(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024483
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】鋳物砂の検査方法及び検査装置
(51)【国際特許分類】
B22C 1/00 20060101AFI20250213BHJP
B22C 9/00 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
B22C1/00 L
B22C9/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128629
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小倉 裕一
【テーマコード(参考)】
4E092
【Fターム(参考)】
4E092AA02
4E092AA03
(57)【要約】
【課題】鋳物砂の検査時間を短縮する。
【解決手段】
一態様に係る鋳物砂の検査方法は、試験筒内に鋳物砂を投入する工程と、試験筒内の鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定する工程と、試験片を圧縮して試験片の圧縮強度を測定する工程と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験筒内に鋳物砂を投入する工程と、
前記試験筒内の前記鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら前記鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定する工程と、
前記試験片を圧縮して前記試験片の圧縮強度を測定する工程と、
を含む、鋳物砂の検査方法。
【請求項2】
前記鋳物砂のCBの予測値を取得する工程と、
前記CBの予測値に基づいて、目標高さの前記試験片を作製するために前記試験筒内に投入すべき鋳物砂の量を決定する工程と、
を更に含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記試験筒内に投入すべき鋳物砂の量に基づいて、前記試験筒内で昇降可能な加圧板の位置を調整する工程を更に含む、請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記試験片の高さを測定する工程と、
前記試験片の目標高さと前記試験片の高さの測定値との差に基づいて前記圧縮強度を補正する工程と、
を更に含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項5】
前記試験片の高さの測定値が前記目標高さよりも大きい場合には、測定された前記圧縮強度が大きくなるように補正し、前記試験片の高さの測定値が前記目標高さよりも小さい場合には、測定された前記圧縮強度が小さくなるように補正する、請求項4に記載の検査方法。
【請求項6】
前記試験片を作製する前に、前記鋳物砂の温度を測定する工程を更に含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項7】
前記鋳物砂の温度を測定した後に、前記鋳物砂の水分量を測定する工程を更に含む、請求項6に記載の検査方法。
【請求項8】
前記圧縮強度を測定する前に、前記試験片の通気度を測定する工程を更に含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項9】
軸線方向に延在する試験筒と、
前記試験筒内に鋳物砂を供給するシュートと、
前記試験筒内で前記軸線方向に移動可能な加圧板を有する押圧ロッドと、
前記押圧ロッドに接続され、前記軸線方向に進退可能なピストンロッドを有するシリンダと、
前記押圧ロッドと前記ピストンロッドとの間に配置された荷重センサと、
前記シュート及び前記シリンダの動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記シュートを制御して前記試験筒内に前記鋳物砂を投入する投入制御部と、
前記試験筒内の前記鋳物砂を前記加圧板で圧縮して試験片を作製しながら前記鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定するCB測定部と、
前記試験片を圧縮して破壊したときに前記荷重センサで計測された荷重に基づいて前記試験片の圧縮強度を測定する圧縮強度測定部と、
