(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002516
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報通知方法、端末装置、情報処理装置及び情報通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102744
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報発信の適正化を図る情報通知方法、端末装置、情報処理装置及び情報通知プログラムを提供する。
【解決手段】方法は、ユーザの現在位置及びユーザの移動または滞在時間と、ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿と、ユーザによる支払い行動との内、少なくとも1つを示す行動履歴情報と、を入手し、ユーザの行動履歴情報に基づきユーザの基準行動目的が達成されたかを推定し、基準行動目的が達成されたと推定した後に、他の行動目的に関する情報を含む提案情報をユーザに通知する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUが行う情報通知方法であって、
ユーザの現在位置、及び、前記ユーザの移動または滞在時間と、
前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿と、
前記ユーザによる支払い行動との内、少なくとも1つを示す行動履歴情報を入手し、
前記ユーザが位置した対象施設での前記行動履歴情報に基づき前記ユーザが前記対象施設での目的を達成したか否かを推定し、
前記目的を達成したと推定したタイミングで、他の施設への立ち寄りを提案する提案情報を前記ユーザに提供する
、情報通知方法。
【請求項2】
前記提案情報は通信によりユーザが所持する端末装置へ提供する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項3】
前記ユーザが滞在した前記対象施設の位置から前記ユーザが離れた場合には前記目的を達成したと推定する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項4】
前記対象施設における前記ユーザの滞在時間が規定時間より短い場合には前記目的が未達と推定する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項5】
前記ユーザからソーシャルネットワーキングサービスに投稿があった場合には前記目的を達成したと推定する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項6】
前記ユーザによる前記対象施設での支払い行動があった場合には前記目的が達成したと推定する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項7】
前記対象施設における前記ユーザの滞在時間が規定時間より短く、かつ、前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿が無く、かつ、前記ユーザによる支払い行動が無い場合には、前記目的が未達と推定し、前記対象施設とは異なり且つ前記目的に沿った別施設の情報を提供する
、請求項1に記載の情報通知方法。
【請求項8】
ユーザの位置情報と、前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿または前記ユーザによる支払い行動と、を示す行動履歴情報を通信により情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置から提供される提案情報を受信し表示出力する
、端末装置。
【請求項9】
ユーザの現在位置、及び、前記ユーザの移動または滞在時間と、
前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿と、
前記ユーザによる支払い行動との内、少なくとも1つを示す行動履歴情報を入手し、
前記ユーザが位置した対象施設での前記行動履歴情報に基づきユーザが前記対象施設での目的を達成したか否かを推定し、
前記目的を達成したと推定したタイミングで、他の施設への立ち寄りを提案する提案情報を前記ユーザに提供する
、情報処理装置。
【請求項10】
ユーザの現在位置、及び、前記ユーザの移動または滞在時間と、
前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿と、
前記ユーザによる支払い行動との内、少なくとも1つを示す行動履歴情報を入手し、
前記ユーザが位置した対象施設での前記行動履歴情報に基づきユーザが前記対象施設での目的を達成したか否かを推定し、
前記目的を達成したと推定したタイミングで、他の施設への立ち寄りを提案する提案情報を前記ユーザに提供する情報通知方法を
、コンピュータ装置に実行させるための情報通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知方法、端末装置、情報処理装置及び情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデータ通信の大容量化及び高速化に伴い、ユーザのコンテキスト情報(位置情報、時間帯及び嗜好等)に応じた情報配信を行うことで新たな行動を誘引し、経済活動の活性化を図る試みが行われている。このような情報配信を行う技術の例として、特許文献1に開示の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単純にコンテキスト情報に基づいて情報を配信する参考方法が検討される。但し、参考方法では、ユーザが当初予定していた目的を達成する前に新たな目的(例えば新たな目的に関する訪問先)の提案が行われる。この結果、ユーザが情報配信サービスに煩わしさを感じて、情報配信サービスを敬遠することも考えられる。特許文献1ではユーザが立ち寄り先を探していることを車室内のカメラを用いて検出し、車載ディスプレイ等に近隣店舗の提案が表示されるが、車両と車室内カメラを用いる必要がある。本発明では、それらの構成を用いることなくユーザの状況に適応した適切なタイミングで情報を発信する。
【0005】
本発明は、情報発信の適正化に寄与する情報通知方法、端末装置、情報処理装置及び情報通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報通知方法は、CPUが行う情報通知方法であって、ユーザの現在位置、及び、前記ユーザの移動または滞在時間と、前記ユーザによるソーシャルネットワーキングサービスへの投稿と、前記ユーザによる支払い行動との内、少なくとも1つを示す行動履歴情報を入手する。そして、前記ユーザが位置した対象施設での前記行動履歴情報に基づき前記ユーザが前記対象施設での目的を達成したか否かを推定し、前記目的を達成したと推定したタイミングで、他の施設への立ち寄りを提案する提案情報を前記ユーザに提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報発信の適正化に寄与する情報通知方法、端末装置、情報処理装置及び情報通知プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概略的な全体構成図である。
【
図2】本実施形態に係るユーザ情報の構成図である。
【
図3】本実施形態に属する第1実施例に係り、システムの動作例を示す図である。
【
図4】本実施形態に属する第1実施例に係り、基準目的情報の入力時における端末装置での表示内容例を示す図である。
【
図5】本実施形態に属する第1実施例に係り、端末装置にてベース提案情報が表示される様子を示す図である。
【
図6】本実施形態に属する第1実施例に係り、端末装置にて詳細提案情報が表示される様子を示す図である。
【
図7】本実施形態に属する第1実施例に係り、端末装置にて詳細提案情報が表示される様子を示す図である。
【
図8】本実施形態に属する第1実施例に係るシステムの動作フローチャートである。
【
図9】本実施形態に属する第1実施例に係るシステムの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。
【0010】
図1に本実施形態に係るシステムSYSの概略的な全体構成図を示す。システムSYSを情報通知システム又は情報処理システムと称することができる。システムSYSはサーバ装置10及び端末装置20を備える。サーバ装置10と端末装置20とは所定の通信網NETを介して無線接続され、通信網NETを介して互いに双方向通信が可能である。通信網NETは、衛星通信網、移動体通信網、インターネット、無線LAN(Local Area Network)及び近距離無線通信回線の内、全部又は一部を含む。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)に準拠したものであって良い。近距離無線通信回線は、例えばBluetooth(登録商標)に準拠したものであって良い。
