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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024213
(43)【公開日】2025-02-19
(54)【発明の名称】スナップショットエリプソメータ
(51)【国際特許分類】
   G01J 4/04 20060101AFI20250212BHJP
【FI】
G01J4/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】49
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024204314
(22)【出願日】2024-11-22
(62)【分割の表示】P 2021519869の分割
【原出願日】2018-12-10
(31)【優先権主張番号】16/350,204
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508293737
【氏名又は名称】ジェイ・エイ・ウーラム・カンパニー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】J.A.WOOLLAM CO.,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100141955
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ホボルカ グリフィン エー ピー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・ダースリス・ジェレミー・エイ
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】サンプルを測定するために時間変調素子を必要としないが、代わりに1つ以上の空間的に変化する補償器10(例えば、マイクロリターダアレイ及び複合プリズム)を使用して、電磁放射の測定ビーム内の偏光状態を変化させるスナップショットエリプソメータ又は偏光計。
【効果】空間的に変化する補償子及びサンプルとの相互作用後のビームの強度プロファイルの解析は、いかなる移動する光学系もなしにサンプルパラメータを特徴付けることを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)電磁放射ビーム源(2)、
b)偏光状態発生器(4)、
c)平行化された又は平行化されていない電磁放射ビーム(3)を既知の入射角でサンプル(5)と相互作用させるための設備、
d)偏光状態分析器(6)、及び
e)電磁放射の多素子検出器(8)
を備え、
使用時に、電磁放射ビーム(3)が前記電磁放射ビーム源(2)によって生成され、前記偏光状態発生器(4)、前記サンプル(5)、前記偏光状態分析器(6)、及び前記多素子検出器(8)と相互作用させられ、
前記偏光状態発生器(4)及び/又は前記偏光状態分析器(6)がさらに、測定波長のオーダーで構成されていない液晶移相素子(13)(14)であって、少なくとも2つの互いに対して回転する、独立した光学軸であるが同じ移相を示す複数のゾーンを有する空間的なアレイを備える移相素子である空間的に変化する補償子(10)を含み、
前記少なくとも1つの空間的に変化する補償子(10)は、空間的に分離された複数の偏光状態を付与して、前記ビームの断面にわたる強度分布を生じさせ、前記偏光状態分析器(6)と相互作用した後、前記検出器(8)内の対応する複数の空間的に分布した要素によって対応する複数の位置で検出され、
サンプル特性を決定するために分析される
エリプソメータ。
【請求項2】
前記空間的に変化する補償子(10)及び前記検出器(8)上の特定の点の間の一致に関して解像度を改善するための、前記空間的に変化する補償子(10)と前記多素子検出器(8)との間に存在する少なくとも1つの撮像素子をさらに備える
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項3】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供されるビームが複数の波長を含み、前記検出
器(8)が二次元であり、当該エリプソメータが前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに含み、使用時に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果が決定される、
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項4】
少なくとも1つの波長分離素子(7)が、以下からなる群から選択される、
請求項3に記載のエリプソメータ:
平面又は湾曲した回折格子、
分散プリズム、及び、
その異なる位置で異なる波長を透過、遮断、又は、反射する、減衰又は反射フィルタ素子。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の集束光学系が、前記波長分離素子(7)によって引き起こされるスペクトル変動を前記検出器(8)の1つの次元上に分解し、前記少なくとも1つの集束光学系は検光子(11)と前記多素子検出器(8)の間に存在する、
請求項3に記載のエリプソメータ。
【請求項6】
前記電磁放射ビーム源(2)が、以下からなる群から選択される、請求項1に記載のエリプソメータ:
広帯域又は単色レーザー;
広帯域又は狭帯域LED;
モノクロメータ;
広帯域光源;
FTIR光源;
グローバー光源;
白熱光源;及び
アークランプ。
【請求項7】
波長範囲を拡張するために、又は、測定された電磁スペクトルにわたってより均一な強度プロファイルを提供するために、電磁放射ビーム(2)の複数の光源が組み合わせて使用される
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項8】
ビーム分割要素をさらに含み、データ品質を改善するために、又は、ビームプロファイル若しくはサンプル表面の画像を提供するために、結果として得られる両方のビームの強度プロファイルが検出される、
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項9】
空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの前記補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使
用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる、
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項10】
前記空間的に変化する補償子が、拡大光学系、空間的に変化する補償子特性の変化、及び/又は収束若しくは拡大照明を介して、前記検出器に異なる実効変調周波数を付与する

請求項9に記載のエリプソメータ。
【請求項11】
前記偏光状態分析器及び偏光状態発生器の実効空間変調周波数が、1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比で前記検出器(8)上に結像される請求項10に
記載のエリプソメータ。
【請求項12】
前記サンプルの表面への前記電磁放射ビームの入射角が調整可能である
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項13】
電磁放射ビーム源(2)が、モノクロメータ、光ファイバ、又はピンホールからの出力であり、その結果、ビームが好ましいスペクトル特性又は空間特性を有する、
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項14】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される電磁放射ビームがサンプル表面に垂直な、又は実質的に垂直な軌跡に沿ってサンプル表面に接近しない、
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項15】
以下からなる群から少なくとも1つの選択により特徴づけられる、
請求項1に記載のエリプソメータ:
光源が1つ以上のレーザを含まない、及び、
光源とサンプルとの間にスリット及びくさび形補償要素の直列の組み合わせがない。
【請求項16】
a)電磁放射ビーム源(2)、
b)偏光状態発生器(4)、
c)サンプルを既知の入射角で前記ビームと相互作用させるための設備、
d)偏光状態分析器(6)、及び
e)電磁放射の多素子検出器(8)
を備え、
前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)の両方が、複数の方位角位置(13)(14)を有する少なくとも1つの液晶素子を備え、前記素子のそれぞれは、前記ビーム断面積の一部の、前記素子位置の少なくとも1つとの相互作用の仕方に依存するビーム偏光特性をもたらすように働き;
使用時に、前記電磁放射ビーム源(2)によって生成される電磁放射ビームが、前記偏光状態発生器(4)、前記サンプル(5)、及び前記偏光状態分析器(6)と相互作用させられ、それによって、前記ビームの断面にわたる空間強度分布が生じ、前記ビーム断面における対応する複数の位置が前記多素子検出器(8)によって実質的に同時に検出され;
前記サンプル(5)の特性を特徴付けるために、使用時に、前記空間強度分布は、偏光状態発生器(4)及び偏光状態分析器(6)の特性を使用して分析される
エリプソメータ。
【請求項17】
a)ビームを捕捉するための設備、
b)偏光状態分析器(4)、
c)波長分離素子(7)、及び
d)電磁放射の多素子検出器(8)
を備えるスペクトルポラリメータであって、
前記偏光状態分析器(6)は、少なくとも1つの以下の空間的に変化する補償子(10)を備え、