を含む、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋳物砂の検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造用の鋳型として、鋳物砂を造型した砂型が広く利用されている。例えば、砂型の一種である生砂型は、粘結剤及び添加物をケイ砂に添加した鋳物砂を用いて作製される。一般的に、鋳造に使用された生砂型は、一旦破砕され、回収された鋳物砂に粘結剤及び添加物を添加して、再生砂として再利用される。再生された鋳物砂の品質は、鋳物の精度に影響を与えるため、鋳造工場において鋳物砂の品質が管理されている。具体的には、コンパクタビリティ(CB)、水分量、温度、通気度及び圧縮強度といった鋳物砂の特性を示すパラメータが砂型の造型前に測定され、これらのパラメータが管理値の範囲内にあるか否かが確認される。
【0003】
鋳物砂を検査するための技術として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、試験筒と、当該試験筒内で昇降する加圧板を有する押圧ロッドと、当該押圧ロッドに連結されたピストンロッドを有するシリンダとを備え、予め測定された鋳物砂のCBに基づいて加圧板を位置決めしてから試験筒内に鋳物砂を供給し、当該鋳物砂を試験筒内で圧縮して所定高さ(50mm)の試験片を作製し、当該試験片を所定の圧力で圧縮して破壊したときの荷重から試験片の圧縮強度を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1に記載の装置では、所定高さの試験片を作製するために事前に鋳物砂のCBを測定し、その後に圧縮強度を測定している。すなわち、この装置では、鋳物砂のサンプルを二回に分けて投入して、各サンプルから鋳物砂のCB及び圧縮強度を個別に測定しているため、鋳物砂の検査時間が長くなることが問題となる。
【0006】
そこで本開示は、鋳物砂の検査時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る鋳物砂の検査方法は、試験筒内に鋳物砂を投入する工程と、試験筒内の鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定する工程と、試験片を圧縮して試験片の圧縮強度を測定する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、鋳物砂の検査時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る検査装置の構成を概略的に示す図である。
【
図2】制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る検査方法を示すフローチャートである。
【
図7】試験片の高さと圧縮強度との関係を示すグラフである。
【
図8】補正前の圧縮強度と補正後の圧縮強度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。本明細書において、「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0011】
図1は、一実施形態に係る検査装置1の構成を概略的に示す図である。検査装置1は、鋳型の造型に使用される鋳物砂の特性を検査する。鋳物砂は、砂型の原料であり、典型的には生型砂である。生型砂は、例えば、ケイ砂、粘結剤及び添加物を混練して作製される。生型用の粘結剤としては、例えばベントナイトが用いられる。添加物としては、例えば水、石炭粉及びデンプン等が用いられる。
【0012】
鋳物の精度は鋳物砂の特性に影響を受けるため、鋳型の造型前に鋳物砂の特性が検査される。鋳物砂の特性を示すパラメータとしては、例えば、コンパクタビリティ(CB)、水分量、温度、通気度及び圧縮強度が挙げられる。鋳物砂の特性を示すパラメータは、検査装置1によって測定され、記憶される。鋳物の不良が発生した際に、記憶されたパラメータが読み出され、鋳物の不良を抑制するための活動に利用される。
【0013】
CBは、鋳物砂を一定の力で圧縮したときの収縮率[%]である。水分量は、鋳物砂中の遊離水分量を表している。圧縮強度[N/cm2]は、標準試験片を圧縮して破壊したときの荷重を標準試験片の断面積で除した値である。標準試験片は、JIS Z 2601「鋳物砂の試験方法」で規定された方法で作製される。具体的に、JIS Z 2601には、試験筒内の鋳物砂を所定の圧力で突き固めて高さ50mm±1mmの標準試験片を作製し、当該標準試験片を用いて圧縮強度を測定することが定められている。
【0014】
図1に示すように、検査装置1は、試験筒11、シュート12、押圧ロッド13、第1シリンダ14、荷重センサ15、第2シリンダ16、スクレーパ17、及び制御装置18を備えている。試験筒11は、例えば鋼製の円筒形の筒体であり、鋳物砂を収容するための内部空間11sを画成している。試験筒11は、支持部材3を介してフレーム2に支持されている。試験筒11は、上部開口11a及び下部開口11bを有し、当該上部開口11aと下部開口11bとの間で軸線Zに沿って延在している。以下、軸線Zに沿った方向を「軸線方向」ということがある。典型的には、軸線方向は、上下方向に一致する。試験筒11の内径は、軸線方向において一定である。
