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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025053
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/00 20060101AFI20250214BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20250214BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B60C11/00 H
B60C11/03 B
B60C11/03 100A
B60C5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129493
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】大谷 勇太
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA33
3D131BA02
3D131BC13
3D131BC31
3D131BC43
3D131BC44
3D131CB06
3D131DA54
3D131DA55
3D131DA56
3D131EB05U
3D131EB07V
3D131EB23V
3D131EB23X
3D131EB24V
3D131EB24X
3D131EB72X
3D131EB76V
3D131EB81X
3D131EB85X
3D131EB87V
3D131EB87X
3D131LA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新品時における接地面積の低下を抑制しつつも、気柱共鳴音を低減することのできる、空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、第1の周方向主溝2aと第1の周方向主溝にタイヤ幅方向に隣接する第2の周方向主溝2bとの間に区画される陸部3に、陸部内で終端する副溝と、副溝と周方向主溝とを連通する枝溝と、を含む、複数の共鳴器4が設けられ、枝溝は、副溝のタイヤ周方向一方側の端と第1の周方向主溝とを連通する第1の枝溝と、副溝のタイヤ周方向他方側の端と第2の周方向主溝とを連通する第2の枝溝と、を有し、副溝の延在方向の少なくとも一部であって、副溝の溝深さ方向の少なくとも一部に、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部が形成され、第1の枝溝の延在長さ及び第2の枝溝の延在長さは、それぞれ、副溝のタイヤ周方向の長さよりも長い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド踏面に、タイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝を有する、空気入りタイヤであって、
トレッド端と前記周方向主溝との間又は前記周方向主溝間に、複数の陸部が区画され、
第1の周方向主溝と前記第1の周方向主溝にタイヤ幅方向に隣接する第2の周方向主溝との間に区画される前記陸部に、前記陸部内で終端する副溝と、前記副溝と前記周方向主溝とを連通する枝溝と、を含む、複数の共鳴器が設けられ、
前記枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向一方側の端と前記第1の周方向主溝とを連通する第1の枝溝と、前記副溝のタイヤ周方向他方側の端と前記第2の周方向主溝とを連通する第2の枝溝と、を有し、
前記第1の枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向一方側の端からタイヤ周方向一方側に延びる第1の周方向部分と、前記第1の周方向部分のタイヤ周方向一方側の端からタイヤ幅方向に延びて前記第1の周方向主溝に連通する第1の幅方向部分とを有し、
前記第2の枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向他方側の端からタイヤ周方向他方側に延びる第2の周方向部分と、前記第2の周方向部分のタイヤ周方向他方側の端からタイヤ幅方向に延びて前記第2の周方向主溝に連通する第2の幅方向部分とを有し、
前記副溝の延在方向の少なくとも一部であって、前記副溝の溝深さ方向の少なくとも一部に、前記トレッド踏面への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部が形成され、
前記第1の枝溝の延在長さ及び前記第2の枝溝の延在長さは、それぞれ、前記副溝のタイヤ周方向の長さよりも長いことを特徴とする、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記共鳴器は、車両装着時外側の前記陸部に設けられる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
3本のみの前記周方向主溝を有し、
前記第1の周方向主溝が、車両装着時外側に位置し、前記第2の周方向主溝及び前記第2の周方向主溝のタイヤ幅方向外側に隣接する第3の周方向主溝が、車両装着時内側に位置し、
前記共鳴器は、車両装着時外側に位置し、トレッド端と前記第1の周方向主溝とにより区画される車両装着時最外側陸部にタイヤ幅方向内側に隣接し、前記第1の周方向主溝と前記第2の周方向主溝との間に区画される、外側中央陸部に設けられている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
車両装着時内側の前記陸部の少なくとも1つに、前記陸部内で終端する内側副溝と、前記内側副溝と前記周方向主溝とを連通する1本のみの内側枝溝と、を含む内側共鳴器がさらに設けられている、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気入りタイヤの偏摩耗を抑制しつつ、気柱共鳴音を低減するために、トレッド踏面に隠れ溝部を有する共鳴器を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2019/117090号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、共鳴器を設けていることにより接地面積が減少してしまう。摩耗後期では摩耗により溝深さが浅くなることによって陸部の剛性が確保されるため、上記の接地面積の減少の影響が比較的小さいものの、新品時から摩耗中期にかけては溝深さが深いままであるため上記の接地面積の減少の影響が比較的大きく、陸部の剛性の低下による操縦安定性等の運動性能が低下してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、新品時における接地面積の低下を抑制しつつも、気柱共鳴音を低減することのできる、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)トレッド踏面に、タイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝を有する、空気入りタイヤであって、
トレッド端と前記周方向主溝との間又は前記周方向主溝間に、複数の陸部が区画され、
第1の周方向主溝と前記第1の周方向主溝にタイヤ幅方向に隣接する第2の周方向主溝との間に区画される前記陸部に、前記陸部内で終端する副溝と、前記副溝と前記周方向主溝とを連通する枝溝と、を含む、複数の共鳴器が設けられ、
前記枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向一方側の端と前記第1の周方向主溝とを連通する第1の枝溝と、前記副溝のタイヤ周方向他方側の端と前記第2の周方向主溝とを連通する第2の枝溝と、を有し、
前記第1の枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向一方側の端からタイヤ周方向一方側に延びる第1の周方向部分と、前記第1の周方向部分のタイヤ周方向一方側の端からタイヤ幅方向に延びて前記第1の周方向主溝に連通する第1の幅方向部分とを有し、
前記第2の枝溝は、前記副溝のタイヤ周方向他方側の端からタイヤ周方向他方側に延びる第2の周方向部分と、前記第2の周方向部分のタイヤ周方向他方側の端からタイヤ幅方向に延びて前記第2の周方向主溝に連通する第2の幅方向部分とを有し、
前記副溝の延在方向の少なくとも一部であって、前記副溝の溝深さ方向の少なくとも一部に、前記トレッド踏面への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部が形成され、
前記第1の枝溝の延在長さ及び前記第2の枝溝の延在長さは、それぞれ、前記副溝のタイヤ周方向の長さよりも長いことを特徴とする、空気入りタイヤ。
【0007】
ここで、「トレッド踏面」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際に、路面と接することとなるトレッド外表面のタイヤ周方向全周にわたる領域をいう。「トレッド端」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際に路面と接する接地面のタイヤ幅方向両端をいう。
また、「周方向主溝」、「第1の周方向主溝」、「第2の周方向主溝」とは、タイヤ周方向に延びる溝であって、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際の溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。
また、「第1(第2)の枝溝の延在長さ」とは、第1(第2)の枝溝の延在方向に沿った長さをいう。一方で、「副溝のタイヤ周方向の長さ」とは、副溝をタイヤ幅方向に投影した際のタイヤ周方向の長さをいう。
また、「副溝のタイヤ周方向の長さ」は、新品時における、副溝のトレッド踏面でのタイヤ周方向の長さをいう。
【0008】
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(すなわち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「所定の内圧」は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。さらに、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
【0009】
(2)前記共鳴器は、車両装着時外側の前記陸部に設けられる前記(1)に記載の空気入りタイヤ。
【0010】
(3)3本のみの前記周方向主溝を有し、
前記第1の周方向主溝が、車両装着時外側に位置し、前記第2の周方向主溝及び前記第2の周方向主溝のタイヤ幅方向外側に隣接する第3の周方向主溝が、車両装着時内側に位置し、
前記共鳴器は、車両装着時外側に位置し、トレッド端と前記第1の周方向主溝とにより区画される車両装着時最外側陸部にタイヤ幅方向内側に隣接し、前記第1の周方向主溝と前記第2の周方向主溝との間に区画される、外側中央陸部に設けられている、前記(2)に記載の空気入りタイヤ。
【0011】
(4)車両装着時内側の前記陸部の少なくとも1つに、前記陸部内で終端する内側副溝と、前記内側副溝と前記周方向主溝とを連通する1本のみの内側枝溝と、を含む内側共鳴器がさらに設けられている、前記(2)又は(3)に記載の空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新品時における接地面積の低下を抑制しつつも、気柱共鳴音を低減することのできる、空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。
図2】共鳴器について説明するための図である。
図3図2のa-a断面図である。
図4図2のb-b断面図である。
図5図2のc―c断面図である。
図6】通信装置の配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に例示説明する。本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)の内部構造等については、従来のそれと同様とすることができるため、詳細な説明は省略する。一方で、一例としては、タイヤは、一対のビード部と、一対のビード部間をトロイダル状に跨るカーカスと、カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルトと、を備えたものとすることができる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。以下の説明において寸法等は、特に断りのない限り、前記基準状態における寸法をいうものとする。
【0016】
図1に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、タイヤ周方向に延びる複数本の周方向主溝2を有している。このタイヤは、図示例では、3本のみの周方向主溝2a、2b、2cを有しており、1本のみの周方向主溝(第1の周方向主溝2a)が、車両装着時外側(タイヤ赤道面CLを境界とする車両装着時外側のタイヤ幅方向半部)に位置し、2本のみの周方向主溝(第1の周方向主溝2aにタイヤ幅方向に隣接する第2の周方向主溝2bと、最も車両装着時内側に位置し、第2の周方向主溝2bのタイヤ幅方向外側に位置する、第3の周方向主溝2c)が、車両装着時内側(タイヤ赤道面CLを境界とする車両装着時内側のタイヤ幅方向半部)に位置している。
【0017】
周方向主溝2は、タイヤ周方向に連続して延びることが好ましい。また、図示例では、周方向主溝は、タイヤ周方向に直線状に延びているが、ジグザグ状又は湾曲しながら延びていても良い。周方向主溝2の溝幅(開口幅)は、特には限定されないが、例えば8.0~12mmとすることができる。周方向主溝2の溝深さ(最大深さ)は、特には限定されないが、例えば6~9mmとすることができる。
【0018】
そして、このタイヤは、トレッド端TEと周方向主溝2(2a、2c)との間又は周方向主溝間(2a、2b間及び2b、2c間)に、複数の(図示例では4つの)陸部3が区画されている。タイヤ赤道面CLを境界とする車両装着時外側においては、トレッド端TEと周方向主溝2aとの間に、車両装着時最外側陸部3aが区画されており、また、第1の周方向主溝2aと第2の周方向主溝2bとの間に、車両装着時最外側陸部3aのタイヤ幅方向内側に隣接する外側中央陸部3bが区画されている。また、タイヤ赤道面CLを境界とする車両装着時外側においては、トレッド端TEと周方向主溝2cとの間に、車両装着時最内側陸部3dが区画されており、また、第2の周方向主溝2bと第3の周方向主溝2cとの間に、車両装着時最内側陸部3dにタイヤ幅方向内側に隣接する内側中央陸部3cが区画されている。
【0019】
最初に、外側中央陸部3bにおける構成について説明する。図2は、共鳴器について説明するための図である。図1図2に示すように、このタイヤは、外側中央陸部3bに、外側中央陸部3b内で終端する副溝4aと、副溝4aと周方向主溝2(2a、2b)とを連通する枝溝4b、4cと、を含む、複数の共鳴器4が設けられている。第1の枝溝4bは、副溝4aのタイヤ周方向一方側の端と第1の周方向主溝2aとを連通している。第2の枝溝4cは、副溝4aのタイヤ周方向他方側の端と第2の周方向主溝2bとを連通している。図示のように、複数の共鳴器4は、タイヤ周方向に所定のピッチ間隔で配列されている。
【0020】
図1に示すように、副溝4aは、略タイヤ周方向に延びている。副溝4aのタイヤ周方向の長さは、特には限定されないが、例えば25~45mmとすることができる。副溝4aの溝幅(開口幅)(タイヤ幅方向に計測した際の最大溝幅)は、特には限定されないが、例えば3~5mmとすることができる。副溝4aの溝深さ(最大深さ)は、特には限定されないが、例えば4~7.5mmとすることができる。
【0021】
第1の枝溝4bは、副溝4aのタイヤ周方向一方側の端からタイヤ周方向一方側に延びる第1の周方向部分4b1と、第1の周方向部分4b1のタイヤ周方向一方側の端からタイヤ幅方向に延びて第1の周方向主溝2aに連通する第1の幅方向部分4b2とを有している。また、第2の枝溝4cは、副溝4aのタイヤ周方向他方側の端からタイヤ周方向他方側に延びる第2の周方向部分4c1と、第2の周方向部分4c1のタイヤ周方向他方側の端からタイヤ幅方向に延びて第2の周方向主溝2bに連通する第2の幅方向部分4c2とを有している。
【0022】
第1の枝溝4bの溝幅(開口幅)は、特には限定されないが、例えば0.5~1mmとすることができる。また、第1の枝溝4bの溝深さ(最大深さ)は、特には限定されないが、例えば6~8mmとすることができる。第1の周方向部分4b1は、特には限定されないが、タイヤ周方向に対して10°以下の傾斜角度で傾斜することができる。また、第1の幅方向部分4b2は、特には限定されないが、タイヤ幅方向に対して30~50°の傾斜角度で傾斜することができる。第2の枝溝4cの溝幅(開口幅)は、特には限定されないが、例えば0.5~1mmとすることができる。また、第2の枝溝4cの溝深さ(最大深さ)は、特には限定されないが、例えば4~6mmとすることができる。第2の周方向部分4c1は、特には限定されないが、タイヤ周方向に対して10°以下の傾斜角度で傾斜することができる。また、第2の幅方向部分4c2は、特には限定されないが、タイヤ幅方向に対して30~50°の傾斜角度で傾斜することができる。第1の枝溝4bの延在長さは、副溝4aのタイヤ周方向の長さよりも長い範囲において、例えば30~50mmとすることができる。第2の枝溝4cの延在長さは、副溝4aのタイヤ周方向の長さよりも長い範囲において、例えば30~50mmとすることができる。
【0023】
図3は、図2のa-a断面図であり、図4は、図2のb-b断面図である。図3図4に示すように、副溝4aの延在方向の少なくとも一部であって、副溝4aの溝深さ方向の少なくとも一部に、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部4dが形成されている。本例では、図3に示す図2のa-a断面の箇所には、拡幅部を設けておらず、図4に示す図2のb-b断面の箇所に、拡幅部4dを設けている。
【0024】
図3に示す図2のa-a断面の箇所では、タイヤ径方向外側から内側に向かって溝幅が漸減している。当該箇所において、開口幅w1に対する溝底4gでの溝幅w2の比w2/w1は、適宜設定することができる。当該箇所での溝深さh1は、適宜設定することができる。
【0025】
図4に示すように、図4に示す図2のb-b断面の箇所では、溝幅が開口幅と同じであるトレッド踏面1からタイヤ径方向内側に延びる溝幅一定部分4eと、該溝幅一定部分4eからタイヤ径方向内側に溝底まで延びる拡幅部4dと、が形成されている。図示例では、拡幅部4dは、溝幅一定部分4e側では、タイヤ径方向外側から内側に向かって溝幅が溝幅最大位置まで漸増し、溝幅最大位置から溝底4fまでは、タイヤ径方向外側から内側に向かって溝幅が漸減している。一方で、拡幅部4dは、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい部分であれば良く、様々な断面形状とすることができ、上記の例には何ら限定されない。
【0026】
図4に示す図2のb-b断面の箇所において、開口幅w3に対する溝底4fでの溝幅w4の比w4/w3は、適宜設定することができる。また、溝幅最大位置での溝幅w5に対する開口幅w3の比w3/w5は、適宜設定することができる。当該箇所での溝深さh2は、適宜設定することができる。溝深さh2に対する溝幅一定部分4eの深さ方向の長さh21の比h21/h2は、適宜設定することができる。また、溝深さh2に対する拡幅部4dの深さ方向の長さh22の比h22/h2は、適宜設定することができる。また、比h2/h1は、適宜設定することができる。
【0027】
図5に示すように、図5に示す図2のc-c断面の箇所(すなわち第2の枝溝4c)でも、第2の枝溝4cの溝深さ方向の少なくとも一部に、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部4iが形成されている。溝幅が開口幅と同じであるトレッド踏面1からタイヤ径方向内側に延びる溝幅一定部分4hと、該溝幅一定部分4hからタイヤ径方向内側に溝底まで延びる拡幅部4iと、が形成されている。図示例では、拡幅部4iは、溝幅一定部分4h側では、タイヤ径方向外側から内側に向かって溝幅が溝幅最大位置まで漸増し、溝幅最大位置から溝底までは、タイヤ径方向外側から内側に向かって溝幅が漸減している。一方で、拡幅部4iは、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい部分であれば良く、様々な断面形状とすることができ、上記の例には何ら限定されない。
【0028】
図5に示す図2のc-c断面の箇所において、開口幅w6に対する溝底4jでの溝幅w7の比w7/w6は、適宜設定することができる。また、溝幅最大位置での溝幅w8に対する開口幅w6の比w6/w8は、適宜設定することができる。当該箇所での溝深さh3は、適宜設定することができる。溝深さh3に対する溝幅一定部分4hの深さ方向の長さh31の比h31/h3は、適宜設定することができる。また、溝深さh3に対する拡幅部4iの深さ方向の長さh32の比h32/h3は、適宜設定することができる。また、比h3/h1は、適宜設定することができる。
なお、第1の枝溝4bについても、断面形状に関して、第2の枝溝4cについて説明したのと同様の構成とすることができる。
【0029】
ここで、第1の枝溝4bの延在長さ及び第2の枝溝4cの延在長さは、それぞれ、副溝4aのタイヤ周方向の長さよりも長い。特には限定されないが、例えば、第1の枝溝4bの延在長さ及び第2の枝溝4cの延在長さは、それぞれ、副溝4aのタイヤ周方向の長さの1.05~1.2倍とすることができる。また、複数の共鳴器4を設けた外側中央陸部3bのネガティブ率(溝が無いと仮定した際の陸部の面積に対する溝面積の総和の比)は、特には限定されないが、例えば15~25%とすることができる。
【0030】
本例では、タイヤ周方向に隣接する2本の第1の枝溝4b間(図示例では丁度中央付近)の各々に、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプ6が配置されている。また、タイヤ周方向に隣接する2本の第2の枝溝4c間(図示例では丁度中央付近)の各々に、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプ5が配置されている。
【0031】
次に、車両装着時最外側陸部3aの構成について説明する。本例では、車両装着時最外側陸部3aでは、トレッド端TEからタイヤ幅方向内側に延びて周方向主溝2aに連通する幅方向サイプ7と、トレッド端TEからタイヤ幅方向内側に延びて車両装着時最外側陸部3a内で終端する幅方向サイプ8とが、タイヤ周方向に交互に配置されている。本例では、車両装着時最外側陸部3aには溝を設けておらず、これにより陸部の剛性を高めて操縦安定性を向上させることができる。図示のように、車両装着時最外側陸部3aのタイヤ幅方向の幅は、全ての陸部3の中で最大であることが好ましい。陸部の剛性を高めて操縦安定性を向上させることができるからである。
【0032】
次に、内側中央陸部3cの構成について説明する。内側中央陸部3cでは、内側中央陸部3c内で終端する内側副溝9aと、内側副溝9aと第3の周方向主溝3cとを連通する1本のみの内側枝溝9bと、を含む内側共鳴器9がさらに設けられている。内側共鳴器9は、タイヤ周方向に間隔を空けて複数配置されている。副溝4aのタイヤ周方向の長さは、特には限定されないが、例えば内側副溝9aのタイヤ周方向の長さの140~170%とすることができる。また、図示例では、第2の周方向主溝2bからタイヤ幅方向に対して傾斜して延びる幅方向サイプ10がタイヤ周方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0033】
次に、車両装着時最内側陸部3dの構成について説明する。車両装着時最内側陸部3dでは、図示例で2列の溝部11が配置されている。図示例では、溝部11は、平面視で菱形であるが、形状は様々なものとすることができる。一の列の溝部11と他の列の溝部11とは、タイヤ幅方向に投影した際に互いに重なる部分を有しないようにタイヤ周方向に位相をずらして配置されている。これにより、剛性のバランスを図ることができる。このような溝部11を形成することにより、車両装着時最内側陸部3dの剛性を適度に緩和して乗り心地性や耐摩耗性を向上させることができる。溝部11の大きさや個数は、要求される剛性に応じて適宜調整することができる。また、車両装着時最内側陸部3dでは、周方向主溝2cからタイヤ幅方向内側に延びて車両装着時最内側陸部3d内で終端する複数本の幅方向サイプ13と、幅方向サイプ13の端からタイヤ周方向一方側に延びて車両装着時最内側陸部3d内で終端する複数本の周方向サイプ12とが形成されている。
以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0034】
本実施形態の空気入りタイヤによれば、まず、第1の周方向主溝2aと第2の周方向主溝2bとの間に区画される外側中央陸部3bに、外側中央陸部3b内で終端する副溝4aと、副溝4aと第1及び第2の周方向主溝2a、2bとを連通する枝溝4b、4cと、を含む、複数の共鳴器4が設けられている。これにより、第1及び第2の周方向主溝2a、2bで発生する気柱共鳴音を低減することができる。
さらに、本実施形態の空気入りタイヤでは、第1の枝溝4bの延在長さ及び第2の枝溝4cの延在長さは、それぞれ、副溝4aのタイヤ周方向の長さよりも長いため、副溝4aの溝面積は相対的に小さく、新品時における接地面積の低下を抑制することができる。これにより、溝深さが深いままである新品時から摩耗中期においても、(拡幅部4dを有する共鳴器4を配置した)外側中央陸部3bの剛性を確保して操縦安定性等の運動性能を向上させ得る。
以上のように、本実施形態の空気入りタイヤによれば、新品時における接地面積の低下を抑制しつつも、気柱共鳴音を低減することができる。
さらには、本実施形態の空気入りタイヤでは、副溝4aの延在方向の少なくとも一部であって、副溝4aの溝深さ方向の少なくとも一部に、トレッド踏面1への開口部での溝幅よりも溝幅が大きい拡幅部4dが形成されている。これにより、摩耗進展時における排水性も向上させることができる。
【0035】
本実施形態のように、共鳴器4は、車両装着時外側の陸部に設けられていることが好ましい。操縦安定性等の運動性能への寄与の大きい車両装着時外側の陸部の剛性を(新品時において)高めることができるからである。
【0036】
ここで、3本のみの周方向主溝2a~2cを有し、第1の周方向主溝2aが、車両装着時外側に位置し、第2の周方向主溝2b及び第2の周方向主溝2bのタイヤ幅方向外側に隣接する第3の周方向主溝2cが、車両装着時内側に位置し、共鳴器4は、車両装着時外側に位置し、トレッド端TEと第1の周方向主溝2aとにより区画される車両装着時最外側陸部にタイヤ幅方向内側に隣接し、第1の周方向主溝2aと第2の周方向主溝2bとの間に区画される、外側中央陸部3bに設けられていることが好ましい。まず、周方向主溝2が3本のみであることにより、溝幅が同じ程度の周方向主溝2を4本以上設ける場合よりも陸部3の剛性を確保することができる。また、車両装着時最外側陸部3aは特に剛性が高いことが好ましいため、共鳴器を設けずに陸部の剛性を高めることが好ましいからである。
【0037】
また、車両装着時内側の陸部の少なくとも1つに、当該陸部内で終端する内側副溝9aと、内側副溝9aと周方向主溝(本例では第3の周方向主溝2c)とを連通する1本のみの内側枝溝9bと、を含む内側共鳴器9がさらに設けられていることが好ましい。これにより、当該周方向主溝(本例では第3の周方向主溝2c)で発生する気柱共鳴音も低減することができるからである。
【0038】
以下、タイヤに通信装置を設ける場合について説明する。図6は、通信装置の配置例について説明するための図である。図6に示すように、このタイヤは、通信装置91としてのRFタグを備えてよい。RFタグは、ICチップとアンテナとを備える。RFタグは、例えば、タイヤを構成する同種又は異種の複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、タイヤ生産時にRFタグを取り付け易く、RFタグを備えるタイヤの生産性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、ビードフィラーと、ビードフィラーに隣接するその他の部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。RFタグは、タイヤを構成するいずれかの部材内に埋設されていてもよい。このようにすることで、タイヤを構成する複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置される場合と比較して、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、トレッドゴム、サイドゴム等のゴム部材内に埋設されてよい。RFタグは、タイヤ幅方向断面視でのタイヤ外面に沿う方向であるペリフェリ長さ方向において、剛性の異なる部材の境界となる位置に、配置されないことが好ましい。このようにすることで、RFタグは、剛性段差に基づき歪みが集中し易い位置に、配置されない。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向断面視でカーカスの端部と、このカーカスの端部に隣接する部材(例えばサイドゴム等)と、の境界となる位置に配置されないことが好ましい。RFタグの数は特に限定されない。タイヤは、1個のみのRFタグを備えてもよく、2個以上のRFタグを備えてもよい。ここでは、通信装置の一例として、RFタグを例示説明しているが、RFタグとは異なる通信装置であってもよい。
【0039】
RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部に配置されてよい。このようにすることで、RFタグは、タイヤのサイドカットにより損傷しない。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド中央部に配置されてよい。トレッド中央部は、トレッド部において撓みが集中し難い位置である。このようにすることで、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向でのタイヤの両外側からのRFタグとの通信性に差が生じることを抑制できる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を中心としてトレッド幅の1/2の範囲内に配置されてよい。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端部に配置されてもよい。RFタグと通信するリーダーの位置が予め決まっている場合には、RFタグは、例えば、このリーダーに近い一方側のトレッド端部に配置されてよい。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端を外端とする、トレッド幅の1/4の範囲内に配置されてよい。
【0040】
RFタグは、例えば、ビード部間に跨る、1枚以上のカーカスプライを含むカーカスより、タイヤ内腔側に配置されてよい。このようにすることで、タイヤの外部から加わる衝撃や、サイドカットや釘刺さりなどの損傷に対して、RFタグが損傷し難くなる。一例として、RFタグは、カーカスのタイヤ内腔側の面に密着して配置されてよい。別の一例として、カーカスよりタイヤ内腔側に別の部材がある場合に、RFタグは、例えば、カーカスと、このカーカスよりタイヤ内腔側に位置する別の部材と、の間に配置されてもよい。カーカスよりタイヤ内腔側に位置する別の部材としては、例えば、タイヤ内面を形成するインナーライナーが挙げられる。別の一例として、RFタグは、タイヤ内腔に面するタイヤ内面に取り付けられていてもよい。RFタグが、タイヤ内面に取り付けられる構成とすることで、RFタグのタイヤへの取り付け、及び、RFタグの点検・交換が行い易い。つまり、RFタグの取り付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。また、RFタグが、タイヤ内面に取り付けられることで、RFタグをタイヤ内に埋設する構成と比較して、RFタグがタイヤ故障の核となることを防ぐことができる。また、カーカスが、複数枚のカーカスプライを備え、複数枚のカーカスプライが重ねられている位置がある場合に、RFタグは、重ねられているカーカスプライの間に配置されていてもよい。
【0041】
RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部で、1枚以上のベルトプライを含むベルトより、タイヤ径方向の外側に配置されてよい。一例として、RFタグは、ベルトに対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルトに密着して配置されてよい。また、別の一例として、補強ベルト層を備える場合、当該補強ベルト層に対してタイヤ径方向の外側で、当該補強ベルト層に密着して配置されてよい。また、別の一例として、RFタグは、ベルトよりタイヤ径方向の外側で、トレッドゴム内に埋設されていてもよい。RFタグが、タイヤのトレッド部で、ベルトよりタイヤ径方向の外側に配置されることで、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信が、ベルトにより阻害され難い。そのため、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信性を向上させることができる。また、RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部で、ベルトよりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向の外側がベルトに覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。この一例として、RFタグは、タイヤのトレッド部で、ベルトと、当該ベルトよりタイヤ径方向の内側に位置するカーカスと、の間に配置されてよい。また、ベルトが、複数枚のベルトプライを備える場合に、RFタグは、タイヤのトレッド部で、任意の2枚のベルトプライの間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向の外側が1枚以上のベルトプライに覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。
【0042】
RFタグは、例えば、タイヤのサイドウォール部又はビード部の位置に配置されてよい。RFタグは、例えば、RFタグと通信可能なリーダーに対して近い一方側のサイドウォール部又は一方側のビード部に配置されてよい。このようにすることで、RFタグとリーダーとの通信性を高めることができる。一例として、RFタグは、カーカスと、サイドゴムと、の間やトレッドゴムとサイドゴムと、の間に配置されてよい。RFタグは、例えば、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅となる位置と、トレッド面の位置と、の間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグがタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置される構成と比較して、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信性を高めることができる。RFタグは、例えば、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグは、剛性の高いビード部近傍に配置される。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。一例として、RFタグは、ビードコアとタイヤ径方向又はタイヤ幅方向で隣接する位置に配置されてよい。ビードコア近傍は歪みが集中し難い。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。特に、RFタグは、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側であって、かつ、ビード部のビードコアよりタイヤ径方向の外側の位置に配置されることが好ましい。このようにすることで、RFタグの耐久性を向上させることができるとともに、RFタグとリーダーとの通信が、ビードコアにより阻害され難く、RFタグの通信性を高めることができる。また、サイドゴムがタイヤ径方向に隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されている場合に、RFタグは、サイドゴムを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0043】
RFタグは、ビードフィラーと、このビードフィラーに隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、ビードフィラーを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。
RFタグは、例えば、ビードフィラーと、カーカスと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。カーカスのうちビードフィラーと共にRFタグを挟み込む部分は、ビードフィラーに対してタイヤ幅方向の外側に位置してもよく、タイヤ幅方向の内側に位置してもよい。カーカスのうちビードフィラーと共にRFタグを挟み込む部分が、ビードフィラーに対してタイヤ幅方向の外側に位置する場合には、タイヤ幅方向のタイヤの外側からの衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を、より低減できる。これにより、RFタグの耐久性を、より向上させることができる。また、ビードフィラーは、サイドゴムと隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ビードフィラーと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。更に、ビードフィラーは、ゴムチェーファーと隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ビードフィラーと、ゴムチェーファーと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0044】
RFタグは、例えば、ゴムチェーファーと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、ゴムチェーファーを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。RFタグは、例えば、ゴムチェーファーと、カーカスと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、リムから加わる衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を低減できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
【0045】
RFタグは、ワイヤーチェーファーと、このワイヤーチェーファーのタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグの位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。ワイヤーチェーファーがタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、ゴムチェーファーなどのゴム部材であってよい。また、ワイヤーチェーファーがタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、カーカスであってもよい。
【0046】
ベルトの半径方向外側にベルト補強層をさらに備えてもよい。例えば、ベルト補強層はポリエチレンテレフタレートからなるコードをタイヤ周方向に連続して螺旋状に巻回してなってもよい。ここでコードは、6.9×10-2N/tex以上の張力をかけて接着剤処理を施してなり、160℃で測定した29.4N荷重時の弾性率が2.5 mN/dtex・%以上であってもよい。さらにベルト補強層はベルト全体を覆うように配置されていてもベルトの両端部のみを覆うように配置されていてもよい。さらにベルト補強層の単位幅あたりの巻き回し密度が幅方向位置で異なっていてもよい。このようにすることで、高速耐久性を低下させることなくロードノイズおよびフラットスポットを低減させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1:トレッド踏面、
2:周方向主溝、 2a:第1の周方向主溝、
2b:第2の周方向主溝、 2c:第3の周方向主溝、
3:陸部、
3a:車両装着時最外側陸部、 3b:外側中央陸部、
3c:内側中央陸部、 3d:車両装着時最内側陸部、
4:共鳴器、
4a:副溝、 4b:第1の枝溝、
4b1:第1の周方向部分、 4b2:第1の幅方向部分、
4c:第2の枝溝、
4c1:第2の周方向部分、 4c2:第2の幅方向部分、
4d:拡幅部、 4e:溝幅一定部分、 4f:溝底、
4g:溝底、
4h:溝幅一定部分、 4i:拡幅部、 4j:溝底、
5:幅方向サイプ、 6:幅方向サイプ、
7:幅方向サイプ、 8:幅方向サイプ、
9:内側共鳴器、 9a:内側副溝、 9b:内側枝溝、
10:幅方向サイプ、
11:溝部、 12:周方向サイプ、 13:幅方向サイプ、
CL:タイヤ赤道面、 TE:トレッド端、
91:通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6