(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024627
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】半導体装置、オペアンプ、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10D 86/40 20250101AFI20250213BHJP
H10D 84/83 20250101ALI20250213BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250213BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20250213BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
H01L29/78 613Z
H01L27/088 C
G09F9/30 338
G02F1/1368
H03F3/45 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128874
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】青木 義典
【テーマコード(参考)】
2H192
5C094
5F048
5F110
5J500
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192CB34
2H192FB03
2H192FB05
5C094AA21
5C094BA03
5F048AC01
5F048BB03
5F048BB09
5F048BD02
5F048BD10
5F048BF02
5F048BF07
5F110BB02
5F110CC01
5F110DD11
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110EE28
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG28
5F110GG29
5F110HL02
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL06
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN73
5F110NN78
5J500AA01
5J500AC81
5J500AH10
5J500AK02
5J500AK06
5J500AK09
5J500DN01
(57)【要約】
【課題】変動の少ない電流を生成可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】
半導体装置は、第1のゲート電極を含む第1のトランジスタと、前記第1のゲート電極に電気的に接続された第2のゲート電極を含み、前記第1のゲート電極に電気的に接続された第2のゲート電極及び前記第1のトランジスタのドレイン電極に電気的に接続されたソース電極を有する第2のトランジスタと、を含み、前記第1のトランジスタは第1のチャネル幅及び第1のゲート長を有し、前記第2のトランジスタは第2のチャネル幅及び第2のゲート長を有し、前記第2のチャネル幅を前記第2のゲート長で除算した値は、前記第1のチャネル幅を前記第1のゲート長で除算した値以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲート電極を含む第1のトランジスタと、
前記第1のゲート電極に電気的に接続された第2のゲート電極、及び前記第1のトランジスタのドレイン電極に電気的に接続されたソース電極を有する第2のトランジスタと、
を含み、
前記第1のトランジスタは第1のチャネル幅及び第1のゲート長を有し、
前記第2のトランジスタは第2のチャネル幅及び第2のゲート長を有し、
前記第2のチャネル幅を前記第2のゲート長で除算した値は、前記第1のチャネル幅を前記第1のゲート長で除算した値以上である、
半導体装置。
【請求項2】
前記第1のゲート長は前記第2のゲート長と同じである、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2のチャネル幅は、前記第1のチャネル幅のN倍である、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体装置は、活性層を含み、
前記活性層は、前記第1のチャネル幅及び前記第2のチャネル幅を有する一つのパターンを含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記活性層は、ポリシリコンを含む、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のトランジスタのソース電極は、電圧供給線に電気的に接続され、前記電圧供給線からグラウンド電圧を供給される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体装置を複数備えた、
オペアンプ。
【請求項8】
前記複数の半導体装置は、第1の信号が入力される第1の半導体装置を含み、
前記第1の半導体装置と、前記第1の半導体装置に電気的に接続された差動増幅部と、前記差動増幅部に電気的に接続されたカレントミラー部とを含む第1の増幅回路を含む、
請求項7に記載のオペアンプ。
【請求項9】
前記複数の半導体装置は、前記第1の信号が入力され、前記第1の半導体装置とは異なる第2の半導体装置を含み、
前記第1の増幅回路に電気的に接続され、前記第2の半導体装置と、前記第2の半導体装置に電気的に接続されたソース接地増幅部とを含む第2の増幅回路を含む、
請求項8に記載のオペアンプ。
【請求項10】
請求項9に記載のオペアンプと、前記オペアンプに電気的に接続された複数の画素と、を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、半導体装置、オペアンプ、及び表示装置に関し、より具体的には、半導体装置、半導体装置を含むオペアンプ、及びオペアンプを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な表示装置が、テレビ、スマートフォンなどに実装され、普及している。表示装置は、例えば、複数の画素を含む。また、表示装置は、複数の画素を駆動する信号を増幅するオペアンプ、又は、表示装置内で使用する電源電圧を生成するオペアンプなどを含む場合がある。表示装置は、オペアンプを備えることで、例えば、電圧の変動、又は、周波数の変動が少ない信号及び電源電圧を用いた動作が可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1は、オペアンプを含む増幅回路を備えた液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オペアンプが、電圧の変動、又は、周波数の変動が少ない信号及び電源電圧を生成するためには、例えば、オペアンプに含まれる定電流源が変動の少ない電流を生成する必要がある。
【0006】
このような問題に鑑み、本発明の一実施形態は、変動の少ない電流を生成可能な半導体装置、半導体装置を含むオペアンプ、及びオペアンプを含む表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、第1のゲート電極を含む第1のトランジスタと、前記第1のゲート電極に電気的に接続された第2のゲート電極、及び前記第1のトランジスタのドレイン電極に電気的に接続されたソース電極を有する第2のトランジスタと、を含み、前記第1のトランジスタは第1のチャネル幅及び第1のゲート長を有し、前記第2のトランジスタは第2のチャネル幅及び第2のゲート長を有し、前記第2のチャネル幅を前記第2のゲート長で除算した値は、前記第1のチャネル幅を前記第1のゲート長で除算した値以上である。
