(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025236
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】真贋判定システム、真贋判定装置、プログラム、及び真贋判定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129828
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】500037528
【氏名又は名称】株式会社サイバーリンクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】水間 乙允
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】電子文書の真贋を簡易に判定することが可能な真贋判定システムを得る。
【解決手段】真贋判定システムは、電子文書を作成して保管する第1サーバと、アドレス情報を管理する第2サーバと、利用者が操作する操作端末と、を備える。操作端末は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を第2サーバに送信する。真贋判定処理において、第2サーバは、操作端末の画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報の返信要求を、操作端末に送信する。操作端末は、画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を取得して第2サーバに送信する。第2サーバは、操作端末から受信したアドレス情報が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書の真贋を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書を作成して保管する第1サーバと、
前記電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理する第2サーバと、
前記電子文書を利用する利用者が操作する操作端末と、
を備え、
前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、
前記操作端末は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を前記第2サーバに送信し、
前記真贋判定処理において、
前記第2サーバは、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、
前記操作端末は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を取得して前記第2サーバに送信し、
前記第2サーバは、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する、
真贋判定システム。
【請求項2】
前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が画像として含まれており、
前記操作端末は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記画像をカメラで撮影することによって、前記アドレス情報を取得する、
請求項1に記載の真贋判定システム。
【請求項3】
前記第2サーバは、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規である場合には、当該アドレス情報に対応する正規の電子文書を前記操作端末に送信し、当該正規の電子文書を前記操作端末の前記画面に表示させる、
請求項2に記載の真贋判定システム。
【請求項4】
電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置であって、
受信部と、送信部と、判定部とを備え、
前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、
前記受信部は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、
前記真贋判定処理において、
前記送信部は、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、
前記受信部は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、
前記判定部は、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する、
真贋判定装置。
【請求項5】
電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置が備える情報処理装置を、
受信手段、送信手段、及び判定手段として機能させ、
前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、
前記受信手段は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、
前記真贋判定処理において、
前記送信手段は、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、
前記受信手段は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、
前記判定手段は、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する、
プログラム。
【請求項6】
電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置が実行する真贋判定方法であって、
前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、
判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、
前記真贋判定処理において、
前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、
前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、
前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する、
