(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024738
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128961
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩司
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333EA04
2C333EA10
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA17
(57)【要約】
【課題】演出の実行態様をさらに変化させ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】CPUは、保留情報コマンドを解析して得られる保留情報に基づいて、保留情報に対して実行される有利判定によって有利状態が生起されると判定される期待度を取得する(S601)。ROMは、保留変化演出における保留表示の変化パターンを期待度に基づいて定義する保留表示変化態様決定テーブルを記憶する。CPUは、保留カスタムの設定項目が「通常態様」である場合(S605:NO)、取得した期待度に基づく変化パターンで保留変化演出を実行する(S625)。CPUは、保留カスタムの設定項目が「入賞時に最終態様」である場合(S605:YES)、取得した期待度に基づく変化パターンにおいて最終変化態様として定義されている態様で保留表示を表示当初から表示する(S625)。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の契機の成立に応じて取得された数値情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態を生起するかを判定する有利判定を実行する判定手段と、
前記有利判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段と、
前記保留情報に対して実行される前記有利判定によって前記有利状態が生起されると判定される期待度を取得する取得手段と、
前記保留手段によって記憶された順に応じて前記保留情報を示す保留表示の遊技の進行に応じた表示態様を、前記期待度に基づいて定義する表示態様定義手段と、
前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様に応じて、前記保留表示の表示態様を遊技の進行に応じて変化させて表示することができる通常保留表示手段と、
前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様のうち遊技の進行に応じて最終的に表示されることが定義されている表示態様である最終表示態様で前記保留表示を当初から表示させる特定保留表示手段と、
前記通常保留表示手段と前記特定保留表示手段とのいずれかを遊技者の所望に応じて選択する表示選択手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
少なくとも前記特定保留表示手段によって前記保留表示が表示される場合において、前記保留表示を前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様で表示するか否かを、前記期待度に応じて設定できる表示期待度設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者が操作できる操作手段と、
前記操作手段に対する操作に応じて演出に関する複数の設定項目のそれぞれを変更できるカスタマイズ手段と
を備え、
前記複数の設定項目のうちの一つは、前記表示選択手段による選択に対応することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演出の実行態様をカスタマイズできる遊技機が知られている。特許文献1は、入力操作手段に対し所定の操作がなされた場合に、演出の実行態様を変更する演出カスタマイズ機能を有している遊技機を開示する。上記の遊技機は、図柄の変動表示がされている期間において演出カスタマイズ機能を利用して演出の実行態様を変更する処理を行うとき、初期状態とは異なる状態に設定されているカスタム項目を一括で初期状態にリセットするカスタムリセット処理を実行できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遊技機は、演出カスタマイズ機能を利用して、様々な演出の実行態様を変更及びリセットできる。しかしながら、演出の実行態様のさらなる多様化が待望されている。
【0005】
本発明は、演出の実行態様をさらに変化させ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、所定の契機の成立に応じて取得された数値情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態を生起するかを判定する有利判定を実行する判定手段と、前記有利判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段と、前記保留情報に対して実行される前記有利判定によって前記有利状態が生起されると判定される期待度を取得する取得手段と、前記保留手段によって記憶された順に応じて前記保留情報を示す保留表示の遊技の進行に応じた表示態様を、前記期待度に基づいて定義する表示態様定義手段と、前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様に応じて、前記保留表示の表示態様を遊技の進行に応じて変化させて表示することができる通常保留表示手段と、前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様のうち遊技の進行に応じて最終的に表示されることが定義されている表示態様である最終表示態様で前記保留表示を当初から表示させる特定保留表示手段と、前記通常保留表示手段と前記特定保留表示手段とのいずれかを遊技者の所望に応じて選択する表示選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
保留表示の表示態様が保留表示に対応する保留情報の示す期待度に基づいて定義されており、遊技の進行に応じて表示態様が変化する場合、どの表示態様まで変化するかは遊技者の大きな関心事である。本発明に係る遊技機は、表示選択手段によって通常保留表示手段が選択される場合、保留表示がどの表示態様まで変化するかに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。一方、保留表示の最終表示態様がいち早く示される場合、最終表示態様によって示される期待度を、遊技者にいち早く認識させることができる。すなわち、本発明に係る遊技機は、表示選択手段によって特定保留表示手段が選択される場合、最終表示態様で保留表示を当初から表示することによって、遊技者の期待感が高まるタイミングを前倒しすることができる。したがって、本発明に係る遊技機は、保留表示に関する演出の実行態様をさらに変化させ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0008】
前記遊技機は、少なくとも前記特定保留表示手段によって前記保留表示が表示される場合において、前記保留表示を前記表示態様定義手段によって定義されている表示態様で表示するか否かを、前記期待度に応じて設定できる表示期待度設定手段を備えてもよい。
【0009】
この場合、遊技機は、保留表示に対応する保留情報が示す期待度が所定以上である場合に、保留表示を表示態様定義手段によって定義されている表示態様で表示するようにできる。これにより、遊技機は、期待度が所定以上であることを、最終表示態様を用いて遊技者に示唆することができる。したがって、遊技機は、特に遊技者の期待感が高まるタイミングを前倒しする場合において、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。
【0010】
前記遊技機は、遊技者が操作できる操作手段と、前記操作手段に対する操作に応じて演出に関する複数の設定項目のそれぞれを変更できるカスタマイズ手段とを備え、前記複数の設定項目のうちの一つは、前記表示選択手段による選択に対応してもよい。
【0011】
遊技機の演出に関する複数の設定項目を変更できるカスタマイズ手段を備える遊技機に対して、変更できる設定項目として様々なものを設けてほしいという遊技者の要望がある。遊技機は、表示選択手段による選択をカスタマイズ手段によって変更できる設定項目として備える。遊技機は、カスタマイズ手段によって変更できる設定項目として、保留表示に関する新規な設定項目を遊技者に提供することによって、カスタマイズ手段による設定項目の変更を遊技者に楽しませ、また、遊技機に対する遊技者の印象を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図4】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図5】ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図6】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図7】メイン処理において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図10】特別図柄処理において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図11】メイン処理において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図12】第一保留表示の表示態様の種類を示す説明図である。
【
図13】ROM583に記憶される保留表示変化態様決定テーブルを示す概念図である。
【
図14】ROM583に記憶されるチャンス表示決定テーブルを示す概念図である。
【
図15】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図17】サブ制御基板処理において行われる客待ち中処理のフローチャートである。
【
図20】客待ち中処理の実行中に表示画面28に表示される画像の例を示す説明図である。
【
図21】遊技カスタマイズ画像220を用いてカスタマイズできるパチンコ機1の演出に関する複数の設定項目のそれぞれの詳細を説明するための説明図である。
【
図22】サブ制御基板処理において行われる保留表示処理のフローチャートである。
【
図23】サブ制御基板処理において行われる報知演出実行処理のフローチャートである。
【
図24】保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「通常態様」である場合における遊技の流れを説明する説明図である。
【
図26】保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「入賞時に最終態様」である場合における遊技の流れを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、特別図柄を備えた、いわゆる旧1種タイプの遊技機である。本願が開示する技術は、大当たり判定、普通当たり判定等、遊技機において行われる判定が実行されずに保留されている数値情報である保留乱数に対応する表示である保留表示を表示手段に表示する遊技機であれば、旧2種タイプ、1種2種混合タイプ、一般電役タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。表示手段には、LCD、有機EL、ドットマトリクス等、種々のものが用いられてよい。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技機枠30と遊技盤2とを備える。遊技機枠30は、前面枠31と、図示しない本体枠及び外枠を備える。外枠は、パチンコ機1をホールの島設備に固定するための枠部材である。本体枠は、遊技盤2等を取り付けるための枠体である。本体枠は、外枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31は、本体枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31には、図示しない透明板が着脱可能に固定されている。透明板は、例えばガラス板である。前面枠31は、透明板とともに遊技盤2を前方から覆う。
【0015】
前面枠31は、発射ハンドル32、上皿33、下皿34、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及びスピーカ39を備える。発射ハンドル32は、前面枠31の右下部に設けられている。発射ハンドル32は、遊技者が回転操作をできるように構成されている。遊技者が発射ハンドル32を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、
図2に示す遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。上皿33は、前面枠31の中央下部に設けられている。上皿33は、遊技球発射装置37に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。下皿34は、上皿33の下方に設けられている。下皿34は、賞球を受ける。演出ボタン35は、上皿33の上面に設けられている。演出ボタン35は、遊技者が押下操作をできるように構成されている。演出レバー36は、前面枠31の左下部に設けられている。演出レバー36は、遊技者が左右方向への回転操作及び後方への押込操作をできるように構成されている。枠ランプ38は、前面枠31の上部、左部及び右部等に設けられる装飾部である。枠ランプ38は、LED等の光源を内蔵し、光を用いた各種の演出を実行する。スピーカ39は、前面枠31の上部の左右の角部に設けられている。スピーカ39は、音楽、音声、効果音等の各種の音を出力する。
【0016】
遊技盤2は正面視略正方形の板状である。遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、センター飾り21が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り21の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0017】
センター飾り21は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り21の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成される画像表示手段であり、数字・文字、様々な動画等を表示可能である。表示画面28には、有機EL、ドットマトリクス等、種々のものが用いられてよい。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、
図24等に示す演出用の図柄である演出図柄100を変動させた後に、後述する大当たり判定の結果を示す演出図柄100の組合せを確定表示させる図柄変動を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。また、センター飾り21は、LED等の光源を有して構成される、
図2に示す盤ランプ27を内蔵している。センター飾り21は、盤ランプ27によって、光を用いた各種の演出を実行する。
【0018】
センター飾り21の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第一始動口14の右下方には、大入賞口16が設けられている。大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して延び、大入賞口16の入口を開閉可能に構成された開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された場合にのみ、大入賞口16に入賞することができる。大入賞口16の開閉部材161は、
図2に示す大入賞口ソレノイド70によって電気的に開閉される。大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当たり遊技において開放する。
【0019】
センター飾り21の右方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、普通図柄の作動ゲートである。ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口として構成されている。第二始動口15は、片羽根状であり、第二始動口15の入口を開閉可能に構成された開閉部材151を備える。遊技球は、開閉部材151が開放された場合にのみ、第二始動口15に入賞することができる。第二始動口15の開閉部材151は、
図2に示す第二始動口ソレノイド69によって電気的に開閉される。第二始動口15の開閉部材151は、後述する普通当たり遊技において開放される。
【0020】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LED等を備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ複数個のLEDからなる。第一特別図柄表示部は、LEDを点滅表示すること等による変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第一特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第一特別図柄という。以下、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図1大当たり判定」という。第二特別図柄表示部は、第一特別図柄表示部と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第二特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第二特別図柄という。以下、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図2大当たり判定」という。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0021】
普通図柄表示部は、特別図柄の変動表示と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、遊技球がゲート12を通過することを契機として実行される普通当たり判定の結果を報知する。普通図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、普通図柄という。第一保留数表示LEDは、特
図1大当たり判定の実行が保留されている数である第一保留数を表示する。第二保留数表示LEDは、特
図2大当たり判定の実行が保留されている数である第二保留数を表示する。普通保留数表示LEDは、普通当たり判定の実行が保留されている数である普通保留数を表示する。
【0022】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の装飾部材、その他の入賞口及び図示しない遊技くぎ等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0023】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口14へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート12、第二始動口15及び大入賞口16を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート12、第二始動口15及び大入賞口16を通過又は入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する確変状態、時短状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0024】
図1を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、特別電動役物を連続して作動させるための装置である。本実施形態において、条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に作動する。本実施形態において、役物連続作動装置は、条件装置が作動した場合に作動する。役物連続作動装置が作動することによって、特別電動役物に係る大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで開放されることが所定回数繰り返される、大当たり遊技が実行される。
【0025】
以下、大当たり遊技において大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。また、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態、すなわち、大当たり遊技が実行中の状態を、大当たり遊技状態という。本実施形態では、ラウンド数は「4」又は「8」である。以下、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す特別図柄を、大当たり図柄という。大当たり判定の結果がはずれであることを示す特別図柄を、はずれ図柄という。
【0026】
パチンコ機1は、確変状態又は非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当たり判定において大当たりであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。大当たり判定において大当たりであると判定される確率を、以下、「大当たり確率」という。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当たり確率が通常の確率である状態である。本実施形態において、非確変状態における大当たり確率は、1/200であり、確変状態における大当たり確率は、1/20である。本実施形態では、大当たり遊技の終了後に60%の割合で確変状態が設定される。大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されるか否かは、後述する特別図柄決定乱数の値に応じて決定される特別図柄の種別によって定まる。以下では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される種別の特別図柄を、「確変大当たり図柄」という。大当たり遊技の終了後に非確変状態が設定される種別の特別図柄を、「非確変大当たり図柄」という。設定された確変状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。本実施形態において、大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技の終了後に、確変状態の他、後述の時短状態が設定されることがある。
【0027】
普通当たり遊技について説明する。普通当たり遊技は、普通当たり判定の判定結果が当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に実行される。普通当たり判定は、ゲート12を遊技球が通過することを契機として行われる。普通当たり遊技は、普通電動役物に係る第二始動口15の開閉部材151が所定の開放パターンで開放されることによって実行される。
【0028】
パチンコ機1は、非時短状態及び時短状態のいずれかを設定する。非時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の頻度である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる遊技状態である。本実施形態において、非時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約0.1秒×1回である。普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。非時短状態における普通当たり確率は、約1/11である。また、非時短状態における普通図柄の変動時間は、約10秒である。時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約1.2秒×3回である。時短状態における普通当たり確率は、約10/11である。また、時短状態における普通図柄の変動時間は、約2秒である。このため、遊技者は、時短状態において、非時短状態よりも第二始動口15に遊技球を容易に入賞させることができる。なお、非時短状態又は時短状態における普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターン、普通当たり確率及び普通図柄の変動時間は、一例であるので、これらの値は任意に変更されてもよい。
【0029】
本実施形態において、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に時短状態を設定する。設定された時短状態は、確変状態が継続する間又は時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計が、予め定められた時短回数に達するまで継続する。すなわち、パチンコ機1は、いわゆるA時短状態を設定できる。本実施形態において、時短回数は100回である。パチンコ機1は、この他に、いわゆるB時短状態及びC時短状態を設定できるように構成されていてもよい。B時短状態は、大当たり遊技が終了し、非確変状態における大当たり判定の実行が開始されたこと及び後述するRAMクリア処理が行われたことを起点として計数された大当たり判定の実行回数が、予め定められた上限回数に到達することに応じて設定される時短状態である。C時短状態は、非確変状態において、はずれ図柄のうち特定のはずれ図柄が確定表示されたことを契機として設定される時短状態である。
【0030】
パチンコ機1は、これら確変状態、非確変状態、時短状態及び非時短状態を組合せて、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の遊技状態を設定できる。本実施形態では、「通常状態」、「確変時短状態」、「非確変時短状態」の3種類の遊技状態のうちのいずれかが設定される。通常状態は、非確変状態と非時短状態との組合せによる。確変時短状態は、確変状態と時短状態との組合せによる。非確変時短状態は、非確変状態と時短状態との組合せによる。なお、パチンコ機1における初回電源投入後の初期状態には、通常状態が設定される。この他、パチンコ機1は、確変状態と非時短状態との組合せによる「確変非時短状態」等を含めた4種類以上の遊技状態を備えてもよい。
