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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002432
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】移動体検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20241226BHJP
   G08G 1/095 20060101ALI20241226BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20241226BHJP
   G01V 8/20 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01H35/00 G
G08G1/095 D
G07B15/00 Z
H01H35/00 N
G01V8/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102606
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】上岡 進治
【テーマコード(参考)】
2G105
3E127
5G055
5H181
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF08
2G105HH04
2G105KK01
3E127AA16
3E127BA21
3E127CA16
3E127FA18
3E127FA25
5G055AA07
5G055AB01
5G055AC02
5G055AD10
5G055AE01
5G055AE03
5G055AE53
5G055AG19
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC09
5H181GG12
5H181GG13
5H181JJ26
(57)【要約】
【課題】透過部材とカバーとの間で、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることができる移動体検出装置を提供する。
【解決手段】移動体検出装置は、センサ光を発する発光部、又はセンサ光を受光する受光部が収容され、センサ光の光軸方向の第一側に向けて開口する開口端を有した収容部と、センサ光が通過可能な開口を有するカバーと、カバーと収容部との間に配置され、センサ光を透過する透過部材と、透過部材に対して光軸方向の第二側に配置され、透過部材を加熱するヒータユニットと、を備え、ヒータユニットは、透過部材に光軸方向の第二側から沿い、電熱線により加熱される第一伝熱体と、第一伝熱体とカバーとの間に挟み込まれて第一伝熱体からカバーに伝熱する第二伝熱体と、を備え、第一伝熱体と第二伝熱体とは、熱伝導率が異なる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ光を発する発光部、又は前記センサ光を受光する受光部が収容され、前記センサ光の光軸方向の第一側に向けて開口する開口端を有した収容部と、
前記収容部に対して前記光軸方向の第一側に配置され、前記センサ光が通過可能な開口を有するカバーと、
前記カバーと前記収容部との間に配置され、前記センサ光を透過する透過部材と、
前記透過部材に対して前記光軸方向の前記第一側とは反対の方向である第二側に配置され、前記透過部材を加熱するヒータユニットと、を備え、
前記ヒータユニットは、
前記収容部の内部に収容され、前記透過部材に対して前記光軸方向の第二側に配置された電熱線と、
前記透過部材に前記光軸方向の第二側から沿うように配置され、前記電熱線により加熱される第一伝熱体と、
前記第一伝熱体と前記カバーとの間に挟み込まれて前記第一伝熱体から前記カバーに伝熱する第二伝熱体と、を備え、
前記第一伝熱体と前記第二伝熱体とは、熱伝導率が異なる
移動体検出装置。
【請求項2】
前記第二伝熱体の熱伝導率が、前記第一伝熱体の熱伝導率よりも高い
請求項1に記載の移動体検出装置。
【請求項3】
前記第一伝熱体の熱伝導率が、前記第二伝熱体の熱伝導率よりも高い
請求項1に記載の移動体検出装置。
【請求項4】
前記第一伝熱体、及び前記第二伝熱体の各々は、熱伝導率が異なる複数種の材料のなかから選択された一つの前記材料により形成されている
請求項1から3の何れか一項に記載の移動体検出装置。
【請求項5】
前記発光部、又は前記受光部は、前記収容部内に上下方向に間隔をあけて複数備えられ、
前記第一伝熱体は、
前記上下方向に間隔をあけて形成され、前記センサ光が通過可能な複数の貫通孔と、
複数の前記貫通孔に対し、前記光軸方向、及び前記上下方向に交差する幅方向の両側において、それぞれ前記上下方向に延びる上下延伸部と、
前記貫通孔の上下において、前記幅方向に延び、前記幅方向の両側の前記上下延伸部同士を連結する連結部と、を備える
請求項1から3の何れか一項に移動体検出装置。
【請求項6】
前記第一伝熱体と、前記収容部の前記開口端の周縁部との間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第一止水部材、をさらに備える
請求項1から3の何れか一項に移動体検出装置。
【請求項7】
前記透過部材と前記第一伝熱体との間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第二止水部材、をさらに備える
請求項1から3の何れか一項に移動体検出装置。
【請求項8】
前記透過部材と前記カバーとの間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第三止水部材、をさらに備える
