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特開2025-24815情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024815
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20250214BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A63B71/06 J
A63B69/00 C
A63B71/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129098
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】松本 智紀
(57)【要約】
【課題】カメラでの撮影を行うことなく、競技者のデータを収集すると共に、データの利便性の向上を図る。
【解決手段】情報処理装置10は、複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得部11と、複数の端末装置それぞれ毎に、取得された位置情報及び運動情報を関連付けて管理する、情報管理部12と、外部の装置から、複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている位置情報及び運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての位置情報及び運動情報を抽出し、抽出した位置情報及び運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応部13と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得部と、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理部と、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応部と、
を備えている、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得部が、複数の端末装置それぞれから、前記位置情報及び前記運動情報に加えて、当該端末装置が前記位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定する時刻情報を更に取得し、
前記情報管理部が、前記複数の端末装置それぞれ毎に、前記時刻情報、前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理し、
前記問い合わせ対応部が、問い合わせ対象となった端末装置についての、時間情報、位置情報、及び運動情報を抽出し、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を前記外部の装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記問い合わせ対応部が、問い合わせ対象となった端末装置について、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成し、生成した情報を、前記外部の装置に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得部が、前記位置情報として、端末装置の緯度、経度及び高度を特定する情報を取得し、前記運動情報として、端末装置の移動速度を特定する情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を備えている、情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカー、ラグビーといったスポーツでは、カメラによって試合を観測することによって、競技者それぞれとボール等について、位置及び運動の情報が収集されている。各チームは、これらの情報を分析することで、戦術の研究を行っている。
【0003】
但し、カメラでの情報収集では、撮影者が絶え間なく撮影を行わなければならず、撮影者にとって負担である。また、通常、撮影者は、特定の箇所で止まって撮影を行うため、競技者及びボール等の偶発的な動きによって、撮影範囲に、観測対象でない対象が入ってしまい、観測対象となる競技者及びボールを撮影できない場合もある。更に、撮影者の撮影技術が未熟な場合は、カメラによって競技者及びボール等を正確に捉えることができず、正確な情報が収集できない場合もある。
【0004】
上述の問題に対して、特許文献1は、競技者に装着した各種センサを用いることによって情報を収集するシステムを提案している。具体的には、特許文献1に開示されたシステムは、競技者に取り付けられた各種センサ(心拍センサ、加速度センサ)と、競技者毎の通信機と、サーバ装置と、を備えている。
【0005】
特許文献1に開示されたシステムでは、各競技者のセンサで収集されたデータは、通信機から、サーバ装置に送信される。サーバ装置は、送信されたデータを競技者毎に蓄積する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-020039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に開示されたシステムによれば、カメラで競技者を撮影しなくても、各競技者のデータを収集することができる。しかしながら、特許文献1に開示されたシステムは、データを蓄積することだけを目的としている。特許文献1に開示されたシステムには、データを求めるユーザにおける利便性が全く考慮されていないという問題がある。
【0008】
本開示の目的の一例は、カメラでの撮影を行うことなく、競技者のデータを収集すると共に、データの利便性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理装置は、
