(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024629
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】支持部材及びキャリッジ装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128878
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】324012246
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】小林 良介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056HA37
2C056HA60
(57)【要約】
【課題】キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットの自由端の下方への変位を抑制すること。
【解決手段】本開示に係る支持部材は、キャリッジ装置に着脱可能である。当該キャリッジ装置は、ガイドレールを支持するフレームと、前記ガイドレールに沿って移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットと、を備えている。支持部材は、前記フレームに接触する接触部と、前記接触部における前記フレームと接触する側とは反対側に設けられる支持部とを有している。前記接触部を前記フレームに接触させたときに、前記支持部が前記基板ユニットの底面に対向して前記基板ユニットの自由端が支持される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールを支持するフレームと、
前記ガイドレールに沿って移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットと、
を備えたキャリッジ装置に着脱可能な支持部材であって、
前記フレームに接触する接触部と、前記接触部における前記フレームと接触する側とは反対側に設けられる支持部とを有し、
前記接触部を前記フレームに接触させたときに、前記支持部が前記基板ユニットの底面に対向して前記基板ユニットの自由端が支持される、
支持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の支持部材であって、
前記接触部を前記フレームに接触させたときの前記支持部の上端は、前記基板ユニットの底面よりも低い位置に設定されている、支持部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支持部材であって、
前記支持部材は、第1板部と、前記第1板部の板面と交差する板面を有する第2板部とを有しており、
前記接触部は、前記第1板部と前記第2板部にそれぞれ設けられている、支持部材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の支持部材であって、
前記フレームに設けられた穴に挿入する挿入部を更に備える、支持部材。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の支持部材であって、
前記キャリッジの移動を制限する位置に固定可能に構成されている、支持部材。
【請求項6】
請求項5に記載の支持部材であって、
前記フレームに固定される固定部と、前記固定部により前記フレームに固定されたときに、前記キャリッジに接触して前記キャリッジの移動を制限する制限部とを備える、支持部材。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の支持部材であって、
前記キャリッジ装置は、ベースに対して移動可能なテーブルを備えており、
前記支持部材は、テーブルに固定される固定部と、前記固定部により前記ベースに固定されたときに、前記テーブルに接触して前記テーブルの移動を制限する制限部とを更に備える、支持部材。
【請求項8】
請求項7に記載の支持部材であって、
前記支持部材は、第1板部と、前記第1板部の板面と交差する板面を有する第2板部とを有しており、
前記支持部は、前記第1板部及び前記第2板部のうちの一方に設けられており、
前記制限部は、前記第1板部及び前記第2板部のうちの他方に設けられており、
前記制限部と前記接触部との間隔は、前記支持部と前記接触部との間隔と異なる、支持部材。
【請求項9】
請求項7に記載の支持部材であって、
前記第2板部は、前記第1板部の板面から突出する突出部を有しており、
前記突出部の縁は、前記接触部を前記フレームに接触させたときに、前記フレームに接触する、支持部材。
【請求項10】
請求項9に記載の支持部材であって、
前記固定部により前記ベースに前記支持部材を固定させるときに、前記突出部は、前記ベースに設けられた凹部に嵌合する、支持部材。
【請求項11】
ガイドレールを支持するフレームと、
前記ガイドレールに沿って移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットと、
前記フレームに着脱可能な支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、
前記フレームに接触する接触部と、前記接触部における前記フレームと接触する側とは反対側に設けられる支持部とを有し、
前記接触部を前記フレームに接触させたときに、前記支持部が前記基板ユニットの底面に対向して前記基板ユニットの自由端が支持される、
キャリッジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材及びキャリッジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走査方向に走査するキャリッジを備えたインクジェットプリンタが記載されている。特許文献1には、ガイドフレームの前面にガイドレールが設けられており、ガイドフレームの前側に配置されたキャリッジがガイドレールに沿って移動することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘッドを駆動するための基板を備えた基板ユニットがキャリッジに片持ち状に設けられた場合、基板上のコネクタの着脱作業等によって基板に力がかかると、基板ユニットの自由端が下方へ変位し易くなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットの自由端の下方への変位を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、ガイドレールを支持するフレームと、前記ガイドレールに沿って移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットと、を備えたキャリッジ装置に着脱可能な支持部材であって、前記フレームに接触する接触部と、前記接触部における前記フレームと接触する側とは反対側に設けられる支持部とを有し、前記接触部を前記フレームに接触させたときに、前記支持部が前記基板ユニットの底面に対向して前記基板ユニットの自由端が支持される、支持部材である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キャリッジに片持ち状に設けられた基板ユニットの自由端の下方への変位を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態のキャリッジ装置100の説明図である。
【
図2】
図2は、基板ユニット40を後から見た説明図である。
【
図3】
図3は、基板ユニット40を横から見た様子の説明図である。
【
図4】
図4Aは、支持部材60をフレーム20に載置した様子の説明図である。
図4Bは、支持部材60をフレーム20に固定した様子の説明図である。
【
図5】
図5は、支持部材60が基板ユニット40を支持する様子の説明図である。
【
図7】
図7は、支持部材60を台座部10の収容部12に収容した様子の説明図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態のキャリッジ装置100の説明図である。
【
図9】
図9Aは、テーブル機構50の説明図である。
図9Bは、支持部材60をベース51に固定した状態でのテーブル機構50の説明図である。
【
図10】
図10Aは、テーブル機構50の連結部材52Bの近傍の説明図である。
図10Bは、支持部材60をベース51に固定した状態での連結部材52Bの近傍の説明図である。
【
図11】
図11Aは、第2実施形態の支持部材60の載置前の様子の説明図である。
図11Bは、第2実施形態の支持部材60が基板ユニット40を支持する様子の説明図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の支持部材60と基板ユニット40を横から見た様子の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
===実施形態===
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のキャリッジ装置100の説明図である。
【0011】
キャリッジ装置100は、移動するキャリッジ31を備えた装置である。ここでは、キャリッジ装置100は、インクジェットプリンタであり、インクを吐出するヘッド(不図示)を搭載したキャリッジ31を移動させる。第1実施形態のキャリッジ装置100は、いわゆるシリアルプリンタであり、移動するヘッドからインクを吐出する動作と、記録用紙を搬送方向(ヘッドの移動方向と直交する方向;ここでは前後方向)に搬送する動作とを繰り返す。なお、キャリッジ装置100は、シリアルプリンタやインクジェットプリンタに限られるものではない。また、キャリッジ装置100は、プリンタに限られるものでもない。
【0012】
以下の説明では、
図1に示すように各方向を定める。キャリッジ31が移動する方向を「左右方向」とする。左右方向は、「走査方向」、「移動方向」又は「幅方向」と呼ばれることもある。また、鉛直方向を「上下方向」とする。また、左右方向及び上下方向に垂直な方向を「前後方向」とする。なお、ガイドレール23から見てキャリッジ31の側を「前」とし、逆側を「後」とする。
【0013】
キャリッジ装置100は、台座部10と、フレーム20と、キャリッジ機構30と、基板ユニット40とを有する。
【0014】
台座部10は、キャリッジ装置100の台座を構成する部材である。台座部10は、フレーム20やキャリッジ機構30などの本体部を支持する部材である。台座部10には、サイドカバー11が設けられている。サイドカバー11は、キャリッジ31の収容空間を構成する部材であり、キャリッジ装置100の左右方向の端(ここでは右側)に設けられている。キャリッジ31がホームポジションにあるとき(
