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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024900
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】メーターユニット
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20250214BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20250214BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
G01F1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129272
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】別納 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】栗田 由雄
(72)【発明者】
【氏名】三橋 薫平
(72)【発明者】
【氏名】早川 幸司
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CF14
(57)【要約】
【課題】固定面にベースを固定するための作業に手間がかかることを抑制できるメーターユニットを提供する。
【解決手段】メーターユニット11は、水道メーター12を取り付けることが可能なベース13を備える。ベース13は、定められた長さを有している。ベース13における長手方向の中央部には貫通孔41が形成されている。貫通孔41にはボルト42が通される。ボルト42は、床等の固定面14に埋め込まれたアンカーにねじ込まれる。ベース13は、固定面14に対するボルト42の締結を通じて、その固定面14に固定される。このようにボルト42の固定面14に対する締結をベース13の長手方向の中央部で行うだけで固定面14にベース13が固定されるため、その固定のための作業に手間がかかることを抑制できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メーターを取り付けることが可能なベースを備え、前記ベースを貫通するボルトによって固定面に前記ベースを固定することが可能となっているメーターユニットにおいて、
前記ベースは、定められた長さを有しており、
前記ベースにおける長手方向の中央部には、前記ボルトを貫通させるための貫通孔が形成されているメーターユニット。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記ベースにおける前記固定面側に位置する第1面と前記固定面側とは反対側に位置する第2面との間を貫通しており、
前記第1面における前記ベースの長手方向の中央部は、前記第1面における前記ベースの長手方向の両端部よりも、前記第2面に近い位置にある請求項1に記載のメーターユニット。
【請求項3】
前記ベースにおける長手方向の両端部には、前記ボルトを貫通させるための貫通部が形成されており、
前記ベースにおける長手方向の両端部には、前記貫通部を塞ぐためのカバーを取り付けることが可能となっている請求項1又は2に記載のメーターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メーターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等における水道の使用量は水道メーターによって計測される。こうした水道メーターは、例えば特許文献1に示されるメーターユニットを用いて水道の配管の途中に接続される。メーターユニットは、水道メーターを取り付けることが可能なベースを備えている。ベースは定められた長さを有している。ベースにおける長手方向の両端部にはそれぞれ、ボルトを貫通させるための貫通部が形成されている。ベースは、貫通部を貫通したボルトによって床等の固定面に固定される。
【0003】
ベースには、水道における上流側の配管が接続される一次配管ユニット、及び、水道における下流側の配管が接続される二次配管ユニットが取り付けられている。一次配管ユニットと二次配管ユニットとの間には、水道メーターを組み付けることが可能となっている。この水道メーターを一次配管ユニットと二次配管ユニットに対しそれぞれ接続することにより、水道の配管の途中に水道メーターが接続される。
【0004】
一次配管ユニットと二次配管ユニットとにはそれぞれ、通水を許可したり禁止したりすべく開閉するバルブが設けられている。そして、水道メーターを交換する際には、一次配管ユニットのバルブと二次配管ユニットのバルブとをそれぞれ閉じることにより、一次配管ユニットと二次配管ユニットとの間での通水を禁止する。この状態で、水道メーターを新しいものに交換する。その新しい水道メーターを一次配管ユニットと二次配管ユニットとに接続した後、一次配管ユニットのバルブと二次配管ユニットとのバルブがそれぞれ開かれる。
【0005】
