(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024879
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】仮想現実商取引システム、中継装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129233
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】上野 悟己
(72)【発明者】
【氏名】青木 教之
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】大西 正晃
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L030BB66
5L049BB47
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】仮想現実体験用の通信装置の一般利用者への利用を促進する仮想現実商取引システム、中継装置、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】中継装置は、仮想現実体験用のVR端末と仮想現実体験を提供するVR提供装置とを中継し、VR端末が予め決められたVR提供装置に接続し、当該VR提供装置からVR端末に情報が提供されるように制御する中継制御部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する中継制御手段を備える、中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継装置において、
前記中継制御手段は、前記通信装置と、前記情報提供装置の間で行われる商品購入処理を中継する、中継装置。
【請求項3】
請求項1に記載の中継装置において、
複数の通信装置を含むグループ情報を取得するグループ情報取得手段を備え、
前記中継制御手段は、
取得した前記グループ情報を前記情報提供装置に送信することで、同一グループ単位で前記通信装置と前記情報提供装置の間の中継処理を行う、中継装置。
【請求項4】
請求項3に記載の中継装置において、
前記グループ情報取得手段は、
互いの位置が所定の関係性を満たしている複数の前記通信装置を、同一のグループと特定し、前記グループ情報を生成する、中継装置。
【請求項5】
請求項1に記載の中継装置において、
特定の店舗毎に、当該店舗に対応する前記情報提供装置に対する前記通信装置のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する算出手段をさらに備える、中継装置。
【請求項6】
請求項1に記載の中継装置において、
前記通信装置を特定可能な識別情報に、当該通信装置の前記識別情報に紐付けられた前記通信装置の認証情報と、当該通信装置の利用者に関する利用者情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する記憶処理手段をさらに備え、
前記中継制御手段は、前記通信装置の前記認証情報を用いて前記通信装置と前記情報提供装置とを接続するように制御する、中継装置。
【請求項7】
請求項6に記載の中継装置において、
前記利用者情報を用いて中継した前記利用者の商品購入処理に関する支払情報を前記情報提供装置から取得し、精算処理を行う商品購入処理手段をさらに備える、中継装置。
【請求項8】
仮想現実体験用の通信装置と、
中継装置と、を備え、
前記中継装置は、
前記仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継する中継手段を備え、
前記通信装置と前記中継装置の少なくとも一方は、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続するように制限する制御手段を有する、仮想現実商取引システム。
【請求項9】
1以上のコンピュータが、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する、中継装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する中継制御処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実商取引システム、中継装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のユーザ端末が、ネットワークを介してサーバ装置に接続して仮想店舗の提供を受けるショッピング環境を実現する通信システムが記載されている。このサーバ装置は、ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を仮想空間に構築し、各ユーザが使用するユーザ端末にそれぞれ提供する構築部と、仮想店舗に対する各ユーザの操作情報を基に、仮想店舗に配置された要素のうち、ユーザの注目が集まっている要素を特定し、特定した要素が、各ユーザ端末において強調表示されるよう制御する注目要素表示制御部と、を有している。この構成により、仮想空間に再現された仮想店舗において、ショッピング環境を他のユーザと容易に共有することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献に記載の技術においては、仮想空間を体験するユーザ端末は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末であった。一方、近年、VR体験用のVRグラス(またはVRゴーグルとも呼ぶ)が一般ユーザにも徐々に普及しつつある。しかしながら、一般にVRグラスは、高価であったり、あるいは、使用時のセッティングがIT(Information Technology)の技術的な専門性が高く複雑であるため一般の利用者には設定が困難であったりするといった観点からVRグラスの一般ユーザに普及しづらいという問題点があった。
【0005】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、仮想現実体験用の通信装置の一般利用者への利用を促進する仮想現実商取引システム、中継装置、制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における中継装置は、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する中継制御手段を備える。
【0007】
本開示における中継装置の制御方法は、
1以上のコンピュータが、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する、ことを含む。
【0008】
なお、本開示の他の例としては、上記開示の方法を少なくとも1以上のコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、中継装置上で、その制御方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【0010】
また、本開示の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0011】
また、本開示の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本開示の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0012】
さらに、本開示の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が実行されること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、仮想現実体験用の通信装置の一般利用者への利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示にかかる第1の中継装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示にかかる第1の中継装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】本開示にかかる第1の仮想現実商取引システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図4】本開示にかかる中継装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図5】本開示にかかる第1の中継装置の詳細な動作例を示すフローチャートである。
【
図6】本開示にかかる第2の中継装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本開示にかかる第2の中継装置を含む仮想現実商取引システムの処理動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示にかかる第2の中継装置を含む仮想現実商取引システムの処理動作を示すフローチャートである。
【
図9】本開示にかかる第2の中継装置を含む仮想現実商取引システムの処理動作を示すフローチャートである。
【
図10】実店舗契約サイト情報のデータ構造例を示す図である。
【
図11】VR端末情報のデータ構造例を示す図である。
【
図12】利用者情報のデータ構造例を示す図である。
【
図13】VR端末貸出情報のデータ構造例を示す図である。
【
図14】ストア別支払情報のデータ構造例を示す図である。
【
図15】利用者別支払情報のデータ構造例を示す図である。
【
図16】本開示にかかる第3の中継装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】本開示にかかる第2の仮想現実商取引システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図18】グループ情報のデータ構造例を示す図である。
