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特開2025-24277家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024277
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20250213BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128269
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐野 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】森 泰久
(72)【発明者】
【氏名】吉田 征義
(72)【発明者】
【氏名】有冨 陽子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA22
5L049AA22
(57)【要約】
【課題】
限られたコネクテッド対応機種の家電のデータをもとに、宅内の各家電の消費電力を可視化し得る家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法を提供する。
【解決手段】
家電情報の表示システム1は、機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を取得する情報取得部11、情報取得部11にて取得された情報を格納する記憶部14、情報取得部11にて取得された情報であるログデータを収集可能な管理対象器と収集困難な管理対象外器とに分類する判断部12、管理対象機器の情報に基づき管理対象外機器の情報を推定する比較部13、比較部13の推定結果に基づき、提案型のサービスを提供する自社の管理対象機器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示する表示部15と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部にて取得された情報を格納する記憶部と、
前記情報取得部にて取得された情報であるログデータを収集可能な管理対象器と収集困難な管理対象外器とに分類する判断部と、
前記管理対象器の情報に基づき前記管理対象外器の情報を推定する比較部と、
前記比較部の推定結果に基づき、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示する表示部と、を備えることを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の家電情報の表示システムであって、
前記比較部は、前記管理対象器の情報と類似する他者の情報を、前記記憶部を検索し、検索結果に基づき、前記表示部が提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の家電情報の表示システムであって、
前記比較部は、
前記機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を分析し、特徴量を算出する分析部と、
前記分析部により算出された特徴量を用いて前記記憶部を検索し、前記特徴量が類似する他者データを抽出する類似条件探索部と、を有することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の家電情報の表示システムであって、
前記表示部は、前記提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器を識別可能に表示することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項5】
請求項3に記載の家電情報の表示システムであって、
前記表示部は、前記提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び他社の管理対象外器を識別可能に表示することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の家電情報の表示システムであって、
前記提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報は、数値であり、全ての家電の合計値に対する各機器の割合であることを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項7】
請求項4又は請求項5に記載の家電情報の表示システムであって、
前記表示部に表示される前記提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報は、特定の行動を推奨するメッセージであることを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項8】
請求項6に記載の家電情報の表示システムであって、
前記管理対象器の情報に基づき前記記憶部を検索し、現在のユーザと特性が類似する他者の情報を抽出し、抽出された情報に基づき機器を制御することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項9】
請求項7に記載の家電情報の表示システムであって、
前記管理対象器の情報に基づき前記記憶部を検索し、現在のユーザと特性が類似する他者の情報を抽出し、抽出された情報に基づき機器を制御することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項10】
請求項8に記載の家電情報の表示システムであって、
前記特徴量は、管理対象器の情報をベクトルとして表現したものであり、現在のユーザと特性が類似するユーザを、前記ベクトルどうしのなす角度と距離の少なくとも一方を用いて算出した指標に基づき前記記憶部を検索することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項11】
請求項9に記載の家電情報の表示システムであって、
前記特徴量は、管理対象器の情報をベクトルとして表現したものであり、現在のユーザと特性が類似するユーザを、前記ベクトルどうしのなす角度と距離の少なくとも一方を用いて算出した指標に基づき前記記憶部を検索することを特徴とする家電情報の表示システム。
【請求項12】
家電情報の表示方法であって、
