(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024360
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】信号送信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 17/19 20150101AFI20250213BHJP
【FI】
H04B17/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128409
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 暁弘
(72)【発明者】
【氏名】下羽 利明
(72)【発明者】
【氏名】宮武 遼
(72)【発明者】
【氏名】深田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】関口 真良
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智暁
(72)【発明者】
【氏名】板倉 邦治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大介
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 文雄
(57)【要約】
【課題】回路規模の増大と装置コストを抑制すること。
【解決手段】入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、パイロット信号生成部に対して、所定の周期で異なる周波数のパイロット信号を生成させる制御部と、を備える信号送信装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
前記パイロット信号生成部に対して、所定の周期で異なる周波数のパイロット信号を生成させる制御部と、
を備える信号送信装置。
【請求項2】
前記パイロット信号生成部が生成するパイロット信号の出力経路を切り替える切替部、をさらに備え、
前記制御部は、前記入力信号として異なる周波数帯の複数の入力信号が異なる経路から入力される場合、前記切替部を制御して、前記パイロット信号生成部が生成するパイロット信号の出力経路を所定の周期で切り替える、
請求項1に記載の信号送信装置。
【請求項3】
前記入力信号と、前記パイロット信号生成部が生成するパイロット信号とを合波する合波部と、
前記合波部によって合波された信号を光変調して光信号に変換する変換部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【請求項4】
前記入力信号と、前記パイロット信号生成部が生成するパイロット信号とを合波する合波部と、
前記合波部によって合波された信号をFM(Frequency Modulation)一括変換してFM一括変換信号を生成するFM一括変換部と、をさらに備える、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【請求項5】
前記入力信号には、第1の周波数帯の信号と第2の周波数帯の信号とが含まれ、
前記制御部は、前記第1の周波数帯と前記第2の周波数帯との間隔が閾値未満である場合、前記第1の周波数帯と前記第2の周波数帯との間における周波数のパイロット信号を前記パイロット信号生成部に生成させる、
請求項1又は2に記載の信号送信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記パイロット信号生成部を制御する第1制御部と、前記切替部を制御する第2制御部を含む、
請求項2に記載の信号送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号送信装置として、入力信号の内部処理を行う処理部の異常を検出するために用いるパイロット信号を生成するパイロット信号生成部を備える信号送信装置が知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。このような信号送信装置では、入力信号の周波数帯域が広帯域に及ぶ場合、帯域の異なる複数のパイロット信号を生成するために複数のパイロット信号生成部を備える。
【0003】
図8は、複数のパイロット信号生成部を備える信号送信装置100の構成例を示す図である。
図8では、信号送信装置の一例として、FM(Frequency Modulation)一括変換方式が適用される通信システムに備えられる信号送信装置100を示している。信号送信装置100は、電気信号分岐部110と、複数のパイロット信号生成部120-1~120-4と、合波部130と、電気信号異常検出部140と、電気信号増幅部150と、FM一括変換信号生成部160と、電気・光変換部170と、光信号増幅部180と、光信号分岐部190と、復調信号異常検出部200と、監視部210と、警報処理部220とを備える。なお、一部の機能部から監視部210に延びている点線は、制御信号を表す。
【0004】
信号送信装置100には、入力信号として、複数の周波数帯の信号が入力される。例えば、信号送信装置100には、入力信号として、周波数帯域が70~770MHzの信号(なお、非特許文献1では47~864MHz)と、1000~2100MHzの信号(なお、非特許文献1では1000~2150MHz)とが入力されたとする。なお、信号送信装置100に入力される入力信号の周波数帯は一例である。以下では、一例として、周波数帯域が70~770MHzの信号と、1000~2100MHzの信号とが入力信号として信号送信装置100に入力されるものとして説明する。電気信号分岐部110は、外部から入力された入力信号を分岐して合波部130と電気信号異常検出部140とに出力する。パイロット信号生成部120-1~120-4は、互いに異なる周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部120-1は、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部120-2は、例えば770MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部120-3は、例えば1000MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部120-4は、例えば2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。
【0005】
合波部130は、電気信号分岐部110により分岐された入力信号と、パイロット信号生成部120-1~120-4それぞれから出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部130は、生成した多重信号を電気信号増幅部150に出力する。電気信号増幅部150は、合波部130から出力された多重信号を増幅してFM一括変換信号生成部160に出力する。
