(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024870
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キット
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20250214BHJP
A47B 96/14 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47B96/14 C
A47B96/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129215
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 文勇
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA11
3B118BA01
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で容易に取付け可能な、商品陳列什器の支柱用の穴塞ぎ構造体を提供する。
【解決手段】商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体であって、前記支柱は、長手方向に延び、前記長手方向に沿って一直線上に配設され、支柱の中空部と連通した複数の貫通穴を備える。穴塞ぎ構造体は、長手方向に延び、弾性を有し、前記中空部内で弾性力により前記支柱に当接して係止する係止部と、前記中空部内で前記貫通穴と前記中空部との連通を塞ぐように構成された閉塞部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体であって、
前記支柱は、長手方向に沿って一直線上に配設され、支柱の中空部と連通した複数の貫通穴を備え、
前記穴塞ぎ構造体は、長手方向に延び、弾性を有し、
前記中空部内で弾性力により前記支柱に当接して係止する係止部と、
前記中空部内で前記貫通穴と前記中空部との連通を塞ぐ閉塞部と、を備える、穴塞ぎ構造体。
【請求項2】
V形又はU形の横断面を有する部材からなる、請求項1に記載の穴塞ぎ構造体。
【請求項3】
環状の横断面を有する部材からなる、請求項1に記載の穴塞ぎ構造体。
【請求項4】
S形の横断面を有する部材からなる、請求項1に記載の穴塞ぎ構造体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の穴塞ぎ構造体と、
前記支柱と、を備える、支柱穴塞ぎ構造体キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キットに関する。
【背景技術】
【0002】
組立式の商品陳列什器として、長手方向に沿って整列した複数の穴(ブラケット取付用の開口部)が設けられた支柱が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような商品陳列什器の支柱では、組立使用時にブラケットを取り付けていない穴に指などが不用意に引っ掛かるのを防ぐことが望ましい。
【0005】
そこで、本発明の目的は、簡易な構造で容易に取付け可能な商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)は、商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体であって、
前記支柱は、長手方向に沿って一直線上に配設され、支柱の中空部と連通した複数の貫通穴を備え、
前記穴塞ぎ構造体は、長手方向に延び、弾性を有し、
前記中空部内で弾性力により前記支柱に当接して係止する係止部と、
前記中空部内で前記貫通穴と前記中空部との連通を塞ぐ閉塞部と、を備える。
【0007】
本発明(2)は、V形又はU形の横断面を有する部材からなる、(1)の穴塞ぎ構造体である。
【0008】
本発明(3)は、環状の横断面を有する部材からなる、(1)の穴塞ぎ構造体である。
【0009】
本発明(4)は、S形の横断面を有する部材からなる、(1)の穴塞ぎ構造体である。
【0010】
本発明(5)は、(1)~(4)のいずれかの穴塞ぎ構造体と、前記支柱と、を備える、支柱穴塞ぎ構造体キットである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構造で容易に取付け可能な商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、商品陳列什器の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す斜視図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す側面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す背面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体を支柱に挿し入れた状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す斜視図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す側面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す背面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図11】
