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特開2025-24616プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024616
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20250213BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20250213BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
H04L51/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128855
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】重枝 敦也
(72)【発明者】
【氏名】兵庫 和可
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 雅史
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プログラム、情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置2、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5が、ネットワークNを介して、相互に通信可能な情報処理システム1において、サーバ装置2のプログラムは、契約書受付ステップでは、契約書データを受け付け、表示制御ステップでは、第1のチャットルームが表示される第1の表示画面と、第2のチャットルームが表示される第2の表示画面とを切替可能に表示させ、第1のチャットルームにおいて、契約書データに関して、組織に所属する第1のユーザは組織に所属する1以上の第2のユーザとチャットをやり取りすることを可能とし、第2のチャットルームにおいて、契約書データに関して、第1のユーザは組織に所属しない1以上の第3のユーザとチャットをやり取りすることを可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のコンピュータに次の各ステップを実行させるプログラムであって、
契約書受付ステップでは、契約書データを受け付け、
表示制御ステップでは、第1のチャットルームが表示される第1の表示画面と、第2のチャットルームが表示される第2の表示画面とを切替可能に表示させ、
前記第1のチャットルームにおいて、前記契約書データに関して、組織に所属する第1のユーザは前記組織に所属する1以上の第2のユーザとチャットをやり取りすることが可能であり、
前記第2のチャットルームにおいて、前記契約書データに関して、前記第1のユーザは前記組織に所属しない1以上の第3のユーザとチャットをやり取りすることが可能である、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記第3のユーザは、前記組織にとっての契約の相手方に所属するユーザである、
プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
参加受付ステップでは、
前記第1のチャットルームに参加する前記第2のユーザの情報を受け付けることに応じて、前記第2のユーザによる前記第1のチャットルームの使用を許可し、
前記第2のチャットルームに参加する前記第3のユーザの情報を受け付けることに応じて、前記第3のユーザによる前記第2のチャットルームの使用を許可し、
コメント受付ステップでは、
前記第1のチャットルームに参加する前記第2のユーザから第1のコメントを受け付けることに応じて、前記第1のチャットルーム上に前記第1のコメントを表示させ、
前記第2のチャットルームに参加する前記第3のユーザから第2のコメントを受け付けることに応じて、前記第2のチャットルーム上に前記第2のコメントを表示させる、
プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、
前記第1の表示画面は、第1の契約書領域を含み、前記第1の契約書領域は、前記第1のユーザ又は前記第2のユーザによってアップロードされた契約書データの情報が表示される領域であり、
前記第2の表示画面は、第2の契約書領域を含み、前記第2の契約書領域は、前記第3のユーザが参照可能にアップロードされた契約書データの情報が表示される領域である、
プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムにおいて、
前記第1の契約書領域は、記第1のユーザ又は前記第2のユーザによってアップロードされた複数の契約書データのそれぞれが識別可能に表示される領域であり、
前記第2の契約書領域は、前記第3のユーザが参照可能にアップロードされた複数の契約書データのそれぞれが識別可能に表示される領域である、
プログラム。
【請求項6】
請求項4に記載のプログラムにおいて、
記録制御ステップでは、
前記第1の表示画面を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記録するとともに、当該契約書データにマイナーバージョンとしてバージョンの情報を付与し、
前記第2の表示画面を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記録するとともに、当該契約書データにメジャーバージョンとしてバージョンの情報を付与する、
プログラム。
【請求項7】
請求項4に記載のプログラムにおいて、
削除受付ステップでは、
前記第1の契約書領域と前記第2の契約書領域とを介してアップロードされた契約書データのうち、最新の契約書データの削除の指示を受け付けることに応じて、前記最新の契約書データの削除を実行し、
前記最新の契約書データ以外の契約書データの削除を受け付けないように構成する、
プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、
前記第1の表示画面に、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザそれぞれのアイコンを表示させ、
前記第2の表示画面に、前記第1のユーザ及び前記第3のユーザそれぞれのアイコンを表示させる、
プログラム。
【請求項9】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、
前記第2のチャットルームを、前記第1のチャットルームと異なる背景色となるように表示させ、又は、第2の表示画面を介して契約書データをアップロードする場合、前記契約書データが前記第3のユーザに送信される旨を表示させる、
プログラム。
【請求項10】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、申請画面を作成する指示を受け付けることに応じて、前記申請画面を表示させ、
前記申請画面は、相手方との間で合意がなされた契約書の契約書データに基づいて、前記組織内で契約の申請を実行するための画面である、
プログラム。
【請求項11】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、相手方との間で合意がなされた契約書に関する履歴を参照する指示を受け付けることに応じて、前記契約書の合意の過程で使用された第1の表示画面又は第2の表示画面を表示させる、
プログラム。
【請求項12】
情報処理方法であって、
請求項1~11の何れか1つに記載のプログラムの各ステップを備える、
情報処理方法。
【請求項13】
情報処理システムであって、
請求項1~11の何れか1つに記載のプログラムを実行するコンピュータを備える、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、「外部の契約締結サービスに記憶された契約情報を特定するためのエンドポイントを含むリクエストを受け付ける受付ステップと、受付ステップにおいて受け付けたエンドポイントに基づきアクセスし、エンドポイントにより特定される契約情報を取得する契約取得ステップと、契約取得ステップにおいて取得した契約情報を記憶する契約記憶ステップと、を実行させる契約管理プログラム」が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許7249453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、契約締結の前段階として、契約書の作成や審査という業務があり、そのような業務を支援することが望ましい。例えば、社内での事業部と法務部とのやり取りはSlack(登録商標)、Chatwork(登録商標)等のチャットツールを使う、契約相手方とのやり取りは電子メールを使う、というように、契約書のために使用するツールが分散している場合には、このようなやり取りを技術的に支援することが望ましい。
【0005】