【0011】
実際にはサーバ装置10に対し通信網NETを介して複数の端末装置が無線接続され、複数の端末装置に対応する複数のユーザにシステムSYSが利用される。但し、以下では特に記述なき限り、複数の端末装置の内、1つの端末装置20に注目し、端末装置20のユーザを特に注目ユーザと称する。注目ユーザは端末装置20を操作及び所持する人物である。例えば、スマートホン、タブレット又はパーソナルコンピュータ等の電子機器を端末装置20として用いることができる。
【0012】
[サーバ装置]
サーバ装置10は、サーバ制御部11、サーバメモリ12、サーバ通信部13、データベース14及び日時情報取得部15を備える。サーバ装置10は通信網NETに接続された1以上のコンピュータ装置にて構成される。クラウドコンピューティングを利用してサーバ装置10が構成されても良い。
【0013】
サーバ制御部11は、サーバ装置10における各部位の動作の制御を行うコントローラである。サーバ制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含む演算処理部をハードウェア資源として備える。サーバ制御部11は機能ブロック111~114を有する。サーバ制御部11が後述のサーバプログラムPG1を実行することで機能ブロック111~114が実現されるが、機能ブロック111~114の各機能について後述される。
【0014】
サーバメモリ12は、ROM(Read only memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び、RAM(Random access memory)等の揮発性メモリを含む。サーバ制御部11はサーバメモリ12内の任意のプログラムを実行できる。サーバメモリ12は本発明に係る特徴的なプログラムとしてサーバプログラムPG1を保持する。サーバメモリ12の全部又は一部はサーバ制御部11に内蔵されたメモリであっても良い。本実施形態にて述べるサーバ制御部11の動作は、全て、サーバ制御部11がサーバプログラムPG1を実行することで実現される動作であって良い。
【0015】
サーバ通信部13は、相手側機器との通信を実現する機能ブロックである。通信は一方向通信であり得るが、ここでは双方向通信であるとする。サーバ装置10にとっての相手側機器は端末装置20を含む。サーバ通信部13(従ってサーバ装置10)は通信網NETを介して相手側機器との通信を行う。このように、サーバ装置10はサーバ通信部13を用いて相手側機器との通信を行うが、以下の説明では、サーバ通信部13の記述を省略することがある。
【0016】
データベース14は、サーバ制御部11にて参照される任意の情報を記憶する大容量記録媒体である。サーバ制御部11は、データベース14に対して任意の情報を書き込むことができると共に、データベース14から任意の情報を読み出すことができる。データベース14には、ユーザ情報記憶部141、行動履歴記憶部142、目的情報記憶部143及び配信用情報記憶部144が設けられるが、それらの詳細は後述される。データベース14は互いに分離された1以上の記録媒体にて構成されていて良い。データベース14の一部又は全部は、サーバ装置20の外部に設けられ且つ通信網NETに接続された外部記録装置であっても良い。
【0017】
日時情報取得部15は、現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時情報取得部15にて取得した日時情報はサーバ制御部11に与えられる。日時情報取得部15は、サーバ装置10とは異なり且つ通信網NETに接続された任意のサーバ装置(不図示)から、日時情報を取得しても良い。また、サーバ制御部11に与えられる日時情報は端末装置20にて生成された情報であっても良く、この場合、日時情報取得部15は端末装置20に設けられる部位であると解され得る。何れにせよ、現在の日付及び時刻をサーバ制御部11にて認識できる態様で日時情報がサーバ制御部11に与えられる限り、日時情報の生成及び取得の主体は任意である。
【0018】
[端末装置]
端末装置20は、端末制御部21、端末メモリ22、端末通信部23、ユーザインターフェース24及びGPS処理部25を備える。
【0019】
端末制御部21は、端末装置20における各部位の動作の制御を行うコントローラである。端末制御部21は、CPU及びGPU等を含む演算処理部をハードウェア資源として備える。端末制御部21は機能ブロック211~213を有する。端末制御部21が後述の端末プログラムPG2を実行することで機能ブロック211~213が実現されるが、機能ブロック211~213の各機能について後述される。
【0020】
端末メモリ22は、ROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び、RAM等の揮発性メモリを含む。端末制御部21は端末メモリ22内の任意のプログラムを実行できる。端末メモリ22は本発明に係る特徴的なプログラムとして端末プログラムPG2を保持する。端末メモリ22の全部又は一部は端末制御部21に内蔵されたメモリであっても良い。本実施形態にて述べる端末制御部21の動作は、全て、端末制御部21が端末プログラムPG2を実行することで実現される動作であって良い。
【0021】
端末通信部23は、相手側機器との通信を実現する機能ブロックである。通信は一方向通信であり得るが、ここでは双方向通信であるとする。端末装置20にとっての相手側機器はサーバ装置10を含む。端末通信部23(従って端末装置20)は通信網NETを介して相手側機器との通信を行う。このように、端末装置20は端末通信部23を用いて相手側機器との通信を行うが、以下の説明では、端末通信部23の記述を省略することがある。
【0022】
ユーザインターフェース24は、端末装置20と注目ユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、注目ユーザに対して任意の情報を出力し、且つ、注目ユーザから任意の情報を受ける。ユーザインターフェース24は、操作部241、マイクロホン242、表示画面243及びスピーカ244を備える。操作部241は注目ユーザから任意の操作の入力を受け付ける。マイクロホン242は、マイクロホン242の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン242の周辺音は注目ユーザの発話の音声を含む。表示画面243は液晶ディスプレイパネル等にて構成され、端末制御部21の制御の下で任意の画像を表示する。操作部241及び表示画面243によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部241への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。スピーカ244は端末制御部21の制御の下で任意の音を出力する。尚、本実施形態において表示とは、特に記述なき限り表示画面243での表示を指す。操作部241への操作又は情報の入力と、端末装置20への操作又は情報の入力とは、互いに同義であると解される。
【0023】
GPS処理部25は、端末装置20の位置(所在地)を表す位置情報を生成する。位置情報は端末制御部21に与えられる。GPS処理部25は所定周期で位置情報を更新する。本実施形態において、注目ユーザは端末装置20を所持した状態で端末装置20と共に移動するものとする。このため、端末装置20の位置は注目ユーザの位置でもあり、位置情報は注目ユーザの位置(所在地)を表すと解される。GPS処理部25は、GPS(Global Positioning System)を形成する複数のGPS衛星からの信号を受信することで位置情報を生成する。位置情報は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を形成する衛星群からの信号に基づき生成されても良い。
【0024】
[機能ブロック]
次に、サーバ制御部11における機能ブロック111~114及び端末制御部21における機能ブロック211~213について説明する。機能ブロック111、112、113、114は、夫々、ユーザ情報管理部、行動履歴管理部、目的達成推定部、配信制御部である。機能ブロック211、212、213は、夫々、位置情報取得部、目的情報取得部、出力制御部である。
【0025】
ユーザ情報管理部111はユーザ情報を生成及び管理する。ユーザ情報管理部111は生成したユーザ情報をユーザ情報記憶部141に格納させる。上述したようにシステムSYSは複数のユーザに利用される。ユーザごとにユーザ情報が生成されて、ユーザごとのユーザ情報がユーザ情報記憶部141に格納される。
【0026】