偏光状態発生器(4)及び/又は前記偏光状態分析器(6)がさらに、測定波長のオーダーで構成されていない液晶移相素子(13)(14)であって、少なくとも2つの互いに対して回転する、独立した光学軸であるが同じ移相を示す複数のゾーンを有する空間的なアレイを備える移相素子である空間的に変化する補償子(10)を含み、
当該スペクトルポラリメータは、使用時に、強度が、前記検出器(8)の対応する複数の素子によって、その分布の複数の位置で検出され、及び、ある範囲の波長に対するビームの偏光状態を決定するために分析される
スペクトルポラリメータ。
【請求項18】
a)
a´)電磁放射ビーム源(2)、
b´)偏光状態発生器(4)、
c´)平行化された又は収束化された電磁放射ビーム(3)を既知の入射角でサンプル(5)と相互作用させるための設備、
d´)偏光状態分析器(6)、及び
e´)電磁放射の多素子検出器(8)
を備え、
使用時に、電磁放射ビーム(3)が前記電磁放射ビーム源(2)によって生成され、前記偏光状態発生器(4)、前記サンプル(5)、前記偏光状態分析器(6)、及び前記多素子検出器(8)と相互作用させられ;
前記偏光状態発生器(4)及び/又は前記偏光状態分析器(6)がさらに、測定波長のオーダーで構成されていない液晶移相素子(13)(14)であって、少なくとも2つの互いに対して回転する、独立した光学軸であるが同じ移相を示す複数のゾーンを有する空間的なアレイを備える移相素子である以下の空間的に変化する補償子(10)を含み、
前記空間的に変化する補償子(10)は、空間的に分離された複数の偏光状態を付与して、前記ビームの断面にわたる強度分布を生じさせ、前記偏光状態分析器(6)と相互作用した後、前記検出器(8)内の対応する複数の空間的に分布した要素によって対応する複数の位置で検出され、サンプル特性を決定するために分析される
エリプソメータを提供し;
b)前記電磁放射ビーム源(2)に、前記偏光状態発生器(4)と相互作用させ、電磁放射の平行化された又は平行化されていないビーム(3)を既知の入射角でサンプルと相互作用させるための設備を介してアクセスされるサンプル(5)と相互作用させ、前記偏光状態分析器(6)と相互作用させ、及び、前記電磁放射を多素子検出器(8)に入射させるように向けられた電磁放射ビーム(3)を供給させ;
c)それに入力される電磁放射に応答して前記検出器(8)によって提供されるデータにアクセスし;
d)前記データを分析して前記サンプル(5)を特徴付ける;
サンプルを特徴づける方法。
【請求項19】
a)
a´)ビームを捕捉するための設備、
b´)偏光状態分析器(4)、
c´)波長分離素子(7)、及び
d´)電磁放射の多素子検出器(8)
を備えるスペクトルポラリメータであって、
使用時に、電磁放射の前記ビームが当該スペクトルポラリメータに入り、前記偏光状態分析器(6)、波長分離素子、及び、前記多素子検出器(8)と相互作用するようにし、
前記偏光状態分析器(6)は、測定波長のオーダーで構成されていない液晶移相素子のアレイである空間的に変化する補償子(10)を含み、
偏光状態分析器(6)との相互作用によって前記ビームの断面にわたって強度の空間分布をもたらす複数の偏光状態を与えるように機能し、
当該スペクトルポラリメータは、使用時に、強度が、前記検出器(8)の対応する複数の素子によって、強度の分布が複数の位置で検出され、ある範囲の波長に対するビームの偏光状態を決定するために分析される
スペクトルポラリメータを提供するステップと、
b)電磁放射ビームにアクセスするステップと、
c)それに入力される電磁放射のビームに応答して前記検出器(8)によって提供されるデータにアクセスし、
d)前記データを分析して前記ビーム(5)を特徴付ける
波長の範囲の電磁放射ビームの偏光状態を決定する方法。
【請求項20】
前記エリプソメータは前記空間的に変化する補償子(10)上の特定の点と前記検出器(8)上の特定の点との間の対応に関する解像度を改善するために、前記空間的に変化する補償子(10)と前記多素子検出器(8)との間に存在する少なくとも1つの撮像素子をさらに備える
請求項1に記載のエリプソメータ。
【請求項21】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される前記ビーム源は複数の波長を含み、前記検出器(8)は二次元であり、前記エリプソメータは前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに含み、使用時に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果を決定することができるようになっていて、少なくとも1つの追加の集束光学系が、前記波長分離素子(7)によって引き起こされるスペクトル変動を前記検出器(8)の1つの次元上に分解し、前記少なくとも1つの集束光学系は検光子(11)と前記多素子検出器(8)の間に存在する
請求項1又は20に記載のエリプソメータ。
【請求項22】
3)より広い又はより好ましいスペクトルを提供するために、複数の電磁放射線ビーム源(2)を組み合わせて使用する
請求項1、20及び21のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項23】
前記エリプソメータはビーム分割要素をさらに含み、データ品質を改善するために、又は、ビームプロファイル若しくはサンプル表面の画像を提供するために、結果として得られる両方のビームの強度プロファイルが検出される
請求項1、20~22のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項24】
前記エリプソメータは、空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、前記2つの補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる
請求項1、20~23のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項25】
前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)のそれぞれが、複数の位置(22)(13)を有する少なくとも1つの素子、又は、少なくとも1つの位置(16)をそれぞれ有する複数の素子、又は、それらの組み合わせを備え、
前記偏光状態発生器(4)が備える素子及び前記偏光状態分析器(6)が備える素子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合
わされる
請求項1、20~24のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項26】
前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)のそれぞれが、複数の位置(13)(14)を有する少なくとも1つの素子、又は、少なくとも1つの位置(16)をそれぞれ有する複数の素子、又は、それらの組み合わせを備え、
前記偏光状態発生器(4)が備える素子及び前記偏光状態分析器(6)が備える素子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合
わされ、
前記偏光状態分析器及び偏光状態発生器の実効空間変調周波数が、1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比である
請求項1、20~25のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項27】
電磁放射ビーム源(2)が、モノクロメータ、光ファイバ、又はピンホールからの出力であり、その結果、ビームが好ましいスペクトル特性又は空間特性を有する
請求項1、20~26のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項28】
空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの前記補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使
用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる
請求項1、20~27のいずれか一項に記載のエリプソメータ。
【請求項29】
前記空間的に変化する補償子が、拡大光学系、空間的に変化する補償子特性の変化、及び/又は収束若しくは拡大照明を介して、前記検出器に異なる実効変調周波数を付与する
請求項28に記載のエリプソメータ。
【請求項30】
前記偏光状態分析器及び偏光状態発生器の実効空間変調周波数が、1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比で前記検出器(8)上に結像される
請求項29に記載のエリプソメータ。
【請求項31】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される前記ビーム源は複数の波長を含み、前記検出器(8)は二次元であり、前記エリプソメータは前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに含み、使用時に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果を決定することができるようになっている
請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される前記ビーム源は複数の波長を含み、前記検出器(8)は二次元であり、前記エリプソメータは前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに含み、使用時に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果を決定することができるようになっており、少なくとも1つの波長分離素子(7)は、以下からなる群から選択される
