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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024337
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】信号送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/19 20150101AFI20250213BHJP
【FI】
H04B17/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128371
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 暁弘
(72)【発明者】
【氏名】下羽 利明
(72)【発明者】
【氏名】深田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮武 遼
(72)【発明者】
【氏名】関口 真良
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智暁
(72)【発明者】
【氏名】板倉 邦治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大介
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 文雄
(57)【要約】
【課題】回路規模の増大と装置コストを抑制すること。
【解決手段】入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、複数の異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、複数の異なる周波数のパイロット信号を分波する分波部と、分波部により分波された信号を用いて複数の異なる周波数のパイロット信号の少なくとも2つ以上のパイロット信号を検波する1以上の検波部と、分波部により分波された複数の異なる周波数のパイロット信号それぞれを所定の周期で1以上の検波部へ出力するように出力対象を切り替える切替部と、切替部の出力対象と、出力先とを所定の周期で接続するように切替部を制御する制御部と、を備える信号送信装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、複数の異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波する分波部と、
前記分波部により分波された信号を用いて前記複数の異なる周波数のパイロット信号の少なくとも2つ以上のパイロット信号を検波する1以上の検波部と、
前記分波部により分波された複数の異なる周波数のパイロット信号それぞれを所定の周期で前記1以上の検波部へ出力するように出力対象を切り替える切替部と、
前記切替部の出力対象と、出力先とを前記所定の周期で接続するように前記切替部を制御する制御部と、
を備える信号送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記パイロット信号生成部が生成するパイロット信号の生成周期と同期をとることによって、前記切替部の出力対象と、出力先とを前記所定の周期で接続するように前記切替部を制御する、
請求項1に記載の信号送信装置。
【請求項3】
入力信号と、前記パイロット信号生成部が生成する前記複数の異なる周波数のパイロット信号とを合波する合波部と、
前記合波部によって合波された信号を光変調して光信号に変換する第1変換部と、
前記第1変換部により変換された前記光信号を電気信号に変換する第2変換部と、
をさらに備え、
前記分波部は、前記第2変換部により変換された前記電気信号に含まれる前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波する、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【請求項4】
入力信号と、前記パイロット信号生成部が生成する前記複数の異なる周波数のパイロット信号とを合波する合波部と、
前記合波部によって合波された信号をFM(Frequency Modulation)一括変換してFM一括変換信号を生成するFM一括変換部と、
前記FM一括変換部によって生成された前記FM一括変換信号を復調する復調部と、
をさらに備え、
前記分波部は、前記復調部により復調された前記FM一括変換信号に含まれる前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波する、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【請求項5】
前記1以上の検波部は、複数の検波部であり、
前記分波部は、前記複数の検波部のうち一部の検波部と直接接続され、前記複数の検波部のうち残りの検波部と前記切替部を介して接続され、前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波した一部のパイロット信号を直接接続される前記一部の検波部に出力し、前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波した残りのパイロット信号を、前記切替部を介して前記残りの検波部に出力する、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号送信装置として、入力信号の内部処理を行う処理部の異常を検出するために用いるパイロット信号を生成するパイロット信号生成部を備える信号送信装置が知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。このような信号送信装置では、入力信号の周波数帯域が広帯域に及ぶ場合、帯域の異なる複数のパイロット信号を生成するために複数のパイロット信号生成部を備える。パイロット信号は、信号送信装置の内部で検波され、途中の処理部の異常検出の判断のために用いられることがある。この仕組みは受信装置に備わる仕組みと同等である。
【0003】
