(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024441
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】ごみ収集時刻の通知方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20250213BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250213BHJP
B65F 5/00 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q50/10
B65F5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128548
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】中野 景子
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松村 隆弘
【テーマコード(参考)】
3E025
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E025AA04
3E025DE03
3E025EA02
3E025EB10
5H181AA15
5H181BB04
5H181CC04
5H181MA42
5H181MA48
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ごみの集積箇所の利用者にごみ収集車の到着予定時刻について正確な情報を提供する。
【解決手段】車両70が、ごみの集積箇所が写っている画像をサーバ10に送信し、サーバ10が、車両70から取得した複数の画像の中から、ごみ収集車30の走行ルートにおいて未だごみ収集車30が通過していない集積箇所である未集積箇所が写っている未集積画像を特定することと、特定した未集積画像に基づいて、未集積箇所に集まっている推定ごみ量を算出することと、推定ごみ量が多い場合、推定ごみ量が少ない場合に比べて、走行ルートにおいて未集積箇所よりも後にごみ収集車が通過する集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように当該集積箇所への到着予定時刻を算出することと、到着予定時刻を利用者端末50に通知することと、を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の現在位置の情報を取得する受信機を備えたごみ収集車と、
前記ごみ収集車と通信可能な情報処理装置であって、且つ前記ごみ収集車がごみの回収を行う複数の集積箇所の位置情報、及び前記ごみ収集車が複数の前記集積箇所を巡る際の走行ルートを記憶している前記情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能な車両であって、且つ周囲を撮像するカメラ及び自身の現在位置の情報を取得する受信機を備えた前記車両と、によって行われ、
前記車両が、前記カメラが撮像した画像の中で、前記集積箇所が写っている画像を、当該画像の撮像位置及び撮像日時を示す撮像情報とともに前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置が、
前記車両が送信した画像及び前記撮像情報を取得することと、
前記ごみ収集車の現在位置の情報を取得することと、
前記ごみ収集車の現在位置の情報及び前記撮像情報に基づいて、前記車両から取得した複数の画像の中から、前記走行ルートにおいて未だ前記ごみ収集車が通過していない前記集積箇所である未集積箇所が写っている未集積画像を特定することと、
特定した前記未集積画像に基づいて、前記未集積箇所に集まっているごみの量の推定値である推定ごみ量を算出することと、
前記推定ごみ量が多い場合、前記推定ごみ量が少ない場合に比べて、前記走行ルートにおいて前記未集積箇所よりも後に前記ごみ収集車が通過する前記集積箇所である所定集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を算出することと、
前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を通知するための通知情報を出力することと、を行う
ごみ収集時刻の通知方法。
【請求項2】
同一の前記未集積箇所についての前記未集積画像が複数存在する場合、
前記情報処理装置が、同一の前記未集積箇所についての複数の前記未集積画像のうち撮像日時が最も遅い前記未集積画像に基づいて前記推定ごみ量を算出する
請求項1に記載のごみ収集時刻の通知方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記未集積画像に基づいて前記未集積箇所におけるごみの散らかりレベルを算出することと、
前記散らかりレベルが高い場合、前記散らかりレベルが低い場合に比べて、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻が遅くなるように前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を算出することと、を行う
請求項1に記載のごみ収集時刻の通知方法。
【請求項4】
前記情報処理装置が、
前記走行ルートにおける、前記推定ごみ量を算出した前記未集積箇所から前記所定集積箇所までの交通情報を取得することと、
前記推定ごみ量を算出した前記未集積箇所から前記所定集積箇所までの交通量が多い場合、少ない場合に比べて、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻が遅くなるように前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を算出することと、を行う
