(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024391
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20250213BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20250213BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20250213BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20250213BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20250213BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 641E
G09G3/34 J
G09G3/20 621A
G09G3/20 650M
G02F1/13357
G02F1/133 535
G02F1/1334
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128461
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小橋 淳二
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
2H391
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189LA10
2H189LA20
2H193ZA04
2H193ZG14
2H193ZG27
2H193ZG34
2H193ZG35
2H193ZQ13
2H391AB05
2H391CB08
5C006AA14
5C006AA22
5C006AF44
5C006BB15
5C006BB29
5C006EA01
5C006FA56
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD01
5C080EE29
5C080EE30
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
5C080JJ06
(57)【要約】
【課題】カラーブレークをより抑制できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、3色の光に対応した3つの光源を有する光源部と、係る3色の光を利用して外部からの入力データに応じた色再現を行う表示部と、3つの光源の点灯パターンを示すデータを記憶する記憶部と、3つの光源の点灯パターンを制御する制御部と、を備える。制御部は、フレーム画像の表示出力期間中にn回の点灯期間を生じさせ、nは3以上の自然数であり、n回の点灯期間の各々で光源部から発せられる光の色はそれぞれ異なり、データはn回の点灯期間で再現可能な色域がそれぞれ異なる複数種類の点灯パターンを示す情報を含み、制御部は、表示部による色再現が変化する場合、変化前後の入力データに応じた色再現のための点灯パターンの差異に応じて3つの光源の点灯パターンを制御する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の光を発する第1光源と、第2の色の光を発する第2光源と、第3の色の光を発する第3光源と、を有する光源部と、
前記光源部からの光を利用し、外部からの入力データに応じた色再現を行う表示部と、
前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを示すデータを記憶する記憶部と、
前記入力データ及び前記データに基づいて、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部が出力するフレーム画像の表示出力期間中にn回の点灯期間を生じさせ、
nは、3以上の自然数であり、
前記n回の点灯期間の各々で前記光源部から発せられる光の色はそれぞれ異なり、
前記データは、前記n回の点灯期間で再現可能な色域がそれぞれ異なる複数種類の点灯パターンを示す情報を含み、
前記制御部は、前記表示部による色再現が変化する場合、変化前の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、変化後の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、の差異に応じて前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを制御する、
表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、変化前の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンが適用される第1タイミングと、変化後の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンが適用される第2タイミングと、の間に、前記第1タイミング及び前記第2タイミングのいずれとも異なる点灯パターンが適用される移行期間を生じさせ、
前記移行期間に前記光源部から発せられる光の色と前記第1タイミングに前記光源部から発せられる光の色との差異、
及び、
前記移行期間に前記光源部から発せられる光の色と前記第2タイミングに前記光源部から発せられる光の色との差異は、
前記第1タイミングに前記光源部から発せられる光の色と、前記第2タイミングに前記光源部から発せられる光の色との差異に比して小さい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記移行期間には、
前記第1光源が最高輝度で点灯し、前記第2光源及び前記第3光源が消灯する点灯期間と、
前記第2光源が最高輝度で点灯し、前記第1光源及び前記第3光源が消灯する点灯期間と、
前記第3光源が最高輝度で点灯し、前記第1光源及び前記第2光源が消灯する点灯期間と、
を生じさせる点灯パターンが適用されるタイミングが生じる、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記データは、前記第1光源、前記第2光源又は前記第3光源のいずれか1つが最高輝度で点灯し、他の2つが消灯する点灯期間を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記データは、前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源とのうち2つが点灯し、他の1つが消灯する2回の点灯期間を生じさせ、当該2回の点灯期間の一方と他方とでは前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源とのうち点灯する2つの輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記データは、
前記第1光源と前記第2光源とが点灯し、前記第3光源が消灯する点灯期間と、
前記第2光源と前記第3光源とが点灯し、前記第1光源が消灯する点灯期間と、
前記第1光源と前記第3光源とが点灯し、前記第2光源が消灯する点灯期間と、を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記データは、
前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源が点灯する3回の点灯期間を生じさせ、当該3回の点灯期間はそれぞれ、前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源との輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
nは、4以上であり、
前記データは、
前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源が点灯する点灯期間を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記データは、
前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源とのうち2つが点灯し、他の1つが消灯する2回の点灯期間を生じさせ、当該2回の点灯期間の一方と他方とでは前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源とのうち点灯する2つの輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記データに含まれる前記複数種類の点灯パターンの各々には、予め定められた優先度が設定され、
前記制御部は、前記入力データに含まれる画素データが示す階調値に応じて再現される色を再現可能な点灯パターンのうち最も優先度が高い点灯パターンを前記光源部の制御に適用する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色のうち1つは赤色であり、
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色のうち赤色でない1つは緑色であり、
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色のうち赤色でも緑色でもない1つは青色である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部は、高分子分散型液晶が封入された液晶パネルである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同一画素から複数色の光をそれぞれ異なるタイミングで出力するように画素を制御する所謂フィールドシーケンシャルカラー(FSC:Field Sequential Color)方式で表示出力を行う表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FSC方式では、一般的に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色をそれぞれ異なるタイミングで出力することでRGB画像の色再現を実現している。しかしながら、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のような原色系の光源が極めて短期間に高輝度で点灯状態と消灯状態とを切り替えるように制御されると、カラーブレークが生じやすくなる。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたもので、カラーブレークをより抑制できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による表示装置は、第1の色の光を発する第1光源と、第2の色の光を発する第2光源と、第3の色の光を発する第3光源と、を有する光源部と、前記光源部からの光を利用し、外部からの入力データに応じた色再現を行う表示部と、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを示すデータを記憶する記憶部と、前記入力データ及び前記データに基づいて、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示部が出力するフレーム画像の表示出力期間中にn回の点灯期間を生じさせ、nは、3以上の自然数であり、前記n回の点灯期間の各々で前記光源部から発せられる光の色はそれぞれ異なり、前記データは、前記n回の点灯期間で再現可能な色域がそれぞれ異なる複数種類の点灯パターンを示す情報を含み、前記制御部は、前記入力データが変化して前記表示部による色再現が変化する場合、変化前の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、変化後の前記入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、の差異に応じて前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の点灯パターンを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、表示装置の主要構成を示す模式的な回路図である。
【
図2】
図2は、表示部の概略断面及び表示部と光源装置との関係を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態1で適用されるFSC方式を示す概略図である。
【
図4】
図4は、画像処理回路の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、点灯制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、2つの色域と、カラーパターンと、の関係を示す図である。
【
図7】
図7は、2つの色域の関係を
図6よりも単純化して示す概略図である。
【
図8】
図8は、第1赤色Ra、第1緑色Ga、第1青色Ba、第2赤色Rb、第2緑色Gb、第2青色Bbの各々を成立させる第1光源、第2光源、第3光源の点灯の度合いを表で示す図である。
【
図9】
図9は、2つの色域と、カラーパターンと、の関係を三次元的に示す図である。
【
図10】
図10は、色域と、サンプリングされた画素信号によるサンプリング色域CQが示す階調値と、の関係を三次元的に示す概略図である。
【