図11は、従来の信号送信装置100の構成例を示す図である。図8では、信号送信装置の一例として、FM(Frequency Modulation)一括変換方式が適用される通信システムが備える信号送信装置100を示している。信号送信装置100は、電気信号分岐部110と、パイロット信号生成部120と、合波部130と、電気信号異常検出部140と、電気信号増幅部150と、FM一括変換信号生成部160と、電気・光変換部170と、光信号増幅部180と、光信号分岐部190と、復調信号異常検出部200と、監視部210と、警報処理部220とを備える。なお、一部の機能部から監視部210に延びている点線は、制御信号を表す。
【0004】
信号送信装置100には、入力信号として、複数の周波数帯の信号が入力される。例えば、信号送信装置100には、入力信号として、周波数帯域が70~770MHzの信号(なお、非特許文献1では47~864MHz)と、1000~2100MHzの信号(なお、非特許文献1では1000~2150MHz)とが入力されたとする。なお、信号送信装置100に入力される入力信号の周波数帯は一例である。以下では、一例として、周波数帯域が70~770MHzの信号と、1000~2100MHzの信号とが入力信号として信号送信装置100に入力されるものとして説明する。電気信号分岐部110は、外部から入力された入力信号を分岐して合波部130と電気信号異常検出部140とに出力する。パイロット信号生成部120は、複数の異なる周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部120は、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号と、885MHz近傍の周波数のパイロット信号と、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。
【0005】
合波部130は、電気信号分岐部110により分岐された入力信号と、パイロット信号生成部120から出力された複数のパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部130は、生成した多重信号を電気信号増幅部150に出力する。電気信号増幅部150は、合波部130から出力された多重信号を増幅してFM一括変換信号生成部160に出力する。
【0006】
電気信号異常検出部140は、入力信号の電力レベルの異常を検出する。電気信号異常検出部140は、入力信号の電力レベルの異常の有無を示す検出結果を監視部210に出力する。FM一括変換信号生成部160は、電気信号増幅部150により増幅された多重信号をFM一括変換して、広帯域FM信号であるFM一括変換信号を生成して電気・光変換部170及び監視部210に出力する。電気・光変換部170は、FM一括変換信号生成部160により生成されたFM一括変換信号を光信号に変換して光信号増幅部180及び監視部210に出力する。光信号増幅部180は、電気・光変換部170から出力された光信号を増幅して光信号分岐部190及び監視部210に出力する。
【0007】
光信号分岐部190は、光信号増幅部180によって増幅された光信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部200に出力する。復調信号異常検出部200は、光信号分岐部190により分岐された光信号を再度電気信号に変換して、FM復調をした後、復調信号の状態検出を行う。例えば、復調信号異常検出部200が行う状態検出は、入力された復調信号に含まれるパイロット信号の周波数帯のレベル異常検出である。復調信号異常検出部200は、測定レベルの情報を監視部210に出力する。
【0008】
監視部210は、電気信号異常検出部140、FM一括変換信号生成部160、電気・光変換部170、光信号増幅部180及び復調信号異常検出部200から出力された各信号に基づいて各機能部の異常を検出する。例えば、監視部210は、以下の異常を検出する。監視部210は、電気信号異常検出部140から出力された信号に基づいて、入力されたキャリア信号の電力レベルの異常を検出する。さらに、監視部210は、FM一括変換信号生成部160から出力された信号に基づいて、入力されたFM一括変換信号の中心周波数の異常を検出する。さらに、監視部210は、電気・光変換部170から出力された信号に基づいて、電気・光変換部170における光変換レベルの異常を検出する。さらに、監視部210は、光信号増幅部180から出力された信号に基づいて、光増幅出力の異常を検出する。さらに、監視部210は、メモリに保持している正常状態の信号のレベルの情報と、復調信号異常検出部200により復調された信号のレベルの情報とを比較して、異常状態を判別している。監視部210は、異常を検出した場合、警報処理部220により警報を出力させる。
【0009】
図12は、従来の復調信号異常検出部200の構成例を示す図である。復調信号異常検出部200は、光・電気変換部201と、復調部202と、分波部203と、複数の検波部204-1~204-3とを備える。光・電気変換部201は、光信号分岐部190により分岐された光信号を電気信号に変換する。これにより、FM一括変換信号が復元される。復調部202は、光・電気変換部201により変換された電気信号(FM一括変換信号)に対してFM復調を行う。これにより、合波部130から出力された多重信号が復調される。
【0010】
分波部203は、復調部202により復調された多重信号を周波数帯に応じて分波する。例えば、分波部203は、70MHz~770MHzの周波数帯の信号を検波部204-1に分波し、770MHz~960MHzの周波数帯の信号を検波部204-2に分波し、960MHz~2100MHzの周波数帯の信号を検波部204-3に分波する。検波部204-1~204-3は、分波部203により分波された信号に含まれるパイロット信号を検波する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】“Transmission equipment for transferring multi-channel television signals over optical access networks by frequency modulation conversion” ITU-T Rec. J. 185, 2012.
