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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024205
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20250212BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20250212BHJP
   A24B 15/42 20060101ALI20250212BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20250212BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/28
A24B15/42
A24F40/40
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024203940
(22)【出願日】2024-11-22
(62)【分割の表示】P 2023501819の分割
【原出願日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】2012085.3
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ポイントン, サイモン
(72)【発明者】
【氏名】テスファトション, ビニアム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、エアロゾル供給システム、例えばeシガレットに用いられるエアロゾル化可能材料に関する。
【解決手段】エアロゾル化可能材料100は、少なくとも1つの活性組成物110と、少なくとも1つの熱伝導成分120とを含む。少なくとも1つの熱伝導性要素は、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する。本発明はまた、エアロゾル供給システム、エアロゾルを供給する方法、エアロゾル化可能材料を製造する方法、及びエアロゾル化可能材料を提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの活性組成物と、少なくとも1つの熱伝導性要素とを含むエアロゾル化可能材料であって、前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル化可能材料。
【請求項2】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、結合剤を含む、請求項1に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項3】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、前記エアロゾル化可能材料の体積の最大20%を構成する、請求項1又は2に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項4】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、前記エアロゾル化可能材料の実質的に外面近くに配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、金属、合金、セラミック、グリセロール、及びグラファイトのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項6】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、少なくとも第1の結合材料及び第2の結合材料を含み、
前記第1の結合材料が、約300~約400w/mKの熱伝導率を有し、
前記第2の結合材料が、約10~約200w/mKの熱伝導率を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項7】
前記少なくとも1つの活性組成物が、香料を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項8】
前記少なくとも1つの活性組成物が、タバコを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項9】
パワーソースと、
エアロゾル化可能材料と、
前記エアロゾル化可能材料に熱を供給するヒータと
を備えるエアロゾル供給システムであって、
エアロゾル化可能材料が、少なくとも1つの活性組成物及び少なくとも1つの熱伝導性要素を含み、前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、結合剤を含む、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記パワーソースが、前記ヒータにエネルギーを供給し、前記ヒータが、約70℃で作動するように設定される、請求項9又は10に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
ヒータを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
少なくとも1つの活性組成物及び少なくとも1つの熱伝導性要素を含むエアロゾル化可能材料を用意するステップであって、前記熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、ステップと、
前記エアロゾル化可能材料を前記エアロゾル供給デバイスと係合するステップと、
前記エアロゾル化可能材料を前記ヒータによって加熱するステップと
を含む、エアロゾルを供給する方法。
【請求項13】
前記ヒータによって前記エアロゾル化可能材料を加熱するステップが、前記エアロゾル化可能材料を前記ヒータによって約70℃まで加熱することを含む、請求項12に記載のエアロゾルを供給する方法。
【請求項14】
請求項1に記載のエアロゾル化可能材料を製造する方法であって、前記エアロゾル化可能材料内に熱伝導性要素を分散させるステップを含む、方法。