【0008】
本発明の一実施形態は、前記半導体装置を複数備えたオペアンプである。
【0009】
本発明の一実施形態は、前記オペアンプと、前記オペアンプに電気的に接続された複数の画素と、を含む、表示装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置を含む定電流源の構成を示す回路図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る定電流源の各端子に印加される電圧の例を説明するための図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る定電流源の電気特性の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る定電流源の電気特性の実測結果を示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。
【
図6】
図5のA1-A2に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るオペアンプの構成を示す回路図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面などを参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
【0012】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0013】
本願の明細書において、D1方向はD2方向に交差し、D3方向はD1方向及びD2方向(D1D2平面)に交差する。D1方向は第1方向といわれ、D2方向は第2方向といわれ、D3方向は第3方向といわれる。例えば、D1方向、D2方向、及びD3方向は、X方向(x方向)、Y方向(y方向)、及びZ方向(z方向)に対応する。
【0014】
本願の明細書において、同一及び一致という表記を用いている場合、同一及び一致には、設計の範囲での誤差が含まれてもよい。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図8を参照し、半導体装置10を含む定電流源11を説明する。定電流源11は、例えば、接続される負荷の大きさに依らずに出力電流を一定に保つ電源回路である。
【0016】
<1-1.半導体装置10の構成>
図1及び
図2を参照し、半導体装置10、及び、半導体装置10を含む定電流源11の構成を説明する。
図1は、半導体装置10を含む定電流源11の構成を示す回路図である。
図2は定電流源11の各端子に印加される電圧の例を説明するための図である。
【0017】
図1に示されるように、定電流源11は、半導体装置10を含む。半導体装置10は、ゲート電極102、ソース電極104及びドレイン電極106を含む第1のトランジスタ100、及び、ゲート電極102に電気的に接続されたゲート電極112、ドレイン電極106に電気的に接続されたソース電極114、及び、ドレイン電極116を含む第2のトランジスタ110を含む。ドレイン電極106及びソース電極114は互いに中間電極MIDに接続されている。中間電極MIDは中間ノードと呼ばれる場合がある。なお、本明細書及び図面において、トランジスタのソース電極及びドレイン電極に供給(印加)される電圧によって、各々の電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わる場合がある。
【0018】
ゲート電極102及びゲート電極112は、入力信号線12に電気的に接続される。ソース電極104は、第1の電圧供給配線14に電気的に接続される。ドレイン電極116は出力信号線16に電気的に接続される。
【0019】
各端子の名称は、定電流源11の入力及び出力を限定するものではない。定電流源11への入力及び出力は、出力信号OUT1の電圧及び入力信号IN1の電圧に応じて、入れ替わる場合がある。
【0020】
入力信号IN1が入力信号線12に供給され、共通電圧VLが第1の電圧供給配線14に供給され、出力信号OUT1が出力信号線16に出力される。共通電圧VLは、例えば、グラウンド電圧であってよく、0Vであってよく、VSSであってよく、接地電圧であってよく、共通電圧VLを用いる装置などにおける基準となる電圧であってもよい。
【0021】
図2に示されるように、半導体装置10、及び、半導体装置10を含む定電流源11は、二つのゲート電極(所謂ダブルゲート)を含む一つのトランジスタを含むものと見なしてよい。定電流源11では、出力信号線16をドレイン端子D、入力信号線12をゲート端子G、第1の電圧供給配線14をソース端子Sと見なしてよい。
【0022】
例えば、電圧Vgがゲート端子G、ゲート電極102及びゲート電極112に印加され、電圧Vsがソース端子S、及びソース電極104に印加され、電圧Vdがドレイン端子D、及びドレイン電極116に印加され、電圧Vmは中間電極MIDに印加される。電圧Vsは、例えば、0Vである。
【0023】
第1のトランジスタ100のゲート電極102とソース電極104との間に印加されるゲートソース間電圧Vgs1は、Vg-Vs=Vg-0=電圧Vgである。第1のトランジスタ100のドレイン電極106とソース電極104との間に印加されるドレインソース間電圧Vds1は、電圧Vm-電圧Vs=電圧Vm-0=電圧Vmである。
【0024】
第2のトランジスタ110のゲート電極112とソース電極114との間に印加されるゲートソース間電圧Vgs2は、電圧Vg-電圧Vmである。第2のトランジスタ110のドレイン電極116とソース電極114との間に印加されるドレインソース間電圧Vds2は、電圧Vd-電圧Vmである。
【0025】
<1-2.電気特性の比較>
図3及び
図4を参照し、定電流源11の電気特性を説明する。
図3は、半導体装置10を含む定電流源11の電気特性の一例を示す図である。
図4は、半導体装置10の実測結果を示すグラフである。なお、
図3及び
図4では、参考として、定電流源11の電気特性に、比較例1のシングルゲートの定電流源の電気特性、及び比較例2のダブルゲートの定電流源の電気特性を併記する。
図1及び
図2と同一、又は類似する構成については、必要に応じて説明する。
【0026】
比較例1のシングルゲートの定電流源に含まれるトランジスタのチャネル幅及びゲート長、比較例2のダブルゲートの定電流源に含まれる第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれのチャネル幅及びゲート長、及び本実施形態(実施形態1)の定電流源11に含まれる第1のトランジスタ100のチャネル幅及びゲート長、並びに、本実施形態(実施形態1)の定電流源11に含まれる第2のトランジスタ110のチャネル幅及びゲート長を表1に示す。
【0027】
【0028】
表1に示されるように、比較例1のトランジスタのチャネル幅及びゲート長は、例えば、チャネル幅W及びゲート長Lである。また、比較例2の第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの各チャネル幅及びゲート長は、例えば、チャネル幅W及びゲート長Lである。一方、実施形態1の第1のトランジスタ100のチャネル幅及びゲート長は、例えば、チャネル幅W1及びゲート長L1であり、実施形態1の第2のトランジスタ110のチャネル幅及びゲート長は、例えば、チャネル幅W2及びゲート長L2である。なお、実施形態1ではゲート長L1はゲート長L2と同じである。チャネル幅W1は第1のチャネル幅と呼ばれ、チャネル幅W2は第2のチャネル幅と呼ばれ、ゲート長L1は第1のゲート長L1と呼ばれ、ゲート長L2は第2のゲート長と呼ばれる場合がある。
【0029】
また、数値N(N>0)及び基準チャネル幅W3を用いて、チャネル幅W1は以下の数式(1)のように表され、チャネル幅W2は以下の数式(2)のように表される。