【
図19】本開示にかかる第2の仮想現実商取引システムを利用したVR空間での買い物体験を説明するための図である。
【
図20】本開示にかかる第2の仮想現実商取引システムを利用したVR空間での買い物体験を説明するための図である。
【
図21】本開示にかかる第2の仮想現実商取引システムを利用したVR空間での買い物体験を説明するための図である。
【
図22】本開示にかかる第2の仮想現実商取引システムを利用したVR空間での買い物体験を説明するための図である。
【
図23】本開示にかかる第3の仮想現実商取引システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図24】本開示にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図25】本開示にかかる第4の中継装置の構成を示すブロック図である。
【
図26】本開示にかかる第2の中継装置の構成のさらなる他の構成を示すブロック図である。
【
図27】本開示にかかるVR端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示において図面は、1以上の実施の形態に関連付けられる。また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の各図において、本開示の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0016】
本開示において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0017】
<最小構成例>
図1は、本開示にかかる第1の中継装置100の構成を示すブロック図である。中継装置100は、中継制御部102を備える。中継制御部102は、VR(Virtual Reality)端末300(仮想現実体験用の通信装置)と仮想現実体験を提供するVR提供装置200(情報提供装置)とを中継し、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続し、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるように制御する。
【0018】
<動作例>
図2は、本開示にかかる第1の中継装置100の動作例を示すフローチャートである。
中継制御部102は、VR端末300とVR提供装置200とを中継する(ステップS11)。そして、中継制御部102は、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続し、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるように制御する(ステップS13)。
【0019】
中継装置100は、VR端末300と、VR提供装置200とを中継し、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続するように制御する中継制御部102を有する。
この中継装置100によれば、適切なVR提供装置200にVR端末300が接続さ、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるので、仮想現実体験用の通信装置の一般利用者への利用を促進することができる。
【0020】
以下、中継装置100の詳細例について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
<システム概要>
図3は、本開示にかかる第1の仮想現実商取引システム1のシステム構成を概念的に示す図である。
仮想現実商取引システム1は、中継装置100と、VR端末300と、を少なくとも含む。中継装置100とVR端末300とは互いに無線通信によって通信ネットワーク3bを介して接続される。ただし、中継装置100とVR端末300の間は有線通信によって接続されてもよい。
【0022】
本実施形態において、中継装置100は、VR端末300とVR提供装置200とを中継し、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続するように制御する中継制御部102を有する。ただし、他の例では、VR端末300は、VR端末300とVR提供装置200とを中継する中継部(不図示)を有し、VR端末300が、予め決められたVR提供装置200にVR端末300を接続し、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるように制御する制御部(不図示)を有してもよい。
【0023】
言い換えると、中継装置100およびVR端末300の少なくとも一方が、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続するように制御する制御部を有する。予め決められたVR提供装置200とは、一例として実店舗10と契約済みのVRストア20のサーバ装置である。VR提供装置200は、VR空間でのVRストア20の買い物体験を利用者Uに提供する。
【0024】
また、インターネット空間には、契約外VR提供装置202も含まれるが、中継装置100は、VR端末300と契約外VR提供装置202との接続を遮断する。契約外VR提供装置202は、実店舗10と契約を交わしていないVRストア20のサーバ装置である。
【0025】
VRストア20のサーバ装置は、サーバコンピュータであり、ウェブサーバも含む。また、VRストア20のサーバ装置(VR提供装置200)は、クラウドサーバで実現されてもよい。VR端末300は、中継装置100を介して、各VRストア20に対応する所定のクラウドサーバにアクセスし、VR空間の当該VRストア20での買い物体験が提供される。
【0026】
VR端末300とVR提供装置200は、通信ネットワーク3aを介して接続される。通信ネットワーク3aおよび通信ネットワーク3bは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等のWAN(Wide Area Network)、およびこれらの組み合わせである。
図3の例では、中継装置100とVR端末300とは実店舗10内に存在しているため、通信ネットワーク3bは、実店舗10内のLANであってよい。VR端末300が実店舗10外に存在している場合、通信ネットワーク3はインターネットを介して接続されるWANであってよい。
【0027】
中継装置100は、
図3の例では、実店舗10に設置される通信装置である。ただし、中継装置100は、実店舗10以外の場所に設置されてもよく、設置場所は特に限定されない。中継装置100は、通信専用の機器であってもよいし、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータであってもよい。本開示の中継装置100は、1つのチップや装置として実現されてもよく、さらに、他の装置に装着するような形態で実現されてもよい。
【0028】
実店舗10は、複数のVRストア20と契約を結び、VR空間内で複数のVRストア20を含むショッピングモールを展開する。VR提供装置200は、利用者UのVR端末300に、VR空間のVRストア20を構築し、利用者UにVRストア20での買い物等の体験を提供する。ただし、VR提供装置200が提供するVR空間体験は、買い物に限定されない。VR提供装置200が提供するVR空間体験は、例えば、旅行代理店が提供するツアー体験であってもよいし、農業、林業、漁業、畜産業、工業、商業等、様々な業種の職業体験であってもよい。
【0029】
VR端末300は、VRグラス310と、VRコントローラ320と、を含む。利用者Uは、VRグラス310をかけ、VRコントローラ320を手で持って操作する。ただし、VRコントローラ320以外の操作受付装置を用いて利用者Uの操作を受け付けてもよい。操作受付装置は、例えば、所定のアプリケーションがインストールされたスマートフォンによって実現されてもよいし、身体の少なくとも一部を使ったジェスチャあるいは、視線による操作を受け付ける装置であってもよい。VRグラス310は、所謂、ヘッドマウントディスプレイであり、VR空間を映し出すディスプレイと、VR空間の音声を出力するスピーカと、利用者Uの会話を集音するマイクロフォンと、を有する。さらに、VRグラス310は、利用者Uの頭の向きや回転速度を検知するセンサを含む。さらに、VR端末300は、利用者Uの体勢、動作、移動などを検知するジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、測距センサ(例えば、ToF(Time-of-Flight)方式)等の各種センサを含んでもよい。VR端末300は、利用者Uの身体の動き、視線等をトラッキングするセンサを含んでもよい。
【0030】
VR端末300は、実店舗10で利用者Uに貸し出しされる。あるいは、VR端末300は、利用者Uの居所(例えば、自宅等)に送付されてもよい。VR端末300は、利用前にセッティングが必要である。このセッティングは、本仮想現実商取引システム1に特化した設定であり、当該設定により、VR端末300は、当該仮想現実商取引システム1のみにおける利用に限定することができる。そして、利用者Uは、事前準備なしで、貸し出しされるVR端末300を利用して、仮想現実商取引システム1が提供するサービスを直ぐに受けることができる。
【0031】
<ハードウェア構成例>
図4は、本開示にかかる中継装置100を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図3のVR提供装置200(契約外VR提供装置202)、およびVR端末300も、コンピュータ1000によって実現される。また、後述するサーバ装置400も、コンピュータ1000によって実現される。
