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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025126
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】菓子
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/50 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A23G1/50
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129617
(22)【出願日】2023-08-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日及びウェブサイトの掲載アドレス (ア) ・掲載日:令和4年9月2日 ・掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=tSq65fMm63k&t=5s (イ) ・掲載日:令和4年9月2日 ・掲載アドレス:https://twitter.com/sanrio_news/status/1565580307637878784?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1565580307637878784%7Ctwgr%5Efd6e26dc99e63ffe62bf83a9603f18c1b1bb5e94%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fokashi-to-watashi.jp%2Fpost%2F1427 (ウ) ・掲載日:令和5年3月1日 ・掲載アドレス:https://www.bandai.co.jp/candy/products/2023/4549660821199233.html (エ) ・掲載日:令和5年4月10日 ・掲載アドレス:https://www.bandai.co.jp/candy/products/2023/4549660821199234.html (2)公開日及び販売場所 ・公開日:令和4年9月5日 ・販売場所:全国量販店の菓子売場等
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】片野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】土田 優花
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB04
4B014GE09
4B014GE10
4B014GQ17
(57)【要約】
【課題】興趣性を向上させた菓子を提供する。
【解決手段】板状の本体部10と、本体部10に形成されているキャラクター部20と、本体部10に形成されている背景部と、を備え、背景部は、キャラクター部20と同一の厚みに形成されている第1背景部31と、キャラクター部20と異なる厚みに形成されている第2背景部32と、を含んでいる、菓子1である。キャラクター部20が設けられた板状の菓子1において、第1、及び第2背景部が複数の厚みに構成されていることで、立体的な演出をすることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の本体部と、
前記本体部に形成されているキャラクター部と、
前記本体部に形成されている背景部と、を備え、
前記背景部は、前記キャラクター部と同一の厚みに形成されている第1背景部と、前記キャラクター部と異なる厚みに形成されている第2背景部と、を含んでいる、菓子。
【請求項2】
請求項1に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、その厚みが前記第2背景部の厚みよりも厚く形成されている、菓子。
【請求項3】
請求項2に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、5.5~9.0mmの間の厚みに形成され、
前記第2背景部は、3.0~5.4mmの間の厚みに形成されている、菓子。
【請求項4】
請求項3に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その表面が前記第1背景部の表面と連続した面を形成していない、菓子。
【請求項5】
請求項4に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記第1背景部、及び前記第2背景部に隣接して設けられている、菓子。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記第1背景部、及び前記第2背景部と溝部を介して隣接して設けられている、菓子。
【請求項7】
請求項6に記載の菓子であって、
前記溝部は、その厚みが前記第2背景部の厚みよりも小さくなっている、菓子。
【請求項8】
請求項7に記載の菓子であって、
前記溝部は、前記キャラクター部の全周囲に設けられている、菓子。
【請求項9】
請求項8に記載の菓子であって、
前記本体部は、前記溝部、及びその他の部分において、分割可能に形成されている、菓子。