図11】
図11は、カテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、表示出力内容の遷移と、カテゴリの検証と、目標カテゴリの選択と、光源部11の点灯パターンの変化と、の関係を示す概略図である。
【
図13】
図13は、変形例1で追加されるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態2で適用されるFSC方式を示す概略図である。
【
図15】
図15は、実施形態2におけるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例2で追加されるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、変形例3におけるカテゴリの遷移例を示す図である。
【
図18】
図18は、変形例3におけるカテゴリの遷移例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、表示装置100の主要構成を示す模式的な回路図である。表示装置100は、表示パネルPと、光源装置Lとを備える。
【0010】
表示パネルPは、表示部7と、信号出力回路8と、走査回路9と、VCOM駆動回路10と、タイミングコントローラ13と、電源回路14とを備える。以下、表示部7が面する表示パネルPの一面を表示面とし、他面を背面とする。また、表示装置100の側方と記載した場合、表示装置100を基準として表示面と背面との対向方向に交差(例えば、直交)する方向に位置する。
【0011】
表示部7には、複数の画素Pixがマトリクス状に配置されている。画素Pixは、スイッチング素子1と、2つの電極とを含む。
図1及び後述する
図2では、2つの電極として、画素電極2と、共通電極6とを図示している。
【0012】
図2は、表示部7の概略断面及び表示部7と光源装置Lとの関係を示す模式図である。表示部7は、対向する2枚の基板と、当該2枚の基板の間に封入された液晶3を有する。以下、当該2枚の基板の一方を第1基板30とし、他方を第2基板20とする。
【0013】
第1基板30は、透光性のガラス基板35と、ガラス基板35の第2基板20側に積層された画素電極2と、画素電極2を覆うように第2基板20側に積層された絶縁層55とを含む。画素電極2は、画素Pix毎に個別に設けられる。第2基板20は、透光性のガラス基板21と、ガラス基板21の第1基板30側に積層された共通電極6と、共通電極6を覆うように第1基板30側に積層された絶縁層56とを含む。
【0014】
図1に示す共通電極6は、X方向に並ぶ複数の画素Pixで共有される板状又は膜状の形状を有する。共通電極6は、共通電極Voddと、共通電極Vevenとを含む。共通電極Voddは、複数設けられてY方向に並ぶ共通電極6のうち、Y方向の一端側から数えて奇数番目に並ぶ共通電極6である。共通電極Vevenは、Y方向の一端側から数えて偶数番目に並ぶ共通電極6である。
図1及び
図2を参照して説明する構成例では、Y方向に隣り合う2つの画素Pixのうち一方の画素Pixが有する画素電極2が共通電極Voddと対向し、他方の画素Pixが有する画素電極2が共通電極Vevenと対向する。
【0015】
実施形態1の液晶3は、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。具体的には、液晶3は、バルク51と、微粒子52とを含む。微粒子52は、バルク51内で画素電極2と共通電極6との電位差に応じて配向が変化する。画素Pix毎に画素電極2の電位が個別に制御されることで、画素Pix毎に少なくとも透光及び分散のいずれかの度合いが制御される。
【0016】
図2を参照して説明した実施形態1では、画素電極2と共通電極6は、液晶3を挟むように対向するが、表示部7は、1つの基板に画素電極2と共通電極6が設けられて画素電極2と共通電極6によって発生する電界によって液晶3の配向が制御される構成であってもよい。
【0017】
次に、画素電極2及び共通電極6の電位を制御する仕組みについて説明する。
図1に示すようにスイッチング素子1は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等、半導体を用いたスイッチング素子である。スイッチング素子1のソース又はドレインの一方は、2つの電極の一方(画素電極2)と接続される。スイッチング素子1のソース又はドレインの他方が信号線4と接続される。スイッチング素子1のゲートは、走査線5と接続される。走査線5は、走査回路9の制御下で、スイッチング素子1のソース-ドレイン間を開閉するための電位を与える。当該電位の制御は、走査回路9が行う。
【0018】
図1に示す例では、複数の信号線4は、画素Pixの並び方向のうち一方(行方向)に沿って並ぶ。信号線4は、画素Pixの並び方向のうち他方(列方向)に沿って延出する。信号線4は、列方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。複数の走査線5は、列方向に沿って並ぶ。走査線5は、行方向に沿って延出する。走査線5は、行方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。
【0019】
実施形態1の説明では、走査線5の延出方向をX方向とし、複数の走査線5が並ぶ方向をY方向とする。また、
図1では、複数の走査線5のうちY方向の両端に配置されたものの一方を走査線5aとし、他方を走査線5bとしている。
【0020】
共通電極6は、VCOM駆動回路10と接続される。VCOM駆動回路10は、共通電極6に共通電位として機能する電位を与える。走査回路9が走査線5に対して駆動信号として機能する電位を与えるタイミングで、信号出力回路8が信号線4に対して後述する画素信号を出力することで、画素電極2と共通電極6との間に形成された蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)を充電する。これによって、画素Pixと共通電極6との間の電圧は画素信号に対応した電圧となる。駆動信号が与えられなくなった後、蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)は画素信号を保持する。液晶(微粒子52)の散乱度は、各画素Pixの電圧と共通電極6の電圧に応じて制御される。例えば、液晶3は各画素Pixの電圧と共通電極6との間の電圧が大きくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよいし、各画素Pixの電圧と共通電極6との間の電圧が小さくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。
【0021】
図2に示すように、表示部7の側方には、光源装置Lが配置されている。光源装置Lは、光源部11と、光源駆動回路12とを備える。光源部11は、赤色(R)の光を発する第1光源11Rと、緑色(G)の光を発する第2光源11Gと、青色(B)の光を発する第3光源11Bと、を有する。第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bはそれぞれ、光源駆動回路12の制御下で発光する。実施形態1の第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bは、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような発光素子を用いた光源であるが、これに限られるものでなく、発光タイミングを制御可能な光源であればよい。光源駆動回路12は、タイミングコントローラ13の制御下で第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの発光タイミングを制御する。実施形態1において、赤色(R)は第1の色である。実施形態1において、緑色(G)は第2の色である。実施形態1において、青色(B)は第3の色である。後述する各サブフレーム期間SF及び調整サブフレーム期間Adにおいて、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bはそれぞれ、単独で発光することができ、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bのうち2つ又は3つが同時発光できる。
【0022】
光源部11から光が照射されると、表示部7は、Y方向の一側面側から照射される光によって照明される。各画素Pixは、Y方向の一側面側から照射される光を透過または散乱させる。散乱の度合いは、画素信号に応じて制御された液晶3の状態による。
【0023】
タイミングコントローラ13は、信号出力回路8、走査回路9、VCOM駆動回路10及び光源駆動回路12の動作タイミングを制御する回路である。実施形態1では、タイミングコントローラ13は、画像処理回路70を介して入力された信号に基づいて動作する。電源回路14は、外部から供給される電力に基づいて表示装置100の動作に必要な各種の電位を出力する。
【0024】
画像処理回路70は、表示装置100の外部からのフレーム画像データIPに基づいた信号を信号出力回路8及びタイミングコントローラ13に出力する。ある1つの画素Pixに割り当てられるRGBの階調値を示すデータを画素データとすると、フレーム画像を出力するために画像処理回路70に入力されるフレーム画像データIPは、表示部7に設けられた複数の画素Pixに対する複数の画素データの集合であり、入力データとして機能する。
【0025】
表示装置100は、同一画素から複数色の光をそれぞれ異なるタイミングで透過させるように画素を制御する所謂フィールドシーケンシャルカラー(FSC:Field Sequential Color)方式で表示出力を行う。
【0026】
図3は、実施形態1で適用されるFSC方式を示す概略図である。実施形態1では、1回のフレーム画像データIPが画像処理回路70に入力されることに応じて、1フレーム期間FPが生じる。すなわち、1回のフレーム画像データIPに応じて、1つのフレーム画像の表示出力が行われる。
【0027】
図3に示すように、フレーム期間FPは、サブフレーム期間SFP1サブフレーム期間SFP2,SFP3を含む。サブフレーム期間SFP1は、書込期間WP1と、書込期間WP1後の点灯期間LP1と、を含む。サブフレーム期間SFP2は、書込期間WP2と、書込期間WP2後の点灯期間LP2と、を含む。サブフレーム期間SFP3は、書込期間WP3と、書込期間WP3後の点灯期間LP3と、を含む。書込期間WP1書込期間WP2,WP3は、書込期間である。書込期間とは、複数の画素Pixの各々に対して、後述する表示出力信号OPに応じた画素信号が与えられる期間である。点灯期間LP1点灯期間LP2,LP3は、点灯期間である。点灯期間とは、直前の書込期間に書き込まれた画素信号に応じて制御された光源部11によって、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの少なくともいずれか1つ以上から光が発せられる期間である。
【0028】
例えば、フレーム画像データIPに応じて表示出力される画像の色成分のうち赤色(R)の成分に対応する画素信号が書込期間WP1に書き込まれるとすると、点灯期間LP1に第1光源11Rが点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯することで、赤色(R)の成分に応じた色再現が行われる。また、フレーム画像データIPに応じて表示出力される画像の色成分のうち緑色(G)の成分に対応する画素信号が書込期間WP2に書き込まれるとすると、点灯期間LP2に第2光源11Gが点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯することで、緑色(G)の成分に応じた色再現が行われる。また、フレーム画像データIPに応じて表示出力される画像の色成分のうち青色(B)の成分に対応する画素信号が書込期間WP3に書き込まれるとすると、点灯期間LP3に第3光源11Bが点灯し、第1光源11R及び第2光源11Gが消灯することで、青色(B)の成分に応じた色再現が行われる。
【0029】
サブフレーム期間SFP1で赤色(R)の成分に係る表示出力制御が行われ、サブフレーム期間SFP2で緑色(G)の成分に係る表示出力制御が行われ、サブフレーム期間SFP3で青色(B)の成分に係る表示出力制御が行われることで、フレーム期間FP全体で見た場合、RGBの色再現が行われる。FSC方式は、このようにして、フレーム期間FP全体で見た場合にRGBの色再現が行われるようにする方式である。
【0030】
このように、画像処理回路70は、表示パネルPが出力するフレーム画像の表示出力期間(フレーム期間FP)中にn回の点灯期間(例えば、点灯期間LP1点灯期間LP2,LP3)を生じさせる。nは、3以上の自然数である。
図4を参照した説明では、n=3である。
【0031】
なお、上述したサブフレーム期間SFP1サブフレーム期間SFP2,SFP3の各々に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を割り当てる考え方は、FSC方式をより分かりやすく説明する目的でFSCのうち最も単純なものを紹介したに過ぎない。実施形態1では、後述するカテゴリに対応した光源部11の制御が適用される。
【0032】
