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2025-24780通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法
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  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図1
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図2
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図3
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図4
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図5
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図6
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図7
  • -通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024780
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/50 20130101AFI20250214BHJP
   H04B 10/077 20130101ALI20250214BHJP
【FI】
H04B10/50
H04B10/077
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129035
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 一貴
(72)【発明者】
【氏名】胡間 遼
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 稜
(72)【発明者】
【氏名】可児 淳一
(72)【発明者】
【氏名】永妻 忠夫
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA11
5K102AD01
5K102AH02
5K102LA01
5K102LA11
5K102LA21
5K102LA33
5K102LA52
5K102PB15
5K102PB18
5K102PC11
5K102PD11
5K102PH01
5K102PH15
5K102PH21
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102PH50
5K102RB02
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築すること。
【解決手段】光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムであって、光通信装置は、多波長の光を出力する光源と、光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択する波長選択部と、制御信号用の波長の光を、加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成する制御信号生成部と、波長選択部によって選択された複数波長の光をテラヘルツ波発生装置に転送し、制御信号生成部が生成した前記制御信号を加入者装置に転送する光振分部と、を備え、テラヘルツ波発生装置は、光振分部から転送された複数波長の光に基づいて、テラヘルツ波の信号を生成するテラヘルツ波生成部、を備える通信システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムであって、
前記光通信装置は、
多波長の光を出力する光源と、
前記光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択する波長選択部と、
前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記波長選択部によって選択された前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、前記制御信号生成部が生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する光振分部と、
を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、
前記光振分部から転送された前記複数波長の光に基づいて、テラヘルツ波の信号を生成するテラヘルツ波生成部、
を備える通信システム。
【請求項2】
前記波長選択部は、
前記光源から出力される多波長の光のうち、前記光通信装置に接続される加入者装置が制御信号を送信するために利用する上り制御信号用の波長の光をさらに選択し、
前記加入者装置は、
前記上り制御信号用の波長の光を、前記制御信号で変調することによって上り用の制御信号を生成する変調部、
を備える、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記光振分部は、
