(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024734
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20250214BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20250214BHJP
【FI】
E02F9/26 B
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128957
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】須賀 亮介
(72)【発明者】
【氏名】川口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【テーマコード(参考)】
2D015
3D344
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB07
3D344AA16
3D344AB07
3D344AD05
(57)【要約】
【課題】操作性の向上を図りやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械の制御方法は、作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得することと、表示装置の表示部に表示される表示画面Dp1において、操作部に対応する位置に操作メニューM1を表示させることと、操作情報に基づいて制御を実行することと、切替条件を満たす場合に、表示画面Dp1における操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させることと、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得することと、
前記表示装置の表示部に表示される表示画面において、前記操作部に対応する位置に操作メニューを表示させることと、
前記操作情報に基づいて制御を実行することと、
切替条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を通常態様から特定態様に変化させることと、を有する、
作業機械の制御方法。
【請求項2】
前記操作部は複数のスイッチを含み、
前記操作メニューは、前記複数のスイッチにそれぞれ対応する複数の項目を含む、
請求項1に記載の作業機械の制御方法。
【請求項3】
前記複数の項目の並び方向に長さを有する告知領域に、前記通常態様においては前記作業機械の稼働状態に関する稼働情報を表示させ、前記特定態様においては前記操作メニューを表示させる、
請求項2に記載の作業機械の制御方法。
【請求項4】
前記特定態様は、少なくとも前記通常態様に比べて前記操作メニューの表示サイズが拡大された表示態様である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
【請求項5】
前記切替条件は、前記操作部に対して特定操作が行われることを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
【請求項6】
前記操作部は、前記特定操作を行うための特定操作子を有し、
前記操作メニューは、前記表示画面において前記特定操作子に対応する位置に表示される特定項目を含む、
請求項5に記載の作業機械の制御方法。
【請求項7】
前記特定項目は、前記通常態様においては第1図像を含み、前記特定態様においては前記第1図像とは異なる第2図像を含む、
請求項6に記載の作業機械の制御方法。
【請求項8】
前記第1図像は前記表示画面の内側を指し示す図像であって、
前記第2図像は前記表示画面の外側を指し示す図像である、
請求項7に記載の作業機械の制御方法。
【請求項9】
解除条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を前記特定態様から前記通常態様に変化させること、を更に有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法を、
1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
【請求項11】
作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得する取得処理部と、
前記表示装置の表示部に表示される表示画面において、前記操作部に対応する位置に操作メニューを表示させる表示処理部と、
前記操作情報に基づいて制御を実行する制御処理部と、を備え、
前記表示処理部は、切替条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を通常態様から特定態様に変化させる、
作業機械用制御システム。
【請求項12】
請求項11に記載の作業機械用制御システムと、
前記表示装置が搭載される機体と、を備える、
作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に用いられる、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、作業機械(建設機械)に搭載された表示装置に、作業機械の各種の情報を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る表示装置には、作業機械が作業中である場合、少なくとも燃料量の情報とエンジン水温の情報とが表示される。さらに、関連技術においては、表示切替スイッチの機能を案内するガイド用指標の表示を消すことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記関連技術の構成では、例えば、作業機械の小型化等に伴って表示装置が小型になると、ガイド用指標の表示サイズが小さくなり、表示装置の操作性が低下する場合がある。
【0005】
本発明の目的は、操作性の向上を図りやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機械の制御方法は、作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得することと、前記表示装置の表示部に表示される表示画面において、前記操作部に対応する位置に操作メニューを表示させることと、前記操作情報に基づいて制御を実行することと、切替条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を通常態様から特定態様に変化させることと、を有する。
【0007】
本発明の一態様に係る作業機械用制御プログラムは、前記作業機械の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様に係る作業機械用制御システムは、取得処理部と、表示処理部と、制御処理部と、を備える。前記取得処理部は、作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得する。前記表示処理部は、前記表示装置の表示部に表示される表示画面において、前記操作部に対応する位置に操作メニューを表示させる。前記制御処理部は、前記操作情報に基づいて制御を実行する。前記表示処理部は、切替条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を通常態様から特定態様に変化させる。
【0009】
