計であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、胎児の活動は、胎児の体位、胎児の動き、及び胎児の心拍数のうちの1つ又は複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、母体の活動は、筋肉及び子宮収縮、母体の位置、母体の動き、母体の心拍数、及び母体の体温のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、異なるセンサによってモニタされる胎児又は母体の活動の種類は同じであってもよい。
【0012】
本開示の一態様によれば、妊娠又は分娩のモニタリング装置が提供され、この装置は、身体上に配置され、複数のセンサを一体化して含んだモニタリングデバイスと、複数のセンサは、少なくとも、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動の種類の表示を提供するために身体から第1の種類の信号を検出するための第1のセンサと、第1のセンサと同じ種類の胎児又は母体の活動の指標を提供するために身体から、第1の種類の信号とは異なる第2の種類の信号を検出する第2のセンサを含む。
【0013】
前述の態様では、第1のセンサは筋電図センサであってもよい。第2のセンサは温度センサであってもよい。あるいは、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは加速度計であってもよい。あるいはまた、第1のセンサは温度センサであり、第2のセンサは加速度計であってもよい。
【0014】
異なる種類のセンサによって身体からの異なる信号を検出するが、これらはそれぞれ同じ種類の胎児又は母体の活動の指標を提供するように構成されており、妊娠及び/又は分娩に関するデータの収集はより正確及び/又は信頼できるものとなり得る。これは、胎児及び/又は母体の動き、介入、ならびに妊娠又は分娩の過程自体、その他、データの見逃し又は消失をもたらし得る環境において特に有利であり得る。例えば、1つのセンサが非接触、接触不良、その他の外部からの影響によって中断された場合でも、他のセンサを設けることによって、少なくとも1つの種類の信号のモニタを連続的に中断ぜずに継続して行うことができる。場合によっては、モニタリングデバイスが、患者の移動又は水の曝露など、モニタリング中に異なる条件にさらされる可能性があり、その結果、1つのセンサが特定の状況でのモニタに不適切となる可能性がある。それぞれが同じ種類の胎児又は母体の活動の指標を提供する少なくとも2つの異なる種類の信号の検出によって、他のセンサからの有用な信号は残る可能性があるため、1つのセンサの損失又は中断は、その胎児又は母体の活動の継続的なモニタリングを妨げることはない。
【0015】
本明細書に開示される装置のいくつかの実施形態では、複数のセンサは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第3の種類の信号を検出するための第3のセンサを含んでもよい。第3のセンサは、加速度計、温度センサ、筋電図センサ及び超音波センサを含むグループから選択されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数のセンサは、筋電図センサ及び超音波センサを含むグループから選択された第4の又はさらなるセンサを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、筋電図センサは、例えば、筋電図検査センサ、すなわち子宮をモニタするように構成されている筋電図検査センサを含むことができる。
【0018】
一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサ又は加速度計であり、第2のセンサは温度センサであり、第1及び第2のセンサは両方とも筋肉又は子宮の収縮の指標を提供するように構成される。一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは温度センサであり、第3のセンサは加速度計であり、第1、第2及び第3のセンサはそれぞれ筋肉又は子宮収縮の指標を提供するように構成される。
【0019】
モニタリングデバイスは、その中に電子部品を収容するためのハウジングを含んでもよい。ハウジングは、流体の侵入を防ぐために密封ハウジングとしてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、上面及び身体上に配置するよう輪郭付けられた底面を含んでもよい。一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは温度センサであり、複数のセンサは加速度計をさらに含んでもよい。筋電図センサは、ハウジングの底面に配置された少なくとも1つの電気接点を含んでもよい。接点は少なくとも部分的にEMG電極を提供すると考えることができる。少なくとも1つの電気接点は、EMG表面電極を受けてこれに電気的に結合するように構成されてもよく、モニタリングデバイスが身体上に置かれたときに底面が身体から離れるように底面から突出するように構成されてもよい。温度センサはハウジングの底面に配置されてもよく、加速度計はハウジング内に配置されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、モニタリングデバイスは、中央部分と、中央部分から延びる1つ以上のフレキシブルアーム部とを含んでもよい。1つ又は複数のフレキシブルアーム部の各々は、身体上へのモニタリングデバイスの配置を容易にするために、中央部分に対して操作可能であるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、モニタリングデバイスは、十字状に配置された4つのフレキシブルアーム部を含んでもよい。フレキシブルアーム部の各々は、開口部を有する端部と、開口部の周囲に設けられた粘着シールとを有してもよい。粘着シールは、モニタリングデバイスを身体に固定し、開口部の周りに防水バリアを形成するように身体に粘着するように構成されてもよい。一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは温度センサであり、複数のセンサは加速度計をさらに含んでもよい。筋電図センサは、複数のEMG電極を含んでもよい。粘着シール及び電極の両方は、少なくとも部分的に、使用方法によって要求されるように交換又は清掃を可能にするために装置から取り外し可能とされてもよい。
【0022】