図1の点線のキャリッジ31参照)、サイドカバー11は、キャリッジ31(及び基板ユニット40)の上側を覆う。サイドカバー11の外面に、操作パネルが設けられることもある。台座部10には、支持部材60を収容するための収容部12が設けられている(
図1の点線丸枠参照)。なお、支持部材60が収容部12に収容されているため、支持部材60の紛失を防止することができ、メンテナンス時やキャリッジ装置100の運搬時のように支持部材60が必要となる時に(後述)、収容部12に収容されている支持部材60を取り出して用いることができる。
【0015】
フレーム20は、キャリッジ31を案内するガイドレール23を支持する部材である。フレーム20は、キャリッジ機構30を支える部材であり、左右方向に移動するキャリッジ31を支えるために、左右方向に延びた形状である。フレーム20は、台座部10に固定されている。フレーム20は、前面部21と、後台部22とを有する。前面部21は、フレーム20の前面を構成する部位である。フレーム20の前面部21には、ガイドレール23が設けられている。後述するように、キャリッジ装置100の運搬時に、フレーム20の前面部21に支持部材60が固定されることになる(
図4B参照)。後台部22は、上下方向に垂直な平板状の部位であり、フレーム20の後部に構成されている。後述するように、後台部22の上面は、支持部材60を載置する載置面となる(
図4A参照)。
【0016】
キャリッジ機構30は、キャリッジ31を移動させる機構である。キャリッジ機構30は、キャリッジ31と、駆動部32とを有する。キャリッジ31は、左右方向(走査方向)に沿って移動する部材である。キャリッジ31は、フレーム20の前側に配置されており、ガイドレール23に沿って移動する。キャリッジ31には、可動部31Aが設けられている。可動部31Aは、ガイドレール23とともに直動機構を構成する部材である。また、キャリッジ31の下面には、インクを吐出するヘッド(不図示)が搭載されている。駆動部32は、キャリッジ31を駆動する部材であり、駆動源となるモーター32Aや、モーター32Aの駆動力をキャリッジ31に伝達するベルト32B等を備えている。
【0017】
基板ユニット40は、基板41(
図2参照)を備えたユニットである。基板ユニット40は、キャリッジ31に片持ち状に設けられている。ここでは、基板ユニット40の自由端(後端)は、ガイドレール23よりも後側に突出している。
【0018】
図2は、基板ユニット40を後から見た説明図である。なお、
図2には、ホームポジション(
図1の点線のキャリッジ31参照)から出た状態のキャリッジ31が示されている。また、
図2には、上カバー(不図示)を外した状態の基板ユニット40が示されている。
【0019】
基板ユニット40は、基板41と、取付部材42と、不図示の上カバーとを有する。基板41は、電子部品を実装した基板である。基板41には、例えば、キャリッジ31に搭載されたヘッドの制御を行う制御部や電気回路等が構成される。基板41の上面には、コネクタ41Aが設けられている。取付部材42は、キャリッジ31に基板41を搭載するための部材である。ここでは、取付部材42は、板状に構成されているが、他の形状でも良い。取付部材42の前端は、キャリッジ31に固定されている。取付部材42の上側には、スペーサ43を介して基板41が固定されている。なお、基板ユニット40における基板41の配置方法は、取付部材42やスペーサ43を用いたものでなくても良い。上カバー(不図示)は、基板41の上側を覆う部材である。下カバーとして機能する取付部材42と上カバーとによって、基板41を収容する収容部材が構成されている。上カバーは着脱可能に構成されており、作業者が基板41にアクセスするときに、
図2に示すように上カバーが外されることになる。なお、キャリッジ31がホームポジション(
図1の点線のキャリッジ31参照)にあるとき、基板ユニット40の上側はサイドカバー11に覆われているため、基板ユニット40の上カバーは外せない状態となる。基板ユニット40の上カバーを外す際には、
図1や
図2に示すように、キャリッジ31をホームポジションから左側(左右方向内側)に移動して、サイドカバー11の外へ基板ユニット40を移動させることになる。なお、基板ユニット40は、上記の構成とは異なる構成でも良い。
【0020】
図3は、基板ユニット40を横から見た様子の説明図である。
【0021】
基板ユニット40がキャリッジ31とともに移動する際に基板ユニット40とフレーム20との干渉を防ぐため、基板ユニット40とフレーム20との間には上下方向に隙間が形成されている。一方、基板41の上面にはコネクタ41Aが設けられており、作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、基板41に下向きの力が加わることがある(
図3の矢印参照)。基板ユニット40はキャリッジ31に片持ち状に設けられており、自由端(後端)が後側に突出しているため、基板41に下向きの力が加わると、図中の点線に示すように、基板ユニット40の自由端が下方に変位するおそれがある。なお、基板ユニット40の自由端の下方への変位は、基板ユニット40のたわみ変形によって生じるものだけでなく、大きな曲げモーメントが付与されるキャリッジ31と基板ユニット40との接続部の変形や、キャリッジ31の変形等によっても生じ得る。
【0022】