【0031】
図2を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプ制御基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継端子板47及び電源基板42を主に備える。
【0032】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。RAM52は、確変状態、時短状態等の遊技状態を示すフラグ等の情報、大当たり判定の結果を示す情報、第一保留数、第二保留数等、遊技に関する処理のための遊技処理情報を記憶する。CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力する図示しないクロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0033】
また、主制御基板41には、RAMクリアスイッチ412が実装されている。RAMクリアスイッチ412は、RAMクリア処理を行う際に操作されるスイッチである。RAMクリア処理は、RAM52に記憶されている遊技処理情報を消去し、RAM52の初期設定を行うために行われる。なお、RAMクリアスイッチ412は、電源基板42に設けられても良い。RAMクリアスイッチ412は、主制御基板41、電源基板42等とは別に設けられる専用の基板に設けられてもよい。
【0034】
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47、図柄表示部29、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。図柄表示部29の表示制御は、CPU51によって行われる。外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0035】
サブ制御基板58は、各種の演算処理を行うCPU581、データを一時的に記憶するRAM582、制御プログラム等を記憶したROM583及びパチンコ機1における音出力を制御する音制御回路585を備える。サブ制御基板58は、ランプ制御基板46、演出制御基板43及びスピーカ39に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。
【0036】
ランプ制御基板46は、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及び盤ランプ27に接続している。ランプ制御基板46は、図示しないLEDドライバ等を備える。ランプ制御基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、枠ランプ38及び盤ランプ27の発光動作等を制御する。演出ボタン35は押下操作をされた場合、押下操作をされたことを示す信号を出力する。演出レバー36は回転操作及び押込操作をされた場合、回転操作及び押込操作をされたことを示す信号を出力する。ランプ制御基板46は、演出ボタン35から受信した信号及び演出レバー36から受信した信号を、サブ制御基板58に中継する。
【0037】
演出制御基板43は、各種の演算処理を行うCPU431、表示画面28に対する画像出力を制御する画像制御回路435及び画像データを記憶するCGROM(図示略)等を備える。演出制御基板43は、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
【0038】
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0039】
中継端子板47は、第二始動口ソレノイド69、大入賞口ソレノイド70、ゲートスイッチ74、大入賞口スイッチ76に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材161を開閉する。ゲートスイッチ74は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。大入賞口スイッチ76は、大入賞口16に設けられており、大入賞口16への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0040】
電源基板42は、主制御基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では約0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。電源基板42には、電源スイッチ421が設けられている。電源スイッチ421は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0041】
図3を参照して、RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。特
図1大当たり関係情報記憶エリアは、
図7から
図9において後述するメイン処理の特別図柄処理において使用される。特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、記憶可能な第一保留数の上限である最大第一保留数は「4」である。このため、特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に第一保留数が4未満、すなわち0~3であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0042】
第一保留数は、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図1大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定等が保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数を、図示しない判定エリアにシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、特
図1大当たり判定と特
図2大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図1大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以降の記憶エリアに記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が判定エリアに順次シフトされて、特
図1大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、特
図1大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技のラウンド数に関する処理等が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0043】
各記憶エリアには、大当たり乱数の値が記憶される特
図1大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一始動口14へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。特
図1大当たり乱数欄に記憶される大当たり乱数は、特
図1大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数欄に記憶される特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数欄に記憶される変動パターン決定乱数は、図柄表示部29の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間等を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。大当たり乱数と、大当たり乱数とともに取得されて特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶される特別図柄決定乱数及び変動パターン決定乱数を総称して、第一乱数ともいう。特
図1大当たり判定、第一変動パターンの決定、第一特別図柄の決定が実行されず保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一乱数を、第一保留乱数という。また、特
図1特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。この他、報知演出を後述するリーチ演出として行うか否かを決定するためのリーチ乱数等、上記以外の乱数が、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として第一乱数として取得されてもよい。
【0044】
図示しないが、RAM52には、特
図2大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。特
図2大当たり関係情報記憶エリアも、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、特
図2大当たり関係情報記憶エリアに、最大第二保留数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。第二保留数は、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図2大当たり判定の実行、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている第二保留乱数の個数である。第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、特
図2大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。特
図2大当たり関係情報記憶エリアには、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に、大当たり乱数の値が記憶される特
図2大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0045】
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリアにシフトする。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図2大当たり判定等の各種処理を行う。大当たり乱数と、大当たり乱数とともに取得されて特
図2大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている特別図柄決定乱数及び変動パターン決定乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
【0046】
以下の説明では、大当たり乱数のうち特
図1大当たり判定のために用いられるものを、特
図1大当たり乱数ともいう。大当たり乱数のうち特
図2大当たり判定のために用いられるものを、特
図2大当たり乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第一変動パターンを決定するために用いられるものを、第一変動パターン決定乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第二変動パターンを決定するために用いられるものを、第二変動パターン決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第一特別図柄を決定するために用いられるものを、第一特別図柄決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第二特別図柄を決定するために用いられるものを、第二特別図柄決定乱数ともいう。
【0047】
パチンコ機1において、第一変動時間及び第二変動時間は、特
図1大当たり判定及び特
図2大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄100の変動表示の開始を制御する。主制御基板41は、第一変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。本実施形態において、特別図柄確定表示時間は0.8秒である。また、主制御基板41は、第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第二特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄確定表示時間に同期して、演出図柄100を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄100による他、表示画面28、盤ランプ27、枠ランプ38、スピーカ39等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出の実行を制御する。以下では、第一特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第一報知演出という。第二特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第二報知演出という。
【0048】
なお、図示しないが、RAM52には、ゲート12を遊技球が通過することを契機として取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアには、記憶可能な普通保留数の上限である最大普通保留数「4」に対応する4つの記憶エリアが設けられている。記憶エリアには、普通当たり乱数の値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0049】
図4を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、特
図1大当たり判定の結果を示す第一特別図柄と、特
図2大当たり判定の結果を示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。特に、特別図柄決定テーブルは、第一特別図柄及び第二特別図柄の大当たり図柄を定義している。特別図柄決定テーブルは、複数の大当たり図柄のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~99)を対応付けている。なお、大当たり判定の結果がはずれである場合には、所定のはずれ種別が決定される。
【0050】
第一特別図柄は、「4R通常大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の2種類の図柄名称の大当たり図柄を含む。「4R通常大当たりA」は、非確変大当たり図柄である。「4R確変大当たりA」は、確変大当たり図柄である。第一特別図柄の大当たり図柄の割合は、「4R通常大当たりA」が40%、「4R確変大当たりA」が60%である。「4R通常大当たりA」及び「4R確変大当たりA」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「4」である。
【0051】
第二特別図柄は、「4R通常大当たりB」、「4R確変大当たりB」及び「8R確変大当たり」の3種類の図柄名称の大当たり図柄を含む。「4R通常大当たりB」は、非確変大当たり図柄である。「4R確変大当たりB」及び「8R確変大当たり」は、確変大当たり図柄である。第二特別図柄の大当たり図柄の割合は、「4R通常大当たりB」が40%、「4R通常大当たりB」が30%、「4R通常大当たりB」が40%、「8R通常大当たり」が30%である。「4R通常大当たりB」及び「4R確変大当たりB」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「4」である。「8R確変大当たり」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「8」である。なお、これらの図柄名称の大当たり図柄が決定される割合は一例であり、任意に変更されてもよい。
【0052】
特別図柄決定テーブルは、「大当たり遊技終了後の遊技状態」欄を設け、大当たり図柄が決定されたことに起因して大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を、図柄名称に対応付けて定義している。特別図柄決定テーブルは、設定された遊技状態が終了する条件である終了条件も、図柄名称に対応付けて定義されている。
【0053】
第一特別図柄として4R通常大当たりAが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変時短状態が設定される。設定された非確変時短状態は、非確変時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計が、時短回数である100回に到達するまで継続する。特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計を、以下、判定回数という。その後は時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に移行する。第一特別図柄として4R確変大当たりAが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変時短状態が設定される。設定された確変時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。
【0054】
第二特別図柄として4R通常大当たりBが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変時短状態が設定される。設定された非確変時短状態は、非確変時短状態における判定回数が、時短回数である100回に到達するまで継続する。その後は時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に移行する。第二特別図柄として4R確変大当たりB又は8R確変大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変時短状態が設定される。設定された確変時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。
【0055】
図5を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、大当たり判定による判定結果及び変動パターンが決定される時点における遊技状態に応じて、複数のテーブルを設けている。複数のテーブルのそれぞれには、1又は複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)及び特別図柄の変動時間が対応付けられている。
【0056】
特
図1大当たり判定が行われた場合、その時点の遊技状態と特
図1大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、特
図1大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが1つ決定される。通常状態における特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄100のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、通常状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。同様に、確変時短状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出F」、「リーチ演出G」の順に高くなる。非確変時短状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出H」、「リーチ演出I」の順に高くなる。
【0057】
なお、本実施形態において、「非リーチ演出A」等の「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく終了する報知演出である。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。「非リーチ」の第一変動パターンは、第一特別図柄の変動開始時における第一保留数に応じて、第一変動時間が変動する。
図5において、保留数「0」は、第一保留数が「0」の状態において遊技球が第一始動口14へ入賞したことを契機として第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。保留数「1」、「2」又は「3」は、第一保留数が「1」、「2」又は「3」である状態において、第一乱数に基づいて第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。
【0058】
遊技状態が確変時短状態及び非確変時短状態である場合においても、通常状態の場合と同様に、大当たり判定による判定結果に応じて、特
図1大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが1つ決定される。図示を省略するが、第二変動パターンについても第一変動パターンと同様に、遊技状態に応じた複数のテーブルのそれぞれに、1又は複数種類の第二変動パターンが割り当てられている。各変動パターンには、第二変動パターン決定乱数の値(0~511)及び第二変動時間が対応付けられている。特
図2大当たり判定が行われた時点の遊技状態と特
図2大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、特
図2大当たり乱数とともに取得されている第二変動パターン決定乱数の値に対応する第二変動パターンが1つ決定される。
【0059】
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主制御基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、報知演出を制御する。
【0060】
図6から
図11を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。
図6に示す制御プログラムのメイン処理は、電源スイッチ421がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONになると、CPU51において実行が開始される。その後は、CPU51は、
図2に示す割込信号発生回路57が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、メイン処理を実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0061】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、稼働中フラグ、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。稼働中フラグは、パチンコ機1が稼働中であるかを示すフラグである。稼働中フラグは、電源スイッチ421がOFF状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がOFFにされるときに「OFF」になる。稼働中フラグは、電源スイッチ421がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされるときに実行される後述する電源投入時処理(S2)の実行に伴って「ON」になる。以下では、メイン処理のうち、稼働中フラグが「ON」の場合に実行されるS11からS20の処理を、稼働中処理ともいう。
【0062】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「ON」になり、大当たり遊技状態でない場合に「OFF」になる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が確定表示されている場合(確定表示中)に「2」、いずれも変動中でも確定表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。時短フラグは、前述の時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0063】
メイン処理が開始されると、CPU51は、稼働中フラグが「ON」であるかを判断する(S1)。パチンコ機1の電源がONにされた直後は稼働中フラグが「OFF」である。稼働中フラグが「OFF」の場合(S1:NO)、電源投入時処理が実行されて(S2)、メイン処理が終了する。
【0064】
電源投入時処理では、CPU51は、電源投入に伴う初期化処理を実行する。具体的には、CPU51は、サブ制御基板58等が動作可能な状態になるのを待つためのウエイト処理、RAM52に対する遊技処理情報の書き込み及び読み出しを可能とするための、RAM52へのアクセス許可設定等を実行する。また、CPU51は、電源スイッチ421がON状態に操作されてパチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わったときに、RAMクリアスイッチ412がON状態になっている場合には、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、RAM52の使用領域に記憶されている遊技処理情報がクリアされ、所定の初期値がRAM52に記憶される等のRAM52の初期設定が行われる。RAMクリア処理が行われることによって、RAM52に記憶される大当たり遊技状態フラグ、確変フラグ及び時短フラグ等の各種のフラグが「OFF」になる。RAM52には、後述する時短回数計数カウンタ等の各種のカウンタが設けられる。RAMクリア処理が行われることによって、これらのカウンタに記憶される値が「0」にクリアされる。CPU51は、電源投入時処理の終了時に稼働中フラグを「ON」にし、電源投入時処理を終了する。
【0065】
次の割込信号でメイン処理が開始されると、稼働中フラグが「ON」であるので(S1:YES)、CPU51は、スイッチ読込処理を実行する(S11)。スイッチ読込処理では、
図2で示したゲートスイッチ74,第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、大入賞口スイッチ76及びその他の入賞口に設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。RAM52は、各スイッチに対応するフラグを記憶する。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。
【0066】