【非特許文献2】“Transmission equipment for multi-channel television signals over optical access networks by sub-carrier multiplexing (SCM)” ITU-T Rec. J. 186, 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、複数のパイロット信号を検波する必要がある装置では、パイロット信号の数に応じて検波部の数も増大する。そのため、パイロット信号の数に応じて回路規模が増大してしまい、装置コストも増大してしまうという問題があった。なお、このような問題は、図11に示したFM一括変換を行う信号送信装置に限らず、周波数帯域が広帯域な入力信号が入力される信号送信装置全般に共通する問題である。
【0013】
上記事情に鑑み、本発明は、回路規模の増大と装置コストを抑制することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、複数の異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、前記複数の異なる周波数のパイロット信号を分波する分波部と、前記分波部により分波された信号を用いて前記複数の異なる周波数のパイロット信号の少なくとも2つ以上のパイロット信号を検波する1以上の検波部と、前記分波部により分波された複数の異なる周波数のパイロット信号それぞれを所定の周期で前記1以上の検波部へ出力するように出力対象を切り替える切替部と、前記切替部の出力対象と、出力先とを前記所定の周期で接続するように前記切替部を制御する制御部と、を備える信号送信装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明により回路規模の増大と装置コストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態における信号送信装置の構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態における復調信号異常検出部の構成例を示す図である。
図3】第1の実施形態における切替部の構成例を示す図である。
図4】第1の実施形態の信号送信装置における切替部の切り替えタイミング制御を説明するための図である。
図5】第2の実施形態における復調信号異常検出部の構成例を示す図である。
図6】第2の実施形態における切替部の構成例を示す図である。
図7】第2の実施形態の信号送信装置における切替部の切り替えタイミング制御を説明するための図である。
図8】第3の実施形態における復調信号異常検出部の構成例を示す図である。
図9】第3の実施形態における切替部の構成例を示す図である。
図10】第3の実施形態の信号送信装置における切替部の切り替えタイミング制御を説明するための図である。
図11】従来の信号送信装置の構成例を示す図である。
図12】従来の復調信号異常検出部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における信号送信装置10の構成例を示す図である。信号送信装置10には、周波数帯域が広帯域な入力信号が外部から入力される。外部から入力される入力信号は、例えば映像信号から得られるキャリア信号であってもよい。信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22とを備える。なお、一部の機能部から監視部21に延びている点線は、制御信号を表す。
【0018】
電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、監視部21と、警報処理部22は、基本的には図11の示す同名の機能部(電気信号分岐部110、パイロット信号生成部120、合波部130、電気信号異常検出部140、電気信号増幅部150、FM一括変換信号生成部160、電気・光変換部170、光信号増幅部180、光信号分岐部190、監視部210及び警報処理部220)と同様の処理を行う。以下、相違点を中心に説明する。
【0019】
相違点を説明するにあたり、前提となる複数の異なる周波数のパイロット信号について説明する。パイロット信号生成部12は、複数の異なる周波数のパイロット信号を生成する機能を有する。パイロット信号生成部12が生成するパイロット信号は、入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用の信号である。以下の説明では、入力信号として、70~770MHzの周波数帯の信号と、1000~2100MHzの周波数帯の信号とが含まれるものとして説明する。このように信号送信装置10には、周波数帯域が広帯域な入力信号が入力される。
【0020】
パイロット信号生成部12は、入力信号に含まれる複数の周波数帯のレベル異常検出のために、第1のパイロット信号と、第2のパイロット信号と、第3のパイロット信号とを生成する。例えば、第1のパイロット信号は70MHz近傍の周波数のパイロット信号であり、第2のパイロット信号は885MHz近傍の周波数のパイロット信号であり、第3のパイロット信号は2100MHz近傍の周波数のパイロット信号である。パイロット信号生成部12は、入力信号の周波数近傍の周波数を有するパイロット信号を生成すればよく、パイロット信号の周波数は上記の周波数に限定されない。なお、上記の各パイロット信号は、1台のパイロット信号生成部12で生成されてもよいし、複数のパイロット信号生成部12で生成されてもよい。
【0021】
復調信号異常検出部20は、光信号分岐部19により分岐された光信号を入力とする。復調信号異常検出部20は、入力した光信号を再度電気信号に変換してFM復調をした後に、復調信号に含まれる各パイロット信号を異なるタイミングで検波する。例えば、復調信号異常検出部20は、ある時間aにおいて第1のパイロット信号を検波し、ある時間bにおいて第2のパイロット信号を検波し、ある時間cにおいて第3のパイロット信号を検波する。このように、復調信号異常検出部20は、パイロット信号を検波するタイミングを制御することによって、検波部を共用する。なお、以下の説明では、時間a,b,cは、同じ時間間隔であるものして説明するが、時間a,b,cは異なる時間間隔であってもよい。
【0022】
図2は、第1の実施形態における復調信号異常検出部20の構成例を示す図である。復調信号異常検出部20は、光・電気変換部31と、復調部32と、分波部33と、切替部34と、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36とを備える。
【0023】
光・電気変換部31は、光信号分岐部19により分岐された光信号を電気信号に変換する。
【0024】
復調部32は、光・電気変換部31により変換された電気信号(例えば、FM一括変換信号)に対してFM復調を行う。これにより、合波部13から出力された多重信号が復調される。