真贋判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書の真贋判定システム、真贋判定装置、プログラム、及び真贋判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、背景技術に係る内容証明システムが開示されている。当該システムによると、証明書等の文書には、テキスト情報に加えて2次元コードの画像が表示されている。画像には、テキスト情報と、当該テキスト情報のハッシュ値を含む署名情報(秘密鍵を用いて暗号化したもの)と、検証サーバのメールアドレスとが格納されている。検証者が携帯電話機のカメラを用いて画像を撮影すると、携帯電話機は、画像の情報を検証サーバのメールアドレスへメール送信する。検証サーバは、画像に格納されているテキスト情報を読み出し、当該テキスト情報のハッシュ値を算出する。検証サーバは、算出した当該ハッシュ値と、画像から読み出した署名情報(公開鍵を用いて復号したもの)に含まれているハッシュ値とを比較し、両者が一致するか否かによって文書の真贋判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムによると、秘密鍵及び公開鍵の管理や、検証サーバにおいてハッシュ値の算出処理が必要となり、処理が複雑である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、電子文書の真贋を簡易に判定することが可能な、真贋判定システム、真贋判定装置、プログラム、及び真贋判定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る真贋判定システムは、電子文書を作成して保管する第1サーバと、前記電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理する第2サーバと、前記電子文書を利用する利用者が操作する操作端末と、を備え、前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、前記操作端末は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を前記第2サーバに送信し、前記真贋判定処理において、前記第2サーバは、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、前記操作端末は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を取得して前記第2サーバに送信し、前記第2サーバは、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する。
【0007】
第1態様によれば、電子文書には、当該電子文書に関するアドレス情報が含まれており、操作端末は、画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を取得して第2サーバに送信し、第2サーバは、操作端末から受信したアドレス情報が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書の真贋を判定する。従って、判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報が正規であるか否かを判定するという簡易な処理によって、電子文書の真贋を判定することが可能となる。
【0008】
本発明の第2態様に係る真贋判定システムは、第1態様において、前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が画像として含まれており、前記操作端末は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記画像をカメラで撮影することによって、前記アドレス情報を取得すると良い。
【0009】
第2態様によれば、操作端末は、画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれている画像をカメラで撮影することによって、アドレス情報を取得する。従って、画像をカメラで撮影するという簡易な処理によって、判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を取得することが可能となる。
【0010】
本発明の第3態様に係る真贋判定システムは、第2態様において、前記第2サーバは、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規である場合には、当該アドレス情報に対応する正規の電子文書を前記操作端末に送信し、当該正規の電子文書を前記操作端末の前記画面に表示させると良い。
【0011】
第3態様によれば、第2サーバは、操作端末から受信したアドレス情報が正規である場合には、当該アドレス情報に対応する正規の電子文書を操作端末に送信し、当該正規の電子文書を操作端末の画面に表示させる。これにより、操作端末のオペレータは、画面に表示された判定対象の電子文書と正規の電子文書とを見比べることによって、判定対象の電子文書が改竄されていないことを容易に確認することが可能となる。
【0012】
本発明の第4態様に係る真贋判定装置は、電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置であって、受信部と、送信部と、判定部とを備え、前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、前記受信部は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、前記真贋判定処理において、前記送信部は、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、前記受信部は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、前記判定部は、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する。
【0013】
第4態様によれば、電子文書には、当該電子文書に関するアドレス情報が含まれており、受信部は、操作端末の画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を、操作端末から受信し、判定部は、操作端末から受信したアドレス情報が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書の真贋を判定する。従って、判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報が正規であるか否かを判定するという簡易な処理によって、電子文書の真贋を判定することが可能となる。