【0006】
電気信号異常検出部140は、入力信号の電力レベルの異常を検出する。電気信号異常検出部140は、入力信号の電力レベルの異常の有無を示す検出結果を監視部210に出力する。FM一括変換信号生成部160は、電気信号増幅部150により増幅された多重信号をFM一括変換して、広帯域FM信号であるFM一括変換信号を生成して電気・光変換部170及び監視部210に出力する。電気・光変換部170は、FM一括変換信号生成部160により生成されたFM一括変換信号を光信号に変換して光信号増幅部180及び監視部210に出力する。光信号増幅部180は、電気・光変換部170から出力された光信号を増幅して光信号分岐部190及び監視部210に出力する。
【0007】
光信号分岐部190は、光信号増幅部180によって増幅された光信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部200に出力する。復調信号異常検出部200は、光信号分岐部190により分岐された光信号を再度電気信号に変換して、FM復調をした後、復調信号(FM一括変換信号)の状態検出を行う。例えば、復調信号異常検出部200が行う状態検出は、入力された復調信号の特定の周波数帯のレベル異常検出である。復調信号異常検出部200は、測定レベルの情報を監視部210に出力する。
【0008】
監視部210は、電気信号異常検出部140、FM一括変換信号生成部160、電気・光変換部170、光信号増幅部180及び復調信号異常検出部200から出力された各信号に基づいて各機能部の異常を検出する。例えば、監視部210は、以下の異常を検出する。監視部210は、電気信号異常検出部140から出力された信号に基づいて、入力されたキャリア信号の電力レベルの異常を検出する。さらに、監視部210は、FM一括変換信号生成部160から出力された信号に基づいて、入力されたFM一括変換信号の中心周波数の異常を検出する。さらに、監視部210は、電気・光変換部170から出力された信号に基づいて、電気・光変換部170における光変換レベルの異常を検出する。さらに、監視部210は、光信号増幅部180から出力された信号に基づいて、光増幅出力の異常を検出する。さらに、監視部210は、メモリに保持している正常状態の信号のレベルの情報と、復調信号異常検出部200により復調された信号のレベルの情報とを比較して、異常状態を判別している。監視部210は、異常を検出した場合、警報処理部220により警報を出力させる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“Transmission equipment for transferring multi-channel television signals over optical access networks by frequency modulation conversion” ITU-T Rec. J. 185, 2012.
【非特許文献2】“Transmission equipment for multi-channel television signals over optical access networks by sub-carrier multiplexing (SCM)” ITU-T Rec. J. 186, 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、従来の信号送信装置の構成では、パイロット信号の数に応じてパイロット信号生成部の数も増大する。そのため、パイロット信号の数に応じて回路規模が増大してしまい、装置コストも増大してしまうという問題があった。なお、このような問題は、
図8に示したFM一括変換を行う信号送信装置に限らず、周波数帯域が広帯域な入力信号が入力される信号送信装置全般に共通する問題である。
【0011】
上記事情に鑑み、本発明は、回路規模の増大と装置コストを抑制することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用のパイロット信号として、異なる周波数のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、前記パイロット信号生成部に対して、所定の周期で異なる周波数のパイロット信号を生成させる制御部と、を備える信号送信装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により回路規模の増大と装置コストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態における信号送信装置の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における信号送信装置におけるパイロット信号のタイミング制御を説明するための図である。
【
図3】第2の実施形態における信号送信装置の構成例を示す図である。
【
図4】第2の実施形態における切替部の構成例を示す図である。
【
図5】第3の実施形態における信号送信装置の構成例を示す図である。
【
図6】第3の実施形態における信号送信装置におけるパイロット信号のタイミング制御を説明するための図である。
【
図7】第4の実施形態における信号送信装置の構成例を示す図である。
【
図8】複数のパイロット信号生成部を備える信号送信装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における信号送信装置10の構成例を示す図である。信号送信装置10には、周波数帯域が広帯域な入力信号が外部から入力される。外部から入力される入力信号は、例えば映像信号から得られるキャリア信号であってもよい。信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、複数のパイロット信号生成部12-1~12-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、制御部23とを備える。なお、一部の機能部から監視部21に延びている点線は、制御信号を表す。
【0016】
電気信号分岐部11と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22は、基本的には
図8の示す同名の機能部(電気信号分岐部110、電気信号異常検出部14、電気信号増幅部150、FM一括変換信号生成部160、電気・光変換部170、光信号増幅部180、光信号分岐部190、復調信号異常検出部200、監視部210及び警報処理部220)と同様の処理を行う。以下、相違点を中心に説明する。
【0017】
パイロット信号生成部12-1~12-2は、複数の周波数のパイロット信号を生成する機能を有する。パイロット信号生成部12-1~12-2が生成するパイロット信号は、入力信号における特定の周波数帯のレベル異常検出のために用いる監視用の信号である。以下の説明では、入力信号として、70~770MHzの周波数帯の信号と、1000~2100MHzの周波数帯の信号とが含まれるものとして説明する。
【0018】