【0015】
シュート12は、試験筒11の上方に設けられている。シュート12は、不図示のタンクに貯留された鋳物砂が試験筒11内に投入されるようにガイドする。シュート12は、開閉可能な排出口を有し、当該排出口を開閉することにより試験筒11への鋳物砂の供給又は供給停止が切り替え可能であってもよい。排出口の開閉は、制御装置18によって制御される。
【0016】
押圧ロッド13は、軸線Zに沿って延在し、その上部が試験筒11内に挿入されている。押圧ロッド13の上端には、加圧板20が設けられている。加圧板20は、例えば円盤状の板であり、試験筒11の内部空間11sに配置されている。押圧ロッド13の下端は、後述する第1シリンダ14のピストンロッド22に接続されている。押圧ロッド13は、ピストンロッド22の昇降に伴って軸線方向に移動する。
【0017】
第1シリンダ14は、試験筒11の下方に設けられている。第1シリンダ14は、シリンダ本体21、ピストンロッド22及びモータ23を備えている。シリンダ本体21は、検査装置1の底部に配置された架台4上に配置され、ピストンロッド22を進退可能に支持している。ピストンロッド22は、シリンダ本体21から軸線Zに沿って上方に延在し、シリンダ本体21に対して昇降可能に設けられている。ピストンロッド22の上端は、押圧ロッド13の下端に接続されている。押圧ロッド13の加圧板20は、ピストンロッド22の昇降に伴って試験筒11内で軸線方向(上下方向)に移動する。
【0018】
モータ23は、例えばピストンロッド22を昇降するサーボモータである。モータ23は、モータ本体23a及びエンコーダ23bを含んでいる。モータ本体23aは、外部電源から供給された電力によって出力軸を駆動する。モータ本体23aの駆動力は、シリンダ本体21を介してピストンロッド22に伝達され、当該ピストンロッド22を軸線Zに沿って昇降させる。エンコーダ23bは、モータ本体23aの出力軸の回転角を検出する。出力軸の回転角は、押圧ロッド13の軸線方向の移動距離に対応している。エンコーダ23bは、出力軸の回転角から軸線方向における加圧板20の位置を特定する。
【0019】
荷重センサ15は、押圧ロッド13とピストンロッド22との間に配置されている。荷重センサ15は、例えばロードセルであり、ピストンロッド22から押圧ロッド13に加えられた荷重を計測する。荷重センサ15は、計測された荷重を示す情報を制御装置18に出力する。
【0020】
第2シリンダ16は、試験筒11の側方に設けられている。第2シリンダ16は、シリンダ本体25、ピストンロッド26及びモータ27を備えている。シリンダ本体25は、フレーム2に支持され、ピストンロッド26を軸線Zに垂直な方向(水平方向)に進退可能に支持している。ピストンロッド26は、シリンダ本体25から水平方向に延在し、シリンダ本体25に対して進退可能に設けられている。ピストンロッド26の先端は、スクレーパ17に連結されている。スクレーパ17は、ピストンロッド26の進退に伴って水平方向に移動する。
【0021】
モータ27は、例えばピストンロッド26を駆動するサーボモータである。モータ27は、モータ本体27a及びエンコーダ27bを含んでいる。モータ本体27aは、外部電源から供給された電力によって出力軸を駆動する。モータ本体27aの駆動力は、シリンダ本体25を介してピストンロッド26に伝達され、当該ピストンロッド26を水平方向に移動させる。エンコーダ27bは、モータ本体27aの出力軸の回転角を検出する。出力軸の回転角は、スクレーパ17の水平方向の移動距離に対応している。エンコーダ27bは、出力軸の回転角から水平方向におけるスクレーパ17の位置を特定する。
【0022】
スクレーパ17は、第2シリンダ16のピストンロッド26に連結されている。スクレーパ17は、試験筒11の上部開口11aを閉鎖するための閉鎖面17aと、閉鎖面17aよりも上方に配置された測定面17bとを有している。閉鎖面17a及び測定面17bは、軸線Zに垂直な平面であり、下方に向けられている。閉鎖面17aは、軸線方向において試験筒11の上部開口11aと実質的に同じ高さ位置に配置されている。軸線方向における閉鎖面17aと測定面17bとの間の距離は、試験片の目標高さよりも高く設定されている。
【0023】
スクレーパ17は、ピストンロッド26の進退に伴って水平方向に移動する。具体的には、スクレーパ17は、閉鎖面17aが試験筒11の上部開口11aを閉鎖する閉鎖位置と、シュート12から試験筒11への鋳物砂の供給経路に対してオフセットされた退避位置と、測定面17bが試験筒11の上部開口11aの上方に配置される測定位置との間で移動可能である。
【0024】
