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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025158
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】車両用開閉体駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/622 20150101AFI20250214BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
E05F15/622
B60J5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129682
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003292
【氏名又は名称】弁理士法人三栄国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 貴一
(72)【発明者】
【氏名】横田 佳明
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA08
2E052DB08
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA14
2E052KA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的簡素な構造を有し、かつ駆動手段の駆動力の伝達効率が高い車両用開閉体駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動手段(2a)を有する駆動ユニット(2)と、駆動ユニット(2)を収容して開閉体(6,6’)および車体(5)のいずれか一方の内部に固定される筐体(2e)と、開閉体(6,6’)および車体(5)のいずれか他方と駆動ユニット(2)を連結する連結機構(3)とを備え、駆動手段(2a)の出力軸(21a)と連結機構(3)とが、開閉体(6,6’)の回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように配置された車両用開閉体駆動装置(1)において、開閉体(6,6’)の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により、連結機構(3)を筐体(2e)内で回動可能に支持し、開閉体(6,6’)の開閉動作に伴い、連結機構(3)を筐体(2e)に対して回動させる構成とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に回動可能に支持された開閉体を駆動する車両用開閉体駆動装置であって、
前記開閉体および前記車体のいずれか一方の内部に配置され、駆動手段を有する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを収容する筐体であって、前記駆動ユニットが配置された前記開閉体または前記車体の内部に固定される筐体と、
前記開閉体および前記車体のいずれか他方と、前記駆動ユニットを連結する連結機構であって、一端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体から突出して前記開閉体および前記車体のいずれか他方に回動可能に支持され、かつ他端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体の内部に挿入されるように、前記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において前記筐体に挿通されており、以って、前記駆動手段の駆動力により、前記筐体に対して相対的に前記一端部側に押し出され、かつ前記筐体に対して相対的に前記他端部側に引き込まれることにより前記開閉体を開閉駆動させる連結機構と、を備え、前記駆動手段の出力軸と前記連結機構とが、前記回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように配置された車両用開閉体駆動装置において、
前記連結機構は、前記回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により、前記筐体内で回動可能に支持されており、前記開閉体の開閉動作に伴い、前記筐体に対して回動することを特徴とする車両用開閉体駆動装置。
【請求項2】
前記筐体内に配置され、前記駆動手段の出力軸と係合して前記駆動手段により回転する伝達手段であって、前記駆動手段の駆動力を前記連結機構に伝達する伝達手段をさらに備えており、前記出力軸と前記伝達手段は、係合角度が変化可能なジョイント構造で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項3】
前記駆動手段の出力軸の先端部周面には、前記出力軸の径方向に突出して、前記出力軸の軸線に沿って延在する複数の突起が設けられており、前記伝達手段には、前記出力軸の各突起と係合する断面U字型の複数の係合溝を有する係合孔が設けられており、前記出力軸を前記係合孔に対して挿入した状態において、前記各突起の回転進行方向の側面が、対向する前記係合溝の側壁と接触して、前記伝達手段を回転させるようになっており、
前記各突起の外縁部は、側面視で、前記出力軸の先端側の最突出部から後方に向かって次第に突出高さが減少する曲面に形成されており、前記外縁部と対向する前記係合孔の内周壁は、前記伝達手段の軸線方向に沿って延在しており、以って、前記伝達手段は、前記出力軸に対する係合角度が変化するように、前記出力軸に対して回動することができ、この回動時にも、前記突起の回転進行方向の側面部の少なくとも一部が、対向する前記係合溝の側壁と接触して、前記伝達手段を回転させるようになっており、
以って、前記出力軸と前記伝達手段は、係合角度が変化可能なジョイント構造で接続されており、前記伝達手段は、前記出力軸に対して回動しながら、前記出力軸の正転及び逆転の両回転方向において、前記駆動手段の駆動力を、前記連結機構に伝達することを特徴とする請求項2に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項4】
前記連結機構は、前記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において前記筐体に挿通され、一端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体から突出して前記開閉体および前記車体のいずれか他方に回動可能に支持され、かつ他端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体の内部に挿入されたリードスクリューであって、前記駆動手段の駆動力により、前記筐体に対して相対的に前記一端部側に押し出されることにより前記開閉体を開方向に移動させ、前記筐体に対して相対的に前記他端部側に引き込まれることにより前記開閉体を閉方向に移動させるリードスクリューを有しており、
前記伝達手段は、前記駆動手段の出力軸と係合して前記駆動手段により回転する第1の伝達手段と、前記リードスクリューに装着されて、前記第1の伝達手段の回転を前記リードスクリューに伝達する第2の伝達手段とを有しており、前記第1の伝達手段と前記出力軸が前記ジョイント構造で接続されており、以って、前記伝達手段は、前記駆動力を前記連結機構に伝達するとき、前記駆動力の方向を、前記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において変換する変換機構を構成しており、
前記変換機構を構成する前記第1及び第2の伝達手段は、前記回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸に沿って一直線状に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項5】
前記変換機構は、前記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により回動可能に支持されており、前記連結機構の回動に伴い、前記連結機構とともに前記筐体に対して回動することを特徴とする請求項4に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の伝達手段は、前記筐体内で、前記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により回動可能に支持された支持体に収容されており、各々前記支持体において、前記垂直な方向の枢軸に沿って一直線状に配置されるとともに回転自在に支持されており、前記リードスクリューは、前記支持体に、前記回動軌跡面と平行な方向に挿通されて、装着された前記第2の伝達手段を介して前記支持体により支持されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項7】
前記連結機構の一端部側および他端部側における前記筐体の各面には、前記連結機構が挿通し、その回動を許容する開口部が、前記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸と直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用開閉体駆動装置。
【請求項8】
前記連結機構は、一端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体から突出して前記開閉体および前記車体のいずれか他方に回動可能に支持され、かつ他端部が、前記筐体が固定された前記開閉体または前記車体の内部に挿入されるように、前記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において前記筐体に挿通されたリードスクリューであって、前記駆動手段の駆動力により、前記筐体に対して相対的に前記一端部側に押し出されることにより前記開閉体を開方向に移動させ、前記筐体に対して相対的に前記他端部側に引き込まれることにより前記開閉体を閉方向に移動させるリードスクリューを有しており、前記リードスクリューは、前記連結機構を、前記開閉体および前記車体のいずれか他方に連結する連結部材から、前記リードスクリューの一端部側における前記筐体の面の開口部まで、筒状の管により被覆されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用開閉体駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用開閉体駆動装置に関し、詳しくは比較的簡素な構造を有し、かつ駆動手段の駆動力の伝達効率が高い車両用開閉体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に揺動可能に支持されたサイドドアを、モーターの動力により開閉作動させるようにした車両のサイドドア開閉装置は、ドアラッチ装置がアンラッチされると、サイドドアを駆動ユニットのモーターの動力により全開位置まで開作動させ、また開状態で閉扉スイッチが操作されると駆動ユニットのモーターが閉作動してサイドドアを閉作動させるものであり、サイドドア開閉装置を備えたサイドドアを「パワーヒンジドア」と称することもある。
【0003】
米国特許出願公開第2018/0223583号(特許文献1)は、自動車のドア内に固定されるハウジングと、ハウジングに収容された電気モーターと、電気モーターにより駆動される駆動スピンドルと、駆動スピンドルに取り付けられたピニオンギアと、駆動ナットを有し、ピニオンギアを介して電気モーターにより駆動される駆動ナットアッセンブリーと、車体に連結され、駆動ナットと噛合したリードスクリューとを有する電動ドアの作動機構であって、電気モーターにより駆動ナットアッセンブリーを駆動し、駆動ナットに対して相対的にリードスクリューを移動させることにより、ドアを開閉駆動する電動ドアの作動機構を記載している。特許文献1の作動機構では、ドアに対するスピンドル軸の位置は固定されており、駆動ナットアッセンブリーは、駆動スピンドルに対して回動可能に接続されて、ドアの開閉動作に伴うリードスクリューの揺動により駆動ナットアッセンブリーの回動中心を中心として回動する。
【0004】
特許文献1に記載の作動機構では、電気モーターを収容するハウジングとは別体の、駆動ナットアッセンブリーによりリードスクリューを支持しており、リードスクリューの揺動により駆動ナットアッセンブリーが回動するため、装置が大型化してしまうという課題がある。また駆動ナットアッセンブリーは、駆動ナットを駆動させるための平歯車等が必要であるため、構造が複雑であり、このことも装置が大型化してしまう要因となっている。
【0005】
特開2021-17746号(特許文献2)は、車両のサイドドア内の収納スペースに配置される駆動ユニットと、車体及び駆動ユニットを連結する連結機構とを備える車両のサイドドア開閉装置であって、駆動ユニットは、回転軸が上下方向を向くように配置されるモーターと、モーターが接続されると共に、サイドドアに固定されるギアケースと、ギアケースに内蔵される減速機構と、減速機構の出力部に設けられる出力ギアと、ギアケースに回転可能に接続される噛合保持ユニットとを備えており、連結機構は、一端部が車体に回動可能に軸支され、他端部が出力ギアに噛合するラックにより構成されており、出力ギアの回転によりラックを移動させることにより、ドアを開閉駆動させる車両のサイドドア開閉装置を記載している。
【0006】
特許文献2に記載の装置では、駆動ユニットの出力方向と、連結機構の作動方向とが直交しているため、良好な伝達効率を得るために、装置が大型化してしまうという課題がある。またラックと出力ギア間に、車体およびドアからの振動を受け易いという課題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0223583号明細書
【特許文献2】特開2021-17746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、比較的簡素な構造を有し、かつ駆動手段の駆動力の伝達効率が高い車両用開閉体駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、駆動手段を有する駆動ユニットと、駆動ユニットを収容して開閉体および車体のいずれか一方の内部に固定される筐体と、開閉体および車体のいずれか他方と駆動ユニットを連結する連結機構とを備え、駆動手段の出力軸と連結機構とが、開閉体の回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように配置された車両用開閉体駆動装置において、開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により、連結機構を筐体内で回動可能に支持し、開閉体の開閉動作に伴い、連結機構を筐体に対して回動させる構成とすることにより、比較的簡素な構造を有し、かつ駆動手段の駆動力の伝達効率の高い車両用開閉体駆動装置が得られることを見出し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち、本発明の車両用開閉体駆動装置は、車体に回動可能に支持された開閉体を駆動するものであって、
上記開閉体および上記車体のいずれか一方の内部に配置され、駆動手段を有する駆動ユニットと、
上記駆動ユニットを収容する筐体であって、上記駆動ユニットが配置された上記開閉体または上記車体の内部に固定される筐体と、
上記開閉体および上記車体のいずれか他方と、上記駆動ユニットを連結する連結機構であって、一端部が、上記筐体が固定された上記開閉体または上記車体から突出して上記開閉体および上記車体のいずれか他方に回動可能に支持され、かつ他端部が、上記筐体が固定された上記開閉体または上記車体の内部に挿入されるように、上記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において上記筐体に挿通されており、以って、上記駆動手段の駆動力により、上記筐体に対して相対的に上記一端部側に押し出され、かつ上記筐体に対して相対的に上記他端部側に引き込まれることにより上記開閉体を開閉駆動させる連結機構と、を備え、上記駆動手段の出力軸と上記連結機構とが、上記回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように配置された車両用開閉体駆動装置において、
上記連結機構は、上記回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により、上記筐体内で回動可能に支持されており、上記開閉体の開閉動作に伴い、上記筐体に対して回動することを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい例では、上記筐体内に配置され、上記駆動手段の出力軸と係合して上記駆動手段により回転する伝達手段であって、上記駆動手段の駆動力を上記連結機構に伝達する伝達手段をさらに備えており、上記出力軸と上記伝達手段は、係合角度が変化可能なジョイント構造で接続されている。そのため、レイアウト性に優れているとともに、駆動手段の駆動力を確実に連結機構に伝達可能である。
【0012】
本発明のさらに好ましい例では、上記駆動手段の出力軸の先端部周面には、上記出力軸の径方向に突出して、上記出力軸の軸線に沿って延在する複数の突起が設けられており、上記伝達手段には、上記出力軸の各突起と係合する断面U字型の複数の係合溝を有する係合孔が設けられており、上記出力軸を上記係合孔に対して挿入した状態において、上記各突起の回転進行方向の側面が、対向する上記係合溝の側壁と接触して、上記伝達手段を回転させるようになっており、
上記各突起の外縁部は、側面視で、上記出力軸の先端側の最突出部から後方に向かって次第に突出高さが減少する曲面に形成されており、上記外縁部と対向する上記係合孔の内周壁は、上記伝達手段の軸線方向に沿って延在しており、以って、上記伝達手段は、上記出力軸に対する係合角度が変化するように、上記出力軸に対して回動することができ、この回動時にも、上記突起の回転進行方向の側面部の少なくとも一部が、対向する上記係合溝の側壁と接触して、上記伝達手段を回転させるようになっており、
以って、上記出力軸と上記伝達手段は、係合角度が変化可能なジョイント構造で接続されており、上記伝達手段は、上記出力軸に対して回動しながら、上記出力軸の正転及び逆転の両回転方向において、上記駆動手段の駆動力を、上記連結機構に伝達する。
【0013】
本発明の別の好ましい例では、上記連結機構は、上記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において上記筐体に挿通され、一端部が、上記筐体が固定された上記開閉体または上記車体から突出して上記開閉体および上記車体のいずれか他方に回動可能に支持され、かつ他端部が、上記筐体が固定された上記開閉体または上記車体の内部に挿入されたリードスクリューであって、上記駆動手段の駆動力により、上記筐体に対して相対的に上記一端部側に押し出されることにより上記開閉体を開方向に移動させ、上記筐体に対して相対的に上記他端部側に引き込まれることにより上記開閉体を閉方向に移動させるリードスクリューを有しており、
上記伝達手段は、上記駆動手段の出力軸と係合して上記駆動手段により回転する第1の伝達手段と、上記リードスクリューに装着されて、上記第1の伝達手段の回転を上記リードスクリューに伝達する第2の伝達手段とを有しており、上記第1の伝達手段と上記出力軸が上記ジョイント構造で接続されており、以って、上記伝達手段は、上記駆動力を上記連結機構に伝達するとき、上記駆動力の方向を、上記開閉体の回動軌跡面と平行な方向において変換する変換機構を構成しており、
上記変換機構を構成する上記第1及び第2の伝達手段は、上記回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸に沿って一直線状に配置されている。そのため、筐体をドアの取付面に寄せて配置することができ、レイアウト性に優れた車両用開閉体駆動装置を提供することができる。
【0014】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記変換機構は、上記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により回動可能に支持されており、上記連結機構の回動に伴い、上記連結機構とともに上記筐体に対して回動する。そのため、取り付け場所に制約がなく、確実な動作が得られる車両用開閉体駆動装置を提供することができる。
【0015】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記第1及び第2の伝達手段は、上記筐体内で、上記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により回動可能に支持された支持体に収容されており、各々上記支持体において、上記垂直な方向の枢軸に沿って一直線状に配置されるとともに回転自在に支持されており、上記リードスクリューは、上記支持体に、上記回動軌跡面と平行な方向に挿通されて、装着された上記第2の伝達手段を介して上記支持体により支持されている。
【0016】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記連結機構の一端部側および他端部側における上記筐体の各面には、上記連結機構が挿通し、その回動を許容する開口部が、上記開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸と直交する方向に設けられている。上記変換機構が筐体の内部で、開閉体の回動軌跡面と平行な面に沿って回動可能に支持されているので、開口部のサイズを必要最低限とすることができ、装置の小型化を図ることができる。また開口部からの水の浸入を最小限に抑制することができる。
【0017】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記リードスクリューは、上記連結機構を、上記開閉体および上記車体のいずれか他方に連結する連結部材から、上記リードスクリューの一端部側における上記筐体の面の開口部まで、筒状の管により被覆されている。そのため、ドアの位置に関わらず、確実に水の浸入を防止することができ、長期に渡って装置の性能を維持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、駆動手段を有する駆動ユニットと、駆動ユニットを収容して開閉体および車体のいずれか一方の内部に固定される筐体と、開閉体および車体のいずれか他方と駆動ユニットを連結する連結機構とを備え、駆動手段の出力軸と連結機構とが、開閉体の回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように配置された車両用開閉体駆動装置において、開閉体の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により、連結機構を筐体内で回動可能に支持し、開閉体の開閉動作に伴い、連結機構を筐体に対して回動させる構成としたので、比較的簡素な構造を有し、かつ駆動手段の駆動力の伝達効率の高い車両用開閉体駆動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る車両用開閉体駆動装置をサイドドア開閉装置として適用した車両を示す側面図である。
図2】インナパネルを取り外した状態のサイドドアの内部構造を示す斜視図である。
図3】サイドドアが閉鎖状態にあるときのサイドドアの内部構造を示す部分平面図である。
図4】サイドドアが全開状態にあるときのサイドドアの内部構造を示す部分平面図である。
図5】連結機構側から見たサイドドア開閉装置を示す斜視図である。
図6】駆動ユニット側から見たサイドドア開閉装置を示す斜視図である。
図7】サイドドア開閉装置を示す側面図である。
図8】サイドドア開閉装置の内部構造の概略を示す側面図である。
図9】サイドドア開閉装置の変換機構を示す斜視図である。
図10図7におけるA-A線断面図である。
図11】サイドドア開閉装置の減速機構を示す分解斜視図である。
図12】サイドドア開閉装置の変換機構及びその支持体を示す分解斜視図である。
図13】前部筐体を取り外した状態のサイドドア開閉装置を示す斜視図である。
図14】(a)は、モーターの回転軸が挿入された状態の第1の伝達ギアを示す側面図であり、(b)は、(a)のB-B線断面図である。
図15】(a)は、モーターの回転軸を先端側から示す斜視図であり、(b)は、モーターの回転軸を第1の伝達ギアに嵌合させる状態を示す斜視図である。
図16】(a)は、第1の伝達ギアがモーターの出力軸に対して係合を保ちながら、平面視で時計方向に回動した状態を示す部分断面図であり、(b)は、第1の伝達ギアがモーターの出力軸に対して垂直に係合した状態を示す部分断面図であり、(c)は第1の伝達ギアがモーターの出力軸に対して係合を保ちながら、平面視で反時計方向に回動した状態を示す部分断面図である。
図17】(a)は、サイドドアが閉鎖状態にあるときのサイドドア開閉装置を示す平面図であり、(b)は、サイドドアが全開状態にあるときのサイドドア開閉装置を示す平面図である。
図18】(a)は、バックドアが閉鎖状態にあるときのバックドア開閉装置を示す側面図であり、(b)は、バックドアが全開状態にあるときのバックドア開閉装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る車両用開閉体駆動装置の一実施形態について、本装置を車両のサイドドアを開閉する装置として適用した例を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更をしても良い。
【0021】
図1~4に示すように、サイドドア開閉装置1は、車両4の開閉体(サイドドア)6内の収納スペース62に配置される駆動ユニット2と、車体5及び駆動ユニット2を連結する連結機構3とを備えている。
【0022】
サイドドア6は、車外側を形成する金属製のアウタパネル6a及び室内側を形成する金属製のインナパネル6bを有する。インナパネル6bの室内側を向く側面には、好適にはトリムパネル6cが取り付けられる。
【0023】
サイドドア6は、その内部に配置される昇降機構7により昇降するドアガラス7a及びサイドドア6を閉鎖位置に保持するドアラッチ装置8と、アウタパネル6a側に配置されるアウトサイドハンドル6Aと、インナパネル6b側に配置されるインサイドハンドル(図示せず)とを備える。アウトサイドハンドル6A又はその近傍には、ユーザの手の接触又は接近を検知可能な静電容量センサ(図示せず)が設けられる。また、サイドドア6には、その開角度を検出する角速度センサ6Bが設けられる。好適には、角速度センサ6Bは、サイドドア6の回動端部(後端部)に配置される。静電容量センサ及び角速度センサ6Bの検出信号は、車両4の適所に配置される制御部(図示せず)に送信される。制御部は、受信した各検出信号に基づいて、駆動ユニット2の後述のモーター2aを制御する。
【0024】
ドアガラス7aは、前縁及び後縁が各々前側ガイドレール60及び後側ガイドレール61により車両上下方向へ摺動自在に支持されることで、アウタパネル6aとインナパネル6bとの間を昇降し、下降することによりアウタパネル6aとインナパネル6bとの間の内部空間を略二分する。サイドドア開閉装置1が配置される収納スペース62は、ドアガラス7aとインナパネル6bとで区画されるスペースに形成される。
【0025】
サイドドア6は、車体5に上下一対のドアヒンジ50により左右方向へ回動自在に支持される。ドアヒンジ50は、車体5に固定される固定部材50aと、サイドドア6の前端面に固定されると共に、車両上下方向を向くヒンジ軸50cにより固定部材50aに回動可能に連結される可動部材50bにより構成される。
【0026】
車体5における上下一対のドアヒンジ50,50の間には、サイドドア開閉装置1の連結機構3の車体側ブラケット31が固定される。車体側ブラケット31は、連結機構3を構成するリードスクリュー30を介して駆動ユニット2に連結される。
【0027】
図1~8に示すように、リードスクリュー30は、サイドドア6内で、サイドドア6の回動軌跡面(回動軌跡を含む面であって、図3,4において紙面に平行な面、および図7,8において符号Pで示す、紙面に対して垂直で、かつ水平な方向に延在する面。以下同じ)と平行な方向(図示の例では車両水平方向)に伸びており、前端部がサイドドア6のフロントパネル6dに設けた開口部6eを挿通して前方に突出して、サイドドア6の回動軌跡面Pと平行な面(図示の例では車両水平面)に沿って、車両上下方向を向く連結軸32により車体側ブラケット31に回動可能に連結される。リードスクリュー30の後端部には、ゴム等の弾性部材により形成されるストッパ部34が固定される。リードスクリュー30は、駆動ユニット2における後述の変換機構2cの第2の伝達ギア21cに噛合する。
【0028】
図5~13に示すように、駆動ユニット2は、出力軸21aが、サイドドア6の回動軌跡面Pと平行な方向(図示の例では車両水平方向)を向くように配置される駆動手段としてのモーター2aと、モーター2aの回転軸20aの回転を減速する減速機構2bと、モーター2aの駆動力を連結機構3に伝える変換機構2cと、変換機構2cを支持する支持体をなす変換機構支持体2dと、サイドドア6に固定されるとともに変換機構支持体2dを内部で回転自在に支持する筐体2eとを有する。
【0029】
モーター2aの回転軸20aの回転は、減速機構2bを介して出力軸21aに減速されて伝達される。減速機構2bとしては遊星歯車機構を用いるのが好ましい。好適には、図10,11に示すように、モーター2aの回転軸20aに固定される前段サンギヤ20bと、前段サンギヤ20bに噛合する複数の前段プラネタリギヤ21bであって、前段プラネタリキャリアプレート22bに車両水平方向の軸廻りに回転可能に軸支される前段プラネタリギヤ21bと、各前段プラネタリギヤ21bが噛合するインナギヤ23bとを有する前段遊星歯車機構2b’と、前段遊星歯車機構の前段プラネタリキャリアプレート22bから出力される回転をさらに減速するものであって、前段プラネタリキャリアプレート22bの底面に前方に向けて突設される後段サンギヤ20b’と、後段プラネタリキャリアプレート22b’に車両水平方向の軸廻りに回転可能に軸支され、後段サンギヤ20b’に噛合する複数の後段プラネタリギヤ21b’と、各後段プラネタリギヤ21b’が噛合するインナギヤ23bとを有する後段遊星歯車機構2b”とを設ける。さらに、好適には、前段及び後段のサンギヤ20b,20b’の回転軸芯は、それぞれモーター2aの回転軸20aの回転軸芯と合致させる。
【0030】
減速機構2bの減速回転を出力する後段プラネタリキャリアプレート22b’には、連結部材24bを介して、モーター2aの出力軸21aが後段プラネタリキャリアプレート22b’と一体回転し得るように連結される。モーター2aの出力軸21aはまた、ボールベアリング25bを介して蓋部26bにより回転可能に支持される。モーター2aの出力軸21aは、モーター2aの回転軸20aと同芯上に配置される。
【0031】
モーター2a及び減速機構2bは、それぞれ車両水平方向に直列接続されることにより、車両水平方向に伸びる細長い筒状となり、横幅の狭い収納スペース62への収納が容易になる。
【0032】
さらに好適には、モーター2aの回転軸20aから出力軸21aに至るまでの動力伝達経路を回転軸20aの中心を通る車両水平方向の軸線L1(図7参照)上に配置する。例えば、減速機構2bに遊星歯車を用いたときは、回転軸20aの回転中心と、遊星歯車における各サンギヤ20b,20b’の回転中心と、出力軸21aの回転中心とが車両水平方向に一直線に並ぶように配置させる。この構成により、回転軸20aを中心とした半径方向の大きさを一段と抑えた構成にできる。
【0033】
モーター2aとしてブラシレスモーターを用いるのが好ましい。ブラシレスモーターを用いた場合、通電する相を固定した2相通電(2相の電機子コイルのみに通電すること)を行うことで、モータートルクを低下させ、サイドドア6の開閉動作に対してブレーキ抵抗を付与することができるので、別途電磁ブレーキ等を設けることなく、所定の保持力でサイドドア6を保持することが可能となる。
【0034】
図7~10,12に示すように、変換機構2cは、各々第1~第3の伝達手段としての第1~第3の伝達ギア20c,21c,22cであって、モーター2aの出力軸21aが挿入される第1の伝達ギア20cと、リードスクリュー30に装着された第2の伝達ギア21cと、第1及び第2の伝達ギア20c,21cを接続する第3の伝達ギア22cとを含む。図8,12,13に示すように、第1~第3の伝達ギア20c,21c,22cは、これらを各々収容する孔200d,201d,202dが設けられた直方体状の変換機構支持体2dに、これを支持する枢軸であって、サイドドア6の回動軌跡面Pに対して垂直な方向(図示の例では車両上下方向)の枢軸の軸線L3に沿って一直線状に配置されるとともに、各々回転自在に収容されている。ただし第3の伝達ギア22cは必須ではなく、第1及び第2の伝達ギア20c,21cを直接接続してもよい。
【0035】
図12に示すように、変換機構支持体2dは、第1~第3の伝達ギア20c,21c,22cを収容する孔200d,201d,202dが設けられた支持体本体20dと、第1の伝達ギア20cに挿入されたモーター2aの出力軸21aの先端部を保持するためのギアージョイント21dと、第1の伝達ギア20cを回転自在に支持するためのブッシュ22d及びボールベアリング23dと、第2の伝達ギア21cを回転自在に支持するためのボールベアリング23d’,23d”と、第3の伝達ギア22cを枢支するシャフト24dと、支持体本体20dの上下面からそれぞれ突出する一対の円柱状突起203d,203dと、円柱状突起203d,203dに各々被せて支持体本体20dを筐体2eに対して回転可能に支持するためのブッシュ22d’と、支持体本体20dの前面を覆うカバー部25dとを有する。
【0036】
図5,10に示すように、リードスクリュー30は、変換機構支持体2dを貫通しており、第2の伝達ギア21cを介して変換機構支持体2dにより支持されている。第2の伝達ギア21cは、リードスクリュー30と噛合する内歯21c’、及び第3の伝達ギア22cと噛合する外歯21c”を有している(図12参照)。
【0037】
リードスクリュー30は、車体側ブラケット31とともに連結軸32が挿入される連結部材33から、筐体2eの開口部200eまで、筒状の管35により被覆されている。本実施形態では、管35は蛇腹状に形成されている。菅35を筒状のテレスコピック構造にて形成してもよい。管35の筐体2e側の端部には、筐体2eの開口部200eの周囲を、筐体2eの外側及び内側から挟持することにより、開口部200eを覆うことができるフランジ部350が設けられている。このような管35を設けることにより、ドア6の位置に関わらず、確実に水の浸入を防止することができ、長期に渡って性能を維持することができる。管35は、ゴム等の弾力性のある素材、又は熱可塑性樹脂からなるのが好ましく、各々耐水性を有するゴム又は熱可塑性樹脂からなるのがより好ましい。本実施形態のように管35を蛇腹状に形成する場合にはゴムが適しており、菅35を筒状のテレスコピック構造にて形成する場合には熱可塑性樹脂が適している。熱可塑性樹脂として、例えばポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール,ポリアセタールコポリマー(例えばオキシメチレンモノマー単位とオキシエチレンモノマー単位を有するコポリマー),ポリカーボネート,ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
図5に示すように、変換機構支持体2dは、ドア6に固定される筐体2e内に収容されており、筐体2e内で枢支されている(図10,13参照)。図5~7,10に示すように、筐体2eは、変換機構支持体2dを前方から覆う前部筐体20eと、後方から覆う後部筐体21eとからなる。前部筐体20eと後部筐体21eは、両者のフランジ部の間に環状パッキン22eを挟持して一体化されている(図10参照)。
【0039】
図12,13に示すように、変換機構支持体2dには、その上下面からそれぞれ突出する一対の円柱状突起203d,203dが設けられている。後部筐体21eの前面の上部及び下部に設けられた一対の支持部211e,211eに、各々ブッシュ22d’を介して円柱状突起203d,203dが支持されることにより、変換機構支持体2dは、筐体2eに対して回動可能に支持されている。
【0040】
後述するように、変換機構2cは、変換機構支持体2dとともに、筐体2eに対して回動可能である。そのため連結機構3は、筐体2eに対して、サイドドア6の回動軌跡面Pと平行な面(図示の例では車両水平面)に沿って回動可能である。図6に示すように、前部筐体20eの上部前側及び後部筐体21eの上部後側には、リードスクリュー30が挿通し、リードスクリュー30の回動を許容する各開口部200e,210eが、変換機構支持体2dを支持する車両上下方向の枢軸の軸線L3と直交する方向に設けられている。変換機構支持体2dが筐体2eの内部で支持されているので、筐体2eに設ける開口部200e,210eを必要最低限とすることができ、装置の小型化を図ることができる。また前部筐体20eに設けられた開口部200eからの水の浸入を最小限に抑制することができる。
【0041】
図5,7,10に示すように、モーター2a及び減速機構2bは、後部筐体21eの下部後方に設けられた、後部筐体21eと一体のモーターカバー2fに収容されている。後部筐体21eの下部の後側には、減速機構2bの前端部が挿入される孔が設けられている。
【0042】
図7に示すように、モーター2aの出力軸21aの軸線L1と連結機構3の軸線L2とが、サイドドア6の回動軌跡面Pに対する垂直面(図7において紙面に平行な面)上で平行(図示の例では、車両側面視において平行)であり、すなわち、モーター2aの出力軸21aと連結機構3とが、サイドドア6の回動軌跡面Pに対する垂直面上で平行となるように(車両側面視において平行に)配置されているので、モーター2aの駆動力の伝達効率が高い。
【0043】
図14(a),(b)、図15(a),(b)、図16(a)~(c)に示すように、第1の伝達ギア20cに挿入されるモーター2aの出力軸21aの先端部周面には、出力軸21aの径方向に突出して、出力軸21aの軸線に沿って延在する複数の突起210aが等間隔で設けられている。図示の例では、4個の側面視略扇状の突起210aが、正面視で十字状に配置されている。第1の伝達ギア20cには、これら突起210aが設けられたモーター2aの出力軸21aの先端部を収容可能で、かつ出力軸21aの正転及び逆転の両回転方向において、出力軸21aの先端部と係合可能な十字状の係合孔200cが設けられている。
【0044】
係合孔200cには、各突起210aと係合する断面U字型の係合溝200c’が突起210aと同数設けられており、各突起210aは、第1の伝達ギア20cの軸線方向に沿って延在する各係合溝200c’に、両回転方向に遊びがある状態で挿入されており、出力軸21aが正転及び逆転のいずれの方向に回転するときも、各突起210aの回転進行方向の側面部211a’の少なくとも一部が、対向する係合溝200c’の側壁201c”と接触して、第1の伝達ギア20cを回転させることができる。
【0045】
図16(b)に示すように、側面視において、略扇状突起210aの外縁部210a’は、出力軸21aの先端側において最も突出しており、外縁部210a’に対向する係合孔200cの内周壁200c”は、第1の伝達ギア20cの軸線方向に沿って延在しており、出力軸21aを係合孔200cに対して垂直に挿入した状態において、各突起210aの外縁部210a’の最突出部が、係合孔200cの内周壁200c”に接触するようになっている。
【0046】
側面視において、略扇状突起210aの外縁部210a’は、出力軸21aの先端側の最突出部から後方に向かって次第に突出高さが減少する曲面(出力軸21aの軸線方向に対する曲面)となっており、外縁部210a’に対向する係合孔200cの内周壁200c”は、第1の伝達ギア20cの軸線方向に沿って延在している。また平面視において、略扇状突起210aは、最突出部において最も幅広に形成されており、最幅部から後方に向かって次第に細くなるように、両側面部211a’,211a’が傾斜しており、両側面部211a’,211a’に各々対向する係合孔200cの側壁201c”,201c”は、それぞれ第1の伝達ギア20cの軸線方向に沿って延在している。
【0047】
そのため、図16(a)~(c)に示すように、出力軸21aに対する第1の伝達ギア20cの係合角度が変化するように、第1の伝達ギア20cは、出力軸21aに対して回動することができ、この回動時にも、各突起210aの外縁部210a’は、係合孔200cの内周壁200c”に接触するようになっている。各突起210aの外縁部210a’が、係合孔200cの内周壁200c”に接触することにより、駆動時のガタツキを防止することができる。
【0048】
また、上述のように第1の伝達ギア20cが出力軸21aに対して回動するときも、各突起210aの回転進行方向の側面部211a’の少なくとも一部、主として最幅部における側面部211a’の角部が、対向する係合溝200c’の側壁201c”と接触して、第1の伝達ギア20cを回転させることができるように、係合孔200cの係合溝200c’は、各突起210aと係合可能な幅及び長さを有するように形成されている。
【0049】
従って、図13図17(a),(b)に示すように、筐体2eに車両上下方向の枢軸により支持された変換機構支持体2dを、変換機構2c及び連結機構3とともに筐体2eに対して上記車両水平面に沿って回動させることができ、かつ変換機構2cを介してモーター2aの駆動力を連結機構3に伝達することができる。
【0050】
変換機構支持体2dが筐体2eに対して回動したときでも、モーター2aの駆動力を連結機構3に伝達することができる限り、モーター2aの出力軸21aの先端部周面に設ける突起210aの数及び形状、並びにそれらに対応する第1の伝達ギア20cの係合孔200cの形状は図示のものに限定されない。
【0051】
本発明の車両用開閉体駆動装置(サイドドア開閉装置)1によるドア6の開閉について説明する。以下述べるように、サイドドア6の開閉動作に伴って、リードスクリュー30は連結軸32を中心に揺動するが、サイドドア6の回転中心(ドアヒンジ50のヒンジ軸50cの回転中心)と、リードスクリュー30の回転中心(連結軸32の回転中心)とが互いに車内外方向へ偏心している(図3,4参照)。そのため、図16(a)~(c)に示すように、モーター2aの出力軸21aに対する第1の伝達ギア20cの係合角度が変化し、連結機構3は筐体2eに対して、サイドドア6の回動軌跡面Pと平行な面(図示の例では車両水平面)に沿って回動する。例えば、図3に示すサイドドア6の閉鎖状態において、リードスクリュー30は前端部まで駆動ユニット2に引き込まれており(図17(a)参照)、リードスクリュー30の軸線L2はモーター2aの出力軸21aの軸線L1に対して、平面視で数度の角度だけ時計方向に傾斜しており、連結機構3は筐体2eに対して平面視で時計方向に僅かに回動した状態にある。この状態から、モーター2aの駆動による第1の伝達ギア20cの正転により、駆動ユニット2からリードスクリュー30がその前端側(開扉方向)へ押し出されて、駆動ユニット2に対して移動すると、サイドドア6は、ドアヒンジ50のヒンジ軸50cを中心に開方向へ揺動して最終的に図4に示す全開位置まで開作動する。これに伴い、リードスクリュー30は、連結軸32を中心に平面視で時計方向へ揺動するとともに、筐体2eに対して平面視で反時計方向に回動する。
【0052】
サイドドア6が全開位置に達すると、ドアヒンジ50における可動部材50bが固定部材50aのストッパ部に当接するか、及び/又はリードスクリュー30に固定したストッパ部34が後部筐体21eの後面に当接することにより、サイドドア6のそれ以上の開方向への移動は阻止される。
【0053】
図4に示すサイドドア6の全開状態において、リードスクリュー30は、ストッパ部34が後部筐体21eの後面にほぼ当接するまで、駆動ユニット2から押し出されており、リードスクリュー30の軸線L2は、モーター2aの出力軸21aの軸線L1に対して、平面視で十数度の角度だけ反時計方向に傾斜しており(図17(b)参照)、連結機構3は筐体2eに対して平面視で反時計方向に回動した状態にある。この状態から、モーター2aの駆動による第1の伝達ギア20cの逆転により、リードスクリュー30が駆動ユニット2側(閉扉方向)へ引き込まれて、駆動ユニット2に対して移動すると、サイドドア6は、ドアヒンジ50のヒンジ軸50cを中心に閉方向へ揺動して最終的に図3に示す閉鎖位置まで閉作動する。これに伴い、リードスクリュー30は、連結軸32を中心に平面視で反時計方向へ揺動するとともに、筐体2eに対して平面視で時計方向に回動する。
【0054】
サイドドア6が閉鎖位置に達すると、ドアラッチ装置8が車体5側のストライカに係合することで、サイドドア6は閉鎖位置に保持される。モーター2aとしてブラシレスモーターを用いた場合、通電する相を固定した2相通電(2相の電機子コイルのみに通電すること)を行うことで、モータートルクが低下し、サイドドア6に対する保持力が発生するため、従来のドアチェックリンクの機能をブラシレスモーターにて補うことができ、ドアチェックリンクの省略が可能となる。
【0055】
サイドドア6が閉鎖位置から開移動するとき、車両4の前後の傾斜や、強風の影響等により、サイドドア6が予想外に急激に開き勝手になることがある。この対策として、サイドドア6が予め定めた所定の半開位置に移動したとき、上述のように、ブラシレスモーターからなるモーター2aに対し、通電する相を固定した2相通電を行うことで、サイドドア6に対してブレーキ抵抗を付与することにより、サイドドア6が所定の半開位置を超えて急激に開作動するのを抑制するのが好ましい。サイドドア6の所定の半開位置は、開角度で約10度程度が好適であり、サイドドア6に設けた角速度センサ6Bにより検出される。
【0056】
以下、本発明の車両用開閉体駆動装置を、車両のバックドアを開閉する装置として適用した例を図面に基づいて説明する。なお、サイドドア開閉装置と同じ部材には同じ符号を付して、主にサイドドア開閉装置との相違点を説明し、両者の共通点については詳細な説明を省略する。
【0057】
図18(a),(b)に示すように、バックドア開閉装置1’は、主に、駆動ユニット2が、車体5の一部であるルーフパネル51の内側に配置されており、連結機構3が、開閉体であるバックドア6’及び駆動ユニット2を連結している点が、サイドドア開閉装置1とは異なる。バックドア6’は、ドアヒンジ(図示せず)の車両横方向を向くヒンジ軸50’により、車両上下方向に回動自在に支持されている。バックドア開閉装置1’は、図示していない支持ブラケットを介してルーフパネル51に支持されている。
【0058】
連結機構3は、車体側ブラケット31に代えて、前端部がリードスクリュー30に回動可能に連結された連結リンク31’を有しており、連結リンク31’の後端部はバックドア6’に固定されている。リードスクリュー30は、ルーフパネル51の内側で、バックドア6’の回動軌跡面(回動軌跡を含む面であって、図18(a),(b)において紙面に平行な面)と平行な方向に伸びており、後端部が、車体5に設けた開口部(図示せず)を挿通して後方に突出して、車両横方向を向く連結軸32により、連結リンク31’に、バックドア6’の回動軌跡面と平行な面に沿って回動可能に連結される。
【0059】
バックドア開閉装置1’の駆動ユニット2は、筐体2eが、車体5の一部であるルーフパネル51に固定されており、変換機構支持体2dが、バックドア6’の回動軌跡面に対して垂直な方向(図示の例では車両横方向)の枢軸により、筐体2e内で支持されており、もって連結機構3が、筐体2eに対して、バックドア6’の回動軌跡面と平行な面(図示の例では車両垂直面)に沿って回動可能である点が、サイドドア開閉装置1のものとは異なる。
【0060】
上記のように、変換機構支持体2dが車両横方向の枢軸により支持されているので、第1~第3の伝達ギア20c,21c,22cは、この車両横方向の枢軸の軸線L3に沿って一直線状に配置されている。
【0061】
モーター2aの出力軸21aの軸線L1と連結機構3の軸線L2とは、バックドア6’の回動軌跡面に対する垂直面(図18(a),(b)において、紙面に対して垂直で、かつ水平な方向に延在する面)上で平行(図示の例では、車両平面視において平行)であり、すなわち、モーター2aの出力軸21aと連結機構3とが、バックドア6’の回動軌跡面に対する垂直面上で平行となるように(車両平面視において平行に)配置されている。
【0062】
なおバックドア6’には、アウトサイドハンドル(図示せず)が設けられており、アウトサイドハンドル又はその近傍には、ユーザの手の接触又は接近を検知可能な静電容量センサを設けるのが好ましい。またバックドア6’には、その開角度を検出する角速度センサを設けるのが好ましい。好適には、角速度センサは、バックドア6’の回動端部(下端部)に配置される。静電容量センサ及び角速度センサ6Bの検出信号は、上記制御部(図示せず)に送信される。制御部は、受信した各検出信号に基づいて、駆動ユニット2のモーター2aを制御する。
【0063】
バックドア開閉装置1’によるバックドア6’の開閉について説明する。以下述べるように、バックドア6’の開閉動作に伴って、リードスクリュー30は、変換機構支持体2dを支持する枢軸を中心に揺動するが、バックドア6’の回転中心(ヒンジ軸50’の回転中心)と、リードスクリュー30の回転中心(変換機構支持体2dを支持する枢軸の回転中心)とが互いに車内外方向へ偏心している(図18(a),(b)参照)。そのため、モーター2aの出力軸21aに対する第1の伝達ギア20cの係合角度が変化し(図16(a)~(c)参照)、連結機構3は筐体2eに対して、バックドア6’の回動軌跡面と平行な面(図示の例では車両垂直面)に沿って回動する。例えば、図18(a)に示すバックドア6’の閉鎖状態において、リードスクリュー30は後端部まで駆動ユニット2に引き込まれており、連結機構3は筐体2eに対して側面視で時計方向に僅かに回動した状態にある。この状態から、モーター2aの駆動による第1の伝達ギア20cの正転により、駆動ユニット2からリードスクリュー30がその後端側(開扉方向)へ押し出されて、駆動ユニット2に対して移動すると、バックドア6’は、ヒンジ軸50’を中心に開方向へ揺動して最終的に図18(b)に示す全開位置まで開作動する。これに伴い、リードスクリュー30は、筐体2eに対して側面視で時計方向に回動する。
【0064】
バックドア6’が全開位置に達すると、図示していないドアヒンジにおける可動部材が固定部材のストッパ部に当接するか、及び/又はリードスクリュー30に固定したストッパ部34が筐体2eの前面に当接することにより、バックドア6’のそれ以上の開方向への移動は阻止される。
【0065】
図18(b)に示すバックドア6’の全開状態において、リードスクリュー30は、ストッパ部34が筐体2eの前面にほぼ当接するまで、駆動ユニット2から押し出されており、連結機構3は筐体2eに対して側面視で時計方向に回動した状態にある。この状態から、モーター2aの駆動による第1の伝達ギア20cの逆転により、リードスクリュー30が駆動ユニット2側(閉扉方向)へ引き込まれて、駆動ユニット2に対して移動すると、バックドア6’は、ヒンジ軸50’を中心に閉方向へ揺動して最終的に図18(a)に示す閉鎖位置まで閉作動する。これに伴い、リードスクリュー30は、筐体2eに対して側面視で反時計方向に回動する。
【0066】
バックドア6’が閉鎖位置に達すると、バックドア6’に設けたドアラッチ装置(図示せず)が車体5側のストライカに係合することで、バックドア6’は閉鎖位置に保持される。上述のように、モーター2aをブラシレスモーターとした場合、通電する相を固定した2相通電を行うことで、サイドドア6に対する保持力が発生するため、従来のドアチェックリンクの機能をブラシレスモーターにて補うことができ、ドアチェックリンクの省略が可能となる。また上述のように、バックドア6’が予め定めた所定の半開位置に移動したとき、ブラシレスモーターからなるモーター2aに対し、通電する相を固定した2相通電を行い、サイドドア6に対してブレーキ抵抗を付与することにより、バックドア6’が所定の半開位置を超えて急激に開作動するのを抑制するのが好ましい。
【0067】
以上のことから、本発明の車両用開閉体駆動装置(サイドドア開閉装置1,バックドア開閉装置1’)は、以下の利点(1)~(7)を有している。
(1)駆動手段(モーター)2aの出力軸21aと連結機構(リードスクリュー)3とが、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面に対する垂直面上で常に平行に配置されるようになっている(図7参照)ので、駆動手段2aの駆動力の伝達効率が高い。
(2)連結機構3は、筐体2eの内部で、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により支持されており(図13参照)、筐体2eに対し、連結機構3のみが回動可能な構成となっているので、構造を簡素化することができ、レイアウト性に優れた車両用開閉体駆動装置を提供することができる。
(3)駆動手段2aの出力軸21aと係合することにより回転して、駆動手段2aの駆動力を連結機構3に伝達する伝達手段(第1の伝達ギア20c)と、駆動手段2aの出力軸21aとは、係合角度が変化可能なジョイント構造で接続されており、連結機構3が筐体2eに対して回動するときでも、駆動手段2aの駆動力を連結機構3に伝達することができるので、レイアウト性に優れているとともに、駆動手段2aの駆動力を確実に連結機構3に伝達可能である。
(4)連結機構3はリードスクリューにより構成され、上記伝達手段は、駆動力を連結機構3に伝達するとき、駆動力の方向を、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面と平行な方向において変換する変換機構2cを構成しており、変換機構2cを構成する第1及び第2の伝達手段20c,21cは、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸に沿って一直線状に配置されているので、筐体2eをドア6の取付面に寄せて配置することができ、レイアウト性に優れた車両用開閉体駆動装置を提供することができる。
(5)上記変換機構2cは、筐体2eの内部で、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸により回動可能に支持されているので(図13参照)、取り付け場所に制約がなく、確実な動作が得られる車両用開閉体駆動装置を提供することができる。
(6)上記変換機構2cが筐体2eの内部で、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面と平行な面に沿って回動可能に支持されているので、開閉体(ドア)6,6’の回動軌跡面に対して垂直な方向の枢軸と直交する方向において、筐体2eに設けられる、連結機構3の回動を許容する開口部200eのサイズを必要最低限とすることができ、装置の小型化を図ることができる。また筐体2eに設けられた開口部200eからの水の浸入を最小限に抑制することができる。
(7)リードスクリュー30は、これを車体5に連結する連結部材33から、筐体2eの開口部200eまで、筒状の管35により被覆されているので、開閉体(ドア)6,6’の位置に関わらず、確実に水の浸入を防止することができ、長期に渡って装置の性能を維持することができる。
【0068】
以上、本発明の車両用開閉体駆動装置を、車両のサイドドア開閉装置およびバックドア開閉装置として適用した例について説明したが、本発明の車両用開閉体駆動装置は、フード(ボンネット)を開閉する装置としても適用可能である。その場合には、バックドア開閉装置1’と同様に、駆動ユニット2を車体側に配置するのが好ましい。
【符号の説明】
【0069】
1・・・サイドドア開閉装置(車両用開閉体駆動装置)
1’・・・バックドア開閉装置(車両用開閉体駆動装置)
2・・・駆動ユニット
2a・・・駆動手段(モーター)
20a・・・回転軸
21a・・・出力軸
210a・・・突起
210a’・・・外縁部
211a’・・・側面部
2b・・・減速機構
2b’,2b”・・・遊星歯車機構
20b,20b’・・・サンギヤ
21b,21b’・・・プラネタリギヤ
22b,22b’・・・プラネタリキャリアプレート
23b・・・インナギヤ
24b・・・連結部材
25b・・・ボールベアリング
26b・・・蓋部
2c・・・変換機構
20c・・・第1の伝達手段(第1の伝達ギア)
200c・・・係合孔
201c・・・係合溝
201c’・・・内周壁
201c”・・・側壁
21c・・・第2の伝達手段(第2の伝達ギア)
21c’・・・内歯
21c”・・・外歯
22c・・・第3の伝達手段(第3の伝達ギア)
2d・・・変換機構支持体
20d・・・支持体本体
200d,201d,202d・・・収容孔
203d・・・円柱状突起
21d・・・ギアージョイント
22d,22d’・・・ブッシュ
23d,23d’,23d”・・・ボールベアリング
24d・・・シャフト
25d・・・カバー部
2e・・・筐体
20e・・・前部筐体
200e・・・開口部
21e・・・後部筐体
210e・・・開口部
211e・・・支持部
22e・・・環状パッキン
2f・・・モーターカバー
3・・・連結機構
30・・・リードスクリュー
31・・・車体側ブラケット
31’・・・連結リンク
32・・・連結軸
33・・・連結部材
34・・・ストッパ部
35・・・管
350・・・フランジ部
4・・・車両
5・・・車体
50・・・ドアヒンジ
50a・・・固定部材
50b・・・可動部材
50c・・・ヒンジ軸
50’・・・ヒンジ軸
51・・・ルーフパネル
6・・・サイドドア(開閉体)
6a・・・アウタパネル
6b・・・インナパネル
6c・・・トリムパネル
6d・・・フロントパネル
6e・・・開口部
6A・・・アウトサイドハンドル
6B・・・角速度センサ
60・・・前側ガイドレール
61・・・後側ガイドレール
62・・・収納スペース
6’ ・・・バックドア(開閉体)
7・・・昇降機構
7a・・・ドアガラス
8・・・ドアラッチ装置
P・・・回動軌跡面
L1・・・駆動手段(モーター)の軸線
L2・・・連結機構(リードスクリュー)の軸線
L3・・・変換機構支持体の枢軸の軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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