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特開2025-24600超音波出力の良否を判定する超音波治療装置、当該装置の作動方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024600
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】超音波出力の良否を判定する超音波治療装置、当該装置の作動方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128819
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】520275467
【氏名又は名称】サウンドウェーブイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝
(72)【発明者】
【氏名】吉川 泰生
(72)【発明者】
【氏名】下川 宏明
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ25
(57)【要約】
【課題】振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することができる超音波治療装置を提供する。
【解決手段】超音波治療装置100は、電気信号を超音波に変換する振動子41,42を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置であって、超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報22を設定する送信条件設定手段12と、送信条件情報22に基づいて、振動子41,42から超音波を発生させるための送信信号TXを生成する送信器31と、超音波の受信信号RXと、送信信号TXまたは送信条件情報22とに基づいて、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する判定手段14と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を超音波に変換する振動子を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置であって、
前記超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報を設定する送信条件設定手段と、
前記送信条件情報に基づいて、前記振動子から超音波を発生させるための送信信号を生成する送信器と、
超音波の受信信号と、前記送信信号または前記送信条件情報とに基づいて、前記振動子が発生する前記超音波の出力の良否を判定する判定手段と、
を備える、超音波治療装置。
【請求項2】
前記送信条件設定手段からの切換信号に基づいて、
前記振動子が前記送信信号に基づいて超音波を発生するときは、前記送信器と前記振動子とを接続し、
前記振動子が超音波を受信して前記受信信号を生成するときは、前記振動子と前記判定手段とを接続する送受信切換器をさらに備える、請求項1に記載の超音波治療装置。
【請求項3】
前記受信信号は、超音波伝搬媒体を通過する超音波の受信信号である、請求項1に記載の超音波治療装置。
【請求項4】
棒状体をさらに備え、
前記超音波伝搬媒体は、前記棒状体の中空部分に配置されている、請求項3に記載の超音波治療装置。
【請求項5】
前記棒状体の一方端に配置された一対の前記振動子の一方が、前記超音波を発生し、
前記棒状体の他方端に配置された一対の前記振動子の他方が、前記受信信号を生成する、請求項4に記載の超音波治療装置。
【請求項6】
前記超音波伝搬媒体は人体である、請求項3に記載の超音波治療装置。
【請求項7】
前記受信信号は、超音波の反射体によって反射された超音波の受信信号である、請求項2に記載の超音波治療装置。
【請求項8】
棒状体をさらに備え、
前記反射体は、前記棒状体の端にまたは長手方向に沿った中間部分に配置されている、請求項7に記載の超音波治療装置。
【請求項9】
前記反射体は、前記振動子の照射口に配置されている、請求項7に記載の超音波治療装置。
【請求項10】
前記受信信号は、前記振動子の照射口側に配置された受信用振動子が受信する超音波の受信信号である、請求項1に記載の超音波治療装置。
【請求項11】
棒状体をさらに備え、
前記受信用振動子は、前記棒状体の端に配置されている、請求項10に記載の超音波治療装置。
【請求項12】
前記受信用振動子はマイクである、請求項10に記載の超音波治療装置。
【請求項13】
電気信号を超音波に変換する振動子を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置の作動方法であって、
前記超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報を設定する送信条件設定ステップと、
前記送信条件情報に基づいて、前記振動子から超音波を発生させるための送信信号を生成する送信信号生成ステップと、
