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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024620
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128860
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000228741
【氏名又は名称】日本サーモスタット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】熊代 毅
(72)【発明者】
【氏名】柴田 佑義
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA07
3H062AA15
3H062BB30
3H062CC01
3H062DD01
3H062FF07
3H062HH03
3H062HH07
(57)【要約】
【課題】回転センサの組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減できる電動弁を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る電動弁100は、センサ本体103と、リード線102とを有する回転センサ101が取り付けられる取付部111、及び少なくとも一部が取付部111に配置され、リード線102が接続される入出力用の配線部130を備え、配線部130は、リード線102を挟持する挟持部131を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口を有し、外周に連通口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に挿入されて回転軸を中心に回転して前記連通口を開閉する弁体と、
前記弁体を回転駆動する駆動装置と、
前記回転軸の一端に装着される被検出部と、
前記被検出部の回転角度を検出する回転センサと、
前記ハウジングの他端に装着されるカバーと、
を備え、
前記回転センサは、センサ本体と、リード線とを有し、
前記カバーは、前記センサ本体を前記被検出部と向かい合わせに保持する取付部と、前記リード線が接続される入出力用の配線部と、を備え、
前記配線部は、前記リード線を挟持する挟持部を有する、電動弁。
【請求項2】
前記挟持部は、前記回転センサを前記取付部に挿入する方向と同一の方向から前記リード線を受け入れて挟持可能に形成されている、請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記挟持部は、前記配線部に形成されている切欠部である、請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記取付部は、前記回転センサの外面を保持する内壁を有し、
前記取付部は、前記回転センサを前記内壁により挟持して保持可能である、請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記取付部は、壁部と、前記壁部の端面とを有し、
前記壁部は、前記端面の取付部の表面からの垂直方向距離より小さく形成されている流出部を有している、請求項1~4の何れか一項に記載の電動弁。
【請求項6】
前記カバーは少なくとも前記リード線を覆う封止部を備え、
前記流出部は複数設けられ、少なくとも前記封止部を挟む位置に配置されている、請求項5に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転センサが取り付けられた電動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、所定の条件により流量を調整する電動弁が用いられている。上記電動弁は、冷却水の流入口と、流入した冷却水を送出する複数の流出口を有しており、冷却水はそれぞれの流出口に接続された配管を通して各装置に送られる。上記文献では、自動車用冷却水の電動弁への応用例が開示されている。電動弁はエンジンのシリンダヘッドに設けられており、流入路を通じて電動弁内に冷却水が導入される。電動弁は、モータと、モータにより減速機構を介して開閉制御される弁体と、ハウジングと、を有している。弁体は回転制御され、弁体の回転角度に応じて弁が開閉する。冷却水は、弁体により送出量が調整されて、電動弁から、暖房用熱交換器、オイルクーラ、及びラジエータに送出される。電動弁は、冷却水温度、及び車両運転状態等に応じて制御装置により電気的に制御される。
【0003】
制御装置は、回転軸を中心とした弁体の回転角度に基づいて、弁開度を制御する。電動弁には回転センサが設けられている。弁体の回転角度は、この回転センサで検出される。回転センサは、電動弁のハウジングの上部のカバーの内側において、弁体を回転駆動する回転軸等との各部との干渉を避けて限られたスペースに配置されることがある。回転センサはセンサ本体とリード線とを備えている。センサ本体は、電動弁のハウジングの一部であるカバーに固定され、リード線はカバーに設けられているターミナルに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-218763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転センサをカバーに固定する方法としては、例えば、カバーを樹脂で成形するときに、回転センサを予め金型内に挿入した状態で成形するインサート成形が用いられている。ただし、回転センサはそのままではインサート成形時の高温に耐えられないため、インサート成形の前に回転センサが耐えられる温度で別の樹脂で覆っておき、その後で、樹脂で覆われた回転センサをカバーの金型内に挿入して蓋部材を成形する所謂二色成形を行う必要がある。しかしながら、二色成形を行うと、金型の費用、及び工数が増加する。