このようにメーターユニットを用いて水道メーターを水道の配管の途中に接続することにより、その水道メーターの交換を行いやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6514058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のメーターユニットでは、ベースを固定面に固定する際、ベースの長手方向の両端部に形成された貫通部にそれぞれボルトを通した後、それらのボルトを固定面に対し締結しなければならない。このため、ボルトの固定面に対する締結をベースの長手方向の両端部でそれぞれ行わなければならない分、固定面にベースを固定するための作業に手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するメーターユニットは、水道メーターを取り付けることが可能なベースを備え、ベースを貫通するボルトによって固定面にベースを固定することが可能となっている。ベースは、定められた長さを有している。ベースにおける長手方向の中央部には、ボルトを貫通させるための貫通孔が形成されている。
【0009】
上記構成によれば、固定面に対するベースの固定は、ベースの長手方向の中央部に形成された貫通孔にボルトを通した後、そのボルトの固定面に対する締結を通じて行われる。このようにベースを固定面に固定する際、ボルトの固定面に対する締結をベースの長手方向の中央部で行うだけでよいため、固定面にベースを固定するための作業に手間がかかることを抑制できる。
【0010】
上記メーターユニットにおいて、上記貫通孔は、ベースにおける固定面側に位置する第1面と固定面側とは反対側に位置する第2面との間を貫通するものとされる。更に、上記第1面におけるベースの長手方向の中央部は、上記第1面におけるベースの長手方向の両端部よりも、上記第2面に近い位置にあるものとされる。
【0011】
上記構成によれば、ベースの長手方向の中央部に形成された貫通孔を貫通するボルトが固定面に対し締結されたとき、ベースの第1面であってベースの長手方向の両端部に位置する箇所を、固定面に押し付ける力が大きくなる。これにより、固定面に対するボルトの締結がベースの長手方向の中央部で行われるとしても、ベースの長手方向の両端部がボルト周りの回転方向に変位しにくくなる。その結果、ボルト締結によって固定面に固定されたベースがボルト周りに回転しにくくなるため、固定面に対するボルトの締結がベースの長手方向の中央部で行われるとしても、ベースを固定面にしっかりと固定することができる。
【0012】
上記メーターユニットにおいて、上記ベースにおける長手方向の両端部には、ボルトを貫通させるための貫通部が形成される。更に、上記ベースにおける長手方向の両端部には、貫通部を塞ぐためのカバーを取り付けることが可能となっている。
【0013】
上記構成によれば、ボルトによりベースを固定面に固定する際、ベースの長手方向の中央部に形成された貫通孔を用いる代わりに、ベースの長手方向の両端部に形成された貫通部を用いることが可能である。すなわち、ベースの長手方向の両端部に形成された貫通部にボルトを通し、それらボルトの固定面に対する締結を通じて、ベースを固定面に固定することもできる。また、ベースの長手方向の中央部に形成された貫通孔を用いてベースを固定面に固定する場合には、ベースの長手方向の両端部に形成された貫通部をカバーで隠すことにより、その貫通部にボルトが通されていないと誤認されることを抑制できる。そして、そうした誤認に基づいて貫通部が誤って使用されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】メーターユニットを示す断面図である。
図2図1のメーターユニットにおける二次配管本体及びメーター受けを示す分解斜視図である。
図3図2のメーター受けを示す側面図である。
図4図1のメーターユニットにおけるベースを示す平面図である。
図5図4のベースを示す底面図である。
図6図1のメーターユニットにおける貫通部、及び、その貫通部に取り付けられるカバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、メーターユニットの一実施形態について、図1図6を参照して説明する。
図1に示すように、メーターユニット11は、水道メーター12を取り付けることが可能なベース13を備えている。ベース13は、アルミダイカスト製であって、定められた長さを有している。ベース13は、その長手方向を床等の固定面14と略平行となるように配置した状態で、上記固定面14に固定することが可能となっている。ベース13を固定面14に固定したとき、ベース13における固定面14側の面が第1面15になるとともに、ベース13における固定面14側の面と反対側の面が第2面16になる。
【0016】
ベース13の第2面16であって、ベース13の長手方向の一方の端部には一次配管ユニット17が取り付けられている。一次配管ユニット17には、住宅等における水道の上流側の配管が接続される。ベース13の第2面16であって、ベース13の長手方向の他方の端部には二次配管ユニット18が取り付けられている。二次配管ユニット18には、住宅等における水道の下流側の配管が接続される。
【0017】