【0025】
分波部33は、復調部32により復調された多重信号を周波数帯に応じて分波する。例えば、分波部33は、70MHz~770MHzの周波数帯の信号と、770MHz~960MHzの周波数帯の信号と、960MHz~2100MHzの周波数帯の信号とに分波する。分波部33は、分波した各周波数帯の信号を切替部34に出力する。
【0026】
切替部34は、制御部36の制御に従って、分波部33から出力された各周波数帯の信号の出力対象と、出力先とを切り替える。切替部34は、例えば制御部36から指示(切り替え指示)された出力対象を、指示された出力先から出力するように経路を切り替える。
【0027】
検波部35-1~35-2は、切替部34から出力された信号を入力とする。検波部35-1~35-2は、入力された信号に含まれるパイロット信号を検波する。例えば、検波部35-1は、第1のパイロット信号(図2では、パイロット信号[1])を検波し、検波部35-2は、第2のパイロット信号及び第3のパイロット信号(図2では、パイロット信号[2]及びパイロット信号[3])を検波する。このように、検波部35-2は、入力された信号において処理可能な周波数範囲に含まれるパイロット信号を検波する。
【0028】
検波部35-1~35-2は、非同期検波を行う構成であってもよいし、同期検波を行う構成であってもよい。切替部34がパイロット信号生成部12と同期して動作する場合には、検波部35-1~35-2は非同期検波を行う構成であってもよい。
【0029】
制御部36は、パイロット信号生成部12の制御と、切替部34の制御とを行う。なお、パイロット信号生成部12によるパイロット信号の生成周期と同期をとる必要がない場合には、制御部36は切替部34のみを制御すればよい。以下の説明では、パイロット信号生成部12によるパイロット信号の生成周期と同期をとる必要があるものとして説明する。制御部36は、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0030】
制御部36は、パイロット信号生成部12において生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部36は、ある時間aにおいてパイロット信号生成部12に対して第1のパイロット信号を生成させ、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12に対して第2のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12に対して第3のパイロット信号を生成させる。さらに、制御部36は、切替部34に対する切り替え指示を出力することによって、切替部34に入力される各周波数帯の信号の出力対象と、出力先とを切り替える。切り替え指示は、切替部34の出力対象と、出力先とを接続するように経路を切り替えさせるための指示であり、例えば出力対象となる信号が入力される入力端子と、出力先である出力端子を示す情報が含まれる。
【0031】
制御部36は、例えばある時間aにおいて、切替部34の出力対象として第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35-1が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせ、時間bにおいて、切替部34の出力対象として第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35-2が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせ、時間cにおいて、切替部34の出力対象として第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35-2が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせる。
【0032】
図3は、第1の実施形態における切替部34の構成例を示す図である。図3に示すように、切替部34は、スイッチ部341を備える。スイッチ部341は、複数の入力端子342~344と、接続部345と、複数の出力端子346~347とで構成される。スイッチ部341は、制御部36からの切り替え指示に応じて、いずれかの入力端子といずれかの出力端子とを、接続部345を介して接続する。これにより、切替部34は、分波部33により分波された各周波数帯の信号を所定の周期で出力先に出力する。図3に示す例では、分波部33により分波された第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子342に入力され、分波部33により分波された第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子343に入力され、分波部33により分波された第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子344に入力される。
【0033】
切替部34は、入力端子342と出力端子346とを接続することにより、第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子346に接続される検波部35-1に出力する。切替部34は、入力端子343と出力端子347とを接続することにより、第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子347に接続される検波部35-2に出力する。切替部34は、入力端子344と出力端子347とを接続することにより、第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子347に接続される検波部35-2に出力する。
【0034】
図4は、第1の実施形態の信号送信装置10における切替部34の切り替えタイミング制御を説明するための図である。なお、図4において(1)は第1のパイロット信号を表し、(2)は第2のパイロット信号を表し、(3)は第3のパイロット信号を表す。図4において横軸は時刻tを表し、縦軸は検波部35の動作タイミングを示している。図4に示すように、制御部36は、時間aにおいて切替部34を制御して、入力端子342と出力端子346とを接続させる。これにより、切替部34は、時間aの期間中に入力端子342と出力端子346とを接続するように接続を切替、入力端子342に入力された信号を検波部35-1に出力する。その結果、検波部35-1は、時間aの期間中において切替部34から出力された信号を用いて第1のパイロット信号を検波する。
【0035】