図2にユーザ情報の構造を示す。注目ユーザのユーザ情報を説明する。注目ユーザのユーザ情報は注目ユーザの固有情報を含む。注目ユーザの固有情報は、注目ユーザと他のユーザとを区別するために注目ユーザに対して固有に割り当てられた識別情報である。注目ユーザのユーザ情報は注目ユーザの属性情報を含む。注目ユーザの属性情報は注目ユーザの性別、年齢、国籍、住所及び職業等を示す。注目ユーザのユーザ情報は注目ユーザの嗜好情報を含む。注目ユーザの嗜好情報は注目ユーザの嗜好を表す情報である。嗜好は趣味を含む。注目ユーザのユーザ情報は注目ユーザのリンク情報を含む。注目ユーザのリンク情報は、任意のソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNSと称する)において注目ユーザに対応付けられたアカウント情報を含む。注目ユーザが操作部241を介し端末装置20に対して入力した情報に基づき、注目ユーザの属性情報、嗜好情報及びリンク情報が形成されて良い。
【0027】
位置情報取得部211はGPS処理部25から位置情報を取得する。GPS処理部25にて生成される位置情報は、端末制御部21の制御の下、端末通信部23から周期的にサーバ装置10に送信されてサーバ通信部13にて受信される。サーバ通信部13にて受信された位置情報はサーバ制御部11に与えられる。
【0028】
行動履歴管理部112はユーザの行動履歴情報を生成及び管理する。行動履歴管理部112は生成した行動履歴情報を行動履歴記憶部142に格納させる。上述したようにシステムSYSは複数のユーザに利用される。ユーザごとに行動履歴情報が生成されて、ユーザごとの行動履歴情報が行動履歴記憶部142に格納される。注目ユーザの行動履歴情報は注目ユーザの行動履歴を表す情報である。各日時における注目ユーザの位置(即ち現在位置)が注目ユーザの行動履歴情報に含まれる。即ち、注目ユーザの位置情報の履歴(換言すれば注目ユーザの位置の時系列データ)が注目ユーザの行動履歴情報に含まれる。行動履歴管理部112は日時情報を参照しつつ、各日時における注目ユーザの位置情報に基づき注目ユーザの行動履歴情報を生成できる。任意の注目時間帯における注目ユーザの位置の変化は注目ユーザの移動を示すので、注目ユーザの行動履歴情報は注目ユーザの移動の情報(注目ユーザが、当該注目時間帯に、どこからどこへ移動したのかを示す情報)を含む。任意の注目時間帯において注目ユーザが任意の注目位置に滞在していたとき、その滞在時間を示す滞在時間情報が注目ユーザの行動履歴情報に含まれる。
【0029】
目的情報取得部212は注目ユーザの目的情報を取得する。注目ユーザの目的情報は、注目ユーザの行動目的を表す情報である。行動目的は、注目ユーザが実現されることを希望する任意の目的であり、例えば、何らかの商品の買い物、映画鑑賞、美術鑑賞、会議である。注目ユーザは、操作部241を介して自身の行動目的を特定する情報を端末装置20に入力することができる。目的情報取得部212は、注目ユーザから入力された情報に基づき注目ユーザの目的情報を取得できる。目的情報が注目ユーザにより端末装置20に入力されると解することもできる。目的情報取得部212にて取得された目的情報は、端末制御部21の制御の下、端末通信部23からサーバ装置10に送信されてサーバ通信部13にて受信される。サーバ通信部13にて受信された目的情報はサーバ制御部11に与えられる。サーバ制御部11は自身に与えられた目的情報を目的情報記憶部143に格納させる。注目ユーザに関しては、注目ユーザの目的情報が注目ユーザに関連付けられた状態で目的情報記憶部143に格納される。
【0030】
目的達成推定部113はユーザの行動目的が達成されたかを推定する。上述したようにシステムSYSは複数のユーザにて利用される。ユーザごとに行動目的の達成又は未達が推定される。目的達成推定部113は注目ユーザの行動履歴情報に基づき注目ユーザの行動目標が達成されたかを推定できる。詳細には、注目ユーザの行動履歴情報と注目ユーザの目的情報とに基づき目的達成推定部113は注目ユーザの行動目標が達成されたかを推定できる。当該推定に係る具体例は後述される。
【0031】
配信制御部114はサーバ装置10から情報端末20に対して配信可能な情報(以下、配信用情報と称する)の生成を行う。配信制御部114は配信用情報を配信用情報記憶部144に格納させる。配信制御部114は、配信用情報の全部又は一部を端末装置20への配信する配信制御を行う。尚、情報の配信と情報の送信は同義である。配信用情報の内、実際にサーバ装置10から情報端末20に対して配信される情報を実配信情報と称する。
【0032】
出力制御部213は、端末装置20にて受信された実配信情報を情報出力部から出力させるための制御を行う。端末装置20において、実配信情報の出力は注目ユーザに対する実配信情報の出力である。注目ユーザに対する実配信情報の出力は、表示画面243による実配信情報の表示(即ち実配信情報を表す画像の表示)、及び、スピーカ244による実配信情報の出力(即ち実配信情報を表す音声の出力)の内、少なくとも一方を含む。以下では特に記述なき限り、注目ユーザに対する実配信情報の出力は表示画面243による実配信情報の表示により実現されるとする。
【0033】
システムSYSでは、上述の参考方法(単純にコンテキスト情報に基づいて情報を配信する方法)と異なり、ユーザの状況に適応した情報配信及び通知を行う。
【0034】
以下、複数の実施例の中で、システムSYSの情報配信及び通知に関わる幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0035】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。
図3を参照して第1実施例に係るシステムSYSの動作の概要を説明する。時間の進行につれてタイミングt1、t2、t3、t4、t5、t6が、この順番で訪れる。
【0036】
まずタイミングt1において、注目ユーザは、自身の希望に沿った行動目的を特定する情報を端末装置20に入力する。目的情報取得部212は、注目ユーザから入力された情報に基づき注目ユーザの目的情報を取得する。タイミングt1での入力情報に基づく目的情報は、システムSYSにおいて基準目的情報として取り扱われる。基準目的情報における行動目的を特に基準行動目的と称する(
図8も参照)。基準目的情報は基準行動目的と終了予定日時を含む(詳細には、基準行動目的を表す情報と終了予定日時を表す情報を含む)。基準目的情報における終了予定日時は、基準行動目的を達成するために注目ユーザが行う行動の終了予定日時を表す。但し、終了予定日時の入力は省略され得る。つまり、基準目的情報は基準行動目的を含むが終了予定日時を含まない場合がある。
【0037】
基準目的情報は、端末制御部21の制御の下、端末通信部23からサーバ装置10に送信されてサーバ通信部13にて受信される。サーバ通信部13にて受信された基準目的情報はサーバ制御部11に与えられる。サーバ制御部11は基準目的情報を注目ユーザに関連づけて目的情報記憶部143に格納させる。
【0038】
タイミングt1において、端末制御部21は、端末プログラムPG2に従い、目的受付画像を表示画面243に表示させる。
図4に目的受付画像が表示画面243に表示された様子を示す。端末制御部21は、目的受付画像を表示画面243に表示しつつ、基準目的情報における基準行動目的及び終了予定日時を注目ユーザに問い合わせ、操作部241を通じて問い合わせに対する回答を得る。操作の利便性等を考慮し、プルダウンメニューを用い複数の候補の中から基準行動目的及び終了予定日時を注目ユーザに選択させる方式が採用されて良い。但し、注目ユーザによる基準行動目的及び終了予定日時の入力方法は任意である。
【0039】
尚、タイミングt1~t6の夫々は、或る程度の時間幅を有する時間概念であるとする。タイミングt1における時間幅(例えば1分程度の時間幅)にて、注目ユーザによる入力操作が行われると解される。タイミングt2~t6についても同様である。タイミングt1~t6を夫々第1期間~第6期間と捉えても良い。
【0040】
タイミングt1の後、端末装置20の位置情報は継続的に端末装置20からサーバ装置10に送信される。故に、サーバ制御部11は、タイミングt1の後、端末装置20及び注目ユーザの位置(現在地)を常時認識できる。サーバ装置10において行動履歴管理部112は、継続的に受信される端末装置20の位置情報に基づき注目ユーザの行動履歴情報を生成及び更新する。
【0041】
図3の例では、基準行動目的が、特定商品の購入(例えば家具の購入)であることが想定されている。
図3における店舗AA1は特定商品を販売する店舗又は特定商品と同じ種類の商品を販売する店舗である。タイミングt1の後、注目ユーザは店舗AA1に向けて移動を開始し、タイミングt2にて店舗AA1に到着する。店舗AA1は基準行動目的の達成に適合する対象施設の例である。
【0042】
タイミングt2の後、タイミングt4の直前まで、注目ユーザは店舗AA1内に位置する。タイミングt3は、タイミングt2より後であって且つタイミングt4より前のタイミングであり、故にタイミングt3における注目ユーザの位置は店舗AA1内である。タイミングt4において、注目ユーザは店舗AA1内から店舗AA1外へ移動し、店舗AA1から離れてゆく。
【0043】
目的達成推定部113は推定処理を実行する。推定処理において、目的達成推定部113は、注目ユーザの行動履歴情報に基づき、注目ユーザが基準行動目的を達成したか否かを推定する。
【0044】
