(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025248
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】含窒素芳香環を有する化合物の製造方法および含窒素芳香環を含む化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 215/04 20060101AFI20250214BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
C07D215/04
C07D471/04 112T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129845
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚
【テーマコード(参考)】
4C065
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065AA19
4C065BB08
4C065CC09
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP03
4C065QQ04
(57)【要約】
【課題】メタルアミド中間体自体の酸化を、ワンポットまたはフロー反応で効率よく行う方法を提供すること、また、それを利用して含窒素芳香環化合物の窒素α位へ置換基を効率的に導入する方法を提供すること。
【解決手段】一般式(I)で表されるメタルアミド化合物と、一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、一般式(III)で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
[一般式(I)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R
5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表されるメタルアミド化合物と、
一般式(II)
【化2】
[一般式(II)中、Rは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]
で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、
一般式(III)
【化3】
[一般式(III)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R
5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項2】
一般式(I)中のMがLiである、請求項1に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(II)中のRが水素原子またはフェニル基である、請求項1または2に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項4】
一般式(IV)
【化4】
[一般式(IV)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。]
で表される含窒素芳香環を含む化合物に、
一般式(V)
【化5】
[R
5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表される有機金属を反応させて、
一般式(I)
【化6】
[一般式(I)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R
5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表されるメタルアミド化合物とし、これを後処理することなく、
一般式(II)
【化7】
[一般式(II)中、Rは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]
で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、
一般式(III)
【化8】
[一般式(III)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R
5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項5】
一般式(I)中のMがLiである、請求項4に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(II)中のRが水素原子またはフェニル基である、請求項4または5に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(VI)
【化9】
[一般式(VI)中、Rは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]
で表される化合物をHPLC面積百分率で一定閾値以下の量含む、
一般式(III)
【化10】
[一般式(III)中、R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R
1~R
4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R
5は置換されていてもよいアルキル基またはアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される含窒素芳香環を含む化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含窒素芳香環を有する化合物の製造方法および含窒素芳香環を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
含窒素芳香環は、ピリジン、キノリン、フェナントロリン等を含み、これを構造の一部として有する化合物は、金属触媒の配位子、医薬または材料等の幅広い用途に利用されている。このように有用な構造単位である含窒素芳香環を有する化合物を利用するため、芳香環窒素のα位に、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を導入することが必要となる場合があり、これまでに多くの方法が報告されてきた。
【0003】
例えば、含窒素芳香環を有する化合物に、フェニルリチウムなどの有機金属を反応させて得られるメタルアミド中間体に、水などのプロトン性溶媒を加えて後処理して得られるジヒドロ体に対して、二酸化マンガン、ニトロベンゼン、クロラニル、DDQ、空気または酸素などの酸化剤を用いて酸化的芳香環化を行う方法(特許文献1の段落0063等)
などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、メタルアミド中間体から酸化的芳香環化された化合物を得る上で、メタルアミド中間体を直接酸化するのではなくいったんジヒドロ体に変換する必要があり、メタルアミド中間体そのものを効率よく酸化する方法は開示も示唆もされてこなかった。
【0006】
本発明の目的は、メタルアミド中間体自体の酸化を、ワンポットまたはフロー反応で効率よく行う方法を提供すること、また、それを利用して含窒素芳香環化合物の窒素α位へ置換基を効率的に導入する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を取る。
(1)一般式(I)
【0008】
【0009】
[一般式(I)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表されるメタルアミド化合物と、
一般式(II)
【0010】
【0011】