【0032】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0033】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0034】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0035】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0036】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は中継装置100の各機能(例えば、中継制御部102、ならびに、後述する商品購入部104、グループ情報取得部106、記憶処理部108、算出部110など)、VR端末300の各機能(例えば、接続部302、制御部304)、およびサーバ装置400の各機能(例えば、制御部402等)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0037】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれていてもよい。
【0038】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1050は、ブルートゥース(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信を行う通信インタフェースとしても機能する。
【0039】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースである。この通信ネットワーク3は、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワーク3に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0040】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、ディスプレイ、タッチパネル、操作ボタン、タッチパッド、キーボード、マウス、スピーカ、マイクロフォン、カメラ、プリンタ等)に接続する。
【0041】
各図の本開示にかかる中継装置100、VR端末300、およびサーバ装置400の各構成要素は、
図4のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。各図の本開示にかかる中継装置100、VR端末300およびサーバ装置400を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0042】
<機能構成例>
以下、
図26を用いて説明する。
図26は、本開示にかかる第2の中継装置100の構成のさらなる他の構成を示すブロック図である。
中継装置100は、
図1の中継装置100の構成に加え、さらに、記憶処理部108を有している。
記憶処理部108は、VR端末300を特定可能な識別情報に、当該VR端末300の識別情報に紐付けられたVR端末300の認証情報(ダミーアカウント)と、当該VR端末300の利用者Uに関する利用者情報と、を関連付けて記憶部に記憶する。なお、
図6の第2の中継装置100は、
図26の記憶処理部108をさらに有してもよい。以下の説明において、第2の中継装置100は、中継制御部102と、商品購入部104と、記憶処理部108とを備えているものとして説明する。
【0043】
VR端末300の識別情報と認証情報は、ダミーのアカウントを示す情報であり、実店舗10のVR空間サイトにログインするのに使用されるアカウント情報である。中継制御部102は、VR端末300の認証情報を用いてVR端末300と予め決められたVR提供装置200とを接続し、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるように制御する。認証情報および利用者情報については後述する。
【0044】
図27は、本開示にかかるVR端末300の構成を示すブロック図である。VR端末300は、接続部302と、制御部304と、を備える。接続部302は、中継装置を介してVR空間を提供するVR提供装置200に認証情報を用いて接続する。制御部304は、予め決められたVR提供装置200に接続するように制限する。
【0045】
<動作例>
以下、
図5を用いて説明する。
図5は、本開示にかかる第1の中継装置100の詳細な動作例を示すフローチャートである。
まず、記憶処理部108は、利用者UのVR端末300の利用申込みを受け付けた後、VR端末300の貸し出し用のアカウントを発行する。そして、記憶処理部108は、貸し出し用のアカウントとを利用者を特定可能な識別情報(以後、利用者IDとも呼ぶ)と関連付けて、中継装置100を構成するコンピュータ1000のメモリ1030またはストレージデバイス1040等の記憶部(不図示)に記憶する(ステップS21)。以下の説明では、「中継装置100の記憶部に記憶される」と記載するが、この記載は、「中継装置100を構成するコンピュータ1000のメモリ1030またはストレージデバイス1040に記憶される」ことを意味するものとする。
【0046】
さらに、記憶処理部108は、発行したアカウントを含むアカウント情報を、さらに、VR端末300を構成するコンピュータ1000のメモリ1030またはストレージデバイス1040等の記憶部(不図示)に記憶する。以下の説明では、「VR端末300の記憶部に記憶される」と記載するが、この記載は、「VR端末300を構成するコンピュータ1000のメモリ1030またはストレージデバイス1040に記憶される」ことを意味するものとする。
【0047】
例えば、利用申込みの受け付けは、実店舗10の従業員等が操作する操作端末(例えば、タブレット端末、またはパーソナルコンピュータ等のコンピュータ1000)に利用申込の受付画面を表示する。ただし、中継装置100は操作端末を含んでもよい。また、操作端末は、商品登録処理などを行う店舗端末であってもよい。
【0048】
受付画面は、貸し出すVR端末300に予め割り当てられているVR端末300を特定可能な識別情報(以後、端末IDとも呼ぶ)と、利用者Uの利用者IDとの入力を受け付ける。VR端末300の端末IDは、例えば、コード画像(バーコード、2次元コード等)または、RFID(Radio Frequency Identification)タグに記録されてもよい。操作端末は、VR端末300に貼付されているコード画像からコードリーダまたはカメラを用いて端末IDを読み取って取得してもよいし、VR端末300に取り付けられているRFIDタグからRFIDリーダを用いて端末IDを読み取ってもよい。
【0049】
利用者Uの利用者IDは、コード画像(バーコード、2次元コード等)、RFID(Radio Frequency Identification)、磁気カード等に記録されてよい。利用者Uが利用している通信装置(例えば、スマートフォン等)のディスプレイに利用者IDを記録したコード画像を表示させる。操作端末は、表示されているコード画像からコードリーダまたはカメラを用いて利用者IDを読み取って取得してもよい。さらに、実店舗10から配布された会員カード等の記録媒体に利用者IDは記録されていてもよい。会員カードは、その一面に利用者IDを示す英数字等(ただし、記号、文字を含んでもよい)が印字されていてもよいし、利用者IDを記録したコード画像が印字されていてもよいし、磁気ストライプまたはICチップに利用者IDが記録されていてもよい。操作端末は、記録媒体からリーダまたはカメラを用いて利用者IDを読み取り取得することができる。
【0050】
操作端末は取得した端末IDと利用者IDを中継装置100に送信し、中継装置100の記憶部に記憶させる。さらに、中継装置100は、VR端末300にアカウント情報を送信し、VR端末300の記憶部に記憶させる。記憶処理部108が発行するアカウント情報は、VR端末300の利用受け付けごとに発行されるアカウントであり、VR提供装置200にアクセスするためのアカウントである。
【0051】
例えば、アカウントは、利用者Uを認証するための認証情報を含み、例えば、パスコード等である。このアカウント情報は、利用申し込みごとに利用者Uごとに発行され、VR端末300の利用終了後、例えば、VR端末300が実店舗10に返却されると、中継装置100およびVR端末300の記憶部から消去される。
【0052】
そして、利用者Uは、VR端末300を借り受け、VRグラス310を装着し、VRコントローラ320を操作して、実店舗10が提供するVR空間サイトにアクセスするためにログイン操作を行う。実店舗10が提供するVR空間サイトのログイン用のウェブページのURLは、VR端末300の記憶部に予め記憶されていてもよいし、実店舗10に提示されているコード画像に記録されているURLをVR端末300のカメラで読み取り取得してもよいし、VRコントローラ320を用いたURLの入力を受け付けてもよい。
【0053】
中継装置100の中継制御部102は、VR端末300からログイン情報を取得する(ステップS23)。ログイン情報は、上記したVR端末300の記憶部に記録されているアカウント情報である。中継制御部102は、VR端末300から取得した端末IDと、アカウント情報とが、端末IDと関連付けて記憶部に記録されているアカウント情報と一致するか否かを照合することで、当該VR端末300の認証処理を行う。
【0054】
アカウント情報が一致すると認証に成功したと判断され、アカウント情報が一致しない場合、認証は失敗したと判断される。認証に成功した場合、VR端末300か、VR空間サイトにログインすることができる。中継制御部102は、認証に成功したVR端末300の利用者IDを特定する(ステップS25)。中継制御部102は、認証に成功した端末IDと関連付けられている利用者IDを取得する。
【0055】
利用者Uは、VR端末300のVRコントローラ320を操作して、任意のVRストア20へのアクセス操作を行う。中継制御部102は、VR端末300からVRストア20へのアクセスを受け付けると(ステップS27)、当該VRストア20が、契約済みのVRストア20か否かを判定する。そして、契約外のVRストア20の場合、中継制御部102は、VR端末300と契約外VR提供装置202の接続を遮断する(ステップS29)。一方、契約済みのVRストア20の場合、中継制御部102は、VR端末300と契約済みVRストア20のVR提供装置200との接続を中継する(ステップS31)。