超音波の受信信号と、前記送信信号または前記送信条件情報とに基づいて、前記振動子が発生する前記超音波の出力の良否を判定する判定ステップと、
を含む、超音波治療装置の作動方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれかに記載の超音波治療装置の各手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波出力の良否を判定する超音波治療装置、当該装置の作動方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波治療装置は、例えば神経痛や骨折などといった種々の症状の治療や痛みの緩和、治癒力の促進に用いられている。近年では、低出力パルス波超音波(Low-Intensity Pulsed Ultrasound: LIPUS)を出力する治療装置が注目されており、様々な部位や症状、疾患に対する治療が試みられている。例えば下記特許文献1には、認知症の治療を対象とした超音波治療装置が開示されている。
【0003】
このような超音波治療装置を用いて特定の疾患を治療する際には、予め定められた送信条件に適合した超音波を患者の治療部位に照射する。振動子から照射される超音波出力の良否を確認するための方法には、例えば次の3つの方法がある。第1の方法は、振動子の形状に合わせた専用のマイクロフォンを用いて、オシロスコープにより波形を観測する方法である。第2の方法は、水槽とハイドロフォンによる測定である。第3の方法は、超音波パワーメータによる測定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/181991号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することができると、例えば治療施設の治療室等の治療現場において、例示する認知症等の特定の疾患の治療を対象とした超音波治療装置の利用が促進される。しかしながら、次に説明する要因により、これら治療現場での超音波治療装置の利用は依然として促進されていない。
【0006】
超音波出力の良否を確認するための第1の方法では、波形観測用のオシロスコープを設置するスペースが必要になる。第2の方法も第1の方法と同様に、水槽を含む測定システムを設置するためのスペースが必要になる。検査技術の高度化に伴い、近年の治療室にはそれぞれの用途に応じた検査装置が多く配置されており、治療室に追加の設置スペースを確保することは容易ではない。第2の方法では測定システムのセッティングも煩雑であり、治療施設の医師が患者毎にたびたび測定できるものではない。第3の方法では、超音波パワーメータは高価であり費用的な負担が大きい。
【0007】
このように、超音波治療装置を用いて患者を治療する現場において、振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認するための技術が求められている。
【0008】
本発明は、振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することができる超音波治療装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、例えば以下に示す態様を含む。
(項1)
電気信号を超音波に変換する振動子を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置であって、
前記超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報を設定する送信条件設定手段と、
前記送信条件情報に基づいて、前記振動子から超音波を発生させるための送信信号を生成する送信器と、
超音波の受信信号と、前記送信信号または前記送信条件情報とに基づいて、前記振動子が発生する前記超音波の出力の良否を判定する判定手段と、
を備える、超音波治療装置。
(項2)
前記送信条件設定手段からの切換信号に基づいて、
前記振動子が前記送信信号に基づいて超音波を発生するときは、前記送信器と前記振動子とを接続し、
前記振動子が超音波を受信して前記受信信号を生成するときは、前記振動子と前記判定手段とを接続する送受信切換器をさらに備える、項1に記載の超音波治療装置。
(項3)
前記受信信号は、超音波伝搬媒体を通過する超音波の受信信号である、項1または2に記載の超音波治療装置。
(項4)
棒状体をさらに備え、
前記超音波伝搬媒体は、前記棒状体の中空部分に配置されている、項3に記載の超音波治療装置。
(項5)
前記棒状体の一方端に配置された一対の前記振動子の一方が、前記超音波を発生し、
前記棒状体の他方端に配置された一対の前記振動子の他方が、前記受信信号を生成する、項4に記載の超音波治療装置。
(項6)
前記超音波伝搬媒体は人体である、項3に記載の超音波治療装置。
(項7)
前記受信信号は、超音波の反射体によって反射された超音波の受信信号である、項2に記載の超音波治療装置。
(項8)
棒状体をさらに備え、
前記反射体は、前記棒状体の端にまたは長手方向に沿った中間部分に配置されている、項7に記載の超音波治療装置。
(項9)