このような基板ユニット40の自由端の下方への変位が大きくなると、キャリッジ31や基板ユニット40の故障を招くおそれがある。また、作業者が指で基板ユニット40を支持しながらコネクタの着脱作業を行う場合、作業性が悪いため、基板ユニット40にかかる力が不安定になるため、この場合も、キャリッジ31や基板ユニット40の故障を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際には、収容部12に収容されている支持部材60を収容部12から取り出して用いることによって、図中の点線に示すような基板ユニット40の自由端の下方への変位を抑制している。
【0023】
図4Aは、支持部材60をフレーム20(後台部22)に載置した様子の説明図である。
図5は、支持部材60が基板ユニット40を支持する様子の説明図である。
【0024】
支持部材60は、基板ユニット40の底を支持する部材である。支持部材60は、フレーム20に着脱可能な部材である。支持部材60は、
図4Aに示すように、フレーム20の後台部22の上面に載置される。支持部材60は、基板ユニット40の底面に対向可能に配置され、基板ユニット40の自由端を支持する(基板ユニット40の自由端が下方に変位するときに支持部材60が基板ユニット40の底面と接触する)。これにより、支持部材60は基板ユニット40の自由端の下方への変位を抑制する。なお、「自由端が支持される」とは、下方への変位が抑制された状態で自由端が支えられることを意味している。このため、支持部材60が自由端に直接に接触して自由端が支えられる形態だけでなく、支持部材60が自由端よりも基端側(ここでは前側)に接触して自由端の下方への変位が抑制される形態や、自由端が下方へ変位する前は非接触であり自由端が下方へ変位したときに基板ユニット40の底面が支持部材60に接触してそれ以上の変位が抑制される形態に対しても、「自由端が支持される」ということがある。
【0025】
作業者は、基板ユニット40にアクセスする際に、
図4Aに示すように、支持部材60をフレーム20に載置する。支持部材60をフレーム20に載置した後、作業者は、基板ユニット40の底面が支持部材60に対向する状態になるまで、キャリッジ31を移動させる。キャリッジ31が移動して、基板ユニット40の底面が支持部材60に対向する状態になると、基板ユニット40がサイドカバー11の外側に位置することになり、作業者は、基板ユニット40の上カバーを外して基板41にアクセスすることが可能になる。
【0026】
図6A~
図6Cは、支持部材60の説明図である。なお、図中の方向は、支持部材60をフレーム20に載置したときの方向を示している。
【0027】
支持部材60は、L字形状に構成された部材であり、第1板部60Aと、第2板部60Bとを有する。第2板部60Bの板面は、第1板部60Aの板面と交差する方向である。ここでは、第1板部60Aの板面と、第2板部60Bの板面は、ほぼ垂直である。第2板部60Bは、第1板部60Aから折り曲げられて構成されている。但し、L字形状の支持部材60は、折り曲げられて構成された部材に限られず、例えば、2枚の板状の部材を接合した部材でも良いし、一体成型された部材でも良い。支持部材60は、接触部61と、支持部62と、挿入部63と、固定部64とを有する。なお、支持部材60は、挿入部63及び固定部64を有していなくても良く(後述)、接触部61と支持部62とを有していれば良い。
【0028】
接触部61は、作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、フレーム20(後台部22)の上面が接触する部位である。接触部61は、支持部材60をフレーム20上に載置するための部位(載置部)となる。ここでは、接触部61は、第1接触部61Aと第2接触部61Bとにより構成されている。第1接触部61Aは、第1板部60Aの下縁に設けられている。第2接触部61Bは、第2板部60Bの下縁に設けられている。第1接触部61Aは、前後方向に沿った下縁であり、第2接触部61Bは、左右方向に沿った下縁である。このように、第1板部60Aと、第1板部60Aの板面と交差する板面を有する第2板部60Bのそれぞれに接触部61(第1接触部61A及び第2接触部61B)を設けることによって、第1接触部61A及び第2接触部61Bの方向を異ならせることができ、第1接触部61A及び第2接触部61Bをフレーム20の上面に接触させたときに、安定して支持部材60をフレーム20上に載置できる。
【0029】
支持部62は、基板ユニット40の底面と対向し、基板ユニット40の自由端を支持する部位である。言い換えると、支持部62は、基板ユニット40の自由端の下方への変位を抑制する部位である。支持部62は、接触部61におけるフレーム20に接触する側(
図6Aの下側)とは反対側(
図6Aの上側)に設けられている。接触部61をフレーム20に接触させたとき(支持部材60をフレーム20上に載置させたとき)、キャリッジ31を基板ユニット40の位置まで移動させると、支持部62は、基板ユニット40の底面と対向する。支持部62が基板ユニット40の底面に接触することによって、それ以上の基板ユニット40の自由端の下方への変位が抑制される。
【0030】
支持部62の上端は、接触部61をフレーム20に接触させたときに(支持部材60をフレーム20上に載置させたときに)、基板ユニット40の底面の高さ(自由端が下方に変位していない状態での底面の高さ)より若干低い位置に設定されている。言い換えると、支持部62と接触部61との間隔(上下方向の寸法)は、フレーム20の上面と基板ユニット40の底面との間隔(上下方向の寸法)よりも短く設定されている。これにより、支持部62と基板ユニット40の底面との間に微小な隙間が形成され、支持部62と基板ユニット40の底面とが対向するまでキャリッジ31を移動させるときに、支持部62と基板ユニット40との干渉を抑制できる。作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、基板41に下向きの力が加わり、基板ユニット40の自由端が下方に変位すると、支持部62が基板ユニット40の底面に接触し、それ以上の基板ユニット40の自由端の下方への変位が抑制される。