検査装置1は、レール36及びスライダ37を更に備えていてもよい。レール36は、フレーム2の上部に固定され、ピストンロッド26に平行に延在している。スライダ37は、レール36にスライド可能に取り付けられている。スライダ37は、ボルト等によってスクレーパ17に連結されている。ピストンロッド26が前進又は後退すると、スライダ37は、レール36に沿ってスライドし、スクレーパ17を水平方向に案内する。
【0025】
また、検査装置1は、鋳物砂の特性を測定するための各種センサを備えている。具体的には、検査装置1は、温度センサ31、水分センサ32及び圧力センサ33を備えている。温度センサ31は、試験筒11の上方に配置され、鋳物砂の温度を測定する。水分センサ32は、試験筒11に設けられ、試験筒11の内部空間11sに収容された鋳物砂の水分量を測定する。圧力センサ33は、試験筒11に設けられ、試験筒11の内部空間11sの圧力を測定する。
【0026】
制御装置18は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、検査装置1の全体の動作を制御する。制御装置18の記憶部には、制御装置18で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムが格納されている。制御装置18は、シュート12、第1シリンダ14、荷重センサ15、第2シリンダ16、エンコーダ23b,27b、温度センサ31、水分センサ32及び圧力センサ33と通信可能に接続されている。
【0027】
制御装置18は、シュート12、第1シリンダ14及び第2シリンダ16に制御信号を送出して、シュート12、第1シリンダ14及び第2シリンダ16の動作を制御する。また、制御装置18は、荷重センサ15、温度センサ31、水分センサ32及び圧力センサ33の測定値を受信して、鋳物砂の特性を示すパラメータを測定する。
【0028】
図2は、制御装置18の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置18は、機能的構成として、制御部40及び測定部50を備えている。制御部40は、予測値取得部41、投入量決定部42、投入制御部43、第1シリンダ制御部44及び第2シリンダ制御部45を含んでいる。
【0029】
予測値取得部41は、鋳物砂のCBの予測値を取得する。熟練のオペレータは、鋳物砂の見た目、手触り、天候等から鋳物砂のCBを予測することができる場合がある。この場合には、予測値取得部41は、例えばオペレータから入力装置を介して入力されたCBの予測値を取得する。なお、予測値取得部41は、過去に測定された鋳物砂のCBをCBの予測値として取得してもよい。例えば、鋳物砂の処理ライン毎に過去に測定された鋳物砂のCBが記憶部に記憶されており、予測値取得部41は、対応する処理ラインのCBを記憶部から読み出して、CBの予測値として取得してもよい。
【0030】
投入量決定部42は、目標高さ(例えば、50mm)の試験片を作製するために試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量を決定する。試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量は、作製すべき試験片の目標高さとCBの予測値とから求められる。試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量は、圧縮前の鋳物砂の高さで表される。圧縮前の鋳物砂の高さとは、加圧板20の高さを基準とした試験筒11内の圧縮前の鋳物砂の高さである。以下の説明では、圧縮前の鋳物砂の高さを「砂入れ高さ」ということがある。例えば、試験片の目標高さをHtとし、CBの予測値をCBpとした場合には、試験筒11の砂入れ高さH1は、下記式(1)のように算出される。
【0031】
H1=100×Ht/(100-CBp) ・・・(1)
【0032】
式(1)で求められる砂入れ高さH1は、目標高さHtの試験片を作製するために試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量に相当する。上記のように、CBの予測値CBpが低いほど砂入れ高さH1は低くなり、CBの予測値CBpが高いほど砂入れ高さH1は高くなる。なお、予測値取得部41は、目標高さHtの試験片を作製するために試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量の予測値をオペレータから取得してもよい。オペレータによって鋳物砂の量の予測値が入力された場合には、CBの予測値を取得せずに、当該予測値を試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量として決定してもよい。
【0033】
投入制御部43は、シュート12を制御して試験筒11内に鋳物砂を供給する。例えば、投入制御部43は、投入量決定部42によって決定された量の鋳物砂が試験筒11内に投入されるようにシュート12を制御する。
【0034】