【請求項15】
少なくとも1つの活性組成物手段と、少なくとも1つの熱伝導手段とを含むエアロゾル化可能材料であって、前記少なくとも1つの熱伝導手段が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル化可能材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能材料、エアロゾル供給システム、エアロゾルを供給する方法、エアロゾル化可能材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給システムは、周知である。通常のシステムは、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成するためにヒータを使用し、そのエアロゾルが、次いで、ユーザによって吸入される。エアロゾルが生成されるエアロゾル化可能材料は、エアロゾル供給システムを使用している間に部分的又は完全に消費され得る。エアロゾル生成材料を加熱すると、エアロゾル生成材料は、構造的に変化し得る。時が経つにつれて、その構造変化が、香料を変化させることにより、又は、エアロゾル生成材料が消耗されるにつれて使用を困難にして行くことによって、エアロゾル供給システムに関するユーザの味わいを低下させることがある。エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するために使用する温度は、これら構造変化が生じるにつれて使用中ずっと変化し得る。
【0003】
エアロゾル生成材料を効果的且つ効率的に加熱するエアロゾル供給システムを実現することが望ましい。
【0004】
本発明は、上記問題のいくつかを解決することに向けられている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の諸態様が、添付特許請求の範囲に明確化される。
【0006】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの活性組成物と、少なくとも1つの熱伝導性要素を含むエアロゾル化可能材料であって、少なくとも1つの熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル化可能材料が提供される。
【0007】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態によれば、パワーソースと、エアロゾル化可能材料と、エアロゾル化可能材料に熱を供給するヒータとを備えるエアロゾル供給システムであって、エアロゾル化可能材料が、少なくとも1つの活性組成物及び少なくとも1つの熱伝導性要素を含み、その少なくとも1つの熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル供給システムが提供される。
【0008】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態によれば、ヒータを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、少なくとも1つの活性組成物及び少なくとも1つの熱伝導性要素を含むエアロゾル化可能材料を用意するステップであって、熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、ステップと、エアロゾル化可能材料をエアロゾル供給デバイスと係合するステップと、エアロゾル化可能材料をヒータによって加熱するステップとを含むエアロゾルを供給する方法が提供される。
【0009】
本明細書に記載されているいくつか熱伝導性要素120の実施形態によれば、少なくとも1つの活性組成物手段と、少なくとも1つの熱伝導手段とを含むエアロゾル化可能材料であって、少なくとも1つの熱伝導手段が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル化可能材料が提供される。
【0010】
次いで、本教示が、以下の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一例によるエアロゾル化可能材料の断面図である。
【0012】
図2】一例によるエアロゾル化可能材料の断面図である。
【0013】
図3】一例によるエアロゾル化可能材料の断面図である。
【0014】
図4】一例によるエアロゾル化可能材料の断面図である。
【0015】
図5】一例によるエアロゾル供給デバイスの長手方向断面図である。
【0016】
図6】一例によるエアロゾル供給デバイスの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明には、様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態が、例として、図面に示され、本明細書で詳細に説明されている。但し、特定の実施形態の図面及び詳細な説明は、開示されたそれら特定の形態に本発明を限定するものではないことを理解されたい。それとは逆に、本発明は、添付特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内に含まれる全ての変更形態、同等形態、及び代替形態を包含する。
【0018】
本明細書では、いくつかの例及び実施形態の態様及び特徴が論考/説明されている。いくつかの例及び実施形態の一部の態様及び特徴には従来実行されているものもあり、それら態様及び特徴は、簡潔さを考慮して、詳細には論考/説明されない。従って、本明細書で論じられるが詳細には説明されない装置及び方法の態様及び特徴は、それら態様及び特徴を実行するいかなる従来の技法に従って実行してもよいことを理解されたい。
【0019】