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用制御システムと、前記表示装置が搭載される機体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作性の向上を図りやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る作業機械の全体構成を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る作業機械の油圧回路等を示す概略図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る作業機械を上方から見て、作業機械の周囲に設定された監視エリア等を模式的に表す概略平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示画面が表示される表示装置の概略外観図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される表示画面の切り替え例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る作業機械用制御システムによる制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、操作メニューの表示態様の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0013】
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業機械3は、
図1に示すように、走行部31と、旋回部32と、作業部33と、を機体30に備えている。また、作業機械3は、
図2に示すように、作業機械用制御システム1(以下、単に「制御システム1」ともいう)を更に備えている。その他、機体30は、表示装置2及び操作装置等を更に備えている。
【0014】
本開示でいう「作業機械」は、各種の作業用の機械を意味し、一例として、バックホー(油圧ショベル、ミニショベル等を含む)、ホイルローダー及びキャリア等の作業車両である。作業機械3は、少なくとも吊り作業を含む1つ以上の作業を実行可能に構成された作業部33を備えている。作業機械3は、「車両」に限らず、例えば、作業用船舶、ドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械3は建設機械(建機)に限らず、例えば、田植機、トラクタ又はコンバイン等の農業機械(農機)であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械3が吊り機能付き(クレーン機能付き)のバックホーであって、吊り作業の他に、掘削作業、整地作業、溝掘削作業又は積込作業等を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。
【0015】
また、本実施形態では、説明の便宜上、作業機械3が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D1と定義する。さらに、旋回部32の非旋回状態において、作業機械3(の運転部321)に搭乗したユーザ(オペレータ)から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも作業機械3の機体30を基準として規定される方向であって、作業機械3の前進時に機体30が移動する方向が「前方」、作業機械3の後退時に機体30が移動する方向が「後方」となる。同様に、作業機械3の右旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「右方」、作業機械3の左旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「左方」となる。ただし、これらの方向は、作業機械3の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。
【0016】
作業機械3は、動力源となるエンジンを備えている。作業機械3においては、例えば、エンジンによって油圧ポンプ41(
図2参照)が駆動され、油圧ポンプ41から機体30の各部の油圧アクチュエータ(油圧モータ43及び油圧シリンダ44等を含む)に作動油が供給されることで、機体30が駆動する。また、作業機械3は、例えば、機体30の運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)が、操作装置の操作レバー等を操作することにより制御される。
【0017】
本実施形態では、上述したように作業機械3が乗用タイプのバックホーである場合を想定しているので、作業部33は、運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)の操作に従って駆動され、掘削作業等の作業を実行する。ユーザが搭乗する運転部321は、旋回部32に設けられている。
【0018】
走行部31は、走行機能を有し、地面を走行(旋回を含む)可能に構成されている。走行部31は、例えば、左右一対のクローラ311及びブレード312等を有している。走行部31は、クローラ311を駆動するための走行用の油圧モータ43(油圧アクチュエータ)等を更に有する。
【0019】
旋回部32は、走行部31の上方に位置し、走行部31に対して、鉛直方向に沿った回転軸を中心に旋回可能に構成されている。旋回部32は、旋回用の油圧モータ(油圧アクチュエータ)等を有している。旋回部32には、運転部321の他、エンジン及び油圧ポンプ41等が搭載されている。さらに、旋回部32の前端部には、作業部33が取り付けられるブームブラケット322が設けられている。
【0020】
作業部33は、吊り作業を含む作業を実行可能に構成されている。作業部33は、旋回部32のブームブラケット322に支持されており、作業を実行する。作業部33は、バケット331、ブーム332及びアーム333等を有している。作業部33は、各部を駆動するための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44及び油圧モータ等を含む)を更に有する。
【0021】
バケット331は、作業機械3の機体30に取り付けられるアタッチメント(作業具)の一種であって、複数種類のアタッチメントの中から作業の内容に応じて選択される任意の器具からなる。バケット331は、一例として、機体30に対して取り外し可能に取り付けられ、作業の内容に応じて交換される。作業機械3用のアタッチメントとしては、例えば、バケット331の他に、ブレーカ、オーガ、クラッシャ、フォーク、フォーククロー、鉄骨カッタ、アスファルト切削機、草刈機、リッパ、マルチャ、チルトローテータ及びタンパ等の種々の器具がある。作業部33は、駆動装置からの動力により、バケット331を駆動することで作業を実行する。
【0022】
ブーム332は、旋回部32のブームブラケット322にて、回転可能に支持されている。具体的には、ブーム332は、ブームブラケット322にて、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。ブーム332は、ブームブラケット322に支持される基端部から上方に延びる形状を有している。アーム333は、ブーム332の先端に連結されている。アーム333は、ブーム332に対して、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。アーム333の先端には、バケット331が取り付けられる。
【0023】
作業部33は、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。具体的には、エンジンによって油圧ポンプ41が駆動され、作業部33の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44等)に油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、作業部33の各部(バケット331、ブーム332及びアーム333)が動作する。
【0024】
本実施形態では特に、作業部33は、ブーム332及びアーム333が個別に回転可能に構成された多関節型の構造を有している。つまり、ブーム332及びアーム333の各々が、水平方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、例えば、ブーム332及びアーム333を含む多関節型の作業部33は、全体として伸ばしたり、折りたたんだりする動作が可能である。
【0025】