本発明では、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる技術を提供することとした。なお、本発明の適用範囲は、必ずしもこれに限定されるべきではない。例えば、少なくとも本願の請求の範囲に規定されるように、契約書データに関して、異なるユーザ間のやり取りを可能とする技術であれば、本発明の適用範囲となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、1以上のコンピュータに次の各ステップを実行させるプログラムが提供される。このプログラムにおける契約書受付ステップでは、契約書データを受け付ける。表示制御ステップでは、第1のチャットルームが表示される第1の表示画面と、第2のチャットルームが表示される第2の表示画面とを切替可能に表示させる。第1のチャットルームにおいて、契約書データに関して、組織に所属する第1のユーザは組織に所属する1以上の第2のユーザとチャットをやり取りすることが可能である。第2のチャットルームにおいて、契約書データに関して、第1のユーザは組織に所属しない1以上の第3のユーザとチャットをやり取りすることが可能である。
【0007】
本開示によれば、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】申請者コンピュータ3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】法務コンピュータ4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】相手方コンピュータ5のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】サーバ装置2のプロセッサ21によって実現される機能を示すブロック図の一例である。
図7】本実施形態に係る情報処理の概要を説明するシーケンス図である。
図8】ホーム画面6の一例を示す図である。
図9】相談作成領域71を含む法務相談画面7の一例を示す図である。
図10】チャット契約画面8の一例を示す図である。
図11】コメント情報領域804a、804bを含むチャット契約画面8の一例を示す図である。
図12】相手方チャットルーム82を含むチャット契約画面8の一例を示す図である。
図13】コメント情報領域804c、804dを含むチャット契約画面8の他の一例を示す図である。
図14】申請画面9の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
1.用語の説明
まず、本明細書に登場する各用語について説明する。
【0011】
本明細書において、登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
本明細書において、「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
本明細書において、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
「契約書データ」とは、電子データの形式の契約書である。契約書データは、PDFの形式、ワードプロセッサの文書形式(例えば、Microsoft Word、Google Docs)等で契約の目的、期間等が記載されたデータである。
【0015】
「契約」は、任意の形式の契約を含む。例えば、契約は、贈与契約、売買契約、交換契約、消費貸借契約、使用貸借契約、賃貸借契約、雇用契約、請負契約、委任契約・準委任契約、寄託契約、組合契約、終身定期金契約、和解契約といった典型契約を含んでもよい。また、契約は、販売契約、取引基本契約、秘密保持契約、業務委託契約、ソフトウェア開発委託契約、OEM契約、派遣契約、人材紹介契約、ライセンス契約、販売代理店契約・販売仲介契約、M&Aに関する契約、コンサルティング契約、共同研究契約、共同出願契約、合弁契約等を含んでもよい。
【0016】
「組織」とは、所定の目的を達成するための集団である。組織は、例えば、株式会社、有限会社、合資会社、合名会社、合資会社、一般社団法人、一般財団法人、公益社団・公益財団法人、NPO法人、組合等の法人を含んでもよい。また、組織は、例えば、その組織が会社である場合、グループ会社、関連会社、関係会社、親会社、子会社を含んでもよい。
【0017】
「申請者」は、ある契約の案件について法務担当者と相談しながら、相手方担当者と当該契約の締結を進めるユーザである。申請者は、組織内チャットルーム80と、組織内契約書領域81と、相手方チャットルーム82と、相手方契約書領域83とを使用して、相手方担当者との契約の締結に向けて案件を進める。例えば、申請者は、組織内において事業部に所属するユーザである。申請者は、第1のユーザの一例である。
【0018】
「法務担当者」は、申請者が属する組織の法務部等の法律を扱う部署に所属するユーザである。法務担当者は、組織内チャットルーム80及び組織内契約書領域81を使用して、申請者と相手方担当者との契約のやりとりをサポートする。法務担当者は、組織内の知的財産部、人事部、総務部、経理部等の他の部署のユーザであってもよい。法務担当者は、第2のユーザの一例である。
【0019】
「相手方担当者」とは、申請者が所属する組織にとっての契約の相手方に所属するユーザである。相手方担当者は、後述する相手方チャットルーム82及び相手方契約書領域83を使用して、契約のやりとりを進める。相手方担当者は、第3のユーザの一例である。
【0020】
2.情報処理システム1のシステム構成
次に、図1を参照しながら本実施形態の情報処理システム1のシステム構成について説明する。
【0021】
図1は、情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1が示すように、情報処理システム1は、サーバ装置2と、申請者コンピュータ3と、法務コンピュータ4と、相手方コンピュータ5と、ネットワークNとを有する。サーバ装置2、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、ネットワークNを介して、相互に通信可能に構成される。これにより、サーバ装置2、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、相互に様々な情報を送信又は受信することができる。なお、サーバ装置2、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、それぞれ情報処理装置の一例であり、本実施形態に限定されるものではない。申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等の何れであってもよい。なお、サーバ装置2は、単体のサーバから構成されていても、複数のサーバから構成されていてもよい。申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、複数あってもよい。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5は、単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。
【0022】
3.ハードウェア構成
次に、図2図5を参照しながら、本実施形態のサーバ装置2、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5のそれぞれのハードウェア構成について説明する。
【0023】
3.1.サーバ装置2のハードウェア構成
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置2装置は、プロセッサ21と、記憶部22と、通信部23とを有し、これらの構成要素がサーバ装置2の内部において通信バスを介して電気的に接続されているサーバ装置2は、実施形態に係る処理を実行する。
【0024】
プロセッサ21は、サーバ装置2に関連する全体動作の処理及び制御を行う。プロセッサ21は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。プロセッサ21が、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出し、プログラムに基づき処理を実行することによって、サーバ装置2に係る種々の機能、例えば、後述する図7図14に示される処理が実現される。なお、プロセッサ21は単一であることに限定されず、機能ごとに複数のプロセッサ21を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0025】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、プロセッサ21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、プロセッサ21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム、変数及びプロセッサ21がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶している。記憶部22は、記憶媒体の一例である。
【0026】
通信部23は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G/4G/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置2は、通信部23を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0027】
3.2.申請者コンピュータ3のハードウェア構成