前記波長選択部によって選択された前記上り制御信号用の波長の光を変調せずに前記制御信号とともに前記加入者装置に転送する、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記加入者装置は、
入力された信号を合波又は分波する波長合分波器と、
前記波長合分波器に入力された前記制御信号を分岐する分岐部と、
前記分岐部によって分岐された前記制御信号を電気信号に変換して外部に出力するとともに、送信対象の制御信号を外部から入力する管理制御部と、
前記分岐部によって分岐された前記制御信号に基づく連続信号で、前記管理制御部に入力された前記送信対象の制御信号を変調することによって上り制御信号を生成する反射型の光増幅器と、
をさらに備える、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記反射型の光増幅器は、変調された光信号が入力されると、入力された変調された光信号が飽和された信号である前記連続信号に変換する特性を持ち、前記連続信号で前記送信対象の制御信号を変調することによって前記上り制御信号を生成する、
請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムにおける前記光通信装置であって、
多波長の光を出力する光源と、
前記光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択する波長選択部と、
前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記波長選択部によって選択された前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、前記制御信号生成部が生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する光振分部と、
を備える光通信装置。
【請求項7】
光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムにおける前記光通信装置が行う制御信号送信方法であって、
多波長の光を出力する光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択し、
前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成し、
選択した前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、
生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する、
制御信号送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、光通信装置及び制御信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テラヘルツ波と呼ばれる周波数帯の電磁波の発生や応用研究が盛んである。テラヘルツ波は、約100GHz~10THzまでの周波数帯を示し、この周波数帯は電波法で周波数の割り当てがされておらず、高いキャリア周波数と広い周波数帯から高速無線通信が期待できる。テラヘルツ波は、光波の特性である指向性と、電波の特性である透過性の性質を備えている。さらに、テラヘルツ波は、電波と比較して波長が短いためイメージング検査(X線を用いない非破壊検査)や、近年ではこの周波数帯に固有の吸収スペクトルを持つ物質も発見され、物質検査の観点からも各分野への応用可能性が広がりつつある。
【0003】
具体的なテラヘルツ波の応用先としては、電波に代わる高速無線通信、イメージング検査では空港のセキュリティチェック、郵便物の危険物検査、生産ラインでの内部欠陥検査による品質確認、美肌診断が挙げられ、物質検査では、閉鎖空間内での有毒ガス検知、水分含有量検査、医薬品の混入不純物検出などがあり、情報通信、工業、生体・医療、セキュリティなど応用先は多岐に渡る。
【0004】
一方で、今後、通信量のさらなる増加、ネットワークのさらなる複雑化、輻輳などによる遅延の増加などの重大な課題が予想され、この課題に対して次世代情報基盤の1つであるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想が提唱されている。IOWN構想は、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス技術を導入したオールフォトニクス・ネットワーク(APN:All-Photonics Network)、実世界とデジタル世界の掛け合わせによる未来予測等を実現するデジタルツインコンピューティング(DTC:Digital Twin Computing)、あらゆるものをつなぎ、その制御を実現するコグニティブ・ファウンデーション(CF:Cognitive Foundation(登録商標))で構成される。特に、APNでは、光バックボーンネットワーク及び無線区間を含む光アクセスネットワークをPh-GW(Photonic Gateway)と呼ばれる光ノードで中継し、光パスをEnd-to-End(E2E)で提供する。E2Eでの光パスを実現するためには、ユーザ毎に波長の指定及び制御、その信号の波長を監視する波長制御及び監視機能が必要である。
【0005】
遠隔での波長制御及び監視機能は、アウトチャネル制御とインチャネル制御の2つに大別される。アウトチャネル制御は、例えば別の監視制御網を介しての制御であり、制御信号のためのネットワークのリーチャビリティ(回線の提供)が必要である。一方で、インチャネル制御は、データ信号と同一の回線で制御信号をやり取りする。インチャネル制御の一番簡易な方法は、主信号(波長λ)と制御信号(波長λ)を波長分割多重により同一芯線で用いる方法が考えられる。この場合は、主信号となる波長λの光信号を生成する光源と制御信号である波長λ2の光信号を生成する光源が必要となる。
【0006】
特許文献1には、テラヘルツ波を生成するための光源をセンタ側に設置し、センタ側に設置された光源から出力された光をリモート側で受信し、リモート側において選択的に受信した2波長から非線形光学効果の差周波発生、もしくは光ビートによりテラヘルツ領域へ変換することで、リモート側において所望のテラヘルツ波を選択可能な柔軟性を備えるシステムが提案されている。特許文献1に示す構成は、広帯域なテラヘルツ帯の利用による無線区間の高速化、フォトニクス技術を活用し、光信号を直接無線信号に変換可能なことから上記で述べたAPNとも整合性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2023-20088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に示す構成は、センタ側において複数の波長を出力可能な光源(例えば、光コム光源、LD(Laser Diode)アレイ)を搭載し、光ファイバを介して、リモート側へテラヘルツ波を生成するための基本波を送信し、リモート側で選択的に受信した2波長からテラヘルツ領域へ変換する構成である。この構成では、センタ側に設置される光源からは、利用用途に応じて所望のテラヘルツ波を生成するために複数の光波長(例えばn個の波長)の光が出力され、リモート側ではn個の波長の光から所望の2波長を選択するため通りの柔軟性の高いテラヘルツ波を生成できる。一方で、テラヘルツ波生成に利用されなかった波長は余剰となってしまう。そのため、従来の方法では、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することができないという問題があった。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムであって、前記光通信装置は、多波長の光を出力する光源と、前記光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択する波長選択部と、前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成する制御信号生成部と、前記波長選択部によって選択された前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、前記制御信号生成部が生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する光振分部と、を備え、前記テラヘルツ波発生装置は、前記光振分部から転送された前記複数波長の光に基づいて、テラヘルツ波の信号を生成するテラヘルツ波生成部、を備える通信システムである。
【0011】
本発明の一態様は、光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムにおける前記光通信装置であって、多波長の光を出力する光源と、前記光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択する波長選択部と、前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成する制御信号生成部と、前記波長選択部によって選択された前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、前記制御信号生成部が生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する光振分部と、を備える光通信装置である。
【0012】
本発明の一態様は、光通信装置と、テラヘルツ波発生装置とを備える通信システムにおける前記光通信装置が行う制御信号送信方法であって、多波長の光を出力する光源から出力される多波長の光のうち、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する複数波長の光と、前記光通信装置に接続される加入者装置宛ての制御信号用の波長の光とを選択し、前記制御信号用の波長の光を、前記加入者装置宛ての制御信号で変調することによって制御信号を生成し、選択した前記複数波長の光を前記テラヘルツ波発生装置に転送し、生成した前記制御信号を前記加入者装置に転送する、制御信号送信方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態における通信システムの構成を示す図である。
図2】第1の実施形態におけるテラヘルツ波発生装置の第1構成を示す図である。
図3】第1の実施形態におけるテラヘルツ波発生装置の第2構成を示す図である。
図4】第1の実施形態における通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図5】第2の実施形態における通信システムの構成を示す図である。
図6】第2の実施形態における加入者装置の構成例を示す図である。
図7】第3の実施形態における加入者装置の構成例を示す図である。
図8】第3の実施形態における反射型SOAの飽和特性と入力信号との関係性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における通信システム100の構成を示す図である。通信システム100は、複数の光通信装置10と、管理制御装置15と、1台以上のテラヘルツ波発生装置20とを備える。図1では、光通信装置10の台数が3台であり、テラヘルツ波発生装置20の台数が1台の場合を例に示しているが、光通信装置10及びテラヘルツ波発生装置20の台数は特に限定されない。図1において光通信装置10-1には、複数台の加入者装置30-1,30-2が光ファイバ等の光伝送路を介して接続されている。各光通信装置10の間、光通信装置10-1とテラヘルツ波発生装置20-1との間は、光伝送路を介して接続される。光通信装置10-1と管理制御装置15との間は電気信号を伝送するための電気線を介して接続される。
【0016】
なお、図1では、説明の都合上、管理制御装置15が光通信装置10-1のみに接続されている構成を示しているが、管理制御装置15は各光通信装置10に接続される。図1に示すように、光通信装置10-1はシステムを統括するセンタ側に設けられ、テラヘルツ波発生装置20は光通信装置10の設置位置とは離れた場所(リモート側)に設けられる。
【0017】
光通信装置10は、多波長の光を出力可能な光源から出力される多波長の光のうち、テラヘルツ波発生装置20において所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する2波長の光を選択してテラヘルツ波発生装置20に送信する。所望のテラヘルツ波の信号とは、テラヘルツ波発生装置20が設置されている環境で、必要となるテラヘルツの周波数の信号である。すなわち、テラヘルツ波発生装置20が設置されている環境に応じて、所望のテラヘルツ波の信号は異なる。光通信装置10は、所望のテラヘルツ波の信号を生成するために利用する2波長の光の情報をテラヘルツ波発生装置20毎に保持していてもよいし、テラヘルツ波発生装置20から通知されてもよい。これにより、テラヘルツ波発生装置20は、テラヘルツ波発生装置20が設置されている環境に応じて必要となるテラヘルツの周波数の信号を生成することができる。
【0018】
さらに、光通信装置10は、多波長の光のうち、管理制御装置15から受信した制御信号の宛先となる加入者装置30に割り当てられた波長の光に基づいて、加入者装置30宛ての制御信号を生成する。制御信号は、加入者装置30を制御するための信号である。光通信装置10は、生成した制御信号を宛先となる加入者装置30に送信する。このように、光通信装置10は、多波長の光を出力可能な光源から出力される少なくとも1つの波長を、制御信号を送信するための波長として割り当てる。
【0019】
管理制御装置15は、光通信装置10及び加入者装置30を制御する。管理制御装置15は、例えば加入者装置30からの要求に応じて加入者装置30に対して通信に利用するための波長を割り当てる。管理制御装置15は、例えば制御信号を宛先の加入者装置30に送信させるように光通信装置10に指示する。
【0020】
テラヘルツ波発生装置20は、光通信装置10から送信された2波長の光に基づいてテラヘルツ波の信号を生成する。
【0021】
加入者装置30は、光通信装置10を介して他の装置との間で通信を行う。加入者装置30は、管理制御装置15により割り当てられた波長の光を利用して通信を行う。光通信装置10-1に接続されている加入者装置30-1,30-2は異なる波長の光を利用して通信を行う。
【0022】
次に光通信装置10の具体的な構成について説明する。光通信装置10は、光源11と、波長選択部12と、制御信号生成部13と、光振分部14とを備える。光源11は、多波長の光信号を出力可能な光源である。例えば、光源11は、光コム光源111又はLDアレイ112である。
【0023】
光コム光源111は、波長間隔「Δλ=λ /C」の多波長(例えば、λ~λ)の光信号を生成する。ここで、「λ」は、任意の基準波長を表す。「f」は、光コム光源111のクロック周波数によって定まる周波数を表す。「C」は、光速を表す。「m」は2以上の整数を表す。光源11が光コム光源111である場合、光コム光源111は、波長間隔「Δλ」の多波長の光信号を波長選択部12に出力する。光コム光源111から出力される多波長の光信号の出力スペクトルを図1に示している。
【0024】
LDアレイ112は、アレイ上に設置された複数のLDで構成される。各LDは、互いに異なる波長(例えば、λ~λ)のレーザ光を出力する。LDアレイ112は、各LDから出力される多波長の光信号を波長選択部12に出力する。LDアレイ112から出力される多波長の光信号の出力スペクトルを図1に示している。
【0025】
波長選択部12は、特定の波長を抽出するための波長フィルタである。波長選択部12は、例えばテラヘルツ波発生装置20において所望のテラヘルツ波を生成するための2波長を抽出する。これにより、波長選択部12は、所定の波長の光を、波長間隔「Δλ」の多波長の光信号のうちから選択することができる。波長選択部12で選択された(波長選択部12を透過した)2波長の光は、光振分部14を介してテラヘルツ波発生装置20に転送される。例えば、波長選択部12で選択された(波長選択部12を透過した)2波長の光が、λの光とλの光であるとする。なお、λの光とλの光の組み合わせは、一例であり、その他の組み合わせであってもよい。
【0026】
さらに波長選択部12は、管理制御装置15から受信した制御信号を送信するための波長(以下「制御用波長」という。)の光を抽出する。波長選択部12は、例えば管理制御装置15から受信した制御信号の宛先となる加入者装置30に割り当てられた波長の光を制御用波長として抽出する。これにより、波長選択部12は、制御信号を加入者装置30に送信するための制御用波長の光を、波長間隔「Δλ」の多波長の光信号のうちから選択することができる。図1では、制御用波長の光が、λdownの光であるものとする。波長選択部12で選択された(波長選択部12を透過した)制御用波長の光は、制御信号生成部13に出力される。
【0027】
制御信号生成部13は、管理制御装置15から受信した制御信号と、波長選択部12から出力された制御用波長の光とを入力とする。制御信号生成部13は、制御用波長の光を、制御信号で変調することによって制御信号(光信号)を生成する。
【0028】
光振分部14は、複数の第1ポートと、複数の第2ポートとを有する。光振分部14は、あるポートから入力された光信号を他のポートから出力する。光振分部14の第1ポートには波長選択部12及び制御信号生成部13が接続され、光振分部14の第2ポートには複数の加入者装置30-1,30-2と、テラヘルツ波発生装置20が接続される。光振分部14は、波長選択部12から出力された2波長の光を宛先となるテラヘルツ波発生装置20に転送し、制御信号生成部13から出力された制御信号(光信号)を宛先となる加入者装置30に転送する。
【0029】
次に、図2及び図3を用いて、テラヘルツ波発生装置20の具体的な構成について説明する。図2は、第1の実施形態におけるテラヘルツ波発生装置20の第1構成を示す図である。図2に示すテラヘルツ波発生装置20は、光増幅部22と、ポラライザ23と、テラヘルツ波生成部24とを備える。
【0030】
光増幅部22は、光通信装置10-1から出力された2波長の光信号を入力とする。光増幅部22は、入力した2波長の光信号を増幅する。光増幅部22による増幅は、非線形光学効果を効率よく発生させるためである。なお、光通信装置10から送信された2波長の光の強度が、テラヘルツ波発生装置20で受信した際に十分に高い光強度である場合には、光増幅部22は備えられなくてもよい。
【0031】
ポラライザ23は、光増幅部22によって増幅された2波長の光において特定の偏光状態のみの光を透過させる。
【0032】
テラヘルツ波生成部24は、ポラライザ23を透過した2波長の光を用いてテラヘルツ波の光信号を生成する。テラヘルツ波生成部24は、例えば、非線形光学結晶である。非線形光学結晶内では、二次の非線形光学効果の差周波発生により光周波数(図2では、λ=ω,λ=ω)の差周波に相当する光(ω=|ω-ω|)が発生する。非線形光学結晶に入力する2波長を選ぶことで、テラヘルツ領域の光(テラヘルツ波)を発生することが可能である。
【0033】
図3は、第1の実施形態におけるテラヘルツ波発生装置20の第2構成を示す図である。図3に示すテラヘルツ波発生装置20は、複数の波長選択部21-1,21-2と、テラヘルツ波生成部24と、カプラ25と、カプラ26とを備える。
【0034】
カプラ25は、光通信装置10から送信された2波長の光を分岐させる。カプラ25は、例えば3dB光カプラであり、入力された2波長の光を第1経路及び第2経路に出力する。第1経路には波長選択部21-1が接続されており、第2経路には波長選択部21-2が接続されている。
【0035】
波長選択部21-1は、波長フィルタである。波長選択部21-1は、例えば波長λの光を抽出する。波長選択部21-1で抽出された波長の光は、カプラ26に入力される。
【0036】
波長選択部21-2は、波長フィルタである。波長選択部21-2は、例えば波長λの光を抽出する。波長選択部21-2で抽出された波長の光は、カプラ26に入力される。
【0037】
上記のように、第2構成では、波長選択部21-1,21-2により、所望のテラヘルツ波を生成するための2波長が抽出される。
【0038】
カプラ26は、波長選択部21-1から出力された波長の光(例えば、波長λの光)と、波長選択部21-2から出力された波長の光(例えば、波長λの光信号)とを合波する。カプラ26は、例えば3dB光カプラである。カプラ26により複数の光信号を合波することで、入力された2波長(λ=f、λ=f,f>fと仮定)の光ビート(f-f)信号が発生する。
【0039】
テラヘルツ波生成部24は、カプラ26により発生した光ビート信号を用いてテラヘルツ波の光信号を生成する。テラヘルツ波生成部24は、例えば、UTC-PDである。テラヘルツ波生成部24は、入力した光ビート信号を光電変換することによりテラヘルツ領域の光(テラヘルツ波)を発生することが可能である。
【0040】
図4は、第1の実施形態における通信システム100の処理の流れを示すシーケンス図である。図4の説明では、テラヘルツ波発生装置20が図2に示す第1構成を備えているものとする。
光通信装置10は、管理制御装置15から送信された制御信号を受信する(ステップS101)。光通信装置10において受信された制御信号は、制御信号生成部13に入力される。光源11は、多波長の光を出力する(ステップS102)。波長選択部12は、所望のテラヘルツ波を生成するための2波長の光と、制御信号の制御用波長の光とを透過させることで波長を選択する(ステップS103)。なお、波長選択部12において透過させる2波長の光は、波長選択部12においてあらかじめ設定されていてもよいし、テラヘルツ波発生装置20から通知されてもよい。波長選択部12において透過させる制御信号の制御用波長の光は、管理制御装置15から制御信号と同時に通知されていてもよいし、光通信装置10が各加入者装置30に割り当てられた波長の情報を保持している場合には保持している波長の情報を参照して選択されてもよい。
【0041】
波長選択部12は、選択した制御用波長の光を制御信号生成部13に出力する。制御信号生成部13は、入力された制御用波長の光を制御信号に基づいて変調することで制御信号(光信号)を生成する(ステップS104)。波長選択部12は、生成した制御信号(光信号)を光振分部14に出力する。光振分部14では、管理制御装置15からの指示、又は、光通信装置10が備える不図示の制御部からの指示により、制御信号生成部13が接続されている第1ポートと、宛先となる加入者装置30が接続されている第2ポートとを接続している。そのため、光振分部14は、制御信号生成部13が接続されている第1ポートから入力された制御信号(光信号)を、宛先となる加入者装置30が接続されている第2ポートから出力する。このように、光振分部14は制御信号(光信号)を転送する(ステップS105)。光振分部14から転送された制御信号(光信号)は、加入者装置30で受信される(ステップS106)。加入者装置30は、受信した制御信号(光信号)に基づいて設定を行う(ステップS107)。
【0042】
波長選択部12は、ステップS103の処理で選択された2波長の光を光振分部14に出力する。光振分部14では、光通信装置10が備える不図示の制御部からの指示により、波長選択部12が接続されている第1ポートと、テラヘルツ波発生装置20が接続されている第2ポートとを接続している。そのため、光振分部14は、波長選択部12が接続されている第1ポートから入力された2波長の光を、テラヘルツ波発生装置20が接続されている第2ポートから出力する。このように、光振分部14は2波長の光を転送する(ステップS108)。光振分部14から転送された2波長の光は、テラヘルツ波発生装置20で受信される。
【0043】
テラヘルツ波発生装置20の光増幅部22は、受信された2波長の光を増幅する(ステップS109)。光増幅部22は、増幅後の2波長の光をポラライザ23に出力する。ポラライザ23は、光増幅部22によって増幅された2波長の光において特定の偏光状態のみの光信号を透過させる(ステップS110)。ポラライザ23を透過した2波長の光は、テラヘルツ波生成部24に入力される。テラヘルツ波生成部24は、ポラライザ23を透過した2波長の光を用いて非線形光学効果を利用することで、テラヘルツ波の光信号を生成する(ステップS111)。
【0044】
以上のように構成された通信システム100によれば、センタ側に設置される光源11から出力される多波長の光のうち、一部の波長(スペクトル)を制御用波長として利用する。これにより、従来では、必要であった制御用信号となる光源を備えなくてよい。そのため、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することが可能になる。
【0045】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、光通信装置内に設置される光源から出力される波長(スペクトル)を、加入者装置から管理制御装置宛に送信する制御信号用の波長に割り当てる構成について説明する。
【0046】
図5は、第2の実施形態における通信システム100aの構成を示す図である。通信システム100aは、複数の光通信装置10aと、管理制御装置15と、1台以上のテラヘルツ波発生装置20とを備える。図5では、光通信装置10aの台数が3台であり、テラヘルツ波発生装置20の台数が1台の場合を例に示しているが、光通信装置10a及びテラヘルツ波発生装置20の台数は特に限定されない。図5において光通信装置10a-1には、複数台の加入者装置30a-1,30a-2が光ファイバ等の光伝送路を介して接続されている。各光通信装置10aの間、光通信装置10a-1とテラヘルツ波発生装置20-1との間は、光伝送路を介して接続される。光通信装置10-1と管理制御装置15との間は電気信号を伝送するための電気線を介して接続される。
【0047】
光通信装置10aは、光源11と、波長選択部12aと、制御信号生成部13aと、光振分部14とを備える。波長選択部12aは、特定の波長を抽出するための波長フィルタである。波長選択部12aは、テラヘルツ波発生装置20において所望のテラヘルツ波を生成するための2波長を抽出する点と、制御用波長の光を抽出する点は第1の実施形態と同様である。
【0048】
さらに波長選択部12aは、加入者装置30aから管理制御装置15へ制御信号を送信するために用いる波長(以下「上り制御用波長」という。)の光を抽出する。図5では、上り制御用波長の光が、λupの光であるものとする。λdownとλupとは、異なる波長である。例えば、波長λdownは1550nmであり、波長λupは1310nmである。なお、波長λdownと波長λupの値は一例であり、他の波長であってもよい。波長選択部12aで選択された(波長選択部12aを透過した)制御用波長の光及び上り制御用波長の光は、制御信号生成部13aに出力される。
【0049】
制御信号生成部13aは、管理制御装置15から受信した制御信号と、波長選択部12aから出力された制御用波長の光と、上り制御用波長の光とを入力とする。制御信号生成部13aは、制御用波長の光を、制御信号で変調することによって制御信号(光信号)を生成する。制御信号生成部13aは、生成した制御信号(光信号)と、入力した上り制御用波長の光とを合波して制御信号として光振分部14に出力する。この際、制御信号生成部13aは、入力した上り制御用波長の光を変調せずに制御信号(光信号)と合波する。上り制御用波長の光は、無変調のCW(Continuous wave)光である。これにより、制御信号(光信号)と上り制御用波長の光とが、宛先となる加入者装置30aに転送される。
【0050】
なお、図5では、上り制御用波長の光も制御信号生成部13aに入力される構成を示しているが、波長選択部12aの別のポートから上り制御用波長の光を出力して、制御信号生成部13aから出力される制御信号(光信号)と合波した後に光振分部14を介して加入者装置30aへ伝送するように構成されてもよい。
【0051】
図6は、第2の実施形態における加入者装置30aの構成例を示す図である。加入者装置30aは、主信号送受信器31と、MAC32と、WDMフィルタ33と、制御信号受信器34と、管理制御部35と、変調器36とを備える。
【0052】
主信号送受信器31は、MAC32から出力された主信号を、WDMフィルタ33を介して送信、又は、WDMフィルタ33により分離された主信号を受信する。
【0053】
MAC32は、主信号送受信器31により受信された主信号に対してMAC(Media Access Control)レイヤにおける処理を行う。MAC32は、処理後の主信号を外部に出力する。MAC32は、外部から入力した主信号に対してMACレイヤにおける処理を行って主信号送受信器31に出力する。
【0054】
WDMフィルタ33は、入力された光信号を合波又は分波する波長合分波器である。WDMフィルタ33は、例えばある波長の主信号の光と、制御信号の光とを分離する。より具体的には、WDMフィルタ33は、ある波長の主信号の光と、制御用波長(図6では、波長λdown)の制御信号の光と、上り制御用波長(図6では、波長λup)の光とを分離する。WDMフィルタ33により分離されたある波長の主信号の光は主信号送受信器31に入力され、分離された制御用波長の制御信号の光は制御信号受信器34に入力され、分離された上り制御用波長の光は折り返して変調器36に入力される。
【0055】
制御信号受信器34は、制御信号(光信号)を受信する。制御信号受信器34は、受信した制御信号(光信号)を制御信号(電気信号)に変換して管理制御部35に出力する。
【0056】
管理制御部35は、制御信号受信器34から出力された制御信号(電気信号)に基づいて、制御信号の内容を解釈する。管理制御部35は、制御信号(電気信号)を外部に出力する。管理制御部35は、外部から管理制御装置15宛ての上り制御信号を入力する。管理制御部35は、入力した上り制御信号を変調器36に出力する。
【0057】
変調器36は、WDMフィルタ33から出力された上り制御用波長の光と、管理制御部35から出力された上り制御信号とを入力とする。変調器36は、入力した上り制御用波長の光を、管理制御部35から出力された上り制御信号で変調することによって上り制御信号(光信号)を生成する。変調器36は、生成した上り制御信号(光信号)を、WDMフィルタ33を介して光通信装置10に送信する。
【0058】
以上のように構成された通信システム100aによれば、光通信装置10a内に設置される光源11から出力される波長(スペクトル)を、加入者装置30aから管理制御装置15宛に送信する制御信号用の波長に割り当てることで、これまで必要であった光通信装置10と加入者装置30aの制御用信号となる光源を排除することができる。そのため、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することが可能になる。
【0059】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、光通信装置内に設置される光源から出力される波長(スペクトル)を、光通信装置から加入者装置に送信する制御用波長として割り当て、かつ、その制御用波長の光を加入者装置から光通信装置へ送信する制御信号光として再利用する構成について説明する。第3の実施形態におけるシステム構成は、第1の実施形態と同様である。以下、第3の実施形態において第1の実施形態との差分を例に説明する。
【0060】
図7は、第3の実施形態における加入者装置30bの構成例を示す図である。加入者装置30bは、主信号送受信器31と、MAC32と、WDMフィルタ33と、制御信号受信器34と、管理制御部35と、カプラ37と、反射型SOA38とを備える。加入者装置30bは、変調器36を備えず、カプラ37及び反射型SOA38を新たに備える点で加入者装置30aと構成が異なる。加入者装置30bは、他の構成については加入者装置30aと同様である。以下、加入者装置30aとの相違点を中心に説明する。
【0061】
主信号送受信器31は、MAC32から出力された主信号を、WDMフィルタ33を介して送信、又は、WDMフィルタ33により分離された主信号を受信する。
【0062】
MAC32は、主信号送受信器31により受信された主信号に対してMACレイヤにおける処理を行う。MAC32は、処理後の主信号を外部に出力する。MAC32は、外部から入力した主信号に対してMACレイヤにおける処理を行って主信号送受信器31に出力する。
【0063】
WDMフィルタ33は、入力された光信号を合波又は分波する波長合分波器である。WDMフィルタ33は、例えばある波長の主信号の光と、制御信号の光とを分離する。より具体的には、WDMフィルタ33は、ある波長の主信号の光と、制御用波長(図7では、波長λdown)の制御信号の光とを分離する。WDMフィルタ33により分離されたある波長の主信号の光は主信号送受信器31に入力され、分離された制御用波長の制御信号の光はカプラ37に入力される。
【0064】
制御信号受信器34は、制御信号(光信号)を受信する。制御信号受信器34は、受信した制御信号(光信号)を制御信号(電気信号)に変換して管理制御部35に出力する。
【0065】
管理制御部35は、制御信号受信器34から出力された制御信号(電気信号)に基づいて、制御信号の内容を解釈する。管理制御部35は、制御信号(電気信号)を外部に出力する。管理制御部35は、外部から管理制御装置15宛ての上り制御信号を入力する。管理制御部35は、入力した上り制御信号を反射型SOA38に出力する。
【0066】
カプラ37は、WDMフィルタ33から出力された制御用波長の制御信号の光を分岐する。カプラ37により分岐された制御用波長の制御信号の光は、制御信号受信器34及び反射型SOA38に出力される。
【0067】
反射型SOA38は、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)の端面に反射多層膜を形成した光増幅器である。反射型SOA38は、図8に示すように注入電流に対して出力の光強度が飽和する特性を持っている。図8は、第3の実施形態における反射型SOA38の飽和特性と入力信号との関係性を示す図である。図8に示すような特性に対して、変調された光信号が入力されると、その出力光信号は図8のように、変調された光信号が飽和された信号になる。このような特性を持つ反射型SOA38を利用すると、反射型SOA38に入力される“1”、“0”のビットパターンである変調された光信号が飽和され(均されて)、“1”、“0”のビットパターンではない連続信号となる。この連続信号が出力光信号である。反射型SOA38は、この出力光信号に上り制御信号を変調することによって上り制御信号(光信号)を生成する。反射型SOA38は、生成した上り制御信号(光信号)を、WDMフィルタ33を介して光通信装置10に送信する。
【0068】
以上のように構成された第3の実施形態における通信システム100によれば、光通信装置10内に設置される光源11から出力される波長(スペクトル)を、光通信装置10から加入者装置30bに送信する制御用波長として割り当て、かつ、その制御用波長の光を加入者装置30bから光通信装置10へ送信する制御信号光として再利用する。これにより、加入者装置30bに割り当てる制御信号の波長数を1/2に削減することができる。したがって、波長利用効率を高めることが可能になる。さらに、これまで必要であった光通信装置10aと加入者装置30bの制御用信号となる光源を排除することができる。そのため、光と無線を組み合わせた経済的なシステムを構築することが可能になる。
【0069】
なお、上述した実施形態において、上記のような形態で実施されるプログラムは、単一の装置に依存するものではなく、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することによって画像処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0070】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、テラヘルツ波を発生させて利用するシステムに適用可能である。
【0072】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0073】
10、10a…光通信装置, 11…光源, 12、12a…波長選択部, 13、13a…制御信号生成部, 14…光振分部, 15…管理制御装置, 20…テラヘルツ波発生装置, 21、21-1~21-2…波長選択部, 22…光増幅部, 23…ポラライザ, 24…テラヘルツ波生成部, 25、26…カプラ, 30、30-1~30-2、30a、30a-1~30a-2…加入者装置, 31…主信号送受信器, 32…MAC, 33…WDMフィルタ, 34…制御信号受信器, 35…管理制御部, 36…変調器, 37…カプラ, 38…反射型SOA, 100、100a…通信システム, 111…光コム光源, 112…LDアレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8