【0030】
【0031】
【0032】
薄膜トランジスタが飽和領域で動作する場合には、以下の数式(3)で表されるドレイン電流Idssが、薄膜トランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。また、薄膜トランジスタが線形領域で動作する場合には、以下の数式(4)で表されるドレイン電流Idslが、薄膜トランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。
【0033】
【0034】
【0035】
数式(3)及び数式(4)において、容量C
oxは単位面積当たりのゲート絶縁膜の容量、移動度μは電子の移動度、閾値電圧V
thは薄膜トランジスタの閾値電圧、チャネル幅W、ゲート長Lである。また、
図2を参照して説明した定電流源11と同様に、電圧Vgsは薄膜トランジスタのゲートソース間電圧であり、電圧Vdsは薄膜トランジスタのドレインソース間電圧である。
【0036】
<1-2-1.比較例1の電気特性>
比較例1のシングルゲートの定電流源のトランジスタが飽和領域で動作する場合を考える。この場合には、数式(3)で表されるドレイン電流Idssが、薄膜トランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。すなわち、シングルゲートの定電流源は、数式(3)で表されるドレイン電流Idssを流すことができる。
【0037】
図3は、例えば、比較例1のシングルゲートの定電流源のドレイン電圧VDに対するドレイン電流IDの依存性を示す図である。線形領域(Linear Region)と飽和領域(Saturated Region)との境界では、ソースドレイン間電圧Vds(VD)が、電圧Vgsと閾値電圧Vthとの差、すなわち、Vgs-Vthと同一である。
【0038】
図3に示されるように、比較例1(Prior Art 1)のドレイン電流Idssは、理想的には、ドレイン電圧VDに依存することのない電流であり、所謂、飽和電流、定電流などと呼ばれる。
【0039】
図4は、ドレイン電圧VDに対するドレイン電流IDの依存性を示す実測結果である。
図4に示される規格化ドレイン電流Ids(Ids [a.u])は、ゲートソース間電圧Vgsが4Vで測定されたドレイン電流Idsを、ドレインソース間電圧Vdsが4Vのときのドレイン電流で規格化したドレイン電流である。
【0040】
図4に示されるように、比較例1(Prior Art 1)のチャネル幅W/ゲート長L=9μm/6μmの定電流源は、ドレイン電圧Vdsの上昇に伴いドレイン電圧が急激に上昇し、所謂、キンク特性が抑制されていない。また、ゲート長Lが2倍の12μmであっても、キンク特性が十分に抑制されていない。
【0041】
<1-2-2.比較例2の電気特性>
比較例2のダブルゲートの定電流源のトランジスタが飽和領域で動作する場合を考える。この場合には、数式(3)で表されるドレイン電流Idssが、薄膜トランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。すなわち、シングルゲートの定電流源は、数式(3)で表されるドレイン電流Idssを流すことができる。
【0042】
比較例2のダブルゲートの定電流源が、比較例1のシングルゲートの定電流源のトランジスタと同様に動作する場合を考える。この場合には、第2のトランジスタは飽和領域で動作し、数式(3)で表されるドレイン電流Idssが、第2のトランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。また、第1のトランジスタは線形領域で動作し、数式(4)で表されるドレイン電流Idslが、第1のトランジスタのドレイン端子からソース端子に流れる。
【0043】
なお、
図2を参照して説明した定電流源11と同様に、比較例2のダブルゲートの定電流源の電圧Vsは0Vであり、数式(3)の電圧Vgsは電圧Vg-電圧Vmであり、電圧Vdsは電圧Vd-電圧Vmである。また、数式(4)の電圧Vgsは電圧Vgであり、電圧Vdsは電圧Vmである。
【0044】
比較例2の第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのチャネル幅W及びゲート長Lは、シングルゲートの定電流源のトランジスタのチャネル幅W及びゲート長Lと同じである。よって、数式(3)及び(4)において、Coxは単位面積当たりのゲート絶縁膜の容量、μは電子の移動度、Vthは第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのそれぞれの閾値電圧である。
【0045】
また、ダブルゲートの定電流源の第1のトランジスタ及び第2のトランジスタに流れる電流は同一であり、ドレイン電流Idssはドレイン電流Idslと同一である。数式(3)及び数式(4)が等しいとして、数式(3)及び数式(4)を用いてドレイン電流Idsp2を算出すると、ドレイン電流Idsp2は数式(5)で表すことができる。すなわち、ダブルゲートの定電流源は、数式(5)で表されるドレイン電流Idsp2を流すことができる。
【0046】
【0047】
図4に示されるように、比較例2(Prior Art 2)の第1のトランジスタのチャネル幅W/ゲート長L=9μm/6μm及び第2のトランジスタのチャネル幅W/ゲート長L=9μm/6μmの定電流源は、比較例1の定電流源よりキンク特性を抑制できている。
【0048】
一方で、数式(5)に示されるドレイン電流Idsp2は、数式(3)に示されるドレイン電流Idssの1/2(半分)である。すなわち、
図3に示されるように、比較例2のダブルゲートの定電流源は、比較例1のシングルゲートの定電流源の半分の電流しか流すことができない。
【0049】
<1-2-3.定電流源11の電気特性>
数式(1)及び(2)に基づき、定電流源11の第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1のN倍である。第2のトランジスタ110のチャネル幅W2を第1のトランジスタ100のチャネル幅W1より大きくすることで、中間電極MIDの電圧Vmが、比較例2の中間電極MIDの電圧Vmより大きくなる。その結果、第1のトランジスタ100は、飽和領域により近い線形領域で動作することができる。
【0050】
比較例2と同様に、定電流源11の第1のトランジスタ100及び第2のトランジスタ110に流れる電流は同一であるとして、電圧Vm及び定電流源11のドレイン電流Idseを算出する。電圧Vmは数式(6)で表すことができ、ドレイン電流Idseは数式(7)で表すことができる。すなわち、定電流源11は、数式(7)で表されるドレイン電流Idseを流すことができる。
【0051】
【0052】
【0053】
定電流源11のドレイン電流Idseは、数式(3)に示されるドレイン電流IdssのN/(1+N)倍である。
【0054】
また、電圧Vmの上昇に伴うドレイン電流Idseとドレイン電流Idssの差(ドレイン電流の変化量)は、1-N/(1+N)=1/(1+N)である。チャネル幅W/ゲート長Lを1単位として、ドレイン電流Idseがドレイン電流Idssと同じになるように調整すると、ドレイン電流の変化量による効果は1/Nとなる。すなわち、ドレイン電流の変化量は、1+1/N=(1+N)/Nとなる。
【0055】
このことは、数値Nがチャネル幅W/ゲート長Lを1単位とした場合には、数式(1)と数式(2)とは、第1のトランジスタ100のチャネル幅/ゲート長Lと第2のトランジスタ110のチャネル幅/ゲート長Lとが、(1+N)/N:(1+N)であることを表している。すなわち、チャネル幅W2を第2のゲート長L2で除算した値は、チャネル幅W1を第1のゲート長L1で除算した値以上である。例えば、N=2の場合には、ドレイン電流の変化量は1.5倍となり、N=4の場合には、ドレイン電流の変化量は1.25倍となる。
