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▶ 長谷川 純の特許一覧

特開2025-2464情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002464
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102662
(22)【出願日】2023-06-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】523240121
【氏名又は名称】長谷川 純
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 純
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB53
5L055BB53
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金融商品の取引市場における投資家の利益を守ることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1000において、サーバ装置100の制御部は、クライアント装置110からの設定等に基づきクライアント装置の動作モードを制御し、クライアント装置120が第1の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文通りの外国為替の売買をサーバー装置140に指示するよう制御し、クライアント装置120が第1の動作モードとは異なる第2の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文と反対の外国為替の売買を指示するよう制御する。第1の動作モードとは、操作者の指示通りの売買を要求する通常の動作モードであり、第2の動作モードとは、操作者の指示とは反対の売買を要求する反転動作モードである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
第1の動作モードでは取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、
前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の動作モード及び前記第2の動作モード何れの動作モードの場合であっても、注文通りの金融商品の売買を行ったとした場合の口座情報を前記取引画面に関連する画面に表示するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードにおける前記金融商品の取引量を設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、前記第2の動作モードにおいて金融商品の売買を指示した場合、注文と反対の金融商品の売買を行った実際の口座情報が含まれる、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置において、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面には、被管理者がシステムにログイン可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報を含んだ二次元コードが含まれる、
情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
第1の動作モードでは取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、
前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御する、
情報処理方法。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1から7までの何れか1項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる金融商品取引管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-76670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金融商品の取引市場では多くの投資家は損失を被っていると言われている。また、プロスペクト理論では、投資家は収益より損失の方に敏感に反応し、利益が出ている場合は損失回避的に少額の利益でも利益確定に走りより多くの利益を得る可能性を放棄し、損失が出ている場合はいつかは回復するだろうと金融商品を塩漬けにし、傷口を広げると言われている。
そこで、本発明の課題は、金融商品の取引市場における投資家の利益を守ることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける第1の動作モードでは取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御する。第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御する。
【0006】
また、本発明の一態様によれば、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モード何れの動作モードの場合であっても、注文通りの金融商品の売買を行ったとした場合の口座情報を前記取引画面に関連する画面に表示するよう制御する。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードにおける前記金融商品の取引量を設定するユーザーインターフェース部品が含まれる。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、前記第2の動作モードにおいて金融商品の売買を指示した場合、注文と反対の金融商品の売買を行った実際の口座情報が含まれる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる。
【0011】
本発明の一態様によれば、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログイン可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報を含んだ二次元コードが含まれる。
【0012】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが実行する情報処理方法であって、第1の動作モードでは取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御する情報処理方法である。
