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特開2025-24964掃除機管理システムおよび掃除機管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024964
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】掃除機管理システムおよび掃除機管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L9/28 E
A47L9/28 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129374
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉野 知也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
(72)【発明者】
【氏名】徳永 益規
(72)【発明者】
【氏名】田中 恵美
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA00
(57)【要約】
【課題】
本発明では、充電容量と掃除量や洗濯量といった処理量に対応する家電の駆動数量の関係を把握できる情報処理技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、蓄電池を有する掃除機2と利用者端末1を有する掃除機管理システムにおいて、前記蓄電池の充電容量を含むログデータを収集するログデータ収集部13と、前記掃除機2の駆動における駆動数量を示す駆動数量関連情報を作成する駆動数量関連情報作成部であって、駆動時間情報作成部14と駆動可能領域推定部15を有する駆動数量関連情報作成部と、前記駆動数量関連情報を表示する出力部18を有する掃除機管理システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を有する掃除機と利用者端末を有する掃除機管理システムにおいて、
前記蓄電池の充電容量を含むログデータを収集するログデータ収集部と、
前記掃除機の駆動における駆動数量を示す駆動数量関連情報を作成する駆動数量関連情報作成部と、
前記駆動数量関連情報を表示する出力部を有する掃除機管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除機管理システムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記掃除機の駆動に関する駆動関連時間情報を作成する駆動時間情報作成部であり、
当該駆動時間情報作成部は、前記充電容量に応じて、前記掃除機が駆動可能な駆動可能時間を推定する駆動可能時間推定部を有し、
前記出力部は、前記駆動可能時間を出力する掃除機管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の掃除機管理システムにおいて、
前記駆動可能時間推定部は、前記掃除機の運転モードに応じた駆動可能時間を推定し、
前記出力部は、前記駆動可能時間および前記運転モードを出力する掃除機管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の掃除機管理システムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記充電容量に応じて、所定の運転モードで前記掃除機が駆動可能な駆動可能領域を推定する駆動可能領域推定部であり、
前記出力部は、前記駆動可能領域を出力する掃除機管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の掃除機管理システムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記掃除機の駆動に関する駆動関連時間情報を作成する駆動時間情報作成部であり、
当該駆動時間情報作成部は、前記充電容量に応じた、前記掃除機への必要充電量を算出し、に当該必要充電量の充電に必要な充電時間を推定する充電時間を推定する充電時間推定部を有し、
前記出力部は、前記充電時間を出力する掃除機管理システム。
【請求項6】
請求項1に掃除機管理システムにおいて、
さらに、前記ログデータに基づき、掃除実績を特定し、当該掃除実績に応じた前記掃除機の利用者の掃除成績として算出する掃除機管理部を有する掃除機管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の掃除機管理システムにおいて、
さらに、
前記掃除機に設けられ、塵埃を紙パックに集塵する際の目詰まり状況を検知する検知部と、
前記目詰まり状況を用いて、前記紙パックの目詰まりの解消時期を、前記紙パックの交換時期として推定し、当該紙パックの交換時期に応じて、当該紙パックを発注する掃除機管理部を有する掃除機管理システム。
【請求項8】
蓄電池を有する掃除機と接続するコンピュータである利用者端末を、
前記蓄電池の充電容量を含むログデータを収集するログデータ収集部と、
前記掃除機の駆動における駆動数量を示す駆動数量関連情報を作成する駆動数量関連情報作成部と、
前記駆動数量関連情報を表示する出力部として機能させる掃除機管理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記掃除機の駆動に関する駆動関連時間情報を作成する駆動時間情報作成部であり、
当該駆動時間情報作成部は、前記充電容量に応じて、前記掃除機が駆動可能な駆動可能時間を推定する駆動可能時間推定部を有し、
前記出力部は、前記駆動可能時間を出力する掃除機管理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記駆動可能時間推定部は、前記掃除機の運転モードに応じた駆動可能時間を推定し、
前記出力部は、前記駆動可能時間および前記運転モードを出力する掃除機管理プログラム。
【請求項11】
請求項8に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記充電容量に応じて、所定の運転モードで前記掃除機が駆動可能な駆動可能領域を推定する駆動可能領域推定部であり、
前記出力部は、前記駆動可能領域を出力する掃除機管理プログラム。
【請求項12】
請求項8に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記駆動数量関連情報作成部は、前記掃除機の駆動に関する駆動関連時間情報を作成する駆動時間情報作成部であり、
当該駆動時間情報作成部は、前記充電容量に応じた、前記掃除機への必要充電量を算出し、に当該必要充電量の充電に必要な充電時間を推定する充電時間を推定する充電時間推定部を有し、
前記出力部は、前記充電時間を出力する掃除機管理プログラム。
【請求項13】
請求項8に掃除機管理プログラムにおいて、
前記利用者端末を、さらに、前記ログデータに基づき、掃除実績を特定し、当該掃除実績に応じた前記掃除機の利用者の掃除成績として算出する掃除機管理部として機能させる掃除機管理プログラム。
【請求項14】
請求項8に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記利用者端末を、さらに、
前記掃除機に設けられ、塵埃を紙パックに集塵する際の目詰まり状況を検知する検知部と、
前記目詰まり状況を用いて、前記紙パックの目詰まりの解消時期を、前記紙パックの交換時期として推定し、当該紙パックの交換時期に応じて、当該紙パックを発注する掃除機管理部として機能させる掃除機管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電式の家電の稼働、駆動(以下、単に駆動)を管理するための技術に関する。その中でも特に、掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)技術の進歩により、IoT家電やスマート家電と呼ばれる情報処理技術を応用した各機能、サービスを享受可能な家電が普及している。例えば、センシング技術を用いて、掃除の実績を推定したり、集塵フィルタの交換時期を出力したりする技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、掃除実績を表示する技術が開示されている。具体的には、「清掃具に設けられた動き検出部による動き検出に基づくデータを取得するデータ取得部260(通信部)と、データ取得部260により取得された前記データを用いて、前記清掃具を用いて行われた掃除の実績を示す実績画面を生成する表示制御部256と、を備える」スマーフォンで代表される情報処理装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、集塵フィルタの購入を促す技術が開示されている。具体的には、「電気掃除機10-1に装着された集塵フィルタ80における塵蓄積度Kを推定する塵蓄積度推定部916と、塵蓄積度Kに基づいて集塵フィルタ80の交換を促す交換報知部912と、使用済の集塵フィルタ80の数を計数する枚数管理部910と、枚数管理部910の計数結果に基づいて集塵フィルタ80の発注を促す発注処理部914と、を備える」電気掃除機用管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-192167号公報
【特許文献2】特開2022-19363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、掃除機については、取り回しの良さや持ち運びやすさの利点から、コードレス掃除機が普及している。コードレス掃除機は、充電式掃除機であり、蓄電池(バッテリ)を有している。このため、バッテリ残量を示す充電容量によって、掃除ができる範囲・領域、時間といった掃除量が変わってくる。例えば、家屋内の全部屋を掃除したいと考えても、充電容量が少ない場合、途中で掃除できなくなってしまう。
【0007】
このことに対応するために、通常は利用者が掃除機に表示される充電容量を示すインジケータを確認にすることになる。但し、インジケータと掃除量の関係は不明であり、利用者が希望する掃除できるほど充電容量があるかを勘で判断するしかなかった。また、充電容量が少なくなった場合、充電する必要があるが、希望する掃除量の掃除を行うために、どの程度充電すべきかについても不明であった。これら、充電容量と掃除量の関係については、特許文献1や2でも特に考慮されていない。
【0008】
ここで、掃除量といった家電の処理量については、家電が駆動に関する数量と対応関係を有する。例えば、掃除機の駆動時間が長いほど、掃除された時間や領域が広くなる傾向にある。そこで、本発明では、充電容量と掃除量や洗濯量といった処理量に対応する家電の駆動数量の関係を把握できる情報処理技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では、家電の充電容量に応じて、当該家電の駆動における数量を示す駆動数量関連情報を出力する。
【0010】
より具体的な本発明の一態様は、蓄電池を有する掃除機と利用者端末を有する掃除機管理システムにおいて、前記蓄電池の充電容量を含むログデータを収集するログデータ収集部と、前記掃除機の駆動における駆動数量を示す駆動数量関連情報を作成する駆動数量関連情報作成部と、前記駆動数量関連情報を表示する出力部を有する掃除機管理システムである。
【0011】
また、本発明には、掃除機管理システムを構成する各装置やサブコンビネーションも含まれる。さらに、これらによる掃除管理方法やこれら各装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムやこれを格納した記憶媒体も、本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、充電容量と家電の駆動数量の関係を把握でき、利用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。
図3】本発明の一実施形態で用いられる掃除機管理情報191を示す図である。
図4】本発明の一実施形態で用いられる掃除領域情報192を示す図である。
図5】本発明の一実施形態における掃除機2の機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態におけるセットアップ処理を示すフローチャートである。
図7A】本発明の一実施形態における設定内容入力画面181を示す図である。
図7B】本発明の一実施形態における掃除指示画面182を示す図である。
図7C】本発明の一実施形態における計測中画面183を示す図である。
図7D】本発明の一実施形態における計測時間表示画面184を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における駆動数量関連情報の提供処理を示すフローチャートである。
図9A】本発明の一実施形態における駆動数量関連情報選択画面185を示す図である。
図9B】本発明の一実施形態における時間入力画面186を示す図である。
図9C】本発明の一実施形態における部屋入力画面187を示す図である。
図9D】本発明の一実施形態における充電提案表示画面188を示す図である。
図9E】本発明の一実施形態における駆動関連時間画面189aを示す図である。
図9F】本発明の一実施形態における駆動可能領域画面189bを示す図である。
図9G】本発明の一実施形態における充電提案表示画面188Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、掃除機を家電の一例として、充電容量と駆動数量を示す駆動数量情報を提供する。図1は、本実施形態における掃除機管理システムのシステム構成図である。本実施形態の掃除機管理システムは、利用者端末1および掃除機2を有する。そして、これらは、直接もしくはルータやネットワークを介して互いに接続される。さらに、望ましくは、消耗品などを販売するための販売窓口装置と接続される。なお、本実施形態では、利用者端末1と掃除機2が連携して、駆動数量情報を提供するが、掃除機2単体など別の連携方法を用いてもよい。つまり、図1や後述の図5に示すように、利用者端末1および掃除機2は、互いに同様の構成(部)を有するが、これらは少なくとも一方の装置が有していればよい。
【0015】
以下、本実施形態の構成について説明する。図1において、掃除機2として、ロボット掃除機21およびスティック型掃除機22を例示する。このように、本実施形態の掃除機2は、充電式の電池、つまり、蓄電池を有していればよく、その形式は問わない。また、これらは、利用者やその家族によって利用される。さらに、スティック型掃除機22も手動式の掃除機であればよく、他の形状であったもよい。
【0016】
そして、本実施形態では、掃除機2の蓄電池における充電容量に応じて、掃除機2の駆動における数量を示す駆動数量関連情報を作成し、これを出力することになる。この「駆動数量関連情報」には、掃除機2の駆動に関する「駆動関連時間」および「駆動可能領域」の少なくとも一方が含まれる。また、「駆動関連時間」には、「駆動可能時間」および「充電時間」の少なくとも一方が含まれる。これらの詳細については、追って説明する。
【0017】
以下、駆動数量関連情報の提供処理を行うための各装置について説明する。まず、利用者端末1は、掃除機2を利用する利用者により用いられ、掃除機2を管理、操作する機能を有する。このために、利用者端末1は、通信部11、掃除機管理部12、ログデータ収集部13、駆動時間情報作成部14、駆動可能領域推定部15、領域設定部16、入力部17、出力部18および記憶部19を有する。通信部11は、ルータやネットワークを介した通信や近距離無線通信機能を有する。この結果、利用者端末1は、掃除機2や販売窓口装置と通信できる。
【0018】
また、掃除機管理部12は、掃除機2の管理等を実行する。例えば、掃除機管理部12は、利用者の操作等に従って、掃除機2の駆動を制御する制御指令を作成したり、掃除機2の消耗品や部品の他、新たに家電を購入するための発注処理を実行したりする。さらに、掃除機管理部12は、掃除機2の掃除の実績に応じて、利用者に付与するポイントを算出する機能を有してもよい。このため、掃除機管理部12は、制御指令を作成する制御指令部、消耗品や家電を購入するための家電購入部およびポイントを算出するポイント算出部として実現してもよい。
【0019】
また、ログデータ収集部13は、掃除機2の駆動状況を示すログデータを収集する。このログデータには、掃除機2の蓄電池のバッテリ残量である充電容量が含まれる。また、駆動時間情報作成部14は、充電容量に応じて、掃除機2の駆動における数量を示す駆動数量関連情報を作成する。上述のように、駆動数量関連情報には、駆動関連時間および駆動可能領域が含まれる。このため、駆動時間情報作成部14は、駆動可能時間を推定する駆動可能時間推定部141および充電時間を推定する充電時間推定部142を有する。
【0020】
また、駆動可能領域推定部15は、充電容量に応じて、掃除機2が駆動可能な領域を示す駆動可能領域を推定する。なお、本実施形態では、領域として家屋における部屋を用いるが、領域はこれに限定されない。例えば、ビル内のフロア、オフィスや部屋の一部などを領域として扱うことができる。ここで、駆動時間情報作成部14および駆動可能領域推定部15により、駆動数量関連情報が作成されることになる。このため、駆動時間情報作成部14および駆動可能領域推定部15は、駆動数量関連情報作成部として構成できる。また、領域設定部16は、領域ごとに、その駆動時間や必要充電時間といった掃除領域情報192を設定する。この設定は、セットアップ処理として実行される。
【0021】
また、入力部17は、利用者から各種操作を受け付ける。この操作には、掃除機2の駆動のための操作、掃除領域情報の設定のための操作、駆動数量関連情報を確認するための操作などが含まれる。
【0022】
また、出力部18は、作成された駆動数量関連情報や掃除領域情報の設定画面などを出力する。この出力は、画面上での表示であってもよいし、スピーカでの音声の出力であってもよい。また、記憶部19は、上述の各部での処理に用いられる情報を記憶する。本実施形態では、掃除機管理情報191および掃除領域情報192を記憶する。
【0023】
次に、利用者端末1の一実現例について説明する。図2は、本実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。図2において、利用者端末1は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103、記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0024】
まず、タッチパネル101は、図1の入力部17および出力部18を兼ねた構成であり、利用者の指示、操作を受け付けたり、付与された制限付ポイントなど各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されている掃除機管理プログラム105に従って演算を実行する。
【0025】
また、通信装置103は、図1の通信部11に相当し、掃除機2や販売窓口装置などと通信を行う。この通信は、ルータやネットワークを介して行ってもよいし、近距離無線通信などで直接行ってもよい。
【0026】
また、記憶装置104は、図1の記憶部19に相当し、掃除機管理プログラム105掃除機管理情報191および掃除領域情報192を記憶する。そして、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。
【0027】
また、掃除機管理プログラム105は、その機能ごとに、掃除機管理モジュール106、ログデータ収集モジュール107、駆動可能時間推定モジュール108、充電時間推定モジュール109、駆動可能領域推定モジュール110および領域設定モジュール111で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。さらに、駆動可能時間推定モジュール108および充電時間推定モジュール109は、駆動時間情報作成部を作成する駆動時間情報作成部モジュールとして構成してもよい。またさらに、駆動可能時間推定モジュール108、充電時間推定モジュール109および駆動可能領域推定モジュール110は、駆動数量関連情報作成モジュールとして構成してもよい。
【0028】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は以下のとおりである。
掃除機管理モジュール106:掃除機管理部12
ログデータ収集モジュール107:ログデータ収集部13
駆動可能時間推定モジュール108:駆動可能時間推定部141
充電時間推定モジュール109:充電時間推定部142
駆動可能領域推定モジュール110:駆動可能領域推定部15
領域設定モジュール111:領域設定部16
なお、掃除機管理プログラム105は、掃除機2以外の家電も含む複数の家電を管理する統合管理アプリケーションとして実現してもよい。さらに、掃除機管理モジュール106については、制御指令部や家電購入部に相当する制御指令プログラムや家電購入プログラムを設けてもよい。またさらに、家電購入プログラムは、決済機能を有するSNS(Social Networking Service)プログラムといったいわゆるスーパーアプリの一機能として実現してもよいし、いわゆる通販アプリ(ショッピングアプリ)として実現できる。
【0029】
以上の構成において、処理装置102は、掃除機管理プログラム105に従って、ログデータ収集部13、駆動時間情報作成部14(駆動可能時間推定部141、充電時間推定部142)、駆動可能領域推定部15および領域設定部16の処理を実行することになる。
【0030】
次に、利用者端末1が記憶する掃除機管理情報191および掃除領域情報192について説明する。まず、図3は、本実施形態で用いられる掃除機管理情報191を示す図である。掃除機管理情報191は、掃除機2を管理するための情報であり、駆動、例えば、蓄電池の性能を示す情報である。このため、掃除機管理情報191は、掃除機ごとに、充電速度および消費電力量の各項目を有する。本実施形態では、掃除機2として、ロボット掃除機21およびスティック型掃除機22を用いているが、本発明はこれらに限定されない。
【0031】
また、充電速度は、該当の掃除機における単位時間当たりの充電される電力量を示す充電速度を示す。なお、これは一般家庭の電源を用いた場合の充電速度を用いることができ、学習機能や利用者の操作により修正可能とする。また、消費電力量は、単位面積および単位時間当たりの消費電力量を示す。
【0032】
また、図4は、本実施形態で用いられる掃除領域情報192を示す図である。掃除領域情報192は、掃除機2に対して設定される、各領域に対する駆動に関する情報である。このため、掃除領域情報192は、図4に示すように、掃除機2のそれぞれについて、部屋、面積、運転モード、掃除時間および必要充電時間の各項目を有する。
【0033】
ここで、部屋は、領域の一例であり、掃除の対象や駆動数量関連情報の単位となる。また、面積は、該当の部屋の面積を示す。この面積の単位は、掃除機管理情報191の消費電力量の単位面積と合わせることが望ましい。
【0034】
また、運転モードは、該当の部屋を掃除機2(図4の例ではスティック型掃除機22)で掃除する際に用いる運転モードであり、「リビング」については「標準」モードが設定されている。また、掃除時間は、該当の部屋に対して、対応する運転モードでスティック型掃除機22を駆動した場合に掛かる掃除時間を示す。なお、掃除時間は、運転モードが設定されていない他の運転モードについても設定可能である。
【0035】
さらに、必要充電時間は、該当の部屋に対して、対応する運転モードでスティック型掃除機22を駆動するための必要となる電力量を充電するために掛かる充電時間を示す。本実施形態では、該当の掃除機2の蓄電池の残量が0の場合の充電時間を示す。なお、必要充電時間に代えてもしくはこれと共に、必要充電量を用いてもよい。これも掃除機2の蓄電池の残量が0の場合の充電量を示す。
【0036】
次に、本実施形態の掃除機2の構成について説明する。本実施形態では、各掃除機2(ロボット掃除機21およびスティック型掃除機22)は、共通の情報処理を実行するため、まとめてその構成、機能を説明する。図5は、本実施形態における掃除機2の機能ブロック図である。図5において、掃除機2は、制御部201、通信部208、表示操作部209、駆動部210、検知部211および蓄電池212を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0037】
まず、制御部201は、掃除の機能を実現するための制御信号を作成して掃除機2の駆動を制御したり、その他情報処理を実行したりする。このために、制御部201は、制御信号作成部202、ログデータ収集部203、駆動可能時間推定部204、充電時間推定部205、駆動可能領域推定部206および領域設定部207を有する。
【0038】
制御信号作成部202は、表示操作部209への利用者からの操作や利用者端末1からの制御指令に従った掃除機能を実行するための制御信号を作成する。また、ログデータ収集部203~領域設定部207は、それぞれ利用者端末1のログデータ収集部13、駆動可能時間推定部141、充電時間推定部142、駆動可能領域推定部15および領域設定部16と同様の機能を有する。このため、これらの機能の説明は省略する。なお、ログデータ収集部203は、駆動部210、検知部211や蓄電池212からログデータを収集する。なお、ログデータには、駆動部210の駆動の状況やその際の蓄電池212の残量である蓄電容量が含まれる。また、ログデータには、検知部211で検知された掃除機2の位置情報を含めることができる。これを用いることで、掃除の実績を特定できる。
【0039】
また、上述のように利用者端末1には、駆動可能時間推定部204~領域設定部207に対応する機能を設けることができるので、これらの内の少なくとも1つを省略できる。また、制御部201には、収集されたログデータや自身の掃除機管理情報や掃除領域情報を記憶することが望ましい。なお、制御部201は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能である。このため、制御部201は、制御信号作成部202~領域設定部207の各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。
【0040】
また、通信部208は、ルータやネットワークを介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部208は、利用者端末1にログデータを通知したり、利用者端末1から制御指令を受け付けたりする。
【0041】
また、表示操作部209は、利用者から掃除機2に対する操作を受け付けたり、蓄電池212の充電状況、駆動数量関連情報や掃除機2で実行された掃除内容を出力したりする。また、駆動部210は、制御信号作成部202で作成された制御信号に従って駆動する。さらに、検知部211は、駆動部210の駆動内容、駆動時間(日時)、駆動位置(位置情報)や蓄電池の充電容量といった駆動状況を検知する。このため、検知部211は、検知対象ごとに複数用意することが望ましく、各種センサで実現できる。
【0042】
また、蓄電池212は、充電式の電池であり、リチウムイオン電池等その種別は問わない。以上で、本実施形態の構成および情報の説明を終わり、続いて本実施形態における処理フローについて説明する。
【0043】
本実施形態における処理フローは、セットアップ処理と駆動数量関連情報の提供処理からなる。以下、これらをそれぞれ説明する。以下では、各処理の処理主体を、図1図5に示す機能ブロック図の構成を用いて説明する。図6は、本実施形態におけるセットアップ処理を示すフローチャートである。このセットアップ処理では、掃除領域情報192の設定を行うことになる。
【0044】
図6のステップS1において、利用者端末1の入力部17が、利用者からセットアップ指示を受け付ける。これを受けて、領域設定部16が、出力部18に掃除領域情報192における設定内容を受け付ける設定内容入力画面181を表示させる。そして、ステップS2において、入力部17が、利用者から設定内容入力画面に対する設定内容を受け付ける。そして、領域設定部16が、設定内容を取得し、これを掃除領域情報192に登録する。
【0045】
ここで、設定内容入力画面181を図7Aに示す。図7Aにおいて、設定内容入力画面181は、入力指示エリア181-1、部屋入力エリア181-2、運転モード入力エリア181-3および設定ボタン181-4で構成される。入力指示エリア181-1には、利用者に対して、設定内容の一例である「部屋」と「運転モード」の入力を促すメッセージが表示される。また、部屋入力エリア181-2は、掃除領域情報192の部屋を入力するための表示エリアである。ここで、部屋とは、これから掃除機2で掃除する部屋であり、その名称は利用者が名付けることができる。
【0046】
また、運転モード入力エリア181-3は、これから実行する掃除での運転モードを入力するための表示エリアである。ここで、運転モードとは、掃除機2が備える駆動の種別を示すもので、掃除機2に複数設けられている。そこで、本実施形態では、ラジオボタンで運転モード入力エリア181-3を構成し、運転モードを選択可能としている。
【0047】
なお、図7Aに示す部屋入力エリア181-2および運転モード入力エリア181-3の入力形式は、それぞれ一例であり、他の形式に置き換え可能である。例えば、運転モード入力エリア181-3も部屋入力エリア181-2と同様に、文字入力形式としてもよいし、ラジオボタン以外の選択式としてもよい。さらに、部屋入力エリア181-2にその面積(何畳)を入力する入力エリアを設け、利用者からの入力を受け付けることが望ましい。
【0048】
また、設定ボタン181-4は、部屋入力エリア181-2および運転モード入力エリア181-3への入力が完了したことを確定するためのボタンである。この設定ボタン181-4が押されることで、領域設定部16が、設定内容を掃除領域情報192に登録する。具体的には、領域設定部16が、設定内容として、「部屋」と「運転モード」を登録する。さらに、部屋の「面積」も設定される。ここで、「部屋」、「運転モード」、「面積」の登録は以下のとおり行われる。まず、領域設定部16は、掃除領域情報192にステップS2で入力された「部屋」が登録されている場合、該当のレコードに「運転モード」や「面積」を登録する。さらに、ステップS2で入力された「部屋」が登録されていない場合、領域設定部16は「部屋」のレコードを作成し、当該レコードに「運転モード」や「面積」を登録する。また、設定ボタン181-4が押されることで、ステップS2からステップS3に遷移する。
【0049】
ステップS3において、掃除機管理部12が、通信部11を用いて掃除機2に、入力された運転モードを含むセットアップ制御指令を通知する。また、設定ボタン181-4が押されることで、出力部18が、利用者に掃除機2の掃除を促す掃除指示画面182を表示する。図7Bは、本実施形態における掃除指示画面182を示す図である。図7Bにおいて、掃除指示画面182は、掃除指示表示エリア182-1および測定通知エリア182-2で構成される。掃除指示表示エリア182-1には、利用者に対し、ステップS2で入力された「運転モード」で「部屋」の掃除を促すメッセージが表示される。ここで、運転モードについては、掃除機2に対して、利用者が表示操作部209に対して手動で設定してもよいし、ステップS3で通知されるセットアップ指令に含まれる運転モードに応じて自動的に設定してもよい。また、測定通知エリア182-2には、掃除機2での掃除の際に、時間が計測される旨のメッセージが表示される。なお、図7Bの測定通知エリア182-2では時間の計測のみが表示されるが、蓄電池212の充電容量等他の情報の計測を妨げない。
【0050】
図6に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS4において、掃除機2の通信部208が、通知されたセットアップ指令を受け付ける。これを受けて、制御信号作成部202が、セットアップ指令に含まれる運転モードを設定し、表示操作部209が利用者から掃除開始指示を受け付ける。
【0051】
そして、ステップS5において、検知部211が、蓄電池212の充電容量を検知する。この結果、掃除前の充電容量が特定されることになる。また、ステップS6において、検知部211が、時間の計測を開始する。そして、ステップS7において、利用者が掃除機を「部屋」として入力されたリビングに掃除機2を移動させ、掃除を開始する。つまり、掃除機2の駆動部210が駆動する。なお、この掃除は、セットアップ指令に従って、掃除機2が自動的に開始してもよい。また、運転モードも利用者が手動で設定してもよい。この場合、表示操作部209は、運転モードとしてステップS2で設定された運転モードの入力を促す表示を行うことが望ましい。
【0052】
なお、ステップS6ないしステップS7を条件に、利用者端末1の出力部18が、時間を計測している旨のメッセージを表示する計測中画面183を表示する。この計測中画面183を図7Cに示す。なお、計測中画面183と同様の表示を、掃除機2の表示操作部209で実行してもよい。さらに、計測中画面183と同様の内容を音声で出力してもよい。
【0053】
また、ステップS8において、制御信号作成部202が、ステップS7で開始された駆動(掃除)が終了したかを判定する。このために、表示操作部209の終了ないし電源ボタンが押されたが判定される。この結果、終了した場合(YES)、ステップS9に遷移する。また、終了していない場合(NO)、ステップS6以降の処理を継続する。
【0054】
また、ステップS9において、検知部211が、蓄電池212の充電容量を検知する。この結果、掃除後の充電容量が特定されることになる。また、ステップS10において、検知部211が、時間の計測を終了する。これを受け、ログデータ収集部203が、計測された時間および掃除前後の充電容量を取得し、通信部208を用いて利用者端末1に通知する。
【0055】
また、ステップS12において、利用者端末1の通信部11が、通知された計測された時間および掃除前後の充電容量を受け付ける。そして、ステップS13において、領域設定部16が、通知された計測された時間および掃除前後の充電容量を、掃除領域情報192に登録する。具体的には、領域設定部16は、計測された時間を、掃除領域情報192のうちステップS2で登録された「部屋」のレコードの掃除時間に登録する。また、領域設定部16は、掃除前後の充電容量の差分を、同様にステップS2で登録された「部屋」のレコードの必要充電時間に登録する。なお、掃除前後の充電容量の差分は、領域設定部16が算出してもよいし、掃除機2で算出してもよい。
【0056】
さらに、領域設定部16は、図7Dに示すように、出力部18に計測された時間を示す計測時間表示画面184を表示する。図7Dに示すように、計測時間表示画面184は対象の部屋であるリビングにおける掃除時間が3分であることを示している。さらに、本実施形態では、その掃除時間がアプリ(掃除機管理プログラム105)に、つまり、掃除領域情報192に登録されたことも示している。このことで、利用者はセットアップ処理が終了したことを把握できる。このため、利用者が誤って掃除機2の電源を切った場合など、掃除領域情報192が誤登録されたことを把握でき、再セットアップ処理を行うことができる。以上で、本実施形態のセットアップ処理の説明を終わる。
【0057】
次に、本実施形態における駆動数量関連情報の提供処理について説明する。本実施形態における駆動数量関連情報の提供処理は、掃除機2を通常使用、つまり、通常の掃除で使用する場合に実行される処理である。
【0058】
図8は、本実施形態における駆動数量関連情報の提供処理を示すフローチャートである。図8のステップS14において、利用者端末1の入力部17が、利用者から通常使用指示を受け付ける。そして、ステップS15において、入力部17が、駆動対象を受け付ける。ここで、駆動対象とは、駆動数量関連情報として、駆動可能領域(部屋)と駆動可能時間のいずれの提供を希望するかを示す。このため、掃除機管理部12が、出力部18に、駆動数量関連情報選択画面185を表示させる。
【0059】
ここで、図9Aは、本実施形態における駆動数量関連情報選択画面185を示す図である。図9Aにおいて、駆動数量関連情報選択画面185は、選択指示エリア185-1および選択ボタンエリア185-2で構成される。選択指示エリア185-1には、選択ボタンエリア185-2は、利用者から選択を受け付ける時間ボタンと部屋ボタンを表示する。
【0060】
そして、ステップS15において、入力部17が、駆動数量関連情報選択画面185に対する選択を受け付ける。この選択に応じて、掃除機管理部12が、出力部18に、図9Bの時間入力画面186もしくは図9Cの部屋入力画面187のいずれかを表示させる。そして、図9Aで時間ボタンが選択された場合には時間入力画面186が表示される。この時間入力画面186は、時間選択指示エリア186-1、運転モード入力エリア186-2、時間入力エリア186-3および設定ボタン186-4で構成される。
【0061】
まず、時間選択指示エリア186-1には、利用者に対して、運転モードや時間の入力を促すメッセージが表示される。また、運転モード入力エリア186-2は、利用者が希望する掃除での運転モードを入力するための表示エリアである。この運転モード入力エリア186-2は、ラジオボタンで選択的に入力を受け付ける。
【0062】
また、時間入力エリア186-3は、利用者が希望する掃除での時間(掃除候補時間)を入力するための表示エリアである。この時間入力エリア186-3は、ドラムロールで選択的に入力を受け付ける。なお、運転モード入力エリア186-2および時間入力エリア186-3の入力形式は、それぞれ一例であり、他の形式に置き換え可能である。例えば、文字入力により入力を受け付けるように構成してもよい。
【0063】
また、設定ボタン186-4は、運転モード入力エリア186-2および時間入力エリア186-3への入力が完了したことを確定するためのボタンである。この設定ボタン186-4が押されることで、ステップS16に遷移する。
【0064】
また、図9Aで部屋ボタンが選択された場合には、図9Cに示される部屋入力画面187が表示される。この部屋入力画面187は、部屋選択指示エリア187-1、部屋入力エリア187-2および設定ボタン187-3で構成される。
【0065】
まず、部屋選択指示エリア187-1には、利用者に対して、部屋の入力を促すメッセージが表示される。また、部屋入力エリア187-2は、利用者が希望する掃除対象の部屋(掃除候補領域)を入力するための表示エリアである。この部屋入力エリア187-2は、ラジオボタンで選択的に入力を受け付ける。但し、入力形式はこれに限定されない。
【0066】
また、設定ボタン187-3は、部屋入力エリア187-2への入力が完了したことを確定するためのボタンである。この設定ボタン187-3が押されることで、ステップS16に遷移する。以上の処理により、ステップS15では駆動対象における駆動数量(掃除時間や領域)の入力を受け付けることになる。この駆動対象には、時間=駆動候補時間と部屋=駆動候補領域が含まれる。
【0067】
また、ステップS16において、掃除機管理部12が、通信部11を用いて掃除機2に、充電容量の確認依頼を通知する。また、ステップS17において、掃除機2の通信部208が、充電容量の確認依頼を受け付ける。これを受けて、ステップS18において、ログデータ収集部203が、検知部211を用いて、蓄電池212の充電容量を取得する。そして、ログデータ収集部203が、通信部208を用いて利用者端末1に、充電容量を通知する。また、ステップS20において、利用者端末1の通信部11が、充電容量を受け付ける。
【0068】
そして、ステップS21において、駆動時間情報作成部14ないし駆動可能領域推定部15が、必要電力量を算出する。ここで、必要電力量とは、ステップS15(図9Bないし図9C)で入力された時間および運転モードもしくは部屋の掃除を行うために、必要となる電力量を示す。以下、ステップS15での入力内容ごとに、必要電力量の算出について説明する。
【0069】
まず、ステップS15で時間および運転モードが入力された場合(図9B)について説明する。この場合、駆動時間情報作成部14が、入力された時間および運転モードで掃除機2を駆動した場合に消費される消費電力量を算出する。この際、駆動時間情報作成部14は、掃除機管理情報191の単位時間当たりの消費電力量に、ステップS15で入力された時間を掛けることで、必要電力量を算出する。
【0070】
次に、ステップS15で部屋が入力された場合(図9C)について説明する。この場合、駆動可能領域推定部15が、入力された部屋について掃除機2を駆動した場合に消費される消費電力量を算出する。この際、駆動可能領域推定部15は、掃除機管理情報191の単位面積当たりの消費電力量に、掃除領域情報192の面積を掛けて必要電力量を算出する。なお、ステップS22以降でもその処理主体は、ステップS21と同様に、ステップS15での入力内容に応じて特定される。このため、以下では、駆動数量関連情報作成部と称して説明する。
【0071】
また、ステップS22において、駆動数量関連情報作成部が、通知された充電容量と必要電力量を比較する。この結果により、ステップS15での時間および運転モードないし部屋の掃除が可能かを判定することになる。つまり、充電容量の方が大きい場合(YES)、掃除が可能であると判定され、ステップS28に遷移する。また、充電容量の方が小さい場合(NO)、掃除が不可であると判定され、ステップS23に遷移する。
【0072】
また、ステップS23において、駆動数量関連情報作成部の充電時間推定部142が、充電時間を推定し、出力部18に、充電提案表示画面188を表示させる。図9Dは、本実施形態における充電提案表示画面188を示す図である。充電提案表示画面188は、利用者に対して掃除機2の充電を促す画面であり、ステップS15で入力された駆動対象を実現するために必要な充電時間を含む。
【0073】
このため、駆動数量関連情報作成部は、充電時間を算出する。以下、その内容を説明する。駆動数量関連情報作成部は、消費電力量と通知された充電容量の差分を、必要充電量として算出する。そして、駆動数量関連情報作成部は、掃除機管理情報191の充電速度を用いて、必要充電量を充電するまでの時間を充電時間として算出する。
【0074】
また、ステップS23では、駆動数量関連情報作成部は、ステップS20で受け付けた充電容量で、駆動可能な部屋を特定し、これを出力部18に表示させてもよい。なお、これらステップS23での表示画面では、駆動数量関連情報の例として、充電時間や駆動可能な部屋(領域)が表示される。
【0075】
また、ステップS24において、掃除機管理部12が、通信部11を用いて掃除機2に、算出された必要電力量を含む充電指令を通知する。この通知については、入力部17が、利用者から充電提案表示画面188に対して、充電を許可する入力を受け付けたことを条件としてもよい。
【0076】
また、ステップS25において、掃除機2の制御信号作成部202が、通信部208で受け付けた充電指令に応じた充電制御信号を作成し、蓄電池212に対する必要充電量分の充電を開始する。そして、ステップS26において、制御信号作成部202が、充電指令分の充電がされると充電終了信号を作成し、蓄電池212に対する充電を終了する。この充電は、必要充電量を、検知部211を検知した場合に終了してもよいし、充電提案表示画面188で示される充電時間が経過したことを、検知部211が計測した場合に終了してもよい。そして、ステップS27において、通信部208が、利用者端末1に、充電が完了したことを通知する。
【0077】
また、ステップS28において、駆動数量関連情報作成部が、出力部18に、駆動関連時間画面189aないし駆動可能領域画面189bを表示させる。本ステップでは、ステップS15で、時間および運転モードが入力された場合、駆動関連時間画面189aが表示される。また、ステップS15で部屋が入力された場合、駆動可能領域画面189bが表示される。ここで、駆動関連時間画面189aおよび駆動可能領域画面189bをそれぞれ図9Eおよび図9Fに示す。なお、駆動数量関連情報作成部の駆動可能時間推定部141が駆動関連時間画面189aを作成し、駆動可能領域推定部15が駆動可能領域画面189bを作成することになる。このために、駆動可能時間推定部141が駆動可能時間である図9E中の時間を推定し、駆動可能領域推定部15が駆動可能領域である部9F中の時間を推定する。
【0078】
図9Eは、本実施形態における駆動関連時間画面189aを示す図である。図9Eにおいて、駆動関連時間画面189aは、掃除提案エリア189a-1および時間・運転モード表示エリア189a-2で構成される。掃除提案エリア189a-1には、利用者が希望する掃除が可能であり、掃除の開始を促すメッセージが表示される。また、時間・運転モード表示エリア189a-2には、図9Bの時間入力画面186で入力された時間であって駆動可能時間である時間および運用モードが示される。このため、駆動関連時間画面189aでは、図9Bの時間入力画面186で入力された時間および運転モードで掃除機2の駆動が可能であることを示すことになる。
【0079】
また、図9Fは、本実施形態における駆動可能領域画面189bを示す図である。図9Fにおいて、駆動可能領域画面189bは、掃除提案エリア189b-1および部屋表示エリア189b-2で構成される。掃除提案エリア189b-1には、利用者が希望する掃除が可能であり、掃除の開始を促すメッセージが表示される。また、部屋表示エリア189b-2では、図9Cの部屋入力画面187で入力された部屋であって駆動可能領域である部屋で掃除機2の駆動が可能であることを示すことになる。
【0080】
以上のように、これら駆動関連時間画面189aおよび駆動可能領域画面189bでは、駆動数量関連情報の例として、駆動可能時間である時間や駆動可能領域である部屋が表示されることになる。さらに、駆動関連時間画面189aの運転モードも駆動数量関連情報の一例である。また、ステップS23~ステップS28においては、以下のとおり処理してもよい。
【0081】
まず、前提として、図9Cの部屋入力画面187を用いて、複数の部屋を入力できるものとする。そして、ステップS23において、駆動数量関連情報作成部が、充電提案表示画面188として、部屋入力画面187で入力された部屋ごとの充電時間およびこれらの合計値を含む充電提案表示画面188Aを作成する。図9Gは、本実施形態における充電提案表示画面188Aを示す図である。図中(1)~(3)が部屋ごとの充電時間を示している。そして、これらの合計値が35分と、表示されている。また、本ステップでは、入力部17が、利用者から(1)~(3)に対する選択を受け付ける構成としてもよい。この場合、合計値は、選択された部屋の合計に変更される。さらに、駆動数量関連情報作成部この変更に応じて、ステップS21で算出した必要電力量を修正する。
【0082】
また、ステップS24において、掃除機管理部12は、通信部11を用いて掃除機2に、算出ないし修正された必要電力量を含む充電指令を通知する。そして、ステップS25~ステップS27で掃除機2に対して充電が実行される。
【0083】
また、ステップS28において、駆動数量関連情報作成部が、出力部18に、ステップS23で選択された部屋についての駆動可能領域画面189bを表示させる。つまり、部屋表示エリア189b-2に、S23で選択された複数の部屋で掃除機2の稼働が可能であることを示すことが可能になる。以上のように、本実施形態では、複数の部屋や利用者により選択された部屋を含む駆動可能領域画面189bの表示が可能になる。以上で、ステップS28までの説明を終わり、続いてステップS29以降の説明を行う。
【0084】
次に、ステップS29において、掃除機管理部12が、通信部11を用いて掃除機2に、駆動指令を通知する。また、ステップS30において、掃除機2の制御信号作成部202は、通信部208が受け付けた駆動指令に従った制御信号を作成する。そして、この制御信号に従って、駆動部210が駆動して、掃除機2での掃除が開始される、
本実施形態では、利用者端末1からの駆動指令に従って掃除機2が駆動するが、利用者の操作に従って駆動してもよい。この場合、利用者端末1からの駆動指令の通知は省略される。
【0085】
また、ステップS31において、検知部211が、蓄電池212の充電容量を検知し、ログデータ収集部203がこれを含むログデータ収集する。そして、ステップS32において、通信部208が、利用者端末1に、充電容量を含むログデータを通知する。本実施形態では、この通知を、掃除中に適宜実行される。但し、この通知を、掃除の終了後まとめて行われてもよい。
【0086】
また、ステップS33において、利用者端末1の通信部11が、通知されたログデータを受け付ける。また、ステップS34において、駆動可能時間推定部141が、ログデータに含まれる充電容量に応じた駆動可能時間を推定する。
【0087】
そして、ステップS35において、駆動可能時間推定部141が、出力部18に、推定された駆動可能時間を表示させる。なお、この際、駆動可能時間推定部141は、推定された駆動可能時間やログデータを掃除機管理情報191や掃除領域情報192に反映してもよい。具体的には、消費電力量をログデータに含まれる充電容量に応じて更新する。また、掃除領域情報192の掃除時間を更新する。これらの更新は、予め記憶されている情報と所定以上乖離がある場合に実行されてもよし、いわゆる機械学習により実行されてもよい。
【0088】
以上で、本実施形態の処理の説明を終わる。本実施形態によれば、掃除機2での駆動可能な部屋や時間を適切に把握できるようになる。なお、本実施形態については、各種応用が可能である。以下その応用例について説明する。
【0089】
まず、応用例1として、利用者の掃除成績を算出する例を説明する。さらに、この掃除成績をインセンティブとポイントを算出したり、掃除成績を用いたゲームを行ったりすることができる。応用例1では、検知部211で検知された位置情報を用いて、掃除の実績を特定し、この実績に応じてポイントを算出する。以下、その処理内容について説明する。図8のステップS31において、検知部211が、掃除中の掃除機2の位置を検知し、ログデータ収集部203がこれを収集する。ここで、位置情報を収集する検知部211は、GPSセンサやジャイロセンサなどの他、電流計を用いてもよい。この電流計は、スティック型掃除機22の吸口電流を検知する。また、掃除機管理部12が、吸口電流の変化から掃除機2の移動距離を算出する。
【0090】
そして、掃除機管理部12が、この移動距離に基づき、掃除実績を特定する。例えば、移動距離と運転時間の履歴の比率が示す掃除効率を掃除実績とする。また、掃除機管理部12が、掃除実績に応じた利用者の掃除成績として算出する。例えば、掃除機管理部12は、当該掃除成績に応じたポイントを算出し、家電やその消耗品の購入や修理等のサービスの対価として利用可能とする。また、インターネットを介して、他の利用者と成績を競うことができるようにしてもよい。
【0091】
またさらに掃除実績は、ログデータに含まれる充電容量に基づいて特定してもよい。このために、掃除機管理部12が、掃除の際の時間経過に伴う充電容量の減少を特定し、この減少に応じて掃除実績を特定する。以上のように、応用例1では、ログデータに基づき特定された掃除実績に応じた掃除成績を算出する。
【0092】
次に、応用例2として、掃除機2の保守管理を行う例を説明する。この応用例2では、検知部211が、検知した掃除機2の状況に応じた保守を可能とする。以下では、消耗品の一例である紙パックの購入(発注)、交換を例に説明する。
【0093】
まず、検知部211が、駆動部210の駆動、すなわち、集塵を紙パックに集塵する際の目詰まり状況を検知する。そして、ログデータ収集部203が目詰まり状況を含むログデータを収集する。また、掃除機管理部12が、目詰まり状況の時系列的な変化を検知する。そして、掃除機管理部12が、目詰まり状況の変化から、目詰まりの解消時期とこれに伴う紙パックの交換時期を推定する。例えば、目詰まりが悪化している傾向から改善(変化)した時期や所定値以上の性能を示した場合に目詰まりが解消したと推定できる。そして、目詰まりが解消したということは、紙パックが交換されたと推定できる。
【0094】
また、掃除機管理部12は、目詰まりの解消時期、すなわり、紙パックの交換時期に基づき、紙パックの発注の可否を判定する。例えば、目詰まりの解消時期が所定回数以上検知された場合、紙パックの発注時期とする。この場合、掃除機管理部12は、家電購入機能を用いて、検知された解消時期の回数に合致する個数の紙パックを発注することが望ましい。この結果、発注が必要な場合、掃除機管理部12が、通信部11を用いて販売窓口装置に、発注依頼を通知する発注処理を実行する。
【0095】
また、利用者端末1は、利用者が保持している紙パックの残り個数を記憶しておき、これに基づき発注処理を実行してもよい。つまり、掃除機管理部12は、目詰まりの解消が検知された場合、残り個数が所定個数(0個など)以下となった場合、予め設定された発注個数で発注処理を実行する。
【0096】
なお、これら発注処理は、利用者の確認を条件に実行されてもよいし、自動的に実行されてもよい。前者においては、掃除機管理部12が、出力部18に、紙パックの発注を推奨する情報を表示する。そして、入力部17が、発注個数を含む発注指示を受け付ける。これを受けて、掃除機管理部12は、発注指示に応じた発注処理を行う。
【0097】
また、掃除機管理部12が、出力部18に、紙パックの個数を含む発注承認依頼を表示してもよい。この場合、入力部17が、利用者から発注に対する承認を受け付ける。そして、掃除機管理部12は、承認された内容に応じた発注処理を行う。
【0098】
以上で、各応用例の説明を終わる。このように、本実施形態は、単に掃除機2の利用に限定されず、保守や消耗品の購入等にも適用できる。また、本実施形態をロボット掃除機21のような自律型の掃除機に適用した場合、自律型掃除機が駆動数量関連情報等に応じて自動的に掃除を実行することができる。そして、駆動数量関連情報は自律型掃除機および/または利用者端末1で出力することになる。
【符号の説明】
【0099】
1…利用者端末、11…通信部、12…掃除機管理部、13…ログデータ収集部、14…駆動時間情報作成部、15…駆動可能領域推定部、16…領域設定部、17…入力部、18…出力部、19…記憶部、191…掃除機管理情報、192…掃除領域情報、2…掃除機、21…ロボット掃除機、22…スティック型掃除機、201…制御部、202…制御信号作成部、203…ログデータ収集部、204…駆動可能時間推定部、205…充電時間推定部、206…駆動可能領域推定部、207…領域設定部、208…通信部、209…表示操作部、210…駆動部、211…検知部、212…蓄電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G