請求項1に記載のごみ収集時刻の通知方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記集積箇所毎に、ごみの量が予め定められた設定値以上になる第1期間と、ごみの量が前記設定値未満になる第2期間と、を表した期間分けリストを記憶しており、
前記推定ごみ量を算出した基になる前記未集積画像の撮像日時が、前記推定ごみ量を算出した前記未集積箇所に対応する前記第1期間内の日時である場合、当該撮像日時が前記第2期間内の日時である場合に比べて、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻が遅くなるように前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を算出する
請求項1に記載のごみ収集時刻の通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ごみ収集時刻の通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているごみ収集車は、予め設定された走行ルートに従って複数のごみの集積箇所を順にまわる。そして、ごみ収集車は、各集積箇所でごみを回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ごみ収集車が各集積箇所を順にまわる特許文献1のような技術において、ごみ収集車が各集積箇所に到着する時刻は状況次第で変わり得る。こうした状況下にあっては、集積箇所にごみを捨てる利用者は、自身が利用する集積箇所へのごみ収集車の到着時刻を把握できない。そのため、利用者が想定していた時刻である予測時刻よりも早い時刻にごみ収集車が集積箇所に到着することもあり得る。この場合、ごみ収集車は、上記予測時刻よりも前に、当該集積箇所のごみ回収を終えて次の集積箇所に向けて出発してしまう。その結果、利用者はごみを捨てることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのごみ収集時刻の通知方法は、自身の現在位置の情報を取得する受信機を備えたごみ収集車と、前記ごみ収集車と通信可能な情報処理装置であって、且つ前記ごみ収集車がごみの回収を行う複数の集積箇所の位置情報、及び前記ごみ収集車が複数の前記集積箇所を巡る際の走行ルートを記憶している前記情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な車両であって、且つ周囲を撮像するカメラ及び自身の現在位置の情報を取得する受信機を備えた前記車両と、によって行われ、前記車両が、前記カメラが撮像した画像の中で、前記集積箇所が写っている画像を、当該画像の撮像位置及び撮像日時を示す撮像情報とともに前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置が、前記車両が送信した画像及び前記撮像情報を取得することと、前記ごみ収集車の現在位置の情報を取得することと、前記ごみ収集車の現在位置の情報及び前記撮像情報に基づいて、前記車両から取得した複数の画像の中から、前記走行ルートにおいて未だ前記ごみ収集車が通過していない前記集積箇所である未集積箇所が写っている未集積画像を特定することと、特定した前記未集積画像に基づいて、前記未集積箇所に集まっているごみの量の推定値である推定ごみ量を算出することと、前記推定ごみ量が多い場合、前記推定ごみ量が少ない場合に比べて、前記走行ルートにおいて前記未集積箇所よりも後に前記ごみ収集車が通過する前記集積箇所である所定集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を算出することと、前記所定集積箇所への前記到着予定時刻を通知するための通知情報を出力することと、を行う。
【発明の効果】
【0006】
上記の技術思想では、ごみの集積箇所の利用者にごみ収集車の到着予定時刻について正確な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、通知処理の処理手順を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<全体構成>
以下、ごみ収集時刻の通知方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、通知システム100は、複数の車両70と、複数の利用者端末50と、複数のごみ収集車30と、サーバ10と、を備えている。なお、
図1では、複数の車両70のうちの1つを代表で示している。利用者端末50及びごみ収集車30についても同様である。
【0009】
<車両>
複数の車両70は、ごみの集積箇所の画像を提供する車両として予めサーバ10に登録されている車両である。車両70は、制御装置72と、カメラ82と、受信機84と、を備えている。制御装置72は、CPU74と、メモリ76と、通信モジュール78と、リアルタイムクロック79と、を備えている。メモリ76は、CPU74が実行するべき処理が記述された各種プログラムを予め記憶している。なお、メモリ76には、RAM、ROM、及び電気的に書き換え可能な不揮発性タイプの3種類が存在している。本実施形態では、これらの3種類を一まとめにしてメモリと呼称する。この点、この後説明する他の制御装置及びサーバ10についても同様である。通信モジュール78は、外部通信回線網を介して外部と無線通信するための通信回路である。通信モジュール78は、CPU74からの指令を受けて外部に情報を送信したり、外部からの情報を取得してCPU74に受け渡したりする。リアルタイムクロック79は、日時の情報を生成する回路である。
【0010】
カメラ82は、例えば、ドライブレコーダーを構成する撮像装置である。カメラ82は、車両70の外部を対象に、車両70の周囲を撮像する。そしてそれによって得られた画像をカメラ82は生成する。カメラ82は、車両70の走行中、車両70の周囲の撮像と画像の生成とを繰り返す。
【0011】
受信機84は、自身の現在位置の情報を全球測位衛星から取得する。現在位置の情報は、具体的には、緯度と経度とで示される現在の位置座標である。なお、受信機84の現在位置は、車両70の現在位置に相当する。