情報取得部は、機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を取得し、
記憶部は、前記情報取得部にて取得された情報を格納し、
判断部は、前記情報取得部にて取得された情報であるログデータを収集可能な管理対象器と収集困難な管理対象外器とに分類し、
比較部は、前記管理対象器の情報に基づき前記管理対象外器の情報を推定し、
表示部は、前記比較部の推定結果に基づき、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示することを特徴とする家電情報の表示方法。
【請求項13】
請求項12に記載の家電情報の表示方法であって、
前記比較部は、前記管理対象器の情報と類似する他者の情報を、前記記憶部を検索し、検索結果に基づき、前記表示部が提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示することを特徴とする家電情報の表示方法。
【請求項14】
請求項13に記載の家電情報の表示方法であって、
前記比較部は、分析部と類似条件探索部を有し、
前記分析部は、前記機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を分析し、特徴量を算出し、
前記類似条件探索部は、前記分析部により算出された特徴量を用いて前記記憶部を検索し、前記特徴量が類似する他者データを抽出することを特徴とする家電情報の表示方法。
【請求項15】
請求項14に記載の家電情報の表示方法であって、
前記表示部は、前記提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器を識別可能に表示することを特徴とする家電情報の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SDGsへの意識の高まり、エネルギー価格の高騰などを背景に、宅内における消費電力削減へのニーズが高まっている。宅内において効果的に省エネ行動をとるためには、各家電の消費電力を可視化することが有効であるが、一般に、家電製品の消費電力は可視化されていないため、それらの推測技術が必要とされている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、所望のディスアグリゲーション精度に従ってセンサデータの関数として電力を予測するモデルを連続的に追加およびトレーニングすることによって、住宅または産業サイトでの電力消費を分離(disaggregate)する旨が記載されている。この方式によれば、宅内において電力を消費する主要因を特定し、メンテナンス又は交換などの対策を検討することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2018-522520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、センサデータから消費電力を予測するモデルを活用することで、各家電の消費電力を分離することができる。
しかしながら、一般家庭において家電の消費電力を分離することを目的とし、追加でセンサを設置することは現実的でない。一方、コネクテッド家電はインターネット経由で機器の情報を取得可能なため、追加のセンサは不要であるが、一般家庭の全ての家電を同一メーカのコネクテッド機種で統一することは困難である。
【0006】
そこで本発明は、限られたコネクテッド対応機種の家電のデータをもとに、宅内の各家電の消費電力を可視化し得る家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る家電情報の表示システムは、機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部にて取得された情報を格納する記憶部と、前記情報取得部にて取得された情報であるログデータを収集可能な管理対象器と収集困難な管理対象外器とに分類する判断部と、前記管理対象器の情報に基づき前記管理対象外器の情報を推定する比較部と、前記比較部の推定結果に基づき、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る家電情報の表示方法は、情報取得部は、機器の動作に伴い発生したデータ及び対象者の情報を取得し、記憶部は、前記情報取得部にて取得された情報を格納し、判断部は、前記情報取得部にて取得された情報であるログデータを収集可能な管理対象器と収集困難な管理対象外器とに分類し、比較部は、前記管理対象器の情報に基づき前記管理対象外器の情報を推定し、表示部は、前記比較部の推定結果に基づき、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、限られたコネクテッド対応機種の家電のデータをもとに、宅内の各家電の消費電力を可視化し得る家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る家電情報の表示システムの機能ブロック図である。
図2図1に示す比較部の構成詳細を示す機能ブロック図である。
図3】特徴量の算出方法の説明図である。
図4図1に示す表示部の構成詳細を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る家電情報の表示システムの動作を説明するフローチャートである。
図6】本発明の実施例1に係る家電情報の表示システムの機能ブロック図である。
図7】スマートライフサービス(提案型のサービス)のユーザが所有する外部端末の表示例である。
図8】本発明の実施例2に係る家電情報の表示システムの機能ブロック図である。
図9】スマートライフサービス(提案型のサービス)のユーザが所有する外部端末の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含む。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る家電情報の表示システムの機能ブロック図である。図1に示すように、家電情報の表示システム1は、情報取得部11、判断部12、比較部13、記憶部14、及び表示部15を備える。ここで、情報取得部11、判断部12、比較部13は、例えば、図示しないCPUなどのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に可能するRAM、外部記憶装置などの記憶装置にて実現されると共に、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。