前記反射体は、前記振動子の照射口に配置されている、項7に記載の超音波治療装置。
(項10)
前記受信信号は、前記振動子の照射口側に配置された受信用振動子が受信する超音波の受信信号である、項1または2に記載の超音波治療装置。
(項11)
棒状体をさらに備え、
前記受信用振動子は、前記棒状体の端に配置されている、項10に記載の超音波治療装置。
(項12)
前記受信用振動子はマイクである、項10に記載の超音波治療装置。
(項13)
電気信号を超音波に変換する振動子を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置の作動方法であって、
前記超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報を設定する送信条件設定ステップと、
前記送信条件情報に基づいて、前記振動子から超音波を発生させるための送信信号を生成する送信信号生成ステップと、
超音波の受信信号と、前記送信信号または前記送信条件情報とに基づいて、前記振動子が発生する前記超音波の出力の良否を判定する判定ステップと、
を含む、超音波治療装置の作動方法。
(項14)
項1から12のいずれかに記載の超音波治療装置の各手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することができる超音波治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る超音波治療装置の外観を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る超音波治療装置の機能を説明するためのブロック図である。
図3】装置が照射する超音波の波形及び送信条件の一例である。
図4】超音波照射を用いる治療プロトコルの一例である。
図5】送信器が出力する送信信号と、2つの振動子が発生する超音波の信号と、送受信切換器へ入力される切換信号とを示したタイミングチャートの一例である。
図6】振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第1の態様を説明するための図である。
図7】振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第2の態様を説明するための図である。
図8】振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第3の態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する重複した説明を省略する。
【0013】
[装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波治療装置の外観を概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る超音波治療装置の機能を説明するためのブロック図である。
【0014】
一実施形態に係る超音波治療装置100(以下、単に装置100とも記載する)は、電気信号を超音波に変換する超音波振動子(以下、単に振動子とも記載する)41,42を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置であって、
超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報22を設定する送信条件設定部12と、
送信条件情報22に基づいて、振動子41,42から超音波を送信するための送信信号TXを生成する送信器31と、
超音波の受信信号RXと、送信信号TXまたは送信条件情報22とに基づいて、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する判定部14と、
を備える超音波治療装置である。
【0015】
装置100が出力する超音波は、本実施形態では低出力パルス波超音波(Low-Intensity Pulsed Ultrasound: LIPUS)である。装置100は、低出力パルス波超音波を患者の心臓や脳へ照射することにより、内皮型一酸化窒素合成酵素(endothelial nitric oxide synthase: eNOS)や血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)の発現を亢進させ、狭心症、収縮機能が保たれた心不全(heart failure with preserved ejection function: HFpEF)、肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension: PAH)およびアルツハイマー型認知症への効果が認められている。eNOS、VEGFの発現亢進の効果を考えると、装置100は、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、脳梗塞、パーキンソン病、HFrEF、ASO、CKD、ED等、微小循環不全からくる他の疾患に対しても治療効果が期待される。
【0016】