【0014】
本発明の第5態様に係るプログラムは、電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置が備える情報処理装置を、受信手段、送信手段、及び判定手段として機能させ、前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、前記受信手段は、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、前記真贋判定処理において、前記送信手段は、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、前記受信手段は、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、前記判定手段は、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する、プログラムである。
【0015】
第5態様によれば、電子文書には、当該電子文書に関するアドレス情報が含まれており、受信手段は、操作端末の画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を、操作端末から受信し、判定手段は、操作端末から受信したアドレス情報が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書の真贋を判定する。従って、判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報が正規であるか否かを判定するという簡易な処理によって、電子文書の真贋を判定することが可能となる。
【0016】
本発明の第6態様に係る真贋判定方法は、電子文書の発行元によって管理され、前記電子文書が保管されているアドレスを示すアドレス情報を管理し、前記電子文書の真贋を判定する真贋判定装置が実行する真贋判定方法であって、前記電子文書には、当該電子文書に関する前記アドレス情報が含まれており、判定対象の電子文書に対する真贋判定処理の実行要求を、当該判定対象の電子文書を利用する利用者が操作する操作端末から受信し、前記真贋判定処理において、前記操作端末の画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報の返信要求を、前記操作端末に送信し、前記画面に表示されている前記判定対象の電子文書に含まれている前記アドレス情報を、前記操作端末から受信し、前記操作端末から受信した前記アドレス情報が正規であるか否かによって、前記判定対象の電子文書の真贋を判定する。
【0017】
第6態様によれば、電子文書には、当該電子文書に関するアドレス情報が含まれており、真贋判定装置は、操作端末の画面に表示されている判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報を、操作端末から受信し、操作端末から受信したアドレス情報が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書の真贋を判定する。従って、判定対象の電子文書に含まれているアドレス情報が正規であるか否かを判定するという簡易な処理によって、電子文書の真贋を判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子文書の真贋を簡易に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る真贋判定システムの全体構成を簡略化して示す図である。
【
図2】第1サーバの構成を簡略化して示す図である。
【
図3】第2サーバの構成を簡略化して示す図である。
【
図5】ユーザ端末の構成を簡略化して示す図である。
【
図7】第1サーバ、第2サーバ、操作端末、及びユーザ端末間での情報の送受信を示すシーケンス図である。
【
図8】電子文書を判定対象とする真贋判定処理において、第2サーバの処理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図9】表示部の画面の表示例を簡略化して示す図である。
【
図10】正規判定結果を含む情報を操作端末が受信した場合の、表示部の画面の表示例を簡略化して示す図である。
【
図11】不正判定結果を含む情報を操作端末が受信した場合の、表示部の画面の表示例を簡略化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る真贋判定システム1の全体構成を簡略化して示す図である。真贋判定システム1は、第1サーバ2、第2サーバ3、操作端末4、及びユーザ端末5を備えている。第1サーバ2、第2サーバ3、操作端末4、及びユーザ端末5は、いずれも通信ネットワーク6に接続されている。通信ネットワーク6は、IP(Internet Protocol)網等の任意の専用回線網又は公衆回線網である。
【0022】
第2サーバ3は、電子文書100の発行元事業者12によって管理される。本実施形態の例において、発行元事業者12は、各種の資格試験、検定試験、又は認定試験等の実施事業者であり、電子文書100は、それらの試験の合格証明書、成績証明書、又は公式認定証等である。但し、電子文書100はこの例に限らず、電子媒体の任意の文書であれば良い。
【0023】
第1サーバ2は、電子文書100を作成及び保管する管理事業者11によって管理される。第1サーバ2は、発行元事業者12から受領した試験情報に基づいて電子文書100を作成する。第1サーバ2は、作成した電子文書100を、セキュリティが確保された状態で保管する。電子文書100の保管先は、第1サーバ2内のHDD、SSD、又は半導体メモリ等である。但し、電子文書100の保管先は、第1サーバ2外のブロックチェーンネットワーク等であっても良い。第1サーバ2は、保管先の所定のアドレスに電子文書100を格納し、そのアドレスを示すURL等のアドレス情報101を第2サーバ3に送信する。第2サーバ3は、受信したアドレス情報101を、セキュリティが確保された状態で保管することによって管理する。アドレス情報101の保管先は、第2サーバ3内のHDD、SSD、又は半導体メモリ等である。
【0024】