本開示は、eシガレットなど、エアロゾル供給システムとも呼ぶことができるエアロゾル供給システムに関する。本開示によれば、「非燃焼性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システムのエアロゾル化可能組成材料(又はエアロゾル供給システムの構成要素)を、ユーザへの送出を容易にするために燃やす又は焼くことのないシステムである。以下の説明を通して、用語「eシガレット」又は「電子タバコ」が使用される場合があるが、この用語は、エアロゾル供給システム/デバイス及び電子エアロゾル供給システム/デバイスと置き換えて使用することができることを理解されたい。更に、当技術分野では一般的であるが、用語「エアロゾル」及び「蒸気」、並びに「蒸発させる」、「揮発させる」及び「エアロゾル化する」などの関連用語は、一般に、置き換えて使用することができる。
【0020】
図1の例では、エアロゾル供給システムで使用するエアロゾル化可能材料100が示されている。エアロゾル化可能材料100は、エアロゾル供給システムに挿入、又は連結することができる。エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料100からエアロゾルを生成することができる。エアロゾル化可能材料100は、少なくとも1つの活性組成物110を含む。エアロゾル化可能材料100は、少なくとも1つの熱伝導性要素120を含む。その少なくとも1つの熱伝導性要素120は、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する。図1に示される例において、エアロゾル化可能材料100は、他の成分を含んでもよい。
【0021】
少なくとも1つの活性組成物110は、1つ又は複数の香料、1つ又は複数のエアロゾル形成材料、及び/又は1つ又は複数の機能材料を含み得る。特定の例では、少なくとも1つの活性組成物110は、ニコチン又はニコチン含有物質を含んでもよい。
【0022】
少なくとも1つの熱伝導性要素120は、エアロゾル化可能材料100の中の熱エネルギーの効果的伝達を補助する。図1の特定の例に示される少なくとも1つの熱伝導性要素120は、少なくとも1つの活性組成物110とは分離されている。一例では、少なくとも1つの活性組成物110と少なくとも1つの熱伝導性要素120とは、混合され、接触し、又は部分的に混ぜ合わされてもよい。エアロゾル化可能材料100内での少なくとも1つの熱伝導性要素120の配置は、エアロゾル化可能材料100の1つの部分から別の部分への効率的伝熱が可能になるように選択することができる。エアロゾル化可能材料100内の熱伝導が低い領域を把握することによって、上記配置を選択することができ、又はエアロゾル化可能材料を設計することができる。
【0023】
別の例では、エアロゾル化可能材料100内での少なくとも1つの熱伝導性要素120の配置は、エアロゾル供給システム内特有の諸熱流経路、及びこれら熱流経路がエアロゾル化可能材料100と相互作用する様相を把握することによって、選択することができる。例えば、熱が、主としてエアロゾル化可能材料100の一方の側からエアロゾル化可能材料100に供給される場合には、少なくとも1つの熱伝導性要素120は、エアロゾル化可能材料100の他方の側へ効果的に熱を伝導するように配置することができる。
【0024】
一例では、少なくとも1つの熱伝導性要素120は、結合剤を含む。結合剤は、他の材料を一体に保持又は引き付けて、粘着又は結合によって、機械的、化学的に結合体を形成する材料又は物質であり得る。結合剤の使用は、エアロゾル化可能材料100の構造の形成を補助する。エアロゾル化可能材料100の構造の保全は、エアロゾル化可能材料100の加熱中に生じることがある構造劣化の防止に役立つ。そのような構造劣化は、エアロゾル化可能材料100の不均一な加熱を生じることがあり、その不均一な加熱は、エアロゾル化可能材料100のある部分を熱し過ぎることによって、望ましくない化合物の生成に至ることがある。有利であり得る特定の熱伝動性結合剤には、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、アルギン酸塩、及びゲルが含まれる。結合剤は、エアロゾル化可能材料の中の熱伝導を向上させるために、エアロゾル化可能材料の熱伝導率(タバコの熱伝導率)より大きい熱伝導率を有しさえすればよい。従って、一部の結合剤は、より低い熱伝導性のエアロゾル化可能材料には使用することができるが、より高い熱伝導性のエアロゾル化可能材料には適合しないことがある。
【0025】
図2の例では、エアロゾル化可能材料200が示される。エアロゾル化可能材料200は、少なくとも1つの活性組成物210及び少なくとも1つの熱伝導性要素220を有する。少なくとも1つの熱伝導性要素220は、結合剤222を含むところが示されている。図2の概略例では、結合剤222は、少なくとも1つの熱伝導性要素220内に閉じ込められた部分として示されている。結合剤222は、少なくとも1つの熱伝導性要素220全体に亘って均一又は不均一に分布させることができる。熱伝導性要素220及び/又は結合剤222は、エアロゾル化可能材料200全体に亘って均一又は不均一に分布させることができる。結合剤222は、エアロゾル化可能材料200全体に亘る伝熱の向上を補助することができる。
【0026】
一例では、少なくとも1つの熱伝導性要素220は、エアロゾル化可能材料200の体積の最大20%を構成する。他の例では、少なくとも1つの熱伝導性要素220は、エアロゾル化可能材料200の体積の最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大11%、最大12%、最大13%、最大14%、最大15%、最大16%、最大17%、最大18%、又は最大19%を構成する。熱伝導性要素220の量は、使用中に香味などを生じるためにエアロゾル化可能材料200内に存在する活性組成物210と、熱伝導性要素220によってもたらされる熱伝導率への貢献度とのバランスが取れるように選択することができる。活性組成物210の熱伝導が著しく低い例では、これを、より大量の熱伝導性要素220を用いることによって克服することができる。活性組成物210の熱伝導がより良好な例では、エアロゾル化可能材料200内の熱伝導性要素220の量をより少なくすることができる。
【0027】
