IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社不二工機の特許一覧

<>
  • 特開-アキュームレータ 図1
  • 特開-アキュームレータ 図2
  • 特開-アキュームレータ 図3
  • 特開-アキュームレータ 図4
  • 特開-アキュームレータ 図5
  • 特開-アキュームレータ 図6
  • 特開-アキュームレータ 図7
  • 特開-アキュームレータ 図8
  • 特開-アキュームレータ 図9
  • 特開-アキュームレータ 図10
  • 特開-アキュームレータ 図11
  • 特開-アキュームレータ 図12
  • 特開-アキュームレータ 図13
  • 特開-アキュームレータ 図14
  • 特開-アキュームレータ 図15
  • 特開-アキュームレータ 図16
  • 特開-アキュームレータ 図17
  • 特開-アキュームレータ 図18
  • 特開-アキュームレータ 図19
  • 特開-アキュームレータ 図20
  • 特開-アキュームレータ 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024421
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】アキュームレータ
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
F25B43/00 T
F25B43/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128517
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】杉野 真聖
(72)【発明者】
【氏名】福山 晃平
(57)【要約】
【課題】組付けが容易であって製造コストを低減できるアキュームレータを提供することを目的とする。
【解決手段】アキュームレータは、胴体と、冷媒流入孔及び冷媒流出孔を備え、前記胴体の一端に設けられるヘッダと、乾燥剤を収容したバッグと、前記胴体内に配置され、冷媒が通過可能なパイプと、を有し、前記パイプは、前記バッグの一部を把持する把持部を備える。前記パイプの外周に取り付けられ少なくとも一部が前記パイプの軸線に平行に延在する棒状部材を有し、前記バッグは、前記棒状部材と前記パイプの外周との間に把持されることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
流入孔及び流出孔を備え、前記胴体の一端に設けられるヘッダと、
乾燥剤を収容したバッグと、
前記胴体内に配置され、流体が通過可能なパイプと、
前記パイプに設けられ、前記バッグの一部を把持する把持部と、
を備える、
ことを特徴とするアキュームレータ。
【請求項2】
前記把持部は、
前記パイプとの間に前記バッグを挟持する挟持部と、
前記挟持部を前記パイプに連結する連結部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のアキュームレータ。
【請求項3】
前記挟持部は、前記バッグの下端から上端までの範囲を、前記パイプとの間に配置可能に形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のアキュームレータ。
【請求項4】
前記バッグは、前記連結部上に載置される、
ことを特徴とする請求項2に記載のアキュームレータ。
【請求項5】
前記把持部は、前記バッグを厚さ方向に挟持する挟持部及び前記挟持部を前記パイプに連結する連結部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のアキュームレータ。
【請求項6】
前記バッグは、前記乾燥剤を収容した収容部と、前記収容部の周囲に形成され前記収容部より厚みが薄い周囲部とを有し、
前記挟持部は、前記周囲部を挟持する、
ことを特徴とする請求項5に記載のアキュームレータ。
【請求項7】
前記バッグは、下方に開口するポケットを備え、
前記把持部は、前記開口を通して前記ポケットに配置される被配置部、前記被配置部を前記パイプに連結し、前記バッグが載置される連結部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のアキュームレータ。
【請求項8】
前記バッグは、前記胴体内に設置された状態で、前記パイプを内側に配置する曲がった形状を有し、
前記把持部は、前記バッグの周方向で一端部及び他端部を支持する2つが設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちのいずれか一項に記載のアキュームレータ。
【請求項9】
前記パイプから前記バッグの前記一端部と前記他端部との間の下端まで延出し、前記下端を載置する梁と、
前記梁から前記パイプに沿って延び、前記バッグの前記パイプ側の面及び反対側の面の少なくとも一方を支持する柱を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載のアキュームレータ。
【請求項10】
前記バッグの前記一端部と前記他端部との間の下端を支持する前記把持部が設けられる、
ことを特徴とする請求項8に記載のアキュームレータ。
【請求項11】
前記連結部は、前記パイプから前記胴体の内周まで延びる梁である、
ことを特徴とする請求項2または請求項5に記載のアキュームレータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュームレータに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクルを循環する冷媒を気液分離して貯留するため、レシーバタンクやアキュームレータ等が用いられる。この種のアキュームレータとして、内部に流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、液相冷媒を内部に貯留するタンクを備え、冷媒中の水分を除去するために、タンクに乾燥剤が内蔵されたものがある。