ユーザ端末5は、上記各種の試験を受験した個人のユーザ14が所持する、PC、タブレット、又はスマートフォン等である。ユーザ14には、各自の合格証明書等の電子文書100に関するアドレス情報101が、管理事業者11又は発行元事業者12から通知される。ユーザ14は、通知されたアドレス情報101に基づいてユーザ端末5から第1サーバ2にアクセスすることにより、自身に関する電子文書100をユーザ端末5にダウンロード及び保存することができる。以下の説明では、第1サーバ2に保管されている電子文書100と区別するために、ユーザ端末5に保存された電子文書を電子文書200と称する。例えばユーザ14の就職活動又は転職活動において、ユーザ14は、ユーザ端末5に保存されている電子文書200を操作端末4に送信することにより、就職先又は転職先の企業である利用事業者13に電子文書200を提出することができる。
【0025】
操作端末4は、電子文書200を利用する利用事業者13が操作する、PC、タブレット、又はスマートフォン等である。利用事業者13は、ユーザ端末5から受信した電子文書200の改竄の有無を確認するために、電子文書200を判定対象とする真贋判定処理の実行を、第2サーバ3に対して要求することができる。第2サーバ3が実行する真贋判定処理の詳細については後述する。
【0026】
図2は、第1サーバ2の構成を簡略化して示す図である。第1サーバ2は、処理部21、記憶部22、及び通信部23を備えている。処理部21は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。記憶部22は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等の記憶媒体を備えて構成される。通信部23は、IP等の通信規格に対応した通信モジュールを備えて構成され、通信ネットワーク6を介して他のサーバ又は端末との間で、データ又はコマンド等の情報の送受信を行う。記憶部22には、処理部21によって作成された電子文書100が所定のアドレスに格納されている。
【0027】
図3は、第2サーバ3の構成を簡略化して示す図である。第2サーバ3は、処理部31、記憶部32、及び通信部33を備えている。処理部31は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。記憶部32は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等の記憶媒体を備えて構成される。通信部33は、IP等の通信規格に対応した通信モジュールを備えて構成され、通信ネットワーク6を介して他のサーバ又は端末との間で、データ又はコマンド等の情報の送受信を行う。記憶部32には、第1サーバ2から受信したアドレス情報101及びプログラム300が格納されている。記憶部32から読み出したプログラム300をプロセッサが実行することによって実現される機能として、処理部31は、受信部311、送信部312、及び判定部313を有する。これら各部の処理内容の詳細については後述する。
【0028】
図4は、操作端末4の構成を簡略化して示す図である。操作端末4は、処理部41、記憶部42、通信部43、表示部44、入力部45、及びカメラ46を備えている。処理部41は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。記憶部42は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等の記憶媒体を備えて構成される。通信部43は、IP等の通信規格に対応した通信モジュールを備えて構成され、通信ネットワーク6を介して他のサーバ又は端末との間で、データ又はコマンド等の情報の送受信を行う。表示部44は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を備えて構成される。入力部45は、マウス、キーボード、又はタッチパネル等を備えて構成される。記憶部42には、ユーザ端末5から受信した電子文書200が格納されている。
【0029】
図5は、ユーザ端末5の構成を簡略化して示す図である。ユーザ端末5は、処理部51、記憶部52、通信部53、表示部54、及び入力部55を備えている。処理部51は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。記憶部52は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等の記憶媒体を備えて構成される。通信部53は、IP等の通信規格に対応した通信モジュールを備えて構成され、通信ネットワーク6を介して他のサーバ又は端末との間で、データ又はコマンド等の情報の送受信を行う。表示部54は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を備えて構成される。入力部55は、マウス、キーボード、又はタッチパネル等を備えて構成される。記憶部52には、第1サーバ2から受信した電子文書200が格納されている。
【0030】
図6は、電子文書200の一例を簡略化して示す図である。
図6に示した例において、電子文書200は、発行元事業者12によって実施された検定試験を受検したユーザ14に関する成績証明書である。電子文書200には、ユーザ14の氏名及び検定試験のスコア等を示す成績情報210と、電子文書200に関するURL等のアドレス情報101が格納された二次元コードの画像220とが含まれている。なお、二次元コードの画像220に代えて、一次元コードの画像又は電子文書200に関するアドレス情報101を示すテキスト情報等が表記されていても良い。
【0031】
図7は、第1サーバ2、第2サーバ3、操作端末4、及びユーザ端末5間での情報の送受信を示すシーケンス図である。また、
図8は、電子文書200を判定対象とする真贋判定処理において、第2サーバ3の処理部31が実行する処理を示すフローチャートである。
【0032】
図7を参照して、ユーザ端末5は情報S1を操作端末4に送信する。情報S1は、記憶部52に保存されている電子文書200を含む。操作端末4は、受信した電子文書200を記憶部42に保存する。
【0033】
電子文書200が改竄されていない正規なものであるか、あるいは改竄された不正なものであるかを利用事業者13が知りたい場合、操作端末4は情報S2を第2サーバ3に送信する。情報S2は、判定対象の電子文書200に対する真贋判定処理の実行要求を含む。真贋判定処理は、第2サーバ3のWebサイト上で実行される処理である。正規の発行元事業者12から利用事業者13に対して、当該Webサイトへのアクセスアドレス及びログインパスワード等が予め通知されている。
【0034】
