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特開2025-24952ランドリ機器およびコインランドリ店舗
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024952
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ランドリ機器およびコインランドリ店舗
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20240101AFI20250214BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20250214BHJP
   D06F 34/32 20200101ALI20250214BHJP
【FI】
D06F39/00 A
D06F95/00
D06F34/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129355
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(74)【代理人】
【識別番号】100129377
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】川邉 慶久
(72)【発明者】
【氏名】米田 充彦
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AC21
3B166AE02
3B166BA49
3B166BA50
3B166HA34
3B166HA54
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA02
3B167AC21
3B167AE02
3B167BA49
3B167BA50
3B167HA34
3B167HA54
3B167LC25
3B167LG11
(57)【要約】
【課題】利用者が遠くからでもランドリ機器についての情報を容易に把握することができる。
【解決手段】本発明に係るランドリ機器は、コインランドリ店舗に設置されるランドリ機器であって、ドラムを収容する筐体と、筐体の下部に配置される照明部とを有し、照明部から出射された光により筐体の正面側に位置する床面に情報表示部が形成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コインランドリ店舗に設置されるランドリ機器であって、
ドラムを収容する筐体と、
前記筐体の下部に配置される照明部とを有し、
前記照明部から出射された光により前記筐体の正面側に位置する設置面に情報表示部が形成されることを特徴とするランドリ機器。
【請求項2】
前記筐体の正面の下端部には、背面側に向かって凹状に形成される凹部が形成されており、
前記照明部は、前記凹部内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のランドリ機器。
【請求項3】
前記照明部は、
正面側に向かって開口する開口部を有する収容部材と、
前記収容部材内において光源を保持する光源基板と、
前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように配置された遮蔽部材とを有しており、
前記開口部において前記遮蔽部材により塞がれていない部分に、前記光源から出射された光が通過する光通過部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のランドリ機器。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、前記開口部の上端側を塞ぐように配置されており、
前記光通過部は、前記開口部の下端側に形成されることを特徴とする請求項3に記載のランドリ機器。
【請求項5】
前記光源は、前記光通過部よりも高い位置に配置されており、
前記光源から出射された光は、前記設置面に向かって前記光通過部を斜め下方向に通過して前記情報表示部を形成することを特徴とする請求項3に記載のランドリ機器。
【請求項6】
前記照明部を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、ランドリ機器の種類に応じて前記照明部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載されたランドリ機器。
【請求項7】