図3の例では、エアロゾル化可能材料300が示されている。エアロゾル化可能材料300は、少なくとも1つの活性組成物310及び少なくとも1つの熱伝導性要素320を含む。図3の例では、少なくとも1つの熱伝導性要素320は、エアロゾル化可能材料300の外面302から実質的に離れて配置されている。少なくとも1つの熱伝導性要素320の位置は、使用中、エアロゾル化可能材料300の、熱エネルギーを受け取る傾向がより低い部分へ熱エネルギーの伝達が可能になるように選択することができる。別の例では、図示しないが、少なくとも1つの熱伝導性要素は、実質的にエアロゾル化可能材料の外面近くに配置される。これは、外部供給源からエアロゾル化可能材料の中央に向かう熱を付勢することができる。例えば、通過するエアロゾルが加熱手段である場合、エアロゾルがエアロゾル化可能材料の均一な混合物を通過することができるので、有利な位置はエアロゾル化可能材料の外側になる。
【0028】
本明細書で使用される、熱伝導性要素320を「位置させる」及び「配置する」によって、これは、エアロゾル化可能材料300の中での少なくとも1つの熱伝導性要素320の密度の分布を示すことができるとも見られる。一例では、少なくとも1つの熱伝導性要素320をエアロゾル化可能材料300の外面302から離して配置するのではなく、熱伝導性要素320を、エアロゾル化可能材料300の中央位置でより濃密にしてもよい。密度プロフィールは、エアロゾル化可能材料300の、より大きい熱エネルギーを受ける部分(密度がより低い)から、より小さい熱エネルギーを受ける部分(密度がより高い)まで変化させることができる。
【0029】
従って、一例では、熱伝導性要素320は、エアロゾル化可能材料300の特定の部分に集中し得るので、一様には分散されることはない。熱伝導性要素320は、エアロゾル化可能材料300の中に、ばらばらに個々の要素ではなく特定の位置に塊で(図3におけるように)配置され得る。従って、そのような例では、熱又は物理的ネットワークが、熱伝導性要素320によって提供され得る。そのようなネットワークは、連続でも不連続でもよく、そのネットワーク内で熱伝導性要素320の1つ又は複数の部分が接触するように形成することができる。
【0030】
これは、製造業者が、特別仕様の温度プロフィールを実現することを可能にするので有利であり、その温度プロフィールは、エアロゾル化可能材料300の加熱中に形成することができ、その加熱は、エアロゾル化可能材料300全体に亘って一様であってもなくてもよい。一様でない熱分布の利点は、製造業者が、外向きの面のようには容易に加熱することのできないエアロゾル化可能材料300の中央に近い部分など、エアロゾル化可能材料300の、加熱を必要とする位置を付加的に加熱するように仕組むことを可能にする。
【0031】
エアロゾル化可能材料300の中央は、外面302により近く位置する部分より少ない熱エネルギー(外部加熱源から)を受け取り得る。従って、一例では、熱伝導性要素320は、熱エネルギーを効果的にエアロゾル化可能材料300の中央に移送するように形成することができる。これは、密度プロフィールの選択、又は熱伝導性要素320を形成又は配置することができるロッドのような構造によることができる。そのようなロッドは、エアロゾル化可能材料300の中央に向けてロッドの密度が高くなるように、外面から中央に張り出して行くことができる。
【0032】
エアロゾル化可能材料300内の熱伝導性要素320の密度の選択(又は密度の変化)は、活性組成物310が過熱され、望ましくない化合物を生成することがある熱エネルギーの集中を回避すべきである。
【0033】
一例では、少なくとも1つの熱伝導性要素320は、金属、合金、セラミック、グリセロール、及びグラファイトのうちの少なくとも1つを含む。グリセロールは、植物性グリセロールでもよい。
【0034】
図4の例では、エアロゾル化可能材料400が示されている。エアロゾル化可能材料400は、少なくとも1つの活性組成物410及び少なくとも1つの熱伝導性要素420を含む。図4の例では、少なくとも1つの熱伝導性要素420は、少なくとも第1の結合材料422及び第2の結合材料424を含む。一例では、第1の結合材料422は、約300~約400W/mKの熱伝導率を有し、第2の結合材料424は、約10~約200W/mKの熱伝導率を有する。
【0035】
少なくとも1つの熱伝導性要素420内に異なる熱伝導率を有する複数の部分を設けることによって、熱伝導性要素420全体として実現する熱伝導率に関してより高い柔軟性を可能にすることができる。これは、更に、熱伝導性要素420によって実現される熱伝導率に関する制御を向上させる。一例では、エアロゾル化可能材料400の外面402の近くに熱伝導率がより高い材料を配置し、中央の近くに熱伝導率がより低い材料を配置し、それによって、使用中、熱が、エアロゾル化可能材料400の中央に向かって伝導されるが、一旦供給されるとより効果的に保持されるようになることが有利である。上記の例では、熱エネルギーは、外面402が入射熱の少なくとも大部分(全体でなくても)を受け入れるようにエアロゾル化可能材料400に加えられていることが想定されている。これは、当然、エアロゾル化可能材料400が使用されるエアロゾル供給デバイスに依存する。
【0036】
一例では、少なくとも1つの活性組成物410は、香料を含む。香料は、嗅覚性などであり得る。活性組成物410は、活性物質を含み得る。活性物質は、例えばカフェインなどであり得る。
【0037】
本明細書で使用される活性組成物410は、生理的反応を達成又は高揚するようになされた材料である生理的活性材料であり得る。活性組成物410は、例えば、機能性食品、向知性薬、及び向精神薬から選択してもよい。活性成分410は、天然由来でも合成由来でもよい。活性組成物410は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12又はCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、或いはそれらの組成物、派生物、又は配合物を含み得る。活性組成物410は、タバコ、大麻、又は別の植物性薬品のうちの1つ又は複数の組成物、派生物又は抽出物を含み得る。
【0038】