目的達成推定部113は通信網NETに接続される地理情報システム(不図示)から通信網NETを介して地理情報を入手できる。地理情報は所定空間内の各位置に関する情報を含む。所定空間内の各位置において何が存在するのかが地理情報にて特定され、所定空間内の各位置の特性を示す様々な付加情報も地理情報に含まれる。所定空間は少なくともシステムSYSのサービスが適用される空間(例えば日本全国)を含み、地球上の全空間であっても良い。
図3の例に関しては、店舗AA1の所在地及び店舗AA1の特性が地理情報に含まれる。店舗AA1の特性は、店舗AA1が特定商品を実際に販売する店舗又は特定商品を販売可能な店舗であることを指し示す。
【0045】
目的達成推定部113は、タイミングt2の後、タイミングt4の直前まで(従って例えばタイミングt3において)、地理情報と注目ユーザの行動履歴情報とに基づき注目ユーザが店舗AA1に滞在中であると推定する。更に、目的達成推定部113は、地理情報及び基準目的情報に基づき、店舗AA1内の位置が基準行動目的の達成に適合する位置であると推定する。
【0046】
故に、注目ユーザが店舗AA1内に滞在した後、注目ユーザが店舗AA1の外に出て店舗AA1から離れる行動をとったとき、目的達成推定部113は基準行動目的が達成されたと推定できる。この推定の際、目的達成推定部113は基準目的情報の終了予定日時に基づく予測日時範囲を設定して良い。そして、注目ユーザが店舗AA1内に滞在した後、予測日時範囲内に注目ユーザが店舗AA1の外に出て店舗AA1から離れる行動をとったときに限り、目的達成推定部113は基準行動目的が達成されたと推定するようにしても良い。予測日時範囲は、基準目的情報の終了予定日時より時間ΔT1だけ前の時刻から、基準目的情報の終了予定日時より時間ΔT2だけ後の時刻までの範囲である。時間ΔT1及びΔT2は予め定められた時間長を有していて良い。目的達成推定部113は、基準行動目的の内容に応じて時間ΔT1及びΔT2を可変設定しても良い。
【0047】
図3の例では、タイミングt4において目的達成推定部113により基準行動目的が達成されたと推定される。この推定を経たタイミングt5において、配信制御部114はベース提案情報を実配信情報として端末装置20に配信する。
図3の例におけるベース提案情報は、以下、必要に応じてベース提案情報600と称される。タイミングt5はタイミングt4より微小時間だけ後のタイミングであって良く、タイミングt4と同じであっても良い。
【0048】
タイミングt5においてベース提案情報600が端末装置20にて受信されると、出力制御部213はベース提案情報600を情報出力部から出力させ、これによってベース提案情報600を注目ユーザに通知する。上述したように、ここでは情報出力部として表示画面243が用いられることを想定する。
【0049】
図5にタイミングt5にて表示画面243に表示されるベース提案情報600の例を示す。タイミングt5にて表示画面243に表示されるベース提案情報600は選択肢601及び602を含む複数の選択肢を有する。ベース提案情報600は注目ユーザの今後の行動目的を注目ユーザに提案する又は問い合わせる情報であり、今後の行動目的に対する複数の候補として、複数の選択肢がベース提案情報600に含められる。
図5では複数の選択肢が選択肢601及び602のみにて構成されることが想定されている。但し、ベース提案情報600は3以上の選択肢を含んでいても良い。
【0050】
選択肢601は、当初の行動目的である基準行動目的の達成に資する第1提案情報である。選択肢602は、基準行動目的とは異なる新たな行動目的に関する第2提案情報である。第2提案情報は、新たな行動目的を提案するかを注目ユーザに問い合わせる情報、又は、新たな行動目的を注目ユーザに提案する情報を含んでいて良い。
図5の例において、選択肢601は問い合わせ文章「今回の目的に沿ったお店を新たに探しますか?」を含む。
図5の例において、選択肢602は問い合わせ文章「新たなアクティビティーをご提案しましょうか?」を含む。
【0051】
タイミングt4において目的達成推定部113により基準行動目的が達成されたと推定されるものの、実際には基準行動目的が未達であることも考えられる。基準行動目的が未達であれば選択肢601は注目ユーザにとって有益である。他方、タイミングt4において基準行動目的が実際に達成済みである場合もあり、この場合には選択肢602が注目ユーザにとって有益となり得る。
【0052】
端末制御部21は上記複数の選択肢を表示画面243に表示させた状態で注目ユーザからの選択操作を受け付ける。タイミングt6において選択操作が端末装置20に入力されると、端末制御部21は選択操作の内容に応じた選択信号(換言すれば配信要求信号)をサーバ装置10に送信する。
【0053】
図5に示す如く複数の選択肢が表示画面243に表示された状態で、選択肢601を選択する第1選択操作が端末装置20に入力された場合、第1選択信号が端末装置20からサーバ装置10に送信される。サーバ装置10にて第1選択信号が受信された場合、サーバ制御部11は第1対応動作を行う。尚、第1選択信号を第1配信要求信号に読み替えても良い。
【0054】
第1対応動作において、配信制御部114は、特定商品を実際に販売している又は特定商品の販売が予想される店舗の内、タイミングt4の注目ユーザの位置との距離が所定距離以内の店舗を提案店舗として探索する。所定距離は注目ユーザの希望に従って変更され得る。提案店舗の探索は、地理情報、基準目的情報及び注目ユーザの位置情報に基づき実行される。当該探索の際、配信制御部114は現在日時を表す日時情報も参照して提案店舗を探索すると良い。特定商品を実際に販売している又は特定商品の販売が予想される店舗であっても、タイミングt4にて営業していない店舗であれば、提案店舗から除外されて良い。1以上の提案店舗が探索される。
【0055】
第1対応動作は、詳細提案情報610を実配信情報として端末装置20に送信する第1配信動作を含む。詳細提案情報610は1以上の提案店舗の紹介情報を含む。詳細提案情報610が端末装置20にて受信されると、受信情報に基づき各提案店舗の紹介情報が出力制御部213により表示画面243に表示される。
図6に詳細提案情報610を示す画像が表示画面243に表示される様子を示す。
図6の例では、3つの提案店舗としての店舗AA2~AA4の紹介情報が詳細提案情報610に含まれる(故に表示画面243に表示される)。
【0056】
各提案店舗は店舗AA1とは相違する。各提案店舗の紹介情報は、注目ユーザの現在地からの距離情報の他、各提案店舗の特性の紹介等を含む。注目ユーザは各提案店舗にて特定商品を購入できる可能性がある。このため、選択肢601の通知、及び、選択肢601を選択する操作に応答した第1対応動作は、基準行動目的の達成に資する。
【0057】
図6の画像が表示画面243に表示されている状態において、店舗AA2を選択する操作が端末装置20に入力されると、店舗AA2に関する更なる情報が配信制御部114の制御の下、端末装置20に配信される。配信された情報は表示画面243に表示される。店舗AA3又はAA4を選択する操作が端末装置20に入力された場合も同様である。
【0058】
図5に示す如く複数の選択肢が表示画面243に表示された状態で、選択肢602を選択する第2選択操作が端末装置20に入力された場合、第2選択信号が端末装置20からサーバ装置10に送信される。サーバ装置10にて第2選択信号が受信された場合、サーバ制御部11は第2対応動作を行う。尚、第2選択信号を第2配信要求信号に読み替えても良い。
【0059】
第2対応動作において、配信制御部114は、タイミングt4の注目ユーザの位置との距離が所定距離以内の施設を提案施設として探索する。所定距離は注目ユーザの希望に従って変更され得る。提案施設の探索は地理情報及び注目ユーザの位置情報に基づき実行される。施設は、建造物を有する施設だけでなく、公園、イベント会場などを含む。配信制御部114は、地理情報及び注目ユーザの位置情報に加え、注目ユーザのユーザ情報(
図2参照)を参照して提案施設の探索を行うと良い。特に例えば、注目ユーザの嗜好情報に基づき注目ユーザが興味を持ちそうな施設を提案施設として探索する。加えて、配信制御部114は日時情報を参照して提案施設の探索を行うと良い。注目ユーザが興味を持ちそうな施設であっても、当該施設をタイミングt4にて利用できないのであれば(例えば当該施設の定休日にタイミングt4が属しているならば)、提案施設から除外される。1以上の提案施設が探索される。
【0060】
第2対応動作は、詳細提案情報620を実配信情報として端末装置20に送信する第2配信動作を含む。詳細提案情報620は1以上の提案施設の紹介情報を含む。詳細提案情報620が端末装置20にて受信されると、受信情報に基づき各提案施設の紹介情報が出力制御部213により表示画面243に表示される。
図7に詳細提案情報620を示す画像が表示画面243に表示される様子を示す。
図7の例では、3つの提案施設としての施設BB1~BB3の紹介情報が詳細提案情報620に含まれる(故に表示画面243に表示される)。
【0061】
各提案施設は店舗AA1とは相違する。各提案施設は特定商品を実際に販売している又は特定商品の販売が予想される店舗ではない。各提案施設の紹介情報は、注目ユーザの現在地からの距離情報の他、各提案店舗の特性の紹介等(各提案施設で提供又は実施されるサービス又はイベントの紹介等)を含む。或る提案施設において、注目ユーザは基準行動目的とは異なる新たな行動目的(例えばスポーツ観戦、映画鑑賞)を達成できる。