走行部31及び旋回部32の各々についても、作業部33と同様に、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。つまり、走行部31の油圧モータ43及び旋回部32の油圧モータ等に、油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、旋回部32及び走行部31が動作する。
【0026】
エンジンは、上述したように各部に動力を供給する動力源として機能する。ここで、エンジンは、油圧ポンプ41等と共に旋回部32に搭載されている。本実施形態では一例として、エンジンはディーゼルエンジンである。エンジンは、燃料タンクから燃料(ここでは軽油)が供給されることにより駆動する。
【0027】
ここで、機体30には、機体30の周辺を撮像するカメラ等、作業機械3の周囲の監視エリアA1(
図3参照)における検知対象物Ob1(
図3参照)を検知するための各種のセンサ類(カメラを含む)が備わっている。本実施形態では一例として、
図3に示すように、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343を含む複数(ここでは3つ)のカメラが、機体30の旋回部32に搭載されている。左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343は、制御システム1に接続されており、各々で撮像された画像を制御システム1に出力する。
図3は、作業機械3を上方から見た平面図であって、作業機械3の周囲に設定された監視エリアA1、検知対象物Ob1、並びに作業機械3の機体30(左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343を含む)を模式的に表している。
【0028】
左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343は、それぞれ旋回部32の運転部321に搭乗したオペレータから見て、左方、右方及び後方となる監視エリアA1を撮像できるように、運転部321を基準に左方、右方及び後方に向けて設置される。つまり、監視エリアA1は、
図3に示すように、複数(ここでは3つ)の小エリアA11,A12,A13を含み、左方カメラ341は、このうち運転部321に搭乗したオペレータから見て左方となる小エリアA11(左方エリア)を撮像する。同様に、右方カメラ342は、運転部321に搭乗したオペレータから見て右方となる小エリアA12(右方エリア)を撮像し、後方カメラ343は、運転部321に搭乗したオペレータから見て後方となる小エリアA13(後方エリア)を撮像する。これにより、オペレータにとって死角となりやすい、側方(左方及び右方)並びに後方を、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343でカバーすることが可能となる。
【0029】
図2では、本実施形態に係る作業機械3の油圧回路及び電気回路(電気的な接続関係)を模式的に示す。
図2では、実線が高圧の(作動油用の)油路、点線が低圧の(パイロット油用の)油路、一点鎖線の矢印が電気信号の経路を示す。
【0030】
図2に示すように、作業機械3は、油圧ポンプ41、油圧モータ43(
図2では図示を省略)及び油圧シリンダ44に加えて、パイロットポンプ42、リモコン弁45、制御弁46及び方向切換弁(コントロールバルブ)47等を備えている。
【0031】
エンジンにより駆動される油圧ポンプ41からの作動油は、走行部31の油圧モータ43、旋回部32の油圧モータ、及び作業部33の油圧シリンダ44等に供給される。これにより、油圧モータ43及び油圧シリンダ44等の油圧アクチュエータが駆動される。
【0032】
油圧モータ43及び油圧シリンダ44等の油圧アクチュエータには、油圧ポンプ41からの作動油の方向及び流量を切換可能なパイロット式の方向切換弁47が設けられている。方向切換弁47は、パイロットポンプ42から入力指令となるパイロット油が供給されて駆動される。
【0033】
ここで、例えば、作業部33の油圧シリンダ44に対応する方向切換弁47へのパイロット油の供給路には、リモコン弁45が設けられている。リモコン弁45は、操作レバーの操作に応じて作業部33の作業操作指令を出力する。作業操作指令は、作業部33の展開動作及び縮小動作等を指示する。また、リモコン弁45と、パイロットポンプ42との間には、電磁式の制御弁46(電磁弁)が挿入されている。制御弁46は、カットオフリレー352及びカットオフスイッチ353を介して電源351に接続されており、電源351からの供給電流に応じて動作する。
【0034】
同様に、走行部31の油圧モータ43に対応する方向切換弁へのパイロット油の供給路にも、リモコン弁が設けられている。このリモコン弁は、操作レバーの操作に応じて走行部31の走行操作指令を出力する。走行操作指令は、走行部31の走行動作(前進又は後退等)を指示する。さらに、旋回部32の油圧モータに対応する方向切換弁へのパイロット油の供給路にも、リモコン弁が設けられている。このリモコン弁は、操作レバーの操作に応じて旋回部32の旋回操作指令を出力する。旋回操作指令は、旋回部32の旋回動作(左旋回又は右旋回等)を指示する。そして、これらのリモコン弁と、パイロットポンプ42との間にも、電磁式の制御弁46(電磁弁)が挿入されている。制御弁46は、カットオフリレー352及びカットオフスイッチ353を介して電源351に接続されており、電源351からの供給電流に応じて動作する。
【0035】
制御弁46は、通電状態、つまり電流が供給されている状態で、パイロットポンプ42からリモコン弁45へのパイロット油の流路を開放し、非通電状態、つまり供給電流が遮断されている状態で、パイロット油の流路を遮断する。そのため、制御弁46への供給電流が遮断されることで、リモコン弁45に対応する油圧アクチュエータが駆動不能となり、操作レバーの操作によらずに、油圧アクチュエータの出力が強制的に停止する。
【0036】
ここで、カットオフリレー352は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの制御信号(電気信号)に応じてオン/オフが切り替わる。カットオフスイッチ353は、カットオフレバー(ゲートロックレバーと同義)の操作に応じてオン/オフが切り替わり、例えば、カットオフレバーが下方に操作された状態でオンになる。したがって、カットオフリレー352とカットオフスイッチ353との両方がオンのとき、制御弁46は通電状態となり、パイロットポンプ42からリモコン弁45へのパイロット油の流路が開放されるので、操作レバーの操作に応じて油圧アクチュエータが駆動する。これに対して、カットオフリレー352とカットオフスイッチ353との少なくとも一方がオフの状態では、制御弁46は非通電状態となり、パイロット油の流路が遮断されるので、油圧アクチュエータが駆動不能となる。
【0037】
例えば、旋回部32の油圧モータに対応するリモコン弁とパイロットポンプ42との間に挿入された制御弁46につながるカットオフリレー352とカットオフスイッチ353との少なくとも一方がオフの状態では、旋回部32の油圧モータが駆動不能となる。この状態では、操作レバーの操作によらずに、油圧アクチュエータ(旋回部32の油圧モータ)の出力が強制的に停止するため、旋回部32の旋回動作が禁止されることになる。
【0038】
制御システム1は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。本実施形態では、制御システム1は、作業機械3全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、制御システム1は、統合コントローラと別に設けられていてもよい。制御システム1について詳しくは「[2]制御システムの構成」の欄で説明する。
【0039】
表示装置2は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付け、ユーザに種々の情報を出力するためのユーザインターフェースである。表示装置2は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。これにより、ユーザ(オペレータ)は、表示装置2に表示される表示画面Dp1(