図3は、申請者コンピュータ3のハードウェア構成の一例を示す図である。申請者コンピュータ3は、申請者により使用される。図3に示されるように、申請者コンピュータ3は、プロセッサ31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35とを有し、これらの構成要素が申請者コンピュータ3の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。申請者コンピュータ3は、実施形態に係る処理を実行する。申請者コンピュータ3のプロセッサ31、記憶部32及び通信部33については、サーバ装置2のプロセッサ21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。
【0028】
入力部34は、申請者コンピュータ3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。例えば、入力部34は、出力部35と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することが可能である。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部34がユーザによってなされた操作に基づく入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バスを介してプロセッサ31に転送され、プロセッサ31が必要に応じて所定の制御又は演算を実行しうる。
【0029】
出力部35は、申請者コンピュータ3の表示部として機能することが可能である。出力部35は、例えば、申請者コンピュータ3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。出力部35は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、申請者コンピュータ3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0030】
3.3.法務コンピュータ4のハードウェア構成
図4は、法務コンピュータ4のハードウェア構成の一例を示す図である。法務コンピュータ4は、法務担当者により使用される。図4に示されるように、法務コンピュータ4は、プロセッサ41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45とを有し、これらの構成要素が法務コンピュータ4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。法務コンピュータ4は、実施形態に係る処理を実行する。法務コンピュータ4のプロセッサ41、記憶部42及び通信部43については、サーバ装置2のプロセッサ21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。法務コンピュータ4の入力部44及び出力部45については、申請者コンピュータ3の入力部34及び出力部35を参照されたい。
【0031】
3.4.相手方コンピュータ5のハードウェア構成
図5は、相手方コンピュータ5のハードウェア構成の一例を示す図である。相手方コンピュータ5は、相手方担当者により使用される。図5に示されるように、相手方コンピュータ5は、プロセッサ51と、記憶部52と、通信部53と、入力部54と、出力部55とを有し、これらの構成要素が相手方コンピュータ5の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。相手方コンピュータ5は、実施形態に係る処理を実行する。相手方コンピュータ5のプロセッサ51、記憶部52及び通信部53については、サーバ装置2のプロセッサ21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。相手方コンピュータ5の入力部54及び出力部55については、申請者コンピュータ3の入力部34及び出力部35を参照されたい。
【0032】
4.プロセッサ21の機能構成
本節では、図6を示しながら本実施形態の機能構成について説明する。図6は、サーバ装置2のプロセッサ21によって実現される機能を示すブロック図の一例である。情報処理システム1の一例であるサーバ装置2のプロセッサ21は、情報送受信部210と、契約書受付部211と、表示制御部212と、参加受付部213と、コメント受付部214と、記録制御部215と、削除受付部216とを備える。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例であるプロセッサ21によって具体的に実現されることで、プロセッサ21に含まれる各機能部として実行されうる。
【0033】
情報送受信部210は、ネットワークN及び通信部23を介して、種々の情報を他の装置から受け付け、受信し、又は取得するように構成される。また、情報送受信部210は、通信部23及びネットワークNを介して、種々の情報を他の装置に送信又は出力するように構成される。
【0034】
契約書受付部211は、契約書データを受け付けるように構成される。
【0035】
表示制御部212は、各情報処理装置の出力部35、45、55に表示する画面データを制御するように構成される。なお、画面データとは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものでもよいし、例えば各種端末に画面、画像、アイコン、テキスト等の視覚情報を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0036】
参加受付部213は、第1のチャットルームに参加する第2のユーザの情報を受け付けることに応じて、第2のユーザによる第1のチャットルームの使用を許可するように構成される。また、参加受付部213は、第2のチャットルームに参加する第3のユーザの情報を受け付けることに応じて、第3のユーザによる第3のチャットルームの使用を許可するように構成される。
【0037】
コメント受付部214は、ユーザからコメントを受け付けることに応じて、チャットルーム上に当該コメントを出力するように構成される。
【0038】
記録制御部215は、契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記録するとともに、当該契約書データにバージョンの情報を付与するように構成される。
【0039】
削除受付部216は、アップロードされた契約書データのうち、最新の契約書データの削除の指示を受け付けることに応じて、当該最新の契約書データの削除を実行する。
【0040】
情報送受信部210と、契約書受付部211と、表示制御部212と、参加受付部213と、コメント受付部214と、記録制御部215と、削除受付部216との詳細は後述する。
【0041】
5.情報処理システム1における動作
本節では、本実施形態の情報処理システム1で実行される好ましい情報処理の一例を説明する。本実施形態に係る電子契約サービスは、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができるサービスである。より具体的には例えば、当該電子契約サービスは、申請者と法務担当者との間でのチャットでのやりとり及び契約書データの送受信、申請者と相手方担当者との間でのチャットでのやりとり及び契約書データの送受信を適宜実行させ、これらのやりとりのデータとこれらの契約書データとを保存させるサービスである。
【0042】
なお、本明細書において、送信された又は受信した種々の情報は、送信又は受信に使用された各装置内の記憶部にて記憶されるものとする。例えば、サーバ装置2から申請者コンピュータ3に情報が送信された場合、サーバ装置2の記憶部22及び申請者コンピュータ3の記憶部32にその情報が記憶されるものとする。法務コンピュータ4の記憶部42及び相手方コンピュータ5の記憶部52にも同様に適用される。
【0043】
本明細書において、サーバ装置2が通信部23及びネットワークNを使用する情報処理の一部を省略して記載されることがある。例えば、プロセッサ21(情報送受信部210)が通信部23とネットワークNとを介して、他の装置との間で情報を送受信することを、単にプロセッサ21(情報送受信部210)が他の装置に情報を送信する、又は単にプロセッサ21(情報送受信部210)が他の装置から情報を受け付けると記載することがある。このような記載は、申請者コンピュータ3、法務コンピュータ4及び相手方コンピュータ5によって行われる情報処理にも使用される。
【0044】
本明細書において、申請者コンピュータ3の入力部34を使用する情報処理の記載の一部が省略して記載されることがある。例えば、プロセッサ31がユーザによる入力部34への操作を介して所定の入力を受け付けることを、単にプロセッサ31がユーザから所定の入力を受け付けると記載することがある。このような記載は、法務コンピュータ4の入力部44及び相手方コンピュータ5の入力部54によって行われる情報処理にも使用される。
【0045】
本明細書において、出力部35に情報を表示させる情報処理について、単にプロセッサ31がある情報を出力部35に表示させるものとして、また、間接的には表示制御部212がある情報を出力部35に表示させるものとして記載することがある。この場合、次のような情報処理が実行される。すなわち、プロセッサ31は、ユーザによる画面に情報を表示させるための指示をユーザから受け付ける。プロセッサ31は、その指示をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、その指示を申請者コンピュータ3から受信する。表示制御部212は、その指示に基づいて画面データを生成する。情報送受信部210は、生成した画面データを申請者コンピュータ3に送信する。プロセッサ31は、生成した画面データをサーバ装置2から受信する。プロセッサ31は、生成した画面データに基づいて、出力部35への表示を制御する。このような記載は、法務コンピュータ4の出力部45及び相手方コンピュータ5の出力部55によって行われる情報処理においても使用される。
