(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025098
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 37/00 20060101AFI20250214BHJP
A47B 3/12 20060101ALI20250214BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20250214BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A47B37/00 501E
A47B37/00 501F
A47B3/12 Z
A47B13/00 Z
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129565
(22)【出願日】2023-08-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和5年2月18~19日、株式会社ゼインアーツ(長野県松本市島内7190番地2)が、東京ビッグサイト 南3-4ホール(東京都江東区有明3丁目11-1)で開催されたSOTOWAKU PARK2023[https://sotowakupark.jp/]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」を展示公開した。 2.令和5年5月19日、株式会社ゼインアーツ(長野県松本市島内7190番地2)が、自身が管理するウェブサイト[https://zanearts.com/products/][https://zanearts.com/products/detail.php?id=2428]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」の静止画像の公開を始めた。 3.令和5年5月21日、株式会社スペースキー(東京都渋谷区桜丘町29-12 渋谷CHビル1階)が、YouTubeチャンネル[https://www.youtube.com/watch?v=04e9Nw9x-xs]において、自身が運営するアウトドアWEBマガジン CAMP HACKの投稿者名にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」に関する動画の公開を始めた。 4.令和5年5月27~28日、株式会社ゼインアーツ(長野県松本市島内7190番地2)が、昭島 モリパーク アウトドアヴィレッジ 屋内広場(東京都昭島市田中町610-4)で開催されたサバティカル・ゼインアーツ合同 新製品展示会[https://zanearts.com/information/detail.php?id=2326]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」を展示公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 5.令和5年6月5日、株式会社スペースキー(東京都渋谷区桜丘町29-12 渋谷CHビル1階)が、自身が管理するウェブサイト[https://camphack.nap-camp.com/9023]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」に関する記事の公開を始めた。 6.令和5年7月24日、株式会社ゼインアーツ(長野県松本市島内7190番地2)が、自身が管理するウェブサイト[https://zanearts.com/pwzane/wp-content/uploads/2023/07/toadtableburnerdeck_manual1.00.pdf]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」のマニュアル画像の公開を始めた。 7.令和5年8月5~6日、株式会社ゼインアーツ(長野県松本市島内7190番地2)が、なんばスカイオ 7F コンベンションホール(大阪府大阪市中央区難波5丁目1-60 なんばスカイオ7階)で開催されたサバティカル・ゼインアーツ合同 新製品展示会[https://aandf.co.jp/news/event/news_2023_event_namba_sabbatical_and_zanearts]にて、本願発明に係る「吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブル」を展示公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518454092
【氏名又は名称】株式会社ゼインアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】小杉 敬
(72)【発明者】
【氏名】小見 学
【テーマコード(参考)】
3B053
4B040
【Fターム(参考)】
3B053LA02
3B053NP08
3B053NQ08
3B053NQ09
4B040AA04
4B040AB04
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA02
(57)【要約】
【課題】バーナーを倒れないように保持でき、テーブル面をより広く使えるバーナーデッキを提供すること
【解決手段】バーナーデッキ5は、ガス缶がセットされたバーナーを載せる載置面11aを備えた載置プレート10と、折り込み位置および吊り下げ位置に旋回可能な門型形状をした左右のアーム20と、吊り下げ位置に旋回させた左右のアーム20の間に架け渡されるカバープレート30と、を備えており、アーム20には、左右方向の外側を向くように折り曲げられ、カバープレート30を下方から支持する吊り下げ用フック部21が形成されており、カバープレート30には、載置面11aに載せたバーナーあるいはガス缶の移動を規制するために、バーナーの構成部品あるいはガス缶の首部が貫通可能な貫通部31が形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス缶がセットされたバーナーを載せる載置面を備えた載置プレートと、
前記載置プレートを吊り下げるために前記載置プレートの左右の縁部から上方に延びる門型形状をした左右の吊り下げ用アームと、
前記左右の前記吊り下げ用アームの間に架け渡されるカバープレートと、を備えており、
前記吊り下げ用アームには、前記載置面よりも上方の高さ位置において前記載置面と平行な平面上に位置し、左右方向の外側を向くように折り曲げられ、前記カバープレートを下方から支持する吊り下げ用フック部が形成されており、
前記カバープレートには、前記載置面に載せた前記バーナーあるいは前記ガス缶の移動を規制するために、前記バーナーの構成部品あるいは前記ガス缶の首部が下側から上側に遊びのある状態で貫通可能な貫通部が形成されている、ことを特徴とする吊り下げ式バーナーデッキ。
【請求項2】
請求項1に記載の吊り下げ式バーナーデッキにおいて、
前記載置面に載せた前記バーナーの移動を規制するための前記貫通部として、前記バーナーの構成部品の形状に対応させた、
貫通穴と、
前記貫通穴の外周部分において放射状に延びる複数本のスリットと、
を備えている吊り下げ式バーナーデッキ。
【請求項3】
請求項1に記載の吊り下げ式バーナーデッキにおいて、
前記載置面に載せた前記ガス缶の移動を規制するための前記貫通部として、
前記ガス缶の首部の径に対応させた貫通穴を備えている吊り下げ式バーナーデッキ。
【請求項4】
請求項1に記載の吊り下げ式バーナーデッキにおいて、
前記左右の吊り下げ用アームは、左右の前記縁部から上方に延びる吊り下げ位置から前記載置プレートの左右の縁部を中心として前記載置プレートの裏面に折り込まれた折り込み位置に旋回可能に構成された吊り下げ式バーナーデッキ。
【請求項5】
請求項4に記載の吊り下げ式バーナーデッキにおいて、
前記載置プレートの左右の縁部には、前記載置面に連続して当該載置面に対して所定の角度で下方に傾斜する傾斜面が形成されており、
左右の前記吊り下げ用アームの前後の端部には、前記吊り下げ位置に旋回させた際、それぞれ前記傾斜面に対して傾斜に沿って線で当接して回転止めとして機能する回転止め部と、前記載置プレートを前後両側から挟持する挟持部と、が形成されている吊り下げ式バーナーデッキ。
【請求項6】
内側が開口部となっている天枠と、
前記天枠を支持する脚体と、
前記開口部を挟んで対向する前記天枠の第1開口縁部および第2開口縁部に着脱可能に架け渡されてテーブル天面を規定する複数枚の天板と、
前記複数枚の天板のうちの少なくも1枚の天板に替えて、前記第1、第2開口縁部から吊り下げられた状態となるように前記天枠に取付け可能な請求項1ないし5のうちのいずれか一つの項に記載の吊り下げ式バーナーデッキと、
を備えており、
前記吊り下げ式バーナーデッキは、その左右の前記吊り下げ用アームが左右の前記縁部から上方に延びた状態で、前記天枠の前記開口部に上側から下側へ通すことで、左右の前記吊り下げ用フック部を、上側から前記第1、第2開口縁部に掛止できるようになっていることを特徴とするテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り下げ式バーナーデッキおよびテーブルに関し、更に詳しくは、ガス缶がセットされたバーナーを載せるのに適した吊り下げ式バーナーデッキ、および、当該吊り下げ式バーナーデッキが着脱可能に取り付けられたテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプ等において用いられるアウトドア用のガスコンロとして、ガス缶をセットして用いるシシングルバーナーが知られている。シングルバーナーには、底面の広いOD缶と呼ばれる縦置きで使用されるガス缶の口に取り付けて使用するもの、CB缶と呼ばれるガス缶を横向きで、自立式のスタンドの付いたバーナー本体部分に取り付けて使用するもの等がある。また、シングルバーナーには、一般に、ゴトク(五徳)が取り付けられており、この上に、鍋等の調理器具を載せ、真下に位置するバーナーによって食材等を加熱するようになっている。
【0003】
屋外でのシングルバーナーを用いた調理においては、バーナーを載せたテーブル面と、バーナーのゴトクに載せた鍋などの調理器具との間に、高低差ができる。テーブル面になるべく近い高さ位置に鍋等が位置していた方が調理などの作業がし易い。
【0004】
特許文献1にはアウトドア用の組立式テーブルが提案されており、この組立式テーブルでは、バーナー本体部分がテーブル面の下側に位置し、ゴトクがテーブル面から上方に突出した状態で、テーブルに取り付けられている。テーブル面の上にバーナーを載せる場合に比べて、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた鍋などの調理器具がテーブル面に近い高さ位置になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-063676号公報(
図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
調理などを行うアウトドア用の携帯式のテーブルにおいては、設置したバーナーを倒れないように保持でき、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にできることが望ましく、また、狭いテーブル面をより広く使えることが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、バーナーを倒れないように保持でき、テーブルに取り付けた場合に、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にすることができ、さらには、テーブル面をより広く使えるように構成された吊り下げ式バーナーデッキを提供することにある。
また、本発明の目的は、この吊り下げ式バーナーデッキが着脱可能に取り付けられたテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキは、ガス缶がセットされたバーナーを載せる載置面を備えた載置プレートと、載置プレートを吊り下げるために載置プレートの左右の縁部から上方に延びる門型形状をした左右の吊り下げ用アームと、左右の吊り下げ用アームの間に架け渡されるカバープレートと、を備えており、
吊り下げ用アームには、載置面よりも上方の高さ位置において載置面と平行な平面上に位置し、左右方向の外側を向くように折り曲げられ、カバープレートを下方から支持する吊り下げ用フック部が形成されており、
カバープレートには、載置面に載せたバーナーあるいはガス缶の移動を規制するために、バーナーの構成部品あるいはガス缶の首部が下側から上側に遊びのある状態で貫通可能な貫通部が形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキにおいては、載置面に載せたバーナーの移動を規制するための貫通部として、バーナーの構成部品の形状に対応させた、貫通穴と、貫通穴の外周部分において放射状に延びる複数本のスリットと、を備えていることが好ましい。
【0010】
若しくは、本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキにおいては、載置面に載せた前記ガス缶の移動を規制するための貫通部として、ガス缶の首部の径に対応させた貫通穴を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキにおいては、左右の吊り下げ用アームは、左右の縁部から上方に延びる吊り下げ位置から載置プレートの左右の縁部を中心として載置プレートの裏面に折り込まれた折り込み位置に旋回可能に構成してもよい。
【0012】
この場合、本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキにおいては、載置プレートの左右の縁部には、載置面に連続して載置面に対して所定の角度で下方に傾斜する傾斜面が形成されており、
左右の吊り下げ用アームの前後の端部には、吊り下げ位置に旋回させた際、それぞれ傾斜面に対して傾斜に沿って線で当接して回転止めとして機能する回転止め部と、載置プレートを前後両側から挟持する挟持部と、が形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係るテーブルは、内側が開口部となっている天枠と、天枠を支持する脚体と、開口部を挟んで対向する天枠の第1開口縁部および第2開口縁部に着脱可能に架け渡されてテーブル天面を規定する複数枚の天板と、複数枚の天板のうちの少なくも1枚の天板に替えて、第1、第2開口縁部から吊り下げられた状態となるように天枠に取付け可能な上記構成の吊り下げ式バーナーデッキとを備えている、ことを特徴とする。この吊り下げ式バーナーデッキは、その左右の吊り下げ用アームが左右の前記縁部から上方に延びた状態で、天枠の開口部に上側から下側へ通すことで、左右の吊り下げ用フック部を、上側から第1、第2開口縁部に掛止できるようになっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る吊り下げ式バーナーデッキによれば、バーナーを倒れないように保持でき、テーブルに取り付けた場合に、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にすることができ、さらには、テーブル面をより広く使えるようにできる。
また、本発明に係るテーブルによれば、この吊り下げ式バーナーデッキが備わっているので、バーナーを倒れないように保持でき、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にすることができ、さらには、テーブル面をより広く使えるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1のテーブルにおいて天板に替えて吊り下げ式バーナーデッキをセットする際の分解斜視図である。
【
図3】
図1のテーブルにおいて天板に替えて吊り下げ式バーナーデッキをセットした状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す吊り下げ式バーナーデッキをセットした状態のテーブルのA-A断面図である。
【
図5】
図1のテーブルに用いられる吊り下げ式バーナーデッキのカバープレートを外した状態の斜視図である。
【
図6】
図5に示すカバープレートを外した吊り下げ式バーナーデッキの吊り下げ用アームを折り込んだ状態を示す斜視図である。
【
図7】
図1のテーブルに用いられる吊り下げ式バーナーデッキにガス缶(CB缶)がセットされたバーナーを載せた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示すバーナーを載せた吊り下げ式バーナーデッキの側面図である。
【
図9】実施形態2に係る吊り下げ式バーナーデッキにガス缶(OD缶)を載せた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示すバーナーを載せた吊り下げ式バーナーデッキの側面図である。
【
図11】実施形態3に係る吊り下げ式バーナーデッキの斜視図である。
【
図12】
図11に示す吊り下げ式バーナーデッキにおける載置プレートに吊り下げ用アームをセットするための説明図である。
【
図13】吊り下げ用アームの変形例を示す斜視図である。
【
図14】
図1に示すテーブルの天板を全て外して吊り下げ式バーナーデッキをセットした状態の六面図である。
【
図15】
図1のテーブルに用いられる吊り下げ式バーナーデッキの六面図である。
【
図16】
図15の吊り下げ式バーナーデッキにガス缶(CB缶)がセットされたバーナーを載せた状態の六面図である。
【
図17】
図5に示すカバープレートを外した状態の吊り下げ式バーナーデッキの六面図である。
【
図18】
図6に示すカバープレートを外し、吊り下げ用アームを折り込んだ状態の吊り下げ式バーナーデッキの六面図である。
【
図19】
図5に示す吊り下げ式バーナーデッキに用いられるカバープレートの六面図である。
【
図20】
図9に示す吊り下げ式バーナーデッキの六面図である。
【
図21】
図20の吊り下げ式バーナーデッキにガス缶(OD缶)を載せた状態の六面図である。
【
図22】
図9に示す吊り下げ式バーナーデッキに用いられるカバープレートの六面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態1]
(テーブルの全体構成)
図1は、実施形態1に係るテーブル1の全ての構成を上面側から見た場合の斜視図であり、
図2は、テーブル1に用いられている天板4に替えて吊り下げ式デッキ5をセットする際の分解斜視図であり、
図3(a)および(b)は、天板4に替えて吊り下げ式バーナーデッキ5をセットした状態を異なる方向から見た場合の斜視図であり、
図4は、
図3(a)に示すA-A線に沿った断面図である。なお、
図3においては、吊り下げ式バーナーデッキ5と入れ替えるために中央の2枚の天板4を外し、さらに、吊り下げ式バーナーデッキ5を視認しやすいよう更に手前側の2枚の天板4を外した状態を示している。
【0017】
図1~
図3に示すように、テーブル1は、内側が開口部となっている天枠2と、天枠2の裏面に取り付けられ、天枠2を支持する一対の脚体3と、開口部を挟んで対向する天枠2の第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fに着脱可能に架け渡されてテーブル天面を規定する複数枚の天板4と、複数枚の天板4のうちの少なくも1枚の天板4に替えて、第1、第2開口縁部2a,2bから吊り下げられた状態となるように天枠2に取付け可能な吊り下げ式バーナーデッキ5(以下、単に「バーナーデッキ5」という。)と、を備えている。一対の脚体3は同一構造であり、天枠2の長辺方向において対称な状態で配置されている。なお、本明細書においては、天枠2の短辺方向を左右方向X、これに直交する長辺方向を前後方向Y、天板2に直交する方向(左右方向Xおよび前後方向Yに直交する方向)を上下方向Zとして説明する。
【0018】
天枠2は、開口部を挟んで左右方向Xに対向する長方形の板枠2a,2bと、開口部を挟んで前後方向Yに対向する長方形の板枠2c,2dとを備え、板枠2a~2dに囲われた開口部が長方形となっている。天枠2には、天枠2の長辺長さを規定する板枠2a,2bの内側の前後方向Yに延びる縁から、板枠2a~2dの表面より天板4の厚さ寸法分下がった面に沿って内側に張り出す第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fが形成されている。天枠2は、例えば、縁に折り曲げが形成された薄い金属製の板により形成されている。天枠2は、樹脂製、木製、石製、またはこれらの組み合わせであってもよく、長方形以外の形状、例えば正方形形状や楕円形状などであってもよい。
【0019】
前後一対の脚体3は、それぞれ、金属製の線材から形成され、左右方向Xに広がるように左右対称の門型形状で形成された脚、および、その脚を天枠2に取り付ける取り付け金具を有しており、天枠2の裏面に、前後対称にして一対で取り付けられている。また、脚体3は、取り付け金具に対し、左右方向Xに延びる軸線周りに脚を回転可能であり、立脚状態のロックを外して脚を内側に倒すことが可能である。脚体3は、起立させた状態において接地し、天枠2を所定の高さ位置に支持する。
【0020】
天板4は、例えば縁に折り曲げが形成された薄い金属製の板により形成されている。天板4は、天枠2の第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fに架け渡されて左右方向Xに対向する板枠2a,2b間に嵌まり込む左右方向Xの長さ寸法で、6枚前後方向Yに並べて配置したときに天枠2の開口部を封鎖する前後方向Yの長さ寸法の長方形輪郭を有し、天枠2の枠内に取り外し可能に設置することができる。これにより、天板4は、互いの長縁を密着させて第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fに架け渡されて前後方向Yに6枚並べて設置されることで、天枠2の開口部を封鎖してその上面にテーブル面を規定する。天板4は、樹脂製、木製、石製、またはこれらの組み合わせであってもよく、天枠2の開口部の形状次第では、長方形以外の形状、例えば正方形形状や楕円形状などであってもよい。
【0021】
バーナーデッキ5は、
図2に示すよう、連続した2枚(
図2では内側の2枚)の天板4を取り外し、
図4に示すよう、天板4を取り外してできた天枠2の開口部に入り込んで第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fに架け渡されて設置される。バーナーデッキ5は、天枠2に設置されると、
図3に示すよう、2枚分の天板4を外した分の開口部を封鎖し、後述のカバープレート30の上面によって、天板4の上面と併せてテーブル面を規定することができる。
【0022】
(バーナーデッキの構造)
図5(a)および(b)は、バーナーデッキ5を取り出して異なる方向から見た場合の斜視図であり、
図6(a)および(b)は、バーナーデッキ5の吊り下げ用アーム20を折り込んだ状態にしてそのバーナーデッキ5を異なる方向から見た場合の斜視図である。これらの図も参照して、バーナーデッキ5の構造を更に詳しく説明する。
【0023】
バーナーデッキ5は、ガス缶がセットされたバーナー等を載せることが可能な載置プレート10と、載置プレート10の左右方向X両側の縁部に取り付けられた左右一対の吊り下げ用アーム20(以下、単に「アーム20」という。)と、を備えている。この左右一対のアーム20は、載置プレート10の左右の縁部を中心として、
図5に示すような左右の縁部から上方に延びる吊り下げ位置20Aおよび
図6に示すような載置プレート10の裏面に折り込まれた折り込み位置20Bに旋回可能な門型形状をしている。更に、バーナーデッキ5は、吊り下げ位置20Aに旋回させた左右のアーム20の間に架け渡されるカバープレート30を備えている。
【0024】
載置プレート10は、例えば左右方向Xに延びる縁に折り曲げが形成された薄い金属製の板により形成されている。載置プレート10は、前後方向Yを短辺、左右方向Xを長辺とする略長方形状をしており、中央部において平面的に広がる載置部11と、載置部11の左右の縁部に連続して、それぞれ左右外側斜め下に向かって傾斜する傾斜部12と、それぞれの傾斜部12の左右方向X外側の端部において前後方向Yに沿って円筒形状で延びる軸受け部13とを備えている。載置部11の上面は、バーナー等を載せるための載置面11aとなっている。傾斜部12の上面は、載置面11aに連続して形成されており、載置面11aに対して所定の角度で下方に傾斜する傾斜面12aとなっている。左右それぞれの軸受け部13は、同軸上の一対として、前後方向Yの両端部に設けられており、アーム20を前後方向Yに沿った回転軸中心に旋回可能に支持する軸受けとなっている。
【0025】
アーム20は、例えば、3次元的な門型形状に金属製の線材が折り曲げられて形成されている。更に詳しくは、アーム20には、吊り下げ位置20Aに旋回した状態の上部において、載置面11aの載置高さ位置H1よりも上方の引掛け高さ位置H2において載置面11aと平行な平面上に位置し、左右方向Xの外側を向くように折り曲げられた吊り下げ用フック部21(以下、単に「フック部21」という。)が形成されている(
図4参照)。具体的には、フック部21は、吊り下げ位置20Aに旋回した状態において、中央部が前後方向Yに直線状に延び、その両端が左右方向X内側に向けて折り曲げられた形態となっている。また、アーム20には、吊り下げ位置20Aに旋回した状態において、引掛け高さ位置H2に対し載置面11aを下げたい分、フック部21の両端から下方に延びる載置高さ位置規定部22と、前後の載置高さ位置規定部22のそれぞれの端から載置プレート10の傾斜面12aの傾斜に沿って外側下向きに延びる回転止め部23と、前後の回転止め部23のそれぞれの端から前後方向Yに沿って内側に延びる挟持部24とが形成されている。
【0026】
このような形態のアーム20は、左右方向Xにおいて対称な状態で載置プレート10の左右方向Xの両縁部に取り付けられている。更に詳しくは、左右それぞれのアーム20は、前後一対の挟持部24が対応する載置プレート10の前後一対の軸受け部13に外側から差し込まれて載置プレート10を前後両側から挟持することで、前述したように、軸受け部13中心に、
図5に示すような左右の縁部から上方に延びる吊り下げ位置20Aおよび
図6に示すような載置プレート10の裏面に折り込まれた折り込み位置20Bに旋回可能に取り付けられている。
【0027】
吊り下げ位置20Aに旋回させた左右それぞれのアーム20は、
図5に示すように、回転止め部23が載置プレート10の傾斜面12aに対して傾斜に沿って線で当接して回転止めとして機能し、フック部21が引掛け高さ位置H2において左右外側に広がった状態となる。アーム20を吊り下げ位置20Aに旋回させた状態のバーナーデッキ5は、天枠2の開口部に上側から下側へ通すことで、左右のフック部21を、上側から第1、第2開口縁部2e,2fに掛止できるようになっている(
図4参照)。なお、吊り下げ位置20Aに旋回させた左右それぞれのアーム20は、
図4に示すように、後述のカバープレート30を載置可能であり、その際、左右のフック部21によってカバープレート30を下方から支持する。
【0028】
一方で、折り込み位置20Bに旋回させた左右それぞれのアーム20は、
図6に示すように、載置高さ位置規定部22が載置面11aに対し略平行で内側に向けて延び、フック部21が載置高さ位置規定部22より上方に向かって延びて載置プレート10の裏面に当接する。アーム20を折り込み位置20Bに旋回させた状態のバーナーデッキ5は、全体的に持ち運びに便利な扁平形状となり、載置高さ位置規定部22を接地させて水平面に置くと、水平面より僅かに浮かした置き場としても利用可能である。
【0029】
カバープレート30は、例えば、周囲の縁に折り曲げが形成された薄い金属製の板により形成され、全体的に平面状のカバー表面30aが広がっている。カバープレート30は、吊り下げ位置20Aに旋回させた左右のアーム20の間、すなわち、フック部21の間に架け渡されて使用される(
図4参照)。カバープレート30には、使用時に載置プレート10の載置面11aに載せたバーナーの移動を規制するために(
図7および
図8参照)、
図1および
図2に示すように、バーナーの構成部品が下側から上側に遊びのある状態で貫通可能な貫通部31として、貫通穴31aおよび貫通穴31aの外周部分において放射状に延びる複数本のスリット31bが形成されている。
【0030】
(バーナーデッキ5の使用方法)
図7は、バーナーデッキ5にCB缶と呼ばれるガス缶CBを横向きでセットされた自立式のスタンドの付いたバーナーBUを載せた状態を示す斜視図であり、
図8は、その側面図である。このバーナーBUは、シングルバーナーで放射状に下方から上方に延びるゴトクBSが取り付けられており、ゴトクBSの上に鍋等の調理器具を載せ、真下に位置するバーナーによって食材等を加熱することができる。これらの図も参照し、バーナーデッキ5の使用方法について詳述する。
【0031】
まず、
図1に示すような天枠2の開口部が6枚の天板4で封鎖された状態のテーブル1を使用場所に設置するとともに、バーナーデッキ5を準備する。続いて、
図2に示すように、テーブル1の6枚の天板4の内、例えば、中央の2枚の天板4を取り外し、天枠2内側に開口部を設ける。続いて、その開口部に、カバープレート30を外した状態のバーナーデッキ5を左右の吊り下げ用アーム20を吊り下げ位置20Aに旋回させた状態で上側から下側に向けて載置プレート10を通し、左右の吊り下げ用フック部21を、上側から天枠2の第1、第2開口縁部2e,2fに掛止する。そうすると、テーブル1には、天板4が規定しているテーブル面に対し、低い位置おいて、水平面に平行に広がる載置面11aが規定される。続いて、載置面11上に、ガス缶CBをセットしたバーナーBUを載せる(
図7および
図8参照)。続いて、吊り下げ用アーム20の間に架け渡すようにしてカバープレート30を天枠2の対向する板枠2a,2b間に載せるが、この時、カバープレート30の貫通孔31aにバーナー吹き出し口を通し、スリット31bにゴトクBSを通すようにして載せるようにする。そうすると、カバー表面30aが天板4の表面と同等高さのテーブル面として規定された状態でカバープレート30が板枠2a,2b間に嵌まり込みセットされるとともに、ゴトクBSがスリット31bにガイドされてバーナーBUの水平位置が定まることで、ガス缶CBをセットしたバーナーBUが安定して設置される。このように天板4に替えてバーナーBUを安定して設置するバーナーデッキ5を取り付けた状態のテーブル1は、カバープレート30のカバー表面30aの一部から、それより低い位置の載置プレート10に安定して載せられたバーナーBUのゴトクBSが高すぎない程度に突出し、そのゴトクBSの周囲に天板4の表面およびカバー表面30aで規定された広いテーブル面を備えた状態になる。これにより、使用者は、ゴトクBS上に鍋等の調理器具を載せ、真下に位置するバーナーによって食材等を加熱して、その周りの広いテーブル面も利用しながら効率的に調理を行うことができる。なおバーナーデッキ5を取り付けた状態のテーブル1を
図1に示すような天枠2の開口部全てを天板4で封鎖している状態に戻すには、上記の説明の逆の手順を行えばよい。
【0032】
図14~
図19は、それぞれ、天板4を全て外してバーナーデッキ5をセットした状態のテーブル1、バーナーデッキ5、ガス缶CBがセットされたバーナーBUを載せた状態のバーナーデッキ5、カバープレート30を外した状態のバーナーデッキ5、カバープレート30を外してアーム20を折り込んだ状態のバーナーデッキ5、および、バーナーデッキ5に用いられるカバープレート30の六面図である。それぞれの六面図には、(a)に正面図、(b)に左側面図、(c)に右側面図、(d)に背面図、(e)に平面図、(f)に底面図、(g)に上方から見た斜視図、(h)に下方からみた斜視図を示している。また、
図14には、(i)にA-A断面図、(j)にB拡大図を示している。
以上において、実施形態1のバーナーデッキ5、および、そのバーナーデッキ5を備えるテーブル1の構成を説明してきたが、これら6面図も参照することで、本実施形態について、より明確に理解できることであろう。
【0033】
(作用・効果)
バーナーデッキ5は、ガス缶がセットされたバーナーを載せる載置面11aを備えた載置プレート10と、吊り下げ位置20Aおよび折り込み位置20Bに旋回可能な門型形状をした左右のアーム20と、吊り下げ位置20Aに旋回させた左右のアーム20の間に架け渡されるカバープレート30と、を備えている。このアーム20には、吊り下げ位置20Aに旋回した状態において、左右方向Xの外側を向くように折り曲げられ、カバープレート30を下方から支持するフック部21が形成されている。このような構成によれば、フック部21の左右方向Xの外側を向く部分を、例えばテーブル1の天枠2の第1、第2開口縁部2e,2fのような離間した部分間を架け渡し、載置プレート10の載置面11aを低い吊り下げた位置に設けることができるため、バーナーBUをテーブル面より下げた位置に設置することができる。また、このような構成によれば、カバープレート30が左右のアーム20の間に架け渡され、フック部21がカバープレート30を下方から支持するため、吊り下げ位置の周囲に平面があれば、吊り下げ位置においてカバープレート30のカバー表面30aを広いテーブル面の一部として利用できる。さらに、カバープレート30には、載置面11aに載せたバーナーの移動を規制するために、バーナーの構成部品が下側から上側に遊びのある状態で貫通可能な貫通部31が形成されているため、バーナーが水平方向にズレなくなり、バーナーを倒れないように安定して設置することができる。
【0034】
したがって、バーナーデッキ5によれば、バーナーを倒れないように保持でき、テーブル1に取り付けた場合に、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にすることができ、さらには、テーブル面をより広く使えるようにできる。
【0035】
また、バーナーデッキ5においては、貫通部31として、貫通穴31aと、貫通穴31aの外周部分において放射状に延びる複数本のスリット31bと、を備えている。このような構成によれば、貫通穴31aにバーナーBUを通した際にスリット31bにバーナーBUのゴトクBSが僅かな遊びのある状態で嵌まり込み、バーナーBUを水平方向にズレないよう位置決めして固定することができる。
【0036】
また、吊り下げ式バーナーデッキ5においては、載置プレート10には、載置面11aに対して所定の角度で下方に傾斜する傾斜面12aが形成されており、左右のアーム20には、吊り下げ位置20Aに旋回させた際、それぞれ傾斜面12aに対して傾斜に沿って線で当接して回転止めとして機能する回転止め部23と、載置プレート10を前後両側から挟持する挟持部24と、が形成されている。このような構成によれば、傾斜面12aで回転止め部23をしっかり受けるため、しっかりとした吊り下げ形態を維持することができるとともに、水平面の載置面11aを全面載置可能なエリアとして用いることができる。また、このような構成によれば、挟持部24によって載置プレート10をしっかり保持することができるため、載置面11a上にバーナー等の火器を載置する際の安心感を得ることができる。
【0037】
テーブル1は、内側が開口部となっている天枠2と、天枠2を支持する脚体と、開口部を挟んで対向する天枠2の第1開口縁部2eおよび第2開口縁部2fに着脱可能に架け渡されてテーブル天面を規定する複数枚の天板4と、複数枚の天板4のうちの少なくも1枚の天板4に替えて、第1、第2開口縁部2e,2fから吊り下げられた状態となるように天枠2に取付け可能なバーナーデッキ5とを備えている。この吊り下げ式バーナーデッキは、その左右の吊り下げ用アーム20を吊り下げ位置20Aに旋回させた状態で、天枠2の開口部に上側から下側へ通すことで、左右の吊り下げ用フック部21を、上側から第1、第2開口縁部2e,2fに掛止できるようになっている。テーブル1によれば、上記効果を奏するバーナーデッキ5が備わっているので、バーナーを倒れないように保持でき、バーナーの上端に取り付けたゴトクに載せた調理器具の高さ位置をテーブル面になるべく近い高い位置にすることができ、さらには、テーブル面をより広く使えるようにできる。
【0038】
[実施形態2]
図9は、実施形態2に係る吊り下げ式バーナーデッキ105にOD缶と呼ばれるガス缶ODを載せた状態を示す斜視図であり、
図10は、その側面図である。
【0039】
バーナーデッキ105は、基本的には実施形態1のバーナーデッキ5と同様の構成を有するが、載置対象物が実施形態1のバーナーデッキ5の場合と異なり、それによって、カバープレートの形態が実施形態1のバーナーデッキ5と異なる。以下では、実施形態1と同様の構成については
図9および
図10に実施形態1と同じ符号付して説明を省略する。
【0040】
バーナーデッキ105は、
図9および
図10に示すように、載置対象物であるOD缶と呼ばれる底の広いガス缶CBを載せることが可能な載置プレート10と、載置プレート10に取り付けられた左右一対のアーム20と、を備えている。更に、バーナーデッキ105は、吊り下げ位置20Aに旋回させた左右のアーム20の間に架け渡され、載置プレート10に載せたガス缶ODに対応させたカバープレート130を備えている。
【0041】
カバープレート130は、実施形態1のカバープレート30とカバープレートに形成されている貫通部の形状のみが異なる。カバープレート130には、使用時に載置プレート10の載置面11aに載せたガス缶ODの移動を規制するために、ガス缶ODが下側から上側に遊びのある状態で貫通可能でガス缶ODの移動を規制するための貫通部131として、カバー表面130aの中央部にガス缶ODの首部の径に対応させた貫通穴131aが形成されている。
【0042】
実施形態2の吊り下げ式バーナーデッキ105においては、載置プレート10にガス缶ODを載せた後、吊り下げ用アーム20の間に架け渡すようにしてカバープレート130を載せるが、この時、カバープレート130の貫通孔131aにガス缶ODの首を通すようにして載せるようにする。そうすると、ガス缶ODの首が貫通孔131aにガイドされてガス缶ODの水平位置が定まることで、ガス缶ODが安定して設置される。このとき、カバープレート130のカバー表面130aの一部から、それより低い位置の載置プレート10に安定して載せられたガス缶ODのバーナー取り付け部が貫通穴131aから僅かに突出し、そこにゴトクを有しOD缶に直接セット可能なバーナーを取り付けられる状態になる。これにより、使用者は、バーナーをカバープレート130の上面側からガス缶ODに取り付け、ゴトク上に鍋等の調理器具を載せ、バーナーによって食材等を加熱して、その周りの広いテーブル面も利用しながら効率的に調理を行うことができる。
【0043】
図20~
図22は、それぞれ、バーナーデッキ105、ガス缶ODを載せた状態のバーナーデッキ105、および、バーナーデッキ105に用いられるカバープレート130の六面図である。それぞれの六面図には、(a)に正面図、(b)に左側面図、(c)に右側面図、(d)に背面図、(e)に平面図、(f)に底面図、(g)に上方から見た斜視図、(h)に下方からみた斜視図を示している。
以上において、実施形態2のバーナーデッキ105を説明してきたが、これら6面図も参照することで、本実施形態について、より明確に理解できることであろう。
【0044】
[実施形態3]
図11は、実施形態3に係るバーナーデッキ205の斜視図であり、
図12は、その載置プレート210に吊り下げ用アーム220をセットするための説明図である。
【0045】
バーナーデッキ205は、基本的には実施形態1のバーナーデッキ5と同様の構成を有するが、載置プレートおよび吊り下げ用アームの形態が実施形態1のバーナーデッキ5の場合と異なる。すなわち、実施形態1のバーナーデッキ5においては、吊り下げ用アーム20が載置プレート10に対して旋回可能に一体化されて構成されていたのに対し、バーナーデッキ205は、
図11および
図12に示すように、吊り下げ用アームが載置プレートに対して分離可能に構成されている点で異なる。以下では、実施形態1と同様の構成については
図11および
図12に実施形態1と同じ符号付して説明を省略する。
【0046】
バーナーデッキ205は、ガス缶がセットされたバーナー等を載せることが可能な載置プレート210と、載置プレート210の左右方向X両側の縁部に取り付けられた左右一対の吊り下げ用アーム220(以下、単に「アーム220」という。)と、を備えている。この左右一対のアーム220は、載置プレート210に挿抜可能に固定でき、門型形状をしている。更に、バーナーデッキ205は、載置プレート210に固定された左右のアーム220の間に架け渡されるカバープレート30を備えている。
【0047】
載置プレート210は、薄い金属製の板からなり、左右方向Xに延びる縁が折り曲げられて、左右方向Xにトンネル形状で延び、左右方向X両端の開口214hを含む軸支持部214を備えている。載置プレート210は、前後方向Yを短辺、左右方向Xを長辺とする略長方形状をしており、中央部において平面的に広がる載置部211を備えている。載置部211の上面は、バーナー等を載せるための載置面となっている。軸支持部214は、開口214hへ後述の金属製の線材からなるアーム220の端部をガタなく差し込み可能な径サイズで形成されている。軸支持部214は、一対として前後方向Yの両端部に設けられており、左右方向Xから差し込まれたアーム220を支持する軸受けとなっている。
【0048】
アーム220は、例えば、3次元的な門型形状に金属製の線材が折り曲げられて形成されている。更に詳しくは、アーム220には、載置プレート210にセットした状態の上部において、載置面の載置高さ位置H1よりも上方の引掛け高さ位置において載置面と平行な平面上に位置し、左右方向Xの外側を向くように折り曲げられた吊り下げ用フック部221(以下、単に「フック部221」という。)が形成されている(
図12参照)。具体的には、フック部221は、載置プレート210にセットした状態において、中央部が前後方向Yに直線状に延び、その両端が左右方向X内側に向けて折り曲げられた形態となっている。また、アーム220には、載置プレート210にセットした状態において、引掛け高さ位置に対し載置面を下げたい分、フック部221の両端から下方に延びる載置高さ位置規定部222と、前後の載置高さ位置規定部222のそれぞれの端から左右方向Xの内側に延びる前後一対の差し込み部225とが形成されている。アーム220の前後一対の差し込み部225は、載置プレート210の前後一対の軸支持部214と同様のピッチで形成されており、
図12に示すように、左右方向Xへ移動させられることで、載置プレート210の前後一対の軸支持部214に差し込まれ、載置プレート210に対して固定され、フック部221が引掛け高さ位置において左右外側に広がった状態となる。
【0049】
このような構成のバーナーデッキ205は、2つのアーム220をそれぞれ左右方向Xの両側から載置プレート210前後一対の軸支持部214の左右方向X両側の軸支持部214に差し込み固定することで、実施形態1のバーナーデッキ5と同様の形態、すなわち、フック部221が引掛け高さ位置において左右外側に広がった状態となる。このため、バーナーデッキ205によれば、実施形態1のテーブル1において、実施形態1のバーナーデッキ5の替わりに用いることができる。
【0050】
[その他の形態]
以上、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0051】
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ、等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0052】
(2)上記した実施形態においては、バーナーデッキ5のアーム20が金属製の線材が折り曲げられて3次元形状に形成されたものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、次のように、金属板材を曲げ加工して形成されるアームであってもよい。
【0053】
図13は、アームの変形例を示す斜視図である。
図13に示すアーム320は、金属製の板材が折り曲げられて形成されており、載置プレート310に対してヒンジ340により旋回可能に固定されている。アーム320には、吊り下げ位置320Aに旋回した状態の上部において、載置プレート310の載置面311aの載置高さ位置よりも上方の引掛け高さ位置において載置面311aと平行な平面上に位置し、左右方向Xの外側を向くように折り曲げられたフック部321が形成されている。なお、アーム320のような金属製の板材からなるアームであっても、ヒンジによる固定ではなく、実施形態3の載置プレート210の軸支持部214に対応させた差し込み部を設けて、実施形態3の載置プレート210に差し込んで固定できるよう構成することもできる。
【0054】
(3)上記した実施形態においては、テーブル1が天枠2内に最大6枚の天板4を設置可能であり、2枚の天板4に替えて、1つのバーナーデッキ5を設置可能であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。天板や吊り下げ式バーナーデッキの平面サイズは適宜設定されればよく、例えば、天枠内に最大3枚の天板を設置可能で、そのうちの1枚に替えて吊り下げ式バーナーデッキを設置可能なように、テーブルを構成してもよい。
【0055】
(4)上記した実施形態においては、バーナーデッキ5は、テーブル1の天枠2に掛止設置するものとして説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。吊り下げ式バーナーデッキは、左右のフック部が引掛けられる所定の間隔を隔てた箇所に適宜掛止して設置されればよい。
【符号の説明】
【0056】
1…テーブル、2…天枠、2a~2d…板枠、2e…第1開口縁部、2f…第2開口縁部、3…脚体、4…天板、5,105,205…吊り下げ式バーナーデッキ(バーナーデッキ)、10,210,310…載置プレート、11,211…載置部、11a,311a…載置面、12…傾斜部、12a…傾斜面、13…軸受け部、214…軸支持部、214h…開口、20,220,320…吊り下げ用アーム(アーム)、21,221,321…吊り下げ用フック部(フック部)、22,222…位置規定部、23…回転止め部、24…挟持部、30,130…カバープレート、30a,130a…カバー表面、31,131…貫通部、31a,131a…貫通穴、31b…スリット、225…差し込み部、340…ヒンジ、BS…ゴトク、BU…バーナー、CB…ガス缶(CB缶)、H1…載置高さ位置、H2…引掛け高さ位置、OD…ガス缶(OD缶)、X…左右方向、Y…前後方向、Z…上下方向