一部の実施形態では、活性組成物410は、ニコチンを含む。一部の実施形態では、活性組成物は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。一部の実施形態では、活性組成物410は、タバコを含む。
【0039】
図5の例では、エアロゾル供給システム500が示されている。エアロゾル供給システム500は、パワーソース530を備える。パワーソース530は、バッテリなどのような化学エネルギーの供給源でもよい。エアロゾル供給システム500は、エアロゾル化可能材料505を備える。エアロゾル供給システム500は、エアロゾル化可能材料505に熱を供給するヒータ540を更に備える。エアロゾル化可能材料505は、少なくとも1つの活性組成物510及び少なくとも1つの熱伝導性要素520を有する。パワーソース530は、ヒータ540に接続される。パワーソース530及びヒータ540は、化学エネルギーを熱エネルギーに変換するために配置され得る。熱エネルギーは、ヒータ540に対面するエアロゾル化可能材料505の面507に入射する。
【0040】
ヒータが熱エネルギーをエアロゾル化可能材料505に供給すると、活性組成物510が、システム500を通過する空気中にエアロゾルを形成することができる化合物を放出することができる。このエアロゾルが、出口509を経てシステム500から出て行くことができる。時間が経つと、面507に隣り合う活性組成物510は消耗され、活性組成物510の新たな部分に熱を作用させる必要が生じる。熱伝導性要素520の配置によって、活性組成物510の消耗が、使用している間中、より一様に生じることを可能にすることができる。これは、活性組成物510が、消耗されるとき、部分的に加熱されるのを防止するのに役立ち、その部分的加熱は、望ましくない化合物が放出される結果を生じ得る。
【0041】
図6の例では、エアロゾル供給システム600が示されている。エアロゾル供給システム600は、パワーソース630を備える。パワーソース630は、バッテリなどのような化学エネルギーの供給源でもよい。エアロゾル供給システム600は、エアロゾル化可能材料605を備える。エアロゾル供給システム600は、エアロゾル化可能材料605に熱を供給するヒータ640を更に備える。エアロゾル化可能材料605は、少なくとも1つの活性組成物610及び少なくとも1つの熱伝導性要素620を有する。パワーソース630は、ヒータ640に接続されている。ヒータ640からの熱エネルギーは、ヒータ640に面しているエアロゾル化可能材料605の面607に入射する。
【0042】
図6に示される例の配置は、図5に示される例の配置とは異なる。少なくとも1つの熱伝導性要素620は、エアロゾル化可能材料605の中心に配置された長手方向軸線に沿って突出するように配置される。少なくとも1つの活性組成物610は、中心に配置された少なくとも1つの熱伝導性要素620の両側に示されている。この配置は、エアロゾル化可能材料605の面607に入射した熱が、少なくとも1つの熱伝導性要素620によって、エアロゾル化可能材料605の残りの部分に伝導されるのを可能にする。従って、この配置は、エアロゾル化可能材料605をより一様に加熱することを可能にするのに役立つ。その結果、少なくとも1つの熱伝導性要素620のこの配置は、面607の近傍の少なくとも1つの活性組成物610が、過熱されてしまい、望ましくない化合物を生成することを防止するのに役立つ。
【0043】
一例では、パワーソース630がヒータ640にエネルギーを供給し、ヒータ640が、約70℃で作動するように設定される。少なくとも1つの熱伝導性要素620を使用することにより、エアロゾル化可能材料605の中の効率的な伝熱を可能にする。従って、システム600は、より低い温度で作動することができる。このように、少なくとも1つの熱伝導性要素620を使用することにより、パワーソース630及びヒータ640の負荷を減少させて、一充電毎のシステム600の寿命を増加させ(一服毎に必要なパワーソース630エネルギーがより少ないので)、全体としてシステム600の寿命を増加させることができる(システム600内の要素に課される電気的負担がより小さいので)。一例では、パワーソース630及びヒータ640は、エアロゾル化可能材料605を約70℃に加熱するように作動することができる。
【0044】
いずれの開示されたエアロゾル供給システムも、エアロゾルを生成する加熱を制御、及び/又はセンサ若しくは使用者からの信号を受信、並びに/或いは案内要素(若しくは案内要素の諸部分)などの動きを制御するように配置された制御回路を有し得る。制御部又は制御回路は、ある予め定められた値が、予め定められた範囲を超え、又は外れたときを判定するデータベースに接続することができる。これは、ヒータの加熱を制御し、又はエアロゾル供給システムを通るエアロゾルの流れを制御することに至り得る。
【0045】
加熱は、熱エネルギーをエアロゾル化可能材料605に供給する抵抗ヒータによって行うことができる。従って、一例では、熱伝導性材料は、抵抗加熱によって加熱可能である。一例では、熱伝導性材料は、誘導加熱又は磁気による加熱はできない。例えば、熱伝導性材料は、少なくとも1つのセラミック及び結合剤などから形成され得る。
【0046】
一部の実施形態では、エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送出システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル化可能材料内のニコチンの存在が要件ではないことに留意されたい。
【0047】
一部の実施形態では、エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0048】
一部の実施形態では、エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の配合物を使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、それらエアロゾル化可能材料のうちの1つ又は複数が加熱され得る。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、例えば、固体、液体又はゲルの形態でもよく、ニコチンを含有していてもいなくてもよい。一部の実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料、及び固体エアロゾル化可能材料を備える。固体エアロゾル化可能材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0049】