図4は、画像処理回路70の機能構成を示すブロック図である。画像処理回路70は、点灯制御部71と、階調制御部72とを有する。点灯制御部71は、フレーム画像データIPに含まれる画素データが示す階調値に基づいて、光源制御信号DPを生成する。光源制御信号DPは、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯の度合いを制御するための信号である。光源制御信号DPは、階調制御部72及びタイミングコントローラ13に出力される。
【0033】
階調制御部72は、フレーム画像データIP及び光源制御信号DPに基づいて、表示出力信号OPを出力する。表示出力信号OPは、フレーム画像データIPに対応した表示出力を行うための画素信号を含む。上述した書込期間において画素Pixに書き込まれる画素信号は、表示出力信号OPに含まれる画素信号である。表示出力信号OPに応じた画素Pixの動作時、光源部11からの光は、光源制御信号DPに応じて点灯の度合いを制御されている。従って、表示出力信号OPは、このように制御された光に対応した階調値制御が反映されている。
【0034】
例えば、フレーム画像データIPに含まれる画素データであって、ある1つの画素Pixに対する画素データが示す階調値が(R,G,B)=(100,100,100)である場合を想定する。ここで、光源制御信号DPに応じて第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが100%の輝度で点灯したとき、表示出力信号OPでは、当該1つの画素Pixに対する画素信号が示す階調値は(R,G,B)=(100,100,100)になる。すなわち、このとき、フレーム画像データIPが示す階調値と表示出力信号OPが示す階調値は同等である。一方、この場合に光源制御信号DPに応じて第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが50%の輝度で点灯したとき、フレーム画像データIPにおける画素データの階調値をそのまま表示出力信号OPの画素信号に反映してしまうと、表示出力における画素Pixの輝度が不足する。そこで、このとき、表示出力信号OPでは、当該1つの画素Pixに対する画素信号が示す階調値は(R,G,B)=(200,200,200)にされる。これによって、フレーム画像データIPで意図された表示出力をより忠実に再現できるようになる。このように、表示出力信号OPには、フレーム期間FP中に生じる光源部11からの光に対応した画素信号が反映される。
【0035】
図1及び
図4に示すように、タイミングコントローラ13は、光源制御信号DPを光源駆動回路12に転送する。光源部11は、光源駆動回路12の制御下で、光源制御信号DPに応じて点灯する。また、タイミングコントローラ13は、同期制御信号Sigを信号出力回路8に出力する。同期制御信号Sigは、表示出力信号OPに応じた表示部7の制御と光源制御信号DPに応じた光源部11の制御とを同期させる目的で出力される同期信号である。
【0036】
図5は、点灯制御部71の機能構成を示すブロック図である。点灯制御部71は、色情報取得部711、カテゴリ検証部712、可用カテゴリ抽出部713、目標カテゴリ選択部714、採用カテゴリ決定部715及び記憶部716を有する。
【0037】
色情報取得部711は、フレーム画像データIPに応じて表示出力される画像の色情報を取得する。具体的には、色情報取得部711は、フレーム画像データIPに含まれる画素データが示すR,G,Bの階調値を取得する。すなわち、色情報取得部711は、階調値に応じて再現される色の情報を、階調値から取得する。
【0038】
カテゴリ検証部712は、予め定められたカテゴリ情報の各々について、色情報取得部711が取得した画像の色情報を再現できるか検証する。ここでいうカテゴリ情報とは、光源部11の点灯パターンを示す情報である。以下、単にカテゴリと記載した場合、特筆しない限り、光源部11の点灯パターンをさすものとする。予め定められたカテゴリ情報とは、例えば後述するカテゴリ情報717に含まれる複数のカテゴリの各々を示す情報をさす。
【0039】
ここで、表示装置100によって表示出力される画像と、カテゴリと、の関係に関する事項について、
図6から
図11を参照して説明する。
【0040】
図6は、2つの色域Da,Dbと、カラーパターンCPと、の関係を示す図である。
図6は、CIE-XYZ表色系によるxy色度図を利用して係る関係を示している。
図6におけるカラーパターンCPは、色度図内に分布した複数の白点、黒点及び灰点を含む。灰点は、ドットパターンが付された円状の点である。白点、黒点及び灰点の各々は、フレーム画像データIPに含まれる画素データの階調値で再現される色を示す。カラーパターンCPは、フレーム画像データIPに応じて表示出力されるある1つの画像を構成する画素の各々で再現される色を例示しているものとする。
【0041】
色域Daは、カラーパターンCPに含まれる白点、黒点及び灰点の全てを内包する。従って、表示装置100によって再現される色域が色域Daとなるように光源部11が点灯するカテゴリが採用された場合、カラーパターンCPに含まれる色を余すことなく再現できる。一方、色域Dbは、カラーパターンCPに含まれる白点、黒点及び灰点の多くを内包するものの、カラーパターンCPに含まれる白点、黒点及び灰点の一部を内包しない。従って、表示装置100によって再現される色域が色域Dbとなるように光源部11が点灯するカテゴリが採用された場合、カラーパターンCPのうち色域Dbに内包されない点に対応する画素の色は完全には再現されないことになる。
【0042】
図7は、2つの色域の関係を
図6よりも単純化して示す概略図である。
図8は、第1赤色Ra、第1緑色Ga、第1青色Ba、第2赤色Rb、第2緑色Gb、第2青色Bbの各々を成立させる第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯の度合いを表で示す図である。
図8の表における「R」のカラムは、第1光源11Rの点灯の度合いをさす。
図8の表における「G」のカラムは、第2光源11Gの点灯の度合いをさす。
図8の表における「B」のカラムは、第3光源11Bの点灯の度合いをさす。
図8の表におけるフィールドに記載されている数値は、0.0を最小値とし、1.0を最大値として、光源の点灯の度合いを割合で示す数値である。例えば、カラムに「0.0」と記載されている場合、光源は最低輝度(0%)であり、消灯しているのと同義である。また、カラムに「1.0」と記載されている場合、光源は最高輝度(100%)で点灯している状態である。
【0043】
図8に示すように、第1赤色Raのレコードは、「R」のカラムの値が1.0であり、他のカラムの値が「0.0」である。すなわち、第1赤色Raは、第1光源11Rが最高輝度で点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。
図8の表における第1緑色Gaのレコード及び第1青色Baのレコードを、第1赤色Raのレコードと同様の解釈で確認することで、次のことがわかる。すなわち、第1緑色Gaは、第2光源11Gが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。また、第1青色Baは、第3光源11Bが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第2光源11Gが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。
【0044】
以下、第1パターンと記載した場合、第1光源11Rが最高輝度で点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンをさすものとする。また、第2パターンと記載した場合、第2光源11Gが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンをさすものとする。また、第3パターンと記載した場合、第3光源11Bが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第2光源11Gが消灯している光源部11の点灯パターンをさすものとする。
【0045】
表示装置100によって再現可能な色域は、カテゴリ、すなわち、光源部11の点灯パターンに対応する。第1パターンと、第2パターンと、第3パターンと、の組み合わせによるカテゴリが採用されることで、
図6及び
図7に示す色域Daが成立する。なお、係るカテゴリは、後述する
図11における第10カテゴリCt0に対応する。
【0046】
また、上述したように、表示装置100は、FSCで色再現を行う。従って、表示装置100で色域Daが成立するということは、第1パターンが適用される点灯期間と、第2パターンが適用される点灯期間と、第3パターンが適用される点灯期間と、がそれぞれ異なる期間となるように1フレームの画像の表示期間中に生じることを示す。言い換えれば、色域Daを成立させるためには、第1光源11Rのみを最高輝度で点灯させる期間と、第2光源11Gのみを最高輝度で点灯させる期間と、第3光源11Bのみを最高輝度で点灯させる期間と、を1フレーム期間中に生じさせなければならない。このように原色系の光源が極めて短期間に高輝度で点灯状態と消灯状態とを切り替えるように制御されると、カラーブレークが生じやすくなる。なお、ここでいう原色系の光源とは、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bをさす。また、高輝度とは、特筆しない限り、最高輝度(100%)又はそれにより近い輝度で点灯する場合の光源の輝度をさすものとする。
【0047】
カラーブレークとは、ある色を再現するために利用される複数の色が個別に視認できてしまう状態である。例えばある画素Pixで最高輝度の白色を再現するために、当該画素Pixの光の散乱の度合いを最高にし、かつ、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bが最高輝度で点灯する場合を想定する。この場合、第1光源11Rが点灯する期間に生じる赤色の光の散乱と、第2光源11Gが点灯する期間に生じる緑色の光の散乱と、第3光源11Bが点灯する期間に生じる青色の光の散乱と、が当該画素Pixの領域で重複する。これによって、ユーザからは、当該画素Pixの領域が白色の領域であるように視認されるはずである。しかしながら、この場合、原色(RGB)系の光源が極めて短期間に高輝度で点灯状態と消灯状態とを切り替えるように制御される。このため、ユーザから、赤色の光と、緑色の光と、青色の光と、を個別に認識できてしまうことがある。このような個別の色の光をユーザが認識できてしまう状態を、カラーブレークと称する。ここでは、最高輝度の白色の再現を例としてカラーブレークを説明したが、原色系の光源が極めて短期間に高輝度で点灯状態と消灯状態とを切り替えるように制御される場合、他の色の再現に際してもカラーブレークが生じ得る。
【0048】
以上のことから、色域Daが成立するカテゴリが採用されると、カラーブレークが生じやすくなる。そこで、実施形態1では、画像の色再現と、カラーブレークの抑制と、をより両立しやすいカテゴリをより優先的に利用できる仕組みが採用されている。
【0049】
例えば、
図6及び
図7に示す色域Dbは、第2赤色Rbと、第2緑色Gbと、第2青色Bbと、によって成立する。従って、色域Dbが成立するカテゴリが採用されると、1フレーム期間中に、第2赤色Rbの期間と、第2緑色Gbの期間と、第2青色Bbの期間と、が生じる。
図8によれば、第2赤色Rbは、第1光源11Rが60%の輝度(0.6)で点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが20%の輝度(0.2)で点灯する光源部11の点灯パターンである。第2緑色Gbは、第2光源11Gが60%の輝度(0.6)で点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが20%の輝度(0.2)で点灯する光源部11の点灯パターンである。第2青色Bbは、第3光源11Bが60%の輝度(0.6)で点灯し、第1光源11R及び第2光源11Gが20%の輝度(0.2)で点灯する光源部11の点灯パターンである。すなわち、色域Dbでは、異なる点灯パターンの切り替わりに際して生じる原色系の光源の輝度の変化が20%と60%との間での変化(±40%)に収まる。これは、色域Daが採用された場合の原色系の光源の輝度の変化(±100%)に比して有意に小さい。このように原色系の光源の輝度の変化の度合いをより小さくすることで、カラーブレークを抑制しやすくなる。従って、色域Dbが成立するカテゴリを採用することで、色域Daが成立するカテゴリが採用された場合に比して、カラーブレークを抑制できる。
【0050】
ただし、カラーブレークの抑制のみを優先した結果、画像の色再現が著しく損なわれることは望ましくない。従って、カテゴリの選択は、画像の色再現とカラーブレークの抑制とが両立されていることが望ましい。一方、フレーム画像データIPに含まれる全ての画素データの階調値を再現することは、色情報取得部711及びカテゴリ検証部712に高い処理負荷を生じさせる。そこで、実施形態1では、例えば、フレーム画像データIPに含まれる画素データをサンプリングし、サンプリングされた画素データが示す階調値を内包できるカテゴリが後述する可用カテゴリとみなされる。
【0051】
無論、フレーム画像データIPに含まれる全ての画素データの階調値を色域内に含められるよう、フレーム画像データIPに含まれる全ての画素データの階調値を色情報取得部711及びカテゴリ検証部712の処理対象としてもよい。どの程度のサンプリングを行うのかは、フレーム画像データIPとして想定されるデータに含まれる画素数(いわゆる解像度)と、色情報取得部711及びカテゴリ検証部712の処理能力と、のバランスに応じて適宜設定されてよい。一例として、実施形態1では、1920×1080のフレーム画像データIPにおいて、明度または再度が高い方の90%以上の画素がサンプリングされる。
