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  • 特開-柱梁接合部構造 図1
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  • 特開-柱梁接合部構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024448
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】柱梁接合部構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/30 20060101AFI20250213BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
E04B1/30 K
E04B1/58 505G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128561
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000245852
【氏名又は名称】矢作建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】清水 啓介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 峰里
(72)【発明者】
【氏名】小平 渉
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AB12
2E125AC01
2E125AC15
2E125AG57
2E125BA07
2E125BB11
2E125BC02
2E125BD01
2E125BE03
2E125BF08
2E125CA82
2E125CA90
(57)【要約】
【課題】板厚の異なる梁同士あるいは材種の異なる同じ方向に延びる梁の端部同士を接合するに当たり、柱梁接合部へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁の溶接といった手間を省くことができる柱梁接合部構造を提供する。
【解決手段】建物の柱梁接合部13は、鉄骨造の梁12同士が交差する箇所に対し柱11も交差する箇所である。柱梁接合部13は、交差する梁12同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板15によって囲まれている。柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接した溶接部17が存在する。溶接部17は、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される柱梁接合部構造において、
前記柱梁接合部は、交差する前記梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれており、
前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚の異なる前記梁の端部同士を溶接した溶接部が存在し、
前記溶接部は、前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている柱梁接合部構造。
【請求項2】
鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される柱梁接合部構造において、
前記柱梁接合部は、交差する前記梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれており、
前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ材種の異なる前記梁の端部同士を溶接した溶接部が存在し、
前記溶接部は、前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている柱梁接合部構造。
【請求項3】
鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される柱梁接合部構造において、
前記柱梁接合部は、交差する前記梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれており、
前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚及び材種の異なる前記梁の端部同士を溶接した溶接部が存在し、
前記溶接部は、前記柱梁接合部における前記塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている柱梁接合部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱梁接合部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物を柱RC梁S構法(RCS構法)等によって建てる場合、建物には鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部が設けられる。柱梁接合部においては、同じ方向に延びる梁の端部同士を接合することがある。この場合、梁の板厚が異なっていたり材種が異なっていたりすると、それら梁の端部同士を直接的に溶接することによっては、梁の端部同士の接合を適正に行うことが難しくなる。詳しくは、端部同士を接合した梁に対し曲げ方向の力が加わった場合に、上記端部同士を溶接した溶接部に作用する曲げ応力が大きくなるため、その溶接部における梁の端部同士の溶接に上記大きな曲げ応力による悪影響が及ぶ。これにより、溶接部における梁の端部同士を適正に接合することが難しくなる。
【0003】
こうしたことに対処するため、特許文献1に示されるように、梁の端部同士をダイアフラムを介して接合することが行われる。詳しくは、梁の端部同士の間にダイアフラムが配置される。そして、接合予定の梁の端部をそれぞれダイアフラムに溶接することにより、それら梁の端部同士の接合がダイアフラムを介して行われる。この場合、同じ方向に延びる梁の端部同士が直接的に溶接されることがなくなる。このため、板厚や材種の異なる梁の端部同士が直接的に溶接される溶接部が生じない関係から、その溶接部に関わる上述したような問題が生じることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-172268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されるように、同じ方向に延びる梁の端部同士の接合がダイアフラムを介して行われる場合、柱梁接合部にダイアフラムを配置すること、及び、そのダイアフラムに対し接合予定の梁をそれぞれ溶接することが手間になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する柱梁接合部構造は、鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される。柱梁接合部は、交差する梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれている。柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁の端部同士を溶接した溶接部が存在する。溶接部は、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている。