第1シリンダ制御部44は、第1シリンダ14のモータ23を制御して、ピストンロッド22のストローク量(上昇距離又は下降距離)を調整する。ピストンロッド22のストローク量に応じて、軸線方向における加圧板20の位置が調整される。軸線方向における加圧板20の位置は、エンコーダ23bの出力に基づいて特定される。すなわち、第1シリンダ制御部44は、エンコーダ23bの出力に基づいて上下方向における加圧板20の位置を制御する。軸線方向における加圧板の位置に応じて、試験筒11の深さ、すなわち砂入れ高さH1が変化する。
【0035】
第2シリンダ制御部45は、第2シリンダ16のモータ27を制御して、ピストンロッド26のストローク量を調整する。ピストンロッド26のストローク量に応じて、水平方向におけるスクレーパ17の位置が調整される。水平方向におけるスクレーパ17の位置は、エンコーダ27bの出力に基づいて特定される。すなわち、第2シリンダ制御部45は、エンコーダ27bの出力に基づいて水平方向におけるスクレーパ17の位置を制御する。
【0036】
測定部50は、温度測定部51、水分量測定部52、CB測定部53、通気度測定部54、圧縮強度測定部55及び圧縮強度補正部56を含んでいる。温度測定部51は、温度センサ31の出力値に基づいて鋳物砂の温度を測定する。水分量測定部52は、水分センサ32の出力値に基づいて鋳物砂の水分量を測定する。
【0037】
CB測定部53は、圧縮前の試験筒11内の鋳物砂の高さと、圧縮後の試験筒11内の鋳物砂の高さの差とに基づいて鋳物砂のCBを測定する。圧縮前の鋳物砂の高さとは、加圧板20の高さを基準とした試験筒11内の鋳物砂の表面高さ、すなわち砂入れ高さである。圧縮後の鋳物砂の高さとは、鋳物砂を圧縮して作製された試験片の高さである。なお、試験筒11内の鋳物砂の高さは、エンコーダ23bの出力から定まる第1シリンダ14のストローク量に基づいて特定される。
【0038】
通気度測定部54は、試験片の通気度を測定する。具体的には、通気度測定部54は、試験片を通過するように空気源35から試験筒11内に空気を供給し、試験筒11内の圧力が一定になったときの空気の流量に基づいて、試験片の通気度を測定する。
【0039】
圧縮強度測定部55は、試験片の圧縮強度を測定する。具体的には、圧縮強度測定部55は、試験片を圧縮して破壊したときの荷重を荷重センサ15から取得し、当該荷重に基づいて試験片の圧縮強度を測定する。
【0040】
圧縮強度補正部56は、試験片の目標高さと試験片の高さの測定値との差に基づいて圧縮強度を補正する。例えば、圧縮強度補正部56は、試験片の高さの測定値が目標高さよりも大きい場合には、測定された圧縮強度が大きくなるように補正し、試験片の高さの測定値が目標高さよりも小さい場合には、測定された圧縮強度が小さくなるように補正する。測定部50は、測定された鋳物砂の温度、水分量、CB、通気度、及び、補正された圧縮強度を記憶部に格納すると共に、表示装置60に表示する。
【0041】
以下、検査装置1を用いた鋳物砂の検査方法について説明する。
図3は、一実施形態に係る鋳物砂の検査方法を示すフローチャートである。この検査方法では、試験筒11に投入された鋳物砂S1からCB及び圧縮強度が測定される。
図3の各ステップは、制御装置18が検査装置1の各要素を制御することにより実行される。
【0042】
図3に示すように、まず制御装置18の予測値取得部41が、鋳物砂S1のCBの予測値を取得する(ステップST1)。CBの予測値は、例えば、オペレータによって検査装置1に入力される。なお、予測値取得部41は、過去に測定された鋳物砂S1のCBを記憶部から読み出して、CBの予測値としてもよい。
【0043】
次に、投入量決定部42は、目標高さ(例えば、50mm)の試験片S2を作製するために試験筒11内に投入すべき鋳物砂S1の量を決定する(ステップST2)。例えば、投入量決定部42は、試験片S2の目標高さ及びCBの予測値を上記式(1)に代入して、砂入れ高さH1を求める。上記のように、試験筒11の径は軸線方向において一定であるため、砂入れ高さH1は、目標高さの試験片S2を作製するために試験筒11内に投入すべき鋳物砂S1の量に相当する。
【0044】
次に、
図4(a)に示すように、第1シリンダ制御部44が第1シリンダ14のストローク量を制御して、加圧板20と試験筒11の上部開口11aとの間の距離がステップST2で求められた砂入れ高さH1になるように、加圧板20の位置を調整する(ステップST3)。次に、
図4(b)に示すように、第2シリンダ制御部45が第2シリンダ16を制御してスクレーパ17を退避位置に配置する。そして、投入制御部43がシュート12を制御して鋳物砂S1を試験筒11内に投入する(ステップST4)。このとき、シュート12は、鋳物砂S1が試験筒11の上部開口11aから溢れるように、鋳物砂S1を試験筒11内に投入する。
【0045】