【0052】
図9は、2つの色域Da,Dbと、カラーパターンCPと、の関係を三次元的に示す図である。
図9及び後述する
図10では、第1赤色Ra、第1緑色Ga、第1青色Ba、黄色Ya、シアンCa、マゼンタMa、白色Wの7点を頂点とする三次元空間を図示している。黄色Yaは、第1光源11R及び第2光源11Gが最高輝度で点灯し、第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。シアンCaは、第2光源11G及び第3光源11Bが最高輝度で点灯し、第1光源11Rが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。マゼンタMaは、第1光源11R及び第3光源11Bが最高輝度で点灯し、第2光源11Gが消灯している光源部11の点灯パターンに対応する。白色Wは、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが最高輝度で点灯している光源部11の点灯パターンに対応する。また、
図9では、カラーパターンCPが実線枠内にドットパターンを付された態様で示されている。なお、当該三次元空間を立方体と想定した場合の8頂点のうち残る1点は、白色Wと対向する位置の1点であり、黒色に相当する。
【0053】
図9に示す例では、色域Db内にカラーパターンCPの大半が収まっている。このような色域DbとカラーパターンCPとの関係によれば、色域Dbが成立するカテゴリを採用することで、カラーパターンCPに対応した画像の大部分の色再現を行える。従って、カラーパターンCPのうち色域Db外に位置するサンプリングされない画素データがごく一部であり、再現された画像の品質の劣化が許容範囲であれば、色域Dbが成立するカテゴリが採用され得る。
【0054】
図10は、色域Daと、サンプリングされた画素データによるサンプリング色域CQが示す階調値と、の関係を三次元的に示す概略図である。サンプリング色域CQが、フレーム画像データIPに含まれる全ての画素信号から一部をサンプリングして得られた画素データが示す階調値をカバーする色域を示しているとする。この場合、サンプリング色域CQを内包するカテゴリであれば、実施形態1で採用され得る。ここで、色域Daよりも狭い色域に対応するカテゴリ、すなわち、原色系の光源を最高輝度で点灯しないカテゴリをより優先的に採用することで、カラーブレークを抑制できる。
【0055】
図11は、カテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
図11では、実施形態1で利用され得るカテゴリとして、第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3及び第10カテゴリCt0を例示している。
【0056】
第1カテゴリCt1は、1フレーム期間中に、第1黄色Y1の期間と、第2黄色Y2の期間と、第1青色Baの期間と、が生じることで成立する。第1黄色Y1の期間及び第2黄色Y2の期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。ただし、第1黄色Y1と第2黄色Y2とでは、第1光源11Rの輝度及び第2光源11Gの輝度が異なる。第1黄色Y1は、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。第2黄色Y2は、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。
【0057】
第2カテゴリCt2は、1フレーム期間中に、第1シアンC1の期間と、第2シアンC2の期間と、第1赤色Raの期間と、が生じることで成立する。第1シアンC1の期間及び第2シアンC2の期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。ただし、第1シアンC1と第2シアンC2とでは、第2光源11Gの輝度及び第3光源11Bの輝度が異なる。第1シアンC1は、第2光源11Gの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。第2シアンC2は、第3光源11Bの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。
【0058】
第3カテゴリCt3は、1フレーム期間中に、第1マゼンタM1の期間と、第2マゼンタM2の期間と、第1緑色Gaの期間と、が生じることで成立する。第1マゼンタM1の期間及び第2マゼンタM2の期間は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯する期間である。ただし、第1マゼンタM1と第2マゼンタM2とでは、第1光源11Rの輝度及び第3光源11Bの輝度が異なる。第1マゼンタM1は、第3光源11Bの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。第2マゼンタM2は、第1光源11Rの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。
【0059】
第10カテゴリCt0は、上述した色域Daと同等である。すなわち、第10カテゴリCt0は、1フレーム期間中に、第1赤色Raの期間と、第1緑色Gaの期間と、第1青色Baの期間と、が生じることで成立する。
【0060】
なお、カテゴリ情報717に含まれるどのカテゴリが光源部11の制御に適用されたとしても、1フレーム期間中に再現される赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のバランスが同等になるよう各カテゴリに含まれる各期間の光源の輝度が調整されることが望ましい。
【0061】
第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3、第10カテゴリCt0のような複数のカテゴリには、優先度の高低が予め設定されている。
図11に示すように、実施形態1において、第1カテゴリCt1は、最も優先度が高い。第2カテゴリCt2は、第1カテゴリCt1に次いで優先度が高い。第3カテゴリCt3は、3番目に優先度が高い。第10カテゴリCt0は、最も優先度が低い。
【0062】
カテゴリ同士の相対的な優先度の高低は、よりカラーブレークを生じにくいものが相対的に優先度が高くなるよう設定されることが望ましい。
図11に示す例では、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bのうち、第3光源11Bに比してより輝度変化がユーザに認識されやすい第1光源11R、第2光源11Gが最高輝度で点灯する期間を生じない第1カテゴリCt1に最も高い優先度が設定されている。また、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bのうち、輝度変化が最もユーザに認識されやすい第2光源11Gが最高輝度で点灯する期間を生じない第2カテゴリCt2が、第3カテゴリCt3及び第10カテゴリCt0に比して高い優先度が設定されている。
【0063】
図5に示す記憶部716は、カテゴリ情報717、優先順位情報718、目標情報719及び遷移情報720を記憶する。記憶部716は、データを書き換え可能に記憶できる不揮発性の記憶回路である。ただし、目標情報719及び遷移情報720は表示装置100の動作開始時に初期化される。
【0064】
カテゴリ情報717は、複数のカテゴリの各々を示す情報を含む。具体的には、カテゴリ情報717は、例えば
図11に示す第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3、第10カテゴリCt0の各々を示す情報を含む。すなわち、カテゴリ検証部712は、カテゴリ情報717を参照することで、どのカテゴリを採用した場合にどのような光源部11の点灯パターンが生じ、どのような色域での色再現を行えるかを特定できるようになっている。1つのカテゴリは、n種類の期間を示すデータを含む。実施形態1では、上述したn=3に対応し、各カテゴリの情報に、当該カテゴリを成立させるための3つの期間が設定されている。例えば、上述した第10カテゴリCt0の情報ならば、第1赤色Raの期間と、第1緑色Gaの期間と、第1青色Baの期間と、を示す情報を含んでいる。
【0065】
カテゴリ検証部712は、カテゴリ情報717のうち第10カテゴリCt0を除く各々について、色情報取得部711が取得した画像の色情報を再現できるか検証する。言い換えれば、カテゴリ検証部712は、フレーム画像データIPに基づいて色情報取得部711が取得した色情報に対応した色再現を行えるかをカテゴリ毎に個別に検証する処理を行う。
【0066】
なお、第10カテゴリCt0が検証の対象にならないのは、第10カテゴリCt0以外のカテゴリで色再現が行えない場合には、全てのカテゴリの中で最も色域が広い第10カテゴリCt0が消去法的に採用されることによる。
【0067】
また、実施形態1では、カテゴリ検証部712は、フレーム画像データIPに基づいて色情報取得部711が取得した、画像に含まれる複数の画素データの各々が示す階調値により再現される色情報のうち、サンプリングされた画素データによる色情報を検証の対象とする。
【0068】
図5に示す可用カテゴリ抽出部713は、カテゴリ検証部712が行った処理に基づいて、カテゴリ情報717に含まれるカテゴリのうち、フレーム画像データIPに基づいて色情報取得部711が取得した色情報に対応した色再現を行えるカテゴリを抽出する。係る抽出に際して、可用カテゴリ抽出部713は、優先順位情報718を参照して得られた情報を付加する。
【0069】
具体的には、可用カテゴリ抽出部713は、カテゴリ検証部712によってサンプリングされた画素データによる色情報を色域内に収めることが検証されたカテゴリを可用カテゴリとして抽出し、可用カテゴリとして抽出されたカテゴリを示す情報を生成する。すなわち、カテゴリ検証部712によってサンプリングされた画素データによる色情報が色域外にあるカテゴリは、可用カテゴリとして抽出されない。
【0070】
優先順位情報718は、カテゴリ情報717に含まれる複数のカテゴリの優先度を示す情報を含む。具体的には、優先順位情報718は、例えば
図11に示す第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3、第10カテゴリCt0の優先度の相対的な工程を示す情報を含む。可用カテゴリ抽出部713は、優先順位情報718を参照し、可用カテゴリとして抽出されたカテゴリを示す情報に、可用カテゴリの優先度を示す情報を付加する。
【0071】
目標カテゴリ選択部714は、可用カテゴリ抽出部713によって可用カテゴリとして抽出されたカテゴリのうち、優先度が最も高いカテゴリを目標カテゴリとして選択する。目標カテゴリ選択部714は、目標カテゴリを示す情報を目標情報719として記憶部716に記憶する。
【0072】
ただし、表示装置100の表示出力内容が後述する無色Bakである場合、優先度の高低に関わらず第10カテゴリCt0が目標カテゴリになるようにされてもよい。
【0073】
採用カテゴリ決定部715は、目標情報719及び遷移情報720を参照して、光源制御信号DPを生成して出力する。以下、採用カテゴリ決定部715による光源制御信号DPの生成に係る仕組みについて、
図12を参照して説明する。
【0074】
図12は、表示出力内容の遷移と、カテゴリの検証と、目標カテゴリの選択と、光源部11の点灯パターンの変化と、の関係を示す概略図である。
図12では、期間Ti1と期間Ti2との間のタイミングTaと、期間Ti2と期間Ti3との間のタイミングTbと、で表示出力内容が切り替わる場合を例示している。期間Ti1は、表示装置100の動作開始後の期間であって、タイミングTaにフレーム画像データIPが入力されるまでの期間である。期間Ti2は、タイミングTaにフレーム画像データIPが入力された後の当該フレーム画像データIPに対応した表示出力期間であって、タイミングTbにフレーム画像データIPが入力されるまでの期間である。期間Ti3は、タイミングTbにフレーム画像データIPが入力された後の当該フレーム画像データIPに対応した表示出力期間である。タイミングTa、タイミングTbは、それぞれ、それ以前までとは異なるフレーム画像データIPが入力されるタイミングを示す。すなわち、タイミングTa、タイミングTbは、表示出力内容の更新タイミングである。
【0075】
まず、期間Ti1では、フレーム画像データIPに応じた表示装置100の表示出力内容が、無色Bakになる。無色Bakに応じて制御された表示部7は、全ての画素の光の散乱の度合いが最低である。無色Bakは、例えばフレーム画像データIPに含まれる全ての画素データが(R,G,B)=(0,0,0)である場合に成立する。なお、表示装置100の動作開始後、フレーム画像データIPの入力がまだ行われていない場合に無色Bakになる仕組みであってもよい。
【0076】
実施形態1では、表示出力内容が無色Bakである期間Ti1中、目標カテゴリ及び点灯パターンは第10カテゴリCt0にされる。これは、無色Bakから無色Bakでない他の表示出力内容に表示出力内容が遷移する場合、遷移後の表示出力内容に応じたカテゴリへの遷移の容易性を考慮したものである。その詳細については後述する。
【0077】