【0056】
例えば、N=1の場合には、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1と、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2との比(W比)は2:2となる。基準チャネル幅W3が、例えば、4μm(W3=4)の場合には、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1は8μmであり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は8μmである。また、N=4の場合には、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1と、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2との比は1.25:5となる。基準チャネル幅W3が、例えば、4μm(W3=4)の場合には、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1は5μmであり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は20μmである。一例として、基準チャネル幅W3が4μmにおいて、W比、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1、及び第2のトランジスタ110のチャネル幅W2を表2に示す。なお、チャネル長L1=L2は、例えば、6μmである。ここで説明された基準チャネル幅W3、チャネル長L1及びチャネル長L2は、一例であって、基準チャネル幅W3、チャネル長L1及びチャネル長L2は、ここで説明された数値に限定されない。基準チャネル幅W3、チャネル長L1及びチャネル長L2の各数値は、半導体装置10、又は半導体装置10を含む定電流源11の用途や仕様に応じて、各数式を満たすように適宜設定されてよい。
【0057】
【0058】
ドレイン電流Idssは理想的な飽和電流であり、ドレイン電流の変化量が小さくなるほど、すなわち、数値Nが大きくなるほど、定電流源11のドレイン電流Idseは理想的な飽和電流に近い電流となる。すなわち、数値Nが調整されることによって、定電流源11のドレイン電流Idseを理想的な飽和電流に調整できる。
【0059】
例えば、基準チャネル幅W3が3μm(W3=3)、数値Nが2(N=2)のとき、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1は4.5μmであり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は9μmである。
図4に示されるように、実施形態1(Embodiment 1 N=2)の定電流源11は、比較例1の定電流源のドレイン電流及び比較例2の定電流源より、キンク特性を抑制できる。
【0060】
また、例えば、基準チャネル幅W3が3.6μm(W3=3.6)、数値Nが4(N=4)のとき、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1は4.5μmであり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は18μmである。
図4に示されるように、実施形態1(Embodiment 1 N=4)の定電流源11は、N=2の場合の定電流源11より、キンク特性を抑制できる。すなわち、数値Nが大きくなるにつれて、定電流源11のキンク特性は抑制される。
【0061】
N=4のとき、数式(7)に示されるドレイン電流Idseは、数式(3)に示されるドレイン電流Idssの4/5(80%)である。すなわち、
図3に示されるように、実施形態1(Embodiment 1 N=4)の定電流源11は、比較例2のダブルゲートの定電流源より、多くの電流を流すことができる。
【0062】
半導体装置10を含む定電流源11は、第1のトランジスタ100及び第2のトランジスタ110を含むダブルゲートのトランジスタである。第2のトランジスタ110のチャネル幅W2/ゲート長L2は、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1/ゲート長L1より大きく、定電流源11の飽和電流特性は、比較例1及び比較例2の従来の定電流源より改善される。定電流源11がドレイン電流の急激な増加を抑制できる回路であるため、飽和電流特性を改善することができると共に、定電流源11を含む回路は消費電流増加を抑制することができる。
【0063】
<1-3.半導体装置10のレイアウト及び断面構造の例>
図5~
図8を参照し、半導体装置10のレイアウト及び断面構造の例を説明する。
図5、
図7及び
図8は、半導体装置10のレイアウトの一例を示す図である。
図6は、
図5のA1-A2に沿った断面構造を示す断面図である。
図1~
図4と同一、又は類似する構成については、必要に応じて説明する。
【0064】
ここでは、半導体装置10、及び半導体装置10を含む定電流源11が、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))を用いて構成される例を説明する。半導体装置10、及び半導体装置10を含む定電流源11は、薄膜トランジスタ以外のトランジスタを用いて構成されてよい。例えば、半導体装置10、及び半導体装置10を含む定電流源11は、Siウェーハ、SOI基板などを用いて形成されたトランジスタを用いて構成されてよい。
【0065】
はじめに、
図5を参照し、N=4のときの半導体装置10のレイアウトの一例を説明する。
図5はN=4のときの半導体装置10のレイアウトの一例を示す図であり、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1は1.25×W3(基準チャネル幅W3)であり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は5×W3である。また、
図5に示される一例では、第1のトランジスタ100のゲート長L1は、第2のトランジスタ110のゲート長L2と同じである。なお、
図5は、出力信号線16、入力信号線12及び第1の電圧供給配線14を模式的に示すと共に、半導体装置10を含む定電流源11の一例を示す図でもある。
【0066】
図5に示されるように、第1のトランジスタ100は、第2導電膜31a、第1開口部39a、第1導電膜34a、及び半導体膜32aを含む。第2導電膜31aはソース電極104に対応し、第1導電膜34aはゲート電極102に対応する。半導体膜32aは、ドレイン電極106に対応する部分を含む。第2のトランジスタ110は、第2導電膜31b、複数の第1開口部39b、39c及び39d、第1導電膜34b、及び半導体膜32bを含む。第2導電膜31bはドレイン電極116に対応し、第1導電膜34bはゲート電極112に対応する。半導体膜32bは、ソース電極114に対応する部分を含む。ドレイン電極106及びソース電極114は、第1導電膜34aと第1導電膜34bとの間に位置するように設けられる。
【0067】
半導体膜32aは半導体膜32bと接続され、一つのパターン(半導体膜32)を形成している。半導体膜32aの第1導電膜34aが延在する方向に沿った幅はチャネル幅W1であり、半導体膜32bの第1導電膜34bが延在する方向に沿った幅はチャネル幅W2である。すなわち、半導体膜32は、幅の異なる2つのチャネル幅を有する一つのパターンである。また、半導体膜32aのチャネル幅W1は第1の端部32aa及び第2の端部32abを含み、半導体膜32bのチャネル幅W2は第1の端部32ba及び第2の端部32bbを含む。第1の端部32aaと第1の端部32baとは同一直線上に位置するように配置され、第2の端部32abと第2の端部32bbとは、異なる直線上に位置するように配置される。また、第1の端部32aaの一部、第1の端部32baの一部、第2の端部32abの一部、及び第2の端部32bbの一部は、第1導電膜34aと第1導電膜34bとの間に位置するように配置される。なお、半導体膜32は、第1のトランジスタ100及び第2のトランジスタ110の電流経路となるチャネルを含み、活性層と呼ばれる場合がある。