パイロット信号生成部12-1は、70~770MHzの周波数帯のレベル異常検出のために、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号と、770MHz近傍の周波数のパイロット信号とを生成する。パイロット信号生成部12-2は、1000~2100MHzの周波数帯のレベル異常検出のために、例えば1000MHz近傍の周波数のパイロット信号と、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを生成する。パイロット信号生成部12-1~12-2は、制御部23からの制御に従って異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12-1~12-2は、入力信号の周波数近傍の周波数を有するパイロット信号を生成すればよく、パイロット信号の周波数は上記の周波数に限定されない。
【0019】
制御部23は、各パイロット信号生成部12それぞれにおいて生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部23は、ある時間aにおいてパイロット信号生成部12-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12-1に対して770MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12-2に対して1000MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間dにおいてパイロット信号生成部12-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させる。このように、制御部23は、パイロット信号生成部12でパイロット信号を生成させるタイミングを制御することによって、1つのパイロット信号生成部12において複数の周波数のパイロット信号を生成させる。制御部23は、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0020】
合波部13は、電気信号分岐部11により分岐された入力信号と、パイロット信号生成部12-1~12-2それぞれから出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部13は、生成した多重信号を電気信号増幅部15に出力する。
【0021】
図2は、第1の実施形態における信号送信装置10におけるパイロット信号のタイミング制御を説明するための図である。
図2において横軸は時刻tを表し、縦軸はパイロット信号生成部12-1~12-2それぞれの動作タイミングを示している。
図2に示すように、制御部23は、時間aにおいてパイロット信号生成部12-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12-1は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間aの期間中において、入力信号と70MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0022】
次に、制御部23は、時間bの期間になると、パイロット信号生成部12-1に対して770MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12-1は、時間bの期間中において、70MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を停止して、770MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間bの期間中において、入力信号と770MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0023】
次に、制御部23は、時間cの期間になると、パイロット信号生成部12-1に対してパイロット信号の生成を停止させ、パイロット信号生成部12-2に対して1000MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12-1は、時間cの期間中に停止状態(OFF状態)となる。これに対して、パイロット信号生成部12-2は、時間cの期間中に動作状態(ON状態)となり、1000MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間cの期間中において、入力信号と1000MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0024】
次に、制御部23は、時間dの期間になると、パイロット信号生成部12-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12-2は、時間dの期間中において、1000MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を停止して、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間dの期間中において、入力信号と2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0025】
図2では、4つの周波数のパイロット信号を出力させるタイミングは重複していない。これに対して、制御部23は、パイロット信号生成部12-1とパイロット信号生成部12-2のパイロット信号の出力タイミングを重複させてもよい。例えば、制御部23は、時間aにおいてパイロット信号生成部12-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示し、パイロット信号生成部12-2に対して1000MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12-1は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力し、パイロット信号生成部12-2は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、1000MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間aの期間中において、入力信号と、70MHz近傍の周波数のパイロット信号と、1000MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0026】