【0046】
5.1.情報処理の概要
以下では、図7を用いて、本実施形態に係る電子契約サービスを使用した場合の情報処理の概要を説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理の概要を説明するシーケンス図である。
【0047】
処理P1では、申請者コンピュータ3のプロセッサ31は、申請者から法務相談の開始の指示(図8の法務相談ボタン61の押下)を受け付ける。
処理P2では、プロセッサ31は、法務相談の開始の指示をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、法務相談の開始の指示を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P3では、表示制御部212は、法務相談の開始の指示に基づいて、法務相談画面7(図9を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。
なお、「法務相談」とは、申請者が法律の専門家に対して意見又は助言を求めることである。本実施形態における法務相談は、ある契約の案件について、申請者が同じチャットルームに参加する法務担当者とチャットによってコミュニケーションをとることで実現される。
【0048】
処理P4では、プロセッサ31は、申請者から契約情報の入力(図9の、案件名入力領域710と相手方名称入力領域711と契約開始日入力領域712とへの入力、及び相談開始ボタン713の押下)を受け付ける。
処理P5では、プロセッサ31は、契約情報をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、契約情報を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P6では、プロセッサ21は、契約情報に基づいて、案件を起案することでチャット契約画面8を生成する。
処理P7では、表示制御部212は、当該案件のチャット契約画面8(図10を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。
なお、「契約情報」とは、ある契約書に記載されている任意の事項を特定した情報を含む。本実施形態における契約情報は、例えば、契約の案件名、相手方の名称、契約の開始日を含む。
【0049】
処理P8では、プロセッサ31は、申請者から組織内チャットルーム80に参加する法務担当者の情報の入力(図10の法務担当者追加ボタン800の押下、及びそのあとに表示される画面への操作)を受け付ける。
処理P9では、プロセッサ31は、組織内チャットルーム80に参加する法務担当者の情報をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、組織内チャットルーム80に参加する法務担当者の情報を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P10では、参加受付部213は、組織内チャットルーム80に参加する法務担当者の情報を受け付けることに応じて、法務担当者による組織内チャットルーム80の使用を許可する。
処理P11では、表示制御部212は、法務担当者が参加中であることを示す参加者表示領域802(図11にて詳述)に表示される情報を更新して、参加者表示領域802を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。
【0050】
また、処理P10の情報処理が実行されることにより、申請者及び法務担当者のそれぞれは、お互いにチャットでのやりとり及び契約書データの送受信をお互いに行うことができる。
例えば、申請者コンピュータ3のプロセッサ31は、申請者からコメント及び契約書データを受け付ける。次に、プロセッサ31は、コメント及び契約書データをサーバ装置2に送信する。次に、契約書受付部211は、コメント及び契約書データを申請者コンピュータ3から受け付ける。表示制御部212は、コメント及び契約書データに基づいてコメント情報領域804a(図11を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。表示制御部212の情報処理と並行して、情報送受信部210は、申請者からコメント及び契約書データを受け付けたことを法務コンピュータ4に通知してもよい。
例えば、法務コンピュータ4のプロセッサ41は、申請者からコメント及び契約書データを受け付ける。次に、プロセッサ41は、コメント及び契約書データをサーバ装置2に送信する。次に、契約書受付部211は、コメント及び契約書データを法務コンピュータ4から受け付ける。表示制御部212は、コメント及び契約書データに基づいてコメント情報領域804b(図11を参照)を法務コンピュータ4の出力部45に表示させる。表示制御部212の情報処理と並行して、情報送受信部210は、申請者からコメント及び契約書データを受け付けたことを申請者コンピュータ3に通知してもよい。
【0051】
処理P12では、プロセッサ31は、申請者から相手方チャットルーム82を生成する指示の入力(図11の相手方チャット作成ボタン801の押下)を受け付ける。
処理P13では、プロセッサ31は、相手方チャットルーム82を生成する指示をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、相手方チャットルーム82を生成する指示を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P14では、プロセッサ21は、相手方チャットルーム82を生成する指示を受け付けることに応じて、相手方チャットルーム82を生成する。
処理P15では、表示制御部212は、相手方チャットルーム82を含むチャット契約画面8(図12を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。
【0052】
処理P16では、プロセッサ31は、申請者から相手方チャットルーム82に参加する相手方担当者の情報の入力(図12の相手方担当者追加ボタン821の押下、及びそのあとに表示される画面への操作)を受け付ける。
処理P17では、プロセッサ31は、相手方チャットルーム82に参加する相手方担当者の情報をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、相手方チャットルーム82に参加する相手方担当者の情報を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P18では、参加受付部213は、相手方チャットルーム82に参加する相手方の情報を受け付けることに応じて、相手方担当者による相手方チャットルーム82の使用を許可する。
処理P19では、表示制御部212は、相手方担当者が参加中であることを示す参加者表示領域822(図12にて詳述)に表示される情報を更新して、参加者表示領域822を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。
【0053】
また、処理P18の情報処理が実行されることにより、申請者及び相手方担当者のそれぞれは、お互いにチャットでのやりとり及び契約書データの送受信をお互いに行うことができる。
例えば、プロセッサ31は、申請者からコメント及び契約書データを受け付ける。次に、プロセッサ31は、コメント及び契約書データをサーバ装置2に送信する。次に、契約書受付部211は、コメント及び契約書データを申請者コンピュータ3から受け付ける。表示制御部212は、コメント及び契約書データに基づいてコメント情報領域824b(図12を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。表示制御部212の情報処理と並行して、情報送受信部210は、申請者からコメント及び契約書データを受け付けたことを相手方コンピュータ5に通知してもよい。
例えば、プロセッサ51は、相手方担当者からコメント及び契約書データを受け付ける。次に、プロセッサ31は、コメント及び契約書データをサーバ装置2に送信する。次に、契約書受付部211は、コメント及び契約書データを申請者コンピュータ3から受け付ける。表示制御部212は、コメント及び契約書データに基づいてコメント情報領域824a(図12を参照)を申請者コンピュータ3の出力部35に表示させる。表示制御部212の情報処理と並行して、情報送受信部210は、からコメント及び契約書データを受け付けたことを申請者コンピュータ3に通知してもよい。
【0054】
処理P20では、プロセッサ31は、申請者から法務相談を終了する指示(図14の申請画面9を作成する指示)を受け付ける(例えば、図13の法務相談完了ボタン84の押下)。
処理P21では、プロセッサ31は、法務相談を終了する指示をサーバ装置2に送信する。情報送受信部210は、法務相談を終了する指示を申請者コンピュータ3から受け付ける。
処理P22では、表示制御部212は、法務相談を終了する指示を受け付けることに応じて、申請画面9を表示させる。続く情報処理では、申請者は、申請者コンピュータ3によって、申請画面9に契約情報を入力し、社内での承認を得るように進める。
【0055】