【0068】
例えば、半導体装置10、及び、半導体装置10を含む定電流源11は、チャネル幅W1(第1のチャネル幅W1)を有する半導体膜32a(第1の活性層)と重畳し、ゲート長L1(第1のゲート長)を有するゲート電極102(第1のゲート電極)と、チャネル幅W1を有する半導体膜32aに連続して形成されている半導体膜32b(第2の活性層)と重畳し、ゲート長L2(第2のゲート長)を有するゲート電極112(第2のゲート電極)との2つのゲート電極を含む一つのトランジスタを含む。
【0069】
また、半導体装置10を含む定電流源11は、例えば、第2導電膜31aに接続された第1の電圧供給配線14、第1導電膜34a及び34bに接続された入力信号線12、並びに、第2導電膜31bに接続された出力信号線16を含む。
【0070】
例えば、N=4、及び基準チャネル幅W3が4μmの場合には、半導体装置10を含む定電流源11の第1のトランジスタ100のチャネル幅W1/ゲート長L1は5μm/6μmであり、第2のトランジスタ110のチャネル幅W2/ゲート長L2は20μm/6μmである。N=4、及び基準チャネル幅W3が4μmの場合の半導体装置10を含む定電流源11の電気特性は、比較例1のシングルゲートの定電流源のチャネル長W/ゲート長Lが20μm/30μmの電気特性と概ね同じであると考える。しかし、この場合の比較例1のシングルゲートの定電流源のレイアウトの面積は、半導体装置10を含む定電流源11のレイアウトの面積より、例えば、30%程度大きくなると考えられる。
【0071】
よって、半導体装置10を含む定電流源11は、比較例1の定電流源より、レイアウトの面積を縮小できる。
【0072】
次に、
図6を参照し、半導体装置10の断面構造を説明する。
図6は、半導体装置10が表示装置300に含まれる例を示す図である。
図6に示される表示装置300は、一例として、液晶表示装置である。
【0073】
表示装置300は、例えば、第1の基板120、TFTアレイ層30、配線層40、電極層48、第1の配向膜50、液晶層60、第2の配向膜70、オーバーコート層150、カラーフィルタ層80、及び第2の基板90を含む。
【0074】
第1の基板120の上に、TFTアレイ層30、及び配線層40が設けられる。
【0075】
TFTアレイ層30は、下地膜160、半導体膜32、ゲート絶縁膜33、第1導電膜34a及び34b、絶縁膜35、第2導電膜31a及び31b、第1開口部39a、39b、39c及び39d、及び有機膜38を含む。
【0076】
下地膜160は、第1の基板120の上に設けられる。半導体膜32が、下地膜160の上に設けられる。半導体膜32は、第1のトランジスタ100の半導体膜32a、及び第2のトランジスタ110の半導体膜32bを含む。表示装置300に含まれる各薄膜トランジスタの半導体膜は、半導体膜32と同一の層に設けられる。表示装置300は、n型の薄膜トランジスタ及びp型の薄膜トランジスタを含むが、第1のトランジスタ100及び第2のトランジスタ110は、例えば、n型の薄膜トランジスタである。半導体膜32を形成する材料は、例えば、ポリシリコンである。
【0077】
ゲート絶縁膜33は、半導体膜32を覆うように設けられる。第1導電膜34a、第1導電膜34b、及び入力信号線12は、ゲート絶縁膜33の上に設けられる。第1導電膜34aは第1のトランジスタ100のゲート電極102であり、第1導電膜34bは第2のトランジスタ110のゲート電極112である。また、第1導電膜34a、第1導電膜34b、及び入力信号線12は第1導電膜である。第1導電膜を形成する材料は、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、タンタル(Ta)などの金属、それらの合金などである。
【0078】
絶縁膜35は、第1導電膜34a、第1導電膜34b、及び入力信号線12を覆うように設けられる。絶縁膜35を形成する材料は、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO2)、窒化酸化ケイ素(SiON)などの無機絶縁体である。
【0079】
第1開口部39aは、ゲート絶縁膜33及び絶縁膜35を開口し、半導体膜32aと第2導電膜31aとを電気的に接続する。第1開口部39b、39c及び39dは、例えば、ゲート絶縁膜33及び絶縁膜35を開口し、半導体膜32bと第2導電膜31bを電気的に接続するための開口部である。
【0080】
図示は省略するが、TFTアレイ層30は、第2開口部を含む。第2開口部は、絶縁膜35を開口し、第1導電膜と第2導電膜を電気的に接続するための開口部である。
【0081】
第2導電膜31a及び31bは、絶縁膜35の上面、第1開口部の側面及び底面(絶縁膜35の側面、ゲート絶縁膜33の側面)に設けられる。第1の電圧供給配線14、及び出力信号線16も、第2導電膜31a及び31bと同一の層に設けられる。第2導電膜は、第1導電膜と同様の材料を用いることができる。
【0082】
有機膜38は、第2導電膜を覆うように設けられる。有機膜38を形成する材料は、例えば、ポリイミド系やアクリル系の樹脂である。ポリイミド系やアクリル系の樹脂を用いた有機膜38は、有機膜38よりも下の層の膜、配線、トランジスタなどを形成した際の凹凸を緩和することができる。
【0083】
TFTアレイ層30の形成方法、トランジスタ等の構造、それぞれの膜、層、及び各部材は、本発明の技術分野で通常使用されている方法、及び部材を採用することができる。
【0084】
配線層40は、有機膜38の上に設けられる。配線層40は、第3導電膜(図示は省略)、及び絶縁膜49を含む。絶縁膜49は、第3導電膜を覆うように設けられる。第3導電膜は、例えば、表示装置300に含まれる複数の画素の容量に電圧を供給する容量配線を形成する膜である。第3導電膜は第1導電膜と同様の材料を用いることができ、絶縁膜49は絶縁膜35と同様の材料を用いることもでき、また、有機膜38と同様の材料を用いることもできる。
【0085】
電極層48が、絶縁膜49の上に設けられる。電極層48は、例えば、第4導電膜(図示は省略)、及び絶縁膜45を含む。絶縁膜45は、第4導電膜を覆うように設けられる。第4導電膜は、例えば、前記容量配線、各電極、電源線、配線を互いに接続する配線などを形成する膜である。第4導電膜を形成する材料は、透明導電膜、導電性金属材料の薄い膜などを用いることができる。透明導電膜は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)である。導電性金属材料の薄い膜は、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)などを材料とする薄い膜である。また、絶縁膜45を形成する材料は、絶縁膜35及び有機膜38を形成する材料と同様の材料を用いることができる。
【0086】
また、複数の画素のそれぞれに含まれる画素電極(図示は省略)が、絶縁膜45の上に設けられる。画素電極は、例えば、絶縁膜45、絶縁膜49及び有機膜38を開口する開口部(図示は省略)を介して、画素に含まれるトランジスタのドレイン電極を形成する第2の導電膜(図示は省略)に電気的に接続される。なお、絶縁膜45、絶縁膜49及び有機膜38を開口する開口部は、第4の導電膜及び第3の導電膜を開口してもよい。第1の配向膜50が複数の画素電極を覆うように塗布される。第1の配向膜50は、水平配向性を示す材料によって形成され、第1の基板120が液晶層60に対向する面に配置される。画素電極を形成する材料は、例えば、第4導電膜を形成する材料と同様の透明導電膜を用いることができる。また、第1の配向膜50を形成する材料は、例えば、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。