次いで、CPU51は、カウンタ更新処理を実行する(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタ及び特別図柄確定表示時間を計測するための特別図柄確定表示時間カウンタの値が減算される。
【0067】
次いで、CPU51は、特別電動役物処理を実行する(S13)。詳細は
図11を参照して後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。
【0068】
次いで、特別図柄処理が行われる(S15)。詳細は
図7から
図9を参照して後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態移行処理等が行われる。
【0069】
次いで、CPU51は、普通電動役物処理を実行する(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり判定の結果が当たりとなった場合に、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。前述したように、CPU51は、時短状態が設定されている場合、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度を非時短状態よりも高くする。
【0070】
次いで、CPU51は、普通図柄処理を実行する(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。前述したように、時短状態中の普通図柄の変動時間は、非時短中の普通図柄の変動時間よりも短い。
【0071】
次いで、CPU51は、払出処理(S18)、エラーチェック(S19)及び情報出力処理(S20)を実行し、メイン処理を終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」にされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ39等を用いてエラーを報知するためのコマンドが、サブ制御基板58に送信される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、前述の遊技場管理用コンピュータに対して各種の情報が出力される。
【0072】
図7から
図9を参照して、
図6のS15で示した特別図柄処理の詳細について説明する。特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、前述の大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ及び時短フラグ等に加えて、客待ちフラグが使用される。
【0073】
客待ちフラグは、特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数及び第二保留乱数が記憶されておらず、遊技が行われていない状態である客待ち状態であることを示すために設けられるフラグである。客待ち状態は、遊技が一定期間なされない場合に設定される遊技の状態である。本実施形態では、大当たり判定及び大当たり遊技が実行されない状態に客待ち状態が設定される。例えば、RAMクリア処理を伴って又はRAMクリア処理を伴わずにパチンコ機1の電源がONにされた後に、一定期間遊技が開始されない状態でパチンコ機1が待機した場合に、客待ち状態が設定される。また、報知演出の実行終了後に第一保留乱数及び第二保留乱数が記憶されていない状態でパチンコ機1が一定期間待機した場合等にも、客待ち状態が設定される。客待ちフラグは、パチンコ機1が客待ち状態である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0074】
図7に示すように、特別図柄処理が開始されると、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したかを判断する(S61)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、
図6のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」にされる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞していないと判断し(S61:NO)、処理をS71の判断へ移行する。
【0075】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したと判断し(S61:YES)、第一保留数が「4」であるかを判断する(S63)。RAM52は、第一保留数を記憶する第一保留数記憶エリアを備える。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」である場合(S63:YES)、第一保留数が最大第一保留数に達しているため、CPU51は、処理をS71の判断へ移行する。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」でない場合(S63:NO)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に「1」を加算する(S65)。CPU51は、第一乱数を取得し、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第一乱数の各乱数値を記憶する(S66)。具体的には、特
図1大当たり乱数欄には大当たり乱数の乱数値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の乱数値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0076】
次いで、CPU51は、S66で取得された第一乱数に関する情報である第一保留情報を参照する(S68)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第一保留情報コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S69)。RAM52のコマンドバッファにセットされたコマンドは、コマンドバッファにセットされた順に、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47等に送信される。なお、前回実施されたメイン処理においてコマンドバッファにセットされたコマンドをサブ制御基板58等へ送信するコマンド送信処理が、メイン処理に設けられていてもよい。この場合、コマンド送信処理によって、コマンドバッファにセットされたコマンドがコマンドバッファにセットされた順に、メイン処理の1割込毎にサブ制御基板58等へ送信されてもよい。第一保留情報は、S66で取得及び記憶された第一乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第一乱数を参照することによって得られる情報であり、いわゆる先読み情報である。本実施形態において、第一保留情報は、第一保留乱数に含まれる特
図1大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数に基づく情報である。
【0077】
第一保留情報に含まれる情報のうち、特
図1大当たり乱数に関する情報を、特
図1大当たり先読み情報という。第一保留情報に含まれる情報のうち、第一特別図柄決定乱数に関する情報を、第一特別図柄先読み情報という。第一保留情報に含まれる情報のうち、第一変動パターン決定乱数に関する情報を、第一変動パターン先読み情報という。第一乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第一保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第一保留球情報コマンドは、S66で取得及び記憶された第一保留情報をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。本実施形態において、第一保留情報コマンドは、第一保留情報に含まれる情報のうち、特
図1大当たり先読み情報及び第一変動パターン先読み情報を、少なくとも含んで生成される。また、第一保留情報コマンドは、第一乱数に関する先読み情報に加えて、第一保留数を示す情報を含んで生成される。第一保留数を示す情報は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に基づく。
【0078】
CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したかを判断する(S71)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検知すると、
図5のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞していないと判断し(S71:NO)、処理を
図8に示すS81の判断へ移行する。
【0079】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したと判断し(S71:YES)、第二保留数が「4」であるかを判断する(S72)。RAM52は、第二保留数を記憶する第二保留数記憶エリアを備える。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」である場合(S72:YES)、第二保留数が最大第二保留数に達しているため、CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」でない場合(S72:NO)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に「1」を加算する(S75)。CPU51は、第二乱数を取得し、第二大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第二乱数の各乱数値を記憶する(S76)。具体的には、特
図2大当たり乱数欄には特
図2大当たり乱数の乱数値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定乱数の乱数値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0080】
次いで、CPU51は、S76で取得された第二乱数に関する情報である第二保留情報を参照する(S78)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第二保留情報コマンドを生成し、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする(S79)。第二保留情報は、S76で取得及び記憶された第二乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第二乱数を参照することによって得られる先読み情報である。本実施形態において、第二保留情報は、第二保留乱数に含まれる特
図2大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数に基づく情報である。
【0081】
第二保留情報に含まれる情報のうち、特
図2大当たり乱数に関する情報を、特
図2大当たり先読み情報という。第二保留情報に含まれる情報のうち、第二特別図柄決定乱数に関する情報を、第二特別図柄先読み情報という。第二保留情報に含まれる情報のうち、第二変動パターン決定乱数に関する情報を、第二変動パターン先読み情報という。第二乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第二保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第二保留球情報コマンドは、S76で取得及び記憶された第二保留情報をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。本実施形態において、第二保留情報コマンドは、第二保留情報に含まれる情報のうち少なくとも第二変動パターン先読み情報と、第二保留数を示す情報とを含んで生成される。第二保留数を示す情報は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に基づく。コマンドバッファにセットされた第二保留球情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。以下では、第一保留情報と、第二保留情報とを総称する場合、単に保留情報という。また、第一保留情報コマンドと、第二保留情報コマンドとを総称する場合、単に保留情報コマンドという。
【0082】
図8に示すように、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S81)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態であると判断し(S81:YES)、処理をメイン処理へ戻す。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態でないと判断し(S81:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄が変動中であるか否かを判断する(S82)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でないと判断し(S82:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止状態中であるか否かを判断する(S83)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも確定表示中でないと判断し(S83:NO)、処理を
図9に示すS91へ移行し、大当たり判定等の処理を実行する。
【0083】
本実施形態では、大当たり判定において、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。
図9に示すように、CPU51は、第二保留数が「1」以上であるかを判断する(S91)。RAM52の第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、特
図2大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留数が「0」である場合(S91:NO)、CPU51は、第一保留数が「1」以上であるかを判断する(S92)。RAM52の第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「0」である場合(S92:NO)、CPU51は、第一保留数が「1」以上であるかを判断する(S92)。RAM52の第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「0」である場合(S92:NO)、CPU51は、客待ち状態であるかを判断する(S97)。CPU51は、客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S97:YES)、処理をメイン処理へ戻す。
【0084】
CPU51は、客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S97:NO)、客待ちコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S98)。客待ちコマンドは、客待ち状態が開始されたことを通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた客待ちコマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、客待ちフラグを「ON」にして(S99)、処理をメイン処理へ戻す。
【0085】
第一保留数が「1」以上である場合(S92:YES)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数を「1」減算する(S93)。CPU51は、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S94)。また、CPU51は、特
図1大当たり関係情報エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0086】
CPU51は、特
図1大当たり判定処理を実行する(S95)。図示しないが、ROM53は、大当たり判定を行うための大当たり判定テーブルを記憶している。大当たり判定テーブルは、特
図1大当たり判定テーブルと、特
図2大当たり判定テーブルとによって構成されている。特
図1大当たり判定テーブルは、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されている。低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルのそれぞれには、「大当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。本実施形態では、大当たり乱数の乱数値は、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように定義されている。特
図2大当たり判定テーブルも低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されており、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように大当たり乱数の乱数値が定義されている。特
図1大当たり判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。CPU51は、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S95で判定エリアにシフトされた特
図1大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の特
図1大当たり乱数に基づく特
図1大当たり判定が、特
図1大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0087】
CPU51は、S96で導出された特
図1大当たり判定の結果に応じた第一特別図柄を決定する(S96)。S98の処理では、CPU51は、S95で判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり又ははずれの判定結果を示す第一特別図柄を決定する。決定された第一特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0088】
一方、第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数を「1」減算する(S101)。CPU51は、特
図2大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S102)。また、CPU51は、特
図2大当たり関係情報エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0089】
CPU51は、特
図2大当たり判定処理を実行する(S103)。CPU51は、確変フラグの状態を参照し、前述の特
図2大当たり判定テーブルから、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S102で判定エリアにシフトされた特
図2大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0090】
CPU51は、S103で導出された特
図2大当たり判定の結果に応じた第二特別図柄を決定する(S105)。S105の処理では、CPU51は、S102で判定エリアにシフトされた第二特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり又ははずれの判定結果を示す第二特別図柄を決定する。決定された第二特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0091】
CPU51は、停止図柄指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S111)。停止図柄指定コマンドは、S98又はS105の処理で特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。以下、第一特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第一停止図柄指定コマンドという。第二特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第二停止図柄指定コマンドという。コマンドバッファにセットされた第一停止図柄指定コマンド及び第二停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0092】
CPU51は、変動パターンを決定する(S112)。S112では、CPU51は、確変フラグ及び時短フラグの状態を参照し、現時点において通常状態、確変時短状態又は非確変時短状態のいずれの遊技状態が設定されているかを特定する。そして、CPU51は、
図5で示した変動パターン決定テーブルを参照して、特定した遊技状態と、大当たり判定による判定結果にと応じて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンを決定する。
【0093】
CPU51は、S112で決定した変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S113)。以下、S112で決定された変動パターンが第一変動パターンである場合において、第一変動パターンを指定するコマンドを第一変動パターン指定コマンドという。S111で決定された変動パターンが第二変動パターンである場合において、第二変動パターンを指定するコマンドを第二変動パターン指定コマンドという。第一変動パターン指定コマンドと、第二変動パターン指定コマンドとを総称する場合、単に変動パターン指定コマンドという。変動パターン指定コマンドは、決定された変動パターンの種類及び変動パターンに対応する特別図柄の変動時間の情報を含む。コマンドバッファにセットされた変動パターン指定コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信される。中継端子板47を介して第一変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を開始する。第二変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。第一変動パターン指定コマンド及び第二変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の演出図柄100の変動開始を指示する。
【0094】
CPU51は、S112で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を、特別図柄変動時間カウンタに記憶する(S115)。CPU51は、特別図柄が変動中であることを示す「1」を特別図柄表示状態フラグに記憶し(S116)、処理をメイン処理へ戻す。
【0095】
また、
図8に示すS82の判断において、特別図柄表示フラグに「1」が記憶されている場合には、CPU51は、特別図柄が変動中であると判断し(S82:YES)、第一変動時間又は第二変動時間が経過したかを判断する(S121)。この判断は、S115において記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第一変動時間又は第二変動時間がまだ経過していないと判断し(S121:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0096】
CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第一変動時間又は第二変動時間が経過したと判断し(S121:YES)、特別図柄停止コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S122)。特別図柄停止コマンドは、特別図柄の変動を停止することを図柄表示部29及びサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた特別図柄停止コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部29における第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止及び表示画面28の演出図柄100の変動停止を指示する。以下、第一特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第一特別図柄停止コマンドという。第二特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第二特別図柄停止コマンドという。第一特別図柄停止コマンドと、第二特別図柄停止コマンドとを総称する場合、単に特別図柄停止コマンドという。
【0097】
CPU51は、特別図柄確定表示時間を、RAM52の特別図柄確定表示時間カウンタに記憶する(S123)。CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが確定表示中であることを示す「2」を特別図柄表示状態フラグに記憶する(S124)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0098】
また、S83の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S83:YES)、CPU51は、S113において記憶された特別図柄確定表示時間カウンタの値に応じて、特別図柄確定表示時間が経過したかを判断する(S126)。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」でない場合には特別図柄確定表示時間が経過していないと判断し(S126:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」の場合には特別図柄確定表示時間が経過したと判断し(S126:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でも確定表示中でもないことを示す「0」を、特別図柄表示状態フラグに記憶する(S127)。その後、CPU51は、遊技状態移行処理を実行し(S128)、処理をメイン処理へ戻す。