【0056】
以上、本実施形態によれば、中継装置100は、中継制御部102を備えている。中継制御部102は、VR端末300とVR提供装置200とを中継し、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続し、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるように制御する。この中継装置100によれば、適切なVR提供装置200にVR端末300が接続され、当該VR提供装置200からVR端末300に情報が提供されるので、仮想現実体験用の通信装置の一般利用者への利用を促進することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、中継装置100は、さらに、記憶処理部108を備えている。記憶処理部108は、VR端末300を特定可能な識別情報に、当該VR端末300の識別情報に紐付けられたVR端末300の認証情報(ダミーアカウント)と、当該VR端末300の利用者Uに関する利用者情報と、を関連付けて記憶部に記憶する。
【0058】
この構成によれば、VR端末300をVR提供装置200に接続するための設定が不要であるため、IT技術に詳しくない一般利用であっても直ぐにVR端末300を用いてVR空間を体験することができる。
【0059】
(第2実施形態)
図6は、本開示にかかる第2の中継装置100の構成を示すブロック図である。
図6の中継装置100は、
図1の中継装置100とは、さらに商品購入部104を有する点以外は、同じである。なお、
図6の各要素は、1以上の実施形態の各要素と矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0060】
<機能構成例>
中継制御部102は、VR端末300と、VR提供装置200との間で行われる商品購入処理を中継する。
図6の例では、中継装置100は、VR端末300と、VR提供装置200との間で行われる商品購入処理を行う商品購入部104を含む。
【0061】
商品購入部104は、VRストア20において利用者Uが購入する商品の受け付け処理と、購入商品の代金の精算処理とを行う。商品購入部104は、利用者情報を用いて中継した利用者Uの商品購入処理に関する支払情報をVR提供装置200から取得し、精算処理を行う。なお、精算処理の詳細については後述する。
【0062】
<動作例>
以下、
図7から
図9を用いて説明する。
図7から
図9は、本開示にかかる第2の中継装置100を含む仮想現実商取引システム1の処理動作を示すフローチャートである。
中継装置100の処理は、
図7の事前準備に関する処理と、
図8のVR体験に関する処理、特に、VRストア20での買い物体験に関する処理と、
図9の商品の代金の支払いに関する処理と、を含む。
【0063】
<事前処理>
図7に示すように、まず、実店舗10の中継装置100は、実店舗10が契約した複数のVRストア20のそれぞれのVR提供装置200との中継を行う準備を行う(ステップS101)。具体的には、中継装置100は、契約したVRストア20のVR提供装置200の情報を実店舗契約サイト情報130に登録する。
【0064】
図10は、実店舗契約サイト情報130のデータ構造例を示す図である。実店舗契約サイト情報130は、中継装置100の記憶部に記憶される。
実店舗契約サイト情報130は、実店舗10を特定可能な識別情報(以後、実店舗IDとも呼ぶ)に、契約したVRストア20を特定可能な識別情報(以後、契約VRストアIDとも呼ぶ)と、当該VRストア20のVR提供装置200が提供するVR空間サイトのURL(Uniform Resource Locator)を示す情報とを関連付けて記憶する。実店舗契約サイト情報130が、実店舗10のみの情報を含む場合、実店舗IDはなくてもよい。実店舗契約サイト情報130は、VRストア20毎にVR空間サイトのURLを関連付けて記憶する。
【0065】
図11は、VR端末情報140のデータ構造例を示す図である。VR端末情報140は、中継装置100の記憶部に記憶される。
実店舗10は、少なくとも1つのVR端末300を有している。VR端末情報140は、実店舗IDに、当該実店舗10が有しているVR端末300の端末IDを関連付けて記憶する。VR端末情報140が、実店舗10のみの情報を含む場合、実店舗IDはなくてもよい。
【0066】
図12は、利用者情報150のデータ構造例を示す図である。利用者情報150は、中継装置100の記憶部に記憶される。利用者Uは、実店舗10を利用する際、ユーザ登録手続きを行う。例えば、中継装置100は、中継装置100の操作端末のディスプレイに登録画面を表示させ、ユーザ登録に必要な情報の入力を受け付ける。中継装置100は、受け付けた利用者Uの情報を利用者情報150に記憶する。
【0067】
利用者情報150は、実店舗IDに、利用者Uごとに利用者IDと、利用者Uの氏名などの情報を関連付けて記憶する。利用者情報150が、実店舗10のみの情報を含む場合、実店舗IDはなくてもよい。利用者IDは、実店舗10が利用者Uに割り当てた会員番号などであってもよいし、利用者Uが登録した識別情報であってもよい。利用者情報150は、その他、利用者Uの連絡先の電話番号、メールアドレス、住所等の情報を含んでもよい。さらに、利用者情報150は、利用者Uの、性別、生年月日または年齢等を含む属性情報を含んでもよい。
【0068】
図7に戻り、次に、利用者UがVR端末300を利用する手続きについて説明する。
実店舗10では、従業員などが利用者UからVR端末300の貸し出し申込を受け付ける。このとき、上記したように、操作端末などを用いて申込の受付画面を表示させ、中継制御部102は、利用者Uの利用者IDと、利用者Uに貸し出すVR端末300の端末IDと、を取得する(ステップS103)。
【0069】
そして、記憶処理部108は、VR端末300の貸し出しごとにアカウントを発行する(ステップS105)。記憶処理部108は、発行したアカウント情報をVR端末300に送信し、VR端末300の記憶部に記憶させる(ステップS107)。さらに、記憶処理部108は、端末IDに紐付けて発行した貸出用のアカウント情報を、利用者IDと端末IDに関連付けて中継装置100の記憶部に記憶する(ステップS109)。そして、実店舗10から利用者Uに、VR端末300が貸し出しされる(ステップS111)。
【0070】
図13は、VR端末貸出情報142のデータ構造例を示す図である。
VR端末貸出情報142は、貸し出されたVR端末300ごとに、当該VR端末300の端末IDと、貸出時に発行したアカウント情報と、VR端末300を貸し出した利用者Uの利用者IDとを少なくとも含む。アカウント情報は、VRストア20のVR空間サイトにログインする際に使用するユーザ識別情報に相当する貸出用のIDと、当該貸出用IDに関連付けられる認証情報とを含む。上記したように、貸出用のアカウント情報は、利用者UにVR端末300を貸し出すごとに発行される。
【0071】
VR端末貸出情報142は、さらに、VR端末300を貸し出した日時を示す情報と、当該VR端末300が返却された日時を示す情報とを当該VR端末300の端末IDに関連付けて含んでもよい。
【0072】
<VR体験処理>
図8に示すように、まず、VR端末300は、記憶部に記憶されている実店舗10が提供するVR空間サイトにアクセスするために、記憶部からアカウント情報を読み出し、ログイン処理を行う(ステップS121)。中継装置100の中継制御部102は、VR端末300からアカウント情報を取得し、認証処理を行う(ステップS123)。具体的には、中継装置100は、VR端末300から取得したアカウント情報と、VR端末貸出情報142に記憶されているアカウント情報を照合し、認証処理を行う。認証に成功すると、中継装置100の中継制御部102は、VR端末貸出情報142でアカウント情報に関連付けられている利用者IDを取得する。
【0073】
次に、VR端末300は、VRコントローラ320を用いて指定した、利用者UがアクセスしたいVRストア20を受け付ける。VR端末300は、利用者Uがアクセスしたい当該VRストア20を示す情報を中継装置100に送信する(ステップS125)。例えば、VR端末300は、VRストア20のリストを含む操作画面を表示してもよい。この場合、リストは、実店舗10と契約済みのVRストア20のみを含むのが好ましい。
【0074】
あるいは、VR端末300は、利用者Uが体験したい内容に適したVRストア20を検索するための操作を受け付ける操作画面を表示してもよい。利用者UはVRコントローラ320を用いてアクセスしたいVRストア20の選択操作を行う。VR端末300は、当該選択を受け付け、選択されたVRストア20を示す情報(例えば、ストア名、VRストアID、URL等のうち、少なくとも一つ)を中継装置100に送信する。
【0075】
中継装置100の中継制御部102は、VR端末300から送信されたVRストア20を示す情報に基づいて、VRストア20のVR提供装置200への接続処理を行う。中継制御部102は、当該VRストア20が契約済みか否かを判定する。例えば、中継制御部102は、実店舗契約サイト情報130を参照し、当該VRストア20のURLを検索する。URLが見つからなかった場合、当該VRストア20は、契約外なので、中継制御部102は、VR端末300と契約外VR提供装置202との接続を遮断する(ステップS127)。一方、URLが見つかった場合、当該VRストア20は、契約済みであるので、中継制御部102は、利用者Uの利用者情報をVR提供装置200に送信してVR端末300とVRストア20のVR提供装置200との接続を中継する(ステップS129)。
【0076】