以上のように構成された信号送信装置10によれば、制御部23は、1つのパイロット信号生成部12において異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成させ、各パイロット信号を合波するタイミングをずらす。これにより、特定の時間帯において、ある周波数のパイロット信号が存在しない時間帯が生じるが、常時監視を行わないのであればパイロット信号生成部12の数を減らすことができる。映像伝送システムでは、監視条件が非常に厳しいサービスに適用されるが、時間間隔を短くすることで十分に適用することができる。このように、1つのパイロット信号生成部12において異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成させるため、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態において、入力信号が複数の導線から入力される場合の信号送信装置について説明する。信号送信装置では、電気信号の増幅時に雑音特性等の理由で周波数帯毎に電気信号増幅部を分けて備える場合がある。これは、幅広い周波数帯の電気信号を1つの電気信号増幅部で増幅することによって雑音部分も増幅してしまい、その結果映像信号の劣化につながることを抑制するためである。
【0028】
図3は、第2の実施形態における信号送信装置10aの構成例を示す図である。信号送信装置10aには、周波数帯域が広帯域な入力信号が異なる経路から入力される。信号送信装置10aは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12a-1~12a-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23a-1~23a-2と、切替部24と、合波部25とを備える。なお、一部の機能部から監視部21に延びている点線は、制御信号を表す。
【0029】
電気信号異常検出部14と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22は、基本的には第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0030】
電気信号分岐部11-1には、入力信号として、周波数帯域が70~770MHzの信号が入力されたとする。電気信号分岐部11-1は、入力された入力信号を分岐して合波部13-1と電気信号異常検出部14とに出力する。
【0031】
電気信号分岐部11-2には、入力信号として、周波数帯域が1000~2100MHzの信号が入力されたとする。電気信号分岐部11-2は、入力された入力信号を分岐して合波部13-2と電気信号異常検出部14とに出力する。
【0032】
パイロット信号生成部12a-1~12a-2は、複数の周波数のパイロット信号を生成する機能を有する。パイロット信号生成部12a-1は、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12a-2は、例えば770MHz近傍の周波数のパイロット信号と、1000MHz近傍の周波数のパイロット信号と、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを生成する。パイロット信号生成部12a-2は、制御部23a-1又は23a-2からの制御に従って異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成する。
【0033】
制御部23a-1~23a-2は、パイロット信号生成部12aの制御と、切替部24の制御とを行う。例えば、制御部23a-1は、パイロット信号生成部12aの制御を行い、制御部23a-2は切替部24の制御を行う。なお、制御部23a-1~23a-2は、1つの制御部23aとしてパイロット信号生成部12aの制御と、切替部24の制御とを行ってもよい。制御部23a-1~23a-2は、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0034】
制御部23a-1は、パイロット信号生成部12a-2において生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部23a-1は、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12a-2に対して770MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12a-2に対して1000MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間dにおいてパイロット信号生成部12a-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させる。このように、制御部23a-1は、パイロット信号生成部12a-2でパイロット信号を生成させるタイミングを制御することによって、1つのパイロット信号生成部12a-2において複数の周波数のパイロット信号を生成させる。制御部23a-1は、第1制御部の一態様である。ここで示すある時間b、c及びdは、
図2に示す時間である。
【0035】
制御部23a-2は、切替部24に対する切り替え指示を出力することによって、切替部24に入力されるパイロット信号の出力経路を切り替える。切り替え指示は、切替部24の出力経路を切り替えさせるための指示であり、例えば出力経路を示す情報が含まれる。制御部23a-2は、例えばある時間bにおいて切替部24の出力経路を合波部13-1に向かう経路に切り替える。これは、ある時間bではパイロット信号生成部12a-2において770MHz近傍の周波数のパイロット信号が生成されるため、合波部13-1に入力される入力信号(70MHz~770MHzの信号)と同じ周波数帯であるパイロット信号生成部12a-2が生成する770MHz近傍の周波数のパイロット信号とを入力信号と合波させるためである。
【0036】
それに対して、制御部23a-2は、ある時間c及びある時間dにおいて切替部24の出力経路を合波部13-2に向かう経路に切り替える。これは、ある時間cではパイロット信号生成部12a-2において1000MHz近傍の周波数のパイロット信号が生成され、ある時間dではパイロット信号生成部12a-2において2100MHz近傍の周波数のパイロット信号が生成されるため、合波部13-2に入力される入力信号(1000MHz~2100MHzの信号)と同じ周波数帯であるパイロット信号生成部12a-2が生成する1000MHz近傍の周波数のパイロット信号と2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを入力信号と合波させるためである。
【0037】
なお、制御部23a-1及び23a-2が、
図2に示す周期で制御を行う場合、ある時間aにおいて制御部23a-2は、切替部24の出力経路をいずれの経路に切り替えてもよい。これは、ある時間aにおいてはパイロット信号生成部12a-2では信号が生成されないためである。なお、ここで説明している周期はあくまで一例であり、パイロット信号生成部12a-2がある時間aにおいてパイロット信号を生成する場合には、制御部23a-2は、切替部24を制御して、切替部24の出力経路を適切な経路に切り替える。制御部23a-2は、第2制御部の一態様である。
【0038】