なお、上記情報処理では、情報処理システム1は、先に法務担当者を招待して、後に相手方担当者を招待したが、先に相手方担当者を招待して、後に法務担当者を招待してもよい。その場合、申請者及び相手方担当者の間のやりとりは、申請者及び法務担当者の間のやりとりに先立って、開始していることがある。
【0056】
5.2.情報処理の詳細
次に、図8図14を用いて、本実施形態に係る電子契約サービスを使用した場合の情報処理の詳細を説明する。
【0057】
図8は、ホーム画面6の一例を示す図である。ホーム画面6は、ユーザに種々の機能を提供するための画面である。ホーム画面6は、メニュー領域60と、法務相談ボタン61とを含む。ホーム画面6は、更に、メニュー領域60と独立した新規の契約を申請するためのボタンと、仕掛中の案件の数を参照可能な領域と、使い方ガイドにユーザを誘導するための領域と、よくある質問にユーザを誘導するための領域とを含む。
【0058】
メニュー領域60は、実施形態における電子契約サービスのメニューが表示される領域である。メニュー領域60は、新規の契約を申請するためのボタンを含む。メニュー領域60は、法務相談中、社内承認中、相手方確認中、差戻し、下書き、締結完了、却下・取下げ等の様々なステータスの契約を参照するためのボタンを含む。
【0059】
法務相談ボタン61は、法務相談を開始させるためのボタンである。法務相談ボタン61の押下等に応じて、表示制御部212は、図9に示す相談作成領域71を含む法務相談画面7を表示させる。
【0060】
図9は、相談作成領域71を含む法務相談画面7の一例を示す図である。法務相談画面7は、法務相談に関する案件を参照することが可能な画面である。法務相談画面7は、新規作成ボタン70と、相談作成領域71とを少なくとも含む。
【0061】
法務相談画面7は、案件のステータス、案件名、法務担当者に応じて、案件の絞り込みが可能に構成されてもよい。また、法務相談画面7は、当該絞り込みに応じた案件が表示される領域が含まれてもよい。図9の法務相談画面7には、案件として、案件IDが「#1」であり案件名が「T社との共同開発契約」である情報が含まれている。
【0062】
新規作成ボタン70は、新たな法務相談を受け付けるためのボタンである。新規作成ボタン70の押下を受け付けることに応じて、表示制御部212は、相談作成領域71を表示させる。
【0063】
相談作成領域71は、新たな法務相談の情報の入力を受け付けるための領域である。相談作成領域71は、案件名入力領域710と、相手方名称入力領域711と、契約開始日入力領域712と相談開始ボタン713とを含む。
【0064】
案件名入力領域710は、法務相談の案件名を入力可能に構成される領域であり、例えば、「O社との販売契約」等の情報が入力される。
【0065】
相手方名称入力領域711は、法務相談の相手方を入力可能に構成される領域であり、例えば、「O株式会社」等の情報が入力される。
【0066】
契約開始日入力領域712は、法務相談に紐付く契約について、想定される契約の開始日を入力可能に構成される領域であり、例えば、「2024/1/1」等の情報が入力される。
【0067】
相談開始ボタン713は、チャットルームの使用を開始するためのボタンである。相談開始ボタン713の押下に応じて、表示制御部212は、図10に示すチャット契約画面8を表示させる。
【0068】
図10は、チャット契約画面8の一例を示す図である。チャット契約画面8は、ある契約書の案件について、申請者によるチャットでのコメントのやりとり及び契約書データの送受信を法務担当者及び相手方担当者と行うことができる画面である。図10の例において、チャット契約画面8は、組織内チャットルーム80と、組織内契約書領域81とを含む。
【0069】
組織内チャットルーム80は、契約書データに関して、組織に所属する申請者は組織に所属する1以上の法務担当者とチャットをやり取りすることが可能である。図10の組織内チャットルーム80は、法務担当者追加ボタン800と、相手方チャット作成ボタン801とを少なくとも含む。
【0070】
法務担当者追加ボタン800は、法務担当者を組織内チャットルーム80に招待するためのボタンである。法務担当者追加ボタン800の押下に応じて、プロセッサ21は、法務担当者を追加するための画面を表示させる。法務担当者を追加するための画面では、名前、メールアドレス、社員番号、電話番号等の入力又は選択を受け付けることに応じて、プロセッサ21は、法務担当者を特定してもよい。なお、招待されるユーザは法務担当者に限定されるべきではない。
【0071】
相手方チャット作成ボタン801は、相手方チャットルーム82を使用可能にするためのボタンである。相手方チャット作成ボタン801の押下に応じて、プロセッサ21は、図12に示す相手方チャットルーム82を含むチャット契約画面8を使用可能にする。
【0072】
組織内契約書領域81は、申請者、契約担当者及び相手方担当者がアップロードした契約書データについての情報を表示する領域である。組織内契約書領域81には、アップロードされたそれぞれの契約書データに紐付くダウンロードボタンが含まれ、ユーザは契約書データをダウンロードすることができる。
【0073】
本実施形態において、組織内チャットルーム80及び組織内契約書領域81は、第1の表示画面に含まれる。第1の表示画面は、ある契約書の案件について、申請者がチャットでのやりとり及び契約書データの送受信を法務担当者と行うことができる画面である。
【0074】
次に、図10の状態から、申請者と法務担当者との間で少しやりとりがされ、図11に示す画面の状態になった場合について説明する。図11は、コメント情報領域804a、804bを含むチャット契約画面8の一例を示す図である。図11のチャット契約画面8の組織内チャットルーム80は、図10と比較して、参加者表示領域802と、コメント受付領域803と、コメント情報領域804a、804bと、バージョン区切領域805とを含む。
【0075】
参加者表示領域802は、組織内チャットルーム80に参加している参加者のアイコンが表示される領域である。参加者表示領域802には、申請者である「特許太郎」を示す「特」のアイコンと、法務担当者である「実案花子」を示す「実」のアイコンと、法務担当者である「意匠次郎」を示す「商」のアイコンとが表示される。表示制御部212は、第1の表示画面に含まれる組織内チャットルーム80に、申請者及び法務担当者それぞれのアイコンを表示させる。このような構成によれば、申請者は、組織内チャットルーム80に参加している法務担当者を視覚的に認識しやすくなる。
【0076】
コメント受付領域803は、申請者からコメント及び契約書のアップロードを受け付けるための領域である。コメント受付領域803を介して受け付けた情報は、申請者と法務担当者との間で共有される。コメント受付領域803は、宛先入力領域803aと、コメント入力領域803bと、契約書添付ボタン803cと、送信ボタン803dとを含む。
【0077】
宛先入力領域803aは、プルダウンメニュー等の態様によって参加者表示領域802に表示される各ユーザを選択可能に構成される。宛先入力領域803aは、申請者である特許太郎が使用する場合、法務担当者である実案花子又は法務担当者である意匠次郎が選択可能に構成される。
【0078】
コメント入力領域803bは、申請者からコメントの入力を受け付け可能に構成される。
【0079】
契約書添付ボタン803cは、申請者から契約書データの添付を受け付けるためのポップアップ画面を出力可能に構成される。
【0080】
送信ボタン803dは、宛先入力領域803aと、コメント入力領域803bと、契約書添付ボタン803cとを介して選択及び受け付けた情報に基づいてコメント情報領域804a、804bを生成するためのボタンである。
【0081】
コメント情報領域804aは、申請者である「特許太郎」から受け付けたコメント及び契約書の情報が表示される領域である。コメント情報領域804aは、申請者の名称である「特許太郎」の情報と、「お疲れ様です、現在広告代理店との契約を進めており、・・・」というコメントの情報と、「販売契約書2023/07/07.doc」という名称の契約書データの情報と、「17:24」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。コメント受付部214は、組織内チャットルーム80に参加する申請者からコメントを受け付けることに応じて、組織内チャットルーム80上にコメントを表示させる。
【0082】
コメント情報領域804bは、法務担当者である「実案花子」から受け付けたコメントが表示される領域である。コメント情報領域804bは、法務担当者の名称である「実案花子」の情報と、「ご連絡ありがとうございます。・・・」というコメントの情報と、「18:12」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。また、図示していないが、送信時間だけでなく、送信日付も表示されてもよい。なお、コメント情報領域804bは、法務担当者である「実案花子」から契約書データの添付を受け付けていないことを示す。コメント受付部214は、組織内チャットルーム80に参加する法務担当者から第1のコメントを受け付けることに応じて、組織内チャットルーム80上に第1のコメントを表示させる。法務担当者から受け付けたコメントは、第1のコメントの一例である。
【0083】
バージョン区切領域805は、コメントがどの契約書データのバージョンに紐付くかをユーザが識別可能にするための領域である。バージョン区切領域805は、「Ver0.1」という情報を含むことによって、コメント情報領域804a、804bがバージョンが「0.1」の契約書データに紐づいていることを示す領域である。表示制御部212は、新たな契約書データがアップロードされることに応じて、当該契約書データのバージョンに対応するバージョン区切領域を表示させる。
【0084】
組織内契約書領域81は、申請者、法務担当者又は相手方担当者によってアップロードされた契約書データの情報が表示される領域である。組織内契約書領域81は、最新契約書領域810と、更新履歴領域811とを含む。
【0085】
最新契約書領域810は、申請者、法務担当者又は相手方担当者によってアップロードされた最新の契約書データが表示される領域であり、例えば、契約書データの画像及び「販売契約書2023/07/07.doc」といった契約書データのファイル名が表示される。最新契約書領域810には、当該最新の契約書データをダウンロードするためのボタンが含まれていてもよい。
【0086】
更新履歴領域811は、アップロードされた契約書データの履歴が表示される領域である。履歴には、「販売契約書2023/07/07.doc」等のファイル名と、「特許太郎」等のアップロードを実行したユーザの名称と、「2023/07/11 17:24」等のアップロードが実行された日時とが含まれていてもよい。更新履歴領域811には、当該最新の契約書データをダウンロードするためのボタンが含まれていてもよい。
【0087】
次に、図11の状態から、申請者によって相手方チャットルーム82の使用が許可され、相手方担当者とやりとりがされることによって、図12に示す画面の状態になった場合について説明する。図12は、相手方チャットルーム82を含むチャット契約画面8の一例を示す図である。
【0088】
図12のチャット契約画面8は、図10のチャット契約画面8と比較して、組織内チャットルーム80と組織内契約書領域81とを含まずに、相手方チャットルーム82と相手方契約書領域83とを含む。
【0089】
相手方チャットルーム82は、契約書データに関して、申請者が組織に所属しない1以上の相手方担当者とチャットをやり取りすることが可能である。また、相手方チャットルーム82は、種々の方法によって組織内チャットルーム80と申請者が識別可能に構成される。
例えば、相手方チャットルーム82は、識別領域820を含む。識別領域820は、組織内チャットルーム80の対応する箇所と異なる背景色となるように表示される領域である。すなわち、表示制御部212は、相手方チャットルーム82を、組織内チャットルーム80と異なる背景色となるように識別領域820を表示させる。
例えば、相手方チャットルーム82は、警告領域825を含む。警告領域825は、相手方チャットルーム82を使用して契約書データ又はコメントを送信する場合、当該契約書データ又は当該コメントが相手方担当者に送信されることを示す情報を含む領域である。すなわち、表示制御部212は、警告領域825を表示させる。
例えば、表示制御部212は、相手方チャットルーム82を介して契約書データをアップロードする場合、当該契約書データが相手方担当者に送信される旨を表示させる。
このような構成によれば、申請者は、組織内チャットルーム80と相手方チャットルーム82とを誤認しにくくなる。
【0090】
相手方チャットルーム82は、相手方担当者追加ボタン821と、参加者表示領域822と、コメント受付領域823と、コメント情報領域824a、824bとを含む。
【0091】
相手方担当者追加ボタン821は、相手方担当者を相手方チャットルーム82に招待するためのボタンである。相手方担当者追加ボタン821の押下に応じて、プロセッサ21は、相手方担当者を追加するための画面を表示させる。相手方担当者を追加するための画面では、名前、メールアドレス、社員番号、電話番号等の入力又は選択を受け付けることに応じて、プロセッサ21は、相手方担当者を特定してもよい。なお、図12の例では、相手方担当者として「商標航平」が既に招待されている。
【0092】
参加者表示領域822は、相手方チャットルーム82に参加している参加者のアイコンが表示される領域である。参加者表示領域822には、第1のユーザである特許太郎を示す「特」のアイコンと、第3のユーザである商標航平を示す「商」のアイコンとが表示される。表示制御部212は、第2の表示画面に、申請者及び相手方担当者それぞれのアイコンを表示させる。このような構成によれば、申請者は、相手方チャットルーム82に参加している相手方担当者を視覚的に認識しやすくなる。
【0093】
コメント受付領域823は、コメント受付領域803と同様に機能するが、コメント受付領域823を介して受け付けた情報は、申請者と相手方担当者との間で共有される点でコメント受付領域803と異なる。
【0094】
コメント情報領域824aは、相手方担当者である「商標航平」から受け付けたコメント及び契約書の情報が表示される領域である。コメント情報領域824aは、相手方担当者の名称である「商標航平」の情報と、「添付のような修正を希望します。」というコメントの情報と、「販売契約書2023/07/19.doc」という名称の契約書データの情報と、「14:45」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。コメント受付部214は、相手方チャットルーム82に参加する相手方担当者からコメントを受け付けることに応じて、組織内チャットルーム80上に当該コメントを表示させる。相手方担当者から受け付けたコメントは、第1のコメントの一例である。
【0095】
コメント情報領域824bは、申請者である「特許太郎」から受け付けたコメントが表示される領域である。コメント情報領域824bは、申請者の名称である「特許太郎」の情報と、「打ち合わせのとおりに修正しました。」というコメントの情報と、「販売契約書2023/07/23.doc」という名称の契約書データの情報と、「09:34」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。コメント受付部214は、相手方チャットルーム82に参加する申請者からコメントを受け付けることに応じて、相手方チャットルーム82上に当該コメントを表示させる。
【0096】
相手方契約書領域83は、相手方担当者が参照可能にアップロードされた契約書データの情報が表示される領域である。他の観点によると、相手方契約書領域83に表示されている契約書データは、相手方担当者によってダウンロードすることができる状態にある。また、相手方契約書領域83のそれぞれの契約書データは、バージョンの情報とともに表示されている。相手方契約書領域83は、相手方担当者が参照可能にアップロードされた複数の契約書データのそれぞれがバージョンの情報によって識別可能に表示される領域である。相手方契約書領域83は、最新契約書領域830と、更新履歴領域831とを含む。
【0097】
最新契約書領域830は、申請者と相手方担当者との間でアップロードされた最新の契約書データが表示される領域である。例えば、契約書データの画像及び「販売契約書2023/07/24.doc」といった契約書データのファイル名が表示される。最新契約書領域830には、当該最新の契約書データをダウンロードするためのボタンが含まれていてもよい。
【0098】
更新履歴領域831は、申請者と相手方担当者との間でアップロードされた契約書データの履歴が表示される領域である。履歴には、「販売契約書2023/07/19.doc」等のファイル名と、「商標航平」等のアップロードを実行したユーザの名称と、「2023/07/19 14:45」等のアップロードが実行された日時とが含まれていてもよい。更新履歴領域831は、更新履歴領域831には、当該最新の契約書データをダウンロードするためのボタンが含まれていてもよい。
【0099】
記録制御部215は、相手方契約書領域83を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記憶部22に記録するとともに、当該契約書データにメジャーバージョンとしてバージョンの情報を付与する。例えば、記録制御部215は、相手方契約書領域83を介して、2回目のアップロードを受け付けた場合、当該契約書データのバージョンを「2.0」とする。
【0100】
「メジャーバージョン」とは、契約書データのバージョンを数字で管理する場合の当該数字の整数部分である。メジャーバージョンは、相手方とのやりとりがされることで更新がされた契約書データの数に応じてカウントされる。例えば、バージョンが「2.0」の契約書データは、申請者と相手方担当者との間で2回目のアップロードされた契約書データである。
【0101】
相手方チャットルーム82及び相手方契約書領域83は、第2の表示画面に含まれる。第2の表示画面は、ある契約書の案件について、申請者がチャットでのやりとり及び契約書データの送受信を相手方担当者と行うことができる画面である。第1の表示画面と第2の表示画面との間は自由に切り替えることができる。すなわち、表示制御部212は、組織内チャットルーム80及び組織内契約書領域81が表示される第1の表示画面と、相手方チャットルーム82及び相手方契約書領域83が表示される第2の表示画面とを切替可能に表示させる。より具体的には、図12における"自社チャット"と、その隣接する場所に配置された"相手方チャット"をクリックすることにより、第1の表示画面と第2の表示画面とを切り替えることができる。このような構成によれば、申請者は、組織内でやりとりされた契約書データの情報、及び使用を許可した法務担当者からのコメントが確認可能な第1の表示画面と、相手方担当者との間でやりとりされた契約書データの情報、及び使用を許可した相手方担当者からのコメントが確認可能な第2の表示画面とを使い分けることができる。
【0102】
次に、図12の状態から、申請者によって契約担当者及び相手方担当者との契約書の擦り合わせ進められ、図13に示す画面の状態になった場合について説明する。図13は、コメント情報領域804c、804dを含むチャット契約画面8の一例を示す図である。
【0103】
図13のチャット契約画面8は、図11と比較して、契約の締結に向けたやりとりが進んでいることを示す画面である。
【0104】
コメント情報領域804cは、申請者の名称である「特許太郎」の情報と、「お疲れ様です、現在広告代理店との・・・」というコメントの情報と、「販売契約書2023/07/26.doc」という名称の契約書データの情報と、「13:12」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。
コメント情報領域804dは、法務担当者の名称である「実案花子」の情報と、「こちらの内容で相手方へご確認お願いいたします。」というコメントの情報と、「[法務チェック]販売契約書2023/07/26.doc」という名称の契約書データの情報と、「14:14」にコメントが送信されたことを示す送信時間の情報とが含まれる。
【0105】
図13の最新契約書領域810は、最新の契約書データとして「販売契約書[法務チェック]販売契約書2023/07/26.doc」といった契約書データのファイル名が表示される。図13の最新契約書領域810には、当該最新の契約書データをダウンロードするためのボタンが含まれている。
【0106】
図13の更新履歴領域811には、バージョンが「2.2」までのアップロードされた契約書データが表示される。なお、更新履歴領域811には、相手方担当者である「商標航平」によってアップロードされたバージョンが「2.0」の契約書データも表示される。すなわち、更新履歴領域811は、申請者、法務担当者又は相手方担当者によってアップロードされた複数の契約書データのそれぞれが識別可能に表示される領域である。
【0107】
削除受付部216は、組織内契約書領域81と相手方契約書領域83とを介してアップロードされた契約書データのうち、最新の契約書データの削除の指示を受け付けることに応じて、最新の契約書データの削除を実行する。例えば、図13では、削除受付部216は、バージョンが2.2の契約書データの削除の指示を受け付けることに応じて、バージョンが2.2の契約書データの削除を実行する。
削除受付部216は、最新の契約書データ以外の契約書データの削除を受け付けないように構成する。例えば、図13では、削除受付部216は、バージョンが2.1及びバージョンが2.2の契約書データの削除を受け付けることができない。
このような構成によれば、最新の契約書データ以外の契約書データの削除を受け付けないようにすることによって、契約書データの履歴を適切に保存することができる。
【0108】
記録制御部215は、組織内契約書領域81を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記憶部22に記録するとともに、当該契約書データにマイナーバージョンとしてバージョンの情報を付与する。例えば、記録制御部215は、最後に申請者と相手方担当者との間で契約書データがアップロードされたときから起算して、組織内契約書領域81を介して、2回目のアップロードを受け付けた場合、当該契約書データのバージョンの小数部分を「.2」とする。
【0109】
「マイナーバージョン」とは、契約書データのバージョンを数字で管理する場合の当該数字の少数部分である。マイナーバージョンは、メジャーバージョンが最後にカウントされてから、組織内でのやりとりがされることで更新がされた契約書データの数に応じてカウントされる。例えば、バージョンが「2.2」の契約書データは、相手方担当者とのやりとりがされることによって2回目の更新がされた契約書データに基づいて、組織内で2回目の更新がされたデータである。
【0110】
また、チャット契約画面8は、法務相談完了ボタン84を含む。法務相談完了ボタン84は、法務相談を完了させるためのボタンである。例えば、法務相談完了ボタン84は、相手方担当者との間で契約の内容に合意が取れ、申請者が法務相談を終了するときに押下される。法務相談完了ボタン84の押下に応じて、表示制御部212は、図14に示す申請画面9を表示させる。
【0111】
なお、法務相談完了ボタン84の押下によってある案件の法務相談が完了した後であっても、当該案件の履歴を参照できてもよい。例えば、表示制御部212は、相手方担当者との間で合意がなされた契約書に関する履歴を参照する指示を受け付けることに応じて、契約書の合意の過程で使用された、組織内チャットルーム80、組織内契約書領域81、相手方チャットルーム82及び相手方契約書領域83第1の表示画面又は第2の表示画面を表示させる。このような構成によれば、申請者は、契約書の合意がなされたあとでも、第1の表示画面と第2の表示画面を参照することができ、契約書に関する履歴を参照することができる。
【0112】
図14は、申請画面9の一例を示す図である。申請画面9は、相手方担当者との間で合意がなされた契約書の契約書データに基づいて、組織内で契約の申請を実行するための画面である。申請画面9は、契約情報を入力可能に構成される画面である。少なくとも申請画面9は、書類情報領域90と、相手方情報領域91と、開始日入力領域92とを含む。更に申請画面9は、ファイルの変更ボタンと、締結方法の選択ボタン(電子契約、紙契約、電子契約(他者から受信)等の選択)と、担当者名・メールアドレスの入力領域と、代表者名の入力領域と、了承済稟議番号の入力領域と、契約締結日の入力領域と、契約開始日の入力領域と、契約終了日の入力領域と、自動更新の選択ボタンと、契約金額の入力領域と、支払サイクルの入力領域と、契約概要の入力領域と、申請メモの入力領域とを含む。
【0113】
表示制御部212は、法務相談完了ボタン84の押下を受け付けることに応じて、申請画面9を表示させる。表示制御部212は、相談作成領域71に入力されていた法務相談の契約情報を申請画面9の各領域に予め入力するようにしてもよい。例えば、表示制御部212は、案件名入力領域710に入力されていた法務相談の案件名を書類情報領域90に予め入力するようにしてもよい。表示制御部212は、相手方名称入力領域711に入力されていた法務相談の相手方担当者を相手方情報領域91に予め入力するようにしてもよい。表示制御部212は、契約開始日入力領域712に入力されていた契約の開始日を開始日入力領域92に予め入力するようにしてもよい。このような構成によれば、申請者は、合意がなされた契約書の契約書データに基づいて、組織内での申請を実行することができる。
【0114】
その後、申請画面9を通じて申請された内容に基づいて、社内での回覧が行われ、正式に社内で承認される。
【0115】
以上、本開示によれば、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる。事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等のサポートを行うにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、各情報処理装置のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。また、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置又はコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0116】
[変形例]
プログラムは、1以上のコンピュータに次の各ステップを実行させるプログラムである。情報処理システム1は、プログラムを実行する1以上のコンピュータを備える。前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、コンピュータを、情報処理システム1のプロセッサ21として機能させるプログラムであってもよい。また、情報処理システム1が実行する情報処理方法であってもよい。
【0117】
サーバ装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0118】
上記実施形態では、サーバ装置2が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0119】
図8図14に示す任意の画面又は領域の少なくとも一部は、視覚を通じた美観の創出に寄与する。
【0120】
更に、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0121】
(1)1以上のコンピュータに次の各ステップを実行させるプログラムであって、契約書受付ステップでは、契約書データを受け付け、表示制御ステップでは、第1のチャットルームが表示される第1の表示画面と、第2のチャットルームが表示される第2の表示画面とを切替可能に表示させ、前記第1のチャットルームにおいて、前記契約書データに関して、組織に所属する第1のユーザは前記組織に所属する1以上の第2のユーザとチャットをやり取りすることが可能であり、前記第2のチャットルームにおいて、前記契約書データに関して、前記第1のユーザは前記組織に所属しない1以上の第3のユーザとチャットをやり取りすることが可能である、プログラム。
【0122】
このような構成によれば、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる。