一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間には、水道メーター12を組み付けることが可能となっている。水道メーター12は、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18に対しそれぞれ接続される。これにより、水道の配管の途中に水道メーター12が接続される。この水道メーター12により、住宅等における水道の使用量が計測される。
【0018】
<一次配管ユニット17>
一次配管ユニット17は、ベース13の第2面16における長手方向の一方の端部、すなわち図1の左端部にボルト19aによって固定された台座19を備えている。台座19には取付孔20が形成されている。取付孔20は、その中心線がベース13の長手方向に延びるように形成されている。取付孔20の内周面におけるベース13の長手方向の中央寄りの片側には、雌ねじ21が形成されている。
【0019】
台座19の取付孔20におけるベース13の長手方向の中央寄りの端部からは、円筒状のスライドハンドル22が挿入されている。スライドハンドル22の外周面には雄ねじ23が形成されている。雄ねじ23は、取付孔20の雌ねじ21と噛み合っている。従って、スライドハンドル22は、その中心線周りの回転により、ベース13の長手方向の中央に対し近づいたり離れたりする。スライドハンドル22におけるベース13の長手方向の中央寄りの開口部には、パッキン24が取り付けられている。
【0020】
取付孔20の内周面におけるベース13の長手方向の端部寄りの片側には、エルボ25の一方の端部が挿入されている。エルボ25の一方の端部は、台座19の内周面とスライドハンドル22の外周面との間に位置している。エルボ25は、一方の端部の開口方向と他方の端部の開口方向とが異なる方向を指向するよう湾曲している。エルボ25は、台座19及びスライドハンドル22に対し、エルボ25の一方の端部の開口の中心線周りに相対回転することが可能となっている。こうしたエルボ25の台座19に対する相対回転については、台座19にねじ込まれたねじ26を締めたり緩めたりすることにより、許容したり禁止したりすることが可能となっている。
【0021】
エルボ25の他方の端部には減圧弁27を介して止水栓28が接続されている。この止水栓28は、住宅等の水道における上流側の配管と接続することが可能となっている。減圧弁27は、上記配管から一次配管ユニット17に流れる水の圧力を低下させる。止水栓28は、上記配管との接続位置に応じて、減圧弁27に対し伸縮することが可能となっている。止水栓28には、上記配管と減圧弁27との間の通水を許可したり禁止したりすべく開閉するバルブ29が設けられている。
【0022】
<二次配管ユニット18>
二次配管ユニット18は、ベース13の第2面16における長手方向の他方の端部、すなわち図1の右端部にボルト30aによって固定された二次配管本体30を備えている。二次配管本体30には取付孔31が形成されている。取付孔31は、台座19の取付孔20と同一の軸線上に延びるように形成されている。
【0023】
二次配管本体30の取付孔31におけるベース13の長手方向の一方の端部、すなわち図1の右端部からは、ヘッダー32が挿入されている。ヘッダー32は、二次配管本体30の取付孔31の内部を住宅等の水道の下流側の配管、例えば給水用の配管と給湯用の配管とに繋ぐためのものである。ヘッダー32には、給水用の配管に繋がるポート33、及び、給湯用の配管にヘッダーバルブ35を介して繋がるポート34が形成されている。ヘッダーバルブ35は、給湯用の配管とヘッダー32のポート34との間の通水を許可したり禁止したりすべく、開閉動作するものとなっている。
【0024】
取付孔31におけるベース13の長手方向の他方の端部、すなわち図1の左端部からは、円筒状の受け部材36が挿入されている。受け部材36の内部には逆止弁37が配置されている。逆止弁37は、受け部材36の内部からヘッダー32に向かう水の流れを許容するとともに、それとは逆方向の水の流れを禁止するものである。受け部材36におけるヘッダー32側の開口部と反対側の開口部には、パッキン38が取り付けられている。
【0025】
図2及び図3に示すように、二次配管本体30における取付孔31の内周面には突起39が形成されているとともに、受け部材36の外周面には上記突起39を収容可能な溝40が形成されている。溝40は、受け部材36の外周面において、受け部材36の中心線周りに螺旋状に延びている。これら突起39及び溝40は、二次配管本体30の取付孔31に受け部材36を挿入する際の案内を行うとともに、取付孔31に挿入された受け部材36を取付孔31から抜けないようにするためのものである。
【0026】
受け部材36が二次配管本体30の取付孔31に挿入されたときには、取付孔31の突起39が受け部材36の溝40内に収容される。この状態のもと、受け部材36をその中心線周りに回転させると、突起39が溝40内を溝40に沿って滑るとともに受け部材36が螺旋状に回転しながら取付孔31内に挿入される。このように取付孔31内に挿入された受け部材36は、溝40内に収容された突起39によって取付孔31から抜けることが抑制される。取付孔31に挿入された受け部材36を二次配管本体30から取り外すことは、取付孔31に受け部材36を挿入するときとは逆の回転によって行われる。
【0027】
<ベース13の詳細な構造>