図4参照)を視認でき、また、必要に応じて表示装置2を操作することが可能である。
【0040】
表示装置2は、
図2に示すように、制御部21と、操作部22と、表示部23と、を備えている。表示装置2は、制御システム1と通信可能に構成されており、制御システム1との間でデータの授受が可能である。本実施形態では一例として、表示装置2は作業機械3に用いられる専用のデバイスである。
【0041】
制御部21は、制御システム1からのデータに従って、表示装置2を制御する。具体的には、制御部21は、操作部22で受け付けたユーザの操作に応じた電気信号を出力したり、制御システム1で生成される表示画面Dp1を表示部23に表示したりする。
【0042】
操作部22は、表示部23に表示される表示画面Dp1に対するユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部22は、例えば、ユーザU1(
図4参照)の操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザU1による各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作部22は、
図4に示すように、機械式の複数(ここでは6つ)の押釦スイッチ221~226を含む。これら複数の押釦スイッチ221~226は、表示部23の表示領域の周縁に沿うように、表示領域に近接して(
図4の例では下方に)配置されている。これら複数の押釦スイッチ221~226は、後述する表示画面Dp1に表示される項目M11~M16(
図5参照)に対応付けられており、複数の押釦スイッチ221~226のいずれかが操作されることにより、表示画面Dp1のいずれかの項目M11~M16が操作(選択)される。
【0043】
また、操作部22は、タッチパネル及び操作ダイヤル等を含んでいてもよい。この場合においても、操作部22に対する操作により、表示画面Dp1のいずれかの項目が操作(選択)されることになる。
【0044】
表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザU1(オペレータ)に情報を提示するためのユーザインターフェースである。表示部23は、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。本実施形態では一例として、表示部23は、バックライト付きのフルカラーの液晶ディスプレイであって、
図4に示すように、横方向に長い「横長」の表示領域を有している。
【0045】
表示装置2は、作業機械3を操作するユーザU1(オペレータ)に向けて表示画面Dp1にて種々の情報を提示する。つまり、作業機械3を操作するユーザU1は、表示装置2に表示される表示画面Dp1を見ることで、作業機械3に関連する種々の情報を視覚的に得ることが可能である。一例として、表示装置2に、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報が表示されることで、ユーザU1は、作業機械3の操作に必要な作業機械3の稼働状態に関する情報を、表示装置2で確認することができる。また、表示装置2は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343にて撮像される作業機械3の周辺画像(監視エリアA1の画像)についても、表示画面Dp1に表示することができる。これにより、ユーザU1(オペレータ)は、作業機械3を操作する際に、例えば、運転部321からの死角となりやすい作業機械3の側方及び後方等の状況を、表示装置2に表示される表示画面Dp1にて確認することができる。
【0046】
さらに、作業機械3は、ユーザU1(オペレータ)に対して音(音声を含む)を出力する音出力部36(
図2参照)を備えている。音出力部36は、ブザー又はスピーカ等を含み、電気信号を受けて音を出力する。音出力部36は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの音制御信号に応じて、ビープ音又は音声等の音を出力する。本実施形態では、音出力部36は、表示装置2と同様に機体30の運転部321に設けられている。音出力部36は、表示装置2と一体に設けられていてもよい。
【0047】
また、機体30は、上述した構成に加えて、操作レバー、カットオフレバー、通信端末、燃料タンク及びバッテリ等を更に備えている。さらには、機体30には、冷却水温センサ、作動油温センサ、エンジンの回転数を計測する回転数計、及び稼働時間を計測するアワーメータ等、機体30の稼働状態を監視するためのセンサ類が備わっている。その他、カットオフレバー及びスタータキースイッチ等の状態等を検出するセンサも、機体30に備わっている。
【0048】
[2]制御システムの構成
次に、本実施形態に係る制御システム1の構成について、
図2を参照して説明する。制御システム1は、表示装置2を制御することにより、表示装置2に表示画面Dp1を表示させる。本実施形態では、表示装置2は、上述したように作業機械3の機体30に搭載されている。制御システム1は、作業機械3の構成要素であって、機体30等と共に作業機械3を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る作業機械3は、少なくとも制御システム1と、表示装置2が搭載される機体30(走行部31、旋回部32及び作業部33を含む)と、を備えている。
【0049】
本開示でいう表示画面Dp1等の「画面」は、表示装置2にて表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト及び動画等を含む。すなわち、制御システム1は、例えば、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報を表す図像等を含む表示画面Dp1を、表示装置2に表示させることが可能である。ここで、表示画面Dp1が動画等を含む場合には、表示画面Dp1は一定の映像ではなく、刻一刻と変化する映像を含む。
【0050】
制御システム1は、
図2に示すように、取得処理部11と、表示処理部12と、制御処理部13と、を備えている。本実施形態では一例として、制御システム1は1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とするので、1以上のプロセッサが作業機械用制御プログラムを実行することにより、これら複数の機能部(取得処理部11、表示処理部12及び制御処理部13等)が実現される。制御システム1に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
【0051】
制御システム1は、機体30の各部に設けられたデバイスと通信可能に構成されている。つまり、制御システム1には、少なくとも表示装置2、音出力部36、カットオフリレー352、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343等が接続されている。これにより、制御システム1は、表示装置2及び音出力部36等を制御したり、カットオフリレー352を制御して制御弁46を制御したり、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343等の撮像画像を取得したりすることが可能である。ここで、制御システム1は、各種の情報(データ)の授受を、各デバイスと直接的に行ってもよいし、中継器等を介して間接的に行ってもよい。
【0052】
取得処理部11は、表示装置2の操作部22の操作に係る操作情報、及び機体30の稼働状態を監視するためのセンサ類(左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343等を含む)の検出結果に関するセンサ情報等(撮像画像を含む)を取得する取得処理を実行する。つまり、制御システム1は、取得処理部11にて、作業機械3を制御するための各種の操作を受け付け、かつ、燃料の残量計等の機体30の稼働状態を監視するためのセンサ類の出力を受け付ける。
【0053】