【0003】
乾燥剤はバッグに収容されてタンク内に設置されるが、アキュームレータが振動等を受けたときなど、乾燥剤入りバッグの移動を抑制する必要がある。そこで、特許文献1に示すように、例えば乾燥剤入りバッグを二つ折りしてアウターパイプに巻き付け、その周囲に結束バンドを配置してバッグを締めあげて固定することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-61543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結束バンドを用いることで、確実に乾燥剤入りバッグを固定できるが、作業の手間がかかるという問題がある。特に結束バンドによる取付作業は、機械化が困難であり人手に頼らざる得ず、それによりアキュームレータの製造コストが増大する。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、組付けが容易であって製造コストを低減できるアキュームレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明に係るアキュームレータは、
胴体と、
冷媒流入孔及び冷媒流出孔を備え、前記胴体の一端に設けられるヘッダと、
乾燥剤を収容したバッグと、
前記胴体内に配置され、冷媒が通過可能なパイプと、を有し、
前記パイプは、前記バッグの一部を把持する把持部を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組付けが容易であって製造コストを低減できるアキュームレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態にかかるアキュームレータの縦断面図である。
図2図2は、図1の構成のA-A断面を上面視した図である。
図3図3は、第1の実施形態のアキュームレータの斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態のアウターパイプの斜視図である。
図5図5は、バッグの正面図である。
図6図6は、バッグをアウターパイプに取り付けた状態で示す斜視図である。
図7図7は、バッグをアウターパイプに取り付けた状態で示す側面図である。
図8図8は、変形例にかかるアキュームレータの縦断面図である。
図9図9は、図8の構成のB-B断面を上面視した図である。
図10図10は、変形例にかかるアキュームレータの斜視図である。
図11図11は、変形例にかかるアウターパイプの斜視図である。
図12図12は、バッグを変形例にかかるアウターパイプに取り付けた状態で示す斜視図である。
図13図13は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグを取り付けたアウターパイプの斜視図である。
図14図14は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグを取り付けたアウターパイプの側面図である。
図15図15は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグを取り付けたアウターパイプの背面側から見た斜視図である。
図16図16は、第2の実施形態のアウターパイプの斜視図である。
図17図17は、第2の実施形態のアキュームレータにおける図2と同様な断面図である
図18図18は、第2の実施形態のアキュームレータにおける図2と同様な断面図である。
図19図19は、第3の実施形態のアキュームレータに配設されるアウターパイプの斜視図である。
図20図20は、第3の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグの正面図である。
図21図21は、バッグを取り付けた第3の実施形態のアウターパイプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態のアキュームレータについて、添付図面を参照しながら説明する。ここで、2つの部材(同一部品でもよく異なる部品でもよい)の面同士の間に他の部材が配置されている状態を「2面間に挟持」されていると言い換えることができ、挟持する部材の一方を挟持部ということがある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかるアキュームレータ1の縦断面図である。図2は、図1の構成のA-A断面を上面視した図である。図3は、アキュームレータ1の斜視図であり、内部を透視した状態で示す。
【0012】
アキュームレータ1は、タンク本体2と、タンク本体2内に配置された二重管5と、乾燥剤(吸湿剤)DAを内包したバッグ11と、カップ16と、ストレーナ20とを有する。以下、「上方」とは、タンク本体2の胴体3からヘッダ4に向かう方向をいい、「下方」とは、タンク本体2のヘッダ4から胴体3に向かう方向をいう。
【0013】
タンク本体2は、胴体3と、ヘッダ4と、を備える。胴体3は、少なくとも上端が開口する筒状に形成され、一例として有底円筒状に形成される。ヘッダ4は、胴体3の一端の開口部を遮蔽する。ヘッダ4は、例えば溶接部10を介して胴体3と周接合により接合されて胴体3の開口部を遮蔽する。これら胴体3及びヘッダ4は、例えば、いずれもアルミニウム合金等の金属によって形成される。本明細書において、ヘッダ4側を上方とし、胴体3の底側を下方とする。
【0014】
例えば略円盤状に形成されたヘッダ4には、冷媒流入孔8及び冷媒流出孔9が、上下に貫通して形成されている。冷媒は、本発明で言う流体の一例である。冷媒流出孔9には、胴体3の内底部の近くまで延伸するインナーパイプ(流出管ともいう)6が接続されている。インナーパイプ6の外側に、アウターパイプ7が外装されており、これにより二重管5が形成される。
【0015】
ヘッダ4の下方には、冷媒流入孔8からの混合冷媒(気相分と液相分が混在した冷媒)を、密度の高い液相冷媒及びコンプレッサオイル(以下、「オイル」という)と、密度の低い気相冷媒とに分離する気液分離部材としてのカップ16が設けられる。カップ16は、例えば樹脂製である。カップ16は、例えば有頂円筒形状を有し、冷媒流入孔8及び冷媒流出孔9に対向して配置される。