【0099】
図10を参照して、
図8のS128で示した遊技状態移行処理の詳細について説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定された場合に、遊技を大当たり遊技状態に移行させるための処理が行われる。また、遊技状態移行処理では、時短フラグ及び確変フラグの制御も適宜行われる。
【0100】
遊技状態移行処理が開始されると、CPU51は、特別図柄が大当たり図柄で確定表示したかを判断する(S131)。特別図柄が大当たり図柄で確定表示した場合(S131:YES)、CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S133)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合には時短状態が設定されていないと判断して(S133:NO)、処理をS141の判断へ移行する。CPU51は、時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断して(S133:YES)、時短回数計数カウンタのいずれも「0」にクリアする(S135)。時短回数計数カウンタは、時短状態において実行された判定回数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S136)。CPU51は、時短フラグを「OFF」にする(S138)。
【0101】
CPU51は、確変状態が設定されているかを判断する(S141)。CPU51は、確変フラグが「OFF」である場合には確変状態が設定されていないと判断して(S141:NO)、処理をS145へ移行する。CPU51は、確変フラグが「ON」である場合には確変状態が設定されていると判断して(S141:YES)、確変状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S142)。CPU51は、確変フラグを「OFF」にする(S143)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態に設定される。
【0102】
CPU51は、大当たり図柄に対応するラウンド数を、Rカウンタにセットする(S145)。Rカウンタは、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられている。前述したように、本実施形態において、大当たり図柄に対応するラウンド数は「4」又は「8」である。CPU51は、大当たり遊技状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S146)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「ON」にする(S148)。CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0103】
一方、CPU51は、特別図柄がはずれ図柄で確定表示した場合(S131:NO)、時短フラグが「ON」であるかを判断する(S151)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合(S151:NO)、処理を特別図柄処理へ戻す。時短フラグが「ON」である場合(S151:YES)、CPU51は、時短回数計数カウンタの値を「1」減算する(S152)。CPU51は、時短回数計数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S153)。時短回数計数カウンタの値が「0」でない場合(S153:NO)、以降も時短状態が継続する。この場合、CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0104】
時短回数計数カウンタの値が「0」である場合(S153:YES)、CPU51は、確変状態が設定されているかを判断する(S155)。CPU51は、確変フラグが「OFF」である場合には確変状態が設定されていないと判断する(S155:NO)。この場合、時短状態における判定回数が時短回数に到達したことにより、非確変時短状態が終了する。CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S156)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、時短フラグを「OFF」にし(S158)、処理を特別図柄処理へ戻す。一方、S155の判断において確変フラグが「ON」である場合(S155:YES)、遊技状態は確変時短状態であり、確変状態が終了するまで時短状態が継続する。この場合、CPU51は、S156及びS158の処理を実行せず、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0105】
図11を参照して、
図6のS13で示した特別電動役物処理の詳細について説明する。特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、大入賞口16が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグは、大入賞口16の開閉部材161が開放状態にある場合に「1」が記憶されて「ON」になり、開閉部材161が開放状態にない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0106】
特別電動役物処理が開始されると、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S181)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には大当たり遊技状態でないと判断して(S181:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断して(S181:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかを判断する(S182)。Rカウンタの値は、後述のS197の処理で、大当たりラウンドが1回終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0107】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S182:NO)、CPU51は、大入賞口16が開放中であるかを判断する(S183)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、開放中フラグが「ON」である場合には大入賞口16が開放中であると判断して(S183:YES)、処理をS191の判断へ移行する。CPU51は、開放中フラグが「OFF」である場合には大入賞口16が開放中でないと判断して(S183:NO)、大入賞口16を開放させるための大入賞口開放コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S185)。セットされた大入賞口開放コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して大入賞口開放コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口16の開閉部材161を開放させる。CPU51は、大当たり遊技における大入賞口16の開放時間である大入賞口開放時間(本実施形態では29秒)を、RAM52の大入賞口開放時間カウンタに記憶する(S186)。CPU51は、開放中フラグを「ON」にする(S188)。CPU51は、処理をS191の判断へ移行する。
【0108】
CPU51は、大入賞口16へ遊技球が入賞したかを判断する(S191)。大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検知すると、
図6のS11で示したメイン処理のスイッチ読のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断し(S191:NO)、処理をS193の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断し(S191:YES)、大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」を加算する(S192)。CPU51は、処理をS193の判断へ移行する。
【0109】
CPU51は、入賞球数カウンタに記憶されている入賞球数が、「10」以上であるかを判断する(S193)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S193:NO)、CPU51は、大入賞口開放時間が経過したかを、大入賞口開放時間カウンタの値に基づいて判断する(S194)。大入賞口開放時間が経過していない場合(S194:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり(S181:YES)、Rカウンタの値が「0」でない場合(S182:NO)、大入賞口16に10個以上の遊技球が入賞するか、又は大入賞口開放時間が経過するまで、S193及びS194の判断が繰り返して実行される。
【0110】
大入賞口16へ10個以上の遊技球が入賞するか(S193:YES)、又は大入賞口開放時間が経過した場合(S194:YES)、大入賞口閉鎖コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S195)。大入賞口閉鎖コマンドは、開放している大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた大入賞口閉鎖コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して大入賞口閉鎖コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。CPU51は、開放中フラグを「OFF」にする(S196)。CPU51は、Rカウンタの値を「1」減算する(S197)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0111】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S182:YES)、大当たり遊技が終了するので、CPU51は、大当たり遊技状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S201)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「OFF」にする(S202)。
【0112】
CPU51は、RAM52に記憶されている大当たり図柄の内容を示す情報を参照し、参照した情報が確変大当たり図柄を示すかを判断する(S203)。参照した情報が確変大当たり図柄を示す場合(S203:YES)、CPU51は、確変状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S205)。CPU51は、確変フラグを「ON」にする(S206)。CPU51は、時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S208)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、処理をS216へ移行する。
【0113】
一方、CPU51は、参照した情報が非確変大当たり図柄を示す場合(S203:NO)、時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S211)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、時短回数計数カウンタに、時短回数に対応する「100」をセットする(S212)。CPU51は、時短フラグを「ON」にして(S216)、処理をメイン処理へ戻す。
【0114】
ここで、
図12を参照して、パチンコ機1で用いられる保留表示について説明する。保留表示とは、第一保留乱数に対応する先読み情報である第一保留情報、第二保留乱数に対応する先読み情報である第二保留情報を所定の図柄等で示すものである。サブ制御基板58のCPU581は、後述するサブ制御基板処理において主制御基板41から保留情報コマンドを受信した場合、保留情報コマンドの示す保留情報に対応する保留表示を表示画面28に表示するための処理を実行する。これにより、パチンコ機1は、第一保留情報を示す第一保留表示及び第二保留情報を示す第二保留表示のそれぞれを、表示画面28に表示できる。
【0115】
パチンコ機1は、保留表示の表示態様を用いて、保留情報の期待度を示すことができる。保留情報の期待度とは、保留情報に対して大当たり判定が行われた場合に、その結果が大当たりとなる期待度である。本実施形態では、第一保留表示の表示態様を用いて、第一保留情報の期待度が示される。なお、第二保留表示についても、第一保留表示のように、第二保留表示の表示態様を用いた第二保留情報の期待度の示唆が行われてもよい。
【0116】
図12は、第一保留表示の表示態様の種類を示す説明図である。
図12に示すように、本実施形態では、第一保留表示は、円形のシンボルで構成される。第一保留表示は、円形以外の各種の形状等を有していてもよい。第一保留表示は、通常保留HDと変化保留HHとの二種類の表示態様を含む。通常保留HDは、白色で表示される円形のシンボルで構成される。通常保留HDは、期待度が比較的低い場合又は期待度を特に示唆しない場合に用いられる第一保留表示の表示態様である。
【0117】
変化保留HHは、その表示色の違いによって、第一保留情報の期待度の高低を示すことができる第一保留表示の表示態様である。変化保留HHは、通常保留HDよりも期待度が高いことを示唆することができる。変化保留HHは、青保留HH1、緑保留HH2、赤保留HH3及び虹保留HH4の4種類の表示態様を含む。青保留HH1は、青色で表示される円形のシンボルで構成される。緑保留HH2は、緑色で表示される円形のシンボルで構成される。赤保留HH3は、赤色で表示される円形のシンボルで構成される。虹保留HH4は、虹色で表示される円形のシンボルで構成される。変化保留HHは、青保留HH1、緑保留HH2、赤保留HH3、虹保留HH4の順に、示唆する期待度が高くなる。すなわち、パチンコ機1において、変化保留HHの表示色は、青色→緑色→赤色→虹色の順に示唆する期待度が高くなる。
【0118】
本実施形態では、表示画面28に通常保留HD又は変化保留HHのうちのいずれかの種類の表示態様で第一保留表示が表示された場合、その後に遊技が進行して第一保留乱数が順次消化されることに応じて、第一保留表示の表示態様が変化することがある。パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様を遊技の進行に応じて変化させることによって、表示態様の変化した第一保留表示に対応する第一保留乱数に基づいて行われる特
図1大当たり判定の結果に対して、遊技者に期待感を抱かせることができる。なお、変化保留HHの種類は一例であり、種類の数がこれより多くても少なくてもよい。このような、遊技の進行に応じて保留表示の表示態様が変化する演出を、以下では保留変化演出という。
【0119】
図13を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されている保留表示変化態様決定テーブルについて説明する。第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数が新たに記憶される。保留表示変化態様決定テーブルは、新たに第一保留乱数が記憶されたときからその第一保留乱数に対して特
図1大当たり判定が実行されるまでの間に表示される第一保留表示の変化パターンを、新たに記憶された第一保留乱数の示す第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンに応じて複数定義する。第一保留表示の変化パターンとは、遊技の進行に応じた第一保留表示の表示態様のパターンである。変化パターンは、第一保留表示の表示態様が遊技の進行に応じて変化するパターンと変化しないパターンとを含む。
【0120】
図24から
図27に示すように、表示画面28の左下部には、第一保留表示を表示する位置を示す位置H1~位置H4が設けられている。位置H1,H2,H3,H4のそれぞれには、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第一保留乱数に対応する第一保留表示が表示される。
図13の表示態様欄における位置H1,H2,H3,H4は、
図24から
図27で示す表示画面28の左下部に設けられる第一保留表示を表示する位置を示す位置H1,H2,H3,H4のそれぞれに対応する。第一保留表示の変化パターンは、第一保留表示が位置H1,H2,H3,H4のいずれに表示される場合にいずれの表示態様で表示されるかを定義している。表示態様欄に記載されている「HD」は、通常保留HDを示す。「HH1」、「HH2」、「HH3」及び「HH4」は、変化保留HHである青保留HH1、緑保留HH2、赤保留HH3及び虹保留HH4のそれぞれを示す。「←」は、1つ前の位置において表示された表示態様と同じ表示態様で表示されることを示す。
【0121】
保留表示変化態様決定テーブルは、新たに記憶された第一保留乱数の示す第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「非リーチ」である場合、80%の割合で変化パターンNo.1を、7%の割合で変化パターンNo.2を、7%の割合で変化パターンNo.3を、6%の割合で変化パターンNo.を、それぞれ決定することを定義している。変化パターンNo.1は、新たに記憶された第一保留表示が位置H1,H2,H3,H4のいずれに表示される場合でも通常保留HDで表示されることを定義している。したがって、新たに記憶された第一保留乱数の示す第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「非リーチ」である場合に変化パターンNo.1が決定されたとき、第一保留表示が位置H1,H2,H3,H4のいずれに表示されるときにも通常保留HDで表示される。この場合、位置H4に第一保留表示が通常保留HDで最初に表示された場合、その後に遊技が進行して位置H4から位置H3、位置H3から位置H2、位置H2から位置H1に移動して表示されるときにも通常保留HDで表示され続ける。すなわち、変化パターンNo.1が決定されたとき、第一保留表示の表示態様は通常保留HDから他の表示態様に変化しない。なお、位置H1,H2,H3のいずれかに第一保留表示が通常保留HDで最初に表示された場合においても同様に、その後の遊技の進行に応じて第一保留表示の表示態様は通常保留HDから変化しない。
【0122】
一方、変化パターンNo.2は、第一保留表示の表示態様として、位置H1については青保留HH1、その他の位置H2,H3,H4については通常保留HDを、それぞれ定義している。この場合、位置H4に第一保留表示が通常保留HDで最初に表示された場合、その後に遊技が進行して位置H4から位置H3、位置H3から位置H2に第一保留表示が移動して表示されるときには第一保留表示の表示態様は通常保留HDから変化しない。その後、第一保留表示が位置H2から位置H1に移動して表示されるときには、表示態様が通常保留HDから青保留HH1に変化する。パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様を通常保留HDから、より高い期待度を示す青保留HH1に、遊技の進行に応じて変化させることによって、遊技者の期待感を高めることができる。なお、変化パターンNo.2が決定されている場合において、位置H1に第一保留表示が最初に表示される場合には、第一保留表示は最初から青保留HH1で表示される。
【0123】
保留表示変化態様決定テーブルは、新たに記憶された第一保留乱数の示す第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが期待度の高いものであるほど、期待度の高い表示色の変化保留HHが表示されやすくなるように変化パターンを定義している。具体的には、第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「非リーチ」の場合、第一保留表示が通常保留HD又は青保留HH1で表示されることを定義する変化パターンNo.1~4のいずれかだけが決定されうる。一方、第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「リーチ演出A」の場合、第一保留表示が緑保留HH2で表示されることを定義する変化パターンNo.5~8も決定されうる。第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「リーチ演出B」の場合、第一保留表示が赤保留HH3で表示されることを定義する変化パターンNo.9~13も決定されうる。第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「リーチ演出C」の場合、第一保留表示が虹保留HH4で表示されることを定義する変化パターンNo.14~19も決定されうる。第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「リーチ演出D」又は「リーチ演出E」の場合、変化パターンNo.14~19のいずれかが決定される割合が、「リーチ演出C」の場合よりも順に高くなる。また、第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンが「リーチ演出D」又は「リーチ演出E」の場合、変化パターンNo.1~13のいずれかが決定される割合が、「リーチ演出C」の場合よりも順に低くなる。
【0124】
このような保留表示変化態様決定テーブルを参照して、サブ制御基板58のCPU581は、新たに第一保留乱数が記憶された場合、新たに記憶されたその第一保留乱数を示す第一保留表示の変化パターンを決定する。したがって、パチンコ機1は、保留変化演出を行う場合、第一保留表示の表示態様の示す期待度が遊技の進行に応じて変化するか否か、変化する場合にはいずれの表示態様まで変化するかに対して遊技者の注目を集め、遊技者の期待感を高めることができる。
【0125】
この他、変化パターンNo.2~No.19の表示態様欄のうち位置H1には「※」が記載されている。これは、変化パターンNo.2~No.19が決定される場合において、第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」の第一変動パターンを示すとき、位置H1に表示される第一保留表示に50%の割合でボタン示唆画像BGが付されることを示している。すなわち、本実施形態では、第一保留表示が位置H2から位置H1に移動する際に、その移動した第一保留表示にボタン示唆画像BGが付されることがある。ボタン示唆画像BGは、
図26等で示すように、パチンコ機1の演出ボタン35を模した画像である。よって、第一保留表示が位置H2から位置H1に移動する際に、その移動した第一保留表示にボタン示唆画像BGが付された場合、その第一保留表示に対応する第一保留乱数について行われる第一報知演出がリーチ演出Eであることが遊技者に予告されることとなる。本実施形態において、リーチ演出Eは、第一変動パターンのうち最も期待度の高い第一変動パターンである。したがって、第一保留表示が位置H2から位置H1に移動する際に、その移動した第一保留表示にボタン示唆画像BGが付された場合、遊技者は、その第一保留表示に対応する第一保留乱数について実行される特
図1大当たり判定の結果に対して大きな期待感を抱くことができる。また、パチンコ機1は、変化保留HHの表示色の変化だけではなく、ボタン示唆画像BGが保留表示に付加されるか否かに対しても遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0126】
表示態様欄に定義されるように、第一保留表示の表示態様は、第一変動パターン先読み情報に対応する期待度に応じて通常保留HD及び変化保留HHのいずれかで表示される。また、第一保留表示の表示態様は、表示態様欄に定義されるように、遊技の進行に応じて変化する場合がある。第一保留表示の最終的な表示態様は、各変化パターンにおいて位置H1に表示されると定義されている表示態様となる。この最終的な第一保留表示の表示態様を、以下では、最終表示態様という。本実施形態において、最終変化態様は、ボタン示唆画像BGが保留表示に付加される場合と付加されない場合とを含む。第一保留表示が最初に位置H2~H4のいずれかに表示された場合、その後の遊技の進行に応じて位置H1に表示される第一保留表示の最終表示態様がいずれになるかは、遊技者の大きな関心事である。
【0127】
図14を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されているチャンス表示決定テーブルについて説明する。チャンス表示決定テーブルは、第一報知演出がリーチ演出として実行される場合において、リーチ状態が構成されたときに表示画面28に表示されうるチャンス表示CHの表示態様を決定するために設けられている。チャンス表示CHは、
図24等で示すように、「チャンス」の文字を含んで構成される画像による表示である。チャンス表示CHは、青表示CB、緑表示CG、赤表示CR及び虹表示CNの4種類の表示態様を含む。青表示CBは、「チャンス」の文字を青色で示すことで構成される。緑表示CGは、「チャンス」の文字を緑色で示すことで構成される。赤表示CRは、「チャンス」の文字を赤色で示すことで構成される。虹表示CNは、「チャンス」の文字を虹色で示すことで構成される。
【0128】
チャンス表示決定テーブルの表示態様欄は、チャンス表示CHを表示するか否か、表示する場合には青表示CB、緑表示CG、赤表示CR及び虹表示CNのいずれにするかを定義する項目を設けている。チャンス表示決定テーブルは、表示態様決定割合欄を設け、実行する第一報知演出がリーチ演出A~リーチ演出Eのいずれであるかに応じて、チャンス表示CHの表示態様の決定割合を定義している。例えば、表示態様決定割合欄は、実行する第一報知演出が「リーチ演出A」の第一変動パターンに基づく場合、チャンス表示CHを表示しないことを85%、青表示CBで表示することを10%、緑表示CGで表示することを5%と、それぞれ定義している。
【0129】