通常、エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品とを備え得る。但し、エアロゾル生成構成要素を付勢する手段をそれら自体が含む物品群は、それら自体がエアロゾル供給システムを形成することができることと見られる。
【0050】
一部の実施形態では、エアロゾル供給デバイスは、パワーソース及び制御部を備え得る。パワーソースは、例えば、電力源でもよい。
【0051】
一部の実施形態では、エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品には、エアロゾル化可能材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を収容する領域を含めることができる。
【0052】
一部の実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、1つ又は複数の揮発性物質をエアロゾル化可能材料から分離してエアロゾルを形成するために、エアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒータである。
【0053】
一部の実施形態では、送出される物質は、エアロゾル化可能材料であり得る。本明細書ではエアロゾル生成材料とも呼ばれることがあるエアロゾル化可能材料は、例えば加熱し、照射し、又は他の何らかの方法でエネルギーを与えたとき、エアロゾルを生成することが可能になる材料である。エアロゾル化可能材料は、例えば、ニコチン及び/又は香味料を含有してもしなくてもよい固体、液体、又はゲルの形態であり得る。一部の実施形態では、エアロゾル化可能材料は、「モノリシック固体」(即ち非繊維質)と或いは呼ばれることがある「非晶質固体」を含み得る。一部の実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルでもよい。非晶質固体は、その内部に液体などのある流体を保持することができる固体物質である。一部の実施形態では、エアロゾル化可能材料は、例えば、約50wt%、60wt%、又は70wt%の非晶質固体から約90wt%、95wt%又は100wt%までの非晶質固体を含み得る。
【0054】
エアロゾル化可能材料は、1つ又は複数の活性組成物、1つ又は複数のキャリヤ組成物、及び任意選択で1つ又は複数の他の機能性組成物を含み得る。
【0055】
活性組成物は、1つ又は複数の生理学的及び/又は嗅覚的活性組成物を含み得、それら活性組成物は、使用者の生理学的及び/又は嗅覚的反応を達成するために、エアロゾル化可能材料内に含まれる。活性組成物は、例えば、機能性食品、向知性薬、及び向精神薬から選択してもよい。活性組成物は、天然由来でも合成由来でもよい。活性組成物は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、又は他の適切なあらゆる組成物を含み得る。活性組成物は、タバコ又は別の植物性薬品の組成物、派生物、又は抽出物を含み得る。一部の実施形態では、活性組成物は、生理学的に活性な組成物であり、ニコチン、ニコチンソルト(例えばニコチン二酒石酸塩/ニコチン重酒石酸塩)、ニコチンフリーのタバコ代替品、カフェインなどの他のアルカロイドから選択することができる。
【0056】
一実施形態では、活性組成物は嗅覚性活性組成物であり、「香料」及び/又は「香味料」から選択することができ、それら香料及び/又は香味料は、地方条例が許容する限り、成人消費者向けの製品に、所望の風味、香り、又は他の体性感覚的知覚を生じさせるために使用することができる。ある場合には、上記の組成物は、香料、香味料、冷却剤、加熱剤、又は甘味料と呼ぶことができる。それら組成物には、天然由来の香料材料、植物性物質、植物性物質からの抽出物、合成由来材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、日本ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、リンゴ、オレンジ、マンゴ、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑の実、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダ、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワー、キンマ、シーシャ、松、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、桜の花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダ、コーヒ、麻、ハッカのあらゆる種からのミントオイル、ユーカリ、トウシキミ、ココア、レモングラス、ルイボス、アマ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ、オレンジの皮、バラ、緑茶や紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、エルダーフラワ、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、クエンピ、ミント、シソ、ウコン、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン(damien)、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カラム、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)と、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、乳糖、蔗糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、又はマンニトール)と、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、息清涼剤などの更に他の添加物とが含まれ得る。