【0016】
インナーパイプ6は、例えば金属製であり、金属の一例としてアルミニウム合金が用いられる。インナーパイプ6は、その下端部が開口すると共に、その上端部がヘッダ4の冷媒流出孔9に圧入により連結される。また、インナーパイプ6の外周は、アウターパイプ7の内周に突設された複数のパイプリブ7uの内側に嵌入され、これにより、アウターパイプ7内においてインナーパイプ6が隙間を開けて安定して保持される。
【0017】
アウターパイプ7は、例えば合成樹脂からなり、上端部が開口した状態で胴体3内に取り付けられる。アウターパイプ7の底部には、円筒状のストレーナ20が設けられている。ストレーナ20は、例えば合成樹脂製の有底円筒状のケース21と、該ケース21にインサート成形等により一体化された円筒状の網目フィルタ22とから構成されている。ストレーナ20を、例えば、胴体3の内部空間の底面に当接させてもよい。ストレーナ20が胴体3の内部空間の底面に当接することで、カップ16は、インナーパイプ6を介して、胴体3及びヘッダ4によって挟持される。
【0018】
アウターパイプ7と胴体3の内周との間には、乾燥剤DAを内包したバッグ11が配置されている。バッグ11の取付手法については後述する。
【0019】
ヘッダ4は、大円筒部4aと、大円筒部4aより小径の薄肉環状部4bとを積層して連設してなり、大円筒部4aと薄肉環状部4bとの間には、胴体3の上端外周が係合する段部4cが形成されている。大円筒部4aの上面は、例えば上下方向に直交する平面に形成されている。
【0020】
ヘッダ4の下面には、大円筒部4aから下方に突出する円筒状のボス4dが形成されている。ボス4dを通りヘッダ4を上下に貫通するようにして、冷媒流出孔9が形成され、またボス4dに隣接してヘッダ4を上下に貫通するようにして、冷媒流入孔8が形成されている。ボス4dの下面は、例えば平面に形成され、カップ16の頂壁16bに形成された筒状の凹部16eの上面に当接する。
【0021】
冷媒流出孔9は、上部に形成された大径孔9aと、下端に形成された小径孔9bとを有する。大径孔9aの内径は、小径孔9bの内径より大きくなっている。
【0022】
カップ16は、カップ本体16dと、凹部16eとを有する。カップ本体16dは、胴体3内でヘッダ4に対向する。カップ本体16dは、側壁16aと頂壁16bとを連結してなる。凹部16eの底面には、貫通孔16cが形成されている。貫通孔16cは、インナーパイプ6の一部を配置する連通部の一例である。連通部は、カップ本体16dにおいて、ヘッダ4側とその反対側、換言すると胴体3の底面側とを連通する形状に形成されている。連通部は、貫通孔に限定されない。他の例では、連通部は、カップ本体16dを貫通するとともにカップ本体16dの側面に開口する切り欠きであってもよい。
【0023】
インナーパイプ6は、例えば金属製、その一例としてアルミニウム製のパイプから形成されている。インナーパイプ6は、その上端近傍に、例えばバルジ加工によって塑性変形され、膨径した薄肉のフランジ部6aを有する。フランジ部6aの外径は、貫通孔16cの内径より大きい。なお、フランジ部6aを形成する方法は、バルジ加工に限定されない。他の例では、フランジ部6aは、ビード加工、換言すると紐だし加工によって形成されてもよい。
【0024】
インナーパイプ6のフランジ部6aの下方に、均圧孔6bが形成されている。均圧孔6bは、インナーパイプ6の内外を貫通している。均圧孔6bは、冷凍サイクルが停止した後(コンプレッサの動作が停止した後)に再びコンプレッサが起動された際に、インナーパイプ6内に溜まっている液相の冷媒がコンプレッサに吸い上げられることを抑制する為の孔である。すなわち、均圧孔6bによって、インナーパイプ6内の液相冷媒だけでなく、インナーパイプ6外の気相冷媒もコンプレッサに吸い上げられる為、液相の冷媒が吸い上げられることが抑制される。
【0025】
図4は、アウターパイプ7の斜視図であり、図5は、バッグ11の正面図であり、図6は、バッグ11をアウターパイプ7に取り付けた状態で示す斜視図であり、図7は、バッグ11をアウターパイプ7に取り付けた状態で示す側面図である。
【0026】
アウターパイプ7は、筒状のパイプ本体7aと、パイプ本体7aの上端に形成され上方に向かうにつれて拡径するテーパ部7bとを連設して備える。テーパ部7bには、例えば同じ高さ位置からパイプ本体7aの軸線に対して直交する方向(ここでは水平方向かつ径方向)に延在する第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eが連設されている。また、テーパ部7bから所定距離だけ離間した位置のパイプ本体7aの外周には、例えば同じ高さ位置からパイプ本体7aの軸線に対して直交する方向(ここでは水平方向かつ径方向)に延在する第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、及び第4下部梁7iが連設されている。これら梁の軸線直交断面形状は、例えば共通するT字形状であると好ましい。第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7e、第1下部梁7f、第2下部梁7g、および第3下部梁7hを総称して、梁部材という。なお、各梁の配置の一例を示したが、上述した位置に限られず、例えばパイプ本体7aに上部梁を配置してもよい。
【0027】
また一例として、第2上部梁7d及び第3上部梁7eは、バッグ11の周方向の両端部を把持可能な位置に配置され、第1上部梁7cは、バッグ11の周方向で中央部を把持可能な位置に配置される。また一例として、第1上部梁7c、第2上部梁7d、第3上部梁7eは、図2に示すような90度間隔の配置である。また、一例として、第1上部梁7cの延びる方向に沿って、胴体3の内周面からアウターパイプ7における第1上部梁7cが設けられる部位までの距離は、第2上部梁7dの延びる方向に沿って、胴体3の内周面からアウターパイプ7における第2上部梁7dが設けられる部位までの距離、並びに、第3上部梁7eの延びる方向に沿って、胴体3の内周面からアウターパイプ7における第3上部梁7eが設けられる部位までの距離の双方に比較して、長い。