図12では、タイミングTaの時点で、表示出力内容が無色Bakから第1画像CP1に遷移している。第1画像CP1は、黄色領域DpY、青色領域DpB、白色領域DpWを含んでいる。黄色領域DpYは、高輝度の赤色の光及び高輝度の緑色の光が散乱されることで再現される。青色領域DpBは、高輝度の青色の光が散乱されることで再現される。白色領域DpWは、高輝度の赤色の光、高輝度の緑色の光及び高輝度の青色の光が散乱されることで再現される。
【0078】
タイミングTaに際し、色情報取得部711は、第1画像CP1の色情報を取得する。カテゴリ検証部712は、第1画像CP1の色情報をサンプリングして第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3の各々で第1画像CP1の色再現が可能かを検証する。ここでは、黄色領域DpY、青色領域DpB及び白色領域DpWの色情報が全てサンプリングに含まれていたものとする。
【0079】
第1カテゴリCt1では黄色領域DpY、青色領域DpB及び白色領域DpWを再現できる。一方、第2カテゴリCt2及び第3カテゴリCt3では黄色領域DpYを再現できない。従って、可用カテゴリ抽出部713は、第1カテゴリCt1を可用カテゴリとして抽出する。なお、上述した通り、可用カテゴリを示す情報には優先度を示す情報も付加されるが、タイミングTaの例では第1カテゴリCt1のみが可用カテゴリであるため、目標カテゴリ選択部714が目標カテゴリとして選択するのは自動的に第1カテゴリCt1になる。従って、期間Ti2中、目標情報719は、第1カテゴリCt1を示す情報になる。
図12では、タイミングTaからタイミングTbまでの目標カテゴリが、第1カテゴリCt1になっている。
【0080】
ここで、実施形態1では、カラーブレークをより抑制できる仕組みが採用される。具体的には、
図12における「点灯パターン」欄で示すように、タイミングTa前の第10カテゴリCt0からタイミングTa後の目標カテゴリである第1カテゴリCt1に光源部11の点灯パターンを変化させる過程において、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との中間的なカテゴリを生じさせる制御が適用される。
【0081】
図12では、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との中間的なカテゴリとして、カテゴリCt01を例示している。カテゴリCt01は、1フレーム期間中に、第3黄色Y3の期間と、第4黄色Y4の期間と、第1青色Baの期間と、が生じることで成立する。第3黄色Y3の期間及び第4黄色Y4の期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。ただし、第3黄色Y3と第4黄色Y4とでは、第1光源11Rの輝度及び第2光源11Gの輝度が異なる。第3黄色Y3は、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。第4黄色Y4は、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。さらに、第3黄色Y3は、第1黄色Y1に比して第2光源11Gの輝度が相対的に高く、第1光源11Rの輝度が相対的に低い。また、第4黄色Y4は、第2黄色Y2に比して第1光源11Rの輝度が相対的に高く、第2光源11Gの輝度が相対的に低い。
【0082】
第10カテゴリCt0、カテゴリCt01及び第1カテゴリCt1は、第1青色Baの期間が生じる点で共通である。従って、第1青色Baの期間に第3光源11Bが高輝度で点灯する点については、期間Ti2中に変化が生じない。一方、第10カテゴリCt0では第1赤色Raの期間及び第1緑色Gaの期間が生じるのに対し、第1カテゴリCt1では第1黄色Y1の期間及び第2黄色Y2の期間が生じる点で、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1とには差異がある。ここで、第10カテゴリCt0から急激に第1カテゴリCt1に光源部11の点灯パターンを変更した場合、第1赤色Raの期間が急に第1黄色Y1の期間に置換され、第1緑色Gaの期間が急に第2黄色Y2の期間に置換されることになる。係る急な置換による光源部11の輝度分布の急激な変化は、ユーザにカラーブレークを認識させるきっかけになることがある。
【0083】
そこで、実施形態1では、例えばカテゴリCt01のように、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との中間的なカテゴリを第10カテゴリCt0から第1カテゴリCt1への遷移期間中に生じさせる。これによって、第10カテゴリCt0における第1赤色Raの期間は、カテゴリCt01における第3黄色Y3の期間を経て第1カテゴリCt1における第1黄色Y1の期間に遷移する。ここで、第1光源11Rの輝度は、第1赤色Raの期間、第3黄色Y3の期間、第1黄色Y1の期間を順次減る毎に順次低くなる。また、第2光源11Gの輝度は、第1赤色Raの期間、第3黄色Y3の期間、第1黄色Y1の期間を順次減る毎に順次高くなる。また、第10カテゴリCt0における第1緑色Gaの期間は、カテゴリCt01における第4黄色Y4の期間を経て第1カテゴリCt1における第2黄色Y2の期間に遷移する。ここで、第2光源11Gの輝度は、第1緑色Gaの期間、第4黄色Y4の期間、第2黄色Y2の期間を順次減る毎に順次低くなる。また、第1光源11Rの輝度は、第1緑色Gaの期間、第4黄色Y4の期間、第2黄色Y2の期間を順次減る毎に順次高くなる。
【0084】
このように、表示出力内容の遷移に伴うカテゴリの切り替わりに際して、切り替わり前後のカテゴリの中間的なカテゴリを生じさせることで、光源部11からの光の色の急な変化によるカラーブレークの顕在化の可能性をより抑制できる。従って、中間的なカテゴリを生じさせることで、カラーブレークをより抑制できる。
図12におけるタイミングTaでは、第10カテゴリCt0が切り替わり前のカテゴリであり、第1カテゴリCt1が切り替わり後のカテゴリであり、カテゴリCt01が中間的なカテゴリである。
【0085】
このように、画像処理回路70は、表示パネルPによる色再現が変化する場合、変化前のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンと、変化後のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンと、の差異に応じて第1光源11R、第2光源11G及び第2光源11Gの点灯パターンを制御する。上述した切り替わり前のカテゴリは、変化前のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンに対応する。また、上述した切り替わり後のカテゴリは、変化後のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンに対応する。また、ここでいう「表示パネルPによる色再現が変化する場合」とは、例えばフレーム画像データIPが未入力の状態から、フレーム画像データIPの入力が開始される状態に変化した場合も含まれる。その場合、「変化前のフレーム画像データIP」は、全ての画素データの全て階調値が0であるフレーム画像データIPであるものとして扱われる。
【0086】
また、画像処理回路70は、変化前のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンが適用される第1タイミングと、変化後のフレーム画像データIPに応じた色再現のための点灯パターンが適用される第2タイミングと、の間に、当該第1タイミング及び当該第2タイミングのいずれとも異なる点灯パターンが適用される移行期間を生じさせる。
図12に示す例の場合、例えばタイミングTa以前のタイミングが第1タイミングに相当する。また、タイミングTa後に切り替わり後のカテゴリ(第1カテゴリCt1)が適用されるタイミングが第2タイミングに相当する。また、中間的なカテゴリが適用される期間が移行期間に相当する。ここで、当該移行期間に光源部11から発せられる光の色と当該第1タイミングに光源部11から発せられる光の色との差異、及び、当該移行期間に光源部11から発せられる光の色と当該第2タイミングに光源部11から発せられる光の色との差異は、当該第1タイミングに光源部11から発せられる光の色と、当該第2タイミングに光源部11から発せられる光の色との差異に比して小さい。すなわち、第10カテゴリCt0とカテゴリCt01との差異及びカテゴリCt01と第1カテゴリCt1との光の色の差異は、切り替わり前後の第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との光の色の差異に比して小さい。より具体的には、第10カテゴリCt0とカテゴリCt01との差異及びカテゴリCt01と第1カテゴリCt1との光の色の差異は、1フレーム期間中に生じる3回の点灯期間のうち2回の点灯期間における赤色(R)の輝度及び緑色(G)の輝度の差異の観点で、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との差異に比して小さい。
【0087】
図10に示す遷移情報720には、目標情報719に新たに選択カテゴリを示す情報が記憶されるタイミングでは、その直前に光源部11の制御に適用されていた光源制御信号DPに対応するカテゴリを示す情報が記憶される。すなわち、タイミングTa以前の時点では、遷移情報720には第10カテゴリCt0を示す情報が記憶される。なお、表示装置100の起動直後等、目標情報719及び遷移情報720の内容がない状態である場合には、第10カテゴリCt0の情報が記憶されているものとみなす制御が適用されてもよい。
【0088】
採用カテゴリ決定部715は、目標情報719及び遷移情報720を参照し、目標情報719の内容と遷移情報720の内容とが一致する場合には目標情報719及び遷移情報720に記憶されているカテゴリに対応した制御を光源部11に適用するための光源制御信号DPを生成する。採用カテゴリ決定部715が生成した光源制御信号DPは、
図4を参照して説明したように、階調制御部72及びタイミングコントローラ13に出力される。
【0089】
タイミングTaの時点以降、可用カテゴリ抽出部713によって第1カテゴリCt1が抽出されると、目標カテゴリ選択部714によって第1カテゴリCt1を示す情報が目標情報719に記憶される。第1カテゴリCt1を示す情報が目標情報719に記憶された時点では、遷移情報720には、まだ第10カテゴリCt0の情報が記憶されている。
【0090】
採用カテゴリ決定部715は、目標情報719及び遷移情報720を参照し、目標情報719の内容と遷移情報720の内容とが異なる内容になった場合、目標情報719の内容と遷移情報720の内容とが異なる内容になったタイミングから所定時間かけて光源部11に適用される制御を遷移情報720に記憶されている情報が示すカテゴリに遷移させる処理を行う。具体的には、例えば上述したように、第10カテゴリCt0と第1カテゴリCt1との中間的なカテゴリ(例えば、カテゴリCt01)を光源部11に適用させるよう光源制御信号DPを生成する。当該所定時間の経過後には、遷移情報720に記憶されている情報が示すカテゴリ(例えば、第1カテゴリCt1)に記憶されているカテゴリに対応した制御を光源部11に適用するための光源制御信号DPを生成する。
【0091】
なお、中間的なカテゴリは1つに限られず、切り替わり前後の光源の点灯パターンの切り替わりをよりゆるやかにする目的で複数段階設けられてもよい。例えば、
図12における第10カテゴリCt0とカテゴリCt01との中間的なカテゴリ、カテゴリCt01と第1カテゴリCt1との中間的なカテゴリの少なくとも一方が1つ以上、さらに適用されてもよい。また、所定時間は任意の時間であるが、切り替わり前後のカテゴリの遷移時間がユーザに認識されない程度の短い時間であることが望ましい。一例を挙げると、秒間60フレームの表示出力内容の更新が行われる表示装置100において、10フレーム期間(1/6秒)程度の時間が所定時間とされることが望ましい。
【0092】
なお、上述したように、階調制御部72は、光源制御信号DPに応じて点灯の度合いを制御された光源部11からの光でフレーム画像データIPに対応した表示出力を行うための階調値制御を表示出力信号OPに反映する。従って、上述した所定時間のように、光源制御信号DPに反映されるカテゴリが変化する場合、当該変化に応じて表示出力信号OPに反映される階調値も変化し得る。
【0093】
なお、遷移情報720は、カテゴリの切り替わりが完了するまで切り替わり前のカテゴリを示す情報を保持するよう制御されてもよいし、中間的なカテゴリが適用される度に当該中間的なカテゴリを示す情報が遷移情報720に書き込まれてもよい。いずれにせよ、切り替わり前後の光源部11の制御が、カラーブレークを抑制する観点で、目標情報719及び遷移情報720を参照して
図12を参照して説明したように成立すればよい。
【0094】
図12におけるタイミングTa後の期間Ti2中、光源部11の点灯パターンに第1カテゴリCt1が適用されるようになった後、表示出力内容が再度変化するタイミングTbまで、第1カテゴリCt1に対応した光源制御信号DPの出力が継続される。
【0095】
図12では、タイミングTbの時点で、表示出力内容が第1画像CP1から第2画像CP2に遷移している。第2画像CP2は、赤色領域DpR、シアン領域DpC、白色領域DpWを含んでいる。赤色領域DpRは、高輝度の赤色の光が散乱されることで再現される。シアン領域DpCは、高輝度の緑色の光及び高輝度の青色の光が散乱されることで再現される。白色領域DpWは、第1画像CP1の場合と同様、高輝度の赤色の光、高輝度の緑色の光及び高輝度の青色の光が散乱されることで再現される。
【0096】