次に、温度センサ31によって鋳物砂S1の温度が測定される(ステップST5)。温度測定部51は、鋳物砂S1の温度を示す情報を温度センサ31から取得して記憶する。
【0046】
次に、
図4(c)に示すように、第2シリンダ制御部45が第2シリンダ16のピストンロッド26を前進させ、スクレーパ17を閉鎖位置に配置する。スクレーパ17が退避位置から閉鎖位置に移動することにより、試験筒11から溢れた余剰の鋳物砂S1の一部が取り除かれる。スクレーパ17が閉鎖位置に配置されることにより、試験筒11の上部開口11aはスクレーパ17の閉鎖面17aに覆われ、閉鎖される。これにより、圧縮前の鋳物砂S1の高さが砂入れ高さH1に一致する。
【0047】
次に、
図5(a)に示すように、第1シリンダ制御部44が第1シリンダ14のピストンロッド22を上昇させ、加圧板20から鋳物砂S1に規定の圧力を加える。これにより、鋳物砂S1が加圧板20とスクレーパ17の閉鎖面17aとの間で圧縮され、鋳物砂S1の試験片S2が作製される(ステップST6)。このとき、加圧板20から鋳物砂S1に加えられる圧力は、荷重センサ15によって計測され、規定の圧力になるようにフィードバックされる。
【0048】
次に、CB測定部53が、試験片S2の高さH2を測定する(ステップST7)。試験片の高さH2は、エンコーダ23bの出力によって定まる加圧板20の位置に基づいて求められる。ステップST7で測定された試験片の高さH2は、試験片S2の高さの測定値である。次に、CB測定部53は、鋳物砂S1のCBを算出する(ステップST8)。鋳物砂S1のCBは、圧縮前の鋳物砂S1の高さ(すなわち、砂入れ高さH1)と、鋳物砂S1を圧縮して作製された試験片S2の高さH2との差に基づいて求められる。具体的には、CB[%]は、下記式(2)から求められる。
【0049】
CB=(H1-H2)/H1×100 ・・・(2)
【0050】
上記のように、CB測定部53は、試験筒11内の鋳物砂S1を圧縮して試験片S2を作製しながら鋳物砂S1のCBを測定している。式(2)で測定された鋳物砂S1のCBは、CBの測定値である。
【0051】
次に、水分センサ32によって試験片S2に含まれる水分量が測定される(ステップST9)。水分量測定部52は、試験片S2に含まれる水分量を示す情報を水分センサ32から取得して記憶する。なお、水分量測定部52は、試験片S2の作製前に水分量を測定してもよい。
【0052】
次に、
図5(b)に示すように、第2シリンダ制御部45が第2シリンダ16のピストンロッド26を前進させる。これにより、スクレーパ17が前進し、試験筒11の上面に残る余剰の鋳物砂S1が除去される。
【0053】
次に、試験片S2の通気度が測定される(ステップST10)。
図5(c)に示すように、試験片S2の通気度を測定するために、まず第1シリンダ制御部44が、第1シリンダ14のピストンロッド22を下降させると共に、第2シリンダ制御部45が、第2シリンダ16を制御してスクレーパ17を測定位置に移動させる。そして、通気度測定部54は、空気源35を制御して、加圧板20と試験片S2との間に形成された隙間を通じて試験筒11内に空気35aを供給し、試験片S2に空気35aを通す。そして、通気度測定部54は、圧力センサ33を監視しながら試験筒11内の圧力が一定になるように空気35aの流量を調整し、圧力が一定になったときの空気35aの流量に基づいて通気度を求める。例えば、圧力センサ33で計測された内部空間11sの圧力をpとし、空気35aの流量をFとした場合には、通気度Pは、下記式(3)から求められる。
【0054】
P=(F×H2)/p ・・・(3)
【0055】
次に、試験片S2の圧縮強度が測定される(ステップST11)。
図6(a)に示すように、圧縮強度測定部55は、試験片S2の圧縮強度を測定するために、第1シリンダ14のピストンロッド22を上昇させ、試験片S2を測定面17bに当接させる。そして、圧縮強度測定部55は、ピストンロッド22を更に上昇させ、加圧板20から試験片S2に規定の圧力を加え、試験片S2を破壊する。そして、圧縮強度測定部55は、試験片S2が破壊されたときの荷重を荷重センサ15から取得する。
【0056】
次いで、圧縮強度測定部55は、試験片S2が破壊されたときの荷重を試験片S2の断面積(すなわち、内部空間11cの断面積)で除して、圧縮強度を得る。すなわち、試験筒11の内部空間11sの軸線Zに垂直な断面積をA[cm2]とし、試験片S2の破壊荷重をW[N]とした場合には、試験片S2の圧縮強度σ[N/cm2]は、下記式(4)から求められる。
【0057】
σ=W/A ・・・(4)
【0058】
圧縮強度σの測定後、
図6(b)に示すように、第2シリンダ制御部45が第2シリンダ16のピストンロッド26を前進させる。これにより、試験片S2が除去される。
【0059】