それら組成物は、人造材料、合成材料、又は天然材料、或いはそれらの混合物である。それら組成物は、例えば、オイルなどの液体、粉などの固体、1つ又は複数の抽出物などのガス(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、日本ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、桃、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダ、コーヒ、又はハッカ属のあらゆる種からのミントオイル)、香料強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、乳糖、蔗糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、又はマンニトール)など、更にチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、息清涼剤などのその他の添加物など、適切ないかなる形態でもよい。それら組成物は、人造材料、合成材料、又は天然材料、或いはそれらの混合物であり得る。それら組成物は、例えば油、液体、又は粉体など適切ないかなる形態でもよい。
【0057】
一部の実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。一部の実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。一部の実施形態では、香料は、オイゲノールを含む。一部の実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。一部の実施形態では、香料は、身体感覚剤を含み得、その身体感覚剤は、香り又は味覚神経に加えて又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)を刺激することによって、通常、化学的に誘発され知覚される体性感覚的知覚が得られるようになされ、これら身体感覚剤には、加熱、冷却、刺痛、しびれ効果をもたらす作用物質を含めることができる。適切な、加熱効果作用物質は、それに限定されないが、バニリルエチルエーテルでもよく、適切な冷却作用物質は、それに限定されないが、ユーカリプロール、WS-3でもよい。
【0058】
キャリヤ組成物は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含み得る。一部の実施形態では、キャリヤ組成物は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0059】
他の1つ又は複数の機能性組成物は、pH調節剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0060】
一部の実施形態では、エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を収容する領域を含み得る。一部の実施形態では、エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、マウスピースを含み得る。エアロゾル化可能材料を収容する領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵する貯蔵領域であり得る。例えば、貯蔵領域はリザーバであり得る。一部の実施形態では、エアロゾル化可能材料を収容する領域は、エアロゾル生成領域とは分けることも、一体にすることもできる。
【0061】
このように、少なくとも1つの活性組成物と、少なくとも1つの熱伝導性要素とを含むエアロゾル化可能材料が説明されてきたが、少なくとも1つの熱伝導性要素は、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する。
【0062】
エアロゾル供給システムは、例えば非燃焼式エアロゾル供給システムなど、タバコ産業製品に使用することができる。
【0063】
一実施形態では、そのタバコ産業製品は、ヒータ及びエアロゾル化可能基質など、非燃焼式エアロゾル供給システムの1つ又は複数の構成要素を備える。
【0064】
一実施形態では、エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
【0065】
一実施形態では、電子タバコは、ヒータと、ヒータにパワーを供給することが可能なパワーサプライと、液体やゲルなどのエアロゾル化可能基質と、ハウジングと、任意選択でマウスピースとを備える。
【0066】
一実施形態では、エアロゾル化可能基質は、基質容器内又はその上に収容されている。一実施形態では、基質容器は、ヒータと組み合わされ、又はヒータを備える。
【0067】
一実施形態では、タバコ産業製品は、基質材料を燃やすことなく加熱することによって、1つ又は複数の化合物を分離させる加熱製品である。基質材料は、例えばタバコ製品又は他の非タバコ製品であり得るエアロゾル化可能材料であり、ニコチンを含有してもしなくてもよい。一実施形態では、加熱デバイス製品は、タバコ加熱製品である。
【0068】
一実施形態では、加熱製品は、電子デバイスである。
【0069】
一実施形態では、タバコ加熱製品は、ヒータと、ヒータにパワーを供給することが可能なパワーサプライと、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能基質とを備える。
【0070】
一実施形態では、加熱製品は、非電子品である。
【0071】
一実施形態では、加熱製品は、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能基質と、チャコールなどの燃焼材料を燃やすことによるなど、いかなる電子手段もなしにエアロゾル化可能基質に熱エネルギーを供給することが可能な熱源とを備える。