【0013】
本発明の一態様によれば、コンピュータを、上記各態様の情報処理システムとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る情報処理システム、情報処理方法及びプログラムによれば、金融商品の取引を行うに際し、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。その結果、設定に応じて金融商品の操作者の指示とは反対の売買が行われることにより、金融商品の取引者は金融商品の取引において利益を上げられる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、情報処理システム1000を構成するサーバ装置100、クライアント装置110、クライアント装置120の情報処理の手順を示す図である。
図5図5は、被管理者に対する設定画面500の一例を示す図である。
図6図6は、クライアント装置120に表示される取引画面600の一例を示す図である。
図7図7は、クライアント装置110に表示される管理者画面700の一例を示す図である。
図8図8は、管理者画面800の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて一実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。以下に示すソフトウェアを実現するためのプログラムは、サーバーからダウンロード可能な態様で実施してもよいし、クラウドコンピュータ上でプログラムの実行がなされてもよいし、不揮発性又は揮発性の非一時的な記憶媒体に記憶させて頒布されてもよい。
【0017】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、を含む。
サーバー装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、はネットワーク150を介して通信可能に接続されている。また情報処理システム1000は、ネットワーク150を介してサーバー装置140と通信可能に接続されている。
【0018】
サーバー装置100は、特に言及しない限り以下に示す変形例も含めて実施形態1に関する主な処理を実行する。
クライアント装置110は、管理者が使用する端末装置である。クライアント装置120は、管理者に管理されている被管理者が使用する端末装置である。サーバー装置140は、サーバー装置100等からの要求に基づき金融商品の売買を制御する。金融商品としては外国為替、信用取引における株、先物取引における各種有価証券、商品、指数等があるが以下では説明の簡略化のため外国為替(又は外国為替証拠金取引)を例に説明を行う。ただし、このことは実施形態1等を制限するものではなく金融商品としては、価格、又は数値が変動し、操作者の注文と反対の注文をすることができるものであればどのようなものであってもよい。なお、金融商品が外国為替の場合の取引は外国為替証拠金取引である。
【0019】
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、各種構成が限定的な数しか図示されていないが、情報処理システム1000には、図1に示されていない各種構成が含まれていてもよい。
また、図1では、クライアント装置110の例としてスマートフォンを示しているが、スマートフォンに限定されるものではなく、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ等、外国為替の売買を指示できるものであればどのようなものであってもよい。また、サーバー装置100及び/又はサーバー装置100は、クラウドシステム等に置き換えてもよい。
【0020】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成される場合、その装置の例はサーバー装置100、又はクライアント装置110、又はクライアント装置120である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、複数の装置の例は、サーバー装置100の機能を提供するクラウドシステム、又はクライアント装置110及びクライアント装置120等である。
【0021】
2.ハードウェア構成
(サーバー装置100のハードウェア構成)
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。
【0022】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。
記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム及び制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能等が実現される。記憶部220は記憶媒体の一例である。
通信部230は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0023】
(クライアント装置110のハードウェア構成)
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、撮像部330と、入出力部340と、通信部350と、を含む。
【0024】
制御部310は、CPU等であって、クライアント装置110の全体を制御する。
記憶部320は、HDD、ROM、RAM、SSDの何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶させる。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、クライアント装置110の機能が実現される。記憶部320は記憶媒体の一例である。
撮像部330は、被写体等を撮像する。
入出力部340は、タッチパネルディスプレイ等であって、画面等を表示したり、ユーザー操作に基づいて情報をクライアント装置110に入力したりする。通信部350は、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0025】
クライアント装置120のハードウェア構成もクライアント装置110のハードウェア構成と同様である。クライアント装置120の制御部がクライアント装置120の記憶部に記憶されているプログラムに基づき異処理を実行することによってクライアント装置120の機能が実現される。
【0026】
3.情報処理
以下実施形態1の情報処理を説明する。
(処理の概要)