図11は、本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体を支柱に挿し入れた状態を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す斜視図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図14】
図14は、本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す側面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図15】
図15は、本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体と支柱とを示す背面図(穴塞ぎ構造体を挿し入れる前)である。
【
図16】
図16は、本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体を支柱に挿し入れた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態に係る商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体について説明する。本発明に係る穴塞ぎ構造体は、簡易な構造であり、商品陳列什器の支柱の中空部に挿し入れて使用する。穴塞ぎ構造体は、商品陳列什器の支柱に容易に取付け可能である。
【0014】
まず、本発明の各実施形態に係る穴塞ぎ構造体とともに用いられる商品陳列什器の一例について説明する。
図1は、商品陳列什器1の一例を示す図である。以下、商品陳列什器1の奥行き方向(前後方向)をX方向、商品陳列什器1の幅方向(左右方向)をY方向、商品陳列什器1の高さ方向(上下方向)をZ方向とする。
【0015】
商品陳列什器1は、
図1に示すように、支柱11と、連結部材12と、ブラケット13と、棚板14と、を備える。支柱11は、棚板14の四隅に位置し、商品陳列什器1の高さ方向に延びている。
【0016】
商品陳列什器1の幅方向の両方に位置する一対の支柱11、すなわち左右支柱対間には、左右支柱対を連結する連結部材12が取り付けられている。連結部材12は、商品陳列什器1の幅方向に延びている。連結部材12は、例えば商品陳列什器1の上部と下部に配置される。連結部材12は、左右支柱対間に配置され、両端をそれぞれ左右支柱対の1つの支柱11に取り付けられる。
【0017】
商品陳列什器1の前後方向の両端に位置する一対の支柱11、すなわち前後支柱対間には、ブラケット13が取り付けられる。ブラケット13は、商品陳列什器1の前後方向に延びている。ブラケット13は、前後支柱対間に配置され、両端をそれぞれ前後支柱対の1つの支柱11に取り付けられる。ブラケット13には、棚板14が載置される。ブラケット13は、商品陳列什器1に取り付ける棚板14の数に応じて配置される。なお、前後支柱対は、例えば3つの連結部材15により支柱11の上部、中間部、下部でそれぞれ連結されている。
【0018】
以下、本発明の各実施形態に係る支柱11の構成について説明する。
支柱11は、ここではT型の外形を備える中空の部材である。支柱11は、幅方向及び上下方向(YZ平面)に延びた第1部分16と、第1部分16に略直交し、前後方向及び上下方向(XZ平面)に延びた第2部分17とを有する。支柱11は、第2部分17が第1部分16の中間部に位置するT型の部材である。第1部分16の裏側面18には、上下方向に等間隔で並んだ複数の開口部19が形成されている(
図5参照)。開口部19は、第2部分17を挟んで対称に2列配置されている。第1部分16の開口部19は、連結部材12の不図示の係合部と係合する。
【0019】
第2部分17は、上下方向に延びた第1側面21と、第1側面21と対向する第2側面22とを含み、第1側面21及び第2側面22には、それぞれ、上下方向に等間隔で並んだ複数の貫通穴23が設けられている。これら貫通穴23は、長手方向に沿って一直線上に配設され、支柱11の中空部24と連通している。第2部分17の貫通穴23は、ブラケット13の両端の不図示の係合部と係合する。
【0020】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体100について、
図2~
図6を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る穴塞ぎ構造体100を示す斜視図である。本実施形態に係る穴塞ぎ構造体100は、長手方向に延びた板状部材をV字形に折り曲げた形状である。つまり、穴塞ぎ構造体100は、V形の横断面を有する部材からなる。長手方向に延びた平面状の板状部材をU字形に折り曲げた形状の、U形の横断面を有する部材であってもよい。穴塞ぎ構造体100は、弾性を有する部材で形成されている。穴塞ぎ構造体100は、例えば樹脂製である。穴塞ぎ構造体100は、例えば透明であることができ、半透明や不透明(有色)であってもよい。