具体的に、表示装置2の操作部22が、ユーザU1の操作に応じた操作信号を出力することで、取得処理部11は、当該操作信号を取得する。さらに、冷却水温センサ、作動油温センサ、エンジンの回転数を計測する回転数計、走行速度を計測する速度計及び稼働時間を計測するアワーメータ等、機体30の稼働状態を監視するセンサ類からのセンサ信号を、取得処理部11が取得する。取得処理部11で取得されたデータは、例えば、メモリ等に記憶される。
【0054】
表示処理部12は、少なくとも
図5に例示するような表示画面Dp1を表示装置2に表示させる表示処理を実行する。具体的には、表示処理部12は、取得処理部11で取得されるデータ等に基づいて表示画面Dp1を生成し、表示装置2を制御することによって、表示画面Dp1を表示装置2の表示部23に表示させる。
【0055】
制御処理部13は、操作情報に基づいて制御を実行する。つまり、制御処理部13は、取得処理部11が取得した表示装置2の操作部22の操作に係る操作情報に基づく制御を行う。ここでいう「制御」は、操作情報に基づく種々の制御を含み、例えば、機体30の各部(走行部31、旋回部32及び作業部33等)の制御(設定を含む)、及び表示処理部12の制御等を含む。そのため、制御処理部13が表示処理部12を制御することにより、表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1を、操作部22の操作に応じて変化させること等が可能である。
【0056】
[3]作業機械の制御方法
以下、
図5~
図8を参照しつつ、主として制御システム1によって実行される作業機械3の制御方法(以下、単に「制御方法」という)の一例について説明する。
【0057】
本実施形態に係る制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする制御システム1にて実行されるので、言い換えれば、作業機械用制御プログラム(以下、単に「制御プログラム」という)にて具現化される。つまり、本実施形態に係る制御プログラムは、制御方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような制御プログラムは、例えば、制御システム1及び表示装置2によって協働して実行されてもよい。
【0058】
ここで、制御システム1は、制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、作業機械3のエンジンの起動操作等である。一方、制御システム1は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、作業機械3のエンジンの停止操作等である。
【0059】
[3.1]表示画面
ここではまず、本実施形態に係る制御方法によって表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1の基本的な構成について説明する。
図5等の表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、いずれも説明のために付しているに過ぎず、実際に表示装置2に表示される訳ではない。
【0060】
図5に示す表示画面Dp1は、制御方法によって最初に表示されるホーム画面である。ホーム画面は、作業機械3の稼働中に、まずは表示装置2に表示されることになる基本的な表示画面Dp1である。表示画面Dp1は、ホーム画面から、操作部22に対する操作に従って、メニュー画面及び設定画面等を含む様々な表示画面Dp1への遷移が可能である。
【0061】
ホーム画面としての表示画面Dp1は、
図5に示すように、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3と、第4領域R4と、第5領域R5と、第6領域R6と、第7領域R7と、第8領域R8と、第9領域R9と、第10領域R10と、を有する。第5領域R5、第6領域R6及び第7領域R7は、告知領域R11の一例である。
【0062】
具体的には、ホーム画面としての表示画面Dp1は、縦方向(上下方向)に4つの領域に分割されている。そして、上から3つの領域は、それぞれ更に横方向(左右方向)に3つの領域に分割されている。これにより、ホーム画面としての表示画面Dp1は、計10個の領域に分割される。そして、上から2段目の領域は、左から順に、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3となる。最下段の領域は第4領域R4となる。さらに、上から3段目の領域は、左から順に、第5領域R5、第6領域R6、第7領域R7となり、最上段の領域は、左から順に、第8領域R8、第9領域R9、第10領域R10となる。縦方向のサイズは、縦方向に分割された4つの領域の中では、上から2段目の領域(第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3)が最も広い。横方向のサイズは、横方向に分割された3つの領域の中では、真ん中の領域(第2領域R2、第6領域R6、第9領域R9)が最も広い。
【0063】
ただし、これらの各領域の配置及びサイズは一例に過ぎず、適宜変更可能である。また、各領域が境界線によって明確に分割されていることは必須ではない。例えば、
図5の例でも、第2領域R2と第3領域R3とは境界線によって明確に分割されているのに対して、第1領域R1と第2領域R2との間には境界線は存在しない。もちろん、第1領域R1と第2領域R2とが境界線によって明確に分割されていてもよい。
【0064】
第1領域R1は、縦方向に長い矩形状の領域である。第1領域R1には、監視対象物の残量に関する残量情報G1が表示される。ここで、監視対象物は、作業機械3の稼働に伴って消費される物体(液体、気体を含む)である。本実施形態では、エンジンに、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが付設された作業機械3を想定する。尿素SCRシステムは、排気ガスに対して尿素水を噴射することで、排気ガスに含まれるNOxを除去する。このような構成の作業機械3においては、燃料だけでなく、尿素水タンク内の尿素水についても、適宜補充が必要である。そこで、本実施形態では一例として、監視対象物は、エンジンの燃料(例えば軽油)、及び尿素水を含む。よって、第1領域R1に表示される残量情報G1は、燃料の残量に関する燃料残量情報G11と、尿素水の残量に関する尿素水残量情報G12と、を含む。表示処理部12は、取得処理部11で取得した残量センサの出力(センサ信号)に基づいて、表示画面Dp1中の残量情報G1を生成する。
【0065】
本実施形態では、燃料残量情報G11及び尿素水残量情報G12は、いずれも棒グラフである。つまり、残量情報G1は、監視対象物(ここでは燃料及び尿素水)の残量を指数化し、棒グラフの長さ(高さ)によって表す情報である。残量情報G1が、グラフ(棒グラフ)にて表示されることにより、ユーザにとっては、視認性がよく、監視対象物の残量を感覚的に理解できる、という利点がある。残量情報G1は、監視対象物の残量に関する情報であればよく、残量そのものを数値等で表す情報だけでなく、例えば、図像(アイコン)の絵柄等により残量を段階的に表す情報、及び監視対象物の消費量を表すことで残量を間接的に表す情報等であってもよい。
【0066】
第2領域R2は、横方向に長い矩形状の領域である。第2領域R2には、作業機械3の稼働状態に関する情報が表示される。
図5の例では、第2領域R2には、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2が表示されている。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、作業機械3の稼働状態に関する情報の一例である。
【0067】
表示処理部12は、取得処理部11で取得した冷却水温センサの出力(センサ信号)に基づいて、表示画面Dp1中の冷却水温情報G3を生成する。同様に、表示処理部12は、取得処理部11で取得した作動油温センサの出力(センサ信号)に基づいて、表示画面Dp1中の作動油温情報G2を生成する。
【0068】