一実施形態に係る装置100は、データ処理部10と、補助記憶装置20と、送信器31と、受信器32と、送受信切換器33と、入力部34と、表示部35と、マイク36と、通信インタフェース部(通信I/F部)39とを備えている。データ処理部10はソフトウェアの構成であり、補助記憶装置20、送信器31、受信器32、送受信切換器33、入力部34、表示部35、マイク36、および通信I/F部39はハードウェアの構成である。図示していないが、装置100は、ハードウェアの構成として、データ処理を行うCPU等のプロセッサと、プロセッサがデータ処理の作業領域に使用するメモリとをさらに備えている。
【0017】
データ処理部10は、後述する制御プログラム29(以下、単にプログラム29とも記載する)をプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックである。本実施形態では、データ処理部10はソフトウェアによる機能ブロックとして提供される。本実施形態では、データ処理部10は、治療情報取得部11、送信条件設定部12、治療プロトコル管理部13、および判定部14を含む。
【0018】
治療情報取得部11は、入力部34を介して操作者から治療情報21を取得する。治療情報21は、例えば患者の治療部位に関する情報(例えば、脳)と、治療対象の疾患に関する情報(例えば、認知症)と、患者情報とを含む。患者情報は、例えば患者名、生年月日、患者ID、および性別を含む。
【0019】
送信条件設定部12は、治療情報21に基づいて送信条件情報22を設定する。送信条件情報22は、超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間(PRF=1/送信繰り返し時間)、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む。
【0020】
図3は、装置が照射する超音波の波形及び送信条件の一例である。治療の一例として超音波を例えば脳へ照射する場合には、周波数500kHz、波数32波、送波繰り返し時間1.28ms(複数の振動子を用いて両側から交互に送波)、音圧0.5-0.05MPaの範囲で、超音波が脳の病態部位に照射される。治療の別例として超音波を例えば心臓へ照射する場合には、例えば周波数を1.875MHzにすることができる。このように、異なる照射対象毎に異なる送信条件を設定することができる。
【0021】
送信条件設定部12はまた、後述する送受信切換器33を制御するための切換信号SWを生成する。生成された切換信号SWは送受信切換器33へ入力される。
【0022】
治療プロトコル管理部13は、治療情報21に基づいて治療プロトコル情報23を設定し、治療状況の進捗を管理する。治療プロトコル情報23は、超音波の照射条件に関する情報であり、照射一回あたりの照射時間、一日あたりの総照射回数、および各照射間の照射中断時間を含む。治療プロトコル情報23は、治療対象の疾患毎に患者毎に設定される情報である。
【0023】
図4は、超音波照射を用いる治療プロトコルの一例である。脳を照射対象として認知症の治療を行う場合の図示する治療プロトコルでは、例えば1回あたり20分の超音波照射を、各回の間隔を5分空けて1日あたり3回行い、この1日あたりの照射を1週間に3回行うことを1クールとし、2から3か月ごとに3クールから9クールの照射を行う。図4において、上段においては3カ月の間隔で6クールが行われ、下段においては2カ月の間隔で9クールが行われることが例示されている。図示する治療プロトコルに沿った超音波照射により、認知症の改善が見られる。狭心症や虚血組織を含む心臓の治療を行う場合の治療プロトコルでも、図示する認知症の場合と同様に、一日あたりの照射時間および照射回数、1クールあたりの日数、並びに総クール数が規定される。心臓の治療を行う場合、脳を治療する場合との違いは、より少ない総クール数であっても病態の改善効果が認められる点であり、例えば3クールであっても病態の改善効果が見られることがある。
【0024】
再び図1および図2を参照する。判定部14は、超音波の受信信号RXと、送信信号TXまたは送信条件情報22とに基づいて、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。送信信号TXは送信器31が生成する信号であり、受信信号RXは、振動子41,42が超音波を受信して生成する信号である。送信器31および受信器32については後述する。
【0025】
振動子41,42は、後述する様々な態様で超音波を受信して受信信号RXを生成し、判定部14には、受信信号RXが、送受信切換器33や受信器32を通じて入力される。判定部14は、受信信号RXが、送信信号TXに従って振動子が発生する超音波から適切に生成されているか否かを判定する。このような判定を行うために、判定部14には、送信器31が生成する送信信号TXと、送信条件情報22との少なくともどちらかが入力される。本実施形態では、送信信号TXおよび受信信号RXはどちらもアナログ信号であり、A/D変換が施されて判定部14へ入力される。送信条件情報22はデジタルデータである。
【0026】