表示態様決定割合欄は、リーチ演出に対応する期待度が向上するほど、チャンス表示CHを表示しない割合を低くしており、「リーチ演出E」の場合にはチャンス表示CHを表示しない割合を0%と定義している。また、表示態様決定割合欄は、「リーチ演出A」については赤表示CR及び虹表示CNが決定されないことを定義しているが、「リーチ演出B」及び「リーチ演出C」については赤表示CRが決定されることを定義している。表示態様決定割合欄は、「リーチ演出D」及び「リーチ演出E」についてはさらに虹表示CNが決定されることも定義している。そして、リーチ演出に対応する期待度が向上するほど、青表示CBよりも緑表示CGが、緑表示CGよりも赤表示CRが、赤表示CRよりも虹表示CNが決定されやすくなるように各決定割合を定義している。このように、チャンス表示CHは、青表示CB、緑表示CG、赤表示CR、虹表示CNの順に、示唆する期待度が高くなる。すなわち、チャンス表示CHの表示色は、青色→緑色→赤色→虹色の順に示唆する期待度が高くなる。
【0130】
なお、表示態様決定割合欄が定義するチャンス表示CHを表示するか否か、表示する場合には青表示CB、緑表示CG、赤表示CR及び虹表示CNのいずれにするかの内容は一例である。したがって、パチンコ機1は、これらの決定割合を任意に変更してもよい。一方、パチンコ機1は、「青色→緑色→赤色→虹色」の順に示唆する期待度が高くなることを、原則的なルールとしている。このため、決定割合の変更は、この原則的なルールを守る範囲内で行われることが好ましい。また、詳細は省略するが、パチンコ機1は、チャンス表示CHを用いた演出以外にも、各種の予告演出を備えている。パチンコ機1は、これらの各種の予告演出についても、予告演出で用いる画像等の表示色が「青色→緑色→赤色→虹色」の順に示唆する期待度が高くなるようにしている。
【0131】
図15及び
図16を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、遊技に関する演出の制御及び後述する遊技カスタマイズ機能に関する制御が行われる。サブ制御基板58は、所定の周期でクロック信号を出力するクロック回路(図示略)及び割込信号発生回路(図示略)を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。サブ制御基板58のCPU581は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎にサブ制御基板処理を実行する。
【0132】
サブ制御基板処理では、サブ確変フラグ、サブ時短フラグ、サブ客待ちフラグ、メニュー画像表示中フラグ、遊技カスタマイズ画像表示中フラグ等が使用される。これらのフラグはRAM582に記憶される。サブ確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ時短フラグは、時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非時短状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0133】
サブ客待ちフラグは、客待ち状態であるか否か及び客待ち状態における各段階を識別するためのフラグである。パチンコ機1は、客待ち状態が開始されてから客待ち演出開始時間が経過することに応じて、客待ち状態であることを示す客待ち演出の実行を開始する。客待ち状態が開始されてから客待ち演出の実行が開始される前の段階には、サブ客待ちフラグに「1」が記憶される。客待ち演出の実行中の段階には、サブ客待ちフラグに「2」が記憶される。パチンコ機1は、客待ち演出の実行中に演出ボタン35の所定の操作を受け付けた場合、パチンコ機1の各種設定をカスタマイズできる段階になる。この段階には、サブ客待ちフラグに「3」が記憶される。サブ客待ちフラグは、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0134】
メニュー画像表示中フラグは、後述するカスタマイズメニュー画像210が表示画面28に表示されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。遊技カスタマイズ画像表示中フラグは、後述する遊技カスタマイズ画像220が表示画面28に表示されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0135】
図15に示すように、パチンコ機1の電源スイッチ421がON状態に操作されることによって、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU581は、サブ制御基板処理を開始する。サブ制御基板処理が開始されると、CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信したかを判断する(S401)。CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信していない場合(S401:NO)、処理をS403の判断へ移行する。
【0136】
CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信した場合(S401:YES)、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理を実行する(S402)。CPU581は、遊技状態コマンドによって確変状態開始通知が行われた場合、サブ確変フラグを「ON」にし、確変状態終了通知が行われた場合には、サブ確変フラグを「OFF」にする。CPU581は、遊技状態コマンドによって時短状態開始通知が行われた場合、サブ時短フラグを「ON」にし、時短状態終了通知が行われた場合には、サブ時短フラグを「OFF」にする。CPU581は、サブ確変フラグ及びサブ時短フラグの状態に応じて各種の演出を制御する。また、CPU51は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われた場合、大当たり遊技演出の実行を開始する。また、CPU51は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われた場合、大当たり遊技演出の実行を終了する。CPU51は、処理をS403の判断へ移行する。
【0137】
CPU581は、主制御基板41から客待ちコマンドを受信したかを判断する(S403)。客待ちコマンドを受信していない場合(S403:NO)、CPU581は、処理をS408の処理へ移行する。客待ちコマンドを受信した場合(S403:YES)、CPU581は、客待ちコマンドを受信してから客待ち演出を開始するまでの時間である客待ち演出開始時間を計測する客待ち演出開始時間カウンタに所定の客待ち演出開始時間を示す値をセットする(S405)。本実施形態では、客待ち演出開始時間は、約30秒である。CPU581は、客待ち演出開始時間カウンタの値を時間の経過に応じて順次減算する。CPU581は、客待ちフラグに「1」を記憶する(S406)。CPU581は、処理をS408の処理へ移行する。
【0138】
CPU581は、客待ち中処理を実行する(S408)。客待ち中処理では、客待ち状態において実行される各種の演出の制御が行われる。
図17から
図19を参照して、
図15のS408で示した客待ち中処理の詳細について説明する。
図17に示すように、客待ち中処理が開始されると、CPU581は、サブ客待ちフラグに「1」が記憶されているかを判断する(S501)。サブ客待ちフラグに「1」が記憶されていない場合(S501:NO)、CPU581は、処理をS506の判断へ移行する。
【0139】
CPU581は、サブ客待ちフラグに「1」が記憶されている場合(S501:YES)、客待ち状態において実行する客待ち演出の実行開始を指示するための客待ち演出開始コマンドを生成し、RAM582に設けられるコマンドバッファにセットする(S503)。客待ち演出は、遊技が一定期間なされない場合に設定される客待ち状態において、前記客待ち状態であることを示すための演出である。コマンドバッファにセットされた客待ち演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。客待ち演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、客待ち演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、客待ち演出の演出画像の表示を開始する。これにより、客待ち演出の実行が開始される。
【0140】
本実施形態において、客待ち演出は、
図20(A)に示すように、パチンコ機1の演出に登場するキャラクタC1及びC2に加えて、所定の表示121等が表示画面28に表示される内容で実行される。表示121は、実行中の演出が客待ち演出であり、報知演出は実行中でないことを示すための「デモムービー」の文字を用いて構成されている。表示121を表示することは一例であり、客待ち演出の実行中に表示121が表示されることは必須ではない。表示121がその他の文言等を含んで構成されてもよい。本実施形態では、客待ち演出の実行終了時等に演出図柄100が変動表示を行ったかのように見えることを回避するため、客待ち演出は、演出図柄100を表示しない態様で構成される。一方、客待ち演出において演出図柄100が停止表示した状態で表示されても構わない。CPU581は、サブ客待ちフラグに「2」を記憶する(S505)。CPU581は、処理をS506の判断へ移行する。
【0141】
CPU581は、サブ客待ちフラグに「2」が記憶されているかを判断する(S506)。サブ客待ちフラグに「2」が記憶されていない場合(S506:NO)、CPU581は、処理を
図18に示すS521の判断へ移行する。CPU581は、サブ客待ちフラグに「2」が記憶されている場合(S506:YES)、演出ボタン35が操作されたかを判断する(S511)。本実施形態では、客待ち演出の実行中に演出ボタン35が操作された場合にパチンコ機1の各種設定をカスタマイズすることができるように構成されている。
図20(A)に示すように、客待ち演出の実行中に演出ボタン35が操作された場合にパチンコ機1の各種設定をカスタマイズすることを示す所定の表示HYが客待ち演出において表示画面28に表示される。CPU581は、演出ボタン35が押下操作をされたことを示す信号を演出ボタン35から受信した場合、対応するフラグを「ON」にする。CPU581は、このフラグが「OFF」である場合には演出ボタン35の操作がされていないと判断して(S511:NO)、処理をS521の判断へ移行する。
【0142】
CPU581は、このフラグが「ON」である場合には演出ボタン35の操作がされたと判断して(S511:YES)、カスタマイズメニュー画像表示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S512)。カスタマイズメニュー画像表示開始コマンドは、カスタマイズメニュー画像210を表示画面28に表示することを指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされたカスタマイズメニュー画像表示開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。カスタマイズメニュー画像表示開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、カスタマイズメニュー画像210に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、カスタマイズメニュー画像210の表示を開始する。
【0143】
図20(B)に示すように、カスタマイズメニュー画像210は、パチンコ機1の各種設定をカスタマイズするか否か、カスタマイズする場合にはどの項目をカスタマイズするかを遊技者に選択させるための画像である。本実施形態では、カスタマイズメニュー画像210は、「音量/光量調節」の文字、「遊技カスタマイズ」の文字及び「戻る」の文字のそれぞれを含む3つの画像を含んで構成される。「音量/光量調節」の画像は、スピーカ39から出力される音の音量、表示画面28の光量の調節をすること選択するための画像である。「遊技カスタマイズ」の画像は、パチンコ機1の演出に関する各種項目を設定することを選択するための画像である。「戻る」の画像は、パチンコ機1の各種設定のカスタマイズを終了して客待ち演出に戻ることを選択するための画像である。CPU581は、サブ客待ちフラグに「3」を記憶する(S513)。CPU581は、メニュー画像表示中フラグを「ON」にする(S515)。CPU581は、処理をS521の判断へ移行する。
【0144】
図18に示すようにCPU581は、サブ客待ちフラグに「3」が記憶されているかを判断する(S521)。サブ客待ちフラグに「3」が記憶されていない場合(S521:NO)、CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。サブ客待ちフラグに「3」が記憶されている場合(S521:NO)、CPU581は、カスタマイズメニュー画像210が表示画面28に表示されているかを判断する(S522)。CPU581は、メニュー画像表示中フラグが「ON」である場合にはカスタマイズメニュー画像210が表示されていると判断する(S522:YES)。この場合、CPU581は、カスタマイズメニュー画像210において「遊技カスタマイズ」の画像の選択が決定されているかを判断する(S523)。
【0145】
カスタマイズメニュー画像210は、その表示中に演出ボタン35が押し下げられることに応じて「音量/光量調節」、「遊技カスタマイズ」及び「戻る」の各画像を順に選択できるように構成されている。
図20(B)は、「遊技カスタマイズ」の画像の表示色が反転表示されており、「遊技カスタマイズ」の画像が選択されている状態を示す。CPU581は、「音量/光量調節」、「遊技カスタマイズ」及び「戻る」の各画像のいずれかが選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、いずれかの画像の選択を決定することができる。
【0146】
カスタマイズメニュー画像210において「遊技カスタマイズ」の画像の選択が決定されている場合(S523:YES)、CPU581は、遊技カスタマイズ画像表示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S525)。遊技カスタマイズ画像表示開始コマンドは、遊技カスタマイズ画像220を表示画面28に表示することを指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた遊技カスタマイズ画像表示開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。遊技カスタマイズ画像表示開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、遊技カスタマイズ画像220に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、
図20(C)に示す遊技カスタマイズ画像220の表示を開始する。CPU581は、遊技カスタマイズ画像表示中フラグを「ON」にする(S526)。
【0147】
CPU581は、カスタマイズメニュー画像表示終了コマンドをコマンドバッファにセットする(S528)。カスタマイズメニュー画像表示終了コマンドは、カスタマイズメニュー画像210の表示を終了することを指示するコマンドである。コマンドバッファにセットされたカスタマイズメニュー画像表示終了コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。カスタマイズメニュー画像表示終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28からカスタマイズメニュー画像210を消去する。CPU581は、メニュー画像表示中フラグを「OFF」にする(S529)。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0148】
一方、「遊技カスタマイズ」の画像の選択が決定されていない場合(S523:NO)、CPU581は、カスタマイズメニュー画像210において「音量/光量調節」の画像の選択が決定されているかを判断する(S531)。「音量/光量調節」の画像が選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知した場合、CPU581はカスタマイズメニュー画像210において「音量/光量調節」の画像の選択が決定されていると判断する(S531:YES)。この場合、CPU581は、音量/光量調節処理を実行する(S532)。音量/光量調節処理は、その後の演出ボタン35等の操作内容に応じて、スピーカ39から出力される音の音量、表示画面28の光量の調節を実行する。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0149】
また、「音量/光量調節」の画像の選択が決定されていない場合(S531:NO)、CPU581は、カスタマイズメニュー画像210において「戻る」の画像の選択が決定されているかを判断する(S533)。「戻る」の画像が選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知した場合、CPU581はカスタマイズメニュー画像210において「戻る」の画像の選択が決定されていると判断する(S533:YES)。この場合、CPU581は、カスタマイズメニュー画像表示終了コマンドをコマンドバッファにセットする(S535)。コマンドバッファにセットされたカスタマイズメニュー画像表示終了コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。カスタマイズメニュー画像表示終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28からカスタマイズメニュー画像210を消去する。CPU581は、メニュー画像表示中フラグを「OFF」にする(S536)。CPU581は、処理を
図17のS503へ移行する。
【0150】
図20(C)に示すように、遊技カスタマイズ画像220は、パチンコ機1の演出に関する複数の設定項目をカスタマイズするか否か、カスタマイズする場合にはどの設定項目をカスタマイズするかを遊技者に選択させるための画像である。遊技カスタマイズ画像220は、
図20(B)に示すようにカスタマイズメニュー画像210において「遊技カスタマイズ」の画像の選択が決定された場合に、
図20(C)に示すように表示画面28に表示される。
【0151】
ここで、
図21を参照して、パチンコ機1の遊技カスタマイズ機能を用いてカスタマイズできるパチンコ機1の演出に関する設定項目について説明する。
図21は、パチンコ機1の遊技カスタマイズ画像220を用いてカスタマイズできるパチンコ機1の演出に関する複数の設定項目のそれぞれの詳細を説明するための説明図である。パチンコ機1の遊技カスタマイズ画像220を用いてカスタマイズできるパチンコ機1の演出に関する複数の設定項目は、No.1~7の7つである。No.1の「カスタムリセット」は、No.2~7の設定項目について設定されているカスタマイズ内容の全てを一括で初期設定の内容にする処理を実行できる設定項目である。カスタマイズ内容は「リセット」と「キャンセル」とがある。CPU581は、「リセット」が設定された場合にはカスタマイズ内容を全て初期設定にする処理を実行し、「キャンセル」が設定された場合には現在のカスタマイズ内容を維持する処理を実行する。
【0152】
No.2の「一発告知UP」は、報知演出において実行された場合に大当たりが確定的になることを示す一発告知演出の実行頻度を増加させることができる設定項目である。一発告知演出は、例えば、特定の効果音の出力、特定の効果画像の表示等によって構成される。「一発告知UP」の初期設定は「OFF」であり、「ON」にカスタマイズされた場合には、CPU581は、RAM582に設けている「一発告知UP」に対応するフラグを「ON」にする。「一発告知UP」に対応するフラグが「ON」の場合、CPU581は一発告知演出の実行頻度を初期設定における実行頻度よりも増加させる。
【0153】
No.3の「プレミア演出UP」は、通常は報知演出において実行される頻度が非常に低く設定されている特別な演出であるプレミア演出の実行頻度を増加させることができる設定項目である。プレミア演出は、初期設定においては、その実行頻度が非常に低く設定される一方、報知演出においてプレミア演出が実行された場合にはその報知演出において大当たりの判定結果が報知される可能性が非常に高くなるように実行の機会が設けられている。「プレミア演出UP」の初期設定は「OFF」であり、「ON」にカスタマイズされた場合には、CPU581は、RAM582に設けている「プレミア演出UP」に対応するフラグを「ON」にする。「プレミア演出UP」に対応するフラグが「ON」の場合、CPU581はプレミア演出の実行頻度を初期設定における実行頻度よりも増加させる。
【0154】
No.4の「先読みゾーンUP」は、所定の先読み情報に対応する報知演出の実行が開始される前の複数回の報知演出について特殊な演出モードを設定する先読みゾーン演出の期待度を増加させることができる設定項目である。先読みゾーン演出は、先読み情報に対応する報知演出において大当たりの判定結果が報知される可能性が比較的高い場合に実行される。「先読みゾーンUP」の初期設定は「OFF」であり、「ON」にカスタマイズされた場合には、CPU581は、RAM582に設けている「先読みゾーンUP」に対応するフラグを「ON」にする。「先読みゾーンUP」に対応するフラグが「ON」の場合、CPU581は、大当たり先読み情報がはずれを示すときには先読みゾーン演出の実行頻度を初期設定よりも低下させることで、先読みゾーン演出の期待度を相対的に向上させる。
【0155】
No.5の「保留カスタム」は、パチンコ機1に特有の設定項目である。「保留カスタム」は、遊技の進行に応じて保留表示の表示態様が変化する保留変化演出を通常の態様で実行させるか、保留変化演出における保留表示の最終変化態様を保留表示の表示当初から表示させるかを設定できる設定項目である。カスタマイズ内容は「通常態様」と「入賞時に最終態様」とがある。「通常態様」は、保留変化演出を通常の態様で実行する内容である。「入賞時に最終態様」は、保留表示の最終変化態様を保留表示の表示当初から表示させるようにする内容である。「保留カスタム」の初期設定は「通常態様」であり、「入賞時に最終態様」にカスタマイズすることができる。CPU581は、「通常態様」が設定されている場合にRAM582に設けている「保留カスタム」に対応するフラグを「OFF」にして、「入賞時に最終態様」が設定されている場合に「保留カスタム」に対応するフラグを「ON」にする。
【0156】
「通常態様」のカスタマイズ内容が選択される場合、パチンコ機1は、保留表示変化態様決定テーブルに定義されている変化パターンに基づいて、保留変化演出を実行することができる。パチンコ機1は、保留変化演出を実行することによって、遊技の進行に応じて保留表示の表示態様を変化させて、遊技者の期待感を徐々に向上させることができる。一方、「入賞時に最終態様」のカスタマイズ内容が選択される場合、パチンコ機1は、保留変化演出が行われたなら最終表示態様となる表示態様で、第一保留表示を当初から表示することとなる。したがって、パチンコ機1は、遊技球が第一始動口14に入賞したことに応じて、保留変化演出において最終表示態様となる表示態様で第一保留表示を当初から表示させることによって、遊技者の期待感を高めるタイミングをより早めることができる。また、パチンコ機1は、最終表示態様で第一保留表示を当初から表示させることによって、その第一保留表示が示す最高の期待度を遊技者に示唆して、遊技者の期待感を一気に向上させることができる。遊技者には、遊技の進行に応じて保留変化演出を楽しみたい者、保留表示の変化の過程を楽しむよりも最終表示態様をいち早く知りたい者等、様々な者が含まれる。パチンコ機1は、「保留カスタム」の設定項目を設けることによって、従来の保留変化演出に加えて、第一保留表示が示す期待度の最高値をいち早く知ることができるといった新規な楽しみ方を遊技者に提供することができる。
【0157】
No.6の「色限定カスタム」は、パチンコ機1で実行される各種の演出で期待度を示すために用いられる表示色に関する設定項目である。カスタマイズ内容は「緑以上を表示」、「赤以上を表示」、「OFF」である。前述したように、パチンコ機1は、変化保留HHの表示色、チャンス表示CHの表示色、その他の各種の予告演出について、その演出で用いる画像等の表示色が「青色→緑色→赤色→虹色」の順に示唆する期待度が高くなるようにしている。「緑以上を表示」は、期待度を示すために緑色、赤色又は虹色を用いる演出画像についてはその表示色で表示し、緑色よりも低い期待度を示す青色を用いる演出画像については青色ではなくデフォルトの表示色で表示する内容である。「赤以上を表示」は、期待度を示すために赤色又は虹色を用いる演出画像についてはその表示色で表示し、緑色よりも低い期待度を示す青色又は緑色を用いる演出画像については青色又は緑色ではなくデフォルトの表示色で表示する内容である。デフォルトの表示色が予め設けられていない予告演出等については、その予告演出等の実行がキャンセルされる。「OFF」は、「緑以上を表示」、「赤以上を表示」のように表示する表示色を限定せず、期待度を示すために用いられる表示色として決定されたものをそのまま用いて表示する内容である。CPU581は、「緑以上を表示」が設定されている場合にRAM582に設けている「色限定カスタム」に対応するフラグに「1」を記憶し、「赤以上を表示」が設定されている場合に「色限定カスタム」に対応するフラグに「2」を記憶する。一方、CPU581は、「OFF」が設定されている場合に「色限定カスタム」に対応するフラグに「0」を記憶して「OFF」にする。
【0158】
No.7の「ボタンバイブUP」は、演出ボタン35に内蔵されたモータ又はソレノイド等の振動発生手段を振動させることによって期待度を示唆するボタンバイブ演出の期待度を増加させることができる設定項目である。「ボタンバイブUP」の初期設定は「OFF」であり、「ON」にカスタマイズされた場合には、CPU581は、RAM582に設けている「ボタンバイブUP」に対応するフラグを「ON」にする。「ボタンバイブUP」に対応するフラグが「ON」の場合、CPU581は、大当たり先読み情報がはずれを示すときにはボタンバイブ演出の実行頻度を初期設定よりも低下させることで、ボタンバイブ演出の期待度を相対的に向上させる。
【0159】
図20(C)の説明に戻る。遊技カスタマイズ画像220は、
図21で説明したNo.1~7の7つ設定項目のそれぞれに対応する画像であるカスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定画像、ボタンバイブUP画像を備える。以下では、No.1~7の7つ設定項目のそれぞれに対応するカスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定画像、ボタンバイブUP画像を総称して、設定項目画像という。また、遊技カスタマイズ画像220は、カスタマイズメニュー画像210が表示された状態に戻ることを選択するための「戻る」の文字を含む戻る画像も含む。
【0160】