【0031】
なお、支持部62の高さは、基板ユニット40の底面と同じ高さでも良い。この場合、作業者は、支持部62と基板ユニット40との干渉を防ぐため、基板ユニット40の自由端を持ち上げながら、支持部62と基板ユニット40の底面とが対向するまでキャリッジ31を移動させることが望ましい。また、この場合、支持部62と基板ユニット40の底面とを対向させたとき、支持部62と基板ユニット40の底面とが接触し、基板ユニット40の自由端の下方への変位が抑制される。
【0032】
ここでは、支持部62は、第1板部60Aの上縁から突出して構成されている。なお、支持部62は、第2板部60Bに設けられても良い。また、支持部62は、第1板部60A及び第2板部60Bの両方に設けられても良い。また、支持部62は、突出していなくても良く、例えば、第1板部60A(又は第2板部60B)の平坦な上縁で構成されても良い。
【0033】
なお、支持部62は、キャリッジ装置100の運搬時に、キャリッジ31の移動を制限する機能も有する(
図4B参照)。この点については後述する。
【0034】
挿入部63は、フレーム20(後台部22)に設けられた穴22A(
図4B参照)に挿入する部位である。挿入部63は、接触部61よりも下側(接触部61から見て支持部62の逆側)に突出した部位である。作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、挿入部63をフレーム20の穴22Aに挿入することによって、支持部材60をフレーム20の所定の位置に固定することができる。
【0035】
ここでは、挿入部63は、第1板部60Aの下縁から突出して構成されている。なお、挿入部63は、第2板部60Bに設けられても良い。また、挿入部63は、第1板部60A及び第2板部60Bの両方向に設けられても良い。また、挿入部63が設けられていなくても良い。挿入部63を設けない場合、作業者は、フレーム20の任意の場所に支持部材60を載置することが可能になる。また、挿入部63を設けない場合、フレーム20に穴22Aを設けなくても良い。
【0036】
固定部64は、キャリッジ装置100の運搬時に、支持部材60を固定するための部位である。第1実施形態では、固定部64は、フレーム20に固定される部位である。ここでは、固定部64には、固定ネジを挿通させる穴が構成されている。支持部材60を固定できるのであれば、固定部64は穴を有するものに限られるものではない。例えば、固定部64は、留め金のようなラッチ機構で構成されても良い。固定部64は、ここでは第2板部60Bに設けられているが、固定部64が第1板部60Aに設けられても良い。また、固定部64が設けられていなくても良い。
【0037】
図4Bは、キャリッジ装置100の運搬時に、支持部材60をフレーム20に固定した様子の説明図である。図中には、支持部材60がキャリッジ31の移動を制限している様子が示されている。
【0038】
フレーム20の前面部21には、ネジ穴21Aが設けられている(
図4A参照)。
図4Bに示すように、固定部64に挿通させた固定ネジによって支持部材60をフレーム20に締結することによって、固定部64により支持部材60をフレーム20に固定できる。
【0039】
固定部64によりフレーム20(前面部21)に支持部材60を固定させたときに、支持部材60がキャリッジ31(可動部31A)に接触し、これにより、キャリッジ31の移動を制限することができる。例えばキャリッジ装置100の製品出荷時に、固定部64によりフレーム20(前面部21)に支持部材60を固定して、ホームポジションにあるキャリッジ31に支持部材60を接触させることによって、キャリッジ装置100の運搬中にキャリッジ31の移動を抑制することができる。なお、キャリッジ31の移動を制限する位置に支持部材60が固定可能に構成されるのであれば、固定部64は上記の構成に限られるものではない。
【0040】
図4Bに示すように、固定部64によりフレーム20(前面部21)に支持部材60を固定させたときに、支持部材60のうちの支持部62がキャリッジ31に接触し、支持部62がキャリッジ31の移動を制限する。このため、支持部62は、キャリッジ31の移動を制限する制限部となる。つまり、支持部62は、基板ユニット40を支持する機能と、キャリッジ31の移動を制限する機能とを有する。支持部62が2つの機能を兼ねることにより、支持部材60の形状を簡素化できる。なお、キャリッジ31に接触する部位(制限部)は、支持部62に限られるものではなく、基板ユニット40を支持する支持部62とは別の部位で構成されても良い。例えば、支持部62以外の第1板部60A(又は第2板部60B)の縁がキャリッジ31に接触することによって、キャリッジ31の移動を制限しても良い。
【0041】
図7は、支持部材60を台座部10の収容部12に収容した様子の説明図である。図中には、支持部材60がキャリッジ装置100に収容されたときの様子が示されている。
【0042】
固定部64は、支持部材60を収容部12(