【0013】
情報取得部11は、機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31を取得し、判断部12及び記憶部14に送信する。ここで、機器の動作に伴い発生したデータ21には、人感、照度、温湿度、気圧、加速度、ドア開閉等、電流、電圧、回転数、DuTy、圧力、水位などのセンサデータ21a、画像データ21b、音声データ21c、及びそれらの日付、曜日、時刻情報が含まれる。また、分析対象者の情報31には、分析対象とした人物を識別する記号、居住地名、年齢、家族構成、購入した機器を識別する記号などが含まれる。センサデータ21aは、予めコネクテッド家電に備えられているセンサのデータをインターネット経由で取得しても良いし、既存の家電に外付けしたセンサのデータを同様にインターネット経由で取得しても良い。
【0014】
人感センサは、照明などに備えられ、人間の在/不在を検知し機器を自動制御するために使用できる。このセンサは在/不在を1/0の数値で出力するため、出力結果を再度、在/不在の単語に変換し記録しても良い。或いは、人感センサが反応した場所に紐づく行動名に変換しても良く、例えば、リビングの人感センサの反応をリラックス、寝室の人感センサの反応を睡眠、キッチンの人感センサの反応を料理、人感センサの反応が無い状態を外出とすることなどが考えられる。
【0015】
照度センサ、温湿度センサ、及び気圧センサなどの環境センサ、加速度センサは照明、冷蔵庫、掃除機、及び洗濯機などに備えられ、使用環境に応じ機器を自動制御するために使用できる。これらセンサの出力はアナログ値であるため、一定の幅毎に単語化し記録しても良い。例えば、温度センサにおいて0℃~10℃を低温、10℃~30℃を適温、及び30℃~40℃を高温と単語化することが考えられる。或いは、湿度センサにおいて20%以下を乾燥、20%~60%を快適、及び60%~100%を湿潤と単語化しても良い。気圧センサにおいても同様に、低気圧、常圧、及び高気圧に任意の閾値で単語化できる。加速度センサも同様にその大きさを用いて、任意の閾値で活発、平常、及び安静に単語化しても良く、或いは、3軸方向の加速度及びその変化量を利用し、歩行、走行、及び転倒などに単語化しても良い。上記のとおり、センサデータは出力値を任意の条件で単語化することで、本システムのユーザが、データの示す物理的な意味を理解し易くなる利点がある。また、データ分析の際に単語毎にデータをカテゴライズし、傾向を分析することも可能となる。
【0016】
ドア開閉センサは、冷蔵庫、電子レンジ、及び洗濯機などに備えられ、ドアの開閉状態を検知することで、機器の使用有無及びその回数を推測できる。ドア開閉センサの出力は人感センサ同様1/0であるため、出力結果を再度、閉/開の単語に変換し記録しても良い。或いは、ドア開閉センサが反応した機器に紐づく行動名に変換しても良く、例えば、冷蔵庫および電子レンジのドア開閉センサの反応を料理及び食事、洗濯機を洗濯とすることなどが考えられる。
【0017】
予めコネクテッド家電に備えられた電流、電圧、回転数、DuTy、圧力、水位などのセンサデータは機器の動作状況を検知できる。これらを分析することにより消費電力、使用水量、故障状況などを推測し、それらを記録しても良い。
【0018】
画像データ21bは、例えば冷蔵庫内に設置されたカメラにより取得できる。画像データ21bは、撮影した日時、場所に加え、冷蔵庫の内容物の種類、及び内容物の有無などの情報を含んでも良い。また、それらをもとに賞味期限及び充填率などの値を推測し記録しても良い。ここで、本明細書では充填率とは、冷蔵庫内の空間に占める内容物の体積割合と定義する。
【0019】
音声データ21cは、家電に内蔵された音声デバイス及び音声操作可能なスマートデバイスにより取得できる。音声データ21cは、音声認識などの自然言語処理技術により文章化し記録しても良い。或いは、文章をさらに分割し、単語化し記録しても良い。
【0020】
対象者の情報31は、コネクテッド家電購入時に記載する書類を参照しシステム管理者が入力する、或いは、コネクテッド家電の購入者自身がネットワーク経由で入力するなど複数の取得方法がある。対象者の情報31は、対象者の性別、年代、家族構成、居住地、勤務状況、所有する家電の種類、メーカ名及び型式などに関する情報を含み、それらを個人が特定できないよう符号化し記録しても良い。ここで、符号化とは数値などの情報を一定の範囲でまとめ言語化することを指し、年代であれば10歳以上20歳未満を10代、家族構成であれば2人以上5人未満を核家族、居住地であれば市町村名を都道府県名又は地方名で置換する、などの操作を行っても良い。また、コネクテッド家電の購入者自身の同意のもと、身長、体重、及びライフスタイルの好みなどの情報を取得し記録しても良い。
【0021】
これらの機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31(情報)は判断部12に送信され、まず、管理対象器と管理対象外器に区別される。ここで本明細書では、管理対象器とは、インターネット経由で機器の情報を取得可能なコネクテッド家電であり、且つ、情報取得部11が機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31(情報)を取得可能な機器と定義する。ここで、情報取得部11が機器の動作に伴い発生したデータ21とは、ログデータとも称される。また、同様に管理対象外器とは、管理対象器に該当しないものの、対象者の情報31より居住者が所有することを確認できる機器、或いは、性別、年代、及び家族構成などをもとに一般的に所有を想定することが妥当な機器と定義する。
【0022】
さらに、管理対象外器は対象者の情報31をもとに、自社の管理対象外器と、他社の管理対象外器に区別しても良い。ここで、自社とは家電情報の表示システムを提供又は利用する企業である。即ち、提案型のサービスを提供する自社のことである。提案型のサービスを提供する自社の管理対象外器は、対象者の情報31を参照し把握する他、記憶部14に格納された過去のユーザ登録情報などを参照しても良い。
【0023】
次に、機器の動作に伴い発生したデータ21及び/又は対象者の情報31(情報)は比較部13及び記憶部14に送信される。図2図1に示す比較部の構成詳細を示す機能ブロック図である。比較部13は、分析部13a及び類似条件探索部13bを有し、取得した情報と類似する情報を、記憶部14を検索し抽出する。また、記憶部14は例えばコネクテッド家電メーカのサーバであり、対象者の情報31及び機器の動作に伴い発生したデータ21が関連付けられ保存されている。以下で詳細に説明する。