図4及び図5はそれぞれ、ベース13を図1の上方及び下方から見た状態を示している。ベース13における長手方向の中央部の幅、すなわち図4及び図5の上下方向の長さは、ベース13の長手方向の両端部の幅よりも大きくされている。詳しくは、ベース13の長手方向の中央部における幅方向の両側壁13aの互いの距離が、ベース13の長手方向の両端部の幅よりも大きく広がっている。ベース13における長手方向の中央部には貫通孔41が形成されている。
【0028】
図1に示すように、貫通孔41は、ベース13における第1面15と第2面16との間を貫通している。貫通孔41における第2面16側の開口部は、第2面16に形成された座面16aで開口している。ベース13の第2面16におけるベース13の長手方向の中央部に対応する箇所は、貫通孔41に近づくほど第1面15との間の距離が短くなるよう傾斜している。第2面16における貫通孔41の近傍には、ベース13の長手方向に延びるリブ61が形成されている。
【0029】
貫通孔41には、ボルト42を通すことが可能となっている。そして、貫通孔41を貫通したボルト42は、固定面14を形成する床等に打ち込まれたアンカーに対し、インパクトドライバーによってねじ込まれる。これにより、ベース13が固定面14に固定される。このとき、ボルト42の頭部はワッシャー65を介して上記座面16aに接触する。上記座面16aは、ボルト42の頭部よりも大径となっている。このため、通常よりも大径のワッシャー65を使用することにより、ボルト42をインパクトドライバーで締め付けたとき、ベース13における貫通孔41周りの箇所に変形が生じることを抑制できる。
【0030】
図5に示すように、ベース13の長手方向の中央部であって、ベース13の幅方向の両側面には、ベース13の長手方向に延びるフランジ62が上記両側面から突出するように形成されている。フランジ62は、ベース13の幅方向の両側面におけるベース13の第1面15寄りに位置することにより、その第1面15を形成している。また、第1面15にはリブ63とリブ64とが形成されている。リブ63は、貫通孔41の周囲を囲むとともにベース13の長手方向に延びている。リブ64は、リブ63に繋がるとともにベース13の長手方向の端部に近づくよう延びている。リブ64は、ベース13の幅方向において二つに分岐した形状となっており、ベース13の長手方向の端部に近づくほど互いの間の上記幅方向の距離が長くなる。
【0031】
固定面14に対しベース13を固定する際、及び、水道メーター12を一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に組み付ける際、ベース13が変形することは上述した以下の(a)~(e)の構造によって抑制される。(a)ベース13の第2面16にリブ61が形成されていること。(b)ベース13の第1面15にリブ63及びリブ64が形成されていること。(c)ベース13の長手方向の中央部における幅方向の両側面にフランジ62が形成されていること。(d)ベース13の長手方向の中央部における幅方向の両側壁13a、すなわちフランジ62と繋がる両側壁13aの互いの距離が、ベース13の長手方向の両端部の幅よりも大きく広がっていること。(e)ベース13における第2面16の座面16aがボルト42の頭部よりも大径となっていること。
【0032】
図1に示すように、ベース13の第1面15におけるベース13の長手方向の両端部に対応する箇所には、それぞれ排水用の凹部47が形成されている。第1面15におけるベース13の長手方向の両端部に対応する箇所であって、上記凹部47よりも上記長手方向の中央寄りの箇所には、固定面14側に突出する凸部48が形成されている。このように第1面15におけるベース13の長手方向の両端部に対応する箇所にそれぞれ凸部48が形成されることにより、第1面15におけるベース13の長手方向の中央部が上記長手方向の両端部よりも第2面16の近くに位置するようになる。
【0033】
ベース13の第2面16には、メーター受け43が取り付けられるとともに、逆付け防止突起44が一体に形成されている。これらメーター受け43及び逆付け防止突起44には、水道メーター12を載せることが可能となっている。
【0034】
メーター受け43は、第2面16における一次配管ユニット17の台座19と二次配管ユニット18の二次配管本体30との間であって台座19寄りの箇所に取り付けられている。メーター受け43は、第2面16から取り外すことが可能となっている。これは、台座19の取付孔20からスライドハンドル22を取り外す際に、メーター受け43が邪魔にならないようにするためである。台座19の取付孔20からのスライドハンドル22の取り外しは、例えばスライドハンドル22のパッキン24を交換する際に行われる。
【0035】
水道メーター12は、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18とを繋ぐように接続される。水道メーター12は、そこを通過する水の流れの方向が定められている。このため、水道メーター12は、その上流下流を一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に対し正しく配置した状態で、それら一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に対し接続しなければならない。逆付け防止突起44は、一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に対し水道メーター12が上流下流を逆にして接続されないようにするためのものである。