図1参照)に固定する部位となる。なお、収容部12は、台座部10に限られるものではなく、他の場所でも良い。このように、固定部64は、キャリッジ31の移動を制限するために支持部材60をフレーム20に固定する機能と、支持部材60の収容時に支持部材60を収容部12に固定する機能とを有する。固定部64が2つの機能を兼ねることにより、支持部材60の形状を簡素化できる。但し、支持部材60が、支持部材60をフレーム20に固定するための固定部(第1固定部)と、支持部材60を収容部12に固定するための固定部(第2固定部)とを別々に備えていても良い。また、この場合、第1固定部及び第2固定部は、第1板部60A及び第2板部60Bのうちの互いに異なる板部に別々に設けられても良いし、第1板部60A及び第2板部60Bのうちの同じ板部に設けられても良い。
【0043】
支持部材60が特定の収容場所(収容部12)に固定されることによって、支持部材60の紛失を抑制することができる。このため、キャリッジ装置100は、支持部材60を収容する収容部12を備えることが望ましい。なお、作業者は、メンテナンス時に基板ユニット40にアクセスする際に、収容部12に収容されている支持部材60を外し、支持部材60を後台部22に載置することになる。
【0044】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態のキャリッジ装置100の説明図である。
【0045】
第2実施形態においても、キャリッジ装置100は、移動するキャリッジ31を備える。第2実施形態のキャリッジ装置100は、いわゆるフラットベッド方式のプリンタであり、左右方向に移動するヘッド(キャリッジ31に搭載された不図示のヘッド)からインクを吐出する動作と、媒体を固定したテーブル52を前後方向に移動する動作とを繰り返す。第2実施形態のキャリッジ装置100は、台座部10と、フレーム20と、キャリッジ機構30と、基板ユニット40(
図8では不図示;
図11Aや
図12参照)と、テーブル機構50とを有する。なお、第2実施形態の台座部10、フレーム20、キャリッジ機構30及び基板ユニット40は第1実施形態とほぼ同様なので、ここでは説明を省略する。
【0046】
図9Aは、テーブル機構50の説明図である。
図10Aは、テーブル機構50の連結部材52Bの近傍の説明図である。
図10Aでは、天板52Aを透過させて、連結部材52Bの近傍の様子を示している。
【0047】
テーブル機構50は、移動するテーブル52を備えた装置である。テーブル機構50は、ベース51と、テーブル52と、送り機構53とを有する。
【0048】
テーブル52は、ベース51に対して移動する部材である。テーブル52は、天板52Aと、連結部材52Bとを有する。天板52Aは、対象物(例えば印刷用紙等)を載置する板状の部材である。連結部材52Bは、天板52Aと送り機構53の可動部(後述するナット53B)とを連結する部材である。天板52Aはベース51の上側に配置されており、送り機構53の可動部(ナット53B)はベース51の下側に配置されているため、連結部材52Bは、ベース51を貫くように配置されている。連結部材52Bは、天板52Aとともに前後方向に移動するため、ベース51には、連結部材52Bの移動を妨げないように、前後方向に沿った溝51A(
図8も参照)が形成されている。ベース51の溝51Aは、連結部材52Bの通路となる。溝51Aの縁には、凹部51Bが形成されている。なお、凹部51Bは、支持部材60を所定の位置に合わせる機能を有する(後述;
図10B参照)、
【0049】
送り機構53は、テーブル52を前後方向に移動させる移動機構である。ここでは、送り機構53は、送りネジ機構(ボールネジ機構やすべりネジ機構)により構成されており、送り軸53A(送りネジ;ネジ軸)と、ナット53Bとを有する。不図示のモーターにより送り軸53Aを回転させることによって、ナット53Bを前後方向に移動させることができる。なお、送り機構53は、送りネジ機構に限られるものではなく、例えば、ベルト(及びプーリー)を用いた機構でも良い。ナット53Bは連結部材52Bを介してテーブル52と連結している。送り機構53は、ベース51よりも下側に配置されている。
【0050】
図11Aは、第2実施形態の支持部材60の載置前の様子の説明図である。
図11Bは、第2実施形態の支持部材60が基板ユニット40を支持する様子の説明図である。即ち、
図11Bは、作業者が基板ユニット40に対して作業を行う際に(例えば、コネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に)、支持部材60を後台部22に取り付けた状態を図示している。
図12は、第2実施形態の支持部材60と基板ユニット40を横から見た様子の説明図である。
【0051】
第2実施形態においても、基板ユニット40はキャリッジ31に片持ち状に設けられており、自由端(後端)がガイドレール23よりも後側に突出している。このため、第2実施形態においても、作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、支持部材60が無い状態では、基板41に下向きの力が加わると、基板ユニット40の自由端が下方に変位するおそれがある。但し、第2実施形態においても、支持部材60が基板ユニット40の自由端を支持する(支持部材60が基板ユニット40の底面と接触する)ことによって、基板ユニット40の自由端の下方への変位を抑制することができる。第2実施形態においても、支持部材60は、フレーム20(後台部22)に着脱可能であり、フレーム20の後台部22の上面に載置され、基板ユニット40の底面に対向可能に配置されることになる。
【0052】
【0053】