切替部24は、制御部23a-2の制御に従って、入力信号されたパイロット信号をいずれかの経路から出力するように経路を切り替える。切替部24は、例えば制御部23a-2から指示(切り替え指示)された経路からパイロット信号を出力するように経路を切り替える。
【0039】
合波部13-1は、電気信号分岐部11-1により分岐された入力信号(70MHz~770MHzの信号)と、パイロット信号生成部12a-1から出力されたパイロット信号と、切替部24から出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部13-1は、生成した多重信号を電気信号増幅部15-1に出力する。
【0040】
合波部13-2は、電気信号分岐部11-2により分岐された入力信号(1000MHz~2100MHzの信号)と、パイロット信号生成部12a-2から出力されたパイロット信号と、切替部24から出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部13-2は、生成した多重信号を電気信号増幅部15-2に出力する。
【0041】
電気信号増幅部15-1は、合波部13-1から出力された多重信号を増幅して合波部25に出力する。電気信号増幅部15-2は、合波部13-2から出力された多重信号を増幅して合波部25に出力する。合波部25は、電気信号増幅部15-1~15-2それぞれから出力された増幅後の多重信号を合波する。合波部25は、合波した多重信号をFM一括変換信号生成部16に出力する。
【0042】
図4は、第2の実施形態における切替部24の構成例を示す図である。
図4に示すように、切替部24は、スイッチ部241を備える。スイッチ部241は、第1端子242と、第2端子243と、第3端子244とで構成される。スイッチ部241は、制御部23a-2からの切り替え指示に応じて、第1端子242と第2端子243とを接続、又は、第1端子242と第3端子244とを接続する。これにより、パイロット信号生成部12a-2から出力されたパイロット信号の出力経路を切り替える。
【0043】
以上のように構成された信号送信装置10aによれば、パイロット信号生成部12a(例えば、パイロット信号生成部12a-2)が生成するパイロット信号の出力経路を切り替える切替部24を備える。これにより、制御部23aは、異なる経路から異なる周波数帯の入力信号が信号送信装置10aに入力され、各経路上に電気信号増幅部15が備えられる場合、各経路で入力される入力信号と合波させるパイロット信号の出力経路を所定の周期で切り替える。したがって、1つのパイロット信号生成部12で生成された異なる周波数のパイロット信号を各経路に振り分けることができる。これにより、パイロット信号生成部12aの数を減らすことができ、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0044】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、パイロット信号に利用する2つの周波数帯の間隔が近い場合、2つの周波数帯の間の周波数のパイロット信号を生成させる信号送信装置について説明する。ここで2つの周波数帯の間隔が近い場合とは、2つの周波数帯の間隔が閾値未満であることを意味する。
【0045】
図5は、第3の実施形態における信号送信装置10bの構成例を示す図である。信号送信装置10bには、周波数帯域が広帯域な入力信号が外部から入力される。信号送信装置10bは、電気信号分岐部11と、複数のパイロット信号生成部12b-1~12b-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、制御部23bとを備える。なお、一部の機能部から監視部21に延びている点線は、制御信号を表す。
【0046】
電気信号分岐部11と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22は、基本的には第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0047】
パイロット信号生成部12b-1~12b-2は、複数の周波数のパイロット信号を生成する機能を有する。パイロット信号生成部12b-1は、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12b-2は、例えば885MHz近傍の周波数のパイロット信号と、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを生成する。このように、パイロット信号生成部12b-2は、制御部23bからの指示に応じて、2つの周波数帯(
図5では、70MHz~770MHzの周波数帯と、1000MHz~2100MHzの周波数帯)の間の周波数帯における周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12b-1~12b-2は、制御部23bからの制御に従って異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12b-1~12b-2は、入力信号の周波数近傍の周波数を有するパイロット信号を生成すればよく、パイロット信号の周波数は上記の周波数に限定されない。
【0048】
制御部23bは、各パイロット信号生成部12bそれぞれにおいて生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部23bは、ある時間aにおいてパイロット信号生成部12b-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12b-2に対して885MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12b-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させる。このように、制御部23bは、パイロット信号生成部12bでパイロット信号を生成させるタイミングを制御することによって、1つのパイロット信号生成部12bにおいて複数の周波数のパイロット信号を生成させる。制御部23bは、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0049】
図6は、第3の実施形態における信号送信装置10bにおけるパイロット信号のタイミング制御を説明するための図である。
図6において横軸は時刻tを表し、縦軸はパイロット信号生成部12b-1~12b-2それぞれの動作タイミングを示している。
図6に示すように、制御部23bは、時間aにおいてパイロット信号生成部12b-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12b-1は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間aの期間中において、入力信号と70MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0050】