【0072】
一実施形態では、加熱製品は、エアロゾル化可能基質を加熱することによって生成されたエアロゾルを濾過することが可能なフィルターを更に備える。
【0073】
一部の実施形態では、エアロゾル化可能基質材料は、エアロゾル剤若しくはエアロゾル生成剤、又はグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコールなどの保湿剤を含み得る。
【0074】
一実施形態では、タバコ産業製品は、基質材料の配合物を燃焼ではなく加熱することによってエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。基質材料は、例えば、ニコチンを含有してもしなくてもよい固体、液体、又はゲルを含み得る。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基質、及び固体基質を備える。固体基質は、例えば、ニコチンを含有してもしなくてもよいタバコ製品又は他の非タバコ製品であり得る。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基質、及びタバコを備える。
【0075】
様々な問題点に対処し当技術を向上させるために、この開示の全体は、例示として、特許請求の範囲に記載された(1つ又は複数の)発明を実行することができ、優れた電子エアロゾル供給システムを実現する様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、単に、実施形態の代表的実例としてのものであり、網羅的及び/又は排他的ではない。本開示の利点及び特徴は、特許請求の範囲に記載の特徴を理解することを助け、教示するためにのみ示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって形作られた本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲との同等事項を限定するものと考えるべきでなく、又、他の実施形態を使用してもよく、本開示の範囲及び/又は主旨から逸脱することなく、変更を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、適宜、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを含み、それら組合せから構成、又は本質的に構成することができる。更に、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求されることがある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの活性組成物と、金属、合金、セラミック、及びグラファイトのうちの少なくとも1つ及び少なくとも1つの結合剤を含む少なくとも1つの熱伝導性要素とを含むエアロゾル化可能材料であって、前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、約10W/mK~約500W/mKの熱伝導率を有する、エアロゾル化可能材料。
【請求項2】
記結合剤は、前記エアロゾル化可能材料の熱伝導率より大きい熱伝導率を有する、請求項1に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項3】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、前記エアロゾル化可能材料の体積の最大20%を構成する、請求項1又は2に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項4】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が、前記エアロゾル化可能材料の実質的に外面近くに配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱伝導性要素が
1の結合剤を含むと共に約300~約400/mKの熱伝導率を有する第1の熱伝導性要素と
2の結合剤を含むと共に約10~約200/mKの熱伝導率を有する第2の熱伝導性要素とを備える
請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項6】
前記少なくとも1つの活性組成物が、香料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項7】
前記少なくとも1つの活性組成物が、タバコを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料。
【請求項8】
パワーソースと、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料と、
前記エアロゾル化可能材料に熱を供給するヒータと
を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記パワーソースが、前記ヒータにエネルギーを供給し、前記ヒータが、約70℃で作動するように設定される、請求項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
ヒータを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能材料を用意するステップと
前記エアロゾル化可能材料を前記エアロゾル供給デバイスと係合するステップと、
前記エアロゾル化可能材料を前記ヒータによって加熱するステップと
を含む、エアロゾルを供給する方法。
【請求項11】
前記ヒータによって前記エアロゾル化可能材料を加熱するステップが、前記エアロゾル化可能材料を前記ヒータによって約70℃まで加熱することを含む、請求項10に記載のエアロゾルを供給する方法。
【請求項12】
請求項1に記載のエアロゾル化可能材料を製造する方法であって、前記エアロゾル化可能材料内に熱伝導性要素を分散させるステップを含む、方法。
【外国語明細書】