第2実施形態においても、支持部材60は、第1板部60Aと第2板部60Bとを有するL字形状の部材である。第2実施形態の支持部材60は、接触部61と、支持部62と、挿入部63と、固定部64と、突出部65と、制限部66とを有する。なお、支持部材60は、接触部61と支持部62とを有していれば良く、固定部64、突出部65及び制限部66を有していなくても良い。
【0054】
接触部61は、作業者がコネクタ41Aに端子(不図示)を着脱する際に、フレーム20(後台部22)の上面に接触する部位である。第2実施形態においても、接触部61は、支持部材60をフレーム20上に載置するための部位(載置部)となる。接触部61は、第1接触部61Aと、第2接触部61Bとにより構成されている。第1接触部61Aは、第1板部60Aに設けられている。ここでは、第1板部60Aの左縁中央部に段差が形成されており、この段差の下縁が第1接触部61Aとなっている。第2接触部61Bは、第2板部60Bに設けられている。ここでは、第2板部60Bの後縁中央部に段差が形成されており、この段差の下縁が第2接触部61Bとなっている。なお、後述するように、突出部65の下縁も接触部61(第3接触部61C;載置部)として機能することになる。
【0055】
支持部62は、基板ユニット40の底面と対向し、基板ユニット40の自由端を支持する部位である。第2実施形態においても、支持部62は、基板ユニット40の自由端の下方への変位を抑制する部位となる。また、第2実施形態においても、支持部62は、接触部61におけるフレーム20に接触する側(
図13Aの下側)とは反対側(
図13Aの上側)に設けられている。接触部61をフレーム20に接触させたとき(支持部材60をフレーム20上に載置させたとき)、キャリッジ31を基板ユニット40の位置まで移動させると、支持部62は、基板ユニット40の底面と対向する。ここでは、支持部62は、第1板部60Aの上縁により構成されている。但し、前述の第1実施形態のように、支持部62が第1板部60Aの上縁から突出して構成されても良い。また、支持部62は、第2板部60Bに設けられても良い。
【0056】
挿入部63は、フレーム20に設けられた穴22A(
図11A参照)に挿入する部位である。挿入部63は、接触部61よりも下側に突出した部位である。ここでは、挿入部63は、第1板部60A及び第2板部60Bの両方に設けられている。但し、挿入部63が第1板部60A及び第2板部60Bのうちの一方に設けられても良い。また、挿入部63が設けられていなくても良い。
【0057】
固定部64は、キャリッジ装置100の運搬時に、支持部材60を固定するための部位である。第2実施形態では、固定部64は、ベース51に固定される部位である。ここでは、固定部64は第1板部60Aに設けられているが、固定部64が第2板部60Bに設けられても良い。後述するように、固定部64により支持部材60がベース51に固定されることになる(
図10B参照)。
【0058】
突出部65は、第1板部60Aと第2板部60Bの連結部(折り曲げ部)から突出した部位である。ここでは、突出部65は、第2板部60Bに設けられており、第2板部60Bの前縁(第1板部60Aとの連結部)から前側に突出している。突出部65は、第2板部60Bの第2接触部61Bが設けられた縁(ここでは後縁)とは反対側の縁(ここでは前縁)に設けられる。突出部65は、固定部64の設けられた第1板部60Aの板面と平行な方向から見て、第2板部60Bの本体と反対側に位置している。なお、突出部65は、第1板部60Aに設けられても良い。また、第1実施形態のように支持部材60に突出部65が設けられていなくても良い。
【0059】
突出部65の下縁は、接触部61として機能する。以下の説明では、突出部65の下縁のことを第3接触部61Cと呼ぶ。第1接触部61A及び第2接触部61Bをフレーム20に接触させたときに(支持部材60をフレーム20上に載置させたときに)、第3接触部61Cもフレーム20(後台部22)の上面に接触する。
図13Cに示すように、第1接触部61Aが設けられた第1板部60Aの板面に平行な方向から見ると、第2接触部61Bと第3接触部61Cの間に第1板部60A(第1接触部61A)が位置する。つまり、第1接触部61Aが設けられた第1板部60Aの板面に平行な方向から見ると、第2接触部61Bは第1板部60Aの板面の一方側(後側)に位置し、第3接触部61Cは第1板部60Aの板面の他方側(前側)に位置する。第1接触部61A、第2接触部61B及び第3接触部61Cが1直線上に配置されておらず、第1接触部61A、第2接触部61B及び第3接触部61Cの3箇所をフレーム20の上面に接触させることができるため、安定して支持部材60をフレーム20上に載置できる。また、第1接触部61Aの延長線が第2接触部61Bと第3接触部61Cの間に配置されるような構成になるため、第1接触部61Aを軸とする回転方向に支持部材60が動くことを抑制することができる。
【0060】
図9Bは、キャリッジ装置100の運搬時に、支持部材60をベース51に固定した状態でのテーブル機構50の説明図である。
図10Bは、支持部材60をベース51に固定した状態での連結部材52Bの近傍の説明図である。
図10Bでは、天板52Aを透過させて、支持部材60がテーブル52(連結部材52B)に接触する様子(テーブル52の移動が制限された状態)を示している。また、
図10Bでは、連結部材52Bの前面にハッチングを施している。
【0061】
ベース51には、ネジ穴511が設けられている(
図10A参照)。