前記照明部を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、ランドリ機器の運転状態に応じて前記照明部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載されたランドリ機器。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載されたランドリ機器が設置されたコインランドリ店舗であって、
前記ランドリ機器の前記筐体の正面側には、洗濯物を載せて移動させるカートが通過可能なスペースがあることを特徴とするコインランドリ店舗。
【請求項9】
請求項1~7の何れかに記載されたランドリ機器が設置されたコインランドリ店舗であって、
前記ランドリ機器が横方向に複数並んでいることを特徴とするコインランドリ店舗。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインランドリ店舗に設置されるランドリ機器およびコインランドリ店舗に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のランドリ機器として、フロントパネルを有する筐体を備え、フロントパネルの上部に、洗濯物処理運転に関する情報等を表示する表示部が配置されたものがある。そのランドリ機器の表示部には、洗濯物処理運転に関する情報として例えばランドリ装置の利用時間、利用料金が表示される。
【0003】
コインランドリ店舗に出向いた利用者は、ランドリ機器に洗濯物を投入して運転を開始した後、ランドリ機器の運転が終了するまで待つ必要がある。近年、店外から店舗内部が見えるコインランドリ店舗が増えてきており、ランドリ機器の運転開始後、外に停めた車内や近隣で終了を待つ利用者もいる。その利用者は、ある程度の時間が経過すると、店外から店舗内のランドリ機器を覗いて運転が終了しているかを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-39476
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロントパネルの上部に表示部が配置されたランドリ機器の場合、表示部は、ランドリ機器近傍で操作する利用客を想定して設計されており、離れた位置からでは表示が見づらい問題がある。特に、店外から店舗内のランドリ機器を覗いて運転が終了しているかを確認しようとする利用者にとっては、フロントパネルの表示部によりランドリ機器の運転状態を一見して判断しづらい。
【0006】
そこで、本発明は、遠くからでもランドリ機器の運転状態を容易に把握することができるランドリ機器およびコインランドリ店舗を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係るランドリ機器は、コインランドリ店舗に設置されるランドリ機器であって、ドラムを収容する筐体と、前記筐体の下部に配置される照明部とを有し、前記照明部から出射された光により前記筐体の正面側に位置する設置面に情報表示部が形成されることを特徴とする。
【0008】
この場合、筐体の下部に配置された照明部により筐体の正面側に位置する設置面を照らして、ランドリ機器についての情報(例えばランドリ機器の種類や運転状態)を表示する情報表示部50を形成することができる。そのため、利用者は、遠くからでもランドリ機器についての情報を容易に把握することができる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0009】
前記筐体の正面の下端部には、背面側に向かって凹状に形成される凹部が形成されており、前記照明部は、前記凹部内に配置されることが好適である。
【0010】
この場合、筐体の正面の下端部に形成される凹部を利用して、照明部を配置することができる。
【0011】
前記照明部は、正面側に向かって開口する開口部を有する収容部材と、前記収容部材内において光源を保持する光源基板と、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように配置された遮蔽部材とを有しており、前記開口部において前記遮蔽部材により塞がれていない部分に、前記光源から出射された光が通過する光通過部が形成されることが好適である。
【0012】
この場合、遮蔽部材を光源と対向する位置に配置することで、ランドリ機器を正面側から見たときに光源が直接見えないようになる。これにより、ランドリ機器の意匠性が向上する。
【0013】
前記遮蔽部材は、前記開口部の上端側を塞ぐように配置されており、前記光通過部は、前記開口部の下端側に形成されることが好適である。
【0014】
この場合、光源から出射された光を筐体の下端部近傍から設置面を照らして情報表示部を形成することができる。
【0015】
前記光源は、前記光通過部よりも高い位置に配置されており、前記光源から出射された光は、前記設置面に向かって前記光通過部を斜め下方向に通過して前記情報表示部を形成することが好適である。
【0016】
この場合、情報表示部をより大きな面積とすることで、利用者は情報をより認識しやすくなる。
【0017】
前記照明部を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ランドリ機器の種類に応じて前記照明部を制御することが好適である。
【0018】
この場合、コインランドリ店舗に出向いた利用者は、例えば洗濯機、洗濯乾燥機、乾燥機などのランドリ機器の種類を容易に判別することができる。
【0019】
前記照明部を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ランドリ機器の運転状態に応じて前記照明部を制御することが好適である。
【0020】
この場合、ランドリ機器の運転を開始した後で運転終了を待つ利用者は、例えば洗濯運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転などのランドリ機器の運転状態を容易に把握することができる。
【0021】
本発明の他側面に係るコインランドリ店舗は、上述した何れかのランドリ機器が設置されたコインランドリ店舗であって、前記ランドリ機器の前記筐体の正面側には、洗濯物を載せて移動させるカートが通過可能なスペースがあることを特徴とする。
【0022】
この場合、コインランドリ店舗においてランドリ機器の正面側に必ず設置されるスペースを利用して、情報表示部を形成することができる。
【0023】
本発明の他側面に係るコインランドリ店舗は、上述した何れかのランドリ機器が設置されたコインランドリ店舗であって、前記ランドリ機器が横方向に複数並んでいることを特徴とする。
【0024】
この場合、各ランドリ機器の正面側に位置する設置面が照らされて情報表示部が形成されるため、複数並んだランドリ機器を横方向から見た場合でも、情報表示部を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るランドリ機器によれば、利用者が遠くからでも、例えばランドリ機器の運転状態を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るランドリ機器100が設置されたコインランドリ店舗Tの概略的な斜視図である。
図2】本発明の実施形態のランドリ機器100である洗濯乾燥機101の斜視図である。
図3図3(a)は、ランドリ機器100の下部に形成される凹部5を示す図であり、図3(b)は、照明部10が凹部5内に取り付けられた状態を示す図である。
図4図4(a)は、図3(a)の線IIIa-IIIaにおける断面図であり、図4(b)は、図3(b)の線IIIb-IIIbにおける断面図である。
図5】複数の光源12が制御部30に接続されることを示す図である。
図6】照明部10により床面に形成される情報表示部50を示す図である。
図7図7(a)は、複数のランドリ機器100により形成される情報表示部50を示す図であり、図7(b)は、複数のランドリ機器100を横方向から見た図である。
図8】ランドリ機器100の運転状態を示す情報表示部50の形成方法を示す模式図である。
図9】比較例に係るランドリ機器である洗濯乾燥機501を示す斜視図である。
図10】本発明の変形例に係るランドリ機器100の照明部10により床面に形成される情報表示部50を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態であるランドリ機器100について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るランドリ機器100が設置されたコインランドリ店舗Tの概略的な構成図である。
【0028】
図1に示すように、コインランドリ店舗Tには、ランドリ機器100としての洗濯乾燥機101および乾燥機102とが設置される。複数のランドリ機器100は、横方向に並ぶように設置される。具体的には、例えば、複数のランドリ機器100のなかで最も左側にあるランドリ機器100が、コインランドリ店舗Tの入口TA近傍に設置され、その他のランドリ機器100は、入口TAから奥行方向に離れるように設置されている。
【0029】
ランドリ機器100は、料金精算機(図示しない)を有しており、ランドリ機器100ごとのローカル決済を行うことができる。図1では、コインランドリ店舗Tに、ランドリ機器100として6台の洗濯乾燥機101と10台の乾燥機102が設置される場合を図示している。なお、コインランドリ店舗Tに設置されるランドリ機器100の種類や台数は、適宜変更してもよい。
【0030】
以下、洗濯乾燥機101の構成について、図2図6に基づいて説明する。
【0031】
本実施形態の洗濯乾燥機101は、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程の順に洗濯運転を実施可能であるとともに乾燥運転を実施可能である。洗濯乾燥機101は、図2に示すように、箱形状の筐体2を有し、筐体2の正面には、正面パネル2aが取り付けられている。筐体2の内部には、洗濯物を収容するための略円筒形状の内周面を有するドラム3が前後方向に延伸する主軸により軸支される。ドラム3は、略円筒形状の内周面を有する外槽内において水平軸を回転軸として回転可能である。
【0032】
筐体2の正面パネル2aには、ドラム3の前端に形成された開口と対向する衣類投入口6が形成される。筐体2には、衣類投入口6を開閉するドア8が設けられ、衣類投入口6は、ドア8により開閉され、ドア8が開放された状態でドラム3内に洗濯物の出し入れが可能となっている。
【0033】
筐体2の正面パネル2aの下方には、照明部10が取り付けられている。照明部10は、水平方向に延びる部材であり、その水平方向長さは、筐体2の正面の横幅と略同一である。図3(a)および図4(a)に示すように、筐体2の正面の下端部には、筐体2の正面の横幅全体にわたって、背面側に向かって凹状に形成される凹部5が形成されている。凹部5の奥側には、上下方向に延びる奥側面5aが配置され、凹部5の上側には、水平方向に延びる上側面5bが配置される。
【0034】
照明部10は、図3(b)および図4(b)に示すように、筐体2の凹部5内に配置される。照明部10は、正面側に向かって開口する開口部11nを有する収容部材11と、収容部材11内において光源12を保持する光源基板13と、開口部11nの上端側を塞ぐように配置された遮蔽部材14とを有している。
【0035】
収容部材11は、床面(設置面)と平行に配置される下部材11aと、凹部5の奥側面5aと平行に配置される奥部材11bと、凹部5の上側面5bと平行に配置される上部材11cとを有している。下部材11a、奥部材11bおよび上部材11cは、1つの部材で形成され、下部材11aおよび上部材11cは、奥部材11bに対して垂直に配置される。なお、収容部材11は、取り付けネジ(図示省略)により凹部5の奥側面5aに対して取り付けられる。
【0036】
複数の光源12は、図3(b)に示すように、床面から所定高さの位置にそれぞれ配置され、水平方向と平行になるように1列に配列される。複数の光源12は、水平方向に向かって光を出射し、所定間隔で配置されている。光源12としては、例えばLEDなどが使用され、各光源12の輝度も個別に設定可能である。光源12は、フルカラーの色の光を出射可能であり、赤・青・緑の発光が可能なものである。
【0037】
光源基板13は、水平方向に延びる板状部材であり、その水平方向長さは、筐体2の正面の横幅と略同一である。光源基板13は、図4(b)に示すように、収容部材11の奥部材11bに沿って配置される。光源基板13は、複数の光源12を保持している。光源基板13は、複数の光源12が凹部5の上下方向中央部よりも上方に偏った位置に配置されるように、複数の光源12を保持している。
【0038】
遮蔽部材14は、水平方向に延びる板状部材であり、その水平方向長さは、筐体2の正面の横幅と略同一である。遮蔽部材14は、光を透過させない部材である。遮蔽部材14は、収容部材11の上部材11cと垂直に配置され、筐体2の正面と略面一に配置される。すなわち、遮蔽部材14は、収容部材11の上部材11cの正面側端部から鉛直下方に向かって延びるように配置される。そのため、遮蔽部材14は、複数の光源12から正面側に離れた位置において、複数の光源12を正面側から覆う位置に配置される。このように、遮蔽部材14が複数の光源12と対向する位置に配置されることで、洗濯乾燥機101を正面側から見たときに、複数の光源12が直接見えないようになっている。これにより、洗濯乾燥機101の意匠性が向上する。
【0039】
遮蔽部材14の上下方向長さは、収容部材11の正面側に形成される開口部11nの上下方向長さよりも短い。そのため、開口部11nの上端側は、遮蔽部材14により遮蔽されるが、開口部11nの下端側は、遮蔽部材14により遮蔽されない。開口部11nにおいて遮蔽部材14により塞がれていない部分に、光源12から出射された光が通過する光通過部16が形成される。光通過部16は、開口部11nの下端部に形成され、光が通過可能なスリットである。すなわち、照明部10に含まれる複数の光源12は、光通過部16よりも高い位置に配置されており、複数の光源12から出射された光は、光通過部16を通過して、筐体2よりも正面側に位置する床面を斜め下方向に照らすことになる。このように、収容部材11および遮蔽部材14により光源基板13を囲うことで、光源12および光源基板13を保護することができるとともに、光通過部16から漏れる光が床面を照らすように構成される。
【0040】
図5に示すように、洗濯乾燥機101において、照明部10に含まれる複数の光源12は、制御部30にそれぞれ接続される。そのため、制御部30は、複数の光源12を別々に制御することができる。すなわち、制御部30は、光源12ごとに、出射する光の色、光量、輝度を制御することができる。
【0041】
照明部10において光源12から光が出射されると、図6に示すように、光源12から出射された光のなかで、光通過部16を通過した光が、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして、情報表示部50を形成する。そのため、コインランドリ店舗Tの利用者が、ランドリ機器100を(正面や横から)見る際には、床面より高い視点から見るので、床面に照らされた情報表示部50を認識することができる。このように、光源12から出射された光が筐体2よりも正面側に位置する床面を斜め下方向に照らすことで、洗濯乾燥機101についての情報(例えばランドリ機器100の種類や運転状態を示す情報)を表示する情報表示部50をより大きな面積とすることで、利用者は情報をより認識しやすくなる。
【0042】
筐体2の幅方向について、1つの光源12から出射された光により形成される情報表示部50は、所定幅を有している。隣接する2つの光源12からそれぞれ出射された光により形成される2つの情報表示部50は、部分的に重なり合う。そのため、複数の光源12からそれぞれ出射された光により形成される複数の情報表示部50は、筐体2の幅方向全体にわたって隙間なく連続している。
【0043】
また、筐体2の正面から正面側に離れる方向については、情報表示部50は、所定長さを有している。洗濯乾燥機101において、情報表示部50の所定長さは、光源12の向き(光を出射する方向)や光通過部16の大きさなどを調整することにより、あらかじめ設定されている。
【0044】
なお、上述したように、洗濯乾燥機101の筐体2の下部に照明部10が配置されており、照明部10に含まれる光源12から出射された光が、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らすことで情報表示部50を形成するが、乾燥機102についても同様である。すなわち、乾燥機102の筐体2の下部に照明部10が配置されており、照明部10に含まれる光源12から出射された光が、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らすことで、乾燥機102についての情報を表示する情報表示部50を形成する。
【0045】
本実施形態のコインランドリ店舗Tにおいては、図7(a)および図7(b)に示すように、複数のランドリ機器100が横方向に並んで設置されているが、ランドリ機器100の正面側には、洗濯物の出し入れがしやすいように比較的大きな空間が形成されている。具体的には、ランドリ機器100の正面側には、洗濯物を載せて移動させるカート60を通過させるためのスペースが確保されている。そのため、ランドリ機器100の正面側の床面には、何も設置されておらず、ランドリ機器100についての情報を表示する情報表示部50を形成するのに適している。
【0046】
図7(a)では、各ランドリ機器100が、ランドリ機器の種類についての情報を表示する情報表示部50を形成する場合が図示されている。すなわち、本実施形態のコインランドリ店舗Tでは、「洗濯乾燥機」を示す色として青色が設定され、「乾燥機」を示す色として黄色が設定されている。
【0047】
そのため、洗濯乾燥機101の正面下部に配置された照明部10は、光源12から青色の光を出射して筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして、青色の光で照らされる情報表示部50を形成する。これに対して、乾燥機102の正面下部に配置された照明部10は、光源12から黄色の光を出射して筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして、黄色の光で照らされる情報表示部50を形成する。
【0048】
よって、コインランドリ店舗Tに出向いた利用者は、各ランドリ機器100の正面側に位置する床面に形成される情報表示部50の色を確認することで、各ランドリ機器100の種類を容易に判別することができる。具体的には、ランドリ機器100の正面側の床面に形成される情報表示部50が青色であれば、そのランドリ機器100が「洗濯乾燥機」であると判別できるとともに、ランドリ機器100の正面側の床面に形成される情報表示部50が黄色であれば、そのランドリ機器100が「乾燥機」であると判別できる。
【0049】
