(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025150
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】バーチャル空間提供システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20250214BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20250214BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129652
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】521166353
【氏名又は名称】株式会社森桂納言
(74)【代理人】
【識別番号】100120581
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 政喜
(72)【発明者】
【氏名】森田 桂子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】 クライアントおよびカウンセラーがあたかも現実世界で相対している感覚でカウンセリングを行うこと。
【解決手段】 バーチャル空間提供サーバ101は、クライアント端末111からの個人情報を管理するとともに、カウンセリングサービスの相談枠を提示して予約を受け付けるカウンセリングマッチングモジュール201、バーチャル空間内でカウンセリングを行うため、カウンセラーなどのアバターまたはこれに代えて本人映像などの映像や、音声を端末に送信して表示、出力させるバーチャル空間提供モジュール202、端末にカウンセリングサービスのためのバーチャル空間提供に必要なデータ等を送信したり、それに対応するデータを受信したりすることによってカウンセリングサービス関連の支援処理を行うカウンセリング提供支援モジュール203、およびカウンセリングサービスの予約や相談枠の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供システムであって、
前記バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、該クライアントが前記遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチング手段と、
前記マッチングされたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示手段と
を備え、
前記カウンセラーのアバターの映像に代えて、前記カウンセラーの映像を表示させることを特徴とするバーチャル空間提供システム。
【請求項2】
クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供システムであって、
カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、前記遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報を前記カウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定手段と、
前記カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、当該選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内に前記クライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、前記選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定手段と、
前記予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示手段と
を備えることを特徴とするバーチャル空間提供システム。
【請求項3】
前記アバターは、前記カウンセラーが予め定めることを特徴とする請求項2に記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項4】
前記カウンセラーおよび前記クライアントの音声を、前記バーチャル空間内で出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項5】
前記マッチング手段は、前記カウンセラーの設定した相談枠の中から前記クライアントが選択して登録する予約登録手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項6】
前記カウンセリングは、予め対応時間を設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項7】
前記カウンセリング中において、終了予定時刻の前の所定の時間内になると、前記クライアント端末に対応可能な延長時間および延長料金を表示させて延長の可否を指示させる延長管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項8】
前記カウンセリング中に、状況に応じまたは前記カウンセラーの指示により落ち着くよう促す指示を前記クライアント端末に表示させる鎮静手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項9】
前記カウンセリング終了後カウンセラーの評価を前記クライアント端末から受信し、管理する評価手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システム。
【請求項10】
クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法であって、
前記バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、該クライアントが前記遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチングステップと、
前記マッチングされたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示ステップと
を備え、
前記カウンセラーのアバターの映像に代えて、前記カウンセラーの映像を表示させることを特徴とするバーチャル空間提供方法。
【請求項11】
コンピュータに、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法を実行させるプログラムであって、該方法は、
前記バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、該クライアントが前記遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチングステップと、