【0028】
第1上部梁7cの軸線に対して、第2上部梁7dおよび第3上部梁7eの軸線は直交していると好ましいが、それに限られない。アウターパイプ7の軸線は胴体3の軸線に対して偏心している。また、本実施形態では一例として、第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eの長さは、それぞれの先端が胴体3の内周に当接する寸法に設定されている。さらに、第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eの先端面は、胴体3の内周面に面接触する形状に形成されている。ここでは、第1上部梁7cの長さが最も長く、それより短い第2上部梁7dおよび第3上部梁7eの長さは共通であるが、それに限られない。
【0029】
なお、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eは、それぞれの先端が胴体3の内周面に当接する寸法を有する例を説明したが、これに限定されない。他の例では、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eの少なくとも1つが胴体3の内周面に当接する構成であってもよい。
【0030】
さらに他の例では、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eは、胴体3の内周面に当接しない寸法を有してもよい。例えば、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eのそれぞれは、胴体3の内周面との間に微小な隙間を有する寸法を有してもよい。
【0031】
このように、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eのそれぞれは、胴体3の内周面に当接する寸法を有してもよく、または、胴体3の内周面との間に隙間を有する寸法を有してもよい。
【0032】
第1下部梁7f、第2下部梁7g、および第3下部梁7hは、アウターパイプ7の軸線方向に見たときに、例えば、第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eに重なり合う形状と長さを有する。ここで言う、第1下部梁7fが第1上部梁7cと重なり合う形状と長さを有するとは、第1下部梁7f及び第1上部梁が互いに略同形状であってかつ略同じ大きさであり、第1下部梁7fはアウターパイプ7の周方向で第1上部梁7cと同じ位置に設けられ、かつ、第1下部梁7fの形状は、アウターパイプ7の軸線方向に見たときに、第1下部梁7fの外縁が第1上部梁7cの外縁と重なる形状である、ことを示す。
【0033】
同様に、第2下部梁7gが第2上部梁7dと重なり合う形状と長さを有するとは、第2下部梁7g及び第2上部梁7dが互いに略同形状であってかつ略同じ大きさであり、第2下部梁7gはアウターパイプ7の周方向で第2上部梁7dと同じ位置に設けられ、かつ、第2下部梁7gの形状は、アウターパイプ7の軸線方向に見たときに、第2下部梁7gの外縁が第2上部梁7dの外縁と重なる形状である、ことを示す。同様に、第3下部梁7hが第3上部梁7eと重なり合う形状と長さを有するとは、第3下部梁7h及び第3上部梁7eが略同形状であってかつ略同じ大きさであり、第3下部梁7hはアウターパイプ7の周方向で第3上部梁7eと同じ位置に設けられ、かつ、第3下部梁7hの形状は、アウターパイプ7の軸線方向に見たときに、第3下部梁7hの外縁が第3上部梁7eの外縁と重なる形状である、ことを示す。第1下部梁7fの長さが最も長く、それより短い第2下部梁7gおよび第3下部梁7hの長さは共通であるが、それに限られない。
【0034】
本実施形態では一例として、第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hの長さは、それぞれの先端が胴体3の内周に当接する寸法に設定されている。さらに、第1下部梁7f、第2下部梁7g、および第3下部梁7hの先端面は、胴体3の内周面に面接触する形状に形成されている。
【0035】
第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hは、それぞれの先端が胴体3の内周面に当接する寸法を有する例を説明したが、これに限定されない。他の例では、第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hの少なくとも1つが胴体3の内周面に当接する構成であってもよい。
【0036】
さらに他の例では、第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hは、胴体3の内周面に当接しない寸法を有してもよい。例えば、第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hのそれぞれは、胴体3の内周面との間に微小な隙間を有する寸法を有してもよい。このように、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eのそれぞれは、胴体3の内周面に当接する寸法を有してもよく、または、胴体3の内周面との間に微小な隙間を有する寸法を有してもよい。
【0037】
また、第1下部梁7f、第2下部梁g、及び第3下部梁hの外観形状は、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eの外観形状と略同じである例を説明したが、これに限定されない。なお、略同じであるとは、第1下部梁7f、第2下部梁g、及び第3下部梁hがパイプ本体7aに設けられ、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eがテーパ部7bに設けられることで、それぞれのアウターパイプ7側の端部の形状が異なる為である。他の例では、同じ形状でなく、または、略同じ形状でなくてもよく、例えば、第1下部梁7f、第2下部梁7g、及び第3下部梁7hのそれぞれの先端位置が、アウターパイプ7の軸線方向に見たときに、第1上部梁7c、第2上部梁7d、及び第3上部梁7eのそれぞれの先端位置と異なっていてもよい。