[一般式(II)中、Rは水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]
で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、
一般式(III)
【0012】
【0013】
[一般式(III)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(2)一般式(I)中のMがLiである、(1)に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(3)一般式(II)中のRが水素原子またはフェニル基である、(1)または(2)に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(4)一般式(IV)
【0014】
【0015】
[一般式(IV)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。]
で表される含窒素芳香環を含む化合物に、
一般式(V)
【0016】
【0017】
[R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表される有機金属を反応させて、
一般式(I)
【0018】
【0019】
[一般式(I)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrを表す。nは1~2の整数である。]
で表されるメタルアミド化合物とし、これを後処理することなく、
一般式(II)
【0020】
【0021】
[一般式(II)中、Rは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]
で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、
一般式(III)
【0022】
【0023】
[一般式(III)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(5)一般式(I)中のMがLiである、(4)に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(6)一般式(II)中のRが水素原子またはフェニル基である、(4)または(5)に記載の含窒素芳香環を含む化合物の製造方法。
(7)
一般式(VI)
【0024】
【0025】
[一般式(VI)中、Rは、水素原子、または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。]で表される化合物をHPLC面積百分率で一定閾値以下の量含む、
一般式(III)
【0026】
【0027】
[一般式(III)中、R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。R1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよい。R5は、置換されていてもよいアルキル基またはアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。nは1~2の整数である。]
で表される含窒素芳香環を含む化合物。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、含窒素芳香環化合物の窒素α位へ置換基を導入するにあたり、メタルアミド中間体自体の酸化を、ワンポットまたはフロー反応で効率よく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る含窒素芳香環を含む化合物の製造方法は、含窒素芳香環化合物への付加―酸化反応による置換基導入において、酸化工程で特定の芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンを用いるものである。
【0030】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る含窒素芳香環を含む化合物の製造方法は、一般式(I)で表されるメタルアミド化合物と、一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える、一般式(III)で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法である。
【0031】
【0032】
本実施の形態1に係る製造方法は、一般式(I)で表されるメタルアミド化合物と一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる工程を備える。
【0033】
一般式(I)中のR1~R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基および置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基からなる群より選ばれる。中でも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいキノリル基などが好ましい。またR1~R4は、隣り合う基が互いに連結して、置換されていてもよい縮合アリール環もしくは縮合ヘテロアリール環を形成していてもよく、特に置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環を形成しているものが好ましい。
【0034】
R5は、アルキル基または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表す。中でも、メチル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基およびキノリル基が好ましく、フェニル基およびナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0035】
Mは、Li、Na、MgClまたはMgBrであるが、特にLiが好ましい。nは1~2の整数である。
【0036】
一般式(I)で表される化合物としては、具体的には、リチウム 2-フェニル-2H-キノリン-1-イド、リチウム 8-メチル-2-フェニル-2H-キノリン-1-イド、リチウム 6-メチル-2-フェニル-2H-キノリン-1-イド、リチウム 2-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-メチル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-(t-ブチル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-(ナフタレン-1-イル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-(ナフタレン-2-イル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-(p-トリル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2-(4-(t-ブチル)フェニル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(8-メチル-2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(6-メチル-2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(ナフタレン-1,7-ジイル)ビス(2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(ナフタレン-2,7-ジイル)ビス(2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