タイミングTbに際し、色情報取得部711は、第2画像CP2の色情報を取得する。カテゴリ検証部712は、第2画像CP2の色情報をサンプリングして第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3の各々で第2画像CP2の色再現が可能かを検証する。ここでは、赤色領域DpR、シアン領域DpC及び白色領域DpWの色情報が全てサンプリングに含まれていたものとする。
【0097】
第2カテゴリCt2では赤色領域DpR、シアン領域DpC及び白色領域DpWを再現できる。一方、第1カテゴリCt1及び第3カテゴリCt3では赤色領域DpRを再現できない。従って、可用カテゴリ抽出部713は、第2カテゴリCt2を可用カテゴリとして抽出する。なお、上述した通り、可用カテゴリを示す情報には優先度を示す情報も付加されるが、タイミングTbの例では第2カテゴリCt2のみが可用カテゴリであるため、目標カテゴリ選択部714が目標カテゴリとして選択するのは自動的に第2カテゴリCt2になる。従って、期間Ti3中、目標情報719は、第2カテゴリCt2を示す情報になる。
図12では、タイミングTb以降の目標カテゴリが、第2カテゴリCt2になっている。なお、仮に第1カテゴリCt1も可用カテゴリであるとすると、第2カテゴリCt2よりも第1カテゴリCt1の方が高い優先度であることから、第1カテゴリCt1が選択されることになる。
【0098】
タイミングTb以降も、上述したタイミングTa以降と同様、カテゴリの切り替わり前後の中間的なカテゴリが適用される。すなわち、実施形態1では、カテゴリの切り替わりがある場合、カテゴリの切り替わり前後の中間的なカテゴリが適用されることで、カラーブレークをより抑制できるようになっている。
【0099】
ただし、
図12に示す例では、タイミングTb以前のカテゴリが第1カテゴリCt1であり、タイミングTb以降のカテゴリが第2カテゴリCt2である。このため、タイミングTaを起点とするカテゴリの遷移とは異なり、切り替わり前のカテゴリが第10カテゴリCt0でない。そこで、実施形態1では、切り替わり前のカテゴリが第10カテゴリCt0でない場合、中間的なカテゴリとして第10カテゴリCt0を生じさせるようにしてもよい。
【0100】
図12に示すタイミングTb以降の点灯パターンは、カテゴリCt01、第10カテゴリCt0、カテゴリCt02、第2カテゴリCt2の順で遷移している。従って、タイミングTb以前の第1カテゴリCt1からタイミングTb以降の第10カテゴリCt0までは、タイミングTaの切り替わり前後と逆の順序で光源部11の点灯パターンが遷移することで、カラーブレークがより抑制される。
【0101】
カテゴリCt02は、1フレーム期間中に、第3シアンC3の期間と、第4シアンC4の期間と、第1赤色Raの期間と、が生じることで成立する。第3シアンC3の期間及び第4シアンC4の期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。ただし、第3シアンC3と第4シアンC4とでは、第2光源11Gの輝度及び第3光源11Bの輝度が異なる。第3シアンC3は、第2光源11Gの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。第4シアンC4は、第3光源11Bの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。さらに、第3シアンC3は、第1シアンC1に比して第2光源11Gの輝度が相対的に高く、第3光源11Bの輝度が相対的に低い。また、第4シアンC4は、第2シアンC2に比して第3光源11Bの輝度が相対的に高く、第2光源11Gの輝度が相対的に低い。
【0102】
第10カテゴリCt0、カテゴリCt02及び第2カテゴリCt2は、第1赤色Raの期間が生じる点で共通である。従って、第1赤色Raの期間に第1光源11Rが高輝度で点灯する点についてはこれらのカテゴリの遷移期間中に変化が生じない。一方、第10カテゴリCt0では第1緑色Gaの期間及び第1青色Baの期間が生じるのに対し、第2カテゴリCt2では第1シアンC1の期間及び第2シアンC2の期間が生じる点で、第10カテゴリCt0と第2カテゴリCt2とには差異がある。ここで、カテゴリCt02は、第10カテゴリCt0と第2カテゴリCt2との中間的なカテゴリとして機能し、当該遷移期間中における第2光源11G及び第3光源11Bの輝度の変化をよりゆるやかにするよう作用する。これによって、カラーブレークをより抑制できる。
【0103】
このように、切り替わり前後の移行期間には、第10カテゴリCt0に対応した光源部11の制御が適用されるタイミングが生じてもよい。すなわち、第1光源11Rが最高輝度で点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯する点灯期間と、第2光源11Gが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯する点灯期間と、第3光源11Bが最高輝度で点灯し、第1光源11R及び第2光源11Gが消灯する点灯期間と、を生じさせる点灯パターンが適用されるタイミングが生じてもよい。なお、表示出力内容が無色Bakである期間Ti1中に目標カテゴリ及び点灯パターンが第10カテゴリCt0であることは、同様の考え方に基づく。すなわち、第10カテゴリCt0から他のカテゴリへ移行することについては輝度の変化をよりゆるやかにしやすいことから、期間Ti1後にどのカテゴリが適当であるか分からない時点では第10カテゴリCt0を採用することで、あらゆるカテゴリに対応できるようにしておくことを目的としている。
【0104】
なお、中間的なカテゴリは必ずしも第10カテゴリCt0を含まなくてもよい。例えば、
図12のAnPで示すように、第1カテゴリCt1と第2カテゴリCt2との中間的なカテゴリとして、第10カテゴリCt0とは異なる他のカテゴリを適用するようにしてもよい。
図12では、当該他のカテゴリとして、カテゴリCt8が例示されている。カテゴリCt8は、1フレーム期間中に、混色BC2の期間と、混色RY2の期間と、混色GW2の期間と、が生じることで成立する(
図13の第8カテゴリ参照)。
【0105】
混色BC2の期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。混色BC2は、第3光源11Bの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。混色RY2の期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。混色RY2は、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。混色GW2の期間は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯する期間である。混色GW2は、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度及び第3光源11Bの輝度よりも高い。混色GW2における第1光源11Rの輝度と第3光源11Bの輝度とは同等である。
【0106】
なお、表示出力内容の遷移後、すなわち、カテゴリの切り替わり後のカテゴリが第10カテゴリCt0である場合には、例えばタイミングTb以降の点灯パターンのうち、第1カテゴリCt1からカテゴリCt01を経て第10カテゴリCt0になるまでの遷移のように点灯パターンを切り替えればよい。
【0107】
また、中間的なカテゴリをどのようなカテゴリにするかは、切り替わり前後のカテゴリに応じて予め定められている。係る中間的なカテゴリの決定方法に関するプログラム等は、予め採用カテゴリ決定部715に実装済みであってもよいし、図示しない記憶装置又は記憶回路に記憶されて採用カテゴリ決定部715から参照可能に設けられていてもよい。
【0108】
なお、1フレーム期間中に生じる光源の色の色相の遷移方向は、切り替わり前後及び中間的なカテゴリで共通である。例えば、
図4を参照して説明した点灯期間LP1で第1光源11Rを相対的に最も高輝度とし、点灯期間LP2で第2光源11Gを相対的に最も高輝度とし、点灯期間LP3で第3光源11Bを相対的に最も高輝度とする規則が予め定められているとする。この場合、カテゴリ情報717に含まれるカテゴリは、当該規則を満たす。また、採用カテゴリ決定部715によって光源制御信号DPに反映され得る中間的なカテゴリも、当該規則を満たすよう採用カテゴリ決定部715によって生成される。なお、規則における点灯期間LP1点灯期間LP2,LP3の各々と最も高輝度な光源の色との関係は、適宜変更可能である。
【0109】
以上、実施形態1によれば、第1の色の光を発する第1光源(例えば、第1光源11R)と、第2の色の光を発する第2光源(例えば、第2光源11G)と、第3の色の光を発する第3光源(例えば、第3光源11B)と、を有する光源部(例えば、光源部11)と、当該光源部からの光を利用し、外部からの入力データ(例えば、フレーム画像データIP)に応じた色再現を行う表示部(例えば、表示パネルP、特に、画素Pixが設けられた表示部7)と、当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源の点灯パターンを示すデータ(例えば、カテゴリ情報717)を記憶する記憶部(例えば、記憶部716)と、当該入力データ及び当該データに基づいて、当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源の点灯パターンを制御する制御部(例えば、点灯制御部71を有する画像処理回路70)と、を備える。当該制御部は、当該表示部が出力するフレーム画像の表示出力期間中にn回の点灯期間(例えば、点灯期間LP1点灯期間LP2,LP3)を生じさせる。nは、3以上の自然数(例えば、n=3)である。当該n回の点灯期間の各々で当該光源部から発せられる光の色はそれぞれ異なる。当該データは、当該n回の点灯期間で再現可能な色域がそれぞれ異なる複数種類の点灯パターン(例えば、第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3及び第10カテゴリCt0)を示す情報を含む。当該制御部は、当該表示部による色再現が変化する場合、変化前の当該入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、変化後の当該入力データに応じた色再現のための点灯パターンと、の差異に応じて当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源の点灯パターンを制御する。
【0110】
これによって、光源部(例えば、光源部11)の制御に、再現可能な色域がそれぞれ異なる複数種類の点灯パターンのいずれかを適用できる。さらに、当該光源部の制御に、変化前後の入力データ(例えば、フレーム画像データIP)に応じた色再現のための点灯パターンの差異を反映できる。従って、変化前後の少なくとも一方に、カラーブレークがより生じにくい点灯パターンを適用することで、カラーブレークをより抑制できる。
【0111】
また、制御部(画像処理回路70)は、変化前の入力データ(例えば、変化前のフレーム画像データIP又はフレーム画像データIPの未入力状態)に応じた色再現のための点灯パターンが適用される第1タイミングと、変化後の入力データ(例えば、変化前のフレーム画像データIP)に応じた色再現のための点灯パターンが適用される第2タイミングと、の間に、当該第1タイミング及び当該第2タイミングのいずれとも異なる点灯パターンが適用される移行期間を生じさせることで、カラーブレークをより抑制できる。ここで、当該移行期間に光源部(例えば、光源部11)から発せられる光の色と当該第1タイミングに当該光源部から発せられる光の色との差異、及び、当該移行期間に当該光源部から発せられる光の色と当該第2タイミングに当該光源部から発せられる光の色との差異は、当該第1タイミングに当該光源部から発せられる光の色と、当該第2タイミングに当該光源部から発せられる光の色との差異に比して小さいので、移行期間がない場合に比して当該第1タイミングと当該第2タイミングとの間の光の差異の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0112】
また、上述した移行期間に、第1光源(例えば、第1光源11R)が最高輝度で点灯し、第2光源(例えば、第2光源11G)及び第3光源(例えば、第3光源11B)が消灯する点灯期間と、当該第2光源が最高輝度で点灯し、当該第1光源及び当該第3光源が消灯する点灯期間と、当該第3光源が最高輝度で点灯し、当該第1光源及び当該第2光源が消灯する点灯期間と、を生じさせる点灯パターンが適用されるタイミングを生じさせることで、上述した第1タイミングの点灯パターンと第2タイミングとの点灯パターンとの光の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0113】
また、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)、第2光源(例えば、第2光源11G)又は第3光源(例えば、第3光源11B)のいずれか1つが最高輝度で点灯し、他の2つが消灯する点灯期間を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む。例えば、
図11を参照した説明では、第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3及び第10カテゴリCt0のいずれも係る点灯パターンに該当する。このような点灯パターンによれば、最高輝度で点灯する光源から発せられる光の色に対応した色再現をより確実に行える。