遊技カスタマイズ画像220は、演出ボタン35が押し下げられることに応じてカスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定カスタム画像、ボタンバイブUP画像及び戻る画像を順に選択できるように構成されている。
図20(C)は、一発告知UP画像の表示色が反転表示されており、一発告知UP画像が選択されている状態を示す。CPU581は、カスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定カスタム画像、ボタンバイブUP画像及び戻る画像のいずれかが選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、いずれかの画像の選択を決定することができる。
【0161】
カスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定画像、ボタンバイブUP画像及び戻る画像のいずれかの選択が決定された場合、CPU581は、それぞれの画像に対応する設定項目をカスタマイズするための設定項目カスタマイズ画像を表示画面28に表示させる。本実施形態では、設定項目カスタマイズ画像は、遊技カスタマイズ画像220の表示を継続させた状態で、遊技カスタマイズ画像220の手前に表示される。
【0162】
図20(D)は、
図20(C)に示すようにして一発告知UP画像の選択が決定されたことに応じて、設定項目カスタマイズ画像のうち、一発告知UPの設定項目をカスタマイズするための一発告知UPカスタマイズ画像230が表示画面28に表示された例を示す。
図20(D)に示すように、一発告知UPカスタマイズ画像230は、一発告知UPのカスタマイズ内容である「ON」及び「OFF」のそれぞれを示すON画像及びOFF画像を含んで構成される。一発告知UPカスタマイズ画像230は、演出ボタン35が押し下げられることに応じてON画像又はOFF画像を順に選択できるように構成されている。
図20(D)は、ON画像の表示色が反転表示されており、ON画像が選択されている状態を示す。CPU581は、ON画像又はOFF画像のいずれかが選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、ON画像又はOFF画像のいずれかの選択を決定することができる。
【0163】
また、
図20(E)は、遊技カスタマイズ画像220において保留カスタム画像の表示色が反転表示されており、保留カスタム画像が選択されている状態を示す。CPU581は、この状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、保留カスタム画像の選択を決定することができる。
【0164】
図20(F)は、
図20(E)に示すようにして保留カスタム画像の選択が決定されたことに応じて、設定項目カスタマイズ画像のうち、保留カスタムの設定項目をカスタマイズするための保留カスタムカスタマイズ画像250が表示画面28に表示された例を示す。
図20(F)に示すように、保留カスタムカスタマイズ画像250は、保留カスタムのカスタマイズ内容である「通常態様」及び「入賞時に最終態様」のそれぞれを示す通常態様画像及び最終態様画像を含んで構成される。
【0165】
保留カスタムの設定項目は、従来の遊技機にない新規な設定項目である。このため、保留カスタムカスタマイズ画像250は、カスタマイズ内容のそれぞれを説明するための注釈も含んで構成されている。通常態様画像の近傍には、「★進行に応じて保留が変化」の注釈が付されており、通常態様のカスタマイズ内容を選択した場合には保留変化演出が通常の態様で実行されることが示されている。最終態様画像の近傍には「★最終態様で最初から表示」の注釈が付されており、入賞時に最終態様のカスタマイズ内容を選択した場合には、保留変化演出が行われたならば最終表示態様となる表示態様で第一保留表示を当初から表示させることが示されている。保留カスタムカスタマイズ画像250は、演出ボタン35が押し下げられることに応じて通常態様画像又は最終態様画像を順に選択できるように構成されている。
図20(F)は、最終態様画像の表示色が反転表示されており、最終態様画像が選択されている状態を示す。CPU581は、通常態様画像又は最終態様画像のいずれかが選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、通常態様画像又は最終態様画像のいずれかの選択を決定することができる。
【0166】
また、
図20(G)は、遊技カスタマイズ画像220において色限定カスタム画像の表示色が反転表示されており、色限定カスタム画像が選択されている状態を示す。CPU581は、この状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、色限定カスタム画像の選択を決定することができる。
【0167】
図20(H)は、
図20(G)に示すようにして色限定カスタム画像の選択が決定されたことに応じて、設定項目カスタマイズ画像のうち、色限定カスタムの設定項目をカスタマイズするための色限定カスタムカスタマイズ画像260が表示画面28に表示された例を示す。
図20(H)に示すように、色限定カスタムカスタマイズ画像260は、色限定カスタムのカスタマイズ内容である「緑以上を表示」、「赤以上を表示」及び「OFF」のそれぞれを示す緑以上画像、赤以上画像及びOFF画像を含んで構成される。色限定カスタムカスタマイズ画像260は、演出ボタン35が押し下げられることに応じて緑以上画像、赤以上画像及びOFF画像を順に選択できるように構成されている。
図20(H)は、OFF画像の表示色が反転表示されており、OFF画像が選択されている状態を示す。CPU581は、緑以上画像、赤以上画像又はOFF画像のいずれかが選択された状態で演出ボタン35の長押しを検知することに応じて、緑以上画像、赤以上画像又はOFF画像のいずれかの選択を決定することができる。
【0168】
なお、図示を省略するが、遊技カスタマイズ画像220において戻る画像の選択が決定された場合、CPU581は、遊技カスタマイズ画像220の表示を終了して、表示画面28をカスタマイズメニュー画像210が表示された状態に戻す。
【0169】
図18の説明に戻る。CPU581は、メニュー画像表示中フラグが「OFF」である場合にはカスタマイズメニュー画像210が表示されていないと判断して(S522:NO)、
図19に示すように、遊技カスタマイズ画像220が表示画面28に表示されているかを判断する(S551)。CPU581は、遊技カスタマイズ画像表示中フラグが「OFF」である場合には遊技カスタマイズ画像220が表示画面28に表示されていないと判断して(S551:NO)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0170】
CPU581は、遊技カスタマイズ画像表示中フラグが「ON」である場合には遊技カスタマイズ画像220が表示画面28に表示されていると判断する(S551:YES)。この場合、CPU581は、設定項目カスタマイズ画像が表示画面28に表示されているかを判断する(S552)。CPU581は、この判断を、後述する設定項目カスタマイズ画像表示中フラグの状態に応じて行う。CPU581は、設定項目カスタマイズ画像である一発告知UPカスタマイズ画像230、保留カスタムカスタマイズ画像250、色限定カスタムカスタマイズ画像260等のいずれも表示画面28に表示されていない場合(S552:NO)、遊技カスタマイズ画像220においてカスタムリセット画像、一発告知UP画像、プレミア演出UP画像、先読みゾーンUP画像、保留カスタム画像、色限定画像、ボタンバイブUP画像のうちいずれかの設定項目画像の選択が決定されているかを判断する(S553)。
【0171】
CPU581は、いずれかの設定項目画像の選択が決定されている場合(S553:YES)、選択が決定されている設定項目画像に対応する設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S555)。設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドは、設定項目カスタマイズ画像を表示画面28に表示することを指示するためのコマンドである。設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドは、一発告知UPカスタマイズ画像230、保留カスタムカスタマイズ画像250、色限定カスタムカスタマイズ画像260等の設定項目カスタマイズ画像うちいずれを表示するかを示す情報を含んで生成される。
【0172】
コマンドバッファにセットされた設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、設定項目カスタマイズ画像表示開始コマンドの示す設定項目カスタマイズ画像が一発告知UPカスタマイズ画像230、保留カスタムカスタマイズ画像250、色限定カスタムカスタマイズ画像260等のうちいずれであるかを解析する。CPU431は、解析した種類の設定項目カスタマイズ画像に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、
図20(D),(F),(H)に示すように、解析した種類に対応するいずれかの設定項目カスタマイズ画像の表示を開始する。
【0173】
CPU581は、設定項目カスタマイズ画像表示中フラグを「ON」にする(S556)。設定項目カスタマイズ画像表示中フラグは、いずれかの設定項目カスタマイズ画像が表示画面28に表示中であることを示すフラグである。設定項目カスタマイズ画像表示中フラグは、いずれかの設定項目カスタマイズ画像が表示画面28に表示中である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0174】
一方、CPU581は、いずれかの設定項目カスタマイズ画像が表示画面28に表示されている場合(S552:YES)、表示されている設定項目カスタマイズ画像においてカスタマイズ内容の選択が決定されているかを判断する(S561)。CPU581は、表示されている設定項目カスタマイズ画像においてカスタマイズ内容の選択が決定されていない場合(S561:NO)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0175】
CPU581は、表示されている設定項目カスタマイズ画像においてカスタマイズ内容の選択が決定されている場合(S561:YES)、選択が決定されているカスタマイズ内容をRAM582に記憶する(S562)。具体的には、RAM582には、一発告知UPカスタマイズフラグ、プレミア演出UPカスタマイズフラグ、先読みゾーンUPカスタマイズフラグ、保留カスタムカスタマイズフラグ、色限定カスタムカスタマイズフラグ、ボタンバイブUPカスタマイズフラグが設けられている。一発告知UPカスタマイズフラグは、一発告知UPの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。プレミア演出UPカスタマイズフラグは、プレミア演出UPの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。先読みゾーンUPカスタマイズフラグは、先読みゾーンUPの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。保留カスタムカスタマイズフラグは、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。色限定カスタムカスタマイズフラグは、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。ボタンバイブUPカスタマイズフラグは、ボタンバイブUPの設定項目のカスタマイズ内容を示すフラグである。
【0176】
一発告知UPカスタマイズフラグは、カスタマイズ内容として「ON」の選択が決定されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、「OFF」の選択が決定されている場合に「0」が設定されて「OFF」になる。プレミア演出UPカスタマイズフラグは、カスタマイズ内容として「ON」の選択が決定されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、「OFF」の選択が決定されている場合に「0」が設定されて「OFF」になる。先読みゾーンUPカスタマイズフラグは、カスタマイズ内容として「ON」の選択が決定されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、「OFF」の選択が決定されている場合に「0」が設定されて「OFF」になる。保留カスタムカスタマイズフラグは、カスタマイズ内容として「入賞時に最終態様」の選択が決定されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、「通常態様」の選択が決定されている場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。色限定カスタムカスタマイズフラグは、カスタマイズ内容として「緑以上を表示」の選択が決定されている場合に「1」、「赤以上を表示」の選択が決定されている場合に「2」、「OFF」の選択が決定されている場合に「0」をそれぞれ記憶する。なお、設定項目カスタマイズ画像としてカスタムリセットの設定項目を設定する画像が表示画面28に表示されている場合において、「リセット」のカスタマイズ内容の選択が決定されている場合、CPU581は、全てのカスタマイズフラグを「OFF」にする。
【0177】
CPU581は、表示していた設定項目カスタマイズ画像の表示を終了するための設定項目カスタマイズ画像表示終了コマンドをコマンドバッファにセットする(S563)。コマンドバッファにセットされた設定項目カスタマイズ画像表示終了コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。設定項目カスタマイズ画像表示終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、設定項目カスタマイズ画像の表示を終了する。CPU581は、設定項目カスタマイズ画像表示中フラグを「OFF」にする(S565)。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0178】
また、遊技カスタマイズ画像220においていずれの設定項目画像の選択も決定されていない場合(S553:NO)、CPU581は、遊技カスタマイズ画像220において戻る画像の選択が決定されているかを判断する(S581)。戻る画像の選択が決定されていない場合(S581:NO)、CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0179】
戻る画像の選択が決定されている場合、CPU581は、遊技カスタマイズ画像表示終了コマンドをコマンドバッファにセットする(S582)。遊技カスタマイズ画像表示終了コマンドは、表示画面28への遊技カスタマイズ画像220の表示を終了することを指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた遊技カスタマイズ画像表示終了コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。遊技カスタマイズ画像表示終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、遊技カスタマイズ画像220の表示を終了する。
【0180】
CPU581は、カスタマイズメニュー画像表示開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S583)。CPU581は、メニュー画像表示中フラグを「ON」にする(S515)。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0181】
図15の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信したかを判断する(S411)。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信していない場合(S411:NO)、処理をS413の判断へ移行する。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信した場合(S411:YES)、保留表示処理を実行し(S412)、処理をS413の判断へ移行する。
【0182】
図22を参照して、
図15のS412で示した保留表示処理の詳細について説明する。保留表示処理では、保留表示の表示制御のための処理が行われる。
【0183】
パチンコ機1は、
図24から
図27に示すように、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄100の変動表示を行い、特別図柄の確定表示に同期して演出図柄100を確定表示することで、報知演出を実行する。演出図柄100は、左図柄101、中図柄102及び右図柄103を備える。左図柄101は、表示画面28の左部の変動ラインに主に表示される。中図柄102は、表示画面28の中央部の変動ラインに主に表示される。右図柄103は、表示画面28の右部の変動ラインに主に表示される。
図24(A-1),(B-1)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインにおいて「1」図柄から「8」図柄が上方から下方に順にスクロールされることによって、演出図柄100の図柄変動が行われる。矢印Y1は、演出図柄100のそれぞれがスクロールを継続していることを模式的に示す。
図24(C-1)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインの中央部において停止表示させることによって、演出図柄100の確定表示が行われる。
図25(O-1)等は、演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示することで、大当たり判定の結果が大当たりであることが報知された例を示す。
図24(C-1)等は、演出図柄100がゾロ目以外の組合せで確定表示することで、大当たり判定の結果がはずれであることが報知された例を示す。
【0184】
パチンコ機1は、表示画面28において、
図3で示した主制御基板41のRAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数が記憶された順に、第一保留乱数に対応する第一保留情報を示す第一保留表示を表示する。
図24から
図27に示すように、本実施形態では、第一保留表示は、円形のシンボルで構成される。第一保留表示は、円形以外の各種の形状等を有していてもよい。パチンコ機1の第一保留表示は、前述した通常保留HDと変化保留HHとの二種類の表示態様を含む。
【0185】
図24(A-1)は、第一特別図柄の変動時間と同期して第一報知演出の実行が開始された状態である。第一保留数が「3」であり、3個の通常保留HDが、位置H1,H2,H3のそれぞれに表示されている。
【0186】
パチンコ機1は、表示画面28に、第二保留乱数を示す第二保留表示を表示する。図示しないが、本実施形態では、第二保留表示は、三角形のシンボルで構成される。第二保留表示は、三角形以外の各種の形状等を有していてもよい。第二保留表示は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第二保留情報の期待度の程度を示すものであってもよい。第二保留情報の期待度は、第一保留情報の期待度と同様に、第二保留情報に基づくものである。表示画面28の右下部には、第二保留表示を表示する位置を示す位置H5~位置H8が設けられている。位置H5,H6,H7,H8のそれぞれには、特
図2大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第二保留乱数に対応する第二保留表示が表示される。
【0187】
図22に示すように、保留表示処理が開始されると、CPU581は、主制御基板41から受信した保留情報コマンドを解析し、保留情報を取得する(S601)。取得された保留情報は、RAM582に記憶される。S601の処理においては、保留情報コマンドの示す保留情報に含まれる全ての情報が取得及び記憶されてもよいし、保留情報コマンドの示す保留情報に含まれる一部の情報が取得及び記憶されてもよい。本実施形態では、S601の処理においては、保留情報が第一保留情報である場合には、第一変動パターン先読み情報が少なくとも取得及び記憶される。なお、第一保留情報について、特
図1大当たり先読み情報等の他の先読み情報が取得及び記憶されてもよい。保留情報が第二保留情報である場合には第二変動パターン先読み情報が少なくとも取得及び記憶される。
【0188】
CPU581は、S601で取得した保留情報が第一保留情報であるかを判断する(S602)。取得した保留情報が第一保留情報である場合(S602:YES)、CPU581は、第一保留表示の変化パターンを、S601で取得した第一変動パターン先読み情報に応じて選択する(S603)。S603の処理において、CPU581は、
図13で示した保留表示変化態様決定テーブルを参照して、S601で取得した第一変動パターン先読み情報に対応する第一保留表示の変化パターンを1つ選択する。
【0189】
CPU581は、保留カスタムカスタマイズフラグが「ON」であるかを判断する(S605)。保留カスタムカスタマイズフラグが「OFF」である場合は(S605:NO)、第一保留表示の表示態様として「通常態様」が決定されている状態である。この場合、CPU581は、S603で選択した第一保留表示の変化パターンをRAM582に設けられている保留表示情報記憶エリアに記憶する(S606)。保留表示情報記憶エリアは、保留変化演出を実行する場合の第一保留表示の一連の変化態様を記憶するために設けられている。CPU581は、処理をS611の判断へ移行する。
【0190】
一方、保留カスタムカスタマイズフラグが「ON」である場合は(S605:YES)、第一保留表示の表示態様として「入賞時に最終態様」が決定されている状態である。この場合、CPU581は、S603で選択した第一保留表示の変化パターンにおける最終表示態様をRAM582の保留表示情報記憶エリアに記憶する(S608)。保留表示情報記憶エリアは、保留変化演出を実行せずに第一保留表示を当初から表示させる場合には、最終表示態様を記憶する。CPU581は、処理をS611の判断へ移行する。
【0191】
CPU581は、第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」の第一変動パターンを示すかを判断する(S611)。第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」の第一変動パターンを示さない場合(S611:NO)、CPU581は、処理をS615の判断へ移行する。
【0192】
第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」の第一変動パターンを示す場合(S611:YES)、第一保留表示を位置H1に表示する場合にボタン示唆画像BGを付して表示するかを判断する(S612)。CPU581は、S612の処理において所定の抽選を実行して、第一保留表示を位置H1に表示する場合にボタン示唆画像BGを付すことを50%の割合で決定する。第一保留表示を位置H1に表示する場合にボタン示唆画像BGを付すことを決定した場合(S612:YES)、保留表示情報記憶エリアに記憶している情報を更新する(S613)。具体的には、保留表示情報記憶エリアに第一保留表示の変化パターンを記憶している場合には、CPU581は、位置H1においてボタン示唆画像BGを付す旨、保留表示情報記憶エリアに記憶している情報を更新する。また、保留表示情報記憶エリアに第一保留表示の最終変化態様を記憶している場合には、ボタン示唆画像BGも付して表示する内容に最終変化態様を示す情報を更新する。CPU581は、処理をS615の判断へ移行する。
【0193】
CPU581は、色限定カスタムのカスタマイズ内容が「緑以上を表示」又は「赤以上を表示」に設定されているかを判断する(S615)。CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「OFF」である場合(S615:NO)、処理をS625へ移行する。
【0194】
CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「1」又は「2」である場合には、色限定カスタムのカスタマイズ内容が「緑以上を表示」又は「赤以上を表示」に設定されていると判断する(S615:YES)。この場合、CPU581は、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の最終変化態様が、緑色以上又は赤色以上の期待度を示す態様であるかを判断する(S616)。具体的には、CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「緑以上を表示」に対応する「1」を記憶している場合、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の最終変化態様が、緑保留HH2、赤保留HH3又は虹保留HH4を示すかを判断する。また、CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「赤以上を表示」に対応する「2」を記憶している場合、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の最終変化態様が、赤保留HH3又は虹保留HH4を示すかを判断する。
【0195】
CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「1」を記憶している場合において、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の最終変化態様が通常保留HD又は青保留HH1を示すとき、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の表示態様を通常保留HDに更新する。また、CPU581は、色限定カスタムカスタマイズフラグが「2」を記憶している場合において、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の最終変化態様が通常保留HD、青保留HH1又は緑保留HH2を示すとき、保留表示情報記憶エリアに記憶されている第一保留表示の表示態様を通常保留HDに更新する(S618)。すなわち、CPU581は、保留カスタムの設定項目として「通常態様」が決定されている状態であっても保留変化演出を実行せず、位置H1~H4のいずれに第一保留表示を表示する場合にも、通常保留HDを表示することを決定する。また、CPU581は、保留カスタムの設定項目として「入賞時に最終態様」が決定されている場合において、最終表示態様が色限定カスタムの設定項目の示す色未満の期待度である場合にも、通常保留HDを表示することを決定する。また、位置H1において第一保留表示にボタン示唆画像BGを付すことを決定していた場合には、ボタン示唆画像BGを付さないように保留表示情報エリアの情報を更新する。CPU581は、処理をS625へ移行する。