【0024】
分析部13aは、判断部12において管理対象器と判断された機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31を分析し、特徴量を算出する。ここで、本明細書では特徴量とは、その情報を特徴づけるスカラー値又はベクトル値と定義し、記憶部14から類似した特徴を有する情報を抽出するために用いる。特徴量は、複数の算出方法があり、例えば、対象者の情報31に含まれる性別、年代、家族構成、及び居住地などを数値に変換し、それを並べたベクトルとしても良い。具体的には、性別を男性=1及び女性=2と変換し、年代を10代=1、20代=2、30代=3、40代=4、50代=5、60代=6、70代=7、80代=8、及び90代=9と変換する。家族構成を単身者=1、夫婦のみ=2、夫婦と子供1人=3、夫婦と子供2人以上=4、夫婦と両親=5、及び夫婦と子供と両親=6と変換する。居住地を北海道=1、東北地方=2、関東地方=3、中部地方=4、近畿地方=5、中国地方=6、四国地方=7、及び九州地方=8と変換する。それらを各要素とする[性別、年代、家族構成、居住地]=[2、4、3、6]などの4次元ベクトルを作成し特徴量として扱っても良い。
すなわち、特徴量=[性別、年代、家族構成、居住地]=[2、4、3、6]となる。
【0025】
或いは、図3の上図に示すように、管理対象器の機器の操作情報(機器の動作に伴い発生したデータ21)から特徴量を抽出しても良く、例えば管理対象器が冷蔵庫、洗濯機、及び電子レンジなどドアを有する機器であれば、横軸に時刻、縦軸にドアの開閉回数を記録し特徴量としても良い。さらに、1日、1週間など一定期間毎に、各時刻における機器の操作回数を合計1、最大1となるよう正規化し、確率密度関数化し特徴量として扱っても良い。また、図3の下図に示すように、管理対象器の機器が複数の機能を有し、それらに関するデータが取得できる場合は、同様に1日、1週間など一定期間毎に各機能の使用回数、使用時間、及び使用頻度などを記録し特徴量としても良い。
【0026】
類似条件探索部13bは、分析部13aの抽出した特徴量を用い記憶部14を検索し、コネクテッド家電の使用環境又は使用状況が類似する他のユーザ及びそのユーザのデータを抽出する。類似したユーザの検索方法は使用する特徴量によって変更しても良く、例えば特徴量がベクトルであれば、他のユーザのベクトルとのコサイン類似度を算出し、0.7以上など一定の閾値以上のユーザを抽出しても良い。あるいは特徴量が確率密度関数であれば、他のユーザの確率密度関数との類似度をKLダイバージェンス、JSダイバージェンスなどの指標で数値化し、同様に0.8以上など一定の閾値以上のユーザを抽出しても良い。また、特徴量がスカラー値であれば、他のユーザのスカラー値との差を算出し、同様に一定の閾値以下のユーザを抽出しても良い。なお、これらの特徴量は複数同時に用い、少なくとも2つ以上の特徴量で共通し抽出された他のユーザを、最終的な抽出結果としても良い。
【0027】
類似条件探索部13bは抽出した他のユーザのデータについて、本システムを利用するユーザと比較し、共通するデータと、共通しないデータに分類する。ここで、共通するデータとは、例えば記憶部14を検索する際に用いた特徴量である。また、特徴量としては類似度が低いものの、性別、年代など、単体の項目で共通するデータがあれば、それらを含めても良い。一方、共通しないデータとは、例えば単体の項目でも共通しないデータ、検索する際に使用したものの類似度が低かった特徴量、及び一方のユーザが所持し他方のユーザが所持しない機器などがある。
なお、類似条件探索部13bは、記憶部14を検索し、複数の他のユーザを抽出しても良い。また、それら複数の他のユーザのデータについて、平均、分散、標準偏差、最大値、及び最小値などの統計値を算出しても良い。
【0028】
最後に、これらのデータは、比較部13から表示部15に送信される(図2)。
図4は、図1に示す表示部の構成詳細を示す機能ブロック図である。図4に示すように、表示部15は、表示内容決定部15a及び表示実行部15bを有する。ここで、表示内容決定部15a及び表示実行部15bは、例えば、図示しないCPUなどのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に可能するRAM、外部記憶装置などの記憶装置にて実現されると共に、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。
【0029】
表示内容決定部15aは、比較部13から受信したデータをもとに表示内容を決定し、表示実行部15bが表示する。以下で詳細に説明する。
表示内容決定部15aは予め定められた方針に従い、比較部13から受信したデータの表示内容を決定する。上記方針は、本実施形態に係る家電情報の表示システム1の管理者が予め設定しても良いし、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが後から設定しても良い。
【0030】
表示方法は例えば、上記共通するデータを表示する方針がある。具体的には、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザがコネクテッド洗濯機を有し、類似する他のユーザもコネクテッド洗濯機を有する場合に、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザに対し、冷蔵庫の使用状況を他のユーザと比較した結果を表示するなどがある。また、使用状況に加え、消費電力や水道使用量なども、データをもとに推測し表示しても良い。これは、自分(家電情報の表示システム1を利用するユーザ)がコネクテッド家電を使用している場合に、その使用状況がECOか否か他のユーザの使用状況を確認したいとのニーズに応えるものである。
【0031】
ここで、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが所有し、データが取得可能な管理対象器の情報と、類似する他のユーザのデータから推測する情報は、色、形、模様などを区別し表示しても良い。換言すれば、ユーザが所有し、データが取得可能な管理対象器の情報と、類似する他のユーザのデータから推測する情報とを識別可能に表示する。これにより、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザは自分の機器に関する情報と、類似する他のユーザの情報を容易に区別できる。なお、これに限らず、ユーザが所有し、データが取得可能な管理対象器の情報と、データの取得が困難な管理対象外器とを識別可能に表示しても良い。すなわち、提案型のサービスを提供する自社の管理対象機器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を識別可能に表示する構成としても良い。
【0032】
また、類似する他のユーザは複数でも良く、その場合は上記データの統計値を表示しても良い。これにより、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザは自分と類似したユーザの平均的な洗濯機の使用状況を把握できるため、より客観的に、自分の機器の使用状況について有効活用できている点と、改善が必要な点を把握できる。
【0033】
表示方針の別の例として、上記共通しないデータを表示する方針がある。具体的には、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザがコネクテッド冷蔵庫のみを有する一方、類似する他のユーザがコネクテッド洗濯機を有する場合に、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザに対し、洗濯機の使用状況の推測値として、類似する他のユーザのコネクテッド洗濯機のデータを表示するなどがある。また、使用状況に加え消費電力や水道使用量なども、類似する他のユーザのデータをもとに推測しても良い。さらに、別の類似する他のユーザがコネクテッド電子レンジを有する場合、そのユーザのデータから、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザの電子レンジの使用状況を推測し表示しても良い。同様に、エアコン、掃除機、給湯器、及びIHクッキングヒータなども、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが管理対象器として所有しない場合であっても、類似する他のユーザが管理対象器として所有していれば、そのデータから使用状況を推測し表示しても良い。なお、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが所持する管理対象器以外の機器に関する情報は、性別、年代、及び家族構成などから一般常識として推測しても良いし、対象者の情報31として取得しても良い。
【0034】
ここで、本表示方針においても、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが所有しデータが取得可能な管理対象器の情報と、類似する他のユーザのデータから推測する情報は、視覚的に区別できる様、色、形、模様などを区別し表示することができる。これにより、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザは確度の高い情報と、参考として扱うことが可能な推測値とを容易に区別することができる。さらに、推測値として上記複数の他のユーザのデータの統計値を用い、その値を類似した環境のユーザの平均値と理解しても良い。これにより、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザはより客観的に自分の機器の使用方法を他のユーザと比較でき、より効果的な行動、機器の使用方法などに関する気付きを得ることができる。なお、上記比較は、同一の機器間における比較に限定されず、異なる機器間の比較を含む。具体的には、本実施形態に係る家電情報の表示システム1を利用するユーザが所有するコネクテッド冷蔵庫の消費電力が、家電機器全体の消費電力に占める割合を、上記類似する他のユーザが所有する冷蔵庫以外の機器の消費電力推測値を用い算出しても良い。
【0035】
図5は、本実施形態に係る家電情報の表示システム1の動作を説明するフローチャートである。家電情報の表示システム1は、システムのオペレータの操作をきっかけとして処理を開始する(ステップS1)。まず、ステップS2では、情報取得部11が機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31を取得する。ステップS3では、情報取得部11は、取得した情報を判断部12及び記憶部14に送信する。ステップS4では、判断部12は、情報を管理対象器のものと、管理対象外器のものに区別する。ステップS5では、比較部13は、取得した情報と類似する情報を、記憶部14を検索し抽出する。ステップS6では、表示部15は、比較部13から受信した情報をもとに表示内容を決定し、表示する。ステップS7では、家電情報の表示システム1はそのまま終了しても良いし、予め設定することで、処理開始(ステップS1)の直後に戻るループ処理を実装しても良い。また、本実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、ステップS2において、情報取得部11が機器の動作に伴い発生したデータ21及び/又は対象者の情報31を取得する構成としても良い。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例0036】
以下では図6を用い、コネクテッド家電や各種センサを設置した一般家庭において、家電情報の表示システム1を活用したスマートライフサービスを提供すると仮定し、システムの動作を具体的に説明する。図6は、本発明の実施例1に係る家電情報の表示システム1の機能ブロック図である。
【0037】
まず、事業者は本実施例に係る家電情報の表示システム1と連携したスマートライフサービス(提案型のサービスの一例)及び商品を用意する。この商品には予めセンサが組み込まれ、インターネット経由で機器の情報を取得可能なコネクテッド家電を含んでも良い。スマートライフサービス及び商品に加入申し込みがあった場合、事業者は必要に応じコネクテッド家電及び各種センサ類をユーザ宅に送付する。ここで、ユーザ宅に既に購入済みのコネクテッド家電、センサなどが存在する場合は、それらのデータを事業者が収集することで、スマートライフサービスに必要な情報を取得しても良い。
【0038】
上記センサには例えば、人感、照度、温湿度、気圧、加速度、ドア開閉等、電流、電圧、回転数、DuTy、圧力、及び水位などを測定可能な後付けセンサ、電波センサ、画像センサ、及び音声センサなどがある。また、センサが予め組み込まれた体組成計、体重計、及びウェアラブルデバイスなどもセンサとして扱っても良く、これらのデータ及び日付、曜日、並びに時刻情報はインターネット経由で事業者が収集(ログデータの収集)しても良い。また、コネクテッド家電には冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ、掃除機、ロボットクリーナー、IHクッキングヒータ、及びエコキュートなどがあり、予め組み込まれているセンサの指示値に加え、運転モードの情報なども事業者が収集可能である。センサ類は設置後、電源接続、電池、又は太陽光や振動などの環境発電により電源を確保し、測定を開始する。
【0039】
本実施例に係る家電情報の表示システム1の情報取得部11は、機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31を取得する。対象者の情報31の取得方法には、コネクテッド家電本体又はそれに付随するアプリに入力できるようにする、サービス及び商品の加入申込書に記載する、事業者ホームページのマイページから追加で入力できるようにする、第三者である他の事業者、ユーザが所属する自治体、及び非営利団体などと連携し入手するなどがある。情報取得部11は、これらのデータ及び対象者の情報31を、判断部12及び記憶部14に送信する。なお、対象者の情報31は外部端末51のインターフェース52を経由し、ユーザが後から修正又は削除しても良い。
【0040】
また、情報取得部11は、取得した情報を外部サーバ61に設けられた行動認識部16に送信し、人間の行動名に変換しても良い。ここで、行動認識部16は、例えば、図示しないCPUなどのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に可能するRAM、外部記憶装置などの記憶装置にて実現されると共に、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。
【0041】
行動認識部16は、機械学習(ロジスティック回帰、決定木、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、k近傍法など)、及び深層学習(全結合層、CNN、RNNなどの組み合わせ)などにより構成された分類器であり、本実施例のスマートライフサービスのユーザ又は他のユーザの過去の情報をもとに、機器の動作に伴い発生したデータ21と人間の行動名を関連付けることができる。これにより、「台所の人感センサが反応しているため料理行動中である」などの自明な推測に加え、「リビングの人感センサ、台所の人感センサ、台所の温湿度センサから総合的に判断し料理行動の可能性が高い」といった、複数の情報を対象とした、一見自明でないため人間には困難な推測(推定)を行うことが可能となる。
【0042】
次に、判断部12は、情報取得部11から受信した機器の動作に伴い発生したデータ21及び対象者の情報31を用い、スマートライフサービスのユーザが所有する機器について、管理対象器と管理対象外器に区別する。まず、インターネット経由で機器の情報が取得可能なコネクテッド家電を管理対象器とし、それ以外の機器を管理対象外器とする。次に、管理対象外器を、提案型のサービスを提供する自社の管理対象外器と、他社の管理対象外器に区別する。ここで、自社とは本実施例においては、スマートライフサービスを提供する事業者である。提案型のサービスを提供する自社の管理対象外器は、例えば、コネクテッド対応機種ではないものの、購入時のユーザ登録、ユーザの自己申告など(対象者の情報31)により所有が明らかな自社製品である。一方、他社の管理対象外器とは、ユーザの自己申告、一般常識などから所有を想定することが妥当であるが、自社製品であると確認することが困難な機器である。
【0043】
比較部13は、判断部12から取得した情報と類似する情報を、本実施例に係る家電情報の表示システム1を構成する記憶部14を検索し抽出する。なお、これに限らず、記憶部14は本実施例に係る家電情報の表示システム1が格納されたサーバとは異なる外部サーバ61に格納されていても良い。これにより、本実施例に係る家電情報の表示システム1が格納されたサーバは処理速度と利便性を優先し、記憶部14が格納された外部サーバ61はセキュリティの高さを優先するなど、利便性と安全性のバランスをとることができる。
【0044】
比較部13は、まず、受信した情報を分析部13a(図2)に送信し、判断部12において管理対象器と判断された機器の情報及び対象者の情報31を分析し、特徴量を算出する。ここで、分析対象の情報は、例えばスマートライフサービスのユーザの性別、年齢、居住地、購入した機器の型式に加え、行動認識部16の行動認識結果を含めても良い。具体的には、ユーザの性別が男性、年齢は32歳、居住地は埼玉県、機器は単身者向けの製品の型式であり、行動認識結果から平日の行動が睡眠、外出、リラックス、及びその他に分類できている場合、特徴量はユーザの属性を示すベクトル[性別、年齢、居住地、所有する機器の型式]=[1、3、3、1]に加え、時間ごとの各行動の発生確率を示すベクトル[睡眠、外出、リラックス、その他]=[[0:00][0.98、0、0.02、0]、[0:01][0.98、0、0.02、0]、[0:02][0.97、0、0.03、0]、・・・]としても良い。
【0045】
次に、類似条件探索部13b(図2)が、分析部13aの抽出した特徴量を用い記憶部14を検索し、コネクテッド家電の使用環境又は使用状況が類似した他のユーザ及びそのユーザのデータを抽出する。本実施例では、特徴量としてユーザの属性を示すベクトルと時間毎の各行動の発生確率を示すベクトルがあるため、それぞれ、他のユーザの各ベクトルとのコサイン類似度を算出し、少なくとも1種類の類似度が予め定めた閾値以上であることを根拠に、コネクテッド家電の使用環境又は使用状況が類似したユーザを抽出しても良い。また、時間毎の各行動の発生確率は、確率密度関数の類似度を数値化するKLダイバージェンス、JSダイバージェンスなどを指標としても良い。
なお、記憶部14に保存された情報に人間の行動名が含まれない場合、記憶部14から取得した情報をまず行動認識部16に送信し、行動認識を行い、次にその結果を比較部13に送信し類似度の算出に用いても良い。
【0046】
続けて、類似条件探索部13b(図2)は抽出した他のユーザのデータについて、スマートライフサービスのユーザと比較し、共通するデータと、共通しないデータに分類する。共通するデータとは、例えば記憶部14を検索する際に用いた特徴量に加え、性別、年代、及び居住地など単体の項目で共通するユーザの属性、共通して所有する機器などを含んでも良い。また、共通しないデータとは、単体の項目で共通しないユーザの属性、共通して所有しない機器、及び共通しない日常行動などがある。なお、抽出する他のユーザは一人でも良いし、複数でも良い。また、複数のユーザを抽出した場合、複数のユーザのデータについて、平均、分散、標準偏差、最大値、又は最小値などの統計値を算出しても良い。
【0047】
最後に、表示部15は比較部13から情報を受信し、表示内容を決定し表示する。なお、表示部15は本実施例に係る家電情報の表示システム1が格納されたサーバとは異なる外部サーバ61又は外部端末51に格納されていても良い。
表示部15が受信した情報は、まず、表示内容決定部15a(図4)に送信される。表示内容決定部15aは予め定められた方針に従い、比較部13から受信したデータの表示内容を決定する。上記方針は、本実施例に係る家電情報の表示システム1の管理者が予め設定しても良いし、スマートライフサービスのユーザが所有する外部端末51に本システムのインターフェース52を設け、前記インターフェースから設定しても良い。また、表示方針は予め設けられた複数のライフスタイルの選択肢から選択しても良く、選択肢には省エネ生活、時短生活、効率重視生活、及びリラックス重視生活などを用意しても良い。
【0048】
下では、省エネ生活を選択した場合について具体例を説明する。
表示方法は例えば、特徴量が類似する複数の他のユーザについて、共通して所有する機器の使用状況を比較し表示するなどがある。具体的には、スマートライフサービスのユーザが冷蔵庫を所有する場合に、特徴量が類似し、且つ、同型の冷蔵庫を所有する複数の他のユーザを抽出し、冷蔵庫の使用状況を比較することができる。本表示方法の例を図7に示す。図7はスマートライフサービス(提案型のサービス)のユーザが所有する外部端末の表示例であり、冷蔵庫の使用状況について表示部15が受信した情報をもとに、ドア開時間、ドア開閉回数、冷凍運転時間、冷蔵運転時間、消費電力、冷凍庫平均温度、冷蔵庫平均温度をチャートで示したものであり、スマートライフサービスのユーザの情報と、特徴量が類似する他のユーザの情報を、色、形状、などを変化させ、視覚的に区別し(識別可能に)表示しても良い。ここで、特徴量が類似する他のユーザの情報は、少なくとも2人以上の平均値でも良く、それによりスマートライフサービスのユーザは、自分の冷蔵庫の使用方法の長所、修正点などを客観的に把握しても良い。さらに、本表示結果をもとに、表示部15に省エネアドバイスを表示しても良い。例えば、図7のチャートより、スマートライフサービスのユーザは特徴量が類似する他のユーザよりも、ドア開閉回数が多く、消費電力も大きいことが分かる。この情報をもとに、「類似環境の平均的なユーザと比較し、冷蔵庫の開閉回数が多い傾向があります。予め取り出すものをイメージし、開閉回数を少なくすることで、省エネ効果が期待できます。」などのアドバイスを表示することで、スマートライフサービスのユーザはより省エネな生活実現に向けた気付きを得ることができる。
【0049】
以上の通り本実施例によれば、限られたコネクテッド対応機種の家電のデータをもとに、宅内の各家電の消費電力を可視化し得る家電情報の表示システム及び家電情報の表示方法を提供することが可能となる。
また、省エネな生活実現に向けた気付きをユーザに提供することが可能となる。
【実施例0050】
図8は、本発明の実施例2に係る家電情報の表示システムの機能ブロック図である。以下では図8を用い、家電情報の表示システムを活用したスマートライフサービスのホ他の例について、システムの動作を具体的に説明する。なお、以下の説明では、実施例1と重複する内容は省略し異なる部分のみ説明する。
【0051】
まず、事業者はスマートライフサービス(提案型のサービスの一例)及び商品を用意し、スマートライフサービス及び商品に加入申し込みがあった場合、必要に応じコネクテッド家電及び各種センサ類をユーザ宅に送付する。ここで、センサにはスマートウォッチなどのウェアラブルセンサを含み、それにより測定可能な加速度、心拍数、睡眠状態、及び歩数などのデータを事業者が収集することで、スマートライフサービスに必要な情報を取得しても良い。
【0052】
本実施例に係る家電情報の表示システム1の情報取得部11は、機器の動作に伴い発生したデータ21と、対象者の情報31に加え、スマートライフサービスのユーザの日常生活に関する情報を、交通インフラを管理する会社の外部サーバ61a、ビル・施設の管理会社の外部サーバ61b、及びイベント会社の外部サーバ61cからそれぞれ取得しても良い。なお、これらの情報も、外部端末51のインターフェース52を通じ、ユーザが後から修正または削除しても良い。
【0053】
次に、判断部12は、情報取得部11から受信したデータ及び対象者の情報31を用い、スマートライフサービスのユーザが所有する機器について、管理対象器と管理対象外器に区別し、比較部13に情報を送信する。ここで、本実施例においては、Matter1.0に準拠し、一定程度機器の情報を入手可能な場合も、管理対象器に含めても良い。
【0054】
比較部13は機器の動作に伴い発生したデータ21と、対象者の情報31に加え、スマートウォッチなどのウェアラブルセンサのデータ、交通インフラの利用状況、ビル・施設の利用状況、イベント参加情報を分析部13a(図2)に送信し、特徴量を算出する。ここで、特徴量とは具体的には、性別、年齢、居住地、所有する機器の型式、平均睡眠時間、平均歩数、電車の利用時間、図書館利用状況、及び音楽イベント参加情報などを数値化したものである。具体的には、50代の女性であり、鹿児島県に居住し、家族用の製品を有し、平均睡眠時間は6時間、平均歩数は3000歩、電車の利用時間は7:00と18:00、図書館利用は無し、音楽イベント参加は年3回であれば、それらを数値化し、[性別、年齢、居住地、所有する機器の型式、平均睡眠時間、平均歩数、電車の利用時間、図書館利用状況、音楽イベント参加情報]=[2、5、8、4、6、3、3、0、3]などの特徴量を作成しても良い。なお、ここでは、平均歩数は1000歩=1、2000歩=2、・・・、電車の利用時間は、利用無し=0、朝のみ=1、夜のみ=2、朝と夜=3、図書館利用状況は、利用無し=0、平均月1回利用=1、平均月2回利用=2、・・・、音楽イベント参加情報は、参加無し=0、平均年1回参加=1、平均年2回参加=2、・・・と数値化する例とした。
【0055】
次に、類似条件探索部13b(図2)が、分析部13aの抽出した特徴量を用い記憶部14を検索し、機器の使用状況、属性、生活情報などが類似した他のユーザ及びそのユーザのデータを抽出する。本実施例では、特徴量はベクトルとして表現されるため、その類似度を評価する指標としてベクトル間の距離を用いても良い。また、本実施例では上記データに加え、類似する他のユーザが選択した表示内容決定部15a(図4)の情報を記憶部14から抽出し、本実施例に係る家電情報の表示システム1内に格納される表示内容決定部15a(図4)に送信しても良い。
続けて、類似条件探索部13b(図2)は抽出した少なくとも1人以上の他のユーザのデータについて、スマートライフサービスのユーザと比較し、共通するデータと、共通しないデータに分類する。
【0056】
最後に、表示部15は比較部13から情報を受信し、表示内容を決定し表示する。なお、本実施例では、表示実行部15b(図4)のみスマートライフサービスのユーザの所有する外部端末51に格納されている。なお、本実施例では家電情報の表示システム1が記憶部14を有する構成としたがこれに限られるものではない。例えば、記憶部14を外部サーバ61(図示せず)に実装しても良い。
表示方法はユーザがインターフェース52を通じ選択肢から選択する他、本実施例に係る家電情報の表示システム1内に格納された表示内容決定部15a(図4)から受信した情報をもとに、自動で設定しても良い。以下では、リラックス重視生活が自動的に設定されたものとし具体的に説明する。
【0057】
図9は、スマートライフサービス(提案型のサービス)のユーザが所有する外部端末の表示例である。図9に示すように、表示内容は例えば、特徴量が類似する他のユーザのデータについて、共通しないデータを対象としても良い。具体的には、スマートライフサービスのユーザが、管理対象器として家族用の洗濯機を所有している場合に、類似する他のユーザが所有する、洗濯機以外の冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、IHクッキングヒータ、給湯器、及びエアコンなどの情報を取得しても良い。さらに、上記情報をもとに、スマートライフサービスのユーザが所有すると想定される、洗濯機以外の家電製品の消費電力及びそれらが宅内の全消費電力に占める割合について、仮想的に算出し表示しても良い。この処理により、スマートライフサービスのユーザが所有する管理対象器が洗濯機のみであっても、それ以外の機器の想定消費電力及びそれらが宅内の全消費電力に占める割合を推測し、リラックスと省エネを両立する行動の指針とすることができる。また、抽出された他のユーザが複数である場合、上記推測値はスマートライフサービスのユーザと特徴量が類似する他のユーザの平均値と解釈することができ、自身のライフスタイルの特徴をより客観的に把握できる。ここで、スマートライフサービスのユーザの情報と、他のユーザの情報を、色、形状、などを変化させ、視覚的に区別し(識別可能に)表示することで、スマートライフサービスのユーザはより直感的に情報を理解できる。
【0058】
また、特徴量が類似する他のユーザのデータには、抽出された当該ユーザが所有する管理対象器の制御情報を含んでも良い。例えば、類似する他のユーザのエアコンの設定情報、制御情報などを取得し、スマートライフサービスのユーザにフィードバックしても良い。これにより、リラックスと省エネを両立するエアコンの制御方法を具体的に把握することができる。さらに、「類似ユーザのデータに、リラックスと省エネを両立するエアコンの制御情報が含まれます。この情報を自動で反映しますか?」などのアドバイスを行い、YESが選択された場合は、上記他のユーザのエアコンの制御方法を、スマートライフサービスのユーザが所有する機器に、リモコンハックなどの手法を通じ自動で適用しても良い。これにより、リラックスと省エネを両立するエアコンの自動制御を実現できる。
【0059】
なお、上記アドバイス及び制御は、その対象とする機器に応じ内容を変更しても良い。具体的には、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器であれば過去の取得済みのデータを考慮し、類似する他のユーザの情報をベースとし、よりスマートライフサービスのユーザに最適化した制御方法に微調整し、実行することを提案しても良い。提案型のサービスを提供する自社の管理対象外器であれば、より適切な運転モードを説明しても良く、また、他社の管理対象外器であれば、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器に更新することのメリットを合わせて説明しても良い。
【0060】
なお、本実施例では、提案型のサービスを提供する自社の管理対象器と、類似ユーザが所有する機器の消費電力及び割合を識別可能に表示する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、提案型のサービスを提供する自社の管理対象機器及び自社の管理対象外器と、他社の管理対象外器を識別可能に表示する構成としても良い。すなわち、提案型のサービスを提供する自社の管理対象機器及び自社の管理対象外器並びに他社の管理対象外器のうち、少なくとも1つに関する情報を表示する構成としても良い。ここで、識別可能な表示とは、例えば、強調表示(ハイライト表示)又は色分け表示若しくは異なるハッチング表示などが挙げられる。
【0061】
以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、自身のライフスタイルの特徴をより客観的に把握できる。
また、例えば、リラックスと省エネを両立するエアコンの自動制御を実現できる。
【0062】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…家電情報の表示システム
11…情報取得部
12…判断部
13…比較部
13a…分析部
13b…類似条件探索部
14…記憶部
15…表示部
15a…表示内容決定部
15b…表示実行部
16…行動認識部
21…機器の動作に伴い発生したデータ
21a…センサデータ
21b…画像データ
21c…音声データ
31…対象者の情報
51…外部端末
52…インターフェース
53…ユーザの自宅
61…外部サーバ
61a…交通インフラを管理する会社の外部サーバ
61b…ビル・施設の管理会社の外部サーバ
61c…イベント会社の外部サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9