【0087】
例えば、表示装置300の液晶層60を挟んで、第1の基板120側はTFTアレイ側基板と呼ばれ、第2の基板90側は対向側の基板と呼ばれる。対向側の基板は、第2の配向膜70、オーバーコート層150、カラーフィルタ層80、及び第2の基板90を含む。カラーフィルタ層80、オーバーコート層150、及び第2の配向膜70が、この順に第2の基板90上に設けられる。カラーフィルタ層80は、例えば、赤色を発するカラーフィルタ層、緑色を発するカラーフィルタ層、及び青色を発するカラーフィルタ層を含む。第2の配向膜70が、液晶層60を挟んで、第1の配向膜50に対向する。第2の配向膜70を形成する材料は、例えば、第1の配向膜50と同様のポリイミド系などの樹脂を用いることができる。オーバーコート層150は、例えば、有機材料の樹脂を用いることができる。
【0088】
次に、
図7を参照し、N=4のときの半導体装置10のレイアウトの一例を説明する。
図7に示されるレイアウトは、半導体膜32内の半導体膜32aと半導体膜32bとの配置が、
図5に示されるレイアウトと異なる。
図7に示されるレイアウトのその他の点は、
図5に示されるレイアウトと同じである。よって、
図7に示されるレイアウトの説明において、
図5に示されるレイアウトと同様の内容は、必要に応じて説明する。
【0089】
図7に示されるように、第1の端部32aaと第1の端部32baとは、異なる直線上に位置するように配置され、第2の端部32abと第2の端部32bbとは、異なる直線上に位置するように配置される。また、第1の端部32aaの一部、第1の端部32baの一部、第2の端部32abの一部、及び第2の端部32bbの一部は、第1導電膜34aと第1導電膜34bとの間に位置するように配置される。
【0090】
次に、
図8を参照し、N=1のときの半導体装置10のレイアウトの一例を説明する。
図8に示されるレイアウトは、N=1であること、及び半導体膜32内の半導体膜32aと半導体膜32bとの配置が、
図5に示されるレイアウトと異なる。
図8に示されるレイアウトのその他の点は、
図5に示されるレイアウトと同じである。よって、
図8に示されるレイアウトの説明において、
図5に示されるレイアウトと同様の内容は、必要に応じて説明する。
【0091】
図8に示されるように、第1のトランジスタ100のチャネル幅W1及び第2のトランジスタ110のチャネル幅W2は2×W3(基準チャネル幅W3)である。また、
図8に示される半導体装置10では、
図5に示されるレイアウトと同様に、第1のトランジスタ100のゲート長L1は、第2のトランジスタ110のゲート長L2と同じである。
【0092】
また、
図8に示される半導体装置10の第1の端部32aaと第1の端部32baとは、同一直線上に位置するように配置され、第2の端部32abと第2の端部32bbとは、同一直線上に位置するように配置される。また、第1の端部32aaの一部、第1の端部32baの一部、第2の端部32abの一部、及び第2の端部32bbの一部は、第1導電膜34aと第1導電膜34bとの間に位置するように配置される。
【0093】
以上説明したとおり、第1実施形態に係る半導体装置10、及び半導体装置10を含む定電流源11は、飽和電流特性を改善すること、消費電流増加を抑制すること、及びレイアウト面積の縮小が可能である。
【0094】
<2.第2実施形態>
図9を用いて、第2実施形態に係るオペアンプ21の概要を説明する。
図1~
図8と同一、又は類似する構成については、必要に応じて説明する。
【0095】
図9はオペアンプ21の構成を示す回路図である。オペアンプ21は、第1の増幅回路202及び第2の増幅回路204を含む。第1の増幅回路202はオペアンプ21の入力段と呼ばれる場合があり、第2の増幅回路204はオペアンプ21の出力段と呼ばれる場合がある。なお、オペアンプ21は、一例として、2段の増幅回路を含むが、増幅回路は2段に限定されない。オペアンプ21は、例えば、3段以上の増幅回路を含んでもよい。オペアンプ21の増幅回路の段数は、オペアンプ21の用途や仕様に応じて適宜設定されてよい。
【0096】
第1の増幅回路202は、半導体装置10A、差動増幅部212、及びカレントミラー部214を含む。第2の増幅回路204は、半導体装置10B、及びソース接地増幅部222を含む。詳細は後述されるが、半導体装置10A及び半導体装置10Bは、「第1実施形態」で説明された半導体装置10と同様の構成を有する。すなわち、オペアンプ21は、複数の半導体装置10を含む。半導体装置10Aは第1の半導体装置と呼ばれ、半導体装置10Bは第2の半導体装置と呼ばれる場合がある。なお、半導体装置10A及び半導体装置10Bの構成は、必要に応じて説明する。
【0097】
半導体装置10Aは、第1のトランジスタ100A及び第2のトランジスタ110Aを含む。第1のトランジスタ100A及び第2のトランジスタ110Aはn型のトランジスタである。半導体装置10Aは、ダブルゲートを有する一つのトランジスタである。半導体装置10と同様に、第1のトランジスタ100A及び第2の薄膜トランジスタのトランジスタ110Aは、例えば、n型の薄膜トランジスタである。また、半導体装置10Aは、第1の電圧供給配線14と出力信号線16Aとの間に電気的に接続され、半導体装置10Aのゲート電極は入力信号線12に電気的に接続される。入力信号IN1が入力信号線12に供給され、共通電圧VLが第1の電圧供給配線14に供給され、出力信号OUT1が出力信号線16Aに供給される。
【0098】
差動増幅部212は、第1のトランジスタ20A及び第2のトランジスタ20Bを含む。第1のトランジスタ20Aは、ゲート電極が共通で、電気的に接続された第1のトランジスタ200A及び第2のトランジスタ210Aを含む。すなわち、第1のトランジスタ20Aはダブルゲートを有する一つのトランジスタである。第2のトランジスタ20Bは、第1のトランジスタ20Aと同様に、ゲート電極が共通で、電気的に接続された第1のトランジスタ200B及び第2のトランジスタ210Bを含む。すなわち、第2のトランジスタ20Bはダブルゲートを有する一つのトランジスタである。第1のトランジスタ200A、第2のトランジスタ210A、第1のトランジスタ200B及び第2のトランジスタ210Bはn型の薄膜トランジスタである。
【0099】
第1のトランジスタ20Aは、出力信号線16Aと第1のノード24との間に電気的に接続され、第1のトランジスタ20Aのゲート電極は第1の入力信号線18に電気的に接続される。出力信号OUT1が出力信号線16Aに供給され、第1の入力信号S1が第1の入力信号線18に供給され、出力信号OUT2が第1のノード24に供給される。
【0100】
第2のトランジスタ20Bは、出力信号線16Aと第2のノード26との間に電気的に接続され、第2のトランジスタ20Bのゲート電極は第2の入力信号線22に電気的に接続される。出力信号OUT1が出力信号線16Aに供給され、第2の入力信号S2が第2の入力信号線22に供給され、出力信号OUT3が第2のノード26に供給される。
【0101】
カレントミラー部214は、第3のトランジスタ25A及び第4のトランジスタ25Bを含む。第3のトランジスタ25Aは、第1のトランジスタ20Aと同様に、ゲート電極が共通で、電気的に接続された第1のトランジスタ250A及び第2のトランジスタ260Aを含む。すなわち、第3のトランジスタ25Aはダブルゲートを有する一つのトランジスタである。第4のトランジスタ25Bは、第1のトランジスタ20Aと同様に、ゲート電極が共通で、電気的に接続された第1のトランジスタ250B及び第2のトランジスタ260Bを含む。すなわち、第4のトランジスタ25Bはダブルゲートを有する一つのトランジスタである。第1のトランジスタ250A、第2のトランジスタ260A、第1のトランジスタ250B及び第2のトランジスタ260Bはp型の薄膜トランジスタである。
