(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025105
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】固定資産管理システム、固定資産管理方法、及び固定資産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129574
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霧林 毅行
(72)【発明者】
【氏名】原口 征士
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握することが可能な固定資産管理システム、固定資産管理方法、及び固定資産管理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態の固定資産管理システムは、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタと、個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録手段を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた固定資産管理システムであって、
前記制御部は、
連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録手段を備えたことを特徴とする固定資産管理システム。
【請求項2】
前記個社の固定資産情報は、資産識別情報、税務取得価額、会計取得価額、取得日を含み、
前記個社の償却情報は、資産識別情報、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含み、
前記連結会計用の固定資産情報は、資産識別情報、取得価格を含み、
前記連結会計用の償却情報は、資産識別情報、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含むことを特徴とする請求項1に記載の固定資産管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、更に、
前記記憶エリアに登録されている個社の償却情報及び連結会計用の償却情報を参照して、対象年月の個社の償却情報と連結会計用の償却情報との比較結果を出力する比較出力手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定資産管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、更に、
個社及び連結会計用の減損情報を入力して前記記憶エリアに登録する減損情報登録手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定資産管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、更に、
個社及び連結会計用の除却情報を入力して前記記憶エリアに登録する除却情報登録手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定資産管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、更に、
前記記憶エリアに登録されている個社の償却情報及び連結会計用の償却情報を参照して、個社の償却情報及び連結会計用の償却情報の将来のシミュレーションデータを出力するシミュレーション手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定資産管理システム。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置が実行する固定資産管理方法であって、
前記制御部は、
連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録工程を含むことを特徴とする固定資産管理方法。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行するための固定資産管理プログラムであって、
前記制御部は、
連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録工程を実行するための固定資産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定資産管理システム、固定資産管理方法、及び固定資産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制度に縛られた連結決算を経ないと連結会計上の減価償却費は管理できなかった。経営の方向性を検討したいタイミングは随時なので、その際は過去のデータを使用するしかなかった。従来、連結会計の減価償却費を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握できるようにすることに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握することが可能な固定資産管理システム、固定資産管理方法、及び固定資産管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた固定資産管理システムであって、前記制御部は、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記個社の固定資産情報は、資産識別情報、税務取得価額、会計取得価額、取得日を含み、前記個社の償却情報は、資産識別情報、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含み、前記連結会計用の固定資産情報は、資産識別情報、取得価格を含み、前記連結会計用の償却情報は、資産識別情報、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、更に、前記記憶エリアに登録されている個社の償却情報及び連結会計用の償却情報を参照して、対象年月の個社の償却情報と連結会計用の償却情報との比較結果を出力する比較表出力手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、更に、個社及び連結会計用の減損情報を入力して前記記憶エリアに登録する減損情報登録手段を備えることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、更に、個社及び連結会計用の除却情報を入力して前記記憶エリアに登録する除却情報登録手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、更に、前記記憶エリアに登録されている個社の償却情報及び連結会計用の償却情報を参照して、個社の償却情報及び連結会計用の償却情報の将来のシミュレーションデータを出力するシミュレーション手段を備えることにしてもよい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する固定資産管理方法であって、前記制御部は、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録工程を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するための固定資産管理プログラムであって、前記制御部は、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するマスタを格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において、個社の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録し、また、前記マスタが連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録工程を実行するためのプロジェクト管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る固定資産管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、連結償却使用テーブルの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る固定資産管理システムの全体の処理の一例を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図17】
図17は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図18】
図18は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図19】
図19は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図20】
図20は、本実施形態に係る固定資産管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図21】
図21は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの全体の処理の一例を示すフロー図である。
【
図22】
図22は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図23】
図23は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図24】
図24は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図25】
図25は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る固定資産管理システム、固定資産管理方法、及び固定資産管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1:概要]
例えば、IT業界で自社資産のソフトウェア開発に自社の連結関係にある法人に外注しソフトウェア開発の一部および全部を委託することが一般的である。その場合、連結関係にある法人に支払う外注費には利益が含まれていることが想定される。要するに個社会計数値を捉えるだけではソフトウェアが完成するまでは、ソフトウェア仮勘定に連結会計上の未実現利益が内包され、ソフトウェア完成時に資産化される資産にも連結会計上の未実現利益が内包される。
【0018】
しかしながら、従来、制度に縛られた連結決算を経ないと連結会計上の減価償却費は固定資産管理システムでは管理できなかった。経営の方向性を検討したいタイミングは随時であるため、その際は過去のデータを使用するしかなかった。また、シミュレーションをする際は更にExcel等で情報を追加して行う必要があった。
【0019】
そこで、本実施の形態の固定資産管理システムでは、単体だけでなく、連結会計用の簿価を持つことで、連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握できるようにした。
【0020】
具体的には、本実施の形態の固定資産管理システムの機能概要は、以下の(1)~(5)となっている。
【0021】
(1)「連結償却使用マスタ」にて連結用の資産金額を保持する領域を解放した。
(2)「固定資産登録」にて通常の個社会計の資産金額と税務上の資産金額と連結会計用の資産金額情報を入力可能とした。
(3)固定資産管理システムにて、連結会計上の金額を保持し、個社会計の減価償却額や簿価金額との比較確認を可能とした。
(4)固定資産管理システムの標準機能を活用することで、除売却/減損などのイレギュラーがあっても連結上の未実現を考慮した数字を区別して早期に把握可能とした。
(5)実績が確定した期・月度だけでなく将来(通常は2期分、償却シミュレーションを入れれば将来の償却期間まで)の連結上の費用シミュレーションを可能とした。
【0022】
本実施の形態の固定資産管理システムは、以下の特徴を有している。従来の固定資産管理システムにない、連結会計を意識した仕組みを構築した。固定資産会計システム内に個社の取得資産の情報と連結会計上の資産金額の数字(未実現利益消去後の正味資産額)を管理できるようにした。固定資産システムを活用することで資産としてのソフトウェアを一元的に未実現管理して月次レベルで減価償却費も考慮した最新の金額を把握可能な仕組みとなっている。また、連結会計用の償却領域を作成し連結会計上の資産金額を管理する運用を行う。
【0023】
固定資産管理システムにて、未実現利益を除いた正味資産金額を管理することで会計システムや、連結会計システムに連携する前に即座に連結上の資産金額が確認できるため、通常の連結会計システムの連結手続きを行うもより早く処理が進めることができ、連結決算の早期化を図ることができる。個社の固定資産管理と並行して連結会計上の資産金額の減価償却計算を管理することで連結会計システムに連携後、減価償却計算するよりも早い段階で数字を把握することができ、連結決算の早期化を図ることができる。連結会計システムでの連結決算の単位が月次でなくとも、固定資産管理システムを活用することで、個社単位及び月次単位で数字の把握が可能になり、早期に連結を考慮した経営数字の把握が可能となる。
【0024】
以下では、本実施の形態の固定資産管理システムにおいて、個社(親会社)が、ソフトウェア開発(プロジェクトの一部又は全部)を自社と連結関係にある法人に外注し、完成したソフトウェア(固定資産)を買い取る場合を例示して説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、個社(親会社)が、プロジェクトの一部又は全部を自社と連結関係にある法人に外注し、完成した固定資産の売買を伴う場合に適用でき、例えば、IT企業、サービス業、建築業、不動産業等に適用可能である。
【0025】
[2.固定資産管理システムの構成]
本実施形態に係る固定資産管理システムの構成の一例について、
図1等を参照して説明する。本実施形態に係る固定資産管理システム100、プロジェクト管理システム400、連結会計システム500は、例えば、連結会計対象の会社と分担してプロジェクト(例えば、ソフトウェア開発)を実行する場合の親会社(「個社」ともいう)において好適に使用することができる。
図1は、本実施の形態に係る固定資産管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
固定資産管理システム100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーション等である。
【0027】
固定資産管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。固定資産管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、固定資産管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、固定資産管理システム100とサーバ200、プロジェクト管理システム400、連結会計システム500とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0031】
記憶部106は、例えば、連結償却使用マスタ106a、資産情報テーブル、連結償却資産情報テーブル、償却情報テーブル、連結償却情報テーブル、償却区分比較表、減損情報、除却情報、償却シミュレーションデータ等を格納する。
図2は、連結償却使用マスタ106aの構成例を示す図である。
【0032】
連結償却使用マスタ106aは、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するためのマスタであり、
図2に示すように、連結償却区分、連結償却区分名、使用フラグを関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。連結償却区分は、主キーとなっている。使用フラグが「1」の場合に、連結会計用の償却機能を使用でき、使用フラグが「0」の場合に、連結会計用の償却機能が使用不可となっている。
【0033】
資産情報テーブルは、個社の固定資産情報を格納するためのテーブルである。個社の固定資産情報は、固定資産を識別するための資産識別情報(例えば、資産番号-枝番、及び/又は資産名)、資産種類CD、資産種類名、計上部門コード、計上部門名、税務取得価額、会計取得価額、取得日を含んでいてもよい。資産番号+枝番は、主キーとなる。
【0034】
連結償却資産情報テーブルは、連結会計用の固定資産情報(連結償却資産情報)を格納するためのテーブルである。連結償却資産情報は、償却区分、資産識別情報(資産番号-枝番)、取得価額を含んでいてもよい。償却区分+資産番号+枝番は、主キーとなる。
【0035】
償却情報テーブルは、個社の償却情報を格納するためのテーブルである。個社の償却情報は、資産識別情報(資産番号ー枝番)、年度日付、税務の期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額、会計の期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含んでいてもよい。資産番号+枝番+年度日付は、主キーとなる。
【0036】
連結償却情報テーブルは、連結会計用の償却情報(連結償却情報)を格納するためのテーブルである。連結償却情報は、償却区分、資産識別情報(資産番号-枝番)、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額を含んでいてもよい。償却区分+資産番号+枝番+年度日付は、主キーとなる。
【0037】
減損情報は、資産識別情報(資産番号-枝番、資産名)、減損日、個社の会計の減損額、減損後耐用年数、減損後帳簿価額、連結会計の減損額、減損後耐用年数、減損後帳簿価額を含んでいてもよい。
【0038】
除却情報は、資産識別情報(資産番号-枝番、資産名)、除却日、除却事由区分、除却区分、個社の会計の取得価格、期首帳簿価額、帳簿価額、当期償却額、償却累計額、連結会計の取得価格、期首帳簿価額、帳簿価額、当期償却額、償却累計額を含んでいてもよい。
【0039】
制御部102は、固定資産管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、記憶部106に格納されている、連結償却使用マスタ106a、資産情報テーブル、連結償却資産情報テーブル、償却情報テーブル、連結償却情報テーブル、償却区分比較表、減損情報、除却情報、償却シミュレーションデータ等は、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0041】
制御部102は、機能概念的に、受入部102aと、固定資産登録部102bと、減損登録部102cと、除却登録部102dと、比較表出力部102eと、シミュレーション部102fと、マスタメンテ部102gと、画面表示制御部102hと、を備えている。
【0042】
受入部102aは、プロジェクト管理システム400と連携して、プロジェクト管理システム400から資産情報(
図25(B)参照)を受け入れて、記憶部106に格納する。
【0043】
固定資産登録部102bは、プロジェクト管理システム400から取得した資産情報を参照して、例えば、モニタ114に表示される固定資産登録画面(
図6~
図9参照)上でのオペレータの操作等に応じて、個社の固定資産情報及びその償却情報を入力して、資産情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録し、また、連結償却使用マスタ106aで連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録する。
【0044】
減損登録部102cは、例えば、モニタ114に表示される減損登録画面(
図13及び
図14参照)上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計用の減損情報を入力して記憶部106に登録する。
【0045】
除却登録部102dは、例えば、モニタ114に表示される除却登録画面(
図16及び
図17参照)上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計用の除却情報を入力して記憶部106に登録する。
【0046】
比較表出力部102eは、例えば、モニタ114に表示される償却区分比較表画面(
図11参照)上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルを参照して、対象年月の個社の償却情報と連結会計用の償却情報との比較結果を償却比較表として表示出力する。
【0047】
シミュレーション部102fは、例えば、モニタ114に表示される償却シミュレーション画面(
図20参照)上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルを参照して、個社の償却情報及び連結会計用の償却情報の将来のシミュレーションデータを表示出力する。
【0048】
マスタメンテ部102gは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結償却使用マスタ106aに対して、データの入力・追加・変更・更新等の設定を行う。
【0049】
画面表示制御部102hは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、固定資産登録画面、減損登録画面、除却登録画面、償却区分比較表画面、償却シミュレーション画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0050】
[3.固定資産管理システムの具体例]
図1~
図20を参照して、本実施の形態における固定資産管理システム100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0051】
(3-1.全体の処理)
図3は、本実施の形態における固定資産管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0052】
図3を参照して、本実施の形態における固定資産管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
図3において、マスタメンテ部102gは、連結償却使用マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、連結償却使用マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102gは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結償却使用マスタ106aのデータを設定する。
【0053】
受入部102aは、プロジェクト管理システム400と連携して、プロジェクト管理システム400から出力される資産情報(
図25(B)参照)を受け入れて、記憶部106に格納する(資産情報外部データ受入)。
【0054】
固定資産登録部102bは、固定資産登録処理を実行する(ステップS2)。具体的には、固定資産登録処理では、固定資産登録部102bは、プロジェクト管理システム400から取得した資産情報を参照して、例えば、モニタ114に表示される固定資産登録画面(
図6~
図9参照)上でのオペレータの操作等に応じて、個社の固定資産情報及びその償却情報を入力して、資産情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録し、また、連結償却使用マスタ106aで連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録する。
【0055】
比較表出力部102eは、償却区分比較表出力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、償却区分比較表出力処理では、比較表出力部102eは、例えば、モニタ114に表示される償却区分比較表画面(
図11参照)上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルを参照して、対象年月の個社の償却情報と連結会計用の償却情報との比較結果を償却比較表として表示出力する。
【0056】
除却登録部102dは、除却登録処理を実行する(ステップS4)。具体的には、除却登録処理では、除却登録部102dは、例えば、モニタ114に表示される除却登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計用の除却情報を入力して記憶部106に登録する。
【0057】
減損登録部102cは、減損登録処理を実行する(ステップS5)。具体的には、減損登録処理では、減損登録部102cは、例えば、モニタ114に表示される減損登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計用の減損情報を入力して記憶部106に登録する。
【0058】
シミュレーション部102fは、償却シミュレーションデータ出力処理を実行する(ステップS6)。具体的には、シミュレーション部102fは、例えば、モニタ114に表示される償却シミュレーション画面上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルを参照して、個社の償却情報及び連結会計用の償却情報の将来のシミュレーションデータを表示出力する。
【0059】
(3-2.サンプルデータ)
図4~
図20は、本実施の形態における固定資産管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図4~
図20を参照して、本実施の形態における固定資産管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0060】
(S1:連結償却使用マスタメンテ処理)
図4を参照して、連結償却使用マスタメンテ処理の具体例を説明する。マスタメンテ部102gは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結償却使用マスタ106aのデータを設定する。
【0061】
図4は、連結償却使用マスタ106aのデータ例を示す図である。連結償却使用マスタ106aは、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定するためのマスタであり、連結償却区分、連結償却区分名、使用フラグの項目を備えている。連結償却区分は、主キーとなっている。使用フラグが「1」の場合に、連結会計用の償却機能を使用でき、使用フラグが「0」の場合に、連結会計用の償却機能が使用不可となっている。
【0062】
具体的には、使用フラグが「1」の場合に、固定資産登録画面において、連結会計用のボタンが選択可能となり、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報のデータ入力が可能となり、使用フラグが「0」の場合は、連結会計用のボタンが選択不可となる。同図に示す例では、連結償却区分「3」、連結償却区分名「連結会計用」、使用フラグ「1」となっており、連結会計用の償却機能を使用する。
【0063】
(S2:固定資産登録処理)
図5~
図9を参照して、固定資産登録処理の具体例を説明する。固定資産登録部102bは、プロジェクト管理システム400から取得した資産情報を参照して、例えば、モニタ114に表示される固定資産登録画面(
図6~
図9参照)上でのオペレータの操作等に応じて、個社の固定資産情報及びその償却情報を入力して、資産情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録し、また、連結償却使用マスタ106aで連結会計用の償却機能を使用する(使用フラグ「1」)に設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルに登録する。
【0064】
図5(A)は、個社の固定資産情報を格納する資産情報テーブルのデータ例を示す図である。個社の固定資産情報は、資産番号、枝番、資産名、資産種類CD、資産種類名、計上部門コード、計上部門名、税務取得価額、会計取得価額、取得日の項目を備えている。資産番号+枝番は、主キーとなる。同図に示す例では、資産番号「SW0001」、枝番「000」、資産名「PJ-01SW」、資産種類CD「K001」、資産種類名「ソフトウェア」、計上部門コード「B1」、計上部門名「システム1部」、税務取得価額「4,000,000」、会計取得価額「4,000,000」、取得日「2022/04/01」となっている。
【0065】
図5(B)は、連結会計用の固定資産情報(連結償却資産情報)を格納する連結償却資産情報テーブルのデータ例を示す図である。連結会計用の固定資産情報は、償却区分、資産番号、枝番、取得価額の項目を備えている。償却区分+資産番号+枝番は、主キーとなる。同図に示す例では、償却区分「3」、資産番号「SW0001」、枝番「000」、取得価額「3,000,000」となっている。
【0066】
図5(C)は、個社の償却情報を格納する償却情報テーブルのデータ例を示す図である。個社の償却情報は、資産番号、枝番、年度日付、税務の期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額、会計の期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額の項目を備えている。資産番号+枝番+年度日付は、主キーとなる。償却情報は、1資産につき年度日付ごとに複数レコードの情報を保持し、期末更新にて各年度の情報を追加更新していく。
【0067】
同図に示す例では、1行目は、資産番号「SW0001」、枝番「000」、年度日付「2022/04/01」、税務の期首帳簿価額「0」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「800,000」、償却累計額「800,000」、期末帳簿価額「3,200,000」、会計の期首帳簿価額「0」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「800,000」、償却累計額「800,000」、期末帳簿価額「3,200,000」となっている。
【0068】
2行目は、資産番号「SW0001」、枝番「000」、年度日付「2023/04/01」、税務の期首帳簿価額「3,200,000」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「800,000」、償却累計額「1,600,000」、期末帳簿価額「2,400,000」、会計の期首帳簿価額「3,200,000」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「800,000」、償却累計額「1,600,000」、期末帳簿価額「2,400,000」となっている。
【0069】
図5(D)は、連結会計用の償却情報(連結償却情報)を格納する連結償却情報テーブルのデータ例を示す図である。連結会計用の償却情報は、償却区分、資産番号、枝番、年度日付、期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額の項目を備えている。償却区分+資産番号+枝番+年度日付は、主キーとなる。連結償却情報は、1資産につき連結会計用の年度日付ごとに複数レコードの情報を保持し、期末更新にて各年度の情報を追加更新していく。
【0070】
同図に示す例では、1行目は、償却区分「3」、資産番号「SW0001」、枝番「000」、年度日付「2022/04/01」、期首帳簿価額「0」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「600,000」、償却累計額「600,000」、期末帳簿価額「2,400,000」となっている。2行目は、償却区分「3」、資産番号「SW0001」、枝番「000」、年度日付「2023/04/01」、期首帳簿価額「2,400,000」、償却方法「定額法」、耐用年数「5年」、備忘価額「0」、償却額「600,000」、償却累計額「1,200,000」、期末帳簿価額「1,800,000」となっている。
【0071】
図6~
図9は、固定資産登録画面の表示例を示す図である。
図6は、固定資産登録画面の初期画面の表示例(個社の場合)、
図7は、固定資産登録画面の償却詳細情報登録画面の表示例(個社の場合)、
図8は、固定資産登録画面の初期画面の表示例(連結償却の場合)、
図9は、固定資産登録画面の償却詳細情報登録画面の表示例(連結償却の場合)を示す図である。
【0072】
図6に示す固定資産登録画面の初期画面は、ヘッダエリアと、資産情報登録エリアと、
償却情報登録エリアと、償却詳細ボタンと、登録ボタンと、を備えている。
【0073】
ヘッダエリアには、新規、修正、削除、照会を選択する選択欄と、資産番号、枝番、資産名等を指定する欄が表示される。新規に作成する場合は、選択欄で新規を選択する。
【0074】
資産情報登録エリアでは、個社又は連結会計用の固定資産情報を登録する。資産情報登録エリアでは、税務/会計を選択する税務/会計ボタンと、連結償却を選択する連結償却ボタンが表示される。連結償却ボタンは、連結償却使用マスタ106aで使用フラグが連結会計用の償却機能を使用する「1」に設定されている場合に選択可能となっている。すなわち、連結償却使用マスタ106aで使用フラグが連結会計用の償却機能を使用する「1」に設定されている場合のみ連結会計用のデータが入力可能となっている。同図に示す例では、税務/会計ボタンが選択されている。資産情報登録エリアでは、資産種類CD、資産種類名、計上部門コード、計上部門名、取得価額、取得日、償却開始日等を指定する。
【0075】
償却情報登録エリアは、個社又は連結会計用の償却情報を登録するためのエリアである。償却情報登録エリアでは、税務を選択する税務ボタンと、会計を選択する会計ボタンが表示されており、税務と会計をそれぞれ選択して、償却方法、耐用年数、備忘価額等を指定する。
【0076】
償却詳細ボタンを押すと、
図7に示すような償却詳細情報登録画面が表示される。償却詳細情報登録画面は、税務情報を選択する税務ボタンと、会計情報を選択する会計ボタンと、連結会計を選択する連結償却情報ボタンと、が表示される。連結償却情報ボタンは、連結償却使用マスタ106aで使用フラグが連結会計用の償却機能を使用する「1」に設定されている場合に選択可能となっている。
図7に示す例では、会計情報が選択されている。選択した情報について、期首帳簿価額、償却累計額等を指定する。
図8及び
図9は、連結償却のボタンが選択された場合(連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を登録する場合)の表示例を示している。
【0077】
登録ボタンが押下されると、画面の入力内容に応じた、個社の固定資産情報及びその償却情報又は連結会計用の固定資産情報及びその償却情報が記憶部106に登録される。
【0078】
(S3:償却区分比較表)
図10及び
図11を参照して、償却区分比較表出力処理の具体例を説明する。比較表出力部102eは、例えば、モニタ114に表示される比較表画面上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル及び連結償却情報テーブルを参照して、対象年月の個社の償却情報と連結会計の償却情報との比較結果である償却区分比較表を出力する。このように、固定資産管理システム100では、連結会計上の金額を保持し、個社会計の減価償却額や簿価金額との比較確認が可能となっている(上述の機能概要(3))。
【0079】
図10は、償却区分比較表の例を示す図である。同図に示す例は、2023/04/01の償却区分比較表の出力例を示しており、対象年月の資産番号、枝番、資産名についての個社の会計と連結会計用の償却情報(期首帳簿価額、償却方法、耐用年数、備忘価額、償却額、償却累計額、期末帳簿価額)とその差額が出力されている。このように、対象資産の個社会計上の期首簿価「3,200,000」と連結会計上の期首簿価「2,400,000」とその差額などが確認可能となっている。
【0080】
図11は、償却区分比較表画面の表示例を示す図である。償却区分比較表画面では、対象年度、比較元償却区分、比較先償却区分、比較対象期間、資産NO等を指定して、出力ボタンを押下すると、指定された条件の償却区分比較表が出力される。
【0081】
(S4:減損登録処理)
図12~
図14を参照して、減損登録処理の具体例を説明する。減損登録部102cは、例えば、モニタ114に表示される減損登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計の減損情報を入力して記憶部106に登録する。これにより、固定資産管理システム100では、除売却/減損などのイレギュラーがあっても連結上の未実現を考慮した数字を区別して早期に把握可能となる(上述の機能概要(4))。
【0082】
図12は、減損情報のデータ例を示している。同図に示す例は、対象資産を2023/05/31に減損後簿価を「2,066,668」に減損することが決まった場合の例を示している。減損情報は、資産番号、枝番、資産名、減損日、個社の会計の減損額、減損後耐用年数、減損後帳簿価額、連結会計の減損額、減損後耐用年数、減損後帳簿価額の項目を備えている。
【0083】
図13及び
図14は、減損情報登録画面の表示例を示す図であり、
図13は、減損情報登録画面で個社の減損情報を登録する場合の表示例、
図14は、減損情報登録画面で連結会計の減損情報を登録する場合の表示例を示している。減損情報登録画面は、個社の会計の償却と連結会計の償却を選択するボタンを備えている。資産Noを指定し、個社の会計の償却又は連結会計の償却を選択して、減損額や減損後耐用年数等を入力する。登録ボタンが押下されると、画面の入力内容に応じた減損情報が記憶部106に登録される。
【0084】
(S5:除却登録処理)
図15~
図17を参照して、除却登録処理の具体例を説明する。除却登録部102dは、例えば、モニタ114に表示される除却登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、個社及び連結会計の除却情報を入力して記憶部106に登録する。これにより、固定資産管理システム100では、除売却/減損などのイレギュラーがあっても連結上の未実現を考慮した数字を区別して早期に把握可能となっている(上述の機能概要(4))。
【0085】
図15は、除却情報のデータ例を示している。例えば、除却額=帳簿価額-当期償却額-償却累計額で計算する。連結会計の除却額を個別に把握することで、連結上の未実現利益が実現した状態の数値を早期に把握できる。この例では、対象資産を2023/5/31に廃棄することが決まった場合を示している(なお、この場合、
図12の減損登録は実施していなかったものとする)。除却情報は、資産番号、枝番、資産名、除却日、除却事由区分、除却区分、個社の会計の取得価格、期首帳簿価額、帳簿価額、当期償却額、償却累計額、連結会計の取得価格、期首帳簿価額、帳簿価額、当期償却額、償却累計額の項目を備えている。
【0086】
図16及び
図17は、除却登録画面の表示例を示す図であり、
図16は、除却情報登録画面で個社の除却情報を登録する場合の表示例、
図17は、除却情報登録画面で連結会計の除却情報を登録する場合の表示例を示している。除却情報登録画面は、個社の会計の償却と連結会計の除却を選択するボタンを備えている。資産NOを指定して、個社の会計の償却又は連結会計の償却を選択し、除却日、除却事由区分、除却区分名等を入力する。登録ボタンが押下されると、画面の入力内容に応じた減損情報が記憶部106に登録される。
【0087】
(S6:償却シミュレーションデータ出力処理)
図18~
図20を参照して、償却シミュレーションデータ出力処理の具体例を説明する。シミュレーション部102fは、例えば、モニタ114に表示される償却シミュレーション画面上でのオペレータの操作等に応じて、償却情報テーブル又は連結償却情報テーブルを参照して、将来の個社の償却情報及び連結会計上の償却情報の将来のシミュレーションデータを作成して表示出力する。実績が確定した期・月度だけでなく将来(例えば、通常は2期分、償却シミュレーションを入れれば将来の償却期間まで)の連結会計上のシミュレーションも可能となっている。(上述の機能概要(5))。
【0088】
図18は、償却シミュレーションデータのデータ例を示している。この例では、対象資産を2022/04/01時点の情報で今後の償却シミュレーションを行った場合の例を示している。
図18(A)は、償却区分「0:個社会計」の場合、
図18(B)は、償却区分「3:連結会計」の場合の例を示しており、出力方法は、「年次単位」の場合を示している。償却シミュレーションデータは、資産番号、枝番、資産名、償却区分、会計取得価額、年度日付、償却額の項目を備えている。
図19は、
図18の償却シミュレーションデータの出力例を示している。
【0089】
図20は、償却シミュレーション画面の表示例を示す図である。償却シミュレーション画面では、出力方法(月次、四半期、半期、年次)、償却区分、資産NOを指定して、出力ボタンを押下すると、指定された条件のシミュレーションデータが出力される。
【0090】
[4.プロジェクト管理システム]
本実施形態に係るプロジェクト管理システム400について、
図21~
図25を参照して説明する。プロジェクト管理システム400のハードウェア構成は、
図1の固定資産管理システム100と同様であり、制御部、通信インターフェース部、記憶部、入出力インターフェース部、入力装置、出力装置等を備えている。
【0091】
記憶部は、例えば、連結対象仕入先マスタ、資産対象商品マスタ、契約明細テーブル、仕入テーブル、未実現利益計算書、資産情報テーブル等が格納される。
【0092】
制御部は、機能概念的に、マスタメンテ部と、プロジェクト登録部と、原価登録部と、未実現利益計算部と、資産情報処理部と、画面表示制御部と、を備えている。
【0093】
図21は、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム400の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0094】
図21を参照して、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム400の制御部の全体の処理の概略を説明する。
図21において、プロジェクト登録部は、契約明細登録処理を実行する(ステップS11)。具体的には、契約明細登録処理では、プロジェクト登録部は、例えば、モニタに表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、直接費についての契約明細を契約明細テーブルに登録する。また、プロジェクト登録部は、間接PJ登録処理を実行する(ステップS12)。具体的には、間接PJ登録処理では、プロジェクト登録部は、例えば、モニタに表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、間接費についての契約明細を契約明細テーブルに登録する。
【0095】
原価登録部は、仕入入力処理を実行する(ステップS13)。具体的には、仕入入力処理では、原価登録部は、例えば、モニタに表示される不図示の仕入入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、仕入データを、仕入テーブルに登録する。
【0096】
未実現利益計算部は、未実現利益計算書出力処理を実行する(ステップS14)。具体的には、未実現利益計算書出力処理では、未実現利益計算部は、仕入データに基づいて、契約明細番号毎に、集計を行い、まず、連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出し、プロジェクト識別情報、仕入先、商品、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して、モニタに表示される未実現利益計算書画面に表示出力するとともに、記憶部に格納する。
【0097】
この場合、連結対象仕入先マスタで連結会計対象でない仕入先については、未実現利益を算出しないことにしてもよい。資産対象商品マスタの資産対象商品に登録されていない商品については集計しないことにしてもよい。「勘定科目」については、契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタから「未完成時勘定科目」を取得して設定する。
【0098】
資産情報処理部は、資産情報追加入力処理を実行する(ステップS15)。具体的には、資産情報入力処理では、資産情報処理部は、例えば、モニタ114に表示される資産情報作成画面上でのオペレータの操作に応じて、指定されるプロジェクト識別情報をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から参照用のデータを抽出して表示し、さらに、資産に係る情報を追記した資産情報を作成して、資産情報テーブルに登録する。
【0099】
資産情報処理部は、資産情報出力処理を実行する(ステップS16)。具体的には、資産情報処理部は、資産情報テーブルに登録した資産情報を固定資産管理システム100や連結会計システム500等の他のシステムに出力する。
【0100】
図22~
図25は、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム400の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図22~
図25を参照して、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム400の制御部の処理の具体例を説明する。
【0101】
(マスタメンテ処理)
図22を参照して、マスタメンテ処理の具体例を説明する。マスタメンテ部は、例えば、モニタに表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結対象仕入先マスタ及び資産対象商品マスタに対して、予めデータを設定する。
【0102】
図22(A)は、連結対象仕入先マスタの設定例を示す図である。連結対象仕入先マスタは、
図22(A)に示すように、仕入先CD、仕入先名、利益率の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、仕入先CD「S001」、仕入先名「A社」、利益率「10%」、2行目は、仕入先CD「S002」、仕入先名「B社」、利益率「9%」、3行目は、仕入先CD「S003」、仕入先名「C社」、利益率「11%」となっている。
【0103】
図22(B)は、資産対象商品マスタ106bの設定例を示す図である。資産対象商品マスタ106bは、商品CD、商品名、完成時勘定CD、完成時勘定科目名、未成時勘定CD、未成時勘定科目名の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、完成時勘定CD「K001」、完成時勘定科目名「ソフトウェア」、未成時勘定CD「K002」、未成時勘定科目名「ソフトウェア仮勘定」、2行目は、商品CD「L001」、商品名「外注費(建物)」、完成時勘定CD「K101」、完成時勘定科目名「建物」、未成時勘定CD「K102」、未成時勘定科目名「建設仮勘定」となっている。
【0104】
(S11:契約明細登録処理及びS12:間接PJ登録処理)
図23を参照して、契約明細登録処理及び間接PJ登録処理の具体例を説明する。プロジェクト登録部は、例えば、モニタに表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、直接費及び間接費についての契約明細を入力して、契約明細テーブルに登録する。
【0105】
図23(A)は、契約明細テーブルに登録される契約明細の例を示す図である。契約明細は、契約明細番号、契約明細名、直接費(1)又は間接費(2)の区分を指定する直間区分、直接費又は間接費を指定する区分名、部署CD、部署名、プロジェクトの完成又は未成の状態を指定する状態区分の項目を備えている。
【0106】
同図に示す例では、1行目は、直接費に関する契約明細を示しており、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」、直間区分「1」、区分名「直接」、部署CD「B1」、部署名「システム1部」、状態区分「完成」となっている。4行目は、間接費に関する契約明細を示しており、契約明細番号「1001」、契約明細名「システム1間PJ」、直間区分「2」、区分名「間接」、部署CD「B1」、部署名「システム1部」、状態区分「未成」となっている。
【0107】
(S13:仕入入力処理)
図23を参照して、仕入入力処理の具体例を説明する。原価登録部は、例えば、モニタに表示される不図示の仕入入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、仕入データを、仕入テーブルに登録する。
【0108】
図23(B)は、仕入テーブルに登録される仕入データのデータ例を示す図である。仕入データは、日付、伝票NO、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、契約明細番号、契約明細名の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、日付「2022/4/1」、伝票NO「123456789」、仕入先CD「S001」、仕入先名称「A社」、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、税抜金額「1,000,000」、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」となっている。
【0109】
7、8行目の仕入先「S004:D社」は、連結対象仕入先マスタの連結会計対象の仕入先に登録されておらず、連結会計対象外の仕入先であるため、未実現利益計算書で未実現利益を算出しない。9~11行目の商品「H002:立替金」については、資産対象商品マスタ106bの資産対象商品に登録されておらず、資産対象外の商品であるので、未実現利益計算書で集計対象外となる。
【0110】
(S14:未実現利益計算書出力処理)
図24を参照して、未実現利益計算書出力処理の具体例を説明する。未実現利益計算部は、仕入データに基づいて、契約明細番号毎に、集計を行い、まず、連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出し、契約明細番号、契約明細名、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、資産対象商品マスタから取得した勘定CD、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して、モニタに表示される未実現利益計算書画面に表示出力するとともに、記憶部に格納する。
【0111】
この場合、連結対象仕入先マスタで連結会計対象でない仕入先については、未実現利益を算出しない。資産対象商品マスタの資産対象商品に登録されていない商品については集計しない。「勘定科目」については、契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタ106bから「未完成時勘定科目」を取得して設定する。
【0112】
図24は、未実現利益計算書のデータ例を示す図である。未実現利益計算書は、契約明細番号、契約明細名、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、未実現利益額、正味資産額、勘定CD、勘定名を備えている。
【0113】
同図に示す例では、1行目は、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」、仕入先CD「S001」、仕入先名称「A社」、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、税抜金額「1,000,000」、未実現利益額「100,000」、正味資産額「900,000」、勘定CD「K001」、勘定「ソフトウェア」となっている。具体的には、連結対象仕入先マスタで「A社」の利益率は10%であるので、未実現利益額は、税抜金額(実際に支払った金額)「1,000,000」×利益率「10%」=100,000で算出し、正味資産額は、税抜金額「1,000,000」-未実現利益額「100,000」=900,000で算出する。勘定名は、契約明細で、状態区分が「完成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして、資産対象商品マスタ106bから完成時勘定科目「ソフトウェア」を取得して設定する。
【0114】
同図に示す例では、連結対象仕入先マスタで連結会計対象に登録されていない「D社」については、未実現利益を算出しない。資産対象商品マスタの資産対象商品に登録されていない商品「立替金」については集計しない。なお、1行~3行目については、契約明細で、状態区分が「完成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして資産対象商品マスタ106bから取得した完成時勘定科目「ソフトウェア」を「勘定名」に設定する。4行目以降については、契約明細で、状態区分が「未成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして資産対象商品マスタから取得した未成時勘定科目「ソフトウェア仮勘定」を「勘定名」に設定する。
【0115】
(S15:資産情報追加入力処理)
図25を参照して、資産情報追加入力処理の具体例を説明する。資産情報処理部は、例えば、モニタに表示される資産情報作成画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される契約番号をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から参照用のデータを抽出して表示し、さらに、資産に係る情報を追記した資産情報を作成して、資産情報テーブルに登録する。
【0116】
図25(A)は、契約番号をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から抽出した参照用のデータの例を示す図である。担当者は、参照用のデータを参照して資産に係る情報を追記して、資産情報を作成する。
【0117】
資産情報作成画面では、参照用のデータとして、
図25(A)に示すように、契約明細番号、契約明細名、勘定CD、勘定名、取得金額、正味資産額、部署CD、部署名の項目が表示される。同図に示す例は、契約明細番号「0001」を指定した場合の例を示している。
【0118】
図25(B)は、作成する資産情報の例を示す図である。資産情報作成画面では、資産番号と、資産名と、資産種類CDと、資産種類名と、税務の償却方法、耐用年数、備忘価額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額と、会計の取得金額、償却方法、耐用年数、備忘価額、正味取得金額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額の項目が表示される。取得金額、正味取得金額は、自動表示される。オペレータは、金額以外の項目を入力して、不図示の登録ボタンを押すと、例えば、
図25(B)に示すような資産情報が資産情報テーブルに登録される。
【0119】
(S16:資産情報出力処理)
図25を参照して、資産情報出力処理の具体例を説明する。資産情報処理部は、資産情報テーブルに登録した資産情報を固定資産管理システム100へ連携して出力し、また、連結会計システム500等の他のシステムに出力する。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態の固定資産管理システム100によれば、連結会計用の償却機能を使用するか否かを設定する連結償却使用マスタ106aと、個社の固定資産情報及びその償却情報を記憶部106に登録し、また、連結償却使用マスタ106aで連結会計用の償却機能を使用するに設定されている場合に、連結会計用の固定資産情報及びその償却情報を前記記憶エリアに登録する固定資産登録部102bを備えているので、連結会計上の減価償却費を、連結決算を待つことなく早期に把握することが可能となる。
【0121】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0122】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0123】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0124】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0125】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0126】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0127】
また、固定資産管理システム00に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0128】
例えば、固定資産管理システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて固定資産管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0129】
また、このコンピュータプログラムは、固定資産管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0130】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0131】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0132】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0133】
また、固定資産管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、固定資産管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0134】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0135】
100 固定資産管理システム
102 制御部
102a 受入部
102b 固定資産登録部
102c 減損登録部
102d 除却登録部
102e 比較表出力部
102f シミュレーション部
102g マスタメンテ部
102h 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 プロジェクト管理システム
500 連結会計システム