【0038】
第4下部梁7iの長さは下部梁の中で最も短く、その軸線がここでは第1下部梁7fの軸線と重なる。第4下部梁7iは、例えば、胴体3の内周面に当接する寸法を有する。なお、第4下部梁7iは、胴体3の内周面に当接する寸法を有する例を説明したが、これに限定されない。他の例では、第4下部梁7iは、胴体3の内周面に当接しない寸法を有する構成であってもよい。例えば、第4下部梁7iは、胴体3の内周面との間に微小な隙間を有する寸法を有してもよい。このように、第4下部梁7iは、胴体3の内周面に当接する寸法を有してもよく、または、胴体3の内周面との間に微小な隙間を有する寸法を有してもよい。
【0039】
第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、および第4下部梁7iが、それぞれ胴体3の内周面に当接する寸法を有し、それぞれの先端面が胴体3の内周面に面接触する場合、第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、および第4下部梁7iの長さと先端形状は、胴体3の内周面までの距離、及び内周面の形状に応じて定まる。
【0040】
アウターパイプ7の軸線に平行して、第1上部梁7cと第1下部梁7fの先端近傍同士を連結する第1縦梁7jと、第2上部梁7dと第2下部梁7gの中間位置同士を連結する第2縦梁7kと、第3上部梁7eと第3下部梁7hの中間位置同士を連結する第3縦梁7mが配設されている。これら縦梁の軸線直交断面形状は、例えば共通するT字形状であると好ましい。第2縦梁7kと第3縦梁7mが棒状部材を構成する。
【0041】
第1上部梁7cと第1下部梁7fに平行となるように、第1縦梁7jの例えば中間位置とアウターパイプ7の外周とを連結する連結板7nが形成されている。
【0042】
図5において、バッグ11は、通気性・通水性並びに所要の形状保持性を有する例えばフェルト等の布状体を縫製することで形成される。例えば略矩形状の布状体を中心線で折り返して重ね、その内側に乾燥剤DA(図1)を収容する。その後、縫製線SLに沿って、布状体の重ねた外縁近傍を縫製し、バッグ11の内部に乾燥剤DAを封入する。これによりバッグ11は、乾燥剤DAを収容した収容部11aと、収容部11aから縫製線SLによって区分けされ、収容部11aの周囲に位置し収容部11aより厚みが薄い周囲部11bとを有することとなる。ここで、バッグ11の長手方向をX方向とし、バッグ11の短手方向をY方向とする。
【0043】
(アキュームレータの組付工程)
図1において、ヘッダ4のボス4dの下端を、カップ16の凹部16eの上面であって貫通孔16cの周囲に当接させ、小径孔9bと貫通孔16cとを略同軸に整列させる。
【0044】
次いで、インナーパイプ6をカップ16の下方から接近させ、その上端を貫通孔16cに挿通させたのち、ヘッダ4の小径孔9bに圧入により嵌合させる。
【0045】
小径孔9bに向かってインナーパイプ6を押し込んでゆくと、フランジ部6aの上面が凹部16eに対向するカップ16の下面に当接し、それ以上インナーパイプ6はヘッダ4に接近しない。かかる状態で、カップ16はボス4dとフランジ部6aとの間に挟持されて保持される。
【0046】
以上の工程と並行して(または前後して)、下端にストレーナ20を組み込んだアウターパイプ7に、バッグ11を取り付ける。具体的には、乾燥剤DAを収容したバッグ11をX方向に沿って二つ折りした状態で、その内側中央部を、アウターパイプ7の第1縦梁7jに押し当てるようにしつつ、バッグ11のX方向の一端をアウターパイプ7の外周と第2縦梁7kとの間の隙間に進入させ、またバッグ11のX方向の他端をアウターパイプ7の外周と第3縦梁7mとの間の隙間に進入させる。このとき、乾燥剤DAが収容された収容部11aが、第2縦梁7kおよび第3縦梁7mとアウターパイプ7の外周とに当接するようにして、バッグ11の下端から上端までの範囲を、第2縦梁7kおよび第3縦梁7mと、アウターパイプ7との間に配置された状態で保持される。また、バッグ11の下端は、第2下部梁7gと第3下部梁7h上に載置される。第1下部梁7fは、バッグ11の両端部間の下端を支持する把持部である。第2縦梁7kおよび第3縦梁7mが、アウターパイプ7との間でバッグ11を挟持する挟持部を構成し、第2上部梁7dおよび第2下部梁7gと、第3上部梁7eおよび第3下部梁7hが、アウターパイプ7から胴体3の内周まで延び、第2縦梁7kおよび第3縦梁7mをアウターパイプ7に連結する連結部を構成する。また、挟持部と連結部で把持部を構成する。かかる状態を、図6、7に示す。
【0047】
二つ折りしたバッグ11は、平らな状態に戻ろうとする復元力を有するため、かかる復元力により、アウターパイプ7に組付けられたバッグ11は第2縦梁7kおよび第3縦梁7mに対して付勢されることとなり、これら縦梁とに作用する摩擦力が増大することで、バッグ11はアウターパイプ7からの離脱が抑制される。本実施形態によれば、二つ折りしたバッグ11のX方向の端部を、アウターパイプ7の軸線に直交する方向に押し込むだけで組付けできるため、製造コストを大幅に抑制でき、またバッグ11の組付の機械化にも対応できる。さらに結束バンドなどの別部品を必要とすることなくバッグ11を組み付けることができるため、部品点数削減にも貢献する。
【0048】
このようにしてストレーナ20とバッグ11を取り付けたアウターパイプ7の内部に、ヘッダ4に組付けたインナーパイプ6を下端側から挿入し、さらに下方から接近させた胴体3にこれらを収容し、ヘッダ4と溶接することでアキュームレータ1が完成する。以上の工程については、特に明記しない限り、その順序は記載順に限られない。
【0049】