(ナフタレン-2,6-ジイル)ビス(2H-キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(2H-ベンゾ[h]キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-メチル-2H-ベンゾ[h]キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-フェニル-2H-ベンゾ[h]キノリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-メチル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-(ナフタレン-1-イル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-(ナフタレン-2-イル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-(p-トリル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(9-(4-(t-ブチル)フェニル)-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(9-メチル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(9-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,7-ナフタレン-ジイル)ビス(2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(1,7-ナフタレン-ジイル)ビス(9-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(2,7-ナフタレン-ジイル)ビス(9-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)、リチウム 2,2’-(2,6-ナフタレン-ジイル)ビス(9-フェニル-2H-1,10-フェナントロリン-1-イド)などをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0037】
一般式(II)中のRは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基であり、水素原子およびフェニル基が好ましい。
【0038】
Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基であり、好ましくは置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基またはナフチル基であり、置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基が特に好ましい。
【0039】
一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、2-メトキシベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、2-クロロベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、ピコリンアルデヒド、ニコチンアルデヒド、イソニコチンアルデヒド、ベンゾフェノン、ジ-p-トリルメタノン、ビス(4-メトキシフェニル)メタノン、ビス(4-クロロフェニル)メタノンなどをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0040】
一般式(III)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物の-N(M)-位が-N=に変換されたものである。したがって、一般式(III)における各基およびnの説明は一般式(I)中における各基およびnの説明の通りである。
【0041】
一般式(III)で表される化合物としては、具体的には、2-フェニルキノリン、8-メチル-2-フェニルキノリン、6-メチル-2-フェニルキノリン、2-フェニル-1,10-フェナントロリン、2-メチル-1,10-フェナントロリン、2-(t-ブチル)-1,10-フェナントロリン、2-(ナフタレン-1-イル)-1,10-フェナントロリン、2-(ナフタレン-2-イル)-1,10-フェナントロリン、2-(p-トリル)-1,10-フェナントロリン、2-(4-(t-ブチル)フェニル)-1,10-フェナントロリン、1,3-ジ(キノリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(8-メチルキノリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(6-メチルキノリン-2-イル)ベンゼン、1,4-ジ(キノリン-2-イル)ベンゼン、2,2’-(ナフタレン-1,7-ジイル)ジキノリン、2,7-ジ(キノリン-2-イル)ナフタレン、2,6-ジ(キノリン-2-イル)ナフタレン、1,3-ビス(ベンゾ[h]キノリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-メチルベンゾ[h]キノリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-フェニルベンゾ[h]キノリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ジ(1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-メチル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-フェニル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-(ナフタレン-1-イル)-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-(ナフタレン-2-イル)-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-(p-トリル)-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(9-(4-t-ブチル)フェニル)-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,4-ジ(1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,4-ビス(9-メチル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、1,4-ビス(9-フェニル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ベンゼン、2,2’-(ナフタレン- 1,7-ジイル)ビス(1,10-フェナントロリン)、9,9’-(ナフタレン- 1,7-ジイル)ビス(2-フェニル-1,10-フェナントロリン)、2,7-ビス(9-フェニル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ナフタレン、2,6-ビス(9-フェニル-1,10-フェナントロリン-2-イル)ナフタレンなどをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0042】