請求項18及び31のいずれか一項に記載の方法:
平面又は湾曲した回折格子;
分散プリズム、及び、
その異なる位置で異なる波長を透過、遮断、又は、反射する減衰又は反射フィルタ素子。
【請求項33】
前記電磁放射ビーム源(2)が、以下からなる群から選択される
請求項18、31及び32のいずれか一項に記載の方法:
広帯域又は単色レーザー;
広帯域又は狭帯域LED;
モノクロメータ;
広帯域光源;
FTIR光源;
グローバー光源;
白熱光源;及び
アークランプ。
【請求項34】
前記サンプルの表面への前記電磁放射ビームの入射角が調整可能である
請求項18、31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される電磁放射ビームがサンプル表面に垂直な、又は実質的に垂直な軌跡に沿ってサンプル表面に接近しない
請求項18、31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記エリプソメータが、以下からなる群から少なくとも1つの選択により特徴づけられる
請求項18、31~35のいずれか一項に記載の方法:
光源が1つ以上のレーザを含まない、及び、
光源とサンプルとの間にスリット及びくさび形補償要素の直列の組み合わせがない。
【請求項37】
前記エリプソメータは前記空間的に変化する補償子(10)上の特定の点と前記検出器(8)上の特定の点との間の対応に関する解像度を改善するために、前記空間的に変化する補償子(10)と前記多素子検出器(8)との間に存在する少なくとも1つの撮像素子をさらに備える
請求項18に記載の方法。
【請求項38】
2)前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される前記ビーム源は複数の波長を含み、前記検出器(8)は二次元であり、前記エリプソメータは前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに含み、使用時に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果を決定することができるようになっていて、少なくとも1つの追加の集束光学系が、前記波長分離素子(7)によって引き起こされるスペクトル変動を前記検出器(8)の1つの次元上に分解し、前記少なくとも1つの集束光学系は検光子(11)と前記多素子検出器(8)の間に存在する
請求項18及び37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
より広い又はより好ましいスペクトルを提供するために、複数の電磁放射線ビーム源(2)を組み合わせて使用する
請求項18、37及び38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記エリプソメータはビーム分割要素をさらに含み、データ品質を改善するために、又は、ビームプロファイル若しくはサンプル表面の画像を提供するために、結果として得られる両方のビームの強度プロファイルが検出される
請求項18、37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記エリプソメータは、空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの前記補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる
請求項18、37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)のそれぞれが、複数の位置(22)(13)を有する少なくとも1つの素子、又は、少なくとも1つの位置(16)をそれぞれ有する複数の素子、又は、それらの組み合わせを備え、
前記偏光状態発生器(4)が備える素子及び前記偏光状態分析器(6)が備える素子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合
わされる
請求項18、37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)のそれぞれが、複数の位置(13)(14)を有する少なくとも1つの素子、又は、少なくとも1つの位置(16)をそれぞれ有する複数の素子、又は、それらの組み合わせを備え、
前記偏光状態発生器(4)が備える素子及び前記偏光状態分析器(6)が備える素子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使用して、既知の関係で光学的に重ね合
わされ、
前記偏光状態分析器及び偏光状態発生器の実効空間変調周波数が、1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比である
請求項18、37~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
電磁放射ビーム源(2)が、モノクロメータ、光ファイバ、又はピンホールからの出力であり、その結果、ビームが好ましいスペクトル特性又は空間特性を有する
請求項18、37~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの前記補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使
用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる
請求項18、37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記空間的に変化する補償子が、拡大光学系、空間的に変化する補償子特性の変化、及び/又は収束若しくは拡大照明を介して、前記検出器に異なる実効変調周波数を付与する
請求項45に記載の方法。
【請求項47】
11)前記選択10)において、前記偏光状態分析器及び偏光状態発生器の実効空間変調周波数が、1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比で前記検出器(8)上に結像される
請求項46に記載の方法。
【請求項48】
a)電磁放射ビーム源(2)、
b)偏光状態発生器(4)、
c)平行化された又は平行化されていない電磁放射ビーム(3)を既知の入射角でサンプル(5)と相互作用させるための設備、
d)偏光状態分析器(6)、及び
e)電磁放射の多素子検出器(8)
を備え、
使用時に、電磁放射ビーム(3)が前記電磁放射ビーム源(2)によって生成され、前記偏光状態発生器(4)、前記サンプル(5)、前記偏光状態分析器(6)、及び前記多素子検出器(8)と相互作用させられ、
前記偏光状態発生器(4)及び/又は前記偏光状態分析器(6)がさらに、測定波長のオーダーで構成されていない液晶移相素子(13)(14)であって、少なくとも2つの互いに対して回転する、独立した光学軸であるが同じ移相を示す複数のゾーンを有する空間的なアレイを備える移相素子である空間的に変化する補償子(10)を含み、
前記少なくとも1つの空間的に変化する補償子(10)は、空間的に分離された複数の偏光状態を付与して、前記ビームの断面にわたる強度分布を生じさせ、前記偏光状態分析器(6)と相互作用した後、前記検出器(8)内の対応する複数の空間的に分布した要素によって対応する複数の位置で検出され、
サンプル特性を決定するために分析され、
空間的に変化する補償子(10)が前記偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの前記補償子の空間変調が、結像光学系及び/又は低発散照明を使
用して、既知の関係で光学的に重ね合わされる、
エリプソメータ。
【請求項49】
前記空間的に変化する補償子が、拡大光学系、空間的に変化する補償子特性の変化、及び/又は収束若しくは拡大照明を介して、前記検出器に異なる実効変調周波数を付与する
請求項48に記載のエリプソメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルの光学特性及び物理的パラメータを測定するためのエリプソメータ
等のシステムに関する。より詳細には、本発明は、測定ビームの偏光状態を空間的に変化
させることによってサンプルを特徴付ける分光エリプソメータに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な偏光解析法(エリプソメトリ:ellipsometry)では、電磁放射ビ
ームの偏光状態が時間の関数として少なくとも1つの偏光状態パラメータを変化させるこ
とによって変調及び/又は解析される。回転光学エリプソメータは、素子を回転させるこ
とによって、少なくとも1つの光学素子の方位角位置を線形に変化させる。各回転素子は
、光学系の回転率に関連する周波数で信号強度に時間変調を誘起する。初期の開発では、
サンプルによって引き起こされる相変化(Δ)の符号を測定することができない、回転す
る検光子又は偏光子を使用した。その後の改良では、このパラメータに対する感度を与え
るために、回転補償子を利用した。別のタイプのエリプソメータは、光弾性結晶に応力を
誘起する圧電トランスデューサに電圧を付与することによって、典型的には正弦波状に、
時間の関数として光学系の遅延(retardance)を変化させる、光弾性変調器を
使用する。この応力は結晶内で変化する複屈折をもたらし、測定ビームにおける遅延(移
相)をもたらす。上記のタイプのエリプソメータの各々において、信号強度における時間
的変調を分析して、サンプルの光学的特性を決定する。
【0003】
一般に、回転補償子や光弾性変調器などの素子にはいくつかの欠点がある。偏光変調は
時間の関数であるため、ビームの偏光状態を完全に記述するために複数の測定フレームを
捕捉しなければならない。このため、時間変調エリプソメータの測定速度は、原理的にそ