請求項1から3の何れか一項に移動体検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や有料道路、駐車場等において、無線通信を用いて料金の収受を自動的に行う料金所ゲートを備えた自動料金支払いシステムが用いられている。このような自動料金支払いシステムは、料金所ゲートへの車両の進入を検出する移動体検出装置を備える。この種の移動体検出装置には、センサ光を照射する発光部と、センサ光を受光する受光部とを、車両通行路を挟んで対向配置したものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、センサ光が透過可能な透過部と、透過部の外側に設けられたカバーと、を備えた構成の移動体検出装置が開示されている。このような構成において、降雪時等に、透過部やカバーに氷雪が付着すると、付着した氷雪によってセンサ光が遮られてしまうことがある。このため、この構成の移動体検出装置は、発熱体を備えるヒータ本体と、ヒータ本体とカバーとの間に挟まれて、ヒータ本体の熱をカバーに伝導させる伝導部材と、を備える。このような構成により、ヒータ本体で発した熱を透過部やカバーに伝導させて、降雪などにより付着した氷雪を融かし、氷雪の付着を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-135182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたような構成の移動体検出装置が設置される地域によって、風の強さ、降雪時期の気温、湿度等が異なることがある。すると、降雪する雪質が地域によって異なり、透過部とかバーとで氷雪の付着度合いが異なることがある。例えば、透過部よりもカバーに氷雪が多く付着したり、逆に、カバーよりも透過部に氷雪が多く付着する可能性がある。このような場合に、氷雪の付着が多い部分に合わせてヒータ本体で熱を加えると、氷雪の付着が少ない部分では、ヒータ本体で必要以上の熱が加えられることになる。結果として、余計な電力が消費されることがある。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、透過部材とカバーとの間で、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることができる移動体検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る移動体検出装置は、センサ光を発する発光部、又は前記センサ光を受光する受光部が収容され、前記センサ光の光軸方向の第一側に向けて開口する開口端を有した収容部と、前記収容部に対して前記光軸方向の第一側に配置され、前記センサ光が通過可能な開口を有するカバーと、前記カバーと前記収容部との間に配置され、前記センサ光を透過する透過部材と、前記透過部材に対して前記光軸方向の前記第一側とは反対の方向である第二側に配置され、前記透過部材を加熱するヒータユニットと、を備える。前記ヒータユニットは、前記収容部の内部に収容され、前記透過部材に対して前記光軸方向の第二側に配置された電熱線と、前記透過部材に前記光軸方向の第二側から沿うように配置され、前記電熱線により加熱され、前記透過部材よりも高い熱伝導率を有した材料から形成される第一伝熱体と、前記第一伝熱体と前記カバーとの間に挟み込まれて前記第一伝熱体から前記カバーに伝熱し、前記透過部材よりも高い熱伝導率を有した材料から形成される第二伝熱体と、を備え、前記第一伝熱体と前記第二伝熱体とは、熱伝導率が異なる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の移動体検出装置によれば、透過部材とカバーとの間で、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることができる移動体検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る移動体検出装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2】本開示の実施形態に係る移動体検出装置を構成する主要部品を示す斜視展開図である。
図3】本開示の実施形態に係る移動体検出装置の平断面図である。
図4】本開示の実施形態に係る移動体検出装置において、降雪時期における気温、湿度が異なる複数の地域における、透過部材の融雪能力と、カバーの融雪能力との設定条件の例を示す図である。
図5】本開示の実施形態の変形例に係る移動体検出装置の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(移動体検出装置の構成)
以下、本開示の実施形態に係る移動体検出装置について、図1図5を参照して説明する。
図1に示す本開示の実施形態における移動体検出装置としての車両検知ユニット1は、自動車等の車両(移動体)の通過を検出する。
車両検知ユニット1は、例えば、無線通信を用いて有料道路や駐車場等の料金所ゲートにおいて、自動的に料金の支払を行う自動料金支払システム(図示せず)の一部を構成する。自動料金支払システムは、路側に設置された路側アンテナと、自動車等の車両に搭載された車載器の車側アンテナとの通信タイミングを図るために料金所ゲートへの車両の進入を検出する必要がある。車両検知ユニット1は、料金所ゲートへの車両の進入を検出する。
【0011】
車両検知ユニット1は、第一ユニット2と、第二ユニット3と、を備える。
第一ユニット2,及び第二ユニット3は、車両の通行路Sを挟んだ両側に配置されている。
【0012】
第一ユニット2,及び第二ユニット3の一方は、発光部4を備える。
第一ユニット2,及び第二ユニット3の他方は、受光部5を備える。
本実施形態において、第一ユニット2が、発光部4を備え、第二ユニット3が、受光部5を備える。
【0013】
発光部4は、受光部5に向けて赤外線などのセンサ光Bを出力する。一方で、受光部5は、発光部4から出力されたセンサ光Bを受光しているか否かを検出する。例えば、通行路Sを走行している車両によってセンサ光Bが遮断され、予め設定された所定時間以上センサ光Bの受光が受光部5によって検出されなかった場合、上記車両検知ユニット1は、車両の通過を検知して、その検知情報を、自動料金支払システムの制御部などに出力する。自動料金支払システムの制御部は、車両通過の検知情報が入力されると、通行路S側に配される路側アンテナと、車載器の車側アンテナとの間における通信などを開始する。
【0014】
以下の説明において、発光部4と受光部5との間におけるセンサ光Bの照射方向を、光軸方向Dbと称する。光軸方向Dbは、通行路Sを挟んで配置された第一ユニット2と第二ユニット3とが対向する通行路Sの路幅方向Daに沿っている。水平面内で光軸方向Dbに直交する方向を、幅方向Dwと称する。光軸方向Db及び幅方向Dwに直交する方向を、上下方向Dvと称する。