第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eの先端、並びに、第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、および第4下部梁7iの先端が胴体3の内周に当接する構成の場合、組付けた状態では、第1上部梁7c、第2上部梁7d、および第3上部梁7eの先端、並びに、第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、および第4下部梁7iの先端は、胴体3の内周に当接するため、外部から振動等が付与されたときも、アウターパイプ7の振れが抑制され、バッグ11が脱落することを抑制できる。このとき、バッグ11は、胴体3内に設置された状態で、アウターパイプ7を内側に配置する曲がった形状を有する。したがって本実施形態で、把持部は、バッグ11の周方向で一端部及び他端部を支持する2つが設けられることとなる。
【0050】
なお、第1上部梁7c、第2上部梁7d、第3上部梁7e、第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、及び第4下部梁7iの先端の少なくとも1つが胴体3の内周面に当接する構成であっても、同様に、アウターパイプ7の振れを抑制できる。
【0051】
または、第1上部梁7c、第2上部梁7d、第3上部梁7e、第1下部梁7f、第2下部梁7g、第3下部梁7h、及び第4下部梁7iの先端が、組付けた状態では胴体3の内周面に当接せず、これら梁の少なくとも1つと胴体3の内周面との間の隙間を、外部から振動が付与されたときに、上述の少なくとも1つが胴体3に当接可能な隙間に設定することで、外部から振動等が付与されときに上述の少なくとも1つが胴体3の内周面に当接するのでアウターパイプ7の振れを抑制できる。
【0052】
(アキュームレータの動作)
以上のように構成されるアキュームレータ1の動作について説明する、なお、以下の説明においては、アキュームレータ1を冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機との間に配置し、蒸発器からの冷媒に含まれる水分を除去してガス冷媒を生成し、これを圧縮機へ戻す場合を例にとって説明する。
【0053】
蒸発器から冷媒が排出されると、接続配管(不図示)を通じてアキュームレータ1に搬送される。アキュームレータ1に到達した冷媒は、冷媒流入孔8から胴体3の内部に流入した後、カップ16の上面に衝突し、密度の高い液相冷媒及びオイルと、密度の低い気相冷媒(ガス冷媒)とに分離される。
【0054】
気液分離後の液相冷媒及びオイルは、自重により胴体3内に貯留される。その過程で、液相冷媒とオイルとの分離が進み、オイルは液相冷媒の下方に溜まる。このとき、液相冷媒の液面は、乾燥剤入りバッグ11の一部が浸漬する高さ位置にまで達する。したがって、液相冷媒に含まれる水分も気相冷媒に含まれる湿分も乾燥剤DAによって吸湿される。
【0055】
一方、気液分離された気相冷媒は、アウターパイプ7の上端開口部から流入し、アウターパイプ7内を下降する。その後、アウターパイプ7の底部で折り返されインナーパイプ6の下端を超えて内側に流入し、インナーパイプ6内を上昇して冷媒流出孔9に導かれる。
【0056】
液相冷媒とともに胴体3の下部に溜まるオイルは、液相冷媒との比重や性状の相違等により胴体3の底部側に移動していき、圧縮機吸入側に吸入される気相冷媒に吸引されて、ストレーナ20の網目フィルタ22、オイル戻し孔7v、インナーパイプ6の内空間の順に通過して、気相冷媒とともに圧縮機吸入側に戻されて循環する。網目フィルタ22を通る際にはスラッジ等の異物が捕捉され、異物は、循環する冷媒(オイルを含む)から取り除かれる。
【0057】
(変形例)
図8は、変形例にかかるアキュームレータ1Aの縦断面図である。図9は、図8の構成のB-B断面を上面視した図である。図10は、変形例にかかるアキュームレータ1Aの斜視図であり、内部を透視した状態で示す。図11は、アウターパイプ7Aの斜視図であり、図12は、バッグ11をアウターパイプ7Aに取り付けた状態で示す斜視図である。
【0058】
変形例にかかるアキュームレータ1Aは、アウターパイプ7Aの形状が異なる。それ以外の構成は、上述した実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0059】
アウターパイプ7Aは、第1縦梁7jと平行に、第1上部梁7cと第1下部梁7fの先端近傍を連結する補助梁7oを有する。それ以外のアウターパイプ7Aの構成は、上述した実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。ただし、第1下部梁7f、第2下部梁7g、および第3下部梁7hが、アウターパイプ7Aからバッグ11の両端部間の下端まで延出し、その下端を載置する梁となり、その梁からアウターパイプ7Aに沿って延び、バッグ11のアウターパイプ7A側の面及び反対側の面の少なくとも一方を支持する柱を、第1縦梁7j又は補助梁7oが構成する。また、第1下部梁7fがバッグ11の両端部間の下端を支持する把持部を構成する。
【0060】
変形例にかかるアキュームレータ1Aを組み付けるときは、乾燥剤DAを収容したバッグ11を二つ折りする前に、X方向に沿って第1縦梁7jと補助梁7oとの間の隙間に中ほどまで挿入する。その後、バッグ11を第1縦梁7jを起点に二つ折りし、バッグ11のX方向の一端をアウターパイプ7の外周と第2縦梁7kとの間の隙間に進入させ、バッグ11のX方向の他端をアウターパイプ7の外周と第3縦梁7mとの間の隙間に進入させる。かかる状態を、図12に示す。
【0061】
本変形例によれば、さらにバッグ11の収容部11aの中央を第1縦梁7jと補助梁7oとにより挟持することにより、より確実にバッグ11をアウターパイプ7に対して保持できる。
【0062】