本実施形態では、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、いずれもアナログメータを模したグラフである。アナログメータにおいては、針G21,G31が回転し、針G21,G31の位置によって値が提示される。つまり、冷却水温情報G3は、作業機械3の稼働状態に含まれる冷却水温を指数化し、グラフの針G31の位置によって表す情報である。同様に、作動油温情報G2は、作業機械3の稼働状態に含まれる作動油温を指数化し、グラフの針G21の位置によって表す情報である。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2が、グラフにて表示されることにより、ユーザにとっては、視認性がよく、作業機械3の稼働状態を感覚的に理解できる、という利点がある。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、冷却水温及び作動油温を数値等で表す情報だけでなく、例えば、図像(アイコン)の絵柄等により冷却水温及び作動油温を段階的に表す情報等であってもよい。
【0069】
また、第2領域R2に表示される情報は、適宜切り替え可能である。一例として、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343等で撮像された周辺画像等が、第2領域R2に表示されてもよい。
【0070】
第3領域R3は、縦方向に長い矩形状の領域である。第3領域R3には、作業機械3の各部の稼働状態に応じた図像(アイコン)Im1が表示される。第3領域R3には、複数の図像Im1を表示可能であって、個々の図像Im1のデザイン(絵柄)によって、例えば、シートベルト、冷却水温、作動油温等の、いずれの状態を表すかを示す。ここで、各図像Im1は、例えば、表示色又はサイズ等の表示態様によって、稼働状態を示す。表示処理部12は、作業機械3の各部の稼働状態を検知する種々のセンサ(冷却水温センサ及び作動油温センサを含む)の出力を用いて、作業機械3の各部の状態を判断する。そして、表示処理部12は、いずれかの部位で異常値が検知された場合には、その部位の図像Im1の表示色等の表示態様を変化させる等により、警告表示を行う。
【0071】
第4領域R4は、表示画面Dp1の全幅にわたって延びる帯状の領域である。第4領域R4には、表示画面Dp1に対する操作のための操作メニューM1が表示される。操作メニューM1は、
図5に示すように、表示部23の表示領域の下端縁231に沿って、表示画面Dp1の下端部に表示される。操作メニューM1は、表示画面Dp1の横方向(左右方向)に長さを有する帯状(矩形状)のオブジェクトである。
図5の例では、縦方向(上下方向)において、操作メニューM1は表示画面Dp1全体の10%程度の幅を有する。
【0072】
このように表示部23の表示領域の下端縁231に沿って表示される操作メニューM1は、表示画面Dp1のうち、操作部22(
図4参照)に対応する位置に表示されることになる。すなわち、操作部22における複数の押釦スイッチ221~226は、表示部23の表示領域の下端縁231に隣接して配置されているところ、表示画面Dp1のうちの表示部23の表示領域の下端縁231に沿って表示される操作メニューM1は、操作部22に隣接して表示される。
【0073】
操作メニューM1は、表示画面Dp1に対する操作のための複数(本実施形態では6つ)の項目M11~M16を含んでいる。これら複数の項目M11~M16は、操作メニューM1の長手方向(表示画面Dp1の横方向)に並べて配置されている。
【0074】
これら6つの項目M11~M16には、その下方に位置する操作部22の6つの押釦スイッチ221~226がそれぞれ対応付けられている(
図4参照)。例えば、「メニュー」の項目M11には押釦スイッチ221が対応付けられている。同様に、項目M12には押釦スイッチ222が、項目M13には押釦スイッチ223が、項目M14には押釦スイッチ224が、項目M15には押釦スイッチ225が、項目M16には押釦スイッチ226が、それぞれ対応付けられている。そのため、操作メニューM1が表示されている状態で、「メニュー」の項目M11に対応する押釦スイッチ221がユーザU1により操作されると、「メニュー」の項目M11が操作(選択)されることになる。
【0075】
一例として、「メニュー」の項目M11が操作(選択)されると、制御処理部13は、表示処理部12を制御して、表示画面Dp1を
図5に示す画面から、メニュー画面へと遷移させる。メニュー画面からは、更に各種の設定画面等へ表示画面Dp1を遷移させることが可能である。
【0076】
さらに、操作部22の操作ダイヤル(又はカーソルキー)等の操作にも対応するように、第4領域R4においては、いずれかの項目M11~M16がハイライト表示されてもよい。例えば、操作ダイヤル(又はカーソルキー)等の操作により、ハイライト表示される項目M11~M16が切り替わる。ユーザU1においては、所望の項目M11~M16をハイライト表示させた状態で決定ボタンを操作することにより、所望の項目M11~M16を選択することが可能である。そのため、例えば、「メニュー」の項目M11がハイライト表示されている状態で決定ボタンが操作されると、「メニュー」の項目M11が操作(選択)されることになる。また、操作部22がタッチパネルを含む場合には、ユーザU1は、表示画面Dp1上の所望の項目M11~M16をタッチする操作により、所望の項目M11~M16を選択することが可能である。
【0077】
第5領域R5及び第6領域R6には、例えば、作業機械3における作業部33に関する情報が表示される。第7領域R7には、例えば、作業機械3の冷却水温又はエンジンの回転数等、作業機械3の稼働状態に関する情報が表示される。第8領域R8には、例えば、現在時刻が表示される。第9領域R9には、例えば、エラーメッセージ等が表示される。第10領域R10には、例えば、作業機械3の稼働時間(アワーメータ)に関する情報が表示される。
【0078】
[3.2]操作メニューの表示態様
次に、
図5~
図7を参照して、表示装置2の表示部23に表示される操作メニューM1の表示態様について、より詳細に説明する。
【0079】
本実施形態に係る制御方法においては、表示処理部12は、切替条件を満たす場合に、表示画面Dp1における操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させる。
図5は、操作メニューM1の表示態様が「通常態様」である表示画面Dp1(第1表示画面Dp11)を示し、
図6は、操作メニューM1の表示態様が「特定態様」である表示画面Dp1(第2表示画面Dp12)を示す。つまり、
図5に示す第1表示画面Dp11が表示部23に表示されている状態で、切替条件を満たすと、表示画面Dp1は、
図6に示す第2表示画面Dp12に切り替わる。
【0080】
この構成によれば、表示画面Dp1における操作メニューM1の表示態様が固定的でなく、必要に応じて、操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させることが可能である。そのため、例えば、通常態様では他の情報の表示の邪魔にならないように操作メニューM1を小さめに表示しつつ、特定態様では操作メニューM1を拡大表示することによって、操作メニューM1に基づく操作部22の操作性を向上させることが可能である。したがって、本実施形態によれば、例えば、作業機械3の小型化等に伴って表示装置2が小型になる場合であっても、操作性の向上を図りやすい作業機械3の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム1及び作業機械3を提供するが可能である。
【0081】
具体的に、本実施形態では、操作部22は複数のスイッチ(押釦スイッチ221~226)を含み、操作メニューM1は、複数のスイッチ(押釦スイッチ221~226)にそれぞれ対応する複数の項目M11~M16を含む。このような操作メニューM1にあっては、複数のスイッチ(押釦スイッチ221~226)の各々に何の操作が割り当てられているのかを、表示画面Dp1においてユーザU1に提示することが可能である。そのため、例えば拡大表示によって操作メニューM1の視認性が向上することは、操作部22の操作性の向上に直結する。
【0082】
ここで、複数の項目M11~M16の並び方向(横方向)に長さを有する告知領域R11に、通常態様においては作業機械3の稼働状態に関する稼働情報を表示させ、特定態様においては操作メニューM1を表示させる。すなわち、操作メニューM1が通常態様で表示される第1表示画面Dp11においては、
図5に示すように、操作メニューM1が表示される第4領域R4に隣接し、告知領域R11の一例である第5領域R5、第6領域R6及び第7領域R7には、作業部33に関する情報及び作業機械3の冷却水温等、作業機械3の稼働状態に関する情報(稼働情報)が表示される。これに対して、操作メニューM1が特定態様で表示される第2表示画面Dp12においては、
図6に示すように、操作メニューM1が表示される第4領域R4が上方に向けて告知領域R11にまで拡張され、告知領域R11上にも操作メニューM1が表示されることになる。
【0083】
このように、本実施形態に係る制御方法では、限られた表示部23の表示領域の中で、特定態様においては、告知領域R11を利用して操作メニューM1を表示することができる。このとき、操作メニューM1が表示されることにより、告知領域R11内の稼働情報は操作メニューM1で隠れることになる。そのため、操作メニューM1で隠れることになる、第5領域R5、第6領域R6及び第7領域R7に表示される稼働情報は、例えば、作業機械3の運転(操作)への影響の小さい情報等、比較的緊急度の低い情報とすることが好ましい。
【0084】
ここで、特定態様は、少なくとも通常態様に比べて操作メニューM1の表示サイズが拡大された表示態様である。本実施形態では特に、通常態様から特定態様に変化するに際して、操作メニューM1が表示される第4領域R4が上方に向けて拡張されるので、操作メニューM1の各項目M11~M16の表示サイズは表示画面Dp1の縦方向(上下方向)に拡大されることになる。
図6の例では、各項目M11~M16に含まれる図像(アイコン)及び文字(テキスト)等の表示サイズについても、
図5に示す通常態様に比べて、拡大されている。結果的に、操作メニューM1の表示態様が通常態様から特定態様に切り替わることで、操作メニューM1の視認性が向上し、操作部22の操作性の向上につながる。
【0085】
ところで、本開示でいう「切替条件」は、操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させるための条件であって、切替条件を満たす場合に、操作メニューM1の表示態様が通常態様(
図5参照)から特定態様(
図6参照)に変化する。
【0086】
切替条件は、操作部22に対して特定操作が行われることを含む。本実施形態では、操作メニューM1の表示態様が通常態様である状態において、操作部22に対して特定操作が行われることのみをもって、切替条件を満たすこととする。すなわち、ユーザU1においては、操作部22に対して特定操作を行うことで、操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させることが可能である。これにより、ユーザU1の意思によって、操作メニューM1の表示態様を特定態様にすることができる。
【0087】
ここで、操作部22は、特定操作を行うための特定操作子を有する。操作メニューM1は、表示画面Dp1において特定操作子に対応する位置に表示される特定項目を含む。本実施形態では、操作部22における複数の押釦スイッチ221~226のうちの右端に位置する押釦スイッチ226が特定操作子の一例である。そのため、操作メニューM1における複数の項目M11~M16のうちの右端に位置する項目M16が特定項目の一例である。
【0088】
よって、ユーザU1が、項目M16(特定項目)に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)を押操作することで、切替条件を満たすことになり、操作メニューM1の表示態様が通常態様から特定態様に変化する。これにより、ユーザU1においては、特定項目(項目M16)を目印にして特定操作子を操作することで、操作メニューM1の表示態様を特定態様にすることができる。
【0089】
また、本実施形態では、表示処理部12は、解除条件を満たす場合に、表示画面Dp1における操作メニューM1の表示態様を特定態様から通常態様に変化させる。これにより、操作メニューM1の表示態様を通常態様から特定態様に変化させた後、操作メニューM1の表示態様を通常態様に戻すことが可能である。
【0090】
本開示でいう「解除条件」は、操作メニューM1の表示態様を特定態様から通常態様に変化させるための条件であって、解除条件を満たす場合に、操作メニューM1の表示態様が特定態様から通常態様に変化する。解除条件は、切替条件と同じ条件であってもよいし、切替条件と異なる条件であってもよい。
【0091】
本実施形態では一例として、解除条件は、切替条件と同様に、操作部22に対して特定操作が行われることを含む。本実施形態では、操作メニューM1の表示態様が特定態様である状態において、操作部22に対して特定操作が行われることのみをもって、解除条件を満たすこととする。すなわち、表示部23に表示画面Dp1が表示されている状態で、項目M16(特定項目)に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)が押操作される度に、
図7に示すように、操作メニューM1の表示態様は、通常態様と特定態様とで交互に切り替わる。
【0092】
さらに、本実施形態では、特定項目は、通常態様においては第1図像M161(
図5参照)を含み、特定態様においては第1図像M161とは異なる第2図像M162(
図6参照)を含む。これにより、ユーザU1においては、項目M16(特定項目)に含まれる図像が第1図像M161か第2図像M162かによって、操作メニューM1の表示態様が通常状態か特定状態かを把握することが可能である。
【0093】
ここで、第1図像M161は、
図5に示すように、表示画面Dp1の内側を指し示す図像である。一方、第2図像M162は、
図6に示すように、表示画面Dp1の外側を指し示す図像である。本実施形態では一例では、第1図像M161及び第2図像M162は、それぞれ特定方向を指し示す「矢印」形状の図像である。ここで、項目M16(特定項目)は、表示部23の表示領域の下端縁231と対向する位置にあるので、第1図像M161は、表示領域の内側となる上方、つまり下端縁231とは反対側に向けた矢印形状の図像からなる。第2図像M162は、表示領域の外側となる下方、つまり下端縁231側に向けた矢印形状の図像からなる。
【0094】
項目M16(特定項目)が、このように表示画面Dp1の内側又は外側を指し示す図像を含むことで、ユーザU1にとっては、項目M16に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)を操作するので、操作メニューM1の表示態様が特定状態と通常状態とのいずれに切り替わるのかを直感的に把握しやすくなる。つまり、項目M16(特定項目)に表示画面Dp1の内側を指し示す第1図像M161が表示されている状態で、押釦スイッチ226(特定操作子)が操作されると、操作メニューM1が表示画面Dp1の内側(上方)に拡張されて特定態様に切り替わる。一方、項目M16(特定項目)に表示画面Dp1の外側を指し示す第2図像M162が表示されている状態で、押釦スイッチ226(特定操作子)が操作されると、操作メニューM1が表示画面Dp1の外側(下方)に縮小されて通常態様に切り替わる。
【0095】
ただし、第1図像M161及び第2図像M162が含む図像は、特定方向を指し示す図像であればよく、矢印形状に限らず、例えば、三角形状、又は、人の指を模した図像等であってもよい。
【0096】
[3.3]フローチャート
次に、制御方法のうち、特に表示処理部12によって実行される処理の流れについて、
図8を参照して説明する。
【0097】
図8に示すように、制御システム1の表示処理部12は、表示画面Dp1を表示装置2に表示させる(S1)。このとき、表示処理部12は、
図5に示すように、操作メニューM1を通常態様で表示させ(S2)、項目M16(特定項目)には第1図像M161を表示する。
【0098】