次に、制御部23bは、時間bの期間になると、パイロット信号生成部12b-1に対してパイロット信号の生成を停止させ、パイロット信号生成部12b-2に対して885MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12b-1は、時間bの期間中に停止状態(OFF状態)となる。これに対して、パイロット信号生成部12b-2は、時間bの期間中に動作状態(ON状態)となり、885MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間bの期間中において、入力信号と885MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0051】
次に、制御部23bは、時間cの期間になると、パイロット信号生成部12b-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12b-2は、時間cの期間中において、885MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を停止して、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間cの期間中において、入力信号と2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0052】
図6では、3つの周波数のパイロット信号を出力させるタイミングは重複していない。これに対して、制御部23bは、パイロット信号生成部12b-1とパイロット信号生成部12b-2のパイロット信号の出力タイミングを重複させてもよい。例えば、制御部23bは、時間aにおいてパイロット信号生成部12b-1に対して70MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示し、パイロット信号生成部12b-2に対して885MHz近傍の周波数のパイロット信号の生成を指示する。これにより、パイロット信号生成部12b-1は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力し、パイロット信号生成部12b-2は、時間aの期間中に動作状態(ON状態)となり、885MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成して合波部13に出力する。これにより、合波部13では、時間aの期間中において、入力信号と、70MHz近傍の周波数のパイロット信号と、885MHz近傍の周波数のパイロット信号とを合波する。
【0053】
図6に示す例では、制御部23bが、パイロット信号生成部12b-2に対して、入力信号に含まれる2つの周波数帯の中間の周波数である885MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させる構成を示したが、制御部23bは入力信号に含まれる2つの周波数帯の中間の周波数以外の周波数のパイロット信号を生成させてもよい。例えば、800MHz帯は既に携帯電話の伝送で使用されているため、伝送システムを共用している場合は900MHzと1000MHzの中間である950MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させるといったことも考えられる。
【0054】
以上のように構成された信号送信装置10bによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに信号送信装置10bでは、2つの周波数帯の間隔が近い場合、2つの周波数帯の間の周波数のパイロット信号を生成させる。これにより、1つのパイロット信号生成部12bで複数のパイロット信号を生成する。これにより、パイロット信号生成部12bの数を減らすことができ、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第3の実施形態において、入力信号が複数の導線から入力される場合の信号送信装置について説明する。
【0056】
図7は、第4の実施形態における信号送信装置10cの構成例を示す図である。信号送信装置10cには、周波数帯域が広帯域な入力信号が異なる経路から入力される。信号送信装置10cは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12c-1~12c-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23c-1~23c-2と、切替部24と、合波部25とを備える。なお、一部の機能部から監視部21に延びている点線は、制御信号を表す。
【0057】
電気信号異常検出部14と、FM一括変換信号生成部16と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22は、基本的には第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
電気信号分岐部11-1には、入力信号として、周波数帯域が70~770MHzの信号が入力されたとする。電気信号分岐部11-1は、入力された入力信号を分岐して合波部13-1と電気信号異常検出部14とに出力する。
【0059】
電気信号分岐部11-2には、入力信号として、周波数帯域が1000~2100MHzの信号が入力されたとする。電気信号分岐部11-2は、入力された入力信号を分岐して合波部13-2と電気信号異常検出部14とに出力する。
【0060】
パイロット信号生成部12c-1~12c-2は、複数の周波数のパイロット信号を生成する機能を有する。パイロット信号生成部12c-1は、例えば70MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成する。パイロット信号生成部12c-2は、例えば885MHz近傍の周波数のパイロット信号と、2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを生成する。パイロット信号生成部12c-2は、制御部23c-1又は23c-2からの制御に従って異なるタイミングで異なる周波数のパイロット信号を生成する。
【0061】
制御部23c-1~23c-2は、パイロット信号生成部12cの制御と、切替部24の制御とを行う。例えば、制御部23c-1は、パイロット信号生成部12cの制御を行い、制御部23c-2は切替部24の制御を行う。なお、制御部23c-1~23c-2は、1つの制御部23cとしてパイロット信号生成部12cの制御と、切替部24の制御とを行ってもよい。制御部23c-1~23c-2は、例えばマイクロコンピュータ等である。
【0062】