中継制御部102が、接続を遮断すべき契約外VR提供装置202を判別する方法は、他にも考えられる。例えば、中継制御部102は、遮断すべきVRストア20を示す情報を含むリストを用いて接続を遮断すべき契約外VR提供装置202を判別してもよい。リストは、接続を遮断すべきVRストア20の契約外VR提供装置202を示す、例えば、ストア名、VRストアID、URL等のうち、少なくとも一つを含む。中継制御部102は、VR端末300からVRストア20へのアクセス要求を受け付けたとき、当該リストに含まれるVRストア20か否かを判定してもよい。当該リストに含まれるVRストア20の場合、中継制御部102は、遮断すべき契約外VR提供装置202であると判別し、VR端末300と、契約外VR提供装置202との接続を遮断する。言い換えると、中継制御部102は、VR端末300から当該VRストア20へのアクセスを拒否する。
【0077】
このとき、中継制御部102は、VR端末300のディスプレイに、当該VRストア20は利用できないことを伝えるメッセージを表示させるのが好ましい。
【0078】
中継装置100によるVR端末300とVR提供装置200との中継処理において、VR提供装置200は、中継装置100から送信された利用者情報を受信する(ステップS131)。VR端末300とVR提供装置200との接続が中継されると、VR提供装置200は、受信した利用者情報に基づいて、当該利用者UのVR端末300にVR空間のVRストア20での買い物体験を提供する(ステップS133)。利用者Uは、VR端末300を用いて、VR空間のVRストア20での買い物を体験することができる(ステップS135)。
【0079】
次に、利用者Uは、VRストア20での買い物(商品の購入)を行うと、VR端末300は、当該商品購入処理を行う(ステップS137)、具体的には、VR端末300は、VRコントローラ320を用いた利用者Uの操作を受け付け、例えば、利用者Uが購入すると決めた商品をショッピングカートに入れる。VRストア20で利用者Uがレジに行き、購入手続きを行うと、VRストア20は、当該利用者Uに当該商品を販売する処理を行う(ステップS139)。例えば、商品購入部104は、ショッピングカートに入れられている商品の精算情報を行う。各VRストア20のVR提供装置200は、利用者Uごとの支払情報を記憶部に記録する(ステップS141)。
【0080】
図14は、ストア別支払情報160のデータ構造例を示す図である。
ストア別支払情報160は、VRストア20ごとにVRストアIDに、利用者Uの利用者IDと、支払情報とを関連付けて記憶する。ストア別支払情報160は、VRストア20のVR提供装置200の記憶装置(不図示)に記憶されていてもよい。その場合、ストア別支払情報160は、VRストアIDは含まなくてもよい。ストア別支払情報160は、VRストア20ごとに記憶されているので、VRストアIDは含まれなくてもよい。ストア別支払情報160の利用者Uの利用者IDは、当該利用者Uが利用しているVR端末300の端末IDであってもよい。
【0081】
図8に戻り、利用者Uは、VR端末300を用いて複数のVRストア20で買い物体験を行ってもよい。そして、利用者Uは買い物が終わった後、実店舗10にVR端末300を返却する。そのとき、実店舗10は、利用者Uに各VRストア20で購入した商品の代金の精算処理を行う。
【0082】
<精算処理>
図9に示すように、各VRストア20のVR提供装置200は、利用者Uの商品購入に関する情報のうち、商品購入代金を示す支払情報を中継装置100と共有する(ステップS151)。中継装置100の商品購入部104は、利用者UがVR端末300を返却したとき(ステップS155)、あるいは、実店舗10でのVR空間サイトにおける買い物を終えたとき、各VRストア20のストア別支払情報160から当該利用者Uの識別情報に関連付けられた支払情報をそれぞれ取得し、利用者別支払情報162として中継装置100の記憶部に記憶する(ステップS153)。
【0083】
ただし、各VRストア20から支払情報を取得するタイミングは、他のタイミングであってもよい。例えば、実店舗10で利用者UがVR端末300を利用しているのではなく、自宅など他の場所でVR端末300を利用している場合、特定の期日を締め日として中継装置100の商品購入部104は、各VRストア20から各利用者Uの支払情報を取得してもよい。
【0084】
図15は、利用者別支払情報162のデータ構造例を示す図である。
利用者別支払情報162は、利用者Uごとに、利用者IDに、当該利用者Uが商品を購入したVRストア20のVRストアIDと、支払情報とを関連付けて記憶する。利用者別支払情報162は、利用者Uが複数のVRストア20で買い物をした場合、複数のVRストア20の支払情報をそれぞれ関連付けて記憶する。
【0085】
図9に戻り、利用者Uから実店舗10にVR端末300が返却されると、中継装置100の操作端末はVR端末300の返却受付画面を表示する。返却受付画面は、返却されたVR端末300の端末IDと、利用者Uの利用者IDの入力を受け付ける(ステップS155)。中継装置100の操作端末は、VR端末300の貸出申込時と同様に端末IDと利用者IDを取得する。
【0086】
中継装置100は、VR端末貸出情報142を参照し、利用者UへのVR端末300の返却を確認すると、VR端末貸出情報142に記憶されている貸出用アカウント情報との紐付けを消去する(ステップS157)。さらに、中継装置100は、VR端末300の記憶部に記憶されているアカウント情報も消去させる(ステップS159)。
【0087】
そして、中継装置100の商品購入部104は、利用者別支払情報162を参照し、当該利用者Uの各VRストア20の支払情報が示す購入代金を集計する(ステップS161)。そして、中継装置100の商品購入部104は、利用者Uに代金の支払いを請求する(ステップS163)。具体的には、商品購入部104は、中継装置100の操作端末に、支払代金の金額を表示させる。利用者Uから代金を受け取る。実店舗10の従業員は店舗端末を用いて代金の精算処理を行ってもよいし、中継装置100の商品購入部104が、精算処理を行ってもよい(ステップS165)。なお、代金の支払い方法は特に限定されず、現金、キャッシュレス決済のいずれであってもよい。
【0088】
上記したように、利用者UのVR端末300を長期間貸し出ししているような場合には、商品購入部104は、特定の期日毎に利用者Uに請求処理を行い、利用者Uが予め登録した支払方法(銀行振込、コンビニ支払、カード決済など特に限定されない。)で精算処理を行ってもよい。
【0089】
VRストア20に代わって各利用者Uから回収した代金を、中継装置100の商品購入部104は、各VRストア20に分配する(ステップS167)。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の中継装置100は、VR端末300と、VR提供装置200との間で行われる商品購入処理を行う商品購入部104を有している。
このように、本実施形態の中継装置100によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、利用者にVR空間での商品の購入体験を提供することができる。さらに、商品購入部104は、利用者情報を用いて中継した利用者Uの商品購入処理に関する支払情報をVR提供装置200から取得し、精算処理を行うので、VR提供装置200ごとに利用者Uが精算処理に必要な決済情報等を登録する必要がない。中継装置100の商品購入部104により、実店舗10で利用者Uごとに複数のVRストア20の支払情報を集計し、一括して利用者Uに代金の支払いを請求して精算処理を行うことができる。
【0091】
(第3実施形態)
図16は、本開示にかかる第3の中継装置100の構成を示すブロック図である。
図16の中継装置100は、
図1の中継装置100とは、さらにグループ情報取得部106を有する点以外は、同じである。なお、
図16の各要素は、1以上の実施形態の各要素と矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0092】
<機能構成例>
グループ情報取得部106は、複数のVR端末300を含むグループ情報を取得する。
中継制御部102は、取得したグループ情報をVR提供装置200に送信することで、同一グループ単位でVR端末300とVR提供装置200の間の中継処理を行う。
【0093】
<システム概要>
図17は、本開示にかかる第2の仮想現実商取引システム1のシステム構成を概念的に示す図である。
図17の仮想現実商取引システム1は、
図3の仮想現実商取引システム1とは、実店舗10の複数のVR端末300を、グループとして登録して、当該VR端末300の利用者U同士が一緒のVR空間を体験することができる点以外は同じである。
【0094】
図18は、グループ情報170のデータ構造例を示す図である。グループ情報170は、中継装置100の記憶部に記憶される。
グループ情報170は、グループごとに、グループを特定可能な識別情報(以後、グループIDとも呼ぶ)に、当該グループに含まれる利用者Uの利用者IDを関連付けて記憶する。
【0095】
<動作例>
以下、
図19を用いて説明する。
図19~
図22は、本開示にかかる第2の仮想現実商取引システム1を利用したVR空間での買い物体験を説明するための図である。
【0096】
<個々人でVR端末300を利用する例>
図19の例では、現実空間50において、複数の利用者U1、U2、およびU3がそれぞれ異なる部屋に存在している。例えば、各利用者Uは、地理的に離れた場所(例えば、異なる地域)の部屋であってもよい。各利用者UがVRストア20を訪れるタイミングは、一緒でもよいし、異なっていてもよい。それぞれ異なるタイミングでVR提供装置200にアクセスした場合であっても、同一グループとして登録されている利用者U同士であれば、同じVRストア20を同じ時間に訪れた場合には、VR空間60で出会うことができる。
【0097】
各利用者Uは、それぞれVR端末300のVRグラス310を装着し、VR空間60のVRストア20を一緒に体験する。VR空間60は、各利用者UのVRグラス310のディスプレイに表示されている画像を示している。
【0098】