前記マッチングされたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示ステップと
を備え、
前記カウンセラーのアバターの映像に代えて、前記カウンセラーの映像を表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法であって、
カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、前記遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報を前記カウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定ステップと、
前記カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、当該選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内に前記クライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、前記選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定ステップと、
前記予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示ステップと
を備えることを特徴とするバーチャル空間提供方法。
【請求項13】
コンピュータに、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法を実行させるプログラムであって、該方法は、
カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、前記遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報を前記カウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定ステップと、
前記カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、当該選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内に前記クライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、前記選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定ステップと、
前記予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、前記バーチャル空間に表示させる映像表示ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバーチャル空間提供システム、方法およびプログラムに関し、より具体的には、クライアントとカウンセラーとがオンラインにより接続されてリアルタイムで遠隔カウンセリングを行うバーチャル空間提供システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
専用のテレビ会議システムが一定の範囲で使用される中、近年では手軽なパソコンやスマートフォンを使用した1対1あるいは多人数によるオンラインミーティングシステムが普及してきており、各種対人サービスにおいて、このようなインフラを活用した、様々なオンラインシステムが提案されてきている。例えば、対面診療と同等の遠隔診療を実現することを目的とし、患者が使用する第1クライアント端末、及び、医師が使用する第2クライアント端末とを接続可能とし、患者を識別する患者識別情報と、医師を識別する医師識別情報と、ビデオ通話を用いた遠隔診療の予約に関する予約情報とを関連付けて記憶する手段と、予約情報に基づいて、第1クライアント端末と第2クライアント端末との間のビデオ通話シーケンスを開始する制御手段と、医師の指示に応じて、ビデオ通話シーケンスにおいて行った遠隔診療に関するカルテ情報を、患者識別情報と、医師識別情報とに関連付けて記憶する手段と、を備える情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、遠隔地から診察を受ける場合において、簡易に問診を受けることができ、患者からより正確な答えを得ることができる遠隔診療システムおよび方法を提供することを目的とし、利用者がコールセンターに向けて発信するために用いる第1の端末装置10と、第1の端末装置10からの発信を受信する第2の端末装置20とを備え、コールセンターが、第2の端末装置20を用いて第1の端末装置10と通信を行うことによって、利用者に対して問診を行う遠隔診療システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、ユーザが仮想空間内でアバタを介して気軽に相談できるようにすることを目的とし、ユーザアバタ310,311とカウンセラーアバタ320とが、仮想空間300に配置されるシステムにおいて、カウンセラーアバタ320は、複数のカウンセラーのうちいずれか一人により操作され、ユーザの発言及び生体情報に基づいてユーザ反応が解析され、その反応に基づいて質問が抽出され、カウンセラー端末30に提示され、カウンセラーの選択した質問は、カウンセラーアバタ320の発言となり、これにより、複数のカウンセラーのいずれがユーザの相談相手になっても、カウンセリングの質を略一定に保持することができる仮想空間を用いる会話システム、会話方法及びコンピュータプログラムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-146914号公報
【特許文献2】特開2021-47919号公報
【特許文献3】特開2011-39860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の特許文献1に記載されているような情報処理装置では、オンラインにより遠隔でビデオ通話を用いて診療を行うことができ、また、従来の特許文献2に記載されているよう遠隔診療システムにおいては、コールセンターを組み込むことで問診情報の入力を不要とすることができるが、いずれも単にビデオ通話において対応する医師や医療関係者の実際の映像を患者が見るだけであるため、リアルなカウンセリング体験を得られないという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、遠隔カウンセリングをバーチャル空間で提供することにより、クライアントおよびカウンセラーがあたかも現実世界で相対している感覚でカウンセリングを行うことが可能なバーチャル空間提供システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供システムであって、バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、クライアントが前記遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチング手段と、マッチングされたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示手段とを備え、カウンセラーのアバターの映像に代えて、カウンセラーの映像を表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供システムであって、カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報をカウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定手段と、カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内にクライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定手段と、予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のバーチャル空間提供システムにおいて、アバターは、カウンセラーが予め定めることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、カウンセラーおよびクライアントの音声を、バーチャル空間内で出力することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、マッチング手段は、カウンセラーの設定した相談枠の中からクライアントが選択して登録する予約登録手段を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、カウンセリングは、予め対応時間を設定することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、カウンセリング中において、終了予定時刻の前の所定の時間内になると、クライアント端末に対応可能な延長時間および延長料金を表示させて延長の可否を指示させる延長管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、カウンセリング中に、状況に応じまたは前記カウンセラーの指示により落ち着くよう促す指示をクライアント端末に表示させる鎮静手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバーチャル空間提供システムにおいて、カウンセリング終了後カウンセラーの評価をクライアント端末から受信し、管理する評価手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法であって、バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、クライアントが遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチングステップと、マッチングされたクライアントの定めるアバタ映像ーおよびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示ステップとを備え、カウンセラーのアバターの映像に代えて、カウンセラーの映像を表示させることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法を実行させるプログラムであって、方法は、バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、クライアントが遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチングステップと、マッチングされたクライアントの定めるアバタ映像ーおよびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示ステップとを備え、カウンセラーのアバターの映像に代えて、カウンセラーの映像を表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法であって、カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報をカウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定ステップと、カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内に前記クライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定ステップと、予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、クライアントが使用するクライアント端末およびカウンセラーが使用するカウンセラー端末にネットワークを介してバーチャル空間を表示させるバーチャル空間提供方法を実行させるプログラムであって、方法は、カウンセリングの提供を所望するカウンセラーから予約可能時間範囲を指定された相談枠の設定を受信すると、遠隔カウンセリングの相談枠を設定し、相談枠情報をカウンセリングを所望するクライアントのクライアント端末に提供する相談枠設定ステップと、カウンセラーにより設定された複数の相談枠から選択された少なくとも1つの相談枠について、選択された相談枠に設定された予約可能時間範囲内にクライアント端末からカウンセリングの予約を受信したときは、選択された少なくとも1つの相談枠を設定したカウンセラー端末にその旨送信し、予約を確定させる予約確定ステップと、予約が確定されたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、バーチャル空間内で遠隔カウンセリングを所望するクライアントと、クライアントが前記遠隔カウンセリングを所望するカウンセラーとをマッチングさせるマッチング手段と、マッチングされたクライアントの定めるアバター映像およびカウンセラーの定めるアバター映像を、バーチャル空間に表示させる映像表示手段とを備え、カウンセラーのアバターの映像に代えて、カウンセラーの映像を表示させるので、クライアントおよびカウンセラーがあたかも現実世界で相対している感覚でカウンセリングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態のサーバおよびクライアント端末の一例の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態のサーバおよびカウンセラー端末の一例の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態の会員情報登録画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態の会員情報登録画面の別の例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態の会員情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態の会員のプロフィール入力画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態の相談枠の作成画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態の現在予約可能な相談枠一覧画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態のクライアントによる予約登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態の現在予約可能な相談枠一覧画面の一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態のクライアントが選択した相談枠の詳細を表示する画面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態のカウンセリング開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態のカウンセリング実行中のクライアント端末およびカウンセラー端末の画面の一例を示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態のカウンセリング実行中のクライアント端末およびカウンセラー端末のカウンセリング中の画面の一例を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態のカウンセリング終了後のカウンセラー端末の画面の一例を示す図である。
【
図17】本発明の一実施形態のカウンセリング中の一時休止の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のバーチャル空間提供システム、方法およびプログラムについて図面を参照して実施形態を説明する。なお、異なる図面でも、同一の処理、構成を示すときは同一の符号を用いる。
【0024】
本発明は、バーチャル空間提供システムにおいて、クライアントとカウンセラーとをつないでカウンセリングサービスを提供するものであり、特にカウンセラーは予め登録されているものとする。すなわち、クライアントはカウンセリングサービスを受ける対象者として会員登録することができ、提供されるサービスの対価として所定の費用を支払う。一方、カウンセラーはサービス提供の実績に合わせて報酬を受け取る。本実施形態のシステムにおけるカウンセリングサービスは、公認心理師(カウンセラー)による心理カウンセリングを一例として説明するが、これに限られることなく本発明のオンラインカウンセリングサービスには、法律相談や、労務相談をはじめとして、専門的な(例えば、専門的な資格を有する)カウンセラーによる様々なオンラインによる相談を含めることができる。また、カウンセリングが提供されるバーチャル空間は、様々な態様で提供することができ、本技術分野で知られたいずれの態様とすることができるが、以下の実施形態ではバーチャル空間内に各カウンセラーがクリニックあるいは事務所を設定して、予約したクライアントが空間内をそのクリニックまで移動してカウンセリングサービスを受けるという設定とする。
【0025】
カウンセリングを実行するにあたっては、カウンセリングを所望するクライアントと、カウンセリングを提供するカウンセラーとのマッチングを取り、日時や料金を定めて予約を成立させることとなるが、マッチングは以下の実施形態によりいくつかの異なる方法により行うようにすることができる。
【0026】
本実施形態のシステムは、以下に説明するようにカウンセリングを所定の固定時間で提供するが、カウンセリングを固定の時間とせずに行われた時間にカウンセラーが別途定める単価を乗じたタイムチャージに基づいて算出されてクライアントが支払い、そのうち所定の運営費をシステム運営者が受け取って、残金をカウンセラーに支払うようにすることもできる。加えて、緊急的なカウンセリング等のために別の料金体系を備えることができるが、以上に限られずカウンセラーやクライアントに合わせて様々な料金設定または支払方法などを備えることができる。
【0027】
(第1実施形態)
(システム構成)
本実施形態では、
図1に示すように、各端末との送受信や、データ管理、予約受付、サービス依頼処理、支払処理などカウンセリングのために必要な処理およびバーチャル空間の提供に必要な処理を実行するバーチャル空間提供サーバ101がネットワークに接続されており、ネットワーク103を介して利用者側の各クライアント端末111、112やカウンセリング提供者側のカウンセラー端末121、122に接続されている。本実施形態では、このサーバ101の機能は、クラウドを通じて各端末に提供することもできる。この場合、各端末ではブラウザや専用アプリを使用して主に入力、表示のみの処理を行い、データの管理、種々の処理は基本的にサーバ上で行われるが、クラウドの構成とせずインターネットや専用のネットワークを介して直接クライアントや端末などに提供するような構成とするなど、本技術分野で知られたいずれの構成とすることもできる。また、バーチャル空間の提供方法は、様々な3Dディスプレイを含む表示装置を用いて、本技術分野で知られたいずれかのバーチャル空間提供手法を用いて提供することができる。
【0028】
また、サーバとしては、バーチャル空間提供サーバ101に加え、本技術分野で知られた様々なサービスを提供する各種サーバを備えることができる。また、図示しないデータベースを備え、データベースには、本実施形態で必要とされる各種データを格納しておくことができる。
【0029】
本実施形態では、利用者側の端末として、クライアント端末111、112が用いられ、バーチャル空間内でオンラインカウンセリングを受けることができるが、これらの端末はカウンセリングサービスを依頼するクライアントの個人情報や予約の入力などのために用いることもできる。
【0030】
また、カウンセリングサービスの提供者側としては、サービスを提供するために予め登録してあるカウンセラーがカウンセラー端末121、122を使用して、カウンセリングの相談枠を設定し、クライアントが設定された相談枠から所望の枠を選択して予約することにより、クライアントとカウンセラーとのマッチングがとられて、バーチャル空間内でオンラインカウンセリングが提供され、あるいは費用処理などをすることができる。ここでは、カウンセラー端末121、122は2台しか例示されていないが、実際はシステム全体としてクライアントに十分な量の相談枠を提供するのに必要なカウンセラーの分だけ存在することができる。
【0031】
端末111、112、121および122は、基本的に無線あるいは有線でネットワーク103に接続されており、パーソナルコンピューター、スマートフォン、あるいはタブレット端末等とすることができるが、そのほか例えばモバイルパソコン等とすることができる。ここで、本実施形態でネットワーク103との接続は、通常のLANやWANなどの有線ネットワークまたは携帯電話の回線や、Wi-fi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線ネットワークにより行うことができるが、基本的にネットワークを介してバーチャル空間提供システムにアクセスして入力画面を表示、およびタッチパネル、マウスまたはキーボードで一定の入力操作をすることができれば、タブレット端末のほか、モバイルあるいはデスクトップのパソコン、専用端末などいずれの装置を用いることもできる。バーチャル空間の提供は、仮想現実(VR)ヘッドセットや拡張現実(AR)ヘッドセットなどのウェアラブルな3Dディスプレイ、その他の3Dディスプレイを各端末に接続して提供することができるが、これに限らず、ホログラムや視差を利用した各種の3Dディスプレイを使用して提供できるほか、3D表示を行わなくても一定の仮想空間を提供することができる表示装置であれば、本技術分野で知られたいずれの表示装置も使用することができる。ウェアラブルな3Dディスプレイにはアップル社のVision Proを含むこともできる。
【0032】
また、本実施形態のバーチャル空間提供サービスに関する処理を主に実行するサーバとしては、バーチャル空間提供サーバ101のみで処理を行うようにしているが、これに限られず複数のサーバに分けて、機能分担させることもできる。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態のサーバおよびクライアント端末の機能ブロック図である。バーチャル空間提供サーバ101は、クライアント端末111からアクセスを受け、個人情報を受信してデータベースに格納し管理するとともに、カウンセリングサービスの相談枠を提示して予約を受け付けるカウンセリングマッチングモジュール201、バーチャル空間内でカウンセリングを行うため、カウンセラーなどのアバターまたはこれに代えて本人映像などの映像や、音声を端末に送信して表示、出力させるバーチャル空間提供モジュール202、端末にカウンセリングサービスのためのバーチャル空間提供に必要なデータ等を送信したり、それに対応するデータを受信したりすることによってカウンセリングサービス関連の支援処理を行うカウンセリング提供支援モジュール203、およびカウンセリングサービスの予約や相談枠の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【0034】
一方、クライアント端末111は、クライアントに関する情報を入力させ、入力されたクライアントに関する情報を管理するデータ入力管理モジュール205、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール206およびバーチャル空間内でカウンセリングサービスの提供を受けるため、カウンセラーなどのアバターまたはこれに代えて本人映像などの映像や、音声をサーバから受信して表示、出力するバーチャル空間処理モジュール207を備える。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態のサーバおよびカウンセラー端末の機能ブロック図である。バーチャル空間提供サーバ101は、カウンセラー端末121からアクセスを受けて、カウンセラーの個人情報や振込口座などカウンセリングサービス提供に必要なデータを受信してデータベースに格納し管理するとともに、カウンセリングの予約のための相談枠を設定するカウンセリングマッチングモジュール201、バーチャル空間内でカウンセリングを行うため、クライアントなどのアバターまたはこれに代えて本人映像などの映像や、音声を端末に送信して表示、出力させるバーチャル空間提供モジュール202、端末にカウンセリングサービスの提供に必要なデータ等を送信したり、それに対応するデータを受信したりすることによってカウンセリングサービス関連の支援処理を行うカウンセリング提供支援モジュール203、およびカウンセリングサービスの予約や相談枠の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【0036】
一方、カウンセラー端末121は、カウンセラーに関する情報を入力させ、入力されたカウンセラーに関する情報を管理するデータ入力管理モジュール301、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール302およびバーチャル空間内でカウンセリングサービスを提供するため、クライアントなどのアバターまたはこれに代えて本人映像などの映像や、音声を端末に受信して表示、出力させるバーチャル空間処理モジュール303を備える。
【0037】
(本実施形態の会員登録処理)
本発明の一実施形態で用いるバーチャル空間提供サーバ101の具体的な動作及び処理に関し、本実施形態の会員登録処理を説明する。端末111からブラウザや専用アプリなどによりネットワーク経由でバーチャル空間提供サーバ101に接続すると、バーチャル空間提供サーバ101のカウンセリングマッチングモジュール201は、携帯電話番号の入力フィールドおよびパスワード入力フィールドを含む会員登録画面を端末に送信し、表示させる。携帯電話番号が入力され、送信ボタンが押下されると、端末に不図示の仮登録画面をショートメールで送信し、本技術分野で知られたいずれかの手続きで会員登録をすることができる。本実施形態では、携帯電話番号を用いて仮登録を行って本登録を行うが、これに限らず本技術分野で知られたいずれの会員登録方法も用いることができる。また、ここでは、携帯電話番号を用いてユーザを特定したが、これに限られることなく、メールアドレスや、その他の識別情報を用いることもできる。さらに、他のユーザで接続を忌避したい事情等があるときは、予め特定してブロックすることもできる。例えば、過去の情報などからカウンセリングを回避したいクライアントをあらかじめ登録しておいて、カウンセラーがブロックするようにすることもできる。
【0038】
(本実施形態の会員情報入力処理)
図4および5を参照して本実施形態の会員情報入力処理を説明する。
図4は、本発明の一実施形態の会員情報登録画面の一例を示す図であり、
図5は、本発明の一実施形態の会員情報登録画面の別の例を示す図である。端末111からブラウザや専用アプリなどにより、ネットワーク経由でバーチャル空間提供サーバ101に接続してマイページ401を開くと、バーチャル空間提供サーバ101のカウンセリングマッチングモジュール201は、プロフィールボタン402、お支払い情報ボタン403および送信ボタン404を表示させ、プロフィールボタン402が押下されたことを検出すると不図示のプロフィール入力画面を表示させて入力させる。プロフィール入力画面には、クライアントまたはカウンセラー相互に公開される情報(公開情報)を入力するフィールド、例えばニックネーム入力フィールド等、および公開されない情報(非公開情報)を入力するフィールド、例えば本名入力フィールドや生年月日入力フィールドが表示され、それぞれ入力することができるようになっている。
【0039】
お支払い情報ボタン403が選択されると、クレジット情報など本技術分野で知られた支払情報の各入力フィールド含む、不図示のお支払い情報入力画面が表示され、入力が行われる。さらに、登録中の会員がカウンセラーの場合マイページ401において、カウンセラー登録申請ボタン404を選択することにより、カウンセラーとしての各種情報を入力する入力画面501が表示され、上述のプロフィール情報と同様に、対応言語、得意な相談内容等も入力することができる。なお、カウンセラーについては、入力された情報に基づいて会員として認めるか否かを決定するため審査を行うことができる。審査にあたっては、登録証などで資格を確認して運用を確実にすることもできる。
【0040】
(本実施形態のカウンセリング予約処理)
本発明の一実施形態で用いるバーチャル空間提供サーバ101の具体的なカウンセリング予約処理に関し、
図6ないし8を参照して説明する。本実施形態のカウンセリング予約は、まずカウンセラーが空き時間等を考慮してクライアントに提供することが可能な相談枠を作成し、クライアントが、提供された相談枠から所望のものを選択して予約を行う。
図6は、本発明の一実施形態の会員情報登録処理の一例を示すフローチャートであり、
図7は、本実施形態の会員のプロフィール入力画面の一例を示す図である。
図8は、本発明の一実施形態の相談枠の作成画面の一例を示す図である。
【0041】
カウンセラー端末121からブラウザや専用アプリなどによりネットワーク経由でバーチャル空間提供サーバ101に接続すると、バーチャル空間提供サーバ101のカウンセリングマッチングモジュール201は、相談枠作成画面701を表示する(ステップ601)。カウンセラーはクライアントがカウンセリングの内容をおおむね判断できるようなタイトル702を記入し、必要であれば内容把握促進などのため、カバー写真703を設定する(ステップ602)と、詳細設定画面801が表示される。開催日時入力フィールド802において設定したい日時を選択すると、その日時が表示される(ステップ603)。価格設定フィールド803において設定したい料金を設定すると、その料金が表示される(ステップ604)。一般に、従来例えば、24時間以内の相談枠は決済後のキャンセル処理等が煩雑となったり、カウンセラーの準備が必要であったりするために非表示とし、予約を締め切って予約できないようにしているが、本実施形態では、相談枠作成時、カウンセラーが予約締め切り時間を設定できるようにして、所定の時間内でも予約可能な相談枠を提供することが可能となっている。加えて、相談枠作成時に個別に予約可能時間範囲を指定できるので、同じカウンセラーでもその時の状況に合わせて相談枠ごとに予約可能時間範囲を変えることもできる。なお、本実施形態では、予約可能時間範囲を相談枠の開始時間前の時間で指定するがこれに限られず、予約可能時間範囲を確実に指定することができる限り、具体的な時刻やその他本技術分野で知られたいずれかの方法で指定することができる。予約締切時間が指定され(ステップ605)、作成実行がなされると、相談枠が生成される(ステップ606)。ここで、相談枠は原則として固定時間、例えば40分として、開始時刻を設定すれば時間枠が確定されるようになっているがこれに限られず、枠を可変にしたり、追加で、時間を増加させるようにしたりすることもできる。
【0042】
また、価格設定はその都度あるいは一律に設定できるので、例えばそのカウンセラーのカウンセリングは一律同じ料金としたり、夜間診察や深夜のタクシーの割増料金のように、夜間の時間帯や休日、年末・年始は上乗せした金額で設定したりすることもできる。また、モニター価格、キャンペーン価格を設定することもでき、予約枠が早期に埋まり、古くからカウンセリングを行っている相談者の予約が中々取れなくなって来たら、ここで料金の値上げを行う等戦略的な価格付けも可能であり、以上のような運用に適合した料金メニューを表示するようにすることもできる。
【0043】
以上のように相談枠が設定されると、
図9に示すようにクライアント端末111に表示される相談枠一覧画面901に加えられ(ステップ1001)、設定された予約可能時間範囲内は予約可能となるが、時間範囲外になると表示が消され、あるいは時間範囲外であることが表示されなど、本技術分野で知られたいずれかの方法で予約可能時間範囲外であることが認識されるようにされる。また、表示自体は変更せず、実際に予約をしようとしたクライアントに個別にメッセージ等で知らせて予約できないようにすることもできる。この場合、クライアントに通知する前にカウンセラーに予約があった旨を通知して、予約の可否をカウンセラーに判断させることもでき、このようにして相談枠作成時に指定した予約可能時間範囲外でも予約を受け付けることができるようにすることもできる。ここで、設定された相談枠はクライアント全般に表示されるが、所定のクライアントに限定することもできる。具体的には、上述の相談枠作成において相談枠の作成画面内の公開種別において「公開する」を指定しなければ、その相談枠は公開されず、特定のクライアントのみ予約することが可能となる。特定のクライアントへの通知はメッセージ機能など本技術分野で知られたいずれかの方法で行うことができる。
【0044】
以下、
図9ないし11を参照して、設定された相談枠のクライアントによる予約処理を説明する。
図9は、本発明の一実施形態の現在予約可能な相談枠一覧画面の一例を示す図であり、
図10は、本実施形態のクライアントによる予約登録処理の一例を示すフローチャートである。
図11は、本発明の一実施形態の現在予約可能な相談枠一覧画面の一例を示す図である。
図9に示す相談枠一覧画面901には、その時点から24時間以降の相談枠数902および相談枠903が表示されるが、日付指定により、不図示のカレンダーを表示して日付を指定することにより、その日付以降に設定されている相談枠のみが表示されるようにすることもできる。
【0045】
図9においては、最近の相談枠を単に時間順に表示することができるが、表示されたクライアントに合わせて、本技術分野で知られた手法で選択された「おすすめ」の相談枠とし、「おすすめ」以外のその他の相談枠と分けて表示することもできる。表示された相談枠一覧画面901から所望の相談枠を選択すると(ステップ1002)、
図11に示すように選択された相談枠の詳細を表示する相談枠詳細画面1101を表示する(ステップ1003)。
【0046】
図11に示す相談枠詳細画面1101には、カウンセラーの提供するカウンセリングの名称1102、公認心理師であるカウンセラーがクライアントのカウンセラーの選択のために有用と考えるカウンセリングの内容1106や、自己の詳細を予め設定しておいたカウンセラー情報および同様にカウンセラーが予め設定しておいた価格1104が表示される。カウンセリングの名称1102の横には、カウンセラーのプロフィールとして、写真あるいはカウンセラーが設定した画像が表示され、クライアントの選択の参考に供することもできる。クライアントは、相談枠詳細画面1101を参照して、表示された相談枠を予約しようと決定して、予約決定ボタン1105をタッチすると(ステップ1004のYes)、予約が確定して登録済みとなり、以後サーバで管理される(ステップ1005)。この際、同時にクライアントのクレジットカードにより費用を決済することができるが、この場合後述するカウンセラーからのキャンセル処理に示すように、後々キャンセル等が発生したときは所定の手数料を引いて返金する等本技術分野で知られたキャンセル料返金処理を実行することができる。なお、カウンセリング開始前のクライアントからのキャンセルの際の手続きとしては、例えばカウンセリング予定時間の72時間前までにクライアントからキャンセルされた場合は、100%料金が変換され、それ以降24時間までは30%程度のキャンセル料が控除されて返金処理され、24時間以内のキャンセルは、全額引き落としといったキャンセルポリシーとすることもできる。
【0047】
予約登録済みのカウンセリング予約は、例えば図示しない予約確認画面で確認することができ、クライアントが実際に登録した予約を実行する場合は、この画面から実行する予約を選択してカウンセリングを開始するようにすることができる。クライアントが表示された相談枠以外を所望のときは(ステップ1004のNo)、再度相談枠一覧画面1101を表示する(ステップ1006)。以上、本実施形態では、カウンセラーによる相談枠の設定、およびクライアントの枠の選択によってカウンセリングの予約が行われるが、これに限られることなく、本願発明は、本技術分野で知られたいずれの予約手法を用いることができる。
【0048】
(本実施形態のカウンセリング実行処理)
本発明の一実施形態のバーチャル空間提供サーバ101において提供するカウンセリングの実行処理に関して、まず開始処理を
図12ないし15を参照して説明する。
図12は、本発明の一実施形態のクライアントが選択した相談枠の詳細を表示する画面の一例を示す図であり、
図13は、本実施形態のカウンセリング開始処理の一例を示すフローチャートである。
図14は、本発明の一実施形態のカウンセリング実行中のクライアント端末およびカウンセラー端末の画面の一例を示す図であり、
図15は、本実施形態のカウンセリング実行中のクライアント端末およびカウンセラー端末のカウンセリング中の画面の一例を示す図である。
【0049】
カウンセリングの日時が近づき、クライアントが予約管理のページを表示すると、予約確認画面1201が表示され(ステップ1301)、この画面から予約日時が近づいている予約を選択する(ステップ1302)。予約確認画面には登録済み件数、登録済みの予約およびキャンセル予約表示ボタンが表示されており、カウンセリング開始処理以外のときでも、内容の確認やキャンセルを行うこともできる。また、不図示のキャンセル予約表示ボタンをオンにするとキャンセル済みの予約も表示するようにすることができる。例えば、登録済み予約は複数設定することもでき、カウンセリング開始時には、カウンセリング日時が近づいている予約を選択することができるが、これに限られず予約確認時に開始時刻から所定時間内にある予約を自動的に開始するようにすることもできる。また、メール等により所定時間前(1時間前。あるいは5分前等)に予約があることをリマインドすることもできる。また、カウンセリング開始時刻の所定時間前になると、仮想的なクリニックや事務所が存在するモールなどのバーチャル空間を提供して、予約済みのバーチャルクリニックあるいはバーチャル事務所まで自己のアバターを移動していくようにすることもできる。
【0050】
開始するカウンセリング予約が選択され、あるいは自動で決定すると、クライアント端末には、
図14に示すようなバーチャル空間が提供され適宜待機した後、例えば
図15に示すようなカウンセリングルーム1501に案内されて、クライアントのアバター1502がカウンセラーのアバター1503の提供するカウンセリングを受けることができる(ステップ1303)。
図14に示すバーチャル空間1401は、例えばクリニックなどの待合室1402をイメージして、クライアントのアバター1403が案内されるまで待機するようにすることもできる。このような待合室で待機していて、カウンセリング開始の時間になると、カウンセラーあるいは職員のアバターが現れカウンセリングルームに案内し、カウンセラー1503はクライアント1502にカウンセリングサービスを提供する。なお、クライアントが表示された予約をキャンセルすることを決定したときは、キャンセル1203を押下してキャンセルできるようにすることもできる。ただし、予約が登録された時点でカウンセラーは拘束されるから、所定のキャンセル料が発生するキャンセル処理を設けたり、キャンセル自体を禁止したりすることもできる。本実施形態では、
図14に示すカウンセリング中のバーチャル空間の画面に移行する前に、
図12に示すような予約詳細画面1201が表示するようにして、カウンセリング開始ボタン1205を押下するようにすることもできるが、基本的に予約詳細画面1201はカウンセラーもクライアントも同様の内容を含むものであり、これから開始されるカウンセリングの内容や時間が確認できればいずれの形態とすることもできる。また、カウンセリング開始ボタン1205は、クライアント端末においては、所定の時刻になってカウンセラーの準備が整い、またはカウンセラー端末側でカウンセリング開始ボタン1205が押下されるまで、不活化して押下できないようにすることもできる。
【0051】
以上、予約日時となりカウンセリンが開始された後でも本実施形態では、所定の処理を行って、カウンセリングの支援を行う。本実施形態では、主にクライアント端末に提供されるバーチャル空間に基づいて動作、処理を説明したが、カウンセラー端末についても同様に本技術分野で知られた技術によりカウンセラーに合わせたバーチャル空間を提供し、動作、処理を行うことができる。
【0052】
図14および15に示すように、バーチャル空間においては、クライアントもカウンセラーも予め設定されたアバター1403あるいはアバター1502,1503で表現され、クライアント端末111およびカウンセラー端末121に提供されたバーチャル空間に、相互のアバターが表示され、相対して会話を行うことが可能である。ここで、基本的には本人の音声でやり取りを行うが、会話に支障がなければ各々代替の音声を使用することもできる。また、本実施形態では、クライアント端末111に表示されるカウンセラーのアバターに代えて、カウンセラー本人の映像、例えばウェブカメラ撮影したリアルな本人映像やあらかじめ用意した本人映像を表示することもできる。このように、カウンセラー本人の映像をクライアント端末に表示することにより、クライアントにカウンセリングを行うに際して安心感を与えることが可能となり、特に心理カウンセリングなど、クライアントとカウンセラーとの信頼感が重要なカウンセリングにおいては有効である。また、カウンセラーが、クライアントに対して本人映像を表示させることにより、間違いなく登録された本人であることを保証して、法律上も適正なカウンセリングを提供することが可能となり、信頼性の高いカウンセリングを担保することができる。
【0053】
以上のように、クライアント端末111とカウンセラー端末121とが接続されて、カウンセリングが実行されるが、特に心理カウンセリングの場合、相談者の興奮が強いとカウンセラーが判断したときは、不図示の一時休止ボタンを表示させて選択させることにより、所定時間、例えば1分間のクールダウンタイムを挿入するとともに、クライアント端末に
図17に示すような、クライアントの心が落ち着くような感情鎮静画像1701、1702を表示することができる。
【0054】
本実施形態のカウンセリングは不図示の終了ボタンが押下されと終了する。本実施形態では、特に終了時刻を通知しないのでカウンセラーがタイマーをかけておいて終了させたりするが、終了時刻あるいは終了の数分前等にその旨表示させて終了を促すこともできる。また、本実施形態では、カウンセリングの基本単位を40分とし、概ね1時間を1サイクルとして予約を設定することができるようになっているので、カウンセリングの終了予定時刻を過ぎても追加料金を加算することにより延長することもできる。例えば、カウンセラーのカウンセリング画面に不図示の延長ボタンを表示させておいて、カウンセラーが押下すると、延長時間(5分間等)と延長料金(500円等)を表示したボタンをクライアント端末111に表示させて、クライアントが希望して当該ボタンを押下したときは、カウンセリングの延長を可能にすることもできる。
【0055】
ここで、終了ボタンが押下されてカウンセリングが終了すると、
図16に示すように、カウンセラー端末には終了処理画面1601が表示される。終了処理画面1601には、カウンセリング費用の内訳として運営側の運営費およびカウンセラーに支払われる合計額1603が表示される。本例では、クライアントが支払う費用の3割程度が運営費となるが、割合や額は本技術分野で知られた手法により決定することができる。
【0056】
また、予約時にクライアントがカウンセリング料金を支払済みの場合で、通信状態が悪く、カウンセリングを十分に行えなかったときなどは、カウンセリング中に不図示のキャンセルボタン、または終了後に表示される終了処理画面1601のキャンセルボタン1604を押下することにより、自動的に返金の手続きを行うこともできる。この際、返金額はカウンセリングの達成状況により50%返金等割合に応じて柔軟に対応することもできる。各カウンセラーの所定期間、例えば1か月ごとの費用を確定し、確定した費用に基づき、システム運営者側の手数料を控除して本技術分野で知られた方法により、各カウンセラーに費用が支払われる。
【0057】
さらに、クライアントは、カウンセリング終了後、当該カウンセリングに対する評価をクライアント端末からサーバに送信することができ、サーバ側では送信された評価情報を蓄積するとともに、分析を行ってシステム改善に用いるとともに、定期的にカウンセラーに通知することができる。評価の入力、分析、運用等は本技術分野で知られたいずれの手法も用いることができる。以上のように、カウンセリングを実施されると、所定の期間、例えば1カ月ごとに各カウンセラーについてカウンセリング手数料を集計し、運営費を除くカウンセリング手数料を算出してカウンセラーへの支払いが行われる。
【0058】
(第2実施形態)
本実施形態は、基本的には上述の第1実施形態と同様の構成を有し、各端末の機能や、構成も同様である。第1実施形態では、基本的に予めサービス提供の予約を行ったものであるのに対し、本実施形態では、必ずしも事前に予約の登録がされていないクライアントに対してもスポットでカウンセリングサービスを提供する点が異なる。すなわち、突発的に症状が悪化するなど、事前に日時を定めることができない緊急なカウンセリングが必要な場合も想定し、予め対応可能なカウンセラーを登録しておいて、実際にそのような申し込みがあったときにマッチングを取ってカウンセリングを実行することが可能なようにすることができる。具体的には、上述の第1実施形態では、カウンセリング開始時刻の24時間以降の相談枠しか予約することはできないが、予めカウンセラーにオファーを出して、緊急対応が可能なカウンセラーを登録しておき、特別に設定された相談枠はカウンセリング開始24時間以内であっても、緊急相談枠としてクライアントに表示して24時間以内でも予約を選択できるようにすることができる。この場合、数日前に予約する場合とは異なり、キャンセルもほとんどないので、煩雑なキャンセル処理も考慮する必要性がないと考えられる。カウンセラーへのオファーは、例えばその日に未予約の相談枠を設定しているカウンセラーを抽出して行うこともできる。
【0059】
本実施形態では、例えばクライアント側から緊急で対応可能なカウンセラーを希望する場合は、これに対応可能なカウンセラーの緊急相談枠を開示するようにして、カウンセリングを実行することができる。ここで、本実施形態では、事前に費用の徴収ができないので、クレジット情報を提供させておいて、その有効性のみ確認して、カウンセリングサービスの提供後クレジット決済するようにすることもできる。
【0060】
(第3実施形態)
本実施形態は、基本的には上述の第1実施形態と同様の構成を有し、各端末の機能や、構成も同様である。第1実施形態では、カウンセラーが相談枠を設定し、設定された相談枠の中からクライアントが所望の予約を指定して予約を行うのに対し、本実施形態では、クライアント側から希望日時のカウンセリングのリクエストを送信して、カウンセラーが対応可能な場合に返信することによって予約が成立する。リクエストは、カウンセラーを指定して行うこともできるが、カウンセラーを指定せず送信することもできる。リクエストを受信したサーバは、指定されたカウンセラーまたは登録されたカウンセラー全員または所定の条件で絞って、リクエストがあった旨を送信し、受諾の返信があったカウンセラーとリクエストしたクライアントとの予約を成立させ、カウンセリングを実行させる。予約処理については、例えば、予約が成立した旨をクライアントに招待メールを送信し、招待メールを開くとカウンセリング開始前の画像を表示してカウンセリングを実行するようにすることもできる。
【0061】
(第4実施形態)
本実施形態は、基本的には上述の第1ないし3実施形態と同様の構成を有し、各端末の機能や、構成も同様である。上述の実施形態では、一人のクライアントに対し、一人のカウンセラーがカウンセリングを行うものであるが、本実施形態では、複数のクライアントに対し、一人のカウンセラーが対応する。すなわち、複数のクライアント端末と1台のカウンセラー端末とを接続してカウンセリングを実行することができる。具体的には、例えば、1対2のカウンセリングの場合、1人のクライアントが決済し、もう1人のビジター利用者をショートメール等で招待して3人で会話することもできる。また、相談枠作成時にカウンセラーが複数クライアント対応可能であることを設定することによって、相談枠一覧にはその旨が表示され、一方クライアントが予約する際に対応を所望する他のクライアントを入力して通知することにより、1対複数のカウンセリンが予約される。予約が成立した後は上述の各実施形態と同様にカウンセリングを実行することができる。ここで、料金体系は別途複数クライアントに適合させて、一人当たりの料金を通常より高く、あるいは低く設定することもできる。
【0062】
以上により、例えば、遠隔地にいる親(18歳以上の利用者)が利用料を決済し、未成年または成人の子供をカウンセリングに携帯番号のショートメールで招待メールを送って紹介し、カウンセリングを実行することができる。また、海外在住の公認心理師が、カウンセリングを行う場合も、3人でカウンセリングすることも可能とすることもできる。さらに、別居中の夫婦の同時カウンセリングも居場所を漏洩することなく電話番号のみで可能とすることができる。