【0196】
なお、S601で取得した保留情報が第二保留情報である場合(S602:NO)、CPU581は、第二保留情報に基づいて第二保留表示の表示態様を所定のものに決定する(S621)。例えば、第二保留乱数の期待度を複数段階で示すことができるように、第二保留表示の表示態様が複数種類定めてあるとする。CPU581は、第二保留情報に基づいて、複数種類の第二保留表示の表示態様のうちからいずれかを決定する。CPU581は、決定した表示態様を、保留表示情報記憶エリアに記憶する(S622)。CPU581は、処理をS625へ移行する。
【0197】
CPU581は、保留表示コマンドをコマンドバッファにセットする(S625)。保留表示コマンドは、S601で取得した保留情報に対応する保留表示を表示画面28に表示することを演出制御基板43に指示するためのコマンドである。CPU581は、第一保留表示については位置H1~H4のいずれかに、第二保留表示については位置H5~H8のいずれかに、保留表示を表示することを指示する内容で保留表示コマンドを生成する。具体的には、CPU581は、第一保留情報の示す第一保留数が1の場合には位置H1に、第一保留数が2の場合には位置H2に、第一保留数が3の場合には位置H3に、第一保留数が4の場合には位置H4に、第一保留表示を表示する保留表示コマンドを生成する。また、CPU581は、第二保留情報の示す第二保留数が1の場合には位置H5に、第二保留数が2の場合には位置H6に、第二保留数が3の場合には位置H7に、第二保留数が4の場合には位置H8に、第二保留表示を表示する保留表示コマンドを生成する。また、CPU581は、保留表示情報記憶エリアに記憶されている態様で、保留表示を表示することを指示する内容で、保留表示コマンドを生成する。コマンドバッファにセットされた保留表示コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。保留表示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、第一保留表示又は第二保留表示を、保留表示コマンドの示す位置H1~H8のいずれかに、保留表示コマンドの示す表示態様で表示させる。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0198】
図15の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から停止図柄指定コマンドを受信したかを判断する(S413)。停止図柄指定コマンドを受信していない場合(S413:NO)、CPU581は、処理をS416の判断へ移行する。停止図柄指定コマンドを受信した場合(S413:YES)、CPU581は、停止図柄指定コマンドを解析して、コマンドの示す特別図柄の種類(大当たり図柄又ははずれ図柄)を取得する。CPU581は、取得した特別図柄の種類に応じた演出図柄100の組合せを決定する(S415)。具体的には、CPU581は、受信した保留情報コマンドが第一停止図柄指定コマンドである場合、第一停止図柄指定コマンドの示す第一特別図柄の種類を取得する。CPU581は、第一特別図柄が大当たり図柄である場合、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が変動表示を終了し確定表示するときの組合せとして、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が同じ数字で揃うゾロ目の組合せを決定する。左図柄101、中図柄102及び右図柄103が変動表示を終了し確定表示するときの組合せを、以下、「確定図柄」という。CPU581は、第一特別図柄がはずれ図柄である場合、確定図柄として、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が異なる数字を含む、ゾロ目以外の組合せを決定する。決定された確定図柄は、RAM582に記憶される。CPU581は、受信した停止図柄指定コマンドが第二停止図柄指定コマンドである場合、第二停止図柄指定コマンドの示す第二特別図柄の種類を取得する。CPU581は、取得した第二特別図からが大当たり図柄であるかはずれ図柄であるかに応じて、確定図柄を決定する。CPU581は処理をS416の判断へ移行する。
【0199】
CPU581は、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかを判断する(S416)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S416:NO)、CPU581は、処理を
図16に示すS421の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S416:YES)、CPU581は、報知演出実行処理を実行し(S418)、処理をS421の判断へ移行する。
【0200】
図23を参照して、
図15のS418で示した報知演出実行処理の詳細について説明する。報知演出実行処理では、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに基づく報知演出の制御が行われる。また、報知演出実行処理では、保留表示に関する制御及び遊技カスタマイズ機能による演出に関する設定項目の設定内容に応じた予告演出を実行するための制御も行われる。
【0201】
報知演出実行処理が開始されると、CPU581は、変動パターン指定コマンドを解析して、コマンドの示す変動パターンを特定し、特定した変動パターンを取得する(S631)。CPU581は、保留表示シフトコマンドを生成し、生成した保留表示シフトコマンドをコマンドバッファにセットする(S632)。保留表示シフトコマンドは、S631で取得した変動パターンが第一変動パターンである場合には、位置H1に表示されている第一保留表示を削除し、位置H2、位置H3及び位置H4に表示されている第一保留表示のそれぞれを一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する情報を含む。この場合において、保留カスタムカスタマイズフラグが「ON」である場合、CPU581は、位置H2、位置H3及び位置H4に表示されている第一保留表示のそれぞれを一つ左の位置へ繰り上げて移動する際に、保留表示情報記憶エリアを参照して、位置H2、位置H3及び位置H4に対応する表示態様に第一保留表示の表示態様を変化させる。これにより、CPU581は、遊技の進行に応じて保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出を実現する。一方、CPU581は、保留カスタムカスタマイズフラグが「OFF」である場合には、位置H2、位置H3及び位置H4に表示されている第一保留表示のそれぞれを、そのままの表示態様で一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する。これにより、CPU581は、表示当初から最終変化態様で表示させた第一保留表示の表示態様を維持することができる。
【0202】
CPU581は、今回の報知演出実行処理を実行することによって実行を開始する報知演出において実行される予告演出の実行態様を決定する(S633)。例えば、CPU581は、S631で取得した第一変動パターンがいずれであるかに応じて、
図14で示したチャンス表示決定テーブルに基づいて、第一報知演出がリーチ演出として実行される場合においてチャンス表示CHを表示するか、表示する場合にはその表示態様をいずれにするかを決定する。CPU581は、その他の予告演出についても実行するか否か、実行する場合の演出画像の表示色等の態様を決定する。また、色限定カスタムカスタマイズフラグに「緑以上を表示」を示す「1」が記憶されている場合において、決定した予告演出に期待度に対応する表示色として緑色未満の期待度を示す青色を用いる画像が含まれるとき、CPU581は、その画像の表示色をデフォルトのものに更新する。色限定カスタムカスタマイズフラグに「赤以上を表示」を示す「2」が記憶されている場合において、決定した予告演出に期待度に対応する表示色として赤色未満の期待度を示す青色及び緑色を用いる画像が含まれるとき、CPU581は、その画像の表示色をデフォルトのものに更新する。
【0203】
CPU581は、客待ち状態であるかを判断する(S635)。CPU581は、客待ち状態であるかを判断する(S635)。CPU581は、サブ客待ちフラグが「OFF」の場合には客待ち状態でないと判断して(S638:NO)、処理をS639へ移行する。
【0204】
CPU581は、サブ客待ちフラグに「1」、「2」又は「3」が記憶されている場合には客待ち状態であると判断する(S638:YES)。この場合、CPU581は、客待ち演出の実行終了、カスタマイズメニュー画像210の表示の終了及び遊技カスタマイズ画像220の表示の終了を指示する各種コマンドをコマンドバッファにセットする(S636)。これらのコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、客待ち演出の実行、カスタマイズメニュー画像210の表示及び遊技カスタマイズ画像220の表示を終了する。
【0205】
CPU581は、サブ客待ちフラグに「0」を記憶して「OFF」にする(S638)。CPU581は、メニュー画像表示中フラグが「ON」である場合には「OFF」にする(S639)。また、CPU581は、設定項目カスタマイズ画像表示中フラグが「ON」である場合には「OFF」にする(S651)。CPU581は、処理をS652へ移行する。
【0206】
CPU581は、報知演出開始コマンドを生成し、生成した報知演出開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S652)。報知演出開始コマンドは、報知演出の実行開始を指示するためのコマンドである。報知演出開始コマンドは、変動パターンに基づく報知演出の演出パターンを示す情報を含む。また、報知演出開始コマンドは、S633で決定した予告演出の実行態様を示す情報を含む。コマンドバッファにセットされた報知演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。報知演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、報知演出開始コマンドが含む報知演出の演出パターンを示す情報に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、報知演出の演出画像の表示を開始する。また、CPU431は、報知演出開始コマンドが含む予告演出の実行態様及び実行タイミングを示す情報に基づいて、報知演出の実行中に予告演出を適宜実行する。また、CPU581は、ランプ制御基板46を介して、枠ランプ38及び盤ランプ27の電飾演出を制御する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、報知演出が実行される。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0207】
図16の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から特別図柄停止コマンドを受信したかを判断する(S421)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S421:NO)、CPU581は、処理をS423の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S421:YES)、CPU581は、報知演出終了処理を実行して(S422)、処理をS423の判断へ移行する。
【0208】
CPU581は、S422の報知演出終了処理において、報知演出の実行を終了するための処理を実行する。具体的には、CPU581は、受信した特別図柄停止コマンドが第一特別図柄停止コマンドである場合、第一報知演出の実行終了を指示するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。CPU581は、受信した特別図柄停止コマンドが第二特別図柄停止コマンドである場合、第二報知演出の実行終了を指示するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。このコマンドは、S415で決定した確定図柄の情報を含む。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、演出図柄100の変動表示を終了し、演出図柄100を確定図柄で確定表示する。これにより、報知演出の実行が終了する。
【0209】
CPU581は、主制御基板41からその他のコマンドを受信したかを判断する(S423)。その他のコマンドを受信していない場合(S423:NO)、CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。その他のコマンドを受信した場合(S423:YES)、CPU581は、コマンドに応じた各種の処理を実行する(S425)。CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。
【0210】
図24から
図27を参照して、第一保留表示の表示態様を用いて保留変化演出が行われる場合の具体例及び保留変化演出における保留表示の最終変化態様が保留表示の表示当初から表示される場合の具体例について詳細に説明する。
【0211】
まず、
図24及び
図25を参照して、第一保留表示の表示態様を用いて保留変化演出が行われる場合の具体例を説明する。遊技カスタマイズ機能によって、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「通常態様」に設定されている場合に、パチンコ機1は第一保留表示の保留変化演出を実行できる。なお、
図24及び
図25で示す例において、遊技カスタマイズ機能によって、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「OFF」に設定されていることとする。
【0212】
図24(A-1)に示すように演出図柄100が図柄変動を開始することによって、第一報知演出が開始される。
図24(A-1)は、第一保留数が「3」であり、3個の第一保留表示が位置H1,H2,H3のそれぞれに通常保留HDで表示されている様子を示す。位置H1,H2,H3に表示されている第一保留表示に対応する第一保留乱数については、それぞれの第一変動パターン先読み情報に基づいて、S603の処理によって、
図13で示した保留表示変化態様決定テーブルに基づいてNo.1の変化パターンが決定されたとする。すなわち、これらの第一保留表示については、最終表示態様が通常保留HDであり、保留変化演出が行われないものとする。
【0213】
次いで、
図24(B-1)に示すように、この第一報知演出における演出図柄100の図柄変動が進行する間に新たに第一保留乱数が記憶され、第一保留表示が位置H4に新たに表示されたとする。新たに記憶された第一保留乱数の第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」を示し、S603の処理によって、保留表示変化態様決定テーブルに基づいて、No.15の変化パターンが決定されたとする。また、この第一変動パターン先読み情報に基づいて、位置H1に第一保留表示が表示される場合に、ボタン示唆画像BGが付加されることがS612の処理で決定されたとする。保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「通常態様」に設定されていることから、パチンコ機1は、この第一保留表示を用いて保留変化演出を実行する。No.15の変化パターンに基づいて、第一保留表示は位置H4に青保留HH1で表示される。その後、
図24(C-1)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった報知演出が終了したとする。
【0214】
図24(D-1)は、
図24(A-1),(B-1),(C-1)に示した第一報知演出に引き続いて、演出図柄100が図柄変動を開始することで、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図24(C-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図24(C-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図24(D-1)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図24(D-1)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図24(C-1)において位置H2,H3のそれぞれに表示されていた第一保留表示は、位置H1,H2のそれぞれに、通常保留HDのまま移動して表示される。
図24(C-1)において位置H4に青保留HH1で表示されていた第一保留表示は、No.15の変化パターンに基づいて、位置H3に移動する際に緑保留HH2に表示態様を変化する。パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様を青保留HH1から緑保留HH2に変化させることによって、位置H3に移動して表示される第一保留表示に対応する第一保留乱数に対する遊技者の期待感を一段階向上させることができる。その後、
図24(E-1)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了したとする。
【0215】
図24(F-1)は、
図24(D-1),(E-1)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図24(E-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図24(E-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図24(F-1)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図24(F-1)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図24(E-1)において位置H2に表示されていた第一保留表示は、位置H1に通常保留HDのまま移動して表示される。
図24(E-1)において位置H3に緑保留HH2で表示されていた第一保留表示は、No.15の変化パターンに基づいて、位置H2に移動する際に赤保留HH3に表示態様を変化する。パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様を緑保留HH2から赤保留HH3に変化させることによって、位置H2に移動して表示される第一保留表示に対応する第一保留乱数に対する遊技者の期待感をさらに一段階向上させることができる。
【0216】
図24(G-1)は、
図24(F-1)で実行が開始された第一報知演出が進行し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。本実施形態では、リーチ状態において左図柄101と右図柄103とは、僅かに揺れた揺れ変動をした状態にある。
図24(G-1)等に示す記号Y2は、左図柄101及び右図柄103が揺れ変動をしていることを模式的に表している。この第一報知演出の実行が開始される際に、S633の処理によってチャンス表示CHが青表示CBで表示されることが決定されたとする。このため、
図24(G-1)に示すように、演出図柄100がリーチ状態を構成したタイミングでチャンス表示CHが青表示CBで表示される。前述したように、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「OFF」に設定されていることから、青表示CBで表示されることが決定されたチャンス表示CHがそのまま表示される。
【0217】
また、
図24(G-1)に示すように、この第一報知演出の実行中に新たに第一保留乱数が記憶され、第一保留表示が位置H3に新たに表示されたとする。新たに記憶された第一保留乱数の第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」を示し、S603の処理によって、保留表示変化態様決定テーブルに基づいて、No.4の変化パターンが決定されたとする。この場合、
図24(G-1)に示すように、新たに記憶された第一保留乱数に対応する第一保留表示は、No.4の変化パターンの位置H3に対応する青保留HH1で表示される。その後、
図24(H-1)に示すように、第一報知演出は大当たりを報知することには至らず、中図柄102が左図柄101及び右図柄103とは異なる数字を示すリーチはずれ目の組合せで演出図柄100が確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了したとする。
【0218】
図25(I-1)は、
図24(F-1),(G-1),(H-1)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図24(H-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図24(H-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図25(I-1)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図25(I-1)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図24(H-1)において位置H2に赤保留HH3で表示されていた第一保留表示は、No.15の変化パターンに基づいて、位置H1に移動する際に虹保留HH4に表示態様を変化する。なお、
図24(H-1)において位置H3に青保留HH1で表示されていた第一保留表示は、No.4の変化パターンに基づいて、青保留HH1のまま位置H1に移動する。
【0219】
パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様を赤保留HH3から虹保留HH4に変化させることによって、位置H1に移動して表示される第一保留表示に対応する第一保留乱数に対する遊技者の期待感をさらに一段階向上させることができる。また、位置H1に虹保留HH4で表示される第一保留表示には、ボタン示唆画像BGが付加される。これにより、パチンコ機1は、位置H1に移動して表示される第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が実行された場合に、リーチ演出Eによる第一報知演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
図24(H-1)において位置H3に表示されていた第一保留表示は、No.4の変化パターンに基づいて、位置H1に青保留HH1のまま移動して表示される。その後、
図25(J-1)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了したとする。
【0220】
図25(K-1)は、
図25(I-1),(J-1)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図25(J-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図25(J-1)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図25(K-1)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図25(K-1)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図25(J-1)において位置H2に青保留HH1で表示されていた第一保留表示は、No.4の変化パターンに基づいて、位置H1に青保留HH1のまま移動して表示される。
図25(K-1)で開始される第一報知演出は、リーチ演出Eの第一変動パターンに基づいて実行される。
【0221】
図25(L-1)は、
図25(K-1)で実行が開始された第一報知演出が進行し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。この第一報知演出の実行が開始される際に、S633の処理によってチャンス表示CHが赤表示CRで表示されることが決定されたとする。このため、
図25(L-1)に示すように、演出図柄100がリーチ状態を構成したタイミングでチャンス表示CHが赤表示CRで表示される。
【0222】
図25(M-1)は、
図25(L-1)で演出図柄100がリーチ状態を構成した後に、味方のキャラクタC1と敵方のキャラクタC2とが登場して互いに戦う演出内容に発展した様子を示す。演出内容の発展に伴い、保留表示は表示画面28から消去されることとする。リーチ演出Eに基づく第一報知演出では、演出ボタン35を押下することでキャラクタC1,C2による戦いの決着を示唆する演出が行われる。この決着を示唆するタイミングで、
図25(N-1)に示すように、演出ボタン35の押下を遊技者に促すための演出ボタン画像EGが表示画面28に表示される。すなわち、
図25(I-1),(J-1)で位置H1の第一保留表示に付されたボタン示唆画像BGは、演出ボタン画像EGを用いた演出が行われることを予告する役割を有する。
【0223】
図25(O-1)は、ボタン示唆画像BGが表示されたことに伴って演出ボタン35の押下が行われたことによって、キャラクタC1がキャラクタC2に勝利することが示唆された様子を示す。その後、
図25(P-1)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了して大当たりを示すゾロ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了する。図示しないが、以降は、大当たりの判定結果が報知されたことに対応して大当たり遊技が実行される。このように、パチンコ機1は、保留変化演出を実行することによって、保留乱数に対する遊技者の期待感を、遊技の進行に応じて段階的に向上させることができる。
【0224】
次いで、
図26及び
図27を参照して、遊技カスタマイズ機能によって、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「入賞時に最終態様」に設定されている場合における保留表示の態様の例について説明する。