のハードウェアによって制限される。コーティングプロセスにおけるように、サンプルを
動かすか、又は急速に変化させるためには、静止光学系を用いて測定を完了することが有
利である。また、静止素子エリプソメータは時間変調システムよりも、潜在的に、より安
定で、単純で、コンパクトであり得る。
【0004】
従来技術のエリプソメータの限界を克服するために、検出されたビームの時間的変調の
使用を排除するシステムのための幾つかの設計が提案されている。チャネル化エリプソメ
ータ及び偏光計(ポラリメータ)は、ビームの偏光状態に関する情報を、スペクトル情報
又は空間情報に利用される検出器の同じ次元上に符号化する。スペクトルチャネル化エリ
プソメトリでは、これは多次リターダ(移相子)を用いて達成される。リターダは強い波
長依存性の偏光効果を有し、それによって、スペクトル強度プロファイル内により高い周
波数で強い変調パターンを生成する。同様に、空間チャネル化されたシステムは、くさび
形(wedged)リターダのような空間的に変化する光学系をイメージングすることに
よって、イメージ平面の一方又は両方の次元に沿って強度を変調する。このアプローチを
利用するシステムは、Okaらの特許文献1に記載されているように、ビームのスペクト
ル、偏光、及び空間成分についての多くの情報を同時に捕捉する可能性を有する。チャネ
ル化されたシステムの主な欠点は、各変数に関連する情報を分離しなければならないこと
である。多くの従来技術では、これは得られた強度情報をフーリエ変換して、変調の個々
の原因の特徴的な周波数を取り出すことによって達成される。この技術のいくつかの欠点
には、より複雑な信号処理、ノイズの増加、分解能の低下などが含まれる。
【0005】
スナップショットエリプソメータ及びポラリメータはチャネル化されたシステムの欠点
なしに、静止光学系の利点を提供することができる。スナップショットシステムでは、空
間的に変化する光学素子を多素子検出器の専用次元上に結像させることによって、信号の
空間変調が誘起される。二次元検出器が使用される場合、他の次元は、サンプル又はビー
ムのスペクトル特性、角度特性、又は空間特性に関連する情報を捕捉するために使用され
得る。スナップショット分光エリプソメトリの場合、付加的な要素は電磁放射を直交する
検出器の次元に沿ってスペクトル的に分離し、検出器の単一フレーム捕捉におけるビーム
の偏光状態及びスペクトルプロファイルの完全な特性化を可能にする。スペクトル分離と
偏光変調方向は独立であるため、信号処理は簡単であり、伝統的な偏光解析技術に類似し
ている。
【0006】
ミューラー(Mueller)-ストークス(Stokes)計算は、エリプソメータ
の光学列内の各要素によって生じる偏光の変化を表現するのに用いられる。電磁放射の偏
光状態はストークス・ベクトルによって表され、各要素は光学系の偏光効果を記述するミ
ューラー行列によって記述される。
【0007】
いくつかの一般的な偏光素子に対するミューラー-ストークス記述は、以下のように与
えられる。
【0008】
非偏光の光は、強度Iによって特徴付けられ、以下のストークス・ベクトルによって記
述される:
【0009】
【数1】
【0010】
以下の行列は、偏光ビームを表すストークス・ベクトルを検出器上の強度のスカラー表
現に変換する。
【0011】
【数2】
【0012】
偏光子(polarizer)は、前記軸に沿って配向された偏光を有する電磁放射の
みを透過する特性通過軸を有する要素である。
【0013】
【数3】
【0014】
検光子(analyzer)は、エリプソメトリシステムにおいてサンプルの後に存在
する偏光子である。検光子を記述するミューラー行列は、偏光子のものと同一である。
【0015】
【数4】
【0016】
補償子(compensator)は、その直交成分に対して横方向電磁波の1つの成
分を遅らせることによって作用する。この効果は、リターダンス(d)が複屈折結晶の異
常屈折率及び通常屈折率(n、n)と、波長(λ)の電磁放射が伝播する材料の厚さ
(T)との関数であるとき、以下の式によって説明される。
【0017】
【数5】
【0018】
一般的な補償子を記述するミューラー行列は以下のようになる:
【0019】
【数6】
【0020】
偏光子又は補償子のような、特徴的な偏光軸を有する任意の要素に対して、回転行列は
、入射平面に関する要素の方位角位置(θ)を記述するために用いられる。
【0021】
【数7】
【0022】
サンプルの最も一般的な数学的記述は、サンプルによって引き起こされるビームの偏光
状態の任意の変化を完全に記述することができる、16個の要素からなるミューラー行列
である。
【0023】
【数8】
【0024】
従来のエリプソメトリでは、サンプルによって引き起こされる偏光変化が2つのパラメ
ータψ及びΔによって記述されたが、この表記法は部分偏光ビーム又は偏光解消サンプル
を記述するには不十分である。
【0025】
【数9】
【0026】
等方性サンプル及び部分偏光ビームを完全に記述するために、代替の表記法を使用する
ことができる。等方性量は、以下の方法で関連付けられ、示されるように前の行列に代入
することができる:
【0027】
【数10】
【0028】
【数11】
【0029】
N、C、及びSの表記は、偏光解消に対する単純な関係を提供するので有利である。偏
光解消は、完全偏光電磁放射の部分偏光電磁放射への変換として定義され、等方性サンプ
ルについて以下のように表すことができる:
【0030】
【数12】
【0031】
偏光解消は表面電磁放射散乱、サンプル不均一性、分光器帯域幅分解能、非平行入力ビ
ームからの角度広がり、及び基板の裏面から反射する電磁放射のインコヒーレント加算を
含む、様々な要因によって引き起こされ得る。偏光解消測定は、サンプル又はシステムに
おける非理想性を同定するのに役立つ。
【0032】
従来技術のスナップショットエリプソメータで使用される最も一般的な素子の1つは、
ある複屈折結晶のくさびである。補償子のリターダンスはその厚さに比例するため、空間
的に厚さが変化する複屈折光学系は、異なる位置で異なる値のリターダンスを有する。測
定ビームの異なる部分が光学系の異なる部分と相互作用するため、測定ビームの偏光状態
は空間的に変調される。
【0033】
このような光学系の最も簡単な例は、複屈折結晶で作られた線形くさびである。このよ
うなくさびの厚さTは変動方向に沿った空間位置xの関数として記述することができ、こ
こで、変化率はくさびの傾きwによって定義される。
【0034】
【数13】
【0035】
くさびの厚さを一般的なリターダンス方程式に代入すると、くさびを横切るリターダン
スは空間位置の関数として記述できる。
【0036】
【数14】
【0037】
新しい項Dは、リターダンス変化率を表すように定義される。
【0038】
【数15】
【0039】
くさび形の複屈折結晶のミューラー行列記述は、標準的な補償子のものと同様であり、
空間リターダンスがd(x)によって定義される。
【0040】
【数16】
【0041】
複屈折及び可変厚さを有する任意の光学系はその上に入射するビームの偏光状態を空間
的に変調し、「くさび(wedge)」の用語は、ここではそのような厚さ変動を有する
任意の光学系を説明するために使用され、上記の例のように厚さが線形又は連続的に変化
することを特に定義しない。離散的な階段状の厚さプロファイルを示す光学系、又は非線
形に変化する光学系は、当業者によって容易に置き換えることができる。
【0042】
上述したような線形くさびリターダの一般的な変形例は、バビネ(Babinet)補
償子である。バビネ補償子は一軸異方性材料の2つの等くさび形結晶の集合である。くさ
びは図3(B)に例示されているように、2つのくさび面が接触しているか、又はそれら
の間に小さなギャップを有するように配向され、互いに平行で入射ビームに対して垂直で
ある。2つのくさびの光学軸は互いに、及び、ビームに直交する。
【0043】
バビネ補償子を記述するミューラー行列は、W、Wの光学軸を持つ二成分くさびの
行列乗算によって定義できる:
【0044】
【数17】
【0045】
2つのくさびの勾配は等しく、反対を向いているので、リターダンス率は、第1のくさ
びについてはBとして定義され、第2のくさびについては-Bとして定義される。
【0046】
【数18】
【0047】
この行列は、構成するくさびよりも2倍のリターダンス変化率を有する単一のくさびの
行列と明らかに同等である。従って、バビネ補償子が異なる傾斜を有する単一くさびと同
じ偏光変調を生成することを認識すれば、ビーム内の偏光状態の空間変調を生成するため
に複屈折くさびをくさびの組み合わせで置き換えることができることは、当業者にとって
自明であろう。バビネ補償子の利点は光学系の中心付近のリターダンスが0次であり、ビ
ームがそれを透過するときに、偏光及び分離を受けにくいことである。したがって、「く
さび」という用語は、1つの方位角に沿ったビームに対する空間的に変化するリターダン
スに影響を及ぼすために使用される、個々のくさびと、バビネ補償子などのくさび又は光
学系の組合せとの両方を指すものとさらに理解される。
【0048】
Fluckigerらによる特許文献2は、ビームに空間的に変化するリターダンスを
与えるために単一のくさびを使用するエリプソメータを記載している。Fluckige
rによって記載されたエリプソメータシステムはその実施において新規であったが、等方
性サンプルを記載する全てのサンプルパラメータを検出することができず、異方性サンプ
ルの測定において厳しく制限されていた。Fluckigerは上記の理由から、バビネ
補償子を単一のくさびよりも優先するように指定した。
【0049】
上記で定義された行列を使用すると、単一くさびシステムの空間的に変化する信号強度
は、以下の行列乗算によって表すことができる:
【0050】
【数19】
【0051】
偏光子と検光子は、測定ごとにくさびの非固有偏光状態に配置する必要がある。等方性