【0006】
また、リード線と入出力用の配線部との接続方法には、レーザ溶接、抵抗溶接、加締め等があるが、何れもリード線と配線部とを、土台と加締め用パンチや溶接棒との間に挟み込むことが必要であり、そのための加工設備の導入も必要である。したがって、製造コストが高くなる。加えて、部品のレイアウト上の制約が増えて、難しい対応が求められる。
【0007】
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、回転センサの組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減できる電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電動弁は、
一端に開口を有し、外周に連通口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に挿入されて回転軸を中心に回転して前記連通口を開閉する弁体と、
前記弁体を回転駆動する駆動装置と、
前記回転軸の一端に装着される被検出部と、
前記被検出部の回転角度を検知する回転センサと、
前記ハウジングの他端に装着されるカバーと、
を備え、
前記回転センサは、センサ本体と、リード線とを有し、
前記カバーは、前記センサ本体を前記被検出部と向かい合わせに保持する取付部と、前記リード線が接続される入出力用の配線部と、を備え、
前記配線部は、前記リード線を挟持する挟持部を有する。
【0009】
本発明に係る電動弁は、回転センサのリード線が接続される配線部を備えており、配線部は、リード線を挟持する挟持部を有している。そのため、本発明の電動弁は、リード線を挟持部に挿入するのみでリード線を配線部に固定可能である。したがって、電動弁への回転センサの組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。
【0010】
本発明に係る電動弁の挟持部は、前記回転センサを前記取付部に挿入する方向と同一の方向から前記リード線を受け入れて挟持可能に形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る電動弁の挟持部は、回転センサを取付部に挿入する方向と同一の方向からリード線を受け入れて挟持可能である。そのため、回転センサの組付け作業を容易にすることができる。
【0012】
本発明に係る電動弁の挟持部は、配線部に形成されている切欠部であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る電動弁の挟持部は、配線部に形成されている切欠部である。そのため、回転センサのリード線を切欠部に挿入してリード線を挟持部に組み付けることができる。したがって、回転センサの電動弁への組付け作業を容易にすることができる。
【0014】
本発明に係る電動弁の取付部は、回転センサの外面を保持する内壁を有し、取付部は回転センサを内壁により挟持して保持可能であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る電動弁の取付部は、回転センサを内壁により挟持して保持可能である。そのため、回転センサを内壁間に押し込んで取り付けることが可能である。したがって、組付け作業を容易にすることができる。
【0016】
本発明に係る電動弁は、取付部を囲う壁部と、壁部の端面とを有し、壁部は、端面の取付部の表面からの垂直方向距離より小さく形成されている流出部を有していることが好ましい。
【0017】
本発明に係る電動弁は、壁部と、壁部の端面とを有し、壁部は、端面の取付部の表面からの垂直方向距離より小さく形成されている流出部を有している。そのため、取付部内に樹脂材を充填しても、取付部に充填される樹脂材が所定量以上となったときに、流出部から樹脂材を流出させて、樹脂材を一定の高さに自動的に調整することができる。したがって、取付部に必要量以上の樹脂材が充填されて盛り上がった樹脂材が他の部品と干渉することを防止することができ、回転センサの組付け作業を容易にすることができる。
【0018】
本発明に係る電動弁は、少なくともリード線を覆う封止部を備え、流出部は複数設けられ、少なくとも封止部を挟む位置に配置されていることが好ましい。
【0019】
本発明に係る電動弁は、封止部を備えており、流出部は複数設けられ、少なくとも封止部を挟む位置に配置されている。そのため、取付部に充填される粘度を有する樹脂材は、速く、かつ均一な高さになるように自動的に調整される。したがって、回転センサの組付け作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る電動弁を含む冷却システムの全体概要図である。
図2図1の電動弁を示す垂直断面図である。
図3図1の電動弁の別な垂直断面図である。
図4図3の部分Cを内面側から示す斜視図である。
図5図4のV-V断面図である。
図6A図5の配線部の一端部を矢視Dの方向視で示す側面図である。
図6B】配線部の他の実施例を示す側面図である。
図7】回転センサの取付部への取り付け方法を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施の形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る電動弁100を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電動弁100を備える冷却システムの全体概要図である。
【0022】
図1を参照して、電動弁100が適用された自動車用冷却システムを説明する。本発明の実施の形態に係る電動弁100は、冷却システムにおいて流量調整弁として利用可能である。自動車用冷却システムに用いられた電動弁100は、例えば車両に備えられている内燃機関ENGの上部のシリンダヘッドCHに取り付けられている。電動弁100には、内燃機関ENGに設けられているウォーターポンプWPにより加圧された冷却システムの流体、すなわち冷却水が導入される。電動弁100は、冷却水をラジエータRAD、及び、ヒータHT、AT又はCVT等の変速機TM、並びに排ガス再循環装置EGRなどの冷却水利用装置へ供給量を調整して分配する。なお、冷却水利用装置としては、ヒータHT、変速機TM、排ガス再循環装置EGRに限られず、車両により必要な装置が設けられている。
【0023】
電動弁100からラジエータRADへの冷却水は、電動弁100からフィード側の配管L1を通して送出される。冷却水は、送風ファンFANを備えているラジエータRAD内を通りながら放熱して温度が低下する。ラジエータRADを通った冷却水は、リターン側の配管L1を通って内燃機関ENGに戻される。電動弁100と、ヒータHT、変速機TM、及び排ガス再循環装置EGRとの間は、電動弁100からフィード側の配管L2、L3、及びL4を通してそれぞれ送出される。ヒータHT、変速機TM、及び排ガス再循環装置EGRを通った冷却水は、リターン側の配管L2、L3、及びL4を通ってウォーターポンプWPに戻される。ウォーターポンプWPに戻った冷却水は加圧されて再度送出され、シリンダヘッドCHを通過した後、電動弁100を介して、ラジエータRADと、各冷却水利用装置へ分配される。
【0024】
図2、及び図3を参照して、電動弁100の構成を説明する。図2は、電動弁100の垂直断面図であって、弁体80を通る平面での断面図である。図3は、図2と別な垂直断面図である。図2には、電動弁100への冷却水の流入と、流出の経路が示されている。図3には、カバー110が示されている。
【0025】
図2は、弁体80が閉弁している状態を示している。電動弁100は、ハウジング10、モータ65、減速装置66、及び弁体80を備えている。ハウジング10は、略円柱形状の内部空間からなる弁収容部20、モータ収容部26、減速装置収容部27、カバー110、を備えている。電動弁100は、冷却水をラジエータRADに流す流路Bを有しており、流路Bには弁体80が配置されている。図2において、流路Bは、破線矢印Bで示されている。弁体80は、図示されない制御装置により、弁の開閉が制御される。
【0026】
流路Bは、冷却水をラジエータRADに流す流路である。弁体80は、冷却水温度Txのみによる開閉が制御される制御方法の他、必要に応じて車両走行状態等にも応じて制御される。
【0027】
ハウジング10は、ラジエータRADへ送出する冷却水が送出される第1流出部11、各冷却水利用装置へ送出される冷却水が送出される第2流出部12、及び冷却水を内燃機関ENGから導入する流入部18を備えている。電動弁100は、弁収容部20の下面をシリンダヘッドCHの上部に当接させて固定されている。第1流出部11及び第2流出部12には、第1アダプタ23及び第2アダプタ24がそれぞれ嵌め込まれて固定されている。第1アダプタ23には配管L1、第2アダプタ24には配管L2~L4の何れか1つ以上が接続されている。本実施形態においては、第1流出部11、第2流出部12が、本発明の連通口に該当する。
【0028】
第1アダプタ23の一端部31、第2アダプタ24の一端部32は、シールと、スプリングとを含むシール装置をそれぞれ有している。第1アダプタ23の一端部31には、シール33、及びスプリング76、第2アダプタ24の一端部32には、シール37、及びスプリング77を有している。シール33、37は、弾性材料、例えば樹脂材料、又はゴム等で一体的に形成されている。
【0029】
一端部31、32は、開口部を有する円筒形状に形成されている。一端部31、32の開口部には、一端部31、32の内径に対し、それぞれわずかに小さい外径に形成されたスプリング76、77が挿入されている。一端部31、32の開口部の内面には、一端部31、32の中心軸線X1、X2方向に対して垂直な環状面がそれぞれ設けられている。
【0030】
一端部31、32と弁体80との間には、それぞれ円筒部材34、38が配置されている。円筒部材34、38は、弁体80の対応する部位にそれぞれ接している。円筒部材34、38は、スプリング76、77の一方の端部がそれぞれ当てられて取り付けられている。すなわち、円筒部材34、38は、スプリング76、77により、弁体80の対応する曲面にそれぞれ押圧されている。したがって、弁体80が作動して回転した場合でも、スプリング76、77で付勢された円筒部材34、38が追従して弁体80との接触状態が保たれる。そのため、弁体80から流れ出る冷却水は、円筒部材34、38およびシール33、37により漏れることなく、第1アダプタ23、及び第2アダプタ24内をそれぞれ流れることができる。
【0031】
図2を参照して、弁収容部20の下部に設けられている当接部17を説明する。なお、ここでは、図2の図面上方を上、図面下方を下として説明する。内燃機関ENGのシリンダヘッドCHには、上方に向けて開口しているシリンダヘッド開口部OPが設けられている。当接部17は、ハウジング10のシリンダヘッドCHの取付部に当接可能なように平面を有している。当接部17には、シリンダヘッド開口部OPの開口形状に対応した流入部18が設けられている。電動弁100は、流入部18がシリンダヘッド開口部OPに合わせられた状態で、シリンダヘッドCHの上面に当接してシリンダヘッドCHに図示しないボルト類で固定されている。流入部18は、当接部17に形成されている開口部である。当接部17は、当接部17において流入部18の外側を囲むように設けられているシール19を有している。
【0032】
電動弁100の弁収容部20は、流入部18と連通している。弁収容部20には弁体80が収容されている。
【0033】
図2に示されているように、減速装置66は電動弁100の上部に形成されている減速装置収容部27に収容されている。減速装置収容部27は、カバー110により密閉された密閉空間である。カバー110は、内側面に回転センサが取り付けられている部材であり、電動弁100の上部に被せるように取り付けられている。減速装置66は複数の歯車67を有している。複数の歯車の中の1つの歯車67はその中央に嵌合孔を有している。歯車67の嵌合孔には、弁体80の回転軸87が嵌入している。回転軸87の歯車67側の端部、すなわちカバー110側の端部には、回転センサ検出用の被検出部105が設けられている。被検出部105は、例えばマグネットである。減速装置66の複数の歯車のうちの1つは、モータ65の図示されない出力軸に固定されており、制御装置によりモータ65が回転制御され、回転トルクが減速装置66により伝えられる。最終の歯車67に伝えられた回転力は、弁体80を一方向、又は他方向に所定回転角度分回転させる。本実施形態では、モータ65と減速装置66で駆動装置が構成されている。
【0034】
図2に示されているように、流入部18には、支持部40が嵌め込まれている。支持部40は、回転軸87の下側の端部を支持している部材である。支持部40は、複数の棒状部41と、回転軸87と互いの中心軸線が同軸である中央部43とを有している。棒状部41は、上面視で中央部43から放射状に突出して形成されている。
【0035】
[弁体80の構成]
図2を参照して、弁体80の構成を説明する。弁体80は、減速装置66を介して伝えられるモータ65の駆動力で作動する。弁体80は、弁収容部20に収容されている。弁体80は、内部に空間を有する略円柱形状に形成されており、中心孔82が設けられている軸入部81、及び軸入部81に嵌入する回転軸87を有している。弁体80の内部に冷却水の流路である空間が形成されている。
【0036】
円筒形状に形成された弁体80は、側面視でそれぞれの外周面が円弧面に突出している第1弁部83と、第2弁部84とを有している。第1弁部83と第2弁部84とは、弁体80の中心軸線X3方向、すなわち上下方向に重ねられて構成されている。第1弁部83、及び第2弁部84は、互いに相対回転不能に形成されている。弁体80の上側の第1弁部83は、第1アダプタ23の長手方向の延長線上に位置している。また、弁体80の下側の第2弁部84は、第2アダプタ24の長手方向の延長線上に位置している。第1弁部83には、周方向に所定角度範囲に開口した長孔からなる1つの弁開口部85が設けられている。第2弁部84には、周方向に所定角度範囲に開口した長孔からなる一つの弁開口部86が設けられている。
【0037】
電動弁100に接続されているラジエータRAD、及び各冷却水利用装置へ送出される冷却水の送出温度範囲は、各冷却水利用装置により異なっている。そのため、弁の開閉状態が冷却水利用装置ごとに最適となるように、弁開口部85、及び弁開口部86の長孔の開口角度と、第1弁部83、及び第2弁部84の外周面における開口位置が決定されている。弁開口部85、86の長孔は、中心軸線X3を中心にして、上面視でそれぞれ180度以下の開口角度でそれぞれ形成されている。
【0038】
図3を参照して、電動弁100におけるカバー110の取り付け構造を説明する。図3は、図2と別な断面での垂直断面図であり、回転軸87と、カバー110とを通る平面による断面図である。図3には、電動弁100が備えるカバー110、弁体80、及びモータ65が示されている。
【0039】
カバー110は、電動弁100の上部に被せられて取り付けられ、減速装置収容部27の上方に位置する部材である。カバー110の内側面106には、回転センサ101が取り付けられる取付部111が設けられている。カバー110は、両端部を露出させてインサート成形されている入出力用の複数の配線部130(バスバー(bus bar))を有している。カバー110は、図示されない制御装置と接続されるコネクタ部127が一体的に形成されており、複数の配線部130の一方端は、コネクタ部127の内部に配置されている。回転センサ101は、対象物に対してわずかな隙間を介して配置されて、対象物である回転体の回転角度を検出する。
【0040】
図4を参照して、取付部111を説明する。図4は、図3で符号Cで示す部分の内側面106を電動弁100の内部側から見た状態、換言すれば上下を裏返した状態を示す斜視図である。取付部111は、内側面106の一部領域を囲って配置されており、端面126を有している壁部112、113、114、115、116、117、118、119を有している。壁部112、113、114、115、116、117、118、119は、取付部111を囲って配置されている。すなわち、壁部112、113、114、115、116、117、118、119により、取付部111の領域が画定されている。壁部112、113は、平行する1組の壁部を形成している。壁部115、116は、互いに離れているが、平行な関係となるように配置、例えば一直線上に配置されており、壁部114と、115及び116は、平行する1組の壁部を形成している。すなわち、壁部112、113、114、115、116は、略長方形の領域を画定している。
【0041】
壁部117、118は、一定長さで直線部分に形成されている部分を含んでおり、前記直線部分が壁部115、116にそれぞれ直交して配置されている。壁部112、113、114、115、116により画定されている略長方形の領域と、壁部117、118、119により画定されている円弧状の輪郭線を含む領域とは、つながって形成されている。
【0042】
回転センサ101に接続される複数の配線部130の他方端は、取付部111に配置されており、回転センサ101のリード線102が接続されている。回転センサ101と、リード線102とが取り付けられた状態で、取付部111には、封止部129が形成されている。封止部129は、流動性の樹脂材、例えば接着剤が取付部111に充填され、固化した部分である。又は、封止部129は充填材として用いられるポッティング材でもよい。流動性の樹脂材は、取付部111の表面から所定の垂直方向の高さまで充填されている。封止部129は、回転センサ101、配線部130、及び取付部111を覆って封止している。封止部129は、少なくとも複数のリード線102を覆っており、そのためリード線102の位置が固定されている。それにより、複数のリード線102同士は、短絡することなく保持されることが可能である。
【0043】
図4に示されているように、壁部114、115、116は、壁部114、115、116の端面126、及び流出部121、122、123をそれぞれ有している。流出部121、122、123は、壁部は114、115、116の端面126の取付部111の表面からの垂直方向距離より小さく形成されている流出部121、122、123を有している。すなわち、流出部121、122、123は、壁部114、115、116の端面にそれぞれ設けられているへこみ部分である。流出部121、122、123は、取付部111に充填される樹脂材が所定量以上となった時に、流出部121、122、123から樹脂材を流出させて、樹脂材を一定の高さに自動的に調整することができる。封止部129の表面の取付部111からの垂直方向距離、すなわち封止部129の表面の位置が所定高さとなるように、なお、流出部121、122、123は、壁部114、115、116以外の壁部117、118、119等の何れの壁部に設けられていてもよい。
【0044】
図5には、図4のV-V断面が示されている。流出部121の取付部111の表面からの垂直方向距離L1は、壁部114の端面126の取付部111の表面からの垂直方向距離L2より小さく形成されている。これにより、垂直方向距離L1以上の高さに充填された過剰な流動性の樹脂材は、流出部121、122、123から流出する。したがって、封止部129の表面の取付部111からの垂直方向距離は、L1に自動的に調整される。上記において、流出部121を用いて説明したが、流出部122、123も、上記の流出部121と同じ高さ関係で形成されている。壁部114と、壁部115、116とは、両者の間に封止部129を挟んで平行に配置されている。すなわち、流出部121と、流出部122、123とは、封止部129を挟んだ位置に配置されている。
【0045】
本発明に係る電動弁100は、壁部114、115、116、117、118、119と、壁部114、115、116、117、118、119の端面126とを有し、壁部114、115、116、117、118、119は、端面126の取付部111の表面からの垂直方向距離より小さく形成されている流出部121、122、123を有している。そのため、取付部111に充填される樹脂材が所定量以上となったときに、流出部121、122、123から樹脂材を流出させて、樹脂材を一定の高さに自動的に調整することができる。したがって、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。
【0046】
本発明に係る電動弁100は、封止部129を備えており、流出部121、122、123は複数設けられ、少なくとも封止部129を挟む位置に配置されている。そのため、取付部111に充填される粘度を有する樹脂材は、速く、かつ均一な高さになるように自動的に調整される。したがって、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。なお、流出部121、122、123は必ずしも複数設ける必要はなく、例えば、1つであってもよい。
【0047】
図4図6A、及び図6Bを参照して、配線部130の一端部に設けられている挟持部131を説明する。図4に示されているように、配線部130は、導電性の板状部材から形成されている。取付部111に配置されている挟持部131は、例えば配線部130の一端部を直角にして立ち上げた形状に形成されている。図6Aは、図4における矢視D方向、すなわちリード線102が取り付けられた状態の挟持部131を示す側面図である。配線部130の一端部には、切欠部132と、切欠部132により二又形状に形成されている挟持部131と、が形成されている。
【0048】
切欠部132は、例えば、配線部130の一端部から配線部130の長手方向に沿って一定幅で切り込まれた溝である。切欠部132の溝幅は、リード線102が切欠部132に確実に接触して接続することが可能なように、言い換えれば圧入可能なように、リード線102の幅寸法より少し短く形成されている。切欠部132の先端の両側に位置する角部は斜めにカットされており、切欠部132の入り口部はリード線102の幅寸法より広く形成されている。したがって、リード線102を切欠部132に挿入しやすくなっている。リード線102は切欠部132に垂直に挿入されて固定される。リード線102を切欠部132に挿入するのみで固定可能である。リード線102を組付け後、必要に応じて切欠部132にはんだ付けを追加する。それにより、リード線102を挟持部131により確実に固定できる。
【0049】
本発明に係る電動弁100は、回転センサ101のリード線102が接続される配線部130を備えており、配線部130は、リード線102を挟持する挟持部131を有している。そのため、電動弁100は、リード線102を挟持部131に挿入するのみで固定可能である。したがって、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減できる電動弁100とすることができる。
【0050】
本発明に係る電動弁100の挟持部131は、リード線102を取付部111に接近する方向に移動させて取り付け可能に形成されている。そのため、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができる。
【0051】
本発明に係る電動弁100の挟持部131は、配線部130に形成されている切欠部132を有している。そのため、回転センサ101を挿入して挟持部131に組み付けることができる。したがって、組付け作業を容易にすることができる。
【0052】
なお、切欠部132は、配線部130の一端部から切り込まれた溝の替わりに、配線部130の途中部に長穴を設け、長穴を2つ折りにするように配線部130を折り曲げて、長穴部分を切り欠きのように形成してもよい。
【0053】
図6Bは、図6Aに示されている配線部130の変形例の配線部を示している。図6Bは、図6Aと同じ矢視Dによる側面図である。配線部135は、配線部130と同じ導電性の板状部材から形成されているが、配線部135の一端部の折り曲げの向きが異なって挟持部136が形成されている。挟持部131は導電性の板状部材の一端部を切り欠いて形成されているが、挟持部136は、折り曲げ加工を複数回繰り返して、配線部135の一方の表面間に挟み込む形態の挟持部136として形成されている。リード線102を挟み込む対向した表面間の間隔は、リード線102が挟持部136に確実に接触して接続されるように、リード線102の幅寸法よりわずかに小さく形成されている。
【0054】
図4を参照して、取付部111に設けられている回転センサ101を保持する保持構造を説明する。取付部111は、壁部117、118、119に設けられている内壁141、142、143をそれぞれ有している。回転センサ101は、内壁141、142、143に囲まれた空間に取り付けられている。回転センサ101は、扁平な直方体に形成されており、回転センサ101の平行な1組の外面には被嵌合部107、108が設けられている。また、内壁143には、回転センサ101の対応する外面が接した状態で回転センサ101が取り付けられている。内壁141、142間の寸法は、内壁141、142に挟まれる1組の対辺間の寸法と同じか、若干小さく形成されている。そのため、回転センサ101は、内壁141、142間に圧入されて、確実に固定される。
【0055】
本発明に係る電動弁100の取付部111は、回転センサ101の外面を保持する内壁141、142、143を有し、取付部111は回転センサ101を内壁141、142、143により挟持して保持可能である。そのため、回転センサ101を内壁141、142、143間に押し込んで取り付けることが可能である。したがって、組付け作業を容易にすることができる。
【0056】
内壁141、142には、突出部である嵌合部145、146が設けられている。一方、回転センサ101の1組の平行な外面には、嵌合部145、146が嵌合する凹部である被嵌合部107、108が設けられている。回転センサ101が壁部117、118、119内に取り付けられた状態で、嵌合部145、146は、被嵌合部107、108に嵌合している。
【0057】
すなわち、内壁141、142、143は、対応する回転センサ101の外面をそれぞれ支持し、嵌合部145、146は、被嵌合部107、108に嵌合して支持している。
【0058】
なお、内壁141、142、143は、壁部117、118、119の側面以外に設けられてもよい。例えば、壁部117、118、119が設けられずに、平面状に形成された取付部111に回転センサ101が嵌る大きさのくぼみが設けられ、そのくぼみの内側面を回転センサ101が固定される内壁141、142、143としてもよい。また、嵌合部145、146を突出部、被嵌合部107、108を凹部とする替わりに、突出部と、凹部とは、入れ替えて形成されていてもよい。すなわち、嵌合部145、146を凹部、被嵌合部107、108を突出部として形成してもよい。
【0059】
[回転センサ101と、回転軸87との位置関係]
図3を参照して、回転センサ101と、検出対象部材との位置関係を説明する。カバー110は、電動弁100の上部に、内側面106が下側、すなわち電動弁100の内部側になるように取り付けられている。回転センサ101は、回転軸87の回転角度を検出する。カバー110が電動弁100に取り付けられている状態において、回転センサ101は回転軸87の被検出部105に対してわずかな隙間を挟んで隣接する位置となるように、カバー110、及び電動弁100に配置されている。回転センサ101と弁体80との間には収容空間が形成されている。回転軸87の上端部は収容空間内に突出している。
【0060】
回転センサ101、及び回転センサ101を覆う封止部129は、回転軸87等の部品とわずかな隙間を有して取り付けられている。回転センサ101の取り付け位置精度、及び封止部129の取付部111からの垂直方向距離は、回転センサ101が回転軸87の回転角度を精度よく検出するために重要である。また、回転センサ101の取り付け位置精度、及び封止部129の取付部111からの垂直方向距離は、カバー110が隣接する電動弁100内の他部品と干渉しないためにも重要である。
【0061】
[回転センサ101の取り付け手順]
図7を参照して、回転センサ101の取り付け手順を説明する。なお、組付作業をする主体は、人間、組立ロボット、組立装置等、適宜選択できる。以下の説明では、組立作業をする主体を「作業主体」という。回転センサ101を作業主体で保持し、回転センサ101を取付部111に近づける。嵌合部145、146を被嵌合部107、108に合わせながら、センサ本体103を内壁141、142、143の内側の空間に嵌め込む。センサ本体103の嵌め込みと同時に、各リード線102を作業主体で保持しながら、各リード線102に対応する挟持部131の切欠部132に挿入する。センサ本体103と、各リード線102の挿入を同時に行うことで、各リード線102の切欠部132への挿入をセンサ本体103の嵌め込みの後に行う場合に比べて、作業工程数を削減できる。回転センサ101の取り付けが完了したら、取付部111に流動性の樹脂材を充填して回転センサ101を覆い、固化させて封止部129を形成する。なお、封止部129は少なくとも各リード線102を覆っていればよい。以上の方法で、回転センサ101を取付部111に取り付ける。完成したカバー110は、電動弁100の所定部位に取り付けられる。なお、各リード線102の切欠部132への挿入は、センサ本体103の嵌め込みと同時ではなく、その後に行ってもよい。
【0062】
本発明に係る電動弁(100)は、
一端に開口(流入部18)を有し、外周に連通口(第1流出部11、第2流出部12、第3流出部)を有するハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)内に挿入されて回転軸(87)を中心に回転して前記連通口(第1流出部11、第2流出部12、第3流出部)を開閉する弁体(80)と、
前記弁体(80)を回転駆動する駆動装置(モータ65と減速装置66)と、
前記回転軸(87)の一端に装着される被検出部(105)と、
前記被検出部(105)の回転角度を検知する回転センサ(101)と、
前記ハウジング(10)の他端に装着されるカバー(110)と、
を備え、
前記回転センサ(101)は、センサ本体(103)と、リード線(102)とを有し、
前記カバー(110)は、前記センサ本体(103)を前記被検出部(105)と向かい合わせに保持する取付部(111)と、前記リード線(102)が接続される入出力用の配線部(130,135)と、を備え、
前記配線部(130,135)は、前記リード線(102)を挟持する挟持部(131,136)を有する。
【0063】
本発明に係る電動弁100は、回転センサ101のリード線102が接続される配線部130、135を備えており、配線部130、135は、リード線102を挟持する挟持部131、136を有している。そのため、本発明の電動弁100は、リード線102を挟持部131、136に挿入するのみでリード線102を配線部130、135に固定可能である。したがって、電動弁100への回転センサ101の組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。
【0064】
本発明に係る電動弁100の挟持部131、136は、前記回転センサ101を前記取付部111に挿入する方向と同一の方向から前記リード線102を受け入れて挟持可能に形成されていることが好ましい。
【0065】
本発明によれば、回転センサ101を取付部111に挿入する方向と同一の方向からリード線102を受け入れて挟持可能である。そのため、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができる。
【0066】
本発明に係る電動弁100の挟持部131、136は、配線部130に形成されている切欠部132を有していることが好ましい。
【0067】
本発明に係る電動弁100の挟持部131、136は、配線部130に形成されている切欠部132である。そのため、回転センサ101のリード線102を切欠部132に挿入してリード線102を挟持部131、136に組み付けることができる。したがって、回転センサ101の電動弁100への組付け作業を容易にすることができる。
【0068】
本発明に係る電動弁100の取付部111は、回転センサ101の外面を保持する内壁141、142、143を有し、取付部111は回転センサ101を内壁141、142、143により挟持して保持可能であることが好ましい。
【0069】
本発明に係る電動弁100の取付部111は、回転センサ101を内壁141、142、143により挟持して保持可能である。そのため、回転センサ101を内壁141、142、143間に押し込んで取り付けることが可能である。したがって、組付け作業を容易にすることができる。
【0070】
本発明に係る電動弁100は、取付部111を囲う壁部114、115、116、117、118、119を有し、壁部114、115、116、117、118、119は、壁部114、115、116、117、118、119の端面の取付部111からの垂直方向距離が、他の部分より小さく形成されている流出部121、122、123を有していることが好ましい。
【0071】
本発明によれば、取付部111に充填される樹脂材が所定量以上となった時に、流出部121、122、123から樹脂材を流出させて、樹脂材を一定の高さに自動的に調整することができる。したがって、回転センサ101であるセンサの組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。
【0072】
本発明に係る電動弁100は、少なくともリード線102を覆う封止部129を備え、流出部121、122、123は複数設けられて、少なくとも封止部129を挟む位置に配置されていることが好ましい。リード線102が封止部129で覆われているため、リード線102を封止部129で絶縁することができ、リード線102の短絡を防止することができる。
【0073】
本発明によれば、取付部111に充填される粘度を有する樹脂材は、速く、かつ均一な高さになるように自動的に調整される。したがって、回転センサ101の組付け作業を容易にすることができ、設備費用を低減することができる。
【0074】
<他の実施の形態>
上記実施の形態においては、本発明に係る、センサ本体103と、リード線102とを有する回転センサ101が取り付けられる取付部111、及び少なくとも一部が取付部111に配置され、リード線102が接続される配線部130を備え、配線部130は、リード線102を挟持する挟持部131を有しているカバー110、及びそれを備える電動弁100を説明した。しかしながら、本発明の電動弁100はこれに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。例えば、電動弁100は、内燃機関ENGのみを駆動源として備える車両以外に適用されてもよく、ハイブリッド車が備える内燃機関ENG、電動車が備える駆動力発生用モータ等、流体により冷却される車両用、又は車両以外の装置に適用可能である。
【0075】
また、本発明は、電動弁100の内部にサーモスタットを介設させたバイパス路を備えるものであってもよい。また、本発明は、上記実施の形態で説明した、各部材の材質、各種配管位置、及び冷却回路における各装置の配置は、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 ハウジング
11 第1流出部
12 第2流出部
13 第3流出部
18 流入部
22 内部空間
23 第1アダプタ
24 第2アダプタ
25 第3アダプタ
40 支持部
65 モータ
66 減速装置
80 弁体
83 第1弁部
84 第2弁部
85,86 弁開口部
87 回転軸
100 電動弁
101 回転センサ
102 リード線
103 センサ本体
105 被検出部
110 カバー
111 取付部
114,115,116,117,118,119 壁部
121,122,123 流出部
126 端面
129 封止部
130,135 配線部(バスバー(bus bar))
131,136 挟持部
132 切欠部
141,142,143 内壁
T1 第1温度
T2 第2温度
Tx 流体温度(冷却水温度)
EGR 排ガス再循環装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7