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得部と、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理部と、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面における情報処理方法は、
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を備えている、ことを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本開示によれば、カメラでの撮影を行うことなく、競技者のデータを収集すると共に、データの利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、情報処理装置の概略構成の一例を示す構成図である。
図2図2は、情報処理装置の構成の一例を具体的に示す構成図である。
図3図3は、情報処理装置によって格納される端末装置毎の情報の一例を示す図である。
図4図4は、情報処理装置の情報の取得から格納までの動作の一例を示すフロー図である。
図5図5は、情報処理装置の問い合わせ対応時の動作の一例を示すフロー図である。
図6図6は、情報処理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、情報処理装置の一例について、図1図6を参照しながら説明する。
【0015】
[装置構成]
最初に、情報処理装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、情報処理装置の概略構成の一例を示す構成図である。
【0016】
図1に示す情報処理装置10は、複数の端末装置から取得した各種情報を管理するための装置である。図1に示すように、情報処理装置10は、情報取得部11と、情報管理部12と、問い合わせ対応部13とを備えている。
【0017】
情報取得部11は、複数の端末装置それぞれから、その端末装置の位置を特定する位置情報及びその端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する。情報管理部12は、複数の端末装置それぞれ毎に、取得された位置情報及び運動情報を関連付けて管理する。
【0018】
問い合わせ対応部13は、外部の装置から、複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている位置情報及び運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての位置情報及び運動情報を抽出する。そして、問い合わせ対応部13は、抽出した位置情報及び運動情報を外部の装置に送信する。
【0019】
このように、情報処理装置10は、カメラを利用することなく、各端末装置の位置情報及び運動情報を収集及び管理できる。また、情報処理装置10は、外部からの問い合わせに応じて、端末装置の位置情報及び運動情報を送信できる。つまり、競技者それぞれが端末装置を保持すれば、情報処理装置10は、カメラでの撮影を行うことなく、競技者のデータを収集すると共に、データの利便性の向上を図ることができる。
【0020】
続いて、図2及び図3を用いて、情報処理装置10の構成及び機能について具体的に説明する。図2は、情報処理装置の構成の一例を具体的に示す構成図である。
【0021】
図2に示すように、情報処理装置10は、インターネット、携帯電話通信網といったネットワーク23を介して、複数の端末装置20それぞれと接続されている。また、図2の例では、各端末装置20は、スポーツを行っている競技者21に保持されている。端末装置20の1つはボール22に取り付けられている。スポーツとしては、サッカー、ラグビー、バスケットボールといった球技、更には、マラソン等のフィールドスポーツが挙げられる。更に、端末装置20の1つは、ボールに内蔵されている。
【0022】
図2の例では、端末装置20は、例えば、GPS(Global Positioning System)モジュールといった、衛星測位システムGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信モジュールを備えている。GNSSの受信モジュール(以下「GNSSモジュール」と表記する)は、複数の人工衛星30からの電波を受信すると、受信した電波を用いて、人工衛星30毎に、人工衛星30の位置と人工衛星30までの距離とを算出する。更に、GNSSモジュールは、算出した各人工衛星30までの距離と位置とを用いて端末装置20の位置(緯度及び経度)を算出する。
【0023】
端末装置20は、GNSSモジュールで算出された位置を用いて位置情報を生成する。また、端末装置20は、GNSSモジュールで算出された位置と前回算出された位置との差分を、GNSSモジュールの電波の受信間隔で除算して、端末装置20の速度を算出する。そして、端末装置20は、算出した速度を端末装置20の運動状態とし、算出した速度を用いて運動情報を生成する。
【0024】
また、図2の例では、端末装置20は、自身が位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定する。具体的には、端末装置20は、位置情報の算出に用いられた電波の受信時刻を特定する。そして、端末装置20は、この時刻を特定する時刻情報も生成する。そして、端末装置20は、時刻情報、位置情報、及び運動情報に、更に、自身の識別情報を加え、これらの情報を情報処理装置10に送信する。具体的には、端末装置20は、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を含む、送信用のデータを生成し、生成した送信用の送信データを送信する。
【0025】