本明細書に開示される態様及び実施形態では、筋電図センサは、それぞれの端部に配置された少なくとも1つのEMG電極を含んでもよい。例えば、少なくとも1つの電気接点をそれぞれの端部に配置することができ、少なくとも1つの電気接点はEMG表面電極を受けてそれに電気的に結合するように構成されてもよい。温度センサ及び加速度計は中央部分内に配置されてもよい。アーム部のうちの少なくとも1つは、フレックスセンサを含んでもよい。
【0023】
フレックスセンサは、アーム部の曲げ、撓み、伸張、収縮、変形、及び/又は他の種類の動き(例えば、形状及び/又は寸法の変化)の検出を可能にする。この動きは、収縮及び/又は胎児の動きによって引き起こされる腹部の動きなどの身体の動きによって生じるものであろう。身体の動きは、筋電図センサのEMG電極の相対的な動きをもたらし得る。したがって、1つ以上のフレックスセンサは、2つ以上のEMG電極の相対位置のモニタリングを可能にする。フレックスセンサに加えて、又はその代わりとして、例えば2つ以上のEMG電極の相対位置をモニタリングする目的で、ストレッチセンサなどの1つ以上の他の種類のセンサを使用してもよく、この他のセンサもまた、装置構造の一部の形状及び/又は寸法の変化の検出することを可能とすることができる。
【0024】
本開示の一態様によれば、身体上に配置されるモニタリングデバイスを備える妊娠又は分娩のモニタリング装置が提供される。この装置は、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動をモニタするための2つ以上のEMG電極を含む筋電図センサと、胎児又は母体の活動中に2つ以上のEMG電極の相対位置をモニタするための1つ以上の位置センサとを備える。
【0025】
1つ以上の位置センサは、曲げ、撓み、伸張、収縮、変形、及び/又はモニタリングデバイスの構造の他の種類の変化をモニタできる、フレックスセンサ又はストレッチセンサなどの他の種類のセンサとしてもよい。例えば、フレックスセンサ又はストレッチセンサが使用されるとき、例えば、センサに含まれる構成要素の抵抗又は容量の変化に基づいて変化をモニタできる。2つ以上のEMG電極はそれぞれのアーム部に配置されてもよく、位置センサは、例えばアーム部の曲げ又は撓みの動きをモニタしてもよい。位置センサは、胎児又は母体の活動中の2つ以上のEMG電極の相対位置の変化をモニタしてもよい。例えば、EMG電極が腹部に固定されているときの、2つ以上のEMG電極の相対位置の変化は、例えば、胎児又は母体の活動中の腹部といった身体の変形を示す。胎児又は母体の活動中の2つ以上のEMG電極の相対的位置のモニタリングは、2つ以上のEMG電極間の距離又は距離の変化で決定してもよい。
【0026】
胎児又は母体の活動中に2つ以上のEMG電極の位置をモニタすることによって、それらの電極から得られたEMG信号はそれらの相対的な位置を考慮して解釈され、生成されたデータのより包括的な分析を可能にする。例えば、それは、EMG信号の変化をモニタリングデバイスに隣接した身体の歪みと相関させることを可能にし、歪みは収縮又はその他の結果として生じる。
【0027】
動きのモニタリングは、モニタリングデバイスの基準位置を参照して行われてもよい。基準位置は、モニタリングデバイスの中心位置でもよい。基準位置は、例えばアーム部が延びるモニタリングデバイスの中央部分でもよい。
【0028】
EMG電極は、例えば、上記の技術のように身体に粘着されて、身体に固定されてもよい。中央部分はまた、身体に固定されてもよく、例えば身体に粘着されてもよい。したがって、電極及び基準位置は、身体に対してそれぞれの位置を保持することができる。基準位置と電極との間のモニタリングデバイスの部分は、身体から離れてもよい。例えば、アーム部は、身体とほとんど又は全く接触することなく、中央部分と電極接触位置との間の空間を橋渡しすることができ、それによってモニタリングデバイスが、例えば身体の変形のような自然な動きを著しく妨げないようにする。アーム部は、上記のように、弓状でもよく、そうでなければ身体上に隆起していてもよく、可撓性であってもよい。
【0029】
2つ以上のEMG電極の相対位置は、三角法による計算に基づいて決定されてもよい。第1のEMG電極と基準位置との間の長さは、概念的な三角形の第1の辺とされ、第2のEMG電極と基準位置との間の長さは概念的な三角形の第2の辺とされ、2つの電極間の長さは、概念的な三角形の第3の辺とされ得る。第1の側面と第2の側面との間の角度は、実質的に一定の角度であり、例えば、フレキシブルアーム部が長さ方向にのみ可撓性である場合、及び/又は、例えば、2次元以上のフレックスセンサ又はストレッチセンサによる、アーム部の撓みのモニタリングに基づいて決定されてもよい。概念的な三角形の第3の辺、したがって2つの電極間の距離は、第1及び第2の辺の長さ及びそれらの相対角度の情報から計算されてもよい。しかしながら、電極の位置をモニタリングするために、位置センサからのデータに基づいて他の種類の計算が行われてもよい。
【0030】
上記の態様及び実施形態のいずれにおいても、モニタリングデバイスは腹部に配置されるように適合されてもよい。モニタリングデバイスは、例えば子宮底上に配置してもよい。例えば、子宮底上のモニタリングデバイス、すなわち複数のセンサの位置は、モニタリングデバイスが異なる種類のセンサを使用して、同じ種類の胎児又は母体の活動をモニタリング可能なことが分かった。例えば、筋肉収縮又は子宮収縮などの活動をモニタするために、筋電図センサ又は加速度計(例えば、第1のセンサとして)を子宮底に配置することに加えて、例えば、温度センサが子宮底にあると、同じ筋肉収縮又は子宮収縮などの同じ活動を確実にモニタするための第2のセンサとして使用することが可能なことが分かった。
【0031】
この装置は、モニタリングデバイスに接続されたユーザインタフェースをさらに含んでもよく、ユーザインタフェースは、複数のセンサによって検出された信号から導出された情報を表示するためのディスプレイを備える。ユーザインタフェースは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、時計、データ収集バンド、及び情報を表示するように構成された他の類似のデバイスのうちの1つ又は複数を備えてもよい。追加的又は代替的に、この装置は、モニタリングデバイスに統合されたユーザインタフェースを含んでもよい。例えば、ユーザインタフェースはオンボードインジケータでもよい。ユーザインタフェースは、モニタリングデバイスによって収集されているデータの種類の表示、及び/又は装置の身体への取り付け状態、電力レベルなどに関する表示を提供してもよい。
【0032】