この状態で、表示処理部12は、切替条件を満たすか否かを判断する(S3)。このとき、項目M16(特定項目)に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)が押操作されると、表示処理部12は、切替条件を満たすと判断し(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させる。一方、押釦スイッチ226(特定操作子)が押操作されなければ、表示処理部12は、切替条件を満たさないと判断し(S3:No)、処理をステップS2に移行させ、通常態様での操作メニューM1の表示を継続する。
【0099】
ステップS4では、表示処理部12は、
図6に示すように、操作メニューM1を特定態様で表示させ、項目M16(特定項目)には第2図像M162を表示する。
【0100】
この状態で、表示処理部12は、解除条件を満たすか否かを判断する(S5)。このとき、項目M16(特定項目)に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)が押操作されると、表示処理部12は、解除条件を満たすと判断し(S5:Yes)、処理をステップS2に移行させる。一方、押釦スイッチ226(特定操作子)が押操作されなければ、表示処理部12は、解除条件を満たさないと判断し(S5:No)、処理をステップS4に移行させ、特定態様での操作メニューM1の表示を継続する。
【0101】
制御システム1は、上記ステップS1~S5の処理を繰り返し実行する。ただし、
図8に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
【0102】
[4]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0103】
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御システム1に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
【0104】
また、制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置(例えば制御システム1及び表示装置2)に分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0105】
また、表示装置2は、専用のデバイスに限らず、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の汎用端末であってもよい。さらに、表示部23は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのように、表示画面を直接的に表示する態様に限らず、例えば、プロジェクタのように、投影により表示画面を表示する構成であってもよい。
【0106】
また、操作部22の情報の入力の態様として、押釦スイッチ、タッチパネル及び操作ダイヤル以外の態様を採用してもよい。例えば、操作部22は、キーボード、マウス等のポインティングディバイス、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
【0107】
また、作業機械3の動力源は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、モータ(電動機)、又はエンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源であってもよい。
【0108】
また、切替条件は、項目M16(特定項目)に対応する押釦スイッチ226(特定操作子)の押操作(特定操作)に限らない。例えば、切替条件は、音声入力等、操作部22とは別の操作手段に対する特定操作を含んでもよい。切替条件は、表示装置2に設けた人検知手段にて人が検知されること、ユーザU1が表示装置2の正面に位置すること、ユーザU1の視線からユーザU1が表示画面Dp1を注視していると判断されること、若しくは作業機械3に関するエラーが発生すること、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0109】
また、操作メニューM1の表示態様の通常態様から特定態様への切り替えは、実施形態1で説明した例に限らず、様々なパターンが考えられる。例えば、
図9に示す「パターン1」のように、通常態様から特定態様に変化するに際して、操作メニューM1の各項目M11~M16の表示サイズを縦方向(上下方向)に拡大しつつ、各項目M11~M16に含まれる図像(アイコン)及び文字(テキスト)等の表示サイズについては不変としてもよい。さらに、
図9に示す「パターン2の」ように、通常態様から特定態様に変化するに際して、操作メニューM1の各項目M11~M16の表示形状を横長から縦長に変更しつつ、各項目M11~M16の表示サイズについては不変としてもよい。その他、例えば、通常態様から特定態様に変化するに際して、操作メニューM1の各項目M11~M16に図像(アイコン)及び文字(テキスト)等が追加表示されてもよい。
【0110】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0111】
<付記1>
作業機械用の表示装置の操作部の操作に係る操作情報を取得することと、
前記表示装置の表示部に表示される表示画面において、前記操作部に対応する位置に操作メニューを表示させることと、
前記操作情報に基づいて制御を実行することと、
切替条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を通常態様から特定態様に変化させることと、を有する、
作業機械の制御方法。
【0112】
<付記2>
前記操作部は複数のスイッチを含み、
前記操作メニューは、前記複数のスイッチにそれぞれ対応する複数の項目を含む、
付記1に記載の作業機械の制御方法。
【0113】
<付記3>
前記複数の項目の並び方向に長さを有する告知領域に、前記通常態様においては前記作業機械の稼働状態に関する稼働情報を表示させ、前記特定態様においては前記操作メニューを表示させる、
付記2に記載の作業機械の制御方法。
【0114】
<付記4>
前記特定態様は、少なくとも前記通常態様に比べて前記操作メニューの表示サイズが拡大された表示態様である、
付記1~3のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
【0115】
<付記5>
前記切替条件は、前記操作部に対して特定操作が行われることを含む、
付記1~4のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
【0116】
<付記6>
前記操作部は、前記特定操作を行うための特定操作子を有し、
前記操作メニューは、前記表示画面において前記特定操作子に対応する位置に表示される特定項目を含む、
付記5に記載の作業機械の制御方法。
【0117】
<付記7>
前記特定項目は、前記通常態様においては第1図像を含み、前記特定態様においては前記第1図像とは異なる第2図像を含む、
付記6に記載の作業機械の制御方法。
【0118】
<付記8>
前記第1図像は前記表示画面の内側を指し示す図像であって、
前記第2図像は前記表示画面の外側を指し示す図像である、
付記7に記載の作業機械の制御方法。
【0119】
<付記9>
解除条件を満たす場合に、前記表示画面における前記操作メニューの表示態様を前記特定態様から前記通常態様に変化させること、を更に有する、
付記1~8のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
【0120】
<付記10>
付記1~9のいずれかに記載の作業機械の制御方法を、
1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
【符号の説明】
【0121】
1 (作業機械用)表示制御システム
2 表示装置
3 作業機械
11 取得処理部
12 表示処理部
13 制御処理部
22 操作部
23 表示部
30 機体
221~225 押釦スイッチ(スイッチ)
226 押釦スイッチ(特定操作子)
Dp1 表示画面
M1 操作メニュー
M11~M15 項目
M16 項目(特定項目)
R11 告知領域
M161 第1図像
M162 第2図像