制御部23c-1は、パイロット信号生成部12c-2において生成させるパイロット信号の周波数を所定の周期で変更する。例えば、制御部23c-1は、ある時間bにおいてパイロット信号生成部12c-2に対して885MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させ、ある時間cにおいてパイロット信号生成部12c-2に対して2100MHz近傍の周波数のパイロット信号を生成させる。このように、制御部23c-1は、パイロット信号生成部12c-2でパイロット信号を生成させるタイミングを制御することによって、1つのパイロット信号生成部12c-2において複数の周波数のパイロット信号を生成させる。制御部23c-1は、例えばマイクロコンピュータ等である。ここで示すある時間b及びcは、
図6に示す時間である。制御部23c-1は、第1制御部の一態様である。
【0063】
制御部23c-2は、切替部24に対する切り替え指示を出力することによって、切替部24に入力されるパイロット信号の出力経路を切り替える。制御部23c-2は、例えばある時間bにおいて切替部24の出力経路を合波部13-1又は合波部13-2に向かう経路に切り替える。例えば、制御部23c-2は、例えばある時間bにおいて切替部24の出力経路として、電気信号増幅部15-1又は電気信号増幅部15-2のうち必要な利得が得られる出力先に向かう経路に切り替える。これは、ある時間bではパイロット信号生成部12c-2において885MHz近傍の周波数のパイロット信号が生成され、885MHzが合波部13-1に入力される入力信号(70MHz~770MHzの信号)の周波数帯と合波部13-2に入力される入力信号(1000MHz~2100MHzの信号)の周波数帯の中間の周波数であり、885MHzと同じ周波数帯がないためである。そのため、少しでも利得が高くなる出力先を出力経路とするほうが適切である。
【0064】
それに対して、制御部23c-2は、ある時間cにおいて切替部24の出力経路を合波部13-2に向かう経路に切り替える。これは、ある時間cではパイロット信号生成部12c-2において2100MHz近傍の周波数のパイロット信号が生成されるため、合波部13-2に入力される入力信号(1000MHz~2100MHzの信号)と同じ周波数帯であるパイロット信号生成部12c-2が生成する1000MHz近傍の周波数のパイロット信号と2100MHz近傍の周波数のパイロット信号とを入力信号と合波させるためである。
【0065】
なお、制御部23c-1及び23c-2が、
図2に示す周期で制御を行う場合、ある時間aにおいて制御部23c-2は、切替部24の出力経路をいずれの経路に切り替えてもよい。これは、ある時間aにおいてはパイロット信号生成部12c-2では信号が生成されないためである。なお、ここで説明している周期はあくまで一例であり、パイロット信号生成部12c-2がある時間aにおいてパイロット信号を生成する場合には、制御部23c-2は、切替部24を制御して、切替部24の出力経路を適切な経路に切り替える。制御部23c-2は、第2制御部の一態様である。
【0066】
切替部24は、制御部23c-2の制御に従って、入力信号されたパイロット信号をいずれかの経路から出力するように経路を切り替える。切替部24は、例えば制御部23c-2から指示(切り替え指示)された経路からパイロット信号を出力するように経路を切り替える。切替部24の内部構成は、第2の実施形態で説明した構成と同様である(例えば、
図4参照)。
【0067】
合波部13-1は、電気信号分岐部11-1により分岐された入力信号(70MHz~770MHzの信号)と、パイロット信号生成部12a-1から出力されたパイロット信号と、切替部24から出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部13-1は、生成した多重信号を電気信号増幅部15-1に出力する。
【0068】
合波部13-2は、電気信号分岐部11-2により分岐された入力信号(1000MHz~2100MHzの信号)と、パイロット信号生成部12a-2から出力されたパイロット信号と、切替部24から出力されたパイロット信号とを合波して多重信号を生成する。合波部13-2は、生成した多重信号を電気信号増幅部15-2に出力する。
【0069】
電気信号増幅部15-1は、合波部13-1から出力された多重信号を増幅して合波部25に出力する。電気信号増幅部15-2は、合波部13-2から出力された多重信号を増幅して合波部25に出力する。合波部25は、電気信号増幅部15-1~15-2それぞれから出力された増幅後の多重信号を合波する。合波部25は、合波した多重信号をFM一括変換信号生成部16に出力する。
【0070】
以上のように構成された信号送信装置10cによれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに信号送信装置10cでは、2つの周波数帯の間隔が近い場合、2つの周波数帯の間の周波数のパイロット信号を生成させる。これにより、1つのパイロット信号生成部12cで複数のパイロット信号を生成する。これにより、パイロット信号生成部12cの数を減らすことができ、パイロット信号の数の増大に応じた回路規模の増大を従来よりも抑制することができる。その結果、装置コストも抑制することができる。
【0071】
(第1の実施形態から第4の実施形態に共通する変形例1)
上述した各実施形態における信号送信装置10,10a,10b,10cでは、FM一括変換及び光信号への変換を行うように構成されているが、信号送信装置10,10a,10b,10cは電気信号を送信する信号送信装置であってもよい。このように構成される場合、第1の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、パイロット信号生成部12-1~12-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して復調信号異常検出部20に出力する。
【0072】
なお、電気信号増幅部15から出力された多重信号を外部に出力する場合には、信号送信装置10は光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、電気信号増幅部15から直接又は電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20は、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0073】
第2の実施形態における信号送信装置10aは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12a-1~12a-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23a-1~23a-2と、切替部24と、合波部25とを備える信号送信装置として構成されてもよい。合波部25は、合波した多重信号を復調信号異常検出部20に出力する。
【0074】
なお、合波部25から出力された多重信号を外部に出力する場合には、信号送信装置10aは光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、合波部25から直接又は電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20は、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0075】