コインランドリ店舗Tにおいて、各ランドリ機器100の照明部10は、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして情報表示部50を形成するが、各ランドリ機器100が形成する情報表示部50の長さ(ランドリ機器100の正面から離れる方向の所定長さ)は略同一に設定されている。そのため、各ランドリ機器100により形成される複数の情報表示部50が横方向に隙間なく連続することにより、複数のランドリ機器100の正面側の床面には、複数の情報表示部50がライン状に形成される。
【0050】
本実施形態において、運転されていない停止状態の各ランドリ機器100は、ランドリ機器の種類についての情報を表示する情報表示部50を形成するが、運転が開始された後は、光源12から出射される光の色によりランドリ機器100の運転内容の表現するようにして、ランドリ機器100の運転状態についての情報を表示する情報表示部50を形成する。なお、情報表示部50によりランドリ機器100の運転状態についての情報を表示する方法は、任意であり、コインランドリ店舗Tごとに適宜設定される。
【0051】
以下、ランドリ機器100の運転状態についての情報を表示する方法の具体例について説明する。図8では、光源12の数を少なくして模式的に図示している。なお、ランドリ機器100の運転状態についての情報を表示する際の光源12の制御方法は、任意である。
【0052】
(具体例1)
図8(a)に示すように、光源12から出射される光の色を、洗濯運転中は「青色」とし、乾燥運転中は「黄色」として情報表示部50を形成する。その場合、ランドリ機器100において洗濯乾燥運転が行われる場合、情報表示部50の色を、洗濯時「青色」とし、乾燥運転に変わった時点で「黄色」に変更して、運転終了後は消灯する。
【0053】
(具体例2)
図8(b)に示すように、光源12から出射される光の色を、運転開始時は全体を「青色」とし、時間経過と共に段階的に「黄色」を混色し(緑色)、運転終了時に全体を「黄色」に変更する。
【0054】
(具体例3)
図8(c)に示すように、横幅全体を全運転時間とし、光源12から出射される光の色を、各行程の割り当て時間ごとに色で表現し(洗濯工程:青色、乾燥工程:黄色)として、工程が進むごとに終了した工程を消灯し、運転終了時には全消灯する。
【0055】
なお、上述した図7(a)および図7(b)では、各ランドリ機器100が、停止状態においてランドリ機器100の種類を示すように青色または黄色の情報表示部50を形成している場合を図示していたが、各ランドリ機器100の運転がそれぞれ開始されると、各ランドリ機器100の正面側に位置する床面に形成される情報表示部50の色が、各ランドリ機器100の運転状態に応じた色に制御される。
【0056】
上述したように、本実施形態のコインランドリ店舗Tでは、複数のランドリ機器100が、コインランドリ店舗Tの入口TA近傍から奥行方向に並ぶように設置されている。近年、コインランドリ店舗Tが、入口TAから奥行方向に向かって延びる空間を有している場合が増えている。このようなコインランドリ店舗Tに出向いた利用者は、図7(b)に示すように、複数のランドリ機器100をほぼ横方から見ることになる。そのとき、本実施形態のコインランドリ店舗Tでは、各ランドリ機器100の照明部10が、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして情報表示部50を形成するため、利用者は、複数のランドリ機器100をほぼ横方から見た場合でも、各ランドリ機器100の情報を示す情報表示部50を容易に確認することができる。
【0057】
これに対して、図9に示す比較例に係るランドリ機器である洗濯乾燥機501では、筐体502の正面パネル502aの一部として照明部510が設けられている。照明部510は、衣類投入口6よりも下方に配置され、複数の光源512と、複数の光源512の正面側に配置される透光部材514とを有している。利用者は、ランドリ機器501を正面側から見た場合に、複数の光源51から出射される光を確認することができる。そのため、ランドリ機器501の照明部510は、筐体250よりも正面側に位置する床面を照らさないように構成されているが、複数の光源512から出射される光が透光部材514を通過することで、ランドリ機器501についての情報を表示することができる。
【0058】