次に、制御部36は、時間bの期間になると、切替部34を制御して、入力端子343と出力端子347とを接続させる。これにより、切替部34は、時間bの期間中に入力端子343と出力端子347とを接続するように接続を切替、入力端子343に入力された信号を検波部35-2に出力する。その結果、検波部35-2は、時間bの期間中において切替部34から出力された信号を用いて第2のパイロット信号を検波する。
【0036】
次に、制御部36は、時間cの期間になると、切替部34を制御して、入力端子344と出力端子347とを接続させる。これにより、切替部34は、時間cの期間中に入力端子344と出力端子347とを接続するように接続を切替、入力端子344に入力された信号を検波部35-2に出力する。その結果、検波部35-2は、時間cの期間中において切替部34から出力された信号を用いて第3のパイロット信号を検波する。
【0037】
なお、図4に示した動作は一例であり、検波部35-1が複数の周波数の異なるパイロット信号を検波する場合には、制御部36は検波部35-1が検波するパイロット信号を含む周波数帯の信号が検波部35-1に出力されるように切替部34を制御する。
【0038】
以上のように構成された信号送信装置10によれば、制御部36は、1つの検波部35において異なる周波数のパイロット信号を検波させるように、切替部34の出力対象となるパイロット信号を含む周波数帯の信号を出力させるタイミングをずらす。これにより、特定の時間帯において、ある周波数のパイロット信号が存在しない時間帯が生じるが、常時監視を行わないのであれば複数のパイロット信号を1つの検波部35で処理できるため、検波部35の数を減らすことができる。映像伝送システムでは、監視条件が非常に厳しいサービスに適用されるが、時間間隔を短くすることで十分に適用することができる。このように、1つの検波部35において異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を検波させるため、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、分波部により分波された各周波数帯の信号を切替部で順番に切り替えて、処理を行う対象となる検波部に出力する構成を示した。第2の実施形態では、一部の検波部において特定の周波数帯の信号を常時監視し、他の検波部において、分波部により分波された各周波数帯の信号を特定の周期で切替部に切り替えさせて監視する構成について説明する。なお、第2の実施形態において信号送信装置が備える構成は第1の実施形態と同様である。第2の実施形態は、復調信号異常検出部の構成が第1の実施形態と異なる。以下、相違点を中心に説明する。
【0040】
図5は、第2の実施形態における復調信号異常検出部20aの構成例を示す図である。復調信号異常検出部20aは、光・電気変換部31と、復調部32と、分波部33aと、切替部34aと、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36aとを備える。
【0041】
分波部33aは、復調部32により復調された多重信号を周波数帯に応じて分波する。例えば、分波部33aは、70MHz~770MHzの周波数帯の信号と、770MHz~960MHzの周波数帯の信号と、960MHz~2100MHzの周波数帯の信号とに分波する。分波部33aは、分波した特定の周波数帯の信号を検波部35-1に出力し、他の周波数帯の信号を切替部34aに出力する。例えば、分波部33aは、分波した70MHz~770MHzの周波数帯の信号を検波部35-1に出力し、770MHz~960MHzの周波数帯の信号と、960MHz~2100MHzの周波数帯の信号とを切替部34aに出力する。
【0042】
切替部34aは、制御部36aの制御に従って、分波部33aから出力された各周波数帯の信号の出力対象と、出力先とを切り替える。切替部34aは、例えば制御部36aから指示(切り替え指示)された出力対象を、指示された出力先から出力するように経路を切り替える。
【0043】
制御部36aは、パイロット信号生成部12の制御と、切替部34aの制御とを行う。なお、パイロット信号生成部12によるパイロット信号の生成周期と同期をとる必要がない場合には、制御部36aは切替部34aのみを制御すればよい。制御部36aは、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0044】
制御部36aは、パイロット信号生成部12において生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部36aは、ある時間aにおいてパイロット信号生成部12に対して第1のパイロット信号を生成させ、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12に対して第2のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12に対して第3のパイロット信号を生成させる。さらに、制御部36aは、切替部34aに対する切り替え指示を出力することによって、切替部34aに入力される各周波数帯の信号の出力対象と、出力先とを切り替える。
【0045】
制御部36aは、例えばある時間aにおいて、切替部34aの出力対象として第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35-2が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせ、時間bにおいて、切替部34aの出力対象として第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35-2が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせる。
【0046】
図5に示すように、分波部33aは、切替部34aを介さずに検波部35-1に接続されている。このように、第2の実施形態では、分波部33aから出力される特定の周波数帯の信号は検波部35-1に入力される。これにより、検波部35-1では、入力された特定の周波数帯の信号を常時監視する。
【0047】
図6は、第2の実施形態における切替部34aの構成例を示す図である。図6に示すように、切替部34aは、スイッチ部341aを備える。スイッチ部341aは、複数の入力端子343~344と、出力端子347とで構成される。スイッチ部341aは、制御部36aからの切り替え指示に応じて、いずれかの入力端子と出力端子とを接続する。これにより、切替部34aは、分波部33aにより分波された各周波数帯の信号を所定の周期で出力先に出力する。
【0048】