VR空間60では、同一グループの利用者U1、U2、U3のそれぞれのアバターUv1、Uv2、Uv3がVRストア20内を移動する。また、図では、利用者U1、U2、U3のアバターUv1、Uv2、Uv3の視野範囲v1、v2、v3(図中、扇型で示す)が示されている。同一グループの利用者U1、U2、U3の会話b1、b2、b3(図中、吹き出しで示す)はそれぞれVRグラス310のマイクロフォンで集音され、中継装置100を介してVR提供装置200に送信される。
【0099】
集音された同一グループの利用者U1、U2、U3の会話b1、b2、b3(図中、吹き出しで示す)は、VR提供装置200からそれぞれVRグラス310のスピーカに音声s1、s2、s3(図中、音波マークで示す)が出力処理される。
図19では、VR空間60において、利用者U2とU3のアバターUv2とUv3の距離が離れているため、利用者U2のVRグラス310のスピーカからは、利用者U3の会話の音声s3は出力されず、利用者U3のVRグラス310のスピーカからは、利用者U2の会話の音声s2は出力されない。
【0100】
<複数人で同時に利用する第1例>
図20の例では、現実空間50においても、複数の利用者U1、U2、およびU3は同じ部屋に居る。また、複数の利用者U1、U2、U3はそれぞれVR端末300を操作する。この場合、
図19の場合とは異なり、複数の利用者U1、U2、U3の会話b1、b2、b3は、VRグラス310のスピーカを介さずに互いに直接聞くことができる。また、
図19の例では、複数の利用者U1、U2、U3は、予め同一グループとしてグループ情報170に登録されていた。
図20の例では、例えば、実店舗10に訪れた複数の利用者U1、U2、U3が同じ部屋に入室したとき、同一グループとして互いに関連付けられてもよい。
【0101】
グループ情報取得部106は、互いの位置が所定の関係性を満たしている複数のVR端末300を、同一のグループと特定し、グループ情報170を生成する。グループ情報取得部106が生成したグループ情報170は、中継装置100の記憶部に記憶される。
【0102】
所定の関係性は、VR端末300がアクセスしているアクセスポイントが所定の基準を満たすこと、である。VR端末300は、通信ネットワーク3aに接続するために、例えば、通信ネットワーク3aのアクセスポイントに接続する。所定の基準は、例えば、アクセスポイントのIPアドレスが同じことである。あるいは、例えば、広い部屋に複数のアクセスポイントが設置されている場合、所定の基準は、アクセスポイントのIPアドレスから特定されるアクセスポイントの設置場所が所定範囲内に含まれることである。
【0103】
このようにして同じ部屋に居る複数の利用者U1、U2、U3は、自動的に同一グループとして登録され、同じVR空間60を共有し、VRストア20での買い物体験を一緒にすることができる。
【0104】
<複数人で同時に利用する第2例>
図21の例では、現実空間50において、複数の利用者U1、U2、およびU3は同じ部屋に居る。ただし、この例では、利用者U3が代表してVR端末300のVRコントローラ320を用いて操作する。他の利用者U1、U2はVR端末300のVRグラス310は装着している。
【0105】
この場合、VR空間60では、代表で操作を行っている利用者U3のアバターUv3のみが存在している。利用者U3は、VR空間60での移動操作を行う。例えば、グループ情報取得部106は、VR端末300の操作画面において、代表となる利用者U3の指定を受け付ける。例えば、グループ情報取得部106は、同一グループと特定された利用者Uのリストを操作画面に表示させ、当該リストの中から代表となる利用者U3の指定を受け付けてもよい。
【0106】
グループ情報170は、代表となる利用者U3の端末IDに、当該利用者U3が代表であることを示す情報をさらに関連付けて記憶する。中継装置100は、当該代表の利用者U3の利用者IDをVR提供装置200に送信することで、VR提供装置200は、当該利用者U3のVR端末300からの操作指示を用いてVR空間60内を利用者U3のアバターUv3を移動させる。また、グループ情報取得部106は、VR体験中に、代表となる利用者Uの変更を受け付けてもよい。中継装置100は、代表となる利用者Uが変更になったことを示す情報を、変更後の代表となる利用者Uを示す情報とともにVR提供装置200に送信してもよい。
【0107】
一方、他の利用者U1、U2のアバターUv1、Uv2の視野方向の操作(例えば、顔の回転方向を変える動作)は、各利用者U1、U2が行うことができる。VR提供装置200は、同一グループの他の利用者U1、U2の視野方向の操作を受け付け、VR空間60内で利用者U1、U2のアバターUv1、Uv2の視野方向を変更する。
【0108】
なお、この例においても、同一グループの利用者U1、U2、U3の会話b1、b2、b3は、VRグラス310のスピーカを介さずに互いに直接聞くことができる。
【0109】
この利用例では、基本的な操作を1人の利用者Uが担うことで、他の利用者Uが初心者であってもVR体験を経験することができる。初心者は、VRグラス310を用いてVR空間の店内を見る視野範囲は自分で決めて操作することができる。このように、この利用例によれば、初心者利用者Uの仮想現実商取引システム1の利用のハードルが低くなり、VR端末300の利用が促進される。
【0110】
<複数人で同時に利用する第3例>
図22の例では、
図21の例の複数の利用者U1、U2、U3が第1の現実空間50aに存在するとともに、さらに、別の第2の現実空間50bに代表となる利用者U4が存在する。利用者U4は、所謂、インフルエンサー、あるいは、店舗である第2の現実空間50bに勤務する店員等であり、第2の現実空間50bは、インフルエンサー等の利用者U4が他の利用者U1、U2、U3に紹介する実在する店舗である。利用者U4は、例えば、VR端末300を装着する代わりに、360°カメラ340を持って第2の現実空間50bを訪問する。
【0111】
第1の現実空間50aおよび第2の現実空間50bには、それぞれ中継装置100が設けられている。ただし、第2の現実空間50bの中継装置100は、携帯型であるのが好ましい。例えば、中継装置100は、利用者U4が持ち歩く360°カメラ340用のポータブル無線LAN通信機器、あるいは、360°カメラ340の内部に含まれてもよい。
【0112】
ただし、360°カメラ340は、第2の現実空間50bである店舗に設置されてもよい。360°カメラ340は、無線通信機能を有し、無線装置用のアクセスポイントを経由して中継装置100に接続し、中継装置100を介して、インターネット(通信ネットワーク3a)に接続し、VRストア20のVR提供装置200に接続する。また、利用者U4が店舗の店員である場合、360°カメラ340は、中継装置100を介さず、インターネットにアクセスしてVRストア20のVR提供装置200に接続してもよい。
【0113】
例えば、360°カメラ340で撮影された映像には、利用者U4が店舗内を紹介している様子が含まれる。360°カメラ340で撮影された映像は、VR提供装置200にリアルタイムに送信され、VR提供装置200から第1の現実空間50aに存在する各利用者U1、U2、U3のVR端末300に送信される。
【0114】
また、中継装置100は、ポータブル無線LAN通信機器、あるいは、360°カメラ340の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり中継装置100は、ポータブル無線LAN通信機器、あるいは、360°カメラ340と一体のハードウェアであってもよいし、ポータブル無線LAN通信機器、あるいは、360°カメラ340とは別体のハードウェアであってもよい。
【0115】
第1の現実空間50aの中継装置100のグループ情報取得部106は、第1の現実空間50aに居る利用者Uを同一グループとして特定し、グループ情報170を生成する。さらに、第2の現実空間50bの中継装置100のグループ情報取得部106は、第2の現実空間50bにする利用者U4をさらに同一グループのメンバーとして、当該グループのグループIDに関連付けてグループ情報170に登録する。あるいは、第1の現実空間50aに居る利用者Uのグループの代表となる利用者U4については、グループ情報取得部106は、第2の現実空間50bの中継装置100の操作端末の操作画面において、当該グループの代表となる利用者U4の指定を受け付けてもよい。
【0116】
第2の現実空間50bの中継装置100から第1の現実空間50aの中継装置100に当該グループ情報170が送信される。第1の現実空間50aの中継装置100のグループ情報取得部106は、第2の現実空間50bの中継装置100から受信したグループ情報170を、第1の現実空間50aの中継装置100のグループ情報170と統合してもよい。
【0117】
あるいは、第1の現実空間50aの中継装置100は、VR端末300の操作画面において、代表となる利用者U4の指定を受け付け、当該利用者U4はグループの代表であることを示す情報を当該利用者U4の利用者IDに関連付けてグループ情報170に記憶してもよい。
【0118】
また、
図22の例では、複数の利用者U1、U2、U3は同じ部屋に居るが、
図19の例のように、複数の利用者Uは異なる場所に居てもよい。その場合、中継装置100の操作端末の操作画面により複数の利用者Uを同一グループとする指定を受け付け、グループ情報取得部106は当該指定に従い、グループ情報170を生成してもよい。
【0119】
利用者U4は、360°カメラ340を持って第2の現実空間50bである店舗内を移動する。第2の現実空間50bの中継装置100は、360°カメラ340の映像をVR提供装置200に送信する。VR提供装置200は、360°カメラ340の映像を受信し、360°カメラ空間70として、前記利用者U4と同一グループの利用者U1、U2、U3のVR端末300のディスプレイに当該映像を表示させる。
【0120】
さらに、第2の現実空間50bの中継装置100は、360°カメラ340のマイクロフォンが集音した利用者U4の会話b4を、VR提供装置200に送信する。VR提供装置200は、360°カメラ340のマイクロフォンが集音した利用者U4の会話b4を受信し、第1の現実空間50aに居る利用者U1、U2、U3のVRグラス310のスピーカから音声s4として出力させる。