制御部210は、クライアント装置110からの設定等に基づきクライアント装置120の動作モードを制御する。制御部210は、クライアント装置120が第1の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文通りの外国為替の売買をサーバー装置140に指示するよう制御する。第1の動作モードとは操作者の指示通りの売買を要求する通常の動作モードである。
制御部210は、クライアント装置120が第1の動作モードとは異なる第2の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文と反対の外国為替の売買を指示するよう制御する。第2の動作モードとは操作者の指示とは反対の売買を要求する反転動作モードである。
このような処理を実行することによって、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。多くの一般の投資家が投資により損失を被っている事実より、一般の投資家の投資行動と反対の行動を行えば利益を得られる可能性が高い。
よって、情報処理システム1000では、設定に応じて操作者の指示とは反対の売買を指示することによって、利益を上がられる可能性を高めている。
また、プロスペクト理論により、反転動作モードにおいて、操作者は、実際は利益が出ているのにも関わらず、損失が生じていると勘違いして、塩漬けにしてすぐには売らず、利益をより多くすることができる。一方、プロスペクト理論により、反転動作モードにおいて、操作者は、実際は損失が出ているにも関わらず、利益が生じていると勘違いしてすぐに売って、損失の拡大を回避することができる。
【0027】
(処理の詳細)
図4は、情報処理システム1000を構成するサーバ装置100、クライアント装置110、クライアント装置120の情報処理の手順を示す。
管理者の操作に応じて、シーケンスSQ401において、クライアント装置110の制御部310は、サーバー装置100に後述する図5に示されるような画面の表示要求を送信する。
画面の表示要求を受け取ると、シーケンスSQ402において、制御部210は、要求に応じた画面を生成する。
シーケンスSQ403において、制御部210は、生成した画面を要求元のクライアント装置110に送信する。
画面を受信すると、シーケンスSQ404において、制御部310は、画面を入出力部340に表示する。
【0028】
図5は制御部210が画面を生成し、要求元の装置に送信する処理は画面を表示するよう制御する処理の一例である。なお、実施形態1等では制御部210が画面を生成し、要求元の装置に送信するよう説明する。
しかし、制御部210が画面を生成するためのデータを要求元の装置に送信し、要求元の装置が制御部210から受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。このような場合も制御部210が画面を生成するためのデータを準備し、要求元の装置に送信する処理は画面を表示するよう制御する処理の一例である。以下においても同様である。
【0029】
図5は、被管理者に対する設定画面500の一例を示す図である。設定画面500は、管理者画面の一例である。上述したように図5に示される設定画面500は、管理者のクライアント装置110に表示される。
設定画面500には、該当する被管理者の装置の動作モードを設定する動作モード設定領域が含まれる。図5の例では、チェックボックス510にチェックを入れることによって、被管理者の装置が反転動作モードで動作することを設定することができる。チェックボックス510は、被管理者がシステムにログインした場合における反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品の一例である。なお、チェックボックスは一例であり、反転動作モードでの動作を許可することができればどのようなインターフェース部品であってもよい。
【0030】
また、チェックボックス510は、被管理者がシステムにログインした場合、通常の動作モードと反転動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品の一例であるともいえる。チェックボックス510にチェックが入れられると該当する被管理者の装置は、反転動作モードで動作するよう設定される。チェックボックス510にチェックが入れられないと該当する被管理者の装置は、通常の動作モードで動作するよう設定される。チェックボックスは一例であり、通常の動作モードと反転動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定することができればどのようなインターフェース部品であってもよい。
【0031】
チェックボックス510にチェックが入れられると、領域520が有効化され、領域520における設定が可能となる。領域520では、反転動作モードにおける取引量が設定される。
図5の例では、領域520では、外国為替証拠金取引における米ドル/円及び米ドル/円以外の通貨の取引量の上限を設定可能となっている。図5の例では米ドル/円及び米ドル/円以外の通貨の取引量の上限をコンボボックスで設定可能となっている。
図5に示されるコンボボックスは、該当する被管理者がシステムにログインした場合における反転動作モードにおける外国為替の取引量を設定するユーザーインターフェース部品の一例である。コンボボックスは一例であり外国為替の取引量を設定することができればどのようなユーザーインターフェース部品であってもよい。
【0032】
図4に示すように、管理者の操作に応じて、シーケンスSQ405において、クライアント装置110の制御部310は、図5に示されるような画面を介して設定された設定情報を、サーバー装置100に送信する。
クライアント装置110より設定情報を受信すると、シーケンスSQ406において、制御部210は、設定を行った管理者を識別する管理者識別情報、該当する被管理者を識別する被管理者識別情報及び設定情報を関連付けて設定データとして記憶部220等に記憶する。
なお、設定情報にはチェックボックス510においてチェックが入れられているか否かの情報、チェックボックス510にチェックが入れられている場合は反転動作モードにおける外国為替の取引量の上限量等の情報が含まれる。
【0033】
図4に示すように、シーケンスSQ407において、制御部210は、クライアント装置120よりログイン要求を受信する。ログイン要求には例えばログインID及びパスワード等の認証情報が含まれる。ログインIDは、クライアント装置120を操作する被管理者を識別する被管理者識別情報である。
認証情報に基づき認証処理を実行し、適切な認証情報であると判定すると、シーケンスSQ408において、制御部210は、被管理者識別情報に基づき設定データを検索し、該当する設定データに含まれる設定情報に基づきクライアント装置120の動作モードを決定する。