第3の実施形態における信号送信装置10bは、電気信号分岐部11と、複数のパイロット信号生成部12b-1~12b-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、制御部23bとを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して復調信号異常検出部20に出力する。
【0076】
なお、合波部13から出力された多重信号を外部に出力する場合には、信号送信装置10bは光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、合波部13から直接又は電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20は、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0077】
第4の実施形態における信号送信装置10cは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12c-1~12c-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23c-1~23c-2と、切替部24と、合波部25とを備える信号送信装置として構成されてもよい。合波部25は、合波した多重信号を復調信号異常検出部20に出力する。
【0078】
なお、合波部25から出力された多重信号を外部に出力する場合には、信号送信装置10cは光信号分岐部19に代えて電気信号分岐部を備えてもよい。電気信号分岐部は、入力された多重信号を分岐して外部及び復調信号異常検出部20に出力する。復調信号異常検出部20は、合波部25から直接又は電気信号分岐部により分岐された多重信号を入力する。復調信号異常検出部20は、入力した多重信号を用いた状態検出を行う。この場合、復調信号異常検出部20は、光信号から電気信号への変換及びFM復調を行わなくてよい。
【0079】
(第1の実施形態から第4の実施形態に共通する変形例2)
上述した各実施形態における信号送信装置10,10a,10b,10cでは、FM一括変換を行うように構成されているが、信号送信装置10,10a,10b,10cはFM一括変換を行わない信号送信装置であってもよい。このように構成される場合、第1の実施形態における信号送信装置10は、電気信号分岐部11と、複数のパイロット信号生成部12-1~12-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、制御部23とを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、電気信号増幅部15により増幅された多重信号を光信号に変換して光信号増幅部18及び監視部21に出力する。信号送信装置10がFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20はFM復調を行わなくてよい。
【0080】
第2の実施形態における信号送信装置10aは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12a-1~12a-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23a-1~23a-2と、切替部24と、合波部25とを備える信号送信装置として構成されてもよい。合波部25は、合波した多重信号を電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、合波部25から出力された多重信号を光信号に変換して光信号増幅部18及び監視部21に出力する。信号送信装置10aがFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20はFM復調を行わなくてよい。
【0081】
第3の実施形態における信号送信装置10bは、電気信号分岐部11と、複数のパイロット信号生成部12b-1~12b-2と、合波部13と、電気信号異常検出部14と、電気信号増幅部15と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、制御部23bとを備える信号送信装置として構成されてもよい。電気信号増幅部15は、合波部13から出力された多重信号を増幅して電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、電気信号増幅部15により増幅された多重信号を光信号に変換して光信号増幅部18及び監視部21に出力する。信号送信装置10bがFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20はFM復調を行わなくてよい。
【0082】
第4の実施形態における信号送信装置10cは、複数の電気信号分岐部11-1~11-2と、複数のパイロット信号生成部12c-1~12c-2と、複数の合波部13-1~13-2と、電気信号異常検出部14と、複数の電気信号増幅部15-1~15-2と、電気・光変換部17と、光信号増幅部18と、光信号分岐部19と、復調信号異常検出部20と、監視部21と、警報処理部22と、複数の制御部23c-1~23c-2と、切替部24と、合波部25とを備える信号送信装置として構成されてもよい。合波部25は、合波した多重信号を電気・光変換部17に出力する。電気・光変換部17は、合波部25から出力された多重信号を光信号に変換して光信号増幅部18及び監視部21に出力する。信号送信装置10cがFM一括変換を行わない場合、復調信号異常検出部20はFM復調を行わなくてよい。
【0083】
上述した実施形態における信号送信装置10,10a,10b,10cをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0084】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0085】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10、10a、10b、10c…信号送信装置, 11、11-1~11-2…電気信号分岐部, 12、12a-1~12a-2、12b-1~12b-2、12c-1~12c-2…パイロット信号生成部, 13、13-1~13-2…合波部, 14…電気信号異常検出部, 15、15-1~15-2…電気信号増幅部, 16…FM一括変換信号生成部, 17…電気・光変換部, 18…光信号増幅部, 19…光信号分岐部, 20…復調信号異常検出部, 21…監視部, 22…警報処理部, 23、23a-1~23a-2、23b、23c-1~23c-2…制御部, 24…切替部, 25…合波部, 241…スイッチ部, 242…第1端子, 243…第2端子, 244…第3端子