【0015】
第一ユニット2は、支持筐体10と、発光部4を備えたユニット本体20Aと、を備える。
第二ユニット3は、支持筐体10と、受光部5を備えたユニット本体20Bと、を備える。
ユニット本体20Aと、ユニット本体20Bとは、ユニット本体20Aが発光部4を備えるのに対し、ユニット本体20Bが受光部5を備える構成のみが異なる。したがって、以下のユニット本体20A、20Bの説明においては、発光部4、受光部5を区別する必要がある場合を除き、ユニット本体20A、20Bを、単にユニット本体20と称し、その説明を共通化する。
【0016】
支持筐体10は、アンカーボルト等を介して地面に立設されている。
ユニット本体20は、支持筐体10に、ボルト等を介して接合されることで、支持筐体10に支持されている。
ユニット本体20は、上下方向Dvに延び、例えば、一般的な車両(例えば、普通車など)の高さよりも長尺に形成されている。
なお、第二ユニット3側の支持筐体10には、電源回路やインターフェース回路などが収容される箱体13が一体的に取り付けられている。
【0017】
図2及び図3に示すように、ユニット本体20は、シャーシ21と、ヒータユニット23と、第二伝熱体26と、透過部材27と、カバー29と、を主に備える。カバー29、透過部材27、第二伝熱体26、ヒータユニット23、シャーシ21は、この順で、光軸方向Dbの第一側Db1から第二側Db2に向けて順次配置されている。
第一ユニット2と、第二ユニット3とは、互いに対向して配置されている。このため、第一ユニット2のユニット本体20Aにおける光軸方向Dbの第一側Db1、及び第二側Db2と、第二ユニット3のユニット本体20Bにおける光軸方向Dbの第一側Db1、及び第二側Db2とは、互いに反対の方向を向いている。
各ユニット本体20は、光軸方向Dbの第一側Db1のカバー29を通行路S側に配置し、光軸方向Dbの第二側Db2のシャーシ21を通行路Sから離間する側に配置している。
【0018】
図3に示すように、シャーシ21は、背板21a、一対の側板21bと、一対の端板21cと、一対の外板21dと、を一体に有している。
シャーシ21は、例えばステンレス鋼等からなる金属板を、所定形状に折り曲げ加工することで形成されている。
シャーシ21は、上下方向Dvに延びる長尺に形成されている。
【0019】
シャーシ21は、上下方向Dvから見た際に、以下のような断面形状を有している。
背板21aは、シャーシ21において、最も光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。
背板21aは、上下方向Dvから見た際に、光軸方向Dbに直交する面に沿っている。
一対の側板21bは、背板21aの幅方向Dw外側の端部から、それぞれ光軸方向Dbの第一側Db1に向けて延出している。
一対の端板21cは、一対の側板21bの光軸方向Dbの第一側Db1の前縁から、それぞれ幅方向Dwの外側に延びている。
一対の外板21dは、一対の端板21cの幅方向Dw外側の端部から、それぞれ光軸方向Dbの第二側Db2に延びている。
【0020】
シャーシ21は、背板21aと、一対の側板21bとに囲まれて形成された、上下方向Dvから見て断面U字状(コ字状)の収容部21sを備える。
収容部21sは、光軸方向Dbの第一側Db1に向けて開口する開口端21eを有している。
一対の端板21cは、開口端21eの周縁部の一部を形成している。
【0021】
ユニット本体20Aの収容部21sには、基板22と、発光部4とが収容されている。
ユニット本体20Bの収容部21sには、基板22と、受光部5とが収容されている。
基板22は、上下方向Dvから見た際に、光軸方向Dbに直交する面に沿って、上下方向Dvに延びている。
発光部4は、基板22に、上下方向Dvに所定の間隔を隔てて複数配置されている。
発光部4は、センサ光Bとして、例えば赤外線を発する、赤外線LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を備える。
受光部5は、基板22に、上下方向Dvに所定の間隔を隔てて複数配置されている。
受光部5は、センサ光Bを受光する受光素子を備える。
本実施形態において、発光部4、及び受光部5は、ユニット本体20の上部における上下方向Dvの設置間隔よりも、ユニット本体20の下部における上下方向Dvの設置間隔が小さくなるように配置されている。
【0022】
ヒータユニット23は、シャーシ21に対して光軸方向Dbの第一側Db1に配置されている。
ヒータユニット23は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。
ヒータユニット23は、透過部材27と、カバー29とを加熱する。
ヒータユニット23は、第一伝熱体25と、ヒータ24と、を備える。
【0023】
第一伝熱体25は、上下方向Dvから見た際に、光軸方向Dbに直交する面に沿う板状に形成されている。
第一伝熱体25は、上下方向Dvに延びる長尺に形成されている。
第一伝熱体25は、上下方向Dvから見た際に、収容部21sの開口端21eの幅方向Dwの両側に跨がるように配置されている。
第一伝熱体25の幅方向Dwの両端部は、上下方向Dvから見た際に、シャーシ21の一対の端板21cに光軸方向Dbで対向している。
第一伝熱体25は、ヒータ24により加熱される。
第一伝熱体25は、例えば、アルミ合金等、後述する透過部材27よりも高い熱伝導率を有する材料から形成されているのが好ましいが、透過部材27よりも低い熱伝導率を有する材料から形成されていてもよい。
第一伝熱体25は、一定以上の熱容量を有するよう、光軸方向Dbに一定の厚さを有している。
【0024】
第一伝熱体25は、複数の貫通孔25hと、一対の上下延伸部25sと、複数の連結部25mと、を有している。
図2に示すように、複数の貫通孔25hは、第一伝熱体25に上下方向Dvに間隔をあけて形成されている。
各貫通孔25hは、板状の第一伝熱体25を、その板厚方向である光軸方向Dbに貫通している。
各貫通孔25hは、光軸方向Dbから見た際に、例えば矩形状に形成されている。各貫通孔25hは、光軸方向Dbから見た際に、例えば円形状、楕円形状などであってもよい。
【0025】