この装置は、複数のセンサのそれぞれから受信された信号を処理して、それらがそれぞれ同じタイプの胎児又は母体の活動について、ユーザインタフェース上に同様の示度で表示するように構成されてもよい。その信号はディスプレイ上に時間相関プロットとして表示されてもよく、プロットの振幅は、対応する種類の胎児又は母体の活動が同様の方法によってプロットで表示されてもよい。例えば、子宮収縮が起こるときの第1の信号に対するプロットの振幅の結果的な変化が、第2の信号又はさらなる信号に対するプロットの振幅の変化と同じ又は類似するように、信号が処理されてもよい。プロットの振幅の変化は同じ方向を向いてもよい。プロットの振幅の変化は、例えば、4、3、2、又は1.5倍以内になるように構成されてもよい。ユーザインタフェースによって表示されるプロットのスケールは、この効果を得るように選択又はプログラムされてもよい。
【0033】
モニタリングデバイスは、複数のセンサへの基準を与えるように、胎児又は母体の活動が存在しないモニタリングデバイスから離れた位置の身体上に配置されるように適合された少なくとも1つの基準センサをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの基準センサは、肋骨に配置されるように適合されてもよい。他の実施形態では、少なくとも1つの基準センサは、股関節又は胸骨に配置されるように適合されてもよい。少なくとも1つの基準センサは、例えば筋電図センサ、温度センサ、加速度計、及び超音波センサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。少なくとも1つの基準センサは、ハウジングの外部に配置されてもよく、ハウジングに対して移動可能であってもよい。少なくとも1つの基準センサは、基準センサとモニタリングデバイスの他の構成要素との間の物理的及び/又は電気的な接続を保持するワイヤを介してハウジングに接続されてもよく、又は無線で接続されてもよい。
【0034】
この装置は、モニタリングデバイスに対して独立した1つ以上のロービングセンサ(roving sensors)をさらに含んでもよい。1つ以上のロービングセンサは、例えば、胎児の心拍数モニタ及び/又は母体の心拍数モニタを含んでもよい。さらに又は代替として、1つ又は複数のロービングセンサは筋電図センサを含んでもよい。
【0035】
本明細書に記載の態様のいずれにおいても、この装置は、病院、出産センター又は医師の手術などの臨床現場での使用に適合されてもよい。追加的に又は代替的に、この装置は家庭のような非臨床環境での使用に適合されてもよい。この装置は、家庭用であろうとなかろうと、「ポイント・オブ・ケア」装置として設計されてもよい。この装置は、患者を遠隔モニタリングするための手段を提供してもよい。この点に関して、この装置によって受信された信号及び/又は他のデータは、例えば、モニタリングデバイスによって、第三者による観察又は分析のために遠隔に配置されたユーザインタフェースに送信されてもよい。この装置は、妊娠中及び/又は分娩中に患者をモニタするための手段を提供してもよい。
【0036】
本開示の別の態様によれば、複数のセンサが組み込まれたモニタリングデバイスを身体上に配置し、前記複数のセンサのうちの第1のセンサを介して身体からの第1の種類の信号を検出し、前記第1の種類の信号とは異なる第2の種類の信号を、前記複数のセンサのうちの第2のセンサを介して検出し、前記第1及び第2の種類の信号は、妊娠又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す方法が提供される。
【0037】
本開示の別の態様によれば、複数のセンサが組み込まれたモニタリングデバイスを身体上に配置し、前記複数のセンサのうちの第1のセンサを介して身体からの第1の種類の信号を検出し、前記第1の種類の信号とは異なる第2の種類の信号を、前記複数のセンサのうちの第2のセンサを介して検出し、前記第1のセンサからの検出された信号を用いて胎児又は母体の活動の種類をモニタし、前記第2のセンサから検出された信号を用いて第1のセンサを用いてモニタされたものと同じ種類の胎児又は母体の活動をモニタする方法が提供される。
【0038】
この方法は、複数のセンサのうちの第3のセンサを介して身体からの第3の種類の信号を検出することを含んでもよい。第3の種類の信号は、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示してもよい。
【0039】
この方法は、例えば筋電図センサ及び超音波センサを含むグループから選択された第4のセンサ又はさらなるセンサからの信号の検出をさらに含んでもよい。
【0040】
第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは温度センサでもよい。あるいは、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは加速度計でもよい。あるいはまた、第1のセンサは温度センサであり、第2のセンサは加速度計でもよい。
【0041】
一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサ又は加速度計であり、第2のセンサは温度センサであり、第1及び第2のセンサは両方とも筋肉又は子宮の収縮をモニタするために使用される。一実施形態では、第1のセンサは筋電図センサであり、第2のセンサは温度センサであり、加速度計である第3のセンサが設けられ、第1、第2及び第3のセンサはそれぞれ筋肉又は子宮収縮をモニタするために使用される。
【0042】
身体からの異なる信号を検出するが同じ種類の胎児又は母体の活動をモニタするために使用される異なる種類のセンサを提供することによって、妊娠及び/又は分娩に関するデータの収集は、前述の態様で上述したようにより正確かつ/又は信頼性を有する。
【0043】
この方法は、複数のセンサから得られた信号の種類に基づいて情報を表示することをさらに含んでもよい。情報の表示は、信号を時間相関プロットとしてディスプレイ上に提示されてもよい。この表示は、対応する種類の胎児又は母体の活動について、プロットの振幅が同様に変化するものでもよい。例えば、表示は、子宮収縮が起こるときの第1の信号に対するプロットの結果的な振幅の変化が、第2の信号又はさらなる信号に対するプロットの結果的な振幅の変化と同じ又は類似となるようにしてもよい。プロットの振幅の変化は同じ方向を向いていてもよい。プロットの振幅の変化は、例えば、4、3、2、又は1.5倍以内としてもよい。
【0044】
本開示の別の態様によれば、2つ以上のEMG電極と1つ以上の位置センサとを含む筋電図センサを含んだモニタリングデバイスを身体上に配置し、筋電図センサのEMG電極を使用して、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動をモニタリングし、1つ又は複数の位置センサを使用して、胎児又は母体の活動中に2つ又は複数のEMG電極の相対位置をモニタリングする、妊娠又は分娩のモニタリング方法が提供される。
【0045】
本明細書に記載の態様のいずれにおいても、モニタリングデバイスの身体への配置は、モニタリングデバイスを腹部の基底部に配置することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
次に、添付の図面を参照しながら、単なる例として本発明の実施形態を説明する。
【0047】
図1図1は、本開示の実施形態による装置の上面図である。
【0048】
図2図2は、図1の装置の正面図である。
【0049】
図3a図3aは、図1の装置の底面図である。
【0050】
図3b図3bは、図1の装置の底面図であり、装置のEMG表面電極を示す。
【0051】
図4a図4aは、図1の装置を使用して検出された子宮収縮期間にわたる信号のパターンを示すプロットである。
【0052】
図4b図4bは、図1の装置を使用して検出された子宮収縮の期間にわたる1つ筋電図(EMG)センサの接続が不良又は消失した状態の信号のパターンを示すプロットである。
【0053】
図4c図4cは、図1の装置を使用して検出された子宮収縮の期間にわたる信号のパターンを両方の筋電図センサへのノイズ遮断と共に示すプロットである。
【0054】
図5図5は、本開示の別の実施形態による装置の上面図である。
【0055】
図6a図6aは、図5の装置の底面図である。
【0056】
図6b図6bは、図5の装置の底面図であり、装置のEMG表面電極を示す。
【0057】
図7図7aと図7bは、各々EMG電極がそれぞれ第1及び第2の位置にある図6bの装置の簡略底面図を示す。
【0058】
図8図8aと図8bは、各々図1及び図5の装置の様々な電子部品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1,2,3a,3bは、本開示の実施形態による妊娠又は分娩のモニタリング装置10を示す。装置10は、身体上に配置されるようになっているモニタリングデバイス11を含む。モニタリングデバイス11は、モニタリングデバイス11の電子部品を収容するハウジング12を有する。ハウジング12は上面13と底面14とを有する。図2に最もよく見られるように、底面14は、母体の腹部の曲率に実質的に対応する輪郭部分15を有する。ハウジング12は、流体の侵入を防ぐために密封されている。
【0060】
モニタリングデバイス11は、モニタリングデバイス11に一体化された複数のセンサをさらに備える。複数のセンサは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成された第1のセンサと、第1の種類の信号とは異なり、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動も示す身体からの第2の種類の信号を検出するように構成された第2のセンサとを少なくとも含む。異なるセンサによってモニタされる胎児又は母体の活動の種類は同じであり得る。異なる種類の信号を検出することは、胎児及び/又は母体の動き、介入、ならびに妊娠又は分娩の過程自体、その他、データのみ逃し又は消失をもたらし得る環境においてデータの正確な収集を可能にする。例えば、1つのセンサが非接触、接触不良、その他の外部からの影響によって中断された場合でも、他のセンサを設けることによって、少なくとも1つの種類の信号のモニタを連続的に中断ぜずに継続して行うことができる。本開示では、モニタリングデバイスが、患者の移動又は水の曝露など、モニタリング中に異なる条件にさらされる可能性があり、その結果、1つのセンサが特定の状況でのモニタに不適切となる可能性がある。しかしながら、モニタリングデバイス11が少なくとも2つの異なる種類の信号を検出するため、他のセンサによる有用な信号の検出が残るので、1つのセンサの損失又は中断は、胎児又は母体の活動の継続的なモニタリングを妨げることはない。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の種類の信号は、両方とも妊娠中又は分娩中の体動を示す。体動は、例えば、胎児の動き及び/又は母体の動きであり得る。また、胎児の活動は、例えば胎児の体位及び/又は胎児心拍数を含んでもよい。また、母体の活動は、例えば筋肉及び子宮収縮、母体の体位、母体の心拍数及び/又は母体の体温を含んでもよい。
【0062】
第1及び第2のセンサは、子宮収縮を検出するための筋電図(EMG)センサ、胎児及び/又は母体の体温を検出するための温度センサ、ならびに胎児及び/又は母体の体位と運動を検出するための加速度計を含むグループから選択される2つの異なるセンサの任意の組み合わせでもよい。例えば、第1のセンサはEMGセンサとしてもよく、第2のセンサは温度センサとしてもよい。他の代替例では、第1のセンサはEMGセンサとしてもよく、第2のセンサは加速度計としてもよい。さらに他の代替例では、第1のセンサは温度センサとしてもよく、第2のセンサは加速度計としてもよい。
【0063】
また、モニタリングデバイス11は、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第3の種類の信号を検出するための第3のセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第3の種類の信号は、第1の種類の信号又は第2の種類の信号と同じでもよい。他の実施形態では、第3の種類の信号は、第1及び第2の種類の信号とは異なってもよい。第3のセンサは、例えば、加速度計、温度センサ、EMGセンサ及び超音波センサを含むグループから選択されてもよい。
【0064】
また、モニタリングデバイス11は、さらなるセンサ、異なる種類の信号を検出するように構成された少なくとも2つのセンサを含む、例えば4つ以上のセンサの組み合わせで構成されてもよい。さらなるセンサは、例えば、加速度計、温度センサ、EMGセンサ及び超音波センサを含むグループから選択されてもよい。
【0065】
図3aに示す実施形態を参照すると、モニタリングデバイス11は4つのセンサを含み、そのうちの3つは異なる種類の信号を検出するように構成される。特に、モニタリングデバイス11は、2つのEMGセンサ16、17、温度センサ18、及び加速度計101を含み、これらはすべてモニタリングデバイス11に一体化されている。EMGセンサ16、17のうちの1つなどの3つの異なるセンサのうちの1つは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成される第1のセンサとなり得る。温度センサ18又は加速度計101などの別のセンサは、第1の種類の信号とは異なるが、やはり妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第2の種類の信号を検出するように構成された第2のセンサとなり得る。
【0066】
EMGセンサ16、17の各々は、ハウジング12の底面14に配置された一対の接点16a、16b、17a、17bを含む。接点16a、16b、17a、17bは底面14から突出している。突出部は、モニタリングデバイス11が身体上に配置されたときに底面14が身体から離間するようなものであり、これは、身体とモニタリングデバイス11との間の換気又は通気を可能にし、患者の快適性を改善する。接点16a、16b、17a、17bはEMG電極となり得る。しかし、この実施形態では、接点16a、16b、17a、17bもまた、図3bに示すように、それぞれの取り外し可能なEMG表面電極161a、161b、171a、171bを受けて電気的に結合するように構成されている。EMG表面電極161a、161b、171a、171bは皮膚に接触するように構成される。皮膚との電気的接触によってEMGセンサ16、17は、子宮収縮又は他の胎児及び/又は母体の活動によって引き起こされる電位差(電圧)の変化を検出するように構成される。
【0067】
加速度計101は、ハウジング12内に配置されており、母体及び/又は胎児の動きをモニタするように構成される。温度センサ18は、ハウジング12の底面14に配置されており、母体温度の変動を記録するように構成されている。例えば、温度センサ18の使用は、感染による発熱の識別に用いられる。それに加えて又はその代わりに、温度センサ16はまた、子宮収縮の徴候及び/又は発生を検出するためにも使用されてもよい。これに関して本開示では、母体温度の変動、特にベースライン温度からの体温の変化が、子宮収縮の発症又は発生と同義であり得ることを認識している(以下で説明するように)。
【0068】
図4a~4cは、モニタリングデバイス11を使用し、そしてユーザインタフェースによって表示されるように、患者が収縮を受けている期間にわたって記録された信号の例を示す。プロットは、モニタリングデバイス11が有する、2つのEMGセンサ16、17から検出された2つの信号1001、1002、温度センサ18から検出された信号1003、及び加速度計101から3つの異なる軸に沿って検出された3つの信号1004a、1004b、1004cを示す。プロットにおいて、信号1001~1004cは時間相関にある。
【0069】
図4aは、収縮の繰り返しパターン(文字「C」によって示される)が3つのセンサタイプすべてにおいて識別されることを示す。母体温度の変動(すなわち、基準温度からの体温の変化)もまた、例えば子宮収縮に起因することが認識される。この例では、体温の上昇は、例えば他の例ではあるが子宮収縮に起因する可能性があるが、他の温度変化のパターンも子宮収縮を示している可能性がある。したがって、上述のように、複数のセンサは、子宮収縮などの胎児又は母体の活動を示す少なくとも1種類の信号の連続的なモニタリングを可能とし、したがってモニタリング中に重要なデータが見逃されたり失われたりしない。
【0070】
信号1001~1004cの異なるプロットが同じタイプの胎児又は母体の活動に関する示度をユーザに対して簡易に提供できるように、プロットのスケールは、子宮収縮が起こるときに、異なる信号1001~1004cに対するプロットの結果としての振幅の変化が同じか又は類似するように、ユーザインタフェースによって調整される。例えば、図4aを参照すると、EMG信号プロット1001bで識別可能な収縮の振幅A1は、温度信号プロット1002で識別可能な収縮の振幅A2と同じか又は類似している。
【0071】
本開示は、患者が妊娠又は分娩の発生をモニタリングするための病院環境に必ずしも限定されない。患者が動いているとき(例えば、歩いている、寝返りをしているなど)、又は例えば妊娠又は分娩中に患者がシャワー又は風呂に入っているときに、モニタリングが必要とされ得る。したがって、モニタリングデバイス11の複数のセンサは、モニタリング中に異なる条件にさらされる可能性がある。そのような状態は、モニタリング中に複数のセンサによって検出された1つ又は複数の種類の信号の消失又は中断をもたらす可能性がある。しかしながら、モニタリングデバイス11が少なくとも2つの異なる種類の信号を検出するとき、他のセンサからの有用な信号が残っているので、1つの種類の信号の消失又は中断は胎児又は母体の活動の継続的なモニタリングを妨げない。これは、例えば図4bによって証明されており、これは、一方のEMGセンサの接続が不十分又は失われることにより信号1001が実質的に存在しなくても、他方のセンサからの有用な信号が残るため、胎児又は母体の活動の継続的なモニタリングを妨げないことを示している。同様に、図4cから分かるように、両方のEMGセンサからの信号1001、1002が、例えばEMGセンサが水にさらされることによるノイズによって阻害されても、胎児又は母体の活動の継続的なモニタリングが見逃されたり失われたりしない。
【0072】
図1図3a及び図3bを再び参照すると、モニタリングデバイス11はまた、胎児又は母体の活動が存在しないようなモニタリングデバイス11から離れた位置で身体上に配置されるように適合された少なくとも1つの基準センサ19を備えてもよく、これは、胎児又は母体の活動が存在しない場合に、複数のセンサを参照することで、肉体運動(例えば、歩行、寝返りなど)又は通常の温度変動などの母体又は胎児の活動によって生じる他の原因から導出された信号をフィルタリングすることを可能にする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの基準センサ19が肋骨に配置されてもよい。しかしながら、少なくとも1つの基準センサ19は、例えば股関節又は胸骨などの体の他の場所に配置されてもよく、又は他の実施形態では基準センサが除外されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの基準センサ19は、EMGセンサ、温度センサ、加速度計、及び超音波センサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。図1図3a及び図3bに示す実施形態では、基準センサ19は、モニタリングデバイス11のEMGセンサ16、17からのEMG読取値に対する基準を提供するための上述の種類のEMGセンサでもよい。基準センサは、モニタリングデバイス11に対して有線接続することができ、又は身体のより離れた部分に配置することを可能にする物理的に別個の無線ユニットとされてもよい。この特定の実施形態では、基準センサ19は、図3bに示されるように、取り外し可能なEMG表面基準電極191を受けて電気的に結合する接点20を有してもよい。この例では、母体の活動又は胎児の活動に起因して生じる信号のフィルタリングは、モニタリングデバイス11のEMGセンサ16、17のいずれかから導出された信号から基準センサ19から導出された信号を差し引くことによって行われてもよい。
【0074】
図5、6a及び6bは、本開示の別の実施形態による妊娠又は分娩のモニタリング装置21を示す。装置21は、身体上に配置されるようになっているモニタリングデバイス22を含む。モニタリングデバイス22は、中央部分24と、中央部分24に接続された1つ以上のフレキシブルアーム部25とを有する。1つ以上のフレキシブルアーム部25はそれぞれ、母体の腹部の湾曲に関係なく身体上にモニタリングデバイス22を配置することを容易にし、着用中の身体に現われる変形及び動きに順応するように屈曲及び撓むように、中央部分24に対して独立して操作可能なように構成されている。モニタリングデバイス22はまた、モニタリングデバイス22の電子部品を収容するハウジング23を中央部分に有する。ハウジング23は、流体の侵入を防ぐために封止され、それにより、例えば水や塵埃などの潜在的に有害な環境要因へのモニタリングデバイス22の電子部品の曝露を防ぐ。
【0075】
図5及び図6に示す実施形態では、モニタリングデバイス22は、交差状に配置されるように中央部分24から外向きに延びる4つのフレキシブルアーム部25a、25b、25c、25dを有する。フレキシブルアーム部25a、25b、25c、25dは、開口部27a、27b、27c、27dを有する端部26a、26b、26c、26dを有する。取り外し可能であり得る粘着シール28a、28b、28c、28dは、開口部27a、27b、27c、27dの周囲に設けられ、それぞれモニタリングデバイス22を身体に固定させるために身体に粘着するように構成され、開口部27a、27b、27c、27dの周囲に防水バリアを形成する。
【0076】
モニタリングデバイス22はまた、装置10に関して上述したものと同様に、モニタリングデバイス22に一体化された複数のセンサを含む。複数のセンサは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成された第1のセンサと、第1の種類の信号とは異なり、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動も示す身体からの第2の種類の信号を検出するように構成された第2のセンサとを少なくとも含む。第1及び第2のセンサは、EMGセンサ、温度センサ、及び加速度計を含むグループから選択された2つの異なるセンサの組み合わせでもよい。
【0077】
モニタリングデバイス22はまた、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第3の種類の信号を検出するための第3のセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第3の種類の信号は、第1の種類の信号又は第2の種類の信号と同じでもよい。他の実施形態では、第3の種類の信号は、第1及び第2の種類の信号とは異なってもよい。第3のセンサは、例えば、加速度計、温度センサ、EMGセンサ及び超音波センサを含むグループから選択されてもよい。
【0078】
モニタリングデバイス22はまた、さらなるセンサ、異なる種類の信号を検出するように構成された少なくとも2つのセンサを含む、例えば4つ以上のセンサの組み合わせで構成されてもよい。さらなるセンサは、例えば、加速度計、温度センサ、EMGセンサ及び超音波センサを含むグループから選択されてもよい。
【0079】
図6aに示される実施形態を参照すると、モニタリングデバイス22は4つのセンサを含み、そのうちの3つは異なる種類の信号を検出するように構成される。特に、モニタリングデバイス22は、2つのEMGセンサ29、30、温度センサ102及び加速度計103を含み、これらはすべてモニタリングデバイス22に一体化されている。EMGセンサ29、30のうちの1つなどの3つの異なるセンサのうちの1つは、妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第1の種類の信号を検出するように構成される第1のセンサとなり得る。温度センサ102又は加速度計103などの別のセンサは、第1の種類の信号とは異なるが、やはり妊娠中又は分娩中の胎児又は母体の活動を示す身体からの第2の種類の信号を検出するように構成された第2のセンサとなり得る。
【0080】
EMGセンサ29、30の各々は、端部26a、26b、26c、26dに配置された一対の接点29a、29b、30a、30bを含む。接点29a、29b、30a、30bのそれぞれは、EMG電極となり得る。しかし、この実施形態では、図6bに示すように、接点29a、29b、30a、30bはそれぞれ、それぞれの取り外し可能なEMG表面電極291a、291b、301a、301bを受け、電気的に結合するように構成される。EMG表面電極291a、291b、301a、301bは、開口部27a、27b、27c、27dを介して皮膚に接触するように構成される。皮膚との電気的接触を介したEMGセンサ29、30は、子宮収縮によって引き起こされる電位差を検出するように構成される。
【0081】
加速度計103は、中央部分24内に配置されており、母体及び/又は胎児の動きをモニタするように構成されている。温度センサ102も中央部分24内に配置されており、装置10に関して上述したのと同じ方法で、母体温度の変動を記録するように構成されている。
【0082】
また、本実施形態では、モニタリングデバイス22は、フレックスセンサ104a、104b、104c、104dを含み、フレックスセンサは、例えば、モニタリングデバイス22のそれぞれのフレキシブルアーム部25a、25b、25c、25d内に配置される。フレックスセンサ104a、104b、104c、104dは、アーム部25a、25b、25c、25dの屈曲又は撓みを検出するように構成されてもよい。アーム部25a、25b、25c、25dの伸張及び収縮などの屈曲又は撓み又は他の又は関連する変形は、例えば、乳児の動きによって引き起こされる腹部の動きなどの母体の動きによって生じ得る。
【0083】
フレックスセンサは、胎児又は母体の活動中に、接点29a、29b、30a、30b及び/又は接点29a、29b、30a、30bに接続されたEMG表面電極291a、291b、301a、301bによる2つ以上のEMG電極の相対位置をモニタできる位置センサとして使用可能である。アーム部25a、25b、25c、25dの屈曲又は撓みは、それぞれのEMG電極の相対運動と一致する。例えば、EMG電極が粘着シール28a、28b、28c、28dを使用して腹部に固定されるときのEMG電極の相対位置の変化は、アーム部25a、25b、25c、25dの撓み又は屈曲又は他の変形を引き起こす。アーム部の撓み又は曲げ又は他の変形は、例えば胎児又は母体の活動中の腹部のような、身体の変形を示している。
【0084】
フレックスセンサの代替として、ストレッチセンサが使用されてもよい。一般に、装置構造部分の形状及び/又は寸法が可変とされる任意のセンサ、例えば、構造物によって支持されたEMG電極の相対運動をもたらす形状及び/又は寸法の変化を検出するモニタリングデバイスが、位置センサとして使用されてもよい。
【0085】
中央部分24もまた、腹部に付着するように固定され得る。中央部分24は、例えば、中央部分24の中心241のように、モニタリング装置の基準位置を与え得る。したがって、電極及び基準位置は、身体に対してそれぞれの固定位置を保つことができる。
【0086】
電極及び中央部分24は本体に固定され得るが、それらの間のアーム部25a、25b、25c、25dは本体から離れている。
【0087】
胎児又は母体の活動中にEMG電極の位置をモニタリングすることによって、それらの電極から得られたEMG信号はそれらの相対的な位置決めに照らして解釈され、生成されたデータのより包括的な分析を可能にする。例えば、それは、EMG信号の変化がモニタリングデバイスに接した身体の歪みと相関することを可能し、歪みは収縮又は他の母体又は胎児の活動の結果として生じる。
【0088】
EMG電極の相対位置は、三角法による計算に基づいて決定され得る。図7aを参照すると、第1のEMG電極301aと基準位置241との間の長さは、概念的な三角形の第1の辺401とされ、第2のEMG電極301bと基準位置241との間の長さは概念的な三角形402の第2の辺とされ、2つの電極間301a、301bの長さは概念的な三角形の第3の辺403とされ得る。
【0089】
例えば図7bに示されるように、母体又は胎児が動くと、EMG電極301a、301bは、新たな相対位置に動くことができる。この動きは、アーム部の撓み又は曲げ、すなわち、概念的な三角形400'の幾何学的形状の変化、この例では三角形の第1の辺40の長さが増大し、三角形の第2の辺402'の長さが短くなることによって反映される。
【0090】
アーム部の撓み又は曲げは、電極301a、301bと中央部分24との間の距離(すなわち概念的な三角形400、400'の第1及び第2の辺401、401'、402、402の長さ)を決定するフレックスセンサ104c、104dによって検知される。
【0091】
フレキシブルアーム部が長さ方向にのみ可撓性を有する場合、第1及び第2の辺401、401’、402、402’の間の角度αは、実質的に一定の角度であり得え、及び/又は2つ以上の次元におけるアーム部の撓みのモニタリングに基づいて決定されてもよい。概念上の三角形の第3の辺403、403'、すなわち2つの電極301a、301b間の距離は、第1及び第2の辺401、401’、402、402'の長さ及びそれらの相対角度αの知見から算出できる。しかしながら、位置センサからのデータに基づいて電極位置をモニタリングするために他の種類の算出が行われてもよい。さらに、相対位置は、説明した方法を使用して、EMG電極291a、291b、301a、301bの任意の組み合わせの間で決定されてもよい。位置のモニタリングは、いくつかの実施形態ではリアルタイムで実行されてもよく、図4a~4cに示される信号は、他のセンサからの信号と直接関連付けられてもよい。
【0092】
再び図6aを参照すると、装置21はまた、装置10について説明したものと同様に、モニタリングデバイス22に結合された少なくとも1つの基準センサ31を備えてもよい。少なくとも1つの基準センサ31は、EMG読取値に対する基準を与え、全身運動(例えばウォーキング、寝返りなど)や通常の体温変動など、他の原因に由来する信号から胎児又は母体の活動が原因で発生する信号のフィルタリングを可能にするように、胎児又は母体の活動が存在しないモニタリングデバイス22から離れた位置の身体上に配置されるように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの基準センサ31を肋骨に配置することができる。しかしながら、少なくとも1つの基準センサ31は、例えば股関節又は胸骨などの身体の他の場所に配置されてもよいことが理解される。少なくとも1つの基準センサ31は、モニタリングデバイス22のハウジングの外部に配置され、ハウジングに対して移動可能である。少なくとも1つの基準センサ31は、基準センサとモニタリングデバイス22の他の構成要素との間の物理的及び電気的接続を保持するワイヤを介して接続されるが、代替の実施形態では無線で接続されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、基準センサ31は、装置10に関して上述した種類のEMGセンサとしてもよい。基準センサ31は、図6bに示されるように、取り外し可能なEMG表面基準電極311を受け、電気的に結合する接点32を有してもよい。
【0094】
図6bに示す実施形態では、基準センサ31にも開口部34を有する端部33が設けられてもよい。粘着剤シール35が開口部34の周囲に設けられてもよい。粘着シール35は、開口部34の周りに防水バリアを形成するように身体に粘着するように構成されてもよい。EMG表面基準電極311は、開口部34を介して皮膚に接触するように構成されている。この例では、母体又は胎児の活動に起因して生じる信号のフィルタリングは、モニタリングデバイス22のEMGセンサ29、30のいずれかから導出された信号から基準センサ31から導出された信号を減算することによってなされてもよい。
【0095】
上述の実施形態のいずれかによるモニタリングデバイスは、例えば子宮底を覆って位置するように母体の腹部に配置されるように適合されてもよい。本開示は、収縮中に最大で記録可能な母体又は胎児の活動の領域が子宮底を超えていることを認識する。しかしながら、モニタリングデバイスは、胎児又は母体の活動の有用なモニタリングが行われ得る身体の他の場所に配置されてもよいことが理解される。モニタリングデバイスの設計及び形状は、例えば、母体の子宮底といった適切な位置に比較的に直感的で直接的な方法で配置するのに適したものにしてもよい。モニタリングデバイスは、臨床医、患者、パートナー、又は援助作業員などの多数のステークホルダーによる操作のために構成されてもよく、比較的見つけやすく、操作しやすいものであってもよい。
【0096】
上記の実施形態のいずれかによる装置はまた、モニタリングデバイスに接続されたユーザインタフェースを含んでもよく、ユーザインタフェースは、複数のセンサによって検出された信号から導出された情報を表示するためのディスプレイを含む。ユーザインタフェースは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、時計、データ収集バンド、及び情報を表示するように構成された他の同様のデバイスのうちの1つ又は複数を備える。モニタリングデバイスは、インターネット、Wi-Fi、Bluetoothなどの通信ネットワークを介してユーザインタフェースと通信してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェースは、臨床医によってアクセス可能であるように遠隔に配置されてもよい。これにより、臨床医がいなくても患者をモニタリングすることを可能とする。追加的又は代替的に、装置はモニタリングデバイスに統合されたユーザインタフェースを備えてもよい。例えば、ユーザインタフェースはオンボードインジケータでもよい。ユーザインタフェースは、モニタリングデバイスによって収集されているデータの種類の表示、及び/又は装置の身体への取り付け状態、電力レベルなどに関する表示を提供してもよい。
【0097】
装置の様々な電子部品の概略図を図8aに示す。電子部品の動作は、上述の装置の実施形態のいずれに適用してもよい。しかしながら、この特定の実施形態では、図1の装置10を参照して図8の概略図を説明する。モニタリングデバイス11は、モニタリングデバイス11の電子部品に電力を供給するための、例えばバッテリである電源400を備えてもよい。モニタリングデバイス11はまた、モニタリングデバイス11の複数のセンサに接続されているコントローラ401(例えばマイクロコントローラ)を備えてもよい。モニタリングデバイス11の複数のセンサは、2つのEMGセンサ16、17、温度センサ18、及び加速度計101を含む。装置10はまた、基準センサ19を含む。
【0098】
コントローラ401は、基準センサ19だけでなく複数のセンサ16、17、18、101からも信号を受信し、その信号をメモリ403に格納するプロセッサ402を含む。プロセッサ402は、基準センサ19によって検出された信号に基づいて、複数のセンサ16、17、18、101によって検出された信号を任意にフィルタリングしてもよい。送信機404は、例えば無線信号によって、複数のセンサ16、17、18、101及び/又は基準センサ19によって検出された信号から導出された情報をユーザインタフェース405に送信する。情報を含む無線周波数信号又はブルートゥース信号などが、モニタリングデバイス11からユーザインタフェース405に送信されてもよい。ユーザインタフェース405は、制御部401から情報を受信する受信部406と、情報を表示する表示部407とを有する。情報は、妊娠又は分娩のモニタリングを容易にするか又は補助するために、臨床医によって識別可能かつ評価可能なフォーマットで表示されてもよい。あるいは、情報は、臨床医がいなくても、患者にとって自分自身の妊娠又は分娩をモニタするために、より簡単なフォーマットで表示されてもよい。
【0099】
様々な電子部品のさらなる概略図が、図8bに示されている。この特定の実施形態では、概略図は図5の装置21に対応する。この装置は、電気的な観点から、図8aを参照して説明した装置10と実質的に同じである。しかしながら、フレックスセンサ104a~dがさらに設けられ、それらはコントローラ401’、プロセッサ402’、メモリ403’及び送信機404’を含むコントローラに接続され、コントローラは受信機406’
及びディスプレイ407’を含むユーザインタフェース405’に接続される。図8a及び図8bを参照すると、モニタリングデバイスとユーザインタフェースとの間を含む様々な構成要素間の接続は、例えば、有線又は無線でもよい。
【0100】
一般に、本開示で使用される任意のコントローラは、複数のセンサから導出された信号を受信及び処理するためのいくつかの制御又は処理モジュールを備えることができ、信号の種類といったようなデータを格納するための1つ又は複数の記憶装置を含んでもよい。モジュール及び記憶装置は、1つ又は複数の処理装置及び1つ又は複数のデータ記憶ユニットを使用して実装することができ、これらのモジュール及び/又は記憶装置は、一箇所にあってもよく、又は複数箇所に分散されてもよく、一つ以上の通信リンクによって相互接続されてもよい。
【0101】
さらに、モジュールは、プログラム命令を含むコンピュータプログラム又はプログラムコードによって実装されることができる。コンピュータプログラム命令は、ソースコード、オブジェクトコード、マシンコード、又は記述されたステップをコントローラに実行させるように動作可能な他の格納されたデータを含み得る。コンピュータプログラムは、コンパイル言語又はインタープリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述されることができ、スタンドアローンプログラム、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン又はコンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含む形態でデプロイされ得る。データ記憶装置は、揮発性(例えば、RAM)及び/又は不揮発性(例えば、ROM、ディスク)メモリなどの適切なコンピュータに読み取り可能な媒体を含んでもよい。
【0102】
上記の実施形態のいずれにおいても、装置は、妊娠又は分娩についての追加の生体診断及び予後情報を提供するための1つ又は複数のロービングセンサを含んでもよい。ロービングセンサはモニタリングデバイスから独立していてもよい。ロービングセンサは、母体の収縮中の胎児の苦痛の判定を可能にする胎児の心拍数モニタ、妊娠又は分娩中の母体の全体的な健康状態の表示を提供する母体の心拍数モニタ、及び/又は追加のEMGセンサを含んでもよい。ロービングセンサは、有線又は無線接続を介してモニタリングデバイス及び/又はユーザインタフェースに結合されてもよい。
【0103】
上記の実施形態は、多数の利点を有する。例えば、複数のセンサは少なくとも1つのタイプの信号の連続的なモニタを提供し、データを見逃したり消失しないことを確実にし、それによってデータの正確な収集を提供する。さらに、センサの組み合わせは、妊娠及び分娩の状態を評価すること、例えば、偽分娩と分娩の開始との区別、妊娠又は分娩中の母体の健康状態のモニタリング、及び/又は分娩前又は分娩中の胎児の健康状態のモニタリングの助けになる。さらに、実施形態は、訓練された臨床医の存在を必要とせずに患者がモニタリング装置を操作することを可能にし、これにより病院環境以外の場所でモニタリングを可能にする。
【0104】
本開示の広い一般的な範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対して多数の変形及び/又は修正がなされてもよいことが当業者によって理解される。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり限定的ではないと見なされる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b