操作端末4は、真贋判定処理の実行要求を含む情報S2を受信部311が受信したことにより、真贋判定プログラムを起動して真贋判定処理の実行を開始する。以下、真贋判定処理について説明する。
【0035】
図8を参照して、まずステップSP01において送信部312は、情報S3を操作端末4に送信する。情報S3は、判定対象の電子文書200を表示部44の画面に表示すること、カメラ46を起動すること、表示された電子文書200に含まれている画像220をカメラ46で撮影すること、及び、撮影した画像220から取得したアドレス情報101を第2サーバ3に返信することの要求を含む。
【0036】
図9は、表示部44の画面の表示例を簡略化して示す図である。操作端末4のオペレータに対して電子文書200の画面表示と画像220の撮影とを要求するテキストメッセージが、表示部44に表示されている。また、当該要求に応答してオペレータが入力部45を操作することによって、記憶部42から読み出された電子文書200が表示部44に画面表示されている。オペレータが電子文書200に含まれている画像220をカメラ46で撮影すると、操作端末4は情報S4を第2サーバ3に送信する。情報S4は、画像220から取得したアドレス情報101を含む。
【0037】
受信部311が操作端末4から情報S4を受信すると(ステップSP02:YES)、次にステップSP03において判定部313は、受信した情報S4に含まれているアドレス情報101が正規であるか否かを判定する。記憶部32には、第1サーバ2から受信した複数の正規なアドレス情報101が格納されている。判定部313は、情報S4に含まれているアドレス情報101が、記憶部32に格納されている複数のアドレス情報101のいずれかに一致する場合には、情報S4に含まれているアドレス情報101は正規である(つまり判定対象の電子文書200は改竄されていない)と判定する。一方、判定部313は、情報S4に含まれているアドレス情報101が、記憶部32に格納されている複数のアドレス情報101のいずれにも一致しない場合には、情報S4に含まれているアドレス情報101は正規でない(つまり判定対象の電子文書200は改竄されている)と判定する。
【0038】
情報S4に含まれているアドレス情報101が正規である場合(ステップSP03:YES)は、次にステップSP04において送信部312は、当該アドレス情報101に対応する電子文書100の返信要求を含む情報S5を第1サーバ2に送信し、受信部311は、当該電子文書100を含む情報S6を第1サーバ2から受信し、送信部312は、正規判定結果を含む情報S7を操作端末4に送信する。この場合の情報S7は、当該電子文書100(つまり第1サーバ2に保管されている正規の電子文書100)を含む。
【0039】
図10は、正規判定結果を含む情報S7を操作端末4が受信した場合の、表示部44の画面の表示例を簡略化して示す図である。画面の左半分領域に、判定対象の電子文書200が表示されている。電子文書200の上には、それが改竄されていないことを示すテキストメッセージが表示されている。また、画面の右側半分領域に、第1サーバ2に保管されている正規の電子文書100が表示されている。電子文書100の上には、それが第1サーバ2に保管されている正規の電子文書であることを示すテキストメッセージが表示されている。
【0040】
情報S4に含まれているアドレス情報101が正規でない場合(ステップSP03:NO)は、次にステップSP05において送信部312は、不正判定結果を含む情報S7を操作端末4に送信する。
【0041】
図11は、不正判定結果を含む情報S7を操作端末4が受信した場合の、表示部44の画面の表示例を簡略化して示す図である。画面には判定対象の電子文書200が表示されており、電子文書200の上には、それが改竄されていることを示すテキストメッセージが表示されている。
【0042】
本実施形態によれば、電子文書100には、当該電子文書100に関するアドレス情報101が含まれている。操作端末4は、表示部44の画面に表示されている判定対象の電子文書200に含まれているアドレス情報101を取得して第2サーバ3に送信する。第2サーバ3は、操作端末4から受信したアドレス情報101が正規であるか否かによって、判定対象の電子文書200の真贋を判定する。従って、判定対象の電子文書200に含まれているアドレス情報101が正規であるか否かを判定するという簡易な処理によって、電子文書200の真贋を判定することが可能となる。電子文書200のアドレス情報101が偽造され、操作端末4が偽造アドレスにアクセスした場合に、改竄された電子文書200を操作端末4に送信するよう第1サーバ2が偽造された場合であっても、偽造アドレスは記憶部32に格納されている複数の正規なアドレス情報101のいずれにも一致しないため、電子文書200が正規なものでないことを正しく判定することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態によれば、操作端末4は、表示部44の画面に表示されている判定対象の電子文書200に含まれている画像220をカメラ46で撮影することによって、アドレス情報101を取得する。従って、画像220をカメラ46で撮影するという簡易な処理によって、判定対象の電子文書200に含まれているアドレス情報101を取得することが可能となる。また、仮に表示部44の画面に表示されている判定対象の電子文書200が紙に印刷されて利用事業者13へ提出された場合であっても、その紙に印刷されている画像200をカメラ46で撮影することによって、上記と同様の簡易な処理によってアドレス情報101を取得することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態によれば、第2サーバ3は、操作端末4から受信したアドレス情報101が正規である場合には、当該アドレス情報101に対応する正規の電子文書100を操作端末4に送信し、当該正規の電子文書100を操作端末4の表示部44の画面に表示させる。これにより、操作端末4のオペレータは、画面に表示された判定対象の電子文書200と正規の電子文書100とを見比べることによって、判定対象の電子文書200が改竄されていないことを容易に確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 真贋判定システム
2 第1サーバ
3 第2サーバ(真贋判定装置)
4 操作端末
31 処理部
44 表示部
46 カメラ
12 発行元事業者
13 利用事業者
100,200 電子文書
101 アドレス情報
300 プログラム
311 受信部
312 送信部
313 判定部