端末装置20は、実施の形態では、上述した情報生成機能とデータ送信機能とを有する装置であれば特に限定されるものではない。端末装置20の例としては、スマートフォン等の携帯型の端末装置が挙げられる。また、端末装置20には、GNSSモジュールに加えて、又はGNSSモジュールに代えて、加速度センサ、心拍センサ、等の各種センサが備えられていても良い。更に、端末装置20としては、GPSチップ、GNSSチップといったチップも挙げられる。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置10は、上述した、情報取得部11、情報管理部12、及び問い合わせ対応部13に加えて、記憶部14を備えている。また、情報処理装置10は、ネットワークを介して、競技者の管理をしている管理者(例えば、監督、コーチ等)41の端末装置40にも接続されている。
【0027】
情報取得部11は、実施の形態では、各端末装置20から送信されてきたデータを受信し、それによって、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を取得する。また、情報取得部11は、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を、情報管理部12に送る。
【0028】
また、競技においては、試合に用いられているボール以外にも予備のボールが用意されている場合もあり、この場合、予備のボールにも端末装置20は内蔵されている。このため、情報取得部11は、ボール22の端末装置20から取得した位置情報が競技のフィールド外の位置を示している場合は、このボール22は予備のボールであるので、このボールの位置情報については削除する。
【0029】
情報管理部12は、情報取得部11から送られてきた、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を、互いに関連付けて管理する。具体的には、情報管理部12は、図2に示すように、識別情報で識別される端末装置20毎に、時刻情報、位置情報、及び運動情報を、互いに関連付けた状態で、記憶部14に格納する。
【0030】
図3は、情報処理装置によって格納される端末装置毎の情報の一例を示す図である。図3の例では、端末装置20の識別番号毎に、時刻、緯度、経度、高度及び移動速度が、記憶部14に格納されている。なお、図3の例では、記憶部14は、情報処理装置10の一部として構築されているが、この例に限定されるものではない。記憶部14は、情報処理措置10の外部において構築されていても良い。
【0031】
問い合わせ対応部13は、管理者41が端末装置40を介して問い合わせを行うと、問い合わせを受け付け、受け付けた問い合わせに対応する情報を抽出し、抽出した情報を端末装置40に送信する。これにより、問い合わせ対応部13は、問い合わせた内容を確認することができる。
【0032】
具体的には、端末装置40は、その画面上に、問い合わせ用の入力フォームを表示する。入力フォームには、例えば、端末装置の識別番号(又は競技者の名前等)を入力するブランク、時間帯を入力するブランクなどが設けられている。管理者41が、入力フォームに、問い合わせ対象となる端末装置20の識別番号及び時間帯を入力すると、端末装置40は、入力された情報を、情報処理装置10に送信する。
【0033】
情報処理装置10が、端末装置40からの情報を受信すると、問い合わせ対応部13は、受信した情報から、問い合わせの対象となる端末装置20の識別番号を特定し、記憶部14から、特定した識別番号に関連付けられている、位置情報及び運動情報を抽出する。また、受信した情報に時間帯が含まれている場合は、問い合わせ対応部13は、該当する時間帯における位置情報及び運動情報を抽出する。その後、問い合わせ対応部13は、抽出した情報を端末装置40に送信する。
【0034】
また、問い合わせ対応部13は、例えば、問い合わせ対象となった端末装置20について、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成することもできる。この場合は、管理者41は、端末装置40の画面上で、競技者及びボールそれぞれについて、移動の軌跡を特定でき、試合の勝因又は敗因を特定することができる。
【0035】
[装置動作]
次に、実施の形態における情報処理装置10の動作について図4及び図5を用いて説明する。以下の説明においては、適宜図1図3を参照する。また、実施の形態では、情報処理装置10を動作させることによって、情報処理方法が実施される。よって、実施の形態における情報処理方法の説明は、以下の情報処理装置10の動作説明に代える。
【0036】
最初に、図4を用いて、端末装置20からの情報を取得して記憶部14に格納するまでについて説明する。図4は、情報処理装置の情報の取得から格納までの動作の一例を示すフロー図である。
【0037】
まず、前提として、端末装置20が、定期的に、GNSSモジュールで算出された位置を用いて位置情報を生成し、更に、端末装置20の速度を算出して、運動情報を生成する。また、端末装置20は、自身が位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定し、この時刻を特定する時刻情報も生成する。そして、端末装置20は、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を含む、送信用のデータを送信する。
【0038】
図4に示すように、まず、情報取得部11が、各端末装置20から送信されてきたデータを受信し、それによって、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を取得する(ステップA1)。
【0039】
次に、情報管理部12は、ステップA1で取得された、時刻情報、位置情報、運動情報、及び識別情報を、互いに関連付け、これらの情報を互いに関連付けた状態で、記憶部14に格納する(ステップA2)。
【0040】
続いて、図5を用いて、端末装置40からの問い合わせを受け付けて対応するまでについて説明する。図5は、情報処理装置の問い合わせ対応時の動作の一例を示すフロー図である。
【0041】
まず、前提として、管理者41の端末装置40が、その画面上に、問い合わせ用の入力フォームを表示する。それにより、管理者41が、入力フォームに、問い合わせ対象となる端末装置20の識別番号及び時間帯等を入力すると、端末装置40は、入力された情報を、情報処理装置10に送信する。
【0042】
図5に示すように、情報処理装置10が、端末装置40からの問い合わせの情報を受信すると、問い合わせ対応部13は、受信した情報から、問い合わせの対象となる端末装置20の識別番号及び時間帯を特定する(ステップB1)。
【0043】
次に、問い合わせ対応部13は、記憶部14から、ステップB1で特定した識別番号に関連付けられており、且つ、ステップB1で特定した時間帯に対応する、位置情報及び運動情報を抽出する(ステップB2)。
【0044】
次に、その後、問い合わせ対応部13は、ステップB2で抽出した情報を端末装置40に送信する(ステップB3)。
【0045】
また、ステップB2の実行後、問い合わせ対応部13は、問い合わせ対象となった端末装置20について、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成することもできる。この場合は、ステップB3において、問い合わせ対応部13は、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を端末装置40に送信する。
【0046】
ステップB3の実行により、端末装置40の画面上には、問い合わせた端末装置20に関する情報が表示される。管理者41は、表示された情報に基づいて、試合の内容を分析する。
【0047】
以上のように、情報処理装置10は、カメラを利用することなく、各競技者(端末装置20)のデータを収集及び管理して、得られたデータの利便性の向上を図ることができる。この結果、更に、蓄積されたデータをビッグデータとして更なる分析及び戦略研究に利用することもできる。例えば、スポーツ競技におけるチームの全ての試合における出場選手全員のデータを長期にわたって蓄積できるので、各選手の得意・不得意を特定でき、チーム全体を強化することができる。
【0048】
また、上述した例では、端末装置20は、位置情報、運動情報、時刻情報、及び識別情報を、随時、情報処理装置10に送信しているが、この例に限定されることはない。例えば、端末装置20は、一定時間内における、位置情報、運動情報、時刻情報、及び識別情報を、自身の記憶装置に格納し、後に格納した情報をひとまとまりにして、情報処理装置10に送信することもできる。
【0049】
[プログラム]
プログラムの一例としては、コンピュータに、図4に示すステップA1~A2、図5に示すステップB1~B3を実行させるプログラムが挙げられる。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施の形態における情報処理装置10と情報処理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、情報取得部11、情報管理部12、及び問い合わせ対応部13として機能し、処理を行なう。コンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。
【0050】
また、本実施の形態では、記憶部14は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置によって実現できる。記憶部14は、別のコンピュータの記憶装置によって実現されていても良い。
【0051】
また、プログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、情報取得部11、情報管理部12、及び問い合わせ対応部13のいずれかとして機能しても良い。
【0052】
[物理構成]
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、情報処理装置10を実現するコンピュータについて図6を用いて説明する。図6は、情報処理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0053】
図6に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0054】
また、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。この態様では、GPU又はFPGAが、実施の形態におけるプログラムを実行することができる。
【0055】
CPU111は、記憶装置113に格納された、コード群で構成された実施の形態におけるプログラムをメインメモリ112に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。
【0056】
また、実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0057】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0058】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0059】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0060】
なお、情報処理装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェア、例えば、電子回路を用いることによっても実現可能である。更に、情報処理装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。実施の形態において、コンピュータは、図6に示すコンピュータに限定されることはない。
【0061】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記12)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0062】
(付記1)
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得部と、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理部と、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応部と、