しかしながら、本実施形態の洗濯乾燥機101では、照明部10が、筐体2よりも正面側に位置する床面を照らして情報表示部50を形成するため、情報が表示される情報表示部50の面積を比較的大きくした場合でも、光源12の数を少なくすることができる。これに対して、比較例の洗濯乾燥機501において、本実施形態の洗濯乾燥機101が形成する情報表示部50と略同一の面積の透光部材514に光を通過させて情報を表示しようとすると、光源512の数を増加させる必要がある。例えば、本実施形態の洗濯乾燥機101では、水平方向に配列された1列の光源12を配置すればよいが、比較例の洗濯乾燥機501では、水平方向に配列された2列の光源512を配置する必要がでてくる。このように、本実施形態の洗濯乾燥機101では、筐体2よりも正面側に位置する床面を有効に使用することで、少ない数の光源12により比較的大きい面積の情報表示部50を形成することができる。
【0059】
また、本実施形態の洗濯乾燥機101では、情報表示部50が筐体2よりも正面側に位置する床面に形成されるため、利用者は、複数のランドリ機器100を横方向から見た場合でも、各ランドリ機器100が形成する情報表示部50を容易に確認することができる。これに対して、比較例の洗濯乾燥機501のような複数のランドリ機器が横方向に並ぶように設置されたコインランドリ店舗では、各ランドリ機器についての情報を表示する照明部510(透光部材514)が筐体502の正面パネル502aと面一に配置されるため、利用者が複数のランドリ機器100を横方向から見た場合、各ランドリ機器の照明部510(透光部材514)に表示される情報を容易に確認することができない。
【0060】
以上説明したように本実施形態のランドリ機器100は、コインランドリ店舗Tに設置されるランドリ機器であって、ドラム3を収容する筐体2と、筐体2の下部に配置される照明部10とを有し、照明部10から出射された光により筐体2の正面側に位置する床面(設置面)に情報表示部50が形成される。
【0061】
これにより、筐体2の下部に配置された照明部10により筐体2の正面側に位置する床面を照らして、ランドリ機器100についての情報(例えばランドリ機器100の種類や運転状態)を表示する情報表示部50を形成することができる。そのため、利用者は、遠くからでもランドリ機器100についての情報を容易に把握することができる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0062】
本実施形態のランドリ機器100において、筐体2の正面の下端部には、背面側に向かって凹状に形成される凹部5が形成されており、照明部10は、凹部5内に配置される。
【0063】
これにより、筐体2の正面の下端部に形成される凹部5を利用して、照明部10を配置することができる。
【0064】
本実施形態のランドリ機器100において、照明部10は、正面側に向かって開口する開口部11nを有する収容部材11と、収容部材11内において光源12を保持する光源基板13と、開口部11nの少なくとも一部を塞ぐように配置された遮蔽部材14とを有しており、開口部11nにおいて遮蔽部材14により塞がれていない部分に、光源12から出射された光が通過する光通過部16が形成される。
【0065】
これにより、遮蔽部材14を光源12と対向する位置に配置することで、ランドリ機器100を正面側から見たときに光源12が直接見えないようになる。これにより、ランドリ機器100の意匠性が向上する。
【0066】
本実施形態のランドリ機器100において、遮蔽部材14は、開口部11nの上端側を塞ぐように配置されており、光通過部16は、開口部11nの下端側に形成される。
【0067】
これにより、光源12から出射された光を筐体2の下端部近傍から床面を照らして情報表示部50を形成することができる。
【0068】
本実施形態のランドリ機器100において、光源12は、光通過部16よりも高い位置に配置されており、光源12から出射された光は、床面に向かって光通過部16を斜め下方向に通過して情報表示部50を形成する。
【0069】
これにより、情報表示部50をより大きな面積とすることで、利用者は情報をより認識しやすくなる。
【0070】
本実施形態のランドリ機器100において、遮蔽部材14は、筐体2の正面と略面一に配置される。
【0071】
これにより、照明部10を筐体2の正面と略面一に配置することで、ランドリ機器100の意匠性が向上する。
【0072】
本実施形態のランドリ機器100において、情報表示部50は、筐体2の正面に沿うように形成される。
【0073】
これにより、筐体2の横幅を有効に使用して情報表示部50を形成することができる。
【0074】
本実施形態のランドリ機器100において、照明部10を制御する制御部30(制御手段)を備え、制御部30は、ランドリ機器100の種類に応じて照明部10を制御する。
【0075】
これにより、コインランドリ店舗Tに出向いた利用者は、例えば洗濯機、洗濯乾燥機、乾燥機などのランドリ機器の種類を容易に判別することができる。
【0076】
本実施形態のランドリ機器100において、照明部10を制御する制御部30(制御手段)を備え、制御部30は、ランドリ機器100の運転状態に応じて照明部10を制御する。
【0077】
これにより、ランドリ機器100の運転を開始した後で運転終了を待つ利用者は、例えば洗濯運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転などのランドリ機器の運転状態を容易に把握することができる。
【0078】
本実施形態のコインランドリ店舗Tは、ランドリ機器100が設置されたコインランドリ店舗であって、ランドリ機器100の筐体2の正面側には、洗濯物を載せて移動させるカート60が通過可能なスペースがある。
【0079】
これにより、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100の正面側に必ず設置されるスペースを利用して、情報表示部50を形成することができる。
【0080】
本実施形態のコインランドリ店舗Tは、ランドリ機器100が設置されたコインランドリ店舗であって、ランドリ機器100が横方向に複数並んでいる。
【0081】
これにより、各ランドリ機器100の正面側に位置する床面が照らされて情報表示部50が形成されるため、複数並んだランドリ機器100を横方向から見た場合でも、情報表示部50を容易に確認することができる。
【0082】
本実施形態のコインランドリ店舗Tにおいて、複数のランドリ機器100の正面側に形成される情報表示部50が、横方向に連続するように形成される。
【0083】
これにより、コインランドリ店舗Tとして一体感のあるデザインを形成することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0085】
例えば上記実施形態では、光源12を正面から覆うように遮蔽部材14が配置されているが、それに限られない。例えば、図10に示すように、遮蔽部材14の代わりに、光源12から出射された光を通過させる透光部材114が取り付けられてもよい。透光部材114としては、透明樹脂またはガラスで形成された部材を使用可能である。その場合、路用者は、筐体2を正面側から見た場合に、透光部材114を正面側に向かって通過する光を確認することができる。また、透光部材114が取り付けられている場合、遮蔽部材14が取り付けられている場合と比べて、各ランドリ機器100の正面側に位置する床面に形成される情報表示部50の面積が大きくなる場合がある。
【0086】
上記実施形態では、各ランドリ機器100が形成する情報表示部50の長さ(ランドリ機器100の正面から離れる方向の所定長さ)は略同一に設定されているが、それに限られない。情報表示部50の形状などは、任意に設定してよい。
【0087】
上記実施形態では、光源12として、フルカラーの色の光を出射可能なLEDが使用されるが、それに限られない。光源12は、光を出射するものであれば、LED以外のものを使用してもよい。また、光源12として、フルカラーの色の光を出射可能でなく、単色の光を出射可能なものでもよい。照明部10に含まれる光源12の数及び配置は、任意である。また、ランドリ機器100の種類を示すために光源12から出射される光の色、光の輝度などや、ランドリ機器100の運転状態を示すために光源12から出射される光の色、光の輝度などは、任意に設定してよい。
【0088】
上記実施形態では、ランドリ機器100が床面に設置されているが、それに限られない。例えば、ランドリ機器100が床面に置かれた支持台上に設置されてもよい。その場合、筐体2の下部に配置された光源12により筐体2の正面側に位置する支持台(設置面)に対して光を出射することで、筐体2の正面側に位置する支持台(設置面)に情報表示部50が形成される。
【0089】
上記本実施形態では、入口TAから奥行方向に向かって延びる空間を有するコインランドリ店舗Tについて説明したが、それに限られない。コインランドリ店舗Tが有する空間の形状は、任意である。
【0090】
上記本実施形態では、ランドリ機器100である洗濯乾燥機101,乾燥機102について説明したが、それに限られない、本発明のランドリ機器100は、例えば洗濯機などでもよく、ランドリ機器の種類は問わない。また、従来のランドリ機器に対して、上記実施形態と同様の照明部10を後付けすることにより、本発明のランドリ機器とすることもできる。
【符号の説明】
【0091】
2 筐体
3 ドラム
5 凹部
10 照明部
11 収容部材
11n 開口部
12 光源
13 光源基板
14 遮蔽部材
16 光通過部
30 制御部(制御手段)
50 情報表示部
60 カート
100 ランドリ機器
101 洗濯乾燥機
102 乾燥機
T コインランドリ店舗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10