一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンの、一般式(I)で表されるメタルアミド化合物に対する当量としては、一般式(I)中、nが1の場合には0.5~3.0当量が好ましく、0.8~1.5当量がより好ましく、0.9~1.1当量がさらに好ましい。nが2の場合は、1.0~6.0当量が好ましく、1.6~3.0当量がより好ましく、1.8~2.2当量がさらに好ましい。
【0043】
使用する溶媒は、反応に支障のない溶媒であれば特に制限はないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなど炭素数5~8の飽和炭化水素、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒が好ましく用いられる。
【0044】
反応温度は-70~100℃の範囲で実施できるが、好ましくは-40~40℃、より好ましくは、-30~30℃の範囲で行うことができる。
【0045】
反応時間は、特に限定されず、反応温度に応じて適宜選択できるが、5分間~24時間程度で反応は完了する。
【0046】
本実施の形態1によれば、メタルアミド化合物に対して芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンを反応させることで、従来必要であったジヒドロ体への変換工程が不要となり、ワンポットまたはフロー反応で効率よくメタルアミド化合物を酸化することができる。
【0047】
なお、メタルアミド化合物に対して脂肪族アルデヒドや脂肪族ケトンを反応させた場合、メタルアミド化合物がアルデヒドやケトンのα位のプロトンを引き抜いて失活するため、酸化することが困難になる。
【0048】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る含窒素芳香環を含む化合物の製造方法は、一般式(IV)で表される含窒素芳香環を含む化合物に、一般式(V)で表される有機金属を反応させて、一般式(I)で表されるメタルアミド化合物とし、これを後処理することなく、一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる、一般式(III)で表される、含窒素芳香環を含む化合物の製造方法である。
【0049】
【0050】
本実施の形態2に係る製造方法は、(A)一般式(IV)で表される含窒素芳香環を含む化合物に、一般式(V)で表される有機金属を反応させて、一般式(I)で表されるメタルアミド化合物を得る第1工程と、(B)一般式(I)で表されるメタルアミド化合物と一般式(II)で表される芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとを反応させる第2工程とを備える。これらのうち第2工程は、実施の形態1に係る製造方法と同じである。したがって、本実施の形態2における一般式(I)~(III)で表される化合物の説明は、実施の形態1におけるものと共通する。
【0051】
また、一般式(IV)で表される化合物と一般式(V)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物を合成するための原料化合物である。したがって、一般式(IV)および(V)における各基およびnの説明は一般式(I)中における各基の説明の通りである。
【0052】
一般式(IV)で表される化合物としては、具体的には、キノリン、8-メチルキノリン、6-メチルキノリン、ベンゾ[h]キノリン、9-メチルベンゾ[h]キノリン、9-フェニルベンゾ[h]キノリン、1,10-フェナントロリン、2-メチル-1,10-フェナントロリン、2-フェニル-1,10-フェナントロリン、2-(ナフタレン-1-イル)-1,10-フェナントロリン、2-(ナフタレン-2-イル)-1,10-フェナントロリン、2-(p-トリル)-1,10-フェナントロリン、2-(4-(t-ブチル)フェニル)-1,10-フェナントロリンなどをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0053】
一般式(V)で表される化合物としては、具体的には、フェニルリチウム、メチルリチウム、t-ブチルリチウム、ナフタレン-1-イルリチウム、ナフタレン-2-イルリチウム、p-トリルリチウム、(4-(t-ブチル)フェニル)リチウム、1,3-ジリチオベンゼン、1,4-ジリチオベンゼン、1,7-ジリチオナフタレン、2,7-ジリチオナフタレンなどをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0054】
第1工程で用いる一般式(V)で表される有機金属の、一般式(IV)で表される含窒素芳香環を含む化合物に対する当量としては、一般式(V)中、nが1の場合には0.5~3.0当量が好ましく、0.8~1.5当量がより好ましく、0.9~1.1当量がさらに好ましい。nが2の場合は、0.25~1.50当量が好ましく、0.40~0.75当量がより好ましく、0.45~0.55当量がさらに好ましい。
【0055】
使用する溶媒は、反応に支障のない溶媒であれば特に制限はないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなど炭素数5~8の飽和炭化水素、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒が好ましく用いられる。
【0056】
反応温度は-70~100℃の範囲で実施できるが、好ましくは-40~40℃、より好ましくは、-30~0℃の範囲で行うことができる。
【0057】
反応時間は、特に限定されず、反応温度に応じて適宜選択できるが、5分間~24時間程度で反応は完了する。
【0058】
第2工程は、上記実施の形態1に係る製造方法と同様にして実施することができる。ここで、第1工程の終了後、得られた一般式(I)で表されるメタルアミド化合物を後処理することなく、そのまま第2工程に進むことができる。
【0059】
本実施の形態2によれば、メタルアミド化合物に対して芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンを反応させることで、従来必要であったジヒドロ体への変換工程が不要となり、これを利用することで、原料化合物である含窒素芳香環化合物の窒素α位へ置換基を導入する反応をワンポットまたはフロー反応で効率よく進行させることができる。
【0060】
(含窒素芳香環を含む化合物)
本発明の実施の形態に係る含窒素芳香環を含む化合物は、一般式(VI)で表される化合物を、一定閾値以下の量含む、一般式(III)で表される含窒素芳香環を含む化合物である。ここで、一定閾値以下の量含むとは、HPLC面積百分率で0%より多く1%より少なく含むことが好ましく、0.5%より少なく含むことがより好ましく、0.1%より少なく含むことがさらに好ましい。
【0061】
【0062】
一般式(III)で表される化合物は、実施の形態1に示したものと共通するため、その説明は実施の形態1におけるものと共通する。
【0063】
一般式(VI)中のRは、水素原子または置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基であり、水素原子またはフェニル基が好ましく、水素原子がより好ましい。Arは置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基であり、好ましくは置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基またはナフチル基であり、特に置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基が好ましい。
【0064】