を備えている、情報処理装置。
【0063】
(付記2)
前記情報取得部が、複数の端末装置それぞれから、前記位置情報及び前記運動情報に加えて、当該端末装置が前記位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定する時刻情報を更に取得し、
前記情報管理部が、前記複数の端末装置それぞれ毎に、前記時刻情報、前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理し、
前記問い合わせ対応部が、問い合わせ対象となった端末装置についての、時間情報、位置情報、及び運動情報を抽出し、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を前記外部の装置に送信する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0064】
(付記3)
前記問い合わせ対応部が、問い合わせ対象となった端末装置について、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成し、生成した情報を、前記外部の装置に送信する、
付記2に記載の情報処理装置。
【0065】
(付記4)
前記情報取得部が、前記位置情報として、端末装置の緯度、経度、及び高度を特定する情報を取得し、前記運動情報として、端末装置の移動速度を特定する情報を取得する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0066】
(付記5)
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を備えている、情報処理方法。
【0067】
(付記6)
前記情報取得ステップにおいて、複数の端末装置それぞれから、前記位置情報及び前記運動情報に加えて、当該端末装置が前記位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定する時刻情報を更に取得し、
前記情報管理ステップにおいて、前記複数の端末装置それぞれ毎に、前記時刻情報、前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理し、
前記問い合わせ対応ステップにおいて、問い合わせ対象となった端末装置についての、時間情報、位置情報、及び運動情報を抽出し、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を前記外部の装置に送信する、
付記5に記載の情報処理方法。
【0068】
(付記7)
前記問い合わせ対応ステップにおいて、問い合わせ対象となった端末装置について、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成し、生成した情報を、前記外部の装置に送信する、
付記6に記載の情報処理方法。
【0069】
(付記8)
前記情報取得ステップにおいて、前記位置情報として、端末装置の緯度、経度及び高度を特定する情報を取得し、前記運動情報として、端末装置の移動速度を特定する情報を取得する、
付記5に記載の情報処理方法。
【0070】
(付記9)
コンピュータに、
複数の端末装置それぞれから、当該端末装置の位置を特定する位置情報及び当該端末装置の運動状態を特定する運動情報を取得する、情報取得ステップと、
前記複数の端末装置それぞれ毎に、取得された前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理する、情報管理ステップと、
外部の装置から、前記複数の端末装置の一部又は全部について問い合わせがあった場合に、管理されている前記位置情報及び前記運動情報の中から、問い合わせ対象となった端末装置についての前記位置情報及び前記運動情報を抽出し、抽出した前記位置情報及び前記運動情報を前記外部の装置に送信する、問い合わせ対応ステップと、
を実行させる、プログラム。
【0071】
(付記10)
前記情報取得ステップにおいて、複数の端末装置それぞれから、前記位置情報及び前記運動情報に加えて、当該端末装置が前記位置情報で特定される位置にあるときの時刻を特定する時刻情報を更に取得し、
前記情報管理ステップにおいて、前記複数の端末装置それぞれ毎に、前記時刻情報、前記位置情報及び前記運動情報を関連付けて管理し、
前記問い合わせ対応ステップにおいて、問い合わせ対象となった端末装置についての、時間情報、位置情報、及び運動情報を抽出し、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を前記外部の装置に送信する、
付記9に記載のプログラム。
【0072】
(付記11)
前記問い合わせ対応ステップにおいて、問い合わせ対象となった端末装置について、抽出した、時間情報、位置情報、及び運動情報を用い、時系列に沿った位置の変化及び運動状態の変化を示す情報を生成し、生成した情報を、前記外部の装置に送信する、
付記10に記載のプログラム。
【0073】
(付記12)
前記情報取得ステップにおいて、前記位置情報として、端末装置の緯度、経度及び高度を特定する情報を取得し、前記運動情報として、端末装置の移動速度を特定する情報を取得する、
付記9に記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示は、スポーツにおける競技者及びボールの動きの分析に有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 情報処理装置
11 情報取得部
12 情報管理部
13 問い合わせ対応部
14 記憶部
20 端末装置
21 競技者
22 ボール
23 ネットワーク
30 人工衛星
40 管理者の端末装置
41 管理者
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6