のサンプルを仮定し、偏光子と検光子の方位角を45°に設定すると、ビーム強度の空間変
動は次のように表すことができる:
【0052】
【数20】
【0053】
検出器上の変動軸に沿った信号のフーリエ変換は、式を異なる空間周波数で生じる成分
に分解する。
【0054】
【数21】
【0055】
フーリエ係数の実部(α)及び虚部(β)は、補償子の空間変動に関連する特定の周波
数kにおいて非ゼロである。理論強度式のフーリエ変換は、単一高調波周波数(k=2D
)とDC(k=0)項を同定する。理論的フーリエ係数は、以下のようにサンプルパラメ
ータに関連している:
【0056】
【数22】
【0057】
フーリエ係数の理論式を用いてサンプルパラメータを解くと、単一くさびを用いたスナ
ップショットエリプソメータはサンプルの以下のミュラー行列記述に示されるように、任
意の単一測定において2つのサンプルパラメータのみを測定することができることは明ら
かである(Xは、パラメータに対する非感受性を示す)。
【0058】
【数23】
【0059】
したがって、単一のくさびシステムは、同時に測定することができるのが3つのサンプ
ルパラメータのうちの2つのみであるので、等方性サンプルを完全に特徴付けることがで
きない。配置されたように、プサイ(ψ)が45°近傍のサンプルを測定する場合、測定
データの系統誤差と雑音が増幅される。単一のくさびシステムに対して、偏光光学系の全
ての配置は、特定のサンプルタイプに対してψ(Psi)及びΔ(Delta)における
増幅された誤差をもたらす。
【0060】
既に述べたOkaらの米国特許(特許文献1)、及び、Fluckigerらの米国特
許(特許文献2)に加えて、それらが開示されており、追加の特許が同定されている。便
宜上、全ての公知の先行技術特許を提示し、直接簡単に説明する。
【0061】
Fluckigerらによる特許文献2は、ビームに空間的に変化するリターダンスを
与えるために単一のくさびを使用するエリプソメータを記載している。Fluckige
rによって記載されたエリプソメータシステムはその実施において新規であったが、等方
性サンプルを記載する全てのサンプルパラメータを検出することができず、異方性サンプ
ルの測定において厳しく制限されていた。Fluckigerは、単一くさびよりも好ま
しいバビネ補償子を指定した。
【0062】
偏光解析(ポラリメトリ)の関連分野におけるいくつかの発明は、エリプソメトリにお
いて直面する同じ課題を解決することを追求してきた。ポラリメータは、電磁放射ビーム
の偏光状態、及び、時にはスペクトル特性を測定するために使用される機器である。同様
に、エリプソメトリでは、サンプルと相互作用する前後のビームの状態を知ることにより
、サンプルの光学特性及び物理構造を決定することができる。サンプルに関するより多く
の情報を決定するために、サンプルと相互作用した後に電磁放射ビームの偏光状態を完全
に特徴付けることができることが有利である。しかしながら、ポラリメータは、電磁放射
源、偏光状態発生器、又は測定された偏光情報からサンプルパラメータを直接抽出する能
力を有していないという点で、エリプソメータではない。ポラリメータは伝統的に、時間
的に変化する要素を使用してビームを分析するが、最近の発明者の幾つかは静止要素を有
するポラリメータを作成することを求めてきた。
【0063】
Thomaらによる特許文献3はFluckigerによって彼のエリプソメータで使
用されたものと同一であるが、分光法で測定する能力がない単一くさびポラリメータを特
許している。彼はまた、ビームの偏光状態に関するより多くの情報を決定するために、異
なる傾斜方向を有する2つのくさびを使用することを主張する。くさびを異なる方向に向
けることにより、可変リターダンスが2つの軸に独立して適用され、単純化されたデータ
解析を可能にするが、解析のために検出器上の2つの次元を必要とする。
【0064】
Okaらによる特許文献1はThomaによって記載された進歩したイメージングバー
ジョンを特許しており、2つのくさびは検出器の異なる軸上に各リターダンス変調を分離
するために、異なる傾斜方向で同様に配向される。リターダンス変動率は変調の多くの次
数が捕捉され、及び、データはビームの両方の次元にわたる多くの点で独立に決定され得
るのに十分に高い。
【0065】
Sparksらによる特許文献4はまた、Fluckigerによって記載されたポラ
リメータを、入口スリットを有するポイント・アンド・シュート分光ポラリメータの形態
で特許する。この特許はまた、「第2の光学系のリターダンスの勾配が第1の光学系とは
異なる角度及び強度である」という要件を用いて、測定ビームを完全に特徴付けるために
2つのくさびのセットを使用する可能性を記載している。特許請求の範囲は第2のくさび
が「前記第1の複屈折くさびに平行又は逆平行のいずれかであり、前記第1のくさびの複
屈折の2倍を有する」こと、すなわち勾配の強度の差がくさびの異なる複屈折によるもの
であることを明らかにしている。前述のように、Sparksのシステムは、くさび対の
すぐ隣に入射スリットを必要とする分光ポラリメータである。
【0066】
Ansleyらによる特許文献5は、3つの偏光フィルタを重ねた検出器上に集束され
る入力スリットを有するポラリメータを記載している。初期の偏光フィルタと同様に、偏
光フィルタのみを使用することは、装置が円偏光に対して回転方向を特徴付けることがで
きないことを意味する。
【0067】
Abrahamらによる特許文献6は、使用される電磁放射の波長よりも小さい間隔を
有する堆積誘電体グリッド構造からなる特定のタイプの空間的に変化するリターダアレイ
を利用するポラリメータを特許している。この光学系は、材料の複屈折によるものではな
く、素子のグリッド構造とビームの相互作用によりリターダンスを発生させる。この変調
は、ビームの偏光状態を決定するためにポラリメータで使用される。Abrahamはま
た、彼のポラリメータの2つの特定の用途を記載している。第一に、反射型電磁放射顕微
鏡で撮像エリプソメータを形成する用途である。この用途では、光学系及び偏光フィルム
が検出器上に重ね合わされる。第二に、レーザー光源を備えたより伝統的なエリプソメー
ターである。
【0068】
Alonsoらによる特許文献7は、サンプルの垂直上方に配置された光源から調査さ
れるサンプル上に集束ビームを提供する集束ビーム散乱装置を記載している。このシステ
ムは調査されたサンプルの前に、ビームスプリッタ及び集束レンズを備え、集束ビームが
空間的に変化する偏光状態を呈するが、このように空間的に変化する偏光状態を付与する
要素が検出器側に存在しない。ビームはサンプルに垂直な軌跡で入射し、入射ビーム経路
に沿って反射して戻る。
【0069】
Leeによる特許文献8は、Fluckiger及びAbrahamによって記載され
たエリプソメータへの進歩を記載している。すなわち、Leeは、偏光ビームスプリッタ
と凹面鏡を備えた再帰反射経路設計を使用して、ユニットをよりコンパクトにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】米国特許第7,336,360号明細書
【特許文献2】米国特許第6,052,188号明細書
【特許文献3】米国特許第6,850,326号明細書
【特許文献4】米国特許第9,097,585号明細書
【特許文献5】米国特許第7,038,776号明細書
【特許文献6】米国特許第6,275,291号明細書
【特許文献7】米国特許第9,793,178号明細書
【特許文献8】米国特許第7,489,399号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0071】
公知の従来技術を考慮しても、エリプソメトリ及び偏光測定(ポラリメトリ)の分野に
おける進歩が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0072】
本発明は部分的に、
a)電磁放射ビーム源(2)、
b)偏光状態発生器(4)、
c)平行化された又は平行化されていない電磁放射ビーム(3)を既知の入射角でサン
プル(5)と相互作用させるための設備、
d)偏光状態分析器(6)、及び
e)電磁放射の多素子検出器(8)
を含むエリプソメータである。
【0073】
使用時には、電磁放射ビーム(3)が前記電磁放射ビーム源(2)によって生成され、
前記偏光状態発生器(4)、サンプル(5)、前記偏光状態分析器(6)、及び前記多素
子検出器(8)と相互作用させられる。前記偏光状態発生器(4)及び/又は前記偏光状
態分析器(6)はさらに、以下の空間的に変化する補償子(10)のうちの少なくとも1
つを含む:
互いに斜めの結晶軸及び空間的な厚さの変化を有する2つ以上の複屈折光学系(16
)の組合せ、及び
測定された波長のオーダーで構造化されていないリターディング素子(14)のアレ
イ(13)。
【0074】
前記空間的に変化する補償子(10)は複数の空間的に分離された偏光状態を付与する
ように機能し、その結果、前記ビームの断面積にわたる強度の空間分布は、偏光状態分析
器(6)と相互作用した後、対応する複数の位置において、前記検出器(8)内の対応す
る複数の空間的に分布した要素によって検出され、これを分析して、サンプル特性を決定
することができる。
【0075】
前記エリプソメータは前記空間的に変化する補償子(10)上の特定の点と前記検出器
(8)上の特定の点との間の対応に関する解像度を改善するために、前記空間的に変化す
る補償子(10)と前記多素子検出器(8)との間に存在する少なくとも1つの撮像素子
をさらに備えることができる。
【0076】
前記エリプソメータは前記電磁放射ビーム源(2)によって提供されるビームが複数の
波長を含むようにすることができ、前記検出器(8)が二次元であり、前記エリプソメー
タが前記検出器(8)の前に少なくとも1つの波長分離素子(7)をさらに備え、使用時
に、調査されるサンプルの各位置における複数の波長についてサンプルの偏光効果を決定