判定部14が良否を判定する態様の一例を説明する。判定部14は、例えば次の3つの工程を行うことにより、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。
【0027】
第1の工程では判定条件を生成する。判定部14は、送信信号TXまたは送信条件情報22に基づいて、判定条件として用いる例えばしきい値を設定する。しきい値は、超音波の送信条件に関する情報のそれぞれについて設定することができる。超音波の送信条件は、例えば、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅の少なくとも一つである。例えば、しきい値は、振動子41,42からの照射を所望する超音波の振幅値である。送信信号TXまたは送信条件情報22により送信電圧が設定され、振動子から超音波が送波される。送波された超音波は受波され電気信号に変換される。設定された送信電圧により受波される電気信号の理想的な振幅値はあらかじめ取得できる。しきい値は、前述の取得できる理想的な振幅値の例えば80%とする。例えば超音波の送信条件として、信号振幅の電圧が100Vppと設定されている場合、判定条件として用いる信号振幅のしきい値電圧は80mVppである。添え字ppはPeak to Peakを表し、振幅値の最大値と最小値の間の電圧を表す。
【0028】
第2の工程では、判定対象のデータを生成する。判定部14は、受信信号RXから判定対象のデータを生成する。判定対象のデータは、超音波の送信条件に関する情報のそれぞれについて設定することができる。例えば判定対象のデータとして信号振幅を用いる場合、判定部14は、受信信号RXの或る区間に着目し、着目したその区間内の信号振幅の例えば平均値を算出し、算出した平均値を判定対象のデータとする。他の態様では、平均値に代えて最大値を判定対象のデータとして用いることもできる。
【0029】
第3の工程では、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。判定部14は、第1の工程において生成した判定条件と第2の工程において生成した判定対象のデータとに基づいて、受信信号RXが、送信信号TXに従って送信器31が発生する超音波から適切に生成されているかを判断し、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。
【0030】
例えば、受信信号RXの或る区間での信号振幅の電圧の平均値が、しきい値として設定した信号振幅の電圧よりも高い場合には、判定部14は、受信信号RXが、送信信号TXに従って送信器31が発生する超音波から適切に生成されていると判断し、振動子41,42が発生する超音波が正常であると判定する。これとは逆に、例えば、受信信号RXの或る区間での信号振幅の電圧の平均値が、しきい値として設定した信号振幅の電圧よりも低い場合には、判定部14は、受信信号RXが、送信信号TXに従って送信器31が発生する超音波から適切に生成されていないと判断し、振動子41,42が発生する超音波が異常であると判定する。
【0031】
補助記憶装置20は、オペレーティングシステム(OS)、各種制御プログラム、および、プログラムによって生成されたデータなどを記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリやeMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)等によって構成される。本実施形態では、補助記憶装置20には、治療情報21、送信条件情報22、治療プロトコル情報23、およびプログラム29が記憶される。
【0032】
プログラム29は、ソフトウェアによる機能ブロックである後述するデータ処理部10内の各部11~14を実現するためのコンピュータプログラムである。プログラム29は、通信I/F部39により接続されるインターネット等のネットワーク99を介して装置100にインストールしてもよい。あるいは、プログラム29を記録したメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な有体の記録媒体を装置100に読み取らせることにより、プログラム29を装置100にインストールしてもよい。
【0033】
送信器31は、送信条件設定部12からの送信条件情報22と、治療プロトコル管理部13からの治療プロトコル情報23とに基づいて送信信号TXを生成し、生成した送信信号TXを、送受信切換器33を通じて振動子41,42へ出力する。送信信号TXは、振動子41,42が超音波を発生させるための電気信号であり、振動子41,42は、入力された送信信号TXを超音波に変換して、患者の治療部位(例えば脳)に超音波を出力する。例えば認知症を治療するために装置100を使用する場合、振動子41,42は、患者93の側頭骨部に配置される。装置100を使用しないときは、図1に示すように、装置100に設けられた棒状の持ち手44(棒状体44)の両端に振動子41,42を配置することができる。送信器31は、例えば高周波発振器等の電気回路で構成することができる。振動子41,42は、例えば圧電素子で構成することができる。送信器31の発振周波数は、例えば0.5MHz~10MHzである。