図3に示すように、各貫通孔25hは、収容部21sの開口端21eの内側で、収容部21s内に連通するよう形成されている。
各貫通孔25hは、光軸方向Dbにおいて、発光部4、又は受光部5と対向する位置に配置されている。
各貫通孔25hは、発光部4から発せられるセンサ光B、又は受光部5で受光されるセンサ光Bが通過可能に形成されている。
各貫通孔25hは、発光部4、受光部5の上下方向Dvの設置間隔に対応し、ユニット本体20の上部における上下方向Dvの設置間隔よりも、ユニット本体20の下部における上下方向Dvの設置間隔が小さくなるように配置されている。
【0026】
一対の上下延伸部25sは、複数の貫通孔25hに対し、幅方向Dwの両側に形成されている。
各上下延伸部25sは、上下方向Dvに延びている。
各上下延伸部25sは、光軸方向Dbにおいて、シャーシ21の一対の端板21cに対向している。
【0027】
連結部25mは、各貫通孔25hの上下に形成されている。
連結部25mは、上下方向Dvで隣り合う貫通孔25hの間に形成されている。
連結部25mは、幅方向Dwに延び、幅方向Dwの両側の上下延伸部25s同士を連結している。
連結部25mは、一対の上下延伸部25sと一体に形成されている。
このような第一伝熱体25は、光軸方向Dbから見た際に、上下方向Dvを長辺とする長方形状の金属板に、複数の貫通孔25hを形成することによって、構成されている。
【0028】
シャーシ21と第一伝熱体25との間には、第一止水部材31として、パッキン31pが挟み込まれている。
パッキン31pは、開口端21eの幅方向Dwの両側で、各上下延伸部25sと、各端板21cとの間に挟み込まれている。
パッキン31pは、開口端21eの幅方向Dwの両側で、それぞれ上下方向Dvに延びている。
パッキン31pは、上下延伸部25s、及び端板21cの上下方向Dvのほぼ全長にわたって配置されている。
幅方向Dwの両側のパッキン31p同士は、その下端部で互いに連結されている。
パッキン31pは、例えばクロロプレンゴム等のゴム系材料から形成されている。
第一止水部材31としては、パッキン31pに限らず、シーラント材等を用いることもできる。
第一伝熱体25の一対の上下延伸部25sとシャーシ21の一対の端板21cとの間にパッキン31pが挟み込まれることによって、第一伝熱体25に対して光軸方向Dbの第二側Db2の収容部21s内は、外部からの雨水等の侵入が抑えられている。
【0029】
ヒータ24は、外部から供給する電力により発熱する。
ヒータ24は、透過部材27、及び第一伝熱体25に対し、光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。
ヒータ24は、第一伝熱体25において、光軸方向Dbの第二側Db2を向く表面25fに沿って配置されている。
ヒータ24は、第一伝熱体25の各貫通孔25hの幅方向Dwの両側で、それぞれ上下延伸部25sに沿って延びている。
幅方向Dwの両側のヒータ24同士は、その下端部で互いに連結されている。
ヒータ24としては、例えば、コードヒータ等の電熱線24wが用いられている。
電熱線24wは、幅方向Dwにおいて、一対の側板21bの間に配置されている。
電熱線24wは、収容部21sの内部に収容されている。
電熱線24wは、第一伝熱体25の一対の上下延伸部25sを挟み、光軸方向Dbで透過部材27に対向している。
電熱線24wは、外部から供給される電力により発熱し、第一伝熱体25を加熱する。
【0030】
透過部材27は、ヒータユニット23に対して光軸方向Dbの第一側Db1に配置されている。
透過部材27は、カバー29に対して光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。
透過部材27は、光軸方向Dbにおいてカバー29と収容部21sとの間に配置されている。
透過部材27は、上下方向Dvから見た際に、光軸方向Dbに直交する面に沿っている。
透過部材27は、上下方向Dvに延びている。
透過部材27は、第一伝熱体25に形成された複数の貫通孔25hを、光軸方向Dbの第一側Db1から覆うように配置されている。
透過部材27は、各貫通孔25hを通るセンサ光Bを透過する材料から形成されている。
透過部材27は、例えば、ガラスから形成されている。透過部材27は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂系材料から形成してもよい。
【0031】
透過部材27は、上下方向Dvから見た際に、貫通孔25hに対して幅方向Dwの両側に延びるよう形成されている。
透過部材27の幅方向Dwの両端部27aは、第一伝熱体25の一対の上下延伸部25sに対し、光軸方向Dbの第一側Db1から対向している。つまり、第一伝熱体25は、透過部材27に光軸方向Dbの第二側Db2から沿うように配置されている。
【0032】
透過部材27の幅方向Dwの両端部27aと、一対の上下延伸部25sとは、それぞれ、第二止水部材32としての両面テープ32pによって貼り付けられている。
これにより、第二止水部材32は、透過部材27と、第一伝熱体25との間に挟み込まれている。
両面テープ32pは、例えばアクリルフォーム基材等の樹脂系材料を用いた、いわゆる防水テープである。この第二止水部材32としての両面テープ32pにより、透過部材27の幅方向Dwの両端部27aと、一対の上下延伸部25sとの間で、ある程度の止水性が保たれている。
第二止水部材32としては、両面テープ32p以外に、例えば、スポンジ、パッキン、シーラント材等を用いることができる。
【0033】
カバー29は、収容部21s、ヒータユニット23、及び透過部材27に対して光軸方向Dbの第一側Db1に配置されている。
カバー29は、前板部29aと、一対の側板部29bと、を有している。
前板部29aは、上下方向Dvから見た際に、光軸方向Dbに直交する面に沿っている。
前板部29aは、上下方向Dvに延びている。
前板部29aは、透過部材27よりも幅方向Dwの両側に延びている。
一対の側板部29bは、前板部29aの幅方向Dwの両側の端部から、それぞれ光軸方向Dbの第二側Db2に向けて延びている。
一対の側板部29bは、シャーシ21の一対の外板21dの幅方向Dw外側に沿って配置されている。
【0034】
前板部29aの幅方向Dwの中央部には、開口部29hが形成されている。
開口部29hは、前板部29aを光軸方向Dbに貫通している。