【請求項10】
請求項9に記載の菓子であって、
前記本体部は、前記溝部において、前記その他の部分よりも分割容易に形成されている、菓子。
【請求項11】
請求項10に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
前記溝部は、前記パーツ部同士の間に設けられている、菓子。
【請求項12】
請求項11に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、第1系統色で形成され、
前記溝部は、前記第1系統色で形成されている、菓子。
【請求項13】
請求項12に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、前記第1系統色とは異なる複数の系統色で形成されている、菓子。
【請求項14】
請求項12に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
前記キャラクター部は、前記パーツ部毎に、前記第1系統色を除く、複数の系統色で形成されている、菓子。
【請求項15】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、ベース部を含み、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、前記ベース部への積層により形成され、
前記第2背景部は、前記ベース部のみで形成されている、菓子。
【請求項16】
請求項15に記載の菓子であって、
前記ベース部には、その一方面においてのみ前記キャラクター部、及び前記第1背景部が積層されている、菓子。
【請求項17】
請求項16に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、眼部を含み、
前記ベース部は、前記眼部において視認可能に構成されている、菓子。
【請求項18】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記本体部の中央に形成されている、菓子。
【請求項19】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、前記キャラクター部、及び前記第1背景部よりも分割容易に形成されている、菓子。
【請求項20】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部には、文字が形成され、
前記第2背景部には、文字が形成されていない、菓子。
【請求項21】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、4つの端部を含み、
前記第1背景部は、前記4つの端部のうち少なくとも2つの端部を含む形態で形成されている、菓子。
【請求項22】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、分割操作後において、前記キャラクター部を前記第1背景部及び前記第2背景部から分割された第1態様、前記キャラクター部が複数に分割された第2態様、及び前記キャラクター部と前記第1背景部及び前記第2背景部の一部が接続されている第3態様の何れかの態様を成すように構成されている、菓子。
【請求項23】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、その味が前記第2背景部とは異なる味で形成されている、菓子。
【請求項24】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、食感が前記第2背景部とは異なる様に形成されている、菓子。
【請求項25】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、ベース部を含み、
前記ベース部は、パフ入りチョコレートで構成され、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、パフ無しチョコレートで構成されている、菓子。
【請求項26】
請求項25に記載の菓子であって、
前記ベース部には、複数種類の前記キャラクター部のうちの何れか一つが積層されている、菓子。
【請求項27】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
包装部、及び容器部をさらに備え、
前記包装部は、前記容器部内に前記本体部を収容している状態において、前記キャラクター部を視認不可能に包装している、菓子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子として、例えば特許文献1においては、溶融チョコレートを型に流し込み、型内に従う周縁形状と、型内底面に沿う立体的形状・模様の表面と、所要の厚みを持つチョコレート菓子を固化形成し、このチョコレート菓子を所要の間隔で縦方向と横方向とから交叉して設けられる切抜傷線によって所要数個の箇片に平面分割されることを特徴とするパズルチョコレート、の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-1289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、チョコレート菓子において、切抜傷線を設けてパズルにしたチョコレートが開示されている。しかし、この菓子は、所定図柄を切抜傷線で切り分け、元の図柄に組み上げるなどの遊び方があるだけので、遊び方の種類も味等変化も少なくその興趣性には課題を有していた。
【0005】
本発明は、興趣性を向上させた菓子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の菓子は、板状の本体部と、本体部に形成されているキャラクター部と、本体部に形成されている背景部と、を備え、背景部は、キャラクター部と同一の厚みに形成されている第1背景部と、キャラクター部と異なる厚みに形成されている第2背景部と、を含んでいるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性を向上させた菓子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一態様の菓子の平面図である。
図2図1に示す菓子の斜視図である。
図3図1におけるA-A線に沿った部分の断面図である。
図4図1におけるB-Bに沿った部分の断面図である。
図5】本体部を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部の分割・割り出しに失敗例の第3態様を示す平面図である。
図6】本体部を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部の分割・割り出しに失敗例の第2態様を示す平面図である。
図7】本体部を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部の分割・割り出しに成功したときの第1態様を示す平面図である。
図8】菓子の包装形態を示す斜視図であって、(a)は、包装形態の外観を示す斜視図、(b)は、包装状態の内部を示す斜視図である。
図9】菓子を取り出すときの状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様である菓子について、図を参照して説明する。
【0010】
図1は、菓子1の平面図である。図1に示す菓子1は、例えばチョコレートを素材にしたもので、平面視で4つの端部20a,20b,20c,20dを有する長方形の板状の本体部10を備えている。本体部10には、その略中央に、例えば動物などを模ったキャラクター部20が形成され、キャラクター部20の周りには背景部30が設けられている。
【0011】
キャラクター部20は、例えば、顔部21、腕部22、胴部23、及び足部24などの複数のパーツ部を含んで構成されている。そして、各パーツ部間には溝部40が設けられており、各パーツ部を区画している。また、キャラクター部20と背景部30との間においても、溝部40が設けられており、背景部30からキャラクター部20を浮き彫りにするように構成されている。
【0012】
背景部30は、本態様においては、例えば、図中において上下に互いに隣接し横方向に延びる複数本(本態様では5本)の帯状部分の区画を有する構成となっており、各帯状部分の色合いや図柄などが適宜異なってキャラクター部20を飾るようになっている。この帯状部分の背景部30は、大別するとその突出高さ(図2及び図3参照)によって第1背景部31と第2背景部32に分かれている。そして、上側の2つの第1背景部31(31a,31b)、及び上から4番目の第1背景部31(31c)は、すべて色合いが異なると共に図柄を異にしている。また、上から3番目、及び一番下の第2背景部32(32a,32b)は、同じ色合いで図柄を異にする構成となっている。
【0013】
ここで、第2背景部32は、例えばチョコレートの茶色などの第1系統色で形成されている。また、溝部40も第1系統色で形成されている。一方、第1背景部31は、第1系統色とは異なる、例えば、青色、白色、桃色などの3種類の系統色にて形成されている。この各系統色は、そのチョコレートに含まれる味素材を反映して色分けされている。本態様においては、茶色、青色、白色、及び桃色の4種類の色に区分けされ、その味も4種類となっている。
【0014】
図2は、菓子1の斜視図である。本体部10は、図2に示すように、本体部10の底側にはベース部50を有している。そして、キャラクター部20、及び第1背景部31は、ベース部50の一方側(上側)に他の素材(色及び味が異なる素材)が、ベース部50の厚さと略同じ程度の厚さを持って積層されている。
【0015】
本体部10の左右方向に延びる溝部40は、図示のごとく、左右端部20b,20dまで形成され、その溝深さがベース部50まで届く深さを有している。
【0016】
なお、溝部40は、ベース部50まで届く深さに形成され、実際の色合いは、ベース部50と同じ色合い(第2背景部32と同じ第1系統色)にて形成されているが、平面視における線を判りや易くするために図1においては白色(図5図6、及ぶ図7においても同様に)にて表示してある。
【0017】
キャラクター部20の表面20sは、図2に示すように、第1背景部31の表面31s、第2背景部32の表面32sと連続した面を形成していない。すなわち、キャラクター部20を区画する溝部40によってキャラクター部20の表面20sと背景部30の表面31s,32sとが分断された構成となっている。
【0018】
なお、背景部30においては、正面側(図中において上面側)から見て低く構成された第2背景部32には、文字が形成されておらず、正面側か見て高く構成された第1背景部31の一部には、文字38が形成されている。このように、文字38が形成された第1背景部31は、第2背景部32よりも突出した位置で文字38を強調・演出できる。
【0019】
図3は、図1におけるA-A線に沿った部分の断面図であり、図4は、図1におけるB-B線に沿った部分の断面図である。図3に示すように、本体部10には、前述したように、キャラクター部20、及び第1背景部31がベース部50上に積層されている。そして、キャラクター部20と第1背景部31とは同じ厚みに構成されている。一方、第2背景部32は、第1背景部31よりも薄く、ベース部50のみで構成されている。
【0020】
第1背景部31は、その厚みが第2背景部32の厚みよりも厚く形成されており、例えば、5.5~9.0mmの間の厚み(t1)に形成することができる。この場合、第2背景部32は、3.0~5.4mmの間の厚み(t2)に形成することができる。このように厚み差を有していることで、第2背景部32は、キャラクター部20、及び第1背景部31よりも分割が容易となっている。
【0021】
また、本体部10は、板状のチョコレートとして構成されているので、適宜箇所において分割することができる。特に、溝部40は、例えば、図示のごとく、第2背景部32よりも薄い厚さ(t3)で構成されている。溝部40の部分が溝部40以外の部分よりも薄く構成されていることから分割・分離が容易である。したがって、本体部10からキャラクター部20の割り出しを行えるようになっている。ここで、背景部30には、前述のように、横方向に左右端部20b,20dまで貫通した4本の溝部40が形成されているので、キャラクター部20の分割・割り出しを開始するときにこの溝部40を利用し易い。
【0022】
ベース部50は、図3に示すように、パフ60入りチョコレートで構成されている。一方、キャラクター部20、及び第1背景部31は、パフ60無しチョコレートで構成されている。これにより、菓子1は、部位によって味が異なるだけでなく、第1背景部31においては、食感が第2背景部32とは異なる様に形成されている。
【0023】
なお、パフ60は、ベース部50の下側(底面側)に多く含まれており、ベース部50の裏面側(図中において下側)の底面は若干凸凹した形状となっている。しかし、ベース部50の表面側(図中において上側)は、キャラクター部20や第1背景部31を積層し易いように、パフ60による凸凹は殆ど形成されずにチョコレートからなる比較的方形で4つの端部20a,20b,20c,20dを含む平らな面を構成している。
【0024】
キャラクター部20の眼部21aは、図4に示すように、他の部分よりも薄く異なる色で構成されている。例えば、眼部21aは、例えば白色の顔部21にあって、茶色のベース部50が視認可能に構成されている。
【0025】
図5は、本体部10を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部20の割り出しに失敗した失敗例の第3態様3Fを示す平面図である。図5に示す割り出し状態は、キャラクター部20と背景部30とが上手く分割できなかった第3態様3Fである。キャラクター部20の割り出しに関しては、比較的初期の段階で失敗した例である。この場合は、キャラクター部20の右の腕部22と第1背景部31cとが接続されたままの状態で、胴部23から分離されたしまった状態である。第1背景部31cの厚さ(t1)は、腕部22と同じであること、更に腕部22の肩の部分(上方部)が幅の狭い形状であることで、割り出しするときの持つ位置や押さえる箇所が適切でないと、このような失敗の分離が生じ易いといえる。
【0026】
図6は、本体部10を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部20の割り出しに失敗した失敗例の第2態様2Fを示す平面図である。図6に示す割り出し状態は、キャラクター部20の割り出しに関しては、ある程度成功に近い第2態様2Fである。すなわち、キャラクター部20と背景部30との分離はできたものの、右の腕部22、及び右の足部24が割れてしまっている。特に、腕部22並びに足部24は、キャラクター部20のパーツ部として小さいことに加えて第1背景部31cと厚み(t1)が同じになっていることで、胴部23との間の溝部40に多くの外力がかかるような分割操作をしてしまったときに、このような失敗が生じやすくなる。
【0027】
図7は、本体部10を分割した状態を示す平面図であって、キャラクター部20の分割・割り出しが成功したときの第1態様1Fを示す平面図である。図7に示す割り出し状態は、キャラクター部20の割り出しに関して成功した第1態様1Fの成功例である。この場合は、キャラクター部20と背景部30との間の溝部40、すなわち、キャラクター部20の外周部分において背景部30が上手く分離・割り出しがされている状態である。この場合においては、前述の失敗例とは異なり、例えば、本体部10の持ち方(力の入れる場所)、力の入れる方向、曲げ方、力の強さ、等が上手く行った例である。
【0028】
なお、本態様における菓子1の本体部10は、チョコレートを主な材料として構成されているので、パフ60の混入量やパフ60のサイズによって本体部10の割れ方が変化し、さらに、本体部10の温度によっても割れ方が微妙に変化する。
【0029】
上述の第1態様1F、第2態様2F、及び第3態様3Fのように、本体部10の割れ方が一定ではなく微妙に変化する。このことにより、キャラクター部20を割り出すときにできた菓子片、特に失敗したときの菓子片では、その味、香り、食感、は、菓子片ごとに変わり、それを楽しむことができる。すなわち、キャラクター部20の分離・割り出しについては、成功により達成感を味わうことができる一方で、分離の失敗によってさまざまな形の菓子片が形成され、この失敗があるが故の味、香り、食感等を楽しむこともできる。
【0030】
図8は、包装形態を示す斜視図であり、(a)は、包装形態の外観を示す斜視図、(b)は、包装状態の内部を示す斜視図である。
【0031】
菓子1は、その提供・販売状態では、例えば、図8(a)に示すように、包装部70に包まれた状態で提供される。この包装部70により覆われている状態では、包装部70の内部に収容された本体部10は、見えない。すなわち、包装部70は、光が透過できない素材で、収容物は完全に覆われた構成となっている。また、本体部10は、図8(b)に示すように、外縁につば部82を備えたトレー状の容器部80の収容凹部81内に収容された状態で包装部70内に収容されている。
【0032】
図9は、菓子1の本体部10を取り出すときの状態を示す斜視図である。
本体部10を取り出すときは、図9に示すように、例えば、包装部70の一辺を切り取って、容器部80を引き抜くようにして取り出す。この時の引き出し操作は、例えば、包装部70を片手で持ち、もう一方の手で容器部80のつば部82を摘まむようにして取り出すことができる。このようにして、本体部10には手が触れずに丁寧に取り出すことができる。また、容器部80につば部82が設けられていることで、容器部80は、薄い素材であっても全体的な剛性が高められ、本体部10を効果的に保護できる。
【0033】
包装部70の外面には、キャラクター部20の複数種類のキャラクターのうち一つの描画が施されている。一方、包装部70の内部に収容されるベース部50上に形成されたキャラクター部20は、複数種類のキャラクターが用意されており、そのうちの一つのキャラクターがベース部50上に積層された構成となっている。
【0034】
そして、包装部70に収容されている本体部10のキャラクター部20と、包装部70の描画のキャラクター71とは、必ずしも一致しないようにランダムな収容形態とされている。したがって、図9に示すように、包装部70から取り出すときに、包装部70に描画されたキャラクター71と収容されている本体部10のキャラクター部20とが同じ物であるか否か、また、中に入っているキャラクター部20がレアーなキャラクターであるか等を楽しむことができる。
【0035】
以上述べたように、本態様の菓子1は、キャラクター部20が設けられた板状の菓子1において、背景部30が複数の厚みに構成されていることで、立体的な演出をすることができる。
【0036】
また、本態様の菓子1においては、背景部30のうち第1背景部31が厚く構成されていることで、第2背景部32よりも第1背景部31を背景としてより強調することができる。また、第1背景部31と第2背景部32とが隣接していることで背景部間の立体感を演出することが可能である。
【0037】
また、本態様の菓子1では、キャラクター部20は、その表面20sが第1背景部31の表面31sと連続した面を形成していないことで、第1背景部31とキャラクター部20との分離ができる。そして、キャラクター部20は、両背景部31,32との間に最も厚みの小さい割れ易く構成された溝部40を介して隣接しているので、溝部40で分割することが可能になる。特に、キャラクター部20の全周には溝部40が設けられているので、キャラクター部20を本体部10から分割取り出すことが可能になる。
【0038】
本態様の菓子1では、本体部10は、溝部40が割れやすく構成されてはいるものの、溝部40以外の部位も割れる構成であるので、力のかけ具合によって溝部40の部分以外も割れてしまいキャラクター部20の形状を割り出すことを難しくしている。
また、キャラクター部20の複数のパーツ部が溝部40により別れた構成となっているので、キャラクター部20全体を割り出すときに、割り出しを難しいものとしている。この結果、キャラクター部20の割り出しを難しい作業として楽しむことができる。
【0039】
また、本態様の菓子1においては、第1背景部31、及び第2背景部32の系統色を変えることで、菓子1の色を楽しむことができる。また、溝部40の色をキャラクター部20とは異なる、例えば第2背景部32の系統色にすることで、キャラクター部20の輪郭を明確にすることができる。また、キャラクター部20をパーツ部ごとに色を変える構成とすることで、キャラクター部20をカラフルに演出することができる。
【0040】
また、本態様の菓子1においては、本体部10において、ベース部50上にキャラクター部20、第1背景部31、及び第2背景部32を積層するように構成したので、ベース部50の系統色を利用し易い。また、溝部40をベース部50の系統色とすることができる。また、眼部などもベース部50を利用した配色として特徴づけることが可能になる。さらに、ベース部50上のキャラクターを複数種類にするときに、ベース部50を同じにして製造性がよい。
【0041】
また、本態様の菓子1では、キャラクター部20が本体部10の中央に形成されていることで、割り出し過程において、周辺から中央部分向かってキャラクター部20に到達する過程を楽しむことができる。
【0042】
本態様の菓子1では、分割し易さが第1背景部31と第2背景部32で異なる構成であるので、単一の背景部とは異なり、背景部30の割る方の難しさを演出することができる。
【0043】
また、本態様の菓子1においては、厚みの大きい第1背景部31に文字が形成されていることで、文字を強調することができる。
【0044】
また、本態様の菓子1においては、第1背景部31は、例えば矩形状の本体部10の4つの端部(辺)のうち、例えば上辺端部20a、右辺端部20bを含むように構成されていることで、例えば、第1背景部31a,31bのところから割り出し(切り出し)を開始することができる。
【0045】
また、本態様の菓子1では、キャラクター部20と、その他の部分と、の間がうまく分割できる場合と、できない場合と、が発生するように、分割線となる溝部40が設けられ、且つ溝部40以外のところも割ることができるように構成されているので、キャラクター部20を、綺麗に分離することを楽しむことができる。また、キャラクター部20を綺麗に割り出し出来たときの達成感を演出できる。
【0046】
本態様の菓子1では、第1背景部31と第2背景部32とが異なる味になっていることで、分割するときの過程と味の変化を同時に楽しむことができる。特に、いつも同じように割れることがないので、分割片上に残される色、味は常に変化してそれを楽しむことができる。また、本体部10がパフ60入りのベース部50を含んでいることで、味と合わせて食感を楽しむことができる。
【0047】
また、本態様の菓子1においては、本体部10が容器部80に収容されていることで、本体部10はその搬送中などに保護され、さらに、本体部10を包装部70から取り出すときに取り出しやすい。また、包装部70によって本体部10が見えないようにしているので、包装部70を開けたときに見えるキャラクターの種類を楽しむことができる。
【0048】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、キャラクター部20の厚みに対して背景部30が2つの異なる厚みを有する構成としたが、この構成に限るものではなく、3種類以上の厚みを備えた構成であっても良い。
【0049】
また、上記態様においては、チョコレートを主たる原料にした菓子であるがこのような構成に限るものではなく、例えば、クッキーなどある程度固まる材料であれば特に制限するものではない。
【0050】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が記載されている。
【0051】
(1)
板状の本体部と、
上記本体部に形成されているキャラクター部と、
上記本体部に形成されている背景部と、を備え、
上記背景部は、上記キャラクター部と同一の厚みに形成されている第1背景部と、上記キャラクター部と異なる厚みに形成されている第2背景部と、を含んでいる、菓子。
【0052】
(2)
(1)に記載の菓子であって、
上記第1背景部は、その厚みが上記第2背景部の厚みよりも厚く形成されている、菓子。
【0053】
(3)
(1)又は(2)に記載の菓子であって、
上記第1背景部は、5.5~9.0mmの間の厚みに形成され、
上記第2背景部は、3.0~5.4mmの間の厚みに形成されている、菓子。
【0054】
(4)
(1)~(3)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、その表面が上記第1背景部の表面と連続した面を形成していない、菓子。
【0055】
(5)
(1)~(4)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、上記第1背景部、及び上記第2背景部に隣接して設けられている、菓子。
【0056】
(6)
(1)~(5)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、上記第1背景部、及び上記第2背景部と溝部を介して隣接して設けられている、菓子。
【0057】
(7)
(6)に記載の菓子であって、
上記溝部は、その厚みが上記第2背景部の厚みよりも小さくなっている、菓子。
【0058】
(8)
(6)又は(7)に記載の菓子であって、
上記溝部は、上記キャラクター部の全周囲に設けられている、菓子。
【0059】
(9)
(6)~(8)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、上記溝部、及びその他の部分において、分割可能に形成されている、菓子。
【0060】
(10)
(9)に記載の菓子であって、
上記本体部は、上記溝部において、上記その他の部分よりも分割容易に形成されている、菓子。
【0061】
(11)
(6)~(10)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
上記溝部は、上記パーツ部同士の間に設けられている、菓子。
【0062】
(12)
(6)~(11)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部は、第1系統色で形成され、
上記溝部は、上記第1系統色で形成されている、菓子。
【0063】
(13)
(12)に記載の菓子であって、
上記第1背景部は、上記第1系統色とは異なる複数の系統色で形成されている、菓子。
【0064】
(14)
(12)又は(13)に記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
上記キャラクター部は、上記パーツ部毎に、上記第1系統色を除く、複数の系統色で形成されている、菓子。
【0065】
(15)
(1)~(14)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、ベース部を含み、
上記キャラクター部、及び上記第1背景部は、上記ベース部への積層により形成され、
上記第2背景部は、上記ベース部のみで形成されている、菓子。
【0066】
(16)
(15)に記載の菓子であって、
上記ベース部には、その一方面においてのみ上記キャラクター部、及び上記第1背景部が積層されている、菓子。
【0067】
(17)
(16)に記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、眼部を含み、
上記ベース部は、上記眼部において視認可能に構成されている、菓子。
【0068】
(18)
(1)~(17)の何れかに記載の菓子であって、
上記キャラクター部は、上記本体部の中央に形成されている、菓子。
【0069】
(19)
(1)~(18)の何れかに記載の菓子であって、
上記第2背景部は、上記キャラクター部、及び上記第1背景部よりも分割容易に形成されている、菓子。
【0070】
(20)
(1)~(19)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部には、文字が形成され、
上記第2背景部には、文字が形成されていない、菓子。
【0071】
(21)
(1)~(20)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、4つの端部を含み、
上記第1背景部は、上記4つ端部のうち少なくとも2つの端部を含む形態で形成されている、菓子。
【0072】
(22)
(1)~(21)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、分割操作後において、上記キャラクター部を上記第1背景部及び上記第2背景部から分割された第1態様、上記キャラクター部が複数に分割された第2態様、及び上記キャラクター部と上記第1背景部及び上記第2背景部の一部が接続されている第3態様の何れかの態様を成すように構成されている、菓子。
【0073】
(23)
(1)~(22)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部は、その味が上記第2背景部とは異なる味で形成されている、菓子。
【0074】
(24)
(1)~(23)の何れかに記載の菓子であって、
上記第1背景部は、食感が上記第2背景部とは異なる様に形成されている、菓子。
【0075】
(25)
(1)~(24)の何れかに記載の菓子であって、
上記本体部は、ベース部を含み、
上記ベース部は、パフ入りチョコレートで構成され、
上記キャラクター部、及び上記第1背景部は、パフ無しチョコレートで構成されている、菓子。
【0076】
(26)
(25)に記載の菓子であって、
上記ベース部には、複数種類の上記キャラクター部のうちの何れか一つが積層されている、菓子。
【0077】
(27)
(1)~(26)の何れかに記載の菓子であって、
包装部、及び容器部をさらに備え、
上記包装部は、上記容器部内に上記本体部を収容している状態において、上記キャラクター部を視認不可能に包装している、菓子。
【符号の説明】
【0078】
1 菓子
10 本体部
20 キャラクター部
20s キャラクター部の表面
21 顔部(パーツ部)
21a 眼部
22 腕部(パーツ部)
23 胴部(パーツ部)
24 足部(パーツ部)
30 背景部
31 第1背景部
31s 第1背景部の表面(背景部の表面)
32 第2背景部
32s 第2背景部の表面(背景部の表面)
40 溝部
50 ベース部
60 パフ
70 包装部
80 容器部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の本体部と、
前記本体部に形成されているキャラクター部と、
前記本体部に形成されている背景部と、を備え、
前記背景部は、前記キャラクター部と同一の厚みに形成されている第1背景部と、前記キャラクター部と異なる厚みに形成されている第2背景部と、を含
前記キャラクター部と前記第1背景部との間には第1幅の第1溝部が形成され、前記第1背景部と前記第2背景部との間には前記第1幅よりも広い第2幅の第2溝部が形成されている、菓子。
【請求項2】
請求項1に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、その厚みが前記第2背景部の厚みよりも厚く形成されている、菓子。
【請求項3】
請求項2に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、5.5~9.0mmの間の厚みに形成され、
前記第2背景部は、3.0~5.4mmの間の厚みに形成されている、菓子。
【請求項4】
請求項3に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、その表面が前記第1背景部の表面と連続した面を形成していない、菓子。
【請求項5】
請求項4に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記第1背景部、及び前記第2背景部に隣接して設けられている、菓子。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記第1背景部、及び前記第2背景部と前記第1溝部を介して隣接して設けられている、菓子。
【請求項7】
請求項6に記載の菓子であって、
前記第1溝部は、その厚みが前記第2背景部の厚みよりも小さくなっている、菓子。
【請求項8】
請求項7に記載の菓子であって、
前記第1溝部は、前記キャラクター部の全周囲に設けられている、菓子。
【請求項9】
請求項8に記載の菓子であって、
前記本体部は、前記第1溝部、及びその他の部分において、分割可能に形成されている、菓子。
【請求項10】
請求項9に記載の菓子であって、
前記本体部は、前記第1溝部において、前記その他の部分よりも分割容易に形成されている、菓子。
【請求項11】
請求項10に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
前記第1溝部は、前記パーツ部同士の間に設けられている、菓子。
【請求項12】
請求項11に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、第1系統色で形成され、
前記溝部は、前記第1系統色で形成されている、菓子。
【請求項13】
請求項12に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、前記第1系統色とは異なる複数の系統色で形成されている、菓子。
【請求項14】
請求項12に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、複数のパーツ部を含み、
前記キャラクター部は、前記パーツ部毎に、前記第1系統色を除く、複数の系統色で形成されている、菓子。
【請求項15】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、ベース部を含み、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、前記ベース部への積層により形成され、
前記第2背景部は、前記ベース部のみで形成されている、菓子。
【請求項16】
請求項15に記載の菓子であって、
前記ベース部には、その一方面においてのみ前記キャラクター部、及び前記第1背景部が積層されている、菓子。
【請求項17】
請求項16に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、眼部を含み、
前記ベース部は、前記眼部において視認可能に構成されている、菓子。
【請求項18】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記キャラクター部は、前記本体部の中央に形成されている、菓子。
【請求項19】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第2背景部は、前記キャラクター部、及び前記第1背景部よりも分割容易に形成されている、菓子。
【請求項20】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部には、文字が形成され、
前記第2背景部には、文字が形成されていない、菓子。
【請求項21】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、4つの端部を含み、
前記第1背景部は、前記4つの端部のうち少なくとも2つの端部を含む形態で形成されている、菓子。
【請求項22】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、分割操作後において、前記キャラクター部を前記第1背景部及び前記第2背景部から分割された第1態様、前記キャラクター部が複数に分割された第2態様、及び前記キャラクター部と前記第1背景部及び前記第2背景部の一部が接続されている第3態様の何れかの態様を成すように構成されている、菓子。
【請求項23】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、その味が前記第2背景部とは異なる味で形成されている、菓子。
【請求項24】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記第1背景部は、食感が前記第2背景部とは異なる様に形成されている、菓子。
【請求項25】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
前記本体部は、ベース部を含み、
前記ベース部は、パフ入りチョコレートで構成され、
前記キャラクター部、及び前記第1背景部は、パフ無しチョコレートで構成されている、菓子。
【請求項26】
請求項25に記載の菓子であって、
前記ベース部には、複数種類の前記キャラクター部のうちの何れか一つが積層されている、菓子。
【請求項27】
請求項1~5の何れか一項に記載の菓子であって、
包装部、及び容器部をさらに備え、
前記包装部は、前記容器部内に前記本体部を収容している状態において、前記キャラクター部を視認不可能に包装している、菓子。