【0102】
第3のトランジスタ25Aは、第1のノード24と第2の電圧供給配線28との間に電気的に接続され、第3のトランジスタ25Aのゲート電極は第1のノード24に電気的に接続される。出力信号OUT2が第1のノード24に供給され、電源電圧VHが第2の電圧供給配線28に供給される。電源電圧VHは、例えば、電圧VDDである。電圧VDDは、共通電圧VLより大きく、例えば、3Vであってよく、3.3Vであってよく、5Vであってよく、12Vであってよく、15Vであってもよい。電源電圧VHは、オペアンプ21の用途や仕様に応じて、適宜設定されてよい。
【0103】
第4のトランジスタ25Bは、第2のノード26と第2の電圧供給配線28との間に電気的に接続され、第4のトランジスタ25Bのゲート電極は第1のノード24に電気的に接続される。出力信号OUT2が第1のノード24に供給され、電源電圧VHが第2の電圧供給配線28に供給され、出力信号OUT3が第2のノード26に供給される。
【0104】
第3のトランジスタ25Aが、例えば、第4のトランジスタ25Bと同じチャネル幅及びゲート長で形成される場合には、第1のノード24に流れる電流が第2のノード26に流れ、出力信号OUT2に応じた出力信号OUT3が第2のノード26に出力される。
【0105】
半導体装置10Bは、第1のトランジスタ100B及び第2のトランジスタ110Bを含む。第1のトランジスタ100B及び第2のトランジスタ110Bはn型のトランジスタである。半導体装置10Bは、ダブルゲートを有する一つのトランジスタである。また、半導体装置10Bは、第1の電圧供給配線14と出力信号線16Bとの間に電気的に接続され、半導体装置10Bのゲート電極は入力信号線12に電気的に接続される。入力信号IN1が入力信号線12に供給され、共通電圧VLが第1の電圧供給配線14に供給され、出力信号OUT4が出力信号線16Bに供給される。
【0106】
ソース接地増幅部222は、第5のトランジスタ25Cを含む。第5のトランジスタ25Cは、第4のトランジスタ25Bと同様に、ゲート電極が共通で、電気的に接続された第1のトランジスタ250C及び第2のトランジスタ260Cを含む。すなわち、第5のトランジスタ25Cはダブルゲートを有する一つのトランジスタである。第1のトランジスタ250C、及び第2のトランジスタ260Cはp型の薄膜トランジスタである。
【0107】
第5のトランジスタ25Cは、出力信号線16Bと第2の電圧供給配線28との間に電気的に接続され、第5のトランジスタ25Cのゲート電極は第2のノード26に電気的に接続される。出力信号OUT3が第2のノード26に供給され、電源電圧VHが第2の電圧供給配線28に供給され、出力信号OUT4が出力信号線16Bに供給される。
【0108】
第3のトランジスタ25Aが、例えば、第4のトランジスタ25Bと同じチャネル幅及びゲート長で形成される場合には、第1のノード24に流れる電流が第2のノード26に流れ、出力信号OUT2に応じた出力信号OUT3が第2のノード26に出力される。すなわち、第1の増幅回路202は、出力信号OUT2に応じた出力信号OUT3を、第2の増幅回路204に出力する。また、第2の増幅回路204は、出力信号OUT3に応じた出力信号OUT4を出力する。
【0109】
なお、半導体装置10と同様の構成が、第1のトランジスタ20A、第2のトランジスタ20B、第3のトランジスタ25A、第4のトランジスタ25B及び第5のトランジスタ25Cのそれぞれ、又は、第1のトランジスタ20A、第2のトランジスタ20B、第3のトランジスタ25A、第4のトランジスタ25B及び第5のトランジスタ25Cの一部に適用されてもよい。
【0110】
オペアンプ21は、半導体装置10Aを含み、第1の増幅回路202の第2のノード26に安定した電流を流すことができる。また、オペアンプ21は、半導体装置10Bを含み、第2の増幅回路204の出力信号線16Bに安定した電流を流し、出力信号OUT3に応じた安定した出力信号OUT4を出力することができる。また、オペアンプ21の消費電流増加は抑制可能であり、オペアンプ21のレイアウト面積は縮小可能である。
【0111】
<3.第3実施形態>
図10及び
図11を用いて、表示装置300の概要を説明する。
図1~
図9と同一、又は類似する構成については、必要に応じて説明する。
【0112】
図10及び
図11は表示装置300の構成を示す上面図である。表示装置300は、「1-3.半導体装置10のレイアウト及び断面構造の例」で説明した表示装置300と同様の構成を有し、一例として、液晶表示装置である。詳細は後述するが、半導体装置10を含むオペアンプ21と同様の構成及び機能が、例えば、制御回路330及び第2の駆動回路320に含まれる。また、半導体装置10を含むオペアンプ21と同様の構成及び機能が、第1の駆動回路310、又は、ICチップ370に含まれてもよい。
【0113】
図10に示されるように、表示装置300は、第1の基板120、シール部340、第2の基板90、フレキシブルプリント回路基板360(FPC360)、及びICチップ370を含む。第1の基板120及び第2の基板90はシール部340によって貼り合わせられている。シール部340に囲まれた表示領域322には、複数の画素380がD1及びびD2方向にマトリクス状に配置されている。表示領域322は、液晶層60(
図6)と平面視において重なる領域である。
【0114】
周辺領域321は、シール領域324及び端子領域326を含む。周辺領域321は表示領域322の周囲の領域であり、表示領域322を取り囲む。シール領域324は、シール部340と平面視において重なる表示領域322の周囲の領域である。端子領域326は第1の基板120が第2の基板90から露出された領域であり、シール領域324の外側に設けられている。なお、シール領域324の外側とは、シール部340によって囲まれた領域の外側を意味する。FPC360が端子領域326に設けられている。ICチップ370は、一例として、FPC360上に設けられている。ICチップ370は各画素380を駆動させるための制御信号を供給する。
【0115】
図11に示されるように、表示領域322のD1方向に平行に第1の駆動回路310が設けられている。また、表示領域322のD2方向に平行に第2の駆動回路320が設けられている。第1の駆動回路310及び第2の駆動回路320は、シール領域324(
図10)に設けられている。
【0116】
第1の駆動回路310は、例えば、ソースドライバであり、データ信号を選択するマルチプレクサ回路を含んでよい。第2の駆動回路320は、例えば、ゲートドライバ回路である。
【0117】
複数の画素380の配列は、例えば、ストライプ配列である。複数の画素380のそれぞれは、例えば、副画素R、副画素G、副画素Bに対応していてよい。一つの画素が三つの副画素で形成されてよい。画素380は、表示領域322で再現される画像の一部を構成する最小単位である。画素380のそれぞれには、表示素子(図示は省略)が一つ備えられる。
図10に示される例では、表示素子は液晶素子である。副画素が対応する色は液晶素子、又は副画素に設けられるカラーフィルタ(図示は省略)の特性によって決定される。
【0118】
また、ストライプ配列では、副画素R、副画素G、副画素Bが互いに異なる色を与えるように構成することができる。例えば、副画素R、副画素G、副画素Bにそれぞれ、赤色、緑色、青色の三原色を発するカラーフィルタ(図示は省略)を備えることができる。例えば、副画素Rは、赤色を発する赤色カラーフィルタを備え、副画素Gは、緑色を発する緑色カラーフィルタを備え、副画素Bは、青色を発する青色カラーフィルタを備えてよい。三つの副画素のそれぞれに任意の電圧又は電流が供給され、表示装置300は画像を表示することができる。
【0119】