制御部210は、設定情報がチェックボックス510においてチェックが入れられていることを示していた場合、クライアント装置120の動作モードを反転動作モードと決定する。制御部210は、設定情報がチェックボックス510においてチェックが入れられていないことを示していた場合、クライアント装置120の動作モードを通常の動作モードと決定する。
【0034】
図4に示すように、シーケンスSQ408において、制御部210は、決定した動作モードでクライアント装置120が動作するよう情報処理システム120の動作モードを設定する。
以降、クライアント装置120は、制御部210により設定された動作モードにて動作を行う。
以下、特に言及しない限りクライアント装置120は反転動作モードで動作を行うものとして説明を行う。
【0035】
図6は、クライアント装置120に表示される取引画面600の一例を示す図である。
取引画面600では、一例として外国為替証拠金取引におけるドル/円の取引の画面が示されている。制御部210は、クライアント装置120から取引画面600の表示要求を受け取ると、図6に示されるような取引画面600を生成し、クライアント装置120に送信する。クライアント装置120は、サーバー装置100より取引画面600を受信すると、入出力部に表示する。
【0036】
クライアント装置120の操作者(被管理者)は、ドル/円において売り注文を出そうと思った場合は売りボタン610を選択しのち、注文確定ボタン630を選択する。
制御部210は、取引画面600においてドル/円の売り注文がなされたと判定すると、逆の注文(ドル/円の買い注文)をサーバー装置140に対して送信する。すなわち、クライアント装置120が反転動作モードで動作している場合、制御部210は、取引画面600において売りボタン610が選択された場合は、買いボタン620が選択されたとして処理を実行する。同様に、クライアント装置120が反転動作モードで動作している場合、制御部210は、取引画面600において買いボタン620が選択された場合は、売りボタン610が選択されたとして処理を実行する。
【0037】
取引画面600には、領域640が含まれる。領域640には口座情報が表示されている。領域640に表示される口座情報はクライアント装置120の動作モードが通常の動作モード及び反転動作モード何れの動作モードの場合であっても、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行ったとした場合の口座情報が表示される。
すなわち、制御部210は、クライアント装置120の動作モードが通常の動作モード及び反転動作モード何れの動作モードの場合であっても、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行ったとした場合の口座情報を取引画面に表示するよう制御する。取引画面600の領域640に口座情報が含まれる場合、取引画面に関連する画面は取引画面600である。また他の例として取引画面600に領域640は表示せず、又は取引画面600に領域640を表示させるとともに、口座ボタン650が選択された場合に、制御部210は、口座情報を含む画面をクライアント装置120に表示させるようにしてもよい。
【0038】
すなわち通常の動作モードの場合、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行った実際の口座情報が表示される。一方、反転動作モードの場合、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行った偽の口座情報が表示される。
【0039】
図7は、クライアント装置110に表示される管理者画面700の一例を示す図である。管理者画面700では、被管理者の口座情報が表示されている。制御部210は、クライアント装置110から管理者画面700の表示要求を受け取ると、図7に示されるような管理者画面700を生成し、クライアント装置110に送信する。クライアント装置110は、サーバー装置100より管理者画面700を受信すると、入出力部340に表示する。
図7の管理者画面700には、該当する被管理者の実際の口座の情報が表示される。すなわち、管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、反転動作モードにおいて外国為替の売買を指示した場合の、注文と反対の外国為替の売買を行った実際の口座情報が含まれる。図6に示される口座情報と図7に示される口座情報とを比較すると、図6の口座情報では評価損益合計がマイナスになっているが実際の口座情報である図7の口座情報では評価損益合計がプラスになっている。
【0040】
実施形態1によれば、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。また、設定に応じて操作者の指示とは反対の売買を指示することによって、利益を上げられる可能性を高めている。
【0041】
(変形例1)
実施形態1ではサーバー装置100が主に処理を行うものとして説明を行った。しかし、サーバー装置100の処理の全て又は一部をクライアント装置110及びクライアント装置120の何れか又は双方が実行するようにしてもよい。クライアント装置120に専用のアプリケーションをインストールする必要がある場合、クライアント装置110の制御部310は、管理者画面として図8に示されるような画面を表示するよう制御する。図8は、管理者画面800の一例を示す図である。管理者画面800には二次元コードが表示されている。
なお、クライアント装置120に専用のアプリケーションをインストールする必要がある場合とは、クライアント装置120を反転動作モードで動作させる必要がある場合等である。例えば、変形例1においてクライアント装置120の動作モードとして反転動作モードを許可することを設定された場合、制御部310は、管理者画面800をクライアント装置110の入出力部340等に表示するよう制御する。上述したように管理者画面800には、被管理者がシステムにログイン可能であり、反転動作モードで動作可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))を含んだ二次元コードが含まれる。
【0042】
変形例1によっても上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0043】
(その他の変形例)
上述した実施形態等では管理者が被管理者の装置の反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定する例を示した。しかし、管理者が管理者の装置の反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定するようにしてもよい。
【0044】
以上、一実施形態等について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100 :サーバー装置
110 :クライアント装置
120 :クライアント装置
210 :制御部
220 :記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面を介して設定された設定情報に基づき被管理者の装置の動作モードを決定し、
決定された動作モードが第1の動作モードでは前記被管理者の装置の取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、
決定された動作モードが前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記被管理者の装置の前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御し、
前記管理者画面には、前記被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1の動作モード及び前記第2の動作モード何れの動作モードの場合であっても、注文通りの金融商品の売買を行ったとした場合の口座情報を前記取引画面に関連する画面に表示するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて
記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードにおける前記金融商品の取引量を設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて
記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、前記第2の動作モードにおいて金融商品の売買を指示した場合、注文と反対の金融商品の売買を行った実際の口座情報が含まれる、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて
記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置において
記管理者画面には、被管理者がシステムにログイン可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報を含んだ二次元コードが含まれる、
情報処理システム。
【請求項7】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
管理者画面を表示するよう制御し、
前記管理者画面を介して設定された設定情報に基づき被管理者の装置の動作モードを決定し、
決定された動作モードが第1の動作モードでは前記被管理者の装置の取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、
決定された動作モードが前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記被管理者の装置の前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御し、
前記管理者画面には、前記被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる、
情報処理方法。
【請求項8】
プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1からまでの何れか1項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる金融商品取引管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-76670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金融商品の取引市場では多くの投資家は損失を被っていると言われている。また、プロスペクト理論では、投資家は収益より損失の方に敏感に反応し、利益が出ている場合は損失回避的に少額の利益でも利益確定に走りより多くの利益を得る可能性を放棄し、損失が出ている場合はいつかは回復するだろうと金融商品を塩漬けにし、傷口を広げると言われている。
そこで、本発明の課題は、金融商品の取引市場における投資家の利益を守ることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、制御部を有し、前記制御部は、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面を介して設定された設定情報に基づき被管理者の装置の動作モードを決定し、決定された動作モードが第1の動作モードでは前記被管理者の装置の取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、決定された動作モードが前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記被管理者の装置の前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御し、前記管理者画面には、前記被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれるs情報処理システムが提供される。
【0006】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モード何れの動作モードの場合であっても、注文通りの金融商品の売買を行ったとした場合の口座情報を前記取引画面に関連する画面に表示するよう制御する情報処理システムが提供される。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードにおける前記金融商品の取引量を設定するユーザーインターフェース部品が含まれる。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、前記第2の動作モードにおいて金融商品の売買を指示した場合、注文と反対の金融商品の売買を行った実際の口座情報が含まれる。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記管理者画面には、被管理者がシステムにログイン可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報を含んだ二次元コードが含まれる。
【0011】
本発明の一態様によれば、 情報処理システムが実行する情報処理方法であって、管理者画面を表示するよう制御し、前記管理者画面を介して設定された設定情報に基づき被管理者の装置の動作モードを決定し、決定された動作モードが第1の動作モードでは前記被管理者の装置の取引画面を介した注文通りの金融商品の売買を指示するよう制御し、決定された動作モードが前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは前記被管理者の装置の前記取引画面を介した注文と反対の金融商品の売買を指示するよう制御し、前記管理者画面には、前記被管理者がシステムにログインした場合における前記第2の動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品が含まれる情報処理方法が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、コンピュータを、上記各態様の情報処理システムとして機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報処理システム、情報処理方法及びプログラムによれば、金融商品の取引を行うに際し、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。
【0014】
その結果、設定に応じて金融商品の操作者の指示とは反対の売買が行われることにより、金融商品の取引者は金融商品の取引において利益を上げられる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図4は、被管理者に対する設定画面500の一例を示す図である。
図6図5は、クライアント装置120に表示される取引画面600の一例を示す図である。
図7図6は、クライアント装置110に表示される管理者画面700の一例を示す図である。
図8図7は、管理者画面800の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて一実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。以下に示すソフトウェアを実現するためのプログラムは、サーバーからダウンロード可能な態様で実施してもよいし、クラウドコンピュータ上でプログラムの実行がなされてもよいし、不揮発性又は揮発性の非一時的な記憶媒体に記憶させて頒布されてもよい。
【0017】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、を含む。
サーバー装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、はネットワーク150を介して通信可能に接続されている。また情報処理システム1000は、ネットワーク150を介してサーバー装置140と通信可能に接続されている。
【0018】
サーバー装置100は、特に言及しない限り以下に示す変形例も含めて実施形態1に関する主な処理を実行する。
クライアント装置110は、管理者が使用する端末装置である。クライアント装置120は、管理者に管理されている被管理者が使用する端末装置である。サーバー装置140は、サーバー装置100等からの要求に基づき金融商品の売買を制御する。金融商品としては外国為替、信用取引における株、先物取引における各種有価証券、商品、指数等があるが以下では説明の簡略化のため外国為替(又は外国為替証拠金取引)を例に説明を行う。ただし、このことは実施形態1等を制限するものではなく金融商品としては、価格、又は数値が変動し、操作者の注文と反対の注文をすることができるものであればどのようなものであってもよい。なお、金融商品が外国為替の場合の取引は外国為替証拠金取引である。
【0019】
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、各種構成が限定的な数しか図示されていないが、情報処理システム1000には、図1に示されていない各種構成が含まれていてもよい。
また、図1では、クライアント装置110の例としてスマートフォンを示しているが、スマートフォンに限定されるものではなく、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ等、外国為替の売買を指示できるものであればどのようなものであってもよい。また、サーバー装置100及び/又はサーバー装置100は、クラウドシステム等に置き換えてもよい。
【0020】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成され場合、その装置の例はサーバー装置100、又はクライアント装置110、又はクライアント装置120である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、複数の装置の例は、サーバー装置100の機能を提供するクラウドシステム、又はクライアント装置110及びクライアント装置120等である。
【0021】
2.ハードウェア構成
(サーバー装置100のハードウェア構成)
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。
【0022】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。
記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム及び制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能等が実現される。記憶部220は記憶媒体の一例である。
通信部230は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0023】
(クライアント装置110のハードウェア構成)
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、撮像部330と、入出力部340と、通信部350と、を含む。
【0024】
制御部310は、CPU等であって、クライアント装置110の全体を制御する。
記憶部320は、HDD、ROM、RAM、SSDの何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶させる。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、クライアント装置110の機能が実現される。記憶部320は記憶媒体の一例である。
撮像部330は、被写体等を撮像する。
入出力部340は、タッチパネルディスプレイ等であって、画面等を表示したり、ユーザー操作に基づいて情報をクライアント装置110に入力したりする。通信部350は、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0025】
クライアント装置120のハードウェア構成もクライアント装置110のハードウェア構成と同様である。クライアント装置120の制御部がクライアント装置120の記憶部に記憶されているプログラムに基づき異処理を実行することによってクライアント装置120の機能が実現される。
【0026】
3.情報処理
以下実施形態1の情報処理を説明する。
(処理の概要)
制御部210は、クライアント装置110からの設定等に基づきクライアント装置120の動作モードを制御する。制御部210は、クライアント装置120が第1の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文通りの外国為替の売買をサーバー装置140に指示するよう制御する。第1の動作モードとは操作者の指示通りの売買を要求する通常の動作モードである。
制御部210は、クライアント装置120が第1の動作モードとは異なる第2の動作モードの場合、クライアント装置120の入出力部に表示された取引画面を介した注文と反対の外国為替の売買を指示するよう制御する。第2の動作モードとは操作者の指示とは反対の売買を要求する反転動作モードである。
このような処理を実行することによって、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。多くの一般の投資家が投資により損失を被っている事実より、一般の投資家の投資行動と反対の行動を行えば利益を得られる可能性が高い。
よって、情報処理システム1000では、設定に応じて操作者の指示とは反対の売買を指示することによって、利益を上がられる可能性を高めている。
また、プロスペクト理論により、反転動作モードにおいて、操作者は、実際は利益が出ているのにも関わらず、損失が生じしていると勘違いして、塩漬けにしてすぐには売らず、利益をより多くすることができる。一方、プロスペクト理論により、反転動作モードにおいて、操作者は、実際は損失が出ているにも関わらず、利益が生じしていると勘違いしてすぐに売って、損失の拡大を回避することができる。
【0027】
(処理の詳細)
管理者の操作に応じて、シーケンスSQ401において、クライアント装置110の制御部310は、サーバー装置100に後述する図5に示されるような画面の表示要求を送信する。
画面の表示要求を受け取ると、シーケンスSQ402において、制御部210は、要求に応じた画面を生成する。
シーケンスSQ403において、制御部210は、生成した画面を要求元のクライアント装置110に送信する。
画面を受信すると、シーケンスSQ404において、制御部310は、画面を入出力部340に表示する。
【0028】
図5は制御部210が画面を生成し、要求元の装置に送信する処理は画面を表示するよう制御する処理の一例である。なお、実施形態1等では制御部210が画面を生成し、要求元の装置に送信するよう説明する。
しかし、制御部210が画面を生成するためのデータを要求元の装置に送信し、要求元の装置が制御部210から受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。このような場合も制御部210が画面を生成するためのデータを準備し、要求元の装置に送信する処理は画面を表示するよう制御する処理の一例である。以下においても同様である。
【0029】
図5は、被管理者に対する設定画面500の一例を示す図である。設定画面500は、管理者画面の一例である。上述したように図5に示される設定画面500は、管理者のクライアント装置110に表示される。
設定画面500には、該当する被管理者の装置の動作モードを設定する動作モード設定領域が含まれる。図5の例では、チェックボック510にチェックを入れることによって、被管理者の装置が反転動作モードで動作することを設定することができる。チェックボック510は、被管理者がシステムにログインした場合における反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定するユーザーインターフェース部品の一例である。なお、チェックボックスは一例であり、反転動作モードでの動作を許可することができればどのようなンターフェース部品であってもよい。
【0030】
また、チェックボック510は、被管理者がシステムにログインした場合、通常の動作モードと反転動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定するユーザーインターフェース部品の一例であるともいえる。チェックボック510にチェックが入れられると該当する被管理者の装置は、反転動作モードで動作するよう設定される。チェックボック510にチェックが入れられないと該当する被管理者の装置は、通常の動作モードで動作するよう設定される。チェックボックスは一例であり、通常の動作モードと反転動作モードとの何れの動作モードで動作させるかを設定することができればどのようなンターフェース部品であってもよい。
【0031】
チェックボック510にチェックが入れられると、領域520が有効化され、領域520における設定が可能となる。領域520では、反転動作モードにおける取引量が設定される。
図5の例では、領域520では、外国為替証拠金取引における米ドル/円及び米ドル/円以外の通貨の取引量の上限を設定可能となっている。図5の例では米ドル/円及び米ドル/円以外の通貨の取引量の上限をコンボボックスで設定可能となっている。
図5に示されるコンボボックスは、該当する被管理者がシステムにログインした場合における反転動作モードにおける外国為替の取引量を設定するユーザーインターフェース部品の一例である。コンボボックスは一例であり外国為替の取引量を設定することができればどのようなユーザーインターフェース部品であってもよい。
【0032】
管理者の操作に応じて、シーケンスSQ405において、クライアント装置110の制御部310は、図5に示されるような画面を介して設定された設定情報を、サーバー装置100に送信する。
クライアント装置110より設定情報を受信すると、シーケンスSQ406において、制御部210は、設定を行った管理者を識別する管理者識別情報、該当する被管理者を識別する被管理者識別情報及び設定情報を関連付けて設定データとして記憶部220等に記憶する。
なお、設定情報にはチェックボック510においてチェックが入れられているか否かの情報、チェックボック510にチェックが入れられている場合は反転動作モードにおける外国為替の取引量の上限量等の情報が含まれる。
【0033】
シーケンスSQ407において、制御部210は、クライアント装置120よりログイン要求を受信する。ログイン要求には例えばログインID及びパスワード等の認証情報が含まれる。ログインIDは、クライアント装置120を操作する被管理者を識別する被管理者識別情報である。
認証情報に基づき認証処理を実行し、適切な認証情報であると判定すると、シーケンスSQ408において、制御部210は、被管理者識別情報に基づき設定データを検索し、該当する設定データに含まれる設定情報に基づきクライアント装置120の動作モードを決定する。
制御部210は、設定情報がチェックボック510においてチェックが入れられていることを示していた場合、クライアント装置120の動作モードを反転動作モードと決定する。制御部210は、設定情報がチェックボック510においてチェックが入れられていないことを示していた場合、クライアント装置120の動作モードを通常の動作モードと決定する。
【0034】
シーケンスSQ408において、制御部210は、決定した動作モードでクライアント装置120が動作するよう情報処理システム120の動作モードを設定する。
以降、クライアント装置120は、制御部210により設定された動作モードにて動作を行う。
以下、特に言及しない限りクライアント装置120は反転動作モードで動作を行うものとして説明を行う。
【0035】
図6は、クライアント装置120に表示される取引画面600の一例を示す図である。
取引画面600では、一例として外国為替証拠金取引におけるドル/円の取引の画面が示されている。制御部210は、クライアント装置120から取引画面600の表示要求を受け取ると、図6に示されるような取引画面600を生成し、クライアント装置120に送信する。クライアント装置120は、サーバー装置100より取引画面600を受信すると、入出力部に表示する。
【0036】
クライアント装置120の操作者(被管理者)は、ドル/円において売り注文を出そうと思った場合は売りボタン610を選択しのち、注文確定ボタン630を選択する。
制御部210は、取引画面600においてドル/円の売り注文がなされたと判定すると、逆の注文(ドル/円の買い注文)をサーバー装置140に対して送信する。すなわち、クライアント装置120が反転動作モードで動作している場合、制御部210は、取引画面600において売りボタン610が選択された場合は、買いボタン620が選択されたとして処理を実行する。同様に、クライアント装置120が反転動作モードで動作している場合、制御部210は、取引画面600において買いボタン620が選択された場合は、売りボタン610が選択されたとして処理を実行する。
【0037】
取引画面600には、領域640が含まれる。領域640には口座情報が表示されている。領域640に表示される口座情報はクライアント装置120の動作モードが通常の動作モード及び反転動作モード何れの動作モードの場合であっても、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行ったとした場合の口座情報が表示される。
すなわち、制御部210は、クライアント装置120の動作モードが通常の動作モード及び反転動作モード何れの動作モードの場合であっても、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行ったとした場合の口座情報を取引画面に表示するよう制御する。取引画面600の領域640に口座情報が含まれる場合、取引画面に関連する画面は取引画面600である。また他の例として取引画面600に領域640は表示せず、又は取引画面600に領域640を表示させるとともに、口座ボタン650が選択された場合に、制御部210は、口座情報を含む画面をクライアント装置120に表示させるようにしてもよい。
【0038】
すなわち通常の動作モードの場合、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行った実際の口座情報が表示される。一方、反転動作モードの場合、取引画面を介した操作者の注文通りの外国為替の売買を行った偽の口座情報が表示される。
【0039】
図7は、クライアント装置110に表示される管理者画面700の一例を示す図である。管理者画面700では、被管理者の口座情報が表示されている。制御部210は、クライアント装置110から管理者画面700の表示要求を受け取ると、図7に示されるような管理者画面700を生成し、クライアント装置110に送信する。クライアント装置110は、サーバー装置100より管理者画面700を受信すると、入出力部340に表示する。
図7の管理者画面700には、該当する被管理者の実際の口座の情報が表示される。すなわち、管理者画面には、被管理者がシステムにログインした場合であって、反転動作モードにおいて外国為替の売買を指示した場合の、注文と反対の外国為替の売買を行った実際の口座情報が含まれる。図6に示される口座情報と図7に示される口座情報とを比較すると、図6の口座情報では評価損益合計がマイナスになっているが実際の口座情報である図7の口座情報では評価損益合計がプラスになっている。
【0040】
実施形態1によれば、動作モードに応じて指示通りの売買を指示したり、指示と反対の売買を指示したりすることができる。また、設定に応じて操作者の指示とは反対の売買を指示することによって、利益を上がられる可能性を高めている。
【0041】
(変形例1)
実施形態1ではサーバー装置100が主に処理を行うものとして説明を行った。しかし、サーバー装置100の処理の全て又は一部をクライアント装置110及びクライアント装置120の何れか又は双方が実行するようにしてもよい。クライアント装置120に専用のアプリケーションをインストールする必要がある場合、クライアント装置110の制御部310は、管理者画面として図8に示されるような画面を表示するよう制御する。図8は、管理者画面800の一例を示す図である。管理者画面800には二次元コードが表示されている。
なお、クライアント装置120に専用のアプリケーションをインストールする必要がある場合とは、クライアント装置120を反転動作モードで動作させる必要がある場合等である。例えば、変形例1においてクライアント装置120の動作モードとして反転動作モードを許可することを設定された場合、制御部310は、管理者画面800をクライアント装置110の入出力部340等に表示するよう制御する。上述したように管理者画面800には、被管理者がシステムにログイン可能であり、反転動作モードで動作可能なアプリケーションソフトウェアをダウンロードするためのアクセス情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))を含んだ二次元コードが含まれる。
【0042】
変形例1によっても上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0043】
(その他の変形例)
上述した実施形態等では管理者が被管理者の装置の反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定する例を示した。しかし、管理者が管理者の装置の反転動作モードでの動作を許可するか否かを設定するようにしてもよい。
【0044】
以上、一実施形態等について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100 :サーバー装置
110 :クライアント装置
120 :クライアント装置
210 :制御部
220 :記憶部