【0012】
CPU74は、受信機84から車両70の現在位置を繰り返し取得する。そして、CPU74は、車両70の現在位置が、複数の登録地点のいずれかに一致した場合、すなわち車両70が登録地点を通過した場合、データ生成処理を行う。登録地点は、画像を提供する対象の集積箇所である。メモリ76は、複数の登録地点の位置座標を予め記憶している。データ生成処理において、CPU74は、車両70が登録地点を通過した際にカメラ82が撮像した画像をカメラ82から取得する。CPU74は、この画像を、集積箇所が写っている画像として取り扱う。すなわち、CPU74は、カメラ82が随時撮像している画像の中で、集積箇所が写っている画像をカメラ82から取得する。そして、CPU74は、取得した画像に撮像情報と車両番号とを付した一式のデータを、提供データとして生成する。撮像情報は、取得した画像の撮像位置と撮像日時である。CPU74は、データ生成処理を実行する契機となった登録地点の位置座標を、取得した画像の撮像位置として取り扱う。また、CPU74は、データ生成処理を実行する契機となった登録地点を車両70が通過したときの日時を、取得した画像の撮像日時として取り扱う。車両番号は、各車両70に割り当てられている個別の識別番号である。CPU74は、提供データを生成すると、生成した提供データをサーバ10に送信する。
【0013】
<利用者端末>
複数の利用者端末50は、集積箇所にごみを捨てる各利用者が保有している携帯端末である。利用者端末50は、例えばスマートフォン又はタブレット端末である。利用者端末50は、制御装置52と、ユーザインターフェース60と、を備えている。制御装置52は、CPU54と、メモリ56と、通信モジュール58と、を備えている。メモリ56は、CPU54が実行するべき処理が記述された各種プログラムを予め記憶している。通信モジュール58の機能は、車両70の制御装置72で説明した機能と同じである。ユーザインターフェース60は、例えば、タッチパネル式の表示画面を含んでいる。すなわち、ユーザインターフェース60に対して利用者が入力操作を行うと、その入力操作に応じた情報が制御装置52に入力される。
【0014】
CPU54は、利用者の操作に応じて表示処理を実行可能である。表示処理は、ごみ収集車30の到着予定時刻表をユーザインターフェース60に表示するための処理である。すなわち、CPU54は、表示処理の実行が指示されると、サーバ10に対して、ごみ収集車30の到着予定時刻に関する通知情報の送信要求を出力する。CPU54は、この送信要求に対する応答としてサーバ10から通知情報を取得すると、取得した通知情報に応じた画像をユーザインターフェース60に表示する。
【0015】
<ごみ収集車>
複数のごみ収集車30は、サーバ10によって位置が追跡される対象の車両として予めサーバ10に登録されている。ごみ収集車30は、制御装置32と、受信機39と、を備えている。制御装置32は、CPU34と、メモリ36と、通信モジュール38と、を備えている。メモリ36は、CPU34が実行するべき処理が記述された各種プログラムを予め記憶している。通信モジュール38の機能は、車両70の制御装置72で説明した機能と同じである。受信機39は、自身の現在位置の情報を全球測位衛星から取得する。この受信機39の現在位置は、ごみ収集車30の現在位置に相当する。CPU34は、受信機39が取得した現在位置に収集車番号を付した一式のデータを位置データとしてサーバ10に繰り返し送信する。収集車番号は、各ごみ収集車30に割り当てられている個別の識別番号である。
【0016】
周知のとおり、ごみ収集車30は、ごみの回収に利用される専用車である。ごみ収集車30は、作業者の運転の下、複数の集積箇所を順に回る。そして、ごみ収集車30は、作業者の作業を通じて、各集積箇所でごみを回収する。
【0017】
<サーバ>
サーバ10は、地方自治体、又は地方自治体からの委託を受けた事業者が保有している情報処理装置である。サーバ10は、CPU12と、メモリ14と、通信モジュール16と、リアルタイムクロック18と、を備えている。メモリ14は、CPU12が実行するべき処理が記述された各種プログラムを予め記憶している。通信モジュール16及びリアルタイムクロック18の機能は、車両70の制御装置72で説明した機能と同じである。
【0018】
メモリ14は、位置を追跡する対象の複数のごみ収集車30の収集車番号を予め記憶している。CPU12は、これらのごみ収集車30から送信される位置データを常時受け付けている。
【0019】
メモリ14は、ごみの集積箇所の画像を提供する複数の車両70の車両番号を予め記憶している。CPU12は、これら複数の車両70から送信される提供データを常時受け付けている。CPU12は、各車両70からの提供データを取得した場合、取得した提供データを、当該提供データを取得した当日に限りメモリ14に記憶させ続ける。
【0020】
メモリ14は、地図データを予め記憶している。地図データは、複数のノード及び複数のリンクを有する。各ノードは、緯度及び経度で表された位置座標を示している。各ノードには、複数の付帯情報が付されている。付帯情報の一例は、交差点又は分岐点といったノードの種別である。各リンクは、隣り合うノード間を結ぶ線分として定められている。各リンクは、道路を示している。各リンクには、複数の付帯情報が付されている。付帯情報の一例は、国道又は県道といった道路の種類である。
【0021】
地図データは、複数の集積箇所の位置情報を含んでいる。すなわち、地図データにおいて、各集積箇所に対応するノードには、付帯情報として、当該ノードが集積箇所であることを示す識別値と、個々の集積箇所に割り当てられている集積箇所番号と、個々の集積箇所の地区名を示す識別値と、が付されている。集積箇所番号は、1つのごみ収集車30がごみの回収を行う際の順番と対応している。すなわち、ごみ収集車30が最初に向かう集積箇所には、集積箇所番号として「1」が割り当てられている。そして、ごみ収集車30が向かう集積箇所の順番に応じて、集積箇所毎の集積箇所番号は大きくなる。ごみ収集車30が向かう最後の集積箇所には、最後の集積箇所であることを示す識別値が付されている。なお、集積箇所番号は、回収地域毎に定められている。回収地域は、特定の曜日に1つのごみ収集車30が回る複数の集積箇所を含む地域である。
【0022】
地図データは、ごみ収集車30が複数の集積箇所を巡る際の走行ルートの情報を含んでいる。すなわち、地図データにおいて、走行ルートに対応するリンクには、付帯情報として、ごみ収集車30が通る道であることを示す識別値と、走行ルートの番号を示すルート番号と、が付されている。ルート番号は、回収地域を示す識別番号ともいえる。ある1つの回収地域についてみたとき、走行ルートは、ごみ収集車30のベース基地を始点として、集積箇所番号が小さい順に、当該回収地域内に存在している集積箇所のノードを繋いでいる。走行ルートの最終地点は、ごみ収集車30のベース基地である。なお、本実施形態では、回収地域毎に、つまり走行ルート毎に、担当のごみ収集車30が予め割り当てられている。そして、ルート番号には、担当のごみ収集車30の収集車番号が反映されている。
【0023】
<通知処理>
CPU12は、通知処理を実行可能である。通知処理は、各集積箇所へのごみ収集車30の到着予定時刻を各利用者端末50に通知するための処理である。CPU12は、回収地域毎に通知処理を行う。以下では、1つの回収地域を対象に、通知処理の内容を説明する。CPU12は、対象の回収地域でのごみ回収の曜日になると、地図データに含まれているルート番号に基づいて、当該回収地域をまわるごみ収集車30を特定する。続けて、CPU12は、このごみ収集車30からの現在位置の情報を繰り返し取得する。そして、CPU12、ごみ収集車30がベース基地を出発すると通知処理を開始する。CPU12は、ごみ収集車30が回収地域における最後の集積箇所に到達するまで通知処理を繰り返す。CPU12は、例えば10分といった所定時間毎に通知処理を開始する。なお、CPU12は、ごみ回収の当日になると、初回の通知処理の実行前に次のことを行う。先ずCPU12は、地図データの中から、対象の回収地域に対応するルート番号が割り当てられている走行ルートを特定する。CPU12は、走行ルートを特定すると、ごみ集積箇所の集積箇所番号を基準として、この走行ルート上におけるごみ収集車30の進行方向を特定する。この後、CPU12は、この走行ルート上における、最後の集積箇所の1つ前の集積箇所の集積箇所番号を解析最終番号として特定する。CPU12は、これら特定した情報を、毎回の通知処理で利用する。なお、逐一の説明は割愛するが、CPU12は、自身が特定したり生成したりした情報を適宜メモリ14に記憶させる。
【0024】
図2に示すように、CPU12は、通知処理を開始すると、対象箇所番号をゼロにリセットした上でステップS1の処理を実行する。ステップS1において、CPU12は、対象箇所番号を更新する。具体的には、CPU12は、現時点で設定されている対象箇所番号である前回値に「1」を加算する。そして、CPU12は、得られた値を新たな対象箇所番号とする。この後、CPU12は、処理をステップS2に進める。
【0025】
ステップS2において、CPU12は、対象箇所番号に対応する集積箇所が未集積箇所であるか否かを判定する。未集積箇所は、走行ルートにおいて未だごみ収集車30が通過していない集積箇所である。このステップS2の具体的な処理として、先ずCPU12は、事前に特定した走行ルート上において、対象箇所番号に対応する集積箇所を特定する。そして、CPU12は、走行ルート上において、特定した集積箇所の位置と、ごみ収集車30の現在位置とを比較する。CPU12は、走行ルート上において、ごみ収集車30の現在位置が、対象箇所番号に対応する集積箇所よりも進んだ位置である場合、対象箇所番号に対応する集積箇所は未集積箇所ではないと判定する(ステップS2:NO)。この場合、CPU12は、処理をステップS12に進める。なお、CPU12は、ごみ収集車30の現在位置が、対象箇所番号に対応する集積箇所と一致する場合も、ステップS2をNOと判定する。そして、CPU12は、処理をステップS12に進める。ステップS12の処理は後述する。
【0026】
一方、ステップS2において、CPU12は、走行ルート上において、ごみ収集車30の現在位置が、対象箇所番号に対応する集積箇所よりも手前の位置である場合、対象箇所番号に対応する集積箇所は未集積箇所であると判定する(ステップS2:YES)。この場合、CPU12は、処理をステップS3に進める。以下では、対象箇所番号に対応する未集積箇所を、解析対象箇所と呼称する。
【0027】
ステップS3において、CPU12は、メモリ14が記憶している複数の提供データに含まれる画像の中から、解析対象箇所が写っている画像である解析対象画像を特定する。解析対象画像は、未集積箇所が写っている画像である未集積画像に相当する。CPU12は、次のようにして解析対象画像を特定する。先ずCPU12は、各提供データに関して、画像に付されている撮像情報のうちの撮像位置を参照する。そして、CPU12は、画像の撮像位置が、地図データから把握される解析対象箇所の位置座標と一致する画像を、候補画像として特定する。このとき、候補画像が複数存在することもあれば、候補画像が1つしか存在しないこともある。CPU12は、候補画像が複数存在する場合、候補画像に付されている撮像日時を参照する。そして、CPU12は、複数の候補画像の中で撮像日時が最も遅い画像を解析対象画像として特定する。一方、CPU12は、候補画像が1つのみの場合、その候補画像をそのまま解析対象画像として特定する。CPU12は、解析対象画像を特定すると、処理をステップS4に進める。このように、本ステップS3の処理と、上記ステップS2の処理を通じて、CPU12は、ごみ収集車30の現在位置と、各提供データに付されている撮像位置と撮像日時とに基づいて、解析対象箇所が写っている解析対象画像を特定する。なお、提供データの集まり具合によっては、解析対象画像が存在していないこともあり得る。この場合、CPU12は、この後説明するステップS4、ステップS5、及びステップS6をスキップする。そして、CPU12は、ステップS7では、後述の回収必要時間として、予め定められた標準回収時間を設定する。メモリ14は、標準回収時間を予め記憶している。
【0028】
ステップS4において、CPU12は、ステップS3で特定した解析対象画像に基づいて、推定ごみ量を算出する。推定ごみ量は、未集積箇所に集まっているごみの量の推定値である。CPU12は、メモリ14が予め記憶している第1モデルを利用して推定ごみ量を算出する。第1モデルは、当該第1モデルがサーバ10に実装される以前に、教師あり学習によって学習された学習済みのモデルである。第1モデルは、未集積画像を入力として推定ごみ量を出力する。CPU12は、この第1モデルに対して解析対象画像を入力することによって、この解析対象箇所における推定ごみ量を算出する。
【0029】
ここで、ある特定のごみの量の未集積画像に、当該特定のごみの量を正解情報として付したデータを第1教師データと呼称する。第1モデルは、こうした第1教師データを利用して学習が行われたものである。すなわち、第1モデルの学習に際しては、ごみの量が異なる様々な未集積画像から生成された無数の第1教師データを予め用意しておく。そして、各第1教師データを対象にして第1モデルを実行したときの第1モデルの出力が、第1教師データに含まれる正解情報に近づくように第1モデルのパラメータの調整を繰り返す。このようにして第1モデルの学習は行われている。正解情報のごみの量は、ごみ袋の数として定められる。すなわち、ごみ袋の数が多いほど、ごみの量は多くなる。
【0030】
CPU12は、ステップS4において推定ごみ量を算出すると、処理をステップS5に進める。ステップS5において、CPU12は、ステップS3で特定した解析対象画像に基づいて、ごみの散らかりレベルを算出する。ここで、集積箇所に集められているごみ袋が例えば野生動物に荒らされることがある。そしてそれに伴い、ごみ袋が破れて中身のごみが外に飛び出していることがある。この場合、集積箇所では、ごみ袋から飛び出したごみが散らかった状態にある。散らかりレベルは、このような、ごみ袋から飛び出した状態にあるごみの散らかりの度合いを複数段階にレベル分けしたものである。CPU12は、メモリ14が予め記憶している第2モデルを利用して散らかりレベルを算出する。第2モデルは、当該第2モデルがサーバ10に実装される以前に、教師あり学習によって学習された学習済みのモデルである。第2モデルは、未集積画像を入力として散らかりレベルを出力する。CPU12は、この第2モデルに対して解析対象画像を入力することによって、この解析対象箇所における散らかりレベルを算出する。
【0031】
ここで、ある特定の散らかりレベルの未集積画像に、当該特定の散らかりレベルを正解情報として付したデータを第2教師データと呼称する。第2モデルは、こうした第2教師データを利用して学習が行われたものである。すなわち、第2モデルの学習に際しては、散らかりレベルの異なる様々な未集積画像から生成された無数の第2教師データを予め用意しておく。そして、各第2教師データを対象にして第2モデルを実行したときの第2モデルの出力が、第2教師データに含まれる正解情報に近づくように第2モデルのパラメータの調整を繰り返す。このようにして第2モデルの学習は行われている。正解情報の散らかりレベルは、ごみ袋から飛び出しているごみの数が多いほど高くなる。
【0032】
CPU12は、ステップS5において散らかりレベルを算出すると、処理をステップS6に進める。ステップS6において、CPU12は、時期フラグを設定する。時期フラグは、解析対象箇所においてごみの量が特に多くなる時期と、それ以外の時期とを切り分けるためのフラグである。CPU12がステップS6を行う前提として、メモリ14は、回収地域毎の期間分けリストを予め記憶している。1年を半月単位で24個の期間に分けたときの個々の期間を個別期間と呼称する。1つの期間分けリストには、対象の回収地域に含まれている複数の集積箇所番号のそれぞれに対応させて、次の内容が定められている。すなわち、1つの期間分けリストには、集積箇所毎に、第1期間に当てはまる個別期間と、第2期間に当てはまる個別期間とが定められている。第1期間は、1度のごみ回収において対象の集積箇所に集まるごみの量が設定値以上になる期間である。第2期間は、1度のごみ回収において対象の集積箇所に集まるごみの量が設定値未満になる期間である。上述のとおり、ごみの量は、ごみ袋の数である。設定値は、例えば、標準ごみ量の2倍として予め定められている。標準ごみ量は、例えば、様々な回収地域全体でみたときのごみの量の年平均値である。
【0033】
ステップS6の具体的な処理として、先ずCPU12は、回収地域毎の期間分けリストの中から、対象の回収地域の期間分けリストを特定する。なお、各期間分けリストには、上記のルート番号が付されている。CPU12は、このルート番号に基づいて、対象の回収地域についての期間分けリストを特定する。CPU12は、期間分けリストを特定すると、期間分けリストに定められている複数の集積箇所の中から、解析対象箇所の集積箇所番号に当てはまる集積箇所を特定する。そして、CPU12は、この集積箇所に関する第1期間と第2期間を参照する。そして、CPU12は、これらの期間と、ステップS3で特定した解析対象画像に付されている撮像日時、すなわちステップS4で推定ごみ量を算出した基になっている未集積画像の撮像日時とを比較する。そして、CPU12は、解析対象画像の撮像日時が、第1期間内の日時であるか第2期間内の日時であるかを判別する。CPU12は、解析対象画像の撮像日時が第1期間内の日時である場合、時期フラグを「1」にセットする。一方、CPU12は、撮像日時が第2期間内の日時である場合、時期フラグを「2」にセットする。この後、CPU12は、処理をステップS7に進める。
【0034】
ステップS7において、CPU12は、回収必要時間を算出する。回収必要時間は、解析対象箇所において作業者がごみ収集車30にごみを回収するのに必要な時間である。CPU12は、ステップS4で算出した推定ごみ量と、ステップS5で算出した散らかりレベルと、ステップS6で算出した時期フラグとに基づいて回収必要時間を算出する。CPU12は、散らかりレベルが同一、且つ時期フラグが同一であれば、推定ごみ量が多いほど回収必要時間が長くなるように回収必要時間を算出する。CPU12は、推定ごみ量が同一、且つ時期フラグが同一であれば、散らかりレベルが高いほど回収必要時間が長くなるように回収必要時間を算出する。CPU12は、推定ごみ量が同一、且つ散らかりレベルが同一であれば、時期フラグが「1」の場合には「2」の場合よりも回収必要時間が長くなるように回収必要時間を算出する。CPU12は、例えば次のような関係式に基づいて回収必要時間を算出する。すなわち、CPU12は、推定ごみ量に第1係数を乗じた値と、散らかりレベルに第2係数を乗じた値と、補正値と、の和を、必要回収時間として算出する。CPU12は、時期フラグが「1」の場合には、補正値を予め定められた正の値とする。メモリ14は、補正値を予め記憶している。CPU12は、時期フラグが「2」の場合には補正値をゼロにする。第1係数は、推定ごみ量をごみの回収時間に換算するための係数である。第2係数は、散らかりレベルをごみの回収時間に換算するための係数である。CPU12は、回収必要時間を算出すると、処理をステップS8に進める。
【0035】
ステップS8において、CPU12は、解析対象箇所から次回集積箇所までの移動時間を算出する。次回集積箇所は、ごみ収集車30の走行ルートにおいて、ごみ収集車30が解析対象箇所の次に向かう未集積箇所である。すなわち、次回集積箇所は、解析対象箇所よりも後にごみ収集車30が通過する未集積箇所である所定集積箇所に相当する。例えば、CPU12は、解析対象箇所から次回集積箇所までのごみ収集車30の走行距離と、ごみ収集車30の推定走行速度とに基づいて、移動時間を算出する。この場合、CPU12は、走行距離が短いほど移動時間が短くなるように、移動時間を算出する。また、CPU12は、推定走行速度が大きいほど移動時間が短くなるように、移動時間を算出する。CPU12は、例えば、地図マップ上の走行ルートに基づいて、解析対象箇所から次回集積箇所までの距離である走行距離を算出できる。CPU12は、例えば、解析対象箇所から次回集積箇所までの間での渋滞の有無に応じて推定走行距離を算出できる。この場合、CPU12は、交通情報配信センターから最新の交通情報を取得することによって、解析対象箇所から次回集積箇所までの間での渋滞の有無を判断するとよい。CPU12は、解析対象箇所から次回集積箇所までの移動時間を算出すると、処理をステップS9に進める。
【0036】
ステップS9において、CPU12は、現時点で対象としている解析対象箇所が、今回の通知処理で特定された初回の未集積箇所であるか否かを判定する。以下では、この初回の未集積箇所を初回集積箇所と呼称する。CPU12は、解析対象箇所が初回集積箇所ではない場合(ステップS9:NO)、この後のステップS10をスキップして処理をステップS11に進める。一方、CPU12は、解析対象箇所が初回集積箇所である場合(ステップS9:YES)、処理をステップS10に進める。
【0037】
ステップS10において、CPU12は、初回集積箇所への到着予定時刻を算出する。先ずCPU12は、ステップS8と同様の要領で、ごみ収集車30の現在位置から初回集積箇所までの移動時間を算出する。CPU12は、移動時間を算出すると、算出した移動時間分だけ現時点の時刻から先に進んだ時刻を、初回集積箇所への到着予定時刻とする。CPU12は、初回集積箇所への到着予定時刻を算出すると、次のことを行う。すなわち、CPU12は、初回集積箇所の集積箇所番号と、初回集積箇所への到着予定時刻とを対応付けた一式を算出結果情報の初回データとしてメモリ14に記憶する。この算出結果情報には、この後のステップS11の処理を通じて順次、他の未集積箇所への到着予定時刻が書き加えられていく。なお、初回集積箇所の集積箇所番号は、現時点の対象箇所番号である。この後、CPU12は、処理をステップS11に進める。
【0038】
ステップS11において、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を算出する。先ずCPU12は、メモリ14が記憶している算出結果情報の中から、次回集積箇所の1つ前の未集積箇所、すなわち、現時点の対象箇所番号を対象にした到着予定時刻を読み出す。そして、CPU12は、この到着予定時刻と、ステップS8で算出した次回集積箇所までの移動時間と、に基づいて、次回集積箇所への到着予定時刻を算出する。すなわち、CPU12は、ステップS8で算出した移動時間の分だけ上記到着予定時刻から先に進んだ時刻を次回集積箇所への到着予定時刻とする。この後、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を、次回集積箇所の集積箇所番号と対応付けて算出結果情報に書き加える。この後、CPU12は、処理をステップS12に進める。
【0039】
ステップS12において、CPU12は、到着予定時刻を算出すべき全ての集積箇所について解析を終えたか否かを判定する。具体的には、CPU12は、ステップS12では、現時点の対象箇所番号が、通知処理の開始前に特定した上記の解析最終番号と一致しているか否かを判定する。CPU12は、現時点の対象箇所番号が解析最終番号と一致していない場合(ステップS12:NO)、ステップS1に戻る。一方、CPU12は、現時点の対象箇所番号が解析最終番号と一致している場合(ステップS12:YES)、処理をステップS13に進める。
【0040】
ステップS13において、CPU12は、通知画像を生成する。通知画像は、各集積箇所へのごみ収集車30の到着予定時刻を、集積箇所の利用者に通知するための画像である。CPU12は、算出結果情報の内容を反映させるかたちで通知画像を生成する。
図3に示すように、通知画像は、例えば、各集積箇所における必要情報を、集積箇所番号の小さい順に上から並べたリストである。必要情報は、集積箇所番号と、集積箇所の地区名と、到着予定時刻と、を含んでいる。CPU12は、集積箇所の地区名については、地図データに含まれている、集積箇所の地区名を示す識別値を実際の地区名の文字列に変換して通知画像に記述する。CPU12は、到着予定時刻については次のように取り扱う。すなわち、CPU12は、複数の集積箇所のうち、到着予定時刻を算出した集積箇所、つまり未集積箇所については、算出結果情報に載っている到着予定時刻を地図画像に記述する。一方、CPU12は、到着予定時刻を算出していない集積箇所については、回収済みである旨を通知画像に記述する。
図2に示すように、CPU12は、通知画像を生成すると、処理をステップS14に進める。
【0041】
解析最終番号に対応する集積箇所、すなわち、走行ルート上において最後の集積箇所の1つ前の集積箇所を解析最終箇所と呼称する。ここで、ステップS13に関して、CPU12は、通知処理を実行したときのごみ収集車30の現在位置が、走行ルート上において解析最終箇所から最後の集積箇所の間である場合、ステップS2やステップS12などとの兼ね合いで、最後の集積箇所への到着予定時刻を算出せずに当該ステップS13に至ることになる。そこで、CPU12は、通知処理を実行したときのごみ収集車30の現在位置が、解析最終箇所から最後の集積箇所の間である場合に限り、ステップS13では次のような処理を行う。すなわち、CPU12は、ごみ収集車30の現在位置から最後の集積箇所までの走行距離などを加味して最後の集積箇所への到着予定時刻を算出する。そして、CPU12は、算出した時刻を最後の集積箇所への到着予定時刻として記した通知画像を生成する。この通知画像において、他の全ての集積箇所は回収済みである旨が記される。
【0042】
ステップS14において、CPU12は、利用者端末50からの送信要求を待つ待機状態になる。そして、CPU12は、利用者端末50から送信要求を取得すると、ステップS13で生成した通知画像を通知情報として利用者端末50に出力する。なお、利用者端末50は、サーバ10に対して送信要求を行う際、当該利用者端末50の所有者が居住している回収地域のルート番号を送信要求に含める。このルート番号を基に、CPU12は、いずれの回収地域を対象にした通知画像が要求されているかを判別できる。CPU12は、ステップS14では、対象の回収地域についての送信要求があったときに通知画像を出力する。CPU12は、ステップS14の処理の開始後、次回の通知処理の実行タイミングになると、算出結果情報と通知画像をメモリ14から削除した上でステップS14の処理を終了する。そして、CPU12は、通知処理を一旦終了する。
【0043】
なお、上述のとおり、CPU12は、ごみ収集車30がベース基地を出発する前の時間帯は、通知処理を実行しない。CPU12は、この時間帯に利用者端末50から到着時刻要求があった場合、ごみ回収の開始前である旨を記した画像を利用者端末50に出力する。また、CPU12は、ごみ収集車30が最後の集積箇所に到達した以降の時間帯も通知処理を実行しない。CPU12は、この時間帯に利用者端末50から到着時刻要求があった場合、ごみ回収は終了した旨を記した画像を利用者端末50に出力する。
【0044】
<実施形態の作用及び効果>
(1)集積箇所に集まっているごみの量が多い場合、当該集積箇所でのごみの回収に時間がかかる。そのため、この場合、以降の各未集積箇所への到着時刻が遅くなる。CPU12は、このような、各集積箇所に集まっているごみの量を加味してこの後の各未集積箇所への到着予定時刻を算出する。具体的には、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を算出するにあたり、解析対象箇所における推定ごみ量が多い場合、解析対象箇所における推定ごみ量が少ない場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように当該到着予定時刻を算出する。このようにして、推定ごみ量の多寡を加味して到着予定時刻を算出することで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻を正確に算出できる。そしてCPU12は、こうした到着予定時刻を反映した通知画像を利用者端末50に出力する。このことで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻としてより正確な情報を利用者に提供できる。こうした情報があれば、利用者は、ごみ出しに遅れ難くなる。
【0045】
(2)集積箇所に集められるごみの量は、時間が経過するにつれて徐々に多くなる。そのため、画像に基づいて推定ごみ量を算出する場合、なるべく遅い時刻に撮影された画像を用いることにより、ごみ収集車30が集積箇所に到着した時点の実際のごみ量と、当該推定ごみ量との乖離が生じにくい。そこで、CPU12は、解析対象画像を特定するにあたり、同一の未集積箇所を対象にした候補画像が複数存在する場合、これらの候補画像のうち撮像日時が最も遅いものを解析対象画像として選択する。そしてCPU12は、この解析対象画像に基づいて推定ごみ量を算出する。すなわち、CPU12は、解析対象箇所における直近の情報に基づいて、当該解析対象箇所における推定ごみ量を算出する。こうした推定ごみ量を基にして到着予定時刻を算出することで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻をより正確に算出できる。
【0046】
(3)集積箇所に集められたごみが例えば野生動物によって荒らされることがある。この場合、集積箇所ではごみが散らかった状態にある。集積箇所でごみが散らかっていると、当該集積箇所でのごみの回収に時間がかかる。CPU12は、こうしたごみの散らかり度合いを加味して各未集積箇所への到着予定時刻を算出する。具体的には、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を算出するにあたり、解析対象箇所における散らかりレベルが高い場合、解析対象箇所における散らかりレベルが低い場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように当該到着予定時刻を算出する。このようにして、ごみの散らかり具合を加味して到着予定時刻を算出することで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻をより正確に算出できる。
【0047】
(4)CPU12は、ごみ収集車30の現在位置から各未集積箇所までの交通量を加味して各未集積箇所への到着予定時刻を算出する。具体的には、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を算出するにあたり、解析対象箇所から次回集積箇所までの交通量が多い場合、解析対象箇所から次回集積箇所までの交通量が少ない場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように当該到着予定時刻を算出する。このようにして、交通量を加味して到着予定時刻を算出することで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻をより正確に算出できる。
【0048】
(5)例えばアパート近傍の集積箇所では、春先の新生活での引っ越しなどに伴い、春先は他の期間よりもゴミの量が多くなり得る。CPU12は、このような、時期によるごみの量の違いを加味して各未集積箇所への到着予定時刻を算出する。具体的には、CPU12は、次回集積箇所への到着予定時刻を算出するにあたり、解析対象画像の撮像日時が第1期間内の日時である場合、解析対象画像の撮像日時が第2期間内の日時である場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなるように当該到着予定時刻を算出する。このようにして、時期によるごみの量の違いを加味して到着予定時刻を算出することで、CPU12は、各未集積箇所への到着予定時刻をより正確に算出できる。
【0049】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせることができる。
【0050】
・個別期間の長さは、上記実施形態の例に限定されない。個別期間は、ごみの量の平均的な推移を捉えることができる長さであればよい。
・回収必要時間ひいては到着予定時刻への第1期間及び第2期間の反映方法は、上記実施形態の例に限定されない。上記反映方法は、次の内容を満たすものであればよい。すなわち、解析対象画像の撮像日時が第1期間内の日時である場合に、解析対象画像の撮像日時が第2期間内の日時である場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなる。
【0051】
・到着予定時刻に第1期間及び第2期間を反映させることは必須ではない。
・散らかりレベルを算出する上で学習済みモデルを利用することは必須ではない。
・散らかりレベルを、ごみ袋から飛び出したごみの数によって定めることは必須ではない。ごみ袋から飛び出してごみが散らかっているという観点において、ごみの散らかり度合いが高いほど散らかりレベルが高くなるように、適切な定義によって散らかりレベルを規定してよい。
【0052】
・回収必要時間ひいては到着予定時刻への散らかりレベルの反映方法は、上記実施形態の例に限定されない。上記反映方法は、次の内容を満たすものであればよい。すなわち、解析対象箇所での散らかりレベルが高い場合に、解析対象箇所での散らかりレベルが低い場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなる。
【0053】
・到着予定時刻に散らかりレベルを反映させることは必須ではない。
・交通量の多寡を示す情報は、渋滞の有無に限らない。例えば、交通量を複数段階にレベル分けしたレベルによって交通量を示してもよい。
【0054】
・移動時間ひいては到着予定時刻への交通量の反映方法は、上記実施形態の例に限定されない。上記反映方法は、次の内容を満たすものであればよい。すなわち、解析対象箇所から次回集積箇所までの交通量が多い場合、解析対象箇所から次回集積箇所までの交通量が少ない場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなる。
【0055】
・到着予定時刻に交通量を反映させることは必須ではない。
・推定ごみ量を算出する上で学習済みモデルを利用することは必須ではない。
・ごみの量をごみ袋の数によって定めることは必須ではない。適切な定義によってごみの量を規定してよい。
【0056】
・回収必要時間ひいては到着予定時刻への推定ごみ量の反映方法は、上記実施形態の例に限定されない。上記反映方法は、次の内容を満たすものであればよい。すなわち、解析対象箇所での推定ごみ量が多い場合に、解析対象箇所での推定ごみ量が少ない場合に比べて、次回集積箇所への到着予定時刻が遅くなる。
【0057】
・解析対象画像の特定に関して、同一の候補画像が複数存在する場合、これらの候補画像のうち撮像日時が最も遅いものを選択することは必須ではない。撮像日時が最も遅いものでなくても、ごみ回収の当日の撮像画像であれば、推定ごみ量を算出する上で有効な情報になる。
【0058】
・通知情報は、通知画像に限定されない。通知情報は、未集積箇所への到着予定時刻を通知できるものであればよい。
・利用者端末50に対して通知情報を出力する態様は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、利用者端末50からの送信要求を待たずに、予め登録されている利用者端末50に対して通知情報を自動通知するようにしてもよい。電子メールなどを利用して、利用者端末50に通知情報を出力してもよい。
【0059】
・車両70の制御装置72が行うデータ生成処理に関して、次の態様を採用してもよい。すなわち、CPU74は、提供データを生成する際、車両70が登録地点を通過した際にカメラ82が撮像した画像を解析し、画像に集積箇所が写っていることを確認した後に当該画像を提供データとしてサーバ10に送信してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…サーバ 30…ごみ収集車 39…受信機 70…車両 82…カメラ 84…受信機