【0062】
図7の画像が表示画面243に表示されている状態において、施設BB1を選択する操作が端末装置20に入力されると、施設BB1に関する更なる情報が配信制御部114の制御の下、端末装置20に配信される。配信された情報は表示画面243に表示される。施設BB2又はBB3を選択する操作が端末装置20に入力された場合も同様である。
【0063】
このように、基準行動目的が達成されたと推定されたタイミング(t4)にて、配信制御部114は提案情報を端末装置20に送信することを通じ提案情報を注目ユーザに通知する。基準行動目的が達成されたと推定された後に注目ユーザに通知される提案情報を、説明の便宜上、特定提案情報と称する。特定提案情報は店舗AA1(対象施設)とは異なる他の施設への立ち寄りを提案する情報を含むと良い。
図5~
図7の例において、店舗AA2~AA4及び施設BB1~BB3は上記他の施設に該当する。3~
図7の例において、特定提案情報はベース提案情報600を含み、更に詳細提案情報610又は620を含み得る。ベース提案情報600のみが特定提案情報に該当すると考えることも可能である。特定提案情報は他の行動目的に関する情報を含む。ここにおける他の行動目的は基準行動目的と異なる行動目的であり、例えば施設BB1でのイベント鑑賞(スポーツ観戦)が他の行動目的に該当する。選択肢602は他の行動目的に関する情報に該当する。選択肢602は他の行動目的を提案するかを注目ユーザに問い合わせる情報に相当する。詳細提案情報620も他の行動目的に関する情報に該当する。詳細提案情報620は他の行動目的を注目ユーザに提案する情報に相当する。
【0064】
当初の行動目的である基準行動目的が達成された後に他の行動目的に関する情報が通知されることから、過剰な情報配信が抑制され、ユーザに与えるストレスを軽減できる。即ちユーザは快適にシステムSYSによる情報配信サービスを利用できる。また過剰な情報配信の抑制は通信負荷の軽減に繋がる。通信負荷の軽減は通信に関わる費用及び消費電力の低減に資する。
【0065】
具体的には、サーバ制御部11は、基準行動目的が達成されたと推定した後に、特定提案情報を、端末装置20を用いて注目ユーザに通知する。
【0066】
端末装置20から送信される注目ユーザの位置情報(換言すれば端末装置20の位置情報)及び基準目的情報がサーバ通信部13にて受信される。行動履歴管理部112は注目ユーザの位置情報を注目ユーザの行動履歴情報に含める。そして、目的達成推定部113は注目ユーザの行動履歴情報と基準目的情報とに基づき目的達成条件の成否を判断することで、基準行動目的が達成したか否かを推定する推定処理を行う。目的達成条件は、注目ユーザが基準行動目的の達成に適合する位置(以下、目的適合位置と称する)に滞在した後、目的適合位置から離れるという第1必要条件を含む。これにより、基準行動目的が達成されたかを良好に推定することができる。
【0067】
基準目的情報が終了予定日時を含む場合、目的達成条件は第1必要条件ではなく第2必要条件を含んでいても良い。第2必要条件は、注目ユーザが目的適合位置に滞在した後、終了予定日時に基づく予測日時範囲において目的適合位置から離れるという条件である。予測日時範囲の設定方法は上述した通りである。これにより、基準行動目的が達成されたかを更に良好に推定することができる。
【0068】
注目ユーザが或る特定の位置に滞在した状態で基準行動目的が達成可能である場合、当該特定の位置は目的適合位置である。
図3の例では、注目ユーザが店舗AA1に滞在した状態で、注目ユーザは特定商品の購入が可能であるため、店舗AA1内の位置は目的適合位置に該当する。目的適合位置は大きさを有する概念であると解されて良い。店舗AA1内の位置が目的適合位置である場合、店舗AA1内の領域は全て目的適合位置に該当する。
【0069】
注目ユーザが目的適合位置に滞在する状態を起点に注目ユーザ及び目的適合位置間の距離が増大してゆき、当該距離が所定距離以上となったとき、目的達成推定部113は、注目ユーザが目的適合位置から離れたと推定して良い。
【0070】
目的達成条件は上記第1必要条件そのものであっても良いし、第1必要条件と1以上の追加条件を含むものであっても良い。基準目的情報が終了予定日時を含む場合、目的達成条件は上記第2必要条件そのものであっても良いし、第2必要条件と1以上の追加条件を含むものであっても良い。
【0071】
追加条件の例として、注目ユーザが目的適合位置に、規定時間以上、滞在するという滞在時間条件が挙げられる。注目ユーザが目的適合位置に達した後、基準行動目的が達成されるまでには、相応の時間が必要と考えられるからである。滞在時間条件が目的達成条件に含まれる場合、目的適合位置における注目ユーザの滞在時間が規定時間に達することなく注目ユーザが目的適合位置から離れたならば、目的達成条件は充足しない。故に、第1必要条件及び滞在時間条件が目的達成条件に含まれる場合、注目ユーザが目的適合位置に規定時間以上滞在した後、目的適合位置から離れたときに、目的達成条件が充足する。第2必要条件及び滞在時間条件が目的達成条件に含まれる場合、注目ユーザが目的適合位置に規定時間以上滞在した後、予測日時範囲において目的適合位置から離れたときに、目的達成条件が充足する。尚、基準行動目的の内容に依存して、達成にかかる時間は変動する。このため、目的達成推定部113は基準行動目的の内容に応じて規定時間を可変設定して良い。
【0072】
基準目的情報が端末装置20に入力され、基準目的情報がサーバ装置10にて受信された後、基準行動目的が達成されたと推定されるまで、配信制御部114は特定提案情報の端末装置20への送信を制限(禁止)する。つまり、基準行動目的が達成されたと推定されるまで、配信制御部114は特定提案情報の注目ユーザへの通知を制限(停止)する。
【0073】
これにより、当初の行動目的(基準行動目的)の達成前に次の行動目的が提案されるといった過剰な情報配信が抑制され、ユーザに与えるストレスを軽減できる。即ちユーザは快適にシステムSYSによる情報配信サービスを利用できる。
【0074】
基準行動目的の達成が推定された後、複数の選択肢を含むベース提案情報(
図3の例ではベース提案情報600)が特定提案情報の一種としてサーバ装置10から端末装置20に配信される。複数の選択肢は、基準行動目的の達成に資する第1提案情報(選択肢601)と他の行動目的に関する第2提案情報(選択肢602)とを2つの選択肢として含む。2つの選択肢を含むベース提案情報が注目ユーザに通知されることで、基準行動目的が未達である場合及び基準行動目的が達成済みの場合の双方に対応することができる。複数の選択肢を2つの選択肢に限定することで、選択の煩わしさを軽減することができ、また通信負荷を軽減できる。但し、複数の選択肢は3以上の選択肢を有していても良く、これにより注目ユーザによる選択の幅を一度に広げることができる。
【0075】
図3~
図7の例では、多数の選択肢を一気に提示するのはなく、まず2つの選択肢601及び602のみを表示し、その後に、注目ユーザの希望に沿って段階的に提案内容を展開する。これによりユーザフレンドリーなインターフェースを実現できる。
【0076】
図8及び
図9にシステムSYSの動作フローチャートを示す。ステップS11、S12、S17~S21及びS23の処理は端末装置20にて実行される処理であり、ステップS13~S16及びS22の処理はサーバ装置10にて実行される処理である。ステップS24の処理はサーバ装置10及び端末装置20の協働により実現される。
図8及び
図9を参照してシステムSYSの動作の流れを説明する。尚、
図8及び
図9の動作に先立ち、注目ユーザのユーザ情報はユーザ情報記憶部141に格納済みである。尚、以下の説明において、位置情報とは特に記述なき限り、注目ユーザの位置情報(換言すれば端末装置20の位置情報)を指すものとし、行動履歴情報とは特に記述なき限り、注目ユーザの行動履歴情報を指すものとする。
【0077】
端末制御部21にて端末プログラムPG2が起動すると、ステップS11から始まる
図8及び
図9の処理が開始される。尚、サーバ制御部11ではサーバプログラムPG1が常時実行されているものとする。ステップS11において注目ユーザが基準目的情報を特定する情報を端末装置20に入力し、これによって基準目的情報が目的情報取得部212にて取得される。基準目的情報は基準行動目的を少なくとも含み、原則として終了予定日時を更に含む。但し、基準目的情報に終了予定日時が含まれないこともある。
【0078】
ステップS11に続くステップS12において、端末制御部21は基準目的情報をサーバ装置10に対して送信する。またステップS12において位置情報の送信が開始される。位置情報の送信とは、注目ユーザの位置情報を端末装置20からサーバ装置10に送信することを指す。ステップS12以降、位置情報は周期的に継続送信される。基準目的情報及び位置情報はサーバ通信部13にて受信されてサーバ制御部11に送られる。ステップS12の後、ステップS13に進む。
【0079】
サーバ装置10にて基準目的情報が受信され且つ位置情報の受信が開始されると、ステップS13において、行動履歴管理部112は行動履歴情報の生成を開始する。上述したように、行動履歴情報は位置情報の履歴を含む。ステップS13の後、ステップS14に進む。
【0080】
ステップS14において、目的達成推定部113は目的達成条件の成否判断処理を行う。目的達成条件の成否判断処理において、目的達成推定部113は、行動履歴情報及び基準目的情報に基づき目的達成条件の成否を判断する。目的達成推定部113は、目的達成条件が成立していると判断した場合に基準行動目的が達成されたと推定し、目的達成条件が不成立であると判断した場合に基準行動目的が未達であると推定する。ステップS14の後、ステップS15に進む。
【0081】
ステップS15では、目的達成推定部113によりステップS14の処理の結果が確認される。目的達成条件が成立していると判断された場合には(ステップS15のY)、ステップS16に進む。目的達成条件が不成立であると判断された場合には(ステップS15のN)、ステップS14に戻る。このため、ステップS14における目的達成条件の成否判断処理は、目的達成条件が成立するまで繰り返される。
【0082】
ステップS16において、配信制御部114は複数の選択肢を含むベース提案情報を生成し、実配信情報として端末装置20に配信する。配信されたベース提案情報は端末装置20にて受信される。ステップS16に続くステップS17において、受信されたベース提案情報は出力制御部213により情報出力部から出力され、これによって注目ユーザに通知される。上述したように、ここでは情報出力部として表示画面243が用いられることを想定する。故にベース提案情報は表示画面243に表示される。ステップS16及びS17におけるベース提案情報の例は、選択肢601及び602を含むベース提案情報600(
図5参照)である。
【0083】
ステップS17の後、ステップS18に進む(
図9参照)。ステップS18において端末制御部21はベース提案情報を表示画面243に表示させた状態で注目ユーザからの選択操作を受け付ける。選択操作は、操作部241を用いて、ベース提案情報に含まれる複数の選択肢の何れかを選択する操作である。ステップS18の後、ステップS19に進む。
【0084】
ステップS19において、選択操作が端末装置20に入力されたかが端末制御部21により確認される。選択操作が端末装置20に入力された場合には(ステップS19のY)ステップS21に進む。選択操作が端末装置20に入力されていない場合には(ステップS19のN)ステップS20に進む。
【0085】
選択操作を受け付ける際、端末制御部21は所定の情報配信終了操作も受け付け可能な状態にある。ステップS20では、注目ユーザから端末装置20に対し情報配信終了操作が入力されたかが確認される。注目ユーザは、端末プログラムPG2の実行による情報配信サービスを終了させたいとき、情報配信終了操作を入力する。情報配信終了操作が入力された場合には(ステップS20のY)、端末制御部21は端末プログラムPG2の実行を停止する。端末プログラムPG2の実行が停止されると
図8及び
図9に示す一連の動作が終了する。情報配信終了操作が入力されていない場合には(ステップS20のN)、ステップS19に戻る。
【0086】
ステップS21において、端末制御部21は注目ユーザからの選択操作に応じた選択信号をサーバ装置10に送信する。選択信号はサーバ装置10にて受信される。ステップS21の後、ステップS22に進む。ステップS22において、サーバ制御部11は選択信号の受信に応答した対応動作を行う。対応動作は、詳細提案情報の生成及び端末装置20への詳細提案情報の配信を含む。配信された詳細提案情報は端末装置20にて受信される。ステップS22の後、ステップS23に進む。ステップS23において、受信された詳細提案情報は出力制御部213により情報出力部から出力され、これによって注目ユーザに通知される。上述したように、ここでは情報出力部として表示画面243が用いられることを想定する。故に詳細提案情報は表示画面243に表示される。
【0087】
上記複数の選択肢の何れが選択されたかに依存して、ステップS22にて実行される対応動作は異なる。
図3~
図7の例におけるステップS18、S19及びS21~S23の処理を説明する。
図5に示す如く複数の選択肢が表示画面243に表示された状態で、選択肢601を選択する第1選択操作が端末装置20に入力された場合、第1選択信号が端末装置20からサーバ装置10に送信される(ステップS18、S19及びS21)。サーバ装置10にて第1選択信号が受信された場合、サーバ制御部11は第1対応動作を行う(ステップS22)。第1対応動作では配信制御部114により詳細提案情報610が生成されて端末装置20に配信され、結果、詳細提案情報610が表示画面243に表示される(ステップS22、S23;
図6参照)。
図5に示す如く複数の選択肢が表示画面243に表示された状態で、選択肢602を選択する第2選択操作が端末装置20に入力された場合、第2選択信号が端末装置20からサーバ装置10に送信される(ステップS18、S19及びS21)。サーバ装置10にて第2選択信号が受信された場合、サーバ制御部11は第2対応動作を行う(ステップS22)。第2対応動作では配信制御部114により詳細提案情報620が生成されて端末装置20に配信され、結果、詳細提案情報620が表示画面243に表示される(ステップS22、S23;
図7参照)。
【0088】
ステップS23の後、ステップS24に進む。ステップS24では、注目ユーザの希望に沿った後段処理がサーバ装置10及び端末装置20により実行される。後段処理は、例えば、詳細提案情報に示される何れかの情報に対する更なる追加情報の探索及び通知等を含む。後段処理において詳細提案情報に基づく行動目的を新たな基準行動目的に設定し、その後、ステップS11に戻るようにしても良い。これを、ステップS23において
図7の詳細提案情報620が表示画面243に表示されたケースを例にとり、説明する。上述したように、詳細提案情報620は施設BB1~BB3の紹介情報を含む。
【0089】
詳細提案情報620が表示画面243に表示された状態で、注目ユーザが施設BB1を選択する操作を端末装置20に入力したとする。この場合、端末装置20及び注目ユーザ間で幾つかのやり取りを経て、目的情報取得部212は、施設BB1への訪問を伴う行動目的を新たな基準行動目的として設定できる。新たな基準行動目的が設定されると、新たな基準行動目的についてステップS11から始まる一連の動作が実行される。施設BB1への訪問を伴う新たな基準行動目的は、例えば施設BB1がスポーツ観戦用の施設であるならばスポーツ観戦であり、施設BB1が映画館であるならば映画鑑賞である。注目ユーザが施設BB2又はBB3を選択する操作を端末装置20に入力した場合も同様である。
【0090】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例及び後述の第3~第10実施例は第1実施例を基礎とする実施例であり、第2~第10実施例において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施例の記載が第2~第10実施例にも適用される。但し、第2実施例の記載を解釈するにあたり、第1及び第2実施例間で矛盾する事項については第2実施例の記載が優先されて良い(後述の第3~第10実施例についても同様)。矛盾の無い限り、第1~第10実施例の内、任意の複数の実施例を組み合わせても良い。
【0091】
目的達成条件の成否を位置情報に基づいて判断する方法を採用したが、位置情報に代えて又は位置情報に加えて、他の情報に基づき目的達成条件の成否を判断しても良い。
【0092】
例えば、目的達成推定部113は、注目ユーザがSNSに投稿したデータに基づき基準行動目的の達成又は未達を推定しても良い(換言すれば目的達成条件の成否を判断しても良い)。ここにおけるSNSは、注目ユーザがアカウントを有する任意のソーシャルネットワーキングサービスであり、以下、当該SNSを対象SNSと称する。注目ユーザにおけるユーザ情報中のリンク情報に、対象SNSのアカウント情報であって且つ注目ユーザに対応付けられたアカウント情報が含まれる。対象SNSはサーバ装置10とは異なる装置であって且つ通信網NETに接続されたSNSサーバにて運営される。注目ユーザが対象SNSにデータを投稿するとは、注目ユーザが端末装置20又は他の端末装置から対象SNSサーバに対し、自身のアカウント情報に対応付けてデータを送信することを指す。
【0093】
行動履歴管理部112は、注目ユーザのリンク情報に含まれるアカウント情報に基づき、注目ユーザが対象SNSに投稿したデータ(以下、投稿データ)の内容及び投稿データの投稿日時を取得できる。行動履歴管理部112は投稿データの履歴を注目ユーザの行動履歴情報に含める。投稿データの履歴は、投稿データの内容と投稿データの投稿日時とを含む投稿内容の履歴である。投稿データは、テキストデータ及び画像データの内、少なくとも一方を含む。画像データは、撮影機能を有する端末装置(端末装置20又は他の端末装置)での撮影により得られた静止画像又は動画像のデータであり、基本的に撮影操作は注目ユーザの意思で実行される。
【0094】
目的達成推定部113は、投稿データの履歴を含む行動履歴情報に基づき基準行動目的の達成又は未達を推定できる(換言すれば目的達成条件の成否を判断できる)。例えば、目的達成推定部113は、投稿データ中のテキストデータに基づき基準行動目的が達成されたかを推定できる。
【0095】
投稿データを参照することで基準行動目的が達成されたかを良好に推定できる場合がある。
【0096】
図3の例において本推定方法を説明する。目的達成推定部113は、タイミングt1より後に投稿された投稿データ中のテキストデータを参照し、注目ユーザが特定商品を購入したことを示す文章が、参照したテキストデータに含まれるかを判断する。注目ユーザが特定商品を購入したことを示す文章が、参照したテキストデータに含まれる場合、目的達成推定部113は基準行動目的が達成されたと推定できる。この推定の際、投稿データに含まれ得る画像データも参照しても良い。より具体的には特定商品が北欧家具である場合において、タイミングt3にて投稿文章「念願の北欧家具を買えました」を含む投稿データが注目ユーザにより対象SNSに投稿されたとする。この場合、当該投稿文章に基づき、目的達成推定部113は基準行動目的が達成されたと推定できる。
【0097】
第2実施例に係る方法は第1実施例に係る方法と組み合わせ可能であり、投稿データの履歴から基準行動目的が達成されたかを推定できない場合には、第1実施例の如く位置情報を用いて基準行動目的が達成されたかを推定して良い。
【0098】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。第3実施例では、注目ユーザが任意の商品を購入したとき、商品の購入情報がサーバ装置10に伝達されることを前提とする。
【0099】
商品の購入情報は、商品の購入者が注目ユーザであること、商品の内容、商品の購入日時などを含む。例えば、サーバ装置10は通信網NETを介してPOS(Point of Sale)システムに接続される。そして、POSシステムを利用して注目ユーザが任意の商品を購入したとき、商品の購入ごとに、商品の購入情報がPOSシステムからサーバ装置10に伝達される。
【0100】
行動履歴管理部112は、サーバ装置10に伝達された購入情報であって且つ注目ユーザによる商品の購入情報を、注目ユーザによる商品の購入履歴として注目ユーザの行動履歴情報に含める。目的達成推定部113は、注目ユーザによる商品の購入履歴を含む行動履歴情報に基づき基準行動目的の達成又は未達を推定して良い(換言すれば目的達成条件の成否を判断して良い)。商品を購入する行動は、換言すれば、商品の支払い行動(商品の対価を支払う行動)である。故に、商品の購入履歴とは、換言すれば商品の支払い行動の履歴である。行動履歴管理部112は、サーバ装置10に伝達された購入情報に基づく、注目ユーザによる商品の支払い行動の履歴を注目ユーザの行動履歴情報に含める。
【0101】
購入履歴(支払い行動の履歴)を参照することで基準行動目的が達成されたかを良好に推定できる場合がある。
【0102】
図3の例において本推定方法を説明する。目的達成推定部113は、タイミングt1より後において、注目ユーザが特定商品を購入したことを示す購入履歴が行動履歴情報内に含まれるかを監視する。そして、注目ユーザが特定商品を購入したことを示す購入履歴が行動履歴情報内に含まれる場合、目的達成推定部113は基準行動目的が達成されたと推定できる。注目ユーザが特定商品を購入したことを示す購入履歴とは、換言すれば、注目ユーザが特定商品の購入の対価を支払ったことを示す支払い行動の履歴である。
【0103】
第3実施例に係る方法は第1実施例に係る方法と組み合わせ可能であり、購入履歴から基準行動目的が達成されたかを推定できない場合には、第1実施例の如く位置情報を用いて基準行動目的が達成されたかを推定して良い。
【0104】
尚、注目ユーザは、特定商品の購入の際に、特定商品の代金の割引等を受けるためのクーポン又はポイントを利用する可能性がある。注目ユーザに対応付けられたクーポン又はポイントが利用されたとき、クーポン又はポイントの利用を伴う特定商品の購入情報がサーバ装置10に伝達されて良い。そして、クーポン又はポイントの利用を伴う特定商品の購入情報(支払い行動の履歴)に基づき基準行動目的が達成されたと推定されても良い。
【0105】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。上述したように、基準行動目的が達成されたと推定されるまで、配信制御部114は、他の行動目的に関する情報を含む提案情報の端末装置20への送信を制限(禁止)する。
【0106】
但し、基準行動目的が達成されたと推定される前においても、基準行動目的に関わる情報はサーバ装置10から端末装置20に対し配信されても良い。即ち
図3の例に関し、タイミングt2又はt3において配信制御部114は、特定商品の関連情報を実配信情報として端末装置20に送信することで注目ユーザに通知しても良い。特定商品の関連情報は店舗AA1の紹介情報を含んでいて良く、更に店舗AA1以外の周辺店舗の紹介情報を含んでいて良い。周辺店舗とは、注目ユーザの現在地から見て所定距離範囲内に存在する店舗であって且つ特定商品を販売している可能性のある店舗を指す。店舗AA1の紹介情報は店舗AA1で行われ得る各種のキャンペーン情報(タイムサービス情報、著名人のサイン会の開催情報等)を含んでいて良い。周辺店舗の紹介情報も同様である。
【0107】
また、端末装置20又はサーバ装置10がスケジューラの機能を有している場合、スケジューラの機能に基づく通知は、基準行動目的の達成又は未達に依らず、実行されて良い。即ち
図3の例に関し、タイミングt3にて注目ユーザが美容院を利用することを予約していて且つ当該予約の内容がスケジューラに登録されているケースを考える。このケースにおいては、基準行動目的の達成又は未達に依らず、タイミングt3において又はタイミングt3より若干前において、スケジューラの機能に基づく通知が端末装置20から注目ユーザに行われて良い。
【0108】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。システムSYSは、情報配信に係るユーザの利便性向上を図るものであるため、以下の機能を有していて良い。
【0109】
例えば配信制御部114は、注目ユーザが欲する可能性のある情報を配信用情報として予め用意して配信用情報記憶部144に格納しておいて良い。そして注目ユーザの要求に応答して即座に配信用情報を実配信情報として端末装置20に送信するようにしても良い。即ち、注目ユーザが端末装置20に対し所望情報の閲覧を求めるための操作を入力したとき、入力操作に応答して端末装置20からサーバ装置10に配信要求信号が送信される。配信要求信号の受信に応答して、配信制御部114は、配信用情報記憶部144に格納しておいた配信用情報の内、上記所望情報に対応する情報を、実配信情報として端末装置20に送信するようにしても良い。出力制御部213は、受信された実配信情報を情報出力部から出力する(例えば表示画面243に表示する)。
【0110】
或いは例えば、配信制御部114は、注目ユーザが欲する可能性のある情報を実配信情報として任意のタイミングに端末装置20に配信して良い。この場合、配信された実配信情報はメモリ22に格納される。そして、注目ユーザが端末装置20に対し所望情報の閲覧を求めるための操作を入力したとき、出力制御部213は、メモリ22に格納しておいた実配信情報の内、上記所望情報に対応する情報を情報出力部から出力する。
【0111】
このように、閲覧可能性のある情報を所謂バックグラウンドで用意しておくことで、注目ユーザの要求に対して即座に応答することが可能となる。
図3の例において、注目ユーザが店舗AA1に滞在中、希望の商品が見つからない又は費用面で折り合いがつかない等の理由により、他の店舗の情報を欲することがある。このような場合において特にバックグラウンドでの情報の用意は有益である。
【0112】
<<第6実施例>>
第6実施例を説明する。注目ユーザは一時的な情報の配信停止を望むこともある。例えば、映画鑑賞中又は会議出席中において、情報の配信停止を希望することが考えられる。
【0113】
このため、システムSYSに一時配信停止機能を搭載して良い。一時配信停止機能に係る配信制御部114は、設定された停止対象期間中、任意の情報(上述の提案情報を含む)を端末装置20に配信する動作を停止する。端末制御部21は、注目ユーザによる操作部241への操作内容に応じて停止対象期間を設定する。停止対象期間の設定内容は端末装置20からサーバ装置10に伝達される。
【0114】
停止対象期間の設定単位は任意である。停止対象期間は、時間単位で設定されても良いし、日単位で設定されても良い。停止対象期間は終期の設定を伴わない期間であっても良く、この場合、停止対象期間の開始後、所定の再開指示操作が操作部241に入力されるまで停止対象期間は継続する。停止対象期間は、スケジュールに沿って周期的に設定される複数の期間(例えば毎週月曜の15時から19時までの期間)を含んでいて良い。
【0115】
<<第7実施例>>
第7実施例を説明する。基準行動目的が達成されたと推定された後、まず複数の選択肢を含むベース提案情報を注目ユーザに通知する方法を上述したが、他の行動目的へ注目ユーザを直接的に誘引すべく以下のようにしても良い。即ち
図3の例において、基準行動目的が達成されたと推定されると、配信制御部114は端末装置20に対し、ベース提案情報600を配信せずに詳細提案情報620を配信しても良い。
【0116】
<<第8実施例>>
第8実施例を説明する。予め定めた行動目的スケジュールに沿って基準目的情報が設定されても良い。例えば、毎週月曜の15時から18時まで特定の行動目的のために注目ユーザが行動するケースを想定する。特定の行動目的として、例えば通院又は定例会議が挙げられる。当該ケースにおいて、注目ユーザは、操作部241を通じ、毎週月曜の15時から18時まで特定の行動目的のために注目ユーザが行動する旨を、行動目的スケジュールとして端末装置20に入力する。行動目的スケジュールは目的情報取得部212に登録され、サーバ制御部11にも伝達される。
【0117】
行動目的スケジュールが一旦登録されると、注目ユーザは、月曜が訪れるたびに又は月曜が接近するたびに、基準目的情報を端末装置20に入力する必要は無い。行動目的スケジュールが一旦登録されると、毎週月曜において操作部241への新たな操作入力を要することなく行動目的スケジュールに沿った基準目的情報が端末装置20及びサーバ装置10にて共有される。
【0118】
<<第9実施例>>
第9実施例を説明する。サーバ制御部11が行う処理の内、任意の処理を端末制御部21にて行うようにしても良い。例えば行動履歴管理部112及び目的達成推定部113は端末制御部21に設けられる機能ブロックであっても良い。この際、行動履歴管理部112及び目的達成推定部113の機能の実現に必要な情報は、必要に応じ、通信網NETに接続された外部装置から端末装置20に送信される。ここにおける外部装置はサーバ装置10を含み、他の任意のサーバ装置を含みうる。目的達成推定部113が端末制御部21に設けられる場合、基準行動目的が達成されたかの推定は端末制御部21にて行われる。
【0119】
<<第10実施例>>
第10実施例を説明する。
【0120】
目的達成推定部113は、注目ユーザが位置した対象施設での行動履歴情報に基づき注目ユーザが対象施設での目的を達成したか否かを推定できる。
図3の例を想定し、対象施設が店舗AA1である場合について考える。この場合、対象施設での目的は上述の基準行動目的であり、詳細には特定商品の購入である。
【0121】
行動履歴情報は、注目ユーザの現在位置と、注目ユーザの移動又は滞在時間と、を示す第1情報を有していると良い。対象施設での行動履歴情報の内、第1情報は、注目ユーザの現在位置が対象施設内の位置であるか否かを示す。加えて、対象施設での行動履歴情報の内、第1情報は、注目ユーザが対象施設の外部位置から対象施設の内部位置へ移動したことを示す情報、及び、注目ユーザが対象施設の内部位置から対象施設の外部位置へ移動したことを示す情報を含むと良い。また、対象施設での行動履歴情報の内、第1情報は、注目ユーザが対象施設内に滞在した時間(時間長さ)を示すと良い。
【0122】
行動履歴情報は、注目ユーザによる対象SNSへの投稿を示す第2情報を有していると良い。対象施設での行動履歴情報の内、第2情報は、注目ユーザが対象施設に滞在していた期間中における注目ユーザの対象SNSへの投稿データを含むと良い。或いは、対象施設での行動履歴情報の内、第2情報は、注目ユーザの対象SNSへの投稿データの内、対象施設に対応付けて投稿したデータ(例えば対象施設の名称を含むデータ)を含むと良い。
【0123】
行動履歴情報は、注目ユーザによる支払い行動を示す第3情報を有していると良い。対象施設での行動履歴情報の内、第3情報は、注目ユーザが対象施設にて行った支払い行動を示すと良い。より具体的には、対象施設での行動履歴情報の内、第3情報は、対象施設にて特定商品を購入することの対価として注目ユーザが行った支払い行動を示すと良い。
【0124】
上述の第1~第3実施例を組み合わせて実施したとき、目的達成推定部113は、以下の第1条件、第2条件及び第3条件の成否を判断して良い。
第1条件は第1実施例で述べた滞在時間条件である。上述したように、滞在時間条件は、注目ユーザが目的適合位置に、規定時間以上、滞在するという条件である。目的適合位置は、基準行動目的の達成に適合する対象施設内の位置である。
図3の例では店舗AA1が対象施設である。
第2条件は、第2実施例に関わり、注目ユーザが対象SNSにデータを投稿するという条件である。ここにおけるデータは、基準行動目的が達成されたことを示唆するデータであると良い。
第3条件は、第3実施例に関わり、注目ユーザが商品の支払い行動が行ったという条件である。基準行動目的が特定商品の購入であった場合、注目ユーザが特定商品の支払い行動が行ったときに第3条件が成立する。
【0125】
目的達成推定部113は、第1~第3条件の何れかが成立するとき、基準行動目的が達成されたと推定して良い。目的達成推定部113は、第1~第3条件の全てが不成立であるとき、基準行動目的が未達であると推定して良い。即ち、対象施設(
図3では店舗AA1)における注目ユーザの滞在時間が規定時間より短く、且つ、注目ユーザによる対象SNSへの投稿が無く、且つ、注目ユーザによる支払い行動が無い場合、基準行動目的が未達であると推定されて良い。第1~第3条件の不成立に基づき基準行動目的が未達であると推定されたとき、配信制御部114は、対象施設とは異なり且つ基準行動目的に沿った類似施設(別施設)の情報を提供して良い。対象施設とは異なり且つ基準行動目的に沿った類似施設の情報は第1実施例で述べた第1提案情報(基準行動目的の達成に資する情報)であって良く、
図6の詳細提案情報610を含んでいて良い。詳細提案情報610では店舗AA2~AA4が上記の類似施設(別施設)に該当する。
【0126】
類似施設とは、対象施設が販売する商品と同じ種類の商品を販売する施設である、又は、対象施設が提供するサービスと同じ種類のサービスを提供する施設である。何れにせよ、注目ユーザの基準行動目的が或る施設にて達成できると見込まれるとき、当該施設は類似施設に該当する。
【0127】
システムSYSは情報処理装置を備える。情報処理装置は、注目ユーザの行動履歴情報に基づき注目ユーザの基準行動目的が達成されたかを推定し、基準行動目的が達成されたと推定した後に、他の行動目的に関する情報を含む提案情報をユーザに通知する。サーバ装置10は情報処理装置の例であり、サーバ装置10は上記提案情報を端末装置20を用いてユーザに通知する。
【0128】
但し、第9実施例に示す如く、基準行動目的が達成されたかの推定が端末制御部21にて行われる場合、端末装置20が情報処理装置の例となり得る。
【0129】
端末装置20は、注目ユーザの行動履歴情報を通信網NETを介した通信によりサーバ装置10に送信しても良い。この際、端末装置20からサーバ装置10に送信される行動履歴情報は、少なくとも注目ユーザの位置情報を示す。加えて、端末装置20からサーバ装置10に送信される行動履歴情報は、注目ユーザによる対象SNSへの投稿、及び、注目ユーザによる商品の支払い行動の内、少なくとも一方を示していて良い。より具体的には、端末装置20からサーバ装置10に送信される行動履歴情報は、注目ユーザによる対象SNSへの投稿データの内容及び投稿日時を含んでいて良い。端末装置20からサーバ装置10に送信される行動履歴情報は、注目ユーザが商品の購入の対価を支払ったことを示す支払い行動の履歴を含んでいて良い。ここにおける商品は、第1~第3実施例等における特定商品であって良い。
【0130】
本発明の実施形態にて述べた任意の方法をコンピュータ装置に実行させるプログラム、及び、当該プログラムを記録した不揮発性の記録媒体は、本発明の実施形態の範囲に含まれる。サーバ装置10はサーバプログラムPG1を実行するコンピュータ装置の一種である。端末装置20は端末プログラムPG2を実行するコンピュータ装置の一種である。本発明の実施形態における任意の処理は、半導体集積回路等のハードウェア、上記プログラムに相当するソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現されて良い。
【0131】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0132】
SYS システム(情報通知システム)
NET 通信網
10 サーバ装置
11 サーバ制御部
111 ユーザ情報管理部
112 行動履歴管理部
113 目的達成推定部
114 配信制御部
12 サーバメモリ
PG1 サーバプログラム
13 サーバ通信部
141 ユーザ情報記憶部
142 行動履歴記憶部
143 目的情報記憶部
144 配信用情報記憶部
15 日時情報取得部
20 端末装置
21 端末制御部
211 位置情報取得部
212 目的情報取得部
213 出力制御部
22 端末メモリ
PG2 端末プログラム
23 端末通信部
24 ユーザインターフェース
241 操作部
242 マイクロホン
243 表示画面
244 スピーカ
25 GPS処理部