図6に示す例では、分波部33aにより分波された第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子343に入力され、分波部33aにより分波された第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子344に入力される。切替部34aは、入力端子343と出力端子347とを接続することにより、第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子347に接続される検波部35-2に出力する。切替部34aは、入力端子344と出力端子347とを接続することにより、第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子347に接続される検波部35-2に出力する。
【0049】
図7は、第2の実施形態の信号送信装置10における切替部34aの切り替えタイミング制御を説明するための図である。なお、図7において(1)は第1のパイロット信号を表し、(2)は第2のパイロット信号を表し、(3)は第3のパイロット信号を表す。図7において横軸は時刻tを表し、縦軸は検波部35の動作タイミングを示している。図5に示したように、分波部33aと検波部35-1とは直接接続されている。したがって、検波部35-1に対しては、第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号が常時出力される。そのため検波部35-1は分波部33aから出力された信号を用いて第1のパイロット信号を常時検波する。
【0050】
制御部36aは、時間aにおいて切替部34aを制御して、入力端子343と出力端子347とを接続させる。これにより、切替部34aは、時間aの期間中に入力端子343と出力端子347とを接続するように接続を切替、入力端子343に入力された信号を検波部35-2に出力する。その結果、検波部35-2は、時間aの期間中において切替部34aから出力された信号を用いて第2のパイロット信号を検波する。
【0051】
次に、制御部36aは、時間bの期間になると、切替部34aを制御して、入力端子344と出力端子347とを接続させる。これにより、切替部34aは、時間bの期間中に入力端子344と出力端子347とを接続するように接続を切替、入力端子344に入力された信号を検波部35-2に出力する。その結果、検波部35-2は、時間bの期間中において切替部34aから出力された信号を用いて第3のパイロット信号を検波する。
【0052】
第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、切替部34aに2つの周波数帯の信号が入力される。そのため、三番目のタイミングである時間cの期間になると、制御部36aは、切替部34aを制御して、入力端子343と出力端子347とを接続させる。これにより、切替部34aは、時間cの期間中に入力端子343と出力端子347とを接続するように接続を切替、入力端子343に入力された信号を検波部35-2に出力する。その結果、検波部35-2は、時間cの期間中において切替部34aから出力された信号を用いて第3のパイロット信号を検波することになる。その後は、制御部36aは、時間が経過するたびに、切替部34aの接続を一定に時間で切り替えて、分波部33aから出力される信号を順番に出力させる。
【0053】
なお、図7に示した動作は一例であり、検波部35-1が複数の周波数の異なるパイロット信号を検波し、分波部33aと検波部35-2とを直接接続する場合には、制御部36aは検波部35-1が検波するパイロット信号を含む周波数帯の信号が検波部35-1に出力されるように切替部34aの接続を時間で切り替えるように制御する。
【0054】
以上のように構成された信号送信装置10aによれば、複数の検波部35のうち、特定の周波数帯の信号は1つの検波部35(例えば、検波部35-1)で常時監視させ、他の周波数帯の信号それぞれを1つの検波部35(例えば、検波部35-2)で異なるタイミングで処理させる。このように、特定の周波数帯の信号は常時監視させつつ、第1の実施形態と同じように1つの検波部35において異なる周波数のパイロット信号を検波させるように、切替部34の出力対象となるパイロット信号を含む周波数帯の信号を出力させるタイミングをずらす。これにより、検波部35の数を減らすことができ、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、分波部により分波された各周波数帯の信号を切替部で順番に切り替えて、1つの検波部に順番に出力する構成について説明する。なお、第3の実施形態において信号送信装置が備える構成は第1の実施形態と同様である。第3の実施形態は、復調信号異常検出部の構成が第1の実施形態と異なる。以下、相違点を中心に説明する。
【0056】
図8は、第3の実施形態における復調信号異常検出部20bの構成例を示す図である。復調信号異常検出部20bは、光・電気変換部31と、復調部32と、分波部33と、切替部34bと、検波部35と、制御部36bとを備える。
【0057】
切替部34bは、制御部36bの制御に従って、分波部33から出力された各周波数帯の信号の出力対象を切り替える。切替部34bは、例えば制御部36bから指示(切り替え指示)された出力対象を検波部35に出力するように経路を切り替える。
【0058】
制御部36bは、パイロット信号生成部12の制御と、切替部34bの制御とを行う。なお、パイロット信号生成部12によるパイロット信号の生成周期と同期をとる必要がない場合には、制御部36bは切替部34bのみを制御すればよい。制御部36bは、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0059】
制御部36bは、パイロット信号生成部12において生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部36bは、ある時間aにおいてパイロット信号生成部12に対して第1のパイロット信号を生成させ、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12に対して第2のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12に対して第3のパイロット信号を生成させる。さらに、制御部36bは、切替部34bに対する切り替え指示を出力することによって、切替部34bに入力される各周波数帯の信号の出力対象と、出力先とを切り替える。
【0060】
制御部36bは、例えばある時間aにおいて、切替部34bの出力対象として第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせ、時間bにおいて、切替部34bの出力対象として第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせ、時間cにおいて、切替部34bの出力対象として第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力される入力端子と、出力先である検波部35が接続される出力端子とを接続するように経路を切り替えさせる。
【0061】