することができる。少なくとも1つの波長分離素子(7)は、以下からなる群から選択す
ることができる:
平面又は湾曲した回折格子;
分散プリズム;及び
その異なる位置で異なる波長を透過、遮断、又は反射する減衰又は反射フィルタ要素
【0077】
さらに、前記エリプソメータは、少なくとも1つの追加の結像光学系(12)が前記波
長分離素子(7)によって引き起こされるスペクトル変動を検出器(8)の1つの次元上
に分解するようにすることができる。
【0078】
前記エリプソメータは、前記電磁放射ビーム源(2)が以下からなる群から選択される
ようにすることができる:
広帯域又は単色レーザー;
広帯域又は狭帯域LED;
モノクロメータ;
ブロードバンド・ソース;
FTIR源;
グローバー源;
白熱光源;及び
アークランプ。
【0079】
前記エリプソメータは、電磁放射ビームの複数の光源(2)を組み合わせて使用して、
より広い又はより好ましいスペクトルを提供することができる。
【0080】
前記エリプソメータはさらに、ビーム分割素子を含むことができ、データ品質を向上さ
せるため、又はビームプロファイル若しくはサンプル表面の画像を提供するために、得ら
れる両方のビームの強度プロファイルが検出される。
【0081】
前記エリプソメータは空間的に変化する補償子(10)が偏光状態発生器(4)及び偏
光状態分析器(6)の両方に存在し、2つの素子の空間変調が、結像光学系及び/又は低
発散照明を使用して既知の関係で光学的に重ね合わされるようにすることができる。
【0082】
前記エリプソメータは、空間的に変化する補償子(10)が拡大光学系、空間的に変化
する補償子特性の変化、及び/又は収束若しくは拡大照明を介して、検出器に異なる実効
変調周波数を与えるようにすることができる。
【0083】
前記エリプソメータは、偏光状態発生器(4)及び偏光状態分析器(6)の有効空間変
調周波数が1:3、3:1、1:5、5:1、3:5、又は5:3の比であるようにする
ことができる。
【0084】
前記エリプソメータは、前記サンプル(5)の表面への前記電磁放射ビームの入射角が
、サンプルに対してエリプソメータの光学系の一部又は全部を移動させる機構を介して調
整可能であるようにすることができる。
【0085】
前記エリプソメータは、電磁放射ビーム源(2)がモノクロメータ、光ファイバ、又は
ピンホールからの出力であり、ビームが好ましいスペクトル特性又は空間特性を有するよ
うにすることができる。
【0086】
前記エリプソメータは、前記電磁放射ビーム源(2)によって提供される電磁放射ビー
ムがサンプル表面に垂直な、又はそれに実質的に垂直な軌跡に沿ってサンプル表面に接近
しないようにすることができる。
【0087】
前記エリプソメータは、以下からなる群からの少なくとも1つの選択によって特徴付け
ることができる:
光源は1つ又は複数のレーザーを備えていない、及び、
光源とサンプルとの間にスリット及びくさび形状の補償素子の直列の組み合わせは存
在しない。
【0088】
サンプルを特徴付ける方法は、以下のステップを含む:
a)上述のようなエリプソメータを提供し;
b)前記検出器(8)に入力される電磁放射のビームに応答して前記検出器(8)によっ
て提供されるデータにアクセスし、
c)前記データを分析して前記サンプル(5)を特徴付ける。
【0089】
本発明は代替的に、
a)電磁放射ビーム源(2);
b)偏光状態発生器(4);
c)サンプルを既知の入射角で前記ビームと相互作用させるための設備;
d)偏光状態分析器(6);及び
e)電磁放射の多素子検出器(8)
を含むエリプソメータとして列挙される:。
【0090】
前記エリプソメータは、前記偏光状態発生器(4)及び前記偏光状態分析器(6)の両
方が複数の位置(13)(14)を有する少なくとも1つの素子、又は各々が少なくとも
1つの位置(16)を有する複数の素子、又はそれらの組み合わせを含み、前記素子位置
の各々が前記ビーム断面の一部がその中の前記位置の少なくとも1つとどのように相互作
用するかに依存するビーム偏光特性をもたらすように働くことを特徴とする。
【0091】
使用時に、前記電磁放射ビーム源(2)によって生成された電磁放射ビームは、前記偏
光状態発生器(4)、前記サンプル(5)、及び前記偏光状態分析器(6)と相互作用さ
せられ、その結果、前記ビームの断面にわたる空間強度分布及び前記ビーム断面における
対応する複数の位置が前記多素子検出器(8)によって実質的に同時に検出される。それ
から、前記強度プロファイルは前記サンプル(5)の特性を特徴付けるために、偏光状態
発生器(4)及び偏光状態分析器(6)の特性の知識を使用して分析され得る。
【0092】
サンプルを特徴付ける方法は、以下のステップを含む:
a)上述のようなエリプソメータを提供し;
b)前記検出器(8)に入力される電磁放射のビームに応答して前記検出器(8)によっ
て提供されるデータにアクセスし、
c)前記データを分析して前記サンプル(5)を特徴付ける。
【0093】
本発明はまた、分光ポラリメータである:
a)電磁放射ビームを捕捉するための設備;
b)偏光状態分析器(4);
c)波長分離素子(7);及び
c)電磁放射の多素子検出器(8)
を備える。
【0094】
使用時には、前記捕捉された電磁放射ビームは前記分光ポラリメータに入り、前記偏光
状態分析器(6)、波長分離素子、及び前記多素子検出器(8)と相互作用させられる。
【0095】
前記偏光状態分析器(6)は、以下の空間的に変化する補償子(10)のうちの少なく
とも1つを含むことを特徴とし、
互いに斜めの結晶軸と空間的な厚さの変化を有する2つ以上の複屈折光学系の組合せ
;及び、
測定される波長のオーダーで構造化されていないリターディング素子のアレイ;
その機能は、偏光状態分析器(6)との相互作用によって前記ビームの断面にわたって強
度の空間分布をもたらす複数の偏光状態を付与することである。
【0096】
使用時には、強度が前記検出器(8)の対応する複数の素子によって、その分布内の複
数の位置で検出され、ある範囲の波長に対するビームの偏光状態を決定するために分析さ
れる。
【0097】
次いで、電磁放射のビームの偏光状態を特徴付ける方法は、
a)今述べたようなシステムを提供し;
b)前記検出器(8)によってデータが生成されるように、電磁放射のビームにアクセス
し;
c)アクセスされた電磁放射の検出器へのビーム入力に応答して前記検出器(8)によっ
て提供されるデータにアクセスし、及び
d)前記ビームを特徴付けるために前記データを分析する
ステップを含む。
【0098】
本発明は、図面と併せて、本明細書の詳細な説明を参照することによって、より良く理
解されるのであろう。
【0099】
本発明の目的は、任意の範囲の値におけるサンプルパラメータψ及びΔの完全な感度で
、単一フレームキャプチャにおいてサンプルを特徴付けることができるスナップショット
エリプソメータを提供することである。この目的を達成するために、空間的に変化する偏
光素子の新規な配置が開発された。従来技術のエリプソメータは、くさび複屈折結晶及び
バビネ補償子を使用して、測定ビームの偏光状態を空間的に変調していた。この方法はス
ナップショット測定を可能にするが、サンプルを完全に特徴付けることができない。本発
明の新規な特徴は測定ビームの偏光状態を空間的に変調するために、斜めに配向された結
晶軸を有する2つのそのようなくさびを使用することである。
【0100】
本発明の別の新規な特徴は、必要とされる空間変調を提供するために存在する複数の結
晶配向を有する液晶リターディング素子のアレイを使用することである。
【0101】
本発明の別の新規な特徴は、サンプルと相互作用する前後の両方で空間的に変化する偏
光素子と相互作用する測定ビームが、サンプルに関する追加の情報を提供することである
。サンプルの各側の可変方位リターダアレイのような、空間的に変化する偏光要素のいく
つかの組み合わせは、サンプルを特徴付ける完全なミューラー行列を測定することさえ可
能にする。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1図1(A)及び図1(B)は、それぞれ、本発明の実施形態の正面図及び上面図を示す。
図2】アレイを横切って線形に変化する補償子方位角位置を有するように設計されたリターダアレイを示す図である。各位置における進相軸方向は、副要素の面を横切る線で示されている。
図3図3(A)は単一の複屈折くさびを示す図である。進相軸は、くさびの面を横切る線で示される。図3(B)は単一のくさびと数学的に等価であるが、より低い次数のリターダンスを提供するバビネ補償子を示す。図3(C)は、二重バビネ補償子を示す。図3(D)は、互いに斜めに配向された結晶軸を有するくさび対を示す図である。図3(E)は完全なサンプル感度を提供し、低次リターダでもある新規な複合プリズムを示す。各複屈折素子の進相軸方向は、光学系の面を横切る線で示される。
図4図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、光源(2)及び検出器(8)側に空間的に変化する補償子(10)を実装するエリプソメータシステムの正面図及び側面図、ならびにサンプル(5)上のビームのサイズを減少させ、空間的に変化する補償子(10)を検出器(8)上に結像させるために使用される付加的な結像光学系(12)を示す。
図5】偏光状態発生器(4)及び偏光状態分析器(6)の両方において空間的に変化する補償子(10)を有し、且つ空間的に変化する補償子(10)の倍率及び分解能を達成するために結像光学系を必要としない単純なエリプソメータである。
図6】反射モードではなく透過モードでサンプル(5)を測定するように構成された別の実施形態である。
図7】本発明のポラリメータの正面図及び代替(展開した上面図)図である。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図面を参照すると、本発明のエリプソメータ(1)の好ましい実施形態が図1に示され
ている。好ましい実施形態は、電磁放射ビーム(3)を生成する光源(2)を含む。前記