【0114】
また、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)と第2光源(例えば、第2光源11G)と第3光源(例えば、第3光源11B)とのうち2つが点灯し、他の1つが消灯する2回の点灯期間を生じさせ、当該2回の点灯期間の一方と他方とでは当該第1光源と当該第2光源と当該第3光源とのうち点灯する2つの輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む。例えば、
図11を参照した説明では、第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2及び第3カテゴリCt3が係る点灯パターンに該当する。このような点灯パターンによれば、当該2回の点灯期間同士の間の光の差異の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0115】
また、データ(例えば、カテゴリ情報717)に含まれる複数種類の点灯パターンの各々には、予め定められた優先度が設定されている。制御部(例えば、画像処理回路70)は、入力データ(例えば、フレーム画像データIP)に含まれる画素データが示す階調値に応じて再現される色を再現可能な点灯パターンのうち最も優先度が高い点灯パターンを光源部(例えば、光源部11)の制御に適用する。これによって、カラーブレークをより抑制できる点灯パターンにより高い優先度を設定することで、カラーブレークをより抑制しやすくなる。
【0116】
また、第1の色、第2の色、第3の色のうち1つ(例えば、第1の色)は赤色(R)である。また、第1の色、第2の色、第3の色のうち赤色(R)でない1つは緑色(G)である。また、第1の色、第2の色、第3の色のうち赤色でも緑色でない1つは青色(B)である。これによって、十分な色再現を実現できる。
【0117】
また、表示部(例えば、表示パネルP)は、高分子分散型液晶が封入された液晶パネルである。これによって、光の透過と散乱とを切り替え可能な液晶パネルにおいて、カラーブレークをより抑制できる。
【0118】
(変形例1)
次に、実施形態1の変形例である変形例1について、
図13を参照して説明する。変形例1に係る説明では、実施形態1と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略する。
【0119】
図13は、変形例1で追加されるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。変形例1では、実施形態1に係る説明で
図11を参照して説明した第1カテゴリCt1、第2カテゴリCt2、第3カテゴリCt3、第10カテゴリCt0に加えて、さらに、
図13に示す第4カテゴリ、第5カテゴリ、第6カテゴリ、第7カテゴリ、第8カテゴリ及び第9カテゴリを示す情報をカテゴリ情報717に含めてもよい。
【0120】
第4カテゴリは、1フレーム期間中に、混色RWの期間と、混色GWの期間と、混色BWの期間と、が生じることで成立する。混色RWの期間、混色GWの期間及び混色BWの期間は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯する期間である。混色RWは、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度及び第3光源11Bの輝度よりも高い。混色RWにおける第2光源11Gの輝度と第3光源11Bの輝度とは同等である。混色GWは、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度及び第3光源11Bの輝度よりも高い。混色GWにおける第1光源11Rの輝度と第3光源11Bの輝度とは同等である。混色BWは、第3光源11Bの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度及び第2光源11Gの輝度よりも高い。混色BWにおける第1光源11Rの輝度と第2光源11Gの輝度とは同等である。
【0121】
第5カテゴリは、1フレーム期間中に、混色BCの期間と、混色GYの期間と、混色RMの期間と、が生じることで成立する。混色BCの期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。混色BCは、第3光源11Bの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。混色GYの期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。混色GYは、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。混色RMの期間は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯する期間である。混色RMは、第1光源11Rの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。
【0122】
第6カテゴリは、1フレーム期間中に、混色GCの期間と、混色RYの期間と、混色BMの期間と、が生じることで成立する。混色GCの期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。混色GCは、第2光源11Gの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。混色RYの期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。混色RYは、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度よりも高い。混色BMの期間は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯する期間である。混色BMは、第3光源11Bの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。
【0123】
第7カテゴリは、1フレーム期間中に、混色BM2の期間と、混色GY2の期間と、混色RW2の期間と、が生じることで成立する。混色BM2の期間は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯する期間である。混色BM2は、第3光源11Bの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。混色GY2の期間は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯する期間である。混色GY2は、第2光源11Gの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度よりも高い。混色RW2の期間は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯する期間である。混色RW2は、第1光源11Rの輝度が相対的に第2光源11Gの輝度及び第3光源11Bの輝度よりも高い。混色RW2における第2光源11Gの輝度と第3光源11Bの輝度とは同等である。
【0124】
第8カテゴリは、実施形態1で
図12を参照して説明したカテゴリCt8と同様である。
【0125】
第9カテゴリは、1フレーム期間中に、混色RM2の期間と、混色GC2の期間と、混色BW2の期間と、が生じることで成立する。混色RM2の期間は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯する期間である。混色RM2は、第1光源11Rの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。混色GC2の期間は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯する期間である。混色GC2は、第2光源11Gの輝度が相対的に第3光源11Bの輝度よりも高い。混色BW2の期間は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯する期間である。混色BW2は、第3光源11Bの輝度が相対的に第1光源11Rの輝度及び第2光源11Gの輝度よりも高い。混色BW2における第1光源11Rの輝度と第2光源11Gの輝度とは同等である。
【0126】
図13に示す複数のカテゴリは、優先度が高いものから順に、第4カテゴリ、第5カテゴリ、第6カテゴリ、第7カテゴリ、第8カテゴリ、第9カテゴリの順である。また、第4カテゴリは、第3カテゴリCt3よりも優先度が低い。また、第9カテゴリは、第10カテゴリCt0よりも優先度が高い。従って、
図11に示す第3カテゴリCt3と第10カテゴリCt0との間の2つの境界線BL1,BL2の間に
図13をあてはめることで、変形例1におけるカテゴリの優先度を示せる。
【0127】
以上、特筆した事項を除いて、変形例1は、実施形態1と同様である。変形例1によれば、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)と第2光源(例えば、第2光源11G)とが点灯し、第3光源(例えば、第3光源11B)が消灯する点灯期間と、当該第2光源と当該第3光源とが点灯し、当該第1光源が消灯する点灯期間と、当該第1光源と前記第3光源とが点灯し、当該第2光源が消灯する点灯期間と、を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む。
図13を参照した説明では、第5カテゴリ及び第6カテゴリが係る点灯パターンに該当する。このような点灯パターンによれば、当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源が最高輝度で点灯する点灯パターンに比して、点灯期間同士の間の光の差異の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0128】
また、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)、第2光源(例えば、第2光源11G)及び第3光源(例えば、第3光源11B)が点灯する3回の点灯期間を生じさせ、当該3回の点灯期間はそれぞれ、当該第1光源と当該第2光源と当該第3光源との輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む。
図13を参照した説明では、第4カテゴリが係る点灯パターンに該当する。このような点灯パターンによれば、当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源が最高輝度で点灯する点灯パターンに比して、点灯期間同士の間の光の差異の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0129】
(実施形態2)
次に、実施形態1と一部が異なる実施形態2について、
図14及び
図15を参照して説明する。実施形態2に係る説明では、実施形態1と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略する。
【0130】
図14は、実施形態2で適用されるFSC方式を示す概略図である。実施形態2におけるフレーム期間FPは、
図3を参照して説明したサブフレーム期間SFP1サブフレーム期間SFP2,SFP3に加えて、サブフレーム期間SFP4を含む。サブフレーム期間SFP4は、書込期間WP4と、書込期間WP4後の点灯期間LP4と、を含む。書込期間WP4は、書込期間である。点灯期間LP4は、点灯期間である。すなわち、実施形態では、n=4である。従って、実施形態2では、カテゴリ情報717に含まれるカテゴリを示す情報に、4つの期間が設定されている。以下、実施形態2におけるカテゴリについて、
図15を参照して説明する。
【0131】
図15は、実施形態2におけるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。
図15では、実施形態2で利用され得るカテゴリとして、第11カテゴリ、第12カテゴリ、第13カテゴリ及び第20カテゴリを例示している。
【0132】
第11カテゴリは、1フレーム期間中に、第1黄色Y1の期間と、第2黄色Y2の期間と、第1青色Baの期間と、第1白色W1の期間と、が生じることで成立する。
【0133】
第12カテゴリは、1フレーム期間中に、第1シアンC1の期間と、第2シアンC2の期間と、第1赤色Raの期間と、第1白色W1の期間と、が生じることで成立する。
【0134】
第13カテゴリは、1フレーム期間中に、第1マゼンタM1の期間と、第2マゼンタM2の期間と、第1緑色Gaの期間と、第1白色W1の期間と、が生じることで成立する。
【0135】
第20カテゴリは、1フレーム期間中に、第1赤色Raの期間と、第1緑色Gaの期間と、第1青色Baの期間と、第1白色W1の期間と、が生じることで成立する。
【0136】
第1白色W1は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯する期間である。第1白色W1は、第1光源11Rの輝度と、第2光源11Gの輝度と、第3光源11Bの輝度と、の輝度比が同等である。
【0137】
実施形態2で採用され得るカテゴリは、実施形態1で採用され得るカテゴリに比して、1フレーム期間単位で見た場合の白色(W)の輝度成分が高めに設定されている。具体的には、