【0007】
上記構成によれば、柱RC梁S構法(RCS構法)で建物を建てたとすると、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側にコンクリートが打設される。その結果、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側では、同じ方向に延び且つ板厚の異なる前記梁の端部同士を溶接した溶接部が上記コンクリートによって埋められる。これにより、梁に曲げ方向の力が加わった場合の溶接部に作用する曲げ応力を小さく抑えることができる。溶接部で溶接される梁同士の板厚が異なる場合、溶接部に作用する大きな曲げ応力が梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼす。しかし、上述したように溶接部に作用する曲げ応力が小さく抑えられることにより、その曲げ応力が上記梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁の端部同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁の溶接といった手間を省くことができる。
【0008】
上記課題を解決する柱梁接合部構造は、鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される。柱梁接合部は、交差する梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれている。柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁の端部同士を溶接した溶接部が存在する。溶接部は、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている。
【0009】
上記構成によれば、柱RC梁S構法(RCS構法)で建物を建てたとすると、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側にコンクリートが打設される。その結果、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側では、同じ方向に延び且つ材種の異なる梁の端部同士を溶接した溶接部が上記コンクリートによって埋められる。これにより、梁に曲げ方向の力が加わった場合の溶接部に作用する曲げ応力を小さく抑えることができる。溶接部で溶接される梁同士の材種が異なる場合、溶接部に作用する大きな曲げ応力が梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼす。しかし、上述したように溶接部に作用する曲げ応力が小さく抑えられることにより、その曲げ応力が上記梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、同じ方向に延び且つ材種の異なる梁の端部同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁の溶接といった手間を省くことができる。
【0010】
上記課題を解決する柱梁接合部構造は、鉄骨造の梁同士が交差する箇所に対し柱も交差する柱梁接合部に適用される。柱梁接合部は、交差する梁同士で挟まれる部分に配置された塞ぎ板によって囲まれている。柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚及び材種の異なる梁の端部同士を溶接した溶接部が存在する。溶接部は、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリートによって埋められている。
【0011】
上記構成によれば、柱RC梁S構法(RCS構法)で建物を建てたとすると、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側にコンクリートが打設される。その結果、柱梁接合部における塞ぎ板で囲まれた部分の内側では、同じ方向に延び且つ板厚及び材種の異なる梁の端部同士を溶接した溶接部が上記コンクリートによって埋められる。これにより、梁に曲げ方向の力が加わった場合の溶接部に作用する曲げ応力を小さく抑えることができる。溶接部で溶接される梁同士の板厚及び材種が異なる場合、溶接部に作用する大きな曲げ応力が梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼす。しかし、上述したように溶接部に作用する曲げ応力が小さく抑えられることにより、その曲げ応力が上記梁の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、板厚及び材料の異なる梁同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁の溶接といった手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】建物における柱梁接合部を示す斜視図である。
図2図1の柱梁接合部を示す平面図である。
図3】(a)は梁の長手方向の各位置に作用する曲げ応力を示すグラフであり、(b)は上記梁が通過する柱梁接合部を図1の矢印III-III方向から見た状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、柱梁接合部構造の一実施形態について、図1図3を参照して説明する。
図1に示すように、柱RC梁S構法(RCS構法)で建てられた建物は、鉄筋コンクリート造の柱11と鉄骨造の梁12とを備えている。梁12を形成する鉄骨は、上下方向に立った状態となる板状のウェブ12aと、そのウェブ12aの上下両端から水平方向に突出するフランジ12bと、を有している。フランジ12bは、鉄骨の長手方向に延びている。
【0014】
こうした建物には柱梁接合部13が存在している。柱梁接合部13では、梁12同士が交差する箇所に対し柱11も交差している。柱梁接合部13における交差する梁12同士の間であって、柱11の外側面に対応する位置にはそれぞれL字状に屈曲された塞ぎ板15が配置されている。塞ぎ板15は、梁12のウェブ12a及びフランジ12bに対し溶接されている。柱梁接合部13は、交差する梁12同士で挟まれる部分に配置された上記塞ぎ板15によって囲まれている。
【0015】
柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側では、梁12同士が接合されている。詳しくは、梁12同士が同じ方向に延びた状態で互いに溶接されていたり、梁12同士が直交する方向に延びた状態で互いに溶接されていたりする。こうした梁12同士の溶接は、互いの梁12におけるウェブ12a同士の溶接、及び、フランジ12b同士の溶接を通じて行われる。
【0016】