【0036】
詳しくは、水道メーター12は、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に上流下流を逆にして配置しようとしたとき、逆付け防止突起44に接触することにより、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に配置できないようになっている。また、水道メーター12は、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に上流下流を正しくした状態で配置したとき、逆付け防止突起44に対応して位置する基準片45を備えている。逆付け防止突起44には、このときの基準片45を収容することが可能な収容溝46が形成されている。
【0037】
従って、一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間で水道メーター12を上流下流が正しくなるよう配置しようとしたときのみ、水道メーター12の基準片45が逆付け防止突起44の収容溝46に収容される。これにより、水道メーター12を一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に配置することができるようになる。このときには、水道メーター12における一次配管ユニット17寄りの箇所がメーター受け43に載せられることにより、水道メーター12の上流端、すなわち図1の左端が一次配管ユニット17のスライドハンドル22と位置合わせされた状態になる。このように水道メーター12を配置した状態で、一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に対し水道メーター12が接続される。
【0038】
より詳しくは、水道メーター12を一次配管ユニット17と二次配管ユニット18との間に配置した状態で、一次配管ユニット17のスライドハンドル22をその軸線周りに回転させることにより、スライドハンドル22を二次配管ユニット18側に移動させる。これにより、水道メーター12の上流端に対し、スライドハンドル22のパッキン24が押し付けられる。それとともに水道メーター12が二次配管ユニット18側に押されることにより、水道メーター12の下流端、すなわち図1の右端が二次配管ユニット18における受け部材36のパッキン38に押し付けられる。
【0039】
こうして水道メーター12が一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に接続される。一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に接続された水道メーター12を取り外す際には、上述した接続の際の手順と逆の手順が行われる。水道メーター12を新しいものと交換するときには、一次配管ユニット17における止水栓28のバルブ29を閉じるとともに、二次配管ユニット18におけるヘッダーバルブ35を閉じる。この状態のもと、一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に接続されている古い水道メーター12を取り外してから、新しい水道メーター12が一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に対し接続される。その後、一次配管ユニット17における止水栓28のバルブ29、及び、二次配管ユニット18におけるヘッダーバルブ35が開かれる。
【0040】
水道メーター12が一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18に接続されたとき、一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18には水道メーター12からの反力が作用する。その結果、ベース13における一次配管ユニット17及び二次配管ユニット18が取り付けられた箇所には、上記反力に基づいてそれらの箇所を広げようとする方向の力が作用する。こうした力に対するベース13の強度を確保することに関しては、上述した(a)~(e)の構造を採用することが寄与している。更に、上記ベース13の強度の確保には、次の(f)の構造を採用することも寄与している。(f)第2面16におけるベース13の長手方向の中央部に対応する箇所が、貫通孔41に近づくほど第1面15との間の距離が短くなるよう傾斜していること。
【0041】
図4及び図5に示すように、ベース13の長手方向の両端部にはそれぞれ、ボルト42(図1)を貫通させることが可能な貫通部49が形成されている。ベース13の長手方向の両端部は板状となっている。貫通部49は、ベース13における板状に形成された長手方向の両端部において、その端面からベース13の長手方向の中央に向けて凹むように形成されている。
【0042】