次に、目標高さと試験片S2の高さの測定値との差に基づいて、圧縮強度σが補正される(ステップST12)。砂入れ高さH1は、CBの予測値から求められるため、鋳物砂S1を圧縮して作製された試験片S2の高さH2は、目標高さからずれていることがある。圧縮強度σは試験片S2の高さH2に依存するため、試験片S2の高さH2が目標高さからずれている場合には、式(4)で求められた圧縮強度σは、真の圧縮強度からずれた値となる。
【0060】
例えば、
図7は、同じ鋳物砂を用いて異なる高さの試験片を作製し、各試験片の圧縮強度を測定したときの試験片の高さと圧縮強度との関係を示すグラフである。
図7に示すように、試験片の高さと圧縮強度との間には線形の関係が確認される。具体的には、試験片の高さが高くなるほど圧縮強度の測定値は真の圧縮強度に対して小さくなり、試験片の高さが低くなるほど圧縮強度の測定値は真の圧縮強度に対して大きくなる。
【0061】
この関係を利用すると、
図8に示すように、試験片の高さが目標高さ(50mm)よりも高い場合には圧縮強度の測定値が大きくなるように補正し、試験片の高さが目標高さ(50mm)よりも小さい場合には圧縮強度の測定値が小さくするように補正することにより、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。
【0062】
そこで、圧縮強度補正部56は、ステップST7で測定された試験片S2の高さH2が目標高さよりも大きい場合には、測定された圧縮強度σが大きくなるように補正し、試験片S2の高さH2が目標高さよりも小さい場合には、測定された圧縮強度σが小さくなるように補正する。なお、試験片S2の高さH2と目標高さとの差が大きいほど、圧縮強度σの補正量は大きくなる。一連のステップで測定されたCB、温度、水分量、通気度及び圧縮強度の補正値は、表示装置60に表示される。
【0063】
以上説明したように、一実施形態に係る検査方法では、試験筒11内の鋳物砂S1を圧縮して試験片S2を作製しながら鋳物砂S1のCBを測定しているので、試験筒11に投入された一回分の鋳物砂S1のサンプルから鋳物砂S1のCB及び圧縮強度を測定することができる。これにより、鋳物砂S1を二回に分けて投入する必要がなくなるため、検査の工程数が削減される。その結果、鋳物砂S1の検査時間を短縮することができる。
【0064】
また、この検査方法では、試験片S2の高さH2が目標高さよりも高い場合には、圧縮強度が大きくなるように補正され、試験片S2の高さH2が目標高さよりも小さい場合には、圧縮強度が小さくなるように補正されるので、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。なお、式(3)に示すように、通気度Pの計算には、試験片S2の高さH2が含まれているので、試験片S2の高さH2が目標高さに対してずれている場合であっても通気度Pの測定に対する影響は小さい。
【0065】
以上、種々の実施形態に係る鋳物砂の検査方法及び検査装置1について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。すなわち、上述した実施形態は例示説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意すべきである。
【0066】
例えば、上記実施形態では、CBの予測値を用いて試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量を決定しているが、CBの予測値を用いずに試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量を決定してもよい。例えば、オペレータによって鋳物砂の量の予測値が入力された場合には、当該鋳物砂の量の予測値を試験筒11内に投入すべき鋳物砂の量として決定してもよい。また、CBを高い精度で予測することができる場合には、必ずしも圧縮強度の測定値を補正しなくてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、加圧板20の位置を制御することにより試験筒11内に投入される鋳物砂の量を調整しているが、加圧板20を最下位置に配置したままにし、シュート12からの鋳物砂の供給量を調整することにより、試験筒11内に投入される鋳物砂の量を調整してもよい。
【0068】
上記実施形態では、鋳物砂の特性を示すパラメータとして、CB、温度、水分量、通気度及び圧縮強度を測定しているが、少なくとも一つのパラメータを測定すればよい。例えば、一実施形態では、鋳物砂を試験筒11内で圧縮して目標高さの試験片を作製し、当該試験片を用いて圧縮強度のみを測定してもよい。試験片の圧縮強度のみを測定する場合であっても、試験片の高さが目標高さからずれる場合がある。この場合には、圧縮強度の測定値を補正することによって、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。
【0069】
本開示は以下の内容を含む。
【0070】