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグ11を取り付けたアウターパイプ7Bの斜視図である。図14は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグ11を取り付けたアウターパイプ7Bの側面図である。図15は、第2の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグ11を取り付けたアウターパイプ7Bの背面側から見た斜視図である。図16は、アウターパイプ7Bの斜視図である。図17は、第2の実施形態のアキュームレータ1Bにおける図2と同様な断面図であるが、バッグは省略して図示する。図18は、第2の実施形態のアキュームレータ1Bにおける図2と同様な断面図である。
【0063】
本実施形態にかかるアキュームレータ1Bは、第1の実施形態に対してアウターパイプ7Bの形状が異なる。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0064】
アウターパイプ7Bは、第2縦梁および第3縦梁を有しておらず、その代わりに、図16に示すように、第2上部梁7dの下面に第2上部把持部7pを備え、それに対向して第2下部梁7gの上面に第2下部把持部7qを備え、また第3上部梁7eの下面に第3上部把持部7rを備え、それに対向して第3下部梁7hの上面に第3下部把持部7sを備える。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。第2上部把持部7p、第2下部把持部7q、第3上部把持部7r、および第3下部把持部7sが、バッグ11の周囲部11bを厚さ方向に挟持する挟持部を構成し、第2上部梁7dおよび第2下部梁7gと、第3上部梁7eおよび第3下部梁7hが、アウターパイプ7Bから胴体3の内周まで延び、前記挟持部をアウターパイプ7に連結する連結部を構成する。
【0065】
図17に示すように、第2下部把持部7qは、第2外方凸部7q1と、第2外方凸部7q1から離間して形成された第2内方凸部7q2とを有する。第2外方凸部7q1と第2内方凸部7q2の対向する面は平面であり、かつ平行であると好ましい。
【0066】
また、第3下部把持部7sは、第3外方凸部7s1と、第3外方凸部7s1から離間して形成された第3内方凸部7s2とを有する。第3外方凸部7s1と第3内方凸部7s2の対向する面は平面であり、かつ平行であると好ましい。図示を省略するが、第2上部把持部7pおよび第3上部把持部7rも、同様な2つの凸部を有し、第2下部把持部7qおよび第3下部把持部7sに対向して形成される。
【0067】
本実施形態にかかるアキュームレータ1Bを組み付けるときは、第1の実施形態と同様に、乾燥剤DAを収容したバッグ11を二つ折りした状態で、その内側中央部を、アウターパイプ7の第1縦梁7jに押し当てるようにしつつ、バッグ11のX方向の一端を第2上部把持部7pおよび第2下部把持部7qに近接させ、またバッグ11のX方向の他端を第3上部把持部7rおよび第3下部把持部7sに近接させる。
【0068】
バッグ11は、収容部11aの周囲に厚さが薄い周囲部11bを有する。したがって、バッグ11のX方向の一端を第2下部把持部7qに近接させたとき、一端近傍下部の周囲部11bが、弾性圧縮された状態で第2外方凸部7q1と第2内方凸部7q2の対向する面間に進入し、両面との間に作用する摩擦により保持され(厚さ方向に把持され)、同様に一端近傍上部の周囲部11bが第2上部把持部7pにより保持され(厚さ方向に把持され)る。すなわちバッグ11のY方向両側の周囲部11bが、第2上部把持部7pと第2下部把持部7qによって挟持される。
【0069】
さらにバッグ11のX方向の他端を第3下部把持部7sに近接させると、他端近傍下部の周囲部11bが、弾性圧縮された状態で第3外方凸部7s1と第3内方凸部7s2の対向する面間に進入し、両面との間に作用する摩擦により保持され(厚さ方向に把持され)、同様に他端近傍上部の周囲部11bが第3上部把持部7rにより保持され(厚さ方向に把持され)る。すなわちバッグ11のY方向両側の周囲部11bが、第3上部把持部7rと第3下部把持部7sによって把持される。
【0070】
本実施形態によれば、バッグ11の取付工程の簡素化が図れることに加え、アウターパイプ7Bの軽量化が図れる。
【0071】
なお、第1、2の実施形態における「把持」とは、少なくとも一対の把持部によるバッグ11の「挟持」を意味し、以下の第3の実施形態における「把持」とは、少なくともフックの係合を意味する。
【0072】
(第3の実施形態)
図19は、第3の実施形態のアキュームレータに配設されるアウターパイプ7Cの斜視図である。図20は、第3の実施形態のアキュームレータに配設されるバッグ11Cの正面図である。図21は、バッグ11Cを取り付けたアウターパイプ7Cの斜視図である。
【0073】
本実施形態にかかるアキュームレータは、第2の実施形態に対して、アウターパイプ7Cおよびバッグ11Cの形状が異なる。それ以外の構成は、第2の実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0074】
図19に示すように、アウターパイプ7Cは、第1下部梁~第3下部梁を有しておらず、代わりに、それらの下部梁が形成されたアウターパイプ7Cの外周に、第1鈎部7Cf、第2鈎部7Ck、および第3鈎部7Chを有する。また、第2上部梁7d、第3上部梁7eは、把持部を有していない。それ以外の構成は、第2の実施形態のアウターパイプと同様であるため、重複説明を省略する。
【0075】
鈎状である鈎部材を構成する第1鈎部7Cfは、アウターパイプ7Cの軸線に直交して延在する第1水平部7Cf1と、第1水平部7Cf1の先端から上方に向かって延在する第1垂直部7Cf2とを有する。第1垂直部7Cf2の先端は、例えば略半球状であると好ましい。
【0076】
鈎状である鈎部材を構成する第2鈎部7Ckは、アウターパイプ7Cの軸線に直交して延在する第2水平部7Ck1と、第2水平部7Ck1の先端から上方に向かって延在する第2垂直部7Ck2とを有する。第2垂直部7Ck2の先端は、例えば略半球状であると好ましい。
【0077】