【0123】
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記第3のユーザは、前記組織にとっての契約の相手方に所属するユーザである、プログラム。
【0124】
このような構成によれば、前記組織にとっての契約の相手方に所属するユーザとの契約書のやりとりをサポートすることができる。
【0125】
(3)上記(1)に記載のプログラムにおいて、参加受付ステップでは、前記第1のチャットルームに参加する前記第2のユーザの情報を受け付けることに応じて、前記第2のユーザによる前記第1のチャットルームの使用を許可し、前記第2のチャットルームに参加する前記第3のユーザの情報を受け付けることに応じて、前記第3のユーザによる前記第2のチャットルームの使用を許可し、コメント受付ステップでは、前記第1のチャットルームに参加する前記第2のユーザから第1のコメントを受け付けることに応じて、前記第1のチャットルーム上に前記第1のコメントを表示させ、前記第2のチャットルームに参加する前記第3のユーザから第2のコメントを受け付けることに応じて、前記第2のチャットルーム上に前記第2のコメントを表示させる、プログラム。
【0126】
このような構成によれば、第1のユーザは、使用を許可した第2のユーザからの第1のコメントが確認可能な第1のチャットルームと、使用を許可した第3のユーザからの第2のコメントが確認可能な第2のチャットルームとを使い分けることができる。
【0127】
(4)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記第1の表示画面は、第1の契約書領域を含み、前記第1の契約書領域は、前記第1のユーザ又は前記第2のユーザによってアップロードされた契約書データの情報が表示される領域であり、前記第2の表示画面は、第2の契約書領域を含み、前記第2の契約書領域は、前記第3のユーザが参照可能にアップロードされた契約書データの情報が表示される領域である、プログラム。
【0128】
このような構成によれば、第1のユーザは、組織内でやりとりされた契約書データの情報が確認可能な第1の表示画面と、相手方との間でやりとりされた契約書データの情報が確認可能な第2の表示画面とを使い分けることができる。
【0129】
(5)上記(4)に記載のプログラムにおいて、前記第1の契約書領域は、記第1のユーザ又は前記第2のユーザによってアップロードされた複数の契約書データのそれぞれが識別可能に表示される領域であり、前記第2の契約書領域は、前記第3のユーザが参照可能にアップロードされた複数の契約書データのそれぞれが識別可能に表示される領域である、プログラム。
【0130】
このような構成によれば、第1のユーザは、組織内でやりとりされた複数の契約書データの情報が識別可能な第1の契約書領域と、相手方との間でやりとりされた契約書データの情報が識別可能な第1の契約書領域とを使い分けることができる。
【0131】
(6)上記(4)に記載のプログラムにおいて、記録制御ステップでは、前記第1の表示画面を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記録するとともに、当該契約書データにマイナーバージョンとしてバージョンの情報を付与し、前記第2の表示画面を介して契約書データがアップロードされた場合、当該契約書データを記録するとともに、当該契約書データにメジャーバージョンとしてバージョンの情報を付与する、プログラム。
【0132】
このような構成によれば、第1のユーザは、契約書データに紐付くマイナーバージョンとメジャーバージョンを確認することにより、契約書の履歴を遡って確認することができる。
【0133】
(7)上記(4)に記載のプログラムにおいて、削除受付ステップでは、前記第1の契約書領域と前記第2の契約書領域とを介してアップロードされた契約書データのうち、最新の契約書データの削除の指示を受け付けることに応じて、前記最新の契約書データの削除を実行し、前記最新の契約書データ以外の契約書データの削除を受け付けないように構成する、プログラム。
【0134】
このような構成によれば、最新の契約書データ以外の契約書データの削除を受け付けないようにすることによって、契約書データの履歴を適切に保存することができる。
【0135】
(8)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記第1の表示画面に、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザそれぞれのアイコンを表示させ、前記第2の表示画面に、前記第1のユーザ及び前記第3のユーザそれぞれのアイコンを表示させる、プログラム。
【0136】
このような構成によれば、第1のユーザは、第1のチャットルームに参加している第2のユーザと、第2のチャットルームに参加している第3のユーザとを視覚的に認識しやすくなる。
【0137】
(9)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記第2のチャットルームを、前記第1のチャットルームと異なる背景色となるように表示させ、又は、第2の表示画面を介して契約書データをアップロードする場合、前記契約書データが前記第3のユーザに送信される旨を表示させる、プログラム。
【0138】
このような構成によれば、第1のユーザは、第1のチャットルームと第2のチャットルームとを誤認しにくくなる。
【0139】
(10)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、申請画面を作成する指示を受け付けることに応じて、前記申請画面を表示させ、前記申請画面は、相手方との間で合意がなされた契約書の契約書データに基づいて、前記組織内で契約の申請を実行するための画面である、プログラム。
【0140】
このような構成によれば、第1のユーザは、合意がなされた契約書の契約書データに基づいて、組織内での申請を実行することができる。
【0141】
(11)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、相手方との間で合意がなされた契約書に関する履歴を参照する指示を受け付けることに応じて、前記契約書の合意の過程で使用された第1の表示画面又は第2の表示画面を表示させる、プログラム。
【0142】
このような構成によれば、第1のユーザは、契約書の合意がなされたあとでも、第1の表示画面と第2の表示画面を参照することができ、契約書に関する履歴を参照することができる。
【0143】
(12)情報処理方法であって、上記(1)~(11)の何れか1つに記載のプログラムの各ステップを備える、情報処理方法。
【0144】
このような構成によれば、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる。
【0145】
(13)情報処理システムであって、上記(1)~(11)の何れか1つに記載のプログラムを実行するコンピュータを備える、情報処理システム。
【0146】
このような構成によれば、事業部間又は部署間の契約書のやりとり、相手方との契約書のやりとり等をサポートすることができる。
もちろん、この限りではない。
【0147】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0148】
1 :情報処理システム
2 :サーバ装置
21 :プロセッサ
210 :情報送受信部
211 :契約書受付部
212 :表示制御部
213 :参加受付部
214 :コメント受付部
215 :記録制御部
216 :削除受付部
22 :記憶部
23 :通信部
3 :申請者コンピュータ
31 :プロセッサ
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
4 :法務コンピュータ
41 :プロセッサ
42 :記憶部
43 :通信部
44 :入力部
45 :出力部
5 :相手方コンピュータ
51 :プロセッサ
52 :記憶部
53 :通信部
54 :入力部
55 :出力部
6 :ホーム画面
60 :メニュー領域
61 :法務相談ボタン
7 :法務相談画面
70 :新規作成ボタン
71 :相談作成領域
710 :案件名入力領域
711 :相手方名称入力領域
712 :契約開始日入力領域
713 :相談開始ボタン
8 :チャット契約画面
80 :組織内チャットルーム
800 :法務担当者追加ボタン
801 :相手方チャット作成ボタン
802 :参加者表示領域
803 :コメント受付領域
803a :宛先入力領域
803b :コメント入力領域
803c :契約書添付ボタン
803d :送信ボタン
804a :コメント情報領域
804b :コメント情報領域
804c :コメント情報領域
804d :コメント情報領域
805 :バージョン区切領域
81 :組織内契約書領域
810 :最新契約書領域
811 :更新履歴領域
812 :契約情報領域
82 :相手方チャットルーム
820 :識別領域
821 :相手方担当者追加ボタン
822 :参加者表示領域
823 :コメント受付領域
824a :コメント情報領域
824b :コメント情報領域
825 :警告領域
83 :相手方契約書領域
830 :最新契約書領域
831 :更新履歴領域
84 :法務相談完了ボタン
9 :申請画面
90 :書類情報領域
91 :相手方情報領域
92 :開始日入力領域
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14