電磁放射ビーム(3)は少なくとも単一の偏光子(9)を含む偏光状態発生器(4)と相
互作用し、サンプル(5)と相互作用する前に既知の偏光状態を作り出す。次いで、ビー
ムは一次元に沿って強度の空間分布を有するようにさせるビームは空間的に変化する補償
子(10)及び検光子(11)からなる偏光状態分析器(6)と相互作用する(注、検光
子と偏光子は同じタイプの素子であり、エリプソメータではそれぞれサンプルの光源側と
検出器側に配置されているかで区別される)。分散プリズム又は回折格子のような波長分
離素子(7)は、直交次元に沿って個々の波長を分離する役割を果たす。多素子検出器(
8)は、単一フレーム内の前記波長依存強度プロファイルの一部を捕捉する。偏光状態発
生器(4)及び偏光状態分析器(6)の偏光効果の知識は、電磁放射ビームの強度プロフ
ァイルに基づいて波長依存サンプルパラメータの計算を可能にする。ビームを操作し、必
要な次元の解像度を提供する追加の撮像光学系(12)が存在する。空間的に変化する補
償子(10)の線形変動は検出器(8)の1つの次元上に結像され、一方、波長分離素子
(7)によって引き起こされるスペクトル分離は直交する次元上に結像される。スペクト
ル分解能はビームの発散に支配され、検出器側に追加のスリットを必要としない。
【0104】
本特許は、スナップショットエリプソメータで使用するための2つのタイプの空間的に
変化する補償子(10)の適用を開示する。いずれも等方性サンプルを完全に特徴付ける
ために、ビームの偏光状態の適切な変調を提供する。前記空間的に変化する補償子(10
)は以下の通りである:
a)互いに斜めの結晶軸を有する2つ以上のくさび形複屈折光学系(16)の組み合わ
せ、及び;
b)測定ビーム内に存在する波長のオーダーで構造化されていないリターディング素子
(13)(14)のアレイ。
【0105】
図2を参照すると、マイクロリターダアレイ(13)の図が、個々の補償子要素(14
)の拡大図とともに示されている。各リターダ素子の進相軸方位角は、水平次元θ=Ca
z[x]に沿って線形に変化することが示され、一方、垂直方向の変動はない。 このパ
ターンにより、水平方向の次元に沿った単純化されたデータ抽出、及び垂直方向の次元に
おける波長分離が可能になる。
【0106】
ミューラー-ストークス形式は、開示されたリターダアレイ(13)を数学的に記述す
るために使用することができる:
【0107】
【数24】
【0108】
ミューラー-ストークス形式を用いると、エリプソメータ(1)の検出器(8)におけ
る理論的信号強度は空間位置xの関数として表すことができる。
【0109】
【数25】
【0110】
可変方位角、45°に設定された偏光子方位角、及び、0°に設定された検光子方位角
を有する1/4波長リターダアレイを仮定すると、等方性サンプルに対して、次の強度公
式が与えられる:
【0111】
【数26】
【0112】
上述のリターダアレイに対する空間的に変化する強度は、回転補償子システムの時間的
変化に類似していることは明らかである。信号のフーリエ変換は、式を異なる空間周波数
で生じる成分に分解する。
【0113】
【数27】
【0114】
フーリエ係数(α、β)は、光学系の幾何学的形状に関連する、ある周波数kにお
いてゼロではない。理論強度式のフーリエ変換により、補償子変動の空間周波数の2倍と
4倍で高調波周波数を同定した。
【0115】
2ωと4ωの高調波は、1回の測定で3つのサンプルパラメータ(N、C、及び、S)
に関する情報を提供する。変数ωは、ここではrad/sではなくrad/mmの単位を
有する。理論的フーリエ係数は、以下のようにサンプルパラメータに関連している:
【0116】
【数28】
【0117】
【数29】
【0118】
従って、フーリエ係数とサンプルパラメータの理論的関係は回転補償子装置と同じであ
る。これは、偏光子又は検光子位置が使用される一般的な場合に当てはまる。これが成り
立つための主な要件は、リターダアレイのリターダンスが全ての画素にわたって一定であ
ることである。
【0119】
図3(A)~3(F)を参照すると、空間的に変化する補償子として使用することがで
きるいくつかの複屈折くさび及び複合プリズムが示されている。要素は分解図で分離して
示されているが、理想的な性能のために互いに取り付けることができる。図3(A)は単
一の複屈折くさび(15)を示しており、これはリターダンスの空間的変動を提供する。
素子の進相軸は、光学系の面上に線として示されている。図3(B)は、バビネ補償子(
16)を示す。この補償子が直交する進相軸で示されるように取り付けられた2つの複屈
折くさびからなる。この組合せにより、低次リターダンスと低減ビーム偏移が得られる。
図3(C)は、異なる結晶方位を有する2つのバビネ補償子(16)の組み合わせを示す
。くさびの方向が揃っているため、リターダンスは垂直方向に沿ってのみ変化する。複数
の進相軸の組み合わせはサンプルについての追加情報を提供するが、4つの別個のくさび
を整列させることは実際には困難である。2つのバビネ補償子のためのくさび傾斜を同一
とし、単一の空間周波数でのデータ抽出を可能にするか、又は異ならせることができ、各
くさびの変調を別々の空間周波数で抽出することを可能にする。図3(D)は、斜め(直
交でも平行でもない)の結晶軸を有する複屈折くさび対(17)を示す。この光学系は、
完全な等方性サンプルの特性評価に必要なビーム変調を提供する。この光学系の組合せは
エリプソメトリに用いるには新規であるが、多次リターダンスを示す。図3(E)は、さ
らなる平行リターダンスプレート(18)がくさび対(17)の各側面に取り付けられて
いる、前述の光学系への新規な進歩を示す図である。プレートリターダの各々はくさびの
1つに直交する光軸及び類似のリターダンスを有するため、各くさびプレート対に対する
有効リターダンスは低次である。加えて、1つのくさび対のみの使用は、ビーム偏差を減
少させ、位置合わせを単純化する結果となる。必要な変調を生成し、説明したものと実際
に同じ目的を果たす多くの複合くさびを概念化することができる。1次元に沿って斜めの
進相軸と厚さの変動を有する少なくとも2つの複屈折結晶を使用することは、完全なサン
プル特性化を可能にする新規な態様である。
【0120】
図3(C)、(D)及び(E)に記載されている光学系の場合、各くさび(W、W
)の結晶軸配向を有する、エリプソメータ(1)の理論信号強度は、以下の行列乗算によ
って表すことができる:
【0121】
【数30】
【0122】
偏光子と検光子は、各測定に対してくさびの固有偏光状態に向いていない。等方性サン
プル、45°の偏光子方位角、第1のくさびについては0°の進相軸、第2のくさびにつ
いては90°の進相軸、0°の検光子方位角、及び両方のくさびについて等しい大きさで
、逆のリターダンス変動率を仮定すると、理論的信号強度は以下の形式をとる。
【0123】
【数31】
【0124】
信号のフーリエ変換は、式を異なる空間周波数で生じる成分に分解する。
【0125】
【数32】
【0126】
フーリエ係数(α、β)は、補償子の向きと空間変動に関係するある空間周波数k
でゼロではない。理論強度式のフーリエ変換により、くさびのリターダンス変動率とDC
項に関係する高調波周波数を同定する。各周波数成分は、実数成分と虚数成分とからなる
。理論的フーリエ係数は、以下のようにサンプルパラメータに関連している:
【0127】
【数33】
【0128】
サンプルパラメータについて解くためにフーリエ係数についての理論的表現を使用する
と、サンプルの以下のミューラー行列の記述に示されるように、2つの空間的に変化する
要素からなるスナップショットエリプソメータが、任意の単一測定において3つのサンプ
ル・パラメータを測定することができることは明らかである。Xは、そのパラメータに対
する非感受性を示す。
【0129】
【数34】
【0130】
したがって、記載された空間的に変化するリターダアレイ又は二重くさび補償子からな
るスナップショットエリプソメータは少なくとも3つのサンプルパラメータに感度があり
、任意の範囲の値においてψ及びΔを測定することができる。
【0131】
上述の一般的なレイアウトに加えて、システムの機能性を改善するために、いくつかの
好ましい実施形態の変更が可能である。これらの多くは図4(A)及び図4(B)に示さ
れている。
【0132】
サンプルに入射する電磁放射ビームは、ビームがサンプルにおいてより小さな断面積を
有するように、付加的な結像光学系で焦点を結ぶことができる。この修正は、サンプルの
ミスアライメント及び不均一性がデータ品質に及ぼす影響を低減する。
【0133】
偏光状態発生器(4)と偏光状態分析器(6)の両方に空間的に変化する補償子(10
)を用いることにより、サンプルを記述する完全ミューラー行列を測定することができる
。各空間的に変化する補償子(10)が、検出器(8)に異なる空間周波数をもたらす場
合、パラメータはこれらの周波数の和及び差と同様に、成分周波数の各々で抽出すること
ができる。これは、異なる空間周波数を有する2つのSVCを使用することによって、又
は各々を検出器上に異なるように拡大することによって達成され得る。
【0134】
検出器(8)上に生じる強度プロファイルは、空間的に変化する補償子(10)の空間
的変化によって影響を受けるため、2つの構成要素間で適切な分解能を達成することが重
要である。図4(A)及び図4(B)を参照すると、空間的に変化する補償子(10)の
像平面が互いに重なり合い、検出器(8)に入ることを確実にするために、付加的な結像
光学系(12)が示され、使用される。図4(A)及び図4(B)では、サンプル(5)
の近くの追加の結像光学系(12)を使用して、ビームをサンプル(5)上に集束させ、
サンプル(5)と相互作用した後に空間的に変化する補償子(10)を結像させる。空間
的に変化する補償子(10)が一次元の変動のみを有する場合、検出器(8)上に変動軸
を結像させることのみが必要であり、これは、円筒状の光学系を使用することによって達
成することができる。スリットを利用することができるが、これは検出器の入口にスリッ
トを使用する代わりに行われる。偏光状態分析器(6)の後の円筒光学系及び波長分離素
子(7)の後の球面光学系は空間的に変化する補償子(10)の変動を検出器(8)の一
次元上に画像化し、波長分離を直交する次元上に結像する役割を果たす。
【0135】
2つの空間的に変化する補償子(10)を含むシステムにおいて、適切な解像度及び適
切な倍率を確保する最も簡単な方法を図5に示す。この例で使用されるビームは、光ファ
イバ又はピンホールの出力のような点状光源として作用する。ファイバはビームを均質化
し、レイアウトの柔軟性を提供する役割を果たすことができる。電磁放射ビーム(2)の
点状光源はピンホールカメラの機能と同様に、追加の光学系を用いずに、空間的に変化す
る両方の補償素子(10)が検出器(8)上に適切に分解されることを保証する。ビーム
の拡大する性質は空間的に変化する補償子(10)を互いに対して拡大する役割を果たし
、その結果、検出器(8)上で異なる空間周波数を有する各空間的に変化する補償子(1
0)の変調を生じさせ、信号を分離することを可能にする。
【0136】
図6のシステムレイアウトは図1のものと同じであるが、サンプルはここでは反射の代
わりに透過で測定される。これは、特定のサンプルにとって有利であり得る。
【0137】
図7(A)及び図7(B)に示すレイアウトは、前述のように、偏光状態分析器(6)
、波長分離素子(7)、及び検出器(8)からなる、電磁放射ビームを測定するために使
用することができる分光ポラリメータを示す。偏光状態分析器(6)は、空間的に変化す
る補償子(10)と、ビームの偏光情報を完全に特徴付ける分析器(11)とを備える。
波長分離素子(7)は、複数の光波長に対して完全な偏光状態を特徴付けることを可能に
する。追加の撮像光学系は、空間的に変化する補償子(10)の変動軸と検出器(8)と
の間の分解能を保証する。波長分離素子(7)は、湾曲した回折格子として示され、ビー
ムのスペクトル情報を分解するためのさらなる光学系を必要としない。前記ビームはピン
ホール、スリット、及び光ファイバを使用してフィルタリング又は均質化され、標準のポ
ラリメータと同様に、データ精度を保証することができる。
【0138】
前記電磁放射ビーム源(2)は、請求項の文言によって除外されない場合には以下から
なる群から選択することができる:
レーザ;
LED;
ブロードバンド・ソース;
FTIR源;
グローバー源;
白熱光源;及び
アークランプ。
【0139】
さらに、より好ましいスペクトル特性を有する電磁放射ビーム(2)の単一源として機
能するために、複数の電磁放射源を使用し、それらの光信号を組み合わせることができる
。例えば、いくつかのLED及びレーザからの電磁放射は広帯域ビームを生成するために
、ホット/コールドミラー、ビームスプリッタ、分岐光ファイバ、又は他の方法を使用し
てココリメートすることができる。
【0140】
前記電磁放射ビーム源(2)は、1つの光波長のみを供給するモノクロメータの出力で
あってもよい。電磁放射ビーム源(2)は点状源として作用し、ビームを均質化するため
に、電磁放射が透過される光ファイバ又はピンホールの出力として提供することもできる
【0141】
前記空間的に変化する補償子(10)は、請求項の文言によって除外されない場合、以
下からなる群から選択することができる:
存在する光波長のスケールで構造化されていないリターダ素子(14)のアレイ(1
3)の組合せ、及び、
互いに斜めに配向された結晶軸を有する少なくとも2つの複屈折くさび(16)。
【0142】
好ましい実施形態では、空間的に変化する補償子(10)によって生成される変調が1
次元のみであり、使用される光源(2)はさらに、存在する複数の光波長を有するビーム
を生成する。分散プリズムや回折格子などの波長分離素子(例えば、(7))は、2次元
検出器(8)の他の次元に沿って個々の波長を分離するために使用される。これは、サン
プルパラメータが各波長に対して独立して決定されることを可能にする。
【0143】
前記波長分離素子(7)は、請求項の文言によって除外されない場合、ビーム内に存在
する異なる波長の分離又は選択を可能にする任意の要素又は要素の任意の組合せとするこ
とができる。波長分離素子は、
平坦又は湾曲した回折格子;
分散プリズム;及び
異なる位置で異なる波長を透過、減衰、又は反射するフィルタ要素
を含む。
【0144】
リターダアレイは、リターダンス及び/又は進相軸配向を逐次的又は非逐次的に空間的
に変化させるように設計することができる。この好ましい実施形態は、光学設計又はデー
タ操作のいずれかを通して、各補償子要素の方位角配向が逐次的に変化されるリターダア
レイを記述する。このアプローチは回転補償子エリプソメータに数学的に類似しているが
、方位角回転行列は時間依存性ではなく空間依存性を有している。リターディング素子の
アレイの場合、サンプルを特徴付けるのに適切な方位角又はリターダンスが存在する限り
、個々の要素又はゾーンは任意のパターンであり得る。素子が方位角において線形に変化
し、リターダンスにおいて一定である場合、上記のフーリエ解析をデータ抽出に使用する
ことができる。素子の他のパターン又は値については、代替の分析方法を使用することが
できる。
【0145】
従来技術は単一くさびシステム及びパターン化誘電体グリッドリターダを使用して、サ
ンプルとの相互作用後の電磁放射ビームを分析することを開示しているが、偏光状態発生
器(4)内の任意のタイプの空間的に変化する偏光素子のために、その中の幾つかの空間
的位置に存在する複数の偏光状態を有する電磁放射のビームでサンプルをプローブするこ
とはエリプソメトリにおける新規なアプローチである。
【0146】
また、異方性サンプルを完全に特徴付けることができるように、偏光状態発生器(6)
内の空間的に変化する偏光要素で存在する偏光状態を分析すると同時に、偏光状態発生器
(4)内の任意のタイプの空間的に変化する偏光要素に起因して、その中のいくつかの空
間的位置に存在する複数の偏光状態を有する電磁放射のビームでサンプルをプローブする
ために、偏光状態発生器(4)内及び偏光状態分析器(6)内の両者に空間的に変化する
偏光素子を用いることも新規である。
【0147】
明瞭さと簡潔さのために、例示のシステムは一般に、屈折光学系を使用するものとして
示され、説明されてきたが、当業者は屈折光学系、反射光学系、及び回折光学系がすべて
、記載された要素と同じ機能を達成するために使用され得ることを認識すべきである。さ
らに、測定ビームは反射状態でサンプルと相互作用するように示されているが、サンプル
を透過する電磁放射がサンプルの特徴付けを可能にすることもできる。
【0148】
また、フーリエ変換は、サンプルパラメータを抽出するための1つの信号処理技術とし
て記載されていることにも留意されたい。当業者は、測定された強度プロファイルからサ
ンプルパラメータの抽出を可能にする他の信号処理技術を認識するのであろう。
【0149】
ビーム伝播方向は任意のビームについて定義することができ、コリメートされていても
、若しくは、集束されていても、又は、そうでなくてもよいことに留意されたい。このこ
とが特定の場合に実際にどのように行われるかに関して本発明にとって重要ではないが、
「ビーム」という用語は本開示の目的のために、有限の断面積を有する電磁放射の伝播方
向によって特徴付けられると理解されるべきであることを理解されたい。ビームの断面は
その中の異なる位置を識別することを可能にし、それぞれが別個のビームと同じでビーム
の任意の便利な二次元測定値を指す。すなわち、本発明は電磁放射ビームが他の同様の「
独立」ビームがどのように効果的に影響されるかに実質的に無関係に、異なる影響を受け
ることができる多くの個々の「別個の」ビームの有効な組合せであると考える。
【0150】
「円筒」及び「球面」の用語は、曲面鏡及びレンズなどの撮像素子を指すために時々使
用されることに留意されたい。これらの用語は、光学素子表面の正確な形状を記述するた
めに使用されるのではなく、光学素子が円筒の一部として、1つの次元のみにおいて曲率
を有するかどうか、又は球の一部として、両方の次元を有するかどうかを識別するために
のみ使用される。放物線、楕円、及び非球面の幾何学的形状の他の部分も含まれると理解
される。
【0151】
列挙された負の制限は先行技術の参照を避けるために特許請求の範囲に組み込むことが
できるが、負の制限が特許請求の範囲に含まれない場合、前記要素が存在しないことはそ
の中の少なくとも1つの位置で本発明システムに要素が存在しないことを示すものではな
く、特許請求の範囲は「備える」を前提とする。
【0152】
また、新規性を提供するために頼らないが、本出願で言及される様々な要素は図面に具
体的に提示されないことに留意されたい。例としては、波長フィルタ、ビームスプリッタ
、電磁放射のビーム源の一部としてのスリット及び光ファイバ、円筒光学系、検出器での
ビーム分解能で適用される球面光学系、平面格子、及びレーザ、LED、広帯域、FTI
R、グロバー、白熱アークランプ等の種々の光源タイプがある。このような要素は当技術
分野で周知であり、例えば、PTOウェブサイト上で識別され、入手可能な、J.A.W
oollm Co.,Inc.に付与された特許に見出され、記載され得る。現在、約1
95のこのような特許が存在し、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。出願
人は、特定された特許からコンテンツを組み込む権利を留保する。
【0153】
本発明の主題を本明細書に開示したが、本発明の多くの修正、置換、及び変形が、教示
に鑑みて可能であることは明らかであろう。したがって、本発明は、具体的に記載された
もの以外で実施されてもよく、特許請求の範囲によってのみ広さ及び範囲が限定されるべ
きであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7