【0034】
受信器32は、振動子41,42が超音波を受信して生成する、超音波の受信信号RXを受信する。受信器32が受信した受信信号RXは判定部14に入力される。本実施形態では、受信器32は、受信信号RXを増幅する増幅器と、信号のノイズを除去または低減するフィルタ回路と、A/D変換器とを用いて構成される。
【0035】
送受信切換器33は、送信条件設定部12からの切換信号SWに基づいて、振動子41,42が送信信号TXに基づいて超音波を発生するときは、送信器31と振動子41,42とを接続し、振動子41,42が超音波を受信して受信信号RXを生成するときは、振動子41,42と受信器32とを(すなわち判定部14とを)接続する。
【0036】
2つの振動子41,42は超音波を交互に送受信するため、送受信切換器33は、送信信号TXと受信信号RXとが混信しないように伝送路を切り換える。本実施形態では、送受信切換器33は、2つの送受信切換回路331,332を備えており、送受信切換回路331,332の切換動作が切換信号SWにより制御される。
【0037】
第1の送受信切換回路331は、第1の振動子41と送信器31または受信器32との接続を切り換える。第2の送受信切換回路332は、第2の振動子42と送信器31または受信器32との接続を切り換える。送受信切換器33(第1および第2の送受信切換回路331,332)は電気回路で構成することができる。送受信切換器33は、第1の振動子41および第2の振動子42の両方を送信器31と接続することができ、第1の振動子41および第2の振動子42の両方を受信器32と接続することができる。送信器が出力する送信信号と、2つの振動子が発生する超音波の信号と、送受信切換器へ入力される切換信号とを示したタイミングチャートの一例を図5に示す。送信条件設定部12が生成する切換信号SWは、2つの振動子41,42が超音波を交互に送受信することを可能とするために、送信信号TXと受信信号RXとが混信しないように伝送路を切り換えるように生成される。
【0038】
入力部34は、操作者からの入力を受け付ける機器であり、表示部35は、操作者へ情報を表示する機器である。入力部34は例えば入力スイッチやポインティングデバイス、キーボード等で構成することができ、表示部35は例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成することができる。本実施形態では、入力部34および表示部35は一体化されたタッチパネルとして構成されている。
【0039】
マイク36は公知のマイクロフォンであり、音を受信して受信信号RXを生成する。生成された受信信号RXは、受信器32を通じて判定部14に入力される。
【0040】
通信I/F部39は、無線または有線のネットワーク99を介して、図示しない外部機器(例えば、クラウドサーバ)とのデータの送受信を行う機器である。通信I/F部39がデータを送受信する形式は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、およびZigBee(登録商標)等の種々の無線接続またはEthernet(登録商標)等の有線接続とすることができる。通信I/F部39は、他の実施形態では任意の構成とすることができる。
【0041】
[装置の動作]
一実施形態に係る超音波治療装置100の作動方法は、電気信号を超音波に変換する超音波振動子41,42を通じて患者の治療部位に超音波を照射する超音波治療装置の作動方法であって、
超音波の送信条件に関する情報であり、送信周波数、送信繰り返し時間、送信一回あたりの波数、および信号振幅を含む送信条件情報22を設定する送信条件設定ステップと、
送信条件情報22に基づいて、振動子41,42から超音波を送信するための送信信号TXを生成する送信信号生成ステップと、
超音波の受信信号RXと、送信信号TXまたは送信条件情報22とに基づいて、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する判定ステップと、
を含む。
【0042】
[判定態様]
以下、図6図8を参照して、一実施形態に係る超音波治療装置100が振動子41,42から照射する超音波出力の良否を判定する際の種々の態様を説明する。
【0043】
図6は、振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第1の態様を説明するための図である。図6に示す第1の態様では、振動子が発生する超音波出力の良否を、超音波伝搬媒体51,52を通過する超音波の受信信号に基づいて判定する。超音波伝搬媒体51には、例えば、アクリル樹脂等の種々の樹脂素材、水などの種々の液体、流動パラフィン(ミネラルオイル)等の種々の油、アルミニウム等の種々の金属素材、前記素材の複合材料を用いることができる。超音波伝搬媒体51,52に関する超音波の反射係数は既知であることが好ましい。
【0044】
(A)に示す態様では、超音波伝搬媒体51は棒状体44の中空部分に配置されている。超音波出力の良否を判定する際、一対の振動子41,42のうち、棒状体44の一方端に配置された一方の振動子41が超音波を発生し、棒状体44の他方端に配置された他方の振動子42が受信信号RXを生成する。これとは逆に、棒状体44の一方端に配置された一方の振動子42が超音波を発生し、棒状体44の他方端に配置された他方の振動子41が受信信号RXを生成してもよい。