[条項1] 一態様に係る鋳物砂の検査方法は、試験筒内に鋳物砂を投入する工程と、試験筒内の鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定する工程と、試験片を圧縮して試験片の圧縮強度を測定する工程と、を含む。
【0071】
上記検査方法では、試験筒内の鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のCBを測定しているので、試験筒に投入された一回分の鋳物砂のサンプルから鋳物砂のCB及び圧縮強度を測定することができる。これにより、鋳物砂を二回に分けて投入する必要がなくなるため、検査の工程数が削減される。その結果、鋳物砂の検査時間を短縮することができる。
【0072】
[条項2] 条項1に記載の検査方法は、鋳物砂のCBの予測値を取得する工程と、CBの予測値に基づいて、目標高さの試験片を作製するために試験筒内に投入すべき鋳物砂の量を決定する工程と、を更に含んでもよい。CBの予測値に基づいて試験筒内に供給すべき鋳物砂の量を決定することにより、試験片の高さを目標高さに近づけることができる。試験片の高さを目標高さに近づけることにより、圧縮強度の測定精度を高めることができる。
【0073】
[条項3] 試験筒内に投入すべき鋳物砂の量に基づいて、試験筒内で昇降可能な加圧板の位置を調整する工程を更に含む、条項2に記載の検査方法。
【0074】
[条項4] 条項1~3の何れか一項に記載の検査方法は、試験片の高さを測定する工程と、試験片の目標高さと試験片の高さの測定値との差に基づいて圧縮強度を補正する工程と、を更に含んでもよい。試験片を圧縮して破壊したときの荷重は試験片の高さに依存するため、試験片の実際の高さが目標高さに対してずれている場合には、圧縮強度の測定精度が低下する。これに対して、本態様では、試験片の目標高さと試験片の高さの測定値との差に基づいて圧縮強度を補正しているので、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。
【0075】
[条項5] 条項4に記載の検査方法では、試験片の高さの測定値が目標高さよりも大きい場合には、測定された圧縮強度が大きくなるように補正し、試験片の高さの測定値が目標高さよりも小さい場合には、測定された圧縮強度が小さくなるように補正してもよい。試験片の高さが目標高さよりも高い場合には、圧縮強度の測定値は真の圧縮強度よりも低くなるので、圧縮強度を大きくすることにより、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。反対に、試験片の高さが目標高さよりも小さい場合には、圧縮強度の測定値は真の圧縮強度よりも高くなるので、圧縮強度を小さくすることにより、圧縮強度の測定値を真の圧縮強度に近づけることができる。
【0076】
[条項6] 条項1~5の何れか一項に記載の検査方法は、試験片を作製する前に、鋳物砂の温度を測定する工程を更に含んでもよい。
【0077】
[条項7] 条項6に記載の検査方法は、鋳物砂の温度を測定した後に、鋳物砂の水分量を測定する工程を更に含んでもよい。
【0078】
[条項8] 条項1~7の何れか一項に記載の検査方法は、圧縮強度を測定する前に、試験片の通気度を測定する工程を更に含んでもよい。
【0079】
[条項9] 一態様に係る鋳物砂の検査装置は、軸線方向に延在する試験筒と、試験筒内に鋳物砂を供給するシュートと、試験筒内で軸線方向に移動可能な加圧板を有する押圧ロッドと、押圧ロッドに接続され、軸線方向に進退可能なピストンロッドを有するシリンダと、押圧ロッドとピストンロッドとの間に配置された荷重センサと、シュート及びシリンダの動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、シュートを制御して試験筒内に鋳物砂を投入する投入制御部と、試験筒内の鋳物砂を加圧板で圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のコンパクタビリティ(CB)を測定するCB測定部と、試験片を圧縮して破壊したときに荷重センサで計測された荷重に基づいて試験片の圧縮強度を測定する圧縮強度測定部と、を含む。
【0080】
上記検査装置では、試験筒内の鋳物砂を圧縮して試験片を作製しながら鋳物砂のCBが測定されるので、試験筒に投入された一回分の鋳物砂のサンプルから鋳物砂のCB及び圧縮強度を測定することができる。これにより、鋳物砂を二回に分けて投入する必要がなくなるため、検査の工程数が削減される。その結果、鋳物砂の検査時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…検査装置、11…試験筒、12…シュート、13…押圧ロッド、15…荷重センサ、18…制御装置、20…加圧板、22,26…ピストンロッド、43…投入制御部、53…CB測定部、55…圧縮強度測定部、S1…鋳物砂、S2…試験片。