このように、第3の実施形態では、分波部33から出力される各周波数帯の信号を切替部34bから順番に1つの検波部35に出力させる。これにより、検波部35では、入力された周波数帯の信号を順番に監視する。
【0062】
図9は、第3の実施形態における切替部34bの構成例を示す図である。図9に示すように、切替部34bは、スイッチ部341bを備える。スイッチ部341bは、複数の入力端子342~344と、出力端子348とで構成される。スイッチ部341bは、制御部36bからの切り替え指示に応じて、いずれかの入力端子と出力端子とを接続する。これにより、切替部34bは、分波部33により分波された各周波数帯の信号を所定の周期で出力先に出力する。
【0063】
図9に示す例では、分波部33により分波された第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子342に入力され、分波部33により分波された第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子343に入力され、分波部33により分波された第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号が入力端子344に入力される。切替部34bは、入力端子342と出力端子348とを接続することにより、第1のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子348に接続される検波部35に出力する。切替部34bは、入力端子343と出力端子348とを接続することにより、第2のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子348に接続される検波部35に出力する。切替部34bは、入力端子344と出力端子348とを接続することにより、第3のパイロット信号を含む周波数帯の信号を、出力端子348に接続される検波部35に出力する。
【0064】
図10は、第3の実施形態の信号送信装置10における切替部34bの切り替えタイミング制御を説明するための図である。なお、図10において(1)は第1のパイロット信号を表し、(2)は第2のパイロット信号を表し、(3)は第3のパイロット信号を表す。図10において横軸は時刻tを表し、縦軸は検波部35の動作タイミングを示している。
【0065】
制御部36bは、時間aにおいて切替部34bを制御して、入力端子342と出力端子348とを接続させる。これにより、切替部34bは、時間aの期間中に入力端子342と出力端子348とを接続するように接続を切替、入力端子342に入力された信号を検波部35に出力する。その結果、検波部35は、時間aの期間中において切替部34bから出力された信号を用いて第1のパイロット信号を検波する。
【0066】
次に、制御部36bは、時間bの期間になると、切替部34bを制御して、入力端子343と出力端子348とを接続させる。これにより、切替部34bは、時間bの期間中に入力端子343と出力端子348とを接続するように接続を切替、入力端子343に入力された信号を検波部35に出力する。その結果、検波部35は、時間bの期間中において切替部34bから出力された信号を用いて第2のパイロット信号を検波する。
【0067】
次に、制御部36bは、時間cの期間になると、切替部34bを制御して、入力端子344と出力端子348とを接続させる。これにより、切替部34bは、時間cの期間中に入力端子344と出力端子348とを接続するように接続を切替、入力端子344に入力された信号を検波部35に出力する。その結果、検波部35は、時間cの期間中において切替部34bから出力された信号を用いて第3のパイロット信号を検波する。
【0068】
以上のように構成された信号送信装置10bによれば、制御部36bが、1つの検波部35に入力させる信号を、切替部34bで順次切り替えて入力させる。このように、第3の実施形態では、1つの検波部35で、パイロット信号生成部12が生成する全てのパイロット信号を処理させる。これにより、検波部35の数を減らすことができ、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0069】
(第1の実施形態から第3の実施形態に共通する変形例1)
上述した各実施形態における信号送信装置10では、FM一括変換及び光信号への変換を行うように構成されているが、信号送信装置10は電気信号を送信する信号送信装置であってもよい。このように構成される場合、第1の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、分波部33と、切替部34と、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36とを備える。分波部33は、電気信号増幅部15から出力された多重信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33は、分波した各周波数帯の信号を切替部34に出力する。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0070】
なお、電気信号増幅部15から出力された多重信号を外部に出力する場合には、信号送信装置10は光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20は、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0071】
第2の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、復調信号異常検出部20aと、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して復調信号異常検出部20aに出力する。復調信号異常検出部20aは、分波部33aと、切替部34aと、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36aとを備える。分波部33aは、電気信号増幅部15から出力された多重信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33aは、分波した特定の周波数帯の信号を検波部35-1に出力し、他の周波数帯の信号を切替部34aに出力する。この場合、復調信号異常検出部20aは、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0072】
なお、合波部13から出力された多重信号を外部に出力する場合には、第2の実施形態における信号送信装置10は光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20aに出力する。復調信号異常検出部20aは、電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20aは、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20aは、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0073】