【0045】
(B)に示す態様では、超音波伝搬媒体には人体52を用い、人体52の表面に一対の振動子41,42を、人体52を間に挟んで直線上に配置する。(A)に示す態様と同様に、一対の振動子41,42のうち、人体52の一方側の表面に配置された一方の振動子41が超音波を発生し、人体52の他方側の表面に配置された他方の振動子42が受信信号RXを生成する。これとは逆に、人体52の一方側の表面に配置された一方の振動子42が超音波を発生し、人体52の他方側の表面に配置された他方の振動子41が受信信号RXを生成してもよい。
【0046】
図7は、振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第2の態様を説明するための図である。図7に示す第2の態様では、振動子が発生する超音波出力の良否を、超音波の反射体53,54によって反射された超音波の受信信号に基づいて判定する。超音波の反射体53,54に関する超音波の反射係数は既知であることが好ましい。
【0047】
(A)に示す態様では、反射体53は棒状体44の端に配置されている。超音波出力の良否を判定する際、振動子41は、反射体53を間に挟んで棒状体44の端に配置される。棒状体44の端に配置された振動子41は、反射体53に向けて超音波を発生し、反射体53によって反射される超音波の反射波を受信して受信信号RXを生成する。第1の送受信切換回路331は、振動子41が送信信号TXに基づいて超音波を発生するときは、送信器31と振動子41とを接続し、振動子41が超音波の反射波を受信して受信信号RXを生成するときは、振動子41と受信器32とを接続する。
【0048】
振動子42についても振動子41と同様に、棒状体44の端に配置された振動子42は、反射体53に向けて超音波を発生し、反射体53によって反射される超音波の反射波を受信して受信信号RXを生成する。第2の送受信切換回路332は、振動子42が送信信号TXに基づいて超音波を発生するときは、送信器31と振動子42とを接続し、振動子42が超音波の反射波を受信して受信信号RXを生成するときは、振動子42と受信器32とを接続する。
【0049】
なお、超音波治療装置100は、照射する超音波出力の良否を振動子41,42毎に判定するので、一対の振動子41,42の少なくとも一方が棒状体44の端に配置されていればよい。
【0050】
(A)に示す態様では、反射体53は棒状体44の端に配置されているが、反射体53を配置する位置はこれに制限されない。(B)に示す態様では、反射体53は、棒状体44の長手方向に沿った中間部分に配置されている。好ましくは棒状体44は中空であり、棒状体44の中空部分には超音波伝搬媒体51が配置されている。超音波伝搬媒体51に関する超音波の反射係数は既知であることが好ましい。
【0051】
(B)に示す態様でも(A)に示す態様と同様に、超音波の出力の良否を判定する際、振動子41は棒状体44の端に配置される。(A)に示す態様と比較して(B)に示す態様では、振動子41,42の振動子面と反射体53との間の距離が長くなる。これにより(B)に示す態様は、(A)に示す態様と比較して、送信波と受信波の分離が容易になるという利点と、用いる反射体53が1つで良いという利点を有する。
【0052】
(C)に示す態様では、反射体54は振動子41,42の照射口に配置されている。超音波出力の良否を判定する際、振動子41は、振動子41の照射口を覆う反射体54に向けて超音波を発生し、反射体54によって反射される超音波の反射波を受信して受信信号RXを生成する。振動子42についても振動子41と同様である。
【0053】
図8は、振動子が発生する超音波出力の良否を判定する第3の態様を説明するための図である。図8に示す第3の態様では、振動子が発生する超音波出力の良否を、振動子41,42の照射口側に配置された受信用振動子55が受信する超音波の受信信号に基づいて判定する。
【0054】
受信用振動子55は、超音波治療装置100とは別体の構成であり、受信器32に接続して使用される。受信用振動子55は、振動子41,42と同様に例えば圧電素子で構成されている。
【0055】
(A)に示す態様では、受信用振動子55は棒状体44の端に配置されている。超音波出力の良否を判定する際、振動子41は、受信用振動子55を間に挟んで棒状体44の端に配置される。棒状体44の端に配置された振動子41は、受信用振動子55に向けて超音波を発生し、受信用振動子55は、振動子41が発生する超音波を受信して受信信号RXを生成する。振動子42についても振動子41と同様に、棒状体44の端に配置された振動子42は、受信用振動子55に向けて超音波を発生し、受信用振動子55は、振動子42が発生する超音波を受信して受信信号RXを生成する。
【0056】
なお、超音波治療装置100は、照射する超音波出力の良否を振動子41,42毎に判定するので、一対の振動子41,42の少なくとも一方が棒状体44の端に配置されていればよい。
【0057】