一般式(VI)で表される化合物としては、具体的には、ベンジルアルコール、2-メチルベンジルアルコール、3-メチルベンジルアルコール、4-メチルベンジルアルコール、2-メトキシベンジルアルコール、3-メトキシルベンジルアルコール、4-メトキシベンジルアルコール、2-クロロベンジルアルコール、3-クロロベンジルアルコール、4-クロロベンジルアルコール、ピリジン-2-イルメタノール、ピリジン-3-イルメタノール、ピリジン-4-イルメタノール、ジフェニルメタノール、ジ-p-トリルメタノール、ビス(4-メトキシフェニル)メタノール、ビス(4-クロロフェニル)メタノールなどをあげることができるが、これらに限られるものではない。
【0065】
上述した、本発明の実施の形態に係る含窒素芳香環を含む化合物の製造方法を用いると、一般式(II)で表される化合物が還元されて一般式(VI)で表される化合物が工程副生物として当量生成し、目的物である一般式(III)で表される化合物に共存する。一般式(VI)で表される化合物は、再結晶、クロマトグラフィー等の一般的な精製方法で一定量除くことができる。ここで、一般式(III)で表される化合物の用途によって、例えば、医薬品であればHPLC面積百分率で0.1%を超える不純物は構造決定が求められ、電子材料であればHPLC面積百分率で99.9%以上のスペックを必要とすることがあるなど、精製度はそれぞれ異なる。いずれもある閾値をこえることは品質の低下につながるので、工程副生物がある閾値以下である化合物は有用である。
【実施例0066】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
【0067】
実施例および比較例化合物の合成に使用される化合物で合成法の記載のないものについては、市販の化合物を使用した。400MHzNMRスペクトルは、JNM-ECZ400S型核磁気共鳴装置(日本電子社製)を用いて測定した。NMRデータ中に示される溶媒名は、測定に使用した溶媒を示している。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準として、δ(単位:ppm)で表し、シグナルはそれぞれs(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)m(多重線)、br(幅広)で表した。ESI-MSスペクトルは、Agilent 1260 Infinity II LC/シングル四重極MSD(Agilent Technologies社製)を用いて測定した。また、HPLCは以下の方法で測定した。
【0068】
<測定条件>
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(測定波長:254nm)
カラム:(内径:4.6mm、長さ:250mm、粒子径:5.0μm)(YMC社製)
カラム温度:45℃
移動相A: 20mMリン酸水素二カリウム水溶液
移動相B: メタノール
グラジエント条件:
注入後の時間(分)0 移動相A(%)40 移動相B(%)60
注入後の時間(分)15 移動相A(%)40 移動相B(%)60
注入後の時間(分)30 移動相A(%)10 移動相B(%)90
注入後の時間(分)45 移動相A(%)10 移動相B(%)90
流量:1.0mL/min
注入量:2.0μL
サンプルクーラー温度:5.0℃
インジェクター洗浄液:アセトニトリル/水 (6/4) 。
【0069】
(実施例1)
2-フェニルキノリンの合成
ブロモベンゼン0.49mL(4.6mmol)のジブチルエーテル(1.1mL)溶液に、-20~-15℃でn-ブチルリチウム(1.6M・ヘキサン溶液)3.0mL(4.7mmol)を加え、5~10℃で1時間反応させて得たフェニルリチウム溶液を、-20℃に冷却したキノリン0.46mL(3.9mmol)のTHF(15mL)溶液に加え、-20℃で1時間撹拌した。得られた反応液に、-10℃でベンズアルデヒド0.40mL(3.0mmol)を加え、20℃で1時間反応させ、2-フェニルキノリンをHPLC純度88.1%で得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)δppm 8.23(d、J=8.4Hz、1H)、8.19-8.15(m、3H)、7.89(d、J=8.8Hz、1H)、7.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.73(dt、J=6.8、1.2Hz、1H)、7.54(t、J=7.6Hz、3H)、7.47(tt、J=6.4、2.8.1.2Hz、1H).
ESI-MS:206.1(M+1)。
【0070】
(実施例2)
実施例1と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、2-ピリジンカルボキシアルデヒドを用いて2-フェニルキノリンをHPLC純度87.5%で得た。
【0071】
(実施例3)
実施例1と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、o-アニスアルデヒドを用いて2-フェニルキノリンをHPLC純度87.7%で得た。
【0072】
(実施例4)
実施例1と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、ベンゾフェノンを用いて2-フェニルキノリンをHPLC純度99.0%で得た。
【0073】
(比較例1)
実施例1と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、アセトンを用いて反応したところ、2-フェニルキノリンのHPLC純度は12.6%であった。
【0074】
(実施例5)
2-フェニル-1,10-フェナントロリンの合成
ブロモベンゼン0.35mL(3.3mmol)のジブチルエーテル(1.2mL)溶液に、-20~―15℃でn-ブチルリチウム(1.6M・ヘキサン溶液)2.1mL(3.3mmol)を加え、5~10℃で4時間反応させて得たフェニルリチウム溶液を、-20℃に冷却したフェナントロリン0.5g(2.8mmol)のTHF(10.2mL)溶液に加え、-20℃で1時間撹拌した。得られた反応液に、-10℃でベンズアルデヒド0.28mL(3.3mmol)を加え、20℃で1時間反応させ、2-フェニル-1,10-フェナントロリンをHPLC純度86.6%で得た。
1H-NMR(400MHz、CHCl3)δppm 9.25(dd、J=4.0,1.6Hz、1H)、8.34(t、J=8.0Hz、3H)、8.27(dd、J=7.6、3.6Hz、1H)、8.12(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(q、J=8.4Hz、2H)、7.65(m、1H)、7.57-7.54(m、2H)、7.50-7.48(m、1H).
ESI-MS:257.1(M+1)
(実施例6)
実施例5と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、2-ピリジンカルボキシアルデヒドを用いて2-フェニル-1,10-フェナントロリンをHPLC純度82.3%で得た。
【0075】
(実施例7)
実施例5と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、o-アニスアルデヒドを用いて2-フェニル-1,10-フェナントロリンをHPLC純度86.5%で得た。
【0076】
(実施例8)
実施例5と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、ベンゾフェノンを用いて2-フェニル-1,10-フェナントロリンをHPLC純度87.0%で得た。
【0077】
(比較例2)
実施例5と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、アセトンを用いて反応したところ、2-フェニル-1,10-フェナントロリンのHPLC純度は9.6%であった。
【0078】
(比較例3)
実施例5と同様にして、ベンズアルデヒドの代わりに、p-ベンゾキノンを用いて反応したところ、2-フェニル-1,10-フェナントロリンのHPLC純度は70.0%であった。