図10Bに示すように、固定部64に挿通させた固定ネジによって支持部材60をベース51に締結することによって、固定部64により支持部材60をベース51に固定できる。
【0062】
制限部66は、テーブル52に接触する部位(テーブル接触部)である。固定部64によりベース51に支持部材60を固定させたときに、制限部66がテーブル52に接触し、これにより、テーブル52の移動を制限することができる。例えば、固定部64は、連結部材52Bの前面(
図10Bのハッチングされた面)に接触する。例えばキャリッジ装置100の製品出荷時に、固定部64によりベース51に支持部材60を固定して、ホームポジションにあるテーブル52に制限部66を接触させることによって、キャリッジ装置100の運搬中にテーブル52の移動を抑制することができる。
【0063】
ここでは、制限部66は連結部材52Bに接触するが、天板52Aに接触するように構成しても良い。但し、連結部材52Bに制限部66を接触させる方が、連結部材52Bよりも上に配置されている天板52Aに制限部66を接触させるよりも、支持部材60の小型化を図ることができる。
【0064】
図13Aに示すように、制限部66は、第2板部60Bの上縁により構成されている。但し、制限部66は、第1板部60Aに設けられても良い。なお、固定部64が第1板部60Aに設けられた場合には、制限部66は第2板部60Bに設けられることになる。
【0065】
また、
図13Aに示すように、制限部66と支持部62の高さ(上下方向の位置)は、それぞれ異なっている。言い換えると、制限部66と接触部61との間隔(上下方向の寸法)と、支持部62と接触部61との間隔(上下方向の寸法)は、異なっている。ここでは、制限部66と接触部61との間隔は、支持部62と接触部61との間隔よりも短くなっている。これは、
図9A及び
図9Bに示すように、ベース51の上面に段差51Cが形成されており、この段差51Cと連結部材52Bとの間の狭いスペースに支持部材60を配置させるためである。このように、支持部材60を配置するスペースに制約がある場合には、制限部66と支持部62の高さを異ならせることが有効である。また、このように制限部66と支持部62の高さを異ならせる場合には、第1板部60A及び第2板部60Bのうちの一方に支持部62を配置し、第1板部60A及び第2板部60Bのうちの他方に制限部66を配置することが望ましい。
【0066】
図10Bに示すように、固定部64によりベース51に支持部材60を固定させるときに、突出部65は、ベース51の溝51Aの縁に設けられた凹部51Bに嵌合する。突出部65を凹部51Bに嵌合させることによって、支持部材60を所定の位置(前後方向及び左右方向の位置)に合わせることができる。突出部65は、前述の接触部61としての機能と、支持部材60をベース51に対して所定の位置に合わせる機能とを有する。突出部65が2つの機能を兼ねることにより、支持部材60の形状を簡素化できる。
【0067】
突出部65によって支持部材60がベース51上の所定の位置に合わせられることによって、支持部材60の固定部64(固定ネジを挿通させる穴)とベース51のネジ穴511(
図10A参照)との位置を合わせ易くなり、固定ネジによって支持部材60をベース51に固定する作業が容易になる。
図9B及び
図10Bに示すように、支持部材60の制限部66とテーブル52の連結部材52Bとの接触箇所が天板52Aの下に隠れて視認し難い状況下では、突出部65によって支持部材60をベース51上の所定の位置に合わせできることは、特に有効となる。
【0068】
<小括>
上記のキャリッジ装置100は、ガイドレール23を支持するフレーム20と、ガイドレール23に沿って移動可能なキャリッジ31と、基板ユニット40とを備えており、基板ユニット40は、キャリッジ31に片持ち状に設けられている。このようなキャリッジ装置100では、基板ユニット40(基板41)に下向きの力が加わると、基板ユニット40の自由端が下方に変位するおそれがある(
図3参照)。
これに対し、本実施形態では、キャリッジ装置100に着脱可能な支持部材60を用いて、基板ユニット40の変位を抑制している。具体的には、支持部材60は、フレーム20に接触する接触部61と、接触部61におけるフレーム20に接触する側(
図6Aや
図13の下側)とは反対側(
図6Aや
図13の上側)に設けられる支持部62とを有しており、接触部61をフレーム20の上面に接触させたときに、支持部62が基板ユニット40の底面に対向し、基板ユニット40の自由端が支持される。
【0069】
===その他の実施形態===
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10 台座部、11 サイドカバー、12 収容部、
20 フレーム、21 前面部、21A ネジ穴、
22 後台部、22A 穴、23 ガイドレール、
30 キャリッジ機構、31 キャリッジ、31A 可動部、
32 駆動部、32A モーター、32B ベルト、
40 基板ユニット、41 基板、41A コネクタ、
42 取付部材、43 スペーサ、
50 テーブル機構、51 ベース、511 ネジ穴、
51A 溝、51B 凹部、51C 段差、
52 テーブル、52A 天板、52B 連結部材、
53 送り機構、53A 送り軸、53B ナット、
60 支持部材、60A 第1板部、60B 第2板部、
61 接触部、61A 第1接触部、
61B 第2接触部、61C 第3接触部、
62 支持部、63 挿入部、64 固定部、
65 突出部、66 制限部、
100 キャリッジ装置