【0021】
穴塞ぎ構造体100は、
図2に示すように、V字形の一方の面である第1面101と、V字形の他方の面である第2面102とを有する。第1面101と第2面102とは、屈曲部103を介して向かい合っている。穴塞ぎ構造体100の幅W1は、支柱11の貫通穴23の幅W2よりも長く、支柱11の第2部分17の中空部24の幅W3よりも短い。また、穴塞ぎ構造体100の長さL1は、支柱11の長さの全長未満、例えば支柱11の長さの1/8~1/2程度であってよい。支柱11に取り付けたブラケット13間の上下方向の長さに応じた穴塞ぎ構造体100を用いることができる。
【0022】
図3~
図5を参照して、支柱11への穴塞ぎ構造体100の挿し入れについて説明する。ここでは、支柱11と穴塞ぎ構造体100により、支柱穴塞ぎ構造体キット30が提供される。
図3~
図5に示すように、支柱11の長手方向に沿って、支柱11の第2部分17の中空部24に穴塞ぎ構造体100を挿し入れる。このとき、穴塞ぎ構造体100の第1面101及び第2面102をV字形の内向きに押圧しながら、穴塞ぎ構造体100を支柱11の中空部24に挿し入れ、所望の位置で押圧を解除する。
【0023】
図6は、穴塞ぎ構造体100を支柱11に挿し入れた状態を示す平面図である。穴塞ぎ構造体100の第1面101及び第2面102は、弾性力(復元力)により中空部24内で支柱11に当接して突っ張った状態で係止し、支柱11の貫通穴23と中空部24との連通を塞いでいる。第1面101及び第2面102は、中空部24内で弾性力により支柱11に当接して係止する係止部104、及び中空部24内で貫通穴23と中空部24との連通を塞ぐ閉塞部105として機能する。
【0024】
図6では、穴塞ぎ構造体100の屈曲部103がT型の支柱11の第1部分16から離れた側に位置するようにして穴塞ぎ構造体100を支柱11の第2部分17の中空部24に挿し入れているが、穴塞ぎ構造体100を挿し入れる向きはこれに限らず、屈曲部103がT型の支柱11の第1部分16に近い側に位置するようにして挿し入れてもよい。
【0025】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体110について、
図7~
図11を参照して説明する。
図7は、第2実施形態に係る穴塞ぎ構造体110を示す斜視図である。本実施形態に係る穴塞ぎ構造体110は、長手方向に延びた2つの部材を両端部111、112で接続した形状である。筒状部材を潰したものでもよい。つまり、穴塞ぎ構造体110は、環状の横断面を有する部材からなる。穴塞ぎ構造体110は、弾性を有する部材で形成されている。穴塞ぎ構造体110は、例えば樹脂製である。穴塞ぎ構造体110は、例えば透明であることができ、半透明や不透明(有色)であってもよい。
【0026】
穴塞ぎ構造体110は、
図7に示すように、両端部111、112(接続部)を介して向かい合う第1面113と第2面114とを有する。穴塞ぎ構造体110の第1面113及び第2面114の幅W4は、支柱11の貫通穴23の幅W2よりも長く、支柱11の第2部分17の中空部24の幅W3よりも短い。また、穴塞ぎ構造体110の長さL2は、支柱11の長さの全長未満、例えば1/8~1/2程度であってよい。支柱11に取り付けたブラケット13間の上下方向の長さに応じた穴塞ぎ構造体110を用いることができる。
【0027】
図8~
図10を参照して、支柱11への穴塞ぎ構造体110の挿し入れについて説明する。ここでは、支柱11と穴塞ぎ構造体110により、支柱穴塞ぎ構造体キット40が提供される。
図8~
図11に示すように、支柱11の長手方向に沿って、支柱11の第2部分17の中空部24に穴塞ぎ構造体110を挿し入れる。このとき、穴塞ぎ構造体110の第1面113及び第2面114を内側に押圧しながら、穴塞ぎ構造体110を支柱11の中空部24に挿し入れ、所望の位置で押圧を解除する。
【0028】
図11は、穴塞ぎ構造体110を支柱11に挿し入れた状態を示す平面図である。穴塞ぎ構造体110の第1面113及び第2面114は、弾性力(復元力)により中空部24内で支柱11に当接して係止し、支柱11の貫通穴23と中空部24との連通を塞いでいる。第1面113及び第2面114は、中空部24内で弾性力により支柱11に当接して係止する係止部115、及び中空部24内で貫通穴23と中空部24との連通を塞ぐ閉塞部116として機能する。
【0029】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体120について、
図12~
図16を参照して説明する。
図12は、第3実施形態に係る穴塞ぎ構造体120を示す斜視図である。本実施形態に係る穴塞ぎ構造体120は、長手方向に延びた板状部材をS字形に曲げた形状である。つまり、穴塞ぎ構造体120は、S形の横断面を有する部材からなる。穴塞ぎ構造体120は、弾性を有する部材で形成されている。穴塞ぎ構造体120は、例えば樹脂製である。穴塞ぎ構造体120は、例えば透明であることができ、半透明や不透明(有色)であってもよい。
【0030】
穴塞ぎ構造体120は、
図12に示すように、S字形の一方の端部121に位置する第1面122と、S字形の他方の端部123に位置する第2面124と、第1面122と第2面124との間に位置する閉塞面125と、を有する。穴塞ぎ構造体120の幅W5は、支柱11の貫通穴24の幅W3よりも長く、支柱11の中空部24の幅W3よりも短い。また、穴塞ぎ構造体120の長さL3は、支柱11の長さの全長未満、例えば1/8~1/2程度であってよい。支柱11に取り付けたブラケット13間の上下方向の長さに応じた穴塞ぎ構造体120を用いることができる。
【0031】
図13~
図15を参照して、支柱11への穴塞ぎ構造体120の挿し入れについて説明する。ここでは、支柱11と穴塞ぎ構造体120により、支柱穴塞ぎ構造体キット50が提供される。
図13~
図15に示すように、支柱11の長手方向に沿って、支柱11の第2部分17の中空部24に穴塞ぎ構造体120を挿し入れる。このとき、穴塞ぎ構造体120の第1面122及び第2面124を内向きに押圧しながら、穴塞ぎ構造体120を支柱11の中空部24に挿し入れ、所望の位置で押圧を解除する。
【0032】
図16は、穴塞ぎ構造体120を支柱11に挿し入れた状態を示す平面図である。穴塞ぎ構造体120の第1面122及び第2面124は、弾性力(復元力)により中空部24内で支柱11に当接して係止し、支柱11の貫通穴23と中空部24との連通を塞いでいる。第1面122及び第2面124は、中空部24内で弾性力により支柱11に当接して係止する係止部126として機能し、閉塞面125は、貫通穴23と中空部24との連通を塞ぐ閉塞部127として機能する。
【0033】
以下、本発明の各実施形態の効果について述べる。
本発明の各実施形態によれば、商品陳列什器の中空の支柱用の穴塞ぎ構造体は、長手方向に延び、弾性を有し、支柱の中空部内で弾性力により支柱に当接して係止する係止部と、中空部内で貫通穴と中空部との連通を塞ぐ閉塞部と、を備える。支柱は、長手方向に延び、長手方向に沿って一直線上に配設され、支柱の中空部と連通した複数の貫通穴を備え、本発明に係る穴塞ぎ構造体を支柱の中空部の内部に挿し入れて貫通穴と中空部との連通を塞ぐ。本発明に係る穴塞ぎ構造体は、中空部内で弾性力(復元力)により支柱に当接して係止するため、中空部の所望の位置に挿し入れるだけで貫通穴と中空部との連通を塞ぐことができ、簡易な構造で容易に取り付け可能な穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キットを提供することができる。複雑な係止機構や取付作業を要さないため、既存の支柱に取り付けることができ、取扱いも容易である。商品陳列什器の使用時に支柱の貫通穴と中空部との連通を穴塞ぎ構造体により塞ぐことで、貫通穴から中空部にかけて指などが不用意に引っ掛かるのを防ぐことができ、安全性を高めることができる。
【0034】
例えば、穴塞ぎ構造体として支柱の中空部の厚さに適合する厚さの厚板を挿し込んで貫通穴と中空部との連通を塞ぐと、厚板が中空部内で固定されない。また、固定されないので支柱内部でがたつく。厚板が長手方向の途中で止まることもできない。これに対し、本発明に係る穴塞ぎ構造体及び支柱穴塞ぎ構造体キットでは、穴塞ぎ構造体が中空部内で弾性力(復元力)により支柱に当接して係止するため、所望の位置で貫通穴と中空部との連通を塞ぐことができ、がたつきも生じない。また、弾性力(復元力)により穴塞ぎ構造体が長手方向の途中で止まることができる。穴塞ぎ構造体の長さを支柱に取り付けたブラケット間の間隔や塞ぐべき穴の数に応じて選択することができ、自由度が高い。
【0035】
第1実施形態によれば、穴塞ぎ構造体は、V形又はU形の横断面を有する部材からなる。第2実施形態によれば、穴塞ぎ構造体は、環状の横断面を有する部材からなる。第3実施形態によれば、穴塞ぎ構造体は、S形の横断面を有する部材からなる。いずれの部材も、弾性力(復元力)により中空部内で部材の少なくとも一部が支柱に当接して係止するように構成されている。簡易な構造で簡便な穴塞ぎ構造体により支柱の貫通穴と中空部との連通を塞ぐことができ、利便性が高い。また、上述のような厚板に比べて軽量で持ち運びやすい。
【0036】
以上、本発明の各実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び変更が可能である。例えば、穴塞ぎ構造体は、支柱の中空部内で弾性力を利用して支柱に係止するような構成であればよく、V形、U形、環状、S形の横断面を有する部材に限られない。支柱はT型であるとして説明したが、これに限らず、I型、H型など、長手方向に延び、長手方向に沿って一直線上に配設された複数の貫通穴を備える中空の支柱であってよい。また、穴塞ぎ構造体は支柱の第2部分においてブラケット用の貫通穴と中空部の連通を塞いでいるが、第1部分において連結部材用の開口部と第1部分内の中空部の連通を塞ぐことも可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 商品陳列什器
11 支柱
12 連結部材
13 ブラケット
14 棚板
23 貫通穴
24 中空部
30、40、50 支柱穴塞ぎ構造体キット
100、110、120 穴塞ぎ部材
104、115、126 係止部
105、116、127 閉塞部