開口部29hは、上下方向に延びている。
開口部29hに対し、光軸方向Dbの第二側には、透過部材27が配置されている。
光軸方向Dbから見て、開口部29hの内側には、透過部材27が露出している。
開口部29hは、透過部材27を透過するセンサ光Bが通過可能に形成されている。
【0035】
透過部材27の幅方向Dwの両端部27aと、カバー29の前板部29aにおいて開口部29hの幅方向Dwの両側部分との間には、第三止水部材33が挟み込まれている。
第三止水部材33としては、例えば、クロロプレンゴム等のゴム系材料からなるスポンジ33sが用いられている。このスポンジ33sは、透過部材27の幅方向Dwの両端部27aと、カバー29の開口部29hの幅方向Dwの両側部分との間に、光軸方向Dbに圧縮状態で挟み込まれている。
第三止水部材33としては、スポンジ33s以外に、例えば、樹脂系材料を用いた両面テープ、パッキン、シーラント材等を用いることができる。
この第三止水部材33により、透過部材27の幅方向Dwの両端部27aと、カバー29の前板部29aにおいて開口部29hの幅方向Dwの両側部分との間で、ある程度の止水性が保たれている。
【0036】
第二伝熱体26は、第一伝熱体25とカバー29との間に挟み込まれている。
第二伝熱体26は、透過部材27の幅方向Dwの両側にそれぞれ配置されている。
幅方向Dwの両側の第二伝熱体26同士は、その下端部で互いに連結されている。
第二伝熱体26は、光軸方向Dbにおいて、第一伝熱体25の上下延伸部25sと、カバー29の前板部29aとの間に挟み込まれている。
第二伝熱体26の幅方向Dw内側の内端部25aは、幅方向Dwで透過部材27に接触、または近接している。
第二伝熱体26の光軸方向Dbにおける厚さは、透過部材27の光軸方向Dbにおける厚さと同等に設定されている。
第二伝熱体26は、透過部材27よりも高い熱伝導率を有する材料から形成されているのが好ましいが、透過部材27よりも低い熱伝導率を有する材料から形成されていてもよい。
【0037】
カバー29、第二伝熱体26、第一伝熱体25、第一止水部材31、及びシャーシ21の一対の端板21cは、開口部29h、透過部材27、及び貫通孔25hの幅方向Dwの両側で、それぞれ図示しないビス(図示せず)によって締結されている。
【0038】
図1及び図2に示すように、ユニット本体20の頂部には、蓋体28が備えられている。
蓋体28は、ユニット本体20のシャーシ21、ヒータユニット23、第二伝熱体26、透過部材27、カバー29等を上方から覆っている。
【0039】
このような車両検知ユニット1においては、第一ユニット2の複数の発光部4のそれぞれから、センサ光Bを発する。センサ光Bは、第一ユニット2の貫通孔25h、透過部材27、開口部29hを通り、第二ユニット3に向けて照射される。第一ユニット2から照射されたセンサ光Bは、第二ユニット3の開口部29h、透過部材27、貫通孔25hを通して、受光部5で受光される。車両検知ユニット1は、通行路Sを通過する車両によって、複数の発光部4から発光されるセンサ光Bの少なくとも一部が遮られることで、車両等の通過を検知する。
【0040】
車両検知ユニット1の第一ユニット2,第二ユニット3は、それぞれ、ヒータユニット23のヒータ24が熱を発すると、その熱は、第一伝熱体25を介して透過部材27に伝達される。
これにより、第一伝熱体25は、主に透過部材27を加熱している。
また、ヒータ24の熱は、第一伝熱体25、及び第二伝熱体26を介して、透過部材27、及びカバー29に伝達される。
これにより、第二伝熱体26は、主にカバー29を加熱している。
第二伝熱体26から伝達されるヒータ24の熱により、カバー29は、前板部29aだけでなく、側板部29bも加熱される。
また、ヒータ24の熱は、第二伝熱体26の内端部25aから透過部材27へも伝達される。
このようにして、透過部材27、及びカバー29が加熱され、降雪時等における氷雪の付着を抑えている。
【0041】
このような車両検知ユニット1において、第一伝熱体25と第二伝熱体26とは、熱伝導率が異なっている。
例えば、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率を、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率よりも高くしてもよい。この場合、第二伝熱体26により主に加熱されるカバー29の融雪能力を、第一伝熱体25により主に加熱される透過部材27の融雪能力よりも高めることができる。
また、例えば、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率を、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率よりも高くしてもよい。この場合、第一伝熱体25により主に加熱される透過部材27の融雪能力を、第二伝熱体26により主に加熱されるカバー29の融雪能力よりも高めることができる。
【0042】
第一伝熱体25、及び第二伝熱体26の各々は、熱伝導率が異なる複数種の材料のなかから選択された一つの材料により形成されている。
第一伝熱体25、及び第二伝熱体26の各々を形成する、熱伝導率が異なる複数種の材料としては、銅(熱伝導率:386W(m・K))、アルミニウム(熱伝導率:237W(m・K))、耐食性アルミニウム(熱伝導率:127W(m・K))、鉄(熱伝導率:72W(m・K))、鉛(熱伝導率:35W(m・K))、SUS304(熱伝導率:16W(m・K))、SUS430(熱伝導率:10W(m・K))、シリコーン樹脂(熱伝導率:0.35W(m・K))、エポキシ樹脂(熱伝導率:0.3W(m・K))、クロロプレンゴム(熱伝導率:0.25W(m・K))等が例示できる。
第一伝熱体25、及び第二伝熱体26の各々は、上記に例示した、熱伝導率が異なる複数種の材料のなかから、要求される透過部材27の融雪能力と、カバー29の融雪能力とに基づいて、一つの材料が選択される。
【0043】
図4は、降雪時期における気温、湿度が異なる複数の地域における、透過部材27の融雪能力と、カバー29の融雪能力との設定条件の例を示す図である。
図4に示すように、降雪時期における気温、湿度が異なる複数の地域として、北海道地方、東北地方、北陸地方、信州地方、関西北部、関西中部を例示した。