データ信号線331を含む複数のデータ信号線が第1の駆動回路310からD2方向に延在し、D2方向に配列された複数の画素380に接続されている。走査信号線329を含む複数の走査信号線が第2の駆動回路320からD1方向に延在し、D1方向に配列された複数の画素380に接続されている。
【0120】
端子領域326には端子部350が設けられている。端子部350と第1の駆動回路310とは接続配線341で接続されている。同様に、端子部350と第2の駆動回路320とは接続配線341で接続されている。FPC360が端子部350に接続されることで、FPC360が接続された外部機器と表示装置300とが接続され、外部機器からの信号が、例えば、ICチップ370、第1の駆動回路310、第2の駆動回路320、制御回路330、及び各画素380に供給される。表示装置300は、外部機器からの信号、及び、ICチップ370、第1の駆動回路310、及び第2の駆動回路320によって生成された制御信号を用いて、表示装置300に設けられた各画素380を駆動する。
【0121】
例えば、制御回路330は、半導体装置10を含むオペアンプ21Bを含む。制御回路330は、オペアンプ21Bに基づき、外部機器からの信号を成形することができ、安定した電圧を生成することができる。その結果、制御回路330は、例えば、第1の駆動回路310、及び第2の駆動回路320に、成形した信号及び安定した電圧を供給することができる。
【0122】
また、例えば、第2の駆動回路320は、半導体装置10を含むオペアンプ21Aを含む。第2の駆動回路320は、オペアンプ21Aに基づき、外部機器からの信号を成形することができ、安定した電圧を生成することができる。その結果、第2の駆動回路320は、成形された信号及び安定した電圧を、第2の駆動回路320内部の回路に供給することができると共に、成形された信号及び安定した電圧用いて、安定した動作が可能である。また、第2の駆動回路320は、例えば、走査信号線329に、成形した制御信号を供給することができる。換言すると、オペアンプ21Aは走査信号線329に電気的に接続され、走査信号線329、及び走査信号線329に電気的に接続された複数の画素380に成形した制御信号を供給可能である。
【0123】
また、例えば、第1の駆動回路310は、半導体装置10を含む定電流源11(
図2)を含んでもよい。第1の駆動回路310は、定電流源11に基づき、ICチップ370から供給されるデータ信号、及び制御信号を成形することができる。その結果、第1の駆動回路310は、成形された制御信号を、第1の駆動回路310内部の回路に供給することができると共に、成形された制御信号を用いて、安定した動作が可能である。また、第1の駆動回路310は、例えば、データ信号線331に、成形したデータ信号を供給することができる。
【0124】
複数の画素380のそれぞれは、例えば、トランジスタ(図示は省略)、液晶素子(図示は省略)、及び容量素子(図示は省略)を含む。液晶素子、及び容量素子はトランジスタに電気的に接続されている。トランジスタは、走査信号線329、及び、データ信号線331に電気的に接続されている。容量素子は、例えば、画素電極と容量配線346との間に電気的に接続される。液晶素子は、例えば、画素電極(図示は省略)、コモン電極(図示は省略)、及び液晶層60に含まれる液晶分子を含む。コモン電極はコモン配線345と電気的に接続されている。例えば、画素電極が有機膜45(
図6)の上に設けられる。配線層40(
図6)が容量配線346を含み、電極層48(
図6)がコモン電極及びコモン配線を含む。
【0125】
例えば、制御回路330は、容量配線346及びコモン配線345にコモン電圧を供給する。コモン電圧は、例えば、データ信号のプラス側の電圧振幅の電圧と、データ信号のマイナス側の電圧振幅の電圧との間の電圧であってよく、電圧振幅の基準となる電圧であってよく、0Vであってよく、接地電圧であってよく、グラウンド電圧であってもよい。コモン配線345は複数の接続部343を介して、コモン電極に電気的に接続されているため、液晶素子は、コモン電極と電気的に接続されている。第1の駆動回路310、第2の駆動回路320、及び制御回路330は、画素電極及びコモン電極のそれぞれに電流又は電圧を供給することによって、液晶分子の配向状態を変化させることができる。その結果、表示装置300は画像を表示することができる。
【0126】
以上説明したとおり、表示装置300は、半導体装置10を含む定電流源を含み、半導体装置10を含む定電流源を用いた安定した動作を実行することができる。
【0127】
本発明の一実施形態として例示した半導体装置、半導体装置を含む定電流源、半導体装置を含むオペアンプ、及び、オペアンプを含む表示装置の各種構成は相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。また、本発明の一実施形態として例示した半導体装置、半導体装置を含む定電流源、半導体装置を含むオペアンプ、及び、オペアンプを含む表示装置の各種構成は、相互に矛盾しない限り適宜、入れ替えることができる。本明細書及び図面に開示された半導体装置、半導体装置を含む定電流源、半導体装置を含むオペアンプ、及び、半導体装置を含む表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0128】
本明細書に開示された実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0129】
10:半導体装置、10A:半導体装置、10B:半導体装置、11:定電流源、12:入力信号線、14:第1の電圧供給配線、16:出力信号線、16A:出力信号線、16B:出力信号線、18:第1の入力信号線、20A:第1のトランジスタ、20B:第2のトランジスタ、21:オペアンプ、21A:オペアンプ、21B:オペアンプ、22:第2の入力信号線、24:第1のノード、25A:第3のトランジスタ、25B:第4のトランジスタ、25C:第5のトランジスタ、26:第2のノード、28:第2の電圧供給配線、30:アレイ層、31a:第2導電膜、31b:第2導電膜、32:半導体膜、32a:半導体膜、32aa:第1の端部、32ab:第2の端部、32b:半導体膜、32ba:第1の端部、32bb:第2の端部、33:ゲート絶縁膜、34a:第1導電膜、34b:第1導電膜、35:絶縁膜、38:有機膜、40:配線層、45:絶縁膜、48:電極層、49:絶縁膜、50:第1の配向膜、60:液晶層、70:第2の配向膜、80:カラーフィルタ層、90:第2の基板、100:第1のトランジスタ、100A:第1のトランジスタ、100B:第1のトランジスタ、102:ゲート電極、104:ソース電極、106:ドレイン電極、110:第2のトランジスタ、110A:第2のトランジスタ、110B:第2のトランジスタ、112:ゲート電極、114:ソース電極、116:ドレイン電極、120:第1の基板、150:オーバーコート層、160:下地膜、200A:第1のトランジスタ、200B:第1のトランジスタ、202:第1の増幅回路、204:第2の増幅回路、210A:第2のトランジスタ、210B:第2のトランジスタ、212:差動増幅部、214:カレントミラー部、222:ソース接地増幅部、250A:第1のトランジスタ、250B:第1のトランジスタ、250C:第1のトランジスタ、260A:第2のトランジスタ、260B:第2のトランジスタ、260C:第2のトランジスタ、300:表示装置、310:第1の駆動回路、321:周辺領域、322:表示領域、324:シール領域、326:端子領域、329:走査信号線、330:制御回路、331:データ信号線、340:シール部、341:接続配線、343:接続部、345:コモン配線、346:容量配線、350:端子部、360:FPC、370:ICチップ、380:画素、IN1:入力信号、MID:中間電極、OUT1:出力信号、OUT2:出力信号、S1:第1の信号、S2:第2の信号、VL:共通電圧、VH:電源電圧