図26(A-2)~(H-2)及び
図27(I-2)~(P-2)で示す遊技の進行は、
図24(A-1)~(H-1)及び
図25(I-1)~(P-1)で示した遊技の進行に対応する。なお、
図26及び
図27で示す例において、遊技カスタマイズ機能によって、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「緑以上を表示」に設定されていることとする。
【0225】
図26(A-2)に示すように演出図柄100が図柄変動を開始することによって、第一報知演出が開始される。
図26(A-2)は、第一保留数が「3」であり、3個の第一保留表示が位置H1,H2,H3のそれぞれに通常保留HDで表示されている様子を示す。位置H1,H2,H3に表示されている第一保留表示に対応する第一保留乱数については、
図24(A-1)で示した場合と同様に、それぞれの第一変動パターン先読み情報に基づいて、S603の処理によって、
図13で示した保留表示変化態様決定テーブルに基づいてNo.1の変化パターンが決定されたとする。すなわち、これらの第一保留表示については、最終表示態様が通常保留HDであり、保留変化演出が行われない。
【0226】
次いで、
図26(B-2)に示すように、この第一報知演出における演出図柄100の図柄変動が進行する間に第一始動口14へ遊技球が入賞したことに応じて新たに第一保留乱数が記憶され、第一保留表示が位置H4に新たに表示されたとする。新たに記憶された第一保留乱数の第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」を示し、S603の処理によって、保留表示変化態様決定テーブルに基づいて、No.15の変化パターンが決定されたとする。また、この第一変動パターン先読み情報に基づいて、位置H1に第一保留表示が表示される場合に、ボタン示唆画像BGが付加されることがS612の処理で決定されたとする。すなわち、この第一保留表示の最終表示態様として決定されているのは、虹保留HH4であり、かつ、ボタン示唆画像BGが付された態様である。保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容は「入賞時に最終態様」に設定されている。したがって、
図26(B-2)に示すように、パチンコ機1は、この第一保留表示を位置H4に表示を開始する当初から、その表示態様を虹保留HH4であり、かつ、かつ、ボタン示唆画像BGを付した態様とする。
【0227】
この場合、パチンコ機1は、保留変化演出が行われた場合には、位置H4において表示が開始された第一保留表示が遊技の進行に応じて位置H1まで移動したときに始めて表示される最終変化態様を、第一保留乱数が新たに記憶されたことに応じて当初から表示することができる。これにより、パチンコ機1は、保留変化演出によっては段階的にしか向上できなかった遊技者の期待感を、最終変化態様の第一保留表示を表示させることで一気に上昇させることができる。
【0228】
その後、
図26(C-2)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった報知演出が終了したとする。
【0229】
図26(D-2)は、
図26(A-2),(B-2),(C-2)に示した第一報知演出に引き続いて、演出図柄100が図柄変動を開始することで、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図26(C-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図26(C-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図26(D-2)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図26(D-2)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図26(C-2)において位置H2,H3のそれぞれに表示されていた第一保留表示は、位置H1,H2のそれぞれに、通常保留HDのまま移動して表示される。
図26(C-2)において位置H4に最終表示態様であるボタン示唆画像BGを伴う虹保留HH4で表示されていた第一保留表示は、そのままの表示態様で位置H3に移動する。その後、
図26(E-2)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了したとする。
【0230】
図26(F-2)は、
図26(D-2),(E-2)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図26(E-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図26(E-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図26(F-2)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図26(F-2)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図26(E-2)において位置H2に表示されていた第一保留表示は、位置H1に通常保留HDのまま移動して表示される。
図26(E-2)において位置H3に最終表示態様であるボタン示唆画像BGを伴う虹保留HH4で表示されていた第一保留表示は、そのままの表示態様で位置H2に移動する。
【0231】
図26(G-2)は、
図26(F-2)で実行が開始された第一報知演出が進行し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。この第一報知演出の実行が開始される際に、S633の処理によってチャンス表示CHが青表示CBで表示されることが決定されたとする。しかしながら、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「緑以上を表示」に設定されているため、緑色よりも低い期待度を示す青色を用いた期待度を示唆する各種の演出は、デフォルトの表示色で表示されることも、S633の処理によって決定される。
図14のチャンス表示決定テーブルは、チャンス表示CHが最も低い期待度を示す場合の表示態様として、チャンス表示CHを表示しないことを定義している。このため、チャンス表示CHの表示自体がキャンセルされる。したがって、
図26(G-2)に示すように、チャンス表示CHが表示画面28に表示されない。
【0232】
また、
図26(G-2)に示すように、この第一報知演出の実行中に新たに第一保留乱数が記憶され、第一保留表示が位置H3に新たに表示されたとする。新たに記憶された第一保留乱数の第一変動パターン先読み情報が「リーチ演出E」を示し、S603の処理によって、保留表示変化態様決定テーブルに基づいて、No.4の変化パターンが決定されたとする。No.4の変化パターンは、位置H3に表示する第一保留表示の表示態様を青保留HH1と定義している。しかしながら、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「緑以上を表示」に設定されている。このため、CPU581は、S618の処理において、緑色よりも低い期待度を示す青色を用いた青保留HH1ではなく、通常保留HDを表示することを決定する。したがって、
図26(G-2)に示すように、位置H3に新たに表示される第一保留表示は、通常保留HDで表示される。その後、
図26(H-2)に示すように、中図柄102が左図柄101及び右図柄103とは異なる数字を示すリーチはずれ目の組合せで演出図柄100が確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了したとする。
【0233】
このように、パチンコ機1は、遊技カスタマイズ機能において色限定カスタムの設定項目を備えることによって、期待度が比較的低いことを示す予告演出の各種画像や保留表示の表示態様を表示させないようにできる。パチンコ機1は、表示させない期待度の段階を「緑以上を表示」と「赤以上を表示」の複数段階としているため、示唆される期待度の程度を遊技者の好みに合わせて選択させることができる。パチンコ機1は、期待度が比較的低いことを示す表示色の予告演出の画像や保留表示の表示態様を表示させないことによって、期待度が比較的高いことを示す表示色の予告演出の画像や保留表示の表示態様に基づく期待度を相対的に向上させることができる。具体的には、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「緑以上を表示」である場合において、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「入賞時に最終態様」であるとき、第一保留表示の表示当初から表示される最終表示態様が、緑保留HH2、赤保留HH3及び虹保留HH4に限定される。すなわち、比較的高い期待度を示す表示態様の第一保留表示だけが、その表示の当初から表示されることとなる。よって、パチンコ機1は、遊技者が保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を「入賞時に最終態様」に設定した場合には、所定以上の期待度が示唆されるときだけに保留表示が通常保留HDとは異なる態様で表示されることを遊技者に約束する。したがって、パチンコ機1は、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。
【0234】
図27(I-2)は、
図26(F-2),(G-2),(H-2)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図26(H-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図26(H-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図27(I-2)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図25(I-2)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図26(H-2)において位置H2に最終表示態様であるボタン示唆画像BGを伴う虹保留HH4で表示されていた第一保留表示は、そのままの表示態様で位置H1に移動する。なお、
図26(H-2)において位置H3に通常保留HDで表示されていた第一保留表示も、そのままの表示態様で位置H2に移動する。
【0235】
図27(K-2)は、
図27(I-2),(J-2)に示した第一報知演出に引き続いて、次の第一報知演出の実行が開始される様子を示す。この第一報知演出は、
図27(J-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示に対応する第一保留乱数について特
図1大当たり判定が行われ、その判定結果を報知するために実行されるものである。
図27(J-2)において位置H1に表示されていた第一保留表示は、
図27(K-2)に示す第一報知演出の実行開始に伴って位置H1から消去される。そして、
図27(K-2)に示す第一報知演出の開始に伴って、
図27(J-2)において位置H2に通常保留HDで表示されていた第一保留表示は、そのままの表示態様で位置H2に移動する。
図27(K-2)で開始される第一報知演出は、リーチ演出Eの第一変動パターンに基づいて実行される。
【0236】
図27(L-2)は、
図27(K-2)で実行が開始された第一報知演出が進行し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。この第一報知演出の実行が開始される際に、S633の処理によってチャンス表示CHが赤表示CRで表示されることが決定されたとする。色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容は「緑以上を表示」に設定されており、赤表示CRにおける赤色は緑色よりも高い期待度を示す色であるから、決定された通りの赤表示CRでチャンス表示CHが表示される。このように、パチンコ機1は、遊技カスタマイズ機能において色限定カスタムの設定項目を備えることによって、遊技者が設定した期待度よりも低い期待度を示唆するためにチャンス表示CHを表示させないようにできる。これにより、パチンコ機1は、チャンス表示CHを表示する場合には、遊技者の期待感をより高めることができる。
【0237】
図27(M-2)は、
図27(L-2)で演出図柄100がリーチ状態を構成した後に、味方のキャラクタC1と敵方のキャラクタC2とが登場して互いに戦う演出内容に発展した様子を示す。
図25(N-1)で示したのと同様に、キャラクタC1,C2による戦いの決着を示唆するタイミングで、
図27(N-2)に示すように、演出ボタン35の押下を遊技者に促すための演出ボタン画像EGが表示画面28に表示される。
図25(O-1)は、ボタン示唆画像BGが表示されたことに伴って演出ボタン35の押下が行われたことによって、キャラクタC1がキャラクタC2に勝利することが示唆された様子を示す。その後、
図25(P-1)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了して大当たりを示すゾロ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了する。
【0238】
このように、パチンコ機1は、第一保留表示をその表示当初から最終表示態様で表示することによって、第一保留表示を表示する当初の時点において、遊技者の期待感を高めることができる。また、パチンコ機1は、保留変化演出を実行する場合よりも第一保留表示を最終表示態様で表示するタイミングを前倒しすることができるので、遊技者の期待感をより早い段階で一気に向上させることができる。また、パチンコ機1は、遊技者が保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を「入賞時に最終態様」に設定した場合には、最終表示態様で表示される第一保留表示を遊技者が見ることのできる期間を長くすることができる。このことによっても、パチンコ機1は、遊技者の期待感を維持及び向上させることができる。一方、遊技の進行に応じて保留表示が変化するか否かを楽しみたい遊技者もある。パチンコ機1は、遊技カスタマイズ機能として保留カスタムの設定項目をカスタマイズできるようにすることで、保留表示を用いた演出を遊技者の好みに合わせた内容で提供することができる。
【0239】
なお、保留変化演出を実行するか、保留変化演出を行わずに保留表示をその表示当初から最終表示態様で表示させるかの選択は、遊技カスタマイズ機能を用いて行われることに限られない。例えば、パチンコ機1は、保留カスタムカスタマイズフラグが「OFF」の場合において、報知演出の実行中に演出ボタン35を介して所定の操作の入力を受け付けた場合に、遊技カスタマイズ画像220を表示画面28に表示させることなく保留カスタムカスタマイズフラグのみを「ON」にするように構成されていてもよい。この場合において、パチンコ機1は、報知演出の実行中に、「ボタンを押すと、次の変動から保留表示当初から最終表示態様で表示できるよ」等の表示を行い、この表示に応じて演出ボタン35を操作したときに保留カスタムカスタマイズフラグを「ON」にしてもよい。また、パチンコ機1は、保留カスタムカスタマイズフラグが「ON」の場合において、報知演出の実行中に演出ボタン35を介して所定の操作の入力を受け付けたときに、遊技カスタマイズ画像220を表示画面28に表示させることなく保留カスタムカスタマイズフラグのみを「OFF」にしてもよい。この場合において、パチンコ機1は、報知演出の実行中に、「ボタンを押すと、次の変動から保留変化演出が実行されるよ」等の表示を行い、この表示に応じて演出ボタン35を操作したときに、保留カスタムカスタマイズフラグを「OFF」にしてもよい。例えば、パチンコ機1は、演出に関してカスタマイズできる設定項目として、保留カスタムだけを備えてもよい。すなわち、パチンコ機1は、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を、他の設定項目とは単独に、遊技カスタマイズ機能とは別に設定できるように構成していてもよい。
【0240】
以上説明したように、パチンコ機1は、遊技の進行に応じて保留表示の表示態様を変化させることによって、その保留表示に対応する保留乱数の期待度を示唆する保留変化演出を実行できる。このような保留変化演出が実行される場合、保留表示がいずれの態様まで変化するかは、遊技者の大きな関心事である。パチンコ機1は、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「通常態様」に設定される場合、第一保留表示を用いた保留変化演出を実行することができる。この場合、パチンコ機1は、第一保留表示の表示態様が遊技の進行に応じて変化するか、変化する場合にはいずれの態様まで変化するかに遊技者の注目を集め、遊技者の期待感を高めることができる。一方、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が「入賞時に最終態様」に設定される場合、パチンコ機1は、保留変化演出が行われたならば最終表示態様となる表示態様で第一保留表示を当初から表示する。この場合、パチンコ機1は、第一保留表示の最終表示態様をいち早く遊技者に示すことができるので、遊技者の期待感を一気に向上させることができる。また、パチンコ機1は、第一保留表示の最終表示態様が表示されるタイミングを、保留変化演出が行われる場合よりも前倒すことによって、遊技者の期待感を早期に向上させることができる。したがって、パチンコ機1は、保留表示に関する演出の実行態様を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
【0241】
パチンコ機1は、遊技カスタマイズ機能として、保留カスタムの設定項目に加えて色限定カスタムの設定項目を設けている。これによって、パチンコ機1は、保留カスタムの設定項目のカスタマイズ内容を「入賞時に最終態様」に設定した場合に表示される第一保留表示の最終表示態様を、遊技者が所望する以上の期待度を示す態様に限定することができる。したがって、パチンコ機1は、遊技球が第一始動口14へ新たに入賞することに応じて表示される第一保留表示が表示される当初から、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。
【0242】
演出に関する複数の設定項目を変更できる遊技カスタマイズ機能を備える遊技機に対して、変更できる設定項目として様々なものを設けてほしいという遊技者の要望がある。パチンコ機1は、保留カスタムの設定項目を遊技カスタマイズ機能で設定できる設定項目の一つとして備える。これによって、パチンコ機1は、新規な設定項目を遊技者に提供し、遊技カスタマイズ機能による設定項目のカスタマイズを遊技者により楽しませることができる。また、このような保留カスタムの設定項目をカスタマイズできる遊技カスタマイズ機能を備えることで、パチンコ機1に対する遊技者の印象を向上させることができる。
【0243】
上記実施形態において、大当たり遊技状態が、「有利状態」の一例である。大当たり判定が、「有利判定」の一例である。
図9のS95及びS103で大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51が、「判定手段」の一例である。特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアを備える主制御基板41のRAM52が、「保留手段」の一例である。
図22のS601で保留情報を取得するサブ制御基板58のCPU581が、「取得手段」の一例である。
図13の保留表示変化態様決定テーブルを記憶するサブ制御基板58のROM583が、「表示態様定義手段」の一例である。
図22のS606で記憶された変化パターンに応じて第一保留表示を表示させる内容でS625の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「通常保留表示手段」の一例である。
図22のS606で記憶された最終変化態様で第一保留表示を表示させる内容でS625の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「特定保留表示手段」の一例である。
図19のS561の判断において「保留カスタム」のカスタマイズ内容として「入賞時に最終態様」が選択決定された場合にS562の処理で保留カスタムカスタマイズフラグを「ON」にし、「通常態様」が選択決定された場合にS562の処理で保留カスタムカスタマイズフラグを「ON」にするサブ制御基板58のCPU581が、「表示選択手段」の一例である。
【0244】
図19のS561の判断において「色限定カスタム」のカスタマイズ内容として「緑以上を表示」が選択決定された場合にS562の処理で色限定カスタムカスタマイズフラグに「1」を記憶し、「赤以上を表示」が選択決定された場合にS562の処理で色限定カスタムカスタマイズフラグに「2」を記憶し、「OFF」が選択決定された場合にS562の処理で色限定カスタムカスタマイズフラグに「0」を記憶するサブ制御基板58のCPU581が、「表示期待度設定手段」の一例である。演出ボタン35が、「操作手段」の一例である。遊技カスタマイズの設定項目に対応してRAM582に設けられる一発告知UPカスタマイズフラグ、プレミア演出UPカスタマイズフラグ、先読みゾーンUPカスタマイズフラグ、保留カスタムカスタマイズフラグ、色限定カスタムカスタマイズフラグ、ボタンバイブUPカスタマイズフラグのそれぞれをS561及びS562の処理で制御するサブ制御基板58のCPU581が、「カスタマイズ手段」の一例である。
【0245】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、パチンコ機1は、演出ボタン35の操作入力に応じて、パチンコ機1の演出に関する複数の設定項目をカスタマイズできるように遊技カスタマイズ機能を構成している。パチンコ機1は、演出レバー36等のパチンコ機1が備える他の操作手段を用いてパチンコ機1の演出に関する複数の設定項目をカスタマイズできるように遊技カスタマイズ機能を構成してもよい。また、パチンコ機1は、十字キー、タッチパネル等、演出に関する複数の設定項目のカスタマイズのための操作を容易にできる操作手段を更に備えてもよい。
【0246】
上記実施形態では、パチンコ機1は、客待ち演出の実行中に演出ボタン35の操作を検知した場合に、遊技カスタマイズ機能を発動させる。これに限られず、パチンコ機1は、客待ち状態において客待ち演出が開始される前の状態においても、遊技カスタマイズ機能を発動させてもよい。また、パチンコ機1は、報知演出の実行中等、客待ち状態以外に遊技カスタマイズ機能を発動させてもよい。
【0247】
パチンコ機1は、保留変化態様決定テーブルを、第一変動パターン先読み情報に対応する第一変動パターンに応じて変化パターンを定義するようにして構成している。この他、保留変化態様決定テーブルは、特
図1大当たり先読み情報又は第一特別図柄先読み情報の少なくともいずれかに応じて変化パターンを定義してもよい。第一乱数が前述のリーチ乱数等の他の乱数を含む場合には、保留変化態様決定テーブルは、それらの乱数の先読み情報に応じて変化パターンを定義してもよい。また、保留変化態様決定テーブルは、第一保留表示が位置H4に最初に表示される場合、位置H3に最初に表示される場合、位置H2に最初に表示される場合のそれぞれに対して別個に設けられてもよい。
【0248】
パチンコ機1は、色限定カスタムの設定項目を設けることで、報知演出によって大当たりの判定結果が報知されることに対する期待度が遊技者の所望する以上の期待度である場合に各種の予告演出が実行されるように調節可能とすることができる。色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容に「青以上を表示」が更に設けられる等、そのカスタマイズ内容がさらに細分化されてもよい。また、色限定カスタムの設定項目のカスタマイズ内容が、「赤以上を表示」と「OFF」の二段階だけであってもよい。
【0249】
パチンコ機1は、色限定カスタムの設定項目に変えて、例えば、所定の期待度以上に対応する変動パターンに基づいて報知演出が実行される場合に、各種の予告演出が実行されるように設定できる設定項目を、遊技カスタマイズ機能として設けてもよい。具体的には、パチンコ機1は、第一変動パターン先読み情報の示す第一変動パターンがリーチ演出D又はリーチ演出Eの場合には保留表示変化態様決定テーブルで定義している第一保留表示の変化パターンのいずれかを決定することとしてもよい。一方、パチンコ機1は、第一変動パターン先読み情報の示す第一変動パターンが、リーチ演出D又はリーチ演出Eよりも期待度の低いリーチ演出A、リーチ演出B又はリーチ演出Cを示す場合には、第一保留表示の最終変化態様を通常保留HDとし、また、第一保留表示の表示態様を通常保留HDに固定して保留変化演出を行わないこととしてもよい。このような設定項目のカスタマイズ内容と、保留カスタムの設定項目の「入賞時に最終態様」のカスタマイズ内容とが併用されることによって、パチンコ機1は、報知演出の期待度が所定以上の場合にだけ、第一保留表示を表示する当初から最終変化態様で表示することができる。これにより、パチンコ機1は、保留表示を最終変化態様で表示することによって、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。
【0250】
上記実施形態では、パチンコ機1は、第一保留表示について保留カスタムの設定項目で表示態様をカスタマイズできるようにしているが、第二保留表示についても保留カスタムの設定項目で表示態様をカスタマイズできるように構成してもよい。また、パチンコ機1は、特別図柄に係る保留表示だけでなく、普通図柄に係る保留乱数についても保留表示を表示して、普通図柄に関する保留表示についての表示態様を保留カスタムによってカスタマイズできるように構成されていてもよい。
【0251】
上記実施形態では、保留表示は表示画面28に表示されるが、これに限られず、保留表示が所定の電飾部材等で構成されてもよい。例えば、フルカラーLEDを用いて、保留表示を表示する電飾部材が、保留表示の表示色を様々に変更できるように構成されていてもよい。パチンコ機1において、この電飾部材による保留表示の表示色の表示態様が、保留表示変化態様決定テーブルにおいて定義されていてもよい。そして、パチンコ機1が、保留カスタムの設定項目を「入賞時に最終態様」又は「通常態様」にカスタマイズできるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0252】
1 パチンコ機
35 演出ボタン
41 主制御基板
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM