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特開2025-24785充電制御装置、充電制御システム、および充電制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024785
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】充電制御装置、充電制御システム、および充電制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250214BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20250214BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20250214BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250214BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 P
H02J7/04 H
H02J3/14 160
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129047
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】518268455
【氏名又は名称】株式会社ジゴワッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 知輝
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5G066AE09
5G066KA12
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA10
5G503DA04
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】電力供給の逼迫を緩和しつつ、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与するための請求支援装置を提供する。
【解決手段】充電制御装置300は、取得部311、決定部312、および充電制御部313を有する。取得部311は、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する。決定部312は、取得部311によって取得された市場調達価格情報に基づいて、電気自動車100の充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。充電制御部313は、決定部312によって決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器200に送信して、充電器200による電気自動車100の充電を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記市場調達価格情報に基づいて、電気自動車の充電器に出力させる充電電流の値を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された前記充電電流の値を、ネットワークを介して接続された前記充電器に送信して、前記充電器による前記電気自動車の充電を制御する充電制御部と、
を有する充電制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記充電器によって出力される充電電流の上限値に関する上限値情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記上限値情報をさらに考慮して、前記充電電流の値を決定する請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、目標とする充電電力に関する目標情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記目標情報をさらに考慮して、前記充電電流の値を決定する請求項1または2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記市場調達価格情報として、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値を予め取得し、
前記決定部は、前記決定値に基づいて、時間帯ごとに前記充電器に出力させる充電電流の値を決定する請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、充電に使用できる予算に関する予算情報と、前記市場調達価格に関連して設定される電気料金を示す料金情報を取得し、
前記決定部は、前記予算情報と、前記料金情報とをさらに考慮して、充電にかかる費用が前記予算内に収まるように、前記充電電流の値を決定する請求項4に記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、電力供給元との契約によって設定される利用可能な電力量の上限値に関する契約情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記契約情報をさらに考慮して、前記利用可能な電力量の上限値を超えないように、前記充電電流の値を決定する請求項5に記載の充電制御装置。
【請求項7】
前記取得部は、対象となる箇所に設置されているスマートメーターから、利用可能な電力量の上限値と、前記充電器による充電以外の用途に使用されている電力量の値との差分として算出される、現在利用可能な電力量の値をさらに取得し、
前記決定部は、前記現在利用可能な電力量の値を超えないように、前記充電電流の値を決定する請求項6に記載の充電制御装置。
【請求項8】
前記取得部は、複数の前記充電器それぞれに関する前記目標情報をさらに取得し、
前記決定部は、複数の前記充電器それぞれに関する前記目標情報と、前記予算情報と、前記料金情報と、前記現在利用可能な電力量の値と、をさらに考慮して、複数の前記充電器それぞれが目標とする充電電力を得られるように、かつ、前記予算内に収まるように、かつ、前記利用可能な電力量の上限値を超えないように、複数の前記充電器それぞれの前記充電電流の値を決定する請求項7に記載の充電制御装置。
【請求項9】
前記取得部は、再生可能エネルギーの目標利用率に関する目標利用率情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記目標利用率情報をさらに考慮して、前記目標利用率を達成できるように前記充電電流の値を決定する請求項1または2に記載の充電制御装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載の充電制御装置と、
前記充電制御装置とネットワークを介して接続されるとともに、前記充電制御装置によって決定された充電電流を出力することによって、接続された電気自動車の充電を行う充電器と、
を有する充電制御システム。
【請求項11】
情報処理装置を、請求項1または2に記載の充電制御装置として機能させるための充電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置、充電制御システム、および充電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会の実現に向けて、電気自動車の導入が促進されつつある。これに伴い、電気自動車の充電を行うための装置やサービスも提供されている。さらに近年では、電気自動車の充電コストを低減するための技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-15521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような先行技術は、単に電力会社との契約に基づく料金体系を参照して、電気料金が安い時間帯を選んで充電を行うものである。電力契約は、各会社が独自に決定するものであり、電力供給の逼迫状況や再生可能エネルギーによる発電とは直接には連動しない。そのため、近年問題となっている電力供給の逼迫問題の解決や、再生可能エネルギーの有効活用およびカーボンニュートラルの実現に向けて直接的に寄与するものではない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電力供給の逼迫を緩和しつつ、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与するための充電制御装置、充電制御システム、および充電制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
充電制御装置は、取得部、決定部、および充電制御部を有する。取得部は、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する。決定部は、取得部によって取得された市場調達価格情報に基づいて、電気自動車の充電器に出力させる充電電流の値を決定する。充電制御部は、決定部によって決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器に送信して、充電器による電気自動車の充電を制御する。
【0007】
充電制御システムは、上記の充電制御装置と、当該充電制御装置とネットワークを介して接続されるとともに、充電制御装置によって決定された充電電流を出力することによって、接続された電気自動車の充電を行う充電器と、を有する。
【0008】
充電制御プログラムは、情報処理装置を、上記の充電制御装置として機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0009】
充電制御装置は、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報(翌日取引)(以下同様)を取得する。充電制御装置は、取得された市場調達価格情報に基づいて、電気自動車の充電器に出力させる充電電流の値を決定する。充電制御装置は、決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器に送信して、充電器による電気自動車の充電を制御する。これにより、電力供給の逼迫を緩和しつつ、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る充電制御システムの概略構成を示す図である。
図2】充電器の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】外部サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図5】スマートメーターの概略構成を示すブロック図である。
図6】ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
図7】情報処理装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
図8】情報処理装置によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
図9A】情報処理装置によって出力される設定画面の一例を示す図である。
図9B図9Aに続く図である。
図10】情報処理装置によって出力される設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
<充電制御システムの構成>
まず、本発明の一実施形態に係る充電制御システムについて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る充電制御システムの概略構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、充電制御システム1は、電気自動車100、充電器200、情報処理装置300、外部サーバー400、スマートメーター500、およびユーザー端末600を含む。電気自動車100と充電器200とは、専用の充電ケーブルによって接続される。充電器200、情報処理装置300、外部サーバー400、スマートメーター500、およびユーザー端末600は、インターネット等のネットワークを介して、相互に通信可能に接続されている。なお、各構成間の接続は、上記の例に限定されず、各構成同士が任意の方法によって接続されてもよい。
【0015】
以下、各構成について詳細に説明する。
【0016】
<電気自動車100>
電気自動車100は、充電器200によって充電される電力を利用して走行可能な各種車両である。電気自動車100は、電力のみを利用して走行可能ないわゆる電気自動車(EV)であってもよく、電力以外のエネルギーも活用して走行可能ないわゆるハイブリッドタイプの車両であってもよい。電気自動車100の種類は特に限定されず、1輪、2輪、3輪、4輪、あるいは5輪以上を有する自動車、バイク、スクーター、キックボード、スケートボード等、いかなる車両であってもよい。
【0017】
<充電器200>
充電器200は、電気自動車100のバッテリーを充電するための充電装置であり、需要家であるユーザーの住宅や事業所、各種店舗、駐車場等に設けられている。充電器200は、ネットワークを介して遠隔地から制御可能である。
【0018】
図2は、充電器200の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、充電器200は、制御部210、記憶部220、通信部230、および充電部240を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、各構成要素は、バスを介さずに直接ネットワークを介して情報処理装置300と接続されてもよい。
【0020】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0021】
記憶部220は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)等を備える。
【0022】
通信部230は、ネットワークを介して、他の端末や装置と通信するためのインターフェースを備える。通信部230は、たとえば、情報処理装置300と各種データ等の送受信を行う。
【0023】
充電部240は、家庭用コンセント(たとえば200V)等を介して供給される電力を用いて、情報処理装置300から送信されて設定された電流値により電気自動車100のバッテリーの充電を行う。
【0024】
<情報処理装置300>
情報処理装置300は、充電器200を適切に制御する充電制御サービスを提供する事業者等によって設けられるサーバーである。本実施形態において、情報処理装置300は、充電制御装置として機能する。
【0025】
図3は、情報処理装置300の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、情報処理装置300は、制御部310、記憶部320、通信部330、および操作表示部340を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
情報処理装置300の制御部310、記憶部320、および通信部330の各構成は、充電器200の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0028】
操作表示部340は、各種の情報を表示したり、ユーザーからの入力を受け付けたりするための構成であり、たとえば、タッチパネル式のディスプレイによって構成される。操作表示部340は、液晶ディスプレイ、マスス等のポインティングデバイス、キーボード等の組み合わせによって構成されてもよい。
【0029】
記憶部320には、制御部310を、取得部、決定部、充電制御部として機能させるためのプログラムが記憶されている。また、記憶部320には、上記の各部による処理を実行するために必要となる各種情報も記憶されている。情報処理装置300の機能について、詳細は後述する。
【0030】
<外部サーバー400>
外部サーバー400は、卸電力取引市場を提供・運営する事業者または当該事業者から情報を取得して利用する事業者等によって設けられるサーバーである。
【0031】
図4は、外部サーバー400の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図4に示すように、外部サーバー400は、制御部410、記憶部420、通信部430、および操作表示部440を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
外部サーバー400の制御部410、記憶部420、通信部430、および操作表示部440の各構成は、情報処理装置300の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0034】
<スマートメーター500>
スマートメーター500は、電力会社等の電力供給元によって電力の需要家の住宅等の施設に設置される使用電力量の自動検針装置である。スマートメーター500は、施設の分電盤等と電気的に接続して使用電力量を計測したり、計測した使用電力量を、ネットワーク介して接続された電力供給元のサーバー等に通知したりする。
【0035】
図5は、スマートメーター500の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図5に示すように、スマートメーター500は、制御部510、記憶部520、通信部530、操作表示部540、および計測部550を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
スマートメーター500の制御部510、記憶部520、通信部530、および操作表示部540の各構成は、情報処理装置300の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0038】
計測部550は、施設に設けられた分電盤等と電気的に接続して施設における使用電力量を計測する。計測された使用電力量は、通信部530を介して通知される。計測部550は、たとえば、30分ごとに施設における使用電力量を計測する。
【0039】
<ユーザー端末600>
ユーザー端末600は、電気自動車100を充電するユーザーが使用するスマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の情報端末である。
【0040】
図6は、ユーザー端末600の概略構成を示すブロック図である。
【0041】
図6に示すように、ユーザー端末600は、制御部610、記憶部620、通信部630、および操作表示部640を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0042】
ユーザー端末600の制御部610、記憶部620、通信部630、および操作表示部640の各構成は、情報処理装置300の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0043】
<情報処理装置300の機能>
図7は、情報処理装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図7に示すように、情報処理装置300は、制御部310のCPUが記憶部320に記憶されたプログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部311、決定部312、および充電制御部313として機能する。
【0045】
取得部311は、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する。
【0046】
決定部312は、取得部311によって取得された市場調達価格情報に基づいて、電気自動車100の充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。
【0047】
充電制御部313は、決定部312によって決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器200に送信して、充電器200による電気自動車100の充電を制御する。
【0048】
また、取得部311は、充電器200によって出力される充電電流の上限値に関する上限値情報をさらに取得する。この場合、決定部312は、上記の上限値情報をさらに考慮して、充電電流の値を決定する。
【0049】
また、取得部311は、目標とする充電電力に関する目標情報をさらに取得する。この場合、決定部312は、目標情報をさらに考慮して、充電電流の値を決定する。
【0050】
また、取得部311は、市場調達価格情報として、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値を予め取得する。この場合、決定部312は、決定値に基づいて、時間帯ごとに充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。
【0051】
また、取得部311は、充電に使用できる予算に関する予算情報と、市場調達価格に関連して設定される電気料金を示す料金情報を取得する。この場合、決定部312は、予算情報と、料金情報とをさらに考慮して、充電にかかる費用が予算内に収まるように、充電電流の値を決定する。
【0052】
また、取得部311は、電力供給元との契約によって設定される利用可能な電力量の上限値に関する契約情報をさらに取得する。この場合、決定部312は、契約情報をさらに考慮して、利用可能な電力量の上限値を超えないように、充電電流の値を決定する。
【0053】
また、取得部311は、対象となる箇所に設置されているスマートメーター500から、利用可能な電力量の上限値と、現在使用されている電力量の値との差分として算出される、現在利用可能な電力量の値をさらに取得する。この場合、決定部312は、現在利用可能な電力量の値を超えないように、充電電流の値を決定する。
【0054】
また、取得部311は、複数の充電器200それぞれに関する目標情報をさらに取得する。この場合、決定部312は、複数の充電器200それぞれに関する目標情報と、予算情報と、料金情報と、現在利用可能な電力量の値と、をさらに考慮して、複数の充電器200それぞれの充電電流の値を決定する。具体的には、決定部312は、複数の充電器200それぞれが目標とする充電電力を得られるように、かつ、予算内に収まるように、かつ、利用可能な電力量の上限値を超えないように、複数の充電器200それぞれの充電電流の値を決定する。
【0055】
また、取得部311は、再生可能エネルギーの目標利用率に関する目標利用率情報をさらに取得する。この場合、決定部312は、目標利用率情報をさらに考慮して、目標利用率を達成できるように充電電流の値を決定する。
【0056】
<システムにおける処理フロー>
図8は、情報処理装置によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図9A図9B、および図10は、情報処理装置によって出力される設定画面の一例を示す図である。図8のフローチャートに示される処理は、情報処理装置300の記憶部320にプログラムとして記憶されており、制御部310のCPUが各部を制御することにより実行される。図9A図9B、および図10に示される画面は、たとえば、ユーザー端末600が、情報処理装置300から当該画面を表示するための情報を取得することによって、ユーザー端末600の操作表示部640に表示される。図9Bの画面は、図9Aの画面の下部に続く図である。
【0057】
図8に示すように、情報処理装置300は、各種情報を取得する(ステップS101)。たとえば、情報処理装置300は、外部サーバー400に接続して、外部サーバー400から、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する。外部サーバー400は、たとえば、JEPX(Japan Electric Power eXchange:日本卸電力取引所)によって提供される市場調達価格情報を保持するウェブサーバー等である。たとえば、情報処理装置300は、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値を予め取得する。時間帯ごとの電力の市場調達価格としては、たとえば、図9Aに示す画面の下部および図9Bに示す画面に示されているように、30分ごとの電力の市場調達価格の値が取得される。
【0058】
また、情報処理装置300は、ステップS101の処理において、充電器200によって出力される充電電流の上限値に関する上限値情報を取得してもよい。たとえば、情報処理装置300は、充電器200から設定や仕様に関する情報を受信することによって、上限値情報を取得する。あるいは、情報処理装置300は、図9Aおよび図9Bに示すような画面を用いてユーザー端末においてユーザーからの入力を受け付けることによって、上限値情報を取得してもよい。たとえば、図9Aおよび図9Bの例では、上限値情報は、「充電器上限」という項目において、「40A」という値が示されている。
【0059】
また、情報処理装置300は、ステップS101の処理において、目標とする充電電力に関する目標情報をユーザー端末からの入力等に基づいて取得してもよい。たとえば、図9Aおよび図9Bの例では、目標情報は、「目標kWh」という項目において、「30kWh」という値が設定されている。なお、目標情報は、上記のように電力量を示す単位のみならず、電力量を電気自動車100の走行距離に換算して得られる距離を示す単位によって、「150km」等の値が設定されてもよい。この場合、情報処理装置300は、電気自動車100の単位電力量あたりの走行可能距離を示す情報を予め取得しておくことによって、電力量と距離を換算することができる。
【0060】
続いて、情報処理装置300は、ステップS101の処理において取得された市場調達価格情報に基づいて、充電器200に出力させる充電電流の値を決定する(ステップS102)。たとえば、情報処理装置300は、市場調達価格情報によって示される市場調達価格の値が所定の閾値より大きい場合に充電電流の値をゼロに設定し、市場調達価格の値が所定の閾値より小さい場合に充電電流の値を所定の値に設定する。
【0061】
なお、市場調達価格情報として、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値が取得されている場合、情報処理装置300は、その決定値に基づいて、時間帯ごとに充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。たとえば、情報処理装置300は、時間帯ごとの市場調達価格の値が小さい順に必要な時間分の時間帯を選択し、選択された時間帯において、充電電流を所定の値に設定し、選択された時間帯以外では充電電流をゼロに設定する。
【0062】
また、ステップS101の処理において、充電器200の充電電流の上限値情報が取得されている場合、情報処理装置300は、上限値情報を考慮して、上記の所定の値を、充電器200の充電電流の上限値、または上限値を超えない値に設定することができる。
【0063】
また、ステップS101の処理において、目標情報が取得されている場合、情報処理装置300は、目標情報を考慮して、所定の時刻までに目標の充電電力を達成できるように充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。
【0064】
たとえば、図9Aの「次の充電」という記載から下の部分と、図9Bにおいて、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値(市場調達価格情報)、上限値情報、および目標情報を考慮して、充電器200に出力させる充電電流の値を決定する例が示されている。図9Aおよび図9Bの例では、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値として、「0:00~0:30 32.54」、「0:30~1:00 32.88」のように、30分の時間スロットごとに市場調達価格の決定値が示されている。また、市場調達価格の決定値が小さい順に「順位」が付されている。また、上限値情報として、「充電器上限 40A」という値が示されており、200Vで使用する場合の出力は8kWとなる。また、目標情報としては、「目標kWh 30kWh」という値が設定されている。充電器200の充電電流を上限値である40Aに設定して出力を8kWとし、目標である30kWhを達成するためには、3.75時間が必要となる。3.75時間の充電時間を達成するためには、30分の時間スロットが8つ必要になる。情報処理装置300は、市場調達価格の値が小さい順に8つの時間スロットを選択し、選択された時間スロットにおいて、充電電流を40Aに設定し、選択された時間帯以外では充電電流をゼロに設定する。図9Aおよび図9Bの例では、順位が小さい順に、順位が「1~8」である時間スロットが選択されている。選択された時間スロットは、順位の欄に背景色が付されている。具体的には、「3:30~4:00」、「4:30~5:00」、「5:00~5:30」、「5:30~6:00」、「6:00~6:30」、「7:30~8:00」、「22:30~23:00」、「23:30~24:00」の8つの時間スロットが選択されている。
【0065】
続いて、情報処理装置300は、ステップS102の処理において決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器200に送信して、充電器200による電気自動車100の充電を制御する(ステップS103)。
【0066】
<変形例1>
情報処理装置300は、図8のステップS101の処理において、充電に使用できる予算に関する予算情報と、市場調達価格に関連して設定される電気料金を示す料金情報をさらに取得してもよい。たとえば、情報処理装置300は、ユーザー端末からユーザーの入力を受け付けることによって予算情報を取得する。図9Aおよび図9Bの例では、予算情報として、「予算 959.56円」という値が設定されている。また、市場調達価格に関連して設定される電気料金は、たとえば、市場調達価格に電力供給元の手数料や再エネ賦課金等を加算して設定される料金である。情報処理装置300は、ユーザーが契約している電力供給元のサーバー等から情報を取得したり、ユーザー端末からユーザーの入力を受け付けたりすることによって料金情報を取得することができる。図9Aおよび図9Bの例では、「託送料・サービス料」という電力供給元の手数料と、「再エネ賦課金」が示されている。上記の「託送料・サービス料」および「再エネ賦課金」は、たとえば「市場調達価格」に加算されてユーザーに対して電気料金として課金される。この場合、電気料金情報によって示される電気料金は、「市場調達価格」に、「託送料・サービス料」および「再エネ賦課金」を加算した金額となる。
【0067】
この場合、情報処理装置300は、ステップS102の処理において、情報処理装置300は、予算情報と、料金情報とをさらに考慮して、充電にかかる費用が予算内に収まるように、充電器200の充電電流の値を決定する。図9Aおよび図9Bの例では、情報処理装置300は、選択された各時間スロットの「市場調達価格」に、「託送料・サービス料」および「再エネ賦課金」を加算して電気料金を算出し、想定される電気料金が予算の値を超えないように充電電流の値を決定する。電気料金が予算の値を超えてしまう場合には、情報処理装置300は、ユーザーに対して通知して予算情報や目標情報の変更を促したり、その日は途中まで充電して、残りの充電を次の日に行うことをユーザーに提案したりすることができる。
【0068】
<変形例2>
情報処理装置300は、図8のステップS101の処理において、電力供給元との契約によって設定される利用可能な電力量の上限値に関する契約情報をさらに取得してもよい。たとえば、情報処理装置300は、電力供給元のサーバーや電力供給元によって設けられるスマートメーター等から契約情報を取得してもよく、ユーザー端末からユーザーの入力を受け付けることによって契約情報を取得してもよい。この場合、情報処理装置300は、ステップS102の処理において、契約情報をさらに考慮して、利用可能な電力量の上限値を超えないように、充電器200の充電電流の値を決定することができる。たとえば、契約情報によって示される電力量の上限値が50Aである場合、情報処理装置300は、充電器200の充電電流の値を、50Aを超えない範囲で決定する。
【0069】
<変形例3>
情報処理装置300は、図8のステップS101の処理において、充電を行う需要家の住宅等、対象となる箇所に設置されているスマートメーターから、当該箇所において充電器200による充電以外の用途に使用されている電力量の値を取得してもよい。情報処理装置300は、上記の変形例2において取得された利用可能な電力量の上限値と、充電器200による充電以外の用途(家電の使用等)に使用されている電力量の値との差分を算出することによって、現在利用可能な電力量の値を取得することができる。この場合、情報処理装置300は、ステップS102の処理において、上記のように算出された現在利用可能な電力量の上限値を超えないように、充電器200の充電電流の値を決定することができる。たとえば、電力供給元との契約に基づく利用可能な電力量の上限値が70Aであり、充電器200による充電以外の家電の使用等の用途に使用されている電力量の値が40Aである場合、現在利用可能な電力量の上限値は30Aと算出される。この場合、情報処理装置300は、充電器200の充電電流の値を、30Aを超えない範囲で決定する。なお、情報処理装置300は、翌日等の充電器200の充電電流の値を予め決定している場合、随時その時点での利用可能な電力量の値を参照して、決定されている充電電流を充電器200に出力させた際に、利用可能な電力量の上限値を超えるか否かを判断してもよい。利用可能な電力量の上限値を超える場合、情報処理装置300は、利用可能な電力量の上限値を超えないように、決定されている充電器200の充電電流の値を変更することができる。
【0070】
<変形例4>
上記の変形例1~3の処理に加えて、情報処理装置300は、図8のステップS101の処理において、複数の充電器200それぞれについて、目標とする充電電力に関する目標情報を取得してもよい。たとえば、情報処理装置300は、2台の充電器200それぞれについて、電力量「20kWh」、走行距離「100km」等の目標情報を取得する。この場合、ステップS102の処理において、情報処理装置300は、2台の充電器200それぞれの目標情報を考慮し、さらに変形例1~3と同様に、予算情報、料金情報、現在利用可能な電力量の値をさらに考慮して2台の充電器200それぞれの充電電流の値を決定する。たとえば、情報処理装置300は、複数の充電器200それぞれが目標とする充電電力を得られるように、図9Aおよび図9Bに示されるように、各充電器200において充電を実行する時間スロットを選択する。この際、情報処理装置300は、算出される電気料金が予算内に収まるように考慮するとともに、利用可能な電力量の上限値を超えないように考慮して充電を実行する時間スロットを選択し、各充電器200の充電電流の値を決定する。図10の画面は、4台の充電器200を用いて4台の電気自動車100の充電を行える環境において、各充電器200による充電を制御および監視するための画面である。図10の例では、4台の充電器200を用いて4台の車両の充電を制御および監視する様子が示されている。図10の画面には、複数の充電器200について、充電電流の設定値や出力値、出力値の経時変化の様子等が示されている。
【0071】
<変形例5>
情報処理装置300は、図8のステップS101の処理において、再生可能エネルギーの目標利用率に関する目標利用率情報をさらに取得してもよい。たとえば、情報処理装置300は、ユーザー端末からユーザーの入力を受け付けることによって目標利用率情報を取得する。この場合、ステップS102の処理において、情報処理装置300は、目標利用率情報をさらに考慮して、目標利用率を達成できるように充電器200の充電電流の値を決定する。たとえば、情報処理装置300は、時間帯ごとの再生可能エネルギーの利用率に関する情報を電力供給元等から取得して、再生可能エネルギーの目標利用率を達成できるように、時間帯ごとの充電器200の充電電流の値を決定することができる。
【0072】
以上のように、本実施形態の情報処理装置300によれば、電力の市場調達価格を示す市場調達価格情報を取得する。情報処理装置300は、取得された市場調達価格情報に基づいて、電気自動車100の充電器200に出力させる充電電流の値を決定する。情報処理装置300は、決定された充電電流の値を、ネットワークを介して接続された充電器200に送信して、充電器200による電気自動車100の充電を制御する。これにより、電力供給の逼迫を緩和しつつ、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与することができる。
【0073】
従来、電力会社との契約に基づく電気料金の料金体系を参照して、電気料金が安い時間帯を選んで充電を行うような技術は提案されていた。しかし、そのような技術は、コストダウンを図ることが主な目的であり、近年問題となっている電力供給の逼迫問題の解決や、再生可能エネルギーの有効活用およびカーボンニュートラルの実現に向けて寄与するものではなかった。
【0074】
これに対して、本実施形態は、電力供給の逼迫問題の解決や、再生可能エネルギーの有効活用およびカーボンニュートラルの実現を目的として、自由電力会社等の電力の調達価格(市場調達価格)を直接参照して、市場調達価格に基づいて充電器の充電電流を制御するものである。たとえば、市場調達価格が安い時間帯は、再生可能エネルギーによる発電量が多い時間帯であるため、市場調達価格が安い時間帯を選んで電気自動車の充電を行うことは、再生可能エネルギーを有効活用することにつながり、カーボンニュートラルに資することができる。逆に、市場調達価格が高い時間帯は、再生可能エネルギーによる電力供給が不足して化石燃料を使用した発電量が多くなっている時間帯であるため、市場調達価格が高い時間帯を避けて電気自動車の充電を行うことも、カーボンニュートラルに資するものとなる。したがって、本実施形態のように、市場調達価格情報に基づいて電気自動車100の充電器200に出力させる充電電流の値を決定して、充電の実施有無や充電量を制御することによって、電力供給の逼迫問題の解決や、再生可能エネルギーの有効活用およびカーボンニュートラルの実現に寄与することができる。
【0075】
また、情報処理装置300は、充電器200によって出力される充電電流の上限値に関する上限値情報をさらに取得し、取得した上限値情報をさらに考慮して、充電電流の値を決定する。これにより、充電器200が出力可能な電流の上限値を考慮して充電を実行できるため、充電器200に無理な負荷をかけることを回避しつつ、充電器200の性能を最大限に発揮させて、効率的かつ安全に充電を実行することができる。
【0076】
また、情報処理装置300は、目標とする充電電力に関する目標情報をさらに取得し、取得した目標情報をさらに考慮して、充電電流の値を決定する。これにより、ユーザーが必要とする充電電力を得られるように充電を適切に制御することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させつつ、電力供給の逼迫を緩和して、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与できるように充電を制御することができる。
【0077】
また、情報処理装置300は、市場調達価格情報として、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値を予め取得し、取得した決定値に基づいて、時間帯ごとに充電器に出力させる充電電流の値を決定する。これにより、翌日以降の時間帯ごとの電力の市場調達価格の決定値を考慮して、充電のスケジュールを予め決定することができる。したがって、ユーザーは充電の実施を指示するだけで、適切な充電のスケジュールが自動的に設定され、電力供給の逼迫を緩和して、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与しつつ、電気自動車100の充電を行うことができる。
【0078】
また、情報処理装置300は、充電に使用できる予算に関する予算情報と、市場調達価格に関連して設定される電気料金を示す料金情報を取得する。情報処理装置300は、取得した予算情報と、料金情報とをさらに考慮して、充電にかかる費用が予算内に収まるように、充電電流の値を決定する。これにより、ユーザーは充電に使用できる予算を設定するだけで、予算内で充電を実行できる適切な充電のスケジュールを自動的に設定することができる。したがって、電気自動車の充電にかかる費用を適切にコントロールしつつ、電力供給の逼迫を緩和して、再生可能エネルギーを有効に活用してカーボンニュートラルの実現に寄与することができる。
【0079】
また、情報処理装置300は、電力供給元との契約によって設定される利用可能な電力量の上限値に関する契約情報をさらに取得し、取得した契約情報をさらに考慮して、利用可能な電力量の上限値を超えないように、充電器200の充電電流の値を決定する。従来は、たとえばユーザーが住宅に充電器200を設置した場合、電力使用量のピークに合わせて電力供給元との契約アンペア数を大幅に増加させる必要があった。本実施形態の情報処理装置300によれば、利用可能な電力量の範囲内で、充電器200の充電電流を調整して充電を実行することができる。したがって、契約アンペア数を大幅に増加させることなく、電気自動車100の充電を効率的に実行することができる。
【0080】
また、情報処理装置300は、対象となる箇所に設置されているスマートメーター500から、利用可能な電力量の上限値と、充電器200による充電以外の用途に使用されている電力量の値との差分として算出される、現在利用可能な電力量の値をさらに取得する。情報処理装置300は、取得した現在利用可能な電力量の値を超えないように、充電電流の値を決定する。従来は、上述のように、充電器200を設置した場合には、電力使用量のピークに合わせて電力供給元との契約アンペア数を大幅に増加させる必要があった。本実施形態の情報処理装置300によれば、スマートメーター500から情報を取得して、現在利用可能な電力量の値を算出し、現在利用可能な電力量の範囲内で、充電器200の充電電流を調整して充電を実行することができる。したがって、契約アンペア数を増加させることなく、電気自動車100の充電を効率的に実行することができる。
【0081】
また、情報処理装置300は、複数の充電器200それぞれに関する目標情報をさらに取得する。情報処理装置300は、複数の充電器200それぞれに関する目標情報と、予算情報と、料金情報と、現在利用可能な電力量の値と、をさらに考慮して、複数の充電器200それぞれが目標とする充電電力を得られるように、かつ、予算内に収まるように、かつ、利用可能な電力量の上限値を超えないように、複数の充電器200それぞれの充電電流の値を決定する。これにより、複数の充電器200によって複数の電気自動車100を充電する場合にも、予算内の費用で、利用可能な電力量の範囲内で、各電気自動車100が必要な充電電力を得られるように、各充電器200の充電電流を制御することができる。
【0082】
また、情報処理装置300は、再生可能エネルギーの目標利用率に関する目標利用率情報をさらに取得し、取得した目標利用率情報をさらに考慮して、目標利用率を達成できるように充電電流の値を決定する。これにより、再生可能エネルギーの目標利用率の達成を支援することができ、再生可能エネルギーの有効活用やカーボンニュートラルの実現に寄与することができる。
【0083】
なお、本発明は、上述した実施形態および各変形例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0084】
たとえば、情報処理装置300は、上述した実施形態および各変形例において別々に説明された処理を、適宜組み合わせて実行することができる。
【0085】
また、充電制御システム1が有する電気自動車100、充電器200、情報処理装置300、外部サーバー400、スマートメーター500、およびユーザー端末600の各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0086】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、情報処理装置300が有するものとして説明した機能の一部を、電気自動車100、充電器200、外部サーバー400、スマートメーター500、またはユーザー端末600等の他の構成が実行するようにしてもよい。
【0087】
また、電気自動車100、充電器200、情報処理装置300、外部サーバー400、スマートメーター500、およびユーザー端末600は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0088】
また、上述した実施形態に係るシステムにおける処理は、上記のフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0089】
また、上述したフローチャートまたはシーケンスチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0090】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 充電制御システム、
100 電気自動車、
200 充電器、
210 制御部、
220 記憶部、
230 通信部、
240 充電部、
300 情報処理装置、
310 制御部、
311 取得部、
312 決定部、
313 充電制御部、
320 記憶部、
330 通信部、
340 操作表示部、
400 外部サーバー、
410 制御部、
420 記憶部、
430 通信部、
440 操作表示部、
500 スマートメーター、
510 制御部、
520 記憶部、
530 通信部、
540 操作表示部、
550 計測部、
600 ユーザー端末、
610 制御部、
620 記憶部、
630 通信部、
640 操作表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10