このように溶接される梁12同士のうち、同じ方向に延び且つ端部同士が溶接される梁12の板厚は、互いに異なるものとなっている。すなわち、溶接されるウェブ12a同士の板厚が互いに異なるとともに、溶接されるフランジ12b同士の板厚は互いに異なっている。図2に示すように、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側には、梁12同士を溶接した溶接部17が存在している。これら溶接部17のなかには、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接したものが含まれている。
【0017】
<柱RC梁S構法における柱11及び梁12の形成>
建物の柱RC梁S構法では、鉄筋コンクリート造の柱11を形成した後、その柱11の上端部に、図1に示すように梁12同士の交差部分を配置する。更に、梁12同士の交差部分(柱梁接合部13)における塞ぎ板15に囲まれた部分の内側には、柱梁接合部13よりも上段の柱11を形成するための鉄筋16が通されるとともに、図2に示すようにコンクリート18が打設される。これにより、梁12を形成する鉄骨が上記打設されたコンクリート18を通過するようになる。その後、上記柱梁接合部13の上側に同柱梁接合部13よりも上段の柱11が形成される。
【0018】
建物の柱RC梁S構法では、このように柱11と梁12とが上段に向けて段階的に形成される。柱RC梁S構法で建てられた建物の柱梁接合部13では、塞ぎ板15が剪断抵抗となるとともに、同塞ぎ板15によって柱梁接合部13内のコンクリート18の拘束が行われる。また、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側では、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接した上記溶接部17が上記コンクリート18によって埋められている。
【0019】
次に、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分を通過する梁12に対し曲げ方向の力が加わった場合に、その梁12に作用する曲げ応力について図3を参照して説明する。
【0020】
図3(a)の横軸は、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分を通過する梁12の長手方向の各位置を示している。図3(a)の横軸は、図3(b)に示すように同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接した溶接部17に対応する位置を含んでいる。図3(a)の縦軸は、上記梁12の長手方向における上記横軸で示される位置に作用する曲げ応力、すなわち上記梁12に曲げ方向の力が加わった場合の曲げ応力を示している。
【0021】
この曲げ応力は、梁12における塞ぎ板15に対応する位置X1で最も大きくなり、柱梁接合部13の中央に対応する位置X2に向かうほど小さくなる。これは、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側にコンクリート18が打設されているためである。従って、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側であって、図3(b)における上記溶接部17の位置を図3(a)における位置Xとすると、その位置Xでの上記曲げ応力Aは位置X1での曲げ応力よりも小さくなる。
【0022】
次に、本実施形態の柱梁接合部構造の作用効果について説明する。
柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側には、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接した溶接部17が存在している。この溶接部17は、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリート18によって埋められている。これにより、梁12に曲げ方向の力が加わった場合の溶接部17に作用する曲げ応力Aを小さく抑えることができる。溶接部17で溶接される梁12同士の板厚が異なる場合、溶接部17に大きな曲げ応力が作用することにより、梁12の端部同士の溶接に悪影響が及ぶ。しかし、上述したように溶接部17に作用する曲げ応力が小さく抑えられることにより、その曲げ応力が上記梁12の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、板厚の異なる梁12の端部同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部13へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁12の溶接といった手間を省くことができる。
【0023】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・溶接部17は、同じ方向に延び且つ板厚の異なる梁12の端部同士を溶接したものである代わりに、同じ方向に延び且つ材種の異なる梁12同士を溶接したものであってもよい。ここで言う梁12の材種とは、梁12を形成する鉄骨における鉄系材料の規格もしくは等級のことである。材種の異なる梁12は、降伏点が異なったり、強度が異なったりする。
【0024】
上記溶接部17で溶接される梁12同士の材種が異なる場合、梁12に曲げ方向の力が加わることに基づき溶接部17に大きな曲げ応力が作用することにより、梁12の端部同士の溶接に悪影響が及ぶ。しかし、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリート18によって上記溶接部17が埋められているため、溶接部17に作用する上記曲げ応力が小さく抑えられる。その結果、溶接部17に作用する上記曲げ応力が、梁12の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、同じ方向に延び且つ材種の異なる梁12の端部同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部13へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁12の溶接といった手間を省くことができる。
【0025】
・溶接部17は、同じ方向に延び且つ板厚及び材種の異なる梁12の端部同士を溶接したものであってもよい。上記溶接部17で溶接される梁12同士の板厚及び材種が異なる場合、梁12に曲げ方向の力が加わることに基づき溶接部17に大きな曲げ応力が作用することにより、梁12の端部同士の溶接に悪影響が及ぶ。しかし、柱梁接合部13における塞ぎ板15で囲まれた部分の内側に打設されたコンクリート18によって上記溶接部17が埋められているため、溶接部17に作用する上記曲げ応力が小さく抑えられる。その結果、溶接部17に作用する上記曲げ応力が、梁12の端部同士の溶接に悪影響を及ぼすことを抑制できる。従って、同じ方向に延び且つ板厚及び材種の異なる梁12の端部同士の接合にダイアフラムを用いなくても、その接合を適正に行うことができるため、柱梁接合部13へのダイアフラムの配置、及び、そのダイアフラムに対する梁12の溶接といった手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0026】
11…柱
12…梁
12a…ウェブ
12b…フランジ
13…柱梁接合部
15…塞ぎ板
16…鉄筋
17…溶接部
18…コンクリート
図1
図2
図3