第3の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、復調信号異常検出部20bと、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して復調信号異常検出部20bに出力する。復調信号異常検出部20bは、分波部33と、切替部34bと、検波部35と、制御部36bとを備える。分波部33は、電気信号増幅部15から出力された多重信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33は、分波した各周波数帯の信号を切替部34bに出力する。この場合、復調信号異常検出部20bは、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0074】
なお、合波部13から出力された多重信号を外部に出力する場合には、第2の実施形態における信号送信装置10は光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20aに出力する。復調信号異常検出部20bは、電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20bは、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20bは、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0075】
(第1の実施形態から第3の実施形態に共通する変形例2)
上述した各実施形態における信号送信装置10では、FM一括変換を行うように構成されているが、信号送信装置10はFM一括変換を行わない信号送信装置であってもよい。このように構成される場合、第1の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、電気・光変換部17と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、電気信号増幅部15により増幅された多重信号を光信号に変換して復調信号異常検出部20及び監視部21に出力する。復調信号異常検出部20は、光・電気変換部31と、分波部33と、切替部34と、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36とを備える。光・電気変換部31は、電気・光変換部17により変換された光信号を電気信号に変換する。光・電気変換部31は、変換した電気信号を分波部33に出力する。分波部33は、光・電気変換部31から出力された電気信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33は、分波した各周波数帯の信号を切替部34に出力する。信号送信装置10がFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20はFM復調を行わなくてよい。
【0076】
第2の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、電気・光変換部17と、復調信号異常検出部20aと、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、電気信号増幅部15により増幅された多重信号を光信号に変換して復調信号異常検出部20a及び監視部21に出力する。復調信号異常検出部20aは、光・電気変換部31と、分波部33aと、切替部34aと、複数の検波部35-1~35-2と、制御部36aとを備える。光・電気変換部31は、電気・光変換部17により変換された光信号を電気信号に変換する。光・電気変換部31は、変換した電気信号を分波部33aに出力する。分波部33aは、光・電気変換部31はから出力された電気信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33aは、分波した特定の周波数帯の信号を検波部35-1に出力し、他の周波数帯の信号を切替部34aに出力する。信号送信装置10がFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20aはFM復調を行わなくてよい。
【0077】
第3の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、電気・光変換部17と、復調信号異常検出部20bと、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、電気信号増幅部15により増幅された多重信号を光信号に変換して復調信号異常検出部20b及び監視部21に出力する。復調信号異常検出部20bは、光・電気変換部31と、分波部33と、切替部34bと、検波部35と、制御部36bとを備える。光・電気変換部31は、電気・光変換部17により変換された光信号を電気信号に変換する。光・電気変換部31は、変換した電気信号を分波部33に出力する。分波部33は、光・電気変換部31から出力された電気信号を周波数帯に応じて分波する。分波部33は、分波した各周波数帯の信号を切替部34bに出力する。信号送信装置10がFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20bはFM復調を行わなくてよい。
【0078】
上述した実施形態における信号送信装置10をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0079】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0080】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10…信号送信装置, 11…電気信号分岐部, 12…パイロット信号生成部, 13…合波部, 14…電気信号異常検出部, 15…電気信号増幅部, 16…FM一括変換信号生成部, 17…電気・光変換部, 18…光信号増幅部, 19…光信号分岐部, 20、20a、20b…復調信号異常検出部, 21…監視部, 22…警報処理部, 31…光・電気変換部, 32…復調部, 33、33a…分波部, 34、34a、34b…切替部, 35、35-1~35-2…検波部, 36、36a、36b…制御部, 341、341a、341b…スイッチ部, 342~344…入力端子, 345…接続部, 346~348…出力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12