(B)に示す態様では、受信用振動子にはマイク36を用いる。超音波出力の良否を判定する際、振動子41は、振動子41の照射口側に配置されたマイク36に向けて超音波を発生し、マイク36は、振動子41が発生する超音波を受信して受信信号RXを生成する。振動子42についても振動子41と同様である。
【0058】
なおマイク36は振動子41,42の照射口側に配置されていればよく、振動子41,42が発生する超音波をマイク36が感知できる限り、マイク36は振動子41,42の照射口と接触していてもよいし、離れていてもよい。
【0059】
以上、本発明の一実施形態によると、振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することができる超音波治療装置を提供することができる。
【0060】
一実施形態に係る超音波治療装置100は判定部14を備え、判定部14は、超音波の受信信号RXと、送信信号TXまたは送信条件情報22とに基づいて、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。送信信号TXまたは送信条件情報22は、振動子41,42から照射される超音波の送信条件に関する情報であり、送信器31は、送信信号TXまたは送信条件情報22に従って超音波を発生する。受信信号RXは、振動子41,42から実際に照射される超音波の受信信号である。判定部14は、受信信号RXが、送信信号TXまたは送信条件情報22に従って送信器31が発生する超音波から適切に生成されているか否かを判断し、振動子41,42が発生する超音波出力の良否を判定する。
【0061】
これにより、波形観測用のオシロスコープや水槽を含む測定システム等の検査装置を別途用いることなく、振動子から照射される超音波出力の良否を手軽に確認することが可能となり、超音波治療装置を用いて患者を治療する現場において、例示する認知症等の特定の疾患の治療を対象とした超音波治療装置の利用が促進される。
【0062】
[その他の形態]
以上、本発明を特定の実施形態によって説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
【0063】
上記実施形態では、超音波治療装置100は低出力パルス波超音波(Low-Intensity Pulsed Ultrasound: LIPUS)を出力しているが、装置100が出力する超音波はこの低出力パルス波超音波に制限されない。患者の治療部位も例示する脳に制限されないし、治療対象の疾患も例示する認知症に制限されない。患者を治療する限り、超音波治療装置100は、あらゆる疾患を治療対象として、あらゆる治療部位に対してあらゆる周波数や波数、振幅、波形等の超音波を出力することができる。
【0064】
上記実施形態では、治療情報21は入力部34を介して操作者から取得しているが、治療情報21を取得する態様はこれに制限されない。治療情報21は、外部機器(例えば、クラウドサーバ)において予め入力し記録されているものが、通信I/F部39およびネットワーク99を介して装置100に取り込まれてもよい。
【0065】
上記実施形態では、超音波治療装置100は一体の装置として実現されているが、装置100は一体の装置である必要はなく、プロセッサ、メモリ、補助記憶装置20等が別所に配置され、これらが互いにネットワークで接続されていてもよい。入力部34、表示部35、およびマイク36についても、一ヶ所に配置される必要は必ずしもなく、それぞれが別所に配置されて互いにネットワークで通信可能に接続されていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、データ処理部10を構成する各機能ブロック11~14はソフトウェアにより実現されているが、これら各機能ブロック11~14は、一部または全部がハードウェアとして実現されてもよい。例えば判定部14は、アナログ信号またはデジタル信号を処理する電子回路として実現することもできる。データ処理部10を構成する各機能ブロック11~14の処理は単一のプロセッサで処理される必要はなく、複数のプロセッサで分散して処理されてもよい。データ処理部10の機能および補助記憶装置20内のデータ項目は、一部または全部が、通信I/F部39およびネットワーク99を介して接続される外部機器(例えば、クラウドサーバ)においてクラウド化されていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 データ処理部
11 治療情報取得部
12 送信条件設定部
13 治療プロトコル管理部
14 判定部
20 補助記憶装置
21 治療情報
22 送信条件情報
23 治療プロトコル情報
29 プログラム
31 送信器
32 受信器
33 送受信切換器
34 入力部
35 表示部
36 マイク
39 通信インタフェース部(通信I/F部)
41,42 超音波振動子
44 棒状の持ち手(棒状体)
51,52 超音波伝搬媒体
53,54 反射体
55 受信用振動子
92 ヘッドセット
93 患者
99 ネットワーク
100 超音波治療装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8