【0121】
また、第1の現実空間50aの中継装置100は、第1の現実空間50aに居る利用者U1、U2、U3のVR端末300のマイクロフォンで集音した各利用者Uの会話b1、b2、b3をVR提供装置200に送信する。VR提供装置200は、第1の現実空間50aに居る利用者U1、U2、U3の会話b1、b2、b3を受信し、受信した音声を利用者U4の360°カメラ340のスピーカからそれぞれ音声出力させる。
【0122】
以上説明したように、本実施形態の中継装置100は、複数のVR端末300を含むグループ情報を取得するグループ情報取得部106を有する。そして、中継制御部102は、取得したグループ情報をVR提供装置200に送信することで、同一グループ単位でVR端末300とVR提供装置200の間の中継処理を行う。
このように、本実施形態の中継装置100によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、同一グループに設定された複数の利用者Uが一緒にVR空間を体験することができる。
さらに、本実施形態によれば、インフルエンサー等、特定の人物と一緒に、現実空間50(現実の店舗)での買い物を360°カメラ空間内で体験をすることもできる。
【0123】
(第4実施形態)
図25は、本開示にかかる第4の中継装置100の構成を示すブロック図である。
図25の中継装置100は、
図1の中継装置100とは、さらに算出部110を有する点以外は、同じである。なお、
図25の各要素は、1以上の実施形態の各要素と矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。また、算出部110は、サーバ装置400に含まれてもよい。つまり、算出部110の機能は、中継装置100およびサーバ装置400の少なくとも一方により実現することができる。
【0124】
<機能構成例>
算出部110は、特定のVRストア20毎に、当該VRストア20に対応するVR提供装置200に対するVR端末300のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する。
対価は、例えば、広告料および当該仮想現実商取引システム1の使用料を含む。
【0125】
例えば、算出部110は、アクセス数が多くなる程、VRストア20の広告料の割引率を大きくし、アクセス数が少なくなる程、VRストア20の広告料を基準より高くする。また、算出部110は、アクセス数が多くなる程、当該VRストア20に対し、使用料の割引率を大きくし、アクセス数が少なくなる程、当該VRストア20に対し、使用料を基準より高くする。
【0126】
算出部110において、アクセス数が多いか少ないかを判定する方法は様々考えられ、以下に例示されるがこれらに限定されない。
(1)アクセス数が第1の閾値以上の場合、アクセス数は多いと判定し、アクセス数が第2の閾値未満(第2の閾値は第1の閾値より小さい)の場合、アクセス数は少ないと判定する。
(2)複数のVRストア20のアクセスランキングの順位を用いて、ランキングの順位順にアクセス数を段階的に多いか少ないかを特定する。
(3)アクセス数のランキングの上位所定数(例えば、上位3店舗)をアクセス数が多いと判定し、下位所定数(例えば、下位3店舗)をアクセス数が少ないと判定する。
【0127】
以上説明したように、本実施形態の中継装置100は、特定のVRストア20毎に、当該VRストア20に対応するVR提供装置200に対するVR端末300のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する算出部110を有している。
【0128】
このように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、仮想現実商取引システム1を利用するVRストア20に、アクセス数に応じて対価を提供することが可能になる。そのため、各VRストア20は、よりよい対価を得るためにアクセス数が増えるような体験を提供するようになり、VRストア20側にとっても実店舗10側にとっても利益が増えるといった好循環が生み出されるようになる。
【0129】
以上、図面を参照して実施の形態について述べたが、これらは本開示の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(他の実施形態1)
<システム概要>
図23は、本開示にかかる第3の仮想現実商取引システム1のシステム構成を概念的に示す図である。
図23の例では、仮想現実商取引システム1は、複数の実店舗10aおよび10bの中継装置100と複数のVR提供装置200とを中継するサーバ装置400をさらに備える点以外は、
図3および
図17の仮想現実商取引システム1と同じである。サーバ装置400は、通信ネットワーク3cを介して複数の実店舗10aおよび10bの中継装置100と接続され、通信ネットワーク3aを介して複数のVR提供装置200と接続される。なお、
図23の各要素は、1以上の実施形態の各要素と矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0130】
図24は、本開示にかかるサーバ装置400の構成を示すブロック図である。
サーバ装置400は、サーバコンピュータ等のコンピュータ1000である。サーバ装置400は、VR端末300が予め決められたVR提供装置200に接続するように制限する制御部402を備える。
【0131】
この構成によれば、サーバ装置400が中継装置100の各機能を実現することができるので、各実店舗10に設置される中継装置100の機能を最小限にすることができる。
【0132】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
なお、本開示において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0133】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0134】
(他の実施形態2)
仮想現実商取引システム1において、実店舗10は、移動車両であってもよい。所定の駐車場に駐車した車両内で利用者UにVR端末300を貸し出してVR体験を提供してもよい。
【0135】
(他の実施形態3)
仮想現実商取引システム1は、様々な産業における職業体験に利用してもよい。
この具体的な利用例として、畜産業において、家畜の育成現場を第2の現実空間50bとして利用者Uに紹介してもよい。そして、VRストア20は、当該産業から生産される、食品(食肉、加工品等)、毛皮商品などの商品の販売を行ってもよい。これにより、当該産業への関心を高めるとともに、商品の流通を促進することができる。
【0136】
(他の実施形態4)
仮想現実商取引システム1において、実店舗10を旅行代理店としてもよい。代表となる利用者U4が旅行している様子を360°カメラ340を用いて中継し、他の利用者Uが当該ツアーを仮想体験してもよい。当該仮想体験ツアー自体を商品として販売してもよいし、現実のツアーの宣伝として利用することもできる。
【0137】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する中継制御手段を備える、中継装置。
2. 1.に記載の中継装置において、
前記中継制御手段は、前記通信装置と、前記情報提供装置の間で行われる商品購入処理を中継する、中継装置。
3. 1.または2.に記載の中継装置において、
複数の通信装置を含むグループ情報を取得するグループ情報取得手段を備え、
前記中継制御手段は、
取得した前記グループ情報を前記情報提供装置に送信することで、同一グループ単位で前記通信装置と前記情報提供装置の間の中継処理を行う、中継装置。
4. 3.に記載の中継装置において、
前記グループ情報取得手段は、
互いの位置が所定の関係性を満たしている複数の前記通信装置を、同一のグループと特定し、前記グループ情報を生成する、中継装置。
5. 4.に記載の中継装置において、
前記所定の関係性は、前記通信装置がアクセスしているアクセスポイントが所定の基準を満たすこと、である、中継装置。
6. 1.から5.のいずれか1つに記載の中継装置において、
特定の店舗毎に、当該店舗に対応する前記情報提供装置に対する前記通信装置のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する算出手段をさらに備える、中継装置。
7. 1.から6.のいずれか1つに記載の中継装置において、
前記通信装置を特定可能な識別情報に、当該通信装置の前記識別情報に紐付けられた前記通信装置の認証情報と、当該通信装置の利用者に関する利用者情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する記憶処理手段をさらに備え、
前記中継制御手段は、前記通信装置の前記認証情報を用いて前記通信装置と前記情報提供装置とを接続するように制御する、中継装置。
8. 7.に記載の中継装置において、
前記利用者情報を用いて中継した前記利用者の商品購入処理に関する支払情報を前記情報提供装置から取得し、精算処理を行う商品購入処理手段をさらに備える、中継装置。
【0138】
9. 仮想現実体験用の通信装置と、
中継装置と、を備え、
前記中継装置は、
前記仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継する中継手段を備え、
前記通信装置と前記中継装置の少なくとも一方は、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続するように制限する制御手段を有する、仮想現実商取引システム。
10. 9.に記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置の前記中継手段は、前記通信装置と、前記情報提供装置の間で行われる商品購入処理を中継する、仮想現実商取引システム。
11. 9.または10.に記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置は、