図6に示すように、ベース13の長手方向の端部であって、貫通部49の周りの箇所は、第1面15から第2面16に向けて凹んでいる。ベース13における長手方向の両端部には、貫通部49を塞ぐためのカバー50を取り付けることが可能となっている。カバー50は、挿入部51と隠蔽部52と掛止部53とを備えている。挿入部51は、ベース13における長手方向の端面側から貫通部49に挿入されるものである。貫通部49に対する挿入部51の貫通方向において、挿入部51の一方の端部は隠蔽部52が繋がっているとともに、挿入部51の他方の端部は掛止部53に繋がっている。
【0043】
隠蔽部52及び掛止部53は板状に形成されている。そして、挿入部51が貫通部49に挿入されたとき、隠蔽部52はベース13における長手方向の端部の第2面16側に接するとともに、掛止部53は上記端部の第1面15側に接する。カバー50は、挿入部51を貫通部49に挿入することにより、ベース13の長手方向の端部に取り付けられる。ベース13の長手方向の端部にカバー50を取り付けたときには、貫通部49がカバー50の隠蔽部52によって外から見えないように塞がれる。このとき、カバー50の掛止部53は、ベース13の長手方向の端部における貫通部49の周りであって、第1面15から第2面16に向けて凹んだ箇所に入り込む。
【0044】
次に、本実施形態のメーターユニット11の作用効果について説明する。
(1)固定面14に対するベース13の固定は、ベース13の長手方向の中央部に形成された貫通孔41にボルト42を通した後、そのボルト42の固定面14に対する締結を通じて行われる。このようにベース13を固定面14に固定する際、ボルト42の固定面14に対する締結をベース13の長手方向の中央部で行うだけでよいため、固定面14にベース13を固定するための作業に手間がかかることを抑制できる。
【0045】
(2)ベース13の第1面15におけるベース13の長手方向の中央部は、第1面15におけるベース13の長手方向の両端部よりも、第2面16の近くに位置するようになる。この構成によれば、ベース13の長手方向の中央部に形成された貫通孔41を貫通するボルト42が固定面14に対し締結されたとき、ベース13の第1面15であってベース13の長手方向の両端部に位置する箇所を、固定面14に押し付ける力が大きくなる。これにより、固定面14に対するボルト42の締結がベース13の長手方向の中央部で行われるとしても、ベース13の長手方向の両端部がボルト42周りの回転方向に変位しにくくなる。その結果、ボルト締結によって固定面14に固定されたベース13がボルト42周りに回転しにくくなるため、固定面14に対するボルト42の締結がベース13の長手方向の中央部で行われるとしても、ベース13を固定面14にしっかりと固定することができる。
【0046】
(3)ベース13における長手方向の両端部には、ボルト42を貫通させるための貫通部49が形成されている。このため、ボルト42によりベース13を固定面14に固定する際、ベース13の長手方向の中央部に形成された貫通孔41を用いる代わりに、ベース13の長手方向の両端部に形成された貫通部49を用いることが可能である。すなわち、ベース13の長手方向の両端部からカバー50を取り外した後、それら両端部に形成された貫通部49にそれぞれボルト42を通し、それらボルト42の固定面14に対する締結を通じて、ベース13を固定面14に固定することもできる。また、ベース13の長手方向の中央部に形成された貫通孔41を用いてベース13を固定面14に固定する場合には、ベース13の長手方向の両端部にそれぞれカバー50が取り付けられる。これにより、ベース13の長手方向の両端部に形成された貫通部49をカバー50で隠すことができるため、その貫通部49にボルト42が通されていないと誤認されることを抑制できる。そして、そうした誤認に基づいて貫通部49が誤って使用されることを抑制できる。
【0047】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・貫通部49については、必ずしも形成する必要はない。
【0048】
・ベース13の第1面15におけるベース13の長手方向の中央部が、第1面15におけるベース13の長手方向の両端部よりも、第2面16の近くに位置するようにしたが、そうしたことは必ずしも行う必要はない。
【0049】
・ベース13は、必ずしもアルミダイカスト製である必要はない。
・固定面14は、床に対し嵩上げされた土台にあってもよい。
【符号の説明】
【0050】
11…メーターユニット、12…水道メーター、13…ベース、13a…側壁、14…固定面、15…第1面、16…第2面、16a…座面、17…一次配管ユニット、18…二次配管ユニット、19…台座、19a…ボルト、20…取付孔、21…雌ねじ、22…スライドハンドル、23…雄ねじ、24…パッキン、25…エルボ、26…ねじ、27…減圧弁、28…止水栓、29…バルブ、30…二次配管本体、30a…ボルト、31…取付孔、32…ヘッダー、33…ポート、34…ポート、35…ヘッダーバルブ、36…受け部材、37…逆止弁、38…パッキン、39…突起、40…溝、41…貫通孔、42…ボルト、43…メーター受け、44…逆付け防止突起、45…基準片、46…収容溝、47…凹部、48…凸部、49…貫通部、50…カバー、51…挿入部、52…隠蔽部、53…掛止部、61…リブ、62…フランジ、63…リブ、64…リブ、65…ワッシャー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6