(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025168
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びテレプレゼンスシステム用の通話装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/14 20060101AFI20250214BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20250214BHJP
【FI】
G06F3/14 380B
G06F3/14 350A
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129707
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】児玉 忠
(72)【発明者】
【氏名】弥久保 大輔
(72)【発明者】
【氏名】坂井 勇人
【テーマコード(参考)】
5B069
5E555
【Fターム(参考)】
5B069CA04
5B069JA00
5E555AA26
5E555BA13
5E555BB13
5E555CA24
5E555CA42
5E555CB02
5E555CC26
5E555DA04
5E555DB03
5E555DB06
5E555DC19
5E555DC24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示内容に関してユーザが混乱することを抑制できる情報処理装置及びこれを備えるテレプレゼンスシステム用の通話装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置の処理部は、モニタ10の他に外部モニタ10vがあると認識している場合に、外部モニタ10vに対して所定画面2の描画処理を行うと共に、モニタ10に対して所定画面2を反転した反転画面1の描画処理を行う反転表示処理を実行可能である。反転画面1は、反射部で反射して表示されるとユーザに正常な向きで視認される。処理部は、ユーザによるポインティングデバイスの操作に応じて移動可能なカーソルについて、反転表示処理の実行中は所定画面2から反転画面1への移動を制限し、カーソルが反転画面1の中に表示されないように制御する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタと、
前記モニタに対し、反射部で反射して表示されるとユーザに正常な向きで視認される反転画面の描画処理を行うことが可能な処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記モニタの他に外部モニタがあると認識している場合に、前記外部モニタに対して所定画面の描画処理を行うと共に、前記モニタに対して前記所定画面を反転した前記反転画面の描画処理を行う反転表示処理を実行可能であり、
前記ユーザによるポインティングデバイスの操作に応じて移動可能なカーソルについて、前記反転表示処理の実行中は前記所定画面から前記反転画面への移動を制限し、前記カーソルが前記反転画面の中に表示されないように制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記モニタの画面の中に表示されたウインドウである既存ウインドウが存在している場合に前記反転表示処理を開始すると、前記既存ウインドウを前記所定画面に移動させて、前記既存ウインドウが前記反転画面の中に表示されないように制御するとともに、
前記反転表示処理の実行中にアクティブウインドウが前記反転画面の中に表示されないように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記反転表示処理を開始すると、制御上の仮想領域において前記外部モニタを前記モニタに対して斜めに配置する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記反射部として、前記モニタに表示される前記反転画面を表す第1の光を前記ユーザに向けて反射すると共に前記ユーザを表す第2の光を透過する透過反射部材と、
前記透過反射部材を透過した前記第2の光を受け、前記ユーザを撮像する撮像手段と、を備え、
前記処理部は、前記撮像手段が撮像して得た前記ユーザの画像信号を出力する、
テレプレゼンスシステム用の通話装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及びこれを備えるテレプレゼンスシステム用の通話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、モニタに表示された画面をハーフミラーで反射させてユーザに視認させるテレビ会議システム(テレプレゼンスシステム)が記載されている。このモニタには、ハーフミラーで反射して表示されるとユーザに正常な向きで視認される反転画面が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モニタに反転画面を描画する手法として、例えば、PC(Personal Computer)のHDMI(登録商標:High-Definition Multimedia Interface)等の映像信号用端子にダミープラグを挿し、OS(Operating System)に外部モニタ(つまり仮想のモニタ)があると認識させる手法がある。これにより、OSは、外部モニタに対して所定画面(以下、正転画面とも言う。)の描画処理を行うと共に、モニタに対して正転画面を反転した反転画面の描画処理を行うことができる。
【0005】
この手法を用いた場合、ユーザによるポインティングデバイスの操作に応じて、正転画面の中で表示されていたカーソル、ウインドウ等の表示要素が反転画面に移動することで、正転態様のままの表示要素が反転画面の中に表示され、表示内容に関してユーザが混乱する虞がある。
【0006】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表示内容に関してユーザが混乱することを抑制できる情報処理装置及びこれを備えるテレプレゼンスシステム用の通話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る情報処理装置は、
モニタと、
前記モニタに対し、反射部で反射して表示されるとユーザに正常な向きで視認される反転画面の描画処理を行うことが可能な処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記モニタの他に外部モニタがあると認識している場合に、前記外部モニタに対して所定画面の描画処理を行うと共に、前記モニタに対して前記所定画面を反転した前記反転画面の描画処理を行う反転表示処理を実行可能であり、
前記ユーザによるポインティングデバイスの操作に応じて移動可能なカーソルについて、前記反転表示処理の実行中は前記所定画面から前記反転画面への移動を制限し、前記カーソルが前記反転画面の中に表示されないように制御する。
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係るテレプレゼンスシステム用の通話装置は、
前記情報処理装置と、
前記反射部として、前記モニタに表示される前記反転画面を表す第1の光を前記ユーザに向けて反射すると共に前記ユーザを表す第2の光を透過する透過反射部材と、
前記透過反射部材を透過した前記第2の光を受け、前記ユーザを撮像する撮像手段と、を備え、
前記処理部は、前記撮像手段が撮像して得た前記ユーザの画像信号を出力する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、表示内容に関してユーザが混乱することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る通話装置の正面図であり、通話装置を通話者側から見た図。
【
図3】同実施形態に係る通話装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図5】同実施形態に係る不透過部材の正面図であり、不透過部材を反通話者側から見たときの図。
【
図11】モニタと外部モニタの関係を示す概念図に対し、表示要素を模式的に表した図。
【
図12】同実施形態に係る開始時制限処理におけるモニタに対する外部モニタの位置関係を説明するための図。
【
図13】同実施形態に係る開始時制限処理のフローチャート。
【
図14】同実施形態に係る実行中制限処理のフローチャート。
【
図15】同実施形態の変形例による透過反射部材と撮像手段と不透過部材とを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係るテレプレゼンスシステムT用の通話装置t1は、
図1~
図10の適宜の図に示すように、モニタ10及び処理部40を備える情報処理装置100と、透過反射部材20(反射部)と、撮像手段30と、不透過部材50と、音声処理部60と、フレーム構造体70と、照明手段80と、を備える。
【0013】
ここで、テレプレゼンスシステムTとは、ユーザX(通話者)が用いる通話装置t1と、ユーザXと隔てた位置にいる通話相手(ユーザXの通話相手)が用いる通話装置t2との間をネットワークにより接続することで実現されるシステムである。通話装置t1はユーザXにテレプロンプターとして使用され、通話装置t2は通話相手にテレプロンプターとして使用されることができる。
【0014】
通話装置t1は、透過反射部材20によって通話相手の画像を表示する(映し出す)装置であり、ユーザXの画像信号及び音声信号を取得して通話相手側の通話装置t2に送出し、また通話相手側の通話装置t2から送出される通話相手の画像信号及び音声信号を取得して通話装置t1を利用するユーザXに画像及び音声を提供する。
【0015】
通話装置t2は、同様に、透過反射部材20によってユーザXの画像を表示する(映し出す)装置であり、通話相手の画像信号及び音声信号を取得してユーザX側の通話装置t1に送出し、またユーザX側の通話装置t1から送出されるユーザXの画像信号及び音声信号を取得して通話装置t2を利用する通話相手に画像及び音声を提供する。
【0016】
通話装置t1の情報処理装置100は、PC(Personal Computer)であり、この実施形態では、
図10に示すように、ノートPC(ラップトップ)で構成される。なお、情報処理装置100は、後述のモニタ10及び処理部40の機能を有していれば、デスクトップPCであっても、タブレットPCであってもよい。通話相手側の通話装置t2もPCを用いるものであれば任意である。
【0017】
モニタ10は、処理部40の制御により画像を表示する。モニタ10は、通話装置t2を利用している通話相手の画像(例えば顔画像や上半身の画像)である通話相手画像を表示可能である。また、モニタ10は、通話相手画像に重ねて、ユーザXが資料を読み上げるためのプロンプタ用画像を表示可能である。
図2に示すように、モニタ10は、透過反射部材20に備えられる後述の半透過半反射層22と向かい合うように、透過反射部材20の下側(真下)に配置される。
図10に示す情報処理装置100は、モニタ10と本体部11を連結するヒンジ機構により、本体部11に対するモニタ10の開閉度合い(開閉角度)を調整可能に構成される。例えば、ユーザXは、本体部11に対してモニタ10を開く方向に調整することで、モニタ10を透過反射部材20と向かい合うように調整できる。
【0018】
モニタ10は、処理部40の制御により、透過反射部材20(反射部)で反射して表示されるとユーザXに正常な向きで視認される反転画面を表示可能である。この反転画面には、前述の通話相手画像及びプロンプタ用画像が含まれる。
【0019】
透過反射部材20は、
図4に示すように、モニタ10に表示される画像(特に、前述の反転画面)を表す第1の光L1をユーザXに向けて反射すると共に、ユーザXを表す第2の光L2を透過する。透過反射部材20は、第2の光L2に対して傾斜した状態でフレーム構造体70に支持される。
【0020】
透過反射部材20は、その母材となる光透過性の基部21と、この基部21の前側に設けられる半透過半反射層22とを備えている。基部21は、例えば、略矩形状の透明樹脂基板である。半透過半反射層22は、第2の光L2を透過する機能と第1の光L1を反射する機能とを兼ね備え、例えば基部21の前側に被着形成されたアルミ蒸着層から構成される。
【0021】
撮像手段30は、透過反射部材20を透過した第2の光L2を受け、ユーザXを撮像する構成である。撮像手段30は、透過反射部材20を視認するユーザX側からは不可視状態となるように透過反射部材20の後側に設けられる。撮像手段30は、第2の光L2を受ける撮像素子31と、この撮像素子31を収容する不透過性のケース部材32と、を備える。撮像素子31は、例えば図示せぬ配線部(例えばUSBケーブル)によって情報処理装置100と接続され、処理部40と電気的に接続される。撮像素子31は、ユーザXの視線と略一致した位置に設けられる。ケース部材32は、例えば黒色(遮光性)の樹脂材料によって形成された樹脂ケースを適用することができ、撮像素子31の周囲を囲む枠形状の周壁部32aと、撮像素子31の後側を覆う底壁部32bとを有する。
【0022】
処理部40は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、記憶装置等から構成される。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ストレージを含む。処理部40は、記憶装置(例えばストレージ)に記憶されたOS(Operating System)、OSの管理下で実行される各種のアプリケーションプログラムに従って、情報処理装置100の全体動作を制御する。処理部40は、
図3に示すように、モニタ10、撮像手段30、音声処理部60及び光源81の各々と電気的に接続されており、これらの動作を制御する。
【0023】
処理部40は、モニタ10に対する描画処理を実行する描画処理手段、撮像手段30が撮像して得たユーザXの画像信号を出力する信号出力手段などの機能を有する。具体的に、信号出力手段は、撮像手段30で撮像したユーザXの画像信号を通話相手側の通話装置t2に出力する。処理部40には、音声処理部60(スピーカ及びマイク)が接続されており、音声信号を送受信することによりユーザXと通話相手との間で音声通話が可能となる。
【0024】
ここで、描画処理手段として機能する処理部40は、次に述べる手法により、モニタ10に対して反転画面の描画処理を行う。
【0025】
まず、ユーザXは、情報処理装置100のHDMI(登録商標)、VGA(登録商標)等の映像信号用端子に、
図10に示すダミープラグ12を挿す。これにより、処理部40は、モニタ10の他に外部モニタ(仮想モニタ)があると認識する。このように外部モニタを認識した状態の処理部40は、ユーザXによる入力操作に応じて、反転表示処理を実行する。入力操作は、例えば、ポインティングデバイス13又は図示せぬキーボードを用いて行われる。なお、
図10では、ポインティングデバイス13が情報処理装置100に搭載されたタッチパッドである例を示しているが、これに限られない。ポインティングデバイス13は、情報処理装置100に搭載又は接続された、マウス、トラックボール等であってもよい。
【0026】
処理部40は、反転表示処理において、
図11に示すように、外部モニタ10vに対して所定画面(正転画面)2の描画処理を行うと共に、モニタ10に対して所定画面2を反転した反転画面1の描画処理を実行可能である。しかしながら、何の対策も施さなければ、ユーザXによるポインティングデバイス13の操作に応じて、正転画面2の中で表示されていたカーソル3、ウインドウ4等の表示要素が反転画面1に移動することで、正転態様のままの表示要素が反転画面1の中に表示され、表示内容に関してユーザXが混乱する虞がある。
【0027】
ここで、反転画面1はモニタ10の全画面に亘って表示される画像である。同様に、所定画面2は仮想上の外部モニタ10vの全画面に亘って描画される画像である。例えば、反転画面1及び所定画面2には、前述の通話相手画像及びプロンプタ用画像の他、背景(壁紙)画像が含まれる。また、ウインドウ4は、反転画面1又は所定画面2の領域内に描画され、各アプリケーションソフトウェアに与えられる視覚的領域を示す画像であり、一般的に矩形または角丸矩形の形状である。なお、カーソル3は、ポインティングデバイス13がマウスであるかに関わらず、一般的にマウスカーソルと呼ばれる。
【0028】
なお、
図11は、モニタ10と外部モニタ10vの関係を示す概念図に対し、表示要素を模式的に表した図である。情報処理装置100にダミープラグ12が挿された状態においては、仮想の外部モニタ10vに描画される正転画面2及び正転画面2の中の表示要素は、ユーザXに視認されない。モニタ10と外部モニタ10vの配置関係及び設定を示す画面は、「ディスプレイのカスタマイズ」等のOSの種別に応じた設定画面を開くことでユーザXに把握される。
【0029】
上記のように、表示内容に関してユーザXが混乱することを抑制すべく、処理部40は、表示要素を制限する処理として、
図13に示す開始時制限処理(S100)と、
図14に示す実行中制限処理(S200)とを実行する。
【0030】
(開始時制限処理)
図13に示す開始時制限処理(S100)は、反転表示処理の開始時に実行される。まず処理部40は、
図12に示すように、制御上の仮想領域において外部モニタ10vをモニタ10に対して斜めに配置し、外部モニタ10vに対し所定画面(正転画面)2を描画し、モニタ10に対し反転画面1を描画する(ステップS101)。これにより、ポインティングデバイス13によりユーザXが意図しない操作を行ってしまった場合であっても、カーソル3、ウインドウ4といった表示要素が反転画面1に移動してしまうことが抑制される。なお、前述の通り、情報処理装置100にダミープラグ12が挿された状態であるため、外部モニタ10vについては「ディスプレイのカスタマイズ」等の設定画面を開かなければユーザXに把握されず、したがって正転画面2はユーザXに視認されない。
【0031】
続いて、処理部40は、モニタ10の画面の中に表示されたウインドウ4(つまり、既に立ち上げられているウインドウ4)である既存ウインドウを列挙する(ステップS102)。ここで、既存ウインドウが複数あれば、複数の既存ウインドウが列挙される。
【0032】
続いて、処理部40は、既存ウインドウが1つでもあるか否かを判別する(ステップS103)。既存ウインドウが1つも無い場合(ステップS103;No)、処理部40は開始時制限処理を終了する。一方で、既存ウインドウが1つでもある場合(ステップS103;Yes)、処理部40は、存在する一の既存ウインドウが正転画面2の中にあるか否か(当該一の既存ウインドウが正転画面2の領域に含まれるか否か)を判別する(ステップS104)。当該一の既存ウインドウが正転画面2の領域に含まれている場合(ステップS104;Yes)、処理部40は、ステップS102に戻って処理を実行する。これにより、既存ウインドウが複数ある場合には、ステップS104の判別処理が既存ウインドウの数に応じた回数実行される。
【0033】
ステップS104で、一の既存ウインドウの少なくとも一部が正転画面2の中に無い(つまり、当該一の既存ウインドウが反転画面1の領域内に表示される虞がある)場合(ステップS104;No)、処理部40は、一の既存ウインドウを正転画面2に移動させ(正転画面2の表示領域内に当該一の既存ウインドウが含まれるように移動させ)、当該一の既存ウインドウが反転画面1の中に表示されないように制御する(ステップS105)。以上が開始時制限処理である。
【0034】
(実行中制限処理)
図14に示す実行中制限処理は、反転表示処理の実行中に繰り返し実行される。まず、処理部40は、カーソル3について所定画面2から反転画面1への移動を制限し、カーソル3が反転画面1の中に表示されないように制御する(ステップS201)。ここで、処理部40は、ステップS201の処理において、カーソル3を所定画面2の中でクリップしてもよい(停止させてもよい)し、所定画面2の中での移動は許可してもよい。
【0035】
続いて、処理部40は、ウインドウ4としてアクティブウインドウの取得を試み(ステップS202)、取得されるアクティブウインドウがあるか否かを判別する(ステップS203)。アクティブウインドウが無い場合(ステップS203;No)、処理部40は、実行中制限処理を終了する(なお、前述の通り、実行中制限処理は反転表示処理の実行中に所定周期で繰り返される)。ここで、アクティブウインドウとは、作業中又は選択中のウインドウ4であり、複数のウインドウ4が同時に開かれている場合に一番手前に表示されるウインドウ4である。
【0036】
一方、アクティブウインドウがある場合(ステップS203;Yes)、処理部40は、アクティブウインドウが所定画面(正転画面)2の中にあるか(正転画面2の表示領域内にアクティブウインドウがあるか)否かを判別する(ステップS204)。アクティブウインドウが正転画面2の中にある場合(ステップS204;Yes)、処理部40は、実行中制限処理を終了する。一方で、アクティブウインドウが正転画面2の中に無い(つまり、アクティブウインドウが反転画面1の領域内に表示される虞がある)場合(ステップS204;Yes)、処理部40は、アクティブウインドウを正転画面2に移動させ(正転画面2の表示領域内にアクティブウインドウが含まれるように移動させ)、アクティブウインドウが反転画面1の中に表示されないように制御する(ステップS205)。以上が実行中制限処理である。
【0037】
情報処理装置100によれば、処理部40が以上の処理を実行することにより、意図しない表示要素が正転態様のまま反転画面1の中に表示されるのを防ぐことができるため、表示内容に関してユーザXが混乱することを抑制できる。なお、開始時制限処理及び実行中制限処理において、全ての既存ウインドウや全てのアクティブウインドウの表示が制限されなくともよく、予め定められた特定のウインドウについては、開始時制限処理及び実行中制限処理の対象外としてもよい。例えばアクティブウインドウ4のうち全画面表示されたプロンプタ用画像については、前記特定のウインドウとして、開始時制限処理及び実行中制限処理の対象外としてもよい。
【0038】
不透過部材50は、遮光性を有する部材であり、透過反射部材20の後側に設けられる。不透過部材50は、例えば、略矩形状の黒色樹脂基板から構成される。この場合、不透過部材50は、その外形形状が基部21の外形形状と略同一形状であり、透過反射部材20と重なり合うように透過反射部材20の後側に設けられる。
【0039】
また、不透過部材50には、撮像手段30に対応した位置に貫通部51が設けられている。貫通部51は、不透過部材50の表裏(前後)を貫通する略矩形状の貫通孔として構成され、ユーザX側から透過反射部材20(不透過部材50)を見たときに不透過部材50の中央部分よりもやや上側に設けられている(
図5参照)。なお、ここでの貫通部51は、周壁部32aの外形形状と概ね一致した開口形状を有する。
【0040】
また、撮像手段30は、その一部である前側に位置する周壁部32aの一部が貫通部51に埋設された状態で、適宜固定手段(例えば接着剤)を用いて不透過部材50に固定される。例えば当該接着剤で固定されている場合にあっては、半透過半反射層22が設けられていることで、ユーザX側からは接着箇所が視認されないので商品性が向上するという利点がある。なお、互いに当接関係にある貫通部51及び周壁部32aの形状は、上述の形状に限定されるものではなく、例えば貫通部51の形状を円形状とし、周壁部32aの形状を円筒状としてもよい。
【0041】
音声処理部60は、フレーム構造体70の適宜箇所(例えば後述する連結部の略中央)に設置されるマイク(図示省略)により通話装置t1側のユーザXの音声を取得して音声信号を処理部40に出力する。また音声処理部60は、処理部40から入力される通話装置t2側からの音声信号を処理してユーザXに通話相手の音声を提供する。なお、音声処理部60は処理部40と電気的に接続される構成であれば任意であり、音声処理部60の少なくとも一部は情報処理装置100に備えられていてもよい。つまり、音声の提供は情報処理装置100に搭載又は接続されたスピーカによって行われればよい。また、音声の取得は情報処理装置100に搭載又は接続されたマイクによって行われればよい。
【0042】
フレーム構造体70は、通話装置t1の樹脂製台座として機能するものであり、透過反射部材20の前側に設けられるコの字型の前側フレーム部材71と、前側フレーム部材71の後側に設けられ、高さ寸法が前側フレーム部材71の高さ寸法よりも低い後側フレーム部材72と、連結機構を用いて前側フレーム部材71の上端側と後側フレーム部材72の上端側との間に架け渡された一対の第1の中間フレーム部材73と、前側フレーム部材71の下端側と後側フレーム部材72の下端側との間に架け渡された一対の第2の中間フレーム部材74とを備えている。
【0043】
前側フレーム部材71は、透過反射部材20の形成幅に対応する空隙Sを隔てて立設された第1、第2の脚部71a、71bと、第1の脚部71aの上端側と第2の脚部71bの上端側とを連結する連結部71cとを備え、この場合、第1の脚部71aの高さ寸法と第2の脚部71bの高さ寸法は等しい。また、第1の脚部71aには前側を向く部位に照明手段80を埋設するための溝形状からなる窪み部F1が設けられ、第2の脚部71bには前側を向く部位に照明手段80を埋設するための溝形状からなる窪み部F2が設けられ、連結部71cには前側を向く部位に照明手段80を埋設するための溝形状からなる窪み部F3が設けられる(
図6~
図8参照)。
【0044】
さらに、第1の脚部71aの窪み部F1にはガイド部材91が設けられ、第2の脚部71bの窪み部F2にはガイド部材92が設けられる。ここで、照明手段80とガイド部材91、92との位置関係に着目すると、第1の脚部71aを上下に等分した際の上側にある窪み部F1に照明手段80が埋設され、第1の脚部71aを上下に等分した際の下側にある窪み部F1にガイド部材91が設けられる。同様に、第2の脚部71bを上下に等分した際の上側にある窪み部F2に照明手段80が埋設され、第2の脚部71bを上下に等分した際の下側にある窪み部F2にガイド部材92が設けられる。
【0045】
後側フレーム部材72は、空隙Sを隔てて立設された第3、第4の脚部72a、72bを備える。一対の第1の中間フレーム部材73は、その前側及び後側に位置する両端部分が適宜連結手段を用いて、前側フレーム部材71、後側フレーム部材72(第3、第4の脚部72a、72b)にそれぞれ連結固定される。
【0046】
また、この場合、一対の第1の中間フレーム部材73は、重ね合わされた透過反射部材20と不透過部材50とを固定保持する機能を有している。具体的には、個々の第1の中間フレーム部材73は、
図9に示すように有底枠状のベース部73aと、弾性を有する介装材としてのグレージングチャンネル73bとを備え、重ね合わされた透過反射部材20と不透過部材50とがグレージングチャンネル73bを介してベース部73aに固定保持される構成となっている。なお、第1の中間フレーム部材73と重ね合わされた透過反射部材20及び不透過部材50との固定方法は接着等でもよい。
【0047】
なお、重ね合わされた透過反射部材20と不透過部材50との固定時においては、例えばグレージングチャンネル73bは、その主要部がベース部73aの内部に位置するとともに、グレージングチャンネル73bに設けられた係合部G1がベース部73aの被係合部G2に係合される既知の構成(グレージングチャンネル構造)が採用される。
【0048】
一対の第2の中間フレーム部材74は、その前側に位置する前側部分が可動部品M1を介してガイド部材91、92にそれぞれ連結され、その後側に位置する後側部分が連結ピンM2を介して第3、第4の脚部72a、72bにそれぞれ連結される。ガイド部材91、92には、可動部品M1に設けられた被ガイド部M11が各々ガイドされるレール状のガイド溝91a、92aが設けられている。
【0049】
例えばここでの詳細図示は省略するが、個々の被ガイド部M11が
図2中、ガイド部材91、92の下側から上側に向けて各々ガイド(案内)されることで、後側フレーム部材72及び第1の中間フレーム部材73が前側フレーム部材71側に向けてコンパクトに折り畳まれることになる。このように構成することで、ユーザXは、通話装置t1を任意の場所に持ち運ぶことが可能となる。
【0050】
照明手段80は、ユーザXを照らすためのものであり、前側フレーム部材71に設けられる。照明手段80は、
図6~
図8に示すようにユーザXに向けて照明光を発する複数個の光源81と、光源81が実装(配設)された光源基板82と、光源81を覆うように設けられる光拡散部材83とを備えている。そして、この実施形態においては、照明手段80は、第1の脚部71aに設けられた窪み部C1と、第2の脚部71bに設けられた窪み部C2と、連結部71cに設けられた窪み部C3とに個別に配置される構成としている。
【0051】
光源81は、例えば任意の色を発するRGB光源を適用することができる。なお、光源81を点灯(オン)もしくは消灯(オフ)するための操作部(図示省略)を別途設け、処理部40は、ユーザXが操作部をオン操作またはオフ操作したことを示す操作信号を受信すると、当該操作信号に基づいて光源81が点灯/消灯状態となるように光源81の発光制御を行ってもよい。
【0052】
また、光源81の調光操作を行うための回転操作部(図示省略)を別途設け、処理部40は、ユーザXが回転操作部を所定位置に操作したことを示す回転操作信号を受信すると、当該回転操作信号に基づいて光源81の発光輝度を調整するようにしてもよい。さらには、光源81の色温度を調整するための色温度操作部(図示省略)を別途設け、前記処理部40は、ユーザXが色温度操作部を操作したことを示す色温度信号を受信すると、当該色温度信号に基づいて光源81の色温度を調整するようにしてもよい。このように本実施形態では、光源81のオンオフ状態や発光輝度、色温度をユーザXが自由に設定することができ、利便性が向上するという利点がある。なお、図示省略した操作部及び回転操作部は、情報処理装置100に搭載又は接続されるものであればよく、その機能の少なくとも一部が前述のポインティングデバイス13によって実現されてもよい。
【0053】
光源基板82は、略矩形状に形成され、前側フレーム部材71(つまり第1の脚部71a、第2の脚部71b、及び連結部71c)に配設される。より具体的には、光源基板82は窪み部F1、F2、F3の底面F11、F21、F31に各々載置される。
【0054】
また、この場合、底面F11は、各脚部71a、71bの長手方向に沿った仮想鉛直面Z(前後方向と垂直となる仮想鉛直面Z)に対して反時計方向に30度傾斜するように設けられ、底面F21は、仮想鉛直面Z(前後方向と垂直となる仮想鉛直面Z)に対して時計方向に30度傾斜するように設けられ、底面F31は、仮想鉛直面Z(前後方向と垂直となる仮想鉛直面Z)に対して前側に15度傾斜するように設けられる。このように構成することで、照明手段80からの照明光によってユーザXの上半身を効率よく照らすことができ、通話装置t2側に送られるユーザXの画像データの品質が向上するという利点がある。
【0055】
光拡散部材83は、例えば光透過性を有する乳白色の光拡散シートを適用することができ、窪み部F1、F2、F3の開放部F12、F22、F32を覆う(塞ぐ)ように配置される。ここで、光拡散部材83と光源基板82との位置関係に着目すると、両者は互いに平行な位置関係となっているが、光源基板82は仮想鉛直面Zと平行となるように配置してもよい。なお、必要に応じて窪み部F1、F2、F3の内壁面や光拡散部材83と対向する光源基板82の前面に照明光を効率よく光拡散部材83側に導くための光反射シートを設けてもよい。
【0056】
以上のように本実施形態では、通話相手と通話可能なユーザX(被写体)からの第2の光L2を透過するとともにモニタ10に表示される当該通話相手の画像を反射する透過反射部材20と、透過反射部材20の後側に設けられ、第2の光L2を受光する撮像手段30と、この撮像手段30で撮像したユーザXの画像信号を通話相手に送る処理部40と、透過反射部材20の後側に設けられる不透過部材50とを備え、不透過部材50には、撮像手段30に対応した位置に貫通部51が設けられている。
【0057】
従って、室内の天井に蛍光灯が設置され、通話装置t1を当該室内で使用した場合において、透過反射部材20の後側に透過反射部材20と重なり合うように不透過部材50が設けられていることで、蛍光灯の光が室内における所定の光路を経て透過反射部材20をユーザX側とは反対側(つまり後側)から透過することが極力抑制される。つまり、透過反射部材20を後側から透過しようとする蛍光灯の光の一部は、透過反射部材20の後側に透過反射部材20と重なり合うように設けられた黒色の遮光性を有する不透過部材50によって遮光され、透過反射部材20を透過する光は無くなるので、蛍光灯の光の影響を受けて透過反射部材20に映し出される通話相手の画像の視認性が低下する虞のないテレプレゼンスシステムに用いられる通話装置を提供することができる。
【0058】
また本実施形態では、撮像手段30は、第2の光L2を受光する撮像素子31と、この撮像素子31を収容する不透過性(黒色)のケース部材32とを備え、ケース部材32は、その一部が貫通部51に埋設された状態で遮光性を有する不透過部材50に固定されていることにより、上述した蛍光灯の光の一部は黒色の不透過部材50と黒色の遮光性を有するケース部材32とによって遮光され、蛍光灯の光の影響を受けて透過反射部材20に映し出される通話相手の画像の視認性低下をより確実に防止することができるという利点がある。
【0059】
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0060】
上述した実施形態では、情報処理装置100にダミープラグ12を挿すことで処理部40に仮想上の外部モニタ10vを認識させる例を示したが、情報処理装置100に実存する外部モニタを接続してもよい。この場合、実存する外部モニタに所定画面2が実際に表示される。いずれにせよ、制御上、処理部40は外部モニタを認識することに変わりは無いため、開始時制限処理(S100)及び実行中制限処理(S200)を実行可能である。
【0061】
例えば上述した実施形態では、互いに隔てた位置の双方に本発明に係る通話装置を設置した場合について説明したが、必ずしも双方に当該通話装置を設置する必要はなく、一方の通話装置は、他方の通話装置から送られる画像信号を受けて通話相手となる人物の画像を表示する表示手段と、その表示手段を見ている人物を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像された人物の画像信号をネットワークを介して他方の通話装置に送る信号出力手段のみを備えたものであればよい。このような装置としては、例えば汎用のカメラ付きのスマートフォン(携帯端末)等を挙げることができる。
【0062】
また、上述した実施形態では、撮像素子31とケース部材32とで撮像手段30が構成されていたが、例えば本実施形態の変形例として
図15に示すような撮像手段30を採用してもよい。具体的には、この変形例における撮像手段30としては、撮像素子31と、撮像素子31の前側に設けられる図示省略したレンズと、撮像素子31及び前記レンズを収容する例えば樹脂部品からなる収容部Hと、ケース部材32とから主に構成される。
【0063】
収容部Hは、概ね略凸形状となっており、前記レンズを収容する前側収容部H1と、撮像素子31を収容する後側収容部H2とから構成される。ここで、前後方向と直交する方向に沿った前側収容部H1、後側収容部H2の幅寸法に着目すると、前側収容部H1は後側収容部H2よりも幅狭となっている。また、この変形例におけるケース部材32は、前側ケース33と後側ケース34とに分割形成され、撮像素子31と収容部Hと後述する金属部分とを収容する。前側ケース33は適宜固定手段を用いて不透過部材50に固定され、貫通部51に対応する位置に開口部33aを備えている。後側ケース34は、適宜固定手段を用いて前側ケース33に固定される。なお、前側ケース33及び後側ケース34の形状は、これらの内部に撮像素子31や前記レンズ、収容部Hが設置されていれば任意であり、
図15に示すものに限定されない。
【0064】
そして、この変形例の場合、前側収容部H1と後側収容部H2との境界部分となる収容部Hの段差部分には例えば略リング状の金属部分35が設けられており、透過反射部材20に通話相手の画像が反射していない通話装置t1の未使用状況下にて、撮像手段30に備えられる金属部分35が半透過半反射層22を通じてユーザX側からうっすらと視認可能となるように、半透過半反射層22の透過率が設定されている。例えば半透過半反射層22の透過率は、25パーセント~35パーセントに設定されている。
【0065】
金属部分35は、メッキや蒸着、塗装、印刷等により構成された反射率の高い部位であり、その外形寸法は開口部33aの開口幅よりも小さくなっている。そして、この金属部分35の前側に、金属部分35の外形寸法に比べて開口幅が広い開口部33a、光透過性の基部21、及び透過率が25パーセント~35パーセントに設定された半透過半反射層22が位置していることから、通話装置t1を使用する前段階にて、ユーザXは半透過半反射層22にかすかに映し出される金属部分35の像(環状の像)を視認することができる。例えば通話装置t1を蛍光灯が点灯している室内に設置した場合、蛍光灯の光が所定の光路を経て半透過半反射層22を透過するとともに貫通部51及び開口部33を順次通過して金属部分35で反射し、その後、この反射した反射光が、開口部33及び貫通部51を通過するとともに半透過半反射層22を透過することで、ユーザXは前記環状の像を視認することができる。このように構成することで、通話装置t1を使用する前段階において、ユーザXは撮像素子31の位置を前記環状の像に基づいて大まかに把握することができ、商品性を高めることができるという利点がある。
【0066】
さらに、この変形例では、通話装置t1が使用状態となる(つまり透過反射部材20に通話相手の画像が反射している状態となる)と、透過反射部材20には通話相手の画像が表示され、それまで透過反射部材20(半透過半反射層22)にかすかに映し出されていた前記環状の像は消失する。すなわち、透過反射部材20に通話相手の画像が反射している通話装置t1の使用状況下にて、金属部分35(前記環状の像)が視認可能な状態から不可視状態へと変化することで、通話相手の画像品質が低下する虞がなくなる。
【0067】
また、上述した実施形態では、貫通部51は、ユーザX側から透過反射部材20(不透過部材50)を見たときに不透過部材50の中央部分よりもやや上側に設けられていたが、貫通部51(撮像素子31)の形成位置は、ユーザXの視線と略一致した位置であれば任意であり、例えば不透過部材50の略中央部分に貫通部51(撮像素子31)を形成してもよい。また、通話装置t1の透過反射部材20に通話相手の画像が表示されている場合、通話相手に対応して設けられる通話装置t2側の透過反射部材20には人物以外の画像(例えば文字情報画像)が映し出されるようにしてもよい。また、収容部Hの前記段差部分に設けられる金属部分35は、必要に応じて樹脂部分に置き換えてもよく、樹脂部分に置き換える場合、黒色以外の樹脂で形成することが望ましい。なお、当該樹脂部分の前側に金属部分に相当する金属層(金属メッキ等)を別途、形成してもよい。
【0068】
(付記)
(付記1)
モニタと、
前記モニタに対し、反射部で反射して表示されるとユーザに正常な向きで視認される反転画面の描画処理を行うことが可能な処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記モニタの他に外部モニタがあると認識している場合に、前記外部モニタに対して所定画面の描画処理を行うと共に、前記モニタに対して前記所定画面を反転した前記反転画面の描画処理を行う反転表示処理を実行可能であり、
前記ユーザによるポインティングデバイスの操作に応じて移動可能なカーソルについて、前記反転表示処理の実行中は前記所定画面から前記反転画面への移動を制限し、前記カーソルが前記反転画面の中に表示されないように制御する、
情報処理装置。
【0069】
(付記2)
前記処理部は、
前記モニタの画面の中に表示されたウインドウである既存ウインドウが存在している場合に前記反転表示処理を開始すると、前記既存ウインドウを前記所定画面に移動させて、前記既存ウインドウが前記反転画面の中に表示されないように制御するとともに、
前記反転表示処理の実行中にアクティブウインドウが前記反転画面の中に表示されないように制御する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0070】
(付記3)
前記処理部は、
前記反転表示処理を開始すると、制御上の仮想領域において前記外部モニタを前記モニタに対して斜めに配置する、
付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0071】
(付記4)
付記1~3のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記反射部として、前記モニタに表示される前記反転画面を表す第1の光を前記ユーザに向けて反射すると共に前記ユーザを表す第2の光を透過する透過反射部材と、
前記透過反射部材を透過した前記第2の光を受け、前記ユーザを撮像する撮像手段と、を備え、
前記処理部は、前記撮像手段が撮像して得た前記ユーザの画像信号を出力する、
テレプレゼンスシステム用の通話装置。
【0072】
以上の説明では、本開示の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0073】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0074】
t1 通話装置
100 情報処理装置
1 反転画面
2 所定画面(正転画面)
3 カーソル
4 ウインドウ
10 モニタ
10v 外部モニタ
11 本体部
12 ダミープラグ
13 ポインティングデバイス
20 透過反射部材
21 基部
22 半透過半反射層
30 撮像手段
31 撮像素子
32 ケース部材
33 前側ケース
34 後側ケース
35 金属部分
40 処理部
50 不透過部材
51 貫通部
60 音声処理部
70 フレーム構造体
71 前側フレーム(フレーム部材)
71a 第1の脚部
71b 第2の脚部
71c 連結部
72 後側フレーム
73 第1の中間フレーム
74 第2の中間フレーム
80 照明手段
81 光源
82 光源基板
83 光拡散部材
F1~F3 窪み部
H 収容部
X ユーザ
L1 第1の光
L2 第2の光