図15に示す第11カテゴリ、第12カテゴリ、第13カテゴリ及び第20カテゴリの場合、白色(W)の輝度成分が、第1白色W1を除いた3つの期間で実施形態1の第10カテゴリCt0と同等になる。また、この場合、さらに、第1白色W1による白色(W)の色再現が行われることで、第10カテゴリCt0に比して白色(W)の輝度成分が増加する。より具体的には、第1白色W1は、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが20%の輝度(0.2)で点灯する光源部11の点灯パターンである。言い換えれば、第1白色W1における第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bの輝度の割合が、実施形態1のカテゴリに比した場合に実施形態2のカテゴリで増加している白色(W)の輝度成分の割合である。係る割合は、20%(0.2)に限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0138】
実施形態2では、実施形態1における第1カテゴリCt1が、第11カテゴリに置換される。実施形態2では、実施形態1における第2カテゴリCt2が、第12カテゴリに置換される。実施形態2では、実施形態1における第3カテゴリCt3が、第13カテゴリに置換される。実施形態2では、実施形態1における第10カテゴリCt0が、第20カテゴリに置換される。
【0139】
さらに、実施形態2では、
図12を参照して説明した中間的なカテゴリにおいても、n=4であることを前提としたカテゴリが適用される。例えば、
図12を参照して説明した各カテゴリに、第1白色W1の期間を追加することで、実施形態2で適用されるカテゴリを説明できる。
【0140】
以上、特筆した事項を除いて、実施形態2は、実施形態1と同様である。実施形態2によれば、点灯期間(例えば、点灯期間LP1点灯期間LP2,LP3,LP4)の回数を示すnは、4以上(例えば、n=4)である。また、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)、第2光源(例えば、第2光源11G)及び第3光源(例えば、第3光源11B)が点灯する点灯期間を生じさせる点灯パターンを示す情報を含む。
図15を参照した説明では、第11カテゴリ、第12カテゴリ、第13カテゴリ及び第20カテゴリのいずれも係る点灯パターンに該当する。ここでいう第1光源(例えば、第1光源11R)、第2光源(例えば、第2光源11G)及び第3光源(例えば、第3光源11B)が点灯する点灯期間とは、例えば上述した第1白色W1の期間である。これによって、表示出力される画像の明るさをより高めやすくなる。
【0141】
(変形例2)
次に、実施形態2の変形例である変形例2について、
図16を参照して説明する。変形例2に係る説明では、実施形態2と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略する。
【0142】
図16は、変形例2で追加されるカテゴリの種類と採用の優先度との関係の一例を示す図である。変形例2では、
図15を参照して説明した第11カテゴリ、第12カテゴリ、第13カテゴリ、第20カテゴリに加えて、さらに、
図16に示す第14カテゴリ及び第15カテゴリを示す情報をカテゴリ情報717に含めてもよい。
【0143】
第14カテゴリは、1フレーム期間中に、混色RWの期間と、混色GWの期間と、混色BWの期間と、第2白色W2の期間と、が生じることで成立する。第2白色W2は、第1白色W1と同等であってもよいし、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bの輝度が第1白色W1と異なってもよい。ただし、混色RWの期間と、混色GWの期間と、混色BWの期間と、第2白色W2の期間と、の全体で見た場合の白色(W)の輝度が、他のカテゴリと同等に調整されることが望ましい。
【0144】
第15カテゴリは、1フレーム期間中に、第3赤色Rcの期間と、第3緑色Gcの期間と、第3青色Bcの期間と、第3白色W3の期間と、が生じることで成立する。第3赤色Rcは、第1赤色Raに比して低輝度で第1光源11Rが点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。第3緑色Gcは、第1緑色Gaに比して低輝度で第2光源11Gが点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。第3青色Bcは、第1青色Baに比して低輝度で第3光源11Bが点灯し、第2光源11G及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。第3白色W3は、第1白色W1に比して高輝度で第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯している光源部11の点灯パターンである。第15カテゴリは、第3赤色Rcの期間と、第3緑色Gcの期間と、第3青色Bcの期間と、第3白色W3の期間と、の全体で見た場合の白色(W)の輝度が、他のカテゴリと同等に調整されることが望ましい。
【0145】
第14カテゴリは、第13カテゴリ(
図15参照)よりも優先度が低いが、第15カテゴリよりも優先度が高い。第15カテゴリは、第20カテゴリ(
図15参照)よりも優先度が高い。従って、
図15に示す第13カテゴリと第20カテゴリとの間の2つの境界線BL3,BL4の間に
図16をあてはめることで、変形例2におけるカテゴリの優先度を示せる。
【0146】
以上、特筆した事項を除いて、変形例2は、実施形態2と同様である。変形例2によれば、上述した変形例1と同様、カラーブレークをより抑制できる。
【0147】
(変形例3)
次に、実施形態2の変形例である変形例3について、
図17及び
図18を参照して説明する。変形例3に係る説明では、実施形態2と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略する。また、変形例2と変形例3の両方を実施形態2適用してもよい。
【0148】
図17及び
図18は、変形例3におけるカテゴリの遷移例を示す図である。
図17及び
図18は、
図15を参照して説明した第20カテゴリを切り替わり前のカテゴリとした場合のカテゴリの遷移例を示す。
【0149】
例えば、
図17に示すカテゴリCt23が切り替わり後のカテゴリである場合を想定すると、第20カテゴリとカテゴリCt23との間にカテゴリCt21、カテゴリCt22を順次生じさせることで、カラーブレークをより抑制できる。
【0150】
カテゴリCt21は、1フレーム期間中に、第1赤色Raの期間と、第1青色Baの期間と、第4緑色Gdの期間と、混色GW2の期間と、が生じることで成立する。第4緑色Gdは、第1緑色Gaに比して低輝度で第2光源11Gが点灯し、第1光源11R及び第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。
【0151】
カテゴリCt22は、1フレーム期間中に、第1赤色Raの期間と、第1青色Baの期間と、混色GC3の期間と、混色GY3の期間と、が生じることで成立する。混色GC3は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GY3は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GC3及び混色GY3では、第2光源11Gの輝度が、点灯する他の色の光源の輝度に比して相対的に高い。
【0152】
カテゴリCt23は、1フレーム期間中に、第1赤色Raの期間と、第1青色Baの期間と、混色GC4の期間と、混色GY4の期間と、が生じることで成立する。混色GC4は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GY4は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GC4及び混色GY4では、第2光源11Gの輝度が、点灯する他の色の光源の輝度に比して相対的に高い。また、混色GC4及び混色GY4は、混色GC3及び混色GY3に比して、第2光源11Gの輝度が相対的に低く、点灯する他の色の光源の輝度が相対的に高い。
【0153】
カテゴリCt23では、混色GC4における第2光源11Gの輝度と混色GY4における第2光源11Gの輝度との合計で第1緑色Gaの輝度と同等の色再現が行われるよう、混色GC4における第2光源11Gの輝度と混色GY4における第2光源11Gの輝度が調整されることが望ましい。
【0154】
また、
図18に示すカテゴリCt32が切り替わり後のカテゴリである場合を想定すると、第20カテゴリとカテゴリCt32との間にカテゴリCt31を生じさせることで、カラーブレークをより抑制できる。
【0155】
カテゴリCt31は、1フレーム期間中に、第1青色Baの期間と、混色GC5の期間と、混色RM5の期間と、第5黄色Y5の期間と、が生じることで成立する。混色GC5は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GC5では、第2光源11Gの輝度が、第3光源11Bの輝度に比して相対的に高い。混色RM5は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色RM5では、第1光源11Rの輝度が、第3光源11Bの輝度に比して相対的に高い。第5黄色Y5は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。
【0156】
カテゴリCt32は、1フレーム期間中に、第1青色Baの期間と、混色GC6の期間と、混色RM6の期間と、第6黄色Y6の期間と、が生じることで成立する。混色GC6は、第2光源11G及び第3光源11Bが点灯し、第1光源11Rが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色GC6では、第2光源11Gの輝度が、第3光源11Bの輝度に比して相対的に高い。混色GC6は、混色GC5に比して、第2光源11Gの輝度が相対的に低い。混色RM6は、第1光源11R及び第3光源11Bが点灯し、第2光源11Gが消灯している光源部11の点灯パターンである。混色RM6では、第1光源11Rの輝度が、第3光源11Bの輝度に比して相対的に高い。混色RM6は、混色RM5に比して、第1光源11Rの輝度が相対的に低い。第6黄色Y6は、第1光源11R及び第2光源11Gが点灯し、第3光源11Bが消灯している光源部11の点灯パターンである。第6黄色Y6は、第5黄色Y5に比して、第1光源11Rの輝度及び第2光源11Gの輝度が相対的に高い。
【0157】
カテゴリCt32では、第6黄色Y6における第2光源11Gの輝度と混色GC6における第2光源11Gの輝度との合計で第1緑色Gaの輝度と同等の色再現が行われるよう、第6黄色Y6における第2光源11Gの輝度と混色GC6における第2光源11Gの輝度が調整されることが望ましい。また、カテゴリCt32では、第6黄色Y6における第1光源11Rの輝度と混色RM6における第2光源11Gの輝度との合計で第1赤色Raの輝度と同等の色再現が行われるよう、第6黄色Y6における第1光源11Rの輝度と混色RM6における第2光源11Gの輝度が調整されることが望ましい。
【0158】
変形例3では、
図17に示すカテゴリCt23や、
図18に示すカテゴリCt32のような点灯パターンを示すデータがカテゴリ情報717に含まれる。なお、カテゴリCt21、カテゴリCt22、カテゴリCt31のような点灯パターンを示すデータもカテゴリ情報717に含まれてよいが、1フレーム期間中に再現される赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のバランスが他のカテゴリと同等になるよう各カテゴリに含まれる各期間の光源の輝度が調整されることが望ましい。
【0159】
以上、特筆した事項を除き、変形例3は、実施形態2と同様である。変形例3によれば、データ(例えば、カテゴリ情報717)は、第1光源(例えば、第1光源11R)と第2光源(例えば、第2光源11G)と第3光源(例えば、第3光源11B)とのうち2つが点灯し、他の1つが消灯する2回の点灯期間を生じさせ、当該2回の点灯期間の一方と他方とでは当該第1光源と当該第2光源と当該第3光源とのうち点灯する2つの輝度比が異なる点灯パターンを示す情報を含む。
図17及び
図18を参照した説明では、例えばカテゴリCt32が係る点灯パターンに対応する。このような点灯パターンによれば、当該第1光源、当該第2光源及び当該第3光源が最高輝度で点灯する点灯パターンに比して、点灯期間同士の間の光の差異の顕在化の度合いをより抑制できる。従って、カラーブレークをより抑制できる。
【0160】
なお、上述した各実施形態及びその変形例は、あくまで一例であって本開示の具体的な形態をこれに限定するものでない。例えば、n=5以上でもよい。その場合、カテゴリにも5以上の自然数のnに対応した期間が適宜設定される。
【0161】
また、表示部7のような画素Pixを有する表示部の具体的な態様は、PDLCを利用した態様に限定されるものでなく、光を反射可能な複数の画素を有する他のパネルを採用してもよい。
【0162】
また、実施形態等において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0163】
3 液晶
7 表示部
11 光源部
11R 第1光源
11G 第2光源
11B 第3光源
70 画像処理回路
71 点灯制御部
100 表示装置
716 記憶部
LP1,LP2,LP3,LP4 点灯期間
P 表示パネル
Pix 画素