複数の通信装置を含むグループ情報を取得するグループ情報取得手段を備え、
前記中継装置の前記中継手段は、
取得した前記グループ情報を前記情報提供装置に送信することで、同一グループ単位で前記通信装置と前記情報提供装置の間の中継処理を行う、仮想現実商取引システム。
12. 11.に記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置の前記グループ情報取得手段は、
互いの位置が所定の関係性を満たしている複数の前記通信装置を、同一のグループと特定し、前記グループ情報を生成する、仮想現実商取引システム。
13. 12.に記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記所定の関係性は、前記通信装置がアクセスしているアクセスポイントが所定の基準を満たすこと、である、仮想現実商取引システム。
14. 9.から13.のいずれか1つに記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置は、
特定の店舗毎に、当該店舗に対応する前記情報提供装置に対する前記通信装置のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する算出手段をさらに備える、仮想現実商取引システム。
15. 9.から14.のいずれか1つに記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置は、
前記通信装置を特定可能な識別情報に、当該通信装置の前記識別情報に紐付けられた前記通信装置の認証情報と、当該通信装置の利用者に関する利用者情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する記憶処理手段をさらに備え、
前記中継装置の前記制御手段は、前記通信装置の前記認証情報を用いて前記通信装置と前記情報提供装置とを接続するように制御する、仮想現実商取引システム。
16. 15.に記載の仮想現実商取引システムにおいて、
前記中継装置は、
前記利用者情報を用いて中継した前記利用者の商品購入処理に関する支払情報を前記情報提供装置から取得し、精算処理を行う商品購入処理手段をさらに備える、仮想現実商取引システム。
【0139】
17. 1以上のコンピュータが、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する、中継装置の制御方法。
18. 17.に記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記通信装置と、前記情報提供装置の間で行われる商品購入処理を中継する、中継装置の制御方法。
19. 17.または18.に記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
複数の通信装置を含むグループ情報を取得し、
取得した前記グループ情報を前記情報提供装置に送信することで、同一グループ単位で前記通信装置と前記情報提供装置の間の中継処理を行う、中継装置の制御方法。
20. 19.に記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
互いの位置が所定の関係性を満たしている複数の前記通信装置を、同一のグループと特定し、前記グループ情報を生成する、中継装置の制御方法。
21. 20.に記載の中継装置の制御方法において、
前記所定の関係性は、前記通信装置がアクセスしているアクセスポイントが所定の基準を満たすこと、である、中継装置の制御方法。
22. 17.から21.のいずれか1つに記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
特定の店舗毎に、当該店舗に対応する前記情報提供装置に対する前記通信装置のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する、中継装置の制御方法。
23. 17.から22.のいずれか1つに記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記通信装置を特定可能な識別情報に、当該通信装置の前記識別情報に紐付けられた前記通信装置の認証情報と、当該通信装置の利用者に関する利用者情報と、を関連付けて記憶装置に記憶し、
前記通信装置の前記認証情報を用いて前記通信装置と前記情報提供装置とを接続するように制御する、中継装置の制御方法。
24. 23.に記載の中継装置の制御方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記利用者情報を用いて中継した前記利用者の商品購入処理に関する支払情報を前記情報提供装置から取得し、精算処理を行う、中継装置の制御方法。
【0140】
25. コンピュータに、
仮想現実体験用の通信装置と仮想現実体験を提供する情報提供装置とを中継し、前記通信装置が予め決められた情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する中継制御処理を実行させるためのプログラム。
26. 25.に記載のプログラムにおいて、
前記中継制御処理において、前記通信装置と、前記情報提供装置の間で行われる商品購入処理を中継する、プログラム。
27. 25.または26.に記載のプログラムにおいて、
複数の通信装置を含むグループ情報を取得するグループ情報取得処理をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記中継制御処理において、
取得した前記グループ情報を前記情報提供装置に送信することで、同一グループ単位で前記通信装置と前記情報提供装置の間の中継処理を行う、プログラム。
28. 27.に記載のプログラムにおいて、
前記グループ情報取得処理において、
互いの位置が所定の関係性を満たしている複数の前記通信装置を、同一のグループと特定し、前記グループ情報を生成する、プログラム。
29. 28.に記載のプログラムにおいて、
前記所定の関係性は、前記通信装置がアクセスしているアクセスポイントが所定の基準を満たすこと、である、プログラム。
30. 25.から29.のいずれか1つに記載のプログラムにおいて、
特定の店舗毎に、当該店舗に対応する前記情報提供装置に対する前記通信装置のアクセス履歴に基づいて、対価を算出する算出処理をさらに前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
31. 25.から30.のいずれか1つに記載のプログラムにおいて、
前記通信装置を特定可能な識別情報に、当該通信装置の前記識別情報に紐付けられた前記通信装置の認証情報と、当該通信装置の利用者に関する利用者情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する記憶処理をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記中継制御処理において、前記通信装置の前記認証情報を用いて前記通信装置と前記情報提供装置とを接続するように制御する、プログラム。
32. 31.に記載のプログラムにおいて、
前記利用者情報を用いて中継した前記利用者の商品購入処理に関する支払情報を前記情報提供装置から取得し、精算処理を行う、前記商品購入処理をさらに前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0141】
33. 仮想現実体験用の通信装置が予め決められた仮想現実体験を提供する情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する制御手段を備える、サーバ装置。
34. 1以上のコンピュータが実現するサーバ装置が、
仮想現実体験用の通信装置が予め決められた仮想現実体験を提供する情報提供装置に接続し、
当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する、サーバ装置の制御方法。
35. コンピュータに、
仮想現実体験用の通信装置が予め決められた仮想現実体験を提供する情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する制御処理を実行させるためのプログラム。
【0142】
36. 中継装置を介して仮想現実体験を提供する情報提供装置に認証情報を用いて接続する接続手段と、
予め決められた前記情報提供装置に接続するように制限する制御手段と、を備える、通信装置。
37. 1以上のコンピュータが実現する通信装置が、
仮想現実体験用の通信装置が予め決められた仮想現実体験を提供する情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する、通信装置の制御方法。
38. コンピュータに、
仮想現実体験用の通信装置が予め決められた仮想現実体験を提供する情報提供装置に接続し、当該情報提供装置から前記通信装置に情報が提供されるように制御する制御処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0143】
1 仮想現実商取引システム
3、3a、3b、3c 通信ネットワーク
10、10a、10b 実店舗
20 VRストア
50 現実空間
50a 第1の現実空間
50b 第2の現実空間
60 VR空間
70 360°カメラ空間
100 中継装置
102 中継制御部
104 商品購入部
106 グループ情報取得部
108 記憶処理部
110 算出部
130 実店舗契約サイト情報
140 VR端末情報
142 VR端末貸出情報
150 利用者情報
160 ストア別支払情報
162 利用者別支払情報
170 グループ情報
200 VR提供装置
202 契約外VR提供装置
300 VR端末
302 接続部
304 制御部
310 VRグラス
320 VRコントローラ
340 360°カメラ
400 サーバ装置
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース