(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025206
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】エアモビリティ運航システム、エアモビリティ運航方法、プログラム、及びハブポート
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129779
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】早川 勇毅
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】エアモビリティ社会において円滑なエアモビリティの運航を実現することが可能なエアモビリティ運航システム、エアモビリティ運航方法、プログラム、及びハブポートを提供する。
【解決手段】複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得部と、取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新部と、更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定部と、を備えるエアモビリティ運航システム。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得部と、
取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新部と、
更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定部と、
を備えるエアモビリティ運航システム。
【請求項2】
前記複数のポートは、前記エアモビリティの運航において目的地として利用される第1のポートと、経由地として利用される第2のポートとを含み、
前記運航プラン決定部は、更新された前記運航ログ情報に基づき、前記エアモビリティが前記第1のポートへの運航において前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定し、経由が必要である場合には前記第2のポートを経由するよう前記運航プランを決定する、
請求項1に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項3】
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、前記エアモビリティの目的地である前記第1のポートの空き状況に応じて、前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項4】
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、次のフライトまでの空き時間に応じて、前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項5】
前記第1のポートは、前記エアモビリティの離着陸が可能なスペースを有するポートであり、
前記第2のポートは、前記エアモビリティの離着陸、メンテナンス、及び駐機が可能なスペースを有するポートであり、
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、前記エアモビリティのメンテナンスの要否に応じて、前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項6】
前記メンテナンスは、前記エアモビリティの燃料の補給であり、
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、前記エアモビリティの燃料残量に応じて、前記燃料の補給のために前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項5に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項7】
前記メンテナンスは、前記エアモビリティの整備であり、
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、前記エアモビリティの整備実績に応じて、前記エアモビリティの整備のために前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項5に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項8】
前記識別情報取得部は、前記エアモビリティが各ポートにて離着陸する際に前記エアモビリティのドライバーの識別情報を取得し、
前記ログ情報更新部は、取得された前記ドライバーの識別情報に対応付けられた情報である、前記ドライバーの就業に関するログを示す就業ログ情報を、最新の状態に更新し、
前記運航プラン決定部は、更新された前記運航ログ情報と更新された前記就業ログ情報とに基づき、各エアモビリティの前記運航プランを決定する、
請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項9】
前記運航プラン決定部は、更新された前記就業ログ情報に基づき、前記ドライバーの就業状況に応じて、前記ドライバーの休憩のために前記第2のポートを経由する必要があるか否かを判定する、
請求項8に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項10】
前記運航プラン決定部は、運航に遅れが生じている前記エアモビリティが存在する場合、1つのポートにおいて複数の前記エアモビリティの離着陸がバッティングしないように前記エアモビリティの離着陸予定時刻を調整する、
請求項1に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項11】
前記運航プラン決定部は、前記運航ログ情報に基づき、運航に遅れが生じている前記エアモビリティと他の前記エアモビリティとのいずれかから、前記離着陸予定時刻の調整が可能なエアモビリティを調整対象として決定する、
請求項10に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項12】
前記第2のポートは、筐体の内部に利用用途に応じて複数の階層に分けられた空間を有し、
前記運航プラン決定部は、前記第2のポートを経由する必要があると判定した場合に、前記第2のポートにて利用用途に応じた階層へ前記エアモビリティを移動するよう前記運航プランを決定する、
請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項13】
運航業務の終了後、前記エアモビリティを駐機するためのスペースを有する前記第2のポートのうち、前記エアモビリティの現在位置から最寄りに位置する前記第2のポートへ前記エアモビリティを誘導する駐機処理部、
をさらに備える請求項2に記載のエアモビリティ運航システム。
【請求項14】
複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得過程と、
取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新過程と、
更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定過程と、
を含むコンピュータにより実行されるエアモビリティ運航方法。
【請求項15】
コンピュータを、
複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新手段と、
更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
筐体の外側上部に、エアモビリティが離着陸するためのスペースを有し、
筐体の内側に、複数の階層を有する第1の空間と、前記筐体の外側に着陸した前記エアモビリティを前記複数の階層のいずれかへ移動するための設備が設けられた第2の空間とを有し、
前記複数の階層の各々は、前記エアモビリティをメンテナンスするためのスペース又は前記エアモビリティを駐機するためのスペースとして用いられる、
ハブポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアモビリティ運航システム、エアモビリティ運航方法、プログラム、及びハブポートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアモビリティの実用化に向けた様々な取り組みが進められている。例えば、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft:電動垂直離着陸機)と呼ばれる航空機の開発が進められている。eVTOLは、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれており、航空路での物流や人の移動手段としての利用や自動運転による利用などが想定されている。このため、eVTOLの普及により、都市部などでの渋滞の解消や少子高齢化による物流ドライバー不足の解消などが期待されている。
また、エアモビリティが普及したエアモビリティ社会を実現するには、エアモビリティ用のポートを各所に設置する必要がある。このため、エアモビリティの開発だけでなく、エアモビリティ用のポートについても開発が進められている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、エアモビリティが離着陸する際のダウンウォッシュの影響を抑制し、省スペースのポートにおけるエアモビリティの離着陸を安定させることが可能なポートに関する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、利用者のニーズに応じて様々な機能を付加又は追加して拡張できるポートに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-28989号公報
【特許文献2】特開2022-163987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアモビリティの普及には、エアモビリティの稼働率を向上することが重要である。エアモビリティの稼働率の向上のために、各所に設置されているポートのキャパシティを上回る機体数のエアモビリティが供給されることが想定される。この場合、エアモビリティの運航を円滑に行うためには、供給されるエアモビリティの機体数に応じた数のポートを設置する必要がある。
しかしながら、例えば都心部においては、ポートを設置可能な場所が限られているため、エアモビリティの機体数の増加に対してポートの設置数が不足し、エアモビリティの円滑な運航に影響を及ぼすおそれがある。そこで、限られたポートを効率的に運用することで、エアモビリティを円滑に運航できるシステムの構築が望まれる。
上記特許文献1及び上記特許文献2には、エアモビリティの離着陸や格納ポートに関する技術は開示されているが、いずれもエアモビリティを円滑に運航できるシステムの構築に寄与できる技術ではなかった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、エアモビリティ社会において円滑なエアモビリティの運航を実現することが可能なエアモビリティ運航システム、エアモビリティ運航方法、プログラム、及びハブポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエアモビリティ運航システムは、複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得部と、取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新部と、更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定部と、を備えるエアモビリティ運航システムである。
【0008】
本発明の一態様に係るエアモビリティ運航方法は、複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得過程と、取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新過程と、更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定過程と、を含むコンピュータにより実行されるエアモビリティ運航方法である。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数のポート間を運航するエアモビリティが各ポートにて離着陸する際に、離着陸する前記エアモビリティの識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得された前記エアモビリティの識別情報に対応付けられた情報である、前記エアモビリティの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新手段と、更新された前記運航ログ情報に基づき、前記複数のポート間を運航する各エアモビリティの運航プランを決定する運航プラン決定手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の一態様に係るハブポートは、筐体の外側上部に、エアモビリティが離着陸するためのスペースを有し、筐体の内側に、複数の階層を有する第1の空間と、前記筐体の外側に着陸した前記エアモビリティを前記複数の階層のいずれかへ移動するための設備が設けられた第2の空間とを有し、前記複数の階層の各々は、前記エアモビリティをメンテナンスするためのスペース又は前記エアモビリティを駐機するためのスペースとして用いられる、ハブポートである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、エアモビリティ社会において円滑なエアモビリティの運航を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るエアモビリティ運航サービスの概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るハブポートの構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るハブポートの構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るエアモビリティ運航システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るエアモビリティ運航サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係るログ情報の更新の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るエアモビリティ運航システムを利用した運航の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る運航プランの決定処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係るハブポートでの機体運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係るエアモビリティの運航間隔の調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係るバーティポートへ着陸要請があってから着陸許可を出すまでの運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係る運航業務終了後の運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係るエアモビリティ運航システムを災害発生時に利用する際の運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。なお、図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、又はZ軸が示されている。各軸において、矢印が延びる方向を「正方向」、正方向と逆の方向を「負方向」と称する。
【0014】
<1.エアモビリティ運航サービスの概要>
図1を参照して、エアモビリティ運航サービスの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るエアモビリティ運航サービスの概要を示す図である。
【0015】
本実施形態に係るエアモビリティ運航サービスは、エアモビリティが複数のポート間を運航するサービスである。エアモビリティは、複数のポート間において、物流や人の移動手段として利用される。エアモビリティは、例えば、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft:電動垂直離着陸機)と呼ばれる航空機であるが、かかる例に限定されない。また、エアモビリティの動力源は、例えば電気であり、その供給源は蓄電池(バッテリ)や燃料電池などである。燃料電池の燃料は、例えば水素である。以下では、エアモビリティの動力源が電気であり、その供給源がバッテリである例を一例として、本実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態に係る複数のポートは、エアモビリティの運航において目的地として利用されるバーティポート(第1のポート)と、経由地として利用されるハブポート(第2のポート)とを含む。
バーティポートは、エアモビリティの離着陸が可能なスペースを有するポートである。ハブポートは、エアモビリティの離着陸、メンテナンス、及び駐機が可能なスペースを有するポートである。エアモビリティのメンテナンスは、例えば、エアモビリティの燃料の補給やエアモビリティの整備である。
ハブポートは、筐体の内部に利用用途(メンテナンスや駐機など)に応じて複数の階層に分けられた空間を有する。ハブポートの構成の詳細については後述する。
【0017】
図1には、複数のポートの一例として、3つのバーティポートVP1~VP3と、1つのハブポートHPとが示されている。また、
図1には、複数のポート間を運航する複数のエアモビリティの一例として、4台のエアモビリティEM1~EM4が示されている。なお、バーティポートVPの数、ハブポートHPの数、及びエアモビリティEMの台数は、それぞれ特に限定されない。
【0018】
本実施形態に係るエアモビリティEMは、運航プランに沿って複数のポート間を運航する。運航プランでは、例えば、出発地、目的地、離着陸予定時刻、運航ルートなどが設定される。基本的に、運航ルートには、エアモビリティEMが出発地であるバーティポートVPから目的地であるバーティポートVPへ移動するルートが設定される。必要に応じて、運航ルートには、エアモビリティEMが出発地であるバーティポートVPから、経由地であるハブポートHPを経由して、目的地であるバーティポートVPへ移動するルートが設定される。
例えば、
図1に示す例の場合、エアモビリティEM1の運航プランには、バーティポートVP1からバーティポートVP2へ移動するルートが運航ルートとして設定されているとする。この場合、バーティポートVP2が空いている場合には、エアモビリティEM1は、運航プランの通りに運航する。
【0019】
また、エアモビリティEM2の運航プランには、バーティポートVP2からバーティポートVP3へ移動するルートが運航ルートとして設定されているとする。しかし、バーティポートVP3にはエアモビリティEM3が駐機している。また、バーティポートVP3には、エアモビリティEM4がエアモビリティEM2よりも先にバーティポートVP3へ到着することが想定されるとする。この場合、エアモビリティEM2は、運航プランの通りバーティポートVP3へ移動した場合、エアモビリティEM3及びエアモビリティEM4がバーティポートVP3から離陸するまで上空で待機しなければならなくなり、非効率的な運航となってしまう。である。そこで、本実施形態では、このような状況において、エアモビリティEM2の運航が効率的になるように運航プランが変更される。例えば、エアモビリティEM2が空いているハブポートHPを経由してバーティポートVP3へ移動するように運航ルートが変更される。必要に応じて、ハブポートHPにて燃料補給や整備などのメンテナンスが行われてもよい。これにより、エアモビリティEM2のドライバーは、時間を有効活用することもできる。
【0020】
このように、本実施形態に係るエアモビリティ運航サービスでは、各エアモビリティの運航状況や各ポートの利用状況に応じて、エアモビリティの運航プランを変更することで、エアモビリティ社会において円滑なエアモビリティの運航を実現することを可能としている。
【0021】
<2.ハブポートの構成>
以上、本実施形態に係るエアモビリティ運航システムの概要について説明した。続いて、
図2及び
図3を参照して、本実施形態に係るハブポートの構成について説明する。
図2及び
図3は、本実施形態に係るハブポートの構成の一例を示す図である。
図2は、ハブポートを上から(Z軸の正方向から負方向へ)見た図である。
図3は、ハブポートを横から(Y軸の負方向から正方向へ)見た図である。
【0022】
図2に示すように、ハブポートHPは、メンテナンス棟1と昇降棟2とで構成されている。ハブポートHPは、メンテナンス棟1の筐体と昇降棟2の筐体とに区別がない1つの筐体であってもよいし、メンテナンス棟1と昇降棟2とがそれぞれ独立した筐体を連結させた1つの筐体であってもよい。
ハブポートHPは、メンテナンス棟1の筐体の外側上部に、エアモビリティEMがバッテリを充電するためのスペースである充電スペースSP1を有する。充電設備3は、エアモビリティEMへ電力を供給してバッテリを充電するための設備である。
ハブポートHPは、昇降棟2の筐体の外側上部に、エアモビリティEMが離着陸するためのスペースである離着陸スペースSP2を有する。エアモビリティEMは、昇降棟2の天井としても機能する昇降台4の上で離着陸を行う。
【0023】
図3に示すように、ハブポートHPは、筐体の内側に、複数の階層を有する空間であるメンテナンス空間SP3(第1の空間)と、筐体の外側に着陸したエアモビリティEMを複数の階層のいずれかへ移動するための設備(昇降設備)が設けられた空間である昇降空間SP4(第2の空間)とを有する。
複数の階層の各々は、エアモビリティEMをメンテナンスするためのスペース又はエアモビリティEMを駐機するためのスペースとして用いられる。具体的に、
図3に示すように、メンテナンス空間SP3は、充電や整備などのメンテナンスを行うメンテナンススペースSP5と、エアモビリティEM5やエアモビリティEM6のようにエアモビリティを駐機する駐機スペースSP6及びSP7の3階層に分けられている。
昇降空間SP4では、エアモビリティEM7のように、昇降台4によって任意の階層へエアモビリティEMを移動することができる。
【0024】
<3.エアモビリティ運航システムの構成>
以上、本実施形態に係るハブポートの構成について説明した。続いて、
図4を参照して、本実施形態に係るエアモビリティ運航システムの構成について説明する。
図4は、本実施形態に係るエアモビリティ運航システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すエアモビリティ運航システム1000は、
図1を参照して説明したエアモビリティ運航サービスを運用するためのシステムである。
図4に示すように、エアモビリティ運航システム1000は、エアモビリティEMと、バーティポートVPと、ハブポートHPと、エアモビリティ運航サーバ40とを備える。ネットワークNWには、情報の授受を行うための構成として、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等が適用される。
【0025】
(1)エアモビリティEM
エアモビリティEMは、
図4に示すように、表示端末10と、タグ11とを備える。
【0026】
(1-1)表示端末10
表示端末10は、運航プランを表示するための端末である。表示端末10は、例えば、エアモビリティEMがハードウェアとして備えるディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)であってもよいし、スマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)などの端末であってもよい。
【0027】
(1-2)タグ11
タグ11は、エアモビリティEMの識別情報を有するタグである。タグ11は、例えば、エアモビリティEMの識別情報を含む1次元コード又は2次元コードが印刷されたタグであってもよいし、エアモビリティEMの識別情報が書き込まれたIC(Integrated Circuit)タグ又はRF(Radio Frequency)タグなどであってもよい。なお、1次元コードや2次元コードは、エアモビリティEMの筐体に直接印刷されてもよい。
なお、エアモビリティEMのドライバーDVは、自身の識別情報を読取可能なIDカード12を所持している。IDカード12は、例えば、顔認証付の登録証である。IDカード12には、ドライバーDVの識別情報を含む1次元コード又は2次元コードが印刷されてもよいし、ドライバーDVの識別情報が書き込まれたICチップが搭載されていてもよい。
【0028】
(2)バーティポートVP
バーティポートVPは、
図4に示すように、バーティポート端末20と、読取装置21とを備える。
【0029】
(2-1)バーティポート端末20
バーティポート端末20は、バーティポートVPにて用いられる端末である。バーティポート端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)などの端末である。
【0030】
(2-2)読取装置21
読取装置21は、バーティポートVPにてエアモビリティEMが離着陸する際に、エアモビリティEMのタグ11とドライバーDVのIDカード12から、それぞれエアモビリティEMの識別情報とドライバーDVの識別情報を読み取るための装置である。読取装置21によって読み取られた各識別情報は、バーティポート端末20からネットワークNWを介して、エアモビリティ運航サーバ40へ送信される。
なお、読取装置21による各識別情報の読み取りは、ユーザの操作によって手動で行われてもよいし、自動で読み取り可能な位置に設けられた読取装置21によって自動で行われてもよい。
【0031】
(3)ハブポートHP
ハブポートHPは、
図4に示すように、ハブポート端末30と、読取装置31とを備える。
【0032】
(3-1)ハブポート端末30
ハブポート端末30は、ハブポートHPにて用いられる端末である。ハブポート端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はPCなどの端末である。
【0033】
(3-2)読取装置31
読取装置31は、ハブポートHPにてエアモビリティEMが離着陸する際に、エアモビリティEMのタグ11とドライバーDVのIDカード12から、それぞれエアモビリティEMの識別情報とドライバーDVの識別情報を読み取るための装置である。読取装置31によって読み取られた各識別情報は、ハブポート端末30からネットワークNWを介して、エアモビリティ運航サーバ40へ送信される。
なお、読取装置31による各識別情報の読み取りは、ユーザの操作によって手動で行われてもよいし、自動で読み取り可能な位置に設けられた読取装置31によって自動で行われてもよい。
【0034】
(4)エアモビリティ運航サーバ40
エアモビリティ運航サーバ40は、エアモビリティEMの運航を管理するための処理を実行するサーバであり、エアモビリティ運航装置の一例である。エアモビリティ運航サーバ40は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0035】
<4.エアモビリティ運航サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000の構成について説明した。続いて、
図5及び
図6を参照して、本実施形態に係るエアモビリティ運航サーバ40の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係るエアモビリティ運航サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、エアモビリティ運航サーバ40は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0036】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部410は、ネットワークNWを介した表示端末10との通信において、運航プランを示す情報(以下、「運航プラン情報」とも称される)やエアモビリティEMを各ポートへ誘導するための情報(以下、「誘導情報」とも称される)などを送信し、ドライバーDVからの報告内容を示す情報(以下、「報告情報」とも称される)などを受信する。
また、通信部410は、ネットワークNWを介したバーティポート端末20との通信において、バーティポートVPに対するエアモビリティEMの離着陸許可を要請する情報を送信し、エアモビリティEMの識別情報、ドライバーDVの識別情報、要請に対する許可又は非許可を示す情報などを受信する。
また、通信部410は、ネットワークNWを介したハブポート端末30との通信において、ハブポートHPに対するエアモビリティEMの離着陸許可を要請する情報を送信し、エアモビリティEMの識別情報、ドライバーDVの識別情報、要請に対する許可又は非許可を示す情報などを受信する。
【0037】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、エアモビリティ運航サーバ40がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0038】
図5に示すように、記憶部420は、運航ログ情報記憶部421と、就業ログ情報記憶部422と、運航プラン情報記憶部423とを備える。
【0039】
(2-1)運航ログ情報記憶部421
運航ログ情報記憶部421は、運航ログ情報を記憶する機能を有する。運航ログ情報は、エアモビリティEMの識別情報に対応付けられた情報である、エアモビリティEMの運航に関するログを示す情報である。運航ログ情報は、例えば、エアモビリティEMの識別情報、離着陸実績、連続飛行時間、飛行距離、燃料残量、整備実績、GPS(Global Positioning System)情報、ドライバーDVからの報告事項、点検データなどである。
離着陸実績は、例えば、離着陸したポート、離着陸実績時刻を示す情報である。離着陸実績時刻は、ポートを出発(離陸)した実績時刻とポートに到着(着陸)した実績時刻である。連続飛行時間は、離陸から着陸までの時間であり、離陸の実績時刻と着陸の実績時刻から算出できる。飛行距離は、GPS情報に基づき特定できる。ドライバーDVからの報告事項は、ドライバーが任意で入力する項目であり、例えば機体の違和感などである。点検データは、エアモビリティEMの点検に関するデータであり、例えば前回の点検からの経過日時である。
【0040】
(2-2)就業ログ情報記憶部422
就業ログ情報記憶部422は、就業ログ情報を記憶する機能を有する。就業ログ情報は、例えば、ドライバーDVの識別情報に対応付けられた情報である、ドライバーDVの就業に関するログを示す情報である。就業ログ情報は、例えば、ドライバーDVの識別情報、ドライバーDVの勤務時間などである。
ドライバーDVの勤務時間は、ドライバーDVが出勤時にIDカード12の読み取りを行った時から、退勤時にIDカード12の読み取りを行うまで計測される。
【0041】
(2-3)運航プラン情報記憶部423
運航プラン情報記憶部423は、運航プラン情報を記憶する機能を有する。運航プラン情報は、例えば、エアモビリティEMの識別情報、ドライバーDVの識別情報、離着陸予定などを示す情報である。離着陸予定は、例えば、離着陸するポート、離着陸予定時刻を示す情報である。離着陸するポートは、出発地となるポート、経由地となるポート、目的地となるポートである。離着陸予定時刻は、ポートを出発(離陸)する予定時刻とポートに到着(着陸)する予定時刻である。また、経由地となるポートが設定されている場合には、そのポートの利用用途を示す情報が含まれてもよい。
【0042】
(3)制御部430
制御部430は、エアモビリティ運航サーバ40の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、エアモビリティ運航サーバ40がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、エアモビリティ運航サーバ40は、識別情報取得部431と、ログ情報更新部432と、運航プラン決定部433と、駐機処理部434と、出力処理部435とを備える。
【0043】
(3-1)識別情報取得部431
識別情報取得部431は、識別情報を取得する機能を有する。識別情報取得部431は、エアモビリティEMの識別情報又はドライバーDVの識別情報を取得する。例えば、識別情報取得部431は、エアモビリティEMが各ポートにて離着陸する際に、離着陸するエアモビリティEMのタグ11から読み取られるエアモビリティEMの識別情報を取得する。また、識別情報取得部431は、エアモビリティEMが各ポートにて離着陸する際にエアモビリティEMのドライバーDVのIDカード12から読み取られるドライバーDVの識別情報を取得する。
エアモビリティEMがバーティポートVPにて離着陸する場合、識別情報取得部431は、読取装置21によって読み取られバーティポート端末20から通信部410が受信したエアモビリティEMの識別情報又はドライバーDVの識別情報を取得する。エアモビリティEMがハブポートHPにて離着陸する場合、識別情報取得部431は、読取装置31によって読み取られハブポート端末30から通信部410が受信したエアモビリティEMの識別情報又はドライバーDVの識別情報を取得する。
【0044】
(3-2)ログ情報更新部432
ログ情報更新部432は、ログ情報を更新する機能を有する。ログ情報更新部432は、運航ログ情報又は就業ログ情報を更新する。例えば、ログ情報更新部432は、識別情報取得部431によってエアモビリティEMの識別情報が取得された場合、取得されたエアモビリティEMの識別情報に対応付けられた運航ログ情報を、最新の状態に更新する。また、ログ情報更新部432は、識別情報取得部431によってドライバーDVの識別情報が取得された場合、取得されたドライバーDVの識別情報に対応付けられた就業ログ情報を、最新の状態に更新する。
【0045】
ここで、
図6を参照して、ログ情報の更新について説明する。
図6は、本実施形態に係るログ情報の更新の一例を示す図である。
【0046】
図6に示すデータD1には、就業開始時のデータの一例が示されている。例えば、データD1には、運航ログ情報の一部として、エアモビリティEMが前日の「19時30分」にハブポートHPに到着したこと、整備が「同日」のうちに行われたこと、現在の充電残量が「100%」であることが示されている。また、データD1には、就業ログ情報として、ドライバーが「** **」であること、当該ドライバーの勤務時間が「10分」であることが示されている。また、データD1には、運航プランとして、目的地が「バーティポートVP1」であり、出発予定時刻が「10時00分」であり、到着予定時刻が「10時20分」であることが示されている。
【0047】
ドライバーDVは、データD1が示す運航プランに従い、「10時00分」にハブポートHPを出発し、「10時20分」にバーティポートVP1へ到着するようエアモビリティEMを運航する(ステップS1)。エアモビリティEMがバーティポートVP1へ到着すると、ログ情報更新部432は、エアモビリティEMが着陸した際に各ログ情報を更新する。
データD2には、バーティポートVP1へ到着時に更新されたデータが示されている。例えば、データD2では、運航ログ情報の到着実績時刻が「10時20分」に更新され、充電残量が「70%」に更新されている。データD1との比較により、エアモビリティEMがバーティポートVP1へ定刻通りに到着したことが分かる。また、データD2では、就業ログ情報の勤務時間が「40分」に更新されている。また、データD2には、次の運航プランとして、目的地が「バーティポートVP2」であり、出発予定時刻が「10時40分」であり、到着予定時刻が「11時00分」であることが示されている。
【0048】
ドライバーDVは、データD2が示す運航プランに従い、「10時40分」にバーティポートVP1を出発し、「11時00分」にバーティポートVP2へ到着するようエアモビリティEMを運航する(ステップS2)。エアモビリティEMがバーティポートVP2へ到着すると、ログ情報更新部432は、エアモビリティEMが着陸した際に各ログ情報を更新する。
データD3には、バーティポートVP2へ到着時に更新されたデータが示されている。例えば、データD3では、運航ログ情報の到着実績時刻が「11時03分」に更新され、充電残量が「40%」に更新されている。データD2との比較により、エアモビリティEMがバーティポートVP2へ3分遅れで到着したことが分かる。また、データD3では、就業ログ情報の勤務時間が「83分」に更新されている。また、データD3には、次の運航プランとして、目的地が「バーティポートVP1」であり、出発予定時刻が「11時20分」であり、到着予定時刻が「12時05分」であることが示されている。また、データD3には、次の運航プランとして、経由地が「ハブポートHP」であり、到着予定時刻が「11時35分」であり、出発予定時刻が「11時50分」であることが示されている。
【0049】
ドライバーDVは、データD3が示す運航プランに従い、「11時20分」にバーティポートVP2を出発し、「11時35分」にハブポートHPへ到着するようエアモビリティEMを運航する(ステップS3)。ハブポートHPに到着後、ドライバーDVは、ハブポートHPにてエアモビリティEMのメンテナンスなどを行い、「11時50分」にハブポートHPを出発し、「12時05分」までにバーティポートVP1へ到着するようエアモビリティEMを運航する(ステップS4)。
【0050】
なお、
図6には図示していないが、ステップS1にてハブポートHPを出発する際、ステップS2にてバーティポートVP1を出発する際、ステップS3にバーティポートVP2を出発する際及びハブポートHPに到着した際、ステップS4にハブポートHPを出発する際及びバーティポートVP1に到着した際も同様に、ログ情報は更新される。
【0051】
(3-3)運航プラン決定部433
運航プラン決定部433は、運航プランを決定する機能を有する。運航プラン決定部433は、ログ情報更新部432によって更新された運航ログ情報に基づき、各エアモビリティEMの運航プランを決定する。例えば、運航プラン決定部433は、更新された運航ログ情報に基づき、エアモビリティEMがバーティポートVPへの運航においてハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定し、経由が必要である場合にはハブポートHPを経由するよう運航プランを決定する。
【0052】
具体的に、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、エアモビリティEMの目的地であるバーティポートVPの空き状況に応じて、ハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。一例として、運航プラン決定部433は、各エアモビリティEMの運航ログ情報から、あるエアモビリティEMの目的地であるバーティポートVPに他のエアモビリティEMが着陸したままであることが分かったとする。この場合、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航においてハブポートHPを経由する必要があると判定する。
【0053】
また、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、次のフライトまでの空き時間に応じて、ハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。一例として、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航ログ情報が示す到着実績時刻と、運航プランが示す次のフライトの出発予定時刻との比較により、当該エアモビリティEMの次のフライトまでの空き時間が所定の時間以上あることが分かったとする。この場合、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航においてハブポートHPを経由する必要があると判定する。
【0054】
また、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、エアモビリティEMのメンテナンスの要否に応じて、ハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。
メンテナンスが燃料補給である場合、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、エアモビリティEMの燃料残量に応じて、燃料の補給のためにハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。一例として、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航ログ情報が示す燃料残量が所定の残量以下であることが分かったとする。この場合、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航においてハブポートHPを経由する必要があると判定する。
メンテナンスが整備である場合、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、エアモビリティEMの整備実績に応じて、エアモビリティEMの整備のためにハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。一例として、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航ログ情報が示す整備実績より前回実施日から所定の日数以上経過していることが分かったとする。この場合、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航においてハブポートHPを経由する必要があると判定する。
【0055】
運航プラン決定部433は、更新された運航ログ情報と更新された就業ログ情報とに基づき、各エアモビリティEMの運航プランを決定してもよい。例えば、運航プラン決定部433は、更新された就業ログ情報に基づき、ドライバーDVの就業状況に応じて、ドライバーDVの休憩のためにハブポートHPを経由する必要があるか否かを判定する。一例として、運航プラン決定部433は、あるドライバーDVの就業ログ情報が示す勤務時間が所定の時間以上であることが分かったとする。この場合、運航プラン決定部433は、あるエアモビリティEMの運航においてハブポートHPを経由する必要があると判定する。
【0056】
運航プラン決定部433は、運航に遅れが生じているエアモビリティEMが存在する場合、1つのポートにおいて複数のエアモビリティEMの離着陸がバッティングしないようにエアモビリティEMの離着陸予定時刻を調整してもよい。調整する場合、運航プラン決定部433は、運航ログ情報に基づき、運航に遅れが生じているエアモビリティEMと他のエアモビリティEMとのいずれかから、離着陸予定時刻の調整が可能なエアモビリティEMを調整対象として決定する。一例として、運航プラン決定部433は、遅延しているエアモビリティEMの運航ログ情報が示す到着実績時刻と、遅延しているエアモビリティEMと目的地が同じである他のエアモビリティEMの運航プランが示す到着予定時刻との比較により、到着がバッティングするエアモビリティEMを抽出する。抽出後、運航プラン決定部433は、遅延しているエアモビリティEMと抽出したエアモビリティEMとのバッティングが全て解消されるように、いずれかのエアモビリティEMの離着陸予定時刻を調整する。
【0057】
運航プラン決定部433は、ハブポートHPを経由する必要があると判定した場合に、ハブポートHPにて利用用途に応じた階層へエアモビリティEMを移動するよう運航プランを決定する。利用用途が短時間のメンテナンス(例えば燃料補給)である場合、運航プラン決定部433は、離着陸口から近い階層(例えば
図3の充電スペースSP1)へエアモビリティEMを移動するよう、運航プランを決定する。利用用途が中時間のメンテナンス(例えば整備)である場合、運航プラン決定部433は、離着陸口から少し遠い階層(例えば
図3のメンテナンススペースSP5)へエアモビリティEMを移動するよう、運航プランを決定する。利用用途が長時間の駐機である場合、運航プラン決定部433は、離着陸口から遠い階層(例えば
図3の駐機スペースSP6又はSP7)へエアモビリティEMを移動するよう、運航プランを決定する。
【0058】
(3-4)駐機処理部434
駐機処理部434は、駐機に関する処理を行う機能を有する。例えば、駐機処理部434は、運航業務の終了後、エアモビリティEMを駐機するためのスペースを有するハブポートHPのうち、エアモビリティEMの現在位置から最寄りに位置するハブポートHPへエアモビリティEMを誘導する。駐機処理部434は、誘導のために誘導情報を生成し、通信部410からエアモビリティEMの表示端末10へ送信し、表示端末10に誘導情報を表示させる。
【0059】
(3-5)出力処理部435
出力処理部435は、各種情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力処理部435は、運航プラン情報、誘導情報、離着陸許可を要請する情報などを、通信部410から表示端末10、バーティポート端末20、ハブポート端末30などへ送信させる。
【0060】
<5.各種の流れ>
以上、本実施形態に係るエアモビリティ運航サーバ40の機能構成について説明した。続いて、
図7から
図13を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0061】
(1)エアモビリティ運航システムを利用した運航の流れ
図7を参照して、エアモビリティ運航システム1000を利用した運航の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000を利用した運航の流れの一例を示すフローチャートである。
【0062】
図7に示すように、まず、エアモビリティEMの運航における目的地を決定する(ステップS101)。目的地は、エアモビリティ運航サーバ40、管理者、ドライバーDV、利用客などによって決定される。
次に、エアモビリティ運航サーバ40は、エアモビリティEMの運航プランを決定する(ステップS102)。
次に、ドライバーDVは、運航プランからハブポートHPへの経由が必要であるか否かを確認する(ステップS103)。運航プランは、エアモビリティEMの表示端末10にて確認可能である。経由が必要である場合(ステップS103/YES)、ステップS104へ進む。一方で、経由が不要である場合(ステップS103/NO)、ステップS107へ進む。
【0063】
ステップS104へ進んだ場合、エアモビリティEMのドライバーDVは、エアモビリティEMをハブポートHPへ着陸させる(ステップS104)。
次に、ドライバーDVは、運航プランからメンテナンスが必要であるか否かを確認する(ステップS105)。メンテナンスが必要である場合(ステップS105/YES)、ステップS106へ進む。一方で、メンテナンスが不要である場合(ステップS105/NO)、ステップS107へ進む。
ステップS106へ進んだ場合、ドライバーDVは、エアモビリティEMをメンテナンスが可能な階層へ移動し、メンテナンスを実施する(ステップS106)。メンテナンス完了後、ステップS107へ進む。
【0064】
ステップS107へ進んだ場合、ドライバーDVは、目的地が空いているか否かを確認する(ステップS107)。空いている場合(ステップS107/YES)、ステップS108へ進む。一方で、空いていない場合(ステップS107/NO)、空くまで待機する。
ステップS108へ進んだ場合、ドライバーDVは、エアモビリティEMを目的地に着陸させる(ステップS108)。
この運用により、バーティポートVPでの燃料補給や整備などのメンテナンスをハブポートHPで行うことができ、バーティポートVPの占有時間を短縮できる。このため、エアモビリティ社会において、バーティポートVPへの着陸待ちによる渋滞の発生を抑制することができ、円滑なエアモビリティの運航を実現することができる。
【0065】
(2)運航プランの決定処理の詳細な流れ
図8を参照して、運航プランの決定処理の詳細な流れについて説明する。
図8は、本実施形態に係る運航プランの決定処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
図8に示すように、まず、エアモビリティ運航サーバ40の識別情報取得部431は、識別情報を取得する(ステップS201)。ここでは、識別情報取得部431は、バーティポートVP又はハブポートHPにて読み取られたエアモビリティEMの識別情報又はドライバーDVの識別情報を取得する。
次に、エアモビリティ運航サーバ40のログ情報更新部432は、ログ情報を更新する(ステップS202)。ここでは、ログ情報更新部432は、識別情報取得部431によって取得された識別情報に応じたログ情報を更新する。エアモビリティEMの識別情報が取得された場合、ログ情報更新部432は、当該エアモビリティEMの識別情報に対応付けられた運航ログ情報を更新する。ドライバーDVの識別情報が取得された場合、ログ情報更新部432は、当該ドライバーDVの識別情報に対応付けられた就業ログ情報を更新する。
次に、エアモビリティ運航サーバ40の運航プラン決定部433は、ドライバーDVの勤務時間(又は運転時間)が所定の時間以上であるか否かを確認する(ステップS203)。所定の時間以上である場合(ステップS203/YES)、ステップS204へ進む。一方で、所定の時間以上でない場合(ステップS203/NO)、ステップS207へ進む。
【0067】
ステップS204へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、利用可能なハブポートHPを検索する(ステップS204)。
次に、運航プラン決定部433は、交代可能なドライバーDVを検索する(ステップS205)。
次に、各検索結果に基づき、経由地とするハブポートHPを選択し(ステップS206)、ステップS213へ進む。
【0068】
処理がステップS207へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、充電残量が所定の残量以上であるか否かを確認する(ステップS207)。所定の残量以上でない場合(ステップS207/NO)、ステップS208へ進む。一方で、所定の残量以上である場合(ステップS207/YES)、ステップS210へ進む。
【0069】
ステップS208へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、現在の残量で到達可能なポートの空きを検索する(ステップS208)。
次に、検索結果に基づき、到達可能なバーティポートVP又はハブポートHPを選択し(ステップS209)、ステップS213へ進む。
【0070】
処理がステップS210へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、次のフライトまでの時間が所定の時間以上であるか否かを確認する(ステップS210)。所定の時間以上である場合(ステップS210/YES)、ステップS211へ進む。一方で、所定の時間以上でない場合(ステップS210/NO)、ステップS213へ進む。
【0071】
ステップS211へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、利用可能なハブポートHPを検索する(ステップS211)。
次に、検索結果に基づき、利用可能なハブポートHPを選択し(ステップS212)、ステップS213へ進む。
処理がステップS213へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、運航プランを決定する(ステップS213)。
【0072】
このようにして、ログ情報に基づきハブポートHPを経由するか否かを決定することが可能となり、エアモビリティEMの運航規則やドライバーDVの労務管理を遵守できる。
【0073】
(3)ハブポートでの機体運用の流れ
図9を参照して、ハブポートHPでの機体運用の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係るハブポートHPでの機体運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図9に示すように、まず、ハブポートHPの作業者は、到着予定の機体の情報を確認する(ステップS301)。ここでは、作業者は、例えば到着予定のエアモビリティEMの利用用途を確認する。
次に、作業者は、利用用途が短時間のメンテナンスであるか否かを確認する(ステップS302)。短時間のメンテナンスである場合(ステップS302/YES)、ステップS303へ進む。一方で、短時間のメンテナンスでない場合(ステップS302/NO)、ステップS305へ進む。
【0075】
ステップS303へ進んだ場合、作業者は、到着したエアモビリティEMを離着陸口から近い階層へ移動する(ステップS303)。
移動後、作業者は、メンテナンスを実施する(ステップS304)。
【0076】
ステップS305へ進んだ場合、作業者は、利用用途が中時間のメンテナンスであるか否かを確認する(ステップS305)。中時間のメンテナンスである場合(ステップS305/YES)、ステップS306へ進む。一方で、中時間のメンテナンスでない場合(ステップS305/NO)、ステップS308へ進む。
【0077】
ステップS306へ進んだ場合、作業者は、到着したエアモビリティEMを離着陸口から少し遠い階層へ移動する(ステップS306)。
移動後、作業者は、メンテナンスを実施する(ステップS307)。
【0078】
ステップS308へ進んだ場合、作業者は、利用用途が長時間のメンテナンスであるか否かを確認する(ステップS308)。長時間のメンテナンスである場合(ステップS308/YES)、ステップS309へ進む。
【0079】
ステップS309へ進んだ場合、作業者は、到着したエアモビリティEMを離着陸口から遠い階層へ移動する(ステップS309)。
移動後、作業者は、駐機作業を実施する(ステップS310)。
【0080】
このように、ハブポートHPの内部を利用用途に応じた階層に分けることができ、人員配置や離着陸口の利用の最適化が可能となる。
【0081】
(4)エアモビリティの運航間隔の調整処理の流れ
図10を参照して、エアモビリティEMの運航間隔の調整処理の流れについて説明する。
図10は、本実施形態に係るエアモビリティEMの運航間隔の調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10には、遅延する機体が発生した場合のフローが示されている。
【0082】
図10に示すように、まず、エアモビリティ運航サーバ40の運航プラン決定部433は、遅延によって離着陸がバッティングする機体があるか否かを確認する(ステップS401)。バッティングする機体がある場合(ステップS401/YES)、ステップS402へ進む。一方で、バッティングする機体がない場合(ステップS401/NO)、ステップS404へ進む。
【0083】
ステップS402へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、遅延している機体と他の機体の中で、離着陸予定時刻の調整が可能な機体を確認する(ステップS402)。他の機体である場合(ステップS402/他機体)、ステップS403へ進む。遅延している機体である場合(ステップS402/遅延機体)、ステップS404へ進む。
【0084】
ステップS403へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、他機体の離着陸予定時刻を調整することで、バッティングを回避する(ステップS403)。
ステップS404へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、遅延している機体の離着陸予定時刻を調整することで、バッティングを回避する(ステップS404)。
【0085】
これにより、運航の遅れがあった際に、機体単機だけではなくシステム全体で運航プランを調整することで、バッティングの解決が効率化される。
【0086】
(5)バーティポートへ着陸要請があってから着陸許可を出すまでの運用の流れ
図11を参照して、バーティポートVPへ着陸要請があってから着陸許可を出すまでの運用の流れについて説明する。
図11は、本実施形態に係るバーティポートVPへ着陸要請があってから着陸許可を出すまでの運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【0087】
図11に示すように、まず、エアモビリティ運航サーバ40の運航プラン決定部433は、着陸要請があったエアモビリティEMにメンテナンスが必要であるか否かを確認する(ステップS501)。メンテナンスが必要でない場合(ステップS501/NO)、ステップS504へ進む。一方で、メンテナンスが必要である場合(ステップS501/YES)、ステップS502へ進む。
【0088】
ステップS502へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、エアモビリティEMをハブポートHPへ誘導するよう運航プランを決定(変更)する(ステップS502)。
次に、エアモビリティEMのドライバーDVは、ハブポートHPへ移動し、メンテナンスを実施し(ステップS503)、ステップS505へ進む。
【0089】
ステップS504へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、バーティポートVPがあいているか否かを確認する(ステップS504)。空いていない場合(ステップS504/NO)、ステップS505へ進む。一方で、空いている場合(ステップS504/YES)、ステップS508へ進む。
【0090】
ステップS505へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、調整可能な時間があるか否かを確認する(ステップS505)。調整可能な時間がある場合(ステップS505/YES)、ステップS506へ進む。一方で、調整可能な時間がない場合(ステップS505/NO)、ステップS507へ進む。
【0091】
ステップS506へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、まだハブポートHPへ誘導されていないエアモビリティEMをハブポートHPへ誘導するよう運航プランを決定(変更)し、既にハブポートHPへ誘導されたエアモビリティEMはハブポートHPで待機させ(ステップS506)、その後、ステップS508へ進む。
ステップS507へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、エアモビリティEMを空中で待機させ(ステップS507)、その後、ステップS508へ進む。
ステップS508へ進んだ場合、運航プラン決定部433は、エアモビリティEMに対して着陸許可を出す(ステップS508)。
【0092】
この運用により、ハブポートHPを経由させることで、バーティポートVPの稼働においても燃料補給や整備などのメンテナンスをアウトソース化でき、バーティポートVPの稼働率を上昇させることができる。
【0093】
(6)運航業務終了後の運用の流れ
図12を参照して、運航業務終了後の運用の流れについて説明する。
図12は、本実施形態に係る運航業務終了後の運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【0094】
図12に示すように、エアモビリティ運航サーバ40の駐機処理部434は、エアモビリティEMの現在位置と、当該エアモビリティEMが契約している駐機スペースの位置を照合する(ステップS601)。
次に、駐機処理部434は、エアモビリティEMを最寄りのハブポートHPへ誘導する(ステップS602)。
ハブポートHPへ移動後、ドライバーDVは、エアモビリティEMのメンテナンスが必要であるか否かを確認する(ステップS603)。メンテナンスが必要である場合(ステップS603/YES)、ステップS604へ進む。一方で、メンテナンスが不要である場合(ステップS603/NO)、ステップS606へ進む。
【0095】
ステップS604へ進んだ場合、ドライバーDVは、エアモビリティEMのメンテナンスを実施する(ステップS604)。
メンテナンス後、ログ情報更新部432は、運航ログ情報の燃料残量又は整備実績を更新し(ステップS605)、ステップS606へ進む。
ステップS606へ進んだ場合、ドライバーDVは、エアモビリティEMを駐機させる(ステップS606)。
【0096】
これにより、駐機場所を流動的にすることで時間短縮とエネルギーのロスを最小限にすることができる。また、メンテナンスを業務終了後に行うことで、日中は燃料補給やオペレーションにハブポートHPの機能を注力しやすくなる。
【0097】
(7)エアモビリティ運航システムを災害発生時に利用する際の運用の流れ
図13を参照して、エアモビリティ運航システム1000を災害発生時に利用する際の運用の流れについて説明する。
図13は、本実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000を災害発生時に利用する際の運用の流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
図13に示すように、まず、ハブポートHPの管理者は、災害の発生時に自治体の要望を確認する(ステップS701)。
自治体が避難場所を必要としているか否かを確認する(ステップS702)。必要としていない場合(ステップS702/NO)、ステップS704へ進む。一方で、必要としている場合(ステップS702/YES)、ステップS703へ進む。
ステップS703へ進んだ場合、ハブポートHPの管理者は、ハブポートHPを避難所として活用すると決定し(ステップS703)、ステップS704へ進む。
【0099】
ステップS704へ進んだ場合、自治体が救助を必要としているか否かを確認する(ステップS704)。必要としていない場合(ステップS704/NO)、ステップS706へ進む。一方で、必要としている場合(ステップS704/YES)、ステップS705へ進む。
ステップS705へ進んだ場合、ハブポートHPの管理者は、ハブポートHPの離着陸スペースを開放すると決定し(ステップS705)、ステップS706へ進む。
【0100】
ステップS706へ進んだ場合、自治体が物資を必要としているか否かを確認する(ステップS706)。必要としていない場合(ステップS706/NO)、終了する。一方で、必要としている場合(ステップS706/YES)、ステップS707へ進む。
ステップS707へ進んだ場合、ハブポートHPの管理者は、ハブポートHPから物資を避難所へ輸送すると決定し(ステップS707)、終了する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000は、複数のポート間を運航するエアモビリティEMが各ポートにて離着陸する際に、離着陸するエアモビリティEMの識別情報を取得する識別情報取得部431と、取得されたエアモビリティEMの識別情報に対応付けられた情報である、エアモビリティEMの運航に関するログを示す運航ログ情報を、最新の状態に更新するログ情報更新部432と、更新された運航ログ情報に基づき、複数のポート間を運航する各エアモビリティEMの運航プランを決定する運航プラン決定部433と、を備える。
【0102】
かかる構成により、ポートを設置可能な場所が限られており、エアモビリティの機体数の増加に対してポートの設置数が不足している場合であっても、限られたポートを効率的に運用することができ、エアモビリティの円滑な運航に及ぼす影響を抑制することができる。
よって、本実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000は、エアモビリティ社会において円滑なエアモビリティの運航を実現することを可能とする。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、上述した実施形態におけるエアモビリティ運航システム1000、エアモビリティ運航サーバ40の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0104】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。一例として、エアモビリティの自動運転技術が発達し無人運航が実現した場合において、ドライバーのいる有人運航システムとドライバーのいない無人運航システムとを連動させること等が挙げられる。この場合、有人運航システムは、例えば上述した実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000によって実現され、無人運航システムはエアモビリティ運航システム1000とは異なる他のシステムによって実現される。即ち、有人運航システムであるエアモビリティ運航システム1000は、無人運航システムである他のシステムと連動可能な構成を有してよい。
なお、上述した実施形態では、エアモビリティ運航システム1000がドライバーのいる有人運航システムである例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、エアモビリティ運航システム1000は、ドライバーのいない無人運航システムであってもよい。この場合、上述した実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000において、ドライバーDV、IDカード12、就業ログ情報、就業ログ情報記憶部422、就業ログ情報に基づく処理など、ドライバーが関係する構成や処理は不要となる。即ち、無人運航システムであるエアモビリティ運航システム1000では、エアモビリティEMの運航ログ情報のみに基づき、運航プランの決定が行われる。
これより、有人運航システムと無人運航システムとの連動は、例えば上述した実施形態に係るエアモビリティ運航システム1000とは異なる有人運航システムと、エアモビリティ運航システム1000による無人運航システムとの連動であってもよい。即ち、無人運航システムであるエアモビリティ運航システム1000は、有人運航システムである他のシステムと連動可能な構成を有してよい。
また、いずれもエアモビリティ運航システム1000によって実現される有人運航システムと無人運航システムとの連動であってもよい。
【0105】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係るエアモビリティ運航システム、エアモビリティ運航方法、及びプログラムは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0106】
EM…エアモビリティ、DV…ドライバー、VP…バーティポート、HP…ハブポート、NW…ネットワーク、1…メンテナンス棟、2…昇降棟、3…充電設備、4…昇降台、10…表示端末、11…タグ、12…IDカード、20…バーティポート端末、21…読取装置、30…ハブポート端末、31…読取装置、40…エアモビリティ運航サーバ、410…通信部、420…記憶部、421…運航ログ情報記憶部、422…就業ログ情報記憶部、423…運航プラン情報記憶部、430…制御部、431…識別情報取得部、432…ログ情報更新部、433…運航プラン決定部、434…駐機処理部、435…出力処理部、1000…エアモビリティ運航システム