鈎状である鈎部材を構成する第3鈎部7Chは、アウターパイプ7Cの軸線に直交して延在する第3水平部7Ch1と、第3水平部7Ch1の先端から上方に向かって延在する第3垂直部7Ch2とを有する。第3垂直部7Ch2の先端は、例えば略半球状であると好ましい。
【0078】
図20に示すように、バッグ11Cは、収容部11Caの外側面中央に、第1ポケット11Ccを有し、また第1ポケット11Ccを挟んで両側において、バッグ11Cの端部近傍の収容部11Caの外側面に、第2ポケット11Cdおよび第3ポケット11Ceを有する。
【0079】
第1ポケット11Cc、第2ポケット11Cd、および第3ポケット11Ceは、バッグ11Cの素材と同じ生地から同じ形状に形成されると好ましく、ここでは収容部11Caに縫い付けられた側壁と頂壁とを有する例えば半円筒状であり、Y方向の一端部が開放している。それ以外の構成は、第1の実施形態のバッグと同様であるため、重複説明を省略する。
【0080】
本実施形態にかかるアキュームレータを組み付けるときは、ポケットがある面を外側にしてバッグ11Cを二つ折りした状態で、アウターパイプ7Cに対して斜め上方より接近させ、第1鈎部7Cfの第1垂直部7Cf2の先端を第1ポケット11Ccに挿入し、周囲部11Cbの下縁が第1水平部7Cf1に当接するまで押し込む。また、第2鈎部7Ckの第2垂直部7Ck2の先端を第2ポケット11Cdに挿入し、周囲部11Cbの下縁が第2水平部7Ck1に当接するまで押し込む。さらに、第3鈎部7Chの第3垂直部7Ch2の先端を第3ポケット11Ceに挿入し、周囲部11Cbの下縁が第3水平部7Ch1に当接するまで押し込む。このとき、バッグ11Cの収容部11Caは、第1垂直部7Cf2、第2垂直部7Ck2、および第3垂直部7Ch2と、アウターパイプ7Cの外周の面との間に保持される。ここで、第1垂直部7Cf2、第2垂直部7Ck2および第3垂直部7Ch2が、第1ポケット11Cc、第2ポケット11Cd、および第3ポケット11Ceの開口を通して、第1ポケット11Cc、第2ポケット11Cd、および第3ポケット11Ceに配置される被配置部を構成し、第1水平部7Cf1、第2水平部7Ck1および第3水平部7Ch1が、前記被配置部をアウターパイプ7Cに連結し、バッグ11が載置される連結部を構成する。前記被配置部と前記連結部とで把持部を構成する。
【0081】
なお、本実施形態の変形例として、第2上部梁7d及び第3上部梁7eに、図16、17に示すような第2上部把持部7p及び第3上部把持部7rを設けることもできる。かかる場合、周囲部11CbのX方向端部近傍の上縁が第2上部把持部7pと第3上部把持部7rにより保持され、それによりバッグ11Cの座屈が抑制される。なお、第1上部梁7cに、第2上部把持部7pと同様な把持部を形成して、周囲部11CbのX方向端部中央部の上縁を把持してもよい。
【0082】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0083】
本明細書は、以下の発明の開示を含む。
(第1の態様)
胴体と、
流入孔及び流出孔を備え、前記胴体の一端に設けられるヘッダと、
乾燥剤を収容したバッグと、
前記胴体内に配置され、流体が通過可能なパイプと、
前記パイプに設けられ、前記バッグの一部を把持する把持部と、
を備える、
ことを特徴とするアキュームレータ。
【0084】
(第2の態様)
前記把持部は、
前記パイプとの間に前記バッグを挟持する挟持部と、
前記挟持部を前記パイプに連結する連結部と、
を備えることを特徴とする第1の態様のアキュームレータ。
【0085】
(第3の態様)
前記挟持部は、前記バッグの下端から上端までの範囲を、前記パイプとの間に配置可能に形成される、
ことを特徴とする第2の態様のアキュームレータ。
【0086】
(第4の態様)
前記バッグは、前記連結部上に載置される、
ことを特徴とする第2の形態又は第3の態様のアキュームレータ。
【0087】
(第5の態様)
前記把持部は、前記バッグを厚さ方向に挟持する挟持部及び前記挟持部を前記パイプに連結する連結部を備える、
ことを特徴とする第1の態様~第4の態様のいずれかのアキュームレータ。
【0088】
(第6の態様)
前記バッグは、前記乾燥剤を収容した収容部と、前記収容部の周囲に形成され前記収容部より厚みが薄い周囲部とを有し、
前記挟持部は、前記周囲部を挟持する、
ことを特徴とする第5の態様のアキュームレータ。
【0089】
(第7の態様)
前記バッグは、下方に開口するポケットを備え、
前記把持部は、前記開口を通して前記ポケットに配置される被配置部、前記被配置部を前記パイプに連結し、前記バッグが載置される連結部を備える、
ことを特徴とする第1の態様のアキュームレータ。
【0090】
(第8の態様)
前記バッグは、前記胴体内に設置された状態で、前記パイプを内側に配置する曲がった形状を有し、
前記把持部は、前記バッグの周方向で一端部及び他端部を支持する2つが設けられる、
ことを特徴とする第1の態様~第7の態様のいずれかのアキュームレータ。
【0091】
(第9の態様)
前記パイプから前記バッグの前記一端部と前記他端部との間の下端まで延出し、前記下端を載置する梁と、
前記梁から前記パイプに沿って延び、前記バッグの前記パイプ側の面及び反対側の面の少なくとも一方を支持する柱を備える、
ことを特徴とする第8の態様のアキュームレータ。
【0092】
(第10の態様)
前記バッグの前記一端部と前記他端部との間の下端を支持する前記把持部が設けられる、
ことを特徴とする第8の態様又は第9の態様のアキュームレータ。
【0093】
(第11の態様)
前記連結部は、前記パイプから前記胴体の内周の面まで延びる梁である、
ことを特徴とする第2の態様又は第5の態様のアキュームレータ。
【符号の説明】
【0094】
1 アキュームレータ
2 タンク本体
3 胴体
4 ヘッダ
5 二重管
6 インナーパイプ(流出管)
7、7A、7B、7C アウターパイプ
8 冷媒流入孔
9 冷媒流出孔
11、11C バッグ
20 ストレーナ
21 ケース
22 網目フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21