これらの地域において、風の強い地域、風の弱い地域、あまり降らない(降雪頻度が低い)、滅多に降らない(降雪頻度がとても低い)といったように、風や降雪頻度に基づいて、地域の特徴を設定した。
また、各地域で降雪する代表的な雪質を、粉雪、淡雪、ボタン雪、細雪、べた雪、水雪といった分類で設定した。
これらの各地域において、透過部材27の融雪能力と、カバー29の融雪能力との比の設定例を、数値で示した。
また、ヒータ容量を、要求される透過部材27、およびカバー29の融雪能力の総量に応じて、10~150(W)の間で設定した。
例えば、北海道の風の強い地域では、ヒータ容量130(W)を、透過部材27の融雪能力が3、カバー29の融雪能力が10となるように設定している。例えば、関西北部のあまり雪が降らない風の弱い地域では、ヒータ容量20(W)を、透過部材27の融雪能力が1、カバー29の融雪能力が1となるように設定している。
図4で示した各項目は、あくまでも例示であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0044】
第一伝熱体25、及び第二伝熱体26の各々は、図4に例示したような透過部材27の融雪能力と、カバー29の融雪能力との設定条件の例に近づくように、熱伝導率が異なる材料を選定する。
【0045】
(作用効果)
本実施形態では、ヒータユニット23が、透過部材27を加熱することで、降雪時等に、透過部材27に付着した氷雪を融かすことができる。これにより、氷雪の付着により、センサ光Bの透過が妨げられることが抑えられる。透過部材27は、カバー29と収容部21sとの間に配置されている。ヒータユニット23は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第一側Db1とは反対の方向である第二側Db2に配置されている。つまり、ヒータユニット23は、カバー29、及び透過部材27に対して、光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。これにより、降雪時に散布される融雪剤を含んだ水等が、ヒータユニット23に直接付着するのを抑えることができる。
また、電熱線24wで発する熱は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第二側Db2に沿うように配置された第一伝熱体25を介して透過部材27に伝達される。さらに、第一伝熱体25とカバー29との間に第二伝熱体26が挟み込まれることで、電熱線24wで発した熱を、第一伝熱体25から第二伝熱体26を経て、カバー29に伝達することができる。したがって、カバー29への氷雪の付着を有効に抑えることができ、氷雪によって開口部29hが閉塞されることが抑えられる。
このような車両検知ユニット1において、第一伝熱体25と第二伝熱体26とで、熱伝導率が異なることで、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27と、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25から第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29とで、加熱度合いを異ならせることができる。
これにより、透過部材27とカバー29との間で、氷雪の付着度合い等に応じて、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率と、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率を選定することで、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることが可能となる。
【0046】
また、第二伝熱体26の熱伝導率を、第一伝熱体25の熱伝導率よりも高くすることで、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27よりも、電熱線24wで発する熱が第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29で、加熱度合い高めることができる。
【0047】
また、第一伝熱体25の熱伝導率を、第二伝熱体26の熱伝導率よりも高くすることで、電熱線24wで発する熱が第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29よりも、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27で、加熱度合い高めることができる。
【0048】
また、第一伝熱体25、及び前記第二伝熱体26の各々は、熱伝導率が異なる複数種の材料のなかから選択された一つの前記材料により形成されている。
これにより、透過部材27、及びカバー29の各々における氷雪の付着度合い等に応じて、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率と、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率を適切に選定することで、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることが可能となる。
【0049】
また、ヒータユニット23は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第二側Db2に配置された電熱線24wを含む。
これにより、電熱線24wで発する熱により、透過部材27を加熱することができる。電熱線24wは、ラバーヒータ等に比較すると安価であり、そのレイアウトや、ヒータ容量も容易に変更可能である。
【0050】
また、電熱線24wは、収容部21sの内部に収容されている。
これにより、融雪剤を含んだ水等が電熱線24wに直接付着することを、より効果的に抑えることができる。
【0051】
また、第一伝熱体25は、貫通孔25hの上下において、幅方向Dwの両側の上下延伸部25s同士を連結する連結部25mを備える。
電熱線24wで発する熱は、各貫通孔25hの幅方向Dw両側の上下延伸部25sと、上下の連結部25mとに伝わる。これにより、第一伝熱体25により、貫通孔25hの周囲全体で透過部材27を加熱することができる。したがって、透過部材27において、センサ光Bが通過する貫通孔25hに対応した部分への氷雪の付着を、より効果的に抑えることができる。
【0052】
また、第一伝熱体25と収容部21sの開口端21eの周縁部との間に第一止水部材31が挟み込まれている。
このため、収容部21sの内部への水の浸入を抑えることができる。これにより、電熱線24wが収納部材の内部に配置されている場合、電熱線24wへの悪影響を、より効果的に抑えることができる。
【0053】
また、透過部材27と第一伝熱体25との間に、第二止水部材32が挟み込まれている。これにより、ヒータユニット23側への水の浸入を抑えることができる。
【0054】
また、透過部材27とカバー29との間に、第三止水部材33が挟み込まれている。これによっても、ヒータユニット23側への水の浸入を抑えることができる。
【0055】
(実施形態の変形例)
図5は、本開示の実施形態の変形例に係る移動体検出装置の平断面図である。
図5に示すように、第一ユニット2、第二ユニット3を構成するユニット本体20において、例えば、第二伝熱体26の一部に中空部26Kを形成するようにしてもよい。
図5に例示する中空部26Kは、例えば、上下方向Dvから見た際、第二伝熱体26の中央部に、上下方向Dvに延びるように形成されている。
中空部26Kの位置、形状、数は、図5に例示したものに限らず、適宜変更可能である。
このような中空部26Kを形成することにより、中空部26K内には、空気(熱伝導率:0.027W(m・K))が存在する。すなわち、第二伝熱体26は、第二伝熱体26自体を形成する材料と、中空部26K内の空気とからなる熱伝導率を有することになる。
また、本変形例では、第二伝熱体26の一部に中空部26Kを形成するようにしたが、第一伝熱体25の一部に、中空部を形成するようにしてもよい。
さらに、中空部26K内に、空気に代えて、熱伝導率が異なる他の材料を充填するようにしてもよい。
【0056】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲とその均等の範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では、車両検知ユニット1により、通行路Sを通行する車両を検知するようにしたが、通行路Sを通行する車両としては、例えば、自動車の他に、自動車によって牽引される牽引車両、自動二輪車、原動機付き自転車等を含んでいてもよい。 また、移動体検出装置は、車両の通行路S以外に設置することもでき、例えば、自転車、歩行者等を検知するようにしてもよい。さらに、移動体検出装置は、例えば、搬送装置で搬送される物品を検知するものであってもよい。
【0057】
<付記>
実施形態に記載の移動体検出装置は、例えば以下のように把握される。
【0058】
(1)第1の態様に係る移動体検出装置1は、センサ光Bを発する発光部4、又は前記センサ光Bを受光する受光部5が収容され、前記センサ光Bの光軸方向Dbの第一側Db1に向けて開口する開口端21eを有した収容部21sと、前記収容部21sに対して前記光軸方向Dbの第一側Db1に配置され、前記センサ光Bが通過可能な開口を有するカバー29と、前記カバー29と前記収容部21sとの間に配置され、前記センサ光Bを透過する透過部材27と、前記透過部材27に対して前記光軸方向Dbの第一側Db1とは反対の方向である第二側Db2に配置され、前記透過部材27を加熱するヒータユニット23と、を備え、前記ヒータユニット23は、前記収容部21sの内部に収容され、前記透過部材27に対して前記光軸方向の第二側に配置された電熱線24wと、前記透過部材27に前記光軸方向Dbの第二側Db2から沿うように配置され、前記電熱線24wにより加熱される第一伝熱体25と、前記第一伝熱体25と前記カバー29との間に挟み込まれて前記第一伝熱体25から前記カバー29に伝熱する第二伝熱体26と、を備え、前記第一伝熱体25と前記第二伝熱体26とは、熱伝導率が異なる。
移動体の例としては、自動車、自動車によって牽引される牽引車両、自動二輪車、原動機付き自転車、自転車、歩行者、搬送装置で搬送される物品が挙げられる。
【0059】
この移動体検出装置1によれば、ヒータユニット23が、透過部材27を加熱することで、降雪時等に、透過部材27に付着した氷雪を融かすことができる。これにより、氷雪の付着により、センサ光Bの透過が妨げられることが抑えられる。透過部材27は、カバー29と収容部21sとの間に配置されている。ヒータユニット23は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第一側Db1とは反対の方向である第二側Db2に配置されている。つまり、ヒータユニット23は、カバー29、及び透過部材27に対して、光軸方向Dbの第二側Db2に配置されている。これにより、降雪時に散布される融雪剤を含んだ水等が、ヒータユニット23に直接付着するのを抑えることができる。
また、電熱線24wで発する熱は、透過部材27に対して光軸方向Dbの第二側Db2に沿うように配置された第一伝熱体25を介して透過部材27に伝達される。さらに、第一伝熱体25とカバー29との間に第二伝熱体26が挟み込まれることで、電熱線24wで発した熱を、第一伝熱体25から第二伝熱体26を経て、カバー29に伝達することができる。したがって、カバー29への氷雪の付着を有効に抑えることができ、氷雪によって開口部29hが閉塞されることが抑えられる。
このような移動体検出装置1において、第一伝熱体25と第二伝熱体26とで、熱伝導率が異なることで、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27と、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25から第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29とで、加熱度合いを異ならせることができる。
これにより、透過部材27とカバー29との間で、氷雪の付着度合い等に応じて、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率と、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率を選定することで、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることが可能となる。
【0060】
(2)第2の態様に係る移動体検出装置1は、(1)の移動体検出装置1であって、前記第二伝熱体の熱伝導率が、前記第一伝熱体の熱伝導率よりも高い。
【0061】
これにより、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27よりも、電熱線24wで発する熱が第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29で、加熱度合い高めることができる。
【0062】
(3)第3の態様に係る移動体検出装置1は、(1)の移動体検出装置1であって、前記第一伝熱体の熱伝導率が、前記第二伝熱体の熱伝導率よりも高い。
【0063】
これにより、電熱線24wで発する熱が第二伝熱体26を経て伝達されるカバー29よりも、電熱線24wで発する熱が第一伝熱体25を介して伝達される透過部材27で、加熱度合い高めることができる。
【0064】
(4)第4の態様に係る移動体検出装置1は、(1)から(3)の何れか一つの移動体検出装置1であって、前記第一伝熱体、及び前記第二伝熱体の各々は、熱伝導率が異なる複数種の材料のなかから選択された一つの前記材料により形成されている。
【0065】
これにより、透過部材27、及びカバー29の各々における氷雪の付着度合い等に応じて、第一伝熱体25を形成する材料の熱伝導率と、第二伝熱体26を形成する材料の熱伝導率を適切に選定することで、効率良く加熱を行い、氷雪の付着を有効に抑えることが可能となる。
【0066】
(5)第5の態様に係る移動体検出装置1は、(1)から(4)の何れか一つの移動体検出装置1であって、前記発光部4、又は前記受光部5は、前記収容部21s内に上下方向Dvに間隔をあけて複数備えられ、前記第一伝熱体25は、前記上下方向Dvに間隔をあけて形成され、前記センサ光Bが通過可能な複数の貫通孔25hと、複数の前記貫通孔25hに対し、前記光軸方向Db、及び前記上下方向Dvに交差する幅方向Dwの両側において、それぞれ前記上下方向Dvに延びる上下延伸部25sと、前記貫通孔25hの上下において、前記幅方向Dwに延び、前記幅方向Dwの両側の前記上下延伸部25s同士を連結する連結部25mと、を備える。
【0067】
これにより、収容部21s内に上下方向Dvに間隔をあけて複数配置された発光部4で発せられるセンサ光B、又は受光部5で受光されるセンサ光Bは、第一伝熱体25の貫通孔25hを通過する。第一伝熱体25は、複数の貫通孔25hの幅方向Dwの両側に配置された上下延伸部25sに加えて、貫通孔25hの上下において幅方向Dwの両側の上下延伸部25s同士を連結する連結部25mを備える。このため、電熱線24wで発する熱は、各貫通孔25hの幅方向Dw両側の上下延伸部25sと、上下の連結部25mとに伝わる。これにより、第一伝熱体25により、貫通孔25hの周囲全体で透過部材27を加熱することができる。したがって、透過部材27において、センサ光Bが通過する貫通孔25hに対応した部分への氷雪の付着を、より効果的に抑えることができる。
【0068】
(6)第6の態様に係る移動体検出装置1は、(1)から(5)の何れか一つの移動体検出装置1であって、前記第一伝熱体25と、前記収容部21sの前記開口端21eの周縁部との間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第一止水部材31、をさらに備える。
第一止水部材31の例としては、パッキン、シーラント材が挙げられる。
【0069】
これにより、第一伝熱体25と収容部21sの開口端21eの周縁部との間に挟み込まれた第一止水部材31により、収容部21sの内部への水の浸入を抑えることができる。これにより、電熱線24wが収容部21sの内部に配置されている場合、電熱線24wへの悪影響を、より効果的に抑えることができる。
【0070】
(7)第7の態様に係る移動体検出装置1は、(1)から(6)の何れか一つの移動体検出装置1であって、前記透過部材27と前記第一伝熱体25との間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第二止水部材32、をさらに備える。
第二止水部材32の例としては、樹脂系材料を用いた両面テープ、スポンジ、パッキン、シーラント材が挙げられる。
【0071】
これにより、透過部材27と第一伝熱体25との間に挟み込まれた第二止水部材32により、ヒータユニット23側への水の浸入を抑えることができる。
【0072】
(8)第8の態様に係る移動体検出装置1は、(1)から(7)のいずれか一つの移動体検出装置1であって、前記透過部材27と前記カバー29との間に挟み込まれ、止水性を有した材料から形成される第三止水部材33、をさらに備える。
第三止水部材33の例としては、樹脂系材料を用いた両面テープ、スポンジ、パッキン、シーラント材が挙げられる。
【0073】
これにより、透過部材27とカバー29との間に挟み込まれた第三止水部材33により、ヒータユニット23側への水の浸入を抑えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…車両検知ユニット(移動体検出装置)
2…第一ユニット
3…第二ユニット
4…発光部
5…受光部
10…支持筐体
13…箱体
20、20A、
20B…ユニット本体
21…シャーシ
21a…背板
21b…側板
21c…端板
21d…外板
21e…開口端
21s…収容部
22…基板
23…ヒータユニット
24…ヒータ
24w…電熱線
25…第一伝熱体
25a…内端部
25f…表面
25h…貫通孔
25m…連結部
25s…上下延伸部
26…第二伝熱体
26K…中空部
27…透過部材
27a…両端部
28…蓋体
29…カバー
29a…前板部
29b…側板部
29h…開口部
31…第一止水部材
31p…パッキン
32…第二止水部材
32p…両面テープ
33…第三止水部材
33s…スポンジ
B…センサ光
Da…路幅方向
Db…光軸方向
Db1…第一側
Db2…第二側
Dv